超音波検査装置
【課題】複数の受信器から取得したデータを重ね合わせる過程で、損傷画像が不鮮明になることを抑制する。
【解決手段】超音波検査装置10は、超音波を試料20に励起させる励起部12と、前記超音波を励起させる前記試料20の励起位置22を移動させる移動部14と、を備える。さらに、前記試料20の表面から離間するとともに、前記表面に対して指向軸Dが垂直となるように配置される、前記試料20から伝搬される超音波を受信する複数の受信器16a〜16hと、を備える。さらに、それぞれの前記受信器16a〜16hが受信した同一の励起位置22から伝搬した超音波信号を重ね合わせる演算部18を備える。
【解決手段】超音波検査装置10は、超音波を試料20に励起させる励起部12と、前記超音波を励起させる前記試料20の励起位置22を移動させる移動部14と、を備える。さらに、前記試料20の表面から離間するとともに、前記表面に対して指向軸Dが垂直となるように配置される、前記試料20から伝搬される超音波を受信する複数の受信器16a〜16hと、を備える。さらに、それぞれの前記受信器16a〜16hが受信した同一の励起位置22から伝搬した超音波信号を重ね合わせる演算部18を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、試料の損傷を非破壊で検査可能な検査装置として、超音波検査装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、レーザー光を用いて試料に超音波を励起させる超音波検査装置が開示されている。光源から出力されたレーザー光が試料に照射されると、試料の照射部分が瞬間的に加熱される。加熱の際に照射部分の体積が膨張する。照射が止むと照射部分の体積は収縮する。この膨張収縮によって弾性波が励起され、照射部分から周辺に弾性波が伝搬する。
【0004】
試料を伝搬する弾性波には、縦波、横波、板波等の複数のモード(伝搬態様)が存在する。そのうち、板波の一種であるラム波のA0モードでは、振幅と板厚が反比例することが知られている。つまり、照射部分の板厚が薄いとラム波A0モードの振幅が大きくなる。試料の損傷部分は他の部分よりも板厚が薄くなっているから、損傷部分にレーザー光を照射すると、損傷のない部分にレーザー光を照射した場合と比較して、ラム波A0モードの振幅が大きくなる。そこで、特許文献1では、試料上の照射部分を移動走査し、各照射部分から伝搬する超音波を測定している。さらに、測定結果に基づいて試料の損傷部分の有無を検査するとともに、損傷部分の位置を特定している。
【0005】
特許文献1では、弾性波を測定するセンサとして、試料に受信面を接触させる接触型センサが使用されている。さらに、特許文献1では、損傷部分を明確にするため、接触型センサを複数個使用している。センサが取得する信号には、設置場所に依存するノイズが含まれることが知られている。各センサが取得した信号を重ね合せ処理することで、設置場所に依存するノイズが低減され、損傷部分が明確に判別できるようになる。
【0006】
また、非特許文献1では、受信面を試料から離間させた非接触型のセンサが使用されている。非特許文献1では、図10に示すように、試料104の表面とセンサ102の指向軸Dとの成す角θをラム波A0モードの臨界角付近に設定し、センサ102の受信感度を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−43416号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】卜部、「レーザー励起/空中受信を用いた非接触超音波伝搬映像化による金属の探傷」、第18回超音波による非破壊評価シンポジウム講演論文集、社団法人日本非破壊検査協会、平成23年1月27日、p.1−7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、センサ102の指向軸Dを試料104の表面に対して傾斜させた場合、指向軸Dに沿って(指向角=0°で)入射する超音波の受信感度が向上する反面、指向角が0°から離れた角度で入射する超音波の受信感度は低下する。そうなると、図10に示すように、指向角=0°でセンサ102に入射する、伝搬経路L1上の超音波の受信感度は高くなる。一方、指向角=0°の位置から外れた角度からセンサ102に入射する、伝搬経路L2、L3上の超音波の受信感度は著しく低くなる。
【0010】
このように指向性の高いセンサ102を複数用いて、これらの信号を重ね合わせ処理すると、いずれかのセンサ102が捉えた損傷データが消えてしまうおそれがある。
【0011】
図11には、3つのセンサ102A〜102Cが示されている。いずれのセンサも、指向軸Dを試料104の表面に対して傾斜させている。それぞれのセンサ102A〜102Cでは、指向軸D付近の超音波信号の受信感度が高く、指向軸Dから離れるに従って受信感度が低くなる。その結果、それぞれのセンサが取得した信号値を画像化すると、指向軸Dに沿った領域の画像の信号値が高く、指向軸Dから離れた領域の信号値は低くなる。図11では、信号値の高い領域を白で表し、信号値の低い領域を黒で表している。
【0012】
これらのセンサ102A〜102Cの画像を重ね合わせると、それぞれの指向軸Dが重なる部分は鮮明化し、重ならない領域は不鮮明となる。そうなると、図12に示すように、個々のセンサ102A〜102Cのいずれかにて損傷部分106の画像を捉えられていても、重ね合わせの過程で損傷部分106が不鮮明になる、または消えてしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のひとつの態様は、超音波検査装置に関する。当該検査装置は、超音波を試料に励起させる励起部と、前記超音波を励起させる前記試料の励起位置を移動させる移動部と、を備える。さらに、前記試料の表面から離間するとともに、前記表面に対して指向軸が垂直となるように配置される、前記試料から伝搬される超音波を受信する複数の受信器と、それぞれの前記受信器が受信した同一の励起位置から伝搬した超音波信号を重ね合わせる演算部と、を備える。
【0014】
また、上記発明において、前記複数の受信器が受信可能な超音波の中心周波数は20kHz以上100kHz以下であることが好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の受信器から取得したデータを重ね合わせる過程で、損傷画像が不鮮明になることを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る超音波検査装置を例示する斜視図である。
【図2】受信器を例示する側面断面図である。
【図3】受信器の指向性について説明する平面図である。
【図4】受信機の指向性について説明する図である。
【図5】超音波信号の波形を例示する図である。
【図6】ラム波のモードについて説明する図である。
【図7】本実施形態に係る超音波検査装置による実施例を説明する図である。
【図8】本実施形態に係る超音波検査装置による実施例を説明する図である。
【図9】本実施形態に係る超音波検査装置による実施例を説明する図である。
【図10】従来の超音波検査装置を例示する斜視図である。
【図11】従来の超音波検査装置を例示する平面図である。
【図12】従来の超音波検査装置の演算処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に、本実施形態に係る超音波検査装置を例示する。超音波検査装置10は、励起部12、移動部14、受信器16及び演算部18を備える。なお、図1においては、試料20の幅方向をX軸方向とし、試料20の奥行き方向をY軸方向とし、試料20の厚さ方向をZ軸方向とする。
【0018】
励起部12は、試料20に超音波を励起させる。例えば、励起部12は、試料にレーザー光を照射するレーザー光源であってよい。この場合、試料20に対して連続的に弾性波を励起させるために、励起部12は、レーザー光を断続的に試料20に照射可能であることが好適である。例えば、励起部12は、超音波帯域となる20kHz以上の弾性波を励起させることの可能な、パルスレーザー光源であってよい。
【0019】
移動部14は、超音波を励起させる試料20の励起位置22を移動させることの可能な移動手段である。例えば、移動部14は、試料20へのレーザー光の照射位置を移動走査するガルバノミラー装置であってよい。ガルバノミラー装置は、レーザー光を試料20のX軸方向に走査させるX軸ミラー24及びX軸モータ26を備えている。また、レーザー光を試料20のY軸方向に走査させるY軸ミラー28及びY軸モータ30を備えている。
【0020】
受信器16は、試料20から伝搬した超音波を受信可能な受信手段である。また、後述するように、試料20の損傷部分を鮮明化するために、受信器16は複数個設けられている。例えば図1では、8個の受信器16a〜16hが設けられている。
【0021】
受信器16は、例えば、超音波センサであってよい。また、受信器16が受信可能な超音波の周波数は、空気中における減衰率の低い周波数であることが好適である。例えば、受信器16の受信可能な超音波の中心周波数は、20kHZ以上100kHz以下であることが好適である。したがって、受信器16は、いわゆる低周波帯域用の超音波センサであることが好適である。
【0022】
図2には、受信器16の例として、共振コーン型の超音波センサが示されている。この超音波センサは、共振コーン32、金属板34、圧電セラミックス36、電極端子38及びケース40を備えている。ケース40の受信面41には開口42が設けられ、この開口42から超音波が共振コーン32に伝搬する。共振コーン32は伝搬された超音波によって振動する振動体である。例えば、共振コーン32の共振周波数は25kHzとなるように形成されている。共振コーン32の振動が金属板34を介して圧電セラミックス36に伝わる。圧電セラミックス36は振動に応じた電圧を出力する。このようにして空気中を伝搬する超音波が電気信号に変換される。
【0023】
また、試料20との接触による汚染や損傷を防ぐために、受信器16は、試料20に対して非接触であることが好適である。また、試料20と受信器16との離間距離は、試料20から伝搬する超音波の強度に応じて定めることが好適である。例えば、試料20の表面と受信器16の受信面41との離間距離hは、5mm以上50mm以下であることが好適である。
【0024】
さらに、受信器16は、指向性の低い状態で試料20に対向させることが好適である。例えば、受信器16の指向軸Dが試料20の表面に対して垂直になるように、受信器16を試料20に対して配置することが好適である。ここで、指向軸Dとは、受信器16の指向特性において、指向角=0°を通る軸を指している。また、ここで垂直とは、試料20の表面と指向軸の成す角度が90°である場合のみに限られず、試料20の検査精度に応じて90°周辺の角度も含み得る。例えば、試料20の表面と指向軸Dの成す角度は85°以上95°以下であってよい。
【0025】
また、図1に示すように、受信器16を保持するホルダ43を設けてもよい。ホルダ43はZ軸方向に移動可能であって、試料20に対する受信器16の離間距離hを変更可能となっている。また、ホルダ43に角度調節機能を持たせて、試料20の表面に対する受信器16の指向軸Dの角度を調節可能としてもよい。
【0026】
図3、4には、受信器16を試料20に対して傾斜させた場合と、受信器16を試料20に対して垂直にした場合との、指向性の差異が示されている。図3上段は、試料20の表面に対して受信器16の指向軸Dを傾斜させた様子が示されている。また、図3下段は、試料20の表面に対して受信器16の指向軸Dを垂直にさせた様子が示されている。このそれぞれの場合において、さまざまな角度から超音波を受信器16に入射させる。図3では、受信器16を中心とした半円の軌跡上にレーザー光を順次照射する。ここで、この半円の軌跡において、受信器16を傾斜させた場合の、指向軸Dに沿った軸を0°と定めている。図3では、−90°から90°までの範囲でレーザー光を走査させる。
【0027】
図4に、各受信器16の受信結果を示す。図4のグラフでは、受信器16が受信する超音波の中心周波数が40kHzであるときの信号値を表している。また、横軸は図3の角度に対応する。また、縦軸は受信信号の強度を表し、超音波の振幅に相当する。また、グラフ上の太い実線は、指向軸Dを試料20の表面に対して傾斜させた受信器16による受信結果を表している。また、細い実線は、指向軸Dを試料20の表面に対して垂直にさせた受信器16による受信結果を表している。さらに、破線はノイズレベルを表しており、例えば、このノイズレベル以下の信号値は以降の演算処理には使用されずに除去される。
【0028】
指向軸Dを傾斜させた状態での受信結果を参照すると、角度0°を中心にして信号値が漸次低減している。一方で、指向軸Dを垂直にした状態での受信結果を参照すると、角度による信号値の偏りは見られない。このように、指向軸Dを試料20の表面に対して垂直にすることで、受信器16の指向性が緩和され、受信器16は全方位的に偏りなく超音波を受信することが可能となる。
【0029】
図1に戻り、演算部18は、受信器16が受信した超音波信号を受信するとともに、当該信号を演算処理して試料20の画像データを作成する。演算部18は、受信器16の超音波信号を演算処理可能な機器であればよく、例えば、CPU等の演算回路を備えたコンピュータであってよい。
【0030】
図5には、演算部18が受信した超音波信号の波形が例示されている。実線は試料20の損傷箇所を励起位置としたときの超音波信号を表し、破線は損傷のない箇所を励起位置としたときの超音波信号を表している。演算部18は、これらの信号から最大振幅を抽出する。図5に示されているように、損傷箇所を励起位置としたときの超音波信号の最大振幅I1は、損傷のない箇所を励起位置としたときの超音波信号の最大振幅I2よりも大きい値となる。このように、最大振幅を比較することで、試料20の損傷箇所の有無及び、損傷箇所の特定をすることができる。
【0031】
また、演算部18は、試料20の励起位置を移動させるために、移動部14の動作を制御可能であってよい。具体的には、試料20の所望の位置にレーザー光を照射させるために、ガルバノミラー装置のX軸モータ26及びY軸モータ30に駆動信号を送信する。演算部18は、試料20上の励起位置(照射位置)の座標と、当該励起位置から伝搬した超音波信号とを関連付けて記憶する。例えば、励起位置の座標(Xi,Yi)から伝搬した超音波信号の最大振幅を抽出して、振幅値I(Xi,Yi)として図示しない記憶部に記憶する。
【0032】
また、演算部18は、それぞれの受信器16a〜16hが受信した、同一の励起位置から伝搬した超音波信号を重ね合わせる重ね合わせ処理を行う。例えば、受信器16aが受信した、座標(Xi,Yi)の最大振幅値をIA(Xi,Yi)と表すと、演算部18は、受信器16a〜16hが受信した、IA(Xi,Yi)からIH(Xi,Yi)の値の和または積を算出する。
【0033】
さらに演算部18は、重ねあわせ処理後の最大振幅値を座標に沿って配列させることにより、二次元画像を生成する。この二次元画像は、レーザー光が照射された試料20の表面画像に相当する。上述したように、試料20の損傷部分から伝搬した超音波信号の振幅は、損傷していない部分からの超音波信号の振幅よりも大きい値となる。したがって、二次元画像においては損傷部分がハイライトされた、または損傷部分が他の箇所よりも暗くなるような画像が得られる。
【0034】
なお、受信器16から演算部18に至る信号経路上に、超音波信号の増幅器やノイズフィルタ等を設けてもよい。図1には、受信器16と演算部18とを繋ぐ信号経路上に、アンプ50、バンドパスフィルタ52及びA/Dボード54を設けている。
【0035】
アンプ50は、受信器16から送られた超音波信号を増幅する。また、バンドパスフィルタ52は、超音波信号から所望の周波数帯のみを抽出する。例えば、バンドパスフィルタ52が抽出する周波数帯を、20kHz以上100kHz以下の周波数帯としてもよい。A/Dボード54は、受信器16から送られたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0036】
なお、受信器16から所望のモードの超音波信号を取得するために、演算部18は超音波の伝搬速度に基づいたフィルタリングを行ってもよい。図6には、アルミニウム平板からなる試料20にて励起される超音波のうち、ラム波成分の周波数帯域と伝搬速度が示されている。図6のグラフの横軸は、周波数に試料20の板厚を掛けた値(fd値)を表している。また、縦軸は、モードごとの伝搬速度(群速度)を表している。また、1fd[MHz・mm]上のガウス分布状の山は、入射光のスペクトルを表している。
【0037】
ラム波のモードには、A0、S0、A1、S1の各モードが存在することが知られている。このうち、試料20の板厚と振幅とが反比例の関係にあるのはA0モードのラム波である。したがって、A0、S0、A1、S1の各モードが重畳した状態からA0モードのラム波のみを抽出することが好適である。
【0038】
A0、S0とA1、S1とは周波数帯が重複しない領域が存在することから、上述したバンドパスフィルタ52によってA1及びS1を除去することができる。さらに、S0モードはA0モードよりも群速度が速いことから、受信器16が受信した波形のうち、A0モードに先行するS0モードの超音波信号を除去することにより、A0モードの信号を取り出すことが可能となる。具体的には、レーザー光の出力から所定時間後の超音波信号を取り出す取り出し開始時間を定めてもよい。また、超音波の励起後、暫く時間が経過すると、試料20内で超音波信号が反射して振幅が変動するおそれがあるので、超音波信号の取り出し終了時間を定めてもよい。
【実施例1】
【0039】
励起部12として、波長1053nm、2mJ/pulse@1kHzのNd−YLFパルスレーザーを用いた。また、レーザー光の照射位置の移動ステップは0.5mmとした。また、図7に示すように、受信器16として、受信中心周波数が40kHzの開放型空中超音波探触子を8個用いた。各受信器16a〜16hは、試料20の外周に沿って配置した。受信器16の受信面と試料20の表面(レーザー光が照射される面)との間隔hは5mmとした。また、試料20として、幅(X軸方向)200mm、奥行き(Y軸方向)300mm、板厚(Z軸方向)1mmのアルミニウム平板を用いた。さらに、この試料20の裏面(表面に対向する面)に、損傷部を形成した。損傷部は、直線状損傷部60、ジグザグ状損傷部62及びT字型損傷部64とした。いずれも、損傷の溝深さは0.3mmとした。
【0040】
図8上段に、各受信器16a〜16hが受信したそれぞれの超音波信号の二次元画像を示す。さらに、図8下段に、各受信器16a〜16hが受信した超音波信号を重ね合わせた二次元画像を示す。各受信器16a〜16hのそれぞれの画像では不鮮明であった損傷部が、重ね合わせによって、直線状損傷部60、ジグザグ状損傷部62及びT字型損傷部64のいずれも鮮明に表れることが示されている。
【0041】
また、図9には、パルスレーザーの繰り返し周波数を変更させたときの重ね合わせ画像が示されている。図9に示されているように、繰り返し周波数が高くなるほど、損傷部の画像が不鮮明になる。これは、前のレーザー光照射による残響が十分に減衰しないうちに次の照射が行われたことが原因と考えられる。図9の結果から、パルスレーザーの繰り返し周波数は、1kHz以下であることが好適である。また、繰り返し周波数が過度に低いと走査時間が長くなることから、20Hz以上であることが好適である。
【符号の説明】
【0042】
10 超音波検査装置、12 励起部、14 移動部、16 受信器、18 演算部、20 試料、22 励起位置、24 X軸ミラー、26 X軸モータ、28 Y軸ミラー、30 Y軸モータ、32 共振コーン、34 金属板、36 圧電セラミックス、38 電極端子、40 ケース、41 受信面、42 開口、43 ホルダ、50 アンプ、52 バンドパスフィルタ、54 A/Dボード、60 直線状損傷部、62 ジグザグ状損傷部、64 T字型損傷部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、試料の損傷を非破壊で検査可能な検査装置として、超音波検査装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、レーザー光を用いて試料に超音波を励起させる超音波検査装置が開示されている。光源から出力されたレーザー光が試料に照射されると、試料の照射部分が瞬間的に加熱される。加熱の際に照射部分の体積が膨張する。照射が止むと照射部分の体積は収縮する。この膨張収縮によって弾性波が励起され、照射部分から周辺に弾性波が伝搬する。
【0004】
試料を伝搬する弾性波には、縦波、横波、板波等の複数のモード(伝搬態様)が存在する。そのうち、板波の一種であるラム波のA0モードでは、振幅と板厚が反比例することが知られている。つまり、照射部分の板厚が薄いとラム波A0モードの振幅が大きくなる。試料の損傷部分は他の部分よりも板厚が薄くなっているから、損傷部分にレーザー光を照射すると、損傷のない部分にレーザー光を照射した場合と比較して、ラム波A0モードの振幅が大きくなる。そこで、特許文献1では、試料上の照射部分を移動走査し、各照射部分から伝搬する超音波を測定している。さらに、測定結果に基づいて試料の損傷部分の有無を検査するとともに、損傷部分の位置を特定している。
【0005】
特許文献1では、弾性波を測定するセンサとして、試料に受信面を接触させる接触型センサが使用されている。さらに、特許文献1では、損傷部分を明確にするため、接触型センサを複数個使用している。センサが取得する信号には、設置場所に依存するノイズが含まれることが知られている。各センサが取得した信号を重ね合せ処理することで、設置場所に依存するノイズが低減され、損傷部分が明確に判別できるようになる。
【0006】
また、非特許文献1では、受信面を試料から離間させた非接触型のセンサが使用されている。非特許文献1では、図10に示すように、試料104の表面とセンサ102の指向軸Dとの成す角θをラム波A0モードの臨界角付近に設定し、センサ102の受信感度を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−43416号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】卜部、「レーザー励起/空中受信を用いた非接触超音波伝搬映像化による金属の探傷」、第18回超音波による非破壊評価シンポジウム講演論文集、社団法人日本非破壊検査協会、平成23年1月27日、p.1−7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、センサ102の指向軸Dを試料104の表面に対して傾斜させた場合、指向軸Dに沿って(指向角=0°で)入射する超音波の受信感度が向上する反面、指向角が0°から離れた角度で入射する超音波の受信感度は低下する。そうなると、図10に示すように、指向角=0°でセンサ102に入射する、伝搬経路L1上の超音波の受信感度は高くなる。一方、指向角=0°の位置から外れた角度からセンサ102に入射する、伝搬経路L2、L3上の超音波の受信感度は著しく低くなる。
【0010】
このように指向性の高いセンサ102を複数用いて、これらの信号を重ね合わせ処理すると、いずれかのセンサ102が捉えた損傷データが消えてしまうおそれがある。
【0011】
図11には、3つのセンサ102A〜102Cが示されている。いずれのセンサも、指向軸Dを試料104の表面に対して傾斜させている。それぞれのセンサ102A〜102Cでは、指向軸D付近の超音波信号の受信感度が高く、指向軸Dから離れるに従って受信感度が低くなる。その結果、それぞれのセンサが取得した信号値を画像化すると、指向軸Dに沿った領域の画像の信号値が高く、指向軸Dから離れた領域の信号値は低くなる。図11では、信号値の高い領域を白で表し、信号値の低い領域を黒で表している。
【0012】
これらのセンサ102A〜102Cの画像を重ね合わせると、それぞれの指向軸Dが重なる部分は鮮明化し、重ならない領域は不鮮明となる。そうなると、図12に示すように、個々のセンサ102A〜102Cのいずれかにて損傷部分106の画像を捉えられていても、重ね合わせの過程で損傷部分106が不鮮明になる、または消えてしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のひとつの態様は、超音波検査装置に関する。当該検査装置は、超音波を試料に励起させる励起部と、前記超音波を励起させる前記試料の励起位置を移動させる移動部と、を備える。さらに、前記試料の表面から離間するとともに、前記表面に対して指向軸が垂直となるように配置される、前記試料から伝搬される超音波を受信する複数の受信器と、それぞれの前記受信器が受信した同一の励起位置から伝搬した超音波信号を重ね合わせる演算部と、を備える。
【0014】
また、上記発明において、前記複数の受信器が受信可能な超音波の中心周波数は20kHz以上100kHz以下であることが好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の受信器から取得したデータを重ね合わせる過程で、損傷画像が不鮮明になることを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る超音波検査装置を例示する斜視図である。
【図2】受信器を例示する側面断面図である。
【図3】受信器の指向性について説明する平面図である。
【図4】受信機の指向性について説明する図である。
【図5】超音波信号の波形を例示する図である。
【図6】ラム波のモードについて説明する図である。
【図7】本実施形態に係る超音波検査装置による実施例を説明する図である。
【図8】本実施形態に係る超音波検査装置による実施例を説明する図である。
【図9】本実施形態に係る超音波検査装置による実施例を説明する図である。
【図10】従来の超音波検査装置を例示する斜視図である。
【図11】従来の超音波検査装置を例示する平面図である。
【図12】従来の超音波検査装置の演算処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に、本実施形態に係る超音波検査装置を例示する。超音波検査装置10は、励起部12、移動部14、受信器16及び演算部18を備える。なお、図1においては、試料20の幅方向をX軸方向とし、試料20の奥行き方向をY軸方向とし、試料20の厚さ方向をZ軸方向とする。
【0018】
励起部12は、試料20に超音波を励起させる。例えば、励起部12は、試料にレーザー光を照射するレーザー光源であってよい。この場合、試料20に対して連続的に弾性波を励起させるために、励起部12は、レーザー光を断続的に試料20に照射可能であることが好適である。例えば、励起部12は、超音波帯域となる20kHz以上の弾性波を励起させることの可能な、パルスレーザー光源であってよい。
【0019】
移動部14は、超音波を励起させる試料20の励起位置22を移動させることの可能な移動手段である。例えば、移動部14は、試料20へのレーザー光の照射位置を移動走査するガルバノミラー装置であってよい。ガルバノミラー装置は、レーザー光を試料20のX軸方向に走査させるX軸ミラー24及びX軸モータ26を備えている。また、レーザー光を試料20のY軸方向に走査させるY軸ミラー28及びY軸モータ30を備えている。
【0020】
受信器16は、試料20から伝搬した超音波を受信可能な受信手段である。また、後述するように、試料20の損傷部分を鮮明化するために、受信器16は複数個設けられている。例えば図1では、8個の受信器16a〜16hが設けられている。
【0021】
受信器16は、例えば、超音波センサであってよい。また、受信器16が受信可能な超音波の周波数は、空気中における減衰率の低い周波数であることが好適である。例えば、受信器16の受信可能な超音波の中心周波数は、20kHZ以上100kHz以下であることが好適である。したがって、受信器16は、いわゆる低周波帯域用の超音波センサであることが好適である。
【0022】
図2には、受信器16の例として、共振コーン型の超音波センサが示されている。この超音波センサは、共振コーン32、金属板34、圧電セラミックス36、電極端子38及びケース40を備えている。ケース40の受信面41には開口42が設けられ、この開口42から超音波が共振コーン32に伝搬する。共振コーン32は伝搬された超音波によって振動する振動体である。例えば、共振コーン32の共振周波数は25kHzとなるように形成されている。共振コーン32の振動が金属板34を介して圧電セラミックス36に伝わる。圧電セラミックス36は振動に応じた電圧を出力する。このようにして空気中を伝搬する超音波が電気信号に変換される。
【0023】
また、試料20との接触による汚染や損傷を防ぐために、受信器16は、試料20に対して非接触であることが好適である。また、試料20と受信器16との離間距離は、試料20から伝搬する超音波の強度に応じて定めることが好適である。例えば、試料20の表面と受信器16の受信面41との離間距離hは、5mm以上50mm以下であることが好適である。
【0024】
さらに、受信器16は、指向性の低い状態で試料20に対向させることが好適である。例えば、受信器16の指向軸Dが試料20の表面に対して垂直になるように、受信器16を試料20に対して配置することが好適である。ここで、指向軸Dとは、受信器16の指向特性において、指向角=0°を通る軸を指している。また、ここで垂直とは、試料20の表面と指向軸の成す角度が90°である場合のみに限られず、試料20の検査精度に応じて90°周辺の角度も含み得る。例えば、試料20の表面と指向軸Dの成す角度は85°以上95°以下であってよい。
【0025】
また、図1に示すように、受信器16を保持するホルダ43を設けてもよい。ホルダ43はZ軸方向に移動可能であって、試料20に対する受信器16の離間距離hを変更可能となっている。また、ホルダ43に角度調節機能を持たせて、試料20の表面に対する受信器16の指向軸Dの角度を調節可能としてもよい。
【0026】
図3、4には、受信器16を試料20に対して傾斜させた場合と、受信器16を試料20に対して垂直にした場合との、指向性の差異が示されている。図3上段は、試料20の表面に対して受信器16の指向軸Dを傾斜させた様子が示されている。また、図3下段は、試料20の表面に対して受信器16の指向軸Dを垂直にさせた様子が示されている。このそれぞれの場合において、さまざまな角度から超音波を受信器16に入射させる。図3では、受信器16を中心とした半円の軌跡上にレーザー光を順次照射する。ここで、この半円の軌跡において、受信器16を傾斜させた場合の、指向軸Dに沿った軸を0°と定めている。図3では、−90°から90°までの範囲でレーザー光を走査させる。
【0027】
図4に、各受信器16の受信結果を示す。図4のグラフでは、受信器16が受信する超音波の中心周波数が40kHzであるときの信号値を表している。また、横軸は図3の角度に対応する。また、縦軸は受信信号の強度を表し、超音波の振幅に相当する。また、グラフ上の太い実線は、指向軸Dを試料20の表面に対して傾斜させた受信器16による受信結果を表している。また、細い実線は、指向軸Dを試料20の表面に対して垂直にさせた受信器16による受信結果を表している。さらに、破線はノイズレベルを表しており、例えば、このノイズレベル以下の信号値は以降の演算処理には使用されずに除去される。
【0028】
指向軸Dを傾斜させた状態での受信結果を参照すると、角度0°を中心にして信号値が漸次低減している。一方で、指向軸Dを垂直にした状態での受信結果を参照すると、角度による信号値の偏りは見られない。このように、指向軸Dを試料20の表面に対して垂直にすることで、受信器16の指向性が緩和され、受信器16は全方位的に偏りなく超音波を受信することが可能となる。
【0029】
図1に戻り、演算部18は、受信器16が受信した超音波信号を受信するとともに、当該信号を演算処理して試料20の画像データを作成する。演算部18は、受信器16の超音波信号を演算処理可能な機器であればよく、例えば、CPU等の演算回路を備えたコンピュータであってよい。
【0030】
図5には、演算部18が受信した超音波信号の波形が例示されている。実線は試料20の損傷箇所を励起位置としたときの超音波信号を表し、破線は損傷のない箇所を励起位置としたときの超音波信号を表している。演算部18は、これらの信号から最大振幅を抽出する。図5に示されているように、損傷箇所を励起位置としたときの超音波信号の最大振幅I1は、損傷のない箇所を励起位置としたときの超音波信号の最大振幅I2よりも大きい値となる。このように、最大振幅を比較することで、試料20の損傷箇所の有無及び、損傷箇所の特定をすることができる。
【0031】
また、演算部18は、試料20の励起位置を移動させるために、移動部14の動作を制御可能であってよい。具体的には、試料20の所望の位置にレーザー光を照射させるために、ガルバノミラー装置のX軸モータ26及びY軸モータ30に駆動信号を送信する。演算部18は、試料20上の励起位置(照射位置)の座標と、当該励起位置から伝搬した超音波信号とを関連付けて記憶する。例えば、励起位置の座標(Xi,Yi)から伝搬した超音波信号の最大振幅を抽出して、振幅値I(Xi,Yi)として図示しない記憶部に記憶する。
【0032】
また、演算部18は、それぞれの受信器16a〜16hが受信した、同一の励起位置から伝搬した超音波信号を重ね合わせる重ね合わせ処理を行う。例えば、受信器16aが受信した、座標(Xi,Yi)の最大振幅値をIA(Xi,Yi)と表すと、演算部18は、受信器16a〜16hが受信した、IA(Xi,Yi)からIH(Xi,Yi)の値の和または積を算出する。
【0033】
さらに演算部18は、重ねあわせ処理後の最大振幅値を座標に沿って配列させることにより、二次元画像を生成する。この二次元画像は、レーザー光が照射された試料20の表面画像に相当する。上述したように、試料20の損傷部分から伝搬した超音波信号の振幅は、損傷していない部分からの超音波信号の振幅よりも大きい値となる。したがって、二次元画像においては損傷部分がハイライトされた、または損傷部分が他の箇所よりも暗くなるような画像が得られる。
【0034】
なお、受信器16から演算部18に至る信号経路上に、超音波信号の増幅器やノイズフィルタ等を設けてもよい。図1には、受信器16と演算部18とを繋ぐ信号経路上に、アンプ50、バンドパスフィルタ52及びA/Dボード54を設けている。
【0035】
アンプ50は、受信器16から送られた超音波信号を増幅する。また、バンドパスフィルタ52は、超音波信号から所望の周波数帯のみを抽出する。例えば、バンドパスフィルタ52が抽出する周波数帯を、20kHz以上100kHz以下の周波数帯としてもよい。A/Dボード54は、受信器16から送られたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0036】
なお、受信器16から所望のモードの超音波信号を取得するために、演算部18は超音波の伝搬速度に基づいたフィルタリングを行ってもよい。図6には、アルミニウム平板からなる試料20にて励起される超音波のうち、ラム波成分の周波数帯域と伝搬速度が示されている。図6のグラフの横軸は、周波数に試料20の板厚を掛けた値(fd値)を表している。また、縦軸は、モードごとの伝搬速度(群速度)を表している。また、1fd[MHz・mm]上のガウス分布状の山は、入射光のスペクトルを表している。
【0037】
ラム波のモードには、A0、S0、A1、S1の各モードが存在することが知られている。このうち、試料20の板厚と振幅とが反比例の関係にあるのはA0モードのラム波である。したがって、A0、S0、A1、S1の各モードが重畳した状態からA0モードのラム波のみを抽出することが好適である。
【0038】
A0、S0とA1、S1とは周波数帯が重複しない領域が存在することから、上述したバンドパスフィルタ52によってA1及びS1を除去することができる。さらに、S0モードはA0モードよりも群速度が速いことから、受信器16が受信した波形のうち、A0モードに先行するS0モードの超音波信号を除去することにより、A0モードの信号を取り出すことが可能となる。具体的には、レーザー光の出力から所定時間後の超音波信号を取り出す取り出し開始時間を定めてもよい。また、超音波の励起後、暫く時間が経過すると、試料20内で超音波信号が反射して振幅が変動するおそれがあるので、超音波信号の取り出し終了時間を定めてもよい。
【実施例1】
【0039】
励起部12として、波長1053nm、2mJ/pulse@1kHzのNd−YLFパルスレーザーを用いた。また、レーザー光の照射位置の移動ステップは0.5mmとした。また、図7に示すように、受信器16として、受信中心周波数が40kHzの開放型空中超音波探触子を8個用いた。各受信器16a〜16hは、試料20の外周に沿って配置した。受信器16の受信面と試料20の表面(レーザー光が照射される面)との間隔hは5mmとした。また、試料20として、幅(X軸方向)200mm、奥行き(Y軸方向)300mm、板厚(Z軸方向)1mmのアルミニウム平板を用いた。さらに、この試料20の裏面(表面に対向する面)に、損傷部を形成した。損傷部は、直線状損傷部60、ジグザグ状損傷部62及びT字型損傷部64とした。いずれも、損傷の溝深さは0.3mmとした。
【0040】
図8上段に、各受信器16a〜16hが受信したそれぞれの超音波信号の二次元画像を示す。さらに、図8下段に、各受信器16a〜16hが受信した超音波信号を重ね合わせた二次元画像を示す。各受信器16a〜16hのそれぞれの画像では不鮮明であった損傷部が、重ね合わせによって、直線状損傷部60、ジグザグ状損傷部62及びT字型損傷部64のいずれも鮮明に表れることが示されている。
【0041】
また、図9には、パルスレーザーの繰り返し周波数を変更させたときの重ね合わせ画像が示されている。図9に示されているように、繰り返し周波数が高くなるほど、損傷部の画像が不鮮明になる。これは、前のレーザー光照射による残響が十分に減衰しないうちに次の照射が行われたことが原因と考えられる。図9の結果から、パルスレーザーの繰り返し周波数は、1kHz以下であることが好適である。また、繰り返し周波数が過度に低いと走査時間が長くなることから、20Hz以上であることが好適である。
【符号の説明】
【0042】
10 超音波検査装置、12 励起部、14 移動部、16 受信器、18 演算部、20 試料、22 励起位置、24 X軸ミラー、26 X軸モータ、28 Y軸ミラー、30 Y軸モータ、32 共振コーン、34 金属板、36 圧電セラミックス、38 電極端子、40 ケース、41 受信面、42 開口、43 ホルダ、50 アンプ、52 バンドパスフィルタ、54 A/Dボード、60 直線状損傷部、62 ジグザグ状損傷部、64 T字型損傷部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を試料に励起させる励起部と、
前記超音波を励起させる前記試料の励起位置を移動させる移動部と、
前記試料の表面から離間するとともに、前記表面に対して指向軸が垂直となるように配置される、前記試料から伝搬される超音波を受信する複数の受信器と、
それぞれの前記受信器が受信した同一の励起位置から伝搬した超音波信号を重ね合わせる演算部と、
を備えることを特徴とする、超音波検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の超音波検査装置であって、
前記複数の受信器が受信可能な超音波の中心周波数は20kHz以上100kHz以下であることを特徴とする、超音波検査装置。
【請求項1】
超音波を試料に励起させる励起部と、
前記超音波を励起させる前記試料の励起位置を移動させる移動部と、
前記試料の表面から離間するとともに、前記表面に対して指向軸が垂直となるように配置される、前記試料から伝搬される超音波を受信する複数の受信器と、
それぞれの前記受信器が受信した同一の励起位置から伝搬した超音波信号を重ね合わせる演算部と、
を備えることを特徴とする、超音波検査装置。
【請求項2】
請求項1記載の超音波検査装置であって、
前記複数の受信器が受信可能な超音波の中心周波数は20kHz以上100kHz以下であることを特徴とする、超音波検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2013−108920(P2013−108920A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255937(P2011−255937)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】
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