説明

車両用ドア構造

【課題】側面衝突に対する安全性を向上した車両用ドア構造を提供する。
【解決手段】ドアパネル10,20と、ドアパネル10,20に対して昇降可能に支持されたドアガラス30と、ドアガラスを駆動するモータユニット60とを備える車両用ドア構造において、モータユニット60は、ドアパネル10,20に隣接するシート100の座面部又はバックレスト部のフレーム、シート100に着座する搭乗者200の腰部又は大腿部の少なくとも1つに対して車幅方向において重なった位置に配置される構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側面衝突に対する安全性を向上した自動車等の車両用ドア構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両のドアは、モータ等のアクチュエータによってドアガラスを昇降させるレギュレータ機構を備えたものが知られている。
例えば、車両用ドア構造は、ドアガラスを昇降させるワイヤを、ドアの前端部及び後端部にドアガラスの昇降方向に配置するとともに、これらの中間部分においてクロスさせることによって8の字状に配置し、この中間部分にワイヤを駆動する駆動装置を配置したものが知られている(例えば、特許文献1,2,3)。
【0003】
一方、車両用ドア構造は、側面衝突時における安全性を向上することが要求されている。
例えば、車両用ドア構造は、その内部空間内に、ドアの前後方向にわたしてサイドインパクトビームを配置し、これによって衝突時におけるドアの変形量の低減を図ったものが知られている(例えば、特許文献4)。
【特許文献1】特開2001−329746号公報
【特許文献2】特開2003−214028号公報
【特許文献3】特開2004−204550号公報
【特許文献4】特開2002−316536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両は、側面衝突時の安全性をより向上することが求められている。例えば、サイドインパクトビームを用いる従来技術は、想定される以上の大入力を受けた場合にはドアの変形を抑えることができず、搭乗者への加害性が問題となる。このため、ドア構造は、その内部で衝撃を吸収することが困難な程度の大入力を受けた場合にも搭乗者の加害性を低減し、その傷害値を改善したものが要求されている。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、側面衝突に対する安全性を向上した車両用ドア構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、ドアパネルと、前記ドアパネルに対して昇降可能に支持されたドアガラスと、前記ドアガラスを駆動するモータユニットとを備える車両用ドア構造において、前記モータユニットは、前記ドアパネルに隣接するシートの座面部又はバックレスト部のフレーム、前記シートに着座する搭乗者の腰部又は大腿部の少なくとも1つに対して車幅方向において重なった位置に配置されることを特徴とする車両用ドア構造である。
【0006】
請求項2の発明は、ドアパネルと、前記ドアパネルに対して昇降可能に支持されたドアガラスと、前記ドアガラスを駆動するモータユニットとを備える車両用ドア構造において、衝撃吸収性を有する材料によって形成され、その一部が前記ドアパネルに隣接するシートの座面部又はバックレスト部のフレーム、前記シートに着座する搭乗者の腰部又は大腿部の少なくとも1つに対して車幅方向に重なった位置に配置されるパッドを備え、前記モータユニットは、車幅方向において前記パッドの少なくとも一部と重なりかつ前記パッドに対して車幅方向における外側に配置されることを特徴とする車両用ドア構造である。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両用ドア構造において、前記モータユニットに対して車幅方向における車室側に固定され、車幅方向から見た投影面積が前記モータユニットよりも大きく、かつ、車幅方向の圧縮荷重に対するその変形破壊強度が前記ドアパネルの隣接する部分よりも大きい入力拡散部を備えることを特徴とする車両用ドア構造である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用ドア構造において、前記モータユニットに対して車幅方向における車外側の領域に配置され、車幅方向の圧縮荷重に対するその変形破壊強度が前記ドアパネルの隣接する部分よりも大きく形成された入力伝達部を備えることを特徴とする車両用ドア構造である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)モータユニットは、ドアパネルに隣接するシートの座面部又はバックレスト部のフレーム、前記シートに着座する搭乗者の腰部又は大腿部の少なくとも1つに対して車幅方向に重なった位置に配置されるから、側面衝突時の入力によってモータユニットが車室内側に移動してシート又は搭乗者を押圧し、生存空間を比較的確保しやすい車幅方向中心側に移動させることによって、ドアの変形による搭乗者への加害性を低減し、傷害値を改善することができる。
また、重量物であるモータユニットが比較的低い位置に配置されることによって、車両の重心が低くなり、操縦安定性の向上を図ることができる。
(2)モータユニットの車室内側に衝撃吸収性を有する材料によって形成されたパッドを配置し、このパッドを介してシート又は搭乗者を押圧することによって、搭乗者への加害性をさらに低減することができる。
(3)モータユニットに対してその車室側に、車幅方向から見た投影面積がモータユニットよりも大きくかつ変形破壊強度がドアパネルよりも大きい入力拡散部を設け、側面衝突による入力を、入力拡散部を介してモータユニットから搭乗者側に伝達することによって、この入力をより広い範囲に伝達することができ、搭乗者の体格等に応じてシートの位置が変更された場合であっても搭乗者をより確実に移動させることができる。
(4)モータユニットに対して車幅方向車外側の領域に、変形破壊強度がドアパネルよりも大きい入力伝達部を設けることによって、側面衝突による入力をモータユニットに確実に伝達することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、側面衝突に対する安全性を向上した車両用ドア構造を提供するという課題を、ドアガラスを駆動するモータユニットを、ドアに隣接するシートに着座する搭乗者の腰部に対して車幅方向において重なった位置に配置し、側面衝突時にモータユニットによって搭乗者を車室内側に押し出すことによって解決する。
【実施例】
【0010】
以下、本発明を適用した車両用ドア構造の実施例について説明する。
本実施例において、車両は例えば乗用車等の自動車であって、車両用ドア構造は、運転席又は助手席に隣接した前側のドアに備えられるものである。このドアは、その前端部に設けられたヒンジ回りに回転して開閉する後開き式のものである。
図1は、ドアを車幅方向から見た状態を示す透視図である。また、図2は、図1のII−II部矢視断面図である。
【0011】
ドア1は、アウタパネル10、インナパネル20、ドアガラス30、フロントサッシュ40、リアサッシュ50、モータユニット60、PPパッド70、ドアフレーム80を備えている。
【0012】
アウタパネル10は、車両の外表面部の一部を構成するドアパネルであって、例えば鋼板をプレス加工して形成されている。
アウタパネル10は、アウタアッパリンホース11を備えている。
アウタアッパリンホース11は、その上端部をアウタパネル10の上端部に接合され、アウタパネル10の内面側に配置された鋼板プレス部材である。
【0013】
インナパネル20(図2参照)は、アウタパネル10に対して車室内側に配置され、その周縁部をアウタパネル10の周縁部に接合されたドアパネルであって、例えば鋼板をプレス加工して形成されている。
インナパネル20は、インナアッパリンホース21と、ドアインナトリム22とを備えている。
インナアッパリンホース21は、その上端部をインナパネル20の上端部に接合され、アウタパネル10側のアウタアッパリンホース11と対向して配置された鋼板プレス部材である。
ドアインナトリム22は、インナパネル20の車室内側の面部に備えられる車両の内装部材(内張り)であって、例えばPP等の樹脂材料によって形成され、その表面に装飾用の表面処理を施したものである。
【0014】
ドアガラス30は、アウタパネル10、インナパネル20に対して昇降可能に支持されている。ドアガラス30は、その下端部がアウタアッパリンホース11とインナアッパリンホース21との間に収容され、その全開時には、ドアガラス30の下端部がインナパネル20の下端部と隣接するまで降下する。
【0015】
フロントサッシュ40は、ドアガラス30の前端縁部を昇降可能に支持するガイドレール状の部材であって、その上端部が下端部よりも車両の後方側となるように後傾した状態でインナパネル20に固定されている。
フロントサッシュ40は、プーリ41,42を備えている。
プーリ41,42は、フロントサッシュ40の後方側の上端部及び下端部にそれぞれ備えられている。プーリ41,42は、それぞれ車幅方向に対して略平行に配置された中心軸回りに回転可能に支持され、後述するワイヤ62を案内するものである。
【0016】
リアサッシュ50は、ドアガラス30の後端縁部を昇降可能に支持するガイドレール状の部材であって、フロントサッシュ40と略平行となるように後傾した状態でインナパネル20に固定されている。
リアサッシュ50は、プーリ51,52を備えている。
プーリ51,52は、リアサッシュ50の前方側の上端部及び下端部にそれぞれ備えられている。プーリ51,52は、それぞれ車幅方向に対して略平行に配置された中心軸回りに回転可能に支持され、後述するワイヤ62を案内するものである。
【0017】
モータユニット60は、ドアガラス30の昇降動作を駆動するモータと、このモータの出力を減速して後述するワイヤに伝達する伝達機構とを同じハウジング内に収容してアセンブリ化したものである。このハウジングは、その車幅方向の圧縮荷重に対する変形強度が、アウタパネル10、インナパネル20の隣接する部分よりも大きくなるように形成されている。
モータユニット60は、図1に示すように、前後方向においてはフロントサッシュ40とリアサッシュ50との間であって、上下方向においてはドア1の下端部付近に配置されている。また、モータユニット60は、図2に示すように、車幅方向においては、アウタパネル10とインナパネル20との間の空間部におけるドアガラス30が昇降する領域Aよりもインナパネル20側に配置されている。
なお、モータユニット60の配置については、後にさらに詳しく説明する。
【0018】
モータユニット60は、支持部材61と、ワイヤ62と、入力拡散板(入力拡散部)63とを備えている。
支持部材61は、フロントサッシュ40とリアサッシュ50との間にわたして設けられた梁状の部材であって、その中間部分にモータユニット60を支持するものである。
ワイヤ62は、モータユニット60の出力をドアガラス30に伝達するものであって、モータユニット60―プーリ42―プーリ41―プーリ52―プーリ51―モータユニット60の順に引き回されて、8の字状に配置されている。ワイヤ62は、プーリ41,プーリ42間、及び、プーリ51,プーリ52間においてそれぞれドアガラス30の前端縁部、後端縁部と接続され、ワイヤ62の張力をドアガラス30の昇降力として伝達するようになっている。
【0019】
入力拡散板63は、図2に示すように、モータユニット60のインナパネル20側の面部に固定され、このインナパネル20に対して対向して配置された部材である。
また、入力拡散板63は、図1に示すように、車幅方向から見た平面形状がモータユニット60の外形に対して上下方向、前後方向ともに張り出して形成され、その投影面積がモータユニット60よりも大きく設定されている。
入力拡散板63は、例えばインナパネル20よりも板厚が大きい鋼板によって形成され、その車幅方向の圧縮荷重に対する変形強度が、インナパネル20の対向する面部よりも大きくされている。
【0020】
PPパッド70は、例えば発泡ポリプロピレン(PP)によって形成された衝撃吸収性を有する緩衝部材であって、図2に示すように、インナパネル20とドアインナトリム22との間の空間部内に配置されている。
また、PPパッド70は、図1に示すように、車幅方向から見たときに、上述した入力拡散板63の全面をカバーしかつこの入力拡散板63よりも上下方向、前後方向ともに大きく形成されている。このPPパッド70の上端部は、ドアインナトリム22に形成され、搭乗者の肘部付近に設けられるアームレスト22aに隣接して配置され、下端部は、インナパネル20の下端部付近に隣接して配置されている。
【0021】
ドアフレーム(入力伝達部)80は、図2に示すように、アウタパネル10とインナパネル20との間において、ドアガラス30が昇降する領域Aよりもアウタパネル10側に配置され、インナパネル20の前端部から後端部にわたして設けられている。このドアフレーム80は、例えば鋼板の板金加工によって、その横断面に閉断面部を備えて形成され、その車幅方向の圧縮荷重に対する変形強度が、アウタパネル10の隣接する面部よりも大きく形成されている。
【0022】
シート100は、ドア1に対して車幅方向に隣接して設けられ、図示しないフロアパネルに対し、図示しないシートレールを介して固定されている。このシートレールは、シート100を搭乗者の体格等に応じて前後方向に移動させるスライド機構を備えている。
また、シートレールは、シート100が車幅方向から所定値以上の荷重を受けた場合には、変形破壊してシート100の車幅方向における移動を許容するように構成されている。
【0023】
シート100は、搭乗者200が着座した際にその腰部から大腿部を支持する座面部(クッション部)110と、座面部110の後端部から上方に延在し、搭乗者200の背中を支持するバックレスト(背もたれ)部120(図1参照)とを備えている。
座面部110及びバックレスト部120は、それぞれ例えば鋼製のパイプ材によって形成され、芯材として機能するフレーム111,121と、このフレームの周囲に設けられ、例えば発泡ウレタン等の弾力性のある材料によって形成されたパッド112,122とを備えている。
【0024】
次に、本実施例におけるドア1側の各部材とシート100及びこれに着座した搭乗者200の位置関係について、より詳細に説明する。
図1は、一例として搭乗者200が標準的な体格の成人である場合を示しており、シート100及び搭乗者200は、搭乗者200の体格に応じて車両の前後方向に所定の範囲内においてスライドする。
図1に示す場合においては、モータユニット60は、車幅方向から見たときに、搭乗者200の腰部と重なった位置に設けられている。
【0025】
図1に示す状態からシート100が前進する場合、前進量が比較的小さいときは、モータユニット60は、その少なくとも一部が車幅方向においてシート100のバックレスト120のフレーム121と重なった位置に配置され、これよりも前進量が大きくなったときは、モータユニット60はこのフレーム121よりも後方側に配置されるが、この状態においては、入力拡散板63及びPPパッド70の前方側の部分が車幅方向においてフレーム121と重なった位置に配置される。
【0026】
一方、図1に示す状態からシート100が後退する場合、後退量が比較的小さいときは、モータユニット60は、その少なくとも一部が車幅方向において搭乗者200の腰部又は大腿部と重なった位置に配置され、これよりも後退量が大きくなったときは、モータユニット60は、搭乗者200の膝部よりも前方側に配置されるが、この状態においては、入力拡散板63及びPPパッド70の後方側の部分が車幅方向において搭乗者200の腰部又は大腿部と重なった位置に配置される。
【0027】
次に、シート100が図1の位置にある場合に、車両が側面衝突を受けた場合の各部材の機能について説明する。
車両がその車幅方向からドア1のアウタパネル10の表面に対して入力を受けた場合、アウタパネル10は変形してその内面がドアフレーム80に当接し、この入力をドアフレーム80に伝達する。
ドアフレーム80は、アウタパネル10に押圧され、車幅方向内側に移動してモータユニット60に当接しこれを押圧する。
モータユニット60は、ドアフレーム80に押圧され、支持部材61が変形することによって車幅方向内側に移動し、入力拡散板63はインナパネル20と当接しこれを押圧する。
インナパネル20は、PPパッド70及びドアインナトリム22とともに車幅方向内側に移動し、シート100の座面部110及び搭乗者200の腰部に当接しこれらを押圧することによって、シート100及び搭乗者200をフロアパネルに対して車幅方向における車両中心側に移動させる。
【0028】
また、シート100が図1に示す状態よりも前進又は後退している場合においても、モータユニット60が入力拡散板63を介して押圧するPPパッド70が、前後方向における搭乗者200の大腿部からバックレスト120のフレーム121までの範囲の少なくとも一部を押圧することによって、シート100及び搭乗者200を移動させることができる。
【0029】
以上のように、本実施例によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)モータユニット60は、搭乗者200の腰部等に対して車幅方向に重なった位置に配置されるから、側面衝突時の入力によって、モータユニット60が車室内側に移動してシート100、搭乗者200を押圧し、生存空間を比較的確保しやすい車幅方向中心側に移動させることによって、ドア1の変形による搭乗者200への加害性を低減し、その傷害値を改善することができる。
(2)重量物であるモータユニット60をドア1の下端部付近に配置することによって、車両の重心が低くなり、操縦安定性の向上を図ることができる。
(3)モータユニット60をドア1のヒンジから離れた後方側の領域に配置することによって、ヒンジの回転中心軸回りのドア1のモーメントを大きくすることができ、ドア1の閉まり性を改善することができる。
(4)モータユニット60の車室内側に衝撃吸収性をもったPPパッド70を配置し、このPPパッド70を介してシート100、搭乗者200を押圧することによって、搭乗者200への加害性をより低減することができる。
(5)車幅方向から見たときにモータユニット60の外形に対して上下方向、前後方向に張り出して形成され、車幅方向の圧縮荷重に対する変形強度がインナパネル20よりも大きい入力拡散板63を設けることによって、モータユニット60への入力をインナパネル20、PPパッド70のより広い範囲に分散して伝達することができ、シート100の位置が変更された場合であっても搭乗者200をより確実に移動させることができる。
(6)モータユニット60に対して車幅方向に重なった位置にドアフレーム80を設けているから、アウタパネル10に加わった入力をモータユニット60側へ確実に伝達することができる。
【0030】
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1)実施例は、モータユニットがパッドを介して搭乗者の腰部を押圧するものであったが、これに限らず、搭乗者の大腿部や、シートの座面部のフレーム、シートのバックレスト(背もたれ)部のフレームを押圧して搭乗者又はシートを車室内側へ移動させる構成としてもよい。
(2)実施例のモータユニットは、ワイヤの張力によってドアガラスの駆動を行うものであったが、これに限らず、本発明はリンク機構等の他の機構によってドアガラスの駆動を行うものに対しても適用することができる。
(3)実施例の入力伝達部は、ドアの前後に延在するドアフレームであるが、これに限らず、例えば公知のサイドインパクトビームを入力伝達部として用いることができる。また、入力伝達部は、例えば発泡樹脂材料等をブロック状に形成したものや、板金加工によって形成した部材を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明を適用した車両用ドア構造の実施例を車幅方向から見た状態を示す透視図である。
【図2】図1のII−II部矢視断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 ドア
10 アウタパネル
20 インナパネル
30 ドアガラス
40 フロントサッシュ
50 リアサッシュ
60 モータユニット
63 入力拡散板
70 PPパッド
80 ドアフレーム
100 シート
200 搭乗者


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアパネルと、
前記ドアパネルに対して昇降可能に支持されたドアガラスと、
前記ドアガラスを駆動するモータユニットと
を備える車両用ドア構造において、
前記モータユニットは、前記ドアパネルに隣接するシートの座面部又はバックレスト部のフレーム、前記シートに着座する搭乗者の腰部又は大腿部の少なくとも1つに対して車幅方向において重なった位置に配置されること
を特徴とする車両用ドア構造。
【請求項2】
ドアパネルと、
前記ドアパネルに対して昇降可能に支持されたドアガラスと、
前記ドアガラスを駆動するモータユニットと
を備える車両用ドア構造において、
衝撃吸収性を有する材料によって形成され、その一部が前記ドアパネルに隣接するシートの座面部又はバックレスト部のフレーム、前記シートに着座する搭乗者の腰部又は大腿部の少なくとも1つに対して車幅方向に重なった位置に配置されるパッドを備え、
前記モータユニットは、車幅方向において前記パッドの少なくとも一部と重なりかつ前記パッドに対して車幅方向における外側に配置されること
を特徴とする車両用ドア構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車両用ドア構造において、
前記モータユニットに対して車幅方向における車室側に固定され、車幅方向から見た投影面積が前記モータユニットよりも大きく、かつ、車幅方向の圧縮荷重に対するその変形破壊強度が前記ドアパネルの隣接する部分よりも大きい入力拡散部を備えること
を特徴とする車両用ドア構造。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両用ドア構造において、
前記モータユニットに対して車幅方向における車外側の領域に配置され、車幅方向の圧縮荷重に対するその変形破壊強度が前記ドアパネルの隣接する部分よりも大きく形成された入力伝達部を備えること
を特徴とする車両用ドア構造。



【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−22353(P2007−22353A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−208109(P2005−208109)
【出願日】平成17年7月19日(2005.7.19)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】