説明

車両用放電バルブ

【課題】水銀フリーの構成とした場合においても、起動電圧を低くすることができる車両用放電バルブを提供する。
【解決手段】シュラウドガラス14の外表面14aにおける放電空間24の中心位置Oから、シュラウドガラス14の後端部を囲むようにして保持する金属バンド16の前端縁16cまでの領域Z1の表面積S1と、金属バンド16におけるシュラウドガラス14との接触面Z2の表面積S2との比S1/S2を、S1/S2=1〜3に設定する。ここで、S1/S2を3以下の値に設定することにより、金属バンド16を放電空間24に近い位置に配置可能とし、これにより誘電体バリア放電をアークチューブ12とシュラウドガラス14との間の筒状空間34の全周領域において発生させやすくする。一方、S1/S2を1以上の値に設定することにより、放電発光部32からリフレクタへ向かう光を金属バンド16で遮蔽しないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ヘッドランプ等の車両用灯具の光源として用いられる車両用放電バルブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用放電バルブは、一般に、例えば「特許文献1」に記載されているように、発光管部を有するアークチューブと、このアークチューブを筒状に囲むシュラウドガラスと、このシュラウドガラスの後端部を金属バンドを介して固定支持する絶縁プラグとを備えた構成となっている。
【0003】
そして、この車両用放電バルブのアークチューブは、その発光管部の前後方向両側に位置するピンチシール部に、1対の電極がその先端部を発光管部の放電空間に突出させるようにして対向配置された構成となっている。
【0004】
また、従来の車両用放電バルブにおいては、その発光効率を高めるため、アークチューブの発光管部の放電空間に水銀を封入していたが、近年、環境有害物質である水銀の使用を削減しようとする社会的ニーズが高まってきたため、上記「特許文献1」にも記載されているように、放電空間に水銀を封入せずに金属ハロゲン化物および希ガスを封入した、いわゆる水銀フリーの車両用放電バルブが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−183165号公報
【特許文献2】特開2002−304968号公報
【特許文献3】特開平6−60851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような水銀フリーの車両用放電バルブにおいて、水銀入りの車両用放電バルブと同等の光束性能を確保するためには、希ガスの封入を高圧で行うことが必要となる。
【0007】
しかしながら、希ガスの高圧封入は、発光管部内のガス分布密度を高めることとなるため、両電極間に初期放電を引き起こすために必要な印加電圧(すなわち起動電圧)が高くなってしまう。
【0008】
これに対し、起動電圧を低下させる方法として、例えば「特許文献2」に記載されているように、アークチューブとシュラウドガラスとの間の筒状空間に希ガス等のガスを封入することにより、あるいは、例えば「特許文献3」に記載されているように、アークチューブの発光管部の外周面に透明導電膜を形成することにより、誘電体バリア放電を発生させやすくする方法が知られている。
【0009】
この誘電体バリア放電を発生させる際には、上記筒状空間へのガス封入圧を0.1atm程度に設定することが最も効果的である。しかしながら、このようにガス封入圧を低く設定した場合において、アークチューブとシュラウドガラスとの溶着が不十分であると、スローリークが発生してしまい、誘電体バリア放電が発生しにくくなる。また、機械的衝撃で溶着部にクラックが発生して、上記筒状空間の気密性が低下することによっても、誘電体バリア放電が発生しにくくなる。そして、この誘電体バリア放電が発生しにくくなると、放電の開始が遅れたり放電を開始しなくなるおそれがある。
【0010】
一方、アークチューブの発光管部の外周面に透明導電膜を形成するようにした場合には、次のような問題がある。
【0011】
すなわち、誘電体バリア放電を発生させるためには、透明導電膜をある程度以上の膜厚で形成することが必要となる。しかしながら、このようにした場合には、透明導電膜が剥離しやすくなり、密着性を確保することが困難となるため、耐久性の点で問題がある。
【0012】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、水銀フリーの構成とした場合においても、起動電圧を低くすることができる車両用放電バルブを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願発明は、シュラウドガラスの後端部を囲むようにして保持する金属バンドを利用して誘電体バリア放電を発生させる構成とすることにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0014】
すなわち、本願発明に係る車両用放電バルブは、
発光管部の前後方向両側に位置するピンチシール部に、1対の電極が該電極の先端部を上記発光管部の放電空間に突出させるようにして対向配置されてなるアークチューブと、このアークチューブを筒状に囲むようにして前後方向に延びるとともに前後方向両端部において上記アークチューブに溶着されたシュラウドガラスと、このシュラウドガラスの後端部を囲むようにして保持する金属バンドと、この金属バンドを介して上記シュラウドガラスを固定支持する絶縁プラグと、を備えてなる水銀フリーの車両用放電バルブにおいて、
上記シュラウドガラスの外表面における上記放電空間の中心位置から上記金属バンドの前端縁までの領域の表面積S1と、上記金属バンドにおける上記シュラウドガラスとの接触面の表面積S2との比S1/S2が、
S1/S2=1〜3
に設定されている、ことを特徴とするものである。
【0015】
上記「表面積S1」および「表面積S2」について、それぞれの大きさ自体は特に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用放電バルブは、水銀フリーの放電バルブとして構成されているが、そのシュラウドガラスの外表面における放電空間の中心位置から、このシュラウドガラスの後端部を囲むようにして保持する金属バンドの前端縁までの領域の表面積S1と、金属バンドにおけるシュラウドガラスとの接触面の表面積S2との比S1/S2が、S1/S2=1〜3に設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0017】
すなわち、S1/S2を3以下の値に設定することにより、金属バンドを放電空間に近い位置に配置することができるので、誘電体バリア放電を発生させやすくすることができる。しかも、この金属バンドは、シュラウドガラスの後端部を囲むようにして保持しているので、誘電体バリア放電をアークチューブとシュラウドガラスとの間の筒状空間の全周領域において発生させやすくすることができる。
【0018】
一方、S1/S2を1以上の値に設定することにより、本願発明に係る車両用放電バルブを車両用照明灯具に組み込んだとき、その放電発光部からリフレクタへ向かう光が、金属バンドにより遮蔽されてしまうおそれをなくすことまたはこれを最小限に抑えることができる。
【0019】
このように、本願発明に係る車両用放電バルブは、水銀フリーの放電バルブとして構成されているにもかかわらず、起動電圧を低くすることができる。
【0020】
しかも、本願発明のように、金属バンドを利用して誘電体バリア放電を発生させる構成とすることにより、アークチューブに導電膜を形成した場合のような剥離発生のおそれをなくすことができる。そしてこれにより、車両用放電バルブとしての耐久性を高めることができる。
【0021】
また、このように金属バンドを利用して誘電体バリア放電を発生させる構成とすることにより、誘電体バリア放電を発生させるために、アークチューブとシュラウドガラスとの間の筒状空間へのガス封入圧を低くする必要性を緩和することができる。
【0022】
上記構成において、シュラウドガラスの外表面における放電空間の中心位置から金属バンドの前端縁までの距離L1が、L1=3〜15mmに設定された構成とすることが、以下の理由から好ましい。
【0023】
すなわち、L1が3mm未満であると、本願発明に係る車両用放電バルブを車両用照明灯具に組み込んだとき、その放電発光部からリフレクタへ向かう光が金属バンドによって遮蔽されてやすくなるため、光源光束を配光パターン形成用として有効に利用することができなくなってしまうおそれをある。一方、L1が15mmを超えると、金属バンドが放電空間からかなり離れてしまうので、誘電体バリア放電を発生させにくくなってしまう。よって、L1=3〜15mmに設定することが好ましい。
【0024】
上記構成において、金属バンドとして、その前後方向の幅L2がL2=3〜15mmに設定された構成とすることが、以下の理由から好ましい。
【0025】
すなわち、L2が3mm未満であると、金属バンドによってシュラウドガラスを保持する面積がかなり小さくなってしまうので、この金属バンドを介してシュラウドガラスを絶縁プラグに固定支持することを安定的に行うことが困難になってしまう。一方、L2が15mmを超えると、金属バンドを作製する際の曲げ加工を行いにくくなり、また、金属バンドによってシュラウドガラスを保持する範囲がかなり長くなってしまうので、両者間に接触ムラによるガタつきが発生してしまうおそれが高くなる。よって、L2=3〜15mmに設定することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本願発明の一実施形態に係る車両用放電バルブを示す側断面図
【図2】図1のII部詳細図
【図3】図1のIII−III線断面詳細図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1は、本願発明の一実施形態に係る車両用放電バルブ10を示す側断面図である。また、図2は、図1のII部詳細図であり、図3は、図1のIII−III線断面詳細図である。
【0029】
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用放電バルブ10は、ヘッドランプ等の車両用灯具の光源として用いられる光源バルブであって、その点灯は交流点灯により行われるようになっている。
【0030】
この車両用放電バルブ10は、前後方向に延びるアークチューブ12と、このアークチューブ12を円筒状に囲むようにして前後方向に延びるとともに前後方向両端部においてアークチューブ12に溶着されたシュラウドガラス14と、このシュラウドガラス14の後端部を囲むようにして保持する金属バンド16と、この金属バンド16を介してシュラウドガラス14を固定支持する絶縁プラグ18とを備えた構成となっている。
【0031】
アークチューブ12は、細長円筒形の石英ガラス管を加工してなるアークチューブ本体20と、このアークチューブ本体20内に埋設された前後1対の電極アッセンブリ22A、22Bとからなっている。
【0032】
アークチューブ本体20は、中央に略楕円球状の発光管部20aが形成されるとともにその前後両側にピンチシール部20b1、20b2が形成されてなり、その発光管部20aの内部には前後方向に延びる略楕円球状の放電空間24が形成されている。
【0033】
各電極アッセンブリ22A、22Bは、棒状に形成されたタングステン製の電極26A、26Bとモリブデン製のリード線28A、28Bとがモリブデン製の金属箔30A、30Bを介して連結固定されてなり、各ピンチシール部20b1、20b2においてアークチューブ本体20にピンチシールされている。
【0034】
その際、各金属箔30A、30Bは、すべてピンチシール部20b1、20b2内に埋設されているが、各電極26A、26Bは、その先端部が前後両側から互いに対向するようにして放電空間24に突出している。そしてこれにより、放電バルブ10を点灯したとき、両電極26A、26Bの先端部間にアーク状の放電発光部32を形成するようになっている。
【0035】
本実施形態に係る車両用放電バルブ10は、水銀フリーの放電バルブとして構成されている。
【0036】
すなわち、放電空間24には、希ガスと金属ハロゲン化物とが封入されているが、水銀は封入されていない。
【0037】
その際、希ガスは、両電極26A、26Bの先端部間における放電の発生を容易化すること等を目的として封入されており、本実施形態ではキセノンガスが用いられている。また、金属ハロゲン化物は、発光効率および演色性を高めるために封入されており、本実施形態ではヨウ化ナトリウムおよびヨウ化スカンジウムが用いられている。
【0038】
なお、水銀は、電極26A、26Bへの電子の衝突量を減少させてその損傷を緩和する緩衝機能を有しているが、水銀フリーとすることにより、この機能が得られなくなってしまう。そこで本実施形態においては、上記緩衝機能を果たす水銀代替物質として、緩衝用金属ハロゲン化物が封入されている。この緩衝用金属ハロゲン化物としては、例えば、Zn、In、Sb等のハロゲン化物のうちの1種類または複数種類が用いられている。
【0039】
アークチューブ12とシュラウドガラス14との間の筒状空間34には、アルゴンガス、キセノンガス等の希ガスや、窒素、酸素、二酸化炭素等の単体ガス、またはこれらを複数種類含む混合ガスが充填されている。この筒状空間34に充填されたガスの充填圧力は、0.1〜0.9atm程度(すなわち0.01〜0.09MPa程度)の負圧に設定されている。
【0040】
金属バンド16は、シュラウドガラス14の後端部の外周面に固定されている。
【0041】
この金属バンド16は、帯状の金属板を略円筒状に折り曲げることにより略円筒状に形成されている。その際、この金属バンド16の周方向両端部には、1対のフランジ部16aが形成されており、これら両フランジ部16aはシュラウドガラス14の外周面の上端部において互いに溶接されている。また、この金属バンド16は、シュラウドガラス14の外周面と面接触するように形成されているが、その左右両側面部にはシュラウドガラス14の外周面から略半円筒状に離れるようにして突出する突起部16bが形成されている。
【0042】
この金属バンド16は、スライダ金具38により固定支持されている。
【0043】
このスライダ金具38は、その周方向の4箇所に係合爪38aを有しており、これら各係合爪38aを金属バンド16の外周面に係合させた状態で、レーザ溶接等により金属バンド16と連結固定されている。その際、このスライダ金具38は、その後端面を基準面にして金属バンド16との連結固定が行われるようになっている。
【0044】
絶縁プラグ18は、絶縁プラグ本体40の前端部に金属製のベースプレート42が固着された構成となっている。このベースプレート42には、アークチューブユニット12側のスライダ金具38がレーザ溶接等により連結固定されている。
【0045】
本実施形態に係る車両用放電バルブ10は、そのシュラウドガラス14の外表面14aにおける放電空間24の中心位置Oから金属バンド16の前端縁16cまでの領域Z1の表面積S1と、金属バンド16におけるシュラウドガラス14との接触面(すなわち、金属バンド16の内周面のうち突起部16bの内周面の部分を除いた領域)Z2の表面積S2との比S1/S2が、S1/S2=1〜3(例えば1.5程度)に設定されている。
【0046】
また、本実施形態に係る車両用放電バルブ10は、そのシュラウドガラス14の外表面14aにおける放電空間24の中心位置Oから金属バンド16の前端縁16cまでの距離L1が、L1=3〜15mm(例えば8mm程度)に設定されている。そして、金属バンド16は、その前後方向の幅L2が、L2=3〜15mm(例えば5mm程度)に設定されている。
【0047】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0048】
本実施形態に係る車両用放電バルブ10は、水銀フリーの放電バルブとして構成されているが、そのシュラウドガラス14の外表面14aにおける放電空間24の中心位置Oから、このシュラウドガラス14の後端部を囲むようにして保持する金属バンド16の前端縁16cまでの領域Z1の表面積S1と、金属バンド16におけるシュラウドガラス14との接触面Z2の表面積S2との比S1/S2が、S1/S2=1〜3に設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0049】
すなわち、S1/S2を3以下の値に設定することにより、金属バンド16を放電空間24に近い位置に配置することができるので、誘電体バリア放電を発生させやすくすることができる。しかも、この金属バンド16は、シュラウドガラス14の後端部を囲むようにして保持しているので、誘電体バリア放電をアークチューブ12とシュラウドガラス14との間の筒状空間34の全周領域において発生させやすくすることができる。
【0050】
一方、S1/S2を1以上の値に設定することにより、本実施形態に係る車両用放電バルブ10を車両用照明灯具(図示せず)に組み込んだとき、その放電発光部32からリフレクタ(図示せず)へ向かう光が、金属バンド16により遮蔽されてしまうおそれをなくすことまたはこれを最小限に抑えることができる。
【0051】
このように、本実施形態に係る車両用放電バルブ10は、水銀フリーの放電バルブとして構成されているにもかかわらず、起動電圧を低くすることができる。
【0052】
しかも、本実施形態のように、金属バンド16を利用して誘電体バリア放電を発生させる構成とすることにより、アークチューブ12に導電膜を形成した場合のような剥離発生のおそれをなくすことができる。そしてこれにより、車両用放電バルブ10としての耐久性を高めることができる。
【0053】
さらに、このように金属バンド16を利用して誘電体バリア放電を発生させる構成とすることにより、誘電体バリア放電を発生させるために、アークチューブ12とシュラウドガラス14との間の筒状空間24へのガス封入圧を低くする必要性を緩和することができる。
【0054】
また、本実施形態においては、シュラウドガラス14の外表面14aにおける放電空間24の中心位置Oから金属バンド16の前端縁16cまでの距離L1が、L1=3〜15mmに設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0055】
すなわち、L1が3mm未満であると、本実施形態に係る車両用放電バルブ10を車両用照明灯具に組み込んだとき、その放電発光部32からリフレクタへ向かう光が、金属バンド16によって遮蔽されてやすくなるため、光源光束を配光パターン形成用として有効に利用することができなくなってしまうおそれをある。一方、L1が15mmを超えると、金属バンド16が放電空間24からかなり離れてしまうので、誘電体バリア放電を発生させにくくなってしまう。よって、L1=3〜15mmに設定することが好ましい。
【0056】
さらに、本実施形態においては、金属バンド16として、その前後方向の幅L2がL2=3〜15mmに設定されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0057】
すなわち、L2が3mm未満であると、金属バンド16によってシュラウドガラス14を保持する面積がかなり小さくなってしまうので、この金属バンド16を介してシュラウドガラス14を絶縁プラグ18に固定支持することを安定的に行うことが困難になってしまう。一方、L2が15mmを超えると、金属バンド16を作製する際の曲げ加工を行いにくくなり、また、金属バンド16によってシュラウドガラス14を保持する範囲がかなり長くなってしまうので、両者間に接触ムラによるガタつきが発生してしまうおそれが高くなる。よって、L2=3〜15mmに設定することが好ましい。
【0058】
なお、上記実施形態において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【符号の説明】
【0059】
10 車両用放電バルブ
12 アークチューブ
14 シュラウドガラス
14a 外表面
16 金属バンド
16a フランジ部
16b 突起部
16c 前端縁
18 絶縁プラグ
20 アークチューブ本体
20a 発光管部
20b1、20b2 ピンチシール部
22A、22B 電極アッセンブリ
24 放電空間
26A、26B 電極
28A、28B リード線
30A、30B 金属箔
32 放電発光部
34 筒状空間
38 スライダ金具
38a 係合爪
40 絶縁プラグ本体
42 ベースプレート
O 放電空間の中心位置
Z1 シュラウドガラスの外表面における放電空間の中心位置から金属バンドの前端縁までの領域
Z2 金属バンドにおけるシュラウドガラスとの接触面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光管部の前後方向両側に位置するピンチシール部に、1対の電極が該電極の先端部を上記発光管部の放電空間に突出させるようにして対向配置されてなるアークチューブと、このアークチューブを筒状に囲むようにして前後方向に延びるとともに前後方向両端部において上記アークチューブに溶着されたシュラウドガラスと、このシュラウドガラスの後端部を囲むようにして保持する金属バンドと、この金属バンドを介して上記シュラウドガラスを固定支持する絶縁プラグと、を備えてなる水銀フリーの車両用放電バルブにおいて、
上記シュラウドガラスの外表面における上記放電空間の中心位置から上記金属バンドの前端縁までの領域の表面積S1と、上記金属バンドにおける上記シュラウドガラスとの接触面の表面積S2との比S1/S2が、
S1/S2=1〜3
に設定されている、ことを特徴とする車両用放電バルブ。
【請求項2】
上記シュラウドガラスの外表面における上記放電空間の中心位置から上記金属バンドの前端縁までの距離L1が、
L1=3〜15mm
に設定されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用放電バルブ。
【請求項3】
上記金属バンドの前後方向の幅L2が、
L2=3〜15mm
に設定されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用放電バルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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