説明

車両用機器制御装置及び車両用空調管理システム

【課題】必要なときだけ節電制御を行い、乗客の快適性が低減する時間を短縮することができる車両用機器制御装置及び車両用空調管理システムを提供する。
【解決手段】車両4の現在位置を示す現在位置情報を有する運転状態の情報と、車両4に設けられた機器の稼働状況に関する稼働状況情報と、節電条件とに基づいて、機器の消費電力を低減させる制御を行う制御手段を備え、制御手段は、節電条件として、節電時間帯が設定されており、現在時刻が、前記節電時間帯にあるとき、節電条件として、節電区間が設定されており、現在位置情報が、節電区間にあるとき、または、節電条件として、節電時間帯及び節電区間が設定されており、現在時刻が、節電時間帯にあり、かつ、現在位置情報が、節電区間にあるとき、稼働状況情報に応じて、機器の消費電力を低減させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用機器制御装置及び車両用空調管理システムに関し、特に、節電制御を行う車両用機器制御装置及び車両用空調管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として、例えば、管理コンピュータは、車両から送信された分送信データに基づいて、車両の冷房能力の制御を行うというものがある。このようなものにおいては、より快適な空調を乗客に提供できる、とされている(特許文献1、2参照)。
【0003】
また、従来例として、例えば、先頭車両の運転士室にある中央制御装置は、全車両に制御情報を送信し、空調装置の風量、風向き、温度を調整するというものがある。このようなものにおいては、快適な空調管理システムを実現できる、とされている(特許文献3参照)。
【0004】
また、従来例として、例えば、中央指令センターは、現在の温度値と蓄積されている値とに基づいて、各車両のエアコンディショニングユニットのターンオン、ターンオフ、または快適レベルを維持する動作を行うというものがある。このようなものにおいては、エネルギー節約と共に人力の削減も可能となる、とされている(特許文献4参照)。
【0005】
また、従来例として、例えば、営業終了時刻の時間前になったとき、各車両の空気調和装置及び運転室空気調和装置の運転を抑制するというものがある。このようなものにおいては、無駄な消費電力を低減することができる、とされている(特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第424467号公報(段落[0007]及び[0024])
【特許文献2】特開2009−7006号公報(段落[0028])
【特許文献3】特開2007−192416号公報(段落[0043])
【特許文献4】特開平5−141742号公報(段落[0011]〜[0015])
【特許文献5】特願2010−154913号(段落[0043]〜[0046]及び[図12])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来例(特許文献1、2、及び3)においては、節電制御を行うものではなかった。また、従来例(特許文献4)においては、エネルギーを節約する制御についてはあるものの、必要なときだけ節電制御を行うものではなかった。また、従来例(特許文献5)においては、節電制御を行うものであるが、必要でないときにも節電制御を行うため、乗客の快適性が低減することがあった。
【0008】
したがって、必要なときだけ節電制御を行い、乗客の快適性が低減する時間を短縮することができないという問題点があった。
【0009】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、必要なときだけ節電制御を行い、乗客の快適性が低減する時間を短縮することができる車両用機器制御装置及び車両用空調管理システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の車両用機器制御装置は、車両の現在位置を示す現在位置情報を有する運転状態の情報と、前記車両に設けられた機器の稼働状況に関する稼働状況情報と、節電条件とに基づいて、前記機器の消費電力を低減させる制御を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記節電条件として、節電時間帯が設定されており、現在時刻が、前記節電時間帯にあるとき、前記節電条件として、節電区間が設定されており、前記現在位置情報が、前記節電区間にあるとき、または、前記節電条件として、前記節電時間帯及び前記節電区間が設定されており、現在時刻が、前記節電時間帯にあり、かつ、前記現在位置情報が、前記節電区間にあるとき、前記稼働状況情報に応じて、前記機器の消費電力を低減させるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、必要なときだけ節電制御を行い、乗客の快適性が低減する時間を短縮することができることにより、必要以上に乗客の快適性を低下させないようにしつつも、エネルギー消費量を低減することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における車両用機器制御装置が搭載された編成列車を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1における車両用機器制御システムの機能の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1における電力使用量の特性曲線の一例を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態1における従来の節電制御の実行タイミングを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1における節電時間帯に基づく節電制御の実行タイミングを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1における節電時間帯に基づく節電制御処理の詳細を示したフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態2における編成列車の進行方向を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2における節電区間に基づく節電制御の実行タイミングを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2における節電区間に基づく節電制御処理の詳細を示したフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態3における節電時間帯及び節電区間に基づく節電制御の実行タイミングを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態3における節電時間帯及び節電区間に基づく節電制御処理の詳細を示したフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態4における車両用機器制御装置が搭載された編成列車を示す概略図である。
【図13】本発明の実施の形態4における車両用機器制御システムの機能の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態4における節電時間帯に基づく節電制御処理の詳細を示したフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態5における節電区間に基づく節電制御処理の詳細を示したフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態6における車両用空調管理システムの構成を示す図である。
【図17】本発明の実施の形態7における車両用空調管理システムの構成を示す図である。
【図18】本発明の実施の形態7における電力使用量の特性曲線及び節電制御の実行タイミングの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の空気調和機について、図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における車両用機器制御装置が搭載された編成列車を示す概略図である。図1に示すように、編成列車10は、車両4a、車両4b、及び車両4cから編成される。
【0015】
なお、ここでは編成列車10の車両数が3両についての一例について説明するが、車両数はこれに限定されるものではない。
【0016】
なお、以後の説明において、編成列車10に編成される複数の車両を総称するときには、車両4と称することとする。上記の場合、車両4は、車両4a、車両4b、及び車両4cを総称するものとするが、その両数については特に限定しないこととする。例えば、編成列車10に編成される車両数が10両の場合にも、その10両分の車両を総称するときには、車両4と称することとする。すなわち、1両の車両から複数の車両の何れかを総称していうときは、車両4と称することとする。
【0017】
次に、各車両の詳細について説明する。
【0018】
車両4aは、車両用機器制御装置1a、空気調和装置2a、及び車両情報制御装置3a等を備えている。車両4bは、図1に示すように、中間車両であり、車両用機器制御装置1b及び空気調和装置2b等を備えている。車両4cは、車両用機器制御装置1c、空気調和装置2c、及び車両情報制御装置3b等を備えている。
【0019】
なお、ここでは、各車両には、車両用機器制御装置1a、1b、1c、及び空気調和装置2a、2b、2cがそれぞれ1台ずつ搭載される一例について説明するが、これに限定されるものではない。
【0020】
なお、図1において、先頭車両は、車両4a、車両4cの何れであってもよい。
【0021】
なお、以後の説明において、車両用機器制御装置1a、車両用機器制御装置1b、及び車両用機器制御装置1cを総称するときには、車両用機器制御装置1と称することとする。上記の場合、車両用機器制御装置1は、車両用機器制御装置1a、車両用機器制御装置1b、及び車両用機器制御装置1cを総称するものとするが、その台数については特に限定しないこととする。例えば、10台の車両用機器制御装置を総称するときにも、車両用機器制御装置1と称することとする。すなわち、1台の車両用機器制御装置から複数台の車両用機器制御装置の何れかを総称していうときは、車両用機器制御装置1と称することとする。
【0022】
なお、以後の説明において、空気調和装置2a、空気調和装置2b、及び空気調和装置2cを総称するときには、空気調和装置2と称することとする。上記の場合、空気調和装置2は、空気調和装置2a、空気調和装置2b、及び空気調和装置2cを総称するものとするが、その台数については特に限定しないこととする。例えば、10台の空気調和装置を総称するときにも、空気調和装置2と称することとする。すなわち、1台の空気調和装置から複数台の空気調和装置の何れかを総称していうときは、空気調和装置2と称することとする。
【0023】
車両4aは、温度センサー、湿度センサー、及び応荷重センサー等を備えている(いずれも図示せず)。また、図示は省略するが、車両4b及び車両4cも、車両4aと同様のものを備えている。
【0024】
温度センサー及び湿度センサーは、車両内温度、車両内湿度、及び外気温度等を検出する。応荷重センサーは、車両4の下部に設置され、車両4に加わる圧力を検出する。
【0025】
空気調和装置2は、詳細については図示を省略するが、冷凍サイクルを備えている。冷凍サイクルは、圧縮機、凝縮器、減圧装置、及び蒸発器等が冷媒配管で接続されて形成されるものであり、冷媒が圧縮や膨張をしながら冷媒配管を介して循環する。また、空気調和装置2は、室外送風機や室内送風機を備え、凝縮器や蒸発器で冷媒と熱交換した熱媒体が室外や室内に送風される。例えば、空気調和装置2は、ユニットクーラとして車両4の屋根上に搭載される。また、空気調和装置2は、車両内温度、車両内湿度、及び外気温度等を取得する。
【0026】
なお、空気調和装置2は、車両4a、車両4b、及び車両4cに対して、1台ずつ設置されてもよく、複数台設置されてもよい。
【0027】
また、空気調和装置2が備える圧縮機は複数台であってもよい。
【0028】
車両情報制御装置3は、検出された圧力値に基づいて乗車率を算出する。また、車両情報制御装置3は、車両4のドアの開閉データを管理する。また、車両情報制御装置3は、各種センサーの検出結果を取得し、空調運転状態を管理する。また、車両情報制御装置3は、現在時刻をカウントし、それを車両用機器制御装置1や空気調和装置2に供給する。また、車両情報制御装置3は、後述する節電条件を外部から取得し、取得した節電条件を車両用機器制御装置1に供給する。
【0029】
車両情報制御装置3は、車輪の回転数により発駅からの距離を計測し、内部に有する路線図と照会させることで、現在位置を割り出し、その現在位置を車両用機器制御装置1に供給する。
【0030】
なお、車両情報制御装置3は、図示しないGPS(Global Positioning System)により位置を割り出すようにしてもよい。
【0031】
空調運転状態は、車両内温度、車両内湿度、外気温度、冷房、暖房、送風、除湿、空調強運転、空調微運転、及び空調停止等を含むものである。
【0032】
なお、上記で説明した車両4の構成は一例を示すものであり、これに限定されるものではない。例えば、車両用機器制御装置1及び車両情報制御装置3の両方の機能を統合した制御装置であってもよい。
【0033】
なお、車両用機器制御装置1、空気調和装置2、及び車両情報制御装置3は、互いにデータ通信を行っているが、そのデータ通信の実施形態については特に限定されるものではない。例えば、データ通信は、有線通信であっても、無線通信であってもよい。データ通信が無線通信の場合、例えば、アドホックネットワーク・マルチホップ通信であってもよい。
【0034】
図2は、本発明の実施の形態1における車両用機器制御システムの機能の構成を示すブロック図である。図2に示すように、車両用機器制御システム7は、車両情報制御装置3a、車両用機器制御装置1a、及び空気調和装置2a等を備える。
【0035】
車両用機器制御装置1aは、情報取得手段8及び制御手段9を備える。また、図示は省略するが、車両用機器制御装置1b、1cも、同様に、情報取得手段8及び制御手段9を備える。
【0036】
情報取得手段8は、車両情報制御装置3aから、乗車率、車両4のドアの開閉データ、空調運転状態、月日等の暦、時刻等、及び節電条件を取得し、制御手段9に取得したデータを供給する。また、情報取得手段8は、車両内温度、車両内湿度、及び外気温度等を取得し、制御手段9に取得したデータを供給する。制御手段9は、供給されたデータに基づいて、空気調和装置2aを制御する。なお、制御手段9は、車両情報制御装置3aと空気調和装置2aとから同一のデータを取得したときには、何れか最新のデータを利用すればよく、仮に、両方とも同一時刻のデータであれば、どちらか一方のデータを利用すればよい。
【0037】
また、車両用機器制御装置1b、1cについても同様にして、空気調和装置2b、2cをそれぞれ制御する。
【0038】
なお、上記では、車両用機器制御システム7の機能の構成の一例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、車両情報制御装置3aの代わりに、車両情報制御装置3bであってもよい。
【0039】
なお、車両用機器制御装置1の各機能をハードウェアで実現するか、ソフトウェアで実現するかは問わない。つまり、本発明の実施の形態1の各ブロック図は、ハードウェアのブロック図と考えても、ソフトウェアによる機能ブロック図と考えてもよい。
【0040】
次に、上記で説明した構成を前提にして、節電制御について説明する。
【0041】
図3は、本発明の実施の形態1における電力使用量の特性曲線の一例を説明する図である。図3に示すように、電力使用量の特性曲線100は、例えば、早朝の時間帯においては、電力使用量は少なく、それから昼に向かって電力使用量は上昇し、その後、いったん落ち込み、また、短い時間で上昇した後、夜間になるまで下降していく。図3に示すように、電力使用量は、時間帯ごとに異なっており、電力会社等からの電力供給が逼迫する時間帯においては、節電制御することにより、電力使用量が電力供給量(図示せず)を上回ったときに生じることがある停電を回避することができることになる。
【0042】
図4は、本発明の実施の形態1における従来の節電制御の実行タイミングを示す図である。図4に示すように、従来においては、一律に節電を行っていた。このため、例えば、震災等の影響を考慮して節電を行う際、夜間のように電力供給に余裕がある時間帯であっても、節電を行っていた。例えば、冷房設定温度を上げることで、必要以上に消費電力を低減していたため、車両4に乗車している乗客の快適性を低下させていることがあった。
【0043】
そこで、以降で説明するように、節電制御の実行タイミングを制御することで、車両4に乗車している乗客の快適性を必要以上に低下させないようにする。
【0044】
図5は、本発明の実施の形態1における節電時間帯に基づく節電制御の実行タイミングを示す図である。図5に示すように、節電条件として、節電が必要な時間帯である節電時間帯を設定した場合を想定する。例えば、図5に示すように、電力消費量が上昇する時間帯として、10時〜18時が節電時間帯として設定される。この場合、現在時刻が、予め設定された節電時間帯であれば、車両4に設けられた機器の消費電力を低減する制御が実行され、現在時刻が、予め設定された節電時間帯でなければ、車両4に設けられた機器の消費電力を低減する制御が実行されない。
【0045】
図6は、本発明の実施の形態1における節電時間帯に基づく節電制御処理の詳細を示したフローチャートである。
【0046】
(ステップS11)
車両用機器制御装置1は、乗務員等から空気調和装置2に運転指令があるか否かを判定する。車両用機器制御装置1は、運転指令があると判定した場合、ステップS12へ進む。一方、車両用機器制御装置1は、運転指令がないと判定した場合、ステップS11に戻る。
【0047】
(ステップS12)
車両用機器制御装置1は、空気調和装置2の空調制御を開始する。
【0048】
(ステップS13)
車両用機器制御装置1は、車両情報制御装置3から現在時刻と予め設定された節電時間帯とを取得し、現在時刻は節電時間帯であるか否かを判定する。車両用機器制御装置1は、現在時刻が節電時間帯であると判定した場合、ステップS14へ進む。一方、車両用機器制御装置1は、現在時刻が節電時間帯でないと判定した場合、ステップS17へ進む。
【0049】
(ステップS14)
車両用機器制御装置1は、空気調和装置2の運転状態を判定する。車両用機器制御装置1は、運転状態が「暖房運転中」であると判定した場合、ステップS15に進む。また、車両用機器制御装置1は、運転状態が「冷房運転中」であると判定した場合、ステップS16に進む。また、車両用機器制御装置1は、運転状態が、「暖房運転中」ではなく、「冷房運転中」でもなく、「その他」であると判定した場合、ステップS17へ進む。
【0050】
(ステップS15)
車両用機器制御装置1は、空気調和装置2の設定温度を下げ、ステップS17へ進む。
【0051】
(ステップS16)
車両用機器制御装置1は、空気調和装置2の設定温度を上げ、ステップS17へ進む。
【0052】
(ステップS17)
車両用機器制御装置1は、運転状態や設定温度等に基づいて、空気調和装置2を動作させ、処理は終了する。
【0053】
なお、ここでは、ステップS15及びステップS16において、設定温度を変更する一例について説明したが、これに限定されるものではない。
【0054】
例えば、冷房能力を制限してもよい。このような場合においては、冷房能力を100(%)で空調運転するのではなく、80(%)、60(%)、40(%)、及び20(%)等で空調運転すればよい。
【0055】
また、例えば、各車両の電流入力が所定の制限値を超えないようにしてもよい。例えば、各車両で、電流や電力量を計測し、制限値を超えるときには電流入力量を段階的に落としていってもよい。
【0056】
また、例えば、運転停止する圧縮機をローテーションしてもよい。例えば、節電制御時には、所定の間隔で、停止する圧縮機をローテーションしていき、それを節電制御が終了するまで繰り返してもよい。
【0057】
また、例えば、圧縮機の回転数を下げてもよい。例えば、インバータ制御により、圧縮機の回転数を下げてもよい。また、容量式圧縮機であれば、圧縮機の容量を段階的に下げてもよい。
【0058】
また、例えば、空調運転時の風量を低減してもよい。例えば、節電制御前には、強風運転であった場合には、微風運転に切り替えるようにしてもよい。具体的には、空気調和装置2の室外送風機や室内送風機の回転数を下げてもよい。
【0059】
また、例えば、空気調和装置2の室外送風機や室内送風機の運転台数を下げてもよい。
【0060】
要するに、消費電力を低減するように、空調運転の設定を変更すればよい。
【0061】
このようにすることで、電力消費量が上昇する時間帯に車両機器の消費電力を低減することができる。よって、電力消費量に余裕がある時間帯においては、通常制御を行う。そのため、必要以上に乗客の快適性を損なうことがなく、節電制御を行う時間を短縮することができる。
【0062】
なお、本実施の形態1において、各処理の詳細を記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0063】
以上のように、本実施の形態1においては、車両4の現在位置を示す現在位置情報を有する運転状態の情報と、車両4に設けられた機器の稼働状況に関する稼働状況情報と、節電条件とに基づいて、機器の消費電力を低減させる制御を行う制御手段を備え、制御手段は、節電条件として、節電時間帯が設定されており、現在時刻が、節電時間帯にあるとき、節電条件として、節電区間が設定されており、現在位置情報が、節電区間にあるとき、または、節電条件として、節電時間帯及び節電区間が設定されており、現在時刻が、節電時間帯にあり、かつ、現在位置情報が、節電区間にあるとき、稼働状況情報に応じて、機器の消費電力を低減させることにより、必要なときだけ節電制御を行い、乗客の快適性が低減する時間を短縮することができることにより、必要以上に乗客の快適性を低下させないようにしつつも、エネルギー消費量を低減することができる。
【0064】
また、本実施の形態1においては、機器は、空気調和装置2であり、制御手段は、節電条件として、節電時間帯が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあり、かつ、稼働状況情報が暖房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を下げ、節電条件として、節電区間が設定されており、現在位置情報が節電区間にあり、かつ、稼働状況情報が暖房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を下げ、節電条件として、節電時間帯及び節電区間が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあり、現在位置情報が節電区間にあり、かつ、稼働状況情報が暖房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を下げることにより、必要なときだけ節電制御を行い、乗客の快適性が低減する時間を短縮することができることにより、必要以上に乗客の快適性を低下させないようにしつつも、エネルギー消費量を低減することができる。
【0065】
また、本実施の形態1においては、機器は、空気調和装置2であり、制御手段は、節電条件として、節電時間帯が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあり、かつ、稼働状況情報が冷房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を上げ、節電条件として、節電区間が設定されており、現在位置情報が節電区間にあり、かつ、稼働状況情報が冷房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を上げ、節電条件として、節電時間帯及び節電区間が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあり、現在位置情報が節電区間にあり、かつ、稼働状況情報が冷房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を上げることにより、必要なときだけ節電制御を行い、乗客の快適性が低減する時間を短縮することができることにより、必要以上に乗客の快適性を低下させないようにしつつも、エネルギー消費量を低減することができる。
【0066】
実施の形態2.
実施の形態1との相違点は、節電時間帯ではなく、節電区間に基づいて節電制御を実行する点である。以下、詳細に説明する。
【0067】
なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0068】
図7は、本発明の実施の形態2における編成列車の進行方向を示す図である。図7に示すように、例えば、電力設備容量に余裕がないA社路線21から、編成列車の進行方向11に示すように、電力設備容量に余裕があるB社路線22に、編成列車10が走行中であったと想定する。この場合、従来であれば、一度節電制御を開始したら、編成列車10は、B社路線22中を走行するときであっても、冷房設定温度を上げたままの走行となり、必要以上に乗客の快適性を低下させていた。
【0069】
図8は、本発明の実施の形態2における節電区間に基づく節電制御の実行タイミングを示す図である。図8に示すように、節電条件として、節電が必要な区間である節電区間を設定した場合を想定する。例えば、図8に示すように、電力消費量を低減しなければならない区間として、東京電力管轄内の埼玉県○○群△町から埼玉県□市を通過する間の東武××線が節電区間として設定される。より具体的には、例えば、震災等の影響により、輪番停電をすることになったとする。東京電力管轄内を複数の区画に分け、そのうち、例えば、○×番と命名された区画の地域に対して、0時〜13時にかけて節電制御を実行する。すなわち、現在位置が、予め設定された節電区間であるとき、車両4に設けられた機器の消費電力を低減する制御を実行し、予め設定された節電区間でなければ、車両4に設けられた機器の消費電力を低減する制御を実行しない。
【0070】
図9は、本発明の実施の形態2における節電区間に基づく節電制御処理の詳細を示したフローチャートである。
【0071】
(ステップS21)
車両用機器制御装置1は、乗務員等から空気調和装置2に運転指令があるか否かを判定する。車両用機器制御装置1は、運転指令があると判定した場合、ステップS22へ進む。一方、車両用機器制御装置1は、運転指令がないと判定した場合、ステップS21に戻る。
【0072】
(ステップS22)
車両用機器制御装置1は、空気調和装置2の空調制御を開始する。
【0073】
(ステップS23)
車両用機器制御装置1は、車両情報制御装置3から現在位置と予め設定された節電区間とを取得し、現在位置は節電区間であるか否かを判定する。車両用機器制御装置1は、現在位置が節電区間であると判定した場合、ステップS24へ進む。一方、車両用機器制御装置1は、現在位置が節電区間でないと判定した場合、ステップS27へ進む。
【0074】
(ステップS24)
車両用機器制御装置1は、空気調和装置2の運転状態を判定する。車両用機器制御装置1は、運転状態が「暖房運転中」であると判定した場合、ステップS25に進む。また、車両用機器制御装置1は、運転状態が「冷房運転中」であると判定した場合、ステップS26に進む。また、車両用機器制御装置1は、運転状態が、「暖房運転中」ではなく、「冷房運転中」でもなく、「その他」であると判定した場合、ステップS27へ進む。
【0075】
(ステップS25)
車両用機器制御装置1は、空気調和装置2の設定温度を下げ、ステップS27へ進む。
【0076】
(ステップS26)
車両用機器制御装置1は、空気調和装置2の設定温度を上げ、ステップS27へ進む。
【0077】
(ステップS27)
車両用機器制御装置1は、運転状態や設定温度等に基づいて、空気調和装置2を動作させ、処理は終了する。
【0078】
なお、ここでは、ステップS25及びステップS26において、設定温度を変更する一例について説明したが、これに限定されるものではない。
【0079】
例えば、冷房能力を制限してもよい。このような場合においては、冷房能力を100(%)で空調運転するのではなく、80(%)、60(%)、40(%)、及び20(%)等で空調運転すればよい。
【0080】
また、例えば、各車両の電流入力が所定の制限値を超えないようにしてもよい。例えば、各車両で、電流や電力量を計測し、制限値を超えるときには電流入力量を段階的に落としていってもよい。
【0081】
また、例えば、運転停止する圧縮機をローテーションしてもよい。例えば、節電制御時には、所定の間隔で、停止する圧縮機をローテーションしていき、それを節電制御が終了するまで繰り返してもよい。
【0082】
また、例えば、圧縮機の回転数を下げてもよい。例えば、インバータ制御により、圧縮機の回転数を下げてもよい。また、容量式圧縮機であれば、圧縮機の容量を段階的に下げてもよい。
【0083】
また、例えば、空調運転時の風量を低減してもよい。例えば、節電制御前には、強風運転であった場合には、微風運転に切り替えるようにしてもよい。具体的には、空気調和装置2の室外送風機や室内送風機の回転数を下げてもよい。
【0084】
また、例えば、空気調和装置2の室外送風機や室内送風機の運転台数を下げてもよい。
【0085】
要するに、消費電力を低減するように、空調運転の設定を変更すればよい。
【0086】
このようにすることで、電力消費量を低減しなければならない区間を走行する場合に車両機器の消費電力を低減することができる。よって、電力消費量に余裕がある区間においては、通常制御を行う。そのため、必要以上に乗客の快適性を損なうことがなく、節電制御を行う時間を短縮することができる。
【0087】
なお、本実施の形態2において、各処理の詳細を記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0088】
以上のように、本実施の形態2においては、機器は、空気調和装置2であり、制御手段は、節電条件として、節電時間帯が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあり、かつ、稼働状況情報が暖房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を下げ、節電条件として、節電区間が設定されており、現在位置情報が節電区間にあり、かつ、稼働状況情報が暖房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を下げ、節電条件として、節電時間帯及び節電区間が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあり、現在位置情報が節電区間にあり、かつ、稼働状況情報が暖房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を下げることにより、必要なときだけ節電制御を行い、乗客の快適性が低減する時間を短縮することができることにより、必要以上に乗客の快適性を低下させないようにしつつも、エネルギー消費量を低減することができる。
【0089】
また、本実施の形態2においては、機器は、空気調和装置2であり、制御手段は、節電条件として、節電時間帯が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあり、かつ、稼働状況情報が冷房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を上げ、節電条件として、節電区間が設定されており、現在位置情報が節電区間にあり、かつ、稼働状況情報が冷房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を上げ、節電条件として、節電時間帯及び節電区間が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあり、現在位置情報が節電区間にあり、かつ、稼働状況情報が冷房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を上げることにより、必要なときだけ節電制御を行い、乗客の快適性が低減する時間を短縮することができることにより、必要以上に乗客の快適性を低下させないようにしつつも、エネルギー消費量を低減することができる。
【0090】
実施の形態3.
実施の形態1、2との相違点は、節電時間帯、あるいは節電区間の何れかに基づいて節電制御を実行するのではなく、節電時間帯及び節電区間に基づいて節電制御を実行する点である。以下、詳細に説明する。
【0091】
なお、本実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1又は2と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0092】
図10は、本発明の実施の形態3における節電時間帯及び節電区間に基づく節電制御の実行タイミングを示す図である。
【0093】
すなわち、現在時刻が、予め設定された節電時間帯であり、現在位置が、予め設定された節電区間であるとき、車両4に設けられた機器の消費電力を低減する制御を実行する。なお、図10に示すように、節電時間帯と節電区間との両方が節電条件となっているため、それだけ節電制御を実行する時間をさらに短縮することができる。
【0094】
図11は、本発明の実施の形態3における節電時間帯及び節電区間に基づく節電制御処理の詳細を示したフローチャートである。
【0095】
(ステップS31)
車両用機器制御装置1は、乗務員等から空気調和装置2に運転指令があるか否かを判定する。車両用機器制御装置1は、運転指令があると判定した場合、ステップS32へ進む。一方、車両用機器制御装置1は、運転指令がないと判定した場合、ステップS31に戻る。
【0096】
(ステップS32)
車両用機器制御装置1は、空気調和装置2の空調制御を開始する。
【0097】
(ステップS33)
車両用機器制御装置1は、車両情報制御装置3から、現在時刻、予め設定された節電時間帯、現在位置、及び予め設定された節電区間を取得し、現在時刻は節電時間帯であり、かつ、現在位置は節電区間であるか否かを判定する。車両用機器制御装置1は、現在時刻が節電時間帯であり、かつ、現在位置が節電区間であると判定した場合、ステップS34へ進む。一方、車両用機器制御装置1は、現在時刻が節電時間帯でなく、かつ、現在位置が節電区間でないと判定した場合、ステップS37へ進む。
【0098】
(ステップS34)
車両用機器制御装置1は、空気調和装置2の運転状態を判定する。車両用機器制御装置1は、運転状態が「暖房運転中」であると判定した場合、ステップS35に進む。また、車両用機器制御装置1は、運転状態が「冷房運転中」であると判定した場合、ステップS36に進む。また、車両用機器制御装置1は、運転状態が、「暖房運転中」ではなく、「冷房運転中」でもなく、「その他」であると判定した場合、ステップS37へ進む。
【0099】
(ステップS35)
車両用機器制御装置1は、空気調和装置2の設定温度を下げ、ステップS37へ進む。
【0100】
(ステップS36)
車両用機器制御装置1は、空気調和装置2の設定温度を上げ、ステップS37へ進む。
【0101】
(ステップS37)
車両用機器制御装置1は、運転状態や設定温度等に基づいて、空気調和装置2を動作させ、処理は終了する。
【0102】
なお、ここでは、ステップS35及びステップS36において、設定温度を変更する一例について説明したが、これに限定されるものではない。
【0103】
例えば、冷房能力を制限してもよい。このような場合においては、冷房能力を100(%)で空調運転するのではなく、80(%)、60(%)、40(%)、及び20(%)等で空調運転すればよい。
【0104】
また、例えば、各車両の電流入力が所定の制限値を超えないようにしてもよい。例えば、各車両で、電流や電力量を計測し、制限値を超えるときには電流入力量を段階的に落としていってもよい。
【0105】
また、例えば、運転停止する圧縮機をローテーションしてもよい。例えば、節電制御時には、所定の間隔で、停止する圧縮機をローテーションしていき、それを節電制御が終了するまで繰り返してもよい。
【0106】
また、例えば、圧縮機の回転数を下げてもよい。例えば、インバータ制御により、圧縮機の回転数を下げてもよい。また、容量式圧縮機であれば、圧縮機の容量を段階的に下げてもよい。
【0107】
また、例えば、空調運転時の風量を低減してもよい。例えば、節電制御前には、強風運転であった場合には、微風運転に切り替えるようにしてもよい。具体的には、空気調和装置2の室外送風機や室内送風機の回転数を下げてもよい。
【0108】
また、例えば、空気調和装置2の室外送風機や室内送風機の運転台数を下げてもよい。
【0109】
要するに、消費電力を低減するように、空調運転の設定を変更すればよい。
【0110】
このようにすることで、電力消費量が上昇する時間帯に車両機器の消費電力を低減することができ、電力消費量を低減しなければならない区間を走行する場合に車両機器の消費電力を低減することができる。よって、電力消費量に余裕がある時間帯であり、電力消費量に余裕がある区間においては、通常制御を行う。そのため、必要以上に乗客の快適性を損なうことがなく、節電制御を行う時間を短縮することができる。
【0111】
なお、本実施の形態3において、各処理の詳細を記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0112】
以上のように、本実施の形態3においては、機器は、空気調和装置2であり、制御手段は、節電条件として、節電時間帯が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあり、かつ、稼働状況情報が暖房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を下げ、節電条件として、節電区間が設定されており、現在位置情報が節電区間にあり、かつ、稼働状況情報が暖房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を下げ、節電条件として、節電時間帯及び節電区間が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあり、現在位置情報が節電区間にあり、かつ、稼働状況情報が暖房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を下げることにより、必要なときだけ節電制御を行い、乗客の快適性が低減する時間を短縮することができることにより、必要以上に乗客の快適性を低下させないようにしつつも、エネルギー消費量を低減することができる。
【0113】
また、本実施の形態3においては、機器は、空気調和装置2であり、制御手段は、節電条件として、節電時間帯が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあり、かつ、稼働状況情報が冷房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を上げ、節電条件として、節電区間が設定されており、現在位置情報が節電区間にあり、かつ、稼働状況情報が冷房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を上げ、節電条件として、節電時間帯及び節電区間が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあり、現在位置情報が節電区間にあり、かつ、稼働状況情報が冷房運転中の状態を示すとき、空気調和装置2の設定温度を上げることにより、必要なときだけ節電制御を行い、乗客の快適性が低減する時間を短縮することができることにより、必要以上に乗客の快適性を低下させないようにしつつも、エネルギー消費量を低減することができる。
【0114】
実施の形態4.
実施の形態1〜3との相違点は、空気調和装置2に対して節電制御するのではなく、表示器31に対して、節電時間帯に基づいて節電制御する点である。以下、詳細に説明する。
【0115】
なお、本実施の形態4において、特に記述しない項目については実施の形態1〜3の何れかと同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0116】
図12は、本発明の実施の形態4における車両用機器制御装置が搭載された編成列車を示す概略図である。図12に示すように、車両4aは表示器31aを備え、車両4bは表示器31bを備え、車両4cは表示器31cを備えている。また、車両用機器制御装置1aは表示器31aを制御し、車両用機器制御装置1bは表示器31bを制御し、車両用機器制御装置1cは表示器31cを制御する。また、車両情報制御装置3は表示器31a、表示器31b、及び表示器31cに対して、広告等のコマーシャルの動画を送信したり、次の駅名等の画像等を送信したりする。
【0117】
なお、以後の説明において、表示器31a、表示器31b、及び表示器31cを総称するときには、表示器31と称することとする。上記の場合、表示器31は、表示器31a、表示器31b、及び表示器31cを総称するものとするが、その台数については特に限定しないこととする。例えば、10台の表示器を総称するときにも、表示器31と称することとする。すなわち、1台の表示器から複数台の表示器の何れかを総称していうときは、表示器31と称することとする。
【0118】
表示器31は、例えば、次の降車駅の駅名が表示されるものであるが、これに限定されるものではない。
【0119】
また、ここでは、表示器31による一例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、車両4内の照明や監視カメラ等であってもよい。
【0120】
要するに、車両4に搭載された車両機器であればよい。
【0121】
図13は、本発明の実施の形態4における車両用機器制御システムの機能の構成を示すブロック図である。図13に示すように、車両用機器制御装置1は、車両情報制御装置3a及び表示器31から情報取得手段8を介して各種情報を取得し、情報取得手段8は制御手段9に取得した各種情報を供給する。制御手段9は、供給された各種情報に基づいて、表示器31を制御する。
【0122】
図14は、本発明の実施の形態4における節電時間帯に基づく節電制御処理の詳細を示したフローチャートである。
【0123】
(ステップS41)
車両用機器制御装置1は、乗務員等から表示器31に運転指令があるか否かを判定する。車両用機器制御装置1は、運転指令があると判定した場合、ステップS42へ進む。一方、車両用機器制御装置1は、運転指令がないと判定した場合、ステップS41に戻る。
【0124】
(ステップS42)
車両用機器制御装置1は、表示器31の制御を開始する。
【0125】
(ステップS43)
車両用機器制御装置1は、車両情報制御装置3から現在時刻と予め設定された節電時間帯とを取得し、現在時刻は節電時間帯であるか否かを判定する。車両用機器制御装置1は、現在時刻が節電時間帯であると判定した場合、ステップS45へ進む。一方、車両用機器制御装置1は、現在時刻が節電時間帯でないと判定した場合、ステップS44へ進む。
【0126】
(ステップS44)
車両用機器制御装置1は、表示器31を動作させ、処理は終了する。
(ステップS45)
車両用機器制御装置1は、表示器31を停止させ、処理は終了する。
【0127】
このようにすることで、電力消費量が上昇する時間帯に車両機器の消費電力を低減することができる。よって、電力消費量に余裕がある時間帯においては、通常制御を行う。そのため、必要以上に乗客の快適性を損なうことがなく、節電制御を行う時間を短縮することができる。
【0128】
なお、車両用機器制御装置1の各機能をハードウェアで実現するか、ソフトウェアで実現するかは問わない。つまり、本発明の実施の形態4の各ブロック図は、ハードウェアのブロック図と考えても、ソフトウェアによる機能ブロック図と考えてもよい。
【0129】
なお、本実施の形態4において、各処理の詳細を記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0130】
以上のように、本実施の形態4においては、機器は、表示器31であり、制御手段は、節電条件として、節電時間帯が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあるとき、表示器31を停止させ、節電条件として、節電区間が設定されており、現在位置情報が節電区間にあるとき、表示器31を停止させ、節電条件として、節電時間帯かつ節電区間が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあり、かつ、現在位置情報が節電区間にあるとき、表示器31を停止させることにより、必要なときだけ節電制御を行い、乗客の快適性が低減する時間を短縮することができることにより、必要以上に乗客の快適性を低下させないようにしつつも、エネルギー消費量を低減することができる。
【0131】
実施の形態5.
実施の形態1〜4との相違点は、空気調和装置2に対して節電制御するのではなく、表示器31に対して、節電区間に基づいて節電制御を実行する点である。以下、詳細に説明する。
【0132】
なお、本実施の形態5において、特に記述しない項目については実施の形態1〜4の何れかと同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0133】
図15は、本発明の実施の形態5における節電区間に基づく節電制御処理の詳細を示したフローチャートである。
【0134】
(ステップS51)
車両用機器制御装置1は、乗務員等から表示器31に運転指令があるか否かを判定する。車両用機器制御装置1は、運転指令があると判定した場合、ステップS52へ進む。一方、車両用機器制御装置1は、運転指令がないと判定した場合、ステップS51に戻る。
【0135】
(ステップS52)
車両用機器制御装置1は、表示器31の制御を開始する。
【0136】
(ステップS53)
車両用機器制御装置1は、車両情報制御装置3から現在位置と予め設定された節電区間とを取得し、現在位置は節電区間であるか否かを判定する。車両用機器制御装置1は、現在位置が節電区間であると判定した場合、ステップS55へ進む。一方、車両用機器制御装置1は、現在位置が節電区間でないと判定した場合、ステップS54へ進む。
【0137】
(ステップS54)
車両用機器制御装置1は、表示器31を動作させ、処理は終了する。
(ステップS55)
車両用機器制御装置1は、表示器31を停止させ、処理は終了する。
【0138】
このようにすることで、電力消費量を低減しなければならない区間を走行する場合に車両機器の消費電力を低減することができる。よって、電力消費量に余裕がある区間においては、通常制御を行う。そのため、必要以上に乗客の快適性を損なうことがなく、節電制御を行う時間を短縮することができる。
【0139】
なお、節電時間帯及び節電区間であるときに、表示器31を停止させるようにしてもよい。この場合においても、車両機器である表示器31の消費電力を低減することができる。なお、節電時間帯と節電区間との両方を節電条件とすれば、それだけ節電制御を実行する時間をさらに短縮することができる。
【0140】
なお、本実施の形態5において、各処理の詳細を記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0141】
以上のように、本実施の形態5においては、機器は、表示器31であり、制御手段は、節電条件として、節電時間帯が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあるとき、表示器31を停止させ、節電条件として、節電区間が設定されており、現在位置情報が節電区間にあるとき、表示器31を停止させ、節電条件として、節電時間帯かつ節電区間が設定されており、現在時刻が節電時間帯にあり、かつ、現在位置情報が節電区間にあるとき、表示器31を停止させることにより、必要なときだけ節電制御を行い、乗客の快適性が低減する時間を短縮することができることにより、必要以上に乗客の快適性を低下させないようにしつつも、エネルギー消費量を低減することができる。
【0142】
実施の形態6.
実施の形態1〜5との相違点は、外部から一括で、複数の編成列車10やその車両4に対して同時に節電条件を設定する点である。以下、詳細に説明する。
【0143】
なお、本実施の形態6において、特に記述しない項目については実施の形態1〜5の何れかと同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0144】
図16は、本発明の実施の形態6における車両用空調管理システムの構成を示す図である。図16に示すように、車両用空調管理システム700は、車両情報制御装置3、地域管理局100、管理コンピュータ300、及びサービスコンピュータ500等を備えている。サービスコンピュータ500は、節電条件等の各種設定情報を保持し、適宜各種設定情報を外部に送信するサービスサーバを有している。
【0145】
車両情報制御装置3は、車両用アンテナ5を備えている。地域管理局100は、路線沿いの複数の地域に設置され、地域管理局用アンテナ6を備えている。車両情報制御装置3と、地域管理局100とは、互いのアンテナを介して無線により、データ通信が行われる。
【0146】
地域管理局100と、管理コンピュータ300とは、インターネット等の回線網200を介して、データ通信が行われる。
【0147】
なお、回線網200は、例えば、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)、光ファイバー等であるが、これらに限定されるものではない。
【0148】
管理コンピュータ300と、サービスサーバとは、専用線400を介して、データ通信が行われる。
【0149】
地域管理局100は、割り当てられた地域の車両情報制御装置3と一定間隔ごとにデータ通信を行うことにより、車両4の各種情報を取得し、また、車両4に各種設定情報や制御指令等を送信する。一定間隔は、例えば、1分ごと、1週間ごと等である。
【0150】
管理コンピュータ300は、地域管理局100とデータ通信を行うことにより、各種情報を蓄積し、解析する。また、管理コンピュータ300は、蓄積した各種情報を路線ごとに管理し、適宜、地域管理局100へ鉄道の運行に関する情報等を送信する。
【0151】
サービスサーバは、例えば、鉄道事業者等が管理し、管理コンピュータ300とデータ通信を行うことにより、各種情報を統合管理すると共に、必要に応じて、各路線を走行する複数の車両4に指令を出す。
【0152】
このように、車両情報制御装置3、地域管理局100、管理コンピュータ300、及びサービスサーバは、互いにデータ通信が可能となっている。そのため、サービスサーバは、複数の車両情報制御装置3に同時に各種設定情報等を送信することが可能となっている。
【0153】
具体的には、車両情報制御装置3は、地域管理局100から無線により、「節電時間帯」又は「節電区間」を取得する。サービスサーバは、鉄道事業者からの入力指令に基づいて車両4の節電時間帯及び節電区間等の節電制御内容を設定し、管理コンピュータ300や地域管理局100等を介して車両4に送信する。これにより、各車両や編成単位で個別設定であった作業が、サービスサーバによる一括設定となり、省力化を実現することができる。
【0154】
換言すれば、地域管理局100は、車両4に設けられた機器の消費電力を低減する節電条件を車両4に対して無線指令する。
【0155】
このようにすることで、外部から一括指令により、複数の編成列車10やその車両4に対して同時に節電条件を設定することができる。よって、各車両または各編成ごとに個別に節電条件を設定する必要がない。そのため、省力化を図ることができる。
【0156】
なお、サービスサーバが、車両情報制御装置3に節電制御内容を送信するタイミングについては特に限定されるものではない。例えば、サービスサーバは、節電制御内容を車両情報制御装置3に対して一斉に送信してもよく、所定の間隔で送信してもよい。
【0157】
なお、ここでは、サービスサーバがサービスコンピュータ500に実装されている一例について説明したが、サービスサーバの存在場所はこれに限定されるものではない。例えば、管理コンピュータ300に実装されていてもよい。要するに、サービスサーバは、クライアントからの要求に対してサービスを提供するものであり、その実装場所については限定されるものではない。
【0158】
以上のように、本実施の形態6においては、車両用機器制御装置1と、車両用機器制御装置1とデータ通信するサービスサーバとを備え、サービスサーバは、節電条件を保持し、節電条件は、節電時間帯及び節電区間の少なくとも一方であり、複数の車両用機器制御装置1に節電条件を送信して設定することにより、外部から一括指令により、複数の編成列車10やその車両4に対して同時に節電条件を設定することができる。よって、各車両または各編成ごとに個別に節電条件を設定する必要がない。そのため、省力化を図ることができる。
【0159】
実施の形態7.
実施の形態1〜6との相違点は、電力使用率または電力使用量のデータをリアルタイムに取得して節電制御を実行する点である。すなわち、実施の形態1〜6における節電制御は、予め定めた条件に基づく静的制御であるのに対し、実施の形態7においては、リアルタイムに変動する条件に基づく動的制御である。以下、詳細に説明する。
【0160】
なお、本実施の形態7において、特に記述しない項目については実施の形態1〜6の何れかと同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0161】
図17は、本発明の実施の形態7における車両用空調管理システムの構成を示す図である。図17に示すように、車両用空調管理システム700は、電力設備管理コンピュータ600を備え、サービスコンピュータ500と、電力設備管理コンピュータ600とは、専用線400を介してデータ通信が行われる。
【0162】
具体的には、電力設備管理コンピュータは、電力設備管理サーバを有しており、電力設備管理サーバが、外部からの要求に対して、各種サービスを提供する。
【0163】
電力設備管理サーバは、各電力会社や自社の電力設備の電力使用率、電力使用量のデータをリアルタイムで保持している。電力設備管理サーバは、保持している電力使用率や電力使用量のデータを、サービスサーバから要請があったときに供給する。サービスサーバは、管理コンピュータ300、地域管理局100等を介して、供給された電力使用率や電力使用量のデータを車両情報制御装置3に送信する。これにより、車両情報制御装置3は、「節電要求有り」の情報をリアルタイムで取得する。そのため、車両用機器制御装置1は、リアルタイムで消費電力を下げる制御を開始することが可能となっている。
【0164】
すなわち、電力設備の電力使用率又は電力使用量のデータを取得し、電力使用率又は電力使用量が予め定められた値以上になったとき、車両4に設けられた機器の消費電力を低減する。
【0165】
図18は、本発明の実施の形態7における電力使用量の特性曲線及び節電制御の実行タイミングの一例を示す図である。図18に示すように、電力使用量の特性曲線1000上には、制限電力使用量の閾値線1001が存在する。ここでは、12時前後で2回、電力使用量の特性曲線1000が、制限電力使用量の閾値線1001を超えており、そのタイミングにより、節電制御をかけるのである。
【0166】
すなわち、電力使用量が予め設定された制限電力使用量まで上昇した時点で、節電制御は実行される。これにより、節電制御を実行する時間を短縮することができ、乗客の快適性を損なう時間帯を短縮することができる。
【0167】
このように、リアルタイムで車両機器の消費電力を低減することができる。よって、電力使用率又は電力使用量が制限を超えたときのみ、消費電力を低減する制御を実行できるので、乗客の快適性を損なう時間帯を少なくすることができる。
【0168】
なお、上記では、電力使用量が制限電力使用量を超えた場合の一例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、電力使用率が制限電力使用率を超えた場合に、節電制御をかけてもよい。この場合においても、節電制御を実行する時間を短縮することができ、乗客の快適性を損なう時間帯を短縮することができる。
【0169】
なお、ここでは、電力設備管理サーバが電力設備管理コンピュータ600に実装されている一例について説明したが、電力設備管理サーバの存在場所はこれに限定されるものではない。例えば、管理コンピュータ300に実装されていてもよく、サービスコンピュータ500に実装されていてもよい。要するに、電力設備管理サーバは、クライアントからの要求に対してサービスを提供するものであり、その実装場所については限定されるものではない。
【0170】
以上のように、本実施の形態7においては、外部へ電力供給する電力設備の稼働に関する電力稼働情報を管理し、サービスサーバとデータ通信する電力設備管理サーバを備え、電力設備管理サーバは、電力稼働情報として、電力設備の電力使用率のデータ、又は、電力設備の電力使用量のデータをリアルタイムで保持し、サービスサーバに、電力使用率のデータ、又は、電力使用量のデータを供給し、サービスサーバは、電力使用率のデータ、又は、電力使用量のデータを車両用機器制御装置1に供給し、車両用機器制御装置1は、電力使用率のデータが、予め定めた制限電力使用率の閾値を超えたとき、又は、電力使用量のデータが、予め定めた制限電力使用量の閾値を超えたとき、空気調和装置2や表示器31の消費電力を低減させることにより、リアルタイムで車両機器の消費電力を低減することができる。よって、電力使用率又は電力使用量が制限を超えたときのみ、消費電力を低減する制御を実行できるので、乗客の快適性を損なう時間帯を少なくすることができる。
【0171】
実施の形態8.
実施の形態1〜7との相違点は、電力使用率または電力使用量の予測データを取得して節電制御を実行する点である。以下、詳細に説明する。
【0172】
なお、本実施の形態8において、特に記述しない項目については実施の形態1〜7の何れかと同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。
なお、実施の形態1〜7の何れかと同様の構成についてはその説明は省略する。
【0173】
車両用空調管理システムの構成については図17と同様であるので、その説明については省略する。
【0174】
電力設備管理サーバは、各電力会社や自社の電力設備の電力使用率、電力使用量の予測データを保持している。電力設備管理サーバは、保持している電力使用率や電力使用量の予測データを、サービスサーバから要請があったときに供給する。サービスサーバは、管理コンピュータ300、地域管理局100等を介して、供給された電力使用率や電力使用量の予測データを車両情報制御装置3に送信する。これにより、車両情報制御装置3は、電力使用率や電力使用量の予測データを取得する。すなわち、車両用機器制御装置1は、電力使用率や電力使用量の予測データを取得したということは、「節電開始予定時刻」と「節電終了予定時刻」を取得したということになる。これにより、車両用機器制御装置1は、節電制御のタイミングを取得すると共に、乗客に対しては、「節電開始予定時刻」と「節電終了予定時刻」を報知することも可能となる。
【0175】
すなわち、電力設備の電力使用率又は電力使用量の予測データを取得し、電力使用率が予め定められた値以上になると予想される時間帯になったとき、車両4に設けられた機器の消費電力を低減する制御を実行する。これと同時に、節電制御を実行する時刻を表示器31を介して報知することで、乗客に対しては、その旨を連絡する。
【0176】
このようにすることで、予測データに基づいて消費電力を低減することができる。よって、消費電力を低減する時刻が事前にわかり、乗客に対して消費電力を低減する制御を実行する時刻を連絡することができる。それにより、乗客に対して衣類調整等を事前に準備ささせることができるため、乗客の不安感を低減することができる。
【0177】
以上のように、本実施の形態8においては、外部へ電力供給する電力設備の稼働に関する電力稼働情報を管理し、サービスサーバとデータ通信する電力設備管理サーバを備え、電力設備管理サーバは、電力稼働情報として、電力設備の電力使用率の予測データ、又は、電力設備の電力使用量の予測データを保持し、サービスサーバに、電力使用率の予測データ、又は、電力使用量の予測データを供給し、サービスサーバは、電力使用率の予測データ、又は、電力使用量の予測データを車両用機器制御装置1に供給し、車両用機器制御装置1は、電力使用率の予測データが、予め定めた制限電力使用率の閾値を超えたとき、又は、電力使用量の予測データが、予め定めた制限電力使用量の閾値を超えたとき、消費電力を低減する処理を開始する時刻を報知し、空気調和装置2や表示器31の消費電力を低減させることにより、予測データに基づいて消費電力を低減することができる。よって、消費電力を低減する時刻が事前にわかり、乗客に対して消費電力を低減する制御を実行する時刻を連絡することができる。それにより、乗客に対して衣類調整等を事前に準備ささせることができるため、乗客の不安感を低減することができる。
【符号の説明】
【0178】
1、1a、1b、1c 車両用機器制御装置、2、2a、2b、2c 空気調和装置、3、3a、3b 車両情報制御装置、4、4a、4b、4c 車両、5 車両用アンテナ、6 地域管理局用アンテナ、7 車両用機器制御システム、8 情報取得手段、9 制御手段、10 編成列車、11 編成列車の進行方向、21 A社路線、22 B社路線、31、31a、31b、31c 表示器、100 地域管理局、200 回線網、300 管理コンピュータ、400 専用線、500 サービスコンピュータ、600 電力設備管理コンピュータ、700 車両用空調管理システム、1000 電力使用量の特性曲線、1001 制限電力使用量の閾値線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の現在位置を示す現在位置情報を有する運転状態の情報と、前記車両に設けられた機器の稼働状況に関する稼働状況情報と、節電条件とに基づいて、前記機器の消費電力を低減させる制御を行う制御手段を備え、
前記制御手段は、
前記節電条件として、節電時間帯が設定されており、現在時刻が、前記節電時間帯にあるとき、
前記節電条件として、節電区間が設定されており、前記現在位置情報が、前記節電区間にあるとき、または、
前記節電条件として、前記節電時間帯及び前記節電区間が設定されており、現在時刻が、前記節電時間帯にあり、かつ、前記現在位置情報が、前記節電区間にあるとき、
前記稼働状況情報に応じて、前記機器の消費電力を低減させる
ことを特徴とする車両用機器制御装置。
【請求項2】
前記機器は、空気調和装置であり、
前記制御手段は、
前記節電条件として、前記節電時間帯が設定されており、現在時刻が前記節電時間帯にあり、かつ、前記稼働状況情報が暖房運転中の状態を示すとき、前記空気調和装置の設定温度を下げ、
前記節電条件として、前記節電区間が設定されており、前記現在位置情報が前記節電区間にあり、かつ、前記稼働状況情報が暖房運転中の状態を示すとき、前記空気調和装置の設定温度を下げ、
前記節電条件として、前記節電時間帯及び前記節電区間が設定されており、現在時刻が前記節電時間帯にあり、前記現在位置情報が前記節電区間にあり、かつ、前記稼働状況情報が暖房運転中の状態を示すとき、前記空気調和装置の設定温度を下げる
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用機器制御装置。
【請求項3】
前記機器は、空気調和装置であり、
前記制御手段は、
前記節電条件として、前記節電時間帯が設定されており、現在時刻が前記節電時間帯にあり、かつ、前記稼働状況情報が冷房運転中の状態を示すとき、前記空気調和装置の設定温度を上げ、
前記節電条件として、前記節電区間が設定されており、前記現在位置情報が前記節電区間にあり、かつ、前記稼働状況情報が冷房運転中の状態を示すとき、前記空気調和装置の設定温度を上げ、
前記節電条件として、前記節電時間帯及び前記節電区間が設定されており、現在時刻が前記節電時間帯にあり、前記現在位置情報が前記節電区間にあり、かつ、前記稼働状況情報が冷房運転中の状態を示すとき、前記空気調和装置の設定温度を上げる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用機器制御装置。
【請求項4】
前記機器は、表示器であり、
前記制御手段は、
前記節電条件として、前記節電時間帯が設定されており、現在時刻が前記節電時間帯にあるとき、前記表示器を停止させ、
前記節電条件として、前記節電区間が設定されており、前記現在位置情報が前記節電区間にあるとき、前記表示器を停止させ、
前記節電条件として、前記節電時間帯かつ前記節電区間が設定されており、現在時刻が前記節電時間帯にあり、かつ、前記現在位置情報が前記節電区間にあるとき、前記表示器を停止させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の車両用機器制御装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載の車両用機器制御装置と、
前記車両用機器制御装置とデータ通信するサービスサーバと
を備え、
前記サービスサーバは、
節電条件を保持し、
前記節電条件は、節電時間帯及び節電区間の少なくとも一方であり、
複数の前記車両用機器制御装置に前記節電条件を送信して設定する
ことを特徴とする車両用空調管理システム。
【請求項6】
外部へ電力供給する電力設備の稼働に関する電力稼働情報を管理し、前記サービスサーバとデータ通信する電力設備管理サーバを備え、
前記電力設備管理サーバは、
前記電力稼働情報として、前記電力設備の電力使用率のデータ、又は、前記電力設備の電力使用量のデータをリアルタイムで保持し、
前記サービスサーバに、前記電力使用率のデータ、又は、前記電力使用量のデータを供給し、
前記サービスサーバは、前記電力使用率のデータ、又は、前記電力使用量のデータを前記車両用機器制御装置に供給し、
前記車両用機器制御装置は、
前記電力使用率のデータが、予め定めた制限電力使用率の閾値を超えたとき、又は、前記電力使用量のデータが、予め定めた制限電力使用量の閾値を超えたとき、
前記機器の消費電力を低減させる
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用空調管理システム。
【請求項7】
外部へ電力供給する電力設備の稼働に関する電力稼働情報を管理し、前記サービスサーバとデータ通信する電力設備管理サーバを備え、
前記電力設備管理サーバは、
前記電力稼働情報として、前記電力設備の電力使用率の予測データ、又は、前記電力設備の電力使用量の予測データを保持し、
前記サービスサーバに、前記電力使用率の予測データ、又は、前記電力使用量の予測データを供給し、
前記サービスサーバは、前記電力使用率の予測データ、又は、前記電力使用量の予測データを前記車両用機器制御装置に供給し、
前記車両用機器制御装置は、
前記電力使用率の予測データが、予め定めた制限電力使用率の閾値を超えたとき、又は、前記電力使用量の予測データが、予め定めた制限電力使用量の閾値を超えたとき、
消費電力を低減する処理を開始する時刻を報知し、前記機器の消費電力を低減させる
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用空調管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−107482(P2013−107482A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253574(P2011−253574)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】