説明

農事用拡散送風機とそれを利用した装置とシステム

【課題】簡単な構造で高い効率性と静粛性を備えつつ、広範囲に送風しながら周囲の空気を拡散可能な農事用拡散送風機を提供することを目的とする。
【解決手段】対向する略同一形状の第1の板状体と第2の板状体で構成されるケーシングの間に挟設される遠心ファンを備える農事用拡散送風機であって、前記遠心ファンは、前記第1の板状体を貫通して駆動手段に接続される回転軸に固定され、前記第1の板状体及び/又は第2の板状体には、前記遠心ファンの吸込口が穿設され、前記第1の板状体と第2の板状体の全周に亘る隙間開口部を吹出口とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広範囲に風を拡散させるための農事用拡散送風機に係り、特に、遠心ファンを採用して2枚の薄板を合わせて構成されるケーシングの全周囲に亘って吹き出し可能な農事用拡散送風機と、それを利用した農事用拡散送風装置と農事用拡散送風システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、送風機は用途によって様々な仕様のものが存在している。一般家庭用の扇風機からビルや工場などの空調設備用の送風機や曝気用の送風機など多種多様である。
また、送風機は構造上、概ね遠心送風機、軸流送風機(プロペラファン)、遠心軸流送風機(ユニラインファン)の3種類に分類され、遠心送風機は、さらに一般的にはターボファン、プレートファン、多翼ファンの3種類に分類される。
このような送風機は、上述の家庭用あるいは産業用の用途以外に、農事用にも用いられており、例えば、温室などの換気や、寒冷地などでは凍霜害防除のためにも用いられている。
【0003】
以下、農事用の送風機について具体的に説明する。施設園芸ハウス(以下、単にハウスという。)において、作物を栽培する場合、作物の生育に適するように、温湿度、空気循環、炭酸ガス濃度を最適に保つ必要がある。
そのため、ハウス内では横張構成用のパイプや支持部材を利用して送風機が設置されたり、地上面近傍に固定式に設置されたり、台車上に載置され移動可能に設けられる場合もある。送風機を用いて空気循環を行い、作物の生育促進や病害防止、生育の均一化を図るものである。
また、ハウス内では、昼間光合成に必要な炭酸ガスが欠乏するため、通常炭酸ガスを施用しているが、炭酸ガスを均一に拡散させるためには、ハウスの排気扇と組み合わせることで循環を促進させることが多い。
さらに、ハウス内の温度を最適に保つ目的で温風暖房システムを使用することがある。この温風暖房システムは、周囲に噴気孔が形成されたダクトを作物が植設されている畝間(条間)に配置し、このダクトを介して温風暖房機から発生した温風を作物周辺へ供給することにより作物周辺の温度を生育に適するような温度にすることを目的とするものである。この温風暖房システムのダクトに温風を送り込む装置として、送風機が用いられている。
温風暖房機は、灯油等を燃料とし、バーナーを熱交換器内で燃焼させ、熱交換器の外部から送風機により熱交換器に向かって送風し、熱交換された熱をダクトに熱風として送り込むもので、このような方式を間熱式と呼んでいる。また、これに対し、直火式として、バーナーを熱交換器内で燃焼させ、熱交換器の外部から送風機による熱交換器に向かって送風し、かつ、熱交換器内の排気を一旦、送風機近傍に排気し、その排気を送風機によって再度吸入して、熱交換器で熱交換された後に熱風と一緒に混合させてダクトへ送り込むものがある。
【0004】
特許文献1に開示される発明では、バーナーで発生した熱を排気とともに温風暖房機内に設けられた送風機で直接ハウス内へ送り出すものが開示されている。
この発明では「霜防止装置」として、本体に設けられたバーナーで外気を加熱して、動翼によって送風し、本体に連通筒を介して接続される噴出筒から温風を噴出する。その際に、噴出筒をギヤードモータを用いて回転させることで噴出筒の周辺の大気を強制的に撹拌させて、効率よく霜の発生を防止するものである。
【0005】
また、特許文献2に開示される発明では、「方位角度調整可能な昇降式防霜ファン装置」として、水平・上下方向への往復回動を利用する送風ファンの略矩形のサイクル軌跡移動を利用して、送風範囲を可及的に拡大し、広範囲な送風を行うことのできるものが示されている。
防霜ファンを昇降ポールの先端に設けるとともに、防霜ファンの方位、俯角を自由に調整することで、より効率的な防霜を図ることが可能である。
【0006】
さらに、特許文献3では、「高温型熱風加温機を用いる施設園芸用温室の暖房方法と装置」として、高温型の熱風加温機に熱風ダクトを接続し、この熱風ダクトの端末部に温風吹出しユニットを連結する装置が開示されている。
この温風吹出しユニットには温風吹出し口が形成され、その近くに送風機を配置して、温室内空気を吸い込み、それを熱風と混合して温風吹出し口から温室内四方へ吹き出し、温室内を暖房するものである。これによって、小型、少数の加温機を用いつつ、中規模以上の温室の暖房を可能としている。
【0007】
【特許文献1】特開平4−281720号公報
【特許文献2】特開2005−188437号公報
【特許文献3】特開2002−305992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載された従来の技術では、簡単小型で機動性に富み、本体に動翼が設けられているものの、連通筒の先端に設けられた噴出筒が回転することによって送風されるので、風の到達範囲が狭く、温室内への十分な撹拌・拡散が困難であるという課題があった。
また、噴出筒自体を回転させるための電力が多大であり、経済的には必ずしも効率的とはいえないという課題があった。
【0009】
特許文献2に記載された従来の技術では、方位角度調整可能であるものの、昇降させるための機構が大きく埋設ポールによって固定しなければならないため、移動させることができず、設備が大掛かりとなってコストもかかってしまう。
【0010】
さらに、特許文献3に開示される従来の技術では、送風機として軸流ファンを用いており、熱風加温機で加熱された空気は、温風吹出しユニットにおいて室内空気吸込み口から空気を吸い込みつつ送風機によって温風吹き出し口から放出される際に、温風吹出しユニットの天井部分から水平方向へと気流が変化するため大きな流れの乱れと圧力損失が生じてしまう。これでは、遠方への送風や室内空気の効率的な撹拌作用が見込めず、一定の効果を得るために温風吹出しユニットの設置台数を増やしたり、あるいは送風機の出力を高めるなどの方策が必要となってしまうという課題があった。
【0011】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、簡単な構造で高い効率性と静粛性を備えつつ、広範囲に送風しながら周囲の空気を拡散可能な農事用拡散送風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である農事用拡散送風機は、対向する略同一形状の第1の板状体と第2の板状体で構成されるケーシングの間に挟設される遠心ファンを備える農事用拡散送風機であって、前記遠心ファンは、前記第1の板状体を貫通して駆動手段に接続される回転軸に固定され、前記第1の板状体及び/又は第2の板状体には、前記遠心ファンの吸込口が穿設され、前記第1の板状体と第2の板状体の全周に亘る隙間開口部を吹出口として、この吹出口と前記遠心ファンとを略同一平面上に構成とするものである。
上記構成の農事用拡散送風機は、第1の板状体と第2の板状体の間に形成される吹出口が、第1の板状体及び/又は第2の板状体に穿設される吸入口に対して垂直に構成されるものの、遠心ファンによって加圧された後には気流の方向を変化させるものがなく、吹出口側において圧力損失を低く維持するように作用する。また、第1の板状体と第2の板状体の間に形成される吹出口は、これらの板状体に挟まれるように構成されることから整流作用を有すると共に、全周囲に亘る開口部からなるため、全周囲に送風する作用を有する。
【0013】
また、請求項2に記載の発明である農事用拡散送風機は、請求項1に記載される農事用拡散送風機において、前記隙間開口部の面積を調整可能な制御部材を有するものである。
上記構成の農事用拡散送風機は、制御部材が隙間開口部の面積を調整するという作用を有する。
【0014】
請求項3に記載の発明である農事用拡散送風機は、請求項1又は請求項2に記載の農事用拡散送風機において、前記第1の板状体と第2の板状体の隙間の途中で径方向に狭める絞り機構を有するものである。
このように構成される農事用拡散送風機は、請求項1又は請求項2の発明の作用に加えて絞り機構が、第1の板状体と第2の板状体の隙間の途中で径方向に狭め、すなわち、これらの板状体の隙間を狭めることで、隙間開口部から放出される気体の吐出圧を高めるという作用を有する。
【0015】
請求項4に記載の発明である農事用拡散送風機は、請求項1乃至3に記載の農事用拡散送風機において、前記第1の板状体と第2の板状体の隙間開口部が、前記第1の板状体及び第2の板状体によって形成される平面に対して、屈曲又は湾曲しているものである。
このように構成される農事用拡散送風機は、第1の板状体と第2の板状体の隙間開口部を屈曲又は湾曲させることで、送風される気体の吐出方向を変化させるように作用する。
【0016】
請求項5に記載の発明である農事用拡散送風装置は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の農事用拡散送風機と、これを下方から支持する台部と、この台部と前記農事用拡散送風機の間には、前記農事用拡散送風機の支持角度を可変に角度調整部が介設されるものである。
このように構成される農事用拡散送風装置においては、角度調整部を介して農事用拡散送風機が台部に支持されるため、角度調整部が農事用拡散送風機の角度を可変とするように作用する。
【0017】
請求項6に記載の発明である農事用拡散送風システムは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の農事用拡散送風機と、この農事用拡散送風機の吸込口に接続されるダクトと、このダクトに接続される温風暖房機とを有するものである。
このように構成された農事用拡散送風システムにおいては、温風暖房機が気体を加熱してダクトを介して農事用拡散送風機に供給するように作用し、温風を拡散するように作用する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1に記載の農事用拡散送風機では、全周囲の方向に亘って、広範囲に遠方まで送風することができ、その結果、十分に拡散させることができ、また、周囲の気体も十分に撹拌することができる。
【0019】
また、請求項2に記載の農事用拡散送風機では制御部材が隙間開口部の面積を調整するため、閉口した部分からの送風を開口している部分へまわすことで、特定の一方向へ集中して送風することが可能である。また、隙間開口部の面積が減少することで、開口している部分からの吐出量を増やしてより遠方へ広範囲に送風することが可能となり、より高い撹拌・拡散の効果を発揮することができる。
【0020】
請求項3記載の農事用拡散送風機では、第1の板状体と第2の板状体の隙間の途中で径方向に狭めることで、送風の吐出速度を速めてより遠方へ広範囲に送風することが可能となり、より高い撹拌・拡散の効果を発揮することができる。
【0021】
請求項4記載の農事用拡散送風機では、隙間開口部を屈曲又は湾曲させることで、少なくとも一部の送風方向を周方向で変化させることが可能である。例えば、全周に亘って下方に向ける場合には、全周に亘って下方に送風することが可能であり、隙間開口部を0度から180度までと180度から360度までの2分割して0度から180度までを上方に屈曲させ、180度から360度までを下方に屈曲させるような場合には、周方向で上方に送風される方向と下方に送風される方向の2通りが選択可能である。全周に亘って隙間開口部があって、それを屈曲あるいは湾曲させるため、周方向で送風の方向を制御可能となるのである。
【0022】
請求項5に記載の農事用拡散送風装置では、角度調整部を備えているので農事用拡散送風機の角度、すなわち、隙間開口部の全体的な傾きを調整することができる。例えば、建屋の壁際に設置せざるを得ないような場合に壁とは反対側に農事用拡散送風機を傾けることで、より効率的な建屋内への拡散や建屋内の撹拌に寄与することができる。
【0023】
請求項6に記載の農事用拡散送風システムでは、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、さらに、温風を供給するという効果を加えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明の最良の実施の形態に係る農事用拡散送風機及び農事用拡散送風装置について図1乃至図14に基づき説明する。
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る農事用拡散送風機の縦断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線矢視図であり、(c)はB−B線矢視図である。
図1において、農事用拡散送風機1は、円板状の上部ケーシング2と下部ケーシング3に挟まれるようにして遠心ファン4を設け、これを上部ケーシング2の上部に載置される駆動モーター5の駆動シャフト11に連結するように構成されるものである。
上部ケーシング2の中央には駆動シャフト11を貫通させるための開口部14を設け、駆動シャフト11を開口部14に貫通させて、駆動モーター5は固定ボルト15で上部ケーシング2に固定する。駆動シャフト11には遠心ファン4を取り付けて固定ボルト12で固定する。遠心ファン4の中心部にはボス10が設けてあり、このボス10には駆動シャフト11を差し込むための貫通孔13が穿設されている。
上部ケーシング2と下部ケーシング3は6箇所にわたって設けられる取付ボルト6と取付ナット7によって固定される。また、取付ボルト6には、スペーサー8が周設され、上部ケーシング2と下部ケーシング3の隙間を一定に維持している。なお、取付ボルト6の位置であるが、これは遠心ファン4の羽根の周側面端部の近傍であることが望ましい。遠心ファン4によって吐出される風の流れは上部ケーシング2と下部ケーシング3によって形成される隙間開口部(吹出口16)へ向かうが、その際に出口に近い位置に取付ボルト6があるとこれを避けて風が流れることから、乱流が発生しやすくなってしまい吹出口16から放出された風の流れの減衰が大きいためである。より遠方まで広範囲に送風可能とするために、取付ボルト6は遠心ファン4の羽根に近い位置であることが重要なのである。
また、遠心ファン4の翼端部位置は、上部ケーシング2と下部ケーシング3の直径の略半分位置に存在しており、遠心ファン4によって吐出される風の流れが、上部ケーシング2と下部ケーシング3に挟まれた流路を通過する際に、十分に乱れを整えることが可能であると共に、圧力損失を低下させている。しかも、上部ケーシング2と下部ケーシング3によって挟まれるように形成される流路の隙間幅は、遠心ファン4の幅と略同一とすることで、遠心ファン4と上部ケーシング2あるいは下部ケーシング3との間に生じる乱流を防止している。
下部ケーシング3には、その中央部に送風する気体を矢印Cのように吸い込む吸入口9が設けられている。吸い込まれた気体(空気)は、遠心ファン4の回転によって上部ケーシング2と下部ケーシング3によって形成される隙間に全周に亘って送風され、全周に亘って形成される隙間開口部である吹出口16から放出される。
【0025】
遠心ファン4は、遠心方向へ送風するので、上部ケーシング2と下部ケーシング3で形成される隙間及び吹出口16とこの遠心ファン4による送風方向が略同一平面であることが望ましい。このように構成することで、遠心ファン4による送風は符号Dの矢印で示すように、何ら構造物に衝突することなく直接吹出口16に到達して吐出されることになり、むだな圧力損失を回避することができる。また、遠心ファン4によって吐出された空気は遠方まで広範囲に拡散されつつ、周囲の空気を巻き込んで符号Eの矢印で示されるように撹拌する。
上部ケーシング2と下部ケーシング3によって形成される全周囲に亘る吹出口16から放出されるので、全周囲に亘って広範囲に空気が拡散・撹拌されることになる。
【0026】
図2に遠心ファン4の種類を示す。(a)は、ターボファンを模式的に表す概念図であり、(b)、(c)はそれぞれ多翼ファン、プレートファンを模式的に表す概念図である。
(a)のターボファン21は、符号Fの矢印で示す回転方向に対して、羽根22は後傾翼と呼ばれる後ろ向きのもので、抵抗を減らしているため、効率も良く、騒音も低くなり、風量もあり静圧も高い。
一方、(b)の多翼ファン23は、羽根を逆に前向きの前傾翼としているため、一定の風量を得るには最も小型であるがターボファン21に比較して、効率は低く騒音も高くなる。プレートファン24は、ターボファン21に比較して効率は低くなるものの、羽根は半径方向翼で形状が直線的で単純である。
本実施の形態では(a)に示すターボファン21を採用しているが、特にこのターボファン21に限定するものではなく、上部ケーシング2と下部ケーシング3によって形成される隙間開口部から直接空気を放出可能なファンであれば、多翼ファン23やプレートファン24であってもよい。また、駆動モーター5の型式も特に限定するものではなく、交流単相100V(コンデンサー付きも含む)、200Vあるいは3相交流の200Vの仕様のものなどや直流仕様であってもよいし、通常の電源以外の例えば太陽光発電によって得られた電力を利用するようなものであってもよい。
【0027】
次に、図3を参照しながら第1の実施の形態の変形例について説明する。図3(a)は、変形例に係る農事用拡散送風機の縦断面図であり、(b)は(a)におけるG−G線矢視図であり、(c)はH−H線矢視図である。
図3において、図1に示される第1の実施の形態に係る農事用拡散送風機と同一の構成要素については、同一の符号を付し、その説明は省略する。本変形例の農事用拡散送風機31では、上部ケーシング2に直接固定ボルト15で留められていた駆動モーター5を、支軸32を介して支持板33をもうけてその上に載置するようにしたものである。このように支軸32を介して駆動モーター5を固定することで、駆動モーター5の発熱の放散を容易にするとともに、駆動モーター5の振動を支軸32で吸収することで遠心ファン4の回転特性や静粛特性の向上を図ることが可能である。
【0028】
次に、図4乃至図6を参照しながら、農事用拡散送風装置に係る実施の形態について説明する。これらの図において図1と同一の構成要素については同一の符号を付して説明は省略する。
図4において、農事用拡散送風装置は、載置台36の上に農事用拡散送風機35を組み合わせたものである。まず、農事用拡散送風機35は、上部ケーシング2と下部ケーシング3の隙間に遠心ファン4を備え、駆動モーター5を用いて回転させて吸入口9から吸い込む空気を周囲に吐出するものであるが、下部ケーシング3には、支軸41が設けられ、この端部に底板46を設けて取付ナット45で固定されている。
一方、載置台36は支柱38を地中に埋設可能に設けて、支柱38の上端部は取付ナット40によって天板47に固定されている。
この載置台36の天板47と農事用拡散送風機35の底板46は、角度調整機構34を介して接続されている。この角度調整機構34は、農事用拡散送風機35の下端部、すなわち底板46に設けられる傾動部42と、載置台36の上端部、すなわち天板47に設けられる支持部43と、傾動部42を傾動可能に支える軸部44とから構成される。また、農事用拡散送風機35の自重は、この角度調整機構34で支持されるが、支軸41が長く傾けた場合にモーメントが大きく働く場合や、駆動モーター5の重量を角度調整機構34で支えることに無理がある場合には、接続ボルト37を用いて補強することも可能である。接続ボルト37は、農事用拡散送風機35の底板46と載置台36の天板47を接続するものであるが、農事用拡散送風機35を傾斜させる場合には、接続ボルト37の長さを短尺化可能に取付ナット39を介して固定及び長さ調節可能に設けるとよい。
【0029】
なお、図5に示す農事用拡散送風機48のように、上下逆に設けてもよい。重量の大きい駆動モーター5を下方に設けることで、農事用拡散送風装置全体の安定性を高めることが可能である。但し、吸入口9が上方を向くことから、埃などを巻き込む可能性が高まりメンテナンスの頻度を上げる必要があると考えられたり、誤って作業者が手を入れてしまったり、異物を混入させてしまう可能性もあるので、吸入口9を上方に向ける場合には、安全のため網などを吸入口9の端面に設けることが望ましい。
【0030】
図6は、図4に示した農事用拡散送風機35を傾斜させた状態を示す概念図である。前述のとおり、農事用拡散送風機35を図面に向かって左側に傾斜させる場合には、向かって左側の接続ボルト37を天板47から下げるように調整した上で、取付ナット39でその位置を保持するように固定する。
このように傾斜することができるので、全周に亘って送風可能な農事用拡散送風機35をより3次元的に活用することが可能である。例えば、農事用拡散送風機35を支軸41や支柱38を伸ばすことで高い位置に設置した場合、そこで水平方向にのみ送風するよりは、傾斜させることで垂直方向にも拡散・撹拌する作用を強く持たせて建屋全体の気流を促すことが可能である。また、送風の障害物が周囲に存在する場合に、傾斜させてその障害物を回避するように送風することも可能である。
なお、本実施の形態においては、角度調整機構34として傾動部42と支持部43及び軸部44を用いたが、これに限定するものではなく、例えば、傾動部42と底板46、あるいは支持部43と天板47を固定するものではなく、回動可能な機構を介して設けることで、農事用拡散送風機35を一定方向のみに傾けるのではなく、農事用拡散送風機35を水平方向に回転させながら適切な位置で傾斜させることも可能である。その際には、接続ボルト37の位置を農事用拡散送風機35の回動に沿って移動可能に溝状の孔を天板47に穿設しておく必要がある。農事用拡散送風機35を水平方向に回動可能とすることで、より自由に傾斜の範囲を選択が可能であり、特に、支柱38を地中に埋めてしまう場合には、載置台36を移動させる必要なく、上部の農事用拡散送風機35を回動させながら傾斜させることができるので、3次元的に送風することができる範囲が拡大する。
また、接続ボルト37と底板46の接続が完全に固定されていると農事用拡散送風機35を傾斜できない場合があると考えられるが、これに対して、接続ボルト37は自由度を持たせておく必要がある。例えば、底板46に径の小さい孔を穿設しておき、接続ボルト37はそれより大きな径のものを選択し、その上端部をこの孔に挿通可能な径に細めておいて、これを挿通させて接続ボルト37の太径の部分で底板46を自由に留めることなく荷重を支持するような構成が考えられる。
また、支軸41や支柱38として長さが不変のものを採用して示したが、これを伸縮自在のものとしてもよいし、さらに、このような軸状、棒状のものではなく、シリンダーのように内部機構を備えるもので伸縮自在のものを採用してもよい。
【0031】
次に、図7及び図8を参照しながら、農事用拡散送風機の第2の実施の形態及び第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る農事用拡散送風機は、駆動モーター5を下方に設けて、上方に吸入口9を向け、その端部に、内部に紫外線殺菌灯52を設けた紫外線殺菌装置51を接続するものである。
紫外線殺菌装置51の荷重がかかるため、下方となった上部ケーシング2から設けられている支柱53間には、これらを水平方向で支持する固定板50が設けられている。また、この固定板50の中央には駆動モーター5が収まるような形状の孔が穿設されている。
固定板50と上部ケーシング2の間の支柱53にはスペーサー54が介挿されており、隙間の間隔を保持すると同時に、支柱53間の荷重の偏りや設置状態の悪さから発生する歪みを矯正することができる。
【0032】
図8は、本発明に係る農事用拡散送風機の第3の実施の形態を示すもので、図7の紫外線殺菌装置51に代えて空気浄化装置であるエアーフィルター56を設けるものである。
周囲の雰囲気を図中の矢印Kで示されるように表面から吸い込み、集塵し、空気を浄化した後に、周囲に放出するものである。このようにエアーフィルター56を設けることで、吸入口9から吸い込まれる異物量を減らして遠心ファン4や駆動モーター5の損傷や負荷を減らすと同時に、建屋内の空気環境を改善しながら空気を拡散・撹拌することができる。
エアーフィルター56であれば、特にその種類等は問うものではないが、あまりメッシュの細かいものである場合には、圧力損失を伴うので、駆動モーター5の性能に配慮して選択する必要がある。
図7,8に示す本実施の形態に係る農事用拡散送風機においても図4乃至6で示したように載置台36を備えてもよいことは言うまでもない。
【0033】
次に、図9及び図10を参照しながら第4の実施の形態に係る農事用拡散送風機について説明する。図9に示す農事用拡散送風機は、上部ケーシング2の上面に吊具59を設けてチェーン58をこれに固定して、上方から吊下ろすようにしたものである。空気の吸入は、吸入口9から下方より矢印Lで示されるように行われる。
本図においては、駆動モーター5が上方を向いているものの、これを安定性の向上のために図10に示すように下方にしてもよい。この場合には、下部ケーシング3の上面に吊具59を設けて、チェーン58で吊下ろすことになる。
但し、チェーン58で吊下ろす場合には建屋の高い場所に設置される可能性もあり、この農事用拡散送風機57が設置される位置から上側の空間と下側の空間を比較して上側の空間の方が極端に狭い場合には、吸入する空気の容易性からは吸入口9を下方に向ける方がよい場合もある。
チェーン58の種類や材質は特に何でもよいが、建屋の上方に吊るすことから、その下に作業者がいる場合もあり、安全性に留意して信頼性の高いものを選択する必要がある。
チェーン58で吊下ろす場合には、床面に置くスペースが不要であるため、例えば、建屋として温室や工場を考える場合には、その床面を広く利用することが可能である。
【0034】
また、図10に示すように吸入口9にダクト60を接続して、遠心ファン4からの空気の吹出口16から空気の吸入口を離すことによれば、温室などの場合には上部に滞留している暖気を図中符号Mで示す矢印のようにダクト60から取り込んで、下方の冷気層へ拡散させることも可能であり、より建屋内の空気を循環させることが可能である。
本実施の形態に係る農事用拡散送風機57を用いることで、下方の冷気層へ拡散された暖気は、吐出の際の勢いが失われると、冷気との比重の差に伴う浮力で上昇気流を生じ、これによってより拡散、撹拌、循環の作用を発揮することができる。
このように下方から浮力によって上方へ拡散されるという作用によって、例えば果樹園などで栽培される樹木に対し、葉の裏側から微風を当てることが可能となり、より効果的な空気の循環を可能とするものである。
これまで説明した農事用拡散送風機においても周囲の冷気を撹拌する場合には、上方に吸入口9を向けて暖気を吸引し放出するようにすれば上昇気流を生じて効果的であり、逆に周囲の暖気を撹拌する場合には、吸入口9を下方に向けて冷気を吸引して放出するようにすれば下降気流を生じて効果的である。
なお、図10では上方に向けた吸入口9にダクト60を接続したものを示したが、吸入口9が下方を向いていてもよく、このダクト60は必ずしも直立していなくともよい。例えば、吸入口9が下方に向けられ、長いダクト60を床面に這わせるように設置してもよい。さらに、ダクト60の長さは一定とする必要はなく、伸縮式のダクト60として、用途や周囲の状況に応じてその長さを可変とすることができるものを採用してもよい。
【0035】
次に、図11及び図12を参照しながら第5の実施の形態に係る農事用拡散送風機ついて説明する。図11(a)は、第5の実施の形態に係る農事用拡散送風機の縦断面図であり、(b)は(a)におけるN−N線矢視図であり、(c)はO−O線矢視図である。
本実施の形態に係る農事用拡散送風機61では、上部ケーシング2と下部ケーシング3で形成される隙間の開口部62の一部を風量・風向の制御部材として側部ケーシング63で覆うものである。図11(b)及び(c)に示されるとおり、本実施の形態においては、図面に向かって右半分の最外部を側部ケーシング63で覆っており、これによって、左半分からのみ送風が可能となっている。
このように側部ケーシング63を設けることで、拡散される風量や風向を制御することが可能となる。全周囲に対して、開口部62の1/2が閉口されているので、開口部62からは半円形あるいは扇形形状をした気流が発生し、全周囲に対して本図では左半分の範囲で遠方に拡散されるという作用を有する。
本実施の形態においては、右半分を側部ケーシング63で覆うが、これは円周のいずれの場所でもよく、その覆う角度(図11では180度)は、遠心ファン4や駆動モーター5に影響がない範囲、また、用途に応じて、90度でも270度でもよく、特にこれを限定するものではない。180度よりも小さい角度の開口部62を残すことでより扇形形状の送風が可能となる。
また、本実施の形態においては、側部ケーシング63を固定しているものの、これをスライド可能に上部ケーシング2と下部ケーシング3に挟装することで、円周方向のいずれの位置を側部ケーシング63で覆うかについて選択が可能となる。側部ケーシング63をスライド可能とするためには、上部ケーシング2と下部ケーシング3の内側に側部ケーシング63を収容可能な溝部を設けることなどで対応が可能である。また、その際には側部ケーシング63の側面に外側からこれを移動させることが容易なように、取っ手(図示せず)を設けるとよい。
【0036】
図12は、第5の実施の形態の変形例を示すものである。(a)は、第5の実施の形態の変形例に係る農事用拡散送風機の縦断面図であり、(b)は(a)におけるP−P線矢視図であり、(c)はQ−Q線矢視図である。この農事用拡散送風機64では、風量の制御部材としての側部ケーシング65を円周方向に一定間隔毎に設けるものである。図12(c)に示されるように、15度毎に側部ケーシング65によって閉口部65aを形成することで、開口部65bの面積を半分にするものである。
このように全周に亘って開口部65bと閉口部65aを交互に存在させることで、周方向に不連続な放射状の気流を発生させることができる。この周方向に不連続とは、閉口部65aがない状態においては、一律に周方向全体に送風されるが、開口部65bと閉口部65aが交互に存在している場合には、開口部65bから放出される空気は、その隣の閉口部からは空気が放出されないことから一律に周方向全体に送風されないという状況を意味するものである。
図11に示される第5の実施の形態に係る農事用拡散送風機も本変形例もいずれも開口部の50%が閉口されているものの、その送風による気流の生成は全く異なるものである。
なお、本変形例においては、15度おきに開口部65bと閉口部65aを配置しているが、これは30度毎でもよいし、また、開口部65bと閉口部65aの占める角度を同じようにする必要もない。例えば、開口部65bは30度とし、閉口部65aは15度とすれば、全体の360度のうち、240度を開口部65b、120度を閉口部65aとすることも可能である。さらに、開口部65bと閉口部65aそれぞれを一定の角度で形成する必要もない。例えば、30度の開口部65bと15度の開口部65bを混在させてもよいし、45度の閉口部65aと20度の閉口部65aを混在させてもよい。
【0037】
次に、図13を参照しながら第6の実施の形態に係る農事用拡散送風機ついて説明する。図13(a)は、第6の実施の形態に係る農事用拡散送風機の縦断面図であり、(b)は(a)におけるR−R線矢視図であり、(c)はS−S線矢視図である。
本実施の形態に係る農事用拡散送風機66は、上部ケーシング2と下部ケーシング3によって形成される隙間開口部に全周囲に亘って絞り部材67を介挿するものである。この絞り部材67は、上部ケーシング2及び下部ケーシング3の両方にそれぞれ設けられるもので、それぞれ取付ボルト69によって固定されている。上下の絞り部材67,67によって形成される吹出口68は、上部ケーシング2と下部ケーシング3によって形成される開口部よりも面積の狭い開口部となっているため、図13(a)中符号Tで示される矢印のように送風はより遠方まで到達し、高い拡散・撹拌作用を発揮することが可能である。
従って、絞り部材67のない農事用拡散送風機を、比較的近傍への多量の送風によって行う雰囲気の拡散や撹拌に用い、本実施の形態に係る農事用拡散送風機66を、比較的遠方への少量の送風によって行う雰囲気の拡散や撹拌に用いるなどの使い分けが可能である。絞り部材67は、取付ボルト69によって着脱可能に設けられるので、必要な場合に取り付け、不要になった場合に取り外すことが可能であり、用途に対して柔軟に対応することが可能である。複数台の農事用拡散送風機66を備える場合に、上部ケーシング2や下部ケーシング3の径が共通であれば、絞り部材67をユニットとしていずれの農事用拡散送風機66にも着脱可能として使い回すことが可能であり便利である。
絞り部材67の厚みは特に限定するものではないが、用途はもちろん、吐出される風量や駆動モーター5のトルクなどを考慮しながら決定される必要がある。また、本実施の形態においては、絞り部材67を上部ケーシング2及び下部ケーシング3の両方に設けたが、いずれか一方に設けるようにしてもよい。但し、一方に設ける場合には、設けた方により大きな風圧がかかるため、風向の違いを生じるおそれもあり、その点留意が必要である。
また、本実施の形態においては全周に亘って絞り部材67を設けたが、一部に設けるようにしてもよいし、さらに、図11や図12を用いて説明した第5の実施の形態に係る農事用拡散送風機61,64にこの絞り部材67を併用してもよい。
【0038】
図14を参照しながら、第7の実施の形態に係る農事用拡散送風機ついて説明する。図14(a)は、第7の実施の形態に係る農事用拡散送風機の縦断面図であり、(b)は(a)におけるU−U線矢視図であり、(c)はV−V線矢視図である。
本実施の形態に係る農事用拡散送風機70においては、上部ケーシング71と下部ケーシング72で形成される隙間開口部のうち、それらの外周部71a及び外周部72aで形成される部分が、上部ケーシング71あるいは下部ケーシング72によって形成される平面から上向きに形成されるものである。このように形成されることで、図14(a)中に符号Wで示されるように遠心ファン4から吐出された空気は水平面から角度をもって放出される。
図では上方に屈曲するように形成されているが、これは下方に屈曲するようにしてもよい。また、角を持って屈曲される場合のみならず、上下いずれの方向へも角を設けず緩やかに湾曲するようにしてもよい。
このように形成される外周部71a,72aを備えることで、上方あるいは下方に円錐状の気流を発生させることができる。従って、気流の密度差に基づく浮力によらず、予め上昇気流や下降気流を生じさせることが可能である。また、例えば温風を拡散させる際に下方へ、冷風を拡散させる際に上方へ屈曲あるいは湾曲させることで、密度差に基づく気流とは逆方向へ放出することができ、より拡散、撹拌の効果を発揮させることができる。
屈曲や湾曲の角度は適宜設定されてよく、用途や周囲の環境に合わせて変更されてよい。例えば、温室などで植物を栽培している場合には、植設された作物の高低に合わせて気流の角度を変更することが可能であるので、より汎用性を高めることができる。
本実施の形態においても、これまで説明した実施の形態において採用された機構や構造を併せて用いてもよいことは言うまでもない。
【0039】
最後に、図15を参照しながら本発明に係る農事用拡散送風システムの実施の形態について説明する。
図15は、農事用拡散送風システムの構成を示す構成図である。図15において、建屋75内に複数台設置された農事用拡散送風機1は、それぞれダクト73に接続されており、これらのダクト73はすべて温風暖房機76に接続されている。この温風暖房機76は、建屋75内の空気を吸入し、灯油などを燃料にするバーナー加熱によって熱風とし、これをダクト73を介して農事用拡散送風機1から供給するものである。また、燃焼によって放出される排気ガスを含めてダクト73経由で農事用拡散送風機1から放出するものもあるが、建屋75内の空気の清浄化を優先するために、温風暖房機76内に熱交換器を備えて、バーナーで燃焼後に発生するガスと別途受熱側の空気との間で熱交換を行い、清浄な温風をダクト73を介して農事用拡散送風機1に供給する場合もある。その際には、燃焼によって発生したガスは建屋75の外に排気口74を用いて排出される。
このように構成される本実施の形態に係る農事用拡散送風システムにおいては、温風を建屋75内に広範囲に供給することが可能で、空気の拡散や撹拌を可能とし、作物を栽培する温室や寒冷地で作業を行う工場内での暖房設備などとして利用することが可能である。
また、本実施の形態に係る農事用拡散送風システムにおける農事用拡散送風機には、本明細書において最初に説明した第1の実施の形態に係る農事用拡散送風機1を用いたが、それ以外の実施の形態に係る農事用拡散送風機やその変形例、及び農事用拡散送風装置を用いてもよい。
このような農事用拡散送風機や農事用拡散送風装置を採用することで、先に説明した個々の農事用拡散送風機や農事用拡散送風装置の特徴を活かした農事用拡散送風システムとすることができる。
【0040】
本実施の形態においては、温風暖房機76を採用しているが、逆に冷却機を用いることによって、冷風を供給できる。高温となる工場やハウス内での高温・湿度障害の防止を行う施設などで用いることが可能である。
ダクト73の接続として本実施の形態においては、温風暖房機76から1本のダクト73を伸ばした後に分岐させているが、特にこのような接続に限定するものではなく、温風暖房機76から複数のダクト73を送出するようにしたり、ヘッダーを設けてこれに複数のダクト73を連結するようにしてもよい。
また、ダクト73は伸縮可能なものあるいはユニット化されて適宜着脱する数を変えることで自在に長さを調整可能なものを採用することで、農事用拡散送風機1の位置の遠近を簡単に変更することが可能となるので望ましい。
ダクト73は床面や地面を這わせるようにしてもよいし、建屋の天井下に配置するようにしてもよい。用途によって適宜設計されるべきである。但し、ダクト73の長さが長くなる場合には、送風時の圧力損失があるため、ダクト73の内部は抵抗の小さな材料を選択したり、ダクト73の径をある程度大きなものとするなど留意する必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上説明したように、本発明の請求項1乃至7に記載された発明は、野菜や果物などの作物を栽培する温室における空気の撹拌設備や空調設備、あるいはあらゆる産業の工場内などでの空調設備などで利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る農事用拡散送風機の縦断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線矢視図であり、(c)はB−B線矢視図である。
【図2】(a)は、ターボファンを模式的に表す概念図であり、(b)、(c)はそれぞれ多翼ファン、プレートファンを模式的に表す概念図である。
【図3】(a)は、変形例に係る農事用拡散送風機の縦断面図であり、(b)は(a)におけるG−G線矢視図であり、(c)はH−H線矢視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る農事用拡散送風装置の外形図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る農事用拡散送風装置の外形図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る農事用拡散送風装置の外形図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る農事用拡散送風機の外形図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る農事用拡散送風機の外形図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る農事用拡散送風機の外形図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る農事用拡散送風機の外形図である。
【図11】(a)は、第5の実施の形態に係る農事用拡散送風機の縦断面図であり、(b)は(a)におけるN−N線矢視図であり、(c)はO−O線矢視図である。
【図12】(a)は、第5の実施の形態の変形例に係る農事用拡散送風機の縦断面図であり、(b)は(a)におけるP−P線矢視図であり、(c)はQ−Q線矢視図である。
【図13】(a)は、第6の実施の形態に係る農事用拡散送風機の縦断面図であり、(b)は(a)におけるR−R線矢視図であり、(c)はS−S線矢視図である。
【図14】(a)は、第7の実施の形態に係る農事用拡散送風機の縦断面図であり、(b)は(a)におけるU−U線矢視図であり、(c)はV−V線矢視図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る農事用拡散送風システムの構成図である。
【符号の説明】
【0043】
1…農事用拡散送風機 2…上部ケーシング 3…下部ケーシング 4…遠心ファン 5…駆動モーター 6…取付ボルト 7…取付ナット 8…スペーサー 9…吸入口 10…ボス 11…駆動シャフト 12…固定ボルト 13…貫通孔 14…開口部 15…固定ボルト 16…吹出口 21…ターボファン 22…羽根 23…多翼ファン 24…プレートファン 31…農事用拡散送風機 32…支軸 33…支持板 34…角度調整機構 35…農事用拡散送風機 36…載置台 37…接続ボルト 38…支柱 39…取付ナット 40…取付ナット 41…支軸 42…傾動部 43…支持部 44…軸部 45…取付ナット 46…底板 47…天板 48…農事用拡散送風機 50…固定板 51…紫外線殺菌装置 52…紫外線殺菌灯 53…支柱 54…スペーサー 56…エアーフィルター 57…農事用拡散送風機 58…チェーン 59…吊具 60…ダクト 61…農事用拡散送風機 62…開口部 63…側部ケーシング 64…農事用拡散送風機 65…側部ケーシング 66…農事用拡散送風機 67…絞り部材 68…吹出口 69…取付ボルト 70…農事用拡散送風機 71…上部ケーシング 71a…外周部 72…下部ケーシング 72a…外周部 73…ダクト 74…排気口 75…建屋 76…温風暖房機


【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する略同一形状の第1の板状体と第2の板状体で構成されるケーシングの間に挟設される遠心ファンを備える農事用拡散送風機であって、前記遠心ファンは、前記第1の板状体を貫通して駆動手段に接続される回転軸に固定され、前記第1の板状体及び/又は第2の板状体には、前記遠心ファンの吸込口が穿設され、前記第1の板状体と第2の板状体の全周に亘る隙間開口部を吹出口として、この吹出口と前記遠心ファンとを略同一平面上に構成することを特徴とする農事用拡散送風機。
【請求項2】
前記隙間開口部の面積を調整可能な制御部材を有することを特徴とする請求項1記載の農事用拡散送風機。
【請求項3】
前記第1の板状体と第2の板状体の隙間の途中で径方向に狭める絞り機構を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の農事用拡散送風機。
【請求項4】
前記第1の板状体と第2の板状体の隙間開口部が、前記第1の板状体及び第2の板状体によって形成される平面に対して、屈曲又は湾曲していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載される農事用拡散送風機。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の農事用拡散送風機と、これを下方から支持する台部と、この台部と前記農事用拡散送風機の間には、前記農事用拡散送風機の支持角度を可変に角度調整部が介設されることを特徴とする農事用拡散送風装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の農事用拡散送風機と、この農事用拡散送風機の吸込口に接続されるダクトと、このダクトに接続される温風暖房機とを有することを特徴とする農事用拡散送風システム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2008−148613(P2008−148613A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−339276(P2006−339276)
【出願日】平成18年12月16日(2006.12.16)
【出願人】(594189279)株式会社木原製作所 (6)
【出願人】(504368859)株式会社ソーワテクニカ (1)
【Fターム(参考)】