説明

通路灯

【課題】椅子の通常の脚部の肘幅内に納まり、列番号表示板と干渉せずに任意の高さに設置でき、しかも列番号表示板の視認性も高め得る通路灯を提供する。
【解決手段】固定可能なベース板2と、ベース板2の外側へ向けられたLED3と、ベース板2および前記LED3を覆う平板状のカバー4とを具える通路灯1において、1列かつ複数行となる配置で複数個、前記カバーの一端部の内側に配置され、前記カバー4は、前記LED3の正面側に位置する透光部分4dと、前記LED3の側方から後側の部分を覆う表示板部分4eと、を有し、前記表示板部分4eは、半透明部分4fおよび不透明部分4gを持ち、前記半透明部分4fと不透明部分4gとの境界は、表示形状の輪郭を持ち、前記半透明部分4fは、前記透光部分4dから前記カバー4の内部に入る前記LED3からの光の一部を透過させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、劇場等の通路に面する客席となる椅子の脇等に設置されて通路を照明する通路灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の上述の如き通路灯としては例えば、図5(a),(b)に示す如き客席誘導灯が知られており(非特許文献1参照)、図中符号11で示すこの客席誘導灯は、劇場等の通路に面する客席となる椅子Cの脚部Lの脇に取り付けられる器具ベース12と、その器具ベース12に下向きに固定されたソケット13と、そのソケット13に装着された光源としての小型電球14と、それら器具ベース12とソケット13と小型電球14とを覆うとともに下部に開口部15aを有するカバー15とを具えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】東芝ライテック株式会社 施設・屋外照明カタログ2009〜2010(2009.6)中の客席誘導灯(電源別置型5W)(http://page.cextension.jp/c3053/pageview/pdf/0481.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来の客席誘導灯11は、小型電球14自体がある程度大きいことから、それを収容するカバー15も大きくなり、その厚み(椅子正面から見た場合、幅)が比較的大きいため、客席となる椅子Cの脇に取り付けた際、その椅子Cの脚部Lの上端に設ける肘を幅広にしないとそこからはみ出して、肘幅よりも通路側に突出した状態になってしまうことから、椅子の脚部等の設計の自由度を過大に制約するという問題があった。
【0005】
しかしながら、劇場等の部屋の内で避難安全上必要な通路幅を確保すると、残りが椅子を設置するための幅寸法となるので、通路灯を含む肘幅を大きくすると、その内側の着席部(背や座)の幅は必然的に狭くなってしまい、快適なスペースを充分確保できなくなるという問題があった。
【0006】
また、通路に面する客席となる椅子Cの脇には列番号表示板Pを設ける場合があるが、このような列番号表示板Pは、従来は照明がなく、しかも客席誘導灯11との干渉を避けるためにあまり大きくできないことから、視認性が充分良好でないという問題があった。
【0007】
そしてこれらの問題の解決のため、椅子Cの脚部Lに開口部を設けてそこに客席誘導灯11を埋設しようとすると、通常の設置位置では、椅子Cの座部を跳上げ可能に支持する支持構体Sと干渉してしまうため、高い位置に設けざるを得ず、通路に到達する照明光が弱まるとともに拡散し過ぎて好ましくないという問題が生ずる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は上記課題を有利に解決した通路灯を提供することを目的とするものであり、この発明の通路灯は、固定可能なベース板と、前記ベース板に支持されてそのベース板の外側へ向けられたLED(発光ダイオード)と、前記ベース板に装着されてそのベース板および前記LEDを覆う平板状のカバーと、を具える通路灯において、前記LEDは、1個、または前記カバーの厚さ方向の並びを列とし前記カバーの幅方向の並びを行とした場合に1列かつ複数行となる配置で複数個、前記カバーの一端部の内側に配置され、前記カバーは、前記LEDの正面側に位置する透光部分と、前記LEDの側方から後側の部分を覆う表示板部分と、を有し、前記表示板部分は、半透明部分および不透明部分を持ち、前記半透明部分と前記不透明部分との境界は、所定の表示形状の輪郭を持ち、前記半透明部分は、前記LEDからの光の一部を透過させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
かかるこの発明の通路灯によれば、客席誘導灯として椅子の脚部の脇に設ける場合に、ベース板を、そのベース板の外側へ向けられてカバーの一端部の内側に配置された1個または複数個のLEDが通路に向くように椅子の脚部に固定し、平板状のカバーでそれらベース板およびLEDを覆うことで、そのカバーの透光部分を通してLEDからの光で通路を照明することができ、また、1個または、カバーの厚さ方向の並びを列としカバーの幅方向の並びを行とした場合に1列かつ複数行となる配置とされた幅数mmの小さなLEDを平板状のカバーで覆う構造ゆえ、全体の厚さを10mm以下、特には8mm前後と極めて薄くできるため、椅子の脚部の上端の肘を幅広にしなくても通常の肘幅内に収まるので、椅子の脚部等の設計の自由度を過大に制約することがない。
【0010】
また、そのカバーが、半透明部分および不透明部分を持つ表示板部分を有し、それら半透明部分と不透明部分との境界が、所定の表示形状の輪郭を持ち、その半透明部分が、LEDからカバーの厚みの内部やカバーの内側に入った光の一部を透過させることから、その表示形状で例えば数字や文字や記号やそれらの組み合わせからなる列番号を表示することで、当該通路灯が列番号表示板を兼ね、列番号表示板と客席誘導灯との干渉の問題がなくなるため、列番号表示板を適度に大きくでき、しかも半透明部分の光で列番号を照明表示できるので、列番号の視認性を向上させることができる。
【0011】
なお、この発明の通路灯においては、前記カバーは、アクリルやポリカーボネート等の透明なプラスチックから形成され、前記透光部分は透明なままにされ、前記半透明部分は半透明となるよう印刷や粗面加工等で表面処理され、前記不透明部分は不透明となるよう印刷や塗装等で表面処理されていても良い。このようにすれば、射出成形等で半透明部分以外を透明に形成したカバー材料の不透明部分とする部分に印刷や塗装等を施すことで、容易にカバーを製造することができる。
【0012】
また、この発明の通路灯においては、前記カバーは、透明なプラスチックおよび不透明なプラスチックから形成され、前記透光部分は透明なプラスチックで形成され、前記半透明部分は透明なプラスチックで形成されて半透明となるよう表面処理され、前記不透明部分は不透明なプラスチックで形成されていても良い。このようにすれば、不透明部分を形成する材料を、透光部分や半透明部分を形成する材料と異ならせることができるので、材料選択の自由度を高めることができる。ここで、これら透明なプラスチックおよび不透明なプラスチックの一体化は、例えばインサート射出成形等により行うことができる。
【0013】
さらに、この発明の通路灯においては、前記透光部分は、透明なプラスチックで形成される代わりに開口部とされていても良い。このようにすれば、カバーのデザインの自由度を高めることができる。なお、この発明の通路灯におけるカバーの平面輪郭形状は、例えば一般的な矩形や円形、長円形、楕円形、多角形等の幾何学的形状の他、動植物等の自然物や自動車等の人工物の形状等、任意に選択することができる。
【0014】
そして、この発明の通路灯においては、前記通路灯が客席誘導灯であり、前記所定の表示形状が、例えば数字や文字や記号やそれらの組み合わせからなる列番号であると、前述した課題を解決する効果を奏することができるので好ましいが、前記通路灯が例えば壁面等に設けられるものであって、前記表示形状が例えば出入口の方向等、列番号以外のものを示すものであっても、その薄さと視認性の高さとを生かせるので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(a),(b)は、この発明の通路灯の一実施例としての客席誘導灯を椅子の脚部の脇に装着した状態でその脚部とともに示す正面図および縦断面図である。
【図2】(a),(b)および(c)は、上記実施例の客席誘導灯のベース板を示す正面図、下面図および(a)のA−A線に沿う縦断面図である。
【図3】(a),(b)および(c)は、上記実施例の客席誘導灯のLED基板を示す正面図、下面図および側面図である。
【図4】(a),(b)および(c)は、上記実施例の客席誘導灯のカバーを示す正面図、下面図および側面図である。
【図5】(a),(b)は、従来の客席誘導灯および列番号表示板を椅子の脚部の脇に装着した状態でその脚部とともに示す正面図および縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づく実施例によって詳細に説明する。ここに、図1(a),(b)は、この発明の通路灯の一実施例としての客席誘導灯を椅子の脚部の脇に装着した状態でその脚部とともに示す正面図および縦断面図であり、図中符号1は上記実施例の客席誘導灯を示している。
【0017】
この実施例の客席誘導灯1は、劇場等の通路に面する客席となる椅子Cの脚部Lの脇に設置されてその通路を照明するものであり、ベース板2と、そのベース板2に支持されてそのベース板2の外側(図1では斜め下方)へ向いた複数のLED(発光ダイオード)3と、ベース板2に装着されてそのベース板2および複数のLED3を覆う概略正方形の平板状のカバー4とを具えている。
【0018】
図2(a),(b)および(c)は、ベース板2を示す正面図、下面図および(a)のA−A線に沿う縦断面図であり、このベース板2は、例えばポリカーボネート等の硬質のプラスチック材料の射出成形あるいは鋼板のプレス成形等により形成され、図示のように、その両側部に位置する二個のボルト孔2aを有し、それらのボルト孔2aを貫通するボルトBによって、図1に示すように、椅子Cの脚部Lに設けられた脚カバーに締着して脚部Lの脇に固定することができる。ベース板2はまたカバー4の装着のために、図2(a)では両側の端部の表面に突出して両側端部に沿ってそれぞれ延在する二本の案内突条2bを有するとともに、図2(a)では上下の端部にそれぞれ形成された掛合突条2cを有し、上端部側の掛合突条2cは概ねベース板2の全幅に亘って延在し、下端部側の掛合突条2cは概ねベース板2の全幅の1/3の長さでベース板2の中央部に延在している。
【0019】
図3(a),(b)および(c)は、複数のLED3をプリント基板5a上に搭載したLEDユニット5を示す正面図、下面図および側面図であり、図示例のLEDユニット5では10個のLED3が、細長いプリント基板5aの表側にその長手方向に沿って一列に並べて搭載されて、そのプリント基板5aの裏側のプリント配線および電気部品からなる図示しない電気回路を介し、互いに並列に接続されるとともに、プリント基板5aの一端部(図3(a),(b)では左端部)の給電端子5bに接続されている。なお、この実施例ではプリント基板5aは、ベース板2上に傾けて位置決め搭載し易いように裏側の角部を面取りされている。
【0020】
かかるLEDユニット5の搭載のためにベース板2は、図2(a)では両側部の下端部付近に位置する二個の配線用孔2dを有するとともに、二本の案内突条2bのそれぞれの図2(a)では下端部付近に形成された三個の掛合突起2eを有し、図1(b)に示すように、LEDユニット5のプリント基板5aは、ベース板2に対し約45度傾斜して、LED3をベース板2に対し外向きすなわちここでは斜め下向きにした姿勢で、両端部をそれぞれ三個の掛合突起2eの間に挟み込まれてベース板2に位置決め固定され、そのプリント基板5aの給電端子5bに接続された給電用コード6は、その給電端子5bに近い方の配線用孔2dに挿通されて脚部Lの内部を通り、当該椅子Cが設置された上記劇場等の床下へ導かれて図示しない制御装置に接続され、点灯・消灯および明るさ等をその制御装置により制御される。
【0021】
図4(a),(b)および(c)は、カバー4を示す正面図、下面図および側面図であり、図示のようにこの実施例における概略板状のカバー4は、列番号表示板として機能する概略正方形の正面板部4aと、その正面板部4aの外周縁から正面板部4aに対し概ね直角に曲がって後方へ僅かに延在する概略正方形の枠状部4bとからなり、例えばアクリルやポリカーボネート等の硬質かつ弾性的で透明なプラスチック材料から例えば射出成形等により形成される。
【0022】
このカバー4は、枠状部4bの上部および下部の内側面に、ベース板2の図2(a)では上下端部にそれぞれ形成された掛合突条2cと嵌まり合って掛合する溝部4cを有し、ベース板2の両側端部の二本の案内突条2bが枠状部4bの両側部の内側に入るように配置して、例えば枠状部4bの上部の溝部4cをベース板2の上端部の掛合突条2cに引掛けてから枠状部4bの下部を押してその下部の溝部4cをベース板2の下端部の掛合突条2cに弾性的に嵌め合わせることで、ベース板2に装着固定されて、図1に示すように、LEDユニット5の複数のLED3を全体的に覆う。このとき、LEDユニット5の複数のLED3は、カバー4の厚さ方向の並びを列とし、カバー4の幅方向の並びを行とした場合に、1列かつ複数行(図示例のLEDユニット5では10行)となる配置で、そのカバー4の図では下端部の内側にそのカバー4の内面に沿って配列される。
【0023】
このカバー4はまた、正面板部4aから枠状部4bにかけて、LEDユニット5の複数のLED3の正面側すなわち、カバー4の図4(a),(c)では下端部に位置する透光部分4dと、LEDユニット5の複数のLED3の側方から後側すなわち、カバー4の図4(a),(c)では透光部分4dより上側の部分を覆う表示板部分4eと、を有し、その表示板部分4eは、例えば図ではAの列番号とされている所定の表示形状を外周輪郭として持つ半透明部分4fと、その周囲を囲む不透明部分4gとを持ち、それら半透明部分4fと不透明部分4gとの境界が所定の表示形状の輪郭を持つように、半透明部分4fは、カバー4を形成しているプラスチックの厚みの内部に透光部分4dから入る複数のLED3からの光の一部を透過させることによって上記Aの列番号とされている表示形状を発光表示するように粗い凹凸面等に表面処理をされ、また不透明部分4gは、カバー4の板厚方向へ光が透過しないように印刷や塗装等の表面処理をされている。なお、これと逆に表示板部分4eのうち不透明部分4gが外周輪郭として所定の表示形状を表し、その周囲を半透明部分4fが囲むようにして、半透明部分4fと不透明部分4gとの境界が所定の表示形状の輪郭を持つようにしても良い。
【0024】
かかる実施例の客席誘導灯1によれば、ベース板2を、そのベース板2の外側へ向けられてカバー4の端部の内側に沿って配列された複数のLED3が通路に向くように椅子Cの脚部Lに固定し、平板状のカバー4でそれらベース板2および複数のLED3を覆うことで、そのカバー4の透光部分4dを通して複数のLED3からの光で通路を照明することができ、またカバー4の厚さ方向に関して1列に配列された幅数mmの小さなLED3を平板状のカバー4で覆う構造ゆえ、全体の厚さを10mm以下、特には8mm前後と極めて薄くできるため、椅子Cの脚部Lの上端の肘を幅広にしなくても通常の肘幅内に収まるので、椅子の脚部等の設計の自由度を過大に制約することがない。
【0025】
また、そのカバー4が、所定の表示形状として列番号を表す半透明部分4fおよびそれを囲繞する不透明部分4gを持つ表示板部分4eを有し、その半透明部分4fが、透光部分4dからカバー4の内部に入る複数のLED3からの光の一部を透過させることによって表示形状として列番号を表示することから、当該客席誘導灯1が列番号表示板を兼ね、列番号表示板と客席誘導灯1との干渉の問題がなくなるため、列番号表示板を適度に大きくでき、しかも列番号を照明表示できるので、列番号の視認性を向上させることができる。
【0026】
さらにこの実施例の客席誘導灯1によれば、カバー4は、アクリルやポリカーボネート等の透明なプラスチックから形成され、透光部分4dは透明なままにされ、半透明部分4fは半透明となるよう凹凸面等に表面処理され、不透明部分4gは不透明となるよう塗装等で表面処理されるので、射出成形等で半透明部分4f以外を透明に形成したカバー材料の不透明部分とする部分に塗装を施すことで、容易にカバー4を製造することができる。
【0027】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更し得るものであり、例えば、前記カバーは、透明なプラスチックおよび不透明なプラスチックから形成され、前記透光部分は透明なプラスチックで形成され、前記半透明部分は透明なプラスチックで形成されて半透明となるよう表面処理され、前記不透明部分は不透明なプラスチックで形成されていても良い。さらに、前記透光部分は、透明なプラスチックで形成される代わりに開口部とされていても良い。そして、カバーの平面輪郭形状は、例えば一般的な矩形や円形、長円形、楕円形、多角形等の幾何学的形状の他、動植物等の自然物や自動車等の人工物の形状等、任意に選択することができる。
【0028】
また、前記複数のLEDを有するLEDユニットは、カバー端部に沿って延在する細長い棒状をなすものでも良く、また、複数のLEDをLEDの前後方向に関して二列以上に並べたものでも良い。そして、この発明の通路灯は、客席誘導灯でなく、例えば壁面等に設けられるものであって、前記表示形状が例えば出入口の方向等、列番号以外のものを示すものであっても良く、その場合にもその薄さと視認性の高さとを生かせるので好ましい。
【0029】
さらにこの発明の通路灯は、上下にそれぞれ向けて設けたLEDの電気的切り替えや、LEDユニットの端部やLEDユニットに沿わせて設けた遮光板に付けた操作つまみ等によるLEDの向きあるいは遮光板の位置の機械的変更によって、通路等の設置状況等に応じて通路を照明する機能と所定の表示形状を照明表示する機能との何れか一方または両方を選択できるように構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0030】
かくしてこの発明の通路灯によれば、客席誘導灯として椅子の脚部の脇に設ける場合に、ベース板を、そのベース板の外側へ向けられてカバーの一端部の内側に配置された1個または複数個のLEDが通路に向くように椅子の脚部に固定し、平板状のカバーでそれらベース板およびLEDを覆うことで、そのカバーの透光部分を通してLEDからの光で通路を照明することができ、また、1個または、カバーの厚さ方向の並びを列としカバーの幅方向の並びを行とした場合に1列かつ複数行となる配置とされた幅数mmの小さなLEDを平板状のカバーで覆う構造ゆえ、全体の厚さを10mm以下、特には8mm前後と極めて薄くできるため、椅子の脚部の上端の肘を幅広にしなくても通常の肘幅内に収まるので、椅子の脚部等の設計の自由度を過大に制約することがない。
【0031】
また、そのカバーが、半透明部分および不透明部分を持つ表示板部分を有し、それら半透明部分と不透明部分との境界が、所定の表示形状の輪郭を持ち、その半透明部分が、LEDからカバーの厚みの内部やカバーの内側に入った光の一部を透過させることから、その表示形状で例えば数字や文字や記号やそれらの組み合わせからなる列番号を表示することで、当該通路灯が列番号表示板を兼ね、列番号表示板と客席誘導灯との干渉の問題がなくなるため、列番号表示板を適度に大きくでき、しかも半透明部分の光で列番号を照明表示できるので、列番号の視認性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 客席誘導灯
2 ベース板
2a ボルト孔
2b 案内突条
2c 掛合突条
2d 配線用孔
2e 掛合突起
3 LED
4 カバー
4a 正面板部
4b 枠状部
4c 溝部
4d 透光部分
4e 表示板部分
4f 半透明部分
4g 不透明部分
5 LEDユニット
5a プリント基板
5b 給電端子
6 給電用コード
11 客席誘導灯
12 器具ベース
13 ソケット
14 小型電球
15 カバー
B ボルト
C 椅子
L 脚部
S 支持構体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定可能なベース板(2)と、
前記ベース板に支持されてそのベース板の外側へ向けられたLED(3)と、
前記ベース板に装着されてそのベース板および前記LEDを覆う平板状のカバー(4)と、
を具える通路灯(1)において、
前記LEDは、1個、または前記カバーの厚さ方向の並びを列とし前記カバーの幅方向の並びを行とした場合に1列かつ複数行となる配置で複数個、前記カバーの一端部の内側に配置され、
前記カバーは、前記LEDの正面側に位置する透光部分(4d)と、前記LEDの側方から後側の部分を覆う表示板部分(4e)と、を有し、
前記表示板部分は、半透明部分(4f)および不透明部分(4g)を持ち、
前記半透明部分と前記不透明部分との境界は、所定の表示形状の輪郭を持ち、
前記半透明部分は、前記LEDからの光の一部を透過させることを特徴とする通路灯。
【請求項2】
前記カバー(4)は、透明なプラスチックから形成され、
前記透光部分(4d)は透明なままにされ、
前記半透明部分(4f)は半透明となるよう表面処理され、
前記不透明部分(4g)は不透明となるよう表面処理されていることを特長とする、請求項1記載の通路灯。
【請求項3】
前記カバー(4)は、透明なプラスチックおよび不透明なプラスチックから形成され、
前記透光部分(4d)は透明なプラスチックで形成され、
前記半透明部分(4f)は透明なプラスチックで形成されて半透明となるよう表面処理され、
前記不透明部分(4g)は不透明なプラスチックで形成されていることを特長とする、請求項1記載の通路灯。
【請求項4】
前記透光部分(4d)は、透明なプラスチックで形成される代わりに開口部とされていることを特長とする、請求項2または3記載の通路灯。
【請求項5】
前記通路灯は、客席誘導灯(1)であり、
前記所定の表示形状は、列番号であることを特長とする、請求項1から4までの何れか1項記載の通路灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−100963(P2012−100963A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253551(P2010−253551)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(510274430)コトブキシーティング株式会社 (17)
【Fターム(参考)】