説明

車両用ミラー装置

【課題】ステーの設計自由度を向上することができる車両用ミラー装置を提供する。
【解決手段】車両用ミラー装置14は、車体12に取付けられ、車体12の外装部材12Bの外側に露出された第1被取付部16Bを有するステー16と、ミラーを支持するスタンド22と、第1被取付部16Bとの間にスタンド22を挟持してステー16にスタンド22を取付ける第1取付部材18Aと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミラーを支持するスタンドがステーに取付けられた車両用ミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、自動車のサイドドア付近に取付けられるアウタミラー(ドアミラー)が開示されている。このアウタミラーでは、自動車の車体にミラーベースが取付けられるとともに、ミラーベースにシャフト本体部が取付けられており、シャフト本体部にはミラーが支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−269580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のアウタミラーでは、シャフト本体部がミラーベースに車体内側からビスによって取付けられている。このため、ミラーベースには、車体側端部においても、シャフト本体部を取付けるための中空部分を設ける必要がある。これにより、ミラーベースの車体側端部に設けられる車体への取付部の構造が制約されてしまい、ミラーベースの設計自由度を十分に得ることができなかった。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、ステーの設計自由度を向上することができる車両用ミラー装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用ミラー装置は、車体に取付けられ、車体の外装部材の外側に露出された第1被取付部を有するステーと、ミラーを支持するスタンドと、第1被取付部との間にスタンドを挟持してステーにスタンドを取付ける第1取付部材と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の車両用ミラー装置は、請求項1に記載の車両用ミラー装置において、ステーに配設され、外装部材に取付けられる第2被取付部と、ステー及びスタンドの少なくとも一方に取付けられてステーの周囲を覆うステーカバーと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の車両用ミラー装置では、車体にステーが取付けられるとともに、ステーにスタンドが取付られており、スタンドにミラーが支持されている。
【0009】
ここで、ステーの第1被取付部が車体の外装部材の外側に露出されており、第1取付部材が第1被取付部との間にスタンドを挟持してステーにスタンドを取付けている。このため、ステーの車体側端部にスタンドを取付けるための中空部分を設ける必要をなくすことができる。これにより、ステーの車体側端部に設けられる車体への取付部の構造の制約を緩和することができ、ステーの設計自由度を向上することができる。
【0010】
請求項2に記載の車両用ミラー装置では、ステーカバーがステー及びスタンドの少なくとも一方に取付けられてステーの側面周囲を覆っている。
【0011】
ここで、ステーの第2被取付部が外装部材に取付けられている。このため、ステーに対する外装部材の位置精度を高くすることができ、ステーカバーと外装部材との隙間の寸法精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用ミラー装置の要部及び車体の取付部分を示す断面図(図4に示すA−A線に沿って切った断面を含む)である。
【図2】図1に示す車両用ミラー装置の外観斜視図である。
【図3】図1に示す車両用ミラー装置の分解斜視図である。
【図4】図1に示す車両用ミラー装置のステーとスタンドとの組付状態を示す要部斜視図である。
【図5】図4に示すステーとスタンドとの組付方法を説明する要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1には、本発明が適用された実施の形態に係る車両用ミラー装置14が車両後方側から見た断面図にて示されており、図2には、車両用ミラー装置14が車幅方向内側から車幅方向外側に見た斜視図にて示されている。また、図3には、車両用ミラー装置14が車幅方向内側から車幅方向外側に見た分解斜視図にて示されており、図4には、車両用ミラー装置14の要部が同方向から見た拡大斜視図(一部を断面にしてある)にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅方向外方(車両右方)を矢印OUTで示し、上方を矢印UPで示す。
【0014】
図1〜図4に示すように、本実施の形態に係る車両用ミラー装置14は、車体12のドアの車両前側端部の上下方向中間部における外部に設けられている。ここでは、車両右側に組付けられる車両用ミラー装置14について図示並びに説明を行う。車両左側に組付けられる車両用ミラー装置の図示並びに説明は省略する。車両左側に組付けられる車両用ミラー装置は、車両幅方向の中央を車両前後方向並びに車両上下方向に横切る仮想面に対して、車両右側に組付けられる車両用ミラー装置14と面対称形状を有しかつ同一機能を有する。
【0015】
図1に示すように、車体12は、ドアの車両外側の意匠面を構成する板状の外装部材(アウタパネル、ボディ)12Bと、外装部材12Bよりも車両内側のドア内部に配設されて外装部材12Bの剛性よりも高い剛性を有してドアを補強する板状の取付フレーム(例えばインナフレーム)12Aとを備えている。外装部材12Bは、適切な箇所において、溶接又は締結部材を用いて取付フレーム12Aに取付けられてもよい。取付フレーム12Aと外装部材12Bとの隙間は寸法L2に設定されている。
【0016】
図1、図3及び図4に示すように、車両用ミラー装置14は、車体側端部を車体12に取付けて、車体側端部とは反対側を外装部材12Bから車両外側に突出させたステー16を備えている。ステー16は、ここでは金属製ブロックにより製作されている。また、ステー16は樹脂製であってもよい。
【0017】
図1に示すように、ステー16の車体側部分には第1取付部16Cが配設されており、この第1取付部16Cには第2被取付部16Dが設けられている。第1取付部16Cは、外装部材12Bの表面上から車両上側かつ車両幅方向に向かう斜め方向に立設されており、複数個、本実施の形態では3個配設されている。この複数個の第1取付部16Cは、それぞれの中心軸を略平行として、それぞれの中心軸を結んだ形状が平面視において三角形になるように配置されている。
【0018】
第2被取付部16Dは、第1取付部16Cの車体側部分であって、外装部材12Bの表面に対向する領域に配設されている。本実施の形態において、第2被取付部16Dには雌ねじが使用されている。第2被取付部16Dには、車両内側から車両外側に向かって、外装部材12Bに形成された取付穴12B1を通して第2取付部材18Bが取付けられる。本実施の形態において、第2取付部材18Bには雄ねじとボルト頭とを有するボルトが使用されている。この第2取付部材18Bとしてのボルトの雄ねじが第2被取付部16Dとしての雌ねじに螺合されることにより、外装部材12Bが第1取付部16Cと第2取付部材18Bのボルト頭との間に挟持されることで、外装部材12Bにステー16の第1取付部16Cが組付けられる。この組付けに際し、第2取付部材18Bは、車両内側から車両外側に向かって、取付フレーム12Aに形成された組付用開口12A1を通して第2被取付部16Dに取付けられている。
【0019】
また、ステー16の車体側部分には第2取付部16Fが配設されており、この第2取付部16Fには第3被取付部16Gが設けられている。第2取付部16Fは、取付フレーム12Aの表面上から第1取付部16Cの中心軸に対して略平行であって第1取付部16Cと同様に立設されており、複数個の第1取付部16Cを配列した中央部に本実施の形態では1個配設されている。第1取付部16Cよりも第2取付部16Fが車体内側に長く構成されており、外装部材12Bよりも車体内側に配設された取付フレーム12Aに第2取付部16Fが取付けられている。また、第1取付部16Cの外径寸法に対して第2取付部16Fの外径寸法は大きく設定されており、1個の第1取付部16Cの剛性に比べて第2取付部16Fの剛性が高く設定されている。
【0020】
第3被取付部16Gは、第2取付部16Fの車体側端部であって、取付フレーム12Aの表面に対向する領域に配設されている。本実施の形態において、第3被取付部16Gには雌ねじが使用されている。第3被取付部16Gには、車両内側から車両外側に向かって、取付フレーム12Aに形成された取付穴12A2を通して第3取付部材18Cが取付けられる。本実施の形態において、第3取付部材18Cには雄ねじとボルト頭とを有するボルトが使用されている。この第3取付部材18Cとしてのボルトの雄ねじが第3被取付部16Gとしての雌ねじに螺合されることにより、取付フレーム12Aが第2取付部16Fと第3取付部材18Cのボルト頭との間に挟持されることで、取付フレーム12Aにステー16の第2取付部16Fが組付けられる。また、第2取付部16Fの車体側端部は外装部材12Bに形成された組付用開口12B2を通して取付フレーム12Aの表面に当接されている。
【0021】
ここで、ステー16は、第1取付部16Cにより外装部材12Bに取付けられているとともに、第2取付部16Fにより取付フレーム12Aに取付けられている。例えば第2取付部16Fと取付フレーム12Bとの間や第3取付部材18Cのボルト頭と取付フレーム12Aとの間にワッシャを挟持させて、第2取付部16Fの第2被取付部16Gと第2締結部材18Bとの螺合度合いを調節すれば、取付フレーム12Aと外装部材12Bとの隙間寸法L2に拘らず、外装部材12Bへの第1取付部16Cの取付領域の変形を抑制することができる。
【0022】
ステー16の車体側端部とは反対側(ここでは、車両上方UP側)では、複数の第1取付部16C及び第2取付部16Fが一体化されており、後述するスタンド22を取付けるためのスタンド取付部16Aが構成されている。スタンド取付部16Aには、外装部材12Bから車体外側に突出されかつ露出されて第1被取付部16Bが配設されている。ここでは、第1被取付部16Bは車両上方UP側において車体外側に露出されている。第1被取付部16Bは、本実施の形態において3個配設されており、ここでは3個の第1取付部16Cの車両上方にそれぞれ第1被取付部16Bが配設されている。図1中に便宜的に示すスタンド22の中心軸の周囲であって、スタンド取付部16Aのスタンド22が取付けられる水平な車両上側面の周囲に略等角度(例えば120度間隔)において合計3カ所に第1被取付部16Bが配設されている。本実施の形態において、第1被取付部16Bはスタンド取付部16Aの車両上側面から車両下方側に向かって配設された雌ねじである。
【0023】
図1及び図3〜図5に示すように、ステー16のスタンド取付部16Aにはスタンド22が取付けられている。スタンド22の中心軸は後述するミラー28の格納時の中心軸であって、この中心軸は車両上下方向に平行である。スタンド22の車体側端部には、ステー16の第1被取付部16Bに一致した位置に貫通穴22Bを備えたステー取付部22Aが配設されている。本実施の形態において、ステー取付部22Aは、スタンド22の中心軸の周囲の全域に配設されているのではなく、周囲の一部を部分的に更に外側に突出させて外径を部分的に拡張して構成されている。ステー取付部22Aは、平面視において、ステー16の第1取付部16Cの上面と重なる略半円状に形成されている。ステー取付部22Aの貫通穴22Bの周囲には符号を付けないが車両上方に立設された周壁(フランジ)が配設されており、この周壁は周方向両端がスタンド22の中心軸側に連結されてステー取付部22Aの剛性を高めている。貫通穴22Bはステー取付部22Aを車両上下方向に貫通する穴である。ステー16の第1被取付部16Bには貫通穴22Bを通して第1取付部材18Aが取付けられる。ステー16の第1被取付部16Bと第1取付部材18Aとが貫通穴22Bを通して取付けられることにより、第1被取付部16Bと第1取付部材18Aとの間にステー取付部22Aが挟持されて、ステー16にスタンド22を組付けることができる。
【0024】
第1取付部材18Aには、本実施の形態において、雄ねじとビス頭を有するビスが使用されている。貫通穴22Bの穴径寸法は、第1取付部材18Aの雄ねじの外径寸法よりも大きく、第1取付部材18Aのビス頭の外径寸法よりも小さく設定されている。つまり、貫通穴22Bは、第1取付部材18Aの雄ねじを通過させて、ビス頭を通過させない。この第1取付部材18Aとしてのビスの雄ねじが第1被取付部16Bとしての雌ねじに螺合されることにより、ステー16と第1取付部材18Aのビス頭とがステー取付部22Aを挟持する。上記の第1取付部材18Aと第1被取付部16Bとの関係が満たされる場合、ここでは貫通穴22Bの開口形状は真円形状であるが、開口形状は長穴形状、方形形状等であってもよい。
【0025】
第1取付部材18Aとしてビスが使用される場合、工具として例えばドライバーを用いて、作業者は、ステー16の外装部材12Bとは反対側(車両外側)から、ステー16にスタンド22を組付ける作業を行える。ここで、ビス頭がスタンド22の最外周囲よりも外側になるように、第1被取付部16B並びに貫通穴22Bが配置されている。これにより、スタンド取付部16Aのスタンド22が取付けられる水平な車両上側面に対して垂直にドライバーを立てた状態において、ドライバーを回してビスを取付ける(又は取外す)ことができる。このビスの取付けの際に、ドライバーとスタンド22との干渉を避けることができるので、ドライバー先端とビス頭の溝(例えばすりわり等)又は穴(十字穴等)との結合を確実に行うことができ、ビスの損傷を抑制することができる。
【0026】
なお、第1被取付部16Bの配設数や配置位置は特に限定されるものではない。例えば、第1被取付部16Bの配設数は1個、2個又は4個以上であってもよい。
【0027】
図1〜図4に示すように、ステー16の外周は、被覆部材(意匠部材)としての樹脂製で略半円筒状のステーカバー30A及び30Bによって被覆されている。同図中、左側のステーカバー30Aと右側のステーカバー30Bとを合わせて組付けることにより、組付け後のステーカバー30A及び30Bは全体として略円筒状に形成される。図2中、符号30Cは、ステーカバー30Aと30Bとの組立後の分割ライン(合せ目)である。
【0028】
ステーカバー30A及び30Bの上端側にはスタンド22を通す開口30Eを形成した天板30Dが配設されており、天板30Dはスタンド22のステー取付部22Aと後述するバイザボディ26B及びバイザカバー26Aとの間に配設されている。ステーカバー30A及び30Bは、図示を省略するが、ステー16又はスタンド22の少なくともいずれかにビス等の取付手段を用いて取付けられている。
【0029】
ステーカバー30A及び30Bの車体側端部と外装部材12Bの表面との間には、円環板状のシール20が配設されている。シール20は例えばゴム製で弾性及びシール性を有している。シール20の周囲全体は、ステーカバー30A及び30Bと外装部材12Bとの間に弾性収縮変形された状態で挟持されて、ステーカバー30A及び30Bと外装部材12Bとの間をシールしている。シール20を介在させるために、ステーカバー30A及び30Bの車体側端と外装部材12Bの表面との隙間は寸法L1に設定されている。
【0030】
なお、シール20は、ステー16の第1取付部16Cの車体側端部において外周に突設されて相互に連結されたベース16Eと外装部材12Bとの間にも介在させている。ベース16Eは第1取付部16Cに一体化されている。このため、ステー16と外装部材12Bとの間がシールされている。
【0031】
詳細な構造説明並びに動作説明は省略するが、図3に示すように、スタンド22にはフレーム組立体(フレームアッセンブリ)24が取付けられている。フレーム組立体24は、その車両幅方向内側に配設されてスタンド22を構成部品とする格納手段としての格納装置(リトラクタ)23と、フレーム組立体24の車両幅方向外側に配設された鏡面調整手段としての鏡面調整装置(ドライブユニット)25とを備えている。フレーム組立体24には、その周囲を覆う外装部材(意匠部材)としてのバイザカバー26A及びバイザボディ26Bが取付けられている。鏡面調整装置25にはミラー28が支持されている。
【0032】
格納装置23が駆動された際には、フレーム組立体24、バイザカバー26A、バイザボディ26B及びミラー28は、スタンド22の中心軸を回動中心として、車両幅方向外側へ突出されて起立(展開)された状態から車両幅方向内側に回動されることにより格納される。鏡面調整装置25が駆動された際にはミラー28が傾動されて、ミラー28の鏡面角度が調整される。
【0033】
ここでの図示は省略するが、格納装置23、鏡面調整装置25のそれぞれのアクチュエータに電源を供給する配線コード(図示省略)が、スタンド22の中心軸の軸心部分、スタンド取付部16Aの貫通穴(図示省略)、ステー16の第1取付部16Cと第2取付部16Fとの間を貫通して引回されている。この配線コードは更に外装部材12B及び取付フレーム12Aを貫通されて取付フレーム12Aよりも内側まで引出され、配線コードの引出された先にはコネクタ(図示省略)が接続されている。配線コードは、コネクタを介して車両の制御装置(図示省略)に電気的に接続されている。
【0034】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0035】
以上の構成の車両用ミラー装置14では、車体12の取付フレーム12Aにステー16の第2取付部16Fがその第3被取付部16Gにおいて第3取付部材18Cによって締結されることにより取付けられている。
【0036】
ここで、ステー16の第1被取付部16Bが車体12の外装部材12Bの外側に露出されており、第1被取付部16Bへの第1取付部材18Aの締結により、ステー16の外装部材12Bとは反対側から第1取付部材18Aのビス頭がステー16の第1被取付部16B部分との間にスタンド22のステー取付部22Aを挟持してステー16にスタンド22を取付けている。このため、ステー16の車体側端部にスタンド22を取付けるための中空部分を設ける必要をなくすことができる。これにより、ステー16の車体側端部に設けられる車体12への取付部の構造の制約を緩和することができ、ステー16の設計自由度を向上することができる。本実施の形態によれば、車両用ミラー装置14は、ステー16の車体側端部に設けられる車体12への取付部に、第2取付部16F及び第1取付部16Cを設けている。
【0037】
更に、以上の構成の車両用ミラー装置14では、ステーカバー30A及び30Bがステー16及びスタンド22の少なくとも一方に取付けられてステー16の側面周囲を覆っている。
【0038】
ここで、ステー16の第1取付部16Cの第2被取付部16Dが第2取付部材18Bを用いて外装部材12Bに取付けられている。このため、取付フレーム12Aと外装部材12Bとの間の隙間の寸法L2の誤差に拘らず、ステー16に対する外装部材12Bの位置精度を高くすることができ、ステーカバー30A及び30Bと外装部材12Bとの隙間の寸法L1の精度を向上することができる。
【0039】
また、以上の構成の車両用ミラー装置14では、車体12に組付けられた後に、フレーム組立体24の例えば格納装置23の不具合による交換や修理の作業を簡単に行うことができる。この交換又は修理の作業手順は以下の通りである。
【0040】
まず、バイザボディ26B及びバイザカバー26A、ステーカバー30A及び30Bのそれぞれを順次取外すと、第1取付部材18Aを露出することができる。この第1取付部材18Aは、車体12の内側での作業を必要とすることなく、車体12の外側において簡易に第1被取付部16Bから取外せる。また、フレーム組立体24が邪魔になって第1取付部材18Aが取外し難い場合には、スタンド22の中心軸を回転中心としてフレーム組立体24を適宜回転させながら、第1取付部材18Aを取外作業ができる程度に露出して、第1取付部材18Aの取外しが行われる。第1取付部材18Aの取外しによって、ステー16からスタンド22を取外すことができる。そして、格納装置23の交換又は修理が行われる。交換又は修理の格納装置23は、取外しの手順と逆の手順に従い組付けられる。
【0041】
[変形例]
上記実施の形態に係る車両用ミラー装置14では、第1被取付部16B、第2被取付部16D、第3被取付部16Gがいずれも雌ねじにより構成されており、第1取付部材18A、第2取付部材18B、第3取付部材18Cがいずれも雄ねじにより構成されている。本発明では、第1被取付部16B、第2被取付部16D、第3被取付部16Gをいずれも雄ねじにより構成し、第1取付部材18A、第2取付部材18B、第3取付部材18Cをいずれも雌ねじにより構成することができる。また、本発明では、第1被取付部16B、第2被取付部16D、第3被取付部16Gの少なくとも1つを雄ねじにより構成し、第1取付部材18A、第2取付部材18B、第3取付部材18Cの少なくとも対応する1つを雌ねじにより構成することができる。
【0042】
また、上記実施の形態に係る車両用ミラー装置14では、第1被取付部16Bと第1取付部材18Aとの取付けが車両上下方向において行われ、ステー16にスタンド22が取付けられている。本発明では、ステー16の側面に第1被取付部16Bを配設し、この位置に対応するようにステー取付部22Aを引き延ばして貫通穴22Bを配設し、車両幅方向においてステー16の第1被取付部16B部分と第1取付部材18Aのビス頭との間にステー取付部22Aを挟持することができる。
【0043】
また、本発明は、フレーム組立体24に格納装置を備えていない車両用ミラー装置に適用可能である。この場合、スタンド22にフレーム組立体24が回動不能に固定される。
【0044】
また、上記実施の形態に係る車両用ミラー装置14では、ステー16のスタンド取付部16Aのスタンド22下側にスタンド22の側方に開口する凹部(図示省略)を設けて、スタンド22の中心軸の軸心部分を貫通する前述の配線コードが凹部を介してステー16の外側に引出されてもよい。スタンド取付部16Aとステー取付部22Aとの当接座は第1取付部材18Aの締結力を受止める広さの面積を有していればよいので、上記凹部を容易に製作することができる。また、車両用ミラー装置14では、ステー16にスタンド22側から側面への貫通穴を設けて、この貫通穴がスタンド22の中心軸の軸心部分からステー16の側面外側に配線コードを引出す貫通穴として使用されてもよい。
【0045】
また、本発明は、ドアミラーに限定されるものではなく、フェンダミラーとして製作される車両用ミラー装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0046】
12 車体
12A 取付フレーム
12B 外装部材
14 車両用ミラー装置
16 ステー
16B 第1被取付部
16C 第1取付部
16D 第2被取付部
16F 第2取付部
16G 第3被取付部
18A 第1取付部材
18B 第2取付部材
18C 第3取付部材
22 スタンド
22B 貫通穴
30A、30B ステーカバー
28 ミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に取付けられ、車体の外装部材の外側に露出された第1被取付部を有するステーと、
ミラーを支持するスタンドと、
前記第1被取付部との間に前記スタンドを挟持して前記ステーに前記スタンドを取付ける第1取付部材と、
を備えた車両用ミラー装置。
【請求項2】
前記ステーに配設され、前記外装部材に取付けられる第2被取付部と、
前記ステー及び前記スタンドの少なくとも一方に取付けられて前記ステーの周囲を覆うステーカバーと、
を備えた請求項1に記載の車両用ミラー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−112039(P2013−112039A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257387(P2011−257387)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】