説明

送風靴および靴用遠心式送風機

【課題】従来の送風靴では、雨水が浸入した際、歩行した際の安全性が確保できず、しかも、左右の靴を同時に制御することができず、送風効率も悪かった。
【解決手段】シロッコファンの通電部、駆動・制御回路24に絶縁性の部材で覆うように成形し、制御・送信回路から出力された指令信号を左右一対の駆動・制御回路24で受信してシロッコファンを制御し、空気送風路101、空気送風路102が足先部空間11eで繋がるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴内を換気する送風靴と、遠心式送風機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の靴(例えば革靴、スニーカー、ブーツ等)は通気性、換気性が悪く、特に夏場は足の発汗作用により靴内部の温度、湿度が上昇して不快に感じる足蒸れの問題と、靴内部空間が臭くなる足臭の問題があった。
【0003】
そこで、一端が靴底に開口し、他端が外気に開口する空気流路(空気流通路)を靴底に設け、この空気流路の途中に、換気用の送風機を配置して電気で駆動させ、外気を靴内部に送風するようにすることで、高温、多湿で、臭いを伴った空気を排除するようにしたものが出願されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、発明者は、換気効率を良くするために、靴内部表面に隙間を有して空気を配風する配風溝を設け、この配風溝に一端が開口し、他端が外気側に開口する空気流通路を2つ設けて、送風手段により外気を配風溝に送風させることで、靴内の換気を行うものを出願した(例えば、特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−34603号公報
【特許文献2】特願2006−128890号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献1では、モータが防水機構を有していないために、モータの通電部に雨水が付着、あるいは浸水すると、漏電によって送風機が破損したり、感電したりする可能性があった。また、送風機への電源をON/OFFするスイッチのみでは、送風機に外部から異物が混入してモータが停止する、いわゆるモータロックが起きた際に、自動的に電気を遮断することができないので、巻線が焼き付いてしまうことが考えられる。本発明は上記点に鑑み、送風機が破損したり、巻線が焼き付いたり、感電したりすることを防止できる安全性の高い送風靴を提供することを第1の目的とする。
【0007】
また、上記特許文献1では、いちいち屈んで左右のスイッチをON、またはOFFしなければならないので、足の膝が悪い人には負担が生じていた。さらに、上記特許文献1では、左右一対の送風靴に設けられたスイッチを別々に駆動しなければならないので、左右の靴を同時に換気する、あるいは同時に停止する、あるいは同時に自動運転するといった制御が困難であった。本発明は上記点に鑑み、いちいち屈まずとも送風機を操作でき、左右の靴を同時に、容易に制御できる操作性に優れた送風靴を提供することを第2の目的とする。
【0008】
また、上記特許文献2では、空気流通路を2つ設けて、送風手段により外気を配風溝に送風させることで換気効率を良くすることができたが、靴を履いた際、配風溝の凹凸に、足裏部、甲部等と接触すると、履き心地を妨げることが分かった。本発明は上記点に鑑み、履き心地が良く、換気効率の良い送風靴を提供することを第3の目的とする。
【0009】
さらに、防水可能な靴用遠心式送風機がなかったので、防水可能な靴用遠心式送風機を提供することを第4の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、足を挿入する挿入口を有し、足の甲部を覆うアッパーと、
路面と直接接地し、足を支持する底部と、
アッパーおよび底部で囲まれた靴内部空間と、
靴内部空間に開口する靴内開口部と外気に開口する外気開口部とを有して空気が通過できる1つ以上の空気送風路と、
空気送風路の途中、靴内開口部、外気開口部のいずれかに配置され、空気を吸入する空気吸入口と、空気吸入口から吸入された空気を吐出する空気吐出口と、を有して靴内開口部、外気開口部のどちらか一方側から他方側に空気を送風する送風手段と、
送風手段に電気を供給する電源と、
を備えており、
送風手段が、空気吸入口と空気吐出口との間に空気が通過できる導風路を有しており、
送風手段の通電部の所定の部位が、導風路、空気送風路のいずれかに配置されており、
所定の部位が防水構造であることを特徴とする。
【0011】
これによれば、靴内部空間が挿入口、または空気送風路を介して外気に繋がっているので、送風靴を履いた状態で、降雨時に歩行したり、水たまりに入ったりすると、雨水が挿入口、外気開口部等から侵入して空気送風路、送風手段に侵入する場合が想定される。その際、送風手段の通電部のうち、少なくとも導風路、空気送風路に配置された所定の部位が防水構造であるので、導風路、空気送風路において水濡れによる漏電が発生することがない。その結果、送風手段が破損したり、感電したりすることを防止できる安全性の高い送風靴を提供することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明では、足を挿入する挿入口を有し、足の甲部を覆うアッパーと、
路面と直接接地し、足を支持する底部と、
アッパーおよび底部で囲まれた靴内部空間と、
靴内部空間に開口する靴内開口部と外気に開口する外気開口部とを有して空気が通過できる1つ以上の空気送風路と、
空気送風路の途中、靴内開口部、外気開口部のいずれかに配置され、空気を吸入する空気吸入口と、空気吸入口から吸入された空気を吐出する空気吐出口と、を有して靴内開口部、外気開口部のどちらか一方側から他方側に空気を送風する送風手段と、
送風手段に電気を供給する電源と、
を備えており、
送風手段が、空気吸入口と空気吐出口との間に空気が通過できる導風路を有しており、
送風手段の通電部が、導風路、空気送風路の外側に配置されていることを特徴とする。
【0013】
これによれば、上記のように、雨水が挿入口、外気開口部等から侵入して空気送風路、送風手段に侵入した際、送風手段の通電部が導風路、空気送風路の外側に配置されているので、導風路、空気送風路において水濡れによる漏電が発生することがない。その結果、送風手段が破損したり、感電したりすることを防止できる安全性の高い送風靴を提供することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、足を挿入する挿入口を有し、足の甲部を覆うアッパーと、
路面と直接接地し、足を支持する底部と、
アッパーおよび底部で囲まれた靴内部空間と、
靴内部空間に開口する靴内開口部と外気に開口する外気開口部とを有して空気が通過できる1つ以上の空気送風路と、
空気送風路の途中、靴内開口部、外気開口部のいずれかに配置され、空気を吸入する空気吸入口と、空気吸入口から吸入された空気を吐出する空気吐出口と、を有して靴内開口部、外気開口部のどちらか一方側から他方側に空気を送風する送風手段と、
送風手段を指令信号に基づいて駆動・制御する駆動・制御回路と、
送風手段、駆動・制御回路に電気を供給する第1の電源と、
が左右一対で構成されており、
駆動・制御回路と別体に構成されて送風手段を操作する操作信号を指令信号として駆動・制御回路に無線で出力する制御・送信回路と、
制御・送信回路に電気を供給する第2の電源と、
を備えていることを特徴とする。
【0015】
これによれば、制御・送信回路から左右一対の駆動・制御回路に無線で指令信号を送り、送風手段を操作することができるので、屈まなくとも、容易に送風手段を操作することができ、膝が悪い人の負担を減らすことができる。その結果、いちいち屈まなくとも、送風手段を操作できる操作性に優れた送風靴を提供することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明では、請求項3において、制御・送信回路が1つで構成されており、
左右一対の駆動・制御回路が、制御・送信回路から出力された指令信号を同時に受け取って、左右一対の送風手段を同時に駆動・制御することを特徴とする。
【0017】
これによれば、1つの制御・送信回路から、左右一対の駆動・制御回路に対して、指令信号を出力できるので、左右一対の送風手段を同時に駆動させたり、同時に制御したりすることができる。その結果、左右別々に駆動させなくともよく、操作性に優れた送風靴を提供することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明では、請求項3または請求項4において、駆動・制御回路が絶縁性の部材で覆うように構成されていることを特徴とする。
【0019】
これによれば、駆動・制御回路が絶縁性の部材で覆うように成型されているので、歩行時の振動から駆動・制御回路を保護することができる。その結果、駆動・制御回路が破損し難い送風靴を提供することができる。また、駆動・制御回路が絶縁性の部材で覆うように成型されているので、駆動・制御回路が水濡れすることがないため、漏電による駆動・制御回路の故障や人への感電を防止することができる。その結果、安全性の高い送風靴を提供することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明では、足を挿入する挿入口を有し、足の甲部を覆うアッパーと、
路面と直接接地し、足の足裏部を支持する底部と、
アッパーおよび底部で囲まれ、足のつま先部近傍に形成された足先部空間と、
足先部空間に開口する靴内開口部と外気に開口する外気開口部とを有して空気が通過できる複数の空気送風路と、
空気送風路の途中および靴内開口部端、外気開口部端のいずれかに配置され、空気を吸入する空気吸入口と空気吸入口から吸入された空気を吐出する空気吐出口とを有して空気を送風する送風手段と、
送風手段に電気を供給する電源と、
を備えており、
靴内開口部が、底部に足裏部が密着しても塞がれない位置に、足先部空間に開口するように形成されていることを特徴とする。
【0021】
これによれば、靴内開口部が、底部に足裏部が密着しても塞がれない位置に、足先部空間に開口するように形成されているので、送風手段によって一方の空気送風路の外気側から靴内開口部を経由して足先部空間に送風された際に、足先部空間の湿った空気が、他の空気送風路の靴内開口部を経由して外気側に、容易に換気される。また、特許文献2のような配風溝が形成されておらず、履き心地を妨げることがない。その結果、履き心地が良く、換気効率の良い送風靴を提供することができる。
【0022】
請求項7に記載の発明では、請求項1乃至請求項6のいずれか1つにおいて、空気送風路内の途中に、空気を加熱する空気加熱手段、臭いを低減する臭い低減手段、芳香を付与する芳香付与手段のいずれか1つを設け、
空気加熱手段、空気冷却手段のいずれかを設けた場合には、送風手段によって外気開口部側から靴内開口部側に送風するように構成されており、臭い低減手段、芳香付与手段を設けた場合には、送風手段によって外気開口部側、靴内開口部側のいずれか一方側から他方側に送風するように構成されていることを特徴とする。
【0023】
これによれば、空気加熱手段を設けた場合には、送風手段によって外気開口部側から靴内開口部側に加熱された空気を送風するようにして足を暖めることができる。特に、冷え性の人が足を暖かくしたい場合に、効果を発揮する。
【0024】
また、臭い低減手段を設け、送風手段によって外気開口部側から靴内開口部側に送風するようにした場合には、靴内部空間へ送風する空気の臭いを低減することができ、足への嫌な臭いの付着を防止することができる。臭い低減手段を設け、送風手段によって靴内開口部側から外気開口部側に送風するようにした場合には、外気側に送風される空気の臭いを低減することができる。
【0025】
また、芳香付与手段を設け、送風手段によって外気開口部側から靴内開口部側に送風するようにした場合には、靴内部空間へ送風する空気に芳香を付与することができ、靴内部空間を良い匂いで満たすことができる。芳香付与手段を設け、送風手段によって靴内開口部側から外気開口部側に送風するようにした場合には、外気側に送風される空気に芳香を付与して送風靴周辺に良い臭いを放つことができる。
【0026】
請求項8に記載の発明では、請求項1乃至請求項7のいずれか1つにおいて、空気吸入口、空気吐出口、空気送風路のいずれか1つ以上に、水の侵入を防止するシャッターを設けたことを特徴とする。
【0027】
これによれば、送風手段を使用していないときには、空気吸入口、空気吐出口、空気送風路のいずれか1つ以上に設けたシャッターにより、靴内部空間、あるいは送風手段への水の侵入を防止し易くすることができる。
【0028】
請求項9に記載の発明では、請求項1乃至請求項8のいずれか1つにおいて、送風手段が、着脱可能に構成されていることを特徴とする。
【0029】
これによれば、送風手段を着脱できるので、送風手段を取り外して普通の靴として使用することができる。また、送風手段が故障した際に、送風手段を容易に交換をすることができる。
【0030】
請求項10に記載の発明では、請求項1乃至請求項8のいずれか1つにおいて、送風手段が、送風手段を収納する収納体に収納されており、
送風手段および収納体のうち、少なくとも送風手段が着脱可能に構成されていることを特徴する。
【0031】
これによれば、送風手段および収納体のうち、少なくとも送風手段を着脱できるので、送風手段、あるいは送風手段を収納した収納体を取り外して普通の靴として使用することができる。また、送風手段、あるいは収納体が故障した際に、送風手段、あるいは収納体を容易に交換をすることができる。
【0032】
請求項11に記載の発明では、請求項1乃至請求項10のいずれか1つにおいて、送風手段が、アッパーの外側側面、アッパーの外側側面外方、足の足首と臀部との間のいずれかに設けられていることを特徴とする。
【0033】
これによれば、送風手段が、アッパーの側面、アッパーの側面の外方、および足の足首と臀部との間のいずれかに設けられているので、送風手段を底部に設ける場合に比べて、靴底厚さを薄くできる。また、送風手段を底部に設けないので、靴の履き心地をより良くする工夫ができる。また、送風手段を底部に設ける場合には、歩行時の体重を支えるために、送風手段を頑丈に作る必要があったが、底部に設ける場合に比較して送風手段を頑丈に作る必要がなく、コストも安くできる。その結果、靴底厚さを薄くし、履き心地が良く、コストの安い送風靴を提供することができる。
【0034】
請求項12に記載の発明のように、請求項1乃至請求項11のいずれか1つにおいて、送風手段が、送風機で構成されていても良い。
【0035】
請求項13に記載の発明のように、請求項1乃至請求項11のいずれか1つにおいて、送風手段が遠心式送風機で構成されていても良い。
【0036】
請求項14に記載の発明のように、請求項1乃至請求項6、請求項8乃至請求項11のいずれか1つにおいて、送風手段が、渦流ブロアで構成されており、
渦流ブロア内で圧縮され、加熱された空気を靴内部空間に送風するように構成されていても良い。
【0037】
これによれば、靴内部空間に、渦流ブロア内で圧縮され、加熱された空気が送風されるので、ヒータなどの加熱手段を用いずとも、靴内部空間を暖めることができる。
【0038】
請求項15に記載の発明のように、請求項1乃至請求項11のいずれか1つにおいて、送風手段が、ダイヤフラム式空気ポンプ、往復式空気ポンプ、ベーン式空気ポンプ、圧電式ポンプ、二葉式送風機のいずれかで構成されていても良い。
【0039】
請求項16に記載の発明のように、請求項1または請求項2において、送風手段が、送風機で構成されており、
空気吸入口と、空気吐出口と、導風路とを備えたケーシングと、
導風路に配置され、回転軸周りに配置された複数枚の羽根を有して、回転軸方向から吸入した空気を所定の方向に案内する羽根車と、
羽根車を回転駆動するモータと、
を備えており、
モータが永久磁石を備えて回転軸周りに回転する回転子と、
回転子の外側および内側のいずれかに配置され、複数の突極部を有する鋼板が複数枚積層された積層部と、複数の突極部の外側に巻回された巻線と、を備えた固定子と、
固定子の巻線に流す電流を制御する電子部品が実装された制御基板と、
制御基板の所定の部位に接続され、電源からの電気を供給する配線の一端と、
を備えており、
通電部が巻線、制御基板、電子部品、配線の一端で構成されていても良い。
【0040】
請求項17に記載の発明では、請求項16において、電子部品と絶縁性の部材との間に、電子部品に膨張および収縮のいずれかが発生した際に、電子部品の破壊を防止できる柔軟性を有する絶縁性の保護部材を配置したことを特徴とする。
【0041】
これによれば、電子部品に膨張および収縮のいずれかが発生した際、絶縁性の保護部材が、電子部品の破壊を防止できる柔軟性を有しているので、電子部品に掛かる局所的な応力を和らげて、電子部品の破壊を防止することができる。その結果、安全性の高い送風靴を提供することができる。
【0042】
請求項18に記載の発明では、請求項16において、巻線と絶縁性の部材との間に、巻線に膨張および収縮のいずれかが発生した際に、絶縁性の部材のクラックを防止できる柔軟性を有する絶縁性の保護部材を配置したことを特徴とする。
【0043】
これによれば、巻線に膨張および収縮のいずれかが発生した際、絶縁性の保護部材が、絶縁性の部材のクラックを防止できる柔軟性を有しているので、絶縁性の部材に掛かる局所的な応力を和らげて、絶縁性の部材のクラックを防止することができる。その結果、安全性の高い送風靴を提供することができる。
【0044】
請求項19に記載の発明では、請求項16乃至請求項18のいずれか1つにおいて、制御基板は、モータの回転を止めるモータロックが生じた場合に、モータへの電流を遮断する電流遮断機能を有していることを特徴とする。
【0045】
これによれば、モータロックが生じた場合、制御基板が、モータへの電流を遮断する電流遮断機能を有しているので、巻線の焼き付きを防止し、ひいては漏電、感電、火災などの事故が起こることを防止することができる。その結果、安全性の高い送風靴を提供することができる。
【0046】
請求項20に記載の発明では、空気を吸入する空気吸入口と、空気吸入口から吸入した空気が通過を導風する導風路と、導風路に導風された空気を吐出する空気吐出口と、が形成されたケーシングと、
ケーシングの導風路に配置され、回転軸周りに配置された複数枚の羽根を有して、回転軸方向から吸入した空気を径方向、および回転軸方向から所定の角度方向のいずれかに案内する羽根車と、
羽根車を回転駆動するモータと、
を備えており、
モータが永久磁石を備えて回転軸周りに回転する回転子と、
回転子の外側および内側のいずれかに配置され、複数の突極部を有する鋼板が複数枚積層された積層部と、複数の突極部の外側に巻回された巻線と、を備えた固定子と、
固定子の巻線に流す電流を制御する電子部品が実装された制御基板と、
を備えており、
積層部と、通電部を構成する巻線、制御基板、電子部品とが、回転子と所定の隙間を有するようにして絶縁性の部材で覆うように成型されていることを特徴とする。
【0047】
これによれば、積層部、通電部を構成する巻線、制御基板、電子部品が、回転子と所定の隙間を有するようにして絶縁性の部材で覆うように成型されているので、水濡れによる漏電が発生することがない。その結果、破損したり、感電したりすることを防止できる安全性の高い遠心式送風機を提供することができる。
【0048】
請求項21に記載の発明では、空気を吸入する空気吸入口と、空気吸入口から吸入した空気が通過を導風する導風路と、導風路に導風された空気を吐出する空気吐出口と、が形成されたケーシングと、
ケーシングの導風路に配置され、回転軸周りに配置された複数枚の羽根を有して、回転軸方向から吸入した空気を径方向、および回転軸方向から所定の角度方向のいずれかに案内する羽根車と、
羽根車を回転駆動するモータと、
を備えており、
モータが永久磁石を備えて回転軸周りに回転する回転子と、
回転子の外側および内側のいずれかに配置され、複数の突極部を有する鋼板が複数枚積層された積層部と、複数の突極部の外側に巻回された巻線と、を備えた固定子と、
固定子の巻線に流す電流を制御する電子部品が実装された制御基板と、
を備えており、
積層部、通電部を構成する巻線、制御基板、電子部品が、導風路の外側に配置されていることを特徴とする。
【0049】
これによれば、モータの積層部、通電部を構成する巻線、制御基板、電子部品が導風路の外側に配置されているので、導風路内に雨水等が侵入しても、水濡れによる漏電が発生することがない。その結果、破損したり、感電したりすることを防止できる安全性の高い遠心式送風機を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
(第1実施形態)
第1実施形態を説明するにあたり、図1は送風靴100の正面図を、図2は図1のA方向から見た送風靴100の一部断面平面図を、図3は足底板16の平面図を、図4(a)は送風ユニット18の一部断面正面図を、図4(b)は図4(a)のD方向から見た送風ユニット18の平面図を、図5は図2のB−B断面図を、図6は図2のC−C断面図を、図7(a)はシロッコファン19の正面図を、図7(b)は図7(a)のF−F断面図を、図8(a)はコントローラ27の正面図を、図8(b)は図8(a)のG方向から見たコントローラ27の側面図を、図9は送風靴100の制御ブロック図を示す。なお、図2では、アッパー13および足底板16を想像線で示し、駆動・制御ユニット22を省略している。
【0051】
また、本発明の送風機とは、吐出圧力と吸込圧力との比である圧力比が2未満、または圧力上昇値が100kpa以下のものを言い、ファンまたはブロアで構成される。なお、ファンは、羽根車そのものを言う場合と、羽根車、モータを含めた装置全体を言う場合があるが、本発明では、前者を羽根車、後者をファンと称するものとする。また、ブロアにおいて、上記羽根車に相当する部位を、同様に羽根車と称するものとする。上記送風機には、遠心式送風機、軸流式送風機、斜流式送風機、横流送風機がある。また、二葉式送風機(ルーツブロア)は、本発明の送風機と区別するものとする。
【0052】
また、本発明の遠心式送風機とは、多翼ファン(シロッコファン)、ラジアルファン、後ろ向きファン(ターボファン)、サイレントファン、翼型ファン(エアホイルファン)、遠心ブロア等、羽根車を回転軸周りにモータ駆動して、羽根車内の大半の空気を径外方向に送風する送風機を言う。
【0053】
また、本発明では、ダイヤフラム式空気ポンプ、往復式空気ポンプ、ベーン式空気ポンプ、圧電式ポンプ、二葉式送風機は、圧力比、圧力上昇値に限らず、それぞれ、ダイヤフラム式空気ポンプ、往復式空気ポンプ、ベーン式空気ポンプ 、圧電式ポンプ、ルーツブロアと称するものとし、真空ポンプとして機能させてもよい。
【0054】
図1に示すように、送風靴100を構成する靴本体部11は、足200を挿入する挿入口11aを有しており、足200の足裏部200aを支持する底部12と、足200の甲部200b等を覆うアッパー13から構成されている。なお、以下の説明において、靴本体部11のうち、足200のつま先部200c側の端部を靴先端部11b、足200のかかと部200d側の端部を靴後端部11c、底部12とアッパー13とで囲まれる領域を靴内部空間11d、上記靴内部空間11dのうち、つま先部200c近傍から靴先端部11bにかけての空間を足先部空間11eと称するものとする。
【0055】
底部12は路面と直接接地するアウトソール14、アウトソール14の上側に貼り合わされ、接地時の衝撃を緩和するミッドソール15、さらにミッドソール15の上側に配置され、足200を支持する足底板16から構成されている。なお、底部12の構成は上記のものに限らない。底部12がアウトソール14、足底板16から構成されていても良い。また、ミッドソール15が複数層に構成されていても良い。また、足底板16は、中敷きで構成されていても良い。
【0056】
また、アッパー13は、表革13a、裏側13bが縫製されている。上記表革13a、裏側13bの間に、図示しないクッション部材を挟み込んでも良い。上記表革13a、裏側13bは、通気性のあるもので構成してもよい。なお、アッパー13の両面のうち、内部空間11d側と反対側の面を、アッパー13の外側側面、アッパー13の外側側面から所定距離離れたアッパー13の外方を、アッパー13の外側側面外方と称するものとする。
【0057】
また、アッパー13の側面には後述する駆動・制御ユニット22が固定されている。
【0058】
ミッドソール15には、図2に示すように、足底板16側に開口する溝部15a、溝部15bが形成されている。また、アウトソール14、ミッドソール15には、穴部15c、送風路15d、送風路15eが形成されている。穴部15cには後述する送風ユニット18が配置されている。送風路15dは、ミッドソール15の溝部15aと、送風ユニット18の送風路20bとを連通するように、形成されている。送風路15eは、ミッドソール15の溝部15bと、送風ユニット18の送風路20cとを連通するように形成されている。
【0059】
また、薄板状の足底板16には、図3に示すように、ミッドソール15の溝部15aに対向する部位に複数の貫通穴16aが形成され、溝部15bに対向する部位に複数の貫通穴16bが形成されている。貫通穴16a、貫通穴16bは、かかと部200dを除く足裏部200aの全面に渡って形成されている。上記貫通穴16a、貫通穴16bは、かかと部200dを含めて形成されていても良い。
【0060】
ところで、図3に示す足底板16の貫通穴16a、貫通穴16bの●部は、足先部空間11e等に開口し、足裏部200aが足底板16に接していても容易に空気が送風できる部位である。なお、歩行時に、足裏部200aが一時的に足底板16と離れる場合には、○部でも送風がなされる。上記貫通穴16aの靴内部空間側の開口部、上記貫通穴16bの靴内部空間側の開口部は、本発明の靴内開口部を構成する。
【0061】
次に送風ユニット18について説明する。送風ユニット18は、図4(a)、図4(b)に示すように、シロッコファン19、本体部20から構成されており、穴部15cに配置されている。送風ユニット18は、穴部15cで着脱することができる。
【0062】
シロッコファン19は、多翼式の遠心式送風機で、ファンモータ部19a、ケーシング19bより構成されており、ケーシング19bには、吸込口19c、導風路19d、吐出口19eが形成されている。上記シロッコファン19は本発明の送風機、遠心式送風機を構成する。
【0063】
また、本発明の収納体を構成する本体部20は、シロッコファン19を収納する。上記本体部20には、送風路20a、送風路20b、送風路20cが形成されている。上記本体部20は、送風靴100を履く人の体重を支えるために、材質が金属で構成されている。上記材質は、体重が掛かっても、シロッコファン19が破損しないものであれば、樹脂材料、木等を用いても良い。また、底部12に直接シロッコファン19を内蔵させるとともに、上記底部12を、シロッコファン19を破損させない強度を有する材質、構造のものを用いても良い。
【0064】
上記送風路20aの一端には、外気に開口する外気開口部20dが形成されており、他端が、シロッコファン19の吸込口19cに開口している。送風路20bの一端は、シロッコファン19の吐出口19eに開口しており、他端には、アウトソール14、ミッドソール15の送風路15dに開口する開口部20eが形成されている。また、送風路20cの一端には、アウトソール14、ミッドソール15の送風路15eに開口する開口部20fが形成されており、他端には外気に開口する外気開口部20gが形成されている。
【0065】
上記構成において、シロッコファン19が図4(a)の紙面上方から見て反時計回りに回転すると、外気が本体部20の送風路20a→シロッコファン19の吸込口19c→導風路19d→本体部20の送風路20b→アウトソール14、ミッドソール15の送風路15d→溝部15a→足底板16の貫通穴16aを経由して靴内部空間11dに送風される。送風路20aから溝部15aを経由して靴内部空間11dに至るまでの経路を空気送風路101と称するものとする。
【0066】
一方、外気が上記経路にて靴内部空間11dに送風されると、靴内部空間11dの湿った空気が、足底板16の貫通穴16b→溝部15b→アウトソール14、ミッドソール15の送風路15e→本体部20の送風路20cを経由して外気側に送風される。靴内部空間11dから溝部15b、送風路20cを経由して外気側に至るまでの経路を空気送風路102と称するものとする。
【0067】
上記シロッコファン19が図4(a)の紙面上方から見て反時計回りに回転した際の送風靴100の空気流れ方向を、図5および図6に示す。
【0068】
ここで、シロッコファン19のファンモータ部19aの詳細について、図7(a)および図7(b)を用いて説明する。上記ファンモータ部19aは、固定子19fと可動子19gから構成されている。上記固定子19fは、複数の突極部19iを有する鋼板が複数枚積層された積層部19h、上記積層部19hを覆う樹脂製のカバー19j、上記カバー19jの上に巻回され、銅線を絶縁被覆した巻線19k、巻線19kと後述する電池25の電気を供給する配線19mとを中継し、モータに加わる電圧を制御する制御基板19nを備えている。上記制御基板19nの配線パターンの所定箇所には配線19mの一端19pがはんだ付けされている。
【0069】
ところで、上記制御基板19nは、シロッコファン19に外部から異物が混入し、可動子19gの回転を止めるという現象(以下、モータロックと称する)が生じた場合、モータロック状態を検知し、モータへの電流を遮断するようになっている。上記制御基板19n上には、モータロック状態を検知し、モータへの電流を遮断するレジスタ、パワートランジスタ、入力電圧を所定の電圧に変換する抵抗など(以下、電子部品と称する)が搭載されている。なお、制御基板19n上の電子部品からなる回路部を後述する駆動・制御回路24側に配置し、単なる配線回路として構成しても良い。上記レジスタ、パワートランジスタ、抵抗等は、本発明の電子部品を構成する。
【0070】
また、可動子19gは、上記固定子19fの外側に、所定の隙間19rを有して配置されており、回転軸周りに、円環状の永久磁石19s、ヨーク19t、羽根車19uが一体に構成されている。羽根車19uの外周には翼(ブレード)が形成されている。
【0071】
上記固定子19fの積層部19h、カバー19j、巻線19k、制御基板19n、配線19mの一端19pは、ウレタン樹脂19wで覆うように成型されている。制御基板19nに電子部品が実装されている場合には、電子部品を含めてウレタン樹脂19wで覆うように成型するようにする。上記ウレタン樹脂19wは、本発明の絶縁性の部材を構成する。
【0072】
なお、上述のように、積層部19h、カバー19jを同時に成型するのは、製作上、容易であるとともに、巻線19kを歩行による振動から保護し、巻線19kどおしの短絡を防ぐためである。したがって、上記ウレタン樹脂19wは、単に防水機能を有するだけでなく、歩行時の衝撃による固定子19fの損傷を防止する役割も果たすことができる。
【0073】
上記巻線19k、制御基板19n、配線19mの一端19pは、本発明の通電部を構成する。なお、巻線19kと制御基板19nの配線パターンとの間が導線等により電気的に接続されている場合は、導線等は制御基板19nの一部であるものとし、併せて通電部と称するものとする。
【0074】
次に、駆動・制御ユニット22について説明する。図1に示すように、駆動・制御ユニット22を構成する本体部23には、駆動・制御回路24、電池25が収納されている。
【0075】
上記駆動・制御回路24は、図9に示すように、後述する制御・送信回路31の送信部からの無線による指令信号を受信する受信部を備えおり、上記指令信号に基づいてシロッコファン19を駆動・制御する。上記無線の手段としては赤外線を用いている。超音波を用いても良い。上記駆動・制御回路24は、本体部23に収納され、絶縁性の材料で覆うように構成されており、歩行時の衝撃による駆動・制御回路24の損傷を防止する役割を果たす。
【0076】
また、図1に示す電池25は、駆動・制御回路24、シロッコファン19に電気を供給する。上記電池25は1次電池で構成されているが、1次電池の他に、2次電池であっても良く、燃料電池を用いても良い。上記電池25は、本発明の第1の電源を構成する。
【0077】
次に、コントローラ27について説明する。図8(a)、図8(b)に示すように、コントローラ27を構成する本体部28には、操作部29、表示部30が設けられており、内部に制御・送信回路31、電池32が搭載されている。
【0078】
操作部29は、ON/OFFスイッチSW1、運転パターン切換スイッチSW2、風量切換スイッチSW3より構成されている。ON/OFFスイッチSW1は、1回押すごとに運転、停止を行う。運転パターン切換スイッチSW2は、1回押すごとに、連続運転、第1の自動運転、第2の自動運転を切り換える。上記第1の自動運転、第2の自動運転とは、予め決められた所定の自動運転パターンである。風量切換スイッチSW3は、1回押すごとに強風と弱風の2つの切り換えを行う。上記操作部29は、ON/OFFスイッチSW1のみとし、シロッコファン19のON、OFFのみ行うように構成しても良い。
【0079】
上記操作部29は、運転パターン切換スイッチSW2、風量切換スイッチSW3の組み合わせにより、「連続運転、弱風モード」、「第1の自動運転、弱風モード」、「第2の自動運転、弱風モード」、「連続運転、強風モード」、「第1の自動運転、強風モード」、「第2の自動運転、弱風モード」の各モードを切り換えることができる。
【0080】
表示部30は、連続運転ランプLP1、第1の自動運転ランプLP2、第2の自動運転ランプLP3より構成されている。連続運転ランプLP1は連続運転時に、第1の自動運転ランプLP2は第1の自動運転時に、第2の自動運転ランプLP3は第2の自動運転時に点灯表示する。
【0081】
制御・送信回路31は、1つで構成されており、図9に示すように、送信部を備えており、上記各スイッチSW1、SW2、SW3の選択に応じた操作信号を指令信号に変換し、左右一対の駆動・制御回路24の受信部に、無線で同時に送信する。
【0082】
電池32は、制御・送信回路31に電気を供給する。上記電池32は1次電池で構成されているが、1次電池の他に、2次電池で構成されていても良く、燃料電池構成されていても良い。上記電池32は、本発明の第2の電源を構成する。
【0083】
ここで、第1実施形態の送風靴100の操作手順について説明する。最初に操作部29のON/OFFスイッチSW1を押すと、「連続運転、弱風モード」にて運転を開始する。その際、連続運転ランプLP1が点灯し、「連続運転、弱風モード」の条件に応じた指令信号を、コントローラ27の送信部から駆動・制御回路24の受信部に送信する。一方、駆動・制御回路24は、上記受信部に送信された指令信号を判別し、上記指令信号に応じて送風ユニット18を運転する。
【0084】
次に、運転パターン切換スイッチSW2、風量切換スイッチSW3を適宜選択すると、選択に応じたランプが点灯するとともに、選択に応じた指令信号を、コントローラ27の送信部から駆動・制御回路24の受信部に送信する。一方、駆動・制御回路24は、上記受信部に送信された指令信号を判別し、上記指令信号に応じて送風ユニット18を運転する。「強風モード」の指令信号を受信すると、シロッコファン19の回転数を上げるように制御する。
【0085】
上記構成によれば、シロッコファン19を構成する積層部19h、カバー19j、通電部が、ウレタン樹脂19wで覆うように成型されているので、通電部を防水構造にすることができ、シロッコファン19における水濡れによる漏電を防止できる。その結果、シロッコファン19が破損したり、感電したりすることを防止できる安全性の高い送風靴を提供することができる。
【0086】
また、モータロックが生じた場合、制御基板19nが、モータロック状態を検知し、シロッコファン19への電流を遮断するようになっているので、巻線19kの焼き付きを防止し、ひいては漏電、感電、火災などの事故が起こることを防止することができる。その結果、安全性の高い送風靴を提供することができる。
【0087】
また、駆動・制御回路24が本体部23に収納されて絶縁性の部材で覆うように構成されているので、歩行時の振動から駆動・制御回路を保護することができる。また、駆動・制御回路24が水濡れすることがなく、漏電による駆動・制御回路の故障や人への感電を防止することができる。その結果、安全性の高い送風靴を提供することができる。
【0088】
また、コントローラ27がシロッコファン19と別体で構成されており、無線によりシロッコファン19を制御できるので、屈まなくとも、容易にシロッコファン19を操作することができ、膝が悪い人の負担を減らすことができる。また、1つの制御・送信回路31から、左右一対の駆動・制御回路24に対して、指令信号を同時に出力できるので、左右一対のシロッコファン19を同時に駆動させたり、同時に制御させたりすることができる。その結果、シロッコファン19を左右別々に駆動させなくともよく、操作性に優れた送風靴を提供することができる。
【0089】
また、貫通穴16a、貫通穴16bが、底部12に足裏部200aが密着しても塞がれない位置に、足先部空間11eに開口するように形成されているので、シロッコファン19によって空気送風路101の送風路20aから貫通穴16aを経由して足先部空間11eに送風された際に、足先部空間11eの湿った空気が、空気送風路102の貫通穴16bを経由して外気側に、容易に送風される。また、特許文献2に示すような配風溝が形成されておらず、履き心地を妨げることがない。その結果、履き心地が良く、かつ、換気効率の良い送風靴を提供することができる。
【0090】
また、シロッコファン19を使用しているため、動圧を高くすることができる。その結果、動圧の低い軸流ファンに比べて外気をより強く送ることができ、効率の良い換気ができる。
【0091】
さらに、送風ユニット18が、穴部15cから着脱できるので、送風ユニット18を取り外して普通の靴として使用することができる。また、シロッコファン19が故障した際に、送風ユニット18を容易に交換をすることができる。
【0092】
(第2実施形態)
第1実施形態との相違点のみ説明する。第1実施形態では、シロッコファン19を構成する積層部19h、カバー19j、通電部が、ウレタン樹脂19wで覆うように成型されていたが、第2実施形態では、上記積層部19h、カバー19j、通電部とウレタン樹脂19wとの間に、シリコン樹脂を配置した。ウレタン樹脂19wは、上記シリコン樹脂を覆うように成型される。
【0093】
上記構成によれば、積層部19h、カバー19j、通電部と、硬いウレタン樹脂19wとの間に、硬度の低い、柔軟性のあるシリコン樹脂が配置されるので、電子部品に膨張および収縮のいずれかが発生しても、電子部品にかかる局所的な応力を和らげて電子部品の破壊を防止することができる。その結果、安全性の高い送風靴を提供することができる。
【0094】
また、巻線に膨張および収縮のいずれかが発生しても、シリコン樹脂が絶縁性の部材にかかる局所的な応力を和らげて絶縁性の部材のクラックを防止することができる。その結果、安全性の高い送風靴を提供することができる。
【0095】
(第3実施形態)
第1実施形態では、シロッコファン19を構成する積層部19h、カバー19j、通電部が、ウレタン樹脂19wで覆うように成型されていたが、第3実施形態では、図10に示すように、積層部19h、カバー19j、通電部を、シロッコファン19の導風路19d、空気送風路の外側に配置するようにした。
【0096】
上記構成によれば、積層部19h、カバー19j、通電部が、導風路19dの外側に配置されているので、導風路19d内に雨水が侵入しても、積層部19h、カバー19j、通電部が防水され、水濡れによる漏電を防止することができる。その結果、シロッコファン19が破損したり、感電することを防止できる安全性の高い送風靴を提供することができる。
【0097】
(第4実施形態)
第1実施形態では、ミッドソール15側に溝部15a、溝部15bが形成されていたが、図11、図12に示すように、ミッドソール15に溝部15a、溝部15bを設けないで、足底板16に、ミッドソール15側に開口する溝部16c、溝部16dを形成してもよい。上記溝部16c、溝部16dは、それぞれ、ミッドソール15の送風路15d、送風路15eに開口するように形成する。なお、図示はしないが、ミッドソール、足底板の双方に溝部を形成してもよい。
【0098】
(第5実施形態)
第1実施形態では、送風機にシロッコファンを用いたが、軸流式送風機を用いても良い。図13、図14に示すように、空気送風路103、空気送風路104の途中に軸流式送風機を配置した。図13は、第5実施形態における送風靴100の正面図を、図14は、図13のK方向から見た送風靴100の平面図を示す。なお、図14では、アッパー13、足底板16を想像線で示し、駆動・制御ユニット22を省略している。
【0099】
アウトソール14、ミッドソール15には、溝部15f、溝部15g、送風路15h、送風路15jが形成されている。上記溝部15f、溝部15gは、第1実施形態と同様に、足底板16側に開口している。送風路15hは溝部15fと外気とを連通する。送風路15jは溝部15gと外気とを連通する。なお、送風路15hの両開口部のうち、外気側の開口部を外気開口部15k、送風路15jの両開口部のうち、外気側の開口部を外気開口部15mと称するものとする。足底板16は第1実施形態と同様に構成されている。
【0100】
上記送風路15h、送風路15jには軸流式送風機34、軸流式送風機35が配置されている。軸流式送風機34は、靴後端部11c側から靴先端部11b側に送風するように配置されており、軸流式送風機35は、靴先端部11b側から靴後端部11c側に送風するように配置されている。上記軸流式送風機34には、空気吸入口34a、空気吐出口34bが、軸流式送風機35には、空気吸入口35a、空気吐出口35bが、それぞれ形成されている。上記軸流式送風機34、軸流式送風機35は、どちらか1つのみ配置されていてもよい。また、軸流式送風機34、軸流式送風機35は、着脱可能に構成されていても良い。
【0101】
なお、軸流式送風機の外側を構成し、シロッコファンのケーシングに相当する部位を、シロッコファンと同様に、ケーシングと称するものとする。上記軸流式送風機は、空気吸入口と空気吐出口との間に空気が通過できる導風路を有している。
【0102】
上記構成において、軸流式送風機34、軸流式送風機35が運転を開始すると、外気開口部15k→送風路15h→軸流式送風機34→溝部15f→足底板16の貫通穴16aを経由して靴内部空間11dに送風される。なお、外気開口部15kから溝部15fを経由して靴内部空間11dに至るまでの経路を空気送風路103と称するものとする。
【0103】
一方、外気が上記経路にて靴内部空間11dに送風されると、靴内部空間11dの湿った空気が、足底板16の貫通穴16b→溝部15g→軸流式送風機35→送風路15j→外気開口部15mを経由して外気側に送風される。なお、靴内部空間11dから溝部15g、送風路15jを経由して外気側に至るまでの経路を空気送風路104と称するものとする。上記構成のように、軸流式送風機を用いてもよい。
【0104】
(第6実施形態)
第6実施形態では、図15に示すように、第1実施形態における溝部15aと溝部15bとを連通させている。
【0105】
第1実施形態におけるミッドソール15の溝部15aと溝部15bとを連通させ、この溝部を空間部37と称し、本体部20の送風路20aから送風路15dを経由して空間部37に至るまでの経路を、空気送風路105と称し、空間部37から、送風路15eを経由して外気側に至るまでの経路を空気送風路106と称するものとする。
【0106】
上記構成によれば、シロッコファン19が運転を開始し、外気が空気送風路105を経由して空間部37に送風された場合に、シロッコファン19の動圧によって、足底板16の貫通穴16a、貫通穴16bを介して、空間部37と靴内部空間11dとの間で、空気の行き来がなされる。その際、靴内部空間11dの湿った空気を、空気送風路106を経由して外気側に送風することができ、空気送風路が1つしかない場合に比べて効率の良い換気ができる。
【0107】
(第7実施形態)
第7実施形態では、送風ユニットをアッパーの外側側面外方に配置するようにした。図16は送風靴100の一部断面正面図を、図17は図1のL方向から見た送風靴100の平面図を、図18(a)は送風ユニット39の一部断面正面図を、図18(b)は図18(a)のM方向から見た送風ユニット39の平面図を、図18(c)は図18(a)のN−N断面図を、図18(d)は図18(a)のP−P断面図を示す。上記図17では、アッパー13および足底板16を想像線で示している。なお、シロッコファン19は、第1実施形態と同様に構成されている。
【0108】
ミッドソール15には、図16、図17に示すように、足底板16側に開口する溝部15a、溝部15b、および穴部15cが形成されており、穴部15cには、後述する送風ユニット39の本体部40を固定する固定金具41が固定されている。上記固定金具41には、送風路41aおよび送風路41bが形成されている。
【0109】
次に、送風ユニット39について説明する。送風ユニット39は、図18(a)に示すように、シロッコファン19、駆動・制御回路24、電池25、本体部40から構成されている。本体部40は、固定金具41に固定されており、上記シロッコファン19、駆動・制御回路24、電池25を収納する。上記本体部40は、固定金具41から着脱可能に構成されている。
【0110】
本体部40には、図18(a)に示すように、送風路40a、送風路40b、送風路40cが形成されている。送風路40aの一端には、外気に開口する外気開口部40dが形成されており、他端は、シロッコファン19の吸込口19cに開口する開口部が形成されている。送風路40bの一端は、シロッコファン19の吐出口19eに開口部が形成されており、他端には、固定金具41の送風路41aに開口する開口部40eが形成されている。送風路40cの一端には、固定金具41の送風路41bに開口する開口部40fが形成されており、他端には外気に開口する外気開口部40gが形成されている。
【0111】
上記構成において、シロッコファン19が図16の紙面上方から見て反時計回りに回転すると、外気が本体部40の送風路40a→シロッコファン19の吸込口19c→導風路19d→本体部20の送風路40b→固定金具41の送風路41a→溝部15a→足底板16の貫通穴16aを経由して靴内部空間11dに送風される。送風路40bから溝部15aを経由して靴内部空間11dに至るまでの経路を空気送風路107と称するものとする。
【0112】
外気が上記経路にて靴内部空間11dに送風されると、靴内部空間11dの湿った空気が、足底板16の貫通穴16b→溝部15b→固定金具41の送風路41b→本体部40の送風路40cを経由して外気側に送風される。靴内部空間11dから溝部15b、送風路40cを経由して外気側に至るまでの経路を空気送風路108と称するものとする。
【0113】
なお、送風ユニット39はアッパー13に直接固定するように構成してもよい。また、送風ユニット39は、中間部材を介してアッパー13に固定するように構成してもよい。また、送風ユニット39を、足200の足首と臀部との間に、配置してもよく、具体的には、送風ユニット39にベルトを付け、足200にベルトを巻き付けるようにしてもよい。
【0114】
上記構成によれば、送風ユニット39(およびシロッコファン19)をアッパー13の側面近傍に設けたので、送風ユニット39(またはシロッコファン19)を底部に設ける場合に比べて、底部12の厚さを薄くできる。また、送風ユニット(またはシロッコファン)を底部12に設ける場合に比べて、靴の履き心地を追求した設計が容易になる。また、送風ユニットを底部12に設ける場合には、歩行時の体重を支えるために、送風ユニットを頑丈に作る必要があったが、底部12に設ける場合に比較して送風ユニットを頑丈に作る必要がなく、コストも安くできる。その結果、底部の厚さを薄くし、履き心地が良く、コストの安い送風靴を提供することができる。また、外気開口部が接地面から遠ざかるようにできるので、路上の水たまりを靴内部空間に入りにくくできる。
【0115】
(第8実施形態)
第7実施形態では、ミッドソール15側に溝部15a、溝部15bが形成されていたが、第4実施形態と同様に、ミッドソール15に溝部15a、溝部15bを設けないで、足底板16に溝部を形成してもよい。また、第7実施形態で示した送風ユニット39の開口部40e、開口部40fを、エア配管の一端を差し込んで取り付けられるように形成し、他端を空気送風路107、空気送風路108に繋がるようにしてもよい。
【0116】
(第9実施形態)
第9実施形態のように、軸流式送風機を用い、この軸流式送風機の羽根車を足と極めて近くなるように構成しても良い。図19は、第9実施形態の送風靴100の正面図を、図20は図19の送風靴100のS方向から見た平面図を、図21は、足底板16の平面図を、図22(a)は送風ユニット46の正面図を、図22(b)は図22(a)のT方向から見た平面図を、図23は、図20の送風ユニット46のU方向から見た断面図を、図24は、図20の送風ユニット46のW方向から見た断面図を示す。
【0117】
アウトソール14、ミッドソール15には、図19、図20に示すように、穴部15n、送風路15p、送風路15rが形成されている。上記送風路15pは足底板16の貫通穴16gに対向するように形成されている。
【0118】
足底板16には、図21に示すように、ミッドソール15側に開口する溝部16e、溝部16f、上記溝部16eから足200側に貫通する貫通穴16g、上記溝部16fから足200側に貫通する貫通穴16hが形成されている。
【0119】
また、送風ユニット46を構成する本体部47には、図22(a)、図22(b)に示すように、送風路47a、送風路47bが形成されており、さらに、送風路47aとミッドソール15の送風路15pとを連通する送風路47c、送風路47bとミッドソール15の送風路15rとを連通する送風路47dが形成されている。上記送風路47aと送風路47cの交差する部位に軸流式送風機48が配置されている。上記軸流式送風機48の羽根車48aは、貫通穴16gに対向するように形成されている。なお、上記軸流式送風機48にはケーシング部が設けられておらず、本体部47がケーシング部の機能を有している。
【0120】
なお、上記軸流式送風機48の運転時には、送風路47c側から送風路47a側に送風されように構成されている。上記送風路47cの両開口部のうち、足底板16側の開口部を空気吸入口47e、送風路47aの開口部を空気吐出口47fと称するものとする。上記空気吸入口47eは足底板16の貫通穴16gに対向するように形成されている。
【0121】
上記構成において、軸流式送風機48が運転を開始すると、靴内部空間11dの湿った空気が足底板16の貫通穴16g→溝部16e→ミッドソール15の送風路15p→送風路47c→軸流式送風機48→送風路47aの順に送風され、外気側に送風される。足底板16の貫通穴16gからミッドソール15の送風路15pを経由して外気に至るまでの経路を空気送風路109と称するものとする。
【0122】
一方、靴内部空間11dの湿った空気が外気側に送風されると、外気が送風路47b→送風路47d→ミッドソール15の送風路15r→足底板16の溝部16f→貫通穴16h→靴内部空間11dの順に送風される。送風路47bからミッドソール15の送風路15rを経由し、靴内部空間11dに至るまでの経路を空気送風路110と称するものとする。上記軸流式送風機48が運転を開始した際の送風靴100の空気流れ方向を、図23および図24に示す。
【0123】
上記構成によれば、軸流式送風機48の羽根車48aが、足200と極めて近く構成できる。足底板16は薄板状に形成されており、送風路15p、空気吸入口47e、軸流式送風機48の羽根車48aが、足底板16の貫通穴16gに対向するように形成されているので、貫通穴16gから軸流式送風機48の羽根車48aにかけて、圧力損失の少ない送風路構成とすることができる。その結果、効率の良い換気をすることができる。
【0124】
(第10実施形態)
第1実施形態乃至第9実施形態では、空気流通経路が2つで構成されており、靴内部空間の空気を効率よく送風できるようにしたが、第8実施形態では、送風路を1つにし、送風効率を高くして、足に清涼感を与えるように構成したものである。
【0125】
図25に示すように、アッパー13に穴部13cを設け、上記穴部13cに、軸流式送風機50を配置するようにした。上記軸流式送風機50は穴部13cに、空気吸入口、空気吐出口のどちらか一方が足200に対向させるように設けられている。上記軸流式送風機50は、アッパー13の開口部13dに配置しても良い。また、図示はしないが、底部12に、足200側に向けて貫通穴を設け、この貫通穴に、軸流式送風機50を足に対向させるように配置しても良い。
【0126】
上記構成によれば、外気と足200との間が極めて短く構成されるので、外気から足200に至る圧力損失を極めて少なくすることができる。その結果、送風効率の良い送風靴を提供することができる。
【0127】
(第11実施形態)
第11実施形態のように、送風機を渦流ブロアで構成してもよい。渦流ブロアを用いると、加熱された空気を靴内部空間に送風することができる。図26(a)は、渦流ブロアの正面図を、図26(b)は、図26(a)のX−X断面を示す。
【0128】
渦流ブロアについて説明する。図26(a)、図26(b)に示すように、渦流ブロア52はケーシング52a内に固定子52b、可動子52cを備えており、空気吸入口52dから空気を吸入し、上記ケーシング52aの導風路52eを経由して空気吐出口52fから空気を吐出する。
【0129】
上記可動子52cが回転すると、可動子52cを構成する羽根車52gが回転し、羽根車52gの底部付近の空気が、遠心力により羽根車52gの先端部のほうに押しやられ、ケーシング52aの壁面52hに衝突する。その際、遠心力により径外方に押しやられた空気は、圧縮され、加熱される。次に、圧縮され、加熱された空気は、羽根車52gの先端部からの空気に押されて、壁面52hに沿って再び羽根車52gの底部付近に戻ってくる。このような流れは、空気吸入口52dから空気吐出口52fまで繰り返し行われ、次第に圧力、温度が上昇する(空気が加熱される)。
【0130】
上記渦流ブロア52の空気吐出口52fを、例えば、第1実施形態の第1空気流通路101に繋がるように構成すると、加熱された空気が靴内部空間に送風される。
【0131】
上記構成によれば、渦流ブロアによって加熱された空気が靴内部空間に送風されるので、送風装置とは別の加熱手段、例えばヒータを用いなくとも靴内部空間を暖めることができる。
【0132】
(第12実施形態)
図27に示すように、送風ユニットの外気開口部をシャッターで塞ぐようにしても良い。第7実施形態の送風ユニットを例にすると、送風ユニット39に、外気開口40d、外気開口部40gを塞ぐシャッター54をネジ55で取り付けるようにした。なお、図示はしないが、ネジを1個にし、容易に取り付けるようにしても良い。また、シャッター54をネジ55で取り付けるようにしたが、電磁弁を用い、上記電磁弁を通電させることで、外気開口部をシャッターで塞ぐようにしてもよい。
【0133】
上記シャッターをする送風ユニットは第7実施形態のものに限らない。また、空気送風路の外気開口部にシャッターを設けても良い。さらに、図示はしないが、送風ユニットの空気の出入り口を全て塞ぐように構成すると、送風ユニットの防水性能が格段に向上する。
【0134】
(その他の実施形態)
上記第1実施形態で示した送風機に替え、ダイヤフラム式空気ポンプ、往復式空気ポンプ、ベーン式空気ポンプのいずれかで構成されていてもよい。また、第1実施形態では、足底板16に貫通穴16a、貫通穴16bが形成されているようにしたが、足底板16の空気が送風される部位を編み目状に形成してもよい。通気性のある部材を用いてもよい。
【0135】
また、空気送風路の途中に空気加熱手段を設け、送風機によって外気開口部側から靴内開口部側に送風するように構成されていてもよい。上記加熱手段の具体例としては、防水仕様の小型セラミックヒータが挙げられる。また、空気送風路の途中に臭い低減手段を設け、送風機によって外気開口部側、靴内開口部側のいずれか一方側から他方側に送風するように構成されていてもよい。臭い低減手段の具体例としては、消臭剤が挙げられる。また、空気送風路の途中に芳香付与手段を設け、送風機によって外気開口部側、靴内開口部側のいずれか一方側から他方側に送風するように構成されていてもよい。芳香付与手段の具体例としては、香料が挙げられる。
【0136】
また、効率の良い換気をするために、以下のように空気送風路、外気開口部、靴内開口部、靴内部空間の形状を決定しても良い。すなわち、シロッコファンの吐出側静圧をPS1、動圧をPD1とし、靴内開口部から吹き出す空気の静圧をPS2、動圧をPD2、空気送風路、外気開口部、靴内開口部、靴内部空間等による圧力損失をPLとしたとき、[数1]を満足するように、空気送風路、外気開口部、
靴内開口部、靴内部空間の形状を決定する、あるいは、空気送風路、外気開口部、靴内開口部、靴内部空間等による圧力損失PLを少なくするように形成し、[数1]を満足するシロッコファン(の吐出側静圧PS1、動圧PD1)を選定する。
【0137】
[数1]PS1+PD1−PL≧PS2+PD2
【0138】
上記動圧PD2は、靴内部空間の湿った空気を十分に外気側に送風できる動圧である。なお、上記圧力損失PLは、計算で有る程度までは把握できるが、実際の全圧力損失との間に誤差を生じる場合があるので、一部または全部を実験により求める。
【0139】
上記全圧力損失PLを少なくする手段としては、空気送風路に急拡大部、急縮小部を作らないようにする、急曲げ部を作らないようにする、開口部に丸みを持たせるようにする、空気送風路の全長を短くする、送風路の表面粗さを小さくするなどする。また、空気送風路の空気流れ方向の断面積を、送風機の空気吐出口の断面積と略一致させても良い。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の第1実施形態による送風靴の正面図である。
【図2】図1のA方向から見た送風靴の一部断面平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による足底板の平面図である。
【図4(a)】本発明の第1実施形態による送風ユニットの一部断面正面図である。
【図4(b)】図4(a)のD方向から見た送風ユニットの平面図である。
【図5】図2のB−B断面図である。
【図6】図2のC−C断面図である。
【図7(a)】本発明の第1実施形態によるシロッコファンの正面図である。
【図7(b)】図7(a)のF−F断面図である。
【図8(a)】本発明の第1実施形態によるコントローラの正面図である。
【図8(b)】図8(a)のG方向から見たコントローラの側面図である。
【図9】本発明の第1実施形態による送風靴の制御ブロック図である。
【図10】本発明の第3実施形態によるシロッコファンの断面図である。
【図11】本発明の第4実施形態による送風靴の正面図である。
【図12】図11のJ方向から見た足底板の平面図である。
【図13】本発明の第5実施形態における送風靴の正面図である。
【図14】図13のK方向から見た送風靴の平面図である。
【図15】本発明の第6実施形態による送風靴の一部断面平面図である。
【図16】本発明の第7実施形態による送風靴の一部断面正面図である。
【図17】図16のL方向から見た送風靴の平面図である。
【図18(a)】本発明の第7実施形態による送風ユニットの一部断面正面図である。
【図18(b)】図18(a)のM方向から見た送風ユニットの平面図である。
【図18(c)】図18(a)のN−N断面図である。
【図18(d)】図18(a)のP−P断面図である。
【図19】本発明の第9実施形態による送風靴の正面図である。
【図20】図19のS方向から見た送風靴の平面図である。
【図21】本発明の第9実施形態による足底板の平面図である。
【図22(a)】本発明の第9実施形態による送風ユニットの正面図である。
【図22(b)】図22(a)のT方向から見た送風ユニットの平面図である。
【図23】図20のU−U断面図である。
【図24】図20のW−W断面図である。
【図25】本発明の第10実施形態による送風靴の正面断面図である。
【図26(a)】第11実施形態による渦流ブロアの正面図である。
【図26(b)】図27(a)のX−X断面である。
【図27】本発明の第12実施形態によるによる、シャッターの説明図である。
【符号の説明】
【0141】
11…靴本体部
11a…挿入口
11b…靴先端部
11c…靴後端部
11d…靴内部空間
11e…足先部空間
12…底部
13…アッパー
13a…表革
13b…裏革
14…アウトソール
15…ミッドソール
15a…溝部
15b…溝部
15c…穴部
15d…送風路
15e…送風路
16…足底板
16a…貫通穴
16b…貫通穴
17…(欠番)
18…送風ユニット
19…シロッコファン(送風機)
19a…ファンモータ部
19b…ケーシング
19c…吸込口
19d…導風路
19e…吐出口
19f…固定子
19g…可動子
19i…突極部
19h…積層部
19j…カバー
19k…巻線(通電部)
19m…配線(通電部)
19n…制御基板(通電部)
19p…一端(通電部)
19r…所定の隙間
19s…永久磁石
19t…ヨーク
19u…羽根車
19w…ウレタン樹脂(絶縁性の部材)
20…本体部(収納体)
20a…送風路
20b…送風路
20c…送風路
20d…外気開口部
20e…開口部
20f…開口部
21…(欠番)
22…駆動・制御ユニット
23…本体部
24…駆動・制御装置
25…電池(第1の電源)
26…(欠番)
27…コントローラ
28…本体部
29…操作部
30…表示部
31…制御・送信回路
32…電池(第2の電源)
100…送風靴
101…空気送風路
102…空気送風路
200…足
200a…足裏部
200b…甲部
200c…つま先部
200d…かかと部
SW1…ON/OFFスイッチ
SW2…運転パターン切換スイッチ
SW3…風量切換スイッチ
LP1…連続運転ランプ
LP2…第1の自動運転ランプ
LP3…第2の自動運転ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足を挿入する挿入口を有し、前記足の甲部を覆うアッパーと、
路面と直接接地し、前記足を支持する底部と、
前記アッパーおよび前記底部で囲まれた靴内部空間と、
前記靴内部空間に開口する靴内開口部と外気に開口する外気開口部とを有して空気が通過できる1つ以上の空気送風路と、
前記空気送風路の途中、前記靴内開口部、前記外気開口部のいずれかに配置され、空気を吸入する空気吸入口と、前記空気吸入口から吸入された空気を吐出する空気吐出口と、を有して前記靴内開口部、前記外気開口部のどちらか一方側から他方側に空気を送風する送風手段と、
前記送風手段に電気を供給する電源と、
を備えており、
前記送風手段が、前記空気吸入口と前記空気吐出口との間に空気が通過できる導風路を有しており、
前記送風手段の通電部の所定の部位が、前記導風路、前記空気送風路のいずれかに配置されており、
前記所定の部位が防水構造であることを特徴とする送風靴。
【請求項2】
足を挿入する挿入口を有し、前記足の甲部を覆うアッパーと、
路面と直接接地し、前記足を支持する底部と、
前記アッパーおよび前記底部で囲まれた靴内部空間と、
前記靴内部空間に開口する靴内開口部と外気に開口する外気開口部とを有して空気が通過できる1つ以上の空気送風路と、
前記空気送風路の途中、前記靴内開口部、前記外気開口部のいずれかに配置され、空気を吸入する空気吸入口と、前記空気吸入口から吸入された空気を吐出する空気吐出口と、を有して前記靴内開口部、前記外気開口部のどちらか一方側から他方側に空気を送風する送風手段と、
前記送風手段に電気を供給する電源と、
を備えており、
前記送風手段が、前記空気吸入口と前記空気吐出口との間に空気が通過できる導風路を有しており、
前記送風手段の通電部が、前記導風路、前記空気送風路の外側に配置されていることを特徴とする送風靴。
【請求項3】
足を挿入する挿入口を有し、前記足の甲部を覆うアッパーと、
路面と直接接地し、前記足を支持する底部と、
前記アッパーおよび前記底部で囲まれた靴内部空間と、
前記靴内部空間に開口する靴内開口部と外気に開口する外気開口部とを有して空気が通過できる1つ以上の空気送風路と、
前記空気送風路の途中、前記靴内開口部、前記外気開口部のいずれかに配置され、空気を吸入する空気吸入口と、前記空気吸入口から吸入された空気を吐出する空気吐出口と、を有して前記靴内開口部、前記外気開口部のどちらか一方側から他方側に空気を送風する送風手段と、
前記送風手段を指令信号に基づいて駆動・制御する駆動・制御回路と、
前記送風手段、前記駆動・制御回路に電気を供給する第1の電源と、
が左右一対で構成されており、
前記駆動・制御回路と別体に構成されて前記送風手段を操作する操作信号を前記指令信号として前記駆動・制御回路に無線で出力する制御・送信回路と、
前記制御・送信回路に電気を供給する第2の電源と、
を備えていることを特徴とする送風靴。
【請求項4】
前記制御・送信回路が1つで構成されており、
左右一対の前記駆動・制御回路が、前記制御・送信回路から出力された前記指令信号を同時に受け取って、左右一対の前記送風手段を同時に駆動・制御することを特徴とする請求項3に記載の送風靴。
【請求項5】
前記駆動・制御回路が絶縁性の部材で覆うように構成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の送風靴。
【請求項6】
足を挿入する挿入口を有し、前記足の甲部を覆うアッパーと、
路面と直接接地し、前記足の足裏部を支持する底部と、
前記アッパーおよび前記底部で囲まれ、前記足のつま先部近傍に形成された足先部空間と、
前記足先部空間に開口する靴内開口部と外気に開口する外気開口部とを有して空気が通過できる複数の空気送風路と、
前記空気送風路の途中および前記靴内開口部端、前記外気開口部端のいずれかに配置され、空気を吸入する空気吸入口と前記空気吸入口から吸入された空気を吐出する空気吐出口とを有して空気を送風する送風手段と、
前記送風手段に電気を供給する電源と、
を備えており、
前記靴内開口部が、底部に前記足裏部が密着しても塞がれない位置に、前記足先部空間に開口するように形成されていることを特徴とする送風靴。
【請求項7】
前記空気送風路内の途中に、空気を加熱する空気加熱手段、臭いを低減する臭い低減手段、芳香を付与する芳香付与手段のいずれか1つを設け、
前記空気加熱手段、前記空気冷却手段のいずれかを設けた場合には、前記送風手段によって前記外気開口部側から前記靴内開口部側に送風するように構成されており、前記臭い低減手段、前記芳香付与手段を設けた場合には、前記送風手段によって前記外気開口部側、前記靴内開口部側のいずれか一方側から他方側に送風するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載の送風靴。
【請求項8】
前記空気吸入口、前記空気吐出口、前記空気送風路のいずれか1つ以上に、水の侵入を防止するシャッターを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の送風靴。
【請求項9】
前記送風手段が、着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の送風靴。
【請求項10】
前記送風手段が、前記送風手段を収納する収納体に収納されており、
前記送風手段および前記収納体のうち、少なくとも前記送風手段が着脱可能に構成されていることを特徴する請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載の送風靴。
【請求項11】
前記送風手段が、前記アッパーの外側側面、前記アッパーの外側側面外方、前記足の足首と臀部との間のいずれかに設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1つに記載の送風靴。
【請求項12】
前記送風手段が、送風機で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1つに記載の送風靴。
【請求項13】
前記送風手段が遠心式送風機で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1つに記載の送風靴。
【請求項14】
前記送風手段が、渦流ブロアで構成されており、
前記渦流ブロア内で圧縮され、加熱された空気を前記靴内部空間に送風するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6、請求項8乃至請求項11のいずれか1つに記載の送風靴。
【請求項15】
前記送風手段が、ダイヤフラム式空気ポンプ、往復式空気ポンプ、ベーン式空気ポンプ、圧電式ポンプ、二葉式送風機のいずれかで構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1つに記載の送風靴。
【請求項16】
前記送風手段が、送風機で構成されており、
前記空気吸入口と、前記空気吐出口と、前記導風路とを備えたケーシングと、
前記導風路に配置され、回転軸周りに配置された複数枚の羽根を有して、回転軸方向から吸入した空気を所定の方向に案内する羽根車と、
前記羽根車を回転駆動するモータと、
を備えており、
前記モータが永久磁石を備えて前記回転軸周りに回転する回転子と、
前記回転子の外側および内側のいずれかに配置され、複数の突極部を有する鋼板が複数枚積層された積層部と、前記複数の突極部の外側に巻回された巻線と、を備えた固定子と、
前記固定子の巻線に流す電流を制御する電子部品が実装された制御基板と、
前記制御基板の所定の部位に接続され、前記電源からの電気を供給する配線の一端と、
を備えており、
前記通電部が前記巻線、前記制御基板、前記電子部品、前記配線の一端で構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の送風靴。
【請求項17】
前記電子部品と前記絶縁性の部材との間に、前記電子部品に膨張および収縮のいずれかが発生した際に、前記電子部品の破壊を防止できる柔軟性を有する絶縁性の保護部材を配置したことを特徴とする請求項16に記載の送風靴。
【請求項18】
前記巻線と前記絶縁性の部材との間に、前記巻線に膨張および収縮のいずれかが発生した際に、前記絶縁性の部材のクラックを防止できる柔軟性を有する絶縁性の保護部材を配置したことを特徴とする請求項16に記載の送風靴。
【請求項19】
前記制御基板は、前記モータの回転を止めるモータロックが生じた場合に、前記モータへの電流を遮断する電流遮断機能を有していることを特徴とする請求項16乃至請求項18のいずれか1つに記載の送風靴。
【請求項20】
空気を吸入する空気吸入口と、前記空気吸入口から吸入した空気が通過を導風する導風路と、前記導風路に導風された空気を吐出する空気吐出口と、が形成されたケーシングと、
前記ケーシングの導風路に配置され、回転軸周りに配置された複数枚の羽根を有して、回転軸方向から吸入した空気を径方向、および前記回転軸方向から所定の角度方向のいずれかに案内する羽根車と、
前記羽根車を回転駆動するモータと、
を備えており、
前記モータが永久磁石を備えて前記回転軸周りに回転する回転子と、
前記回転子の外側および内側のいずれかに配置され、複数の突極部を有する鋼板が複数枚積層された積層部と、前記複数の突極部の外側に巻回された巻線と、を備えた固定子と、
前記固定子の巻線に流す電流を制御する電子部品が実装された制御基板と、
を備えており、
前記積層部と、前記通電部を構成する前記巻線、前記制御基板、前記電子部品とが、前記回転子と所定の隙間を有するようにして絶縁性の部材で覆うように成型されていることを特徴とする靴用遠心式送風機。
【請求項21】
空気を吸入する空気吸入口と、前記空気吸入口から吸入した空気が通過を導風する導風路と、前記導風路に導風された空気を吐出する空気吐出口と、が形成されたケーシングと、
前記ケーシングの導風路に配置され、回転軸周りに配置された複数枚の羽根を有して、回転軸方向から吸入した空気を径方向、および前記回転軸方向から所定の角度方向のいずれかに案内する羽根車と、
前記羽根車を回転駆動するモータと、
を備えており、
前記モータが永久磁石を備えて前記回転軸周りに回転する回転子と、
前記回転子の外側および内側のいずれかに配置され、複数の突極部を有する鋼板が複数枚積層された積層部と、前記複数の突極部の外側に巻回された巻線と、を備えた固定子と、
前記固定子の巻線に流す電流を制御する電子部品が実装された制御基板と、
を備えており、
前記積層部、前記通電部を構成する前記巻線、前記制御基板、前記電子部品が、前記導風路の外側に配置されていることを特徴とする靴用遠心式送風機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図5】
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【図6】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図8(a)】
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【図8(b)】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18(a)】
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【図18(b)】
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【図18(c)】
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【図18(d)】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22(a)】
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【図22(b)】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26(a)】
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【図26(b)】
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【図27】
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【公開番号】特開2009−118879(P2009−118879A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−292778(P2007−292778)
【出願日】平成19年11月12日(2007.11.12)
【出願人】(306009592)
【Fターム(参考)】