部品実装装置及び部品実装方法
【課題】搭載ヘッドの可動範囲よりも大きいサイズを有する回路基板上に、電子部品を適正に搭載することができる部品実装装置及び部品実装方法を提供する。
【解決手段】部品実装装置1は、X方向の長さがヘッド可動範囲より長い回路基板5をX方向にずれた2箇所でクランプして停止させ、各停止位置で電子部品20を搭載する。このとき、一方の停止位置のみで搭載可能な部品は、その停止位置で装着し、両方の停止位置で搭載可能な部品は、装着優先度が高い場合(背が低い部品、下に搭載する部品)は1回目の停止位置、装着優先度が低い場合(背が高い部品、上に搭載する部品)は2回目の停止位置で装着する。
【解決手段】部品実装装置1は、X方向の長さがヘッド可動範囲より長い回路基板5をX方向にずれた2箇所でクランプして停止させ、各停止位置で電子部品20を搭載する。このとき、一方の停止位置のみで搭載可能な部品は、その停止位置で装着し、両方の停止位置で搭載可能な部品は、装着優先度が高い場合(背が低い部品、下に搭載する部品)は1回目の停止位置、装着優先度が低い場合(背が高い部品、上に搭載する部品)は2回目の停止位置で装着する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給装置から供給された部品を、基板上に装着する部品実装装置及び部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の部品実装装置としては、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、回路基板の搬送方向にずれた複数の停止位置で回路基板をクランプし、各停止位置で電子部品を搭載するものである。これにより、回路基板のサイズが搭載ヘッドの可動範囲(部品搭載が可能な領域)よりも大きい場合でも、回路基板の全体に電子部品を搭載することができる。
また、このように複数の停止位置で電子部品を搭載するものとして、回路基板の部品搭載領域を複数の部分領域に均等に分割し、それら部分領域毎に、所定の装着順序に従って電子部品を搭載するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−313494号公報
【特許文献2】特開2004−103828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、回路基板には、背の高い電子部品と背の低い電子部品とを隣接して搭載したり、小さい電子部品の上に大きい電子部品を覆うように搭載したり、更には大きい電子部品の上面に小さい電子部品を搭載したりする場合がある。
しかしながら、上記従来の部品実装装置にあっては、これらの点が考慮されていないため、電子部品の搭載位置ずれや破損、欠品や誤搭載が発生してしまうおそれがある。
【0005】
すなわち、図13に示すように、背の高い電子部品102aと背の低い電子部品102bとを隣接して搭載する場合、1回目の停止位置で搭載する搭載点と2回目の停止位置で搭載する搭載点との境界が、電子部品102aと電子部品102bとの間に設定されてしまうことがある。この場合、1回目の停止位置で回路基板101に背の高い電子部品102aを搭載した後に、2回目の停止位置で背の低い電子部品102bを搭載することになる。そのため、電子部品102bの搭載時に、背の高い電子部品102aと吸着ノズル103とが干渉し、電子部品102aの位置がずれたり破損したりするおそれがある。
【0006】
また、図14に示すように、小さい電子部品102d−1〜102d−3の上に大きい電子部品102cを覆うように搭載する場合、上に搭載すべき電子部品102cを1回目の停止位置で搭載し、下に搭載するべき電子部品102d−3を2回目の停止位置で搭載するように、搭載点が分割されてしまう場合がある。この場合、1回目の停止位置で回路基板101に電子部品102cを搭載してしまうため、電子部品102d−3を正しい位置に搭載できない。
【0007】
さらに、図15に示すように、大きい電子部品102fの上面に小さい電子部品102e−1及び102e−2を搭載する場合、上に搭載する電子部品102e−1を1回目の停止位置で搭載し、下に搭載すべき電子部品102fを2回目の停止位置で搭載するように、搭載点が分割されてしまう場合がある。この場合、1回目の停止位置で電子部品102e−1が回路基板101上に直接搭載されてしまう。
このように、電子部品の欠品や誤搭載が発生するおそれがある。
そこで、本発明は、搭載ヘッドの可動範囲よりも大きいサイズを有する回路基板上に、電子部品を適正に搭載することができる部品実装装置及び部品実装方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に係る部品実装装置は、吸着ノズルにより基板上の所定位置に部品を装着する部品実装装置であって、前記基板を一方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段を制御して、前記基板を複数の停止位置に停止する搬送制御手段と、前記各停止位置で前記基板上に装着する部品のリストを設定する装着部品設定手段と、前記装着部品設定手段で設定したリストに基づいて、前記各停止位置で前記基板上に部品を装着する部品装着手段と、を備え、前記搬送制御手段は、少なくとも隣り合う停止位置で、前記吸着ノズルによる部品搭載可能範囲に対応する前記基板上の領域の一部が重複するように、前記複数の停止位置を設定し、前記装着部品設定手段は、前記重複する領域において、前記部品の高さ及び前記部品の装着位置に応じた部品の装着優先度に基づいて、前記リストを設定することを特徴としている。
【0009】
このように、回路基板を複数の停止位置に停止させ、各停止位置で部品の搭載処理を行う。このとき、各停止位置で回路基板に搭載する部品を、部品の背の高さや部品の配置に応じて決定するので、優先度の高い部品(背の低い部品や下に配置する部品)を先に搭載し、その後に優先度の低い部品(背の高い部品や上に配置する部品)を搭載することができる。その結果、回路基板上に搭載すべき部品を、搭載位置ずれや欠品等を発生することなく適正に搭載することができる。
【0010】
また、請求項2に係る部品実装装置は、請求項1に係る発明において、前記装着部品設定手段は、前記複数の停止位置のうち一の停止位置のみで前記基板上に装着可能な部品は、当該一の停止位置で装着し、二以上の停止位置で前記基板上に装着可能な部品は、前記装着優先度が高いほど、前記二以上の停止位置のうち前記基板の搬送方向上流側に位置する前記停止位置で装着するように、前記リストを設定することを特徴としている。
これにより、優先度の高い部品であるほど早期に基板上に搭載することができる。
【0011】
さらに、請求項3に係る部品実装装置は、請求項2に係る発明において、前記装着部品設定手段は、前記部品の高さが低いほど装着優先度を高く設定することを特徴としている。
これにより、先に背の低い部品を基板上に搭載し、その後に背の高い部品を基板上に搭載することができる。そのため、背の低い部品を搭載する際に、搭載済みの背の高い部品と吸着ヘッドとが干渉することに起因する部品の搭載位置ずれや破損を防止することができる。
【0012】
また、請求項4に係る部品実装装置は、請求項2又は3に係る発明において、前記装着部品設定手段は、上下方向に重ねて配置する部品のうち、下に位置するほど装着優先度を高く設定することを特徴としている。
これにより、先に下に配置する部品を搭載し、その後に上に配置する部品を搭載することができる。そのため、小さい部品の上に大きい部品を覆うように搭載する場合や、大きい部品の上面に小さい部品を搭載する場合など、部品を上下に重ねて搭載する場合の順番の入れ替わりや欠品を防止することができる。
【0013】
さらにまた、請求項5に係る部品実装方法は、吸着ノズルにより基板上の所定位置に部品を装着する部品実装方法であって、前記基板を一方向に搬送しつつ複数の停止位置に停止し、各停止位置で前記基板上に部品を装着する際に、少なくとも隣り合う停止位置で、前記吸着ノズルによる部品搭載可能範囲に対応する前記基板上の領域の一部が重複するように、前記複数の停止位置を設定すると共に、前記各停止位置で前記基板上に装着する部品のリストを、前記重複する領域において、前記部品の高さ及び前記部品の装着位置に応じた部品の装着優先度に基づいて設定することを特徴としている。
これにより、回路基板上に搭載すべき部品を、搭載位置ずれや欠品等を発生することなく適正に搭載することができる部品実装方法とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、各停止位置で回路基板上に搭載する部品を、部品の高さや部品の上下の配置に応じた装着優先度に基づいて決定するので、搭載ヘッドの部品搭載可能範囲よりも大きいサイズを有する回路基板に、正しく部品を搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明における部品実装装置を示す平面図である。
【図2】回路基板の停止位置を説明する図である。
【図3】搭載ヘッドの構成を示す図である。
【図4】制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】コントローラで実行する処理手順を示すフローチャートである。
【図6】各停止位置における部品搭載可能な範囲を示す図である。
【図7】電子部品を隣接して搭載するときの動作を説明する図である。
【図8】電子部品を隣接して搭載するときの動作を説明する図である。
【図9】小さい電子部品の上に大きい電子部品を搭載するときの動作を説明する図である。
【図10】小さい電子部品の上に大きい電子部品を搭載するときの動作を説明する図である。
【図11】大きい電子部品の上面に小さい電子部品を搭載するときの動作を説明する図である。
【図12】大きい電子部品の上面に小さい電子部品を搭載するときの動作を説明する図である。
【図13】電子部品を隣接して搭載するときの従来の課題を説明する図である。
【図14】小さい電子部品の上に大きい電子部品を搭載するときの従来の課題を説明する図である。
【図15】大きい電子部品の上面に小さい電子部品を搭載するときの従来の課題を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本発明における部品実装装置を示す平面図である。
図中、符号1は部品実装装置である。この部品実装装置1は、基台10の上面にX方向に延在する一対の搬送レール11を備える。この搬送レール11は、回路基板5の両側辺部を支持し、搬送用モータ(図示せず)により駆動されることで回路基板5をX方向に搬送する。
【0017】
また、部品実装装置1は搭載ヘッド12を備える。この搭載ヘッド12は、下部に電子部品を吸着する複数の吸着ノズルを備え、X軸ガントリ13及びY軸ガントリ14により、基台10上をXY方向に水平移動可能に構成されている。
この部品実装装置1には、搬送レール11のY方向両側に、テープフィーダ等により電子部品を供給する部品供給装置15が装着される。そして、部品供給装置15から供給された電子部品は、搭載ヘッド12の吸着ノズルによって真空吸着され、回路基板5上に実装搭載される。
【0018】
回路基板5は、搬送レール11上でX方向にずれた2箇所でクランプされ、停止するようになっており、各停止位置でそれぞれ部品搭載が行われる。すなわち、先ず、図2(a)に示すように、回路基板5の搬送方向前方側の一部分が、吸着ノズルの部品搭載可能範囲(ヘッド可動範囲)内に入る1回目の停止位置に回路基板5を停止して、部品の搭載処理を行う。次に、回路基板5を搬送し、図2(b)に示すように、回路基板5の搬送方向後方側の一部分がヘッド可動範囲内に入る2回目の停止位置に回路基板5を停止して、部品の搭載処理を行う。このように、本実施形態では、ヘッド可動範囲よりもX方向に長い回路基板5に電子部品を搭載する。なお、1回目の停止位置における吸着ヘッドの部品搭載可能範囲に対応する回路基板5上の領域(被搭載領域)と、2回目の停止位置における回路基板5上の被搭載領域とで、重複した領域を有するものとする。
【0019】
また、部品供給装置15と回路基板5との間には、CCDカメラからなる認識カメラ21を配置する。この認識カメラ21は、電子部品の吸着位置ずれ(吸着ノズルの中心位置と吸着した部品の中心位置とのずれ)や、吸着角度ずれ(傾き)を検出するために、吸着ノズルで吸着した電子部品を撮像するものである。
さらに、部品実装装置1には、吸着する部品のサイズや形状に応じて、吸着ノズルを交換するためのノズル交換機16が設けられている。このノズル交換機16内には複数種のノズルが保管、管理されている。
【0020】
次に、搭載ヘッド12の構成について、図3をもとに説明する。
搭載ヘッド12は、その基台12aが図1に示すX軸ガントリ13に取り付けられることで、X方向に移動可能となっている。
また、搭載ヘッド12は、電子部品20を吸着保持する吸着ノズル12bを複数備える。各吸着ノズル12bは、θ軸回転機構12cによってノズル軸(吸着軸)を中心に回転可能であると共に、Z軸駆動機構12dによってZ方向(高さ方向)に昇降可能に構成されている。
【0021】
さらに、搭載ヘッド12には、支持部材12eを介して距離センサ22が取り付けられている。この距離センサ22は、センサ光により吸着ノズル12bと回路基板5とのZ方向の距離(高さ)を測定する。
図4は、部品実装装置1の制御系の構成を示すブロック図である。
部品実装装置1は、装置全体を制御するCPU、RAM及びROMなどを備えるマイクロコンピュータからなるコントローラ30を備える。コントローラ30には、以下に示す各構成31〜41が接続され、それぞれを制御する。
【0022】
バキューム機構31は真空を発生し、不図示のバキュームスイッチを介して各吸着ノズル12bに真空の負圧を発生させる。
X軸モータ32は、搭載ヘッド12をX軸ガントリ13に沿ってX軸方向に移動させるための駆動源であり、Y軸モータ33は、X軸ガントリ13をY軸ガントリ14に沿ってY軸方向に移動させるための駆動源である。このような構成により、搭載ヘッド12はXY方向に移動可能となる。
【0023】
Z軸モータ34は、吸着ノズル12bをZ方向に昇降させるZ軸駆動機構12dの駆動源である。また、θ軸モータ35は、吸着ノズル12bをそのノズル中心軸(吸着軸)を中心にして回転させるθ軸回転機構12cの駆動源である。
なお、図4では、Z軸モータ34とθ軸モータ35は、それぞれ1つずつしか図示していないが、実際は吸着ノズル12bの数だけ設けられる。
【0024】
距離測定機構36は、距離センサ22が照射したセンサ光の反射光から、対象物までの距離を検出する。
また、認識装置38は、吸着ノズル12bのそれぞれに吸着された電子部品20の画像認識を行うものであり、A/D変換器38a、メモリ38b及びCPU38cを備える。A/D変換器38aは、認識カメラ21から出力されるアナログの画像信号をデジタル信号(画像データ)に変換してメモリ38bに格納する。CPU38cは、その画像データに基づいて、吸着ノズル12bで吸着された電子部品20の吸着位置ずれ量と吸着角度ずれ量を算出する。
【0025】
キーボード39及びマウス40は、操作者が部品データなどのデータを入力するために用いられる。また、記憶装置37は、フラッシュメモリなどで構成され、キーボード39とマウス40とにより入力された部品データ、あるいは不図示のホストコンピュータから供給される部品データを格納する。
モニタ41は、部品データ、演算データ及び認識カメラ21で撮像した電子部品20の画像などを表示する。
【0026】
また、コントローラ30は、図5に示す部品リスト作成処理を実行し、各停止位置で回路基板5に搭載する部品のリストを作成する。ここでは、2回ある停止位置のうち、どちらか一方の停止位置だけで搭載可能な電子部品20は、その停止位置で搭載し、どちらの停止位置でも搭載可能な電子部品20は、装着優先度(以下、単に優先度と称す)の高い電子部品20を1回目の停止位置、優先度の低い電子部品20を2回目の停止位置で搭載するように部品リストを作成する。
すなわち、図5に示すように、先ずステップS1で、回路基板5に搭載する全ての電子部品20のリストを作成する。ここでは、操作者が入力した各電子部品20の種類や大きさ、基板上の搭載位置等の情報がリストに設定される。
【0027】
次にステップS2では、前記ステップS1で作成したリストから部品情報を読み出し、その部品が1回目の停止位置で搭載不可であるか否かを判定する。具体的には、その部品が、図6に示す領域C(2回目の停止位置でのみ搭載可能な領域)に搭載する部品であるか否かを判定する。
そして、1回目の停止位置で搭載不可であると判定した場合には、ステップS3に移行し、2回目の停止位置で搭載することをリストに設定して後述するステップS9に移行する。
【0028】
一方、前記ステップS2で、1回目の停止位置で搭載可能であると判定した場合には、ステップS4に移行し、その部品が2回目の停止位置で搭載不可であるか否かを判定する。具体的には、図6に示す領域A(1回目の停止位置でのみ搭載可能な領域)に搭載する部品であるか否かを判定する。
そして、2回目の停止位置で搭載不可であると判定した場合には、ステップS5に移行し、1回目の停止位置で搭載することをリストに設定して後述するステップS9に移行する。
【0029】
一方、前記ステップS4で、2回目の停止位置で搭載可能、即ち図6に示す領域B(どちらの停止位置でも搭載可能な領域)に搭載する部品であると判定した場合にはステップS6に移行し、その部品の優先度が高いか否かを判定する。本実施形態では、背の低い電子部品や他の電子部品の下に配置する電子部品を優先度の高い電子部品とし、逆に、背の高い電子部品や他の電子部品の上に配置する電子部品を優先度の低い電子部品とする。
そして、優先度が高いと判定した場合にはステップS7に移行し、1回目の停止位置で搭載することをリストに設定してステップS9に移行する。一方、優先度が低いと判定した場合にはステップS8に移行し、2回目の停止位置で搭載することをリストに設定してステップS9に移行する。
【0030】
ステップS9では、前記ステップS1で作成したリストに格納された全ての電子部品について、何れの停止位置で搭載するかを設定したか否かを判定する。そして、全電子部品の設定が完了していない場合には前記ステップS2に移行し、全電子部品の設定が完了した場合にはステップS10に移行する。
ステップS10では、1回目の停止位置で搭載する各部品について、搭載順を最適化する処理を行う。ここでは、1回目の停止位置で搭載する部品のうち、優先度の高い部品(背の低い部品、下に配置する部品)を先に搭載し、優先度の低い部品(背の高い部品、上に配置する部品)を後から搭載するよう搭載順を決定する。
【0031】
次にステップS11では、2回目の停止位置で搭載する各部品について、前記ステップS10と同様に搭載順を最適化する処理を行う。
ステップS12では、前記ステップS10及びS11で最適化した結果を結合し、これを記憶装置37に記憶してから部品リスト作成処理を終了する。
なお、搬送レール11が搬送手段に対応し、距離センサ22及び搬送用モータが搬送制御手段に対応し、図5の処理が装着部品設定手段に対応し、搭載ヘッド12、X軸モータ32、Y軸モータ33及びZ軸モータ34が部品装着手段に対応している。
【0032】
(動作)
次に、本実施形態の動作について説明する。
先ず、搬送用モータを駆動して、X方向の長さがヘッド可動範囲よりも長い回路基板5を、搬送レール11に沿って移動する。そして、図2(a)に示す1回目の停止位置で回路基板5を停止する。ここでは、予め設定した第1の停止基準位置に搭載ヘッド12を移動しておき、搭載ヘッド12に設置した距離センサ22が搬送レール11上を移動してきた回路基板5を検出したとき、搬送用モータを停止して回路基板5の移動を停止するようにする。
ここで、上記第1の停止基準位置は、搬送レール11による回路基板5の搬入側を上流側、搬出側を下流側とした場合、例えば、図2(a)に示す1回目の停止位置における回路基板5の下流側端部(ヘッド可動範囲の下流側端部)の位置に設定する。
【0033】
そして、この1回目の停止位置において、記憶装置37に記憶した部品リストを参照して電子部品の搭載処理を行う。すなわち、コントローラ30は、X軸モータ32及びY軸モータ33を駆動制御して搭載ヘッド12を所定の部品供給位置まで移動し、次いでバキューム機構31を駆動制御して部品供給装置15から電子部品20を真空吸着する。このとき、認識カメラ21で電子部品20の吸着位置ずれ等を確認する。そして、コントローラ30は、再びX軸モータ32及びY軸モータ33を駆動制御して搭載ヘッド12を回路基板5の所定の部品搭載位置まで移動し、Z軸モータ34を駆動制御して吸着ノズル12bを下降することで、電子部品20を回路基板5上に装着する。
【0034】
1回目の停止位置における部品搭載が終了すると、搬送レール11によって回路基板5を下流側へと移動し、図2(b)に示す2回目の停止位置で停止する。ここでは、予め設定した第2の停止基準位置に搭載ヘッド12を移動しておき、搭載ヘッド12に設置した距離センサ22が搬送レール11上の回路基板5を検出しない状態となったとき、搬送用モータを停止して回路基板5の移動を停止するようにする。
ここで、上記第2の停止基準位置は、例えば、図2(b)に示す2回目の停止位置における回路基板5の上流側端部(ヘッド可動範囲の上流側端部)の位置に設定する。
【0035】
そして、この2回目の停止位置においても、同様に記憶装置37に記憶した部品リストを参照し、電子部品の搭載処理を行う。2回目の停止位置における部品搭載が終了すると、搬送レール11によって回路基板5を下流側へと移動し、部品実装装置1の外部に搬出する。
このように、先ずは搬送方向上流側に位置する1回目の停止位置において、図6に示す領域A及びB内に電子部品を搭載し、次に搬送方向下流側に位置する2回目の停止位置において、図6に示す領域B及びC内に電子部品を搭載する。
【0036】
このとき、図7に示すように、領域Aと領域Bとの境界αを跨いで背の高い電子部品20aと背の低い電子部品20bとを隣接配置する場合、コントローラ30は、電子部品20aについては、1回目の停止位置で搭載可(図5のステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載不可(ステップS4でYes)であると判定する。そのため、電子部品20aを1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS5)。
【0037】
一方、電子部品20bについては、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。また、電子部品20bは背の低い部品であるため優先度が高いと判定する(ステップS6でYes)。そのため、電子部品20bについても、1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS7)。
したがって、電子部品20aと電子部品20bとは、何れも1回目の停止位置で搭載されることになる。但し、電子部品20bは、電子部品20aより背の低い部品であるため、電子部品20aよりも搭載順が先になる(ステップS10)。すなわち、1回目の停止位置において、電子部品20bを搭載した後に、電子部品20aを搭載することになる。
【0038】
また、図8に示すように、領域Bと領域Cとの境界βを跨いで背の高い電子部品20aと背の低い電子部品20bとを隣接配置する場合には、コントローラ30は、電子部品20aについては、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。また、電子部品20aは背の高い部品であるため、優先度は低いと判定する(ステップS6でNo)。そのため、電子部品20aを2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS8)。
【0039】
一方、電子部品20bについては、1回目の停止位置で搭載不可(ステップS2でYes)であると判定する。そのため、電子部品20bについても、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS3)。
したがって、電子部品20aと電子部品20bとは、何れも2回目の停止位置で搭載されることになる。但し、電子部品20bは、電子部品20aより背の低い部品であるため、電子部品20aよりも搭載順が先になる(ステップS11)。すなわち、2回目の停止位置において、電子部品20bを搭載した後に、電子部品20aを搭載することになる。
【0040】
図7や図8のように、境界αや境界βを跨いで背の高い電子部品20aと背の低い電子部品20bとを隣接して搭載する場合、優先度(部品の背の高さ)を考慮しない一般的な方法では、1回目の停止位置で背の高い電子部品20aを搭載した後に、2回目の停止位置で背の低い電子部品20bを搭載するように搭載順が設定されてしまうことがある。この場合、電子部品20bの搭載時に、搭載済みの背の高い電子部品20aと電子部品20bを吸着した吸着ノズル12bとが干渉するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、優先度(部品の背の高さ)を考慮して各停止位置で搭載する部品を決定するので、背の低い電子部品を搭載した後に背の高い電子部品を搭載することができ、上述したような吸着ノズルの干渉を防止することができる。その結果、吸着ノズルの干渉に起因する部品の搭載位置ずれや破損を防止することができる。
【0041】
次に、複数の小さい電子部品の上に大きい電子部品を覆うように搭載する場合について説明する。
図9に示すように、小さい電子部品20d−1〜20d−3の上に大きい電子部品20cを覆うように搭載する場合に、境界αが電子部品20d−2と電子部品20d−3との間に位置するものとする。この場合、コントローラ30は、電子部品20c、20d−1及び20d−2については、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載不可(ステップS4でYes)であると判定する。そのため、電子部品20c、20d−1及び20d−2を1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS5)。
【0042】
一方、電子部品20d−3については、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。また、電子部品20d−3は他の部品の下に搭載される部品であるため、優先度が高いと判定する(ステップS6でYes)。そのため、電子部品20d−3についても、1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS7)。
【0043】
したがって、これらの電子部品は、何れも1回目の停止位置で搭載されることになる。但し、電子部品20d−1〜20d−3は、電子部品20cの下に搭載される部品であるため、電子部品20cよりも搭載順が先になる(ステップS10)。すなわち、1回目の停止位置において、電子部品20d−1〜20d−3を搭載した後に、電子部品20cを搭載することになる。
【0044】
また、図10に示すように、境界βが電子部品20d−2と電子部品20d−3との間に位置する場合には、コントローラ30は、電子部品20c、20d−1及び20d−2については、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。
このとき、電子部品20d−1及び20d−2は、他の部品の下に搭載される部品であるため優先度が高いと判定し(ステップS6でYes)、1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS7)。ところが、電子部品20cは、他の部品の上に搭載される部品であるため優先度は低いと判定し(ステップS6でNo)、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS8)。
【0045】
一方、電子部品20d−3については、1回目の停止位置で搭載不可(ステップS2でYes)であると判定する。そのため、電子部品20d−3については、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS3)。
したがって、この場合には、1回目の停止位置で電子部品20d−1と電子部品20d−2を搭載した後、2回目の停止位置で電子部品20d−3と電子部品20cとを搭載することになる。ここで、電子部品20d−3は、電子部品20cの下に搭載する部品であるため、電子部品20cよりも搭載順が先になる(ステップS11)。すなわち、2回目の停止位置において、電子部品20d−3を搭載した後に、電子部品20cを搭載することになる。
【0046】
次に、大きい電子部品の上に複数の小さい電子部品を搭載する場合について説明する。
図11に示すように、大きい電子部品20fの上に小さい電子部品20e−1及び20e−2を搭載する場合に、境界αが電子部品20e−1と電子部品20e−2との間に位置するものとする。この場合、コントローラ30は、電子部品20e−1については、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載不可(ステップS4でYes)であると判定する。そのため、電子部品20e−1を1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS5)。
【0047】
一方、電子部品20e−2及び20fについては、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。このとき、電子部品20fは、他の部品の下に搭載される部品であるため優先度が高いと判定し(ステップS6でYes)、1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS7)。ところが、電子部品20e−2は、他の部品の上に搭載される部品であるため優先度は低いと判定し(ステップS6でNo)、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS8)。
【0048】
したがって、この場合には、1回目の停止位置で電子部品20fと電子部品20e−1とを搭載した後、2回目の停止位置で電子部品20e−2を搭載することになる。ここで、電子部品20fは、電子部品20e−1の下に搭載する部品であるため、電子部品20e−1よりも搭載順が先になる(ステップS10)。すなわち、1回目の停止位置において、電子部品20fを搭載した後に、電子部品20e−1を搭載することになる。
【0049】
また、図12に示すように、境界βが電子部品20e−1と電子部品20e−2との間に位置する場合には、コントローラ30は、電子部品20e−1については、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。
このとき、電子部品20e−1は、上に搭載する部品であるため優先度は低いと判定し(ステップS6でNo)、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS8)。
【0050】
一方、電子部品20e−2及び20fについては、1回目の停止位置で搭載不可(ステップS2でYes)であると判定する。そのため、電子部品20e−2及び20fについては、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS3)。
したがって、これらの電子部品は、何れも2回目の停止位置で搭載されることになる。但し、電子部品20fは、電子部品20e−1及び20e−2の下に搭載される部品であるため、電子部品20e−1及び20e−2よりも搭載順が先になる(ステップS11)。すなわち、2回目の停止位置において、電子部品20fを搭載した後に、電子部品20e−1及び20e−2を搭載することになる。
【0051】
図9や図10のように、境界αや境界βを跨いで小さい電子部品20d−1〜20d−3の上を覆う大きい電子部品20cを搭載する場合、優先度(部品の上下の配置)を考慮しない一般的な方法では、上に搭載すべき電子部品20cを1回目の停止位置で搭載し、下に搭載すべき電子部品20d−3を2回目の停止位置で搭載するように設定してしまうことがある。
【0052】
また、図11や図12のように、境界αや境界βを跨いで小さい電子部品20e−1及び20e−2の下に配置される大きい電子部品20fを搭載する場合、優先度(部品の上下の配置)を考慮しない一般的な方法では、上に搭載すべき電子部品20e−1を1回目の停止位置で搭載し、下に搭載すべき電子部品20fを2回目の停止位置で搭載するように設定してしまうことがある。
これに対し、本実施形態では、優先度(部品の上下の配置)を考慮して各停止位置で搭載する部品を決定するので、下に搭載すべき電子部品を搭載した後に、上に搭載すべき電子部品を搭載することができる。その結果、部品の欠品や誤搭載を防止することができる。
【0053】
また、重複する領域Bに背の高い電子部品20aと背の低い電子部品20bとを隣接配置する場合について説明する。電子部品20aについては、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。電子部品20aは背の高い部品であるため、優先度は低いと判定する(ステップS6でNo)。そのため、電子部品20aを2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS8)。
電子部品20bについては、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。電子部品20bは背の低い部品であるため、優先度は高いと判定する(ステップS6でYes)。そのため、電子部品20aを1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS7)。
【0054】
このように重複する領域Bに背の高い電子部品20aと背の低い電子部品20bとを隣接配置する場合、背の高い電子部品20aを2回目に搭載し、背の低い電子部品20bを1回目に搭載する。したがって、領域Aにも他の背の低い電子部品20bを配置する場合には、複数のノズルを備えたヘッドで背の低い電子部品20bを同時に吸着して、領域Aと領域Bに複数の背の低い部品20bを一度に装着できるため、作業効率が高い。
同様に、領域Cにも他の背の高い電子部品20aを配置する場合には、複数のノズルを備えたヘッドで背の高い電子部品20aを同時に吸着して、領域Bと領域Cに複数の背の高い部品20aを一度に装着できるため、作業効率が高い。
【0055】
次に、重複する領域Bにおいて、小さい電子部品20d−1〜20d−3の上に大きい電子部品20cを覆うように搭載する場合について説明する。電子部品20d−1〜20d−3及び電子部品20cは、それぞれ1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定される。そして、電子部品20d−1〜20d−3は、他の部品の下に搭載される部品であり優先度が高いため、1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定される(ステップS7)。一方、電子部品20cは、他の部品の上に搭載される部品であり優先度が低いため、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定される(ステップS8)。
【0056】
さらに、重複する領域Bにおいて、大きい電子部品20fの上に小さい電子部品20e−1及び20e−2を搭載する場合には、大きい電子部品20f及び小さい電子部品20e−1及び20e−2はそれぞれ1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定される。そして、大きい電子部品20fは、他の部品の下に搭載される部品であり優先度が高いため、1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定される(ステップS7)。一方、小さい電子部品20e−1及び20e−2は、他の部品の上に搭載される部品であり優先度が低いため、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定される(ステップS8)。
【0057】
(効果)
このように、上記実施形態では、搭載ヘッドの部品搭載可能範囲より大きいサイズを有する回路基板を、回路基板の搬送方向にずれた2箇所でクランプして停止させ、各停止位置で電子部品の搭載を行う。このとき、各停止位置で回路基板に搭載する電子部品を、電子部品の背の高さや電子部品の上下の配置に応じた優先度に応じて決定する。これにより、優先度の高い電子部品(背の低い電子部品や下に配置する電子部品)を先に搭載し、その後に優先度の低い電子部品(背の高い電子部品や上に配置する電子部品)を搭載することができる。
【0058】
したがって、背の高い電子部品と背の低い電子部品とを隣接配置する場合には、背の低い電子部品を搭載する際に搭載済みの背の高い電子部品と吸着ヘッドとが干渉することに起因する電子部品の搭載位置ずれや破損を防止することができる。さらに、電子部品を上下に重ねて搭載する場合には、電子部品の搭載順の入れ替わりや欠品を防止することができる。
このように、回路基板上に電子部品を正しく搭載することができる。
【0059】
(応用例)
なお、上記実施形態においては、回路基板5のクランプを2回とする場合について説明したが、3回以上とすることもできる。
また、上記実施形態においては、搭載ヘッド12に設置した距離センサ22を用いて、回路基板5を各停止位置に停止させる場合について説明したが、別の検出センサによって第1及び第2の停止基準位置における回路基板5の有無を検出し、回路基板5を各停止位置に停止させるようにしてもよい。
【0060】
さらに、第1の停止基準位置をヘッド可動範囲の下流側端部とし、第2の停止基準位置をヘッド可動範囲の上流側端部とする場合について説明したが、図2(a)及び(b)に示す状態で回路基板5を停止できればよく、例えば、第2の停止基準位置を、図2(b)に示す2回目の停止位置における回路基板5の下流側端部に設定し、距離センサ22が搬送レール11上を移動してきた回路基板5を検出したときに、回路基板5の移動を停止するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…部品実装装置、5…回路基板、11…搬送レール、12…搭載ヘッド、12b…吸着ノズル、12c…θ軸駆動機構、12d…Z軸駆動機構、13…X軸ガントリ、14…Y軸ガントリ、15…部品供給装置、16…ノズル交換機、20…電子部品、21…認識カメラ、22…距離センサ、30…コントローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給装置から供給された部品を、基板上に装着する部品実装装置及び部品実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の部品実装装置としては、例えば特許文献1に記載の技術がある。この技術は、回路基板の搬送方向にずれた複数の停止位置で回路基板をクランプし、各停止位置で電子部品を搭載するものである。これにより、回路基板のサイズが搭載ヘッドの可動範囲(部品搭載が可能な領域)よりも大きい場合でも、回路基板の全体に電子部品を搭載することができる。
また、このように複数の停止位置で電子部品を搭載するものとして、回路基板の部品搭載領域を複数の部分領域に均等に分割し、それら部分領域毎に、所定の装着順序に従って電子部品を搭載するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−313494号公報
【特許文献2】特開2004−103828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、回路基板には、背の高い電子部品と背の低い電子部品とを隣接して搭載したり、小さい電子部品の上に大きい電子部品を覆うように搭載したり、更には大きい電子部品の上面に小さい電子部品を搭載したりする場合がある。
しかしながら、上記従来の部品実装装置にあっては、これらの点が考慮されていないため、電子部品の搭載位置ずれや破損、欠品や誤搭載が発生してしまうおそれがある。
【0005】
すなわち、図13に示すように、背の高い電子部品102aと背の低い電子部品102bとを隣接して搭載する場合、1回目の停止位置で搭載する搭載点と2回目の停止位置で搭載する搭載点との境界が、電子部品102aと電子部品102bとの間に設定されてしまうことがある。この場合、1回目の停止位置で回路基板101に背の高い電子部品102aを搭載した後に、2回目の停止位置で背の低い電子部品102bを搭載することになる。そのため、電子部品102bの搭載時に、背の高い電子部品102aと吸着ノズル103とが干渉し、電子部品102aの位置がずれたり破損したりするおそれがある。
【0006】
また、図14に示すように、小さい電子部品102d−1〜102d−3の上に大きい電子部品102cを覆うように搭載する場合、上に搭載すべき電子部品102cを1回目の停止位置で搭載し、下に搭載するべき電子部品102d−3を2回目の停止位置で搭載するように、搭載点が分割されてしまう場合がある。この場合、1回目の停止位置で回路基板101に電子部品102cを搭載してしまうため、電子部品102d−3を正しい位置に搭載できない。
【0007】
さらに、図15に示すように、大きい電子部品102fの上面に小さい電子部品102e−1及び102e−2を搭載する場合、上に搭載する電子部品102e−1を1回目の停止位置で搭載し、下に搭載すべき電子部品102fを2回目の停止位置で搭載するように、搭載点が分割されてしまう場合がある。この場合、1回目の停止位置で電子部品102e−1が回路基板101上に直接搭載されてしまう。
このように、電子部品の欠品や誤搭載が発生するおそれがある。
そこで、本発明は、搭載ヘッドの可動範囲よりも大きいサイズを有する回路基板上に、電子部品を適正に搭載することができる部品実装装置及び部品実装方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に係る部品実装装置は、吸着ノズルにより基板上の所定位置に部品を装着する部品実装装置であって、前記基板を一方向に搬送する搬送手段と、前記搬送手段を制御して、前記基板を複数の停止位置に停止する搬送制御手段と、前記各停止位置で前記基板上に装着する部品のリストを設定する装着部品設定手段と、前記装着部品設定手段で設定したリストに基づいて、前記各停止位置で前記基板上に部品を装着する部品装着手段と、を備え、前記搬送制御手段は、少なくとも隣り合う停止位置で、前記吸着ノズルによる部品搭載可能範囲に対応する前記基板上の領域の一部が重複するように、前記複数の停止位置を設定し、前記装着部品設定手段は、前記重複する領域において、前記部品の高さ及び前記部品の装着位置に応じた部品の装着優先度に基づいて、前記リストを設定することを特徴としている。
【0009】
このように、回路基板を複数の停止位置に停止させ、各停止位置で部品の搭載処理を行う。このとき、各停止位置で回路基板に搭載する部品を、部品の背の高さや部品の配置に応じて決定するので、優先度の高い部品(背の低い部品や下に配置する部品)を先に搭載し、その後に優先度の低い部品(背の高い部品や上に配置する部品)を搭載することができる。その結果、回路基板上に搭載すべき部品を、搭載位置ずれや欠品等を発生することなく適正に搭載することができる。
【0010】
また、請求項2に係る部品実装装置は、請求項1に係る発明において、前記装着部品設定手段は、前記複数の停止位置のうち一の停止位置のみで前記基板上に装着可能な部品は、当該一の停止位置で装着し、二以上の停止位置で前記基板上に装着可能な部品は、前記装着優先度が高いほど、前記二以上の停止位置のうち前記基板の搬送方向上流側に位置する前記停止位置で装着するように、前記リストを設定することを特徴としている。
これにより、優先度の高い部品であるほど早期に基板上に搭載することができる。
【0011】
さらに、請求項3に係る部品実装装置は、請求項2に係る発明において、前記装着部品設定手段は、前記部品の高さが低いほど装着優先度を高く設定することを特徴としている。
これにより、先に背の低い部品を基板上に搭載し、その後に背の高い部品を基板上に搭載することができる。そのため、背の低い部品を搭載する際に、搭載済みの背の高い部品と吸着ヘッドとが干渉することに起因する部品の搭載位置ずれや破損を防止することができる。
【0012】
また、請求項4に係る部品実装装置は、請求項2又は3に係る発明において、前記装着部品設定手段は、上下方向に重ねて配置する部品のうち、下に位置するほど装着優先度を高く設定することを特徴としている。
これにより、先に下に配置する部品を搭載し、その後に上に配置する部品を搭載することができる。そのため、小さい部品の上に大きい部品を覆うように搭載する場合や、大きい部品の上面に小さい部品を搭載する場合など、部品を上下に重ねて搭載する場合の順番の入れ替わりや欠品を防止することができる。
【0013】
さらにまた、請求項5に係る部品実装方法は、吸着ノズルにより基板上の所定位置に部品を装着する部品実装方法であって、前記基板を一方向に搬送しつつ複数の停止位置に停止し、各停止位置で前記基板上に部品を装着する際に、少なくとも隣り合う停止位置で、前記吸着ノズルによる部品搭載可能範囲に対応する前記基板上の領域の一部が重複するように、前記複数の停止位置を設定すると共に、前記各停止位置で前記基板上に装着する部品のリストを、前記重複する領域において、前記部品の高さ及び前記部品の装着位置に応じた部品の装着優先度に基づいて設定することを特徴としている。
これにより、回路基板上に搭載すべき部品を、搭載位置ずれや欠品等を発生することなく適正に搭載することができる部品実装方法とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、各停止位置で回路基板上に搭載する部品を、部品の高さや部品の上下の配置に応じた装着優先度に基づいて決定するので、搭載ヘッドの部品搭載可能範囲よりも大きいサイズを有する回路基板に、正しく部品を搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明における部品実装装置を示す平面図である。
【図2】回路基板の停止位置を説明する図である。
【図3】搭載ヘッドの構成を示す図である。
【図4】制御系の構成を示すブロック図である。
【図5】コントローラで実行する処理手順を示すフローチャートである。
【図6】各停止位置における部品搭載可能な範囲を示す図である。
【図7】電子部品を隣接して搭載するときの動作を説明する図である。
【図8】電子部品を隣接して搭載するときの動作を説明する図である。
【図9】小さい電子部品の上に大きい電子部品を搭載するときの動作を説明する図である。
【図10】小さい電子部品の上に大きい電子部品を搭載するときの動作を説明する図である。
【図11】大きい電子部品の上面に小さい電子部品を搭載するときの動作を説明する図である。
【図12】大きい電子部品の上面に小さい電子部品を搭載するときの動作を説明する図である。
【図13】電子部品を隣接して搭載するときの従来の課題を説明する図である。
【図14】小さい電子部品の上に大きい電子部品を搭載するときの従来の課題を説明する図である。
【図15】大きい電子部品の上面に小さい電子部品を搭載するときの従来の課題を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
(構成)
図1は、本発明における部品実装装置を示す平面図である。
図中、符号1は部品実装装置である。この部品実装装置1は、基台10の上面にX方向に延在する一対の搬送レール11を備える。この搬送レール11は、回路基板5の両側辺部を支持し、搬送用モータ(図示せず)により駆動されることで回路基板5をX方向に搬送する。
【0017】
また、部品実装装置1は搭載ヘッド12を備える。この搭載ヘッド12は、下部に電子部品を吸着する複数の吸着ノズルを備え、X軸ガントリ13及びY軸ガントリ14により、基台10上をXY方向に水平移動可能に構成されている。
この部品実装装置1には、搬送レール11のY方向両側に、テープフィーダ等により電子部品を供給する部品供給装置15が装着される。そして、部品供給装置15から供給された電子部品は、搭載ヘッド12の吸着ノズルによって真空吸着され、回路基板5上に実装搭載される。
【0018】
回路基板5は、搬送レール11上でX方向にずれた2箇所でクランプされ、停止するようになっており、各停止位置でそれぞれ部品搭載が行われる。すなわち、先ず、図2(a)に示すように、回路基板5の搬送方向前方側の一部分が、吸着ノズルの部品搭載可能範囲(ヘッド可動範囲)内に入る1回目の停止位置に回路基板5を停止して、部品の搭載処理を行う。次に、回路基板5を搬送し、図2(b)に示すように、回路基板5の搬送方向後方側の一部分がヘッド可動範囲内に入る2回目の停止位置に回路基板5を停止して、部品の搭載処理を行う。このように、本実施形態では、ヘッド可動範囲よりもX方向に長い回路基板5に電子部品を搭載する。なお、1回目の停止位置における吸着ヘッドの部品搭載可能範囲に対応する回路基板5上の領域(被搭載領域)と、2回目の停止位置における回路基板5上の被搭載領域とで、重複した領域を有するものとする。
【0019】
また、部品供給装置15と回路基板5との間には、CCDカメラからなる認識カメラ21を配置する。この認識カメラ21は、電子部品の吸着位置ずれ(吸着ノズルの中心位置と吸着した部品の中心位置とのずれ)や、吸着角度ずれ(傾き)を検出するために、吸着ノズルで吸着した電子部品を撮像するものである。
さらに、部品実装装置1には、吸着する部品のサイズや形状に応じて、吸着ノズルを交換するためのノズル交換機16が設けられている。このノズル交換機16内には複数種のノズルが保管、管理されている。
【0020】
次に、搭載ヘッド12の構成について、図3をもとに説明する。
搭載ヘッド12は、その基台12aが図1に示すX軸ガントリ13に取り付けられることで、X方向に移動可能となっている。
また、搭載ヘッド12は、電子部品20を吸着保持する吸着ノズル12bを複数備える。各吸着ノズル12bは、θ軸回転機構12cによってノズル軸(吸着軸)を中心に回転可能であると共に、Z軸駆動機構12dによってZ方向(高さ方向)に昇降可能に構成されている。
【0021】
さらに、搭載ヘッド12には、支持部材12eを介して距離センサ22が取り付けられている。この距離センサ22は、センサ光により吸着ノズル12bと回路基板5とのZ方向の距離(高さ)を測定する。
図4は、部品実装装置1の制御系の構成を示すブロック図である。
部品実装装置1は、装置全体を制御するCPU、RAM及びROMなどを備えるマイクロコンピュータからなるコントローラ30を備える。コントローラ30には、以下に示す各構成31〜41が接続され、それぞれを制御する。
【0022】
バキューム機構31は真空を発生し、不図示のバキュームスイッチを介して各吸着ノズル12bに真空の負圧を発生させる。
X軸モータ32は、搭載ヘッド12をX軸ガントリ13に沿ってX軸方向に移動させるための駆動源であり、Y軸モータ33は、X軸ガントリ13をY軸ガントリ14に沿ってY軸方向に移動させるための駆動源である。このような構成により、搭載ヘッド12はXY方向に移動可能となる。
【0023】
Z軸モータ34は、吸着ノズル12bをZ方向に昇降させるZ軸駆動機構12dの駆動源である。また、θ軸モータ35は、吸着ノズル12bをそのノズル中心軸(吸着軸)を中心にして回転させるθ軸回転機構12cの駆動源である。
なお、図4では、Z軸モータ34とθ軸モータ35は、それぞれ1つずつしか図示していないが、実際は吸着ノズル12bの数だけ設けられる。
【0024】
距離測定機構36は、距離センサ22が照射したセンサ光の反射光から、対象物までの距離を検出する。
また、認識装置38は、吸着ノズル12bのそれぞれに吸着された電子部品20の画像認識を行うものであり、A/D変換器38a、メモリ38b及びCPU38cを備える。A/D変換器38aは、認識カメラ21から出力されるアナログの画像信号をデジタル信号(画像データ)に変換してメモリ38bに格納する。CPU38cは、その画像データに基づいて、吸着ノズル12bで吸着された電子部品20の吸着位置ずれ量と吸着角度ずれ量を算出する。
【0025】
キーボード39及びマウス40は、操作者が部品データなどのデータを入力するために用いられる。また、記憶装置37は、フラッシュメモリなどで構成され、キーボード39とマウス40とにより入力された部品データ、あるいは不図示のホストコンピュータから供給される部品データを格納する。
モニタ41は、部品データ、演算データ及び認識カメラ21で撮像した電子部品20の画像などを表示する。
【0026】
また、コントローラ30は、図5に示す部品リスト作成処理を実行し、各停止位置で回路基板5に搭載する部品のリストを作成する。ここでは、2回ある停止位置のうち、どちらか一方の停止位置だけで搭載可能な電子部品20は、その停止位置で搭載し、どちらの停止位置でも搭載可能な電子部品20は、装着優先度(以下、単に優先度と称す)の高い電子部品20を1回目の停止位置、優先度の低い電子部品20を2回目の停止位置で搭載するように部品リストを作成する。
すなわち、図5に示すように、先ずステップS1で、回路基板5に搭載する全ての電子部品20のリストを作成する。ここでは、操作者が入力した各電子部品20の種類や大きさ、基板上の搭載位置等の情報がリストに設定される。
【0027】
次にステップS2では、前記ステップS1で作成したリストから部品情報を読み出し、その部品が1回目の停止位置で搭載不可であるか否かを判定する。具体的には、その部品が、図6に示す領域C(2回目の停止位置でのみ搭載可能な領域)に搭載する部品であるか否かを判定する。
そして、1回目の停止位置で搭載不可であると判定した場合には、ステップS3に移行し、2回目の停止位置で搭載することをリストに設定して後述するステップS9に移行する。
【0028】
一方、前記ステップS2で、1回目の停止位置で搭載可能であると判定した場合には、ステップS4に移行し、その部品が2回目の停止位置で搭載不可であるか否かを判定する。具体的には、図6に示す領域A(1回目の停止位置でのみ搭載可能な領域)に搭載する部品であるか否かを判定する。
そして、2回目の停止位置で搭載不可であると判定した場合には、ステップS5に移行し、1回目の停止位置で搭載することをリストに設定して後述するステップS9に移行する。
【0029】
一方、前記ステップS4で、2回目の停止位置で搭載可能、即ち図6に示す領域B(どちらの停止位置でも搭載可能な領域)に搭載する部品であると判定した場合にはステップS6に移行し、その部品の優先度が高いか否かを判定する。本実施形態では、背の低い電子部品や他の電子部品の下に配置する電子部品を優先度の高い電子部品とし、逆に、背の高い電子部品や他の電子部品の上に配置する電子部品を優先度の低い電子部品とする。
そして、優先度が高いと判定した場合にはステップS7に移行し、1回目の停止位置で搭載することをリストに設定してステップS9に移行する。一方、優先度が低いと判定した場合にはステップS8に移行し、2回目の停止位置で搭載することをリストに設定してステップS9に移行する。
【0030】
ステップS9では、前記ステップS1で作成したリストに格納された全ての電子部品について、何れの停止位置で搭載するかを設定したか否かを判定する。そして、全電子部品の設定が完了していない場合には前記ステップS2に移行し、全電子部品の設定が完了した場合にはステップS10に移行する。
ステップS10では、1回目の停止位置で搭載する各部品について、搭載順を最適化する処理を行う。ここでは、1回目の停止位置で搭載する部品のうち、優先度の高い部品(背の低い部品、下に配置する部品)を先に搭載し、優先度の低い部品(背の高い部品、上に配置する部品)を後から搭載するよう搭載順を決定する。
【0031】
次にステップS11では、2回目の停止位置で搭載する各部品について、前記ステップS10と同様に搭載順を最適化する処理を行う。
ステップS12では、前記ステップS10及びS11で最適化した結果を結合し、これを記憶装置37に記憶してから部品リスト作成処理を終了する。
なお、搬送レール11が搬送手段に対応し、距離センサ22及び搬送用モータが搬送制御手段に対応し、図5の処理が装着部品設定手段に対応し、搭載ヘッド12、X軸モータ32、Y軸モータ33及びZ軸モータ34が部品装着手段に対応している。
【0032】
(動作)
次に、本実施形態の動作について説明する。
先ず、搬送用モータを駆動して、X方向の長さがヘッド可動範囲よりも長い回路基板5を、搬送レール11に沿って移動する。そして、図2(a)に示す1回目の停止位置で回路基板5を停止する。ここでは、予め設定した第1の停止基準位置に搭載ヘッド12を移動しておき、搭載ヘッド12に設置した距離センサ22が搬送レール11上を移動してきた回路基板5を検出したとき、搬送用モータを停止して回路基板5の移動を停止するようにする。
ここで、上記第1の停止基準位置は、搬送レール11による回路基板5の搬入側を上流側、搬出側を下流側とした場合、例えば、図2(a)に示す1回目の停止位置における回路基板5の下流側端部(ヘッド可動範囲の下流側端部)の位置に設定する。
【0033】
そして、この1回目の停止位置において、記憶装置37に記憶した部品リストを参照して電子部品の搭載処理を行う。すなわち、コントローラ30は、X軸モータ32及びY軸モータ33を駆動制御して搭載ヘッド12を所定の部品供給位置まで移動し、次いでバキューム機構31を駆動制御して部品供給装置15から電子部品20を真空吸着する。このとき、認識カメラ21で電子部品20の吸着位置ずれ等を確認する。そして、コントローラ30は、再びX軸モータ32及びY軸モータ33を駆動制御して搭載ヘッド12を回路基板5の所定の部品搭載位置まで移動し、Z軸モータ34を駆動制御して吸着ノズル12bを下降することで、電子部品20を回路基板5上に装着する。
【0034】
1回目の停止位置における部品搭載が終了すると、搬送レール11によって回路基板5を下流側へと移動し、図2(b)に示す2回目の停止位置で停止する。ここでは、予め設定した第2の停止基準位置に搭載ヘッド12を移動しておき、搭載ヘッド12に設置した距離センサ22が搬送レール11上の回路基板5を検出しない状態となったとき、搬送用モータを停止して回路基板5の移動を停止するようにする。
ここで、上記第2の停止基準位置は、例えば、図2(b)に示す2回目の停止位置における回路基板5の上流側端部(ヘッド可動範囲の上流側端部)の位置に設定する。
【0035】
そして、この2回目の停止位置においても、同様に記憶装置37に記憶した部品リストを参照し、電子部品の搭載処理を行う。2回目の停止位置における部品搭載が終了すると、搬送レール11によって回路基板5を下流側へと移動し、部品実装装置1の外部に搬出する。
このように、先ずは搬送方向上流側に位置する1回目の停止位置において、図6に示す領域A及びB内に電子部品を搭載し、次に搬送方向下流側に位置する2回目の停止位置において、図6に示す領域B及びC内に電子部品を搭載する。
【0036】
このとき、図7に示すように、領域Aと領域Bとの境界αを跨いで背の高い電子部品20aと背の低い電子部品20bとを隣接配置する場合、コントローラ30は、電子部品20aについては、1回目の停止位置で搭載可(図5のステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載不可(ステップS4でYes)であると判定する。そのため、電子部品20aを1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS5)。
【0037】
一方、電子部品20bについては、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。また、電子部品20bは背の低い部品であるため優先度が高いと判定する(ステップS6でYes)。そのため、電子部品20bについても、1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS7)。
したがって、電子部品20aと電子部品20bとは、何れも1回目の停止位置で搭載されることになる。但し、電子部品20bは、電子部品20aより背の低い部品であるため、電子部品20aよりも搭載順が先になる(ステップS10)。すなわち、1回目の停止位置において、電子部品20bを搭載した後に、電子部品20aを搭載することになる。
【0038】
また、図8に示すように、領域Bと領域Cとの境界βを跨いで背の高い電子部品20aと背の低い電子部品20bとを隣接配置する場合には、コントローラ30は、電子部品20aについては、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。また、電子部品20aは背の高い部品であるため、優先度は低いと判定する(ステップS6でNo)。そのため、電子部品20aを2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS8)。
【0039】
一方、電子部品20bについては、1回目の停止位置で搭載不可(ステップS2でYes)であると判定する。そのため、電子部品20bについても、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS3)。
したがって、電子部品20aと電子部品20bとは、何れも2回目の停止位置で搭載されることになる。但し、電子部品20bは、電子部品20aより背の低い部品であるため、電子部品20aよりも搭載順が先になる(ステップS11)。すなわち、2回目の停止位置において、電子部品20bを搭載した後に、電子部品20aを搭載することになる。
【0040】
図7や図8のように、境界αや境界βを跨いで背の高い電子部品20aと背の低い電子部品20bとを隣接して搭載する場合、優先度(部品の背の高さ)を考慮しない一般的な方法では、1回目の停止位置で背の高い電子部品20aを搭載した後に、2回目の停止位置で背の低い電子部品20bを搭載するように搭載順が設定されてしまうことがある。この場合、電子部品20bの搭載時に、搭載済みの背の高い電子部品20aと電子部品20bを吸着した吸着ノズル12bとが干渉するおそれがある。
これに対し、本実施形態では、優先度(部品の背の高さ)を考慮して各停止位置で搭載する部品を決定するので、背の低い電子部品を搭載した後に背の高い電子部品を搭載することができ、上述したような吸着ノズルの干渉を防止することができる。その結果、吸着ノズルの干渉に起因する部品の搭載位置ずれや破損を防止することができる。
【0041】
次に、複数の小さい電子部品の上に大きい電子部品を覆うように搭載する場合について説明する。
図9に示すように、小さい電子部品20d−1〜20d−3の上に大きい電子部品20cを覆うように搭載する場合に、境界αが電子部品20d−2と電子部品20d−3との間に位置するものとする。この場合、コントローラ30は、電子部品20c、20d−1及び20d−2については、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載不可(ステップS4でYes)であると判定する。そのため、電子部品20c、20d−1及び20d−2を1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS5)。
【0042】
一方、電子部品20d−3については、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。また、電子部品20d−3は他の部品の下に搭載される部品であるため、優先度が高いと判定する(ステップS6でYes)。そのため、電子部品20d−3についても、1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS7)。
【0043】
したがって、これらの電子部品は、何れも1回目の停止位置で搭載されることになる。但し、電子部品20d−1〜20d−3は、電子部品20cの下に搭載される部品であるため、電子部品20cよりも搭載順が先になる(ステップS10)。すなわち、1回目の停止位置において、電子部品20d−1〜20d−3を搭載した後に、電子部品20cを搭載することになる。
【0044】
また、図10に示すように、境界βが電子部品20d−2と電子部品20d−3との間に位置する場合には、コントローラ30は、電子部品20c、20d−1及び20d−2については、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。
このとき、電子部品20d−1及び20d−2は、他の部品の下に搭載される部品であるため優先度が高いと判定し(ステップS6でYes)、1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS7)。ところが、電子部品20cは、他の部品の上に搭載される部品であるため優先度は低いと判定し(ステップS6でNo)、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS8)。
【0045】
一方、電子部品20d−3については、1回目の停止位置で搭載不可(ステップS2でYes)であると判定する。そのため、電子部品20d−3については、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS3)。
したがって、この場合には、1回目の停止位置で電子部品20d−1と電子部品20d−2を搭載した後、2回目の停止位置で電子部品20d−3と電子部品20cとを搭載することになる。ここで、電子部品20d−3は、電子部品20cの下に搭載する部品であるため、電子部品20cよりも搭載順が先になる(ステップS11)。すなわち、2回目の停止位置において、電子部品20d−3を搭載した後に、電子部品20cを搭載することになる。
【0046】
次に、大きい電子部品の上に複数の小さい電子部品を搭載する場合について説明する。
図11に示すように、大きい電子部品20fの上に小さい電子部品20e−1及び20e−2を搭載する場合に、境界αが電子部品20e−1と電子部品20e−2との間に位置するものとする。この場合、コントローラ30は、電子部品20e−1については、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載不可(ステップS4でYes)であると判定する。そのため、電子部品20e−1を1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS5)。
【0047】
一方、電子部品20e−2及び20fについては、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。このとき、電子部品20fは、他の部品の下に搭載される部品であるため優先度が高いと判定し(ステップS6でYes)、1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS7)。ところが、電子部品20e−2は、他の部品の上に搭載される部品であるため優先度は低いと判定し(ステップS6でNo)、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS8)。
【0048】
したがって、この場合には、1回目の停止位置で電子部品20fと電子部品20e−1とを搭載した後、2回目の停止位置で電子部品20e−2を搭載することになる。ここで、電子部品20fは、電子部品20e−1の下に搭載する部品であるため、電子部品20e−1よりも搭載順が先になる(ステップS10)。すなわち、1回目の停止位置において、電子部品20fを搭載した後に、電子部品20e−1を搭載することになる。
【0049】
また、図12に示すように、境界βが電子部品20e−1と電子部品20e−2との間に位置する場合には、コントローラ30は、電子部品20e−1については、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。
このとき、電子部品20e−1は、上に搭載する部品であるため優先度は低いと判定し(ステップS6でNo)、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS8)。
【0050】
一方、電子部品20e−2及び20fについては、1回目の停止位置で搭載不可(ステップS2でYes)であると判定する。そのため、電子部品20e−2及び20fについては、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS3)。
したがって、これらの電子部品は、何れも2回目の停止位置で搭載されることになる。但し、電子部品20fは、電子部品20e−1及び20e−2の下に搭載される部品であるため、電子部品20e−1及び20e−2よりも搭載順が先になる(ステップS11)。すなわち、2回目の停止位置において、電子部品20fを搭載した後に、電子部品20e−1及び20e−2を搭載することになる。
【0051】
図9や図10のように、境界αや境界βを跨いで小さい電子部品20d−1〜20d−3の上を覆う大きい電子部品20cを搭載する場合、優先度(部品の上下の配置)を考慮しない一般的な方法では、上に搭載すべき電子部品20cを1回目の停止位置で搭載し、下に搭載すべき電子部品20d−3を2回目の停止位置で搭載するように設定してしまうことがある。
【0052】
また、図11や図12のように、境界αや境界βを跨いで小さい電子部品20e−1及び20e−2の下に配置される大きい電子部品20fを搭載する場合、優先度(部品の上下の配置)を考慮しない一般的な方法では、上に搭載すべき電子部品20e−1を1回目の停止位置で搭載し、下に搭載すべき電子部品20fを2回目の停止位置で搭載するように設定してしまうことがある。
これに対し、本実施形態では、優先度(部品の上下の配置)を考慮して各停止位置で搭載する部品を決定するので、下に搭載すべき電子部品を搭載した後に、上に搭載すべき電子部品を搭載することができる。その結果、部品の欠品や誤搭載を防止することができる。
【0053】
また、重複する領域Bに背の高い電子部品20aと背の低い電子部品20bとを隣接配置する場合について説明する。電子部品20aについては、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。電子部品20aは背の高い部品であるため、優先度は低いと判定する(ステップS6でNo)。そのため、電子部品20aを2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS8)。
電子部品20bについては、1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定する。電子部品20bは背の低い部品であるため、優先度は高いと判定する(ステップS6でYes)。そのため、電子部品20aを1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定する(ステップS7)。
【0054】
このように重複する領域Bに背の高い電子部品20aと背の低い電子部品20bとを隣接配置する場合、背の高い電子部品20aを2回目に搭載し、背の低い電子部品20bを1回目に搭載する。したがって、領域Aにも他の背の低い電子部品20bを配置する場合には、複数のノズルを備えたヘッドで背の低い電子部品20bを同時に吸着して、領域Aと領域Bに複数の背の低い部品20bを一度に装着できるため、作業効率が高い。
同様に、領域Cにも他の背の高い電子部品20aを配置する場合には、複数のノズルを備えたヘッドで背の高い電子部品20aを同時に吸着して、領域Bと領域Cに複数の背の高い部品20aを一度に装着できるため、作業効率が高い。
【0055】
次に、重複する領域Bにおいて、小さい電子部品20d−1〜20d−3の上に大きい電子部品20cを覆うように搭載する場合について説明する。電子部品20d−1〜20d−3及び電子部品20cは、それぞれ1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定される。そして、電子部品20d−1〜20d−3は、他の部品の下に搭載される部品であり優先度が高いため、1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定される(ステップS7)。一方、電子部品20cは、他の部品の上に搭載される部品であり優先度が低いため、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定される(ステップS8)。
【0056】
さらに、重複する領域Bにおいて、大きい電子部品20fの上に小さい電子部品20e−1及び20e−2を搭載する場合には、大きい電子部品20f及び小さい電子部品20e−1及び20e−2はそれぞれ1回目の停止位置で搭載可(ステップS2でNo)、2回目の停止位置で搭載可(ステップS4でNo)であると判定される。そして、大きい電子部品20fは、他の部品の下に搭載される部品であり優先度が高いため、1回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定される(ステップS7)。一方、小さい電子部品20e−1及び20e−2は、他の部品の上に搭載される部品であり優先度が低いため、2回目の停止位置で搭載する部品としてリストに設定される(ステップS8)。
【0057】
(効果)
このように、上記実施形態では、搭載ヘッドの部品搭載可能範囲より大きいサイズを有する回路基板を、回路基板の搬送方向にずれた2箇所でクランプして停止させ、各停止位置で電子部品の搭載を行う。このとき、各停止位置で回路基板に搭載する電子部品を、電子部品の背の高さや電子部品の上下の配置に応じた優先度に応じて決定する。これにより、優先度の高い電子部品(背の低い電子部品や下に配置する電子部品)を先に搭載し、その後に優先度の低い電子部品(背の高い電子部品や上に配置する電子部品)を搭載することができる。
【0058】
したがって、背の高い電子部品と背の低い電子部品とを隣接配置する場合には、背の低い電子部品を搭載する際に搭載済みの背の高い電子部品と吸着ヘッドとが干渉することに起因する電子部品の搭載位置ずれや破損を防止することができる。さらに、電子部品を上下に重ねて搭載する場合には、電子部品の搭載順の入れ替わりや欠品を防止することができる。
このように、回路基板上に電子部品を正しく搭載することができる。
【0059】
(応用例)
なお、上記実施形態においては、回路基板5のクランプを2回とする場合について説明したが、3回以上とすることもできる。
また、上記実施形態においては、搭載ヘッド12に設置した距離センサ22を用いて、回路基板5を各停止位置に停止させる場合について説明したが、別の検出センサによって第1及び第2の停止基準位置における回路基板5の有無を検出し、回路基板5を各停止位置に停止させるようにしてもよい。
【0060】
さらに、第1の停止基準位置をヘッド可動範囲の下流側端部とし、第2の停止基準位置をヘッド可動範囲の上流側端部とする場合について説明したが、図2(a)及び(b)に示す状態で回路基板5を停止できればよく、例えば、第2の停止基準位置を、図2(b)に示す2回目の停止位置における回路基板5の下流側端部に設定し、距離センサ22が搬送レール11上を移動してきた回路基板5を検出したときに、回路基板5の移動を停止するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…部品実装装置、5…回路基板、11…搬送レール、12…搭載ヘッド、12b…吸着ノズル、12c…θ軸駆動機構、12d…Z軸駆動機構、13…X軸ガントリ、14…Y軸ガントリ、15…部品供給装置、16…ノズル交換機、20…電子部品、21…認識カメラ、22…距離センサ、30…コントローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸着ノズルにより基板上の所定位置に部品を装着する部品実装装置であって、
前記基板を一方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段を制御して、前記基板を複数の停止位置に停止する搬送制御手段と、
前記各停止位置で前記基板上に装着する部品のリストを設定する装着部品設定手段と、
前記装着部品設定手段で設定したリストに基づいて、前記各停止位置で前記基板上に部品を装着する部品装着手段と、を備え、
前記搬送制御手段は、少なくとも隣り合う停止位置で、前記吸着ノズルによる部品搭載可能範囲に対応する前記基板上の領域の一部が重複するように、前記複数の停止位置を設定し、
前記装着部品設定手段は、前記重複する領域において、前記部品の高さ及び前記部品の装着位置に応じた部品の装着優先度に基づいて、前記リストを設定することを特徴とする部品実装装置。
【請求項2】
前記装着部品設定手段は、前記複数の停止位置のうち一の停止位置のみで前記基板上に装着可能な部品は、当該一の停止位置で装着し、二以上の停止位置で前記基板上に装着可能な部品は、前記装着優先度が高いほど、前記二以上の停止位置のうち前記基板の搬送方向上流側に位置する前記停止位置で装着するように、前記リストを設定することを特徴とする請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記装着部品設定手段は、前記部品の高さが低いほど装着優先度を高く設定することを特徴とする請求項2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記装着部品設定手段は、上下方向に重ねて配置する部品のうち、下に位置するほど装着優先度を高く設定することを特徴とする請求項2又は3に記載の部品実装装置。
【請求項5】
吸着ノズルにより基板上の所定位置に部品を装着する部品実装方法であって、
前記基板を一方向に搬送しつつ複数の停止位置に停止し、各停止位置で前記基板上に部品を装着する際に、少なくとも隣り合う停止位置で、前記吸着ノズルによる部品搭載可能範囲に対応する前記基板上の領域の一部が重複するように、前記複数の停止位置を設定すると共に、前記各停止位置で前記基板上に装着する部品のリストを、前記重複する領域において、前記部品の高さ及び前記部品の装着位置に応じた部品の装着優先度に基づいて設定することを特徴とする部品実装方法。
【請求項1】
吸着ノズルにより基板上の所定位置に部品を装着する部品実装装置であって、
前記基板を一方向に搬送する搬送手段と、
前記搬送手段を制御して、前記基板を複数の停止位置に停止する搬送制御手段と、
前記各停止位置で前記基板上に装着する部品のリストを設定する装着部品設定手段と、
前記装着部品設定手段で設定したリストに基づいて、前記各停止位置で前記基板上に部品を装着する部品装着手段と、を備え、
前記搬送制御手段は、少なくとも隣り合う停止位置で、前記吸着ノズルによる部品搭載可能範囲に対応する前記基板上の領域の一部が重複するように、前記複数の停止位置を設定し、
前記装着部品設定手段は、前記重複する領域において、前記部品の高さ及び前記部品の装着位置に応じた部品の装着優先度に基づいて、前記リストを設定することを特徴とする部品実装装置。
【請求項2】
前記装着部品設定手段は、前記複数の停止位置のうち一の停止位置のみで前記基板上に装着可能な部品は、当該一の停止位置で装着し、二以上の停止位置で前記基板上に装着可能な部品は、前記装着優先度が高いほど、前記二以上の停止位置のうち前記基板の搬送方向上流側に位置する前記停止位置で装着するように、前記リストを設定することを特徴とする請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記装着部品設定手段は、前記部品の高さが低いほど装着優先度を高く設定することを特徴とする請求項2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記装着部品設定手段は、上下方向に重ねて配置する部品のうち、下に位置するほど装着優先度を高く設定することを特徴とする請求項2又は3に記載の部品実装装置。
【請求項5】
吸着ノズルにより基板上の所定位置に部品を装着する部品実装方法であって、
前記基板を一方向に搬送しつつ複数の停止位置に停止し、各停止位置で前記基板上に部品を装着する際に、少なくとも隣り合う停止位置で、前記吸着ノズルによる部品搭載可能範囲に対応する前記基板上の領域の一部が重複するように、前記複数の停止位置を設定すると共に、前記各停止位置で前記基板上に装着する部品のリストを、前記重複する領域において、前記部品の高さ及び前記部品の装着位置に応じた部品の装着優先度に基づいて設定することを特徴とする部品実装方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−124493(P2011−124493A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282961(P2009−282961)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】
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