説明

通信モジュール及び該通信モジュールを有する電子機器

【課題】無線環境の良否にかかわらず、より多くの態様にて有効に利用することのできる通信モジュールを提供することである。
【解決手段】情報を格納する記録媒体103と、無線通信手段110と、制御手段102とを有し、前記制御手段102は、本体機器(20、30)に対して記録媒体103に対する情報の格納を可能にさせるとともに無線通信手段110を有効にして、記録媒体103に格納された情報を読み出して、無線ネットワークに接続して前記情報を所定の宛先に送信するように無線通信手段110を制御する第1制御部(S8〜S10)と、無線通信手段110を無効にして、本体機器(20、30)に対して記録媒体103に対する情報の格納及び読み出しを可能にさせる第2制御部(S11、S12)と、前記第1制御部及び前記第2制御部のいずれか一方を有効にさせる機能選択手段(S1)とを有する構成となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を格納する記録媒体と無線通信手段とを有し、本体機器の接続部に取り外し可能に接続される通信モジュールと、その通信モジュールが前記本体機器の接続部に接続された構成の電子機器に関する。
【0002】
従来、デジタルカメラの接続部に取り外し可能に接続され、フラッシュメモリと無線通信ユニットとを備えたメディアカードが提案されている(特許文献1参照)。このメディアカードでは、デジタルカメラでの撮影がなされると、その撮影により得られた画像がデジタルカメラからメディアカードのフラッシュメモリに格納される。そして、無線通信ユニットがフラッシュメモリに格納された画像を所定の宛先に送信する。
【0003】
このようなメディアカード(通信モジュール)では、デジタルカメラでの撮影にて得られた画像をフラッシュメモリ内に保存するだけでなく、所望の宛先に無線送信することができるので、撮影画像の利用形態をより広げることができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開WO2007/035275
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した従来のメディアカード(通信モジュール)では、無線通信ユニットと無線ネットワークとの間の電波状態が悪い地域で撮影する場合や、無線ネットワークに支障が生じた場合など、無線通信環境が悪い場合では、デジタルカメラにて撮影を行うと、その撮影画像がフラッシュメモリに格納され、無線通信ユニットが、撮影画像の送信ができないにもかかわらず、無線ネットワークとの接続動作(アクセスポイントのサーチ動作)を繰り返し実行してしまう。このため、無線通信環境が悪い場合には、デジタルカメラにて前記メディアカードを有効に利用することができない。また、無線通信環境が良い場合にあっては、無線通信ユニットをフラッシュメモリに格納された情報を送信すること以外に利用することができない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、無線環境の良否にかかわらず、より多くの態様にて有効に利用することのできる通信モジュールを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る通信モジュールは、本体機器の接続部に取り外し可能に接続される通信モジュールであって、情報を格納する記録媒体と、所定の無線ネットワークに接続して通信を行う無線通信手段と、前記記録媒体に対する情報の格納及び読み出しを制御し、前記無線通信手段の動作を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記本体機器に対して前記記録媒体に対する情報の格納を可能にさせるとともに前記無線通信手段を有効にして、前記記録媒体に格納された情報を読み出して、前記無線ネットワークに接続して前記情報を所定の宛先に送信するように前記無線通信手段を制御する第1制御部と、前記無線通信手段を無効にして、前記本体機器に対して前記記録媒体に対する情報の格納及び読み出しを可能にさせる第2制御部と、前記第1制御部及び前記第2制御部のいずれか一方を有効にさせる機能選択手段とを有する構成となる。
【0008】
このような構成では、機能選択手段により第1制御部が選択されると、無線通信手段が有効となって本体機器による記録媒体に対する情報の格納が可能となって、無線通信手段が無線ネットワークに接続して前記記録媒体に格納された情報を所定の宛先に送信することができるようになるので、本体機器からの情報を通信モジュールの記録媒体に格納することにより、その情報が所定の宛先に送信されるようになる。また、機能選択手段により第2制御部が選択されると、無線通信手段が無効となって、本体機器による記録媒体に対する情報の格納及び読み出しが可能になるので、本体機器において通信モジュールの記録媒体を単なる情報の保持手段(メモリ)として利用することができるようになる。
【0009】
本発明に係る通信モジュールにおいて、第1状態及び第2状態のいずれかに設定可能なスイッチ部を有し、前記機能選択手段は、前記スイッチ部が前記第1状態に設定されているときに、前記第1制御部を有効にし、前記スイッチ部が前記第2状態に設定されているときに、前記第2制御部を有効にする構成とすることができる。
【0010】
このような構成により、スイッチ部が第1状態に設定されれば、第1制御部により、無線通信手段が有効となって本体機器による記録媒体に対する情報の格納が可能となって、無線通信手段が無線ネットワークに接続して前記記録媒体に格納された情報を所定の宛先に送信することができるようになる。また、スイッチ部が第2状態に設定されれば、第2制御部により、無線通信手段が無効となって、本体機器による記録媒体に対する情報の格納及び読み出しが可能になる。
【0011】
また、本発明に係る通信モジュールにおいて、前記制御手段は、更に、前記記録媒体に格納された情報を無線通信手段に送信させることを禁止し、前記本体機器にて前記無線通信手段の動作制御を可能にさせる第3制御部を有し、前記機能選択御手段は、前記第1制御部、前記第2制御部及び前記第3制御部のいずれか1つを有効にさせる構成とすることができる。
【0012】
このような構成により、更に、機能選択手段により第3制御部が選択されると、本体機器にて通信モジュールの無線通信手段の動作制御が可能になり、本体機器は、通信モジュールの記録媒体を利用することなく、無線通信手段を制御して他の通信機器と通信することができるようになる。
【0013】
また、本発明に係る通信モジュールにおいて、第1状態及び第2状態のいずれかに設定可能なスイッチ部を有し、前記機能選択手段は、前記スイッチ部が前記第1状態に設定されているときに、前記第1制御部及び前記第3制御部のいずれか一方を前記本体機器からの指示に従って選択的に有効にさせる手段を有し、前記スイッチ部が前記第2状態に設定されているときに、前記第2制御部を有効にする構成とすることができる。
【0014】
このような構成により、スイッチ部が第1状態に設定されれば、本体機器からの指示により、本体機器からの情報を通信モジュールの記録媒体に格納することによりその情報を通信モジュールの無線通信手段によって所定の宛先に送信すること(第1制御部)、及び、本体機器にて通信モジュールの無線通信手段の動作制御を可能にすること(第3制御部)、のいずれかを選択することができるようになる。また、スイッチ部が第2状態に設定されれば、第2制御部により、無線通信手段が無効となって、本体機器による記録媒体に対する情報の格納及び読み出しが可能になる。
【0015】
更に、本発明に係る通信モジュールにおいて、前記機能選択手段は、前記スイッチ部が前記第1状態に設定されているときに、前記本体機器からの指示の有無を判定する手段を有し、前記本体機器からの前記指示が無いとの判定がなされたときに、前記第1制御部を有効にさせる構成とすることができる。
【0016】
このような構成により、通信モジュールの記録媒体に情報が格納された状態で、通信モジュールに指示を出す機能が無い本体機器の接続部に当該通信モジュールを接続すると、その既に記録媒体に格納された情報を無線通信手段によって所定の宛先に送信することができるようになる。
【0017】
また、本発明に係る通信モジュールにおいて、前記スイッチ部は、手動操作にて前記第1状態及び前記第2状態のいずれかに設定可能である構成とすることができる。
【0018】
このような構成により、利用者は、スイッチ部を操作することにより、本体機器からの情報を通信モジュールの記録媒体に格納することによってその情報を所定の宛先に送信すること、及び本体機器において通信モジュールの記録媒体を単なる情報の保持手段として利用することのいずれかを選択すること、あるいは、それら及び前記記録媒体に格納された情報を無線通信手段に送信させることを禁止し、前記本体機器にて前記無線通信手段の動作制御を可能にさせることのいずれかを選択することを容易に行うことができる。
【0019】
更に、本発明に係る通信モジュールは、第1状態、第2状態及び第3状態のいずれかに設定可能なスイッチ部を有し、前記機能選択手段は、前記スイッチ部が前記第1状態に設定されているときに、前記第1制御部を有効にし、前記スイッチ部が前記第2状態に設定されているときに、前記第2制御部を有効にし、前記スイッチ部が前記第3状態に設定されているときに、前記第3制御部を有効にする構成とすることができる。
【0020】
このような構成により、スイッチ部が第1状態に設定されれば、第1制御部により、無線通信手段が有効となって本体機器による記録媒体に対する情報の格納が可能となって、無線通信手段が無線ネットワークに接続して前記記録媒体に格納された情報を所定の宛先に送信することができるようになる。また、スイッチ部が第2状態に設定されれば、第2制御部により、無線通信手段が無効となって、本体機器による記録媒体に対する情報の格納及び読み出しが可能になる。更に、スイッチ部が第3状態に設定されれば、第3制御部により、本体機器にて通信モジュールの無線通信手段の動作制御が可能になり、本体機器は、通信モジュールの記録媒体を利用することなく、無線通信モジュールを制御して他の通信機器と通信することができるようになる。
【0021】
また、本発明に係る通信モジュールにおいて、前記スイッチ部は、手動操作にて前記第1状態、前記第2状態及び前記第3状態のいずれかに設定可能である構成とすることができる。
【0022】
このような構成により、利用者は、スイッチ部を操作することにより、本体機器からの情報を通信モジュールの記録媒体に格納することによってその情報を所定の宛先に送信すること、本体機器において通信モジュールの記録媒体を単なる情報の保持手段として利用すること、及び前記記録媒体に格納された情報を無線通信手段に送信させることを禁止し、前記本体機器にて前記無線通信手段の動作制御を可能にさせることのいずれかをより簡単に選択することができる。
【0023】
更に、本発明に係る通信モジュールにおいて、前記記録媒体には、前記所定の宛先に関する情報を含む前記無線通信手段による前記情報の送信に必要な情報が格納されており、前記第1制御部は、前記記録媒体から前記情報の送信に必要な情報を取得する手段を有する構成とすることができる。
【0024】
このような構成により、所定の宛先に関する情報を含む無線通信手段による情報の送信に必要な情報を通信モジュール内の記録媒体から取得することができるので、本体機器等の外部から宛先等の情報の送信に必要な情報を取得することなく、記録媒体に格納された本体機器からの情報を所定の宛先に送信することができるようになる。
【0025】
また、本発明に係る通信モジュールにおいて、前記記録媒体には、前記本体機器によって前記所定の宛先に送信すべき情報を格納するための専用領域が他の情報を格納する領域と区別して設定されている構成とすることができる。
【0026】
このような構成により、本体機器が記録媒体に設定された専用領域に情報を格納すると、該専用領域以外の領域に格納されている情報を送信することなく、その専用領域に格納された情報だけを所定の宛先に送信することができるようになる。
【0027】
また、本発明に係る通信モジュールにおいて、前記無線通信手段は、電子メール送信手段を有し、前記第1制御部は、前記記録媒体に格納された情報を電子メールにて送信可能な形式に変換する手段を有し、前記無線ネットワークに接続して前記電子メールにて送信可能な形式の情報を前記所定の宛先に電子メールにて送信するように前記電子メール送信手段を制御する構成とすることができる。
【0028】
このような構成により、本体機器からの情報を記録媒体に格納することにより、その情報を電子メールにて所定の宛先に送信することができるようになる。
【0029】
本発明に係る電子機器は、前述したいずれかの通信モジュールと、接続部を有し、該接続部に前記通信モジュールが接続された本体機器とを有し、前記本体機器は、前記通信モジュールの前記制御手段における前記第1制御部が有効となるときに、前記記録媒体に格納すべき情報を前記通信モジュールに供給する手段を有する構成となる。
【0030】
このような構成により、通信モジュールの制御手段における第1制御部を有効にすれば、本体機器が通信モジュールの記録媒体に情報を格納すると、通信モジュールの無線通信手段が無線ネットワークに接続して、前記記録媒体に格納された前記情報を所定の宛先に送信するようになる。
【0031】
本発明に係る電子機器において、前記本体機器は、前記通信モジュールの制御手段における前記第2制御部が有効となるときに、前記通信モジュールの前記記録媒体に対する情報の格納及び読み出しを制御する手段を有する構成となる。
【0032】
このような構成により、通信モジュールの制御手段における第2制御部を有効にすれば、本体機器は、通信モジュールの記録媒体に情報を格納し、また、その記録媒体に格納された情報を所定の宛先に送信することなく読み出すことができるようになる。
【0033】
また、本発明に係る電子機器において、前記通信モジュールは、前記制御手段が、更に、前記記録媒体に格納された情報を無線通信手段に送信させることを禁止し、前記本体機器にて前記無線通信手段の動作制御を可能にさせる第3制御部を有し、前記機能選択御手段が、前記第1制御部、前記第2制御部及び前記第3制御部のいずれか1つを有効にさせる構成であって、前記本体機器は、前記通信モジュールの制御手段における前記第3制御部が有効となるときに、前記通信モジュールの前記無線通信手段の動作制御を行う手段を有する構成となる。
【0034】
このような構成により、更に、通信モジュールの制御手段における第3制御部を有効にすれば、本体機器は、通信モジュールの記録媒体に情報を格納することなく、通信モジュールの無線通信手段の動作を制御することにより他の通信機器と通信できるようになる。
【0035】
また、本発明に係る電子機器において、前記通信モジュールは、前記機能選択手段が、前記スイッチ部が前記第1状態に設定されているときに、前記本体機器からの指示の有無を判定する手段を有し、前記本体機器からの前記指示が無いとの判定がなされたときに、前記第1制御部を有効にさせる構成となり、前記本体機器は、前記通信モジュールでの前記第1制御部及び前記第3制御部のいずれかを選択的に有効にするための指示を前記通信モジュールに提供することなく、前記通信モジュールへの電力供給を行う手段を有する構成となる。
【0036】
このような構成により、本体機器の接続部に通信モジュールを接続すると、本体機器から通信モジュールへの電力供給が行われて通信モジュールが機能するようになる。そして、通信モジュールのスイッチ部が第1状態にされているときに、本体機器から前記通信モジュールに前記第1制御部及び前記第3制御部のいずれかを選択的に有効にするための指示が提供されないので、通信モジュールでは、第1制御部が強制的に有効になる。その結果、通信モジュールの記録媒体に情報が既に格納されていれば、その情報を無線通信手段によって所定の宛先に送信することができるようになる。
【発明の効果】
【0037】
本発明に係る通信モジュールによれば、無線通信環境が良好な状況においては、第1制御部を選択するようにすれば、本体機器からの情報を通信モジュールの記録媒体に格納することにより、その情報が所定の宛先に送信されるようになる。一方、無線通信環境が悪い状況においては、第2制御部を選択するようにすれば、無線通信手段が無効となって、本体機器による記録媒体に対する情報の格納及び読み出しが可能になるので、本体機器において通信モジュールの記録媒体を単なる情報の保持手段(メモリ)として利用することができるようになる。このように、本発明に係る通信モジュールは、無線通信環境が良好な場合は勿論、無線通信環境が悪い状況においても有効に利用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1A】本発明の実施の一形態に係る通信モジュール(SDカード)と、該通信モジュールが装着されるべき本体機器の一例(デジタルカメラ)とを示す図である。
【図1B】本発明の実施の一形態に係る通信モジュール(SDカード)と、該通信モジュールが装着されるべき本体機器の他の例(パーソナルコンピュータ)とを示す図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る通信モジュール(SDカード)のピン配置を示す図である。
【図3】本発明の実施の一形態に係る通信モジュール(SDカード)のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図4】通信モジュール(SDカード)における処理ユニットの機能構成を示すブロック図である。
【図5】デジタルカメラ(本体機器)に通信モジュール(SDカード)を装着した場合における画像ファイルの格納及び送信形態の一例を示す図である。
【図6】パーソナルコンピュータ(本体機器)に通信モジュール(SDカード)を装着した場合におけるファイルの格納及び送信形態の一例を示す図である。
【図7】パーソナルコンピュータ(本体機器)に通信モジュール(SDカード)を装着した場合におけるファイルの格納と送信形態の他の一例を示す図である。
【図8】通信モジュールを起動する際の処理ユニットが実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】処理ユニットに動作割り込みがあった際の処理ユニットが実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】図9に示す処理における書き込み以外のSD制御処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図11】図9に示す処理における書き込みについてのSD制御処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図12】図9に示す処理における送信データ読み出し中断処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図13A】図8及び図9のそれぞれに示す処理におけるメール送信処理の具体的な手順(その1)を示すフローチャートである。
【図13B】図8及び図9のそれぞれに示す処理におけるメール送信処理の具体的な手順(その2)を示すフローチャートである。
【図14】図13Aに示す処理における内部温度監視処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図15】図13Bに示す処理における送信データ読み出し処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図16】図13Aに示す処理における無線ネットワーク接続処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図17】図16に示す処理における無線品質判定処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施の一形態に係る通信モジュール(SDカード)と、該通信モジュールが装着されるべき本体機器の一例(給電機器)とを示す図である。
【図19】図18に示す本体機器(給電機器)の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図20】SDモードで使用されるSDカードの各ピンに対する信号の割り当てを示す図である。
【図21】通信モジュールの他のハードウエア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0040】
本発明の実施の一形態に係る通信モジュールはSD標準規格によって規格化されたSDカードとして構成されている。例えば、図1Aに示すように、SDカード10(通信モジュール)は、デジタルカメラ20(本体機器)のSDスロット(接続部)に、また、図1Bに示すようにパーソナルコンピュータ30(本体機器)のSDスロットに、更に、他の機器の標準化されたSDスロットに装填することができる。標準化されたSDカード10は図2に示すように9つのピン12を有し、この9つのピン12が本体機器(20、30)のSDスロット内のコネクタ(接続部)に電気的に接続される。そして、SDカード10は、ピン12を介して本体機器(20、30)から電力の供給を受けるとともに各種の情報の送受信を行う。
【0041】
SDカード10(通信モジュール)は、図3に示すようなハードウエア構成となっている。図3において、SDカード10は、デバイスコントローラ101、所定の処理能力を有するプロセッサで構成された処理ユニット102、フラッシュメモリ(フラッシュROM)103(記録媒体)、RAM104及び無線通信ユニット110(無線通信手段)を有している。デバイスコントローラ101は、処理ユニット102による制御のもと、SD標準規格に準拠した各種のモード(「SDメモリ」、「SDIO」)のうち接続される本体機器(20、30)に対応したモードにて当該本体機器(20、30)とのインタフェース制御を行う。処理ユニット102は、前述したデバイスコントローラ101を制御するとともに、フラッシュメモリ103(記録媒体)及びRAM104に対する情報の格納及び読み出しを制御し、また、無線通信ユニット110(無線通信手段)の動作を制御する。無線通信ユニット110は、信号の送受信を行うRFフロントエンド部111と、データの変調、復調を行う回路等を含むベースバンド部112とを有している。
【0042】
処理ユニット102は、所定のプログラムに従って動作し、例えば、図4に示すような機能ブロックにて構成される。処理ユニット102は、インタフェース制御部1021、アプリケーション部1022、フラッシュメモリ制御部(フラッシュROM制御部)1023及び通信制御部1024を有している。インタフェース制御部1021は、SD標準規格に準拠した各種のモード(「SDメモリ」、「SDIO」)のうち接続される本体機器(20、30)に対応したモードにて当該本体機器(20、30)とのインタフェース制御を行うようにデバイスコントローラ101を制御する。アプリケーション部1022は、メール機能やネットワークアダプタ機能等、SDカード10において実現可能な機能に対応したアプリケーションを定義している。フラッシュメモリ制御部1023は、アプリケーション部1022に定義されているアプリケーションに従ってフラッシュメモリ103に対する情報の格納及び読み出しに係る制御を行う。通信制御部1024は、アプリケーション部1022に定義されているアプリケーション(例えば、メール機能、ネットワークアダプタ機能)に従って無線通信ユニット110の制御を行う。なお、図4において、RAM104(図3参照)及びそれに対する制御機能ブロックについては省略されている。
【0043】
図3に示すように、SDカード10の処理ユニット102にはON、OFF可能なスイッチ11が接続されている。このスイッチ11は、手動にて操作可能であり、図1A及び図1Bに示すように、スイッチ11を手動操作するためのスイッチノブ11aがSDカード10のケースに設けられている。このスライドノブ11aは、ONに対応する位置とOFFに対応する位置との間で移動可能となっている。このスイッチ11は、後述するように、無線通信ユニット110の機能を有効にするか否かを選択するためのスイッチである。
【0044】
「SDメモリ」モードのインタフェースでは、本体機器(20、30)は、SDカード10を記録媒体(フラッシュメモリ103)として認識し、SDカード10(フラッシュメモリ103)に対する情報の格納及び読み出しを行うことができる。「SDIO」モードのインタフェースでは、本体機器(30)は、SDカード10をネットワークアダプタ(通信カード)として認識し、SDカード10を所定の無線ネットワークに接続させて情報の送受信を行うことができる。
【0045】
SDカード10は、「SDメモリ」モードのインタフェースで本体機器と接続される場合、処理ユニット102の制御のもと、本体機器からフラッシュメモリ103に格納された情報を無線通信ユニット110によって所定の宛先に電子メールにて送信することができる(自動転送機能)。例えば、図5に示すように、デジタルカメラ20にSDカード10が装填されている場合、デジタルカメラ20の撮影により得られた画像ファイル(file)がSDカード10のフラッシュメモリ103に格納されると、その画像ファイル(file)は、無線通信ユニット110によって所定の宛先に電子メールにて送信される。また、例えば、図6に示すように、パーソナルコンピュータ30にSDカード10が装填されている場合、パーソナルコンピュータ30にて作成したファイル(file)がSDカード10のフラッシュメモリ103に格納されると、そのファイル(file)は、無線通信ユニット110によって電子メールにて所定の宛先に送信される。
【0046】
更に、パーソナルコンピュータ30にSDカード10が装填されている場合、図7に示すように、パーソナルコンピュータ30によって記録媒体としてのSDカード10(フラッシュメモリ103)に情報を格納する領域である各種フォルダ(fol1、fol2)を設定することができる。その設定されたフォルダ(fol1、fol2)のいずれかを格納されたファイルを送信することのできる専用のフォルダとして設定することができる。この場合、パーソナルコンピュータ30での操作によって、ファイル(file1)をその専用のフォルダ(fol1)に格納すると、自動的に、そのファイル(file1)が無線通信ユニット110によって電子メールにて送信される(自動転送機能)。ファイル(file2)が他のフォルダ(fol2)に格納されても、そのファイル(file2)は、送信されることなくそのフォルダ(fol2)に保存された状態が維持され、そのフォルダ(fol2)からファイル(file2)を読み出すことができる。
【0047】
上述したようなSDカード10が本体機器(20、30)に装填されると、その本体機器からSDカード10に電力供給がなされて、SDカード10が起動する。その起動時に、処理ユニット102は、図8に示す手順に従って処理を実行する。
【0048】
処理ユニット102は、スイッチ11がON状態(第1状態)及びOFF状態(第2状態)のいずれであるかに基づいて、無線機能を有効にすべきか否かを判定する(S1)。スイッチ11がON状態(第1状態)であると、処理ユニット102は、無線通信ユニット110での無線機能を有効にすべきであると判断し、当該SDカード10が「SDメモリ」モード及び「SDIO」モードのいずれのインタフェースでも可能である「SD・SDIOコンボ」のデバイスとして動作するものと認識する(S2)。そして、処理ユニット102は、タイムアウトを監視しつつ(S3)、本体機器との間で「SDメモリ」モード及び「SDIO」モードのいずれのインタフェースにすべきかを決めるためのネゴシエーションを行う(S4)。
【0049】
そのネゴシエーションの結果、本体機器(例えば、デジタルカメラ20)から「SDメモリ」モードのインタフェースの要求(指示)があれば(S4でSD)、処理ユニット102は、無線通信ユニット110による自動転送機能を有効にして(S8)、フラッシュメモリ103から予め格納されているコンフィグレーションファイルを読み込み(S9)、アプリケーション部1022のメール機能(メーラー)を起動させてフラッシュメモリ103に格納されているファイルのメール送信処理を行う(S10)(第1制御部)。前記コンフィグレーションファイルには、電子メールの宛先を特定するアドレス等、電子メールを送信するために必要な情報が記述されており、メール送信処理では、前記コンフィグレーションファイルに記述された前記情報に基づいて、無線通信ユニット110が所定の無線ネットワークに接続してフラッシュメモリ103に格納されているファイルを前記宛先に電子メールにて送信する(自動転送機能)。
【0050】
一方、前記ネゴシエーションの結果、本体機器(例えば、パーソナルコンピュータ30)から「SDIO」モードのインタフェースの要求(指示)があれば(S4でSDIO)、処理ユニット102は、前記電子メールによる自動転送機能を無効にして(S5)、アプリケーション部1022のネットワークアダプタ機能を起動させる(S6)。これにより、本体機器(例えば、パーソナルコンピュータ30)は、SDカード10をネットワークアダプタとしてその動作制御を行うことが可能になり、所定の無線ネットワークを介した他の通信機器との情報の送受信が可能になる(第3制御部)。
【0051】
前記ネゴシエーションの結果、本体機器が「SD・SDIOコンボ」のインタフェースに対応可能な機器であると、本体機器において、「SDメモリ」モード及び「SDIO」モードのいずれかをSDカード10とのインタフェースとして選択するためのユーティリティが起動し、その本体機器上での利用者の操作に従って「SDメモリ」モード及び「SDIO」モードのいずれかの選択がなされる。処理ユニット102は、本体機器での選択の結果を判定し(S7)、「SDメモリ」モードが選択された場合(S7でSD)、前述したのと同様に、フラッシュメモリ103に格納されたファイルの電子メールによる自動転送機能が有効にされ(S8)、電子メールにて情報を送信するために必要なコンフィグレーションファイルがフラッシュメモリ103から読み出され(S9)、メール送信処理(S10)がなされる。一方、「SDIO」が選択された場合(S7でSDIO)、前述したのと同様に、前記電子メールによる自動転送機能が無効にされ(S5)、ネットワークアダプタ機能が起動される(S6)。
【0052】
本体機器が前述するようなSDカード10とのネゴシエーションを実行する機能を有しておらず、本体機器との間で前記ネゴシエーションがなされることなく(インタフェースについての要求(指示)がなく)所定時間が経過(タイムアウト)した場合(S3でYES)、処理ユニット102は、「SDメモリ」モードのインタフェースを設定して、強制的に前記電子メールによる自動転送機能を有効にし(S8)、電子メールにて情報を送信するために必要なコンフィグレーションファイルをフラッシュメモリ103から読み出し(S9)、メール送信処理(S10)を実行する。これにより、SDカード10は、本体機器から応答が無い場合に、その時点でフラッシュメモリ103に格納されているファイルを電子メールにより所定の宛先に送信すること(自動伝送)ができる。
【0053】
一方、本体機器(20、30)に接続されるSDカード10の前記スイッチ11(図3、図1A、図1B参照)がOFF状態(第2状態)であると、処理ユニット102は、無線通信ユニット110での無線機能を無効にすべきであると判断し(S1で無効)、当該SDカード10が「SDメモリ」モードのインタフェースであるデバイスとして動作するものと認識する(S11)。そして、処理ユニット102は、電子メールによる自動転送機能を立ち上げることなく、無線通信ユニット110による自動転送機能を無効にし(S12)、本体機器にてフラッシュメモリ103に対するファイルの格納及び読み出しを可能にさせる(第2制御部)。その結果、本体機器(20、30)は、SDカード10を単に記録媒体として利用することができる。
【0054】
前述した「SDメモリ」モードでのインタフェースにてSDカード10が本体機器(20、30)に接続されている状況において、本体機器からSDカード10へのアクセス(割り込み指示)がなされる毎に、処理ユニット102は、図9に示す手順に従って処理を実行する。
【0055】
処理ユニット102は、ファイルを電子メールにて送信するためにその送信すべきファイル(送信データ)をフラッシュメモリ103からRAM104に読み出す処理を実行している最中であるか否かを判定する(S21)。読み出しの最中でなければ(S21でNO)、処理ユニット102は、前記本体機器(20、30)からのアクセスがフラッシュメモリ102へのファイルの書き込み(格納)指示であるか否かを判定する(S22)。その本体機器からのアクセスが書き込み指示でない場合(S22でNO)、例えば、ファイルの読み出し、ファイルの削除等の場合、処理ユニット102は、その指示に従ってフラッシュメモリ103に対するその書き込み以外の処理を実行する(S23)。具体的には、図10に示すように、処理ユニット102は、その書き込み以外の処理を実行し(S31)、その処理がデータ送信条件に適合するものであるか否か、例えば、メールでの自動転送を行うための所定フォルダに格納されたファイルの削除(図7参照)等であるか否かを判定する(S32)。そして、処理ユニット102は、その処理がデータ送信条件に適合するものでなければ(S32でNO)、そのまま、その処理がデータ送信条件に適合するものであれば(S32でYES)、内部に保持する送信履歴を更新して(S33)、本体機器からのアクセス(割り込み指示)に対する処理を終了する。前記送信履歴の更新では、例えば、ファイルの削除指示に対する処理の場合、フラッシュメモリ103内の指定されたファイルの削除とともに、送信履歴からもそのファイルの情報が削除される。
【0056】
図9に戻って、前記本体機器からのアクセス(割り込み)が書き込み指示である場合(S22でYES)、処理ユニット102は、本体機器からの情報(ファイル)のフラッシュメモリ103に対する書き込み処理を実行する(S24)。具体的には、図11に示すように、処理ユニット102は、本体機器からのファイルをフラッシュメモリ103に書き込むための処理を実行し(S35)、その処理がデータ送信条件に適合するものであるか否か、例えば、メールでの自動転送を行うための所定フォルダへのファイルの書き込み(図7参照)等であるか否かを判定する(S36)。そして、処理ユニット102は、その処理がデータ送信条件に適合するものでなければ(S36でNO)、そのまま処理を終了する。一方、その処理がデータ送信条件に適合するものであれば、内部に保持する送信履歴を更新する(S37)。この送信履歴の更新では、例えば、フラッシュメモリ103の所定フォルダに書き込まれたファイルが送信すべきファイルとして送信履歴に追加される。そして、処理ユニット102は、そのフラッシュメモリ103に書き込まれた(格納された)ファイルに対するメール送信処理を実行し(図9のS25)、本体機器からのアクセス(割り込み指示)に対する処理を終了する。
【0057】
一方、処理ユニット102は、本体機器からのアクセス(割り込み指示)があった時点で、フラッシュメモリ103に格納されている送信すべきファイル(送信データ)をフラッシュメモリ103からRAM104に読み出す処理を実行している最中である場合(S21でYES)、その送信すべきデータの読み出し処理を中断する(S26)。そして、処理ユニット102は、本体機器からの割り込み指示がフラッシュメモリ103に対する書き込み指示であるか否かを判定する(S27)。処理ユニット102は、書き込み指示でない場合(S27でNO)、その書き込み以外の処理を前述したのと同様(図10参照)に実行し(S28)、書き込み指示である場合(S27でYES)、その書き込み処理を前述したのと同様(図11参照)に実行する(S29)。いずれかの処理が終了すると、処理ユニット102は、中断していた送信すべきデータの読み出し処理を再開する(S30)。
【0058】
前記送信データの読み出しを中断する処理(S26)では、例えば、図12に示すように、フラッシュメモリ103から送信すべきデータ(ファイル)の読み出しが中断され(S65)、フラッシュメモリ103内でのそのデータの読み出し完了位置(アドレス)が保存される(S66)。そして、前記送信データ読み出し再開処理(S30)では、フラッシュメモリ103の前記保存した読み出し完了位置の次の位置からその格納された送信すべきデータ(ファイル)をRAM104に読み出す。なお、再開された読み出し処理(S30)によりフラッシュメモリ103からRAM104に読み出されたファイルは、メール送信処理により電子メールにて所定の宛先に送信される。
【0059】
なお、図9に示す前記処理における送信データの読み出し中断処理(S26、図12参照)において、送信データの読み出し完了位置を特に保存せずに、その処理を中断させてもよい。その場合、送信データの読み出し再開処理(S30)では、フラッシュメモリ103に格納された送信すべきデータ(ファイル)の先頭から再度読み出すようにすればよい。
【0060】
前述したように、ファイルを電子メールにて送信するためにその送信すべきファイル(送信データ)をフラッシュメモリ103からRAM104に読み出す処理を実行している最中に、本体機器からのアクセス(割り込み指示)がなされた場合、前記読み出し処理を中断させてそのアクセス(割り込み指示)を優先させるようにしているので、例えば、デジタルカメラ20(本体機器)にて撮影して得られる画像ファイルは、SDカード10内での処理により待たされることなく、フラッシュメモリ103に格納することができる。そのため、デジタルカメラ20での撮影も待たされることなく、連続的に行うことができるようになる。
【0061】
起動時(図8参照)及び本体機器(20、30)からの割り込み指示の際(図9参照)に実行されるメール送信処理(図8に示すS10、図9に示すS25)は、図13A及び図13Bに従って実行される。
【0062】
図13Aにおいて、処理ユニット102は、メールによる自動転送機能が有効であるか否かを判定し(S41)、その自動転送機能が有効である場合(S41で有効)、送信リトライ回数を初期化(0回)する(S42)。その後、処理ユニット102は、送信履歴を確認してフラッシュメモリ103(例えば、自動転送専用のフォルダ)に送信すべきデータ(ファイル)が有るか否かを判定する(S43)。送信すべきデータがフラッシュメモリ103に有る場合(S43でYES)、処理ユニット102は、SDカード10の筐体内に設けられた温度センサ(図示略)での検出温度に基づいて内部温度の監視処理を行い(S44)、特に、内部温度に異常がなければ、無線ネットワークの接続処理を行う(S45)。
【0063】
前記内部温度の監視処理は、例えば、図14に示す手順に従って実行される。図14において、温度センサでの検出温度が予め定めた温度閾値より低いか否かが判定される(S61)。検出温度が温度閾値より低い場合(S61でYES)、その内部温度の監視処理が終了する。一方、検出温度が前記温度閾値以上であると(S61でNO)、無線ネットワークが切断され(S62)、所定時間の設定された放熱タイマが起動される(S63)。そして、放熱タイマでの経過時間が監視され(S64)、放熱タイマがタイムアウトすると(前記所定時間が経過すると)(S64でYES)、再度検出温度が前記温度閾値より低いか否かが判定される(S61)。このような処理を繰り返す過程で、SDカード10が冷却され、検出温度が前記温度閾値より低くなると(S61でYES)、内部温度の監視処理が終了する。
【0064】
このような内部温度の監視処理は、SDカード10がデジタルカメラ20等の本体機器のSDスロットに装填された場合、放熱が十分なされない可能性があることを考慮してなされる。これにより、高温の環境でSDカード10が利用されることを回避することができる。
【0065】
図13Aに戻って、処理ユニット102は、内部温度監視処理によりSDカード10内部の温度が正常であることを確認すると、無線通信ユニット110の所定の無線ネットワークへの接続処理を実行し(S45:詳細については後述する)、その処理の結果、無線通信ユニット110の前記無線ネットワークへの接続が成功したか否かを判定する(S46)。無線接続に成功すると(S46でYES)、処理ユニット102は、図13Bに示す処理に移行し、フラッシュメモリ103に格納された送信すべきデータ(ファイル)の読み出し処理を実行する(S47)。この読み出し処理は、例えば、図15に示すように、処理ユニット102は、他の処理を実行していれば、その処理が終了するまで待機する(S71)。そして、その処理が終了すると(S71でNO)、処理ユニット102は、フラッシュメモリ103から送信すべきデータを読み出してRAM104に格納する(S72)。
【0066】
図13Bに戻って、処理ユニット102は、フラッシュメモリ103から送信すべきデータを読み出すと、そのデータをメール転送プロトコル(SMTP:Simple Mail Transfer Protocol)に従ってメール送信形式のパケットに変換して、送信パケットデータを作成する(S48)。そして、処理ユニット102は、メール機能(メーラー)に従って無線通信ユニット110を制御し、前述したようにコンフィグレーションファイルから取得した宛先(図8のS9参照)に送信すべきデータを電子メールにて送信するための処理を実行する。
【0067】
処理ユニット102は、送信すべき前記データを電子メールにて送信するための処理により、メールの送信が成功したか否かを判定する(S49)。電波環境等が良好でメールの送信に成功すると(S49で成功)、処理ユニット102は、送信したデータ(ファイル)を送信済みのデータとする等の送信履歴の更新を行う(S50)。そして、図13Aに示す処理に戻って、処理ユニット102は、フラッシュメモリ103にまだ送信すべきデータ(ファイル)が有るか否かを判定し(S43)、まだ有れば、前述したのと同様の手順(S44〜S50)に従って、その送信すべきデータ(ファイル)を電子メールにて前記宛先に送信する。このような処理は、フラッシュメモリ103に未送信のデータが無くなるまで繰り返し実行される。そして、フラッシュメモリ103に未送信のデータが無くなると(S43でNO)、処理ユニット102は、無線通信ユニット110の無線ネットワークとの接続を切断して(S57)、処理を終了する。
【0068】
前述した処理(図13A、図13B参照)の過程における無線ネットワーク接続処理(S45)の結果、電波環境が悪い等の原因で、無線接続に失敗すると(S46でNO)、処理ユニット102は、無線通信ユニット110の無線ネットワークとの接続を切断して(S57)、処理を終了する。この場合、送信すべきデータ(ファイル)がフラッシュメモリ103に残された状態となる。このフラッシュメモリ103に残ったデータは、本体機器からの次のアクセス(割り込み指示)の際(図9におけるS25参照)に、新たなデータとともに送信される。
【0069】
更に、前述した処理の過程において、処理ユニット102は、メール送信の処理を実行したが、そのメール送信に成功しなかった場合(図13BのS49で失敗)、その送信エラーの要因を判定する(S51)。その送信エラーの要因が、メールサーバの故障、コンフィグレーションファイルから取得した宛先(メールアドレス)やメールサーバの設定情報の間違い等、復旧し得ない致命的な要因である場合(S51で致命的要因)、メール機能(メーラー)を立ち下げて、電子メールによる自動転送機能を無効にする(S56)。以降、メール送信処理では、自動転送機能が無効であると判定されて(図13AのS41参照)、本体機器(20、30)からSDカード10のフラッシュメモリ103にデータ(ファイル)が格納されても、そのデータのメールによる自動転送はなされない。この場合、その致命的要因を取り除いてから、SDカード10を再度起動(図8参照)させる必要がある。
【0070】
一方、そのメール送信に成功しなかった場合でも(S49で失敗)、その要因が、メールサーバがビジー状態である等の一時的要因であれば(S51で一時的要因)、処理ユニット102は、自動転送機能を無効にするのではなく、送信リトライ回数を+1インクリメントして更新し(S52)、その更新後の送信リトライ回数が予め定めた回数に達しているか否かを判定する(S53)。そして、その更新後の送信リトライ回数が予め定めた回数に達していなければ(S53でNO)、処理ユニット102は、送信リトライタイマを起動させ(S54)、その送信リトライタイマでの経過時間が監視される(S55)。送信リトライタイマがタイムアウトすると(経過時間が所定時間に達すると)(S55でYES)、図13Aに示す処理に戻って、処理ユニット102は、再度、フラッシュメモリ103にまだ送信すべきデータ(ファイル)が有るか否かを判定し(S43)、フラッシュメモリ103内の未送信のデータについての処理を前述したのと同様の手順(S44〜S49)に従って実行する。そして、送信リトライ回数が所定回数に達する前に、メール送信に成功すれば(S49で成功)、処理ユニット102は、そのメール送信したデータについての送信履歴を更新(S50)し、フラッシュメモリ103内に未送信データがまだあれば(S43でYES)、前述したのと同様の処理(S44〜S50)を実行し、未送信データが無い場合には(S43でNO)、無線通信ユニット110の無線ネットワークとの接続を切断して(S57)、処理を終了する。
【0071】
例えば、メールサーバのビジー状態が解消されず、前記送信リトライ回数が所定回数に達すると(S53でYES)、処理ユニット102は、前記宛先へのメール送信ができないものとして、無線通信ユニット110の無線ネットワークとの接続を切断して(S57)、処理を終了する。
【0072】
前述したようなメール送信処理(図13A、図13B参照)では、メール送信のエラーが発生した場合、その送信エラーの要因がメールサーバの故障、コンフィグレーションファイルから取得した宛先(メールアドレス)やメールサーバの設定情報の間違い等、復旧し得ない致命的な要因である場合には、電子メールによる自動転送機能が即座に無効にされ、また、その要因が、メールサーバがビジー状態である等の一時的要因である場合には、送信リトライを行い、その送信リトライの回数が所定回数を越えると、無線通信ユニット110の無線ネットワークとの接続が切断されるので、無駄な送信処理が繰り返し実行されることを防止することができる。そのため、例えば、SDカード10が接続されたデジタルカメラ20の電池を無駄に消費することを防止することができる。
【0073】
なお、前述したメール送信処理(図13A、図13B参照)における無線ネットワーク接続処理(図13AにおけるS45参照)は、例えば、図16に示す手順に従ってなされる。
【0074】
図16において、処理ユニット102は、接続リトライ回数を初期化(0回)する(S81)。その後、処理ユニット102は、無線通信ユニット110の無線ネットワークへの接続処理の結果、その無線ネットワークへの接続が成功したか否かを判定する(S82)。無線通信ユニット110の無線ネットワークへの接続に成功すると(S82でYES)、処理ユニット102は、無線品質の良否を判定し(S83)、無線品質が良好であれば(S84でOK)、無線通信ユニット110の無線ネットワークへの接続成功としてその接続状態を維持する(S85)。
【0075】
前記無線品質の良否判定の処理は、例えば、図17に示す手順に従ってなされる。
【0076】
図17において、処理ユニット102は、無線ネットワーク(アクセスポイント)からの受信信号強度(RSSI)が予め定めたRSSI閾値以上であるか否かの判定(S101)、測定搬送波レベル対干渉・雑音比(CINR)が予め定めたCINR閾値以上であるか否かの判定(S102)及び受信レベル変動が予め定めたフェージング閾値より小さいか否かの判定(S103)を行う。そのいずれの判定(S101、S102、S103)においても、その結果が良好(YES)であれば、処理ユニット102は、無線品質が良好であると判定する(S104)。一方、それらの判定の少なくとも1つの判定において、その結果が良好でなければ(NO)、処理ユニット102は、無線品質が良好ではないと判定する(S105)。
【0077】
図16に戻って、例えば、無線通信ネットワークの通信圏外であって、無線通信ユニット110の無線ネットワークへの接続が失敗した場合(S82でNO)、処理ユニット102は、接続リトライ回数を+1インクリメントして更新し(S87)、その更新後の接続リトライ回数が予め定めた回数に達しているか否かを判定する(S88)。その更新後の接続リトライ回数が予め定めた回数に達していなければ(S88でNO)、処理ユニット102は、接続リトライタイマを起動し(S89)、その接続リトライタイマでの経過時間を監視する(S90)。接続リトライタイマがタイムアウトすると(経過時間が所定時間に達すると)(S90でYES)、処理ユニット102は、再度、無線通信ユニット110の無線ネットワークへの接続処理を実行し、無線通信ユニット110の前記無線ネットワークへの接続が成功したか否かを判定する(S82)。成功していない場合(S82でNO)、処理ユニット102は、接続リトライの処理を前述したのと同様の手順(S87〜S90)に従って実行する。そして、接続リトライ回数が所定回数に達する前に、無線通信ユニット110の無線ネットワークへの接続に成功すると(S82でYES)、処理ユニット102は、前述したのと同様に、無線品質判定処理(S83)を行い、無線品質が良好であるとの判定結果を得ると(S84でOK)、無線通信ユニット110の無線ネットワークへの接続状態を維持する(S85)。
【0078】
一方、無線通信ユニット110の無線ネットワークへの接続が成功しないまま、接続リトライの回数が所定回数に達すると(S88でYES)、処理ユニット102は、無線通信ユニット110の無線ネットワークへの接続が失敗したとして、無線通信ユニット110の無線ネットワークに接続されない状態を維持する(S91)。
【0079】
前述した処理の過程で、無線通信ユニット110が無線ネットワークに接続された状態で、その無線品質が良好ではないとの判定がなされると(S84でNG)、処理ユニット102は、無線通信ユニット110の無線ネットワークとの接続を切断し(S86)、前述した接続リトライの処理(S87〜S90、S82〜S84)を繰り返し実行する。その過程で、無線品質が良好になれば(S84でOK)、前述したのと同様に、処理ユニット102は、無線通信ユニット110の無線ネットワークへの接続を維持する(S85)。一方、接続リトライの回数が所定回数に達すると(S88でYES)、処理ユニット102は、無線通信ユニット110の無線ネットワークに接続されない状態を維持する(S91)。
【0080】
前述したような無線ネットワーク接続処理(図16参照)では、SDカード10が無線ネットワークの圏外にあるとき(S82でNO、S88でYES)、あるいは、無線通信ユニット110と無線ネットワーク(アクセスポイント)との間での無線品質が良好ではない場合(S84でNG、S88でYES)、無線通信ユニット110の無線ネットワークへの接続処理が強制的に終了させられるので、無線通信ユニット110の無線ネットワークへの無駄な接続処理が繰り返し実行されることを防止することができる。そのため、例えば、SDカード10の装填されたデジタルカメラ20の電池を無駄に消費することを防止することができる。
【0081】
前述したSDカード10(通信モジュール)では、スイッチ11をON状態にして「SDメモリ」モードのインタフェースの本体機器(例えば、デジタルカメラ20、パーソナルコンピュータ30)に接続すれば、該本体機器からのファイル(情報)をSDメモリ10のフラッシュメモリ103に格納することにより、そのファイルが電子メールにて送信可能な形式に変換されて電子メールにより所定の宛先に送信されるようになる(図8のS8〜S10、図9のS25、図13A及び図13B参照)。一方、例えば、無線環境が悪い場合には、スイッチ11をOFF状態にすれば、フラッシュメモリ103に格納されたファイル(情報)の電子メールによる自動転送機能が無効となり、本体機器によるフラッシュメモリ103に対する情報の格納及び読み出しが可能になるので(図8のS11、S12参照)、本体機器(デジタルカメラ20、パーソナルコンピュータ30)においてSDカード10のフラッシュメモリ103を単なる情報の保持手段として利用することができるようになる。
【0082】
更に、スイッチ11がON状態となるSDカード10を「SDIO」モードのインタフェースの本体機器(例えば、パーソナルコンピュータ30)に接続すれば、その本体機器にてSDカード10の無線通信ユニット110の動作制御が可能になり、その本体機器は、フラッシュメモリ103を利用した自動転送機能を利用することなく、無線通信ユニット110を制御して他の通信機器と通信することができる(図8のS5、S6参照)。
【0083】
このように、前述したSDカード10によれば、無線通信環境が良好な場合は勿論、無線通信環境が悪い状況においても種々有効に利用することができるようになる。
【0084】
図18に示すような構造の給電機器40を前述したSDカード10が装填される本体機器とすることができる。この給電機器40は、SDカード10専用の給電機器であり、この給電機器40にはSDスロット41が形成されている。このSDスロット41にSDカード10を装填すると、給電機器40からSDカード10に電力供給がなされる。
【0085】
このような給電機器40は、図19に示すように、SDスロット41内に設けられたSDコネクタ43、充電池44、充電回路45及び表示部(ランプ)42(図18参照)及びその他回路46を有している。SDコネクタ43は、SDカード10の9ピン(図2参照)が接続される9つの端子を有している。「SDメモリ」モードのインタフェースでは、前記9つの端子(SDカード10の9ピン)は、図20に示すような信号の割り付けがなされている。この場合、第4端子(VDD)が充電池44及び充電回路45の出力ラインに接続され、第3端子(Vss1)及び第6端子(Vss2)がグランドラインに接続されている。また、第1端子及び第7端子〜第9端子(DATA)と、第2端子(Command/Response)とが表示部42及びその他回路46に接続されている。
【0086】
このような構造の給電機器40にSDカード10が接続されると、SDカード10の処理ユニット10は、起動時の処理(図8参照)を実行する。給電機器40は、SDカード10とのネゴシエーションを実行する機能を有しておらず、SDカード10の処理ユニット102と給電機器40との間で前記ネゴシエーションがなされることはない。このため、SDカード10の処理ユニット102は、所定時間が経過(タイムアウト)すると(図8におけるS3でYES)、強制的に前記電子メールによる自動転送機能を有効にし(S8)、電子メールにて情報を送信するために必要なコンフィグレーションファイルをフラッシュメモリ103から読み出し(S9)、メール送信処理(S10)を実行する。このメール送信処理(S10:図13A、図13B参照)により、給電機器40に装填されたSDカード10のフラッシュメモリ103に送信すべきデータ(ファイル)があれば、前述したのと同様の手順(図13A、図13BにおけるS43〜S50参照)に従って、そのデータの電子メールによる所定の宛先への送信がなされる。
【0087】
なお、電子メールによるデータの送信がなされている間、処理ユニット102が例えばデータライン(例えば、SDコネクタ43の第1端子及び第7端子〜第9端子のいずれか)を利用して送信中を表す信号を給電機器40に供給すれば、給電機器40の表示部(ランプ)42を点灯させることができる。この場合、表示部42を、データ送信中を表すインジケータとして利用することができる。
【0088】
給電機器40は、例えば、次のようにして利用することができる。
【0089】
スイッチ11をOFF状態にして、SDカード10をデジタルカメラ20に装填する。この状態で、デジタルカメラ20で撮影する毎にその画像ファイルは、自動転送されることなくフラッシュメモリ103に格納される。そして、撮影が終了した後に、デジタルカメラ20からSDカード10を取出し、電波環境の良好な場所で、スイッチ11をON状態にして給電機器40に装填する。すると、SDカード10が起動され、その起動時の自動転送機能(図8のS8〜S10参照)により、フラッシュメモリ103に格納された複数の画像ファイルが順次電子メールにて所定の宛先に送信される(図13A、図13BのS43〜S50参照)。
【0090】
前述したSDカード10では、「SDIO」モードのインタフェースの本体機器に装填して使用する場合、スイッチ11がON状態にされ、SDカード10(処理ユニット102)が、本体機器とのネゴシエーションにより「SDIO」モードのインタフェースであることを認識し、本体機器が無線通信ユニット110をネットワークアダプタとして動作制御できるようにしている。このインタフェースの選択は、これに限られず、無線通信機能を有効にした「SDメモリ」モード、無線通信機能を無効した「SDメモリ」モード、「SDIO」モードの各インタフェースを、スイッチによって切換え選択するように構成することも可能である。この場合、図21に示すように、SDカード10の処理ユニット102に3つの状態1、2、3を切換え設定することのできるスイッチ13が接続される。
【0091】
この場合、スイッチ13が状態1であると、処理ユニット102は、「SDメモリ」モードのインタフェースであると認識し、無線機能を有効にして、フラッシュメモリ103に格納された情報を読み出して、無線通信ユニット110を無線ネットワークに接続して電子メールにて所定の宛先に送信する(第1制御部:図8のS8〜S10)。スイッチ13が状態2であると、処理ユニット102は、「SDメモリ」のインタフェースであると認識し、無線機能を無効にして、本体機器に対してフラッシュメモリ103に対する情報の格納及び読み出しを可能にさせる(第2制御部:図8のS11、S12参照)。スイッチ13が状態3であると、処理ユニット102は、「SDIO」のインタフェースであると認識し、フラッシュメモリ103に格納された情報の電子メールでの自動転送機能を無効にして、無線通信ユニット110をネットワークアダプタとして本体機器が制御できるようにする(第3制御部:図8のS5、S6参照)。
【0092】
前述した例では、フラッシュメモリ103に格納された情報は、電子メールによって所定の宛先に送信されるものであったが、情報の送信手段は、これに限られず、例えば、
FTP等の通信プロトコルに従って送信することも可能である。また、前述した例では、SDカード10を通信モジュールとするものであったが、他の形式、例えば、USBメモリ等のストレージデバイスを通信モジュールにすることも可能である。
【符号の説明】
【0093】
10 SDカード(通信モジュール)
11、13 スイッチ部
11a スイッチノブ
12 ピン
101 デバイスコントローラ
102 処理ユニット(プロセッサ)
1021 インタフェース制御部
1022 アプリケーション部
1023 フラッシュメモリ制御部(フラッシュROM制御部)
1024 通信制御部
103 フラッシュメモリ(フラッシュROM)
104 RAM
110 無線通信ユニット(無線通信手段)
111 RFフロントエンド部
112 ベースバンド部
20 デジタルカメラ(本体機器)
30 パーソナルコンピュータ(本体機器)
40 給電機器(本体機器)
41 スロット
42 表示部(ランプ)
43 SDコネクタ
44 充電池
45 充電回路
46 その他回路部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体機器の接続部に取り外し可能に接続される通信モジュールであって、
情報を格納する記録媒体と、
所定の無線ネットワークに接続して通信を行う無線通信手段と、
前記記録媒体に対する情報の格納及び読み出しを制御し、前記無線通信手段の動作を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、
前記本体機器に対して前記記録媒体に対する情報の格納を可能にさせるとともに前記無線通信手段を有効にして、前記記録媒体に格納された情報を読み出して、前記無線ネットワークに接続して前記情報を所定の宛先に送信するように前記無線通信手段を制御する第1制御部と、
前記無線通信手段を無効にして、前記本体機器に対して前記記録媒体に対する情報の格納及び読み出しを可能にさせる第2制御部と、
前記第1制御部及び前記第2制御部のいずれか一方を有効にさせる機能選択手段とを有する通信モジュール。
【請求項2】
第1状態及び第2状態のいずれかに設定可能なスイッチ部を有し、
前記機能選択手段は、前記スイッチ部が前記第1状態に設定されているときに、前記第1制御部を有効にし、前記スイッチ部が前記第2状態に設定されているときに、前記第2制御部を有効にする請求項1記載の通信モジュール。
【請求項3】
前記制御手段は、更に、前記記録媒体に格納された情報を無線通信手段に送信させることを禁止し、前記本体機器にて前記無線通信手段の動作制御を可能にさせる第3制御部を有し、
前記機能選択御手段は、前記第1制御部、前記第2制御部及び前記第3制御部のいずれか1つを有効にさせる請求項1記載の通信モジュール。
【請求項4】
第1状態及び第2状態のいずれかに設定可能なスイッチ部を有し、
前記機能選択手段は、前記スイッチ部が前記第1状態に設定されているときに、前記第1制御部及び前記第3制御部のいずれか一方を前記本体機器からの指示に従って選択的に有効にさせる手段を有し、前記スイッチ部が前記第2状態に設定されているときに、前記第2制御部を有効にする請求項3記載の通信モジュール。
【請求項5】
前記機能選択手段は、前記スイッチ部が前記第1状態に設定されているときに、前記本体機器からの指示の有無を判定する手段を有し、前記本体機器からの前記指示が無いとの判定がなされたときに、前記第1制御部を有効にさせる請求項4記載の通信モジュール。
【請求項6】
前記スイッチ部は、手動操作にて前記第1状態及び前記第2状態のいずれかに設定可能である請求項2、4及び5のいずれかに記載の通信モジュール。
【請求項7】
第1状態、第2状態及び第3状態のいずれかに設定可能なスイッチ部を有し、
前記機能選択手段は、前記スイッチ部が前記第1状態に設定されているときに、前記第1制御部を有効にし、前記スイッチ部が前記第2状態に設定されているときに、前記第2制御部を有効にし、前記スイッチ部が前記第3状態に設定されているときに、前記第3制御部を有効にする請求項3記載の通信モジュール。
【請求項8】
前記スイッチ部は、手動操作にて前記第1状態、前記第2状態及び前記第3状態のいずれかに設定可能である請求項7記載の通信モジュール。
【請求項9】
前記記録媒体には、前記所定の宛先に関する情報を含む前記無線通信手段による前記情報の送信に必要な情報が格納されており、
前記第1制御部は、前記記録媒体から前記情報の送信に必要な情報を取得する手段を有する請求項1乃至8のいずれかに記載の通信モジュール。
【請求項10】
前記記録媒体には、前記本体機器によって前記所定の宛先に送信すべき情報を格納するための専用領域が他の情報を格納する領域と区別して設定されている請求項1乃至9のいずれかに記載の通信モジュール。
【請求項11】
前記無線通信手段は、電子メール送信手段を有し、
前記第1制御部は、前記記録媒体に格納された情報を電子メールにて送信可能な形式に変換する手段を有し、前記無線ネットワークに接続して前記電子メールにて送信可能な形式の情報を前記所定の宛先に電子メールにて送信するように前記電子メール送信手段を制御する請求項1乃至10のいずれかに記載の通信モジュール。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載の通信モジュールと、
接続部を有し、該接続部に前記通信モジュールが接続された本体機器とを有し、
前記本体機器は、前記通信モジュールの前記制御手段における前記第1制御部が有効となるときに、前記記録媒体に格納すべき情報を前記通信モジュールに供給する手段を有する電子機器。
【請求項13】
前記本体機器は、前記通信モジュールの制御手段における前記第2制御部が有効となるときに、前記通信モジュールの前記記録媒体に対する情報の格納及び読み出しを制御する手段を有する請求項12記載の電子機器。
【請求項14】
前記通信モジュールは、請求項3乃至8のいずれかに記載の通信モジュールであって、
前記本体機器は、前記通信モジュールの制御手段における前記第3制御部が有効となるときに、前記通信モジュールの前記無線通信手段の動作制御を行う手段を有する電子機器。
【請求項15】
前記通信モジュールは、請求項5記載の通信モジュールであって、
前記本体機器は、前記通信モジュールでの前記第1制御部及び前記第3制御部のいずれかを選択的に有効にするための指示を前記通信モジュールに提供することなく、前記通信モジュールへの電力供給を行う手段を有する電子機器。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−58965(P2012−58965A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200869(P2010−200869)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(301022703)株式会社ネットインデックス (16)
【Fターム(参考)】