説明

車両搭載用発電装置

【課題】エンジンによってジェネレータを駆動して発電を行う車両搭載用発電装置において、エンジンおよびジェネレータを適切に制御すると共に、その制御を容易化することを目的とする。
【解決手段】発電コントロールユニット34は、エンジン12が停止している状態において二次電池18の充電電荷量が減少し、電力経路電圧値Vpが第1閾値としての始動閾値VLに達したときに、エンジン12に対する始動制御を実行する。エンジン12の始動によってモータジェネレータMG1は発電を行い、その発電電力によって二次電池18が充電される。モータジェネレータMG1の発電電力によって二次電池18が充電されることにより電力経路電圧値Vpは増加する。これによって、電力経路電圧値Vpが第2閾値としての停止閾値VHに達すると、発電コントロールユニット34は、エンジン12に対する停止制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両搭載用発電装置に関し、特に、エンジンによってジェネレータを駆動して発電を行う装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
モータの駆動力によって走行する電気自動車が広く用いられている。電気自動車には、繰り返し充放電が可能な二次電池が搭載される。二次電池とモータとの間には、これらの間で授受される電力を制御する電力制御回路が設けられる。モータは、二次電池から供給され電力制御回路によって制御された電力に基づいて車両を駆動する。また、電力制御回路は、モータが回生制動によって発電した電力を二次電池に供給して二次電池を充電する。一般に、電気自動車には外部充電装置が搭載される。外部充電装置は、一般家庭で用いられる商用電源コンセント等から電力を取得し、二次電池を充電する。
【0003】
このような電気自動車の他、自ら発電を行うためのエンジンおよびジェネレータを搭載したシリーズハイブリッド自動車がある。シリーズハイブリッド自動車は、エンジンによってジェネレータを駆動して発電を行い、発電電力によってモータを駆動して走行する。ジェネレータによる発電電力のうち車両の走行に用いられない電力、およびモータによる回生電力は二次電池に供給される。二次電池に充電された電力は、走行制御に応じてモータに供給され、走行電力として用いられる。シリーズハイブリッド自動車によれば、エンジンによる発電電力およびモータによる回生電力を走行電力として用いることができる。
【0004】
以下の特許文献1には、シリーズハイブリッド自動車について記載されている。このシリーズハイブリッド自動車においては、ジェネレータが出力する交流発電電圧を整流する整流器が設けられている。整流器が出力する直流電圧は、昇圧チョッパ回路によって電圧値が調整された後、二次電池(バッテリ)に印加される。特許文献1には、さらに、昇圧チョッパ回路の制御によりバッテリの電圧制御を行う旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−245322号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シリーズハイブリッド自動車は、電気自動車にエンジンおよびジェネレータを追加した構成を有する。そこで、シリーズハイブリッド自動車の回路構成の一部を、既存の電気自動車と同一とすることで、シリーズハイブリッド自動車の設計および製造が容易となるとも考えられる。しかし、既存の電気自動車で採用されている電気回路と、エンジンおよびジェネレータとを組み合わせた場合、エンジンおよびジェネレータの制御が複雑になることがある。
【0007】
本発明は、このような課題に対してなされたものである。すなわち、エンジンによってジェネレータを駆動して発電を行う車両搭載用発電装置において、エンジンおよびジェネレータを適切に制御すると共に、その制御を容易化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、エンジンと、前記エンジンを制御する制御部と、前記エンジンとの間でトルクを作用し合うジェネレータと、前記ジェネレータの交流発電電力を直流電力に変換し、車両を電力駆動する車両駆動部と二次電池との間の電力経路にその直流電力を出力する整流回路と、前記電力経路に現れる電圧を表す制御用値を取得する制御用値取得部と、を備え、前記制御部は、前記制御用値に基づいて前記エンジンの始動制御および停止制御を行う、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る車両搭載用発電装置は、望ましくは、前記制御部は、前記制御用値が第1閾値から増加して第2閾値に達したときに前記エンジンの停止制御を行い、その後、前記制御用値が前記第2閾値から減少し前記第1閾値に達したときに前記エンジンの始動制御を行う。
【0010】
また、本発明に係る車両搭載用発電装置は、望ましくは、前記制御部は、前記制御用値に基づいて、前記ジェネレータに対する発電電力目標値を決定する目標値決定手段を備え、前記目標値決定手段は、前記制御用値が大きい程、前記発電電力目標値を小さい値に決定し、前記エンジンの駆動中に前記制御部は、前記エンジンを制御して前記ジェネレータの発電電力を前記発電電力目標値に近づける。
【0011】
また、本発明に係る車両搭載用発電装置は、望ましくは、前記目標値決定手段は、前記制御用値の時間変化率に基づいて前記発電電力目標値を決定する。
【0012】
また、本発明に係る車両搭載用発電装置は、望ましくは、前記制御部は、前記制御用値に基づいて、前記ジェネレータに対する発電電力目標値を決定する目標値決定手段を備え、前記目標値決定手段は、前記制御用値の時間変化率に基づいて前記発電電力目標値を決定し、前記エンジンの駆動中に前記制御部は、前記エンジンを制御して前記ジェネレータの発電電力を前記発電電力目標値に近づける。
【0013】
また、本発明は、エンジンと、前記エンジンを制御する制御部と、前記エンジンとの間でトルクを作用し合うジェネレータと、前記ジェネレータの交流発電電力を直流電力に変換し、車両を電力駆動する車両駆動部と二次電池との間の電力経路にその直流電力を出力する整流回路と、前記電力経路に現れる電圧を表す制御用値を取得する制御用値取得部と、を備え、前記制御部は、前記制御用値に基づいて、前記ジェネレータに対する発電電力目標値を決定する目標値決定手段を備え、前記エンジンを制御して前記ジェネレータの発電電力を前記発電電力目標値に近づけ、前記目標値決定手段は、前記制御用値が大きい程、前記発電電力目標値を小さい値に決定する、ことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る車両搭載用発電装置は、望ましくは、前記目標値決定手段は、前記制御用値の時間変化率に基づいて前記発電電力目標値を決定する。
【0015】
また、本発明は、エンジンと、前記エンジンを制御する制御部と、前記エンジンとの間でトルクを作用し合うジェネレータと、前記ジェネレータの交流発電電力を直流電力に変換し、車両を電力駆動する車両駆動部と二次電池との間の電力経路にその直流電力を出力する整流回路と、前記電力経路に現れる電圧を表す制御用値を取得する制御用値取得部と、を備え、前記制御部は、前記制御用値に基づいて、前記ジェネレータに対する発電電力目標値を決定する目標値決定手段を備え、前記エンジンを制御して前記ジェネレータの発電電力を前記発電電力目標値に近づけ、前記目標値決定手段は、前記制御用値の時間変化率に基づいて前記発電電力目標値を決定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、エンジンによってジェネレータを駆動して発電を行う車両搭載用発電装置において、エンジンおよびジェネレータを適切に制御すると共に、その制御を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】シリーズハイブリッド車両駆動システムの構成を示す図である。
【図2】シリーズハイブリッド車両駆動システムの回路構成例を示す図である。
【図3】発電電力目標値と電力経路電圧値との関係を示す図である。
【図4】SOCと電力経路電圧値との関係を示す図である。
【図5】電力経路電圧値と発電電力目標値との関係を示す図である。
【図6】モータジェネレータMG1の回転数対トルク特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.シリーズハイブリッド車両駆動システムについての概要
図1には本発明の実施形態に係るシリーズハイブリッド車両駆動システムの構成が示されている。このシステムは、モータジェネレータMG2を走行用のモータジェネレータとし、モータジェネレータMG1を発電用のモータジェネレータとするものである。シリーズハイブリッド車両駆動システムが備える構成要素のうち、二次電池18、キャパシタ20、車両駆動回路26、モータジェネレータMG2、運転操作部32、およびEV(Electric Vehicle)コントロールユニット30は、電気自動車と同様の構成を有する。また、エンジン12、モータジェネレータMG1、整流回路14、および発電コントロールユニット34は、車両搭載用の発電装置としての機能を有する。このように、シリーズハイブリッド自動車駆動システムは、電気自動車の駆動システムに発電装置を付加した構成を有する。
【0019】
発電コントロールユニット34は、二次電池18と車両駆動回路26とを接続する正極伝送線22および負極伝送線24に現れる電圧、および、モータジェネレータMG1の回転状態に基づいて、エンジン12を制御する。エンジン12は、モータジェネレータMG1にトルクを与える。モータジェネレータMG1は、エンジン12からトルクを与えられることで発電を行う。整流回路14は、モータジェネレータMG1が発電した交流電力を直流電力に変換し、その直流電力を二次電池18および車両駆動回路26に出力する。
【0020】
EVコントロールユニット30は、アクセルペダル、ブレーキペダル、運転席の操作パネル等を含む運転操作部32における操作に基づいて、車両駆動回路26を制御する。車両駆動回路26は、車両を加速するときは、整流回路14から出力される直流電力、または二次電池18から出力される直流電力を交流電力に変換し、その交流電力をモータジェネレータMG2に供給する。そして、車両を回生制動するときは、モータジェネレータMG2の交流発電電力を直流電力に変換し、その直流電力を二次電池18に出力して二次電池18を充電する。
【0021】
2.シリーズハイブリッド車両駆動システムの構成および動作
シリーズハイブリッド車両駆動システムの具体的な構成および動作について説明する。発電コントロールユニット34は、エンジン制御部36を備え、エンジン12のスロットルを制御することで、エンジン12のトルクおよび回転数を制御する。スロットルの開度が大きい程、エンジン12の出力パワー(トルクと回転数との積に比例する量)は増加し、スロットルの開度が小さい程、エンジン12の出力パワーは減少する。また、エンジン制御部36は、エンジン12に取り付けられたセルモータの制御、およびエンジンプラグの制御を行い、エンジン12の始動制御および停止制御を行う。
【0022】
モータジェネレータMG1のシャフトは、エンジン12のシャフトに取り付けられている。エンジン12およびモータジェネレータMG1は互いにトルクを作用し合う。すなわち、エンジン12は出力パワーに応じた駆動トルクをモータジェネレータMG1に与え、モータジェネレータMG1は、発電電力に応じた反作用トルクをエンジン12に与える。
【0023】
モータジェネレータMG1の電力伝送線U1、V1およびW1は、整流回路14に接続されている。整流回路14は、整流素子として6個のダイオード16を備える。整流回路14には、上下のダイオード16の組が、電力伝送線U1,V1およびW1に対応して設けられている。上下のダイオード16の組においては、上側のダイオード16のアノード端子が下側のダイオード16のカソード端子に接続されている。また、各組の上側のダイオード16のカソード端子は、二次電池18と車両駆動回路26とを接続する正極伝送線22に接続され、各組の下側のダイオード16のアノード端子は二次電池18と車両駆動回路26とを接続する負極伝送線24に接続されている。
【0024】
各ダイオード16は、アノード端子の電位がカソード端子の電位よりも高いときに導通する。これによって、整流回路14は、3相交流電力を直流電力に変換する。すなわち、整流回路14は、各ダイオード16の整流作用により、電力伝送線U1、V1およびW1の相互間の交流電圧を直流電圧に変換し、正極伝送線22および負極伝送線24に出力する。
【0025】
二次電池18の正極には、正極伝送線22の一端が接続され、正極伝送線22の他端は車両駆動回路26に接続されている。二次電池18の負極には、負極伝送線24の一端が接続され、負極伝送線24の他端は車両駆動回路26に接続されている。二次電池18には、キャパシタ20が並列に接続されている。キャパシタ20は、二次電池18と共に電荷を蓄える。
【0026】
発電コントロールユニット34は、モータジェネレータMG1に設けられたレゾルバ40から、モータジェネレータMG1の回転数の検出値を読み込む。また、発電コントロールユニット34は、モータジェネレータMG1の電力伝送線V1およびW1の各電流を検出する電流センサ42から、電力伝送線V1およびW1の各電流検出値を読み込み、さらに、正極伝送線22と負極伝送線24との線の電圧を検出する電圧計44から検出値を電力経路電圧値Vpとして読み込む。そして、回転数の検出値、電力伝送線V1およびW1の電流検出値、ならびに電力経路電圧値Vpに基づいてモータジェネレータMG1のトルクを求める。また、発電コントロールユニット34は、電力伝送線V1およびW1の電流検出値と、電力経路電圧値Vpとに基づいてモータジェネレータMG1の発電電力を求める。
【0027】
発電コントロールユニット34は、モータジェネレータMG1の発電電力目標値を決定する発電目標値決定部38を備える。発電目標値決定部38は、モータジェネレータMG1の回転数の検出値、トルクおよび発電電力に基づいて、発電電力目標値を決定する。発電コントロールユニット34は、エンジン12を制御し、モータジェネレータMG1の発電電力を発電電力目標値と一致させる。
【0028】
なお、本願明細書において、「一致」とは、2つの値の差異が所定の誤差範囲内であることをいうものとする。すなわち、2つの値を一致させる過程においては、一方の値を、他方の値の誤差範囲内に近づけることとなる。
【0029】
車両駆動回路26には、モータジェネレータMG2の電力伝送線U2、V2およびW2が接続されている。車両駆動回路26は、正極伝送線22および負極伝送線24から与えられる直流電力を3相交流電力に変換し、その3相交流電力をモータジェネレータMG2に出力する。また、車両駆動回路26は、モータジェネレータMG2から与えられる3相交流電力を直流電力に変換し、その直流電力を正極伝送線22および負極伝送線24に出力する。車両駆動回路26が正極伝送線22および負極伝送線24側からモータジェネレータMG2に電力を供給するか、モータジェネレータMG2から正極伝送線22および負極伝送線24側に電力を供給するかは、正極伝送線22および負極伝送線24の線間電圧、モータジェネレータMG2の回転状態、車両駆動回路26の動作状態等によって定まる。
【0030】
モータジェネレータMG2のシャフトには、車輪にトルクを伝達するトルク伝達機構28が取り付けられている。車両を加速するときは、車両駆動回路26からモータジェネレータMG2に電力が供給される。これによって、モータジェネレータMG2は加速トルクを発生し、車両を加速する。また、車両を回生制動するときは、モータジェネレータMG2から車両駆動回路26に発電電力が供給される。これによって、モータジェネレータMG2は制動トルクを発生し、車両を制動する。
【0031】
3.シリーズハイブリッド車両駆動システムの回路構成例
図2には、シリーズハイブリッド車両駆動システムの回路構成例が示されている。図1に示される構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0032】
車両駆動回路26は、インバータ回路46によって構成されている。インバータ回路46は、それぞれが上側IGBT48および下側IGBT50を含む3組のIGBT組46u、46vおよび46wを備える。各IGBT組における上側IGBT48のエミッタ端子は同じ組の下側IGBT50のコレクタ端子に接続されている。また、各IGBTのコレクタ端子とエミッタ端子との間には、エミッタ端子側がアノード端子となるようダイオード52が接続されている。
【0033】
各IGBT組の上側IGBT48のコレクタ端子は共通に接続され正極伝送線22に接続されている。また、各IGBT組の下側IGBT50のエミッタ端子は共通に接続され負極伝送線24に接続されている。
【0034】
IGBT組46uの上側IGBT48と下側IGBT50の接続節点には、モータジェネレータMG2の電力伝送線U2が接続されている。また、IGBT組46vの上側IGBT48と下側IGBT50の接続節点には、モータジェネレータMG2の電力伝送線V2が接続され、IGBT組46wの上側IGBT48と下側IGBT50の接続節点には、MG2の電力伝送線W2が接続されている。
【0035】
ここでは、インバータ回路46のスイッチング素子としてIGBTを用いた例を示しているが、スイッチング素子としては、サイリスタ、トライアック、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ等のその他の半導体素子を用いてもよい。
【0036】
EVコントロールユニット30は、各IGBT組が備える上側IGBT48および下側IGBT50に対しスイッチング制御を行う。インバータ回路46は、このスイッチング制御によって、二次電池18および整流回路14と、モータジェネレータMG2との間で直流交流変換を行うと共に、モータジェネレータMG2との間で授受される電力を調整する。
【0037】
4.シリーズハイブリッド車両駆動システムにおける発電制御
次に、モータジェネレータMG1の発電制御について説明する。本実施形態に係るシリーズハイブリッド車両駆動システムにおいては、発電コントロールユニット34は、電力経路電圧値Vpを制御に用いる値(制御用値)として取得する。そして、電力経路電圧値Vpに基づいてエンジン12の制御を行う。この制御には、エンジン12に対する始動制御および停止制御を行う始動・停止制御、エンジン12およびモータジェネレータMG1の回転数を安定化させる回転数安定化・発電制御、ならびに、エンジン12およびモータジェネレータMG1の回転数を安定化させる時間変化率・発電制御がある。
【0038】
(1)始動・停止制御
始動・停止制御においては、次のような制御が実行される。最初にエンジン12は停止しているものとする。発電コントロールユニット34は、モータジェネレータMG2によって二次電池18の充電電力が消費されることにより二次電池18の充電電荷量が減少し、電力経路電圧値Vpが第1閾値としての始動閾値VLに達したときに、エンジン12に対する始動制御を実行する。エンジン12が始動した後、発電コントロールユニット34は、エンジン12のトルクおよび回転数を制御し、モータジェネレータMG1の発電電力を予め定められた発電電力目標値Ptに一致させる。これによって、モータジェネレータMG1は発電を行い、その発電電力によって二次電池18が充電される。
【0039】
モータジェネレータMG1の発電電力によって二次電池18が充電されることにより、電力経路電圧値Vpは増加する。これによって、電力経路電圧値Vpが第2閾値としての停止閾値VHに達すると、発電コントロールユニット34は、エンジン12に対する停止制御を行う。
【0040】
図3には、電力経路電圧値Vpと発電電力目標値Pとの関係が示されている。横軸は電力経路電圧値Vpを示し、縦軸は発電電力目標値Pを示す。エンジン12が停止している状態において、Vp−P平面上の発電目標点は点Q0(V0,0)にあるものとする。ここで、電力経路電圧値V0は、電力経路電圧値VHより大きい値である。
【0041】
モータジェネレータMG2によって、二次電池18の充電電力が消費されることにより、電力経路電圧値Vpは減少する。これによって、電力経路電圧値Vpが始動閾値VLに達すると、発電目標点は点Q1(VL,0)に至り、エンジン12に対する始動制御が行われる。モータジェネレータMG1の発電電力は、発電電力目標値Ptに合わせられ、発電目標点は点Q2(VL,Pt)に至る。
【0042】
モータジェネレータMG1の発電電力によって二次電池18が充電されることにより、電力経路電圧値Vpは増加する。これによって、電力経路電圧値Vpが停止閾値VHに達すると、発電目標点は点Q3(VH,Pt)に至り、エンジン12に対する停止制御が行われる。モータジェネレータMG1の発電電力は0となり、発電目標点は、点Q4(VH,0)に至る。
【0043】
その後、モータジェネレータMG2によって、二次電池18の充電電力が消費されることにより、電力経路電圧値Vpは減少する。これによって、電力経路電圧値Vpが始動閾値VLに達すると、発電目標点は点Q1(VL,0)に至り、エンジン12に対する始動制御が行われる。
【0044】
このような制御によって、発電目標点は、点Q1、点Q2、点Q3、点Q4、点Q1・・・・・の順に巡回する。これによって、電力経路電圧値Vpは、始動閾値VL以上、停止閾値VH以下の範囲に維持され、二次電池18の充電電荷量は所定の範囲内に維持される。
【0045】
図4には、SOC(State Of Charge)と電力経路電圧値Vpとの関係が示されている。横軸はSOCを示し、縦軸は電力経路電圧値Vpを示す。ここで、SOCは、二次電池18が満充電状態であるときの充電電荷量に対する、現時点における充電電荷量の割合を示す。図4に示されているように、電力経路電圧値Vpは、SOCの増加に従って増加し、SOCの減少に従って減少する。始動閾値VLおよび停止閾値VHに対応するSOCをそれぞれ、SOCLおよびSOCHとすれば、SOCL<SOCHの関係が成立する。
【0046】
シリーズハイブリッド車両駆動システムにSOC、または充電電荷量等のSOCに応じた量(以下、両者を含めてSOC相当量とする。)を測定する装置が搭載されているのであれば、発電コントロールユニット34は、図4に示される関係を用いて、測定されたSOC相当量から電力経路電圧値Vpを求めてもよい。また、電力経路電圧値Vpを制御用値として始動・停止制御を行う代わりに、測定されたSOC相当量を制御用値として始動・停止制御を行ってもよい。これは、以下に説明する回転数安定化・発電制御、および時間変化率・発電制御についても同様である。
【0047】
(2)回転数安定化・発電制御
上述の始動・停止制御においては、エンジン12が駆動中であるときの発電電力目標値PをPtで一定とした。ここで、発電電力目標値Pを適宜変化させることで、エンジン12およびモータジェネレータMG1の回転数の変動が抑制され、回転状態が良好になることがある。そこで、以下に述べる回転数安定化・発電制御においては、発電電力目標値Pを電力経路電圧値Vpに応じて変化させる。
【0048】
発電コントロールユニット34は、エンジン12が停止した状態において二次電池18の充電電荷量が減少し、電力経路電圧値Vpが始動閾値VLに達したときに、エンジン12に対する始動制御を実行する。エンジン12が始動した後、発電コントロールユニット34は、エンジン12のトルクおよび回転数を制御し、モータジェネレータMG1の発電電力を発電電力目標値Pに一致させる。この際、発電コントロールユニット34は、電力経路電圧値Vpの増加に応じて発電電力目標値Pを減少させる。
【0049】
図5には、電力経路電圧値Vpと発電電力目標値Pとの関係が示されている。図3に示される符号と同一の符号は、同一の事項を示す。エンジン12が停止している状態において、発電目標点は点Q0(V0,0)にあるものとする。
【0050】
モータジェネレータMG2によって、二次電池18の充電電力が消費されることにより、電力経路電圧値Vpは減少する。これによって、電力経路電圧値Vpが始動閾値VLに達すると、発電目標点は点Q1(VL,0)に至り、エンジン12に対する始動制御が行われる。モータジェネレータMG1の発電電力は、発電電力目標値Pt1に合わせられ、発電目標点は点Q5(VL,Pt1)に至る。
【0051】
エンジン12が駆動中であるときに、発電コントロールユニット34は、電力経路電圧値Vpに対する減少特性線54に基づき発電電力目標値Pを決定する。すなわち、電力経路電圧値Vpが大きいほど発電電力目標値Pを小さい値とし、電力経路電圧値Vpが小さいほど発電電力目標値Pを大きい値とする。この減少特性線54は、直線であってもよいし、曲線であってもよい。
【0052】
モータジェネレータMG1の発電電力によって二次電池18が充電されることにより、電力経路電圧値Vpは増加する。これによって発電目標点は、減少特性線54に沿って点Q6(VH,Pt2)に至り、エンジン12に対する停止制御が行われる。モータジェネレータMG1の発電電力は0となり、発電目標点は点Q4(VH,0)に至る。
【0053】
その後、モータジェネレータMG2によって、二次電池18の充電電力が消費されることにより、電力経路電圧値Vpは減少する。これによって、電力経路電圧値Vpが始動閾値VLに達すると、発電目標点は点Q1(VL,0)に至り、エンジン12に対する始動制御が行われる。
【0054】
このような制御によって、発電目標点は、点Q1、点Q5、点Q6、点Q4、点Q1・・・・・の順に巡回する。これによって、電力経路電圧値Vpは、始動閾値VL以上、停止閾値VH以下の範囲に維持され、二次電池18の充電電荷量は所定の範囲内に維持される。
【0055】
回転数安定化・発電制御によれば、次のような原理によって、エンジン12およびモータジェネレータMG1の回転数が安定化される。図1に示されるハイブリッド車両駆動システムでは、モータジェネレータMG1による発電電力が一定であるという条件の下で、電力経路電圧値Vpが変動すると、エンジン12およびモータジェネレータMG1の回転数もまた変動する。このような回転数変動は、車両の走行状態に関わらず生じ得るため、車両搭乗者に違和感を与えることがある。
【0056】
図6は、この現象を説明するために、モータジェネレータMG1の回転数対トルク特性を示したものである。横軸は回転数Nを示し、縦軸はモータジェネレータMG1からエンジン12に与えられるトルクTを示す。このトルクTは、エンジン12に対する反作用トルクである。図6には、電力経路電圧値VpがVpL、およびVpHで一定である場合のそれぞれにつき、回転数NとトルクTとの関係がNT特性曲線VpL、およびVpHとして示されている。ここで、電力経路電圧値VpHは、電力経路電圧値VpLよりも大きい。また、図6には、発電電力がP1であることを示す等電力線P1、および、発電電力がP2であることを示す等電力線P2が示されている。ここで、発電電力P1は、発電電力P2よりも大きい。
【0057】
電力経路電圧値VpがVpLであり、モータジェネレータMG1の発電電力がP1である状態において発電電力目標値PをP1で一定とし、電力経路電圧値VpがVpHに達した場合には、NT平面上の動作点は、等電力線P1に沿って点Aから点Bに移動する。ここで、点Aは、NT特性曲線VpLと等電力線P1との交点であり、点Bは、NT特性曲線VpHと等電力線P1との交点である。この場合、回転数は、点Aに対応する回転数NAから点Bに対応するNBまで増加する。
【0058】
このように、モータジェネレータMG1による発電電力がP1で一定であるという条件の下で、電力経路電圧値Vpが変動すると、電力経路電圧値Vpに対応するNT特性曲線が横軸方向に移動し、回転数が変動する。
【0059】
そこで、回転数安定化・発電制御においては、次のように電力経路電圧値Vpの増加に伴い発電電力目標値Pを減少させることで、回転数の変動を抑制する。すなわち、発電コントロールユニット34は、モータジェネレータMG1の発電電力がP1である状態において、発電電力目標値PをP1からP2まで減少させる。これによって、電力経路電圧値VpがVpLからVpHに達した場合には、NT平面上の動作点は、NT特性曲線VpHと等電力線P2との交点である点Cに移動する。点Cに対応する回転数NCは、点Bに対応する回転数NBよりも回転数NAからの増加が少ない。そのため、回転数の増加が抑えられ、回転数の変動が抑制される。
【0060】
このように、回転数安定化・発電制御によれば、エンジン12およびモータジェネレータMG1の回転数の変動が抑制される。これによって、エンジン12およびモータジェネレータMG1から発せられる回転音や振動の変動が抑えられ、車両搭乗者に違和感を与えることを回避することができる。
【0061】
また、回転数安定化・発電制御によれば、次のような原理に基づき、エンジン12およびモータジェネレータMG1の回転数の発散が回避される。まず、初期の状態において、電力経路電圧値VpがVpLであり、モータジェネレータMG1の発電電力がP1であるものとする。この状態から発散領域Rに動作点を移動させると回転数が発散する。ここで、発散領域Rは、NT特性曲線VpLのトルク極大点Kより左側における、トルク極大点より上側の領域、および、トルク極大点Kより右側における、NT特性曲線VpLより上側の領域を合わせた領域である。発散領域Rにおいては、エンジン12からモータジェネレータMG1に与えられる駆動トルクが、モータジェネレータMG1からエンジン12に与えられる反作用トルクよりも大きくなり、動作点が右側方向に移動する。これによって、回転数が正帰還となり発散する。
【0062】
回転数安定化・発電制御においては、発電コントロールユニット34は、電力経路電圧値Vpの増加に応じて発電電力目標値Pを減少させる。これによって、動作点は現時点のNT特性曲線の下側に移動することとなり、回転数の発散が回避される。
【0063】
(3)時間変化率・発電制御
シリーズハイブリッド車両駆動システムにおいては、発電電力目標値Pの時間変化率を適宜変化させることで、エンジン12およびモータジェネレータMG1の回転数の変動が抑制され、回転状態が良好になることがある。そこで、以下に述べる時間変化率・発電制御においては、発電電力目標値Pを電力経路電圧値Vpの時間変化率に応じて変化させる。
【0064】
発電コントロールユニット34は、エンジン12が停止した状態において二次電池18の充電電荷量が減少し、電力経路電圧値Vpが始動閾値VLに達したときに、エンジン12に対する始動制御を実行する。エンジン12が始動した後、発電コントロールユニット34は、エンジン12のトルクおよび回転数を制御し、モータジェネレータMG1の発電電力を発電電力目標値Pに一致させる。この際、発電コントロールユニット34は、電力経路電圧値Vpの時間変化率が正であるときは、発電電力目標値Pの時間変化率が負となり、電力経路電圧値Vpの時間変化率が負であるときは、発電電力目標値Pの時間変化率が正となるよう発電電力目標値Pを決定する。この制御は、発電電力目標値PをP1からP2に変化させる過程において行われる。
【0065】
具体的には、電力経路電圧値Vpが、所定の時間Δtの間にΔVだけ変化し、ΔVが正の値であるときは、先に決定された発電電力目標値Pに対し、次に決定する発電電力目標値Pを減少させる。他方、ΔVが負の値であるときは、先に決定された発電電力目標値Pに対し、次に決定する発電電力目標値Pを増加させる。
【0066】
時間変化率・発電制御によれば、次のような原理によって、エンジン12およびモータジェネレータMG1の回転数を安定化することができる。図1に示されるハイブリッド車両駆動システムでは、モータジェネレータMG1による発電電力が一定であるという条件の下で、電力経路電圧値Vpの時間変化率が変動すると、エンジン12およびモータジェネレータMG1の回転数もまた変動する。このような回転数変動は、車両の走行状態に関わらず生じ得るため、車両搭乗者に違和感を与えることがある。さらには、エンジン12のハンチングの原因となることがある。
【0067】
上述の回転数安定化・発電制御においては、発電電力目標値PをP1からP2に変化させる過程において、発電電力目標値Pの時間変化率については制御を行わないものとしている。そのため、図6における発電目標点が点Aから点Cに至るまでの間、発電目標点の軌跡が横軸方向に膨らむことがある。この場合、横軸方向に発電目標点が変動した分だけエンジン12およびモータジェネレータMG1の回転数が過渡的に変動する。
【0068】
そこで、時間変化率・発電制御においては、電力経路電圧値Vpの時間変化率が正であるときは、発電電力目標値Pの時間変化率が負となり、電力経路電圧値Vpの時間変化率が負であるときは、発電電力目標値Pの時間変化率が正となるよう発電電力目標値Pが決定される。これによって、エンジン12およびモータジェネレータMG1の回転数の過渡的な変動が抑制され、車両搭乗者に違和感を与えるという問題や、ハンチング等の問題が回避される。
【0069】
5.シリーズハイブリッド車両駆動システムの設計
シリーズハイブリッド車両駆動システムが備える構成要素のうち、二次電池18、キャパシタ20、車両駆動回路26、モータジェネレータMG2、運転操作部32およびEVコントロールユニット30は、一般の電気自動車と同様の構成を有する。また、エンジン12、モータジェネレータMG1、整流回路14、および発電コントロールユニット34は、車両搭載用の発電装置としての機能を有する。このように、シリーズハイブリッド自動車駆動システムは、電気自動車の駆動システムに発電装置を付加した構成を有する。
【0070】
したがって、二次電池18、車両駆動回路26、モータジェネレータMG2、運転操作部32およびEVコントロールユニット30を備える電気自動車の設計が既に完了している場合、その電気自動車に、エンジン12、モータジェネレータMG1、整流回路14、および発電コントロールユニット34を追加搭載(アドオン)するという設計が可能となる。
【0071】
モータジェネレータMG1の発電制御は、電力経路電圧値VpまたはSOC相当量を制御用値として実行される。そのため、電気自動車の走行制御とは独立に発電制御を行うことができるため、発電制御に関する設計が容易となる。
【符号の説明】
【0072】
12 エンジン、14 整流回路、16,52 ダイオード、18 二次電池、20 キャパシタ、22 正極伝送線、24 負極伝送線、26 車両駆動回路、28 トルク伝達機構、30 EVコントロールユニット、32 運転操作部、34 発電コントロールユニット、36 エンジン制御部、38 発電目標値決定部、40 レゾルバ、42 電流センサ、44 電圧計、46 インバータ回路、46u,46v,46w IGBT組、48 上側IGBT、50 下側IGBT、54 減少特性線、MG1,MG2 モータジェネレータ、R 発散領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンを制御する制御部と、
前記エンジンとの間でトルクを作用し合うジェネレータと、
前記ジェネレータの交流発電電力を直流電力に変換し、車両を電力駆動する車両駆動部と二次電池との間の電力経路にその直流電力を出力する整流回路と、
前記電力経路に現れる電圧を表す制御用値を取得する制御用値取得部と、を備え、
前記制御部は、
前記制御用値に基づいて前記エンジンの始動制御および停止制御を行う、ことを特徴とする車両搭載用発電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両搭載用発電装置において、
前記制御部は、前記制御用値が第1閾値から増加して第2閾値に達したときに前記エンジンの停止制御を行い、その後、前記制御用値が前記第2閾値から減少し前記第1閾値に達したときに前記エンジンの始動制御を行う、ことを特徴とする車両搭載用発電装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車両搭載用発電装置において、
前記制御部は、前記制御用値に基づいて、前記ジェネレータに対する発電電力目標値を決定する目標値決定手段を備え、
前記目標値決定手段は、前記制御用値が大きい程、前記発電電力目標値を小さい値に決定し、
前記エンジンの駆動中に前記制御部は、前記エンジンを制御して前記ジェネレータの発電電力を前記発電電力目標値に近づける、ことを特徴とする車両搭載用発電装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両搭載用発電装置において、
前記目標値決定手段は、前記制御用値の時間変化率に基づいて前記発電電力目標値を決定する、ことを特徴とする車両搭載用発電装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の車両搭載用発電装置において、
前記制御部は、前記制御用値に基づいて、前記ジェネレータに対する発電電力目標値を決定する目標値決定手段を備え、
前記目標値決定手段は、前記制御用値の時間変化率に基づいて前記発電電力目標値を決定し、
前記エンジンの駆動中に前記制御部は、前記エンジンを制御して前記ジェネレータの発電電力を前記発電電力目標値に近づける、ことを特徴とする車両搭載用発電装置。
【請求項6】
エンジンと、
前記エンジンを制御する制御部と、
前記エンジンとの間でトルクを作用し合うジェネレータと、
前記ジェネレータの交流発電電力を直流電力に変換し、車両を電力駆動する車両駆動部と二次電池との間の電力経路にその直流電力を出力する整流回路と、
前記電力経路に現れる電圧を表す制御用値を取得する制御用値取得部と、を備え、
前記制御部は、
前記制御用値に基づいて、前記ジェネレータに対する発電電力目標値を決定する目標値決定手段を備え、前記エンジンを制御して前記ジェネレータの発電電力を前記発電電力目標値に近づけ、
前記目標値決定手段は、前記制御用値が大きい程、前記発電電力目標値を小さい値に決定する、ことを特徴とする車両搭載用発電装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車両搭載用発電装置において、
前記目標値決定手段は、前記制御用値の時間変化率に基づいて前記発電電力目標値を決定する、ことを特徴とする車両搭載用発電装置。
【請求項8】
エンジンと、
前記エンジンを制御する制御部と、
前記エンジンとの間でトルクを作用し合うジェネレータと、
前記ジェネレータの交流発電電力を直流電力に変換し、車両を電力駆動する車両駆動部と二次電池との間の電力経路にその直流電力を出力する整流回路と、
前記電力経路に現れる電圧を表す制御用値を取得する制御用値取得部と、を備え、
前記制御部は、
前記制御用値に基づいて、前記ジェネレータに対する発電電力目標値を決定する目標値決定手段を備え、前記エンジンを制御して前記ジェネレータの発電電力を前記発電電力目標値に近づけ、
前記目標値決定手段は、前記制御用値の時間変化率に基づいて前記発電電力目標値を決定する、ことを特徴とする車両搭載用発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−79608(P2013−79608A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220199(P2011−220199)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】