説明

車軸作業型の管理機

【課題】機体の走行駆動に抵抗を与える変速可能な接地輪を設けて、容易に作業速度や耕耘深さを調節可能とし、オペレータの疲労を低減させ、作業性を向上させた車軸作業型の管理機を提供する。
【解決手段】ロータリ軸7の両端に車輪10を設けたロータリ耕耘装置6を機体の前部下方に備え、機体の後部に上下位置調節可能な接地輪24を設けるとともに、接地輪24に、車輪10駆動による作業速度より低速度の回転駆動動力を付与する駆動力付与手段26を設ける。そして、接地輪24を、左右一対に備え、駆動力付与手段26は、変速手段29を有し、駆動力付与手段26を調節する調節手段35を、機体後方に向けて延設したハンドル2の把持部2a近傍に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ軸の両端に車輪を設けたロータリ耕耘装置を機体の前部下方に備える車軸作業型の管理機に関し、より詳細には、機体の後部に上下位置調節可能な接地輪を設けるとともに、接地輪に、車輪駆動による作業速度より低速度の回転駆動動力を付与する駆動力付与手段を設けることに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車軸作業型の管理機には、機体上部にエンジンが設置されるとともに、機体後方に向けてハンドルが延設され、さらに機体前部下方に備えられるロータリ耕耘装置であって、複数のロータリ爪を植設したロータリ軸の両端にロータリディスクが設けられ、このロータリディスクの外側に移動用の車輪が配備されるものがある。(特許文献1)
【0003】
【特許文献1】特開平5−193530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような従来の車軸作業型の管理機では、機体の前進動に抵抗を付与して、ダッシュ現象の防止や、作業速度を調整したり、あるいはロータリ爪での耕耘深さを好適な状態に保持するために、機体後部に設けられた抵抗棒を地中に突き刺すなど、抵抗棒の上下操作を行うが、機体の駆動に伴う運転作業時や、圃場などの硬い地面に、この抵抗棒を、地中に突き刺すか、あるいは引き抜くなどの上下調節操作を行うことが難かしいため、安定した作業ができず、オペレータに過大な負担をかけるとともに、作業性が低下するという問題があった。
そこで、この発明の目的は、機体の走行駆動に抵抗を与える変速可能な接地輪を設けて、容易に作業速度や耕耘深さを調節可能とし、オペレータの疲労を低減させ、作業性を向上させた車軸作業型の管理機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、請求項1に記載の発明は、ロータリ軸の両端に車輪を設けたロータリ耕耘装置を機体の前部下方に備える車軸作業型の管理機において、前記機体の後部に上下位置調節可能な接地輪を設けるとともに、前記接地輪に、前記車輪駆動による作業速度より低速度の回転駆動動力を付与する駆動力付与手段を設けることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車軸作業型の管理機において、前記接地輪を、左右一対に備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車軸作業型の管理機において、前記駆動力付与手段は、変速手段を有することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の車軸作業型の管理機において、前記駆動力付与手段を調節する調節手段を、機体後方に向けて延設したハンドルの把持部近傍に設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、ロータリ軸の両端に車輪を設けたロータリ耕耘装置を機体の前部下方に備える車軸作業型の管理機において、機体の後部に上下位置調節可能な接地輪を設けるとともに、接地輪に、車輪駆動による作業速度より低速度の回転駆動動力を付与する駆動力付与手段を設けるので、従来のように抵抗棒を地中に突き刺したり引き抜くなど上下に調節操作することなく、オペレータは本機による稼動作業中に、圃場などの地面に接地させた接地輪の駆動により、楽に作業速度や耕耘深さを調節することができる。従って、オペレータの疲労を低減させ、作業性を向上させた車軸作業型の管理機を提供することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、接地輪を、左右一対に備えるので、機体の作業速度や耕耘深さを、オペレータは大きな力を必要とせず、かつ機体を安定させて調節することができる。従って、オペレータの疲労を低減させ、作業性を向上させた車軸作業型の管理機を提供することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、駆動力付与手段は、変速手段を有するので、駆動軸を介して接地輪の回転速度を変えることができ、作業速度や耕耘深さを調節することができる。従って、オペレータの疲労を低減させ、作業性を向上させた車軸作業型の管理機を提供することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、駆動力付与手段を調節する調節手段を、機体後方に向けて延設したハンドルの把持部近傍に設けるので、機体の駆動作業中にオペレータが手元で容易に接地輪の回転速度を変えることができ、機体の作業速度や耕耘深さを調節することができる。従って、オペレータの疲労を低減させ、作業精度の向上可能な車軸作業型の管理機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、この発明の一例としての車軸作業型の管理機の側面図であり、図2は同管理機の正面図である。
【0014】
この例の管理機1は、図1に示すように、ハンドル2を設けた機体フレーム3に原動機部であるエンジン4およびミッションケース5を搭載し、エンジン4の下方にはロータリ耕耘部6が取り付けられる。このロータリ耕耘部6は、ミッションケース5の下部から機体の左右に突出したロータリ軸7に、エンジン4より伝達された駆動力で回転する複数のロータリ爪8が等間隔に植設されており、このロータリ爪8によって耕作面を耕耘することができる。また、ロータリ軸7の両端部に設けられたロータリディスク9の外周部には、機体を移動させるための車輪10が取付けられる。なお、ロータリ耕耘部6の後方には、後述する本願発明の要部である接地輪24が機体の左右に備えられる。また、符号11はバンパーである。
【0015】
そして、図1〜2に示すように、機体フレーム3の後部には、把持部2aと、回動軸13を中心として機体前後方向に回動可能に設けられた杆部2bとから構成されるハンドル2が機体後方へ向けて延設されており、把持部2aの左右両側の下部などに設けられたクラッチレバー13の操作により、ミッションケース5内に設けられた図示しないクラッチの接断操作がなされる。なお、把持部2aは、ゴムや合成樹脂などの滑り止めを覆設してもよい。
【0016】
また、クラッチレバー13の前端部は、把持部2a内に設けられたロッド14に連結され、連結片15を介して、他端部がミッションケース5内に有する前記クラッチに接続されるワイヤー16の一端部に接続されるため、左右いずれか一方(両方であってもよい)のクラッチレバー13を操作することで前記クラッチを接断できる構成とされる。
【0017】
そして、把持部2aの一側には、エンジン4の回転数を調節し、ロータリ耕耘部6におけるロータリ爪8の回転数を調整するアクセルレバー17が設けられる。さらには、把持部2aの後端部中央近傍には、緊急時などに、前方に押すもしくはオペレータの体の一部が接触して前方に押されることでエンジン4を停止させるストップボタン18が設けられる。
【0018】
次に、本願発明の特徴である接地輪について、その具体的構成を説明する。図3は、接地輪の回動を示す管理機の左側面図、図4は管理機における右側部の背面模式図、図5は接地輪への動力伝達経路を示すスケルトン図である。
【0019】
再び図1〜2に示すように、ミッションケース5上部の左右両側部には、それぞれにベルト21を内設する伝動ケース22の上部が連設されるとともに、この左右伝動ケース22は前高後低に傾斜させて備えられる。そして、ベルト21の上端部は、ミッションケース5から機体左右に、後述する変速手段29を介して突設される駆動軸23に掛着される。なお、図3に示すように、この駆動軸23を軸芯として左右伝動ケース22が上下方向に回動可能に備えられる。
【0020】
また、左右伝動ケース22の下端部であって、ベルト21の下端部は、それぞれロータリ軸7と水平方向に、接地輪24を回転させるための左右の回転軸25に掛着される。そして、左右回転軸25のそれぞれ両端部には、外周に凹凸部を有する内側接地輪24aと、外側接地輪24bとからなり、車輪10よりもやや小さな直径を有するこれら接地輪24が取付けられる。なお、接地輪24の材質は、全て金属製であっても、凹凸部のみゴムや樹脂製であってもよい。また、接地輪24の直径は上述に限定されない。
【0021】
このように接地輪24は、エンジン4からの回転駆動動力を、伝動ケース22内のベルト21および回転軸25から構成される駆動力付与手段26により回転駆動される。
【0022】
また、左右伝動ケース22のそれぞれ中途部には、上方に向けて設けられるステー27の下端部が取付けられるとともに、このステー27の上端部は、機体後部から突設されたレバー28に連結される。
【0023】
次に、伝動ケース22内であって、ミッションケース5の駆動軸23と、駆動力付与手段26との間に設けられた変速手段29は、図5に示すように、例えば、エンジン4に連結されるミッションケース5の駆動軸23上に、スプライン嵌合状態で左右に摺動可能に、不図示のクラッチ爪を備える変速摺動ギア30が設けられ、この変速摺動ギア30の一側には、回転軸25に動力を伝える、低速伝達軸31aを介して駆動軸23´に連係される低速ギア31が遊嵌されるとともに、変速摺動ギア30の他側には、回転軸25に動力を伝える、高速伝達軸32aを介して駆動軸23´に連係される高速ギア32が遊嵌される構成とされる。なお、回転軸25の回転速度は、低速ギア31および高速ギア32のギア比などによって、ミッションケース5を介してエンジン4からの駆動力が伝達された車輪10の回転速度より遅い構成とされる。また、駆動軸23から回転軸25への動力伝達方法は、ベルト21に限定されず、例えば、動力伝達可能な軸などであってもよい。
【0024】
次いで、変速摺動ギア30に設けられた不図示のアームには、ワイヤー34の一端部が連結され、このワイヤー34は、ハンドル2に沿って延設されるとともに、連結片41 を介してワイヤー34の他端部が、把持部2a後端の両側部に設けられた調節レバーなど左右調節手段35に接続される。このため、左右調節手段35のいずれか一方の操作により、左右双方の変速摺動ギア30の作動が可能とされる。なお、ワイヤー34には、露出しないようにカバーなどを覆設してもよい。
【0025】
さらに、左右接地輪24それぞれの回転軸25には、金属製などのディスク板36を回転軸25とともに回転可能に嵌合させて固定するとともに、ディスク板36上部など適宜位置であって、ディスク板36の左右側方には、ワイヤー40により摺動自在として、ディスク板36を挟扼可能とする左右のブレーキアーム37などからなるブレーキ機構38が設けられる。
【0026】
このブレーキ機構38は、周知技術であり、詳細な説明は省略するとともに、その構成および構造は限定されないが、例えば、ブレーキアーム37が、ディスク板36上方に有する、ブレーキアーム37を回動させる回動アーム39に連結された背面視略U字形状などからなり、ブレーキアーム37におけるディスク板36の接触面は、金属接触を防ぐために硬質ゴムや樹脂などから構成もしくはそれら部材が着脱可能に設置される。そして、回動アーム39に一端部を接続したワイヤー40は、ハンドル2に沿って延設されるとともに、連結片42を介してワイヤー40の他端部近傍が分岐され、一方の他端部は、把持部2a後端の両側部に設けられた接地輪ブレーキレバー43に接続されるとともに、他方の他端部は、クラッチレバー13にそれぞれ接続される。このため、左右ブレーキレバーもしくは左右クラッチレバー13のそれぞれいずれか一方の操作により、左右双方のブレーキ機構38の作動が可能とされる。なお、ワイヤー40には、露出しないようにカバーなどを覆設してもよい。
【0027】
ここで、このような車軸作業型の管理機1を用い、圃場などで耕耘作業を行う場合、オペレータはエンジン4をかけるとともに、把持部2aを握る。このとき、接地輪24が機体の休止状態時に機体を支持させるスタンドの役割を担い、接地輪24は、圃場に接地されているが、オペレータが把持部2aを上方に上げて作業体勢になることで、接地輪24は圃場面から離れる。そこで、オペレータが、図3に示すように、レバー26を下方の適宜位置に引き下げると、ステー25のリンク動作により伝動ケース22を介して接地輪24が下方に回動されるとともに、圃場中の適宜深さに押し込まれる。
【0028】
次いで、オペレータは、左右もしくは一方のクラッチレバー13を把持部2aとともに握り、例えば、クラッチレバー13を把持部2a側に摺動させるなどの操作によって、不図示のクラッチを接続し、エンジン4からの駆動力を、ミッションケース5を介してロータリ耕耘部6に伝達し、ロータリ軸7を回転させることにより、ロータリ爪8および車輪10が、機体を前進させる場合には左側面視反時計方向に回転される。なお、クラッチレバー13の操作方法(摺動方向)は上述に限定されない。
【0029】
また、エンジン4の駆動力は、ミッションケース5から左右伝動ケース22内のベルト21を介して、接地輪24が、機体を前進させる場合には車輪10と同方向である左側面視反時計方向に回転し、耕耘作業が行われる。なお、機体後進時には、不図示のリバーサレバーなどによりロータリ爪8や車輪10、および接地輪24などは左側面視時計方向に回転される。
【0030】
そして、圃場の状態や作業状況などにより、管理機1の作業速度を変えて耕耘作業を行う場合には、オペレータは、左右もしくは左右いずれかのクラッチレバー13を把持部2a側に摺動させたまま、左右もしくは左右いずれかの調節手段35のレバーを、例えば、高速側に摺動させると、ワイヤー34が把持部2aの方向へ引っ張られ、変速手段29のアーム33の回動により変速摺動ギア30を高速ギア32側に摺動させ、変速摺動ギア30の図示しないクラッチ爪を高速ギア32に噛み合せることにより、変速手段29で変速されたエンジン4からの駆動力を、車輪10の回転速度以下である高速の駆動力として駆動軸23´に伝達し、ベルト21および回転軸25を介して左右接地輪24が回転される。この結果、速い作業速度で圃場などの耕耘作業を行うことができる。なお、調節手段35の操作方法(摺動方向)は上述に限定されない。
【0031】
また、例えば、作業速度を遅くして耕耘作業を行う場合には、オペレータは、左右もしくは左右いずれかのクラッチレバー13を把持部2a側に摺動させたまま、左右もしくは左右いずれかの調節手段35のレバーを、例えば、低速側に摺動させると、ワイヤー34が伝動ケース22の方向へ引っ張られ、アーム33により変速摺動ギア30を低速ギア32側に摺動させ、変速摺動ギア30の図示しないクラッチ爪を低速ギア31に噛み合わせることにより、変速手段29で変速されたエンジン4からの駆動力を、車輪10の回転速度以下である低速の駆動力として駆動軸23´に伝達し、ベルト21および回転軸25を介して左右接地輪24が回転される。この結果、接地輪24が遅い速度で回転されるため、機体の前進動が遅くなり、耕耘速度を遅くして作業精度を向上させることができる。
【0032】
なお、変速手段29は、上述したような低速および高速の二段に限定されず、変速摺動ギア30のクラッチ爪を噛み合せる速度ギアを増やすことにより、変速段数を三段以上に増加させてもよく、その場合、調節手段35のレバー設定位置をそれら段数に応じて変更してもよい。
【0033】
また、例えば、より耕耘深さを深くして耕耘作業を行う場合には、オペレータは、左右もしくは左右いずれかのクラッチレバー13を把持部2a側に摺動させたまま、左右もしくは左右いずれかの接地輪ブレーキレバー43を把持部2a側に摺動させると、ワイヤー40が把持部2a側に引っ張られ、ブレーキ機構38のブレーキアーム37が、ディスク板36を左右から挟むことで、ブレーキアーム37の摩擦力によりディスク板36の回転が止められる。この結果、内側接地輪24aと、外側接地輪24bとからなる左右の接地輪24の回転が停止され、機体は車輪10のみの駆動力により前進動されるため、停止状態の接地輪24が抵抗となり、ロータリ耕耘部6で耕耘深さをより深くして作業を行うことができ、作業精度を向上することができる。
【0034】
さらには、オペレータが、クラッチレバー13を操作してミッションケース5内の図示しないクラッチを切断して、車輪10およびロータリ耕耘部6の回転を停止させた場合は、このクラッチレバー13の操作に連動して、接地輪ブレーキレバー43のワイヤー40が、クラッチレバー13のワイヤー16とともに把持部2aの方向に引っ張られ、上述同様にブレーキ機構38のブレーキアーム37が、ディスク板36を左右から挟んで接触することで、ブレーキアーム37の摩擦力によりディスク板36の回転が止められることにより、接地輪24の回転も停止するため、オペレータは、クラッチレバー13の操作だけで、別途接地輪24を停止させるための接地輪ブレーキレバー43の操作を必要とせず、操作性が向上される。
【0035】
なお、機体を再び稼動させる場合には、クラッチレバー13を操作するのみで、前記クラッチが接続され、車輪10およびロータリ耕耘部6が回転するとともに、このクラッチレバー13の操作に連動して、ワイヤー40が接地輪24の方向に引っ張られ、上述とは逆にブレーキ機構38のブレーキアーム37が、ディスク板36から離間し、ブレーキアーム37とディスク板36との接触が解除されるため、ディスク板26の回転抵抗がなくなり、車輪10とともに接地輪24も調節手段35のレバー設定位置に応じた速度段で回転し、管理機1が稼動される。
【0036】
以上のような構成にすることで、機体の後部に上下位置調節可能な接地輪24を設けるとともに、接地輪24に、車輪10駆動による作業速度より低速度の回転駆動動力を付与する駆動力付与手段26を設けるため、従来のように抵抗棒を地中に突き刺したり引き抜くなど上下に調節操作することなく、オペレータは本機による稼動作業中に、圃場などの地面に接地させた接地輪24の駆動により、楽に作業速度や耕耘深さを調節することができる。従って、オペレータの疲労を低減させ、作業性を向上させることができる。
【0037】
また、接地輪24を、左右一対に備えるため、機体の作業速度や耕耘深さを、オペレータは大きな力を必要とせず、かつ機体を安定させて調節でき、オペレータの疲労を低減させ、作業性を向上させることができる。さらには、駆動力付与手段26は、変速手段29を有するため、駆動軸23´を介して接地輪24の回転速度を変えることができ、作業速度や耕耘深さを調節でき、オペレータの疲労を低減させ、作業性を向上させることができる。そして、駆動力付与手段26を調節する調節手段35を、機体後方に向けて延設したハンドル2の把持部2a近傍に設けるので、機体の駆動作業中にオペレータが手元で容易に接地輪24の回転速度を変えることができ、機体の作業速度や耕耘深さを調節でき、オペレータの疲労を低減させ、作業精度の向上させることができる。
【0038】
以上詳述したように、この例の車軸作業型の管理機1は、ロータリ軸7の両端に車輪10を設けたロータリ耕耘装置6を機体の前部下方に備え、機体の後部に上下位置調節可能な接地輪24を設けるとともに、接地輪24に、車輪10駆動による作業速度より低速度の回転駆動動力を付与する駆動力付与手段26を設けるものである。加えて、接地輪24を、左右一対に備え、駆動力付与手段26は、変速手段29を有し、駆動力付与手段26を調節する調節手段35を、機体後方に向けて延設したハンドル2の把持部2a近傍に設ける。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の車軸作業型の管理機の側面図である。
【図2】車軸作業型の管理機の正面図である。
【図3】接地輪の回動を示す管理機の左側面図である。
【図4】管理機における右側部の背面模式図である。
【図5】接地輪への動力伝達経路を示すスケルトン図である。
【符号の説明】
【0040】
1 管理機
2 ハンドル
2a 把持部
5 ミッションケース
6 ロータリ耕耘装置
13 クラッチレバー
21 ベルト
22 伝動ケース
23,23´ 駆動軸
24 接地輪
24a 内側接地輪
24b 外側接地輪
25 回転軸
26 駆動力付与手段
27 ステー
28 レバー
29 変速手段
30 変速摺動ギア
31 低速ギア
32 高速ギア
34,40 ワイヤー
35 調節手段
36 ディスク板
37 ブレーキアーム
38 ブレーキ機構
39 回動アーム
41,42 連結片
43 接地輪ブレーキレバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリ軸の両端に車輪を設けたロータリ耕耘装置を機体の前部下方に備える車軸作業型の管理機において、
前記機体の後部に上下位置調節可能な接地輪を設けるとともに、前記接地輪に、前記車輪駆動による作業速度より低速度の回転駆動動力を付与する駆動力付与手段を設けることを特徴とする車軸作業型の管理機。
【請求項2】
前記接地輪を、左右一対に備えることを特徴とする、請求項1に記載の車軸作業型の管理機。
【請求項3】
前記駆動力付与手段は、変速手段を有することを特徴とする、請求項1に記載の車軸作業型の管理機。
【請求項4】
前記駆動力付与手段を調節する調節手段を、機体後方に向けて延設したハンドルの把持部近傍に設けることを特徴とする、請求項1に記載の車軸作業型の管理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−65852(P2009−65852A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−234986(P2007−234986)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】