車両用ガラスアンテナ
【課題】アンテナエレメントをボディエッジに近接して配置しても高いアンテナ性能を得る。
【解決手段】車体11の開口を塞ぐようにして、車体11に設けられている窓ガラス13に、取り付けられる車両用ガラスアンテナ20であって、給電部20cから、開口内に、且つボディエッジ24に沿って延ばされる直線状の第1のアンテナエレメント21と、この第1のアンテナエレメントの先端から略180度折り返して第1のアンテナエレメントに対向して延ばされる第2のアンテナエレメント22と、この第2のアンテナエレメントの先端から略180度折り返して第2のアンテナエレメントに対向して延ばされる第3のアンテナエレメント20bと、により構成される。
【解決手段】車体11の開口を塞ぐようにして、車体11に設けられている窓ガラス13に、取り付けられる車両用ガラスアンテナ20であって、給電部20cから、開口内に、且つボディエッジ24に沿って延ばされる直線状の第1のアンテナエレメント21と、この第1のアンテナエレメントの先端から略180度折り返して第1のアンテナエレメントに対向して延ばされる第2のアンテナエレメント22と、この第2のアンテナエレメントの先端から略180度折り返して第2のアンテナエレメントに対向して延ばされる第3のアンテナエレメント20bと、により構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の窓ガラスに設けられるアンテナ、特に、デシタルテレビ帯域の受信に好適な車両用ガラスアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用のDTV(Digital Television)用アンテナは、実装スペースや美観上の理由から、車両の窓ガラスにフィルム実装する形態が主として採用される。 車両の窓ガラスにフィルム実装する形態の自動車用高周波ガラスアンテナが知られている(例えば、特許文献1(図1参照。)。
【0003】
特許文献1の技術を図15に基づいて説明する。
図15に示されるようにアンテナ導体100は、フロントガラス110に形成される。アンテナ導体100は、第1のアンテナエレメント101と、第2のアンテナエレメント102と、第1の接続導体103と、ループ形成エレメント104とからなる。第1のアンテナエレメント101と、第2のアンテナエレメント102と、第1の接続導体103とによりU字状の導体パターンが形成されている。
【0004】
また、第1のアンテナエレメント101と給電部105とが、第2の接続導体106を介して接続されており、第1のアンテナエレメント101と、第1の接続導体103と、ループ形成エレメント104とによりループ部が形成されている。
【0005】
このように、アンテナ導体100は、ループ部を有するため、共振周波数を複数持つことができ、美観を損なうこと無く、広帯域の放送周波数であっても平坦で高いアンテナ利得と高FB比(Front/Backの電力比)を得ることができる。
【0006】
ところで、第2のアンテナエレメント102と、金属で構成されるボディエッジとの距離が1/4波長以下になると、放射インピーダンスが小さくなってアンテナとしての放射効率が低下し、帯域幅、及び指向特性に制約が生じる。
そのため、特許文献1の技術によれば、主アンテナとなる第2のアンテナエレメント102は、車両ルーフのボティーエッジから100mm程度離す必要がある。
【0007】
ボティーエッジから100mm程度離すと、第2のアンテナエレメント102が、運転者の視界に入る虞があり、改善が求められる。
そこで、第2のアンテナエレメント102を、よりボティーエッジへ近づけることができる技術が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−22538公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、アンテナエレメントをボディエッジに近接して配置しても高いアンテナ性能を得ることができる、車両用ガラスアンテナを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明では、車体の開口を塞ぐようにして、前記車体に設けられている窓ガラスに、取り付けられる車両用ガラスアンテナであって、少なくとも2回の折り返しパターンを有するアンテナエレメントを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明では、請求項1記載の車両用ガラスアンテナにおいて、前記アンテナエレメントは、給電部から、前記開口内に、且つ前記開口の縁に沿って延ばされる直線状の第1のアンテナエレメントと、この第1のアンテナエレメントの先端から略180度折り返して前記第1のアンテナエレメントに対向して延ばされる第2のアンテナエレメントと、この第2のアンテナエレメントの先端から略180度折り返して前記第2のアンテナエレメントに対向して延ばされる第3のアンテナエレメントと、からなることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明では、請求項2記載の車両用ガラスアンテナにおいて、前記第3のアンテナエレメントは、請求項1記載の車両用ガラスアンテナにおいて。前記開口の縁から、所定の周波数の1波長の1/16に相当する距離以内に配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明では、請求項1又は請求項2記載の車両用ガラスアンテナにおいて、前記第3のアンテナエレメントの長さは、所定の周波数の1波長の1/2に、短縮率を乗じて得た値に設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、車両用ガラスアンテナを、車体の開口の縁に沿って延ばされた少なくとも2回の折り返しパターンとすることで、車両のボディエッジに近接配置することによるインピーダンスの低下を抑制しつつ、受信感度を改善することができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、アンテナパターンを、第1、第2、第3のアンテナエレメントで構成し、第1のアンテナエレメントは、給電部から、開口内に、且つ開口の縁に沿って延ばされる直線状とし、第2のアンテナエレメントは、第1のアンテナエレメントの先端から略180度折り返して第1のアンテナエレメントに対向して延ばされ、第3のアンテナエレメントは、第2のアンテナエレメントの先端から180度折り返して第2のアンテナエレメントに対向して延ばされる。このように、第1、第2、第3のアンテナエレメントで2回の折り返しパターンを形成でき、したがって、車両のボディエッジに近接配置することによるインピーダンスの低下を抑制しつつ、受信感度を改善することができる。
【0016】
請求項3に係る発明では、ガラスアンテナの最下部に位置する第3のアンテナエレメントが、所定の周波数の1波長の1/16以内に相当する短い距離だけ開口の縁から離して配置されるため、運転時に視野の妨げになることはない。
【0017】
請求項4に係る発明では、第3のアンテナエレメントの長さが、所定の周波数の1波長の1/2に短縮率を乗じて得た値に設定されるため、アンテナパターンの設計が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例に係る車両用ガラスアンテナを備える車両の平面図である。
【図2】本発明の実施例に係る車両用ガラスアンテナの基本構造及び各部の寸法を示す図である。
【図3】測定に供した車両用ガラスアンテナの代表的なパターンを示す図である。
【図4】車両用ガラスアンテナの折り返し寸法と感度の相関を示すグラフである。
【図5】折り返し寸法(0、25、50mm)毎のVSWRの変化を示すグラフである。
【図6】折り返し寸法(75、80、90mm)毎のVSWRの変化を示すグラフである。
【図7】折り返し寸法(95、100、105mm)毎のVSWRの変化を示すグラフである。
【図8】折り返し寸法(110、115、120mm)毎のVSWRの変化を示すグラフである。
【図9】折り返し寸法(125、130、140mm)毎のVSWRの変化を示すグラフである。
【図10】折り返し寸法(150mm)毎のVSWRの変化を示すグラフである。
【図11】測定に供する主アンテナ素子とボディエッジとの距離を示すパターンの図である。
【図12】主アンテナ素子とボディエッジとの距離と、感度変化との相関を示すグラフである。
【図13】測定に供する主アンテナ素子の素子長を示すパターンの図である。
【図14】主アンテナ素子の素子長と感度の相関を示すグラフである。
【図15】従来の車両用ガラスアンテナの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0020】
本発明に係る車両用ガラスアンテナは、車両の窓ガラスに取付けることができる。すなわち、図1に示すように、車両10は、車体11の左右の前ピラー12L、12R(Lは左、Rは右を示す添え字である。以下同じ)間に嵌められるフロントガラス13と、後ピラー14L、14R間に嵌められているリヤガラス15と、前ドア16L、16Rに昇降可能に取付けられている前ドアガラス17L、17Rと、後ドア18L、18Rに昇降可能に取付けられている後ドアガラス19L、19Rからなる、窓ガラスを備えている。
【0021】
車両用ガラスアンテナ20は上述の窓ガラスの何れにも取付け可能であるが、本実施例では、フロントガラス13の略中央上部に設けられている。車両用ガラスアンテナ20は、主に車載TV用に地上波のUHF(Ultra High Frequency)帯を使用する地上デジタル放送の電波を受信するために設計されたDTV用アンテナである。
【0022】
車両用ガラスアンテナ20の詳細を、図2で説明する。
図2(a)に示すように、車両用ガラスアンテナ20は、車体11の開口を塞ぐように、車体11に設けられている窓ガラス13に取り付けられている。 車両用ガラスアンテナ20は、アンテナ本体となる、インピーダンス調整素子20a、及び主アンテナ素子20bと、給電点20cとを含み、これらは、車体11の開口の縁(以下、ボデイエッジ24という)に近接して取り付けられている。なお、符号25は、車体11内部に実装される窓ガラス13のガラスエッジを示す。
【0023】
インピーダンス調整素子20aを、さらに詳しく説明する。
図2(b)に示すように、インピーダンス調整素子20aは、線状の導電体で構成され、第1のアンテナエレメント21と、第2のアンテナエレメント22と、を含む。
【0024】
第1のアンテナエレメント21は、給電部20cから、ボディエッジ24に沿って延ばされ形成される線状の導電体である。また、第2のアンテナエレメント22は、第1のアンテナエレメント21の先端位置から180度折り返して第1のアンテナエレメント21に対向して延ばされ形成される線状の導電体である。ここでは、略平行に対向して延ばされることとする。
なお、第3のアンテナエレメントとして示される主アンテナ素子20bは、インピーダンス調整素子20aを構成する第2のアンテナエレメント22の先端から180度折り返して第2のアンテナエレメント22に対向して延ばされ形成される線状の導電体である。ここでは、略平行に対向して延ばされることとする。
【0025】
次に、上述した各線状の導体の寸法の最適例について説明する。
インピーダンス調整素子20aを構成する第1、第2のアンテナパターン21、22の折り返し寸法aは、100mm、主アンテナ素子20bの素子長dは、150mm、第1と第2のアンテナパターン、及び、インピーダンス調整素子20a(第2のアンテナパターン22)と主アンテナ素子20b間の導体間隔cは、いずれも5mmが最適である。ここで、導体間隔をcを、5mmとした理由は、アンテナの高性能化とサイズ(実装スペースの削減)とは設計上トレードオフの関係にあることから、導体間隔として最適範囲にある3mm〜20mmの中から、サイズを優先したためである。
【0026】
また、主アンテナ素子20bと車体11のボディエッジ24との間の距離bは、30mm以内が最適である。その根拠については後述する。また、給電点20cと、インピーダンス調整素子20aの折り返し点との間隔eは、5mmが最適である。なお、ここで適用される給電点(端子20b)の寸法は、20mm×12mmとし、アンテナ線幅は、0.2mm〜1.0mmを使用するものとする。
【0027】
インピーダンス調整素子20aは、2回の折り返しパターンにより、電気的にはインダクタンスを付加したことと等価になる。加えて、従来は100mm程度であった、車体11のボティエッジ24との距離bが30mmに短縮された。
結果、車載用ガラスアンテナ20を運転視野の妨げにならないようにボディエッジ24に近接して配置したことによるインピーダンスの低下を抑制することができ、結果的に受信感度の改善が図られる。
【0028】
次に、インピーダンス調整素子20aの折り返し寸法a、主アンテナ素子20bとボディエッジ24との間の距離b、主アンテナ素子20bの素子長d、のそれぞれの最適寸法の根拠について説明する。
【0029】
(インピーダンス調整素子20aの折り返し寸法a)
本発明者らは、図2(b)に示すインピーダンス調整素子20aの折り返し寸法aを、0〜150mmまで変更し、且つ周波数を400MHz〜800MHzまで変更しながら、アンテナ感度を測定した。
【0030】
理解を促すために、インピーダンス調整素子20aの代表例を、図3(a)〜(d)に示す。すなわち、アンテナ長dを一定にして、折り返し寸法aを変えると、例えば、(a)〜(d)のように、インピーダンス調整素子20aの形状が変わる。
【0031】
インピーダンス調整素子20aの折り返し寸法aを、0〜150mmまで変更したときに、それぞれに対応する感度をグラフ化したものが、図4である。横軸はDTV帯域(473MHz〜713MHz)を中心とする周波数[MHz]、縦軸は相対感度[dBd]である。
ここでは、折り返し寸法aを0(折り返しなし)、25mm、50mm、75mm、80mm、90mm、95mm、100mm、105mm、110mm、115mm、120mm、125mm、150mmに変更したときの、それぞれの感度曲線を、a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7、a8、a9、a10、a11、a12、a13、a14で示している。
【0032】
太線a8で示した曲線は、細線a1〜a7、a9〜a14のそれぞれに比較して、特に、DTV帯域において安定した感度が得られた。
曲線a8は、折り返し寸法a=100mmの場合の感度であり、他の折り返し寸法、例えば、図3に示したa=25mm、75mm、a=150mmの場合に比べて感度の点で優れていることが確認できた。
【0033】
ところで、給電点20cに生じる定在波の電圧最大値と電圧最小値の比をVSWR(Voltage Standing Wave Ratio:電圧定在波比)で示し、給電線の特性インピーダンスと負荷インピーダンスとの整合の度合いを表すことが知られている。完全に整合している場合は、VSWR=1となる。
【0034】
折り返し寸法を変えるとVSWRも変化する。そこで、発明者らは、折り返し寸法とVSWRとの相関を調べた。その結果を図5〜図10に示す。
【0035】
図5〜図10は、いずれも、横軸に周波数{MHz}、縦軸にVSWRを目盛り、400MHzを測定開始点、800MHzを測定停止点として、473MHz、575MHz、586MHz、713MHzの各ポイントでのVSWRを示している。
【0036】
その結果、図6(c)と図7(a)に示す折り返し寸法90mm,95mmがDTV帯域内のVSWRが全体的に低くなっていることがわかった。但し、図6(c)の90mmでは、473MHzが急峻な変化カーブの途中にあり、このため、95mmの方が安定している。
以上に説明したようにVSWRからは、折り返し寸法は95mmが望ましい値であることが確認できた。
【0037】
次に、測定で得た95mmが、望ましい値であることを、理論的に説明することを試みる。
理論的な説明に用いる周波数は、図4に示される473MHzを使用する。
この473MHzは、DTV帯域(473〜713MHz)中、インピーダンスが最も悪い。悪条件の473MHzで説明がつけば、より好条件の他の周波数は説明を要しないからである。
【0038】
折り返し寸法は、[所定の周波数(設計周波数)の1波長]×(1/4)×短縮率で求めることができる。[所定の周波数(設計周波数)の1波長]は、300/473で求まる。すると、折り返し寸法aは、(300/470)×(1/4)×0.6の計算により、95mmとなる。但し、折り返しが95mmのものは、図4にa6で示すようにデジタルTV帯域の473MHz近傍で急激な感度下降があるため、本実施例では、最適な折り返し寸法として100mmが望ましい値である。
【0039】
上述したように、本発明の実施例に係る車両用ガラスアンテナ20では、インピーダンス調整素子20aを、車体11の開口の縁に沿って延ばされた少なくとも2回の折り返しパターンとすることで、車両のボディエッジ24に近接配置することによるインピーダンスの低下を抑制しつつ受信感度を改善することができる。なお、このときの折り返し寸法は、所定の周波数の1波長の1/4に、短縮率を乗じて得た値が最適である。
【0040】
(主アンテナ素子20bとボディエッジ24との距離b)
図11に、主アンテナ素子20bとボティエッジ24との間の距離による感度測定パターンが、図12に、その感度変化を示すグラフが示されている。
【0041】
具体的に、図11に示す距離b'を、20mm、30mm、40mm、60mm、80mm、100mm、30mm(100mmで折り返し)、に変更したときの感度変化の様子が、図12に、b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7としてそれぞれ示されている。
【0042】
図12から明らかなように、主アンテナ素子20bがボディエッジ24に近づいて配置される(100mm→20mm)につれ、いずれの周波数においても感度が落ち、性能が悪化していることが理解できる。但し、DTV帯域内において、インピーダンス調整素子20aの折り返し寸法aが100mで、主アンテナ素子20bとボディエッジ24との間の距離b'が30mm(100mmで折り返し)を有する太線b7で示した曲線が、DTV帯域全域にわたり他のグラフb1〜b6に比較して高い感度を維持していることがわかる。
【0043】
インピーダンス調整素子20aは、インピーダンスミスマッチにより感度が不足している周波数にマッチする寸法の折り返しを設けるが、この折り返しはマッチングが目的であるため、アンテナ受信部とならないよう、ホディエッジ24に近接させる必要がある。本実施例では、周波数の1波長×1/16以内が望ましい。例えば、設計周波数を470MHzとした場合、b'=300/470/16=40mmになる。
【0044】
上述した本発明の実施例に係る車両用ガラスアンテナ20では、折り返しパターンの最下部に位置する第3のアンテナエレメントとしての主アンテナ素子20bは、スンピーダンス調整素子20aでインピーダンス調整が行われるため、ボディエッジ24の近傍に配置することができ、運転時に視野の妨げになることはない。
【0045】
(主アンテナ素子20bの素子長d)
図13に、主アンテナ素子20bの素子長を変更したことによる感度測定パターンとその寸法が、図14に、その素子長と感度との関係を示すグラフが示されている。
【0046】
具体的には、図13に示す主アンテナ素子20bの長さ(素子長)d'を、130mm〜170mmまで5mm間隔で変更したときの感度変化の様子が、図14に、d1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9として、それぞれ示されている。
【0047】
図14から明らかなように、主アンテナ素子20bの素子長が150mmの場合に、DTVの全帯域に渡って平均的に高い感度を得ていることが理解できる。
【0048】
上述した本発明の実施例に係る車両用ガラスアンテナ20では、主アンテナ素子20bの素子長が、所定の周波数の1波長の1/2に短縮率を乗じて得た値に設定されるため、アンテナパターンの設計が容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、国内におけるDTV帯域への適用は勿論のこと、海外のデジタルテレビ帯域への適用も可能であり、運転時の良好視野を得るために車両用ガラスアンテナをボディエッジに近接して実装した場合に共振インピーダンスを最適化し、受信感度改善のための手段として好適である。
【符号の説明】
【0050】
10…車両、13…フロントガラス、20…車両用ガラスアンテナ、20a…インピーダンス調整素子、20b…主アンテナ素子(第3のアンテナエレメント)、20c…給電点、21…第1のアンテナエレメント、22…第2のアンテナエレメント、24…ボディエッジ、25…ガラスエッジ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の窓ガラスに設けられるアンテナ、特に、デシタルテレビ帯域の受信に好適な車両用ガラスアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用のDTV(Digital Television)用アンテナは、実装スペースや美観上の理由から、車両の窓ガラスにフィルム実装する形態が主として採用される。 車両の窓ガラスにフィルム実装する形態の自動車用高周波ガラスアンテナが知られている(例えば、特許文献1(図1参照。)。
【0003】
特許文献1の技術を図15に基づいて説明する。
図15に示されるようにアンテナ導体100は、フロントガラス110に形成される。アンテナ導体100は、第1のアンテナエレメント101と、第2のアンテナエレメント102と、第1の接続導体103と、ループ形成エレメント104とからなる。第1のアンテナエレメント101と、第2のアンテナエレメント102と、第1の接続導体103とによりU字状の導体パターンが形成されている。
【0004】
また、第1のアンテナエレメント101と給電部105とが、第2の接続導体106を介して接続されており、第1のアンテナエレメント101と、第1の接続導体103と、ループ形成エレメント104とによりループ部が形成されている。
【0005】
このように、アンテナ導体100は、ループ部を有するため、共振周波数を複数持つことができ、美観を損なうこと無く、広帯域の放送周波数であっても平坦で高いアンテナ利得と高FB比(Front/Backの電力比)を得ることができる。
【0006】
ところで、第2のアンテナエレメント102と、金属で構成されるボディエッジとの距離が1/4波長以下になると、放射インピーダンスが小さくなってアンテナとしての放射効率が低下し、帯域幅、及び指向特性に制約が生じる。
そのため、特許文献1の技術によれば、主アンテナとなる第2のアンテナエレメント102は、車両ルーフのボティーエッジから100mm程度離す必要がある。
【0007】
ボティーエッジから100mm程度離すと、第2のアンテナエレメント102が、運転者の視界に入る虞があり、改善が求められる。
そこで、第2のアンテナエレメント102を、よりボティーエッジへ近づけることができる技術が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−22538公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、アンテナエレメントをボディエッジに近接して配置しても高いアンテナ性能を得ることができる、車両用ガラスアンテナを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明では、車体の開口を塞ぐようにして、前記車体に設けられている窓ガラスに、取り付けられる車両用ガラスアンテナであって、少なくとも2回の折り返しパターンを有するアンテナエレメントを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明では、請求項1記載の車両用ガラスアンテナにおいて、前記アンテナエレメントは、給電部から、前記開口内に、且つ前記開口の縁に沿って延ばされる直線状の第1のアンテナエレメントと、この第1のアンテナエレメントの先端から略180度折り返して前記第1のアンテナエレメントに対向して延ばされる第2のアンテナエレメントと、この第2のアンテナエレメントの先端から略180度折り返して前記第2のアンテナエレメントに対向して延ばされる第3のアンテナエレメントと、からなることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明では、請求項2記載の車両用ガラスアンテナにおいて、前記第3のアンテナエレメントは、請求項1記載の車両用ガラスアンテナにおいて。前記開口の縁から、所定の周波数の1波長の1/16に相当する距離以内に配置されていることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明では、請求項1又は請求項2記載の車両用ガラスアンテナにおいて、前記第3のアンテナエレメントの長さは、所定の周波数の1波長の1/2に、短縮率を乗じて得た値に設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、車両用ガラスアンテナを、車体の開口の縁に沿って延ばされた少なくとも2回の折り返しパターンとすることで、車両のボディエッジに近接配置することによるインピーダンスの低下を抑制しつつ、受信感度を改善することができる。
【0015】
請求項2に係る発明では、アンテナパターンを、第1、第2、第3のアンテナエレメントで構成し、第1のアンテナエレメントは、給電部から、開口内に、且つ開口の縁に沿って延ばされる直線状とし、第2のアンテナエレメントは、第1のアンテナエレメントの先端から略180度折り返して第1のアンテナエレメントに対向して延ばされ、第3のアンテナエレメントは、第2のアンテナエレメントの先端から180度折り返して第2のアンテナエレメントに対向して延ばされる。このように、第1、第2、第3のアンテナエレメントで2回の折り返しパターンを形成でき、したがって、車両のボディエッジに近接配置することによるインピーダンスの低下を抑制しつつ、受信感度を改善することができる。
【0016】
請求項3に係る発明では、ガラスアンテナの最下部に位置する第3のアンテナエレメントが、所定の周波数の1波長の1/16以内に相当する短い距離だけ開口の縁から離して配置されるため、運転時に視野の妨げになることはない。
【0017】
請求項4に係る発明では、第3のアンテナエレメントの長さが、所定の周波数の1波長の1/2に短縮率を乗じて得た値に設定されるため、アンテナパターンの設計が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例に係る車両用ガラスアンテナを備える車両の平面図である。
【図2】本発明の実施例に係る車両用ガラスアンテナの基本構造及び各部の寸法を示す図である。
【図3】測定に供した車両用ガラスアンテナの代表的なパターンを示す図である。
【図4】車両用ガラスアンテナの折り返し寸法と感度の相関を示すグラフである。
【図5】折り返し寸法(0、25、50mm)毎のVSWRの変化を示すグラフである。
【図6】折り返し寸法(75、80、90mm)毎のVSWRの変化を示すグラフである。
【図7】折り返し寸法(95、100、105mm)毎のVSWRの変化を示すグラフである。
【図8】折り返し寸法(110、115、120mm)毎のVSWRの変化を示すグラフである。
【図9】折り返し寸法(125、130、140mm)毎のVSWRの変化を示すグラフである。
【図10】折り返し寸法(150mm)毎のVSWRの変化を示すグラフである。
【図11】測定に供する主アンテナ素子とボディエッジとの距離を示すパターンの図である。
【図12】主アンテナ素子とボディエッジとの距離と、感度変化との相関を示すグラフである。
【図13】測定に供する主アンテナ素子の素子長を示すパターンの図である。
【図14】主アンテナ素子の素子長と感度の相関を示すグラフである。
【図15】従来の車両用ガラスアンテナの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0020】
本発明に係る車両用ガラスアンテナは、車両の窓ガラスに取付けることができる。すなわち、図1に示すように、車両10は、車体11の左右の前ピラー12L、12R(Lは左、Rは右を示す添え字である。以下同じ)間に嵌められるフロントガラス13と、後ピラー14L、14R間に嵌められているリヤガラス15と、前ドア16L、16Rに昇降可能に取付けられている前ドアガラス17L、17Rと、後ドア18L、18Rに昇降可能に取付けられている後ドアガラス19L、19Rからなる、窓ガラスを備えている。
【0021】
車両用ガラスアンテナ20は上述の窓ガラスの何れにも取付け可能であるが、本実施例では、フロントガラス13の略中央上部に設けられている。車両用ガラスアンテナ20は、主に車載TV用に地上波のUHF(Ultra High Frequency)帯を使用する地上デジタル放送の電波を受信するために設計されたDTV用アンテナである。
【0022】
車両用ガラスアンテナ20の詳細を、図2で説明する。
図2(a)に示すように、車両用ガラスアンテナ20は、車体11の開口を塞ぐように、車体11に設けられている窓ガラス13に取り付けられている。 車両用ガラスアンテナ20は、アンテナ本体となる、インピーダンス調整素子20a、及び主アンテナ素子20bと、給電点20cとを含み、これらは、車体11の開口の縁(以下、ボデイエッジ24という)に近接して取り付けられている。なお、符号25は、車体11内部に実装される窓ガラス13のガラスエッジを示す。
【0023】
インピーダンス調整素子20aを、さらに詳しく説明する。
図2(b)に示すように、インピーダンス調整素子20aは、線状の導電体で構成され、第1のアンテナエレメント21と、第2のアンテナエレメント22と、を含む。
【0024】
第1のアンテナエレメント21は、給電部20cから、ボディエッジ24に沿って延ばされ形成される線状の導電体である。また、第2のアンテナエレメント22は、第1のアンテナエレメント21の先端位置から180度折り返して第1のアンテナエレメント21に対向して延ばされ形成される線状の導電体である。ここでは、略平行に対向して延ばされることとする。
なお、第3のアンテナエレメントとして示される主アンテナ素子20bは、インピーダンス調整素子20aを構成する第2のアンテナエレメント22の先端から180度折り返して第2のアンテナエレメント22に対向して延ばされ形成される線状の導電体である。ここでは、略平行に対向して延ばされることとする。
【0025】
次に、上述した各線状の導体の寸法の最適例について説明する。
インピーダンス調整素子20aを構成する第1、第2のアンテナパターン21、22の折り返し寸法aは、100mm、主アンテナ素子20bの素子長dは、150mm、第1と第2のアンテナパターン、及び、インピーダンス調整素子20a(第2のアンテナパターン22)と主アンテナ素子20b間の導体間隔cは、いずれも5mmが最適である。ここで、導体間隔をcを、5mmとした理由は、アンテナの高性能化とサイズ(実装スペースの削減)とは設計上トレードオフの関係にあることから、導体間隔として最適範囲にある3mm〜20mmの中から、サイズを優先したためである。
【0026】
また、主アンテナ素子20bと車体11のボディエッジ24との間の距離bは、30mm以内が最適である。その根拠については後述する。また、給電点20cと、インピーダンス調整素子20aの折り返し点との間隔eは、5mmが最適である。なお、ここで適用される給電点(端子20b)の寸法は、20mm×12mmとし、アンテナ線幅は、0.2mm〜1.0mmを使用するものとする。
【0027】
インピーダンス調整素子20aは、2回の折り返しパターンにより、電気的にはインダクタンスを付加したことと等価になる。加えて、従来は100mm程度であった、車体11のボティエッジ24との距離bが30mmに短縮された。
結果、車載用ガラスアンテナ20を運転視野の妨げにならないようにボディエッジ24に近接して配置したことによるインピーダンスの低下を抑制することができ、結果的に受信感度の改善が図られる。
【0028】
次に、インピーダンス調整素子20aの折り返し寸法a、主アンテナ素子20bとボディエッジ24との間の距離b、主アンテナ素子20bの素子長d、のそれぞれの最適寸法の根拠について説明する。
【0029】
(インピーダンス調整素子20aの折り返し寸法a)
本発明者らは、図2(b)に示すインピーダンス調整素子20aの折り返し寸法aを、0〜150mmまで変更し、且つ周波数を400MHz〜800MHzまで変更しながら、アンテナ感度を測定した。
【0030】
理解を促すために、インピーダンス調整素子20aの代表例を、図3(a)〜(d)に示す。すなわち、アンテナ長dを一定にして、折り返し寸法aを変えると、例えば、(a)〜(d)のように、インピーダンス調整素子20aの形状が変わる。
【0031】
インピーダンス調整素子20aの折り返し寸法aを、0〜150mmまで変更したときに、それぞれに対応する感度をグラフ化したものが、図4である。横軸はDTV帯域(473MHz〜713MHz)を中心とする周波数[MHz]、縦軸は相対感度[dBd]である。
ここでは、折り返し寸法aを0(折り返しなし)、25mm、50mm、75mm、80mm、90mm、95mm、100mm、105mm、110mm、115mm、120mm、125mm、150mmに変更したときの、それぞれの感度曲線を、a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7、a8、a9、a10、a11、a12、a13、a14で示している。
【0032】
太線a8で示した曲線は、細線a1〜a7、a9〜a14のそれぞれに比較して、特に、DTV帯域において安定した感度が得られた。
曲線a8は、折り返し寸法a=100mmの場合の感度であり、他の折り返し寸法、例えば、図3に示したa=25mm、75mm、a=150mmの場合に比べて感度の点で優れていることが確認できた。
【0033】
ところで、給電点20cに生じる定在波の電圧最大値と電圧最小値の比をVSWR(Voltage Standing Wave Ratio:電圧定在波比)で示し、給電線の特性インピーダンスと負荷インピーダンスとの整合の度合いを表すことが知られている。完全に整合している場合は、VSWR=1となる。
【0034】
折り返し寸法を変えるとVSWRも変化する。そこで、発明者らは、折り返し寸法とVSWRとの相関を調べた。その結果を図5〜図10に示す。
【0035】
図5〜図10は、いずれも、横軸に周波数{MHz}、縦軸にVSWRを目盛り、400MHzを測定開始点、800MHzを測定停止点として、473MHz、575MHz、586MHz、713MHzの各ポイントでのVSWRを示している。
【0036】
その結果、図6(c)と図7(a)に示す折り返し寸法90mm,95mmがDTV帯域内のVSWRが全体的に低くなっていることがわかった。但し、図6(c)の90mmでは、473MHzが急峻な変化カーブの途中にあり、このため、95mmの方が安定している。
以上に説明したようにVSWRからは、折り返し寸法は95mmが望ましい値であることが確認できた。
【0037】
次に、測定で得た95mmが、望ましい値であることを、理論的に説明することを試みる。
理論的な説明に用いる周波数は、図4に示される473MHzを使用する。
この473MHzは、DTV帯域(473〜713MHz)中、インピーダンスが最も悪い。悪条件の473MHzで説明がつけば、より好条件の他の周波数は説明を要しないからである。
【0038】
折り返し寸法は、[所定の周波数(設計周波数)の1波長]×(1/4)×短縮率で求めることができる。[所定の周波数(設計周波数)の1波長]は、300/473で求まる。すると、折り返し寸法aは、(300/470)×(1/4)×0.6の計算により、95mmとなる。但し、折り返しが95mmのものは、図4にa6で示すようにデジタルTV帯域の473MHz近傍で急激な感度下降があるため、本実施例では、最適な折り返し寸法として100mmが望ましい値である。
【0039】
上述したように、本発明の実施例に係る車両用ガラスアンテナ20では、インピーダンス調整素子20aを、車体11の開口の縁に沿って延ばされた少なくとも2回の折り返しパターンとすることで、車両のボディエッジ24に近接配置することによるインピーダンスの低下を抑制しつつ受信感度を改善することができる。なお、このときの折り返し寸法は、所定の周波数の1波長の1/4に、短縮率を乗じて得た値が最適である。
【0040】
(主アンテナ素子20bとボディエッジ24との距離b)
図11に、主アンテナ素子20bとボティエッジ24との間の距離による感度測定パターンが、図12に、その感度変化を示すグラフが示されている。
【0041】
具体的に、図11に示す距離b'を、20mm、30mm、40mm、60mm、80mm、100mm、30mm(100mmで折り返し)、に変更したときの感度変化の様子が、図12に、b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7としてそれぞれ示されている。
【0042】
図12から明らかなように、主アンテナ素子20bがボディエッジ24に近づいて配置される(100mm→20mm)につれ、いずれの周波数においても感度が落ち、性能が悪化していることが理解できる。但し、DTV帯域内において、インピーダンス調整素子20aの折り返し寸法aが100mで、主アンテナ素子20bとボディエッジ24との間の距離b'が30mm(100mmで折り返し)を有する太線b7で示した曲線が、DTV帯域全域にわたり他のグラフb1〜b6に比較して高い感度を維持していることがわかる。
【0043】
インピーダンス調整素子20aは、インピーダンスミスマッチにより感度が不足している周波数にマッチする寸法の折り返しを設けるが、この折り返しはマッチングが目的であるため、アンテナ受信部とならないよう、ホディエッジ24に近接させる必要がある。本実施例では、周波数の1波長×1/16以内が望ましい。例えば、設計周波数を470MHzとした場合、b'=300/470/16=40mmになる。
【0044】
上述した本発明の実施例に係る車両用ガラスアンテナ20では、折り返しパターンの最下部に位置する第3のアンテナエレメントとしての主アンテナ素子20bは、スンピーダンス調整素子20aでインピーダンス調整が行われるため、ボディエッジ24の近傍に配置することができ、運転時に視野の妨げになることはない。
【0045】
(主アンテナ素子20bの素子長d)
図13に、主アンテナ素子20bの素子長を変更したことによる感度測定パターンとその寸法が、図14に、その素子長と感度との関係を示すグラフが示されている。
【0046】
具体的には、図13に示す主アンテナ素子20bの長さ(素子長)d'を、130mm〜170mmまで5mm間隔で変更したときの感度変化の様子が、図14に、d1、d2、d3、d4、d5、d6、d7、d8、d9として、それぞれ示されている。
【0047】
図14から明らかなように、主アンテナ素子20bの素子長が150mmの場合に、DTVの全帯域に渡って平均的に高い感度を得ていることが理解できる。
【0048】
上述した本発明の実施例に係る車両用ガラスアンテナ20では、主アンテナ素子20bの素子長が、所定の周波数の1波長の1/2に短縮率を乗じて得た値に設定されるため、アンテナパターンの設計が容易になる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、国内におけるDTV帯域への適用は勿論のこと、海外のデジタルテレビ帯域への適用も可能であり、運転時の良好視野を得るために車両用ガラスアンテナをボディエッジに近接して実装した場合に共振インピーダンスを最適化し、受信感度改善のための手段として好適である。
【符号の説明】
【0050】
10…車両、13…フロントガラス、20…車両用ガラスアンテナ、20a…インピーダンス調整素子、20b…主アンテナ素子(第3のアンテナエレメント)、20c…給電点、21…第1のアンテナエレメント、22…第2のアンテナエレメント、24…ボディエッジ、25…ガラスエッジ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の開口を塞ぐようにして、前記車体に設けられている窓ガラスに、取り付けられる車両用ガラスアンテナであって、
少なくとも2回の折り返しパターンを有するアンテナエレメントを備えたことを特徴とする車両用ガラスアンテナ。
【請求項2】
前記アンテナエレメントは、
給電部から、前記開口内に、且つ前記開口の縁に沿って延ばされる直線状の第1のアンテナエレメントと、
この第1のアンテナエレメントの先端から略180度折り返して前記第1のアンテナエレメントに対向して延ばされる第2のアンテナエレメントと、
この第2のアンテナエレメントの先端から略180度折り返して前記第2のアンテナエレメントに対向して延ばされる第3のアンテナエレメントと、
からなることを特徴とする請求項1記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項3】
前記第3のアンテナエレメントは、
前記開口の縁から、所定の周波数の1波長の1/16に相当する距離以内に配置されていることを特徴とする請求項2記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項4】
前記第3のアンテナエレメントの長さは、
所定の周波数の1波長の1/2に、短縮率を乗じて得た値に設定されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項1】
車体の開口を塞ぐようにして、前記車体に設けられている窓ガラスに、取り付けられる車両用ガラスアンテナであって、
少なくとも2回の折り返しパターンを有するアンテナエレメントを備えたことを特徴とする車両用ガラスアンテナ。
【請求項2】
前記アンテナエレメントは、
給電部から、前記開口内に、且つ前記開口の縁に沿って延ばされる直線状の第1のアンテナエレメントと、
この第1のアンテナエレメントの先端から略180度折り返して前記第1のアンテナエレメントに対向して延ばされる第2のアンテナエレメントと、
この第2のアンテナエレメントの先端から略180度折り返して前記第2のアンテナエレメントに対向して延ばされる第3のアンテナエレメントと、
からなることを特徴とする請求項1記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項3】
前記第3のアンテナエレメントは、
前記開口の縁から、所定の周波数の1波長の1/16に相当する距離以内に配置されていることを特徴とする請求項2記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項4】
前記第3のアンテナエレメントの長さは、
所定の周波数の1波長の1/2に、短縮率を乗じて得た値に設定されていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の車両用ガラスアンテナ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−19081(P2011−19081A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162239(P2009−162239)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000004008)日本板硝子株式会社 (853)
【Fターム(参考)】
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