軽量盛土及び軽量盛土工法
【課題】硬質発泡体の反りを抑えることができる軽量盛土及び軽量盛土工法の提供を目的とする。
【解決手段】中空ブロック310を発泡原料不透過性の部材41で外周が覆われた状態で地盤21上の基礎25の上に設け、発泡原料を吐出して発泡形成した硬質発泡体51内に、発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック310を埋設した軽量盛土の構造とし、硬質発泡体の発泡形成時の発熱による硬質発泡体の温度上昇を、中空ブロック310が埋設された空間32によって抑え、硬質発泡体51の上部と底部の温度差を少なくして硬質発泡体51の反りを生じ難くした。
【解決手段】中空ブロック310を発泡原料不透過性の部材41で外周が覆われた状態で地盤21上の基礎25の上に設け、発泡原料を吐出して発泡形成した硬質発泡体51内に、発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック310を埋設した軽量盛土の構造とし、硬質発泡体の発泡形成時の発熱による硬質発泡体の温度上昇を、中空ブロック310が埋設された空間32によって抑え、硬質発泡体51の上部と底部の温度差を少なくして硬質発泡体51の反りを生じ難くした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量盛土及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、傾斜地における道路の拡幅や、平地の土手等の形成に軽量盛土工法が採用されている(特許文献1、2)。
現場発泡軽量盛土工法は、図15の(A)、(B)に示すように、地盤91に形成した基礎92の上に硬質発泡体用の発泡原料94を吐出し発泡させることにより硬質発泡体95を形成し、その後に硬質発泡体95の上にコンクリート層等からなる保護層(図示せず)を設ける工法であり、保護層の上には覆土等が設けられる。符号93HはH鋼等の支柱、93は擁壁等の壁面材である。
【0003】
軽量盛土工法は、発泡原料を施工現場で吐出して硬質発泡体を形成するため、従来の土を用いる工法よりも作業が容易である。しかも、形成した軽量盛土は、重い土に代えて軽量な硬質発泡体で構成されているため、地盤に加わる荷重が少なく、盛土体全体が安定する利点がある。
【0004】
しかしながら、硬質発泡体95を形成する発泡原料94は、発泡時に発熱し、しかも発泡後の硬質発泡体95が独立気泡構造からなるため熱伝導率が非常に小さく、発泡時に発生した熱が内部に溜まりやすい。そのため、図15の(C)に示すように発泡後の硬質発泡体95は外部に近い硬質発泡体95の上面付近95aと、外部から遠く離れた硬質発泡体の底部付近95bとでは冷却速度が大きく異なる。
【0005】
例えば、硬質ポリウレタン発泡体(熱伝導率は0.03W/m・K)では、施工高さ3.5m、幅員8mの軽量盛土を形成した際に、硬質ポリウレタン発泡体の内部温度を、硬質発泡体の平面視中央部分における上面から20cm下、1m下、2m下、3m下の4箇所で測定した結果、上面から20cmの位置では発泡後24時間で外気温と等しくなったが、それ以外の位置、すなわち表面から1m下、2m下、及び3m下の位置では、1週間経過後も100℃以上であった。その結果、硬質発泡体95が常温に低下する際、硬質発泡体95の上面付近95aと底部付近95bとで収縮量が異なることになって、硬質発泡体95の両端で反り上がる反りが発生し、その後の保護層の施工等に支障を生じる問題がある。一般的な軽量盛土の断面形状は、幅員0.5〜25m、高さ0.1m〜20mであり、幅員が広く、施工高さが低いほど反りを生じやすい傾向にある。例えば、幅員5m、施工高さ1mの場合には、端部が10cm程反り上がる。
【0006】
なお、前記壁面材93や、該壁面材93を支持する支柱93Hは、前記発泡原料の発泡時における接着性により硬質発泡体95と接着しているため、前記硬質発泡体95の収縮によって壁面材93や支柱93Hが変形するようになる。前記壁面材93や支柱93Hの変形を防止するための方法については種々提案されている(特許文献3、4)。しかしながら、提案されている変形防止方法は何れも壁面材や支柱の変形防止であり、硬質発泡体自体の反りを抑える技術については提案されていなかった。さらに軽量盛土内に水が侵入して軽量盛土の下部で水位が上昇した場合には、軽量盛土に浮力が発生して軽量盛土上の舗装面に悪影響を与えるおそれがある。
【0007】
また、近年、大雨時の災害を防ぐため、道路等の地下に、一時的な雨水の滞留部として滞水材を埋設し、該滞水材が埋設された空間に雨水を一旦滞留させるようにした地下貯水槽が提案されている(特許文献5、6)。
しかしながら、地中に埋設された滞水材は、例えば、上方に向かって凹凸の形成された樹脂製の板状体等が用いられているため、上方の土等により加わる大きな荷重によって変形するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−303083号公報
【特許文献2】特開2006−37527号公報
【特許文献3】特許第4384507号公報
【特許文献4】特開2009−167694号公報
【特許文献5】特開2010−013849号公報
【特許文献6】特許第3739296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、硬質発泡体の反りを抑えることができる軽量盛土及び軽量盛土工法の提供を目的とする。さらに本発明は、軽量盛土内に水が侵入して軽量盛土の下部で水位が上昇した場合に、軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる軽量盛土及び軽量盛土工法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、地盤の基礎上に形成した硬質発泡体の上に保護層を備える軽量盛土において、中空ブロックが発泡原料不透過性の部材で外周を覆われた状態で前記基礎上に配置され、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上に前記硬質発泡体が積層されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1において、前記硬質発泡体は、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側面の一部又は全部を覆う外周部と、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上および前記外周部の上に位置する軽量盛土部とからなることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記中空ブロックが配置された空間と前記硬質発泡体の外部が連通していることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記中空ブロックの複数が前記基礎上に一段で配置され、あるいは積層された複数段で配置され、前記複数の中空ブロックからなる中空ブロック集合体の外周が前記発泡原料不透過性の部材で覆われていることを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記中空ブロックが配置された空間に水を滞留させることができ、前記発泡原料不透過性の部材は、少なくとも一部が発泡原料不透過性及び透水性を有する部材からなり、前記硬質発泡体の外部と前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材とが連通し、前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材と前記中空ブロックが配置された空間とが連通していることを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記中空ブロックが配置された空間に水を滞留させることができ、前記硬質発泡体内には、前記硬質発泡体の外部と前記中空ブロックが配置された空間とを連通する水流入路と、前記中空ブロックが配置された空間と前記硬質発泡体の外部とを連通する排水路が設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、地盤の基礎上に硬質発泡体の発泡原料を吐出して硬質発泡体を形成し、前記硬質発泡体の上に保護層を設ける軽量盛土工法において、前記基礎上に中空ブロックを配置して該中空ブロックの外周を発泡原料不透過性の部材で覆い、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上に前記発泡原料を吐出して発泡させることにより前記硬質発泡体を形成し、その後、前記硬質発泡体の上に前記保護層を設けることを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項7において、前記発泡原料を吐出して前記硬質発泡体を形成する工程は、前記発泡原料を、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側部に吐出して発泡させることにより、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側面の一部又は全部を覆う硬質発泡体からなる外周部を形成する外周部形成工程と、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上及び前記硬質発泡体からなる外周部の上に前記発泡原料を吐出して発泡させることにより、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの上および前記外周部の上に位置する硬質発泡体からなる軽量盛土部を形成する軽量盛土部形成工程とよりなることを特徴とする。
【0018】
請求項9の発明は、請求項7または8において、前記中空ブロックの複数を前記基礎上に一段で配置し、あるいは積層した複数段で配置し、前記複数の中空ブロックからなる中空ブロック集合体の外周を前記発泡原料不透過性の部材で覆うことを特徴とする。
【0019】
請求項10の発明は、請求項7から9の何れか一項において、前記中空ブロックが配置された空間に一端が通じ、他端が発泡後の前記硬質発泡体の外部と通じることとなるようにパイプを配置して前記発泡原料の吐出及び発泡を行うことを特徴とする。
【0020】
請求項11の発明は、請求項10において、前記発泡時及び発泡後の何れか一方あるいは両方において、前記中空ブロックが配置された空間の空気を前記パイプの他端に接続した吸気装置で吸引し、前記硬質発泡体の外部へ排出することを特徴とする。
【0021】
請求項12の発明は、請求項10において、前記発泡時及び発泡後の何れか一方あるいは両方において、前記中空ブロックが配置された空間に、前記パイプの他端に接続した送気装置で前記硬質発泡体の外部の空気を吹き込むことを特徴とする。
【0022】
請求項13の発明は、請求7から12の何れか一項において、前記中空ブロックが配置された空間に水を滞留させることができ、前記中空ブロックが配置された空間に一端が通じ、他端が発泡後の前記硬質発泡体の外部と通じることとなるように水流入パイプと排水パイプを配置して前記発泡原料の吐出及び発泡を行うことを特徴とする。
【0023】
請求項14の発明は、請求項13において、前記発泡原料不透過性の部材は、少なくとも一部が発泡原料不透過性及び透水性を有する部材からなり、前記水流入パイプは、一端を前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材の位置とし、他端が発泡後の前記硬質発泡体の外部と通じることとなるように配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の発明の軽量盛土によれば、中空ブロックの配置された空間が冷却空間となるため、発泡原料を吐出して硬質発泡体を形成する際に発泡原料の発熱による硬質発泡体の温度上昇を抑えることができ、硬質発泡体の上部と底部で温度差が小さくなり、硬質発泡体の反りを抑えることができる。また軽量盛土を形成する硬質発泡体の下層に中空ブロックが位置するため、中空ブロックの最下位置の水平面において、中空ブロックの配置された空間と前記硬質発泡体の外部とを連通させれば、周辺の水位が上昇して軽量盛土が浸水した場合も、中空ブロックの配置された空間に水が貯留され、軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる。
【0025】
請求項2の発明の軽量盛土によれば、硬質発泡体の外周部が軽量盛土部端部と一体となっているため軽量盛土部端部の重量が増加し、また中空ブロックの側面と外周部の摩擦抵抗によって、硬質発泡体の反りをいっそう抑えることができる。
【0026】
請求項3の発明の軽量盛土によれば、中空ブロックが配置された空間と前記硬質発泡体の外部が連通しているため、中空ブロックが配置された空間の暖まった空気を外部の空気と換気することができ、硬質発泡体に対する冷却効果を高め、硬質発泡体の上部と底部の温度差による反りをいっそう抑えることができる。
【0027】
請求項4の発明の軽量盛土によれば、中空ブロックの並置数及び積層数を調整することにより、施工場所に応じて中空ブロックを配置することができる。
【0028】
請求項5及び6の発明の軽量盛土によれば、中空ブロックが配置された空間を地下貯水槽として利用することができ、しかも地下貯水槽(中空ブロック)の上方が重い土に変わって軽い硬質発泡体で構成されているため、地下貯水槽(中空ブロック)に加わる荷重を軽減し、地下貯水槽(中空ブロック)が変形・破壊するおそれを無くすことができる。また断熱性、気密性の高い硬質発泡体で地下貯水槽が覆われるため、貯留水の凍結を低減できる。
【0029】
請求項7及び8の発明の軽量盛土工法によれば、発泡原料を吐出して硬質発泡体を形成する際及びその後に、中空ブロックの配置された空間が冷却空間となり、発泡原料の発泡時の発熱による硬質発泡体の温度上昇を抑えて硬質発泡体の上部と底部の温度差を小さくすることができ、硬質発泡体に反りが発生するのを抑えることができる。
【0030】
請求項9の発明の軽量盛土工法によれば、中空ブロックの並置数及び積層数を調整することにより、施工場所に応じて中空ブロックを配置することができる。
【0031】
請求項10の発明の軽量盛土工法によれば、中空ブロックが配置された空間と前記硬質発泡体の外部が連通しているため、中空ブロックが配置された空間の暖まった空気を発泡原料の発泡時及び発泡後に外部の空気と換気することができ、硬質発泡体に対する冷却効果を高め、硬質発泡体の上部と底部の温度差による反りをいっそう抑えることができる。
【0032】
請求項11の発明の軽量盛土工法によれば、中空ブロックが配置された空間の暖まった空気を、発泡原料の発泡時と発泡後の何れか一方あるいは両方の時点において硬質発泡体の外部へ強制的に排出できるため、硬質発泡体に対する冷却効果を高め、硬質発泡体の上部と底部の温度差をさらに小さくして硬質発泡体の反りをいっそう抑えることができる。
【0033】
請求項12の発明の軽量盛土工法によれば、発泡原料の発泡時と発泡後の何れか一方あるいは両方の時点において、中空ブロックが配置された空間に硬質発泡体の外部から空気を吹き込んで冷却することができるため、硬質発泡体に対する冷却効果を高め、硬質発泡体の上部と底部の温度差をさらに小さくして硬質発泡体の反りをいっそう抑えることができる。
【0034】
請求項13及び14の発明の軽量盛土工法によれば、中空ブロックが配置された空間を地下貯水槽として利用することができ、しかも地下貯水槽(中空ブロック)の上方が重い土に変わって軽い硬質発泡体で構成されているため、地下貯水槽(中空ブロック)に加わる荷重を軽減し、地下貯水槽(中空ブロック)が変形・破壊するおそれの無い軽量盛土を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施形態の軽量盛土の構造を示す断面図である。
【図2】中空ブロックの一例を示す斜視図と断面図である。
【図3】図2に示した中空ブロックの積層状態の一部を示す斜視図である。
【図4】中空ブロックの他例を示す斜視図である。
【図5】図4に示した中空ブロックの積層状態の一部を示す斜視図である。
【図6】第1実施形態の軽量盛土工法における中空ブロックの積層及び発泡原料の吐出・発泡の繰り返しを示す断面図である。
【図7】第1実施形態の軽量盛土工法における発泡原料の吐出・発泡の繰り返しを示す断面図である。
【図8】第1実施形態の軽量盛土工法における残りの発泡原料の吐出・発泡の繰り返しを示す断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態の軽量盛土の構造を示す断面図である。
【図10】第2実施形態の軽量盛土工法における中空ブロックの積層及び発泡原料の吐出・発泡の繰り返しを示す断面図である。
【図11】第2実施形態の軽量盛土工法における発泡原料の吐出・発泡の繰り返しを示す断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態の軽量盛土の構造を示す断面図である。
【図13】本発明の第4実施形態の軽量盛土の構造を示す断面図である。
【図14】反り及び温度測定用硬質発泡体の実施例の平面図と反りの結果を示す実施例及び比較例の側面図である。
【図15】従来の軽量盛土工法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の軽量盛土及び軽量盛土工法の実施形態について説明する。
図1に示す第1実施形態の軽量盛土は、山等の斜面11に形成されたものであり、斜面11の一部に形成された地盤21のほぼ平坦な上に基礎25が設けられ、前記基礎25の上に中空ブロック集合体31が、その外周が発泡原料不透過性の部材41で覆われた状態で配置され、前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上に硬質発泡体50が形成されている。前記硬質発泡体50の上には保護層61を備え、さらに前記保護層61の上にアスファルトや覆土による舗装63が設けられる。
【0037】
前記基礎25は、地盤21上に打設されたコンクリートあるいはコンクリート板、土砂等で構成される。前記斜面11あるいは基礎25の表面には、必要に応じてプライマーが塗布される。前記基礎25の谷側端部には、H鋼等からなる支柱26が所定間隔で立設され、前記支柱26の外側に壁面材27が取り付けられている。前記支柱26は、支柱26と対向する斜面11に取り付けられた受圧板13にタイロッド15により連結されている。前記受圧板13はアンカー14により斜面11に固定されている。
【0038】
前記中空ブロック集合体31は、本実施形態では、複数の中空ブロック310が複数段積層された集合体からなり、水平方向にも前記中空ブロック310が複数並置されている。前記中空ブロック310は、一部に中空部を有する立体であり、種々のものを使用することができる。特に空隙率が90%以上のものが好ましい。前記中空ブロック310の具体的な例として、格子状の面によりカゴ状(バスケット状)とされて一側が開口し、前記カゴ状の内部が中空部を構成しているもの、または複数の孔が形成された面によりカゴ状(バスケット状)とされて一側が開口し、前記カゴ状の内部が中空部を構成しているもの、あるいは複数の孔を有する板状体に一側へ向けて突出した凸部が複数形成され、前記凸部の内部が中空部を構成しているものなどを挙げることができる。なお、前記中空ブロックの配置スペースが狭い場合、あるいは中空ブロックの剛性が充分に高い場合には、前記中空ブロック集合体に代えて1つの中空ブロックのみを前記基礎25上に配置してもよい。
【0039】
前記中空ブロック310の一例を図2に示す。図2に示す中空ブロック320は、複数の孔321が形成された壁面322でカゴ状(バスケット状)とされた剛性を有するものであり、前記壁面322で囲まれたカゴ状の内部が中空部を構成し、ポリプロピレン等の樹脂で構成されている。さらに、前記壁面322のうち、開口側とは反対の面を構成する壁面には開口側へ向かって窪んだ筒状の凹部324が形成され、該凹部324によって中空ブロック320の強度が高められている。また、前記凹部324に芯材を入れることにより更に強度を高めることができる。前記凹部324の底部には孔325が形成されている。前記中空ブロック320の開口端の外周にはフランジ326が溝状に形成されている。前記中空ブロック320は、開口側とは反対側へ向かってすぼんだ形状とされ、適宜のサイズで形成されている。前記中空ブロック320は、図3に示すように、最下段の一段目については開口側が上を向くようにし、その上の二段目は、開口側が下を向くようにし、さらにその上の三段目は開口側が上を向くように、交互に開口側が反対を向くようにして、軽量盛土の高さに応じて複数段積層され、また、施工場所のスペースに応じて水平方向に所定数並べて前記基礎25上に配置される。なお、前記中空ブロック320は、サイズの異なるものを組み合わせて積層してもよい。また、途中から積層する数を変更して、図1のように斜面11側へ張り出すようにしてもよい。軽量盛土の高さが低い場合などにおいては、前記中空ブロック320の複数を、前記基礎25上に複数段に積層することなく水平方向に並べて一段で配置して前記中空ブロック集合体31を構成してもよい。
【0040】
図4に示す他の例の中空ブロック330は、複数の孔331を有する板状体332に一側へ向けて突出した凸部333が複数形成されたものであり、前記凸部333の内部が中空部を構成し、ポリプロピレン等の樹脂で構成されている。前記凸部333は筒状からなり、前記凸部333の端面に孔334が形成されている。前板状体332の凸部側の面及び前記凸部333の基部にはリブ335、336が立設され、該リブ335、336によって、前記中空ブロック330の強度が高められている。前記中空ブロック330は適宜のサイズで形成されている。また、前記中空ブロック330は、図5に示すように、最下段の一段目については前記凸部333を上向きにし、その上の二段目は前記凸部333が下を向くようにし、さらにその上の三段目は凸部333が上を向くようにし、交互に凸部333が反対を向くようにして軽量盛土の高さに応じて複数積層され、施工場所のスペースに応じて水平方向に所定数並べて前記基礎25上に配置される。また、前記中空ブロック330は、サイズの異なるものを組み合わせて積層してもよい。また、途中から積層する数を変更して、図1のように斜面11側へ張り出すようにしてもよい。なお、軽量盛土の高さが低い場合などにおいては、前記中空ブロック330は、前記基礎25上に複数段に積層することなく水平方向に並べて一段で配置して前記中空ブロック集合体31を構成してもよい。
【0041】
前記発泡原料不透過性の部材41は、硬質発泡体50の発泡形成時に発泡原料が前記中空ブロック310が配置された空間内に進入するのを防止するものであり、硬質発泡体の発泡原料を不透過とする材質で構成されている。前記発泡原料不透過性の部材41としては、金属シート、金属板、樹脂シートあるいは樹脂板等を挙ることができる。図示されるように、前記発泡原料不透過性の部材41が前記中空ブロック集合体31の全面を包むように設けられるような場合、すなわち前記硬質発泡体50との接触部分と非接触部分(基礎25との接触部分)とを連結して有する場合には、前記硬質発泡体50との接触部から非接触部(基礎25との接触部分)への熱伝導による放熱作用が促されるので、前記発泡原料不透過性の部材41として、アルミニウム等の金属シートあるいは金属板が好ましい。前記発泡原料不透過性の部材41は、図示の例では、前記中空ブロック集合体31の全面を包むように設けられているが、前記中空ブロック集合体31の底面(基礎25との接触部分)を除き、側面及び上面のみを覆うように設けてもよい。
【0042】
本実施形態の前記硬質発泡体50は、前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の側面の一部又は全部を覆う外周部501と、前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上および前記外周部501の上に位置する軽量盛土部502とからなる。
【0043】
前記硬質発泡体50は、施工現場で発泡可能なポリウレタン樹脂、ポリイソシアヌレート、ポリアミド、ポリイミド、ウレア等が挙げられる。特には、吐出成形(スプレー成形)可能な硬質ポリウレタン発泡体が好ましい。硬質ポリウレタン発泡体は、ウレタン変成、カルボジイミド変成等の変成ポリイソシアネート、クルードTDI、ポリメリックMDI、TDIプレポリマー等のイソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールの双方あるいは何れか一方からなるポリオールと、アミン触媒等の触媒と、水等の発泡剤等とで構成される発泡原料から発泡形成される公知のものである。前記硬質発泡体50は、前記基礎25上に配置された前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上に発泡原料を吐出し、発泡させることにより形成される。その際、前記硬質発泡体50の外周部501は、発泡原料を、前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の側部に吐出して発泡させることにより形成され、一方、前記硬質発泡体50の軽量盛土部502は、発泡原料を前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上及び前記硬質発泡体からなる外周部501の上に吐出して発泡させることにより形成される。前記硬質発泡体50の形成により、前記硬質発泡体50内に前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31が埋設される。前記発泡原料の発泡時及び発泡後、前記中空ブロック310が配置された空間(中空ブロック310が存在する部分)32は冷却空間として作用し、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体50の温度上昇を抑え、前記硬質発泡体50の上部と底部の温度差を小さくし、前記温度差による硬質発泡体50の反りの発生を抑えることができる。
【0044】
さらに、前記第1実施形態の軽量盛土では、前記硬質発泡体50の外部と前記中空ブロック310が配置された空間32とを連通するパイプ71、72が設けられている。前記パイプ71、72は、樹脂パイプが好ましい。前記パイプ71、72は、図示の例では、一端が前記発泡原料不透過性の部材41を貫通して前記中空ブロック310が配置された空間32に通じ、他端が前記硬質発泡体50の外部の前記壁面材27を貫通して軽量盛土の外部と通じている。前記パイプ71、72は、前記中空ブロック310が配置された空間32の換気口として作用し、前記発泡原料の発泡時に生じる発熱による硬質発泡体50の温度低下を促進すると共に、前記硬質発泡体50の上部及び底部の温度差を一層小さくして硬質発泡体の反りの発生を抑えることができる。また、軽量盛土周囲で水位が上昇することがあっても、前記中空ブロック310の配置された空間32の内外を通じている前記パイプ71、72を通って、前記中空ブロックの配置された空間32に水が流入して貯留され、軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる。
【0045】
前記保護層61は、前記硬質発泡体50の表面に打設されたコンクリート層や積層された樹脂製シート等で構成される。
【0046】
前記第1実施形態の軽量盛土を形成する軽量盛土工法について説明する。第1実施形態の軽量盛土工法は、基礎形成工程、硬質発泡体形成工程、仕上げ工程とよりなる。
基礎形成工程では、まず、前記斜面11及び地盤21を掘削して所定の幅の地盤表面を形成し、前記地盤21の表面にコンクリートを打設し、あるいはコンクリート板や土砂等を配置して前記基礎25を形成する。前記斜面11及び基礎25の表面には、必要に応じてプライマーを塗布する。前記基礎25の斜面11と対向する谷側端部にはH鋼等からなる前記支柱26を所定間隔で立設し、前記斜面11に取り付けた受圧板13にタイロッド15により前記支柱26を連結する。前記受圧板13はアンカー14により斜面11に固定しておく。また、前記支柱26の外側に壁面材27を取り付ける。
【0047】
硬質発泡体形成工程では、まず、前記基礎25上に前記中空ブロック310を所定数配置し、該複数の中空ブロックからなる中空ブロック集合体31の外周を前記発泡原料不透過性の部材41で覆い、図1で示したパイプ71、72を、前記発泡原料不透過性の部材41を貫通して一端が前記中空ブロック310の配置された空間に至り、他端が前記壁面材27を貫通して外部と通じるように配置する。その後、前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上に前記発泡原料を吐出して発泡させることにより前記硬質発泡体50を形成し、前記硬質発泡体50内に前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31を埋設する。その際、前記硬質発泡体50の外周部501については、前記発泡原料を、前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の側部に吐出して発泡させる外周部形成工程により形成し、一方、前記硬質発泡体50の軽量盛土部502については、前記発泡原料を前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上及び前記硬質発泡体からなる外周部501の上に吐出して発泡させる軽量盛土部形成工程により形成する。
【0048】
前記硬質発泡体形成工程においては、前記硬質発泡体50の充填不足を防ぐため、前記硬質発泡体50の発泡を複数回に分けて行うのが好ましい。また、前記中空ブロック310の配置は、前記中空ブロック310の積層を複数回に分けて行ってもよい。前記中空ブロック310の積層及び硬質発泡体50の発泡を複数回に分けて行う場合の一例について、図6〜図8を用いて説明する。
まず、図6の(6A)に示すように、前記基礎25上に前記発泡原料不透過性の部材41を配置した後、前記中空ブロック310を所定数積層し、前記中空ブロック310の積層体の底面及び側面を前記発泡原料不透過性の部材41で覆う。
【0049】
この段階で積層する前記中空ブロック310の段数は、最終的に積層する段数よりも少なくする。前記中空ブロック310の積層は、前記中空ブロック310が図2及び図3に示したカゴ状(バスケット状)からなる中空ブロック320の場合、一段目については開口側が上を向くようにし、その上には開口側が下を向くようにし、さらにその上には開口側が上を向くようにして、交互に開口側が反対を向くようにする。一方、前記中空ブロック310が、図4に示した複数の孔331を有する板状体332に凸部333が複数形成された中空ブロック330の場合、一段目については前記凸部333を上向きにし、その上には前記凸部333が下を向くようにし、さらにその上には凸部333が上を向くようにして、交互に凸部333が反対を向くようにする。また、施工場所のスペースに応じて、前記中空ブロック310は横に所定数並べて前記基礎25上に配置される。
【0050】
なお、前記発泡原料不透過性の部材41は、今回形成した中空ブロック310の底面及び側面を覆うことができる大きさの金属シートあるいは樹脂シート等を、前記基礎25上に広げて配置し、前記発泡原料不透過性の部材41上に前記中空ブロック310を所定数積層した後、前記中空ブロック310の外側にはみ出した発泡原料不透過性の部材41を上方へ引き上げて、前記積層した中空ブロック310の側面を覆うようにしてもよい。さらに、前記発泡原料不透過性の部材41は、前記中空ブロック310が全て積層された大きさのもの(すなわち前記中空ブロック集合体)を包むことができる大きさのものを用意し、今回積層した中空ブロック310の外周にはみ出した部分を、今回積層した中空ブロック310の最上面に配置して発泡原料の注入・発泡を行ってもよい。また、前記発泡原料不透過性の部材41は、今回積層した中空ブロック310の側面のみを包囲するようにしてもよい。なお、前記発泡原料不透過性の部材41は、積層した中空ブロック310の側面に、接着によりあるいは紐等により固定する。
【0051】
また、図1で示したパイプ71を、前記発泡原料不透過性の部材41を貫通して一端が前記中空ブロック310が配置された空間に至り、他端が前記壁面材27を貫通して外部と通じるように配置する。
その後、前記発泡原料500を積層された前記中空ブロック310の側部、すなわち積層された前記中空ブロック310と前記斜面11及び壁面材27との間の空間に、発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出し、図6の(6B)に示す第一層の硬質発泡体511を積層された前記中空ブロック310の側部に形成する。前記発泡原料500の吐出量は、発泡形成する第一層の硬質発泡体511が、前記中空ブロック310の最上面とほぼ等しい高さとなる量とする。
【0052】
次に、図6の(6B)に示すように、前回積層した中空ブロック310の最上面に、再び前記中空ブロック310を所定数積層し、前記中空ブロック310の最上面を除く側面周囲を前記発泡原料不透過性の部材41で覆い、さらに別のパイプ72を、前記発泡原料不透過性の部材41を貫通して一端が前記中空ブロック310が配置された空間に至り、他端が前記壁面材27を貫通して外部と通じるように配置する。その後、前記発泡原料500を前記第一層の硬質発泡体511上に発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出し、図7の(7A)に示す第二層の硬質発泡体512を今回積層した前記中空ブロック310の側部に形成する。
【0053】
次に、図7の(7A)に示すように、前回積層した中空ブロック310の最上面に、再び前記中空ブロック310を所定数積層し、今回積層した中空ブロック310の最上面を除く側面周囲を前記発泡原料不透過性の部材41で覆い、前記発泡原料500を第二層の硬質発泡体512上に発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出し、図7の(7B)に示す第三層の硬質発泡体513を今回積層した前記中空ブロック310の側部に形成し、前記第一層の硬質発泡体511と前記第二層の硬質発泡体512と前記第三層の硬質発泡体513の積層体からなる前記硬質発泡体の外周部501を形成する。また、今回までに積層した前記中空ブロック310の積層体によって前記中空ブロック集合体31が構成される。
【0054】
次に、図7の(7B)に示すように、前記中空ブロック集合体31の上面を前記発泡原料不透過性の部材41で覆い、前記第三層の硬質発泡体513の上(すなわち前記硬質発泡体50の外周部501の上)及び前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上に、前記発泡原料500を発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出する。そして図8の(8A)に示すように前記第四層の硬質発泡体514を、前記第三層の硬質発泡体513(すなわち前記硬質発泡体50の外周部501)及び前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上に形成する。その後、必要に応じて、前記発泡原料の吐出・発泡を繰り返して所定の高さになるまで硬質発泡体を積層し、図8の(8B)に示すように、前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上および前記外周部501の上に位置する前記硬質発泡体の軽量盛土部502を形成する。なお、所定の高さまで積層した前記硬質発泡体(511等)は、発泡時の接着性により接着して前記外周部501及び軽量盛土部502を形成し、さらに前記外周部501及び軽量盛土部502が接着一体化して図1の硬質発泡体50となる。
【0055】
前記発泡原料500の発泡時及び発泡後、前記中空ブロック310が配置された空間32は冷却空間として作用し、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体の温度低下を促進し、前記硬質発泡体50の上部と底部の温度差を小さくする。特に温度差の大きくなる軽量盛土部502の上部と底部の温度差を小さくできる。さらに、前記中空ブロック310が配置された空間32内の空気が複数の前記パイプ71、72によって換気され、外部の空気が前記中空ブロック310の配置された空間32内に流入して硬質発泡体50を内部から冷却するため、前記硬質発泡体50の上部と底部の温度差を一層小さくすることができる。複数の前記パイプ71、72は相対的に上下の位置関係があり、前記中空ブロック310が配置された空間32内で暖められた空気が相対的に上方のパイプ72より排出され、相対的に下方のパイプ71より外気が吸気される対流が生じることで換気される。また、前記発泡原料の発泡時及び発泡後の何れか一方または両方において、前記パイプ71、72のうち、一方のパイプ72の外端に接続した吸気装置Vによって、前記中空ブロック310が配置された空間32内の空気を強制的に外部に排気することを行えば、前記硬質発泡体50の底部までさらに短時間で冷却することができ、前記硬質発泡体50の上部と底部の温度差を一層小さくすることができる。そのため、前記硬質発泡体50における反りの発生をより効果的に抑えることができる。特に軽量盛土部502の上部と底部の温度差を小さくでき、前記軽量盛土部502の反りの発生を抑えることができる。また、前記吸気装置Vに代えて送気装置Wを前記パイプ71、72のうち、一方のパイプ72の外端に接続し、前記硬質発泡体50の外部の空気を前記中空ブロック310が配置された空間32に吹き込んで前記中空ブロック310が配置された空間32内の空気を外部の空気で換気し、前記硬質発泡体50の冷却を行ってもよい。前記吸気装置Vは真空吸引装置等の公知の装置を用いることができる。一方、前記送気装置Wは、真空吸引装置の他、コンプレッサー等の公知の装置を用いることができる。
【0056】
その後、前記硬質発泡体50の上面に、図1に示した前記保護層61をコンクリートの打設あるいは樹脂製シート等の配置により形成し、さらにアスファルトや覆土による舗装63を設ける。
【0057】
図9に示す第2実施形態の軽量盛土は、地盤21A上に土手状に形成されたものである。第2実施形態の軽量盛土では、地盤21Aの上にコンクリートや土砂等の基礎25Aが設けられ、前記基礎25Aの上に中空ブロック310Aの複数からなる中空ブロック集合体31Aが、その外周を発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた状態で配置されている。前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Aの外側には硬質発泡体50Aが形成されて該硬質発泡体50Aの内部に前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Aが埋設されている。前記硬質発泡体50Aの上には保護層61Aを備え、さらに保護層61Aの上にアスファルトや覆土による舗装63Aが設けられている。前記硬質発泡体50Aは、前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Aの側面の一部又は全部を覆う外周部501Aと、前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Aの上および前記外周部501Aの上に位置する軽量盛土部502Aとからなる。なお、第2実施形態の軽量盛土及び後述の軽量盛土工法において、前記第1実施形態と同じ部材は、第1実施形態で用いた数字と同一の数字で表すと共に「A」の付記によって他の実施形態と区別した。また、符号Fは、発泡原料を吐出して前記硬質発泡体50Aを発泡形成する際に、前記発泡原料が流出するのを妨げる仕切材であり、符号Jは、連続繊維補強土等によって形成された法面である。
【0058】
第2実施形態の軽量盛土では、発泡原料の発泡時及び発泡後、前記中空ブロック310Aの配置された空間32Aが冷却空間として作用し、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体50Aの温度上昇を抑え、前記硬質発泡体50Aの上部と底部の温度差を小さくし、前記硬質発泡体50Aに反りが発生するのを抑えることができる。
【0059】
さらに、前記硬質発泡体50Aには、前記硬質発泡体50Aの外部と前記中空ブロック310Aの配置された空間32Aとを連通するパイプ71A、72Aが埋設されている。前記パイプ71A、72Aは、一端が前記発泡原料不透過性の部材41Aを貫通して前記中空ブロック310Aが配置された空間32Aに通じ、他端が前記硬質発泡体50Aの外部の前記仕切材Fを貫通して硬質発泡体50Aの外と通じている。前記パイプ71A、72Aは、前記中空ブロック310Aの配置された空間32Aの換気口として作用し、前記発泡原料の発泡時に生じる発熱による硬質発泡体50Aの温度上昇を効率よく抑え、硬質発泡体50Aの上部と底部の温度差を小さくし、前記硬質発泡体50Aに反りが発生するのを抑えることができる。前記パイプ71A、72Aは相対的に上下の位置関係があり、前記中空ブロック310Aの配置された空間32A内で暖められた空気が相対的に上方のパイプ72Aより排出され、相対的に下方のパイプ71Aより外気が吸気される対流が生じることで換気される。また、前記軽量盛土周囲で水位が上昇することがあっても、前記中空ブロック310Aの配置された空間32Aの内外を通じている前記パイプ71A、72Aを通って、前記中空ブロックの配置された空間32Aに水が流入して貯留され、軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる。
【0060】
前記第2実施形態の軽量盛土を形成するための軽量盛土工法は、基礎形成工程、硬質発泡体形成工程、仕上げ工程とよりなる。
基礎形成工程では、地盤21Aの表面にコンクリートを打設し、あるいはコンクリート板や土砂等を配置して基礎25Aを形成する。前記基礎25Aの表面には、必要に応じてプライマーを塗布する。
【0061】
硬質発泡体形成工程では、外周部形成工程と軽量盛土部形成工程を行う。外周部形成工程では、まず図10の(10A)に示すように、前記基礎25Aの両端に仕切材Fを立設すると共に、前記基礎25Aの上に前記発泡原料不透過性の部材41Aを配置した後、前記中空ブロック310Aを所定数積層し、該積層した前記中空ブロック310Aの最上面を除く側面周囲を発泡原料不透過性の部材41Aで覆う。また、前記パイプ71Aを、前記発泡原料不透過性の部材41Aを貫通して一端が前記中空ブロック310Aが配置された空間に至り、他端が前記仕切材Fを貫通して外部と通じるように配置する。前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた複数の中空ブロック310Aの側部、すなわち前記中空ブロック310Aと前記仕切材F間の前記基礎25A上に、前記発泡原料500Aを発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出し、図10の(10B)に示す第一層の硬質発泡体511Aを、前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた複数の中空ブロック310Aの側部、すなわち積層された前記中空ブロック310Aと前記仕切材F間に形成する。
【0062】
次に、図10の(10B)に示すように、第一層の硬質発泡体511Aの両縁より所定距離内側に仕切材Fを立設し、前回積層した中空ブロック310Aの積層体の最上面に、再び前記中空ブロック310Aを所定数積層する。そして今回積層した前記中空ブロック310Aの最上面を除く側面周囲を、前記発泡原料不透過性の部材41で覆い、前記発泡原料500Aを第一層の硬質発泡体511A上に発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出し、図10の(10C)に示す第二層の硬質発泡体512Aを形成する。
【0063】
次に、図10の(10C)に示すように、前記第二層の硬質発泡体空512Aの両縁より所定距離内側に仕切材Fを立設し、前回積層した中空ブロック310Aの積層体の最上面に、再び前記中空ブロック310Aを所定数積層し、これまでに積層した中空ブロック310Aからなる前記中空ブロック集合体31Aを形成する。そして、前記中空ブロック集合体31Aの上面を除く側面周囲を前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆い、別のパイプ72Aを、前記発泡原料不透過性の部材41Aを貫通して一端が前記中空ブロック310Aの配置された空間に至り、他端が前記仕切材Fを貫通して外部と通じるように配置する。その後、前記発泡原料500Aを前記第二層の硬質発泡体512A上に発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出し、図11の(11A)に示す第三層の硬質発泡体513Aを形成する。前記第一層の硬質発泡体511Aと第二の硬質発泡体層512Aと第三の硬質発泡体層513Aは、前記発泡原料の発泡時の接着性により一体化して、前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Aの側面の一部又は全部を覆う前記硬質発泡体の外周部501Aとなる。
【0064】
次に、軽量盛土部形成工程では、図11の(11A)に示すように、前記第三層の硬質発泡体513Aの両縁より所定距離内側に仕切材Fを立設し、前記中空ブロック集合体31Aの上面を前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆う。そして、前記第三層の硬質発泡体513Aの上(すなわち前記硬質発泡体の外周部501Aの上)及び前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Aの上に、前記発泡原料500Aを発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出し、図11の(11B)に示すように前記第四層の硬質発泡体514Aを、前記第三層の硬質発泡体513Aの上(すなわち前記硬質発泡体の外周部501Aの上)及び前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた前記中空ブロック集合体31Aの上に形成する。前記第四層の硬質発泡体514Aは、前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Aの上および前記外周部501Aの上に位置する軽量盛土部502Aとなる。なお、前記外周部501Aと軽量盛土部502Aは、前記発泡原料の発泡時の接着性により一体化して図9に示した前記硬質発泡体50Aとなる。前記中空ブロック310Aの積層回数及び前記発泡原料500Aの吐出・発泡の繰り返し回数は、前記軽量盛土の高さ等に応じて適宜設定される。
【0065】
前記発泡原料の発泡時及び発泡後、前記中空ブロック310Aが配置された空間32Aは冷却空間として作用し、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体の温度低下を促進し、前記硬質発泡体50Aの上部と底部の温度差を小さくすることができる。さらに、前記中空ブロック310Aの配置された空間32A内の空気が前記パイプ71A、72Aによって換気され、外部の空気が前記中空ブロック310Aの配置された空間32A内に流入して硬質発泡体50Aを内部から冷却するため、前記硬質発泡体50Aの上部と底部の温度差を一層小さくすることができる。また、前記発泡原料の発泡時及び発泡後の何れか一方または両方において、前記パイプ71A、72Aのうち、一方のパイプ72Aの外端に接続した吸気装置Vによって、前記中空ブロック310Aが配置された空間32A内の空気を強制的に外部に排気することを行えば、前記硬質発泡体50Aの底部までさらに短時間で冷却することができ、前記硬質発泡体50Aの上部と底部の温度差を一層小さくすることができる。そのため、前記硬質発泡体50Aにおける反りの発生をより効果的に抑えることができる。特に軽量盛土部502Aの上部と底部の温度差を小さくでき、前記軽量盛土部502Aの反りの発生を抑えることができる。また、前記吸気装置Vに代えて送気装置Wを前記パイプ71A、72Aのうち、一方のパイプ72Aの外端に接続し、前記硬質発泡体50Aの外部の空気を前記中空ブロック310Aが配置された空間32Aに吹き込んで前記中空ブロック310Aが配置された空間32A内の空気を外部の空気で換気し、前記硬質発泡体50の冷却を行ってもよい。
【0066】
その後、前記硬質発泡体50Aの上面に、図9に示した前記保護層61Aを打設等により形成し、さらにアスファルトや覆土による舗装63Aを設け、また、吹き付け等により前記法面Jを形成する。
【0067】
図12に示す第3実施形態の軽量盛土は、前記第1実施形態の軽量盛土の構造において、前記複数の中空ブロック310からなる中空ブロック集合体31の上面を覆う前記発泡原料不透過性部材41を、発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410とし、前記硬質発泡体50内には、前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410と前記硬質発泡体50の軽量盛土部502の外部間を通じる水流入第1パイプ710、711と、前記斜面11と前記中空ブロック310が配置された空間32の側部とを連通する水流入第2パイプ712、713とを設け、前記硬質発泡体50の外周部501の外部と前記中空ブロック310が配置された空間32とを連通するパイプ71、72を排水パイプ710A、720Aを兼ねるようにした点で前記第1実施形態と相違し、他の構造は前記第1実施形態と同様である。
【0068】
前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410は、前記発泡原料を通さず、かつ水を通すものであり、例えば砂の層とその下面(すなわち中空ブロックの最上面)に配置した不織布、織布などの砂を透過しない透水性シート状物との組み合わせ、あるいは発泡原料が通過できない細かい織目等の孔を有する透水性シート状物の単独で構成してもよい。硬質ポリウレタン発泡体用等の発泡原料は、吐出時の粘度が水の粘度よりも高いため、発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410で前記中空ブロック集合体31の上面を覆えば、硬質発泡体の形成時に発泡原料が前記中空ブロック310が配置された空間32内に進入するのを防止することができる。
【0069】
前記水流入第1パイプ710、711と水流入第2パイプ712、713は、樹脂製が好ましい。前記水流入第1パイプ710、711は、一端が発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410に至り、他端が前記硬質発泡体50の軽量盛土部502の上面に形成された前記保護層61を貫通して舗装63の下部に至るように上下方向に設けられている。
【0070】
前記第3実施形態の軽量盛土では、第1実施形態と同様に、前記発泡原料の発泡時及び発泡後、前記中空ブロック310の配置された空間32が冷却空間として作用し、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体の温度低下を促進し、前記硬質発泡体50の上部と底部の温度差を小さくして、硬質発泡体50における反りの発生を抑えることができる。さらに、前記パイプ71、72、710、711は、前記中空ブロック310が配置された空間32の換気口として作用し、前記発泡原料の発泡時に生じる発熱による硬質発泡体50の温度上昇を効率よく抑えると共に、硬質発泡体50の上部と底部の温度差を一層小さくし、硬質発泡体における反りの発生を一層抑えることができる。硬質発泡体50の積層時には、前記パイプ710、711は硬質発泡体50の上部へ貫通しているため、前記空間32内で暖められた空気が上昇気流として排出され、相対的に下方のパイプ71、72より外気が吸気される対流が生じることで、さらに効率よく換気される。
【0071】
また、第3実施形態の軽量盛土に降った雨水は、軽量盛土底部よりも、その周囲における水位が低い場合、前記水流入第1パイプ710、711と水流入第2パイプ712、713を通って前記中空ブロック310が配置された空間32に流入し、該空間32内に一旦滞留された後、前記パイプ71(排水パイプ710A)、72(排水パイプ720A)から外部に排出される。そのため、大雨時に雨水が軽量盛土上に溢れるのを防止することができる。また、前記軽量盛土周囲で水位が上昇することがあっても、前記中空ブロック310の配置された空間32の内外を通じている前記パイプ71、72を通って、前記中空ブロックの配置された空間32に水が流入して貯留され、軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる。
【0072】
前記第3実施形態の軽量盛土を形成するための軽量盛土工法は、前記第1実施形態の軽量盛土工法において、前記発泡原料を吐出して前記硬質発泡体50の外周部501を形成する際に、前記パイプ71、72の設置と共に前記水流入第2パイプ712、713を設置し、前記硬質発泡体50の外周部501を形成した後、前記第1実施形態における前記中空ブロック集合体31の上面を覆う前記発泡原料不透過性部材41に代えて砂等からなる発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410を設け、前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410上に前記水流入第1パイプ710、711を立設し、前記発泡原料を前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410上に吐出して前記硬質発泡体50の軽量盛土部502を形成する。前記水流入第1パイプ710、711は、前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410表面上に立設してもよいし、前記部材410内部に配置されてもよい。その他は、前記第1実施形態の軽量盛土工法と同様に行うことができる。また、前記発泡原料の発泡時及び発泡後の何れか一方または両方において、前記パイプ71、72のうち、一方のパイプ72の外端に接続した前記吸気装置によって、前記中空ブロック310が配置された空間32内の空気を強制的に外部に排気し、あるいは一方のパイプ72の外端に接続した前記送気装置によって前記中空ブロック310が配置された空間32内に外部の空気を吹き込んでもよい。
【0073】
図13に示す第4実施形態の軽量盛土は、地面に穴を掘って形成したほぼ平坦な地盤21Bの上に、コンクリートや土砂等の基礎25Bが設けられ、前記基礎25Bの上に中空ブロック310Bが複数積層され、該複数の中空ブロック310Bからなる中空ブロック集合体31Bが、その外周を発泡原料不透過性の部材41Bで覆われた状態で配置されている。前記発泡原料不透過性の部材41Bで覆われた中空ブロック集合体31Bの外側には硬質発泡体50Bが形成され、さらに前記硬質発泡体50Bの上に保護層61Bを備える。前記保護層61Bの上には舗装63Bが設けられる。符号501Bは前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Bの側面の一部又は全部を覆う硬質発泡体の外周部、符号502Bは前記発泡原料不透過性の部材41Bで覆われた中空ブロック集合体31Bの上および前記外周部501Bの上に位置する硬質発泡体の軽量盛土部である。また、前記硬質発泡体50Bの外周部501B内には、前記硬質発泡体50Bの外周部501Bの外部と前記中空ブロック310Bが配置された空間32Bとを連通する水流入パイプ714、715と排水パイプ716、717が埋設されている。なお、前記第1実施形態の軽量盛土と同じ部材は、第1実施形態で用いた数字と同一の数字で表すと共に「B」の付記によって他の実施形態と区別した。
【0074】
第4実施形態の軽量盛土では、第1実施形態と同様に、前記発泡原料の発泡時及び発泡後、前記中空ブロック310Bの配置された空間32Bが冷却空間として作用し、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体の温度低下を促進し、前記硬質発泡体50Bの上部と底部の温度差を小さくし、前記硬質発泡体50Bにおける反りの発生を抑えることができる。
【0075】
さらに、第4実施形態の軽量盛土上に降った雨水は、前記水流入パイプ714、715を通って前記中空ブロック310Bが配置された空間32Bに流入し、該空間32B内に一旦滞留された後、前記排水パイプ716、717から外部に排出される。そのため、大雨時に雨水が軽量盛土上に溢れるのを防止することができる。また、前記硬質発泡体50Bと前記法面Kとの境界等から雨水等が軽量盛土内に侵入し、前記軽量盛土周囲で水位が上昇することがあっても、前記中空ブロック310Bの配置された空間32Bの内外を通じている前記パイプ714、715、716、717により、前記中空ブロックの配置された空間32Bに水が流入して貯留され、軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる。
【0076】
前記第4実施形態の軽量盛土を形成するための軽量盛土工法は、基礎形成工程、硬質発泡体形成工程、仕上げ工程とよりなる。
基礎形成工程では、地面に穴を掘って形成した前記地盤21Bの表面にコンクリートを打設し、あるいはコンクリート板を配置して基礎25Bを形成する。前記基礎25Bの表面には、必要に応じてプライマーを塗布する。
【0077】
硬質発泡体形成工程では、外周部形成工程と軽量盛土部形成工程を行う。
外周部形成工程では、前記基礎25B上に前記中空ブロック310Bを複数積層し、該複数の中空ブロック310Bからなる中空ブロック集合体31Bの外周を前記発泡原料不透過性の部材41Bで覆う。また、発泡後の前記硬質発泡体50Bの外周部501Bの外部と前記中空ブロック310Bが配置された空間32Bとを連通することとなるように前記水流入パイプ714、715と、前記排水パイプ716、717を設置し、前記発泡原料不透過性の部材41Bで覆われた中空ブロック集合体31Bの側部に前記発泡原料を吐出して発泡させる。これにより、前記硬質発泡体50Bの外周部501Bを形成し、前記水流入パイプ714、715と前記排水パイプ716、717を前記硬質発泡体50Bの外周部501B内に埋設する。
【0078】
軽量盛土部形成工程では、前記硬質発泡体50Bの外周部501Bの上及び前記発泡原料不透過性の部材41Bで覆われた前記中空ブロック集合体31Bの上に前記発泡原料を吐出して発泡させ、前記硬質発泡体50Bの軽量盛土部502Bを形成する。
なお、記硬質発泡体形成工程では、第1実施形態と同様に、前記中空ブロック310Bを複数回に分けて積層し、また前記硬質発泡体の外周部501B及び軽量盛土部502Bの形成を、それぞれ複数回の発泡原料の吐出と発泡により行うことができる。
【0079】
前記発泡原料の発泡時及び発泡後、前記中空ブロック310Bが配置された空間32Bが冷却空間として作用し、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体の温度低下を促進し、前記硬質発泡体50Bの上部と底部の温度差を小さくし、前記硬質発泡体50Bにおける反りの発生を抑えることができる。さらに図示しないが、放熱性を向上するように、前記水流入パイプ714、715と前記排水パイプ716、717のうちの少なくとも一つにおいて、法面Kに接する位置から延設され、硬質発泡体50Bの上面へ連通される通気部を設けてもよい。また、中空ブロック集合体31Bの上面から硬質発泡体50Bの上面へ連通される通気部を設けてもよい。前記中空ブロック310Bが配置された空間32Bが外気と連通することで、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体の温度低下をさらに促進し、前記硬質発泡体50Bの上部と底部の温度差を小さくすることができる。硬質発泡体50の積層しやすさを考慮して、前記法面Kに沿って合成樹脂製のパイプや空隙を有する排水材などの前記通気部を設けることが望ましい。
【0080】
本発明の軽量盛土について、中空ブロックの存在による反り防止効果を確認するため、次のようにして硬質発泡体を形成した。図2に示した中空ブロック310A(縦360mm×横360mm×高さ260mm、プロピレン製)を、地盤上に横一列に10個、上方に2段積層し、該積層した中空ブロック集合体の側面及び上面をアルミニウム板からなる発泡原料不透過性の部材で覆った後、周囲に硬質ポリウレタン発泡体用の発泡原料を吐出して、幅1m、長さ5m、高さ1mの中空ブロック有り硬質発泡体を形成した。図14の(A)は形成した中空ブロック有り硬質発泡体(実施例)の平面図であり、符号Pは硬質発泡体を示す。硬質発泡体の形成直後に、硬質発泡体の横方向両端から1mのA位置とC位置及び中央のB位置において、硬質発泡体の上面付近(上面から10cm)、内部中央(上下中間位置)、底部付近(底部から10cmの位置)の温度をデジタル温度計により測定した。表1に中空ブロック有りの場合の温度測定結果を示す。また、硬質発泡体の形成後24時間経過後に長さ方向両端の反りを測定した。
【0081】
比較のため、中空ブロック310Aを配置することなく、幅1m、長さ5m、高さ1mの中空ブロック無し硬質発泡体(比較例)を形成し、中空ブロック有り硬質発泡体(実施例)と同様に前記A位置、B位置、C位置について温度を測定した。表2に中空ブロック無しの場合の温度測定結果を示す。また、中空ブロック無し硬質発泡体(比較例)において、硬質発泡体の形成後24時間経過後に長さ方向両端の反りを測定した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
表1に示すように、中空ブロック有りの実施例の場合には上面付近と底部付近の温度が殆ど等しかったのに対し、中空ブロック無しの比較例の場合には、表2に示すように、表面付近に比べて底部付近の温度が40℃近くも高かった。また、反りについては、図14の(B)に示すように、中空ブロック有りの実施例の場合には反りが3cmで小さかったのに対し、図14の(C)に示すように、中空ブロック無しの比較例の場合には10cmと大きなものであった。これらの結果から、本発明の軽量盛土のように中空ブロックを硬質発泡体内に配置することにより、硬質発泡体の底部の温度上昇を抑えるのと同時に冷却を促進して上部と底部の温度差を少なくでき、硬質発泡体の上面の反りを抑えることができることが確認できた。
【0085】
なお、前記実施形態においては、硬質発泡体の外部と前記中空ブロックの配置された空間とを連通するパイプを設けた場合を示したが、本発明は、前記パイプを設けない場合も含まれるものであり、その場合でも、中空ブロックが硬質発泡体の下層または硬質発泡体内に配置されていることによって、硬質発泡体の反りの発生を抑えることができ、また軽量盛土周囲の水位が上昇しても中空ブロックの配置された空間に水が貯留されて硬質発泡体と中空ブロックからなる軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる。また、前記実施形態においては、前記硬質発泡体が前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側面の一部又は全部を覆う外周部と、前記中空ブロックの上および前記外周部の上に位置する前記軽量盛土部とからなる場合を示したが、本発明は、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側面を、斜面あるいは穴内の側面に当接させて前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの上のみに硬質発泡体を設ける場合も含まれ、その場合でも、中空ブロックが硬質発泡体の下層に配置されていることによって、硬質発泡体の反りの発生を抑えることができ、また軽量盛土周囲の水位が上昇しても中空ブロックの配置された空間に水が貯留されて硬質発泡体と中空ブロックからなる軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる。
【符号の説明】
【0086】
11 斜面
21、21A、21B 地盤
25、25A、25B 基礎
31、31A、31B 中空ブロック集合体
41、41A、41B 発泡原料不透過性の部材
50、50A、50B 硬質発泡体
61、61A、61B 保護層
71、72、71A、72A パイプ
310、310A、310B 中空ブロック
410 発泡原料不透過性及び透水性を有する部材
500、500A、500B 発泡原料
710、711、712、713、714、715 水流入パイプ
710A、720A、716、717 排水パイプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量盛土及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、傾斜地における道路の拡幅や、平地の土手等の形成に軽量盛土工法が採用されている(特許文献1、2)。
現場発泡軽量盛土工法は、図15の(A)、(B)に示すように、地盤91に形成した基礎92の上に硬質発泡体用の発泡原料94を吐出し発泡させることにより硬質発泡体95を形成し、その後に硬質発泡体95の上にコンクリート層等からなる保護層(図示せず)を設ける工法であり、保護層の上には覆土等が設けられる。符号93HはH鋼等の支柱、93は擁壁等の壁面材である。
【0003】
軽量盛土工法は、発泡原料を施工現場で吐出して硬質発泡体を形成するため、従来の土を用いる工法よりも作業が容易である。しかも、形成した軽量盛土は、重い土に代えて軽量な硬質発泡体で構成されているため、地盤に加わる荷重が少なく、盛土体全体が安定する利点がある。
【0004】
しかしながら、硬質発泡体95を形成する発泡原料94は、発泡時に発熱し、しかも発泡後の硬質発泡体95が独立気泡構造からなるため熱伝導率が非常に小さく、発泡時に発生した熱が内部に溜まりやすい。そのため、図15の(C)に示すように発泡後の硬質発泡体95は外部に近い硬質発泡体95の上面付近95aと、外部から遠く離れた硬質発泡体の底部付近95bとでは冷却速度が大きく異なる。
【0005】
例えば、硬質ポリウレタン発泡体(熱伝導率は0.03W/m・K)では、施工高さ3.5m、幅員8mの軽量盛土を形成した際に、硬質ポリウレタン発泡体の内部温度を、硬質発泡体の平面視中央部分における上面から20cm下、1m下、2m下、3m下の4箇所で測定した結果、上面から20cmの位置では発泡後24時間で外気温と等しくなったが、それ以外の位置、すなわち表面から1m下、2m下、及び3m下の位置では、1週間経過後も100℃以上であった。その結果、硬質発泡体95が常温に低下する際、硬質発泡体95の上面付近95aと底部付近95bとで収縮量が異なることになって、硬質発泡体95の両端で反り上がる反りが発生し、その後の保護層の施工等に支障を生じる問題がある。一般的な軽量盛土の断面形状は、幅員0.5〜25m、高さ0.1m〜20mであり、幅員が広く、施工高さが低いほど反りを生じやすい傾向にある。例えば、幅員5m、施工高さ1mの場合には、端部が10cm程反り上がる。
【0006】
なお、前記壁面材93や、該壁面材93を支持する支柱93Hは、前記発泡原料の発泡時における接着性により硬質発泡体95と接着しているため、前記硬質発泡体95の収縮によって壁面材93や支柱93Hが変形するようになる。前記壁面材93や支柱93Hの変形を防止するための方法については種々提案されている(特許文献3、4)。しかしながら、提案されている変形防止方法は何れも壁面材や支柱の変形防止であり、硬質発泡体自体の反りを抑える技術については提案されていなかった。さらに軽量盛土内に水が侵入して軽量盛土の下部で水位が上昇した場合には、軽量盛土に浮力が発生して軽量盛土上の舗装面に悪影響を与えるおそれがある。
【0007】
また、近年、大雨時の災害を防ぐため、道路等の地下に、一時的な雨水の滞留部として滞水材を埋設し、該滞水材が埋設された空間に雨水を一旦滞留させるようにした地下貯水槽が提案されている(特許文献5、6)。
しかしながら、地中に埋設された滞水材は、例えば、上方に向かって凹凸の形成された樹脂製の板状体等が用いられているため、上方の土等により加わる大きな荷重によって変形するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−303083号公報
【特許文献2】特開2006−37527号公報
【特許文献3】特許第4384507号公報
【特許文献4】特開2009−167694号公報
【特許文献5】特開2010−013849号公報
【特許文献6】特許第3739296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、硬質発泡体の反りを抑えることができる軽量盛土及び軽量盛土工法の提供を目的とする。さらに本発明は、軽量盛土内に水が侵入して軽量盛土の下部で水位が上昇した場合に、軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる軽量盛土及び軽量盛土工法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、地盤の基礎上に形成した硬質発泡体の上に保護層を備える軽量盛土において、中空ブロックが発泡原料不透過性の部材で外周を覆われた状態で前記基礎上に配置され、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上に前記硬質発泡体が積層されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1において、前記硬質発泡体は、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側面の一部又は全部を覆う外周部と、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上および前記外周部の上に位置する軽量盛土部とからなることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記中空ブロックが配置された空間と前記硬質発泡体の外部が連通していることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記中空ブロックの複数が前記基礎上に一段で配置され、あるいは積層された複数段で配置され、前記複数の中空ブロックからなる中空ブロック集合体の外周が前記発泡原料不透過性の部材で覆われていることを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記中空ブロックが配置された空間に水を滞留させることができ、前記発泡原料不透過性の部材は、少なくとも一部が発泡原料不透過性及び透水性を有する部材からなり、前記硬質発泡体の外部と前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材とが連通し、前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材と前記中空ブロックが配置された空間とが連通していることを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記中空ブロックが配置された空間に水を滞留させることができ、前記硬質発泡体内には、前記硬質発泡体の外部と前記中空ブロックが配置された空間とを連通する水流入路と、前記中空ブロックが配置された空間と前記硬質発泡体の外部とを連通する排水路が設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、地盤の基礎上に硬質発泡体の発泡原料を吐出して硬質発泡体を形成し、前記硬質発泡体の上に保護層を設ける軽量盛土工法において、前記基礎上に中空ブロックを配置して該中空ブロックの外周を発泡原料不透過性の部材で覆い、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上に前記発泡原料を吐出して発泡させることにより前記硬質発泡体を形成し、その後、前記硬質発泡体の上に前記保護層を設けることを特徴とする。
【0017】
請求項8の発明は、請求項7において、前記発泡原料を吐出して前記硬質発泡体を形成する工程は、前記発泡原料を、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側部に吐出して発泡させることにより、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側面の一部又は全部を覆う硬質発泡体からなる外周部を形成する外周部形成工程と、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上及び前記硬質発泡体からなる外周部の上に前記発泡原料を吐出して発泡させることにより、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの上および前記外周部の上に位置する硬質発泡体からなる軽量盛土部を形成する軽量盛土部形成工程とよりなることを特徴とする。
【0018】
請求項9の発明は、請求項7または8において、前記中空ブロックの複数を前記基礎上に一段で配置し、あるいは積層した複数段で配置し、前記複数の中空ブロックからなる中空ブロック集合体の外周を前記発泡原料不透過性の部材で覆うことを特徴とする。
【0019】
請求項10の発明は、請求項7から9の何れか一項において、前記中空ブロックが配置された空間に一端が通じ、他端が発泡後の前記硬質発泡体の外部と通じることとなるようにパイプを配置して前記発泡原料の吐出及び発泡を行うことを特徴とする。
【0020】
請求項11の発明は、請求項10において、前記発泡時及び発泡後の何れか一方あるいは両方において、前記中空ブロックが配置された空間の空気を前記パイプの他端に接続した吸気装置で吸引し、前記硬質発泡体の外部へ排出することを特徴とする。
【0021】
請求項12の発明は、請求項10において、前記発泡時及び発泡後の何れか一方あるいは両方において、前記中空ブロックが配置された空間に、前記パイプの他端に接続した送気装置で前記硬質発泡体の外部の空気を吹き込むことを特徴とする。
【0022】
請求項13の発明は、請求7から12の何れか一項において、前記中空ブロックが配置された空間に水を滞留させることができ、前記中空ブロックが配置された空間に一端が通じ、他端が発泡後の前記硬質発泡体の外部と通じることとなるように水流入パイプと排水パイプを配置して前記発泡原料の吐出及び発泡を行うことを特徴とする。
【0023】
請求項14の発明は、請求項13において、前記発泡原料不透過性の部材は、少なくとも一部が発泡原料不透過性及び透水性を有する部材からなり、前記水流入パイプは、一端を前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材の位置とし、他端が発泡後の前記硬質発泡体の外部と通じることとなるように配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の発明の軽量盛土によれば、中空ブロックの配置された空間が冷却空間となるため、発泡原料を吐出して硬質発泡体を形成する際に発泡原料の発熱による硬質発泡体の温度上昇を抑えることができ、硬質発泡体の上部と底部で温度差が小さくなり、硬質発泡体の反りを抑えることができる。また軽量盛土を形成する硬質発泡体の下層に中空ブロックが位置するため、中空ブロックの最下位置の水平面において、中空ブロックの配置された空間と前記硬質発泡体の外部とを連通させれば、周辺の水位が上昇して軽量盛土が浸水した場合も、中空ブロックの配置された空間に水が貯留され、軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる。
【0025】
請求項2の発明の軽量盛土によれば、硬質発泡体の外周部が軽量盛土部端部と一体となっているため軽量盛土部端部の重量が増加し、また中空ブロックの側面と外周部の摩擦抵抗によって、硬質発泡体の反りをいっそう抑えることができる。
【0026】
請求項3の発明の軽量盛土によれば、中空ブロックが配置された空間と前記硬質発泡体の外部が連通しているため、中空ブロックが配置された空間の暖まった空気を外部の空気と換気することができ、硬質発泡体に対する冷却効果を高め、硬質発泡体の上部と底部の温度差による反りをいっそう抑えることができる。
【0027】
請求項4の発明の軽量盛土によれば、中空ブロックの並置数及び積層数を調整することにより、施工場所に応じて中空ブロックを配置することができる。
【0028】
請求項5及び6の発明の軽量盛土によれば、中空ブロックが配置された空間を地下貯水槽として利用することができ、しかも地下貯水槽(中空ブロック)の上方が重い土に変わって軽い硬質発泡体で構成されているため、地下貯水槽(中空ブロック)に加わる荷重を軽減し、地下貯水槽(中空ブロック)が変形・破壊するおそれを無くすことができる。また断熱性、気密性の高い硬質発泡体で地下貯水槽が覆われるため、貯留水の凍結を低減できる。
【0029】
請求項7及び8の発明の軽量盛土工法によれば、発泡原料を吐出して硬質発泡体を形成する際及びその後に、中空ブロックの配置された空間が冷却空間となり、発泡原料の発泡時の発熱による硬質発泡体の温度上昇を抑えて硬質発泡体の上部と底部の温度差を小さくすることができ、硬質発泡体に反りが発生するのを抑えることができる。
【0030】
請求項9の発明の軽量盛土工法によれば、中空ブロックの並置数及び積層数を調整することにより、施工場所に応じて中空ブロックを配置することができる。
【0031】
請求項10の発明の軽量盛土工法によれば、中空ブロックが配置された空間と前記硬質発泡体の外部が連通しているため、中空ブロックが配置された空間の暖まった空気を発泡原料の発泡時及び発泡後に外部の空気と換気することができ、硬質発泡体に対する冷却効果を高め、硬質発泡体の上部と底部の温度差による反りをいっそう抑えることができる。
【0032】
請求項11の発明の軽量盛土工法によれば、中空ブロックが配置された空間の暖まった空気を、発泡原料の発泡時と発泡後の何れか一方あるいは両方の時点において硬質発泡体の外部へ強制的に排出できるため、硬質発泡体に対する冷却効果を高め、硬質発泡体の上部と底部の温度差をさらに小さくして硬質発泡体の反りをいっそう抑えることができる。
【0033】
請求項12の発明の軽量盛土工法によれば、発泡原料の発泡時と発泡後の何れか一方あるいは両方の時点において、中空ブロックが配置された空間に硬質発泡体の外部から空気を吹き込んで冷却することができるため、硬質発泡体に対する冷却効果を高め、硬質発泡体の上部と底部の温度差をさらに小さくして硬質発泡体の反りをいっそう抑えることができる。
【0034】
請求項13及び14の発明の軽量盛土工法によれば、中空ブロックが配置された空間を地下貯水槽として利用することができ、しかも地下貯水槽(中空ブロック)の上方が重い土に変わって軽い硬質発泡体で構成されているため、地下貯水槽(中空ブロック)に加わる荷重を軽減し、地下貯水槽(中空ブロック)が変形・破壊するおそれの無い軽量盛土を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1実施形態の軽量盛土の構造を示す断面図である。
【図2】中空ブロックの一例を示す斜視図と断面図である。
【図3】図2に示した中空ブロックの積層状態の一部を示す斜視図である。
【図4】中空ブロックの他例を示す斜視図である。
【図5】図4に示した中空ブロックの積層状態の一部を示す斜視図である。
【図6】第1実施形態の軽量盛土工法における中空ブロックの積層及び発泡原料の吐出・発泡の繰り返しを示す断面図である。
【図7】第1実施形態の軽量盛土工法における発泡原料の吐出・発泡の繰り返しを示す断面図である。
【図8】第1実施形態の軽量盛土工法における残りの発泡原料の吐出・発泡の繰り返しを示す断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態の軽量盛土の構造を示す断面図である。
【図10】第2実施形態の軽量盛土工法における中空ブロックの積層及び発泡原料の吐出・発泡の繰り返しを示す断面図である。
【図11】第2実施形態の軽量盛土工法における発泡原料の吐出・発泡の繰り返しを示す断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態の軽量盛土の構造を示す断面図である。
【図13】本発明の第4実施形態の軽量盛土の構造を示す断面図である。
【図14】反り及び温度測定用硬質発泡体の実施例の平面図と反りの結果を示す実施例及び比較例の側面図である。
【図15】従来の軽量盛土工法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の軽量盛土及び軽量盛土工法の実施形態について説明する。
図1に示す第1実施形態の軽量盛土は、山等の斜面11に形成されたものであり、斜面11の一部に形成された地盤21のほぼ平坦な上に基礎25が設けられ、前記基礎25の上に中空ブロック集合体31が、その外周が発泡原料不透過性の部材41で覆われた状態で配置され、前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上に硬質発泡体50が形成されている。前記硬質発泡体50の上には保護層61を備え、さらに前記保護層61の上にアスファルトや覆土による舗装63が設けられる。
【0037】
前記基礎25は、地盤21上に打設されたコンクリートあるいはコンクリート板、土砂等で構成される。前記斜面11あるいは基礎25の表面には、必要に応じてプライマーが塗布される。前記基礎25の谷側端部には、H鋼等からなる支柱26が所定間隔で立設され、前記支柱26の外側に壁面材27が取り付けられている。前記支柱26は、支柱26と対向する斜面11に取り付けられた受圧板13にタイロッド15により連結されている。前記受圧板13はアンカー14により斜面11に固定されている。
【0038】
前記中空ブロック集合体31は、本実施形態では、複数の中空ブロック310が複数段積層された集合体からなり、水平方向にも前記中空ブロック310が複数並置されている。前記中空ブロック310は、一部に中空部を有する立体であり、種々のものを使用することができる。特に空隙率が90%以上のものが好ましい。前記中空ブロック310の具体的な例として、格子状の面によりカゴ状(バスケット状)とされて一側が開口し、前記カゴ状の内部が中空部を構成しているもの、または複数の孔が形成された面によりカゴ状(バスケット状)とされて一側が開口し、前記カゴ状の内部が中空部を構成しているもの、あるいは複数の孔を有する板状体に一側へ向けて突出した凸部が複数形成され、前記凸部の内部が中空部を構成しているものなどを挙げることができる。なお、前記中空ブロックの配置スペースが狭い場合、あるいは中空ブロックの剛性が充分に高い場合には、前記中空ブロック集合体に代えて1つの中空ブロックのみを前記基礎25上に配置してもよい。
【0039】
前記中空ブロック310の一例を図2に示す。図2に示す中空ブロック320は、複数の孔321が形成された壁面322でカゴ状(バスケット状)とされた剛性を有するものであり、前記壁面322で囲まれたカゴ状の内部が中空部を構成し、ポリプロピレン等の樹脂で構成されている。さらに、前記壁面322のうち、開口側とは反対の面を構成する壁面には開口側へ向かって窪んだ筒状の凹部324が形成され、該凹部324によって中空ブロック320の強度が高められている。また、前記凹部324に芯材を入れることにより更に強度を高めることができる。前記凹部324の底部には孔325が形成されている。前記中空ブロック320の開口端の外周にはフランジ326が溝状に形成されている。前記中空ブロック320は、開口側とは反対側へ向かってすぼんだ形状とされ、適宜のサイズで形成されている。前記中空ブロック320は、図3に示すように、最下段の一段目については開口側が上を向くようにし、その上の二段目は、開口側が下を向くようにし、さらにその上の三段目は開口側が上を向くように、交互に開口側が反対を向くようにして、軽量盛土の高さに応じて複数段積層され、また、施工場所のスペースに応じて水平方向に所定数並べて前記基礎25上に配置される。なお、前記中空ブロック320は、サイズの異なるものを組み合わせて積層してもよい。また、途中から積層する数を変更して、図1のように斜面11側へ張り出すようにしてもよい。軽量盛土の高さが低い場合などにおいては、前記中空ブロック320の複数を、前記基礎25上に複数段に積層することなく水平方向に並べて一段で配置して前記中空ブロック集合体31を構成してもよい。
【0040】
図4に示す他の例の中空ブロック330は、複数の孔331を有する板状体332に一側へ向けて突出した凸部333が複数形成されたものであり、前記凸部333の内部が中空部を構成し、ポリプロピレン等の樹脂で構成されている。前記凸部333は筒状からなり、前記凸部333の端面に孔334が形成されている。前板状体332の凸部側の面及び前記凸部333の基部にはリブ335、336が立設され、該リブ335、336によって、前記中空ブロック330の強度が高められている。前記中空ブロック330は適宜のサイズで形成されている。また、前記中空ブロック330は、図5に示すように、最下段の一段目については前記凸部333を上向きにし、その上の二段目は前記凸部333が下を向くようにし、さらにその上の三段目は凸部333が上を向くようにし、交互に凸部333が反対を向くようにして軽量盛土の高さに応じて複数積層され、施工場所のスペースに応じて水平方向に所定数並べて前記基礎25上に配置される。また、前記中空ブロック330は、サイズの異なるものを組み合わせて積層してもよい。また、途中から積層する数を変更して、図1のように斜面11側へ張り出すようにしてもよい。なお、軽量盛土の高さが低い場合などにおいては、前記中空ブロック330は、前記基礎25上に複数段に積層することなく水平方向に並べて一段で配置して前記中空ブロック集合体31を構成してもよい。
【0041】
前記発泡原料不透過性の部材41は、硬質発泡体50の発泡形成時に発泡原料が前記中空ブロック310が配置された空間内に進入するのを防止するものであり、硬質発泡体の発泡原料を不透過とする材質で構成されている。前記発泡原料不透過性の部材41としては、金属シート、金属板、樹脂シートあるいは樹脂板等を挙ることができる。図示されるように、前記発泡原料不透過性の部材41が前記中空ブロック集合体31の全面を包むように設けられるような場合、すなわち前記硬質発泡体50との接触部分と非接触部分(基礎25との接触部分)とを連結して有する場合には、前記硬質発泡体50との接触部から非接触部(基礎25との接触部分)への熱伝導による放熱作用が促されるので、前記発泡原料不透過性の部材41として、アルミニウム等の金属シートあるいは金属板が好ましい。前記発泡原料不透過性の部材41は、図示の例では、前記中空ブロック集合体31の全面を包むように設けられているが、前記中空ブロック集合体31の底面(基礎25との接触部分)を除き、側面及び上面のみを覆うように設けてもよい。
【0042】
本実施形態の前記硬質発泡体50は、前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の側面の一部又は全部を覆う外周部501と、前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上および前記外周部501の上に位置する軽量盛土部502とからなる。
【0043】
前記硬質発泡体50は、施工現場で発泡可能なポリウレタン樹脂、ポリイソシアヌレート、ポリアミド、ポリイミド、ウレア等が挙げられる。特には、吐出成形(スプレー成形)可能な硬質ポリウレタン発泡体が好ましい。硬質ポリウレタン発泡体は、ウレタン変成、カルボジイミド変成等の変成ポリイソシアネート、クルードTDI、ポリメリックMDI、TDIプレポリマー等のイソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールの双方あるいは何れか一方からなるポリオールと、アミン触媒等の触媒と、水等の発泡剤等とで構成される発泡原料から発泡形成される公知のものである。前記硬質発泡体50は、前記基礎25上に配置された前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上に発泡原料を吐出し、発泡させることにより形成される。その際、前記硬質発泡体50の外周部501は、発泡原料を、前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の側部に吐出して発泡させることにより形成され、一方、前記硬質発泡体50の軽量盛土部502は、発泡原料を前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上及び前記硬質発泡体からなる外周部501の上に吐出して発泡させることにより形成される。前記硬質発泡体50の形成により、前記硬質発泡体50内に前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31が埋設される。前記発泡原料の発泡時及び発泡後、前記中空ブロック310が配置された空間(中空ブロック310が存在する部分)32は冷却空間として作用し、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体50の温度上昇を抑え、前記硬質発泡体50の上部と底部の温度差を小さくし、前記温度差による硬質発泡体50の反りの発生を抑えることができる。
【0044】
さらに、前記第1実施形態の軽量盛土では、前記硬質発泡体50の外部と前記中空ブロック310が配置された空間32とを連通するパイプ71、72が設けられている。前記パイプ71、72は、樹脂パイプが好ましい。前記パイプ71、72は、図示の例では、一端が前記発泡原料不透過性の部材41を貫通して前記中空ブロック310が配置された空間32に通じ、他端が前記硬質発泡体50の外部の前記壁面材27を貫通して軽量盛土の外部と通じている。前記パイプ71、72は、前記中空ブロック310が配置された空間32の換気口として作用し、前記発泡原料の発泡時に生じる発熱による硬質発泡体50の温度低下を促進すると共に、前記硬質発泡体50の上部及び底部の温度差を一層小さくして硬質発泡体の反りの発生を抑えることができる。また、軽量盛土周囲で水位が上昇することがあっても、前記中空ブロック310の配置された空間32の内外を通じている前記パイプ71、72を通って、前記中空ブロックの配置された空間32に水が流入して貯留され、軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる。
【0045】
前記保護層61は、前記硬質発泡体50の表面に打設されたコンクリート層や積層された樹脂製シート等で構成される。
【0046】
前記第1実施形態の軽量盛土を形成する軽量盛土工法について説明する。第1実施形態の軽量盛土工法は、基礎形成工程、硬質発泡体形成工程、仕上げ工程とよりなる。
基礎形成工程では、まず、前記斜面11及び地盤21を掘削して所定の幅の地盤表面を形成し、前記地盤21の表面にコンクリートを打設し、あるいはコンクリート板や土砂等を配置して前記基礎25を形成する。前記斜面11及び基礎25の表面には、必要に応じてプライマーを塗布する。前記基礎25の斜面11と対向する谷側端部にはH鋼等からなる前記支柱26を所定間隔で立設し、前記斜面11に取り付けた受圧板13にタイロッド15により前記支柱26を連結する。前記受圧板13はアンカー14により斜面11に固定しておく。また、前記支柱26の外側に壁面材27を取り付ける。
【0047】
硬質発泡体形成工程では、まず、前記基礎25上に前記中空ブロック310を所定数配置し、該複数の中空ブロックからなる中空ブロック集合体31の外周を前記発泡原料不透過性の部材41で覆い、図1で示したパイプ71、72を、前記発泡原料不透過性の部材41を貫通して一端が前記中空ブロック310の配置された空間に至り、他端が前記壁面材27を貫通して外部と通じるように配置する。その後、前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上に前記発泡原料を吐出して発泡させることにより前記硬質発泡体50を形成し、前記硬質発泡体50内に前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31を埋設する。その際、前記硬質発泡体50の外周部501については、前記発泡原料を、前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の側部に吐出して発泡させる外周部形成工程により形成し、一方、前記硬質発泡体50の軽量盛土部502については、前記発泡原料を前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上及び前記硬質発泡体からなる外周部501の上に吐出して発泡させる軽量盛土部形成工程により形成する。
【0048】
前記硬質発泡体形成工程においては、前記硬質発泡体50の充填不足を防ぐため、前記硬質発泡体50の発泡を複数回に分けて行うのが好ましい。また、前記中空ブロック310の配置は、前記中空ブロック310の積層を複数回に分けて行ってもよい。前記中空ブロック310の積層及び硬質発泡体50の発泡を複数回に分けて行う場合の一例について、図6〜図8を用いて説明する。
まず、図6の(6A)に示すように、前記基礎25上に前記発泡原料不透過性の部材41を配置した後、前記中空ブロック310を所定数積層し、前記中空ブロック310の積層体の底面及び側面を前記発泡原料不透過性の部材41で覆う。
【0049】
この段階で積層する前記中空ブロック310の段数は、最終的に積層する段数よりも少なくする。前記中空ブロック310の積層は、前記中空ブロック310が図2及び図3に示したカゴ状(バスケット状)からなる中空ブロック320の場合、一段目については開口側が上を向くようにし、その上には開口側が下を向くようにし、さらにその上には開口側が上を向くようにして、交互に開口側が反対を向くようにする。一方、前記中空ブロック310が、図4に示した複数の孔331を有する板状体332に凸部333が複数形成された中空ブロック330の場合、一段目については前記凸部333を上向きにし、その上には前記凸部333が下を向くようにし、さらにその上には凸部333が上を向くようにして、交互に凸部333が反対を向くようにする。また、施工場所のスペースに応じて、前記中空ブロック310は横に所定数並べて前記基礎25上に配置される。
【0050】
なお、前記発泡原料不透過性の部材41は、今回形成した中空ブロック310の底面及び側面を覆うことができる大きさの金属シートあるいは樹脂シート等を、前記基礎25上に広げて配置し、前記発泡原料不透過性の部材41上に前記中空ブロック310を所定数積層した後、前記中空ブロック310の外側にはみ出した発泡原料不透過性の部材41を上方へ引き上げて、前記積層した中空ブロック310の側面を覆うようにしてもよい。さらに、前記発泡原料不透過性の部材41は、前記中空ブロック310が全て積層された大きさのもの(すなわち前記中空ブロック集合体)を包むことができる大きさのものを用意し、今回積層した中空ブロック310の外周にはみ出した部分を、今回積層した中空ブロック310の最上面に配置して発泡原料の注入・発泡を行ってもよい。また、前記発泡原料不透過性の部材41は、今回積層した中空ブロック310の側面のみを包囲するようにしてもよい。なお、前記発泡原料不透過性の部材41は、積層した中空ブロック310の側面に、接着によりあるいは紐等により固定する。
【0051】
また、図1で示したパイプ71を、前記発泡原料不透過性の部材41を貫通して一端が前記中空ブロック310が配置された空間に至り、他端が前記壁面材27を貫通して外部と通じるように配置する。
その後、前記発泡原料500を積層された前記中空ブロック310の側部、すなわち積層された前記中空ブロック310と前記斜面11及び壁面材27との間の空間に、発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出し、図6の(6B)に示す第一層の硬質発泡体511を積層された前記中空ブロック310の側部に形成する。前記発泡原料500の吐出量は、発泡形成する第一層の硬質発泡体511が、前記中空ブロック310の最上面とほぼ等しい高さとなる量とする。
【0052】
次に、図6の(6B)に示すように、前回積層した中空ブロック310の最上面に、再び前記中空ブロック310を所定数積層し、前記中空ブロック310の最上面を除く側面周囲を前記発泡原料不透過性の部材41で覆い、さらに別のパイプ72を、前記発泡原料不透過性の部材41を貫通して一端が前記中空ブロック310が配置された空間に至り、他端が前記壁面材27を貫通して外部と通じるように配置する。その後、前記発泡原料500を前記第一層の硬質発泡体511上に発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出し、図7の(7A)に示す第二層の硬質発泡体512を今回積層した前記中空ブロック310の側部に形成する。
【0053】
次に、図7の(7A)に示すように、前回積層した中空ブロック310の最上面に、再び前記中空ブロック310を所定数積層し、今回積層した中空ブロック310の最上面を除く側面周囲を前記発泡原料不透過性の部材41で覆い、前記発泡原料500を第二層の硬質発泡体512上に発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出し、図7の(7B)に示す第三層の硬質発泡体513を今回積層した前記中空ブロック310の側部に形成し、前記第一層の硬質発泡体511と前記第二層の硬質発泡体512と前記第三層の硬質発泡体513の積層体からなる前記硬質発泡体の外周部501を形成する。また、今回までに積層した前記中空ブロック310の積層体によって前記中空ブロック集合体31が構成される。
【0054】
次に、図7の(7B)に示すように、前記中空ブロック集合体31の上面を前記発泡原料不透過性の部材41で覆い、前記第三層の硬質発泡体513の上(すなわち前記硬質発泡体50の外周部501の上)及び前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上に、前記発泡原料500を発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出する。そして図8の(8A)に示すように前記第四層の硬質発泡体514を、前記第三層の硬質発泡体513(すなわち前記硬質発泡体50の外周部501)及び前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上に形成する。その後、必要に応じて、前記発泡原料の吐出・発泡を繰り返して所定の高さになるまで硬質発泡体を積層し、図8の(8B)に示すように、前記発泡原料不透過性の部材41で覆われた中空ブロック集合体31の上および前記外周部501の上に位置する前記硬質発泡体の軽量盛土部502を形成する。なお、所定の高さまで積層した前記硬質発泡体(511等)は、発泡時の接着性により接着して前記外周部501及び軽量盛土部502を形成し、さらに前記外周部501及び軽量盛土部502が接着一体化して図1の硬質発泡体50となる。
【0055】
前記発泡原料500の発泡時及び発泡後、前記中空ブロック310が配置された空間32は冷却空間として作用し、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体の温度低下を促進し、前記硬質発泡体50の上部と底部の温度差を小さくする。特に温度差の大きくなる軽量盛土部502の上部と底部の温度差を小さくできる。さらに、前記中空ブロック310が配置された空間32内の空気が複数の前記パイプ71、72によって換気され、外部の空気が前記中空ブロック310の配置された空間32内に流入して硬質発泡体50を内部から冷却するため、前記硬質発泡体50の上部と底部の温度差を一層小さくすることができる。複数の前記パイプ71、72は相対的に上下の位置関係があり、前記中空ブロック310が配置された空間32内で暖められた空気が相対的に上方のパイプ72より排出され、相対的に下方のパイプ71より外気が吸気される対流が生じることで換気される。また、前記発泡原料の発泡時及び発泡後の何れか一方または両方において、前記パイプ71、72のうち、一方のパイプ72の外端に接続した吸気装置Vによって、前記中空ブロック310が配置された空間32内の空気を強制的に外部に排気することを行えば、前記硬質発泡体50の底部までさらに短時間で冷却することができ、前記硬質発泡体50の上部と底部の温度差を一層小さくすることができる。そのため、前記硬質発泡体50における反りの発生をより効果的に抑えることができる。特に軽量盛土部502の上部と底部の温度差を小さくでき、前記軽量盛土部502の反りの発生を抑えることができる。また、前記吸気装置Vに代えて送気装置Wを前記パイプ71、72のうち、一方のパイプ72の外端に接続し、前記硬質発泡体50の外部の空気を前記中空ブロック310が配置された空間32に吹き込んで前記中空ブロック310が配置された空間32内の空気を外部の空気で換気し、前記硬質発泡体50の冷却を行ってもよい。前記吸気装置Vは真空吸引装置等の公知の装置を用いることができる。一方、前記送気装置Wは、真空吸引装置の他、コンプレッサー等の公知の装置を用いることができる。
【0056】
その後、前記硬質発泡体50の上面に、図1に示した前記保護層61をコンクリートの打設あるいは樹脂製シート等の配置により形成し、さらにアスファルトや覆土による舗装63を設ける。
【0057】
図9に示す第2実施形態の軽量盛土は、地盤21A上に土手状に形成されたものである。第2実施形態の軽量盛土では、地盤21Aの上にコンクリートや土砂等の基礎25Aが設けられ、前記基礎25Aの上に中空ブロック310Aの複数からなる中空ブロック集合体31Aが、その外周を発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた状態で配置されている。前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Aの外側には硬質発泡体50Aが形成されて該硬質発泡体50Aの内部に前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Aが埋設されている。前記硬質発泡体50Aの上には保護層61Aを備え、さらに保護層61Aの上にアスファルトや覆土による舗装63Aが設けられている。前記硬質発泡体50Aは、前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Aの側面の一部又は全部を覆う外周部501Aと、前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Aの上および前記外周部501Aの上に位置する軽量盛土部502Aとからなる。なお、第2実施形態の軽量盛土及び後述の軽量盛土工法において、前記第1実施形態と同じ部材は、第1実施形態で用いた数字と同一の数字で表すと共に「A」の付記によって他の実施形態と区別した。また、符号Fは、発泡原料を吐出して前記硬質発泡体50Aを発泡形成する際に、前記発泡原料が流出するのを妨げる仕切材であり、符号Jは、連続繊維補強土等によって形成された法面である。
【0058】
第2実施形態の軽量盛土では、発泡原料の発泡時及び発泡後、前記中空ブロック310Aの配置された空間32Aが冷却空間として作用し、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体50Aの温度上昇を抑え、前記硬質発泡体50Aの上部と底部の温度差を小さくし、前記硬質発泡体50Aに反りが発生するのを抑えることができる。
【0059】
さらに、前記硬質発泡体50Aには、前記硬質発泡体50Aの外部と前記中空ブロック310Aの配置された空間32Aとを連通するパイプ71A、72Aが埋設されている。前記パイプ71A、72Aは、一端が前記発泡原料不透過性の部材41Aを貫通して前記中空ブロック310Aが配置された空間32Aに通じ、他端が前記硬質発泡体50Aの外部の前記仕切材Fを貫通して硬質発泡体50Aの外と通じている。前記パイプ71A、72Aは、前記中空ブロック310Aの配置された空間32Aの換気口として作用し、前記発泡原料の発泡時に生じる発熱による硬質発泡体50Aの温度上昇を効率よく抑え、硬質発泡体50Aの上部と底部の温度差を小さくし、前記硬質発泡体50Aに反りが発生するのを抑えることができる。前記パイプ71A、72Aは相対的に上下の位置関係があり、前記中空ブロック310Aの配置された空間32A内で暖められた空気が相対的に上方のパイプ72Aより排出され、相対的に下方のパイプ71Aより外気が吸気される対流が生じることで換気される。また、前記軽量盛土周囲で水位が上昇することがあっても、前記中空ブロック310Aの配置された空間32Aの内外を通じている前記パイプ71A、72Aを通って、前記中空ブロックの配置された空間32Aに水が流入して貯留され、軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる。
【0060】
前記第2実施形態の軽量盛土を形成するための軽量盛土工法は、基礎形成工程、硬質発泡体形成工程、仕上げ工程とよりなる。
基礎形成工程では、地盤21Aの表面にコンクリートを打設し、あるいはコンクリート板や土砂等を配置して基礎25Aを形成する。前記基礎25Aの表面には、必要に応じてプライマーを塗布する。
【0061】
硬質発泡体形成工程では、外周部形成工程と軽量盛土部形成工程を行う。外周部形成工程では、まず図10の(10A)に示すように、前記基礎25Aの両端に仕切材Fを立設すると共に、前記基礎25Aの上に前記発泡原料不透過性の部材41Aを配置した後、前記中空ブロック310Aを所定数積層し、該積層した前記中空ブロック310Aの最上面を除く側面周囲を発泡原料不透過性の部材41Aで覆う。また、前記パイプ71Aを、前記発泡原料不透過性の部材41Aを貫通して一端が前記中空ブロック310Aが配置された空間に至り、他端が前記仕切材Fを貫通して外部と通じるように配置する。前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた複数の中空ブロック310Aの側部、すなわち前記中空ブロック310Aと前記仕切材F間の前記基礎25A上に、前記発泡原料500Aを発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出し、図10の(10B)に示す第一層の硬質発泡体511Aを、前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた複数の中空ブロック310Aの側部、すなわち積層された前記中空ブロック310Aと前記仕切材F間に形成する。
【0062】
次に、図10の(10B)に示すように、第一層の硬質発泡体511Aの両縁より所定距離内側に仕切材Fを立設し、前回積層した中空ブロック310Aの積層体の最上面に、再び前記中空ブロック310Aを所定数積層する。そして今回積層した前記中空ブロック310Aの最上面を除く側面周囲を、前記発泡原料不透過性の部材41で覆い、前記発泡原料500Aを第一層の硬質発泡体511A上に発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出し、図10の(10C)に示す第二層の硬質発泡体512Aを形成する。
【0063】
次に、図10の(10C)に示すように、前記第二層の硬質発泡体空512Aの両縁より所定距離内側に仕切材Fを立設し、前回積層した中空ブロック310Aの積層体の最上面に、再び前記中空ブロック310Aを所定数積層し、これまでに積層した中空ブロック310Aからなる前記中空ブロック集合体31Aを形成する。そして、前記中空ブロック集合体31Aの上面を除く側面周囲を前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆い、別のパイプ72Aを、前記発泡原料不透過性の部材41Aを貫通して一端が前記中空ブロック310Aの配置された空間に至り、他端が前記仕切材Fを貫通して外部と通じるように配置する。その後、前記発泡原料500Aを前記第二層の硬質発泡体512A上に発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出し、図11の(11A)に示す第三層の硬質発泡体513Aを形成する。前記第一層の硬質発泡体511Aと第二の硬質発泡体層512Aと第三の硬質発泡体層513Aは、前記発泡原料の発泡時の接着性により一体化して、前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Aの側面の一部又は全部を覆う前記硬質発泡体の外周部501Aとなる。
【0064】
次に、軽量盛土部形成工程では、図11の(11A)に示すように、前記第三層の硬質発泡体513Aの両縁より所定距離内側に仕切材Fを立設し、前記中空ブロック集合体31Aの上面を前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆う。そして、前記第三層の硬質発泡体513Aの上(すなわち前記硬質発泡体の外周部501Aの上)及び前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Aの上に、前記発泡原料500Aを発泡原料注入機のスプレーガンG等から吐出し、図11の(11B)に示すように前記第四層の硬質発泡体514Aを、前記第三層の硬質発泡体513Aの上(すなわち前記硬質発泡体の外周部501Aの上)及び前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた前記中空ブロック集合体31Aの上に形成する。前記第四層の硬質発泡体514Aは、前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Aの上および前記外周部501Aの上に位置する軽量盛土部502Aとなる。なお、前記外周部501Aと軽量盛土部502Aは、前記発泡原料の発泡時の接着性により一体化して図9に示した前記硬質発泡体50Aとなる。前記中空ブロック310Aの積層回数及び前記発泡原料500Aの吐出・発泡の繰り返し回数は、前記軽量盛土の高さ等に応じて適宜設定される。
【0065】
前記発泡原料の発泡時及び発泡後、前記中空ブロック310Aが配置された空間32Aは冷却空間として作用し、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体の温度低下を促進し、前記硬質発泡体50Aの上部と底部の温度差を小さくすることができる。さらに、前記中空ブロック310Aの配置された空間32A内の空気が前記パイプ71A、72Aによって換気され、外部の空気が前記中空ブロック310Aの配置された空間32A内に流入して硬質発泡体50Aを内部から冷却するため、前記硬質発泡体50Aの上部と底部の温度差を一層小さくすることができる。また、前記発泡原料の発泡時及び発泡後の何れか一方または両方において、前記パイプ71A、72Aのうち、一方のパイプ72Aの外端に接続した吸気装置Vによって、前記中空ブロック310Aが配置された空間32A内の空気を強制的に外部に排気することを行えば、前記硬質発泡体50Aの底部までさらに短時間で冷却することができ、前記硬質発泡体50Aの上部と底部の温度差を一層小さくすることができる。そのため、前記硬質発泡体50Aにおける反りの発生をより効果的に抑えることができる。特に軽量盛土部502Aの上部と底部の温度差を小さくでき、前記軽量盛土部502Aの反りの発生を抑えることができる。また、前記吸気装置Vに代えて送気装置Wを前記パイプ71A、72Aのうち、一方のパイプ72Aの外端に接続し、前記硬質発泡体50Aの外部の空気を前記中空ブロック310Aが配置された空間32Aに吹き込んで前記中空ブロック310Aが配置された空間32A内の空気を外部の空気で換気し、前記硬質発泡体50の冷却を行ってもよい。
【0066】
その後、前記硬質発泡体50Aの上面に、図9に示した前記保護層61Aを打設等により形成し、さらにアスファルトや覆土による舗装63Aを設け、また、吹き付け等により前記法面Jを形成する。
【0067】
図12に示す第3実施形態の軽量盛土は、前記第1実施形態の軽量盛土の構造において、前記複数の中空ブロック310からなる中空ブロック集合体31の上面を覆う前記発泡原料不透過性部材41を、発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410とし、前記硬質発泡体50内には、前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410と前記硬質発泡体50の軽量盛土部502の外部間を通じる水流入第1パイプ710、711と、前記斜面11と前記中空ブロック310が配置された空間32の側部とを連通する水流入第2パイプ712、713とを設け、前記硬質発泡体50の外周部501の外部と前記中空ブロック310が配置された空間32とを連通するパイプ71、72を排水パイプ710A、720Aを兼ねるようにした点で前記第1実施形態と相違し、他の構造は前記第1実施形態と同様である。
【0068】
前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410は、前記発泡原料を通さず、かつ水を通すものであり、例えば砂の層とその下面(すなわち中空ブロックの最上面)に配置した不織布、織布などの砂を透過しない透水性シート状物との組み合わせ、あるいは発泡原料が通過できない細かい織目等の孔を有する透水性シート状物の単独で構成してもよい。硬質ポリウレタン発泡体用等の発泡原料は、吐出時の粘度が水の粘度よりも高いため、発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410で前記中空ブロック集合体31の上面を覆えば、硬質発泡体の形成時に発泡原料が前記中空ブロック310が配置された空間32内に進入するのを防止することができる。
【0069】
前記水流入第1パイプ710、711と水流入第2パイプ712、713は、樹脂製が好ましい。前記水流入第1パイプ710、711は、一端が発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410に至り、他端が前記硬質発泡体50の軽量盛土部502の上面に形成された前記保護層61を貫通して舗装63の下部に至るように上下方向に設けられている。
【0070】
前記第3実施形態の軽量盛土では、第1実施形態と同様に、前記発泡原料の発泡時及び発泡後、前記中空ブロック310の配置された空間32が冷却空間として作用し、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体の温度低下を促進し、前記硬質発泡体50の上部と底部の温度差を小さくして、硬質発泡体50における反りの発生を抑えることができる。さらに、前記パイプ71、72、710、711は、前記中空ブロック310が配置された空間32の換気口として作用し、前記発泡原料の発泡時に生じる発熱による硬質発泡体50の温度上昇を効率よく抑えると共に、硬質発泡体50の上部と底部の温度差を一層小さくし、硬質発泡体における反りの発生を一層抑えることができる。硬質発泡体50の積層時には、前記パイプ710、711は硬質発泡体50の上部へ貫通しているため、前記空間32内で暖められた空気が上昇気流として排出され、相対的に下方のパイプ71、72より外気が吸気される対流が生じることで、さらに効率よく換気される。
【0071】
また、第3実施形態の軽量盛土に降った雨水は、軽量盛土底部よりも、その周囲における水位が低い場合、前記水流入第1パイプ710、711と水流入第2パイプ712、713を通って前記中空ブロック310が配置された空間32に流入し、該空間32内に一旦滞留された後、前記パイプ71(排水パイプ710A)、72(排水パイプ720A)から外部に排出される。そのため、大雨時に雨水が軽量盛土上に溢れるのを防止することができる。また、前記軽量盛土周囲で水位が上昇することがあっても、前記中空ブロック310の配置された空間32の内外を通じている前記パイプ71、72を通って、前記中空ブロックの配置された空間32に水が流入して貯留され、軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる。
【0072】
前記第3実施形態の軽量盛土を形成するための軽量盛土工法は、前記第1実施形態の軽量盛土工法において、前記発泡原料を吐出して前記硬質発泡体50の外周部501を形成する際に、前記パイプ71、72の設置と共に前記水流入第2パイプ712、713を設置し、前記硬質発泡体50の外周部501を形成した後、前記第1実施形態における前記中空ブロック集合体31の上面を覆う前記発泡原料不透過性部材41に代えて砂等からなる発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410を設け、前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410上に前記水流入第1パイプ710、711を立設し、前記発泡原料を前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410上に吐出して前記硬質発泡体50の軽量盛土部502を形成する。前記水流入第1パイプ710、711は、前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材410表面上に立設してもよいし、前記部材410内部に配置されてもよい。その他は、前記第1実施形態の軽量盛土工法と同様に行うことができる。また、前記発泡原料の発泡時及び発泡後の何れか一方または両方において、前記パイプ71、72のうち、一方のパイプ72の外端に接続した前記吸気装置によって、前記中空ブロック310が配置された空間32内の空気を強制的に外部に排気し、あるいは一方のパイプ72の外端に接続した前記送気装置によって前記中空ブロック310が配置された空間32内に外部の空気を吹き込んでもよい。
【0073】
図13に示す第4実施形態の軽量盛土は、地面に穴を掘って形成したほぼ平坦な地盤21Bの上に、コンクリートや土砂等の基礎25Bが設けられ、前記基礎25Bの上に中空ブロック310Bが複数積層され、該複数の中空ブロック310Bからなる中空ブロック集合体31Bが、その外周を発泡原料不透過性の部材41Bで覆われた状態で配置されている。前記発泡原料不透過性の部材41Bで覆われた中空ブロック集合体31Bの外側には硬質発泡体50Bが形成され、さらに前記硬質発泡体50Bの上に保護層61Bを備える。前記保護層61Bの上には舗装63Bが設けられる。符号501Bは前記発泡原料不透過性の部材41Aで覆われた中空ブロック集合体31Bの側面の一部又は全部を覆う硬質発泡体の外周部、符号502Bは前記発泡原料不透過性の部材41Bで覆われた中空ブロック集合体31Bの上および前記外周部501Bの上に位置する硬質発泡体の軽量盛土部である。また、前記硬質発泡体50Bの外周部501B内には、前記硬質発泡体50Bの外周部501Bの外部と前記中空ブロック310Bが配置された空間32Bとを連通する水流入パイプ714、715と排水パイプ716、717が埋設されている。なお、前記第1実施形態の軽量盛土と同じ部材は、第1実施形態で用いた数字と同一の数字で表すと共に「B」の付記によって他の実施形態と区別した。
【0074】
第4実施形態の軽量盛土では、第1実施形態と同様に、前記発泡原料の発泡時及び発泡後、前記中空ブロック310Bの配置された空間32Bが冷却空間として作用し、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体の温度低下を促進し、前記硬質発泡体50Bの上部と底部の温度差を小さくし、前記硬質発泡体50Bにおける反りの発生を抑えることができる。
【0075】
さらに、第4実施形態の軽量盛土上に降った雨水は、前記水流入パイプ714、715を通って前記中空ブロック310Bが配置された空間32Bに流入し、該空間32B内に一旦滞留された後、前記排水パイプ716、717から外部に排出される。そのため、大雨時に雨水が軽量盛土上に溢れるのを防止することができる。また、前記硬質発泡体50Bと前記法面Kとの境界等から雨水等が軽量盛土内に侵入し、前記軽量盛土周囲で水位が上昇することがあっても、前記中空ブロック310Bの配置された空間32Bの内外を通じている前記パイプ714、715、716、717により、前記中空ブロックの配置された空間32Bに水が流入して貯留され、軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる。
【0076】
前記第4実施形態の軽量盛土を形成するための軽量盛土工法は、基礎形成工程、硬質発泡体形成工程、仕上げ工程とよりなる。
基礎形成工程では、地面に穴を掘って形成した前記地盤21Bの表面にコンクリートを打設し、あるいはコンクリート板を配置して基礎25Bを形成する。前記基礎25Bの表面には、必要に応じてプライマーを塗布する。
【0077】
硬質発泡体形成工程では、外周部形成工程と軽量盛土部形成工程を行う。
外周部形成工程では、前記基礎25B上に前記中空ブロック310Bを複数積層し、該複数の中空ブロック310Bからなる中空ブロック集合体31Bの外周を前記発泡原料不透過性の部材41Bで覆う。また、発泡後の前記硬質発泡体50Bの外周部501Bの外部と前記中空ブロック310Bが配置された空間32Bとを連通することとなるように前記水流入パイプ714、715と、前記排水パイプ716、717を設置し、前記発泡原料不透過性の部材41Bで覆われた中空ブロック集合体31Bの側部に前記発泡原料を吐出して発泡させる。これにより、前記硬質発泡体50Bの外周部501Bを形成し、前記水流入パイプ714、715と前記排水パイプ716、717を前記硬質発泡体50Bの外周部501B内に埋設する。
【0078】
軽量盛土部形成工程では、前記硬質発泡体50Bの外周部501Bの上及び前記発泡原料不透過性の部材41Bで覆われた前記中空ブロック集合体31Bの上に前記発泡原料を吐出して発泡させ、前記硬質発泡体50Bの軽量盛土部502Bを形成する。
なお、記硬質発泡体形成工程では、第1実施形態と同様に、前記中空ブロック310Bを複数回に分けて積層し、また前記硬質発泡体の外周部501B及び軽量盛土部502Bの形成を、それぞれ複数回の発泡原料の吐出と発泡により行うことができる。
【0079】
前記発泡原料の発泡時及び発泡後、前記中空ブロック310Bが配置された空間32Bが冷却空間として作用し、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体の温度低下を促進し、前記硬質発泡体50Bの上部と底部の温度差を小さくし、前記硬質発泡体50Bにおける反りの発生を抑えることができる。さらに図示しないが、放熱性を向上するように、前記水流入パイプ714、715と前記排水パイプ716、717のうちの少なくとも一つにおいて、法面Kに接する位置から延設され、硬質発泡体50Bの上面へ連通される通気部を設けてもよい。また、中空ブロック集合体31Bの上面から硬質発泡体50Bの上面へ連通される通気部を設けてもよい。前記中空ブロック310Bが配置された空間32Bが外気と連通することで、前記発泡原料の発泡時の発熱による前記硬質発泡体の温度低下をさらに促進し、前記硬質発泡体50Bの上部と底部の温度差を小さくすることができる。硬質発泡体50の積層しやすさを考慮して、前記法面Kに沿って合成樹脂製のパイプや空隙を有する排水材などの前記通気部を設けることが望ましい。
【0080】
本発明の軽量盛土について、中空ブロックの存在による反り防止効果を確認するため、次のようにして硬質発泡体を形成した。図2に示した中空ブロック310A(縦360mm×横360mm×高さ260mm、プロピレン製)を、地盤上に横一列に10個、上方に2段積層し、該積層した中空ブロック集合体の側面及び上面をアルミニウム板からなる発泡原料不透過性の部材で覆った後、周囲に硬質ポリウレタン発泡体用の発泡原料を吐出して、幅1m、長さ5m、高さ1mの中空ブロック有り硬質発泡体を形成した。図14の(A)は形成した中空ブロック有り硬質発泡体(実施例)の平面図であり、符号Pは硬質発泡体を示す。硬質発泡体の形成直後に、硬質発泡体の横方向両端から1mのA位置とC位置及び中央のB位置において、硬質発泡体の上面付近(上面から10cm)、内部中央(上下中間位置)、底部付近(底部から10cmの位置)の温度をデジタル温度計により測定した。表1に中空ブロック有りの場合の温度測定結果を示す。また、硬質発泡体の形成後24時間経過後に長さ方向両端の反りを測定した。
【0081】
比較のため、中空ブロック310Aを配置することなく、幅1m、長さ5m、高さ1mの中空ブロック無し硬質発泡体(比較例)を形成し、中空ブロック有り硬質発泡体(実施例)と同様に前記A位置、B位置、C位置について温度を測定した。表2に中空ブロック無しの場合の温度測定結果を示す。また、中空ブロック無し硬質発泡体(比較例)において、硬質発泡体の形成後24時間経過後に長さ方向両端の反りを測定した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
表1に示すように、中空ブロック有りの実施例の場合には上面付近と底部付近の温度が殆ど等しかったのに対し、中空ブロック無しの比較例の場合には、表2に示すように、表面付近に比べて底部付近の温度が40℃近くも高かった。また、反りについては、図14の(B)に示すように、中空ブロック有りの実施例の場合には反りが3cmで小さかったのに対し、図14の(C)に示すように、中空ブロック無しの比較例の場合には10cmと大きなものであった。これらの結果から、本発明の軽量盛土のように中空ブロックを硬質発泡体内に配置することにより、硬質発泡体の底部の温度上昇を抑えるのと同時に冷却を促進して上部と底部の温度差を少なくでき、硬質発泡体の上面の反りを抑えることができることが確認できた。
【0085】
なお、前記実施形態においては、硬質発泡体の外部と前記中空ブロックの配置された空間とを連通するパイプを設けた場合を示したが、本発明は、前記パイプを設けない場合も含まれるものであり、その場合でも、中空ブロックが硬質発泡体の下層または硬質発泡体内に配置されていることによって、硬質発泡体の反りの発生を抑えることができ、また軽量盛土周囲の水位が上昇しても中空ブロックの配置された空間に水が貯留されて硬質発泡体と中空ブロックからなる軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる。また、前記実施形態においては、前記硬質発泡体が前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側面の一部又は全部を覆う外周部と、前記中空ブロックの上および前記外周部の上に位置する前記軽量盛土部とからなる場合を示したが、本発明は、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側面を、斜面あるいは穴内の側面に当接させて前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの上のみに硬質発泡体を設ける場合も含まれ、その場合でも、中空ブロックが硬質発泡体の下層に配置されていることによって、硬質発泡体の反りの発生を抑えることができ、また軽量盛土周囲の水位が上昇しても中空ブロックの配置された空間に水が貯留されて硬質発泡体と中空ブロックからなる軽量盛土に発生する浮力を抑えることができる。
【符号の説明】
【0086】
11 斜面
21、21A、21B 地盤
25、25A、25B 基礎
31、31A、31B 中空ブロック集合体
41、41A、41B 発泡原料不透過性の部材
50、50A、50B 硬質発泡体
61、61A、61B 保護層
71、72、71A、72A パイプ
310、310A、310B 中空ブロック
410 発泡原料不透過性及び透水性を有する部材
500、500A、500B 発泡原料
710、711、712、713、714、715 水流入パイプ
710A、720A、716、717 排水パイプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤の基礎上に形成した硬質発泡体の上に保護層を備える軽量盛土において、
中空ブロックが発泡原料不透過性の部材で外周を覆われた状態で前記基礎上に配置され、
前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上に前記硬質発泡体が積層されていることを特徴とする軽量盛土。
【請求項2】
前記硬質発泡体は、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側面の一部又は全部を覆う外周部と、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上および前記外周部の上に位置する軽量盛土部とからなることを特徴とする請求項1に記載の軽量盛土。
【請求項3】
前記中空ブロックが配置された空間と前記硬質発泡体の外部が連通していることを特徴とする請求項1または2に記載の軽量盛土。
【請求項4】
前記中空ブロックの複数が前記基礎上に一段で配置され、あるいは積層された複数段で配置され、前記複数の中空ブロックからなる中空ブロック集合体の外周が前記発泡原料不透過性の部材で覆われていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の軽量盛土。
【請求項5】
前記中空ブロックが配置された空間に水を滞留させることができ、
前記発泡原料不透過性の部材は、少なくとも一部が発泡原料不透過性及び透水性を有する部材からなり、
前記硬質発泡体の外部と前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材とが連通し、前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材と前記中空ブロックが配置された空間とが連通していることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の軽量盛土。
【請求項6】
前記中空ブロックが配置された空間に水を滞留させることができ、
前記硬質発泡体内には、前記硬質発泡体の外部と前記中空ブロックが配置された空間とを連通する水流入路と、前記中空ブロックが配置された空間と前記硬質発泡体の外部とを連通する排水路が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の軽量盛土。
【請求項7】
地盤の基礎上に硬質発泡体の発泡原料を吐出して硬質発泡体を形成し、前記硬質発泡体の上に保護層を設ける軽量盛土工法において、
前記基礎上に中空ブロックを配置して該中空ブロックの外周を発泡原料不透過性の部材で覆い、
前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上に前記発泡原料を吐出して発泡させることにより前記硬質発泡体を形成し、
その後、前記硬質発泡体の上に前記保護層を設けることを特徴とする軽量盛土工法。
【請求項8】
前記発泡原料を吐出して前記硬質発泡体を形成する工程は、
前記発泡原料を、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側部に吐出して発泡させることにより、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側面の一部又は全部を覆う硬質発泡体からなる外周部を形成する外周部形成工程と、
前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上及び前記硬質発泡体からなる外周部の上に前記発泡原料を吐出して発泡させることにより、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの上および前記外周部の上に位置する硬質発泡体からなる軽量盛土部を形成する軽量盛土部形成工程とよりなることを特徴とする請求項7に記載の軽量盛土工法。
【請求項9】
前記中空ブロックの複数を前記基礎上に一段で配置し、あるいは積層した複数段で配置し、前記複数の中空ブロックからなる中空ブロック集合体の外周を前記発泡原料不透過性の部材で覆うことを特徴とする請求項7または8に記載の軽量盛土工法。
【請求項10】
前記中空ブロックが配置された空間に一端が通じ、他端が発泡後の前記硬質発泡体の外部と通じることとなるようにパイプを配置して前記発泡原料の吐出及び発泡を行うことを特徴とする請求項7から9の何れか一項に記載の軽量盛土工法。
【請求項11】
前記発泡時及び発泡後の何れか一方あるいは両方において、前記中空ブロックが配置された空間の空気を前記パイプの他端に接続した吸気装置で吸引し、前記硬質発泡体の外部へ排出することを特徴とする請求項10に記載の軽量盛土工法。
【請求項12】
前記発泡時及び発泡後の何れか一方あるいは両方において、前記中空ブロックが配置された空間に、前記パイプの他端に接続した送気装置で前記硬質発泡体の外部の空気を吹き込むことを特徴とする請求項10に記載の軽量盛土工法。
【請求項13】
前記中空ブロックが配置された空間に水を滞留させることができ、
前記中空ブロックが配置された空間に一端が通じ、他端が発泡後の前記硬質発泡体の外部と通じることとなるように水流入パイプと排水パイプを配置して前記発泡原料の吐出及び発泡を行うことを特徴とする請求7から12の何れか一項に記載の軽量盛土工法。
【請求項14】
前記発泡原料不透過性の部材は、少なくとも一部が発泡原料不透過性及び透水性を有する部材からなり、
前記水流入パイプは、一端を前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材の位置とし、他端が発泡後の前記硬質発泡体の外部と通じることとなるように配置することを特徴とする請求項13に記載の軽量盛土工法。
【請求項1】
地盤の基礎上に形成した硬質発泡体の上に保護層を備える軽量盛土において、
中空ブロックが発泡原料不透過性の部材で外周を覆われた状態で前記基礎上に配置され、
前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上に前記硬質発泡体が積層されていることを特徴とする軽量盛土。
【請求項2】
前記硬質発泡体は、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側面の一部又は全部を覆う外周部と、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上および前記外周部の上に位置する軽量盛土部とからなることを特徴とする請求項1に記載の軽量盛土。
【請求項3】
前記中空ブロックが配置された空間と前記硬質発泡体の外部が連通していることを特徴とする請求項1または2に記載の軽量盛土。
【請求項4】
前記中空ブロックの複数が前記基礎上に一段で配置され、あるいは積層された複数段で配置され、前記複数の中空ブロックからなる中空ブロック集合体の外周が前記発泡原料不透過性の部材で覆われていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の軽量盛土。
【請求項5】
前記中空ブロックが配置された空間に水を滞留させることができ、
前記発泡原料不透過性の部材は、少なくとも一部が発泡原料不透過性及び透水性を有する部材からなり、
前記硬質発泡体の外部と前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材とが連通し、前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材と前記中空ブロックが配置された空間とが連通していることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の軽量盛土。
【請求項6】
前記中空ブロックが配置された空間に水を滞留させることができ、
前記硬質発泡体内には、前記硬質発泡体の外部と前記中空ブロックが配置された空間とを連通する水流入路と、前記中空ブロックが配置された空間と前記硬質発泡体の外部とを連通する排水路が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の軽量盛土。
【請求項7】
地盤の基礎上に硬質発泡体の発泡原料を吐出して硬質発泡体を形成し、前記硬質発泡体の上に保護層を設ける軽量盛土工法において、
前記基礎上に中空ブロックを配置して該中空ブロックの外周を発泡原料不透過性の部材で覆い、
前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上に前記発泡原料を吐出して発泡させることにより前記硬質発泡体を形成し、
その後、前記硬質発泡体の上に前記保護層を設けることを特徴とする軽量盛土工法。
【請求項8】
前記発泡原料を吐出して前記硬質発泡体を形成する工程は、
前記発泡原料を、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側部に吐出して発泡させることにより、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの側面の一部又は全部を覆う硬質発泡体からなる外周部を形成する外周部形成工程と、
前記発泡原料不透過性の部材で覆われた前記中空ブロックの上及び前記硬質発泡体からなる外周部の上に前記発泡原料を吐出して発泡させることにより、前記発泡原料不透過性の部材で覆われた中空ブロックの上および前記外周部の上に位置する硬質発泡体からなる軽量盛土部を形成する軽量盛土部形成工程とよりなることを特徴とする請求項7に記載の軽量盛土工法。
【請求項9】
前記中空ブロックの複数を前記基礎上に一段で配置し、あるいは積層した複数段で配置し、前記複数の中空ブロックからなる中空ブロック集合体の外周を前記発泡原料不透過性の部材で覆うことを特徴とする請求項7または8に記載の軽量盛土工法。
【請求項10】
前記中空ブロックが配置された空間に一端が通じ、他端が発泡後の前記硬質発泡体の外部と通じることとなるようにパイプを配置して前記発泡原料の吐出及び発泡を行うことを特徴とする請求項7から9の何れか一項に記載の軽量盛土工法。
【請求項11】
前記発泡時及び発泡後の何れか一方あるいは両方において、前記中空ブロックが配置された空間の空気を前記パイプの他端に接続した吸気装置で吸引し、前記硬質発泡体の外部へ排出することを特徴とする請求項10に記載の軽量盛土工法。
【請求項12】
前記発泡時及び発泡後の何れか一方あるいは両方において、前記中空ブロックが配置された空間に、前記パイプの他端に接続した送気装置で前記硬質発泡体の外部の空気を吹き込むことを特徴とする請求項10に記載の軽量盛土工法。
【請求項13】
前記中空ブロックが配置された空間に水を滞留させることができ、
前記中空ブロックが配置された空間に一端が通じ、他端が発泡後の前記硬質発泡体の外部と通じることとなるように水流入パイプと排水パイプを配置して前記発泡原料の吐出及び発泡を行うことを特徴とする請求7から12の何れか一項に記載の軽量盛土工法。
【請求項14】
前記発泡原料不透過性の部材は、少なくとも一部が発泡原料不透過性及び透水性を有する部材からなり、
前記水流入パイプは、一端を前記発泡原料不透過性及び透水性を有する部材の位置とし、他端が発泡後の前記硬質発泡体の外部と通じることとなるように配置することを特徴とする請求項13に記載の軽量盛土工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−149404(P2012−149404A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7476(P2011−7476)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(598055862)イノアック特材株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(598055862)イノアック特材株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
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