説明

通信機器、配信システム、配信データの処理方法、および配信データの処理プログラム

【課題】適切なタイミングで施設に関するデータを処理することができる通信機器を提供する。
【解決手段】インターネットを経由して、管理サーバ5から携帯機器1に電子クーポンが配信され、店舗装置3に当該電子クーポンの通信条件と有効性とを規定する通信設定データが送信される。携帯機器1が店舗装置3との近距離通信が可能な範囲に近づくと、携帯機器1と店舗装置3と間で通信条件に基づいて通信が設立する。さらに、携帯機器1の保持している電子クーポンが当該店舗装置3に対して有効であると判断されると、携帯機器1では、付近に保持している電子クーポンに対応付けられた店舗が存在することが報知される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は通信機器、配信システム、配信データの処理方法、および配信データの処理プログラムに関し、特に、施設に関するデータを処理する通信機器、配信システム、配信データの処理方法、および配信データの処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
施設の利用を促進する手法として、当該施設に関連する広告情報を携帯電話機などの通信機器に配信する手法がある。
【0003】
ユーザが宅外の施設において所持している携帯機器を用いて通信する手段として、ホットスポット(登録商標)がある。ホットスポットとは、公共施設あるいは店舗内に無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントを設置し、ユーザが所持している携帯機器を無線LAN接続できるようにしてインターネット接続や施設固有のサービスを提供するものである。
【0004】
施設の広告情報を携帯機器に配信する技術の一つとして、この仕組みを利用して広告情報を配信する技術が提案されている。
【0005】
しかしながら、従来のホットスポットの利用では、接続する際に認証のための情報をユーザが携帯機器を操作して入力する必要があり、ユーザ操作が煩雑という問題がある。
【0006】
この問題を解決するための手段として、特開2005−73147号公報(以下、特許文献1)は、販売店の近傍にいるユーザの端末に、ユーザの購買意識に対応する販売店の商品の電子広告を公衆無線LANで送信できる個別ユーザ対応広告制作送信システムを開示している。
【0007】
特許文献1に開示された方法では、予め嗜好情報、携帯機器情報等のユーザ関連情報をシステムに登録しておくことで、携帯機器を持ったユーザが販売店に近づいた際にそれを検知し、ユーザが購買意識を持つであろう電子広告をシステムが作成し、販売店の無線LANを介して携帯機器に電子広告を送信する。これより、ユーザを販売店に誘導する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−73147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1で開示されている方法では、ユーザが販売店に近づいたときのみに広告情報を配信するため、クーポンのように予め配布しておくことが望ましい広告情報など、ユーザが販売店から離れているタイミングで配信する方が効果的な情報をユーザの携帯端末に配信することができない。
【0010】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、適切なタイミングで施設に関するデータを処理することができる通信機器、配信システム、配信データの処理方法、および配信データの処理プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、通信機器は、所定の通信範囲内にある他の装置またはネットワークのアクセスポイントと無線通信するための通信手段と、記憶手段と、記憶手段から所定の項目の通信条件を含んだ配信データを検索するための検索手段と、配信データに含まれる通信条件に基づいて、通信手段での他の装置またはアクセスポイントとの通信を制御するための通信制御手段と、通信手段において他の装置またはアクセスポイントとの通信が確立された後に、通信の接続を可能とする配信データが記憶されている旨を出力部で報知するための報知手段とを備える。
【0012】
好ましくは、配信データは画像データで構成され、通信条件は画像データのヘッダ情報に含まれる。
【0013】
好ましくは、配信データに含まれる通信条件は、無線通信を行なうネットワークを特定するためのネットワークID、セキュリティの方式、および無線通信に必要なパスワードのうちの少なくとも1つを含み、通信制御手段は、通信条件に含まれるネットワークID、セキュリティの方式、およびパスワードのうちの少なくとも1つを用いて通信手段に他の装置またはアクセスポイントとの通信を行なわせる。
【0014】
好ましくは、配信データに含まれる通信条件は無線通信を行なうネットワークを特定するためのネットワークIDを含み、通信制御手段は、ネットワークIDを用いて通信手段にネットワークまたはアクセスポイントへの接続を繰り返し試みさせる。
【0015】
好ましくは、配信データに含まれる通信条件は無線通信を行なうネットワークを特定するためのネットワークIDを含み、通信制御手段は、無線通信を行なうネットワークを検索し、検索されたネットワークのうちからネットワークIDに一致するネットワークを、無線通信を行なうネットワークとして特定し、通信手段に特定されたネットワークのアクセスポイントに接続させる。
【0016】
好ましくは、配信データに含まれる通信条件は無線通信に必要なパスワードを含み、通信制御手段は、他の装置からの接続要求に対してパスワード認証を行ない、認証に成功した場合に通信手段と他の装置との接続を開始する。
【0017】
好ましくは、配信データは、サーバから配信されたメールに添付されたデータ、または通信手段で他の装置から受信したデータである。
【0018】
好ましくは、報知手段は、通信手段で他の装置またはアクセスポイントとの通信が確立され、他の装置との間で所定の条件が満たされた場合に報知を行なう。
【0019】
より好ましくは、上記所定の条件とは、他の装置から、配信データに含まれる通信条件が満たされていることを示すレスポンスの受信である。
【0020】
より好ましくは、通信手段で他の装置またはアクセスポイントとの通信が確立された後に、他の装置またはアクセスポイントが設置された施設を特定する情報、施設の位置を特定する情報、および配信データの有効期間のうちの少なくとも1つを他の装置に対して送信し、配信データに含まれる通信条件が満たされたか否かを示すレスポンスを他の装置から受信する。
【0021】
好ましくは、報知手段は、振動、音、光、画像のうちの少なくとも1つを用いて報知を行なわせる。
【0022】
好ましくは、通信手段は、近距離の通信可能範囲を持つ無線通信方式による通信を行なう。
【0023】
本発明の他の局面に従うと、配信システムは複数の通信機器を含んだ配信システムであって、第1の通信機器は、他の通信機器に対して少なくとも所定の項目の通信条件を含んだ配信データを配信し、第2の通信機器は、所定の通信範囲内にある第3の通信機器または第3の通信機器が接続されたネットワークのアクセスポイントと無線通信するための通信手段と、第1の通信機器から配信された配信データに含まれる通信条件に基づいて、通信手段での第3の通信機器またはアクセスポイントとの通信を制御するための通信制御手段と、通信手段で第3の通信機器またはアクセスポイントとの通信が確立された後に、通信の接続を可能とする配信データが記憶されている旨を出力部で報知するための報知手段とを備え、第3の通信機器またはアクセスポイントは、所定の通信範囲内にある他の通信機器と無線通信するための通信手段と、第1の通信機器から配信された配信データに含まれる通信条件と第2の通信機器からの通信要求とに基づいて通信手段での第2の通信機器との通信の可否を判断し、第2の通信機器に対して通知するための通知手段とを備え、第3の通信機器またはアクセスポイントの通知手段において第2の通信機器と第3の通信機器またはアクセスポイントとの通信が可能と通知された場合に、第2の通信機器と第3の通信機器とは通信が確立する。
【0024】
本発明のさらに他の局面に従うと、配信データの処理方法は通信機器における配信データの処理方法であって、通信機器は所定の通信範囲内にある他の装置またはネットワークのアクセスポイントと無線通信するための通信手段を含み、他の装置から配信データを受信し、記憶装置に格納するステップと、前記記憶装置から、所定の項目の通信条件を含んだ配信データを検索するステップと、配信データに含まれる通信条件に基づいて、通信手段での他の装置またはアクセスポイントとの通信を制御するステップと、通信手段で通信が確立された後に、通信の接続を可能とする配信データが記憶されている旨を出力部で報知するステップとを備える。
【0025】
本発明のさらに他の局面に従うと、配信データの処理プログラムは配信データの処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、コンピュータは所定の通信範囲内にある他の装置またはネットワークのアクセスポイントと無線通信するための通信手段を含み、他の装置から配信データを受信し、記憶装置に格納するステップと、記憶装置から、所定の項目の通信条件を含んだ配信データを検索するステップと、配信データに含まれる通信条件に基づいて、通信手段での他の装置またはアクセスポイントとの通信を制御するステップと、通信手段で他の装置またはアクセスポイントとの通信が確立された後に、通信の接続を可能とする配信データが記憶されている旨を出力部で報知するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によると、携帯機器を携帯したユーザが施設に近づいた際には、そのときにユーザが当該施設について意識しているかどうかに関わらず、ユーザに、配信データを所持している施設の存在を通知でき、施設へ誘導することが可能となる。さらに、ユーザは事前に施設の配信データ(電子クーポン)を受け取ることが可能であるため、ユーザが当該施設から離れているときでも施設へ誘導する情報を提供することが可能となる。それにより、ユーザは、配信データを確認後、施設へ行くことができる。また、サービス提供側にとっては、より集客効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本実施の形態にかかる配信システムの構成の具体例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかる配信システムに含まれる店舗装置の構成の具体例を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態にかかる配信システムに含まれる携帯機器の構成の具体例を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態にかかる配信システムに含まれる携帯機器が携帯電話機である場合の、携帯機器の外観の具体例を示す図である。
【図5】本実施の形態にかかる配信システムに含まれる管理サーバの構成の具体例を示すブロック図である。
【図6】電子クーポンのデータ構成の具体例を示す図である。
【図7】電子クーポンに含まれる通信設定データのデータ構造を説明するための図である。
【図8】管理サーバでの処理の流れを表わすフローチャートである。
【図9】店舗装置での処理の流れを表わすフローチャートである。
【図10】携帯機器での処理の流れを表わすフローチャートである。
【図11】携帯機器での表示画面の具体例を示す図である。
【図12】携帯機器での表示画面の具体例を示す図である。
【図13】店舗装置と携帯機器との間の通信がIEEE 802.11規格の無線通信である場合の、店舗装置における接続処理を表わすフローチャートである。
【図14】店舗装置と携帯機器との間の通信がIEEE 802.11規格の無線通信であって、SSIDを公開しない場合の、携帯機器における接続処理を表わすフローチャートである。
【図15】店舗装置と携帯機器との間の通信がIEEE 802.11規格の無線通信であって、SSIDを公開している場合の、携帯機器における接続処理を表わすフローチャートである。
【図16】店舗装置と携帯機器との間の通信がBluetooth(登録商標)である場合の、店舗装置における接続処理を表わすフローチャートである。
【図17】店舗装置と携帯機器との間の通信がBluetooth(登録商標)である場合の、携帯機器における接続処理を表わすフローチャートである。
【図18】Bluetooth(登録商標)で通信して携帯機器間で電子クーポンを転送する場合の、送信側の携帯機器の表示画面の遷移の具体例を示す図である。
【図19】Bluetooth(登録商標)で通信して携帯機器間で電子クーポンを転送する場合の、受信側の携帯機器の表示画面の遷移の具体例を示す図である。
【図20】携帯機器に保存された電子クーポンを削除する際の携帯機器の表示画面の遷移の具体例を示す図である。
【図21】携帯機器に保存された電子クーポンを削除する際の携帯機器の表示画面の遷移の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0029】
図1は、本実施の形態にかかる配信システムの構成の具体例を示すブロック図である。
図1を参照して、配信システムは、ユーザの携帯する通信装置としての携帯機器1と、店舗に設置される通信装置である店舗装置3と、配信する情報を管理するためのサーバである管理サーバ5とを含む。
【0030】
携帯機器1は図1に表わされたように携帯機器1A,1B,…と複数含まれてもよく、それらの間では、インターネットを介した通信や、近距離無線通信や、有線通信が行なわれる。
【0031】
店舗装置3と管理サーバ5との間、および携帯機器1と管理サーバ5との間では、いずれも、インターネットを介した通信が行なわれる。
【0032】
店舗装置3と携帯機器1との間では近距離無線通信または短距離無線通信が行なわれる。すなわち、店舗装置3と携帯機器1との間では、通信範囲が数10m程度の無線通信が行なわれ、具体的には、IEEE 802.11規格の無線通信やBluetooth(登録商標)やZigbee(登録商標)などが該当する。
【0033】
本実施の形態にかかる情報提供システムでは、前提として、管理サーバ5から店舗装置3に少なくとも電子クーポンのうちの通信条件を規定するデータである通信設定データが送信される。これにより、店舗装置3が配信データである電子クーポンを取得した携帯機器1と通信可能となる。そして、管理サーバ5から、電子クーポンがメール等で携帯機器1に配信される。携帯機器1においては、電子クーポンに付加されている通信設定データの通信データで規定される条件を満たすネットワークが通信可能な範囲に存在した場合、電子クーポンに付加されている通信設定データを用いて、店舗装置3との間で無線通信接続を試みる。そして、通信接続が確立すれば、携帯機器1は、付近に電子クーポンに対応付けられた店舗が存在することを報知する。
【0034】
上の一連の流れを実現するためのそれぞれの装置の機能構成を、以下に、図を用いて説明する。
【0035】
ここで、「店舗」とは、所定の位置に固定され、携帯機器1に対して情報を配信しようとするサービスの拠点を表わし、店舗装置3は、一例として、当該店舗に設置されるパーソナルコンピュータ(PC)および無線アクセスポイントで構成される。
【0036】
図2は、店舗装置3の構成の具体例を示すブロック図である。ここでは、上述のように、店舗装置3がPC30および無線アクセスポイント37で構成されるものとしている。PCと無線アクセスポイントとの機能を一体化し、一つの装置として構成されてもよい。
【0037】
図2を参照して、店舗装置3はPC30および無線アクセスポイント37を含み、PC30は、さらに、CPU(Central Processing Unit)31、ユーザ操作を受け付けるための操作部32、情報を表示するための表示部33、CPU31の作業領域等として用いられるための一時記憶部34と、プログラムやデータを記憶するための記憶部35と、通信部36とを含む。
【0038】
無線アクセスポイント37は、たとえばIEEE 802.11規格の無線通信などを行ない、イーサネット(登録商標)などの通信網に接続するための無線機である。
【0039】
詳しくは、記憶部35は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリカードなど、不揮発性で、大容量のデバイスで構成され、プログラムおよびデータを記憶する。CPU31は、記憶部35に記憶されているプログラムを実行することで、当該機器の制御および演算処理を行なう。一時記憶部34はDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの、一般に揮発性で、高速なデバイスで構成され、CPU31でのプログラムの実行において一時的な記憶を行なうワークメモリとして機能する。
【0040】
表示部33は、液晶パネル等で構成され、画像情報を表示する。操作部32は、たとえばキーボード・マウスなどによって実現される。
【0041】
通信部36は、たとえばイーサネット(登録商標)により実現され、インターネットを介して管理サーバ5と通信したり、無線アクセスポイント37と通信したりする。
【0042】
「携帯機器」は、ユーザが携帯可能な通信装置であればよく、一例として、携帯電話機やゲーム機やPDA(Personal Digital Assistants)などで構成される。
【0043】
図3は、携帯機器1の構成の具体例を示すブロック図である。ここでは、上述のように携帯機器1が図4に表わされるように携帯電話機で構成されるものとしている。
【0044】
図3を参照して、携帯機器1は、CPU11、ユーザ操作を受け付けるための操作部12、情報を表示するための表示部13、CPU11の作業領域等として用いられるための一時記憶部14と、プログラムやデータを記憶するための記憶部15と、携帯電話通信を実現するための第1通信部16と、無線通信を実現するための第2通信部17と、第2通信部17を制御するための第2通信制御部18とを含む。
【0045】
詳しくは、記憶部15はHDD、SSD、フラッシュメモリカードなど、不揮発性で、大容量のデバイスで構成され、プログラムおよびデータを記憶する。CPU11は、記憶部15に記憶されているプログラムを実行することで、当該機器の制御および演算処理を行なう。一時記憶部14はDRAMなどの、一般に揮発性で、高速なデバイスで構成され、CPU11でのプログラムの実行において一時的な記憶を行なうワークメモリとして機能する。
【0046】
表示部13は、液晶パネル等で構成され、画像情報を表示する。操作部12は、たとえば表示部13の画面の周辺に配置されるボタンなどによって実現されるものであり、図4の例では、削除キー、カーソルキー、戻るキー、終了キー、決定キー、および数字・文字キーなどが該当する。
【0047】
第1通信部16は、第3世代移動通信システム(3G)など携帯電話網への接続し、インターネットへのアクセスを可能とする。
【0048】
第2通信部17は、たとえばIEEE 802.11規格の無線通信を実現するものとするが、第1通信部16と同様に、Bluetooth(登録商標)やZigbee(登録商標)などの通信を行なってもよい。
【0049】
第2通信制御部18は、CPU11がプログラムを実行することによって実現される機能であってもよく、第2通信部17を利用して店舗装置3内の通信部36または、店舗装置3内の無線アクセスポイント37との通信を確立させる。
【0050】
管理サーバ5は「電子クーポン」を配信するためのサーバである。一例として、PCなどで構成される。ここで、「電子クーポン」とは、所定の店舗に対応付けられた広告情報の一種としての配信データである。具体的な内容は後述する。
【0051】
図5は、管理サーバ5の構成の具体例を示すブロック図である。ここでは、上述のように、管理サーバ5がPCで構成されるものとしている。
【0052】
図5を参照して、管理サーバ5は、CPU51、ユーザ操作を受け付けるための操作部52、情報を表示するための表示部53、CPU51の作業領域等として用いられるための一時記憶部54と、プログラムやデータを記憶するための記憶部55と、インターネットを利用した通信を行なうための通信部56とを含む。
【0053】
詳しくは、記憶部55は、HDD、SSD、フラッシュメモリカードなど、不揮発性で、大容量のデバイスで構成され、プログラムおよびデータを記憶する。CPU51は、記憶部55に記憶されているプログラムを実行することで、当該機器の制御および演算処理を行なう。一時記憶部54はDRAMなどの、一般に揮発性で、高速なデバイスで構成され、CPU51でのプログラムの実行において一時的な記憶を行なうワークメモリとして機能する。
【0054】
表示部53は、液晶パネル等で構成され、画像情報を表示する。操作部52は、たとえばキーボード・マウスなどによって実現される。
【0055】
通信部56は、たとえばイーサネット(登録商標)によりインターネットへの接続が実現されるとする。
【0056】
図6は、電子クーポンのデータ構成の具体例を示す図である。ここで、図6を用いて電子クーポンのデータ構成を説明する。図6では、電子クーポンがJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式などの画像ファイルで構成される例を示す。
【0057】
図6を参照して、画像データである電子クーポン100は、大きく分けて、ヘッダ領域20と、画像のピクセルデータを保持する領域である画像領域50とを含む。ヘッダ領域20は画像の属性データ等を含む領域であり、EXIF(Exchangeable Image File Format)規格により定義された領域であるEXIF領域21を含む。EXIF領域21は、さらに、独自拡張が可能なメーカノート領域22を含み、さらにその中に、通信設定データ23が含まれる。
【0058】
ここで、「通信設定データ」とは、当該電子クーポンに対応付けられている店舗装置3と携帯機器1との間の通信条件を設定するためのデータを指す。図7は、通信設定データのデータ構造を説明するための図である。図7(A)は、携帯機器1と店舗装置3とがIEEE 802.11規格の無線通信を行なう場合の通信設定データ23の構造の具体例を示している。
【0059】
図7(A)を参照して、通信設定データ23は、大きくは、通信を成立させる上で必要な情報である通信データと、電子クーポンの提供するサービスが有効であるか否かの条件である条件データとからなる。
【0060】
詳しくは、通信データは、所定の無線通信を行なうネットワークを特定するIDであるネットワークIDと、当該無線通信におけるセキュリティ方法、および当該無線通信に必要なパスワードのうちの少なくとも1つを含む。図7(A)の例では、ネットワークIDとしてIEEE 802.11規格の無線通信におけるアクセスポイントの識別子であるSSID(Service Set Identifier)と、セキュリティ方法として携帯機器1と店舗装置3と間の通信におけるセキュリティ方法と、これら装置間の無線通信に必要なパスワードとが規定されている。
【0061】
条件データは、当該電子クーポンの有効期間と、店舗装置3が設置された店舗を特定する情報と、当該店舗の位置を特定する情報とのうちの少なくとも1つを含む。図7(A)の例では、当該電子クーポンの有効期間としての期間と、店舗を特定する情報として対応付けられた店舗名と、当該店舗の位置を特定する情報としての緯度経度とが規定されている。
【0062】
なお、携帯機器1と店舗装置3とが他の通信方法としてBluetooth(登録商標)を利用した通信を行なう場合には、通信設定データ23のデータ構造のうちの通信データは、図7(B)に表わされたように装置間の無線通信に必要なパスワードのみを含み、パスワードとして、ペアリングに際して入力する必要のある4桁(または4桁以上)の数字であるPINコードが規定される。
【0063】
このように電子クーポンを画像データとすることにより、特別にソフトウェアを変更することを必要とせずに、携帯電話やPCが通常搭載している保存・削除する機能や、機器間で送受信する機能、さらにメールに添付画像として添付して送受信する機能を利用して処理することが可能となる。
【0064】
図8、図9および図10は、それぞれ、本実施の形態にかかる情報提供システムにおける処理の流れを表わすフローチャートであって、図8は管理サーバ5での処理の流れを表わすフローチャート、図9は店舗装置3での処理の流れを表わすフローチャート、および図10は携帯機器1での処理の流れを表わすフローチャートである。それぞれのフローチャートで表わされる処理は、それぞれの装置に含まれるCPUが記憶部に記憶されるプログラムを読み込んで実行し、図示された各部を制御することにより実現される。
【0065】
始めに、図8を参照して、管理サーバ5においては、たとえば電源投入後などの所定のタイミングでCPU51は送信すべき電子クーポンがあるか否かを確認する(ステップS101)。電子クーポンは、たとえば店舗装置3のユーザ等によって予め管理サーバ5に登録されるものとする。ここでの送信すべき電子クーポンの確認の一例として、CPU51は、記憶部55の特定の保存領域に新規追加された電子クーポンの情報が存在するかを確認する、などが挙げられる。
【0066】
送信すべき電子クーポンが存在すると判断された場合(ステップS101でYES)は、電子クーポンに含まれる通信設定データを各店舗装置3に送信する(ステップS103)。ここでは、予め登録されているすべての店舗装置3に送信するものとする。この場合、後述するように、店舗装置3側にて有効な電子クーポンの通信設定データであるか否かを当該データ中の条件データに基づいて確認することになる。他の方法として、管理サーバ5が予め店舗装置3および当該装置の設置されている店舗に関する情報を保持している場合、ステップS103の送信の際に管理サーバ5のCPU51が送信すべき電子クーポン中の通信設定データを確認し、条件データにおいて当該電子クーポンが有効である店舗装置3のみに当該通信設定データを送信するようにしてもよい。このようにすることで、店舗装置3側での確認が不要となる。
【0067】
なお、この例では電子クーポンのうちの通信設定データのみが店舗装置3に送信されるものとしているが、少なくとも通信設定データが送信されればよく、電子クーポンそのものが送信されてもよい。
【0068】
次に、CPU51は送信メールを作成して電子クーポンを添付データとして添付し(ステップS105)、携帯機器1に対してメールを送信する(ステップS107)。送信する携帯機器1のメールアドレスは、予め携帯機器1のユーザが会員登録の際に入力することによって記憶部55の特定の保存領域に記憶されているものとする。
【0069】
管理サーバ5では、以上の一連の処理を繰り返す。これにより、所定のタイミングで送信すべき電子クーポンがある場合には、各店舗装置3と登録された携帯機器1とに送信されることになる。
【0070】
次に、図9を参照して、店舗装置3においては、たとえば電源投入後などの所定のタイミングでCPU31は上記ステップS103で管理サーバ5から送信された電子クーポン中の通信設定データを受信したか否かを確認する(ステップS301)。受信した場合(ステップS301でYES)、CPU31は通信設定データを予め規定している記憶部35の所定の保存領域に保存する(ステップS303)。なお、以前に通信設定データを受信している場合は、これを上書きし、後に送信された通信設定データが有効になるものとする。
【0071】
次に、CPU31は保存した通信設定データ中の条件データを確認し、現時点で有効であるかを確認する(ステップS305)。たとえば、現時点が条件データに含まれる当該電子クーポンの有効期間をすでに過ぎている場合や、条件データに含まれる店舗名が、当該店舗装置3が設置されている店舗名と異なる場合や、条件データに含まれる店舗の位置が当該店舗装置3が設置されている店舗の位置と異なる場合など、CPU31は当該通信設定データが有効でない電子クーポンのものと判断する。
【0072】
その結果、現時点で有効な電子クーポンの通信設定データであると判断されると、CPU31は該通信設定データの通信データに基づいて、無線アクセスポイント37にSSID、セキュリティ方法、およびパスワード等を設定する(ステップS307)。ただし、無線アクセスポイント37に対してすでに同じ設定がなされている場合には、CPU31はステップS307の処理をスキップする。
【0073】
なお、通信設定データが有効な電子クーポンのものであるか否かの判断はステップS305の時点ではなく、ステップS303で記憶部35の所定の保存領域に保存する際に行なわれてもよい。CPU31は管理サーバ5から通信設定データを受信すると当該通信設定データの条件データを確認し、有効である電子クーポンの通信設定データである場合のみに記憶部35に保存するようにし、そうでない場合には、受信した通信設定データを破棄するようにしてもよい。
【0074】
その後、CPU31は、携帯機器1と通信接続するための接続処理を実行する(ステップS309)。ステップS309の接続処理については後述する。当該処理の結果、携帯機器1との通信接続に成功すると、CPU31は、携帯機器1から条件データを受信し(ステップS311)、管理サーバ5から受信した条件データと携帯機器1から受信した条件データとを照合する。その結果、これらが一致する場合(ステップS313でYES)、CPU31は、携帯機器1に対して「通信可」を示す信号を送信するための処理を行なう(ステップS315)。一致しない場合は(ステップS313でNO)、「通信不可」を示す信号を送信するための処理を行なって該信号を送信し(ステップS317)、当該携帯機器1との通信を切断する(ステップS319)。
【0075】
図9には、ステップS301〜S303の管理サーバ5からの通信設定データを保存するための処理と、ステップS305〜S307の保存した通信設定データに基づいて無線アクセスポイント37の設定を行なうための処理と、ステップS309〜S313の通信設定データに基づいて携帯機器1と通信を行なうための処理とが一連の流れとして表わされている。しかしながら、CPU31はこれらの処理を必ずしも一連の流れとして実行しなくてもよい。他の例として、ステップS301〜S303の管理サーバ5からの通信設定データを保存するための処理、およびステップS305〜S307の保存した通信設定データに基づいて無線アクセスポイント37の設定を行なうための処理は、それぞれ、所定のタイミングとしてたとえば店舗装置3の電源が投入されたタイミングや、店舗装置3のユーザから通信設定データを確認するための指示がなされたタイミングなどに行なわれてもよい。そして、CPU31はこれら処理を単独に行なって処理を終了してよい。また、ステップS309〜S313の通信設定データに基づいて携帯機器1と通信を行なうための処理も、所定のタイミングとして、たとえば、店舗装置3のユーザから指示がなされたタイミングや、予め設定された時刻に達したタイミング、などに行なわれてもよい。また、CPU31は、一定の時間間隔でこの処理を繰り返してもよい。
【0076】
このような処理が店舗装置3で行なわれることで、当該店舗装置3と通信可能な範囲内に入った当該店舗で有効な電子クーポンを保存している携帯機器1との通信を設立し、その旨を携帯機器1に通知することが可能となる。
【0077】
上述のステップS309以降の処理は、携帯機器1が通信可能な範囲に存在するたびに繰り返される。それにより、通信可能な範囲に存在する携帯機器1のうち、予め取得している通信設定データの条件データと一致した条件データを予め持っている携帯機器1とのみ通信が可能になる。
【0078】
図11および図12は、携帯機器1での表示画面の具体例を示す図であり、携帯機器1での処理をこれら図示された携帯機器1での表示画面例を併せて用いて説明する。携帯機器1においては、電源投入後に図11(A)の待ち受け画面が表示され、その後の所定のタイミングで図10の処理が開始する。
【0079】
図10を参照して、処理が開始すると、CPU11はメール配信サーバとしても機能する管理サーバ5にアクセスして、新着メールがあるかを問い合わせる(ステップS501)。その結果、新着メールがある場合(ステップS501でYES)、CPU11は操作部12からの操作を受けることなく自動的に管理サーバ5からメールを受信するための処理を実行する(ステップS503)。そして、CPU11は、受信したメール、および当該メールの添付データとして添付されている電子クーポンを、記憶部15の所定の保存領域として、たとえば画像フォルダに保存する(ステップS505)。このとき、CPU11は、新着メールを受信したことを報知することが好ましく、たとえば、図11(B)において点線の丸印で表わされたようなアイコンを表示部13に表示するための処理を実行する。
【0080】
なお、この状態でカーソルキーおよび決定キーを操作することで上記アイコンを選択すると表示画面は図11(C)のメール一覧(受信トレイ)画面に遷移し、その中の電子クーポンが添付されている新着メールを同様にして選択すると表示画面は図12(A)の電子クーポンが添付されたメールを表示する画面に遷移する。さらに、カーソルキーおよび決定キーを操作することでメール画面中の添付された画像データである電子クーポンの表示を指示する(日替わりランチ_クーポン.jpg)を選択すると、表示画面は図12(B)の電子クーポンの画像データを表示する画面に遷移する。
【0081】
次に、CPU11は、所定のタイミングになった時点でたとえば画像フォルダ等である上記所定の保存領域に記憶されている電子クーポンを検索する(ステップS507)。ここでの検索方法としては、たとえば、電子クーポンのデータ構造を利用する方法が挙げられる。すなわち、電子クーポンは図6のような構造であることから、画像データ中に通信設定データが存在するかどうかを判断することで、記憶されている画像データが電子クーポンであるか否かを判断することができる。
【0082】
検索の結果、電子クーポンが存在する場合(ステップS509でYES)、CPU11は接続処理を実行する(ステップS511)。ステップS511での接続処理については後述する。接続処理完了後、CPU11は、電子クーポンの通信設定データに含まれる条件データを店舗装置3に送信するための処理を実行する(ステップS513)。
【0083】
この後、上記送信のレスポンスとして、店舗装置3が上記ステップS311で送信した「通信可」または「通信不可」を示す信号を受信する(ステップS515)。受信した信号が「通信可」を示す信号である場合(ステップS517でYES)、CPU11はその旨を報知するための処理を実行する(ステップS519)。本例では表示部13にその旨を表示することで報知するものとし、具体的には、図12(C)に表わされたように、通信可能な店舗装置3が近傍(通信可能な範囲内)にあることを画面表示する。このとき、画面表示に加えて、振動動作(バイブレーション)や音による報知がなされてもよい。なお、図12(C)の報知画面において「はい」が選択されると、CPU11は表示画面を図12(B)の電子クーポンを表示する画面に遷移させる。
【0084】
なお、店舗装置3と携帯機器1との通信が接続された後、最新の広告情報等が店舗装置3から携帯機器1に送信されてもよい。この情報は、ステップS519において併せて報知されてもよい。
【0085】
受信した信号が「通信不可」を示す信号である場合(ステップS517でNO)、CPU11は通信を切断する(ステップS519)。
【0086】
図10には、ステップS501〜S505の管理サーバ5からの電子クーポンを保存するための処理と、ステップS507〜S521の電子クーポンを用いるための処理とが一連の流れとして表わされている。しかしながら、CPU11はこの2つの処理を必ずしも一連の流れとして実行しなくてもよい。他の例として、ステップS501〜S505の管理サーバ5からの電子クーポンを保存するための処理は、所定のタイミングとしてたとえば携帯機器1の電源が投入されたタイミングや、ユーザから新着メールを確認するための指示がなされたタイミングなどに行なわれてもよい。そして、CPU11はステップS505までの処理を行なって、処理を終了してよい。また、ステップS507〜S521の電子クーポンを用いるための処理も、所定のタイミングとして、たとえば、中継する基地局が変更したタイミングや、ユーザから保存している電子クーポンを確認するための指示がなされたタイミングや、たとえばランチタイムなどの予め設定された時刻に達したタイミング、などに行なわれてもよい。また、CPU11は、一定の時間間隔でこの処理を繰り返してもよい。
【0087】
このような処理が携帯機器1で行なわれることで、当該携帯機器1が保存している電子クーポンに関連する店舗装置3と通信可能な範囲内に入ると自動的にその店舗の電子クーポンが保存されていることが報知される。
【0088】
店舗装置3における接続処理(S309)および携帯機器1における接続装置(S511)は、店舗装置3と携帯機器1との間の通信の種類によって異なる。そこで、以下に、通信の種類ごとのこれら接続処理の具体例を説明する。
【0089】
図13は、店舗装置3と携帯機器1との間の通信がIEEE 802.11規格の無線通信である場合の、店舗装置3における接続処理を表わすフローチャートである。上記ステップS309では、図13に表わされたように、CPU31は無線アクセスポイント37で接続が完了したかを確認する。その結果、接続が完了している場合には(ステップS401でYES)、処理を図9のステップS311に戻す。これにより、店舗装置3ではステップS311以降の処理が続行される。一方、接続が完了していない場合には(ステップS401でNO)、処理を図9のステップS301に戻す。これにより、店舗装置3では図9に表わされた処理の最初から処理が実行される。
【0090】
図14は、店舗装置3と携帯機器1との間の通信がIEEE 802.11規格の無線通信であって、SSIDを公開しない場合の、携帯機器1における接続処理を表わすフローチャートである。
【0091】
図14を参照して、CPU11はまず、上記ステップS507で検索された電子クーポンのうちから1件の電子クーポンを読み込み(ステップS601)、当該電子クーポン内の通信設定データに含まれるSSIDを用いてネットワーク接続が開始可能かを確認する。ネットワーク接続の開始が不可能であると判断された場合(ステップS603でNO)は、CPU11は検索された全ての電子クーポンが読み込み済みかを確認し、そうでない場合(ステップS605でNO)は、処理をステップS601に戻して、CPU11はさらに1件の電子クーポンを読み込んで処理を繰り返す。
【0092】
全てのクーポンを読み込み済みの場合は(ステップS605でYES)、CPU11は処理を図10のステップS501に戻す。これにより、携帯機器1では図10に表わされた処理の最初から処理が実行される。これは、携帯機器1が、いずれの店舗装置3とも通信可能な範囲内にない場合が該当する。
【0093】
携帯機器1を携帯したユーザが、店舗装置3の設置される店舗の近くに立ち寄るなどして、携帯機器1が店舗装置3との通信可能な範囲に存在することになった場合は、CPU11はSSIDを用いてネットワーク接続を開始可能と判断する(ステップS603でYES)。この場合、CPU11は通信設定データに含まれるセキュリティ方式とパスワードとの一致を確認し、店舗装置3の無線アクセスポイント37に対して近距離無線でのアクセスを試みる(ステップS607)。店舗装置3の無線アクセスポイント37への接続に成功した場合は(ステップS609)、CPU31は処理を図10のステップS513に戻す。これにより、携帯機器1ではステップS513以降の処理が続行される。
【0094】
図15は、店舗装置3と携帯機器1との間の通信がIEEE 802.11規格の無線通信であって、SSIDを公開している場合の、携帯機器1における接続処理を表わすフローチャートである。
【0095】
図15に表わされたこの場合の接続処理は、図14の場合の処理と比較して、ステップS601の電子クーポンを読み込みの前にCPU11がステップS600の処理を実行する点と、ステップS603の処理に替えてステップS603’の処理を実行する点とが異なる。すなわち、この場合、ステップS600でCPU11は、周辺に存在するIEEE 802.11規格の無線通信のネットワークを検索し、ネットワークのリスト(SSIDのリスト)を取得する。そして、ステップS601において上記ステップS507で検索された電子クーポンのうちから1件の電子クーポンを読み込み、リスト中に、当該電子クーポン内の通信設定データに含まれるSSIDと一致するSSIDが存在するかを確認する。リスト中に当該電子クーポン内の通信設定データに含まれるSSIDと一致するSSIDが存在しない場合には(ステップS603’でNO)、CPU11はステップS605以降の処理を実行する。リスト中に当該電子クーポン内の通信設定データに含まれるSSIDと一致するSSIDが存在する場合には(ステップS603’でYES)、CPU11はステップS607以降の処理を実行する。
【0096】
図16は、店舗装置3と携帯機器1との間の通信がBluetooth(登録商標)である場合の、店舗装置3における接続処理を表わすフローチャートである。
【0097】
図16に表わされたこの場合の接続処理は、図13のIEEE 802.11規格の無線通信を行なう場合の処理と比較して、ステップS401での接続の完了の確認の前にCPU31がステップS400の処理を実行する点が異なる。すなわち、この場合、ステップS400でCPU31は、無線アクセスポイント37に対して通信可能な範囲について接続の試行を指示する。これにより、通信可能な範囲に携帯機器1が存在する場合には、店舗装置3の通信部36との間でBluetoothでの通信が行なわれる。ステップS401でCPU31は無線アクセスポイント37での携帯機器1に対する接続が完了したかを確認し、接続が完了している場合には(ステップS401でYES)、処理を図9のステップS311に戻す。これにより、店舗装置3ではステップS311以降の処理が続行される。一方、接続が完了していない場合には(ステップS401でNO)、処理を図9のステップS301に戻す。これにより、店舗装置3では図9に表わされた処理の最初から処理が実行される。
【0098】
図17は、店舗装置3と携帯機器1との間の通信がBluetooth(登録商標)である場合の、携帯機器1における接続処理を表わすフローチャートである。
【0099】
図17を参照して、店舗装置3の上記ステップS400の処理による、無線アクセスポイント37からの接続要求があったと判断した場合(ステップS611でYES)、CPU31は、上記ステップS507で検索された電子クーポンのうちから1件の電子クーポンを読み込む(ステップS613)。これは、当該携帯機器1が店舗装置3からBluetoothによる通信可能な範囲内に存在する場合が該当する。
【0100】
次に、CPU31は、当該電子クーポン内の通信設定データからPINコードを読み取り、接続要求があった店舗装置3の無線アクセスポイント37に対して送信する(ステップS615)。これにより、接続要求があった店舗装置3との間でBluetooth接続が成功した場合は(ステップS617でYES)、CPU31は処理を図10のステップS513に戻す。これにより、携帯機器1ではステップS513以降の処理が続行される。
【0101】
接続要求があった店舗装置3との間でBluetooth接続が成功しなかった場合には(ステップS617でNO)、CPU31は検索された全ての電子クーポンが読み込み済みかを確認し、そうでない場合(ステップS619でNO)は、処理をステップS613に戻して、CPU11はさらに1件の電子クーポンを読み込んで処理を繰り返す。
【0102】
全てのクーポンを読み込み済みの場合は(ステップS619でYES)、CPU11は処理を図10のステップS501に戻す。これにより、携帯機器1では図10に表わされた処理の最初から処理が実行される。これは、携帯機器1に、接続要求があった店舗装置3と接続可能な電子クーポンが保存されていない場合が該当する。
【0103】
本実施の形態にかかる配信システムで以上の処理が行なわれることによって、携帯機器1には、店舗装置3と無線通信が可能な範囲内に入って直接通信を行なうよりも以前に管理サーバ5から予め設定された電子クーポンが送信されることになる。そして、携帯機器1では、店舗装置3から通信可能な範囲に入ると自動的に通信を確立して、保存している電子クーポンが当該店舗装置3に対応する電子クーポンである場合にその旨が報知される。従って、本配信システムでは、携帯機器1が店舗装置3と通信可能な範囲内に入るよりも以前に広告情報となる電子クーポンを配信することが可能となる。これにより、携帯機器1を携帯したユーザが当該店舗から離れているときでも店舗へ誘導する情報を提供でき、集客効果が期待できる。また、当該店舗に携帯機器1を携帯したユーザが近づいた際には、ユーザが店舗について意識していなくとも、保持している電子クーポンに関係する店舗が付近に存在することをユーザに通知でき、当該店舗へ誘導することも可能となる。
【0104】
なお、以上の例では、携帯機器1と店舗装置3との間の通信の条件が満たされて接続が成立したことに加えて、携帯機器1と店舗装置3との間で電子クーポン自身が有効である条件が満たされると、携帯機器1と店舗装置3との通信可、つまり、携帯機器1に通信可能な範囲内にある店舗の電子クーポンが保存されている、と報知されるものである。しかしながら、電子クーポンの有効性の条件を用いた判断が行なわれず、携帯機器1と店舗装置3との双方で上述の接続処理を行なうことでこれらの間の通信が成功した時点、とりわけ、802.11無線通信を用いた場合であると、店舗装置3内の無線アクセスポイント37との通信が成功した時点で通信可能としてステップS519で携帯機器1が報知処理を行なってもよい。これは、特に条件が定められていない電子クーポンなどにおいて処理を容易にすることができる。また、このような報知であっても、当該店舗へユーザを誘導することが可能となり、集客効果が期待できる。
【0105】
[変形例]
なお、以上の例では管理サーバ5から携帯機器1へ電子クーポン(配信データ)がメールにより送信される例が示されているが、その他、携帯機器1間で通信することによって転送されてもよいし、情報PUSH型配信サービスによってデータ送信されてもよいし、WEBブラウザで表示されたクーポン画像がユーザ操作により取得される構成であってもよい。ここでは、具体例の一つとして、携帯機器1に対して他の携帯機器から電子クーポンが送信される例について説明する。
【0106】
携帯機器1Aから携帯機器1Bに電子クーポンを転送する場合、図1を用いて説明されたように、携帯機器1A,1B間ではインターネットを介した通信の他、赤外線通信やBluetooth(登録商標)やZigbee(登録商標)などの近距離無線通信や、有線通信が行なわれてもよい。
【0107】
図18および図19は、具体例としてBluetooth(登録商標)で通信して携帯機器1Aから携帯機器1Bに電子クーポンを転送する場合の表示画面の遷移の具体例を示す図であり、図18は携帯機器1Aの表示画面の遷移、および図19は携帯機器1Bの表示画面の遷移の具体例を示す図である。これら画面例を用いて、転送の流れの具体例を説明する。
【0108】
図18(A)は、携帯機器1Aで、記憶部15に保存された電子クーポンを表示部13に表示したときの表示画面である。この画面にてメニューキーを押すと、表示画面は図18(B)のメニュー画面に遷移する。該メニュー画面において「Bluetooth送信」が選択されると、CPU11は記憶部15に保存された画像データである電子クーポンをBluetooth(登録商標)で送出する。その際、表示画面は図18(C)の送信中を表わす画面に遷移する。ここでの送信処理においてCPU11は、Bluetooth(登録商標)にてデータ転送可能な装置が通信範囲内に存在するか否かを検索し、相手機器として携帯機器1Bが発見されると、該機器に対してデータ転送を開始するための処理を実行する。データ転送が完了すると、表示画面は図18(D)の送信の完了を表わす画面に遷移する。
【0109】
受信側の携帯機器1Bでは、表示部13に図19(A)の待受け画面が表示されているところ、携帯機器1AからBluetooth接続要求を受けると、表示画面が図19(B)の通信の可否を選択するための画面に遷移する。図19(B)の画面において「はい」が選択されると、表示画面が図19(C)の通信中を表わす画面に遷移し、CPU11は携帯機器1Aと通信を開始するための処理を実行する。データを受信が完了すると、表示画面は図19(D)の受信の完了を表わす画面に遷移する。
【0110】
このようにして、管理サーバ5から携帯機器1に配信された電子クーポンが、携帯機器1間でやり取りされてもよい。
【0111】
なお、携帯機器1の記憶部15に保存された電子クーポンは、ユーザ操作によって削除されるようにしてもよい。図20および図21は、携帯機器1の記憶部15に保存された電子クーポンを削除する際の携帯機器1の表示画面の遷移の具体例を示す図である。これら画面例を用いて、削除の流れの具体例を説明する。
【0112】
携帯機器1において表示部13に図20(A)の待受け画面が表示されているところ、新着メールが無い状態で決定キーを押下すと、表示画面は図20(B)のメニュー画面に遷移する。該メニュー画面において上下カーソルキーでフォーカスを移動させ、「データフォルダ」にフォーカスがある状態で決定キーを押すことで、表示画面は図20(C)のデータフォルダを表示する画面に遷移する。データフォルダを表示する画面において上下カーソルキーでフォーカスを移動させ、「画像データ」にフォーカスがある状態で、決定キーを押すことで、表示画面は図21(A)の画像データ一覧を表示する画面に遷移する。該画面において上下カーソルキーでフォーカスを移動させ、「日替わりランチ_クーポン.jpg」にフォーカスがある状態で、決定キー押されると、CPU11は、選択された画面データである電子クーポンを画面表示するための処理を実行し、図21(B)の画面が表示される。
【0113】
選択された電子クーポンが表示された画面において「はい」が選択されると、CPU11は、表示している電子クーポンを記憶部15から削除するための処理を実行する。この後、画面は図21(A)の画像データ一覧を表示する画面に遷移する。「いいえ」を選択した場合は、画面は図21(B)の当該電子クーポンの表示画面に遷移する。
【0114】
上の例では電子クーポンは画像データとして構成されているため、携帯機器1においては電子クーポンは、画像フォルダに保存される。そのため、当該データを上のようにして削除することで、以後、対応する店舗装置3と通信可能範囲に入っても、その旨が報知されないようにすることができる。
【0115】
さらに、上述の、携帯機器1での処理、店舗装置3での処理、および管理サーバ5での処理をそれぞれ実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0116】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0117】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0118】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0119】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0120】
1,1A,1B 携帯機器、3 店舗装置、5 管理サーバ、12,32,52 操作部、13,33,53 表示部、14,34,54 一時記憶部、15,35,55 記憶部、16 第1通信部、17 第2通信部、18 第2通信制御部、20 ヘッダ領域、21 EXIF領域、22 メーカノート領域、23 通信設定データ、36,56 通信部、37 無線アクセスポイント、50 画像領域、100 電子クーポン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信範囲内にある他の装置またはネットワークのアクセスポイントと無線通信するための通信手段と、
記憶手段と、
前記記憶手段から、所定の項目の通信条件を含んだ配信データを検索するための検索手段と、
前記配信データに含まれる前記通信条件に基づいて、前記通信手段での前記他の装置または前記アクセスポイントとの通信を制御するための通信制御手段と、
前記通信手段において前記他の装置または前記アクセスポイントとの通信が確立された後に、通信の接続を可能とする配信データが記憶されている旨を出力部で報知するための報知手段とを備える、通信機器。
【請求項2】
前記配信データは画像データで構成され、前記通信条件は画像データのヘッダ情報に含まれる、請求項1に記載の通信機器。
【請求項3】
前記配信データに含まれる前記通信条件は、前記無線通信を行なうネットワークを特定するためのネットワークID、セキュリティの方式、および前記無線通信に必要なパスワードのうちの少なくとも1つを含み、
前記通信制御手段は、前記通信条件に含まれる前記ネットワークID、前記セキュリティの方式、および前記パスワードのうちの少なくとも1つを用いて前記通信手段に前記他の装置または前記アクセスポイントとの通信を行なわせる、請求項1または2に記載の通信機器。
【請求項4】
前記配信データに含まれる前記通信条件は前記無線通信を行なうネットワークを特定するためのネットワークIDを含み、
前記通信制御手段は、前記ネットワークIDを用いて前記通信手段に前記ネットワークの前記アクセスポイントへの接続を繰り返し試みさせる、請求項1〜3のいずれかに記載の通信機器。
【請求項5】
前記配信データに含まれる前記通信条件は前記無線通信を行なうネットワークを特定するためのネットワークIDを含み、
前記通信制御手段は、無線通信を行なうネットワークを検索し、検索されたネットワークのうちから前記ネットワークIDに一致するネットワークを、前記無線通信を行なうネットワークとして特定し、前記通信手段に前記特定されたネットワークの前記アクセスポイントに接続させる、請求項1〜3のいずれかに記載の通信機器。
【請求項6】
前記配信データに含まれる前記通信条件は前記無線通信に必要なパスワードを含み、
前記通信制御手段は、前記他の装置からの接続要求に対して前記パスワード認証を行ない、前記認証に成功した場合に前記通信手段と前記他の装置との接続を開始する、請求項1〜3のいずれかに記載の通信機器。
【請求項7】
前記配信データは、サーバから配信されたメールに添付されたデータ、または前記通信手段で他の装置から受信したデータである、請求項1〜6のいずれかに記載の通信機器。
【請求項8】
前記報知手段は、前記通信手段で前記他の装置または前記アクセスポイントとの通信が確立され、前記他の装置との間で所定の条件が満たされた場合に前記報知を行なう、請求項1〜7のいずれかに記載の通信機器。
【請求項9】
所定の条件とは、前記他の装置から、前記配信データに含まれる前記通信条件が満たされていることを示すレスポンスの受信である、請求項8に記載の通信機器。
【請求項10】
前記通信手段で前記他の装置または前記アクセスポイントとの通信が確立された後に、前記他の装置または前記アクセスポイントが設置された施設を特定する情報、前記施設の位置を特定する情報、および前記配信データの有効期間のうちの少なくとも1つを前記他の装置に対して送信し、前記配信データに含まれる前記通信条件が満たされたか否かを示すレスポンスを前記他の装置から受信する、請求項9に記載の通信機器。
【請求項11】
前記報知手段は、振動、音、光、画像のうちの少なくとも1つを用いて前記報知を行なわせる、請求項1〜10のいずれかに記載の通信機器。
【請求項12】
前記通信手段は、近距離の通信可能範囲を持つ無線通信方式による通信を行なう、請求項1〜11のいずれかに記載の通信機器。
【請求項13】
複数の通信機器を含んだ配信システムであって、
第1の通信機器は、他の通信機器に対して少なくとも所定の項目の通信条件を含んだ配信データを配信し、
第2の通信機器は、
所定の通信範囲内にある第3の通信機器または前記第3の通信機器が接続されたネットワークのアクセスポイントと無線通信するための通信手段と、
前記第1の通信機器から配信された前記配信データに含まれる前記通信条件に基づいて、前記通信手段での前記第3の通信機器または前記アクセスポイントとの通信を制御するための通信制御手段と、
前記通信手段で前記第3の通信機器または前記アクセスポイントとの通信が確立された後に、通信の接続を可能とする配信データが記憶されている旨を出力部で報知するための報知手段とを備え、
第3の通信機器または前記アクセスポイントは、
所定の通信範囲内にある他の通信機器と無線通信するための通信手段と、
前記第1の通信機器から配信された前記配信データに含まれる前記通信条件と前記第2の通信機器からの通信要求とに基づいて前記通信手段での前記第2の通信機器との通信の可否を判断し、前記第2の通信機器に対して通知するための通知手段とを備え、
前記第3の通信機器または前記アクセスポイントの前記通知手段において前記第2の通信機器と前記第3の通信機器または前記アクセスポイントとの通信が可能と通知された場合に、前記第2の通信機器と前記第3の通信機器とは通信が確立する、配信システム。
【請求項14】
通信機器における配信データの処理方法であって、
前記通信機器は所定の通信範囲内にある他の装置またはネットワークのアクセスポイントと無線通信するための通信手段を含み、
他の装置から配信データを受信し、記憶装置に格納するステップと、
前記記憶装置から、所定の項目の通信条件を含んだ配信データを検索するステップと、
前記配信データに含まれる前記通信条件に基づいて、前記通信手段での前記他の装置または前記アクセスポイントとの通信を制御するステップと、
前記通信手段で通信が確立された後に、通信の接続を可能とする配信データが記憶されている旨を出力部で報知するステップとを備える、配信データの処理方法。
【請求項15】
配信データの処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンピュータは所定の通信範囲内にある他の装置またはネットワークのアクセスポイントと無線通信するための通信手段を含み、
他の装置から配信データを受信し、記憶装置に格納するステップと、
前記記憶装置から、所定の項目の通信条件を含んだ配信データを検索するステップと、
前記配信データに含まれる前記通信条件に基づいて、前記通信手段での前記他の装置または前記アクセスポイントとの通信を制御するステップと、
前記通信手段で前記他の装置または前記アクセスポイントとの通信が確立された後に、通信の接続を可能とする配信データが記憶されている旨を出力部で報知するステップとを実行させる、配信データの処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−254368(P2011−254368A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127772(P2010−127772)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】