説明

誘導加熱調理器

【課題】加熱コイルやダクトを取り除く事無く、基板を交換する。
【解決手段】本体2の上部にプレートを備え、本体2内には、プレートの下面に配置した右加熱コイルと左加熱コイル11bと、右加熱コイルと左加熱コイル11bへ冷却風を送風する送風ファンを内蔵し左加熱コイル11bへ冷却風を送風する開口部を有して右加熱コイル11bの下面に位置する基板ケースと、左加熱コイル11bの下方から前記冷却風を送風する開口穴群を有した左冷却ケースと、基板ケースと左冷却ケースとの間に配置した基板84と、基板ケースの開口部から左冷却ケースへと冷却風を通す風路に基板84の一部を収納して前記風路を構成する取外し可能なフウドウとを備え、基板84はプレートとフウドウとを外すことで基板84を上方から取外す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子基板の交換を容易にした誘導加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
誘導加熱調理器は、高周波電流を誘導加熱コイルに流して発生させた磁力線によって、鍋底に生じる渦電流によるジュール熱を利用して加熱調理を行うものである。
【0003】
このような誘導加熱調理器においては、付加価値を高めるために多くの電子部品が使われるようになり、基板を収納していた基板ケースに収まらなくなってきた。また、機能がら温度の高い位置に配置しなければならない場合が発生してきた。
【0004】
特許文献1に記載されたものは、右加熱コイルと左加熱コイルとの間と、左加熱コイルの下方及び前方でグリル加熱部の上に基板を配置して、その基板をダクト内に配置し基板(電子部品)を冷却するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−53075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基板に搭載されている電子部品等が故障した場合、前記基板を取り出して故障部の部品を交換する必要が発生する。しかし、上記した特許文献1に示した誘導加熱調理器は、基板の上部からダクトで覆い、該ダクトの上部に左右の加熱コイルが載置されているため、前記基板を交換するのに前記左右の加熱コイルを外した後に前記ダクトを取り除く必要があった。また、加熱コイルを外すには、加熱コイルに電力を供給する電源や、鍋などの温度を検出するための温度センサにつながる複数の配線に傷を付けないように作業を行う必要があった。
【0007】
そのため、大変作業性が悪いという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本体と、該本体の上部に調理鍋などの被加熱物を載置するプレートとを備え、前記本体内には、前記プレートの下面に設け前方両側に配置した右加熱コイルと左加熱コイルと、前記右加熱コイルと前記左加熱コイルへ冷却風を送風する送風ファンを内蔵し前記左加熱コイルへ冷却風を送風する開口部を有して前記右加熱コイルの下面に位置する基板ケースと、前記左加熱コイルの下方から前記冷却風を送風する開口穴群を有した左冷却ケースと、前記基板ケースと前記左冷却ケースとの間に配置した基板と、前記基板ケースの前記開口部から前記左冷却ケースへと冷却風を通す風路に前記基板の一部を収納して前記風路を構成する取外し可能なフウドウとを備え、前記基板は前記プレートと前記フウドウとを外すことで前記基板を上方から取外すことができるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、加熱コイルやダクトを取り除く事無く、基板を交換することが可能となり作業性が大変良い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】一実施例に係る誘導加熱調理器(操作部は開成状態)をキッチンキャビネットに収納した状態の斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図(操作部は閉成状態)である。
【図3】一実施例に係る誘導加熱調理器の操作部ケースに操作部を閉成した時の斜視図である。
【図4】同誘導加熱調理器の本体の空間通路の説明図である。
【図5】同誘導加熱調理器をプレート部と上面操作部を外した状態の上面説明図である。
【図6】同誘導加熱調理器をプレート部と加熱コイルを外した状態の上面説明図である。
【図7】同誘導加熱調理器の基板ケースの説明図である。
【図8】同誘導加熱調理器の仕切り板に載置する冷却ケースの説明図である。
【図9】同誘導加熱調理器の冷却ケースの説明図である。
【図10】同誘導加熱調理器の仕切り板に載置する左冷却ケースの説明図である。
【図11】同誘導加熱調理器のA基板を交換時のフウドウを外した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図1から図11に従って説明する。
【0012】
図1、図2において、加熱調理器の本体2は、キッチンキャビネット1の上面から落とし込んで設置され、設置後はオーブン(ロースター)4と操作部5と電源スイッチ19がキッチンキャビネット1の前面部から操作できるようになっている。
【0013】
キッチンでは、キッチンキャビネット1に嵌め込んだ本体2の後側の上方には換気装置200が設けられている。換気装置200は、調理を行う時に動作させて水分を含む湯気や油煙などを室外へ排気して換気する。
【0014】
調理を行う際の被加熱物である調理鍋100は、本体2の上面に配置され耐熱ガラス等からなるプレート3上に載置され、プレート3の周囲端面は、プレート枠20によって保護されて被加熱物を載置するプレート部51を成している。
【0015】
プレート3には載置部6が描かれており、該載置部6に調理鍋を載置することにより調理可能となる。載置部6は、プレート3の上面手前の右に載置部右6a、左に載置部左6bが配置され、これら両載置部6a、6b間の奥(中央後部)に載置部中央6cが配置されている。そして、プレート3の各載置部6の下部に位置し本体2内の上部に配置して、調理鍋100を加熱するための加熱手段である加熱コイル11が設置されている。
【0016】
プレート部51を外した図5に示すように、前部側加熱コイル11dは、右加熱コイル11aと左加熱コイル11bで、載置部右6aには右加熱コイル11a、載置部左6bには左加熱コイル11bを対応して配置する。載置部中央6cには中央加熱コイル11cを対応して配置する。
【0017】
右加熱コイル11a、左加熱コイル11bは各3kW、中央加熱コイル11cは2kWの誘導加熱の出力である。鉄、ステンレスだけでなく非磁性金属の調理鍋100も誘導加熱するものでも良い。
【0018】
再び図1、図2において、また、プレート3の前面側には、上面操作部9とその奥側に位置する上面表示部10が設けられている。上面操作部9は、主に加熱コイル11の火力や加熱時間の設定を行い、上面表示部10に前記上面操作部9にて設定された情報の表示を行う。
【0019】
本体2の前面左側に配置された、オーブン4は、魚や肉、ピザ等の被加熱物を焼くためのもので、開口部はドア4aで塞がれる。なお、本実施例ではオーブン4を本体2の前面左側に設けたが、前面右側に設ける構成としても良い。また、オーブンは、呼び名としてロースター、グリルと呼ぶこともある。
【0020】
オーブン4の隣側には、前面パネル18と電源スイッチ19とその下方に主にオーブン4の調理条件を設定する操作部5が設けられている。
【0021】
17は操作部ケースで、操作部5を閉成した時に、操作部5を収納できるように本体2の前面内側に設けている。操作部5は所謂カンガルーポケット式収納の操作部5である。
【0022】
図1は操作部5を開成した状態を示し、図2は操作部5を閉成した状態を示す。5aは操作面で、被加熱物を調理する火力や加熱時間、メニューの選択など調理条件の設定と表示をして、操作部5を開成した時に使用者から操作しやすい上面部に設けている。5bは操作部前面パネルで、操作部5を閉成した時に前面パネル18と同一面になるので、意匠的に前面パネル18と共に配慮されている。
【0023】
制御回路150は、加熱コイル11に電源を供給するインバータ基板15や、加熱コイル11に供給する電源やオーブン4の加熱を制御する制御基板13である。
【0024】
16は放熱フィンで、発熱する電子部品に取り付け、後述の送風ファン12から送風された風によって効率よく熱交換するためのものである。
【0025】
14は基板ケースで、制御基板13とインバータ基板15を覆い、後述の送風ファン12から送風される風を効率よく制御基板13とインバータ基板15に送るためのものである。
【0026】
13は制御基板で、設定された調理条件(火力や加熱時間)に応じて加熱コイル11に供給する電源や後述するオーブン4の加熱部(図示無し)を制御するものである。
【0027】
本体2の内部には、発熱部品である加熱コイル11や、制御回路150の電子部品を冷却するため、後述の吸気口7より吸い込んだ空気を本体2内に送風する冷却手段である送風ファン12を制御回路150より後方に配置して設けている。本実施例では送風ファン12は本体2の右後部に配置している。
【0028】
送風ファン12の吸込部12aは、後述する基板ケース14の後方側で本体2の後方側に設けた後方空間50に設けられている。
【0029】
後方空間50は、この空間を構成している本体2の背面部2bには外気を吸引するために開口されている後吸気口7aと、後述する空間通路90を経て本体2前側に設けられている後述する前吸気口7bと、送風ファン12の吹出し部12bとが空間で結ばれ、他は略密閉空間を構成している。
【0030】
そのため、送風ファン12が動作すると、送風ファン12の吸込部12aから後方空間50内の空気を吸引して吹出し部12bから排出して基板ケース14に送風される。そして後方空間50内の空気が基板ケース14に送風されると、後方空間50の内部は負圧になり、後方空間50と連通する後吸気口7aと前吸気口7bから外気を吸引する。基板ケース14内の制御回路150に搭載されている電子部品を冷却する。
【0031】
7は外気を本体2内に吸い込む吸気口で、本体2の背面部2bの右側に、送風ファン12の駆動によって外気を吸引する一方の吸気口7である後吸気口7aが設けられている。後吸気口7aは背面部2bの垂直部2b1と傾斜部2b2に渡ってパンチング穴により細かい通気穴を設け、送風ファン12の吸込部12aより後方に接近して設けられている。後吸気口7aからは、キッチンキャビネット1内部の空気を吸気する。
【0032】
更に、他方の吸気口7が本体2前側の操作部ケース17に設けられている前吸気口7bである。
【0033】
次に図3を用いて前吸気口7bについて説明する。
【0034】
図3は、操作部ケース17に操作部5を閉成した状態の斜視図である。
【0035】
操作部ケース17のヒンジ部31の奥側に、横に間口が広く下向きに開口し複数の桟7cを有した前吸気口7bが設けられている。
【0036】
複数の桟7cは、紙屑など大きなゴミや割り箸など異物を差し込んだり、指が入ることを防止する。更に、キッチンキャビネット1の前面から見て操作部ケース17の前吸気口7bに吸気によって付着する埃を確認でき、掃除できるものである。
【0037】
操作部5の前面下端5b1と操作部ケース17の前面下端17bにヒンジ部31を設けるので、操作部5を開いても操作部前面パネル5bがヒンジ部31より下側に垂れないので、前吸気口7bは、吸気する面積が減らずに吸気が確保できる。
【0038】
前吸気口7bからの経路について説明する。操作部ケース14の後方の基板ケース14を切断して本体2の前側から見た断面を示した図4において、基板ケース14の底面14aと本体2の底面2aと、基板ケース14の底面14a外側と本体2の底面2aとの間に空間を設けるために2個の仕切り板14bを隔てて設けた空間通路90が構成されている。この空間通路90は、前吸気口7bから吸引した空気を後方空間50に導く風路である。空間通路90の断面積を広くして抵抗を少なくするために、補強ビード2a1は、幅方向でなく奥行き方向に伸びる形状として外側に凸形状となるように限定して設けている。
【0039】
空間通路90が設けられた位置は、本体2の中で1番温度上昇の少ない箇所であり、本体2前から吸引した冷却用の空気の温度を無駄に加温されること無く後方空間50まで導くことが可能である。
【0040】
また、冷却風を基板ケース14の底面14aに沿って流すことで、基板ケース14内の温度上昇を和らげる働きもある。
【0041】
空間風路90は、基板ケース14の底面14aと、基板ケース14の底面14aに設けられた仕切り板14bと本体2の底面2aに囲まれて構成することで、空気通路90を流れる空気が本体2内へ直接に洩れないようにしている。
【0042】
そのため、前吸気口7bから吸気した空気は、操作部5の周囲を常時通過することなく空間通路90へ流れるため、操作部5が汚れないで保てる。
【0043】
再び図1、図2によって説明する。8は送風ファン12により送風した空気を本体2内から排出する排気口である。
【0044】
本体2の制御回路150より上方後方で、プレート3の後方のプレート枠20上面には、右側の排気口8aと左側の排気口8bが設けられている。発熱部品である加熱コイル11や制御回路150の電子部品を冷却した後の廃熱は、本体2に設けられたプレート3の後方のプレート枠20の排気口8から上方へ排出する。左側の排気口8bからはオーブン4の廃熱も排出される。排気口8の上部には、異物侵入を防止するための排気カバー55が着脱可能に載置される。
【0045】
ここで基板ケース14からの風の流れる経路について、本体2組立時に内側となる基板ケース14の左側から見た図7において説明する。前記したように基板ケース14の後部の送風ファン収容部14wには送風ファン12を備え、基板ケース14の内部には送風ファン収容部14wの前側に送風ファン12の吹出し部12bが位置する。そして基板ケース14の側面14cに送風ファン12の吹出し部12bの直ぐ前の位置に開口する吹出口14sを設けている。
【0046】
吹出口14sは側面14cの一部を切り欠いた形状で、上面14yの端部に設けたリード線通し穴14zと繋がっている。リードセン通し穴14zには、基板ケース14の内部の制御回路150から、上面14yの右加熱コイル11aへ複数のリード線が通っている。
【0047】
吹出口14sは後述の中央加熱コイル11c(図5)の下に配置し、中央加熱コイル11c(図5)への送風路となる後述の冷却ケース60(図8)の下方に吹出口14sに対向させて設ける受取口60a(図8)に正対させている。
【0048】
吹出口14sからは、送風ファン12の吹出し部12bを出て直ぐの空気が主に横方向に吹き出る冷却風Dとなる。端部で繋がっているリード線通し穴14zには基板ケース14の内側から外側へリード線が壁状に塞いでいるため、リード線通し穴14zの上方へ風はほとんど逃げない。
【0049】
送風ファン12の吹出し部12bの直ぐ前に設けた基板ケース14の吹出口14sから放出する空気の温度は、送風ファン12の吸込部12a周囲の後方空間50及び前吸気口7bから吸い込む室内空気と略同じ温度の空気である。
【0050】
また、側面14cの前側には、制御回路150を冷却した風を後述の左冷却ケース80へ送風する開口部14vを備える。
【0051】
次にプレート部51と加熱コイル11を外した状態を示す図6において説明する。本体2の右側に基板ケース14を配置し、左側はオーブン4でオーブン4は、断熱と構造部品を支える目的の仕切り板70で上側と右側が囲まれている。その仕切り板70上の手前に左冷却ケース80を備える。また左冷却ケース80の奥側には冷却ケース60を備える。
【0052】
前記した基板ケース14の吹出口14sと関連する本体2奥側の冷却ケース60について、左冷却ケース80を外した冷却ケース60の図8を用いて説明する。
【0053】
冷却ケース60は、仕切り板70と基板ホルダB72に載置するコイル基板73の上に設け、冷却ケース60の上には中央加熱コイル11cを載置して穴60bから冷却風を放出して中央加熱コイル11cを冷却する。
【0054】
冷却ケース60の前側に設けた開口部60cには前記した左冷却ケース80からの風が流入してコイル基板73を冷却する。
【0055】
冷却ケース60の右側で下方に設けて開口する受取口60aは本体2の右側に配置する基板ケース14の吹出口14sに対向させて設けている。そして、基板ケース14の吹出口14sから放出された冷却風Dを受取口60aで受け取り、流入した冷却風Dを奥側と上方へ案内する案内壁60f(図9)と前方からの流れに衝突させて上方へ案内する案内壁60eによって上方へ案内して、穴60bから放出して、冷却ケース60上の中央加熱コイル11cを冷却する。
【0056】
図6において、基板ケース14の上には右加熱コイル11aを載置して、開口穴群14uから冷却風を放出して右加熱コイル11aを冷却する。
【0057】
そして内蔵する制御回路150に搭載されている電子部品を冷却した冷却風が図7に示す基板ケース14の側面14cの開口部14vから放出される。その冷却風が左冷却ケース80に流入し、左冷却ケース80の上に載置する左加熱コイル11bを開口穴群80aから冷却風を放出して左加熱コイル11bを冷却する。開口穴群80aは後述の穴群81b(図10)と異形穴81d(図10)により構成する。
【0058】
図10は、左冷却ケース80の冷却風の流入部を示す構成図で、左加熱コイル11bと図6に示す上面操作部9と上面表示部10を支える操作ケース91を外している。左冷却ケース80は、左加熱コイル11bの真下に設けたコイル下ダクト81と手前側の略L型のフウドウ82で成る。手前側の略L型のフウドウ82の下にはキバンホルダ83に載置して上面操作部9と上面表示部10と接続するA基板84を備える。A基板84は、フウドウ82を取外すと取外せる。
【0059】
フウドウ82とA基板84で開口部82aを成し開口部82aから流れる冷却風はA基板84を冷却した後、コイル下ダクト81上面の周状に配列する穴群81bへと流れ、噴流となって左加熱コイル11bの下側を冷却する。
【0060】
また略コの字型に成形されたコイル下ダクト81の開口側端部と仕切り板70で開口部81cを成し開口部81cから流れる冷却風は、大半は左冷却ケース80上面の異型穴81dへと流れ、左加熱コイル11bの中央部と上面部を冷却し、一部が奥に隣接する冷却ケース60に流れる。
【0061】
前記した開口部82aと開口部81cは、図7に示す基板ケース14の側面14cの開口部14vに対向して配置して、基板ケース14から冷却風が流れ込む。
【0062】
本実施例は、以上の構成からなり、次にその動作について説明する。
【0063】
調理をするときには、換気装置200を駆動して排気をする。
【0064】
プレート3の載置部中央6cに調理鍋100を載置して、中央加熱コイル11cで誘導加熱する場合は、電源スイッチ19で電源を入れ、上面表示部10で表示を確認しながら上面操作部9で操作して、温度や火力を設定して、加熱の開始を操作する。
【0065】
加熱を始めると、制御回路150で中央加熱コイル11cが制御されて、調理鍋100を加熱する。また、送風ファン12が回転して後吸気口7aと前吸気口7bから冷却用の空気を吸気する。
【0066】
前吸気口7bより吸気した空気は、基板ケース14の下に設けられた空間通路90を通過する時に、元々温度上昇の低い基板ケース14の底面14aを冷却し、基板ケース14に収納されている制御回路150の電子部品の温度上昇を緩和する。
【0067】
また、後吸気口7aから吸引するキッチンキャビネット1内の空気は、長時間誘導加熱調理器を使用することで多少温度上昇してしまう。しかし、送風ファン12の吸込部12a近傍で前吸気口7bより吸気した温度上昇の少ない空気と混合することで温度が低下し、キッチンキャビネット1内に留まっていたときの空気の温度より低い空気が送風ファン12によって基板ケース14内に送風される。
【0068】
基板ケース14の吹出口14sから放出された冷却風Dを受取口60aで受け取り、流入した冷却風Dを奥側と上方へ案内する案内壁60fと前方からの流れに衝突させて上方へ案内する案内壁60eによって上方へ案内して、穴60bから放出して、冷却ケース60上の中央加熱コイル11cを冷却する。中央加熱コイル11cの下面、上面を冷却した風は、排気口8へ流れる。
【0069】
同時に、送風ファン12によって基板ケース14内に送風されて、制御回路150に搭載する電子部品を冷却する。
【0070】
そして、電子部品を冷却した風は、基板ケース14上面14yの開口穴群14uから右加熱コイル11aに流れる。また他方は開口部14vに対向して配置した左冷却ケース80に流れる。右加熱コイル11aの下面、上面を冷却した風は、排気口8へ流れる。
【0071】
そして、開口部14vから左冷却ケース80のフウドウ81を通ってA基板84を冷却し、コイル下ダクト81に流れ、穴群81bから噴出して左加熱コイル11bを冷却する。また開口部14vから直接コイル下ダクト81に流れた風は異形穴81dから放出して左加熱コイル11bを冷却する。左加熱コイル11bの下面、上面を冷却した風は、排気口8へ流れる。
【0072】
またコイル下ダクト81に流れた一部の風は、冷却ケース60に流れてコイル基板73を冷却し、排気口8へ流れる。
【0073】
そして、電子部品、加熱コイルを冷却した空気は、排気口8から排気される。
【0074】
排気は、換気装置200までスムーズに排気され換気装置200で換気される。この場合は、一般に操作部5は閉成状態で使用されている。オーブン4を使用する場合一般に操作部5は開成状態で使用されている。
【0075】
次に、A基板84の交換手順の動作について説明する。
【0076】
本体2に電源を供給する電源プラグ(図示無し)をコンセントから抜く。キッチンキャビネット1に落とし込んでいる本体2をキッチンキャビネット1のカウンターの穴から引き上げる。本体2に固定しているプレート部51を外す。プレート部51の上面操作部9、上面表示部10の基板を支える操作ケース91を外すことで図5のようにA基板84が現れる。
【0077】
そこで、フウドウ82を固定するネジ82cを外し、コイル下ダクト81との係合部82bを外すとコイル下ダクト81に載置する載置部82dが外れてL型のフウドウ82が上方に外れる。このときに、フウドウ82の開口部82aと係合している基板ケース14の開口部14vからも外れるので作業し易い。
【0078】
そして、図11に示す状態となるので、本体2からA基板84を容易に取外して交換することができる。
【0079】
以上本実施例によれば、加熱コイルやダクトを取り除く事無く、基板を交換することが可能となり作業性が大変良い。
【符号の説明】
【0080】
1 キッチンキャビネット
2 本体
2a、14a 底面
2b 背面部
3 プレート
5 操作部
5a 操作面
5b1、17a 前面下端
7 吸気口
7a 後吸気口
7b 前吸気口
8 排気口
11 加熱コイル
11c 中央加熱コイル
11d 前部側加熱コイル
12 送風ファン
12a 吸込部
12b 吹出し部
14 基板ケース
14b、70 仕切り板
14c 側面
14s 吹出口
17 操作部ケース
20 プレート枠
26 ヒンジ
31 ヒンジ部
50 後方空間
51 プレート部
60 冷却ケース
60a 受取口
82 フウドウ
82a 開口部
82b 係合部
82c ネジ
82d 載置部
90 空間通路
91 操作ケース
100 調理鍋
150 制御回路
200 換気装置
D 冷却風
G スキマ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、該本体の上部に調理鍋などの被加熱物を載置するプレートとを備え、前記本体内には、前記プレートの下面に設け前方両側に配置した右加熱コイルと左加熱コイルと、前記右加熱コイルと前記左加熱コイルへ冷却風を送風する送風ファンを内蔵し前記左加熱コイルへ冷却風を送風する開口部を有して前記右加熱コイルの下面に位置する基板ケースと、前記左加熱コイルの下方から前記冷却風を送風する開口穴群を有した左冷却ケースと、前記基板ケースと前記左冷却ケースとの間に配置した基板と、前記基板ケースの前記開口部から前記左冷却ケースへと冷却風を通す風路に前記基板の一部を収納して前記風路を構成する取外し可能なフウドウとを備え、前記基板は前記プレートと前記フウドウとを外すことで前記基板を上方から取外すことができることを特徴とする誘導加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−97934(P2013−97934A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238153(P2011−238153)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】