透湿機能を有する防水長靴
【課題】
本発明は、透湿機能を有する防水長靴に関わる物で、より詳細には、完全防水を要する長靴の本体の一部に防水及び透湿機能を有する部材を装着することによって、内部に発生した汗等による水蒸気は容易に排出しながら、防水及び防風機能の有る透湿機能を有した防水長靴に関わるものである。
【解決手段】
本発明によると、防水材質の表地と通気性材質の裏地が層合された本体と、該本体の下端に装着された靴底で成る防水長靴に於いて、該表地に一つの透湿孔が開けられ、該透湿孔の縁部の上部面に透湿部材の端部が装着され、上部に多数個の透湿孔が開けられた保護ケーシングが該透湿部材を内包して表地に装着された、透湿機能を有する防水長靴が提供される。
本発明は、透湿機能を有する防水長靴に関わる物で、より詳細には、完全防水を要する長靴の本体の一部に防水及び透湿機能を有する部材を装着することによって、内部に発生した汗等による水蒸気は容易に排出しながら、防水及び防風機能の有る透湿機能を有した防水長靴に関わるものである。
【解決手段】
本発明によると、防水材質の表地と通気性材質の裏地が層合された本体と、該本体の下端に装着された靴底で成る防水長靴に於いて、該表地に一つの透湿孔が開けられ、該透湿孔の縁部の上部面に透湿部材の端部が装着され、上部に多数個の透湿孔が開けられた保護ケーシングが該透湿部材を内包して表地に装着された、透湿機能を有する防水長靴が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透湿機能を有する防水長靴に関わるもので、より詳細には、完全防水を要する長靴の本体の一部に防水及び透湿機能を有する部材を装着し、内部から発生した汗等による水蒸気は容易に排出しながら防水及び防風機能と透湿機能を有する防水長靴に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
長靴はその目的上、完全防水及び防風機能が要求されるもので、雨の降る日や水の多い所で使用されたり、有害な作業場等に於いて足の保護の為の作業靴として広く使用される。
【0003】
このような防水長靴は、防水が主目的であるため一定時間着靴していると汗の排出がなされず、長靴の内部は非常に湿った状態となり、靴底と足裏が滑る等の不快感は勿論、湿疹や水虫及び凍傷等、足に関する疾患の発生が憂慮されることとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、長靴本来の機能である防水と防風を維持しながら、内部から発生した汗等による水蒸気を容易に排出し、湿疹や水虫及び凍傷等の足に関した疾患を防止できるよう、長靴の本体の一定部分に防水及び透湿機能が有る部材が設置された、透湿機能を有する防水長靴を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための本発明の構成及び作用を、添附図面を参照して詳細に説明すると次の通りである。
【0006】
本発明は、本体(1)と靴底(2)から成る防水長靴に透湿機能を持たせたもので、本体(1)の構造は至って多様であり得る。即ち、本体(1)は、ゴムパターン(3)等の防水材質からなる表地と、織物ライニング(4)等の通気性材質、又はゴムライニング(5)等の防水材質からなる裏地と、表地と裏地との間に挿入され層合された充填材(6)等で構成される。
【0007】
このように本体(1)は表地に防水材質が使用され、裏地に防水材質又は通気性材質が使用される。
【0008】
上記の如く、多様な構成の本体(1)により、本発明の実施例を記述すると次の通りである。
【0009】
防水材質の表地と、通気性材質の裏地が層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から構成される防水長靴の、一つの実施例は、該表地に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該透湿孔(11c)の縁部の上部面に防水機能を有する透湿部材(7)の端部が装着され、上部に多数個の透湿孔(11b)の開けられた保護ケーシング(8)が該透湿部材(7)を内包して表地に装着された構造を有する。
【0010】
尚、防水材質の表地と、通気性材質の裏地の層合された本体(1)と該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴の場合は、該表地の一定領域に内部湿気が排出される多数個の透湿孔(11b)が開けられ、該透湿孔(11b)の領域と裏地との間に透湿部材(7)が挿入された構造を有する。
【0011】
又、防水材質の表地と裏地が層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴の場合は、該表地に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該裏地には表地の透湿孔(11c)が開けられた領域の部分に多数個の透湿孔(11a)が開けられ、該透湿孔(11c)の縁部の上部面に透湿部材(7)の端部が装着され、上部に多数個の透湿孔(11b)が開けられた保護ケーシング(8)が該透湿部材(7)を内包して該表地に装着される構造を有する。
【0012】
又、防水材質の表地と裏地、表地と裏地との間に挿入された充填材(6)の層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴の場合は、該表地に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該充填材(6)と裏地には表地の透湿孔(11c)が開けられた領域部分に多数個の透湿孔(11a)が貫通して開けられ、該透湿孔(11c)の縁部の上部面に透湿部材(7)の端部が装着され、上部に多数個の透湿孔(11b)が開けられた保護ケーシング(8)が該透湿部材(7)を内包して該表地に装着される構造を有する。
【0013】
上記の保護ケーシング(8)の透湿孔(11b)には保護キャップ(9)が設置され、内部の透湿部材(7)を保護する構造を有し、該保護キャップ(9)は、一側辺が透湿孔(11b)の縁部に装着されるか、縁部の周囲に多数個の連結柱(10)が形成され、透湿孔(11b)の縁部に装着される構造を有する。
【0014】
上記の保護ケーシング(8)は、別途製作されて表地に装着されるか、通常の長靴に具備されるトーキャップに透湿孔(11b)を形成して実施するか、該透湿孔(11b)に保護キャップ(9)をさらに具備して実施することもできる。
【0015】
又、上記の透湿部材(7)は、通気性の有る保護織物(12)と、該保護織物(12)に装着された防水及び透湿メンブレーン(13)で構成され、防水及び透湿メンブレーン(13)が内部へ向かうように装着される構造を有する。
【0016】
又、透湿部材(7)が表地と充填材(6)の間に層合されるか、表地と裏地の間に層合され、該表地の一定部位に多数個の透湿孔(11b)が開けられて構成された構造を有する実施例と、該実施例に於いて透湿孔(11b)が開けられた表地の上部に保護ケーシング(8)が装着された構造を有し得る。
【0017】
尚、表地の内側に裏地が層合されるか、表地の内側に充填材(6)と裏地が順に層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴に於いて、該表地と該裏地の間、又は該表地と該充填材(6)の間に透湿部材(7)が層合され、該表地の一定部位に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該透湿孔(11c)の上部に多数個の透湿孔(11b)が開けられた保護キャップ(9)が装着される構造も可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の防水長靴は、長靴本来の機能である防水と防風を維持することは勿論、長靴本来の機能により、内部に発生した汗等による水蒸気の排出が不可能であった従来の問題点を解消して外部へ排出できるようにすることによって、湿疹や水虫及び凍傷等の足に関わる疾患を防止し、着靴して使用の時、いつも快適な状態を維持できるようにする効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
上記の多様な実施例を有する本発明は、従来の防水機能だけを追求していた防水長靴の問題点を克服するものであり、内部に発生した汗等による水蒸気を外部へ排出しながら、水蒸気より粒子が大きい水滴の浸透を防止し、快適な使用を提供するようになる。
【0020】
これに使用される素材は透湿部材(7)であるが、これには従来のゴアテックス原料反物と同樣の、防水及び透湿メンブレーン(13)が使用される。又、上記の防水及び透湿メンブレーン(13)は、極く薄い薄膜の形態を有する為、これを保護できる構造としてメッシュ状を有し通気ができる保護織物(12)が、上記の防水及び透湿メンブーン(13)と接着されて使用される。又、保護織物(12)は、防水及び透湿メンブレーン(13)の外側に装着されて外部の固形物に対してもよりよく防水及び透湿メンブレーン(13)を保護できるように実施される。
【0021】
先ず、図5に図示された実施例は、表地に防水材質のゴムパターン(3)が使用され、裏地に通気性材質の織物ライニング(4)が使用されることによって、織物ライニング(4)には別途の透湿孔の形成が不必要になる。従って、ゴムパターン(3)にだけ一定領域内に多数個の透湿孔(11b)を形成し、該透湿孔(11b)が形成された領域の下部と織物ライニング(4)の間に透湿部材(7)が挿入されて本発明の目的を達成するようになる。
【0022】
従って、防水長靴の内部に発生した湿気は、織物ライニング(4)の裏地を通過するようになり、透湿部材(7)の内側の防水及び透湿メンブレーン(13)を通過して、表地のゴムパターン(3)の透湿孔(11b)を通じて外部へ排出される。
【0023】
このように、内部の水蒸気は外部へ排出されるが、雨水等の水滴は水蒸気の粒子より大きい為、防水及び透湿メンブレーン(13)を通過できない為、防水の機能をそのまま維持できるようになる。又、表地の透湿孔(11b)を通じて防水及び透湿メンブレーン(13)が損傷し得る為、保護織物(12)が防水及び透湿メンブレーン(13)の外側に装着されてこれを保護するようになる。
【0024】
尚、図6に図示されたように、多数個の透湿孔(11b)を表地に形成せずに、一つの大きい透湿孔(11c)だけを形成し、これの上部に透湿部材(7)を設置し、これを保護する保護ケーシング(8)を設置することもできる。この時の保護ケーシング(8)には、図5に於いて図示されたように多数個の透湿孔(11b)が開けられている構造を有する。
【0025】
図6の場合は、透湿孔(11c)が大きい為、多量の水蒸気を排出することができる長所を持っており、上記又は以後の如何なる場合にも、透湿部材(7)は裏地又は表地にその端部が接着されて防水性を維持することができるようにした構造を有する。
【0026】
又、図7の実施例のように、表地は防水材質のゴムパターン(3)等でできており、裏地も防水材質のゴムライニング(5)でできている場合であるが、裏地には多数個の透湿孔(11a)が開けられ、表地には一つの透湿孔(11c)が開けられた構造である。透湿孔(11c)の上部には、これまた透湿部材(7)が内設された保護ケーシング(8)が設置され、その役割は上述した通りである。
【0027】
勿論、図7の場合の、別の実施例は、表地に多数個の透湿孔(11b)が開けられ、裏地にも多数個の透湿孔(11a)が開けられて、これの表地と裏地の間に透湿部材(7)が挿入された構造にすることもできるのは当然である。しかし透湿部材(7)の内側に装着された防水及び透湿メンブレーン(13)の作用をよくする為に、表地には大きな透湿孔(11c)を形成する方が良いので、以下に於いては望ましい実施例に対してだけ記述し、各々の本体(1)に対する図5の実施例は省略することにする。
【0028】
次は、表地と裏地の間に充填材(6)が挿入された本体(1)の場合であり、図8乃至図10に図示してある。
【0029】
即ち、充填材(6)とゴムライニング(5)等の防水材質には貫通された透湿孔(11a)が形成されており、内部の水蒸気は保護ケーシング(8)の透湿孔(11b)を通じて排出されるが、水のような大きい粒子は保護ケーシング(8)の内部に設置された透湿部材(7)によって遮断される。
【0030】
上記の保護ケーシング(8)の透湿孔(11b)には、多様な形態の保護キャップ(9)が装着され、透湿孔(11b)へ流入された外部異物質による透湿部材(7)の損傷を防止するが、図9と図10にその実施例が図示してある。
【0031】
上記に於いて説明したように、本発明は、微細な気孔からなる防水及び透湿メンブレーン(13)によって水蒸気分子は外部へ排出され、水滴の粒子は中へ入れなくなる為、防水長靴を履いて長時間歩いたり或いは作業をする時、いつも快適な足の状態を維持することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上説明したように、本発明は、長靴本来の機能である防水と防風を維持することは勿論、長靴本来の機能により、内部に発生した汗等による水蒸気の排出が不可能であった従来の問題点を解消して外部へ排出できるようにすることによって、湿疹や水虫及び凍傷等の足に関わる疾患を防止し、着靴して使用の時、いつも快適な状態を維持できるようにする効果があり、産業界に寄与すること大である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の全体斜視図。
【図2】本発明の側面図。
【図3】本発明の別の実施例を示す図。
【図4】本発明の又別の実施例を示す図。
【図5】本体による本発明の多様な実施例を示す図。
【図6】本体による本発明の多様な実施例を示す図。
【図7】本体による本発明の多様な実施例を示す図。
【図8】本体による本発明の多様な実施例を示す図。
【図9】本体による本発明の多様な実施例を示す図。
【図10】本体による本発明の多様な実施例を示す図。
【図11】本体による本発明の多様な実施例を示す図。
【符号の説明】
【0034】
1 : 本体
2 : 靴底
3 : ゴムパターン
4 : 織物ライニング
5 : ゴムライニング
6 : 充填材
7 : 透湿部材
8 : 保護ケーシング
9 : 保護キャップ
10 : 連結柱
11a、 11b、 11c : 透湿孔
12 : 保護織物
13 : 防水及透湿メンブレーン
【技術分野】
【0001】
本発明は、透湿機能を有する防水長靴に関わるもので、より詳細には、完全防水を要する長靴の本体の一部に防水及び透湿機能を有する部材を装着し、内部から発生した汗等による水蒸気は容易に排出しながら防水及び防風機能と透湿機能を有する防水長靴に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
長靴はその目的上、完全防水及び防風機能が要求されるもので、雨の降る日や水の多い所で使用されたり、有害な作業場等に於いて足の保護の為の作業靴として広く使用される。
【0003】
このような防水長靴は、防水が主目的であるため一定時間着靴していると汗の排出がなされず、長靴の内部は非常に湿った状態となり、靴底と足裏が滑る等の不快感は勿論、湿疹や水虫及び凍傷等、足に関する疾患の発生が憂慮されることとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、長靴本来の機能である防水と防風を維持しながら、内部から発生した汗等による水蒸気を容易に排出し、湿疹や水虫及び凍傷等の足に関した疾患を防止できるよう、長靴の本体の一定部分に防水及び透湿機能が有る部材が設置された、透湿機能を有する防水長靴を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、上記課題を解決するための本発明の構成及び作用を、添附図面を参照して詳細に説明すると次の通りである。
【0006】
本発明は、本体(1)と靴底(2)から成る防水長靴に透湿機能を持たせたもので、本体(1)の構造は至って多様であり得る。即ち、本体(1)は、ゴムパターン(3)等の防水材質からなる表地と、織物ライニング(4)等の通気性材質、又はゴムライニング(5)等の防水材質からなる裏地と、表地と裏地との間に挿入され層合された充填材(6)等で構成される。
【0007】
このように本体(1)は表地に防水材質が使用され、裏地に防水材質又は通気性材質が使用される。
【0008】
上記の如く、多様な構成の本体(1)により、本発明の実施例を記述すると次の通りである。
【0009】
防水材質の表地と、通気性材質の裏地が層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から構成される防水長靴の、一つの実施例は、該表地に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該透湿孔(11c)の縁部の上部面に防水機能を有する透湿部材(7)の端部が装着され、上部に多数個の透湿孔(11b)の開けられた保護ケーシング(8)が該透湿部材(7)を内包して表地に装着された構造を有する。
【0010】
尚、防水材質の表地と、通気性材質の裏地の層合された本体(1)と該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴の場合は、該表地の一定領域に内部湿気が排出される多数個の透湿孔(11b)が開けられ、該透湿孔(11b)の領域と裏地との間に透湿部材(7)が挿入された構造を有する。
【0011】
又、防水材質の表地と裏地が層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴の場合は、該表地に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該裏地には表地の透湿孔(11c)が開けられた領域の部分に多数個の透湿孔(11a)が開けられ、該透湿孔(11c)の縁部の上部面に透湿部材(7)の端部が装着され、上部に多数個の透湿孔(11b)が開けられた保護ケーシング(8)が該透湿部材(7)を内包して該表地に装着される構造を有する。
【0012】
又、防水材質の表地と裏地、表地と裏地との間に挿入された充填材(6)の層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴の場合は、該表地に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該充填材(6)と裏地には表地の透湿孔(11c)が開けられた領域部分に多数個の透湿孔(11a)が貫通して開けられ、該透湿孔(11c)の縁部の上部面に透湿部材(7)の端部が装着され、上部に多数個の透湿孔(11b)が開けられた保護ケーシング(8)が該透湿部材(7)を内包して該表地に装着される構造を有する。
【0013】
上記の保護ケーシング(8)の透湿孔(11b)には保護キャップ(9)が設置され、内部の透湿部材(7)を保護する構造を有し、該保護キャップ(9)は、一側辺が透湿孔(11b)の縁部に装着されるか、縁部の周囲に多数個の連結柱(10)が形成され、透湿孔(11b)の縁部に装着される構造を有する。
【0014】
上記の保護ケーシング(8)は、別途製作されて表地に装着されるか、通常の長靴に具備されるトーキャップに透湿孔(11b)を形成して実施するか、該透湿孔(11b)に保護キャップ(9)をさらに具備して実施することもできる。
【0015】
又、上記の透湿部材(7)は、通気性の有る保護織物(12)と、該保護織物(12)に装着された防水及び透湿メンブレーン(13)で構成され、防水及び透湿メンブレーン(13)が内部へ向かうように装着される構造を有する。
【0016】
又、透湿部材(7)が表地と充填材(6)の間に層合されるか、表地と裏地の間に層合され、該表地の一定部位に多数個の透湿孔(11b)が開けられて構成された構造を有する実施例と、該実施例に於いて透湿孔(11b)が開けられた表地の上部に保護ケーシング(8)が装着された構造を有し得る。
【0017】
尚、表地の内側に裏地が層合されるか、表地の内側に充填材(6)と裏地が順に層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴に於いて、該表地と該裏地の間、又は該表地と該充填材(6)の間に透湿部材(7)が層合され、該表地の一定部位に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該透湿孔(11c)の上部に多数個の透湿孔(11b)が開けられた保護キャップ(9)が装着される構造も可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の防水長靴は、長靴本来の機能である防水と防風を維持することは勿論、長靴本来の機能により、内部に発生した汗等による水蒸気の排出が不可能であった従来の問題点を解消して外部へ排出できるようにすることによって、湿疹や水虫及び凍傷等の足に関わる疾患を防止し、着靴して使用の時、いつも快適な状態を維持できるようにする効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
上記の多様な実施例を有する本発明は、従来の防水機能だけを追求していた防水長靴の問題点を克服するものであり、内部に発生した汗等による水蒸気を外部へ排出しながら、水蒸気より粒子が大きい水滴の浸透を防止し、快適な使用を提供するようになる。
【0020】
これに使用される素材は透湿部材(7)であるが、これには従来のゴアテックス原料反物と同樣の、防水及び透湿メンブレーン(13)が使用される。又、上記の防水及び透湿メンブレーン(13)は、極く薄い薄膜の形態を有する為、これを保護できる構造としてメッシュ状を有し通気ができる保護織物(12)が、上記の防水及び透湿メンブーン(13)と接着されて使用される。又、保護織物(12)は、防水及び透湿メンブレーン(13)の外側に装着されて外部の固形物に対してもよりよく防水及び透湿メンブレーン(13)を保護できるように実施される。
【0021】
先ず、図5に図示された実施例は、表地に防水材質のゴムパターン(3)が使用され、裏地に通気性材質の織物ライニング(4)が使用されることによって、織物ライニング(4)には別途の透湿孔の形成が不必要になる。従って、ゴムパターン(3)にだけ一定領域内に多数個の透湿孔(11b)を形成し、該透湿孔(11b)が形成された領域の下部と織物ライニング(4)の間に透湿部材(7)が挿入されて本発明の目的を達成するようになる。
【0022】
従って、防水長靴の内部に発生した湿気は、織物ライニング(4)の裏地を通過するようになり、透湿部材(7)の内側の防水及び透湿メンブレーン(13)を通過して、表地のゴムパターン(3)の透湿孔(11b)を通じて外部へ排出される。
【0023】
このように、内部の水蒸気は外部へ排出されるが、雨水等の水滴は水蒸気の粒子より大きい為、防水及び透湿メンブレーン(13)を通過できない為、防水の機能をそのまま維持できるようになる。又、表地の透湿孔(11b)を通じて防水及び透湿メンブレーン(13)が損傷し得る為、保護織物(12)が防水及び透湿メンブレーン(13)の外側に装着されてこれを保護するようになる。
【0024】
尚、図6に図示されたように、多数個の透湿孔(11b)を表地に形成せずに、一つの大きい透湿孔(11c)だけを形成し、これの上部に透湿部材(7)を設置し、これを保護する保護ケーシング(8)を設置することもできる。この時の保護ケーシング(8)には、図5に於いて図示されたように多数個の透湿孔(11b)が開けられている構造を有する。
【0025】
図6の場合は、透湿孔(11c)が大きい為、多量の水蒸気を排出することができる長所を持っており、上記又は以後の如何なる場合にも、透湿部材(7)は裏地又は表地にその端部が接着されて防水性を維持することができるようにした構造を有する。
【0026】
又、図7の実施例のように、表地は防水材質のゴムパターン(3)等でできており、裏地も防水材質のゴムライニング(5)でできている場合であるが、裏地には多数個の透湿孔(11a)が開けられ、表地には一つの透湿孔(11c)が開けられた構造である。透湿孔(11c)の上部には、これまた透湿部材(7)が内設された保護ケーシング(8)が設置され、その役割は上述した通りである。
【0027】
勿論、図7の場合の、別の実施例は、表地に多数個の透湿孔(11b)が開けられ、裏地にも多数個の透湿孔(11a)が開けられて、これの表地と裏地の間に透湿部材(7)が挿入された構造にすることもできるのは当然である。しかし透湿部材(7)の内側に装着された防水及び透湿メンブレーン(13)の作用をよくする為に、表地には大きな透湿孔(11c)を形成する方が良いので、以下に於いては望ましい実施例に対してだけ記述し、各々の本体(1)に対する図5の実施例は省略することにする。
【0028】
次は、表地と裏地の間に充填材(6)が挿入された本体(1)の場合であり、図8乃至図10に図示してある。
【0029】
即ち、充填材(6)とゴムライニング(5)等の防水材質には貫通された透湿孔(11a)が形成されており、内部の水蒸気は保護ケーシング(8)の透湿孔(11b)を通じて排出されるが、水のような大きい粒子は保護ケーシング(8)の内部に設置された透湿部材(7)によって遮断される。
【0030】
上記の保護ケーシング(8)の透湿孔(11b)には、多様な形態の保護キャップ(9)が装着され、透湿孔(11b)へ流入された外部異物質による透湿部材(7)の損傷を防止するが、図9と図10にその実施例が図示してある。
【0031】
上記に於いて説明したように、本発明は、微細な気孔からなる防水及び透湿メンブレーン(13)によって水蒸気分子は外部へ排出され、水滴の粒子は中へ入れなくなる為、防水長靴を履いて長時間歩いたり或いは作業をする時、いつも快適な足の状態を維持することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上説明したように、本発明は、長靴本来の機能である防水と防風を維持することは勿論、長靴本来の機能により、内部に発生した汗等による水蒸気の排出が不可能であった従来の問題点を解消して外部へ排出できるようにすることによって、湿疹や水虫及び凍傷等の足に関わる疾患を防止し、着靴して使用の時、いつも快適な状態を維持できるようにする効果があり、産業界に寄与すること大である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の全体斜視図。
【図2】本発明の側面図。
【図3】本発明の別の実施例を示す図。
【図4】本発明の又別の実施例を示す図。
【図5】本体による本発明の多様な実施例を示す図。
【図6】本体による本発明の多様な実施例を示す図。
【図7】本体による本発明の多様な実施例を示す図。
【図8】本体による本発明の多様な実施例を示す図。
【図9】本体による本発明の多様な実施例を示す図。
【図10】本体による本発明の多様な実施例を示す図。
【図11】本体による本発明の多様な実施例を示す図。
【符号の説明】
【0034】
1 : 本体
2 : 靴底
3 : ゴムパターン
4 : 織物ライニング
5 : ゴムライニング
6 : 充填材
7 : 透湿部材
8 : 保護ケーシング
9 : 保護キャップ
10 : 連結柱
11a、 11b、 11c : 透湿孔
12 : 保護織物
13 : 防水及透湿メンブレーン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水材質の表地と通気性材質の裏地が層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴に於いて、該表地に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該透湿孔(11c)の縁部の上部面に透湿部材(7)の端部が装着され、上部に多数個の透湿孔(11b)が開けられた保護ケーシング(8)が該透湿部材(7)を内包し、該表地に装着されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項2】
防水材質の表地と通気性材質の裏地とが層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から構成される防水長靴に於いて、該表地の一定領域に内部の湿気が排出される多数個の透湿孔(11b)が開けられ、該透湿孔(11b)の領域と裏地の間に透湿部材(7)が挿入されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項3】
防水材質の表地と裏地の層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴に於いて、該表地に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該裏地には、該表地の透湿孔(11c)が開けられた領域部分に多数個の透湿孔(11a)が開けられ、該透湿孔(11c)の縁部の上部面に透湿部材(7)の端部が装着され、上部に多数個の透湿孔(11b)が開けられた保護ケーシング(8)が該透湿部材(7)を内包して該表地に装着されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項4】
防水材質の表地と裏地とが層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴に於いて、該表地の一定領域に内部湿気が排出される多数個の透湿孔(11b)が開けられ、該裏地には該表地の透湿孔(11b)が開けられた同一の領域に多数個の透湿孔(11a)が開けられ、該透湿孔(11a)(11b)の領域の間に透湿部材(7)が挿入されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項5】
防水材質の表地と裏地、表地と裏地との間に挿入された充填材(6)が層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴に於いて、該表地に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該充填材(6)と該裏地には表地の透湿孔(11c)が開けられた領域部分に多数個の透湿孔(11a)が貫通して開けられ、該透湿孔(11c)の縁部の上部面に透湿部材(7)の端部が装着され、上部に多数個の透湿孔(11b)が開けられた保護ケーシング(8)が、該透湿部材(7)を内包して該表地に装着されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項6】
防水材質の表地と裏地、表地と裏地との間に挿入された充填材(6)が層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴に於いて、該表地の一定領域に内部湿気が排出される多数個の透湿孔(11b)が開けられ、該透湿孔(11b)が開けられた同一の領域の充填材(6)と裏地に、該充填材(6)と該裏地を貫通する透湿孔(11a)が開けられ、該表地の透湿孔(11b)領域と該充填材(6)の透湿孔(11a)領域の間に透湿部材(7)が装着されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項7】
表地の内側上の裏地が層合されるか、表地の内側に充填材(6)と裏地が順に層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴に於いて、該表地と裏地の間、又は表地と充填材(6)との間に透湿部材(7)が層合され、該表地の一定部位に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該透湿孔(11c)の上部に多数個の透湿孔(11b)が開けられた保護キャップ(9)が該表地に装着されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項8】
請求項1又は請求項3又は請求項5に於いて、保護ケーシング(8)の透湿孔(11b)には保護キャップ(9)が設置され、内部の透湿部材(7)を保護することを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項9】
請求項8に於いて、保護キャップ(9)は一側辺が透湿孔(11b)の縁部に装着されるか、縁部の周囲に多数個の連結柱(10)が形成されて透湿孔(11b)の縁部に装着されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項10】
請求項1乃至請求項7中のいずれか一項に於いて、透湿部材(7)は通気性のある保護織物(12)と、該保護織物(12)に装着された防水及び透湿メンブレーン(13)で構成されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項1】
防水材質の表地と通気性材質の裏地が層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴に於いて、該表地に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該透湿孔(11c)の縁部の上部面に透湿部材(7)の端部が装着され、上部に多数個の透湿孔(11b)が開けられた保護ケーシング(8)が該透湿部材(7)を内包し、該表地に装着されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項2】
防水材質の表地と通気性材質の裏地とが層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から構成される防水長靴に於いて、該表地の一定領域に内部の湿気が排出される多数個の透湿孔(11b)が開けられ、該透湿孔(11b)の領域と裏地の間に透湿部材(7)が挿入されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項3】
防水材質の表地と裏地の層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴に於いて、該表地に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該裏地には、該表地の透湿孔(11c)が開けられた領域部分に多数個の透湿孔(11a)が開けられ、該透湿孔(11c)の縁部の上部面に透湿部材(7)の端部が装着され、上部に多数個の透湿孔(11b)が開けられた保護ケーシング(8)が該透湿部材(7)を内包して該表地に装着されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項4】
防水材質の表地と裏地とが層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴に於いて、該表地の一定領域に内部湿気が排出される多数個の透湿孔(11b)が開けられ、該裏地には該表地の透湿孔(11b)が開けられた同一の領域に多数個の透湿孔(11a)が開けられ、該透湿孔(11a)(11b)の領域の間に透湿部材(7)が挿入されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項5】
防水材質の表地と裏地、表地と裏地との間に挿入された充填材(6)が層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴に於いて、該表地に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該充填材(6)と該裏地には表地の透湿孔(11c)が開けられた領域部分に多数個の透湿孔(11a)が貫通して開けられ、該透湿孔(11c)の縁部の上部面に透湿部材(7)の端部が装着され、上部に多数個の透湿孔(11b)が開けられた保護ケーシング(8)が、該透湿部材(7)を内包して該表地に装着されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項6】
防水材質の表地と裏地、表地と裏地との間に挿入された充填材(6)が層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴に於いて、該表地の一定領域に内部湿気が排出される多数個の透湿孔(11b)が開けられ、該透湿孔(11b)が開けられた同一の領域の充填材(6)と裏地に、該充填材(6)と該裏地を貫通する透湿孔(11a)が開けられ、該表地の透湿孔(11b)領域と該充填材(6)の透湿孔(11a)領域の間に透湿部材(7)が装着されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項7】
表地の内側上の裏地が層合されるか、表地の内側に充填材(6)と裏地が順に層合された本体(1)と、該本体(1)の下端に装着された靴底(2)から成る防水長靴に於いて、該表地と裏地の間、又は表地と充填材(6)との間に透湿部材(7)が層合され、該表地の一定部位に一つの透湿孔(11c)が開けられ、該透湿孔(11c)の上部に多数個の透湿孔(11b)が開けられた保護キャップ(9)が該表地に装着されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項8】
請求項1又は請求項3又は請求項5に於いて、保護ケーシング(8)の透湿孔(11b)には保護キャップ(9)が設置され、内部の透湿部材(7)を保護することを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項9】
請求項8に於いて、保護キャップ(9)は一側辺が透湿孔(11b)の縁部に装着されるか、縁部の周囲に多数個の連結柱(10)が形成されて透湿孔(11b)の縁部に装着されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【請求項10】
請求項1乃至請求項7中のいずれか一項に於いて、透湿部材(7)は通気性のある保護織物(12)と、該保護織物(12)に装着された防水及び透湿メンブレーン(13)で構成されることを特徴とする透湿機能を有する防水長靴。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−304951(P2006−304951A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−129597(P2005−129597)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(505158530)株式会社シーアンドケイ貿易 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(505158530)株式会社シーアンドケイ貿易 (1)
【Fターム(参考)】
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