説明

配向関数の解析方法及び解析システム

【課題】材料におけるマイクロメートルレベルからナノメートルレベルといった極めて微小な範囲での局所的な配向度を解析することができる解析方法を提供する。
【解決手段】材料の内部構造における配向関数を解析する解析方法であって、二種類の構成成分を含む材料からなる解析対象物の内部構造を表わす三次元画像を取得する工程と、三次元画像における各画素の輝度値を二種類の構成成分間の界面を示す所定の閾値と比較して、複数の領域に分割される界面を複数の領域毎に検出する工程と、複数の領域それぞれにおける単位法線ベクトルnを算出する工程と、単位法線ベクトルnから一軸配向関数fまたは二軸配向関数gを算出する工程と、算出された一軸配向関数f又は二軸配向関数gを出力する工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料の内部構造における配向関数を解析する解析方法及び解析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
繊維やゴムやプラスチックといった汎用目的に主に使用されてきた材料は、近年、機械部品や電気電子部品、光学材料、及び自動車や航空機の機体などの構造部材、さらに、医療用材料や人工臓器などにも使用されるようになり、高機能、高性能、高耐久性などが要求されるようになってきた。これらの要求を満たすため、例えば、高分子材料においては、高分子のブロック共重合体化やポリマーブレンドなどによる高分子のアロイ化、有機・無機フィラーや繊維状物質の配合によるコンポジット化、及び不織布、織布、多孔膜などによる補強化など、様々な手法が開発されてきた。そして、これら開発された手法により、高分子材料の耐衝撃性、対候性、強度、寸法安定性、弾性率、耐水性、対油性、導電性、光導電性、屈折率、透明性など様々な物性を向上または制御させることが可能となった。
【0003】
ところで、これらアロイ化やコンポジット化等がなされた複合材料は、必然的にナノメートルからミリメートル程度の大きさの不均一構造を有することになるが、このような不均一構造による配向度は、その複合材料の物性に大きな影響を与えることになる。例えば、光学材料では複屈折が重要な制御因子となるが、この複屈折は不均一構造による配向度に大きな影響を受ける。また、電池材料として用いられるイオン伝導膜では、イオン伝導を担うイオンチャンネルの配向度を制御することが電池性能の向上にとって重要であり、配向度に大きな影響を受ける。従って、複合材料における配向度すなわち配向関数を解析することは、工業的に有用な複合材料を開発する上で極めて重要な技術的基盤となっている。そこで、複合材料の配向度を解析する方法として、非特許文献1に示されるような広角X線回折(WAXD)や赤外二色性などの方法が用いられてきた。
【非特許文献1】高分子学会編、「高分子測定法 構造と物性 下巻」、初版、株式会社培風館、1973年6月20日、p.59、331
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、広角X線回折などの方法では、X線の広角散乱などを用いているため、複合材料におけるミリメートルレベルでの配向度、すなわち平均的な配向度を解析することはできるものの、複合材料におけるマイクロメートルレベルからナノメートルレベルといった局所的な配向度を解析することはできなかった。
【0005】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、少なくとも二種類の構成成分を含む材料におけるマイクロメートルレベルからナノメートルレベルといった極めて微小な範囲での局所的な配向度を解析することができる解析方法及び解析システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねる過程で、透過型電子顕微鏡などの顕微鏡で得られる複合材料のスライス画像から、複合材料の内部構造についての詳細な三次元トモグラフィー情報が得られることに着目した。そして、この内部構造についての詳細な三次元トモグラフィー情報について更に考察すると、内部構造における構成成分間の複雑な界面と三次元トモグラフィー情報における各画素の輝度値との間に一定の相関関係があることがわかった。そこで、本発明者らは、三次元トモグラフィー情報における各画素の輝度値に基づいて、複雑な界面を形成する微小領域毎に界面の配向度を解析することができれば、マイクロメートルレベルからナノメートルレベルといった極めて微小な範囲での局所的な配向度を解析できるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0007】
上記の目的を達成するために、材料の内部構造における配向関数を解析する解析方法であって、少なくとも二種類の構成成分を含む材料からなる解析対象物の内部構造を表わす三次元画像を取得する工程と、三次元画像における各画素の輝度値を二種類の構成成分間の界面を示す所定の閾値と比較して、複数の領域に分割される界面を複数の領域毎に検出する工程と、複数の領域それぞれにおける単位法線ベクトルnを算出する工程と、単位法線ベクトルnから一軸配向関数f又は二軸配向関数gを算出する工程と、算出された一軸配向関数f又は二軸配向関数gを出力する工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る配向関数の解析システムは、材料の内部構造の配向関数を解析する解析システムであって、少なくとも二種類の構成成分を含む材料からなる解析対象物の内部構造を表わす三次元画像を取得する三次元画像取得手段と、三次元画像における各画素の輝度値を二種類の構成成分間の界面を示す所定の閾値と比較して、複数の領域に分割される界面を複数の領域毎に検出する画像解析手段と、複数の領域それぞれにおける単位法線ベクトルnを算出する法線ベクトル算出手段と、単位法線ベクトルnから一軸配向関数f又は二軸配向関数gを算出する配向関数算出手段と、一軸配向関数f又は二軸配向関数gを出力する出力手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る配向関数の解析方法又は解析システムでは、三次元画像における各画素の輝度値を界面を示す所定の閾値と比較して、複数の領域に分割される界面を複数の領域毎に検出した後、各領域における単位法線ベクトルnを取得して一軸配向関数f又は二軸配向関数gを算出している。配向関数を算出する際に必要とされる界面を三次元画像での輝度値に基づいて複数の領域毎に検出して解析していることから、マイクロメートルレベルからナノメートルレベルといった極めて微小な範囲における局所的な配向度を解析することができる。なお、ここで使用される「二種類の構成成分」には、いずれか一方の構成成分が空間であって、他方の構成成分が材料(物質)である場合が含まれる。
【0010】
配向関数の解析方法において、所定の閾値は、二種類の構成成分の電子密度に応じて設定されることが好ましい。解析対象物となる二種類の構成成分それぞれに固有の電子密度に応じた所定の閾値を用いて界面を検出することにより、より正確に複雑な界面を検出することができる。
【0011】
配向関数の解析方法は、各頂点に各画素の輝度値が対応するように三次元画像を複数のボクセルに分割して、各頂点に対応する輝度値を所定の閾値と比較して、複数の領域に分割される界面を複数の領域毎に検出することが好ましい。この場合、複数のボクセルに分割することで、界面を複数の領域毎に検出するようにしているため、三次元画像の画像解析を容易に行うことができる。
【0012】
配向関数の解析方法は、解析対象物を所定の間隔でスライスしたときの内部構造を含む断面形状を表わす複数のスライス画像を取得する工程を更に備え、これら複数のスライス画像から三次元画像を生成して取得することが好ましい。この構成によれば、効率的に三次元画像情報を取得することができる。また、複数のスライス画像を透過型電子顕微鏡で取得することが更に好ましい。この構成によれば、極めて微小な範囲における複数のスライス画像を容易に取得することができる。
【0013】
配向関数の解析方法において、解析対象物の材料が高分子材料であってもよく、この場合、解析対象物の高分子材料は、相分離構造を有していてもよいし、ブロック共重合体を含んでいてもよいし、複数の高分子からなる組成物であってもよい。これにより、様々な状態にある高分子材料を解析することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る配向関数の解析方法及び解析システムによれば、材料におけるマイクロメートルからナノメートルといった極めて微小な範囲での局所的な配向度を解析することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面と共に本発明に係る配向関数の解析方法及び解析システムの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
本実施形態に係る解析方法は、材料の内部構造における配向関数を解析するものであり、例えば高分子材料におけるブロック共重合体のミクロ相分離構造やポリマーブレンドが作り出す相分離構造、又は高分子材料に配合されるフィラーや繊維状物質、さらには高分子材料に含侵される不織布、織布、多孔膜などの配向関数を解析する。本発明は、二種類の構成成分を含む高分子材料、即ち高分子複合材料に好適に適用できるので、以下、高分子複合材料に本発明を適用した実施形態について述べる。本実施形態における高分子複合材料は、例えば、図1に示されるように、二種類の高分子材料A,B(二種類の構成成分)を含んで構成され、数マイクロメートル単位で二種類の高分子材料A,Bが入り組んだ構成となっている。なお、図1では、便宜上、高分子材料Aを有体物で示し、高分子材料Bを残りの空間で示している。解析された配向関数は、例えば光学材料における複屈折や電池材料におけるイオンチャンネルの配向度といった物性の算出に用いられる。
【0017】
まず、本実施形態に係る解析方法が実行される解析システム10について説明する。解析システム10は、図2に示すように、透過型電子顕微鏡から構成される撮像装置11と、撮像装置11からの二次元画像データを解析するワークステーションやPC(Personal Computer)等の解析装置12とから構成されるシステムである。解析装置12は、例えばCPU(Central Processing Unit)やメモリ等のハードウェアにより構成されており、これらの構成要素が動作することにより後述する解析システム10としての主な機能が発揮される。
【0018】
撮像装置11は、例えば、ナノメートルレベルで解析対象物を識別できる透過型電子顕微鏡(TEM)から構成され、解析対象物である二種類の高分子材料A,Bからなる高分子複合材料の詳細なスライス画像を取得する画像取得手段である。撮像装置11で解析対象物のスライス画像を取得する場合、画像取得の前処理として、次のような処理が行われる。具体的には、ウルトラミクロトームやFIB加工法などによって、室温又は−180〜−20℃程度の温度雰囲気で、20〜500nm程度の厚みを有する解析対象物の超薄切片を作製して、続いて、この超薄切片を、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、リンタングステン酸、またはヨウ素などで染色して、電子線に対するコントラストを高める。なお、自己支持性のない解析対象物の超薄切片を作製する場合には、解析の作業性を向上させるため、エポキシ樹脂などにより超薄切片を包埋する。そして、このような前処理が行われた超薄切片が撮像装置11の試料台に配置される。
【0019】
撮像装置11は、試料台に配置されたこのような超薄切片に対して所定の電子線を透過させて、解析対象物のスライス画像を複数取得する。複数のスライス画像を取得するにあたり、撮像装置11では、解析対象物の超薄切片に対して、透過する電子線に略直交する方向を基準として、所定の角度範囲(例えば−60度から+60度までの120度の範囲)において、例えば1度間隔ずつといった所定の角度毎に相対的に超薄切片を傾動させて、超薄切片のスライス画像を連続して取得する。このように傾動させながら連続して取得されたスライス画像の一群は、連続傾斜画像となる。
【0020】
撮像装置11において画像を取得するディテクターとしては、例えばマルチスキャンCCDカメラが用いられる。このディテクターと超薄切片との間にはエネルギーフィルタが設けられることがあり、このエネルギーフィルタにより、スライス画像が鮮明化される。さらに、電子エネルギー損失分光法に基づいて、ある元素(例えば高分子材料A)に着目したイメージングを行うことにより、高分子材料Aと高分子材料Bとの混合状態が明確に表わされ、スライス画像が一層、鮮明化される。撮像装置11は、このようにして得られた複数の詳細なスライス画像である連続傾斜画像を電子データとして解析装置12に出力する。また、超薄切片の表面の一部には金コロイドなどが添着されており、各連続傾斜画像における金コロイドの位置に基づいて、一連の画像の相対的な位置あわせが解析装置12で行われる。なお、微小電子プローブを用いることで、走査透過電子顕微鏡像(STEM像)として画像を取得することが可能となる。
【0021】
解析装置12は、図2に示すように、入力部13と、記憶部14と、画像処理部(三次元画像取得手段)15と、画像解析部(画像解析手段)16と、法線ベクトル算出部(法線ベクトル算出手段)17と、配向関数算出部(配向関数算出手段)18と、出力表示部(出力手段)19とを備えて構成される。
【0022】
入力部13は、撮像装置11から出力された連続傾斜画像を入力して、記憶部14に記憶させる入力手段である。
【0023】
記憶部14は、撮像装置11から入力部13に入力された連続傾斜画像、及び連続傾斜画像を解析して配向関数を算出する際に使用される各種プログラム(算出式含む)や各種閾値などを記憶する記憶手段である。画像処理部15、画像解析部16、法線ベクトル算出部17、配向関数算出部18、及び出力表示部19は、記憶部14にアクセスすることにより、記憶されている連続傾斜画像(所定の処理が行われた後の電子データ含む)やプログラム等を呼び出して、各種の処理を行えるようになっている。このような記憶部14は、例えば、解析装置12が備えるメモリにより実現される。
【0024】
画像処理部15は、撮像装置11で取得された解析対象物の連続傾斜画像から、解析対象物の内部構造を表わす三次元画像を生成する画像処理手段である。画像処理部15は、所定のプログラムと連続傾斜画像とを記憶部14から呼び出して、三次元画像生成の前処理として、撮像装置11でスライス画像を取得する際に添着された金コロイドの位置に基づいて、各スライス画像における位置あわせ用の軸が一致するように、一連のスライス画像の相対的な位置あわせ処理を行い、各スライス画像における座標を共通とする。そして、画像処理部15は、共通の座標が付与された複数のスライス画像を、計算機トモグラフィー法に基づくプログラムにより、例えば図1に示されるような三次元画像へと再構築する処理を行う。
【0025】
このようにして得られた三次元画像は、通常、三次元の直交座標系のそれぞれの座標における各画素に対して、輝度値といった情報が付与された画像データとして取得される。この輝度値は、高分子材料A、Bそれぞれに固有の電子密度に基づくものであり、例えば輝度値を0〜256階調で表す場合において、輝度値0は高分子材料Aを示し、輝度値256は高分子材料Bを示し、輝度値128は、高分子材料Aと高分子材料Bとの境界である界面を示すようになっている。画像処理部15は、このような輝度値が付与された三次元画像を記憶部14に記憶し、三次元画像の画像解析を行うように画像解析部16へ指示する。
【0026】
なお、この計算機トモグラフィー法のアルゴリズムとしては、例えばフィルタードバックプロジェクション法(例えば、Belmont, A. S. ; Sedat. J. W. ; Agard, D.A. J. Cell, ”Biol”, 1987, 105, p.77-92参照)やSIRT法(例えば、P. Gilbert J. Theor., “Biol”, 1972, 36, p.105-117参照)が用いられる。また、三次元画像へと再構築するための計算機プログラムとしては、これらのアルゴリズムを採用して作製された、例えば、Composer(日本電子システムテクノロジー株式会社製)やIMOD(Boulder Laboratory for 3-DimensionalElectron Microscopy of Cells, [2008年6月16日検索],インターネット、〈URL: http://bio3d.colorado.edu/imod/〉参照)を利用することもできる。
【0027】
画像解析部16は、三次元画像における各画素の輝度値を高分子材料A、B間の境界である界面を示す所定の閾値と比較して、複数の領域に分割される界面を複数の領域毎に検出して解析する画像解析手段である。画像解析部16は、画像処理部15から画像解析を行うように指示を受けると、記憶部14にアクセスして、記憶されている三次元画像と解析プログラムとを呼び出して、マーチン・キューブス法(例えば、Lorensen, W. E. ; Cline, H. E., “ComputerGraphics”, “SIG-GRAPH ’87”, 1987, 21, p.163-169参照)といったアルゴリズムを利用して、図3に示されるように、三次元画像を直交座標系で単位立方体(ボクセル)に分割する処理を行う。この単位立方体の1辺の大きさは、三次元画像情報において隣接する輝度値データとの距離(1ピクセルに相当)と一致していることから、単位立方体の各頂点には、三次元画像データにおける輝度値がそれぞれ対応するようになっている。
【0028】
続いて、各頂点に対応した輝度値を、界面を示す所定の閾値である輝度値128と比較し、頂点間の輝度値が線形に変化していると仮定して単位立方体の各辺において輝度値128に相当する点を検出する処理を行う。そして、検出された点を結ぶことにより単位立方体内にポリゴン(多角形面)を形成する。具体的には、図4(a)に示されるように、単位立方体の1つの頂点が輝度値256であり、その他の点が輝度値0である場合、輝度値128に相当する点は、輝度値256の頂点と輝度値0の頂点とを結ぶ3辺それぞれの中心点になるから、これらを結ぶことで三角形のポリゴンP1が形成される。また、図4(b)に示されるように、単位立方体の2つの頂点が輝度値256であり、その他の点が0である場合、輝度値128に相当する点は、輝度値256の頂点と輝度値0の頂点とを結ぶ4辺それぞれの中心点となるから、これらを結ぶことで四角形のポリゴンP2が形成される。
【0029】
また、図4(c)に示されるように、輝度値256といった頂点に加え、輝度値128や輝度値64といった頂点がある場合には、線形の変化比率から輝度値128に対応する点を求め、これらを結ぶことで三角形のポリゴンP3が形成される。そして、画像解析部16では、このようなポリゴン形成処理を全ての単位立方体について実施することにより、三次元画像に含まれる解析対象物の内部構造における全ての界面にポリゴンを割り当てる。これにより、界面は複数のポリゴンに擬似的に分割され、界面は複数のポリゴン毎に検出されることになる。上述したように、高分子材料A,Bそれぞれには固有の電子密度があり、解析対象物における高分子材料A,Bの混ざり度合、即ち所定の領域における高分子材料A,Bの混合比率に応じた電子密度が算出され、この混合比率に応じた電子密度に基づいて、例えば上述したような輝度値128が所定の閾値として設定される。なお、解析対象となる高分子材料の種類に応じて、異なった輝度値が所定の閾値として設定される。画像解析部16は、このようにして得られたポリゴンに関するポリゴン情報を記憶部14に記憶し、各ポリゴンにおけるベクトルの大きさが1である単位法線ベクトルnを算出するよう法線ベクトル算出部17へ指示する。
【0030】
法線ベクトル算出部17は、取得された各ポリゴンにおける単位法線ベクトルnを算出する手段である。法線ベクトル算出部17は、画像解析部16から単位法線ベクトルnを算出するよう指示を受けると、記憶部14にアクセスして、記憶されているポリゴン情報や法線ベクトルの算出プログラムを呼び出し、各ポリゴンの二辺AB,ACをベクトルとして外積を用い、かつ単位法線ベクトルnの向きが高分子材料Aで満たされた領域に向くように設定することで、単位法線ベクトルnを求める算出処理を行う。ここで、各ポリゴンの重心Gが単位法線ベクトルnの起点となるように補正してもよい。ポリゴンが例えば三角形ABCの場合、単位法線ベクトルnは、以下の数式(1)により求められる。この数式(1)を含む算出プログラムは、記憶部14に記憶されている。なお、ポリゴンが四角形の場合も三角形の場合と同様に求められる。
【数1】



【0031】
そして、法線ベクトル算出部17は、このような単位法線ベクトルnの算出処理をすべてのポリゴンについて実施して、各ポリゴンに対する単位法線ベクトルnを算出する。法線ベクトル算出部17は、算出した単位法線ベクトルnを記憶部14に記憶し、配向関数を算出するように配向関数算出部18へ指示する。
【0032】
配向関数算出部18は、単位法線ベクトルnから一軸配向関数f及び二軸配向関数gを算出する算出手段である。配向関数算出部18は、法線ベクトル算出部17から配向関数を算出するよう指示を受けると、記憶部14にアクセスして、単位法線ベクトルnと配向関数の算出プログラムとを呼び出し、後述するように、一軸配向関数f及び二軸配向関数gを算出する。
【0033】
まず、一軸配向関数fを算出するプログラムの考え方について説明する。図5に示されるように、単位法線ベクトルnの直交座標系上の成分を(v,v,v)として、X軸となす角度をφとし、以下の数式(2)によりcos2φを求める。なお、直交座標系の設定は任意に設定できる。
【数2】



そして、数式(2)により求められたcos2φを用いて、以下の数式(3)により、一軸配向関数fを算出するというものである。
【数3】



【0034】
ここで、数式(3)における<cos2φ>は面積による加重平均をとることができるため、一軸配向関数fを算出する実際のプログラムでは、各ポリゴンの面積をdS、全てのポリゴンの総面積をSとして算出し、
【数4】



で一軸配向関数fを算出する。数式(4)におけるΣは全てのポリゴンについての和をとることを意味する。なお、この一軸配向関数fの算出プログラムは、記憶部14に記憶されている。
【0035】
続いて、二軸配向関数gを算出するプログラムの考え方について説明する。図6に示されるように、単位法線ベクトルnの直交座標系の成分を(v,v,v)として、単位法線ベクトルnとz軸とがなす角度をθ、xy平面に投影したときの単位法線ベクトルnとx軸とのなす角度をφ’とし、以下の数式(5)により、二軸配向関数gを算出するというものである。
【数5】



なお、sin2θとcosφ’はそれぞれ、以下の数式(6)、(7)で計算される。
【数6】



【数7】



【0036】
ここで、<sin2θ×(2cos2φ’-1)>は面積による加重平均をとることができ、二軸配向関数gを算出する実際のプログラムでは、各ポリゴンの面積をdS、全てのポリゴンの総面積をSとして算出し、
【数8】



で二軸配向関数gを算出する。数式(8)におけるΣは全てのポリゴンについての和をとることを意味する。なお、この二軸配向関数gの算出プログラムは、記憶部14に記憶されている。
【0037】
配向関数算出部18は、このようにして算出された一軸配向関数fや二軸配向関数gを記憶部14に記憶し、出力表示部19に配向関数を出力表示するよう指示する。
【0038】
出力表示部19は、算出された一軸配向関数fや二軸配向関数gを出力表示する表示手段である。出力表示部19は、配向関数算出部18から配向関数を出力するよう指示を受けると、記憶部14にアクセスし、記憶されている一軸配向関数fや二軸配向関数gを不図示の表示部に表示させる。この表示により、算出された一軸配向関数fや二軸配向関数gの値が認識され、高分子複合材料の物性を知ることができる。
【0039】
なお、一軸配向関数fは、−0.5〜1の間の値を取り得るが、図5に示されるような座標系を設定した場合においては、一軸配向関数f=1の場合には、単位法線ベクトルnがx軸に完全に平行に配向していることを意味し、一軸配向関数f=−0.5の場合には、単位法線ベクトルnがx軸に完全に垂直に配向していることを意味し、一軸配向関数f=0の場合には、単位法線ベクトルnの配向が完全にランダムであることを意味する。また、二軸配向関数gは、−1〜1の間の値を取り得るが、図6に示されるような座標系を設定した場合においては、二軸配向関数g=1の場合には、単位法線ベクトルnがx軸に完全に平行に配向していることを意味し、二軸配向関数g=−1の場合には、単位法線ベクトルnがy軸に完全に平行に配向していることを意味し、二軸配向関数g=0の場合には、単位法線ベクトルnがz軸に完全に平行に配向しているか、または単位法線ベクトルnの配向が完全にランダムであるかのいずれかを意味する。
【0040】
引き続いて、図7のフローチャートを用いて、解析システム10により実行される本実施形態に係る解析方法を説明する。
【0041】
[スライス画像取得工程]
解析システム10では、まず、撮像装置11でスライス画像を取得する前処理として、ウルトラミクロトームやFIB加工法などにより、高分子複合材料からなる解析対象物の超薄切片を作製する。この超薄切片は厚みが20〜500nm程度である。続いて、この超薄切片を四酸化オスミウムや四酸化ルテニウムなどで染色して電子線に対するコントラストを高めた上で、撮像装置11の試料台に設置する。なお、超薄切片の表面の一部に、位置あわせ用の金コロイドを添着する。
【0042】
続いて、試料台に設置された解析対象物の超薄切片に対して、所定の電子線を透過させて、解析対象物のスライス画像を取得する(S1)。ステップS1でスライス画像を取得する際、電子線に略直交する方向を基準として、解析対象物を−60度から+60度まで一度ずつ傾動させて、角度毎にスライス画像を取得して、連続傾斜画像を得る。
【0043】
[三次元画像生成工程]
続いて、解析対象物の連続傾斜画像から解析対象物の内部構造を表わす三次元画像を生成する(S2)。まず、画像処理部15は、連続傾斜画像における位置あわせ用の軸が一致するように、金コロイドの画像上の位置に基づいて、スライス画像を補正する。そして、共通の座標が付与された複数のスライス画像を、計算機トモグラフィー法により、内部構造を表わす三次元画像へと再構築する。なお、この三次元画像は、各画素毎(1ピクセル毎)の輝度値を含んでいる。
【0044】
[界面の検出分割工程]
続いて、三次元画像情報における輝度値を内部構造における二種類の高分子材料A、B間の界面を示す所定の閾値である輝度値128と比較して、複数のポリゴンに分割される界面を複数のポリゴン毎に検出する(S3)。まず、画像解析部16は、三次元画像情報が入力されると、マーチン・キューブス法といったアルゴリズムを利用して、この三次元画像情報を直交座標系で単位立方体に分割する。この単位立方体の一辺は1ピクセルに相当するので、単位立方体の各頂点には、各画素における輝度値が対応する。
【0045】
そして、各頂点に対応する輝度値を、界面を示す所定の閾値である輝度値128と比較して、単位立方体の各辺において輝度値128に相当する点を検出して、検出された点を結ぶことにより、単位立方体内にポリゴンを形成する。そして、画像解析部16では、このようなポリゴン処理を全ての単位立方体について実施することにより、三次元画像に含まれる解析対象物の内部構造におけるすべての界面にポリゴンを割り当てる。これにより、界面は、複数のポリゴンに擬似分割され、界面が複数のポリゴン毎に検出されることになる。
【0046】
[法線ベクトルn算出工程]
続いて、法線ベクトル算出部17で、各ポリゴンにおける単位法線ベクトルnを算出する(S4)。単位法線ベクトルnを算出する際には、各ポリゴンの二辺AB、ACをベクトルとして外積を用い、かつ単位法線ベクトルnの向きが高分子材料Aで満たされた領域を向くように設定することで、単位法線ベクトルnを求める。例えば、ポリゴンが三角形ABCの場合、単位法線ベクトルnは、数式(1)により求められる。法線ベクトル算出部17は、このような単位法線ベクトルnの算出処理をすべてのポリゴンに対して行って、各ポリゴンに対する単位法線ベクトルnを算出する。
【0047】
[一軸配向関数算出工程]
続いて、配向関数算出部18で、一軸配向関数fを算出する(S5)。まず、配向関数算出部18は、単位法線ベクトルnの直交座標系上の成分を(v,v,v)として、単位法線ベクトルnとx軸とがなす角度をφ、各ポリゴンの面積をdS、全てのポリゴンの総面積をSとして算出し、数式(4)に基づいて、一軸配向関数fを算出する。
【0048】
[二軸配向関数算出工程]
続いて、配向関数算出部18で、二軸配向関数gを算出する(S6)。まず、配向関数算出部18は、単位法線ベクトルnの直交座標系上の成分を(v,v,v)として、単位法線ベクトルnとz軸とがなす角度をθ、xy平面に投影したときの単位法線ベクトルnとx軸とがなす角度をφ’、各ポリゴンの面積をdS、全てのポリゴンの総面積をSとして算出し、数式(8)に基づいて、二軸配向関数gを算出する。
【0049】
続いて、出力表示部19は、算出された一軸配向関数f及び二軸配向関数gを出力表示する(S7)。このように算出された一軸配向関数fや二軸配向関数gにより、配向フィルムや偏向フィルムなどの光学フィルムにおける複屈折や、リチウムイオン電池用のセパレータなどの多孔質膜、燃料電池用高分子電解質膜などのイオン伝導膜のイオンチャンネルの配向度、更に、繊維強化プラスチック(FRP)、ガスバリアフィルムなどの物性を特定することができる。
【0050】
上述したように、本実施形態では、三次元画像における各画素の輝度値を界面を示す輝度値128と比較して、複数のポリゴンに分割される界面を複数のポリゴン毎に検出した後、各ポリゴンにおける単位法線ベクトルnを取得して一軸配向関数f及び二軸配向関数gを算出している。配向関数を算出する際に必要とされる界面を三次元画像での輝度値に基づいて複数のポリゴン毎に検出して解析していることから、マイクロメートルレベルからナノメートルレベルといった極めて微小な範囲における局所的な配向度を解析することができる。
【0051】
また、本実施形態では、閾値である輝度値128が高分子材料A,Bといった二種類の構成成分の電子密度に応じて設定されている。このように解析対象物となる二種類の構成成分それぞれに固有の電子密度に応じた閾値を用いて界面を検出することにより、より正確に複雑な界面を検出することができる。
【0052】
また、本実施形態では、各頂点に各画素の輝度値が対応するように三次元画像を複数のボクセルに割り当て、各頂点に対応する輝度値を閾値と比較して、複数のポリゴンに分割される界面を複数のポリゴン毎に検出している。複数のボクセルを割り当てることで、界面を複数のポリゴン毎に検出するようにしているため、三次元画像の画像解析を容易に行うことができる。
【0053】
以上、本発明をその実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では、撮像装置11として、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたが、詳細なスライス画像を取得することができれば、共焦点レーザ光学顕微鏡やX線CT法などを用いてもよい。共焦点レーザ顕微鏡による高分子材料の三次元画像取得方法については、例えば「材料の評価と最前線(久保司郎編、日本材料学界編、培風館、第2章第2節1.3)」に記載されており、X線CT法などについては、例えば「機能材料(百瀬淳、藤井明子、vol.25, No.8, 2005, p.18)」に記載されている。なお、解析システム10は、三次元画像を所定の手段で得ることができればよいため、撮像装置11が必ずしも必要とされない場合もある。
【0054】
また、本実施形態では、二種類の高分子材料(物質)A,Bからなる高分子複合材料の内部構造における配向関数を算出したが、三種類以上の高分子材料(物質)からなる高分子複合材料の内部構造における配向関数を算出する際には、三種類の内、二種類の高分子材料毎に配向関数を算出することで、配向関数を算出することができる。また、内部構造を形成する二種類の構成成分の内、いずれか一方が高分子材料(物質)であればよく、他方が空間のような場合であっても本発明によって配向関数を算出することが可能である。なお、本実施形態では、1ボクセル内で1つのポリゴンが検出されているが、1ボクセル内で2つ以上のポリゴンが検出されることもある。
【実施例1】
【0055】
次に本発明を実施例によって更に詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0056】
まず、国際公開第07/043274号パンフレットの実施例7または実施例21に記載の方法を参考に、ブロック共重合体である高分子電解質を合成した。この高分子電解質のイオン交換量は2.2meq/gであった。
【0057】
続いて、上記高分子電解質を、ジメチルスルホキシドに約8.5重量%の濃度になるように溶解させて、高分子電解質溶液を調整した。そして、この高分子電解質溶液をPET基材上に均一に塗布し、その後、高分子電解質溶液を80℃で常圧乾燥した。それから、得られた膜を2N硫酸に浸漬、洗浄した後、イオン交換水で洗浄し、更に常温乾燥した後、PET基材から剥離することで高分子電解質膜を得た。
【0058】
続いて、高分子電解質を熱硬化性エポキシ樹脂(PETROPOXY 154)中に包埋した後に、ミクロトーム(常温、湿式)で膜厚180nmの超薄切片を作成し、通常の透過型電子顕微鏡(TEM)観察用Cu製グリッドメッシュ上に採取した。採取した切片を0.5%四酸化ルテニウム水溶液5滴と共に秤量瓶中に約3時間静置して、四酸化ルテニウム蒸気による染色を施した。その後、粒径10nmの金コロイドを超薄切片の表面に添着した。
【0059】
続いて、日本電子株式会社製のエネルギーフィルタTEM(JEM-2200FS、加速電圧200kV)を用いて、±60度の範囲を1度ステップで試料を傾斜させ、各角度において装置撮影倍率2万倍でTEM像を撮影した。撮影には、日本電子システムテクノロジー株式会社製のソフトウェア(Recorder)を用い、画像の取り込みはGatan社製のMSCCDカメラを用いた。得られたTEM像から、日本電子システムテクノロジー株式会社製のソフトウェア(Composer)を用いて三次元画像を得た。得られた三次元画像の解像度は3.33nm/ピクセルであった。
【0060】
このようにして得られた三次元画像から、マーチン・キューブス法を用いてポリゴンを構築した。3.33nmを単位立方体の一辺の長さとした。前述の方法により、各ポリゴンの単位法線ベクトルnを求め、上述した数式(2)及び(4)を用いて一軸配向関数fを求めたところ、0.206であった。また、各ポリゴンの単位法線ベクトルnと数式(6)、(7)及び(8)を用いて二軸配向関数gを求めたところ、0.139であった。
【0061】
上記の実施例により、619nm×619nm×212nmといった局所領域におけるミクロ相分離構造における一軸配向関数f及び二軸配向関数gを求めることができた。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】高分子複合材料の内部構造を模式的に示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る解析システムの構成図である。
【図3】三次元画像を単位立方体で分割した状態を模式的に示す図である。
【図4】単位立方体におけるポリゴンの例を示す図である。
【図5】一軸配向関数fを算出する際の単位法線ベクトルnを示す図である。
【図6】二軸配向関数gを算出する際の単位法線ベクトルnを示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る解析方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
10…解析システム、11…撮像装置、12…解析装置、13…入力部、14…記憶部、15…画像処理部(三次元画像取得手段)、16…画像解析部(画像解析手段)、17…法線ベクトル算出部(法線ベクトル算出手段)、18…配向関数算出部(配向関数算出手段)、19…出力表示部(出力手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料の内部構造における配向関数を解析する解析方法であって、
少なくとも二種類の構成成分を含む材料からなる解析対象物の内部構造を表わす三次元画像を取得する工程と、
前記三次元画像における各画素の輝度値を前記二種類の構成成分間の界面を示す所定の閾値と比較して、複数の領域に分割される前記界面を前記複数の領域毎に検出する工程と、
前記複数の領域それぞれにおける単位法線ベクトルnを算出する工程と、
前記単位法線ベクトルnから一軸配向関数fまたは二軸配向関数gを算出する工程と、
算出された前記一軸配向関数f又は前記二軸配向関数gを出力する工程と、
を含むことを特徴とする配向関数の解析方法。
【請求項2】
前記所定の閾値は、前記二種類の構成成分の電子密度に応じて設定されることを特徴とする請求項1に記載の配向関数の解析方法。
【請求項3】
各頂点に前記各画素の前記輝度値が対応するように前記三次元画像を複数のボクセルに分割して、前記各頂点に対応する前記輝度値を前記所定の閾値と比較して、前記複数の領域に分割される前記界面を前記複数の領域毎に検出することを特徴とする請求項1または2に記載の配向関数の解析方法。
【請求項4】
前記解析対象物を所定の間隔でスライスしたときの内部構造を含む断面形状を表わす複数のスライス画像を取得する工程を更に備え、前記複数のスライス画像から前記三次元画像を生成して取得することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の配向関数の解析方法。
【請求項5】
前記複数のスライス画像を透過型電子顕微鏡で取得することを特徴とする請求項4に記載の配向関数の解析方法。
【請求項6】
前記解析対象物の材料が高分子材料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の配向関数の解析方法。
【請求項7】
前記解析対象物の高分子材料が相分離構造を有していることを特徴とする請求項6に記載の配向関数の解析方法。
【請求項8】
前記解析対象物の高分子材料がブロック共重合体を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の配向関数の解析方法。
【請求項9】
前記解析対象物の高分子材料が複数の高分子からなる組成物であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の配向関数の解析方法。
【請求項10】
材料の内部構造の配向関数を解析する解析システムであって、
少なくとも二種類の構成成分を含む材料からなる解析対象物の内部構造を表わす三次元画像を取得する三次元画像取得手段と、
前記三次元画像における各画素の輝度値を前記二種類の構成成分間の界面を示す所定の閾値と比較して、複数の領域に分割される前記界面を前記複数の領域毎に検出する画像解析手段と、
前記複数の領域それぞれにおける単位法線ベクトルnを算出する法線ベクトル算出手段と、
前記単位法線ベクトルnから一軸配向関数f又は二軸配向関数gを算出する配向関数算出手段と
前記一軸配向関数f又は前記二軸配向関数gを出力する出力手段と、
を含むことを特徴とする配向関数の解析システム。


【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【公開番号】特開2010−91330(P2010−91330A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−259808(P2008−259808)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【出願人】(504255685)国立大学法人京都工芸繊維大学 (203)
【Fターム(参考)】