説明

貯湯システム、暖房システム及び給湯システム

【課題】貯湯タンクの低温層領域における貯湯温度が現温度以上に上昇することを防止できると共に、ヒートポンプシステムのCOPを向上でき、電気料金を低減可能な貯湯システム、暖房システム及び給湯システムを提供する。
【解決手段】貯湯システムは、温水を貯える貯湯タンクと、貯湯タンクから低温側配管を介して供給された温水を加熱するヒートポンプシステムと、ヒートポンプシステムで加熱された温水を高温側配管を介して貯湯タンク内の高温層領域及び低温層領域のいずれかに戻す流路切換機構52と、第1切換温度を記憶する第1記憶手段72と、貯湯タンク内の温水に関する設定温度を設定する温度設定手段61とを備え、流路切換機構52は、設定温度に基づく第1基準温度が第1切換温度より高い場合にはヒートポンプシステムで加熱された温水を高温層領域に戻し、第1基準温度が第1切換温度以下の場合にはヒートポンプシステムで加熱された温水を低温層領域に戻す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水を貯える貯湯タンクに配管を介して所定の温度に加熱された温水を供給する貯湯システム、暖房システム及び給湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の貯湯式給湯装置は、ヒートポンプシステムによって加熱された温水を、三方弁の切換制御によって低温層領域及び高温層領域のいずれかに戻す貯湯タンクを有している。このような給湯装置は、ヒートポンプシステムの出湯口近傍にヒートポンプシステムから貯湯タンクへの出湯温度Xを検知する出湯温度センサと、低温層領域に貯えられた温水の貯湯温度Yを検知する貯湯温度センサを備え、ヒートポンプシステムから貯湯タンクに供給する温水を貯湯タンクの高温層領域に戻すか低温層領域に戻すか選択可能な構成となっている。具体的には、出湯温度Xが第1所定温度よりも高い場合及び出湯温度Xが第1所定温度以下であり且つ貯湯温度Yが第2所定温度よりも高い場合に、温水は高温層領域に戻され、出湯温度Xが第1所定温度以下であり且つ貯湯温度Yが第2所定温度以下の場合に、温水は低温層領域に戻される(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第4069908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の給湯装置では、貯湯温度Yが第2所定温度よりも高くなった段階で、ヒートポンプシステムで加熱された温水が貯湯タンク内の高温層領域に戻され、貯湯温度Yが第2所定温度に達する前段階では、ヒートポンプシステムで加熱された温水は貯湯タンク内の低温層領域に戻される。したがって、低温層領域の現温度より高く、且つ、第2所定温度より低い温度に加熱された温水が低温層領域に戻されることになり、低温層領域における貯湯温度Yが現温度以上に上昇することを防止できない。この結果、ヒートポンプシステムのCOPが低下し、電気料金を低減できないという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、貯湯タンクの低温層領域における貯湯温度が現温度以上に上昇することを防止できると共に、ヒートポンプシステムのCOPを向上でき、電気料金を低減可能な貯湯システム、暖房システム及び給湯システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明に係る貯湯システムは、温水を貯える貯湯タンクと、貯湯タンクから低温側配管を介して供給された温水を加熱するヒートポンプシステムと、ヒートポンプシステムで加熱された温水を高温側配管を介して貯湯タンク内の高温層領域及び低温層領域のいずれかに戻す流路切換機構と、第1切換温度を記憶する第1記憶手段と、貯湯タンク内の温水に関する設定温度を設定する温度設定手段とを備え、流路切換機構は、設定温度に基づく第1基準温度が第1切換温度より高い場合には前記ヒートポンプシステムで加熱された温水を高温層領域に戻し、第1基準温度が第1切換温度以下の場合にはヒートポンプシステムで加熱された温水を低温層領域に戻す。
【0006】
この貯湯システムでは、第1基準温度が第1切換温度より高いと判断された段階で、ヒートポンプシステムで加熱された温水を高温層領域に戻すことができる。つまり、従来のように、高温側配管に設けられた温度センサによって実測された温度が所定温度よりも高いと判断された後の段階ではなく、実測された温度が所定温度よりも高いと判断される前の段階で、ヒートポンプシステムで加熱された温水を高温層領域に戻すことができる。したがって、貯湯タンクの低温層領域に貯えられた温水が現温度以上に上昇することを防止できる。この結果、従来に比してヒートポンプシステムのCOPを向上でき、電気料金を低減できる。
【0007】
第2の発明に係る貯湯システムは、第1の発明に係る貯湯システムにおいて、高温側配管に設けられた高温側温度センサと、第2切換温度を記憶する第2記憶手段とを備え、流路切換機構は、第1基準温度が第1切換温度より高い場合及び第1基準温度が第1切換温度以下であり且つ高温側温度センサにより検知された温度が第2切換温度より高い場合にはヒートポンプシステムで加熱された温水を高温層領域に戻し、第1基準温度が第1切換温度以下であり且つ高温側温度センサにより検知された温度が第2切換温度以下の場合にはヒートポンプシステムで加熱された温水を低温層領域に戻す。
【0008】
この貯湯システムでは、ヒートポンプシステムから貯湯タンク内の低温層領域に供給される温水の温度を第2切換温度以下に保つことができる。したがって、貯湯タンクの低温層領域に貯えられた温水が第2切換温度以上に上昇する場合に比べてヒートポンプシステムのCOPを向上できる。
【0009】
第3の発明に係る貯湯システムは、第1または2の発明に係る貯湯システムにおいて、第2記憶手段に記憶された第2切換温度を変更する切換温度変更手段を備える。
【0010】
この貯湯システムでは、ヒートポンプシステムで加熱された温水を貯湯タンクの高温層領域に戻すか否かの判断に用いる第2切換温度を運転状況に応じて変更できる。したがって、ヒートポンプシステムから貯湯タンク内の高温層領域に供給される温水の温度を貯湯システムの運転状況に応じて柔軟に変更することができる。したがって、貯湯タンク内の湯の温度積層状態を良好に維持でき、ユーザにとって使い勝手の良い貯湯システムを構築できる。
【0011】
第4の発明に係る貯湯システムは、第1〜3の発明のいずれかに係る貯湯システムにおいて、ヒートポンプシステムは、圧縮機を含む熱源回路を有し、外気温度を検出する外気温度センサと、外気温度センサで検出された外気温度に基づいて設定された圧縮機を強制停止させる停止温度に基づいて第1記憶手段に記憶された第1切換温度を変更する変更手段を備える。
【0012】
この貯湯システムでは、第1基準温度が停止温度に基づいて変更された第1切換温度より高い場合、つまり、第1基準温度が圧縮機の停止温度と近い場合には、ヒートポンプシステムの運転を開始したとしても、圧縮機がすぐに強制停止し、ヒートポンプシステムで加熱された温水の温度が十分に上昇しないと考えられる。この強制停止には、例えば、熱源回路内における凝縮圧力が高圧になることで圧縮機を停止させる場合が含まれる。したがって、ヒートポンプシステムで加熱された温水の温度が第2切換温度以上に上昇せず、高温側配管に設けられた高温側温度センサで検知された温度と第2切換温度との比較のみによっては、ヒートポンプシステムで加熱された温水を貯湯タンクの高温層領域に戻すことができないケースが想定される。本発明の構成によれば、第1基準温度が第1切換温度より高いと判断された段階で迅速に、ヒートポンプシステムで加熱された温水を貯湯タンクの高温層領域に戻すことができる。
【0013】
一方、第1基準温度が第1切換温度以下の場合、具体的には、第1基準温度が圧縮機の停止温度と近くない場合には、圧縮機が強制停止することはない。したがって、ヒートポンプシステムで加熱された温水の温度は十分に上昇し、高温側配管に設けられた温度センサで検知された温度と第2切換温度との比較によって、ヒートポンプシステムで加熱された温水を貯湯タンクの高温層領域に戻すことができる。また、ヒートポンプシステムで加熱された温水の温度が十分に上昇していない状態で貯湯タンクの高温層領域に戻すことを防止できるため、貯湯タンクの高温層領域における温水温度の低下を抑制できる。
【0014】
第5の発明に係る貯湯システムは、第1〜4の発明のいずれかに係る貯湯システムと、貯湯タンクに貯えられた温水を貯湯タンクと暖房端末との間で循環させる循環回路とを備え、温度設定手段は、暖房端末へ供給される温水の供給温度、または、暖房端末から貯湯タンクに向かう温水の戻り温度として設定温度を設定する。
【0015】
この貯湯システムでは、供給温度や戻り温度に応じて設定温度を設定できる。したがって、低温層領域の温水が所定温度(例えば、圧縮機の強制停止温度)以上に上昇する前に、ヒートポンプシステムで加熱された温水の出湯先を貯湯タンクの高温層領域へ迅速に切り換えることができる。
【0016】
第6の発明に係る貯湯システムは、第1〜4の発明のいずれかに係る貯湯システムと、貯湯タンク内に配置され、給湯水が内部を流れる熱交換器とを備え、温度設定手段は、設定温度として熱交換器から給湯端末へ供給される温水の出湯温度を設定する。
【0017】
この貯湯システムでは、外部から入力される出湯温度に応じて設定温度を設定できる。したがって、低温層領域の温水が所定温度(例えば、圧縮機の強制停止温度)以上に上昇する前に、ヒートポンプシステムで加熱された温水の出湯先を貯湯タンクの高温層領域へ迅速に切り換えることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0019】
第1の発明では、貯湯タンク内の温水に関する設定温度が第1切換温度より高いと判断された段階で、ヒートポンプシステムで加熱された温水を高温層領域に戻すことができる。つまり、従来のように、高温側配管に設けられた温度センサによって実測された温度が所定温度よりも高いと判断された後の段階ではなく、実測された温度が所定温度よりも高いと判断される前の段階で、ヒートポンプシステムで加熱された温水を高温層領域に戻すことができる。したがって、貯湯タンクの低温層領域に貯えられた温水が現温度以上に上昇することを防止できる。この結果、従来に比してヒートポンプシステムのCOPを向上でき、電気料金を低減できる。
【0020】
また、第2の発明では、ヒートポンプシステムから貯湯タンク内の低温層領域に供給される温水の温度を第2切換温度以下に保つことができる。したがって、貯湯タンクの低温層領域に貯えられた温水が第2切換温度以上に上昇する場合に比べてヒートポンプシステムのCOPを向上できる。
【0021】
また、第3の発明では、ヒートポンプシステムで加熱された温水を貯湯タンクの高温層領域に戻すか否かの判断に用いる第2切換温度を運転状況に応じて変更できる。したがって、ヒートポンプシステムから貯湯タンク内の高温層領域に供給される温水の温度を貯湯システムの運転状況に応じて柔軟に下げることができる。このため、ヒートポンプシステムのCOPを向上でき、電気料金を低減できる。
【0022】
また、第4の発明では、この貯湯システムでは、第1基準温度が停止温度に基づいて変更された第1切換温度より高い場合、つまり、第1基準温度が圧縮機の停止温度と近い場合には、ヒートポンプシステムの運転を開始したとしても、圧縮機がすぐに強制停止し、ヒートポンプシステムで加熱された温水の温度が十分に上昇しないと考えられる。この強制停止には、例えば、熱源回路内における凝縮圧力が高圧になることで圧縮機を停止させる場合が含まれる。したがって、ヒートポンプシステムで加熱された温水の温度が第2切換温度以上に上昇せず、高温側配管に設けられた高温側温度センサで検知された温度と第2切換温度との比較のみによっては、ヒートポンプシステムで加熱された温水を貯湯タンクの高温層領域に戻すことができないケースが想定される。本発明の構成によれば、第1基準温度が第1切換温度より高いと判断された段階で迅速に、ヒートポンプシステムで加熱された温水を貯湯タンクの高温層領域に戻すことができる。
【0023】
一方、第1基準温度が第1切換温度以下の場合、具体的には、第1基準温度が圧縮機の停止温度と近くない場合には、圧縮機が強制停止することはない。したがって、ヒートポンプシステムで加熱された温水の温度は十分に上昇し、高温側配管に設けられた温度センサで検知された温度と第2切換温度との比較によって、ヒートポンプシステムで加熱された温水を貯湯タンクの高温層領域に戻すことができる。また、ヒートポンプシステムで加熱された温水の温度が十分に上昇していない状態で貯湯タンクの高温層領域に戻すことを防止できるため、貯湯タンクの高温層領域における温水温度の低下を抑制できる。
【0024】
また、第5の発明では、供給温度や戻り温度に応じて設定温度を設定できる。したがって、低温層領域の温水が所定温度(例えば、圧縮機の強制停止温度)以上に上昇する前に、ヒートポンプシステムで加熱された温水の出湯先を貯湯タンクの高温層領域へ迅速に切り換えることができる。
【0025】
また、第6の発明では、外部から入力される出湯温度に応じて設定温度を設定できる。したがって、低温層領域の温水が所定温度(例えば、圧縮機の強制停止温度)以上に上昇する前に、ヒートポンプシステムで加熱された温水の出湯先を貯湯タンクの高温層領域へ迅速に切り換えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の貯湯システム、暖房システム及び給湯システムを図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る暖房給湯システムの構成を示す模式図である。
【0028】
暖房給湯システム100は、ヒートポンプユニット101(ヒートポンプシステム)及び室内ユニット102を有している。ヒートポンプユニット101は、CO冷媒が循環する冷媒回路16、電動送風機17、外気温度センサ18、室内ユニット102との間で温水を循環させるための往き配管20(高温側配管)及び戻り配管21(低温側配管)を有している。この往き配管20には、凝縮器13と貯湯タンク2との間を接続する全ての配管が含まれる。これと同様に、戻り配管21にも、凝縮器13と貯湯タンク2との間を接続する全ての配管が含まれる。
【0029】
冷媒回路16は、蒸発器11、圧縮機12、凝縮器13及び膨張弁15を有している。CO冷媒は、蒸発器11において、電動送風機17から送られた空気中の熱を吸収してガス化する。そして、CO冷媒は、圧縮機12で圧縮されて高温となった後、凝縮器13に到達して熱を放出する。これにより、CO冷媒は、凝縮器13に入る前に比べて低温となって膨張弁15を経て蒸発器11に戻る。
【0030】
外気温度センサ18は、外気温度を検知するために設けられる。外気温度センサ18の出力は、有線又は無線を介して後述する制御部60に入力される。出湯温度センサ19は、凝縮器13と沸き上げ用三方弁52(流路切換機構)とを接続する往き配管20において沸き上げ用三方弁52より凝縮器13に近い位置に設けられ、ヒートポンプユニット101の出湯温度を検知する。そして、出湯温度センサ19の出力は、有線又は無線を介して後述する制御部60に入力される。
【0031】
室内ユニット102は、ヒートポンプユニット101で加熱された温水を貯える貯湯タンク2、給湯用熱交換器3(熱交換器)、複数の暖房端末8との間で温水を循環させる暖房用循環回路4(循環回路)、沸き上げ用循環回路5、制御部60、リモコン61(温度設定手段)及び入湯温度センサ62(高温側温度センサ)を有している。
【0032】
貯湯タンク2は、上下方向の略中央部に配置されたヒータ6を有している。このヒータ6は、貯湯タンク2内の温水を直接加熱するために設けられる。貯湯タンク2内の温水は、上側に高温の温水、下側に比較的低温の温水が位置するように湯層が形成されている。また、貯湯タンク2には、貯湯タンク2内の各高さ位置における温水の温度を検知するためのタンク温度センサ63、タンク温度センサ64、タンク温度センサ65及びタンク温度センサ66が設けられている。
【0033】
タンク温度センサ63及びタンク温度センサ64は、貯湯タンク2内の下部領域(低温層領域)における温水の温度を検知するために、後述する第1暖房往き接続口41よりも下方に配置されている。タンク温度センサ64は、タンク温度センサ63の上方に設けられている。一方、タンク温度センサ65及びタンク温度センサ66は、貯湯タンク2内の上部領域(高温層領域)における温水の温度を検知するために、第1暖房往き接続口41よりも上方に配置されている。タンク温度センサ66は、タンク温度センサ65の上方に設けられている。そして、これらタンク温度センサ63、64、65、66の各出力T、T、T、Tは、有線又は無線を介して制御部60に入力される。
【0034】
給湯用熱交換器3は熱交換器の一例であり、コイル状のパイプから成って、貯湯タンク2内の下部領域から上部領域に渡ってヒータ6を跨ぐように配置されている。給湯水は給湯用熱交換器3内を流れることによって加熱され、給湯端末(図示せず)に供給される。より詳しくは、上記給湯水は、貯湯タンク2の下部から貯湯タンク2内に入って、貯湯タンク2内の下部領域に配置された給湯用熱交換器3を上方に向かって流れる。そして、上記給湯水は、貯湯タンク2内の上部領域に配置された給湯用熱交換器3を上方に向かって流れた後、貯湯タンク2の上部から貯湯タンク2外に出る。
【0035】
また、給湯水の温度を設定温度に調整するために、給湯用混合弁31を開いて、貯湯タンク2から出た給湯水と、貯湯タンク2に流入する前の給湯水とを混ぜ合わせる。これにより、上記貯湯タンク2から出た給湯水の温度を下げることができる。
【0036】
暖房用循環回路4は循環回路の一例であり、貯湯タンク2内に貯められた温水を貯湯タンク2外の複数の暖房端末8を経由させた後、再び、貯湯タンク2内に戻して循環させるためのものである。そして、暖房用循環回路4は、第1暖房往き接続口41、第2暖房往き接続口42及び暖房戻り接続口43に接続されている。
【0037】
第1暖房往き接続口41は、貯湯タンク2内の温水を取り出すためのものである。この第1暖房往き接続口41は、貯湯タンク2の上下方向の略中央部に設けられて、ヒータ6近傍かつ上方に位置している。これにより、ヒータ6で加熱された直後の温水を、第1暖房往き接続口41から取り出し、複数の暖房端末8に送ることができる。
【0038】
第2暖房往き接続口42も、第1暖房往き接続口41と同様に、貯湯タンク2内の温水を取り出すためのものである。この第2暖房往き接続口42は貯湯タンク2の上部に設けられている。これにより、貯湯タンク2内の上部領域の温水を、第2暖房往き接続口42から取り出し、複数の暖房端末8へ送ることができる。また、第2暖房往き接続口42は沸き上げ戻り接続口を兼用している。
【0039】
また、暖房用循環回路4には、バイパス配管44、暖房用混合弁45、往き温度センサ46、戻り温度センサ47、暖房用循環ポンプ48及び暖房用三方弁49が設けられている。
【0040】
バイパス配管44は、暖房端末8から暖房戻り接続口43へ流れる温水の一部を暖房用混合弁45へ案内する。暖房用混合弁45は、貯湯タンク2からの温水が流入する入口と、バイパス配管44からの温水が流入する入口とを有している。暖房用混合弁45の各入口の開度は制御部60によって調節される。
【0041】
往き温度センサ46は、貯湯タンク2から暖房端末8へ向かう温水の温度を往き温度として検出し、この往き温度を示す情報を制御部60に送る。戻り温度センサ47は、暖房端末8から貯湯タンク2へ向かう温水の温度を戻り温度として検出し、この戻り温度を示す情報を制御部60に送る。
【0042】
暖房用循環ポンプ48は、第2暖房往き接続口42または第1暖房往き接続口41を介して貯湯タンク2内の温水を吸い込み、複数の暖房端末8に向けて吐出する。暖房用三方弁49は、貯湯タンク2内の温水の高温領域が第1暖房往き接続口41近傍に存在している場合、第1暖房往き接続口41から温水を取り出す。
【0043】
沸き上げ用循環回路5は、沸き上げ用循環ポンプ51及び沸き上げ用三方弁52を有している。そして、沸き上げ用循環回路5は、第2暖房往き接続口42と、沸き上げ用の供給口53と、凍結防止水戻し接続口54とに接続されている。
【0044】
供給口53は貯湯タンク2の下部に設けられている。これにより、貯湯タンク2内の下部領域にある比較的低温の温水を、供給口53を介して沸き上げ用循環ポンプ51に供給することができる。沸き上げ用循環ポンプ51は、貯湯タンク2内の下部領域にある比較的低温の温水を吸い込み、この吸い込んだ比較的低温の温水を凝縮器13へ向けて吐出する。凝縮器13ではCO冷媒と温水とが熱交換されて、その温水が高温になる。この凝縮器13を出た高温の温水は沸き上げ用三方弁52へ向かう。
【0045】
沸き上げ用三方弁52は、給湯運転中及び暖房運転中、凝縮器13からの高温の温水を、第2暖房往き接続口42を介して貯湯タンク2内の上部領域に流す。したがって、第2暖房往き接続口42は、貯湯タンク2の供給口53から流出してヒートポンプユニット101の凝縮器13を出た後の温水が戻る接続口となっている。
【0046】
沸き上げ用三方弁52は、凍結防止運転中には、供給口53から沸き上げ用循環回路5を介して流れてきた温水を、凍結防止水戻し接続口54を介して貯湯タンク2内の下部領域に流す。なお、凍結防止運転は沸き上げ運転の停止中に行われる。
【0047】
暖房端末8は、貯湯タンク2から流れてきた温水の熱を直接取り出し、室内に放出する。そして、温水は、低温となり、暖房端末8を出て、暖房戻り接続口43へ向かって流れる。暖房戻り接続口43は貯湯タンク2の下部に設けられている。これにより、暖房戻り接続口43から出た温水を、貯湯タンク2内の下部領域の温水と混ぜることができる。
【0048】
リモコン61は、制御部60と有線又は無線で通信可能に接続される。このリモコン61は、ヒートポンプユニット101の運転開始指示や運転停止指示を受付可能であると共に、貯湯タンク2から暖房端末8へ供給される温水の供給温度や、給湯用熱交換器3から給湯端末へ供給される温水の出湯温度を設定可能であり、その出力は有線又は無線を介して制御部60に入力される。入湯温度センサ62は、凝縮器13と沸き上げ用三方弁52とを接続する往き配管20において凝縮器13より沸き上げ用三方弁52に近い位置に設けられ、室内ユニット102への入湯温度を検知する。そして、入湯温度センサ62の出力は、有線又は無線を介して制御部60に入力される。
【0049】
図2は、制御部60の構成を示すブロック図である。制御部60は、外気温度検知部70、第1切換温度変更部71(変更手段)、第1切換温度記憶部72(第1記憶手段)、タンク温度検知部73、第2切換温度変更部74(切換温度変更手段)、第2切換温度記憶部75(第2記憶手段)、入湯温度検知部76及び流路切換制御部77を有している。
【0050】
外気温度検知部70は、外気温度センサ18から外気温度Tを示す情報を受け取り、受け取った情報を第1切換温度変更部71に出力する。第1切換温度変更部71は、入湯温度検知部70から受け取った外気温度Tを示す情報に基づいて、停止温度T(図3参照)を求め、求めた停止温度Tから定数である三方弁強制オン温度Tを減じた温度(=停止温度T−三方弁強制オン温度T)を第1切換温度Aとして第1切換温度記憶部72に出力する。この停止温度Tは、外気温度Tに応じて変動する変数であり、圧縮機12を強制停止させるか否かの判定に用いる温度を示す。なお、この強制停止は、例えば、圧縮機12からの吐出圧力、凝縮器13の入口の圧力、凝縮器13内の圧力や凝縮器13の出口の圧力が高圧になることで圧縮機12を停止させることを意味する。
【0051】
第1切換温度記憶部72には、第1切換温度Aを示す情報が格納され、例えば電気的にデータの書き換えが可能なEEPROM やフラッシュメモリ等で構成される。なお、この第1切換温度記憶部72は、制御部60に搭載される電気的にデータの書き換えが可能なROM等で代用することも可能である。
【0052】
タンク温度検知部73は、タンク温度センサ66からタンク温度Tを示す情報を受け取り、受け取った情報を第2切換温度変更部74に出力する。第2切換温度変更部74は、タンク温度検知部73から受け取ったタンク温度Tを示す情報に基づいて、第2切換温度記憶部75に格納された第2切換温度Bを変更する。なお、このタンク温度Tは、例えば、貯湯タンク2内の上部領域で所望される温度を示し、暖房端末8への供給温度や、給湯端末への出湯温度によって決定される。
【0053】
第2切換温度記憶部75には、第2切換温度Bを示す情報が格納され、例えば電気的にデータの書き換えが可能なEEPROM やフラッシュメモリ等で構成される。なお、この第2切換温度記憶部75は、制御部60に搭載される電気的にデータの書き換えが可能なROM等で代用することも可能である。
【0054】
入湯温度検知部76は、入湯温度センサ62から入湯温度Tinを示す情報を受け取り、受け取った情報を流路切換制御部77に出力する。流路切換制御部77は、リモコン61または入湯温度検知部76から受け取った情報や、第1切換温度記憶部72または第2切換温度記憶部75に格納された第1切換温度Aや第2切換温度Bを示す情報に基づいて沸き上げ用三方弁52を制御する。
【0055】
図3は、外気温度Tと停止温度Tとの関係の一例を示す説明図である。図の横軸は、外気温度検知部70により検知された外気温度Tを、図の縦軸は、停止温度Tをそれぞれ示す。縦軸のTS1及びTS2は、停止温度Tの上限値及び下限値をそれぞれ示す。横軸のTO1及びTO2は、上限値TS1及び下限値TS2にそれぞれ対応する外気温度Tを示す。図に示すように、停止温度Tは、外気温度TがTO1からTO2へ上昇するのに伴い、上限値TS1から下限値TS2まで低下する。
【0056】
図4は、本実施形態の制御部60による沸き上げ用三方弁52の切換制御動作を示すフローチャートである。この例では、初期状態において、ヒートポンプユニット101は停止している。また、この初期状態で、沸き上げ用三方弁52は貯湯タンク2の低温側を向いており、沸き上げ用三方弁52の出湯先は貯湯タンク2内の下部領域で維持されている。また、第1切換温度記憶部72には、第1切換温度としてA℃が格納される。また、貯湯タンク2から暖房端末8に供給される温水の温度は、供給温度TSU(設定温度)に設定されると共に、判定温度T(第1基準温度)は、供給温度TSUに補正値αを加算することによって求められる。また、この補正値αは、−15〜0℃の範囲内における任意の温度に設定可能である。また、暖房端末8から貯湯タンク2に向かう温水の戻り温度Tsl(設定温度)に基づいて判定温度T(第1基準温度)を算出するような場合、この判定温度Tは、戻り温度Tslに補正値βを加算することによって求められる。この補正値βは、0〜15℃の範囲内における任意の温度に設定可能である。また、判定温度Tは、ヒートポンプユニット101の運転を開始するか否かの判断に用いる温度を示す。
【0057】
まず、ステップS100において、ヒートポンプユニット101の運転が開始される。そして、処理はステップS102に移行する。
【0058】
ステップS102において、外気温度検知部70は、外気温度センサ18から外気温度Tを示す情報を受け取り、受け取った情報を第1切換温度変更部71に出力する。この後、処理はステップS104に移行する。
【0059】
ステップS104において、第1切換温度変更部71は、入湯温度検知部70から受け取った外気温度Tを示す情報に基づいて、停止温度T(図3参照)を求め、求めた停止温度Tから三方弁強制オン温度Tを減じた温度(=停止温度T−三方弁強制オン温度T)を第1切換温度Aとして第1切換温度記憶部72に出力する。この後、処理はステップS106に移行する。
【0060】
ステップS106において、流路切換制御部77は、判定温度Tが第1切換温度Aより高いか否か(停止温度T−判定温度Tが三方弁強制オン温度T未満であるか否か)を判断する。判定温度Tが第1切換温度Aより高い場合、沸き上げ用三方弁52を貯湯タンク2の高温側に切り換えるために、処理はステップS118に移行する。一方、判定温度Tが第1切換温度A以下の場合、処理はステップS108に移行する。
【0061】
ステップS106で判定温度Tが第1切換温度A以下であると判断された場合、ステップS108において、流路切換制御部77は、ヒートポンプユニット101が除霜運転中であるか否か判断する。除霜運転中の場合、処理はステップS126に移行する。一方、除霜運転中でない場合、処理はステップS110に移行する。
【0062】
ステップS110において、タンク温度検知部73は、タンク温度センサ66からタンク温度Tを示す情報を受け取り、受け取った情報を第2切換温度変更部74に出力する。この後、処理はステップS112に移行する。
【0063】
ステップS112において、第2切換温度変更部74は、タンク温度検知部73から受け取ったタンク温度Tを示す情報に基づいて、貯湯タンク2の沸上設定温度TBWとタンク温度Tの高い方を第2切換温度Bとして第2切換温度記憶部75に出力する。そして、処理はステップS114に移行する。なお、この沸上設定温度TBWは、貯湯タンク2を沸き上げるための沸き上げ目標温度を意味し、リモコンユーザ設定値や、暖房、給湯のリモコンユーザ設定温度に基づいて算出される値として設定可能である。
【0064】
ステップS114において、入湯温度検知部76は、入湯温度センサ62から入湯温度Tinを示す情報を受け取り、受け取った情報を流路切換制御部77に出力する。そして、処理はステップS116に移行する。
【0065】
ステップS116において、流路切換制御部77は、入湯温度検知部76から受け取った入湯温度Tinが第2切換温度記憶部75に格納された第2切換温度Bより高いか否か、または、沸き上げ用三方弁52が貯湯タンク2の高温側を向いているか否かを判断する。入湯温度Tinが第2切換温度Bより高い場合、または、沸き上げ用三方弁52が貯湯タンク2の高温側を向いている場合、処理はステップS118に移行する。一方、入湯温度Tinが第2切換温度B以下であり、かつ、沸き上げ用三方弁52が貯湯タンク2の高温側を向いていない場合、沸き上げ用三方弁52の出湯先を貯湯タンク2内の下部領域で維持するために、処理はステップS126に移行する。
【0066】
ステップS106で判定温度Tが第1切換温度Aより高いと判断された場合、ステップS116で入湯温度Tinが第2切換温度Bより高いと判断された場合、または、沸き上げ用三方弁52が貯湯タンク2の高温側を向いていると判断された場合、ステップS118において、流路切換制御部77は、沸き上げ用三方弁52の出湯先を貯湯タンク2内の上部領域に切換または維持する。そして、処理はステップS120に移行する。
【0067】
ステップS120において、流路切換制御部77は、ヒートポンプユニット101の運転停止指示を受け付けたか否か判断する。運転停止指示を受け付けた場合、処理はステップS122に移行する。一方、運転停止指示を受け付けなかった場合、処理は再びステップS108を繰り返す。
【0068】
ステップS120で運転停止指示を受け付けた場合、ステップS122において、ヒートポンプユニット101の運転が停止される。この後、処理はステップS124に移行する。
【0069】
ステップS124において、流路切換制御部77は、沸き上げ用三方弁52の出湯先を、貯湯タンク2内の上部領域から下部領域に切り換える。そして、本発明の第1実施形態の制御部60による沸き上げ用三方弁52の切換制御動作が完了する。
【0070】
一方、ステップS108でヒートポンプユニット101が除霜運転中であると判断された場合、または、ステップS116で入湯温度Tinが第2切換温度B以下であり、かつ、沸き上げ用三方弁52が貯湯タンク2の高温側を向いていないと判断された場合、ステップS126において、流路切換制御部77は、沸き上げ用三方弁52の出湯先を貯湯タンク2内の下部領域に切換または維持する。そして、処理はステップS128に移行する。
【0071】
ステップS128において、流路切換制御部77は、ヒートポンプユニット101の運転停止指示を受け付けたか否か判断する。運転停止指示を受け付けた場合、処理はステップS130に移行する。一方、運転停止指示を受け付けなかった場合、処理は再びステップS108を繰り返す。
【0072】
ステップS130において、ヒートポンプユニット101の運転が停止され、本発明の第1実施形態の制御部60による沸き上げ用三方弁52の切換制御動作が完了する。
【0073】
以上、本実施形態では、判定温度Tが第1切換温度Aより高いと判断された段階で、沸き上げ用三方弁52の出湯先を貯湯タンク2内の下部領域から上部領域に切り換えることができる。つまり、設定温度の変更や外気温の変化によってタンク下部の温度が上昇し過ぎるおそれのある段階で、つまり、実際にタンク下部の温度が上昇し過ぎる前の段階で、ヒートポンプユニット101で加熱された温水を貯湯タンク2内の上部領域に迅速に戻すことができる。このように迅速な切換制御によれば、貯湯タンク2内の下部領域に貯湯された温水が必要以上に上昇することを確実に防止できる。したがって、貯湯タンク2内の下部領域をより低温に保つことができる。この結果、ヒートポンプユニット101のCOPが向上し、電気料金を低減できるし、また、圧縮機の強制停止を抑制できる。
【0074】
また、判定温度Tが第1切換温度Aより高いと判断され、判定温度Tが停止温度Tに近い場合には、ヒートポンプユニット101の運転を開始したとしても、圧縮機12がすぐに強制停止し、ヒートポンプユニット101で加熱された温水の温度が十分に上昇しないと考えられる。このような場合、室内ユニット102への入湯温度Tinが十分に上昇せず、入湯温度Tinと第2切換温度Bとの比較によっては、沸き上げ用三方弁52の出湯先を貯湯タンク2内の上部領域に切り換えることができないケースが想定される。本発明では、判定温度Tが第1切換温度Aより高いと判断された段階で、沸き上げ用三方弁52の出湯先を貯湯タンク2内の上部領域へと迅速に切り換えることができ、ヒートポンプユニット101で加熱された温水を貯湯タンク2の高温層領域に確実に送水できる。
【0075】
また、判定温度Tが第1切換温度A以下であると判断された場合では、圧縮機12が直ちに停止することはないため、室内ユニット102への入湯温度Tinは上昇する。この温度上昇の結果、入湯温度Tinが第2切換温度Bより高くなることによって、沸き上げ用三方弁52の出湯先を貯湯タンク2内の上部領域に確実に切り換えることができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0077】
なお、上述した実施形態では、暖房端末8に供給される温水の供給温度TSU(設定温度)や、暖房端末8から貯湯タンク2に向かう温水の戻り温度Tsl(設定温度)を用いて、判定温度Tを設定する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、給湯用熱交換器3から給湯端末へ供給される温水温度(設定温度)等を用いて、判定温度Tを設定してもよい。例えば、給湯用熱交換器3から給湯端末へ供給される温水温度に補正値γを加算することによって、判定温度Tを算出可能である。なお、この補正値γは、上述した補正値αと同様に、−15〜0℃の範囲内における任意の温度に設定可能である。また、この判定温度Tは、ユーザがリモコン61を介して直接設定することも可能である。
【0078】
なお、上述した実施形態では、第2切換温度変更部74は、タンク温度Tを示す情報に基づいて、第2切換温度Bを算出する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、暖房端末8への供給温度TSUの変化に応じて第2切換温度Bを算出してもよい。また、給湯端末への出湯温度の変化に応じて第2切換温度Bを算出してもよい。また、第2切換温度Bは固定値であってもよい。
【0079】
なお、上述した実施形態では、タンク温度Tを示す情報に基づいて、第2切換温度Bを算出する例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。タンク温度Tを示す情報に基づいて、第2切換温度Bを算出してもよい。
【0080】
なお、上述した実施形態では、CO冷媒を用いたヒートポンプユニット101について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、CO冷媒以外の冷媒を用いるものであってもよい。
【0081】
なお、上述した実施形態では、停止温度Tを用いて求めた第1切換温度Aと判定温度Tとの比較によって沸き上げ用三方弁52を貯湯タンク2の高温側に切り換える例について述べた。本発明は、かかる実施形態に限定されるものではない。例えば、第1切換温度Aは、貯湯タンク2内の温水の温度を所望温度で維持するための任意の温度に決定可能である。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明を利用すれば、貯湯タンクの低温層領域における貯湯温度が現温度以上に上昇することを防止できると共に、ヒートポンプシステムのCOPを向上でき、電気料金を低減可能な貯湯システム、暖房システム及び給湯システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の一実施形態の暖房給湯システムの構成を示す模式図である。
【図2】制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】外気温度と停止温度との関係の一例を示す説明図である。
【図4】本実施形態の制御部による沸き上げ用三方弁の切換制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
2 貯湯タンク
3 給湯用熱交換器(熱交換器)
4 暖房用循環回路(循環回路)
18 外気温度センサ
20 往き配管(高温側配管)
24 戻り配管(低温側配管)
52 沸き上げ用三方弁(流路切換機構)
60 制御部
61 リモコン(温度設定手段)
62 出湯温度センサ(高温側温度センサ)
71 第1切換温度変更部(変更手段)
72 第1切換温度記憶部(第1記憶手段)
74 第2切換温度変更部(切換温度変更手段)
75 第2切換温度記憶部(第2記憶手段)
100 暖房給湯システム
101 ヒートポンプユニット(ヒートポンプシステム)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温水を貯える貯湯タンクと、
前記貯湯タンクから低温側配管を介して供給された温水を加熱するヒートポンプシステムと、
前記ヒートポンプシステムで加熱された温水を高温側配管を介して前記貯湯タンク内の高温層領域及び低温層領域のいずれかに戻す流路切換機構と、
第1切換温度を記憶する第1記憶手段と、
前記貯湯タンク内の温水に関する設定温度を設定する温度設定手段とを備え、
前記流路切換機構は、前記設定温度に基づく第1基準温度が前記第1切換温度より高い場合には前記ヒートポンプシステムで加熱された温水を前記高温層領域に戻し、前記第1基準温度が前記第1切換温度以下の場合には前記ヒートポンプシステムで加熱された温水を前記低温層領域に戻すことを特徴とする貯湯システム。
【請求項2】
前記高温側配管に設けられた高温側温度センサと、
第2切換温度を記憶する第2記憶手段とを備え、
前記流路切換機構は、前記第1基準温度が前記第1切換温度より高い場合及び前記第1基準温度が前記第1切換温度以下であり且つ前記高温側温度センサにより検知された温度が前記第2切換温度より高い場合には前記ヒートポンプシステムで加熱された温水を前記高温層領域に戻し、前記第1基準温度が前記第1切換温度以下であり且つ前記高温側温度センサにより検知された温度が前記第2切換温度以下の場合には前記ヒートポンプシステムで加熱された温水を前記低温層領域に戻すことを特徴とする請求項1に記載の貯湯システム。
【請求項3】
前記第2記憶手段に記憶された第2切換温度を変更する切換温度変更手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の貯湯システム。
【請求項4】
前記ヒートポンプシステムは、圧縮機を含む熱源回路を有し、
外気温度を検出する外気温度センサと、
前記外気温度センサで検出された外気温度に基づいて設定された前記圧縮機を強制停止させる停止温度に基づいて前記第1記憶手段に記憶された前記第1切換温度を変更する変更手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の貯湯システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の貯湯システムと、
前記貯湯タンクに貯えられた温水を前記貯湯タンクと暖房端末との間で循環させる循環回路とを備え、
前記温度設定手段は、前記暖房端末へ供給される温水の供給温度、または、前記暖房端末から前記貯湯タンクに向かう温水の戻り温度として前記設定温度を設定することを特徴とする暖房システム。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の貯湯システムと、
前記貯湯タンク内に配置され、給湯水が内部を流れる熱交換器とを備え、
前記温度設定手段は、前記熱交換器から給湯端末へ供給される温水の出湯温度として前記設定温度を設定することを特徴とする給湯システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−54163(P2010−54163A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−222044(P2008−222044)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】