説明

車室内換気装置

【課題】車室内への水等の侵入を防ぐとともに、開口部の開口面積を制限することなく、ベンチレータの衝撃による破損や高圧水による変形等を防いで高い換気性能を維持することができる車室内換気装置を提供すること。
【解決手段】サイドボディパネル101のリアバンパ102裏面に対向する部位に形成された開口部101aにベンチレータ1を配設し、該ベンチレータ1に形成された開口窓を開閉するバルブ本体3を設け、車室内圧力と大気圧との差圧によってバルブの本体3を開いて開口窓を介して車室内の換気を行う車室内換気装置において、ベンチレータ1の開口窓の上方を除く周縁に壁部4をリアバンパ102の裏面に向かって延設し、該壁部4の少なくとも開口窓の下方に位置する下側壁4Cの端縁をリアバンパ102の裏面に当接させるとともに、下側壁4Cの基端部に、該下側壁4Cの変位を許容する屈曲部4eを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車室内を換気するための車室内換気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の車室内の換気やドア開閉時の車室内の空気抜き等のために、車両走行中に負圧となる車体後部に車室内換気装置が設けられている。この車室内換気装置は、サイドボディパネルのリアバンパ裏面に対向する部位に形成された開口部にベンチレータを配設し、該ベンチレータに形成された開口窓を開閉する逆止弁としてのバルブ本体を設けて構成され、車室内圧力と大気圧との差圧によって前記バルブ本体が動いて前記開口窓を開くと、該開口窓を介して車室内の換気を行うものである。
【0003】
ところで、斯かる車室内換気装置においては、洗車時に放水される水や走行中に車両が跳ね上げた雨水等がベンチレータの開口窓から車室内に侵入する可能性がある。
【0004】
そこで、特許文献1には、図9の断面図に示すように、サイドボディパネル201のリアバンパ202の裏面に対向する部位に形成された開口部201aの周縁をゴム製の換気用バルブ203で覆い、該換気用バルブ203の上下の水平板部203a,203bを庇部とし、上下方向から飛来する水滴が開口部201aから車室内に侵入するのを防ぐようにした構成が提案されている。
【0005】
又、特許文献2には、図10の断面図に示すように、リアベンチレーションダクト301に対向して設けられた逆流防止弁303とリアバンパ302に向かって突設された平板状の水返し防止板304とを軟質材料によって一体成形する構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公平4−043371号公報
【特許文献2】実開昭62−077007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1において提案された構成では、リアバンパ202の裏側とサイドボディパネル201との間の限られた空間に換気用バルブ203を開口部201aの全体を覆う形で設置する必要があるため、換気用バルブ203によって開口部201aの開口面積が制限されてしまい、ベンチレータの換気性能が低下するという問題がある。そして、換気用バルブ203をPP等の硬質材料で構成した場合には、車両の軽衝突時にリアバンパ202からの衝撃によって換気用バルブ203が破損する可能性がある。
【0008】
又、特許文献2において提案された構成では、軟質材料によって構成された平板状の水返し防止板304が使用されるため、この水返し防止板304を通過してその内側に入り込んでしまった泥等が排出されないで蓄積し、蓄積した泥等によってベンチレータの換気性能が低下するという問題がある。そして、軟質材料から成る水返し防止板304が洗車機等から噴射される水の圧力によって撓んで大きく変形するため、その防水機能が十分発揮されないという問題もある。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、車室内への水等の侵入を防ぐとともに、開口部の開口面積を制限することなく、ベンチレータの衝撃による破損や高圧水による変形等を防いで高い換気性能を維持することができる車室内換気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、サイドボディパネルのリアバンパ裏面に対向する部位に形成された開口部にベンチレータを配設し、該ベンチレータに形成された開口窓を開閉するバルブ本体を設け、車室内圧力と大気圧との差圧によって前記バルブ本体を開いて前記開口窓を介して車室内の換気を行う車室内換気装置において、前記ベンチレータの開口窓の上方を除く周縁に壁部を前記リアバンパの裏面に向かって延設し、該壁部の少なくとも前記開口窓の下方に位置する下側壁の端縁をリアバンパの裏面に当接させるとともに、下側壁の基端部に、該下側壁の変位を許容する屈曲部を形成したことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ベンチレータに形成された壁部を、前記開口窓に向かって右側の右側壁と左側の左側壁及び下側の前記下側壁とで構成し、下側壁と右側壁及び左側壁をスリットによって分離するとともに、下側壁に、左右方向中央部から右側壁と左側壁に向かって下方に傾斜する斜面部を形成したことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記壁部をベンチレータ本体とは別に構成し、これをベンチレータ本体に一体的に固定したことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記下側壁の端縁に弾性シール材を取り付け、該弾性シール部材を前記リアバンパの裏面に当接させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、ベンチレータの開口窓を壁部によって囲むとともに、壁部の少なくとも開口窓の下方に位置する下側壁の端縁をリアバンパの裏面に当接させたため、下方からの風や水流によってバルブ本体が開くことや車室内への水等の侵入が確実に防がれる。又、下側壁の基端部に屈曲部を形成することによって該下側壁の変位が許容されるため、リアバンパの組付誤差が吸収されるとともに、車両の軽衝突時に下側壁に衝撃が加わった場合でも該下側壁が変位して衝撃が吸収されるため、ベンチレータの破損が防がれ、このときにおいても下側壁の端縁はリアバンパの裏面に当接しているために高い防水性が維持される。
【0015】
以上のように下側壁を変位可能に構成することによってベンチレータの耐衝撃性が高められる結果、下側壁の端縁をリアバンパの裏面に当接させた該ベンチレータを硬質材料で構成することができ、ベンチレータが高圧水を受けても、その変形が防がれて高い防水性と換気性能が確保される。又、ベンチレータの基本的な構成は平板状の下側壁の基端部に屈曲部を形成するだけであるため、リアバンパとサイドボディパネルとの間の限られた空間に配置されたベンチレータによって開口部の面積が制限されることがなく、高い換気性能が確保される。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、ベンチレータの下側壁部を水や泥等が万一通過して壁部に囲まれたバルブ本体外方の空間に侵入したとしても、その水や泥等は下側壁部に形成された斜面部に沿って流れ落ちて外部へと排出されるため、水や泥等の蓄積が防止され、バルブ本体近傍への水や泥等の蓄積が少なくなり、車室内への水や泥等の侵入を防ぐことができるとともに、換気性能の低下が防がれる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、リアバンパの裏面に当接する下側壁を含む壁部をベンチレータ本体とは別に構成し、これをベンチレータ本体に一体的に固定する構成を採用したため、壁部を車種によって取り替えるだけで、異なる車種に対してベンチレータ本体を共通化することができ、生産性の向上とコストダウンを図ることができる。
【0018】
請求項4記載の発明によれば、下側壁の端縁に固定された弾性シール材がリアバンパの裏面に当接して高いシール機能を発揮するため、車室内への水や埃等の侵入が一層確実に防がれる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る車室内換気装置を備えた車両の側面図である。
【図2】図1のA−A線拡大断面図である。
【図3】本発明に係る車室内換気装置のベンチレータ壁部の斜視図である。
【図4】本発明に係る車室内換気装置のベンチレータの正面図である。
【図5】本発明に係る車室内換気装置のベンチレータの平面図である。
【図6】本発明に係る車室内換気装置のベンチレータの側面図である。
【図7】図4のB−B線断面図である。
【図8】図4のC−C線断面図である。
【図9】従来の車室内換気装置を示す断面図である。
【図10】従来の車室内換気装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は本発明に係る車室内換気装置を備えた車両の側面図であり、図示のように車両100の車体後部の左側であって、サイドボディパネル101のリアバンパ102の裏面に対向する部位には本発明に係る車室内換気装置を構成するベンチレータ1が配設されており、このベンチレータ1によって車室内の換気やドア開閉時の車室内の空気抜き等がなされる。
【0022】
次に、本発明に係る車室内換気装置を構成する前記ベンチレータ1の詳細を図2〜図8に基づいて説明する。
【0023】
図2は図1のA−A線拡大断面図、図3はベンチレータの壁部の斜視図、図4は同ベンチレータの正面図、図5は同ベンチレータの平面図、図6は同ベンチレータの側面図、図7は図4のB−B線断面図、図8は図4のC−C線断面図である。
【0024】
図2に示すように、本発明に係る車室内換気装置を構成するベンチレータ1は、サイドボディパネル101のリアバンパ102の裏面に対向する部位に形成された矩形の開口部101aに嵌め込んで取り付けられており、該ベンチレータ1の本体2に形成された矩形の開口窓2a(図7参照)を開閉するバルブ本体3を備え、車室内圧力(車室内の気圧)と大気圧(外気の圧力)との差圧によってバルブ本体3が開いて開口窓2aから車室内の空気を車室外へ排出し、車室内の換気を行うものである。尚、図2において、103はリアバンパ102をサイドボディパネル101に保持するためのバンパホルダである。
【0025】
上記ベンチレータ1は、リアバンパ102の裏面に対向する面に前記開口窓2aが形成された矩形ボックス状の前記ベンチレータ本体2と、このベンチレータ本体2からリアバンパ102の裏面に向かって延設された枠状の壁部(ベンチレータカバー)4と、上縁がベンチレータ本体2に取り付けられて開口窓2aを開閉する前記バルブ本体3とで構成されている。
【0026】
ここで、ベンチレータ本体2と壁部4とは樹脂にて別体に構成されており、両者は、図4及び図7に示すように、壁部4に形成された複数の矩形孔4aにベンチレータ本体2に突設されたピン2bをそれぞれ通し、各ピン2bの矩形孔4aから突出する端部を溶かして潰すことによって結合一体化される。
【0027】
上記壁部4は、図3〜図6に示すように、ベンチレータ本体2の開口窓2aの上方を除く周縁を囲むよう形成され、車外から開口窓2aに向かって開口窓2aの左側(車両前方側)に配置された左側壁(前方側壁)4Aと、開口窓2aの右側(車両後方側)に配置された右側壁(後方側壁)4B及び開口窓2aの下方に位置する下側壁4Cとで構成されている。そして、下側壁4Cと左側壁4A及び下側壁4Cと右側壁4Bとの間にはスリット5が形成され、スリット5によってそれぞれ分離されている。このようにベンチレータ本体2の開口窓2aの上方を除く周縁を囲むように壁部4を設けることによって、走行風や洗車時の水によるベンチレータ本体2への影響を緩和して車室内への水や埃の侵入を防ぐことができる。
【0028】
尚、壁部4の上方を開放している理由は、上縁がベンチレータ本体2に取り付けられているバルブ本体3の性質上、上方からの水や空気の流れによってバルブ本体3が開放され難く、バルブ本体3の閉じ状態が維持されて車室内に水や埃が侵入しにくいためである。即ち、バルブ本体3にとって不利な方向のみに壁(左側壁4Aと右側壁4B及び下側壁4C)を形成している。そして、壁部4の上方に壁を設けず開放しているため、生産性の向上が図られるとともに、この部分を流れる走行風による負圧の発生によって壁部4に囲まれたバルブ本体外方の空間内の空気が外部に吸い出され、壁部4内の圧力が下がって換気性能が高められる。尚、車室内から吸い出される空気の流れ状態では、車室内への水や埃の侵入が生じ難い。
【0029】
ところで、壁部4の左側壁4Aと右側壁4Bは、図4に示すように、車両の高さ方向においてベンチレータ本体2の開口窓2aの上縁近傍から開口窓2aの下縁よりも下方となる位置まで形成され、リアバンパ102の裏面に向かって突出しており、その端縁はリアバンパ102の裏面には当接せず、リアバンパ102の裏面との間には隙間が形成されている。このため、リアバンパ102の裏面に沿って流れる走行風によって発生する負圧によって壁部4に囲まれたバルブ本体外方の空間内の空気が吸い出され、壁部4内の圧力が下がって換気性能が高められる。
【0030】
壁部4の下側壁4Cは、車両前後方向においてベンチレータ本体2の開口窓2aが位置する範囲よりも前後に長く配置されてリアバンパ102の裏面に向かって突出しており、図2及び図3に示すように、ベンチレータ本体2の開口窓2aの下方近傍から略垂直下方に延びる基部垂直部4bと、該基部垂直部4bの下端からリアバンパ102の裏面に向かって略水平に延びる水平部4cと、該水平部4cの先端縁から略垂直下方に折り曲げられた先端垂直部4dとで階段状に成形されている。そして、下側壁4Cの基部垂直部4bには蛇腹状の屈曲部4eが全幅に亘って形成されおり、下側壁4Cの水平部4cには、図3及び図4に示すように、左右方向(車両前後方向)中央部から左側壁4Aと右側壁4Bの下側に向かって下方に傾斜する斜面部4fが形成されている。そして、下側壁4Cの先端垂直部4dの端縁は、図2に示すように、これに取り付けられた弾性シール部材6を介してリアバンパ102の裏面に当接している。
【0031】
ここで、図4に示すように、壁部4の左側壁4Aと右側壁4Bの下端の位置は、下側壁4Cに形成された前記斜面部4fの中央の高さ(最高高さ)とほぼ同等であり、斜面部4fの両側の高さ(最低高さ)よりも上方に設定されている。又、左側壁4Aと右側壁4Bの下端は互いの方向に向かって折り曲げられて湾曲し、下方から見たスリット5の開口面積を減少させて下方からの水や埃の侵入を防ぎ、車両の前後方向に流れる風をスリット5に導くようにしている。
【0032】
以上のように構成されたベンチレータ1によれば、車室内圧力が大気圧よりも高くなると、両者の差圧によってバルブ本体3が図2に示すように開いて開口窓2aを開放するため、この開口窓2aから車室内の空気が車室外へと排出されて車室内の換気がなされ、例えば、エアコン作動時の冷気等の車室内への導入が容易化してエアコンの効きが良くなるとともに、ドアを閉じる際の車室内の圧力上昇が抑えられてドアの閉まり性能が高められる。逆に車室内圧力が大気圧よりも下がると、バルブ本体3が開口窓2aを閉じて車室内への外気の流入を防ぎ、逆止弁として機能する。
【0033】
而して、本発明に係るベンチレータ1によれば、ベンチレータ本体2に形成された開口窓2aを壁部4によって囲むとともに、壁部4の開口窓2aの下方に位置する下側壁4Cの端縁を弾性シール材6を介してリアバンパ102の裏面に当接させたため、バルブ本体3にとって不利となる下側からの水や風等の侵入が確実に防がれ、車室内への水や埃等の侵入が確実に防がれる。
【0034】
又、壁部4の下側壁4Cの基端部である基部垂直部4bに蛇腹の屈曲部4eを形成したため、下側壁4Cの全体が容易に変形してその変位が許容される。このため、リアバンパ102の組付誤差が下側壁4Cの変位によって吸収されるとともに、車両の軽衝突時に下側壁4Cに衝撃が加わった場合でも該下側壁4Cが変位して衝撃が吸収され、ベンチレータ1の破損が防がれる。そして、このときにおいても下側壁4Cの端縁は弾性シール部材6を介してリアバンパ102の裏面に当接しているために高い防水性及び防塵性が維持されるとともに、下方から水流等を受けた場合で基部垂直部4bに形成された蛇腹の屈曲部4eが屈曲したとしても、先端垂直部4d及び弾性シール材6がリアバンパ102の裏面に当接する方向に下側壁4Cが変位するので車室内への水の侵入を確実に防止することができる。特に、本実施の形態では、下側壁4Cの基部垂直部4bに屈曲部4eを形成したため、リアバンパ102側から入力される下側壁4Cを座屈させる方向の力(車両左右方向の力)に対しても下側壁4Cが容易に変形し、斜面部4fを形成したことによって水平部4cの剛性が部分的に高くなっても、下側壁4Cが全体的に容易に変形してその損傷が防がれる。又、下側壁4Cと左側壁4A及び下側壁4Cと右側壁4Bとの間にはスリット5が形成されているため、左側壁4A及び右側壁4Bの影響を受けることなく下側壁4Cが容易に変形することができる。
【0035】
以上のように下側壁4Cの変位によってベンチレータ1の耐衝撃性が高められる結果、下側壁の端縁をリアバンパの裏面に当接させた該ベンチレータ1をPP等の硬質材料で構成することができ、ベンチレータ1が高圧水を受けても、その変形が防がれて高い防水性と換気性能が確保される。又、ベンチレータ1の基本的な構成は平板状の下側壁4Cの垂直部4bに屈曲部4fを形成するだけであるため、リアバンパ102とサイドボディパネル101との間の限られた空間に配置されたベンチレータ1によって開口窓2aの面積が制限されることがなく、高い換気性能が確保される。
【0036】
そして、壁部4の下側壁4Cに左右方向中央部から左側壁4Aと右側壁4Bに向かって下方に傾斜する斜面部4fを形成したため、壁部4の下側壁部4Cを水や泥等が万一通過したり、上方やスリット5等の隙間から壁部4に囲まれたバルブ本体外方の空間内に水や泥等が侵入したとしても、その水や泥等は下側壁4Cに形成された斜面部4fに沿って外部へと排出され、水や泥等の蓄積による換気性能の低下が防がれる。又、壁部4の下側壁4Cと左側壁4A及び右側壁4Bをスリット5によって分離したため、下側壁4Cの斜面部4fに載った水や埃がスリット5を通過して斜面部4fに沿って流れる走行風によって吹き飛ばされるとともに、走行風の流れによって発生する負圧で壁部4内に侵入した水や埃等が壁部4外へ流されて効果的に排出される。
【0037】
更に、本実施の形態では、リアバンパ102の裏面に当接する下側壁4Cを含む壁部4をベンチレータ本体2とは別に構成し、これをベンチレータ本体2に一体的に固定する構成を採用したため、壁部4を車種によって取り替えるだけで、異なる車種に対してベンチレータ本体2を共通化することができ、生産性の向上とコストダウンを図ることができる。
【0038】
その他、本実施の形態では、下側壁4の垂直部4dの端縁に弾性シール部材6を取り付け、該弾性シール部材6をリアバンパ102の裏面に当接させたため、弾性シール部材6の高いシール機能によって車室内への水や埃等の侵入が一層確実に防がれる。
【符号の説明】
【0039】
1 ベンチレータ(車室内換気装置)
2 ベンチレータ本体
2a ベンチレータ本体の開口窓
2b ベンチレータ本体のピン
3 バルブ本体
4 ベンチレータの壁部
4A 壁部の左側壁
4B 壁部の右側壁
4C 壁部の下側壁
4a 壁部の矩形孔
4b 下側壁の基部垂直部
4c 下側壁の水平部
4d 下側壁の先端垂直部
4e 下側壁の屈曲部
4f 下側壁の斜面部
5 壁部のスリット
6 弾性シール部材
100 車両
101 サイドボディパネル
101a サイドボディパネルの開口部
102 リアバンパ
103 バンパホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドボディパネルのリアバンパ裏面に対向する部位に形成された開口部にベンチレータを配設し、該ベンチレータに形成された開口窓を開閉するバルブ本体を設け、車室内圧力と大気圧との差圧によって前記バルブ本体を開いて前記開口窓を介して車室内の換気を行う車室内換気装置において、
前記ベンチレータの開口窓の上方を除く周縁に壁部を前記リアバンパの裏面に向かって延設し、該壁部の少なくとも前記開口窓の下方に位置する下側壁の端縁をリアバンパの裏面に当接させるとともに、下側壁の基端部に、該下側壁の変位を許容する屈曲部を形成したことを特徴とする車室内換気装置。
【請求項2】
前記ベンチレータに形成された壁部を、前記開口窓に向かって右側の右側壁と左側の左側壁及び下側の前記下側壁とで構成し、下側壁と右側壁及び左側壁をスリットによって分離するとともに、下側壁に、左右方向中央部から右側壁と左側壁に向かって下方に傾斜する斜面部を形成したことを特徴とする請求項1記載の車室内換気装置。
【請求項3】
前記壁部をベンチレータ本体とは別に構成し、これをベンチレータ本体に一体的に固定したことを特徴とする請求項1又は2記載の車室内換気装置。
【請求項4】
前記下側壁の端縁に弾性シール材を取り付け、該弾性シール部位を前記リアバンパの裏面に当接させたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車室内換気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−215093(P2010−215093A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−63816(P2009−63816)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】