車輌用放電灯及び水平点灯方式の放電灯
【課題】 陽極側のアークの輝度の低下を防止すると共にアークの輝度の均一性を図る。
【解決手段】 直流点灯方式によって発光され、外管20と、発光部22と陽極側細管部24と陰極側細管部23とから成る発光管21と、軸方向における一端面が陽極側対向面28aとして形成された陽極側電極28と、軸方向における一端面が陰極側対向面27aとして形成された陰極側電極27とを設け、外管の内部における発光管の外側に、不活性ガスのみによって構成された気体又は混合比率が50%以下にされた窒素と混合比率が50%以上にされた不活性ガスとによって構成された混合気体が封入され、陽極側対向面における上端から発光部の内周面のうち上端の真上に位置する点までの距離が0.65mm以上にされ、陰極側対向面における中央から発光部の内周面のうち中央の真下に位置する点までの距離が1.00mm以下にされた。
【解決手段】 直流点灯方式によって発光され、外管20と、発光部22と陽極側細管部24と陰極側細管部23とから成る発光管21と、軸方向における一端面が陽極側対向面28aとして形成された陽極側電極28と、軸方向における一端面が陰極側対向面27aとして形成された陰極側電極27とを設け、外管の内部における発光管の外側に、不活性ガスのみによって構成された気体又は混合比率が50%以下にされた窒素と混合比率が50%以上にされた不活性ガスとによって構成された混合気体が封入され、陽極側対向面における上端から発光部の内周面のうち上端の真上に位置する点までの距離が0.65mm以上にされ、陰極側対向面における中央から発光部の内周面のうち中央の真下に位置する点までの距離が1.00mm以下にされた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は直流点灯によって発光される車輌用放電灯及び水平点灯方式の放電灯に関する。詳しくは、陰極側電極と陽極側電極からの発光部の内面までの距離をそれぞれ所定の距離に設定して陽極側のアークの輝度の低下を防止すると共にアークの輝度の均一性を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特に、車輌用前照灯は、一般の照明灯とは異なり、精密な配光制御が必要であるため、均一で棒状、かつ、明暗比の高い発光形状が求められる。白熱灯やハロゲン灯のフィラメントにはそのような特徴が備わっているため、車輌用前照灯の光源として広く用いられている。
【0003】
一方、光源として放電灯が用いられた車輌用前照灯にあっては、放電灯が白熱灯やハロゲン灯に比較して輝度の向上を図ることができ、また、白熱灯及びハロゲン灯に比較して寿命が長いと言う長所がある。
【0004】
このように放電灯は白熱灯やハロゲン灯と比較して輝度が高く寿命が長いため、近年、車輌用前照灯として放電灯を備えたものが普及している。
【0005】
一般に、車輌用前照灯に用いられる放電灯は、交流点灯で発光される場合が多い。これは、水銀と金属ハロゲン化物を封入したメタルハライドランプを直流で点灯すると、水銀とその他の封入物との蒸気圧の差や移動度の差により、アークに色ムラや輝度ムラが発生してしまうためである。
【0006】
そこで、特許文献1に示すように、陰極側電極と陽極側電極を保持し内部に不活性ガス等の気体が封入された発光管が、発光管の保護や温度の安定等を目的とした外管の内部に配置された直流点灯方式の放電灯が提案されている。
【0007】
発光管は内部において放電が行われる発光部と発光部を挟んで反対側に設けられた一対の細管部とから成る。発光部は放電が行われたときにアークが発生する部分であり、細管部の径より大きくされている。
【0008】
放電灯にあっては、電極に高電圧パルスが印加され、発光管の発光部において放電が行われることにより点灯が開始される。
【0009】
このような放電灯が用いられた車輌用前照灯は、出射される光束の低下の抑制及び色ムラの発生を抑制するために、放電灯の陰極側電極の径を小さくし発光部の径を陽極側より陰極側において小さくするように構成されている。
【0010】
【特許文献1】特開2007−250225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、特許文献1に記載された車輌用前照灯にあっては、封入物から水銀を取り除いたり、電極や発光管を非対称な形状にすることにより、光束の低下の抑制及び色ムラの発生を抑制することが可能であるが、発光部の形状や外管の内部において発光管の外側に封入された気体の成分等によっては陽極側のアークの輝度が低下したりアークの輝度の均一性が低下して、所望の発光状態を確保することができなくなるおそれがある。
【0012】
そこで、本発明車輌用前照灯及び水平点灯方式の放電灯は、陽極側のアークの輝度の低下を防止すると共にアークの輝度の均一性を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
車輌用放電灯は、上記した課題を解決するために、直流点灯方式によって発光され、ベースに取り付けられた外管と、発光部と前記発光部を挟んだ反対側において前記発光部に連続して設けられ前記ベース側に位置する陽極側細管部及び前記ベースの反対側に位置する陰極側細管部とから成り前記外管の内部に配置されセラミックによって形成された発光管と、少なくとも一部が前記陽極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陽極側対向面として形成された陽極側電極と、少なくとも一部が前記陰極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陰極側対向面として形成された陰極側電極とを備え、前記外管の内部における前記発光管の外側に、不活性ガスのみによって構成された気体又は混合比率が50%以下にされた窒素と混合比率が50%以上にされた不活性ガスとによって構成された混合気体が封入され、前記陽極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dAが0.65mm以上にされ、前記陰極側対向面における中央から前記発光部の内周面のうち前記中央の真下に位置する点までの距離dLCが1.00mm以下にされたものである。
【0014】
従って、車輌用放電灯にあっては、陽極側対向面における上端から発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離が大きくされ、陰極側対向面における中央から発光部の内周面のうち前記中央の真下に位置する点までの距離が小さくされる。
【0015】
水平点灯方式の放電灯は、上記した課題を解決するために、直流点灯方式によって発光される水平点灯方式であり、ベースに取り付けられた外管と、発光部と前記発光部を挟んだ反対側において前記発光部に連続して設けられ前記ベース側に位置する陽極側細管部及び前記ベースの反対側に位置する陰極側細管部とから成り前記外管の内部に配置されセラミックによって形成された発光管と、少なくとも一部が前記陽極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陽極側対向面として形成された陽極側電極と、少なくとも一部が前記陰極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陰極側対向面として形成された陰極側電極とを備え、前記陽極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dAが0.9mm以上1.2mm以下にされ、前記陰極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dCが0.7mm以上1.0mm以下にされたものである。
【0016】
従って、水平点灯方式の放電灯にあっては、陽極側対向面における上端から発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離が大きくされ、陰極側対向面における上端から発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離が小さくされる。
【発明の効果】
【0017】
本発明車輌用放電灯は、直流点灯方式によって発光される車輌用放電灯であって、ベースに取り付けられた外管と、発光部と前記発光部を挟んだ反対側において前記発光部に連続して設けられ前記ベース側に位置する陽極側細管部及び前記ベースの反対側に位置する陰極側細管部とから成り前記外管の内部に配置されセラミックによって形成された発光管と、少なくとも一部が前記陽極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陽極側対向面として形成された陽極側電極と、少なくとも一部が前記陰極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陰極側対向面として形成された陰極側電極とを備え、前記外管の内部における前記発光管の外側に、不活性ガスのみによって構成された気体又は混合比率が50%以下にされた窒素と混合比率が50%以上にされた不活性ガスとによって構成された混合気体が封入され、前記陽極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dAが0.65mm以上にされ、前記陰極側対向面における中央から前記発光部の内周面のうち前記中央の真下に位置する点までの距離dLCが1.00mm以下にされたことを特徴とする。
【0018】
従って、陽極側のアークの輝度の低下を防止すると共にアークの全体の輝度を高めアークの輝度の均一性を図ることができる。
【0019】
請求項2に記載した発明にあっては、前記発光部の内径のうち前記陽極側対向面を含む面が交わる部分の大きさが、前記発光部の内径のうち前記陰極側対向面を含む面が交わる部分の大きさより大きくされている。
【0020】
従って、距離dAを大きくすると共に距離dLCを小さくすることを容易に行うことができ、放電灯の製造コストの増大を来たすことなく、陽極側のアークの輝度の低下を防止することができると共にアークの輝度の均一性を図ることができる。
【0021】
請求項3に記載した発明にあっては、前記陽極側電極の中央が前記陰極側電極の中央より下方に位置されている。
【0022】
従って、距離dAを大きくすると共に距離dLCを小さくすることを容易に行うことができ、放電灯の製造コストの増大を来たすことなく、陽極側のアークの輝度の低下を防止することができると共にアークの輝度の均一性を図ることができる。
【0023】
本発明水平点灯方式の放電灯は、直流点灯方式によって発光される水平点灯方式の放電灯であって、ベースに取り付けられた外管と、発光部と前記発光部を挟んだ反対側において前記発光部に連続して設けられ前記ベース側に位置する陽極側細管部及び前記ベースの反対側に位置する陰極側細管部とから成り前記外管の内部に配置されセラミックによって形成された発光管と、少なくとも一部が前記陽極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陽極側対向面として形成された陽極側電極と、少なくとも一部が前記陰極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陰極側対向面として形成された陰極側電極とを備え、前記陽極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dAが0.9mm以上1.2mm以下にされ、前記陰極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dCが0.7mm以上1.0mm以下にされたことを特徴とする。
【0024】
従って、陽極側のアークの輝度の低下を防止すると共にアークの全体の輝度を高めアークの輝度の均一性を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明車輌用前照灯及び水平点灯方式の放電灯を実施するための最良の形態について添付図面を参照して説明する。
【0026】
車輌用前照灯1は、車体の前端部における左右両端部に取り付けられて配置されている。
【0027】
車輌用前照灯1は、図1に示すように、前方に開口された凹部を有するランプハウジング2とランプハウジング2の開口面を閉塞するカバー3とを備え、ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成されている。灯具外筐4の内部空間は灯室5として形成されている。
【0028】
ランプハウジング2の後端部には前後に貫通された挿通孔2aが形成され、挿通孔2aはバックカバー6によって閉塞されている。バックカバー6には導出孔6aが形成されている。
【0029】
灯室5には、図示しない光軸調整機構によってリフレクター7が傾動可能に支持されている。リフレクター7の後端部には前後に貫通された取付孔7aが形成されている。リフレクター7の内面は反射面7bとして形成されている。
【0030】
リフレクター7の前端部にはレンズホルダー8が取り付けられ、レンズホルダー8の前端部には投影レンズ9が取り付けられている。
【0031】
リフレクター7の取付孔7aには前後に延びる形状に形成された放電灯(車輌用放電灯)10が一体化された放電灯点灯装置11が取り付けられている。放電灯点灯装置11は、ケース体12の内部に始動回路が一体化された図示しない点灯回路が収納されて成る。放電灯点灯装置11の下端部には接続部13が設けられている。
【0032】
放電灯点灯装置11は接続部13が給電コード14を介して入力側コネクター15に接続され、入力側コネクター15はバックカバー6の外面に取り付けられている。入力側コネクター15は図示しない接続コードによって図示しない電源供給回路に接続されると共に給電コード14の一端部がバックカバー6に形成された導出孔6aを挿通されることにより給電コード14を介して放電灯点灯装置11に接続されている。
【0033】
尚、上記には、放電灯10が放電灯点灯装置11と一体化されて構成された例を示したが、放電灯10がソケットコネクターを介して放電灯点灯装置11に接続された構成であってもよい。
【0034】
放電灯10の点灯(起動)は、電源供給回路の電源電圧を放電灯点灯装置11の点灯回路によって昇圧し、放電灯10に高電圧パルスを印加し、放電が開始されることによって行われる。放電灯10に対する点灯方式としては直流点灯方式が用いられ、放電灯10は水平点灯方式の放電灯である。
【0035】
灯室5の前端部には灯室5に配置された各部の一部を遮蔽するためのエクステンション17が配置されている。灯室5には放電灯10から出射される光の一部を遮蔽するシェード16が配置されている。
【0036】
放電灯10は本体18がベース19を介して放電灯点灯装置11と一体的に構成されている(図2参照)。
【0037】
本体18は、例えば、石英ガラスから成る外管20と外管20の内部に配置されたセラミックから成る発光管21とを有している。
【0038】
外管20は発光管21等を覆う閉塞部20aと閉塞部20aの前端部から前方へ突出された保持部20bとが一体に形成されて成る。
【0039】
発光管21は発光部22と発光部22の前後両端にそれぞれ連続する陰極側細管部23及び陽極側細管部24とによって構成されている。
【0040】
発光部22は前側に位置する陰極側細管部23と一体に形成された第1の部材25の後端部25aと、後側に位置する陽極側細管部24と一体に形成された第2の部材26の前半部26aとによって構成され、前半部26aの前端部における内側に後端部25aが嵌合された状態で形成されている。
【0041】
発光部22の内部には金属ヨウ化物、又は、金属臭化物とキセノンやアルゴン等の不活性ガスとが封入されている。
【0042】
陰極側細管部23は発光部22の前側に位置され、陽極側細管部24は発光部22の後側に位置され、陰極側細管部23及び陽極側細管部24はそれぞれ前後に延びる略円筒状に形成され、外径が発光部22の外径より小さくされている。
【0043】
発光管21の内部には、例えば、それぞれタングステン等の金属材料によって前後に長く形成された陰極側電極27と陽極側電極28が前後に離隔して配置されている。従って、放電灯10は前端側が陰極側にされ後端側が陽極側にされている。
【0044】
陰極側電極27の径は陽極側電極28の径より小さくされ、例えば、陽極側電極28の径の2分の1以下にされている。陰極側電極27の径は、例えば、0.2mmにされ、陽極側電極28の径は、例えば、0.45mmにされている。陰極側電極27の後面と陽極側電極28の前面は対向して位置され、陰極側電極27の後面は陰極側対向面27aとして形成され陽極側電極28の前面は陽極側対向面28aとして形成されている。
【0045】
陰極側電極27は、例えば、後端部が陰極側細管部23から後方へ突出されて発光部22の内部に位置され、陽極側電極28は、例えば、全体が発光部22の内部に位置されている。
【0046】
陰極側電極27の前面には、例えば、溶接によって第1の連接棒29が接続されている。第1の連接棒29は、例えば、モリブデンやニオブ等の金属材料によって形成され、発光管21の陰極側細管部23から前方へ突出され、保持部20bを貫通されて外管20の外部へ突出された部分を有する。第1の連接棒29の外管20の外部へ突出された部分には、第1の導電線30が接続されている。第1の導電線30は一部が90°屈曲されて外管20の下方に位置され、後端部がベース19に設けられた図示しない第1の接続端子に接続されている。
【0047】
第1の導電線30における外管20の下方に位置する部分には絶縁スリーブ31が被着されている。
【0048】
陽極側電極28の後面には、例えば、溶接によって第2の連接棒32が接続されている。第2の連接棒32は、例えば、モリブデンやニオブ等の金属材料によって形成されている。第2の連接棒32は発光管21の陽極側細管部24から後方へ突出されている。第2の連接棒32の後端部には図示しない第2の導電線が接続され、第2の導電線は後端部がベース19に設けられた図示しない第2の接続端子に接続されている。
【0049】
放電灯10にあっては、外管20の内部における発光管21の外側の空間にシュラウドガスが封入されている。シュラウドガスは、例えば、クリプトンやアルゴン等の不活性ガスのみによって構成されているか又はこれらの不活性ガスと窒素の混合気体として構成されている。混合気体の場合には、不活性ガスの混合比率が50%以上とされ、窒素の混合比率が50%以下にされている。
【0050】
以下に、放電灯10の発光部22における各部の寸法(距離)について説明する(図3参照)。
【0051】
放電灯10にあっては、陰極側電極27の陰極側対向面27aにおける中央(中心)M1から発光部22の内周面のうち中央M1の真下に位置する点P1までの距離dLCが1.00mm以下にされている。具体的には、放電灯10における距離dLCは1.00mmにされている。
【0052】
また、陽極側電極28の陽極側対向面28aにおける上端Qから発光部22の内周面のうち上端Qの真上に位置する点P2までの距離dAが0.65mm以上にされている。具体的には、放電灯10における距離dAは0.70mmにされている。
【0053】
さらに、陽極側電極28の陽極側対向面28aにおける中央(中心)M2から発光部22の内周面のうち中央M2の真下に位置する点P3までの距離dLAが1.25mm以下にされている。具体的には、放電灯10における距離dLAは0.95mmにされている。
【0054】
さらにまた、放電灯10においては、陰極側の内径、即ち、発光部22の内径のうち陰極側対向面27aを含む面SCが交わる部分の径が2.0mmとされ、陽極側の内径、即ち、発光部22の内径のうち陽極側対向面28aを含む面SAが交わる部分の径が1.9mmにされている。
【0055】
次に、上記した距離dA及び距離dLCに関する測定データーについて説明する(図4乃至図7参照)。
【0056】
先ず、距離dAに関する測定データーについて説明する(図4及び図5参照)。
【0057】
図4は、発光部22における「陽極側の内径」と「距離dA」を変化させたときの「距離dA」に対する「陽極側の輝度」を測定したデーターを示す図表である。
【0058】
測定は、外管20の内部における発光管21の外側の空間に封入されたシュラウドガスとして、窒素の含有率が100%のガスA、不活性ガスであるクリプトンガスと窒素の混合比率がそれぞれ50%のガスB及びクリプトンガスの含有率が100%のガスCの3種類のガスが用いられた場合について行った。
【0059】
図中の「TA」は発光部22の「陽極側の内径」に対応する外面における表面温度であり、「陽極側の輝度」は発光部22を上方から見たときの陽極側の輝度である。「TA」は赤外線放射温度計によって測定した。測定に用いた陽極側電極28の直径は0.5mmである。
【0060】
本発明は、陽極側のアークの輝度の低下を防止することを一つの目的としており、この目的を達成するためには「陽極側の輝度」が一定以上の値であることが必要とされる。
【0061】
従って、上記した測定データーにおいて、「陽極側の輝度」として100Mcd/m2を基準として、これ以上の輝度が得られた場合を良好なデーターとして判定した。「陽極側の輝度」の100Mcd/m2は、25W(ワット)で駆動するタイプの放電灯において、35Wで駆動するタイプの放電灯と同等の輝度を確保するために必要とされる輝度である。
【0062】
図5は、図4に示すデーターにおける「距離dA」と「陽極側の輝度」をXY平面上にプロットしたときのグラフ図である。
【0063】
図4及び図5に示すように、不活性ガスの含有比率が50%以上であり、距離dAが0.65mm以上とされたデーターが良好なデーターとして判定された。
【0064】
次いで、距離dLCに関する測定データーについて説明する(図6及び図7参照)。
【0065】
図6は、発光部22における「陰極側の内径」と「距離dLC」を変化させたときの「距離dLC」に対する「陰極側の輝度」を測定したデーターを示す図表である。
【0066】
測定は、外管20の内部における発光管21の外側の空間に封入されたシュラウドガスとして、窒素の含有率が100%のガスA、不活性ガスであるクリプトンガスと窒素の混合比率がそれぞれ50%のガスB及びクリプトンガスの含有率が100%のガスCの3種類のガスが用いられた場合について行った。
【0067】
図中の「TCC」は発光部22の「陰極側の内径」に対応する外面における表面温度であり、「陰極側の輝度」は発光部22を上方から見たときの陰極側の輝度である。「TCC」は赤外線放射温度計によって測定した。測定に用いた陰極側電極27の直径は0.15mmである。
【0068】
本発明は、アークの輝度の均一性を図ることを一つの目的としており、この目的を達成するためには「陽極側の輝度」に加えて「陰極側の輝度」が一定以上の値であることが必要とされる。
【0069】
従って、上記した測定データーにおいて、「陰極側の輝度」として100Mcd/m2を基準として、これ以上の輝度が得られた場合を良好なデーターとして判定した。「陰極側の輝度」の100Mcd/m2は、上記した「陽極側の輝度」の場合と同様に、25W(ワット)で駆動するタイプの放電灯において、35Wで駆動するタイプの放電灯と同等の輝度を確保するために必要とされる輝度である。
【0070】
図7は、図6に示すデーターにおける「距離dLC」と「陰極側の輝度」をXY平面上にプロットしたときのグラフ図である。
【0071】
図6及び図7に示すように、不活性ガスの含有比率が50%以上であり、距離dLCが1.00mm以下とされたデーターが良好なデーターとして判定された。
【0072】
尚、アークの輝度の均一性は発光部22における最冷点温度との関係が強く、アークの輝度の均一性を確保するためには、最冷点温度を一定以上の温度、例えば、950°C以上にすることが望ましい。放電灯10のように直流点灯方式を用いた場合には、通常、最冷点温度が上記した「TCC」となるが、良好なデーターとして判定されたものは、何れも「TCC」が950°C以上にされており、これらのデーターに適合する放電灯は最冷点温度の観点においてもアークの輝度の均一性を確保することができる。
【0073】
上記した図4乃至図7に示した測定データーにより、本発明の目的である陽極側のアークの輝度の低下を防止すると共にアークの輝度の均一性を図ることを達成するためには、以下の三つの条件(1)〜(3)を満足することが必要であることが解った。
【0074】
(1)外管20の内部における発光管21の外側の空間に封入されたシュラウドガスについて、不活性ガスの含有比率が50%以上であること。
【0075】
(2)陽極側電極28の陽極側対向面28aにおける上端Qから発光部22の内周面のうち上端Qの真上に位置する点P2までの距離dAが0.65mm以上であること。
【0076】
(3)陰極側電極27の陰極側対向面27aにおける中央(中心)M1から発光部22の内周面のうち中央M1の真下に位置する点P1までの距離dLCが1.00mm以下であること。
【0077】
また、発光部22の陽極側の大きさ(径)が大きくなり過ぎると、最冷点温度となる箇所が陽極側に生じる可能性があるため、最冷点温度を一定以上の温度、例えば、950°C以上にするためには、距離dLAを一定以下にすることが望ましい。950°C以上の最冷点温度を確保するためには、距離dLAを1.25mm以下にすることが望ましく、放電灯10においては、距離dLAが1.00mmにされ、950°C以上の最冷点温度が確保されることにより、アークの輝度の均一性が確保されている。
【0078】
以下に、放電灯における発光管の変形例について説明する(図8乃至図10参照)。
【0079】
先ず、第1の変形例と第2の変形例に係る放電灯について説明する。
【0080】
尚、以下に示す第1の変形例と第2の変形例に係る放電灯は、上記した放電灯10と比較して、陰極側電極と陽極側電極の上下方向における位置が異なること及び発光部の形状が異なることのみが相違する。従って、第1の変形例と第2の変形例に係る放電灯の説明においては、放電灯10と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については放電灯10における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0081】
第1の変形例に係る放電灯は、図8に示すように、発光管21Aが発光部22Aと発光部22Aの前後両端にそれぞれ連続する陰極側細管部23及び陽極側細管部24とによって構成されている。
【0082】
発光部22Aは第1の部材25の後端部25aと、第2の部材26Aの前半部26bとによって構成され、前半部26bの前端部における内側に後端部25aが嵌合された状態で形成されている。第2の部材26Aは垂直断面における外形状が略円形状に形成されている。
【0083】
陽極側電極28の軸中心は陰極側電極27の軸中心に対して、例えば、0.25mm下方に位置されている。
【0084】
第1の変形例に係る放電灯においては、例えば、距離dLCが1.00mm、距離dAが0.95mm、距離dLAが0.70mm、陰極側の内径が2.0mm、陽極側の内径が1.9mmにされている。
【0085】
第2の変形例に係る放電灯は、図9に示すように、発光管21Bが発光部22Bと発光部22Bの前後両端にそれぞれ連続する陰極側細管部23及び陽極側細管部24とによって構成されている。
【0086】
発光部22Bは第1の部材25の後端部25aと、第2の部材26Bの前半部26cとによって構成され、前半部26cの前端部における内側に後端部25aが嵌合された状態で形成されている。第2の部材26Bは垂直断面における外形状が縦長の長円状に形成されている。
【0087】
陽極側電極28の軸中心は陰極側電極27の軸中心に対して、例えば、0.25mm下方に位置されている。
【0088】
第2の変形例に係る放電灯においては、例えば、距離dLCが1.00mm、距離dAが0.95mm、距離dLAが0.70mm、陰極側の内径が2.0mm、陽極側の内径が1.9mmにされている。
【0089】
上記のように、第1の変形例と第2の変形例に係る放電灯は、陽極側電極28の軸中心が陰極側電極27の軸中心に対して下方に位置されている。従って、距離dAを大きくすると共に距離dLCを小さくすることを容易に行うことができ、放電灯の製造コストの増大を来たすことなく、陽極側のアークの輝度の低下を防止することができると共にアークの輝度の均一性を図ることができる。
【0090】
次に、第3の変形例に係る放電灯について説明する(図10参照)。
【0091】
尚、以下に示す第3の変形例に係る放電灯は、上記した放電灯10と比較して、発光管の形成状態が異なることのみが相違する。従って、第3の変形例に係る放電灯の説明においては、放電灯10と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については放電灯10における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0092】
第3の変形例に係る放電灯は、発光管21Cが発光部22Cと発光部22Cの前後両端にそれぞれ連続する陰極側細管部23及び陽極側細管部24とによって構成されている。
【0093】
発光部22Cは前側に位置する陰極側細管部23と一体に形成された第1の部材25Cの後半部25bと、後側に位置する陽極側細管部24と一体に形成された第2の部材26Cの前端部26dとによって構成され、後半部25bの後端部における内側に前端部26dが嵌合された状態で形成されている。
【0094】
陰極側電極27の軸中心と陽極側電極28の軸中心とは、例えば、同一直線上に位置されている。
【0095】
第3の変形例に係る放電灯においては、例えば、距離dLCが0.75mm、距離dAが0.75mm、距離dLAが1.00mm、陰極側の内径が1.5mm、陽極側の内径が2.0mmにされている。
【0096】
上記のように、第3の変形例に係る放電灯は、陽極側の内径が陰極側の内径より大きくされている。従って、距離dAを大きくすると共に距離dLCを小さくすることを容易に行うことができ、放電灯の製造コストの増大を来たすことなく、陽極側のアークの輝度の低下を防止することができると共にアークの輝度の均一性を図ることができる。
【0097】
尚、第3の変形例に係る放電灯においても、第1の変形例に係る放電灯や第2の変形例に係る放電灯と同様に、陽極側電極28の軸中心を陰極側電極27の軸中心に対して下方に位置させるようにすることも可能である。
【0098】
次に、放電灯10の発光部22における各部の寸法(距離)に関して、距離dAと距離dCについて説明する(図11参照)。
【0099】
距離dAは、上記したように、陽極側電極28の陽極側対向面28aにおける上端Qから発光部22の内周面のうち上端Qの真上に位置する点P2までの距離であり、距離dCは陰極側電極27の陰極側対向面27aにおける上端Rから発光部22の内周面のうち上端Rの真上に位置する点P3までの距離である。
【0100】
次に、上記した距離dA及び距離dCに関する測定データーについて説明する(図12参照)。
【0101】
図12は、「距離dA」と「距離dC」を変化させたときの「発光効率」、「アークの輝度ムラ」及び「放電灯の寿命」を測定したデーターを示す図表である。
【0102】
測定において、「アークの輝度ムラ」は「陽極側のアークの輝度/陰極側のアークの輝度」によって算出した値である。
【0103】
本発明は、陽極側のアークの輝度の低下を防止することを一つの目的としており、この目的を達成するためには「発光効率」が一定以上の値であることが必要とされ、「発光効率」が低いと光学性能が低下してしまう。
【0104】
従って、上記した測定データーにおいて、「発光効率」として100lm/Wを基準として、これ以上の値が得られた場合を良好なデーターとして判定した。
【0105】
また、本発明は、アークの輝度の均一性を図ることも一つの目的としており、この目的を達成するためには「アークの輝度ムラ」が一定の範囲の値であることが必要とされる。
【0106】
従って、上記した測定データーにおいて、「アークの輝度ムラ」として0.7〜1.3を基準として、この範囲の値が得られた場合を良好なデーターとして判定した。
【0107】
さらに、放電灯の良好な性能を持続するには、リークやクラックを生じることなく長時間の使用に耐える耐久性が必要とされ、「放電灯の寿命」(リーク等を生じない時間)が一定以上の値(時間)であることが必要とされる。
【0108】
従って、上記した測定データーにおいて、「放電灯の寿命」として2000時間を基準として、これ以上の値が得られた場合を良好なデーターとして判定した。
【0109】
図12に示すように、距離dAが0.9mm以上1.2mm以下、かつ、距離dCが0.7mm以上1.0mm以下の場合に「発光効率」、「アークの輝度ムラ」及び「放電灯の寿命」について何れも良好なデーターとして判定された。
【0110】
尚、上記したように、陰極側電極27の径は陽極側電極28の径より小さくされ、例えば、陽極側電極28の径の2分の1以下にされている。また、陰極側電極27の陰極側対向面27aから陽極側電極28の陽極側対向面28aまでの外周側に位置する発光部22の部分は略内径が同じにされている。
【0111】
従って、距離dAが0.9mm以上1.2mm以下、かつ、距離dCが0.7mm以上1.0mm以下であるため、陽極側対向面28aからその真上の発光部22の内面までの距離、即ち、距離dAは、陰極側対向面27aからその真上の発光部22の内面までの距離、即ち、距離dCより相対的に大きくされている。
【0112】
このように距離dAが距離dCより相対的に大きくされていることにより、高温となる陽極側のアークと発光部22の内面(内壁)とが接触し難くなるため、陽極側のアークから発光部22への放熱量が抑制され、発光効率の向上及び寿命性能の向上を図ることが可能になる。
【0113】
また、距離dAが距離dCより相対的に大きくされていることにより、高温となる陽極側のアークと発光部22の内面(内壁)とが接触し難くなるため、陽極側のアークが適正に形成され、陽極と陰極の間の良好な輝度バランスが確保され、アークの輝度の均一性が向上し光学性能の向上を図ることが可能になる。
【0114】
尚、一般に、交流点灯方式の放電灯はバラスト点灯回路によって交流点灯(極性の切替)を行っており、直流点灯方式の放電灯においてバラスト点灯回路の小型化、軽量化及び低コスト化を図るためには、極性切替を制御しているブリッジ回路を設けずに直流点灯を行う必要があるが、直流点灯方式の放電灯をこのような構成にした場合には発光効率の低下、アークの輝度ムラの発生及びクラックやリークによる寿命の低下を来たし光学性能が低下し易い。
【0115】
しかしながら、上記のように、距離dAが0.9mm以上1.2mm以下、かつ、距離dCが0.7mm以上1.0mm以下にされた直流点灯方式の放電灯10を用いることにより、交流点灯方式の放電灯と遜色のない「発光効率」、「アークの輝度ムラ」及び「放電灯の寿命」を確保することが可能である。
【0116】
従って、放電灯10を用いることにより、ブリッジ回路を設けない簡素化されたバラスト点灯回路を用いることが可能になり、小型化、軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0117】
上記した発明を実施するための最良の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】図2乃至図12と共に本発明車輌用放電灯及び水平点灯方式の放電灯の最良の形態を示すものであり、本図は、放電灯が備えられた車輌用前照灯の概略断面図である。
【図2】放電灯の拡大断面図である。
【図3】発光管等を示し距離dAや距離dLC等を説明するための拡大断面図である。
【図4】図5と共に距離dAに関する測定データーを示すものであり、本図は、陽極側の内径と距離dAを変化させたときの距離dAに対する陽極側の輝度を測定したデーターを示す図表である。
【図5】距離dAと陽極側の輝度をプロットしたときのグラフ図である。
【図6】図6と共に距離dLCに関する測定データーを示すものであり、本図は、陰極側の内径と距離dLCを変化させたときの距離dLCに対する陰極側の輝度を測定したデーターを示す図表である。
【図7】距離dLCと陰極側の輝度をプロットしたときのグラフ図である。
【図8】図9及び図10と共に放電灯の変形例を示すものであり、本図は、第1の変形例に係る放電灯の発光管等を示す拡大断面図と拡大背面図である。
【図9】第2の変形例に係る放電灯の発光管等を示す拡大断面図と拡大背面図である。
【図10】第3の変形例に係る放電灯の発光管等を示す拡大断面図である。
【図11】発光管等を示し距離dAや距離dC等を説明するための拡大断面図である。
【図12】距離dAと距離dCに関する測定データーを示すものであり、本図は、距離dAと距離dCを変化させたときの発光効率等を測定したデーターを示す図表である。
【符号の説明】
【0119】
7…リフレクター、10…放電灯、19…ベース、20…外管、21…発光管、22…発光部、23…陰極側細管部、24…陽極側細管部、27…陰極側電極、27a…陰極側対向面、28…陽極側電極、28a…陽極側対向面、21A…発光管、22A…発光部、21B…発光管、22B…発光部、21C…発光管、22C…発光部
【技術分野】
【0001】
本発明は直流点灯によって発光される車輌用放電灯及び水平点灯方式の放電灯に関する。詳しくは、陰極側電極と陽極側電極からの発光部の内面までの距離をそれぞれ所定の距離に設定して陽極側のアークの輝度の低下を防止すると共にアークの輝度の均一性を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
特に、車輌用前照灯は、一般の照明灯とは異なり、精密な配光制御が必要であるため、均一で棒状、かつ、明暗比の高い発光形状が求められる。白熱灯やハロゲン灯のフィラメントにはそのような特徴が備わっているため、車輌用前照灯の光源として広く用いられている。
【0003】
一方、光源として放電灯が用いられた車輌用前照灯にあっては、放電灯が白熱灯やハロゲン灯に比較して輝度の向上を図ることができ、また、白熱灯及びハロゲン灯に比較して寿命が長いと言う長所がある。
【0004】
このように放電灯は白熱灯やハロゲン灯と比較して輝度が高く寿命が長いため、近年、車輌用前照灯として放電灯を備えたものが普及している。
【0005】
一般に、車輌用前照灯に用いられる放電灯は、交流点灯で発光される場合が多い。これは、水銀と金属ハロゲン化物を封入したメタルハライドランプを直流で点灯すると、水銀とその他の封入物との蒸気圧の差や移動度の差により、アークに色ムラや輝度ムラが発生してしまうためである。
【0006】
そこで、特許文献1に示すように、陰極側電極と陽極側電極を保持し内部に不活性ガス等の気体が封入された発光管が、発光管の保護や温度の安定等を目的とした外管の内部に配置された直流点灯方式の放電灯が提案されている。
【0007】
発光管は内部において放電が行われる発光部と発光部を挟んで反対側に設けられた一対の細管部とから成る。発光部は放電が行われたときにアークが発生する部分であり、細管部の径より大きくされている。
【0008】
放電灯にあっては、電極に高電圧パルスが印加され、発光管の発光部において放電が行われることにより点灯が開始される。
【0009】
このような放電灯が用いられた車輌用前照灯は、出射される光束の低下の抑制及び色ムラの発生を抑制するために、放電灯の陰極側電極の径を小さくし発光部の径を陽極側より陰極側において小さくするように構成されている。
【0010】
【特許文献1】特開2007−250225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、特許文献1に記載された車輌用前照灯にあっては、封入物から水銀を取り除いたり、電極や発光管を非対称な形状にすることにより、光束の低下の抑制及び色ムラの発生を抑制することが可能であるが、発光部の形状や外管の内部において発光管の外側に封入された気体の成分等によっては陽極側のアークの輝度が低下したりアークの輝度の均一性が低下して、所望の発光状態を確保することができなくなるおそれがある。
【0012】
そこで、本発明車輌用前照灯及び水平点灯方式の放電灯は、陽極側のアークの輝度の低下を防止すると共にアークの輝度の均一性を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
車輌用放電灯は、上記した課題を解決するために、直流点灯方式によって発光され、ベースに取り付けられた外管と、発光部と前記発光部を挟んだ反対側において前記発光部に連続して設けられ前記ベース側に位置する陽極側細管部及び前記ベースの反対側に位置する陰極側細管部とから成り前記外管の内部に配置されセラミックによって形成された発光管と、少なくとも一部が前記陽極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陽極側対向面として形成された陽極側電極と、少なくとも一部が前記陰極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陰極側対向面として形成された陰極側電極とを備え、前記外管の内部における前記発光管の外側に、不活性ガスのみによって構成された気体又は混合比率が50%以下にされた窒素と混合比率が50%以上にされた不活性ガスとによって構成された混合気体が封入され、前記陽極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dAが0.65mm以上にされ、前記陰極側対向面における中央から前記発光部の内周面のうち前記中央の真下に位置する点までの距離dLCが1.00mm以下にされたものである。
【0014】
従って、車輌用放電灯にあっては、陽極側対向面における上端から発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離が大きくされ、陰極側対向面における中央から発光部の内周面のうち前記中央の真下に位置する点までの距離が小さくされる。
【0015】
水平点灯方式の放電灯は、上記した課題を解決するために、直流点灯方式によって発光される水平点灯方式であり、ベースに取り付けられた外管と、発光部と前記発光部を挟んだ反対側において前記発光部に連続して設けられ前記ベース側に位置する陽極側細管部及び前記ベースの反対側に位置する陰極側細管部とから成り前記外管の内部に配置されセラミックによって形成された発光管と、少なくとも一部が前記陽極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陽極側対向面として形成された陽極側電極と、少なくとも一部が前記陰極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陰極側対向面として形成された陰極側電極とを備え、前記陽極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dAが0.9mm以上1.2mm以下にされ、前記陰極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dCが0.7mm以上1.0mm以下にされたものである。
【0016】
従って、水平点灯方式の放電灯にあっては、陽極側対向面における上端から発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離が大きくされ、陰極側対向面における上端から発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離が小さくされる。
【発明の効果】
【0017】
本発明車輌用放電灯は、直流点灯方式によって発光される車輌用放電灯であって、ベースに取り付けられた外管と、発光部と前記発光部を挟んだ反対側において前記発光部に連続して設けられ前記ベース側に位置する陽極側細管部及び前記ベースの反対側に位置する陰極側細管部とから成り前記外管の内部に配置されセラミックによって形成された発光管と、少なくとも一部が前記陽極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陽極側対向面として形成された陽極側電極と、少なくとも一部が前記陰極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陰極側対向面として形成された陰極側電極とを備え、前記外管の内部における前記発光管の外側に、不活性ガスのみによって構成された気体又は混合比率が50%以下にされた窒素と混合比率が50%以上にされた不活性ガスとによって構成された混合気体が封入され、前記陽極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dAが0.65mm以上にされ、前記陰極側対向面における中央から前記発光部の内周面のうち前記中央の真下に位置する点までの距離dLCが1.00mm以下にされたことを特徴とする。
【0018】
従って、陽極側のアークの輝度の低下を防止すると共にアークの全体の輝度を高めアークの輝度の均一性を図ることができる。
【0019】
請求項2に記載した発明にあっては、前記発光部の内径のうち前記陽極側対向面を含む面が交わる部分の大きさが、前記発光部の内径のうち前記陰極側対向面を含む面が交わる部分の大きさより大きくされている。
【0020】
従って、距離dAを大きくすると共に距離dLCを小さくすることを容易に行うことができ、放電灯の製造コストの増大を来たすことなく、陽極側のアークの輝度の低下を防止することができると共にアークの輝度の均一性を図ることができる。
【0021】
請求項3に記載した発明にあっては、前記陽極側電極の中央が前記陰極側電極の中央より下方に位置されている。
【0022】
従って、距離dAを大きくすると共に距離dLCを小さくすることを容易に行うことができ、放電灯の製造コストの増大を来たすことなく、陽極側のアークの輝度の低下を防止することができると共にアークの輝度の均一性を図ることができる。
【0023】
本発明水平点灯方式の放電灯は、直流点灯方式によって発光される水平点灯方式の放電灯であって、ベースに取り付けられた外管と、発光部と前記発光部を挟んだ反対側において前記発光部に連続して設けられ前記ベース側に位置する陽極側細管部及び前記ベースの反対側に位置する陰極側細管部とから成り前記外管の内部に配置されセラミックによって形成された発光管と、少なくとも一部が前記陽極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陽極側対向面として形成された陽極側電極と、少なくとも一部が前記陰極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陰極側対向面として形成された陰極側電極とを備え、前記陽極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dAが0.9mm以上1.2mm以下にされ、前記陰極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dCが0.7mm以上1.0mm以下にされたことを特徴とする。
【0024】
従って、陽極側のアークの輝度の低下を防止すると共にアークの全体の輝度を高めアークの輝度の均一性を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明車輌用前照灯及び水平点灯方式の放電灯を実施するための最良の形態について添付図面を参照して説明する。
【0026】
車輌用前照灯1は、車体の前端部における左右両端部に取り付けられて配置されている。
【0027】
車輌用前照灯1は、図1に示すように、前方に開口された凹部を有するランプハウジング2とランプハウジング2の開口面を閉塞するカバー3とを備え、ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成されている。灯具外筐4の内部空間は灯室5として形成されている。
【0028】
ランプハウジング2の後端部には前後に貫通された挿通孔2aが形成され、挿通孔2aはバックカバー6によって閉塞されている。バックカバー6には導出孔6aが形成されている。
【0029】
灯室5には、図示しない光軸調整機構によってリフレクター7が傾動可能に支持されている。リフレクター7の後端部には前後に貫通された取付孔7aが形成されている。リフレクター7の内面は反射面7bとして形成されている。
【0030】
リフレクター7の前端部にはレンズホルダー8が取り付けられ、レンズホルダー8の前端部には投影レンズ9が取り付けられている。
【0031】
リフレクター7の取付孔7aには前後に延びる形状に形成された放電灯(車輌用放電灯)10が一体化された放電灯点灯装置11が取り付けられている。放電灯点灯装置11は、ケース体12の内部に始動回路が一体化された図示しない点灯回路が収納されて成る。放電灯点灯装置11の下端部には接続部13が設けられている。
【0032】
放電灯点灯装置11は接続部13が給電コード14を介して入力側コネクター15に接続され、入力側コネクター15はバックカバー6の外面に取り付けられている。入力側コネクター15は図示しない接続コードによって図示しない電源供給回路に接続されると共に給電コード14の一端部がバックカバー6に形成された導出孔6aを挿通されることにより給電コード14を介して放電灯点灯装置11に接続されている。
【0033】
尚、上記には、放電灯10が放電灯点灯装置11と一体化されて構成された例を示したが、放電灯10がソケットコネクターを介して放電灯点灯装置11に接続された構成であってもよい。
【0034】
放電灯10の点灯(起動)は、電源供給回路の電源電圧を放電灯点灯装置11の点灯回路によって昇圧し、放電灯10に高電圧パルスを印加し、放電が開始されることによって行われる。放電灯10に対する点灯方式としては直流点灯方式が用いられ、放電灯10は水平点灯方式の放電灯である。
【0035】
灯室5の前端部には灯室5に配置された各部の一部を遮蔽するためのエクステンション17が配置されている。灯室5には放電灯10から出射される光の一部を遮蔽するシェード16が配置されている。
【0036】
放電灯10は本体18がベース19を介して放電灯点灯装置11と一体的に構成されている(図2参照)。
【0037】
本体18は、例えば、石英ガラスから成る外管20と外管20の内部に配置されたセラミックから成る発光管21とを有している。
【0038】
外管20は発光管21等を覆う閉塞部20aと閉塞部20aの前端部から前方へ突出された保持部20bとが一体に形成されて成る。
【0039】
発光管21は発光部22と発光部22の前後両端にそれぞれ連続する陰極側細管部23及び陽極側細管部24とによって構成されている。
【0040】
発光部22は前側に位置する陰極側細管部23と一体に形成された第1の部材25の後端部25aと、後側に位置する陽極側細管部24と一体に形成された第2の部材26の前半部26aとによって構成され、前半部26aの前端部における内側に後端部25aが嵌合された状態で形成されている。
【0041】
発光部22の内部には金属ヨウ化物、又は、金属臭化物とキセノンやアルゴン等の不活性ガスとが封入されている。
【0042】
陰極側細管部23は発光部22の前側に位置され、陽極側細管部24は発光部22の後側に位置され、陰極側細管部23及び陽極側細管部24はそれぞれ前後に延びる略円筒状に形成され、外径が発光部22の外径より小さくされている。
【0043】
発光管21の内部には、例えば、それぞれタングステン等の金属材料によって前後に長く形成された陰極側電極27と陽極側電極28が前後に離隔して配置されている。従って、放電灯10は前端側が陰極側にされ後端側が陽極側にされている。
【0044】
陰極側電極27の径は陽極側電極28の径より小さくされ、例えば、陽極側電極28の径の2分の1以下にされている。陰極側電極27の径は、例えば、0.2mmにされ、陽極側電極28の径は、例えば、0.45mmにされている。陰極側電極27の後面と陽極側電極28の前面は対向して位置され、陰極側電極27の後面は陰極側対向面27aとして形成され陽極側電極28の前面は陽極側対向面28aとして形成されている。
【0045】
陰極側電極27は、例えば、後端部が陰極側細管部23から後方へ突出されて発光部22の内部に位置され、陽極側電極28は、例えば、全体が発光部22の内部に位置されている。
【0046】
陰極側電極27の前面には、例えば、溶接によって第1の連接棒29が接続されている。第1の連接棒29は、例えば、モリブデンやニオブ等の金属材料によって形成され、発光管21の陰極側細管部23から前方へ突出され、保持部20bを貫通されて外管20の外部へ突出された部分を有する。第1の連接棒29の外管20の外部へ突出された部分には、第1の導電線30が接続されている。第1の導電線30は一部が90°屈曲されて外管20の下方に位置され、後端部がベース19に設けられた図示しない第1の接続端子に接続されている。
【0047】
第1の導電線30における外管20の下方に位置する部分には絶縁スリーブ31が被着されている。
【0048】
陽極側電極28の後面には、例えば、溶接によって第2の連接棒32が接続されている。第2の連接棒32は、例えば、モリブデンやニオブ等の金属材料によって形成されている。第2の連接棒32は発光管21の陽極側細管部24から後方へ突出されている。第2の連接棒32の後端部には図示しない第2の導電線が接続され、第2の導電線は後端部がベース19に設けられた図示しない第2の接続端子に接続されている。
【0049】
放電灯10にあっては、外管20の内部における発光管21の外側の空間にシュラウドガスが封入されている。シュラウドガスは、例えば、クリプトンやアルゴン等の不活性ガスのみによって構成されているか又はこれらの不活性ガスと窒素の混合気体として構成されている。混合気体の場合には、不活性ガスの混合比率が50%以上とされ、窒素の混合比率が50%以下にされている。
【0050】
以下に、放電灯10の発光部22における各部の寸法(距離)について説明する(図3参照)。
【0051】
放電灯10にあっては、陰極側電極27の陰極側対向面27aにおける中央(中心)M1から発光部22の内周面のうち中央M1の真下に位置する点P1までの距離dLCが1.00mm以下にされている。具体的には、放電灯10における距離dLCは1.00mmにされている。
【0052】
また、陽極側電極28の陽極側対向面28aにおける上端Qから発光部22の内周面のうち上端Qの真上に位置する点P2までの距離dAが0.65mm以上にされている。具体的には、放電灯10における距離dAは0.70mmにされている。
【0053】
さらに、陽極側電極28の陽極側対向面28aにおける中央(中心)M2から発光部22の内周面のうち中央M2の真下に位置する点P3までの距離dLAが1.25mm以下にされている。具体的には、放電灯10における距離dLAは0.95mmにされている。
【0054】
さらにまた、放電灯10においては、陰極側の内径、即ち、発光部22の内径のうち陰極側対向面27aを含む面SCが交わる部分の径が2.0mmとされ、陽極側の内径、即ち、発光部22の内径のうち陽極側対向面28aを含む面SAが交わる部分の径が1.9mmにされている。
【0055】
次に、上記した距離dA及び距離dLCに関する測定データーについて説明する(図4乃至図7参照)。
【0056】
先ず、距離dAに関する測定データーについて説明する(図4及び図5参照)。
【0057】
図4は、発光部22における「陽極側の内径」と「距離dA」を変化させたときの「距離dA」に対する「陽極側の輝度」を測定したデーターを示す図表である。
【0058】
測定は、外管20の内部における発光管21の外側の空間に封入されたシュラウドガスとして、窒素の含有率が100%のガスA、不活性ガスであるクリプトンガスと窒素の混合比率がそれぞれ50%のガスB及びクリプトンガスの含有率が100%のガスCの3種類のガスが用いられた場合について行った。
【0059】
図中の「TA」は発光部22の「陽極側の内径」に対応する外面における表面温度であり、「陽極側の輝度」は発光部22を上方から見たときの陽極側の輝度である。「TA」は赤外線放射温度計によって測定した。測定に用いた陽極側電極28の直径は0.5mmである。
【0060】
本発明は、陽極側のアークの輝度の低下を防止することを一つの目的としており、この目的を達成するためには「陽極側の輝度」が一定以上の値であることが必要とされる。
【0061】
従って、上記した測定データーにおいて、「陽極側の輝度」として100Mcd/m2を基準として、これ以上の輝度が得られた場合を良好なデーターとして判定した。「陽極側の輝度」の100Mcd/m2は、25W(ワット)で駆動するタイプの放電灯において、35Wで駆動するタイプの放電灯と同等の輝度を確保するために必要とされる輝度である。
【0062】
図5は、図4に示すデーターにおける「距離dA」と「陽極側の輝度」をXY平面上にプロットしたときのグラフ図である。
【0063】
図4及び図5に示すように、不活性ガスの含有比率が50%以上であり、距離dAが0.65mm以上とされたデーターが良好なデーターとして判定された。
【0064】
次いで、距離dLCに関する測定データーについて説明する(図6及び図7参照)。
【0065】
図6は、発光部22における「陰極側の内径」と「距離dLC」を変化させたときの「距離dLC」に対する「陰極側の輝度」を測定したデーターを示す図表である。
【0066】
測定は、外管20の内部における発光管21の外側の空間に封入されたシュラウドガスとして、窒素の含有率が100%のガスA、不活性ガスであるクリプトンガスと窒素の混合比率がそれぞれ50%のガスB及びクリプトンガスの含有率が100%のガスCの3種類のガスが用いられた場合について行った。
【0067】
図中の「TCC」は発光部22の「陰極側の内径」に対応する外面における表面温度であり、「陰極側の輝度」は発光部22を上方から見たときの陰極側の輝度である。「TCC」は赤外線放射温度計によって測定した。測定に用いた陰極側電極27の直径は0.15mmである。
【0068】
本発明は、アークの輝度の均一性を図ることを一つの目的としており、この目的を達成するためには「陽極側の輝度」に加えて「陰極側の輝度」が一定以上の値であることが必要とされる。
【0069】
従って、上記した測定データーにおいて、「陰極側の輝度」として100Mcd/m2を基準として、これ以上の輝度が得られた場合を良好なデーターとして判定した。「陰極側の輝度」の100Mcd/m2は、上記した「陽極側の輝度」の場合と同様に、25W(ワット)で駆動するタイプの放電灯において、35Wで駆動するタイプの放電灯と同等の輝度を確保するために必要とされる輝度である。
【0070】
図7は、図6に示すデーターにおける「距離dLC」と「陰極側の輝度」をXY平面上にプロットしたときのグラフ図である。
【0071】
図6及び図7に示すように、不活性ガスの含有比率が50%以上であり、距離dLCが1.00mm以下とされたデーターが良好なデーターとして判定された。
【0072】
尚、アークの輝度の均一性は発光部22における最冷点温度との関係が強く、アークの輝度の均一性を確保するためには、最冷点温度を一定以上の温度、例えば、950°C以上にすることが望ましい。放電灯10のように直流点灯方式を用いた場合には、通常、最冷点温度が上記した「TCC」となるが、良好なデーターとして判定されたものは、何れも「TCC」が950°C以上にされており、これらのデーターに適合する放電灯は最冷点温度の観点においてもアークの輝度の均一性を確保することができる。
【0073】
上記した図4乃至図7に示した測定データーにより、本発明の目的である陽極側のアークの輝度の低下を防止すると共にアークの輝度の均一性を図ることを達成するためには、以下の三つの条件(1)〜(3)を満足することが必要であることが解った。
【0074】
(1)外管20の内部における発光管21の外側の空間に封入されたシュラウドガスについて、不活性ガスの含有比率が50%以上であること。
【0075】
(2)陽極側電極28の陽極側対向面28aにおける上端Qから発光部22の内周面のうち上端Qの真上に位置する点P2までの距離dAが0.65mm以上であること。
【0076】
(3)陰極側電極27の陰極側対向面27aにおける中央(中心)M1から発光部22の内周面のうち中央M1の真下に位置する点P1までの距離dLCが1.00mm以下であること。
【0077】
また、発光部22の陽極側の大きさ(径)が大きくなり過ぎると、最冷点温度となる箇所が陽極側に生じる可能性があるため、最冷点温度を一定以上の温度、例えば、950°C以上にするためには、距離dLAを一定以下にすることが望ましい。950°C以上の最冷点温度を確保するためには、距離dLAを1.25mm以下にすることが望ましく、放電灯10においては、距離dLAが1.00mmにされ、950°C以上の最冷点温度が確保されることにより、アークの輝度の均一性が確保されている。
【0078】
以下に、放電灯における発光管の変形例について説明する(図8乃至図10参照)。
【0079】
先ず、第1の変形例と第2の変形例に係る放電灯について説明する。
【0080】
尚、以下に示す第1の変形例と第2の変形例に係る放電灯は、上記した放電灯10と比較して、陰極側電極と陽極側電極の上下方向における位置が異なること及び発光部の形状が異なることのみが相違する。従って、第1の変形例と第2の変形例に係る放電灯の説明においては、放電灯10と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については放電灯10における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0081】
第1の変形例に係る放電灯は、図8に示すように、発光管21Aが発光部22Aと発光部22Aの前後両端にそれぞれ連続する陰極側細管部23及び陽極側細管部24とによって構成されている。
【0082】
発光部22Aは第1の部材25の後端部25aと、第2の部材26Aの前半部26bとによって構成され、前半部26bの前端部における内側に後端部25aが嵌合された状態で形成されている。第2の部材26Aは垂直断面における外形状が略円形状に形成されている。
【0083】
陽極側電極28の軸中心は陰極側電極27の軸中心に対して、例えば、0.25mm下方に位置されている。
【0084】
第1の変形例に係る放電灯においては、例えば、距離dLCが1.00mm、距離dAが0.95mm、距離dLAが0.70mm、陰極側の内径が2.0mm、陽極側の内径が1.9mmにされている。
【0085】
第2の変形例に係る放電灯は、図9に示すように、発光管21Bが発光部22Bと発光部22Bの前後両端にそれぞれ連続する陰極側細管部23及び陽極側細管部24とによって構成されている。
【0086】
発光部22Bは第1の部材25の後端部25aと、第2の部材26Bの前半部26cとによって構成され、前半部26cの前端部における内側に後端部25aが嵌合された状態で形成されている。第2の部材26Bは垂直断面における外形状が縦長の長円状に形成されている。
【0087】
陽極側電極28の軸中心は陰極側電極27の軸中心に対して、例えば、0.25mm下方に位置されている。
【0088】
第2の変形例に係る放電灯においては、例えば、距離dLCが1.00mm、距離dAが0.95mm、距離dLAが0.70mm、陰極側の内径が2.0mm、陽極側の内径が1.9mmにされている。
【0089】
上記のように、第1の変形例と第2の変形例に係る放電灯は、陽極側電極28の軸中心が陰極側電極27の軸中心に対して下方に位置されている。従って、距離dAを大きくすると共に距離dLCを小さくすることを容易に行うことができ、放電灯の製造コストの増大を来たすことなく、陽極側のアークの輝度の低下を防止することができると共にアークの輝度の均一性を図ることができる。
【0090】
次に、第3の変形例に係る放電灯について説明する(図10参照)。
【0091】
尚、以下に示す第3の変形例に係る放電灯は、上記した放電灯10と比較して、発光管の形成状態が異なることのみが相違する。従って、第3の変形例に係る放電灯の説明においては、放電灯10と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については放電灯10における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
【0092】
第3の変形例に係る放電灯は、発光管21Cが発光部22Cと発光部22Cの前後両端にそれぞれ連続する陰極側細管部23及び陽極側細管部24とによって構成されている。
【0093】
発光部22Cは前側に位置する陰極側細管部23と一体に形成された第1の部材25Cの後半部25bと、後側に位置する陽極側細管部24と一体に形成された第2の部材26Cの前端部26dとによって構成され、後半部25bの後端部における内側に前端部26dが嵌合された状態で形成されている。
【0094】
陰極側電極27の軸中心と陽極側電極28の軸中心とは、例えば、同一直線上に位置されている。
【0095】
第3の変形例に係る放電灯においては、例えば、距離dLCが0.75mm、距離dAが0.75mm、距離dLAが1.00mm、陰極側の内径が1.5mm、陽極側の内径が2.0mmにされている。
【0096】
上記のように、第3の変形例に係る放電灯は、陽極側の内径が陰極側の内径より大きくされている。従って、距離dAを大きくすると共に距離dLCを小さくすることを容易に行うことができ、放電灯の製造コストの増大を来たすことなく、陽極側のアークの輝度の低下を防止することができると共にアークの輝度の均一性を図ることができる。
【0097】
尚、第3の変形例に係る放電灯においても、第1の変形例に係る放電灯や第2の変形例に係る放電灯と同様に、陽極側電極28の軸中心を陰極側電極27の軸中心に対して下方に位置させるようにすることも可能である。
【0098】
次に、放電灯10の発光部22における各部の寸法(距離)に関して、距離dAと距離dCについて説明する(図11参照)。
【0099】
距離dAは、上記したように、陽極側電極28の陽極側対向面28aにおける上端Qから発光部22の内周面のうち上端Qの真上に位置する点P2までの距離であり、距離dCは陰極側電極27の陰極側対向面27aにおける上端Rから発光部22の内周面のうち上端Rの真上に位置する点P3までの距離である。
【0100】
次に、上記した距離dA及び距離dCに関する測定データーについて説明する(図12参照)。
【0101】
図12は、「距離dA」と「距離dC」を変化させたときの「発光効率」、「アークの輝度ムラ」及び「放電灯の寿命」を測定したデーターを示す図表である。
【0102】
測定において、「アークの輝度ムラ」は「陽極側のアークの輝度/陰極側のアークの輝度」によって算出した値である。
【0103】
本発明は、陽極側のアークの輝度の低下を防止することを一つの目的としており、この目的を達成するためには「発光効率」が一定以上の値であることが必要とされ、「発光効率」が低いと光学性能が低下してしまう。
【0104】
従って、上記した測定データーにおいて、「発光効率」として100lm/Wを基準として、これ以上の値が得られた場合を良好なデーターとして判定した。
【0105】
また、本発明は、アークの輝度の均一性を図ることも一つの目的としており、この目的を達成するためには「アークの輝度ムラ」が一定の範囲の値であることが必要とされる。
【0106】
従って、上記した測定データーにおいて、「アークの輝度ムラ」として0.7〜1.3を基準として、この範囲の値が得られた場合を良好なデーターとして判定した。
【0107】
さらに、放電灯の良好な性能を持続するには、リークやクラックを生じることなく長時間の使用に耐える耐久性が必要とされ、「放電灯の寿命」(リーク等を生じない時間)が一定以上の値(時間)であることが必要とされる。
【0108】
従って、上記した測定データーにおいて、「放電灯の寿命」として2000時間を基準として、これ以上の値が得られた場合を良好なデーターとして判定した。
【0109】
図12に示すように、距離dAが0.9mm以上1.2mm以下、かつ、距離dCが0.7mm以上1.0mm以下の場合に「発光効率」、「アークの輝度ムラ」及び「放電灯の寿命」について何れも良好なデーターとして判定された。
【0110】
尚、上記したように、陰極側電極27の径は陽極側電極28の径より小さくされ、例えば、陽極側電極28の径の2分の1以下にされている。また、陰極側電極27の陰極側対向面27aから陽極側電極28の陽極側対向面28aまでの外周側に位置する発光部22の部分は略内径が同じにされている。
【0111】
従って、距離dAが0.9mm以上1.2mm以下、かつ、距離dCが0.7mm以上1.0mm以下であるため、陽極側対向面28aからその真上の発光部22の内面までの距離、即ち、距離dAは、陰極側対向面27aからその真上の発光部22の内面までの距離、即ち、距離dCより相対的に大きくされている。
【0112】
このように距離dAが距離dCより相対的に大きくされていることにより、高温となる陽極側のアークと発光部22の内面(内壁)とが接触し難くなるため、陽極側のアークから発光部22への放熱量が抑制され、発光効率の向上及び寿命性能の向上を図ることが可能になる。
【0113】
また、距離dAが距離dCより相対的に大きくされていることにより、高温となる陽極側のアークと発光部22の内面(内壁)とが接触し難くなるため、陽極側のアークが適正に形成され、陽極と陰極の間の良好な輝度バランスが確保され、アークの輝度の均一性が向上し光学性能の向上を図ることが可能になる。
【0114】
尚、一般に、交流点灯方式の放電灯はバラスト点灯回路によって交流点灯(極性の切替)を行っており、直流点灯方式の放電灯においてバラスト点灯回路の小型化、軽量化及び低コスト化を図るためには、極性切替を制御しているブリッジ回路を設けずに直流点灯を行う必要があるが、直流点灯方式の放電灯をこのような構成にした場合には発光効率の低下、アークの輝度ムラの発生及びクラックやリークによる寿命の低下を来たし光学性能が低下し易い。
【0115】
しかしながら、上記のように、距離dAが0.9mm以上1.2mm以下、かつ、距離dCが0.7mm以上1.0mm以下にされた直流点灯方式の放電灯10を用いることにより、交流点灯方式の放電灯と遜色のない「発光効率」、「アークの輝度ムラ」及び「放電灯の寿命」を確保することが可能である。
【0116】
従って、放電灯10を用いることにより、ブリッジ回路を設けない簡素化されたバラスト点灯回路を用いることが可能になり、小型化、軽量化及び低コスト化を図ることができる。
【0117】
上記した発明を実施するための最良の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】図2乃至図12と共に本発明車輌用放電灯及び水平点灯方式の放電灯の最良の形態を示すものであり、本図は、放電灯が備えられた車輌用前照灯の概略断面図である。
【図2】放電灯の拡大断面図である。
【図3】発光管等を示し距離dAや距離dLC等を説明するための拡大断面図である。
【図4】図5と共に距離dAに関する測定データーを示すものであり、本図は、陽極側の内径と距離dAを変化させたときの距離dAに対する陽極側の輝度を測定したデーターを示す図表である。
【図5】距離dAと陽極側の輝度をプロットしたときのグラフ図である。
【図6】図6と共に距離dLCに関する測定データーを示すものであり、本図は、陰極側の内径と距離dLCを変化させたときの距離dLCに対する陰極側の輝度を測定したデーターを示す図表である。
【図7】距離dLCと陰極側の輝度をプロットしたときのグラフ図である。
【図8】図9及び図10と共に放電灯の変形例を示すものであり、本図は、第1の変形例に係る放電灯の発光管等を示す拡大断面図と拡大背面図である。
【図9】第2の変形例に係る放電灯の発光管等を示す拡大断面図と拡大背面図である。
【図10】第3の変形例に係る放電灯の発光管等を示す拡大断面図である。
【図11】発光管等を示し距離dAや距離dC等を説明するための拡大断面図である。
【図12】距離dAと距離dCに関する測定データーを示すものであり、本図は、距離dAと距離dCを変化させたときの発光効率等を測定したデーターを示す図表である。
【符号の説明】
【0119】
7…リフレクター、10…放電灯、19…ベース、20…外管、21…発光管、22…発光部、23…陰極側細管部、24…陽極側細管部、27…陰極側電極、27a…陰極側対向面、28…陽極側電極、28a…陽極側対向面、21A…発光管、22A…発光部、21B…発光管、22B…発光部、21C…発光管、22C…発光部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流点灯方式によって発光される車輌用放電灯であって、
ベースに取り付けられた外管と、
発光部と前記発光部を挟んだ反対側において前記発光部に連続して設けられ前記ベース側に位置する陽極側細管部及び前記ベースの反対側に位置する陰極側細管部とから成り前記外管の内部に配置されセラミックによって形成された発光管と、
少なくとも一部が前記陽極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陽極側対向面として形成された陽極側電極と、
少なくとも一部が前記陰極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陰極側対向面として形成された陰極側電極とを備え、
前記外管の内部における前記発光管の外側に、不活性ガスのみによって構成された気体又は混合比率が50%以下にされた窒素と混合比率が50%以上にされた不活性ガスとによって構成された混合気体が封入され、
前記陽極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dAが0.65mm以上にされ、
前記陰極側対向面における中央から前記発光部の内周面のうち前記中央の真下に位置する点までの距離dLCが1.00mm以下にされた
ことを特徴とする車輌用放電灯。
【請求項2】
前記発光部の内径のうち前記陽極側対向面を含む面が交わる部分の大きさが、前記発光部の内径のうち前記陰極側対向面を含む面が交わる部分の大きさより大きくされた
ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用放電灯。
【請求項3】
前記陽極側電極の中央が前記陰極側電極の中央より下方に位置された
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輌用放電灯。
【請求項4】
直流点灯方式によって発光される水平点灯方式の放電灯であって、
ベースに取り付けられた外管と、
発光部と前記発光部を挟んだ反対側において前記発光部に連続して設けられ前記ベース側に位置する陽極側細管部及び前記ベースの反対側に位置する陰極側細管部とから成り前記外管の内部に配置されセラミックによって形成された発光管と、
少なくとも一部が前記陽極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陽極側対向面として形成された陽極側電極と、
少なくとも一部が前記陰極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陰極側対向面として形成された陰極側電極とを備え、
前記陽極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dAが0.9mm以上1.2mm以下にされ、
前記陰極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dCが0.7mm以上1.0mm以下にされた
ことを特徴とする水平点灯方式の放電灯。
【請求項1】
直流点灯方式によって発光される車輌用放電灯であって、
ベースに取り付けられた外管と、
発光部と前記発光部を挟んだ反対側において前記発光部に連続して設けられ前記ベース側に位置する陽極側細管部及び前記ベースの反対側に位置する陰極側細管部とから成り前記外管の内部に配置されセラミックによって形成された発光管と、
少なくとも一部が前記陽極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陽極側対向面として形成された陽極側電極と、
少なくとも一部が前記陰極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陰極側対向面として形成された陰極側電極とを備え、
前記外管の内部における前記発光管の外側に、不活性ガスのみによって構成された気体又は混合比率が50%以下にされた窒素と混合比率が50%以上にされた不活性ガスとによって構成された混合気体が封入され、
前記陽極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dAが0.65mm以上にされ、
前記陰極側対向面における中央から前記発光部の内周面のうち前記中央の真下に位置する点までの距離dLCが1.00mm以下にされた
ことを特徴とする車輌用放電灯。
【請求項2】
前記発光部の内径のうち前記陽極側対向面を含む面が交わる部分の大きさが、前記発光部の内径のうち前記陰極側対向面を含む面が交わる部分の大きさより大きくされた
ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用放電灯。
【請求項3】
前記陽極側電極の中央が前記陰極側電極の中央より下方に位置された
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輌用放電灯。
【請求項4】
直流点灯方式によって発光される水平点灯方式の放電灯であって、
ベースに取り付けられた外管と、
発光部と前記発光部を挟んだ反対側において前記発光部に連続して設けられ前記ベース側に位置する陽極側細管部及び前記ベースの反対側に位置する陰極側細管部とから成り前記外管の内部に配置されセラミックによって形成された発光管と、
少なくとも一部が前記陽極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陽極側対向面として形成された陽極側電極と、
少なくとも一部が前記陰極側細管部から前記発光部に突出された状態で前記発光管の内部に配置されると共に前記発光部に位置された軸方向における一端面が陰極側対向面として形成された陰極側電極とを備え、
前記陽極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dAが0.9mm以上1.2mm以下にされ、
前記陰極側対向面における上端から前記発光部の内周面のうち前記上端の真上に位置する点までの距離dCが0.7mm以上1.0mm以下にされた
ことを特徴とする水平点灯方式の放電灯。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−199229(P2012−199229A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−39800(P2012−39800)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】
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