配線部品、回路基板、配線体ユニット及び電気モジュール
【課題】回路基板における配線パターンに対する取り付けが容易な配線部品を提供する。
【解決手段】電気モジュール50は、基板10の絶縁処理された表面上に、配線パターン12A,12B,12C,12D,12E,12F,12G,12H,12I,12J,12Kが設けられた回路基板を備えている。配線パターン12Aに隔てられた配線パターン12Bと12Gとは、配線部品1によって電気的に接続されている。配線パターン12Dに隔てられた配線パターン12Hと12I、配線パターン12Kと12Jとは、配線部品6によってそれぞれ電気的に接続されている。配線部品1のカバー部3には、配線パターン12Aに嵌合する凹部4が設けられている。配線部品6のカバー部8には、配線パターン12Dに嵌合する凹部9が設けられている。
【解決手段】電気モジュール50は、基板10の絶縁処理された表面上に、配線パターン12A,12B,12C,12D,12E,12F,12G,12H,12I,12J,12Kが設けられた回路基板を備えている。配線パターン12Aに隔てられた配線パターン12Bと12Gとは、配線部品1によって電気的に接続されている。配線パターン12Dに隔てられた配線パターン12Hと12I、配線パターン12Kと12Jとは、配線部品6によってそれぞれ電気的に接続されている。配線部品1のカバー部3には、配線パターン12Aに嵌合する凹部4が設けられている。配線部品6のカバー部8には、配線パターン12Dに嵌合する凹部9が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線部品、回路基板、配線体ユニット及び電気モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
パワー系の電気モジュールでは大電流を流すため、金属板からなるリードフレームを配線パターンとした回路基板を用いるのが、性能的にもコスト面でも有利である。かかる回路基板において、配線パターン同士を接続する場合がある。このような場合には、配線部品として、ジャンパー部品が用いられる。ジャンパー部品は、金属板のリード部の中間部分が絶縁体で覆われ、両端が絶縁体から突出した配線部品である。
【0003】
そこで、配線部品として、かかるジャンパー部品が開発されている。特許文献1には、複数のジャンパー片と、これらジャンパー片の基端部を内部に収容する上下一対のカバーとから構成されるジャンパー部品の発明が開示されている。また、特許文献2には、所定間隔をおいて複数の金属板が配列され、金属板の配列状態を保持するように絶縁体が形成され、金属板の両端部は絶縁体から露出したマルチジャンパーチップの考案が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−170607号公報
【特許文献2】実開平03−024271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載されたジャンパー部品においては、カバー、絶縁体の下面が平坦面である。このため、配線パターンに取り付ける際に、厚みのある配線パターン上でぐらつくという問題があるとともに、位置決めが必要となる。これによって、配線部品としてのジャンパー部品の、回路基板上での配線パターンに対する取り付けが困難になるという問題点があった。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、回路基板における配線パターンに対する取り付けが容易な配線部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る配線部品は、
回路基板の配線パターン同士を電気的に接続する配線部品であって、
前記配線パターン同士を両端で接続する導電性のリード部と、
該リード部の前記両端以外の一部または全部を覆う絶縁性のカバー部と、
該カバー部の前記配線パターンに当接する部分に設けられ、前記配線パターンに嵌合する凹部及び/または凸部と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、配線部品のカバー部の配線パターンに当接する部分に、配線パターンに嵌合する凹部及び/または凸部が設けられている。この凹部及び/または凸部を配線パターンに嵌め込むことで、配線部品が配線パターンの上でぐらつくこともなく、容易に位置決めをすることができ、配線部品を回路基板の所定の位置に取り付けることができる。このようにして、本発明の配線部品は、回路基板における配線パターンに対する取り付けを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態1に係る電気モジュールの全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態1に係る電気モジュールの全体構成を示す平面図である。
【図3】実施形態1に係る電気モジュールに用いられる配線体ユニットを構成する回路基板の全体構成を示す斜視図である。
【図4】実施形態1に係る電気モジュールに用いられる配線体ユニットの全体構成を示す斜視図である。
【図5】(a)は実施形態1に係る配線体ユニットを構成する配線部品の全体構成を示す斜視図、(b)は下方から見た斜視図である。
【図6】(a)は実施形態1に係る配線部品を回路基板に取り付ける様子を説明する斜視図、(b)は基板を除いて下方から見た斜視図である。
【図7】実施形態1の変形例に係る配線部品を回路基板に取り付ける様子を説明する斜視図である。
【図8】本発明の実施形態2に係る電気モジュールに用いられる配線体ユニットを構成する回路基板の全体構成を示す斜視図である。
【図9】実施形態2に係る電気モジュールに用いられる配線体ユニットの全体構成を示す斜視図である。
【図10】(a)は実施形態2に係る配線体ユニットを構成する配線部品の全体構成を示す斜視図、(b)は下方から見た斜視図である。
【図11】(a)は実施形態2に係る配線部品を回路基板に取り付ける様子を説明する斜視図、(b)は基板を除いて下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る配線部品、回路基板、配線体ユニット及び電気モジュールについて、添付の図面を参照しつつ具体的に説明する。なお、説明にあたっては、相互に直交するX軸、Y軸及びZ軸からなる座標系を用いる。
【0011】
[実施形態1]
図1に示されるように、本実施形態1に係る電気モジュール50は、基板10の絶縁処理を施された表面上に、配線パターン12A,12B,12C,12D,12E,12F,12G,12H,12I,12J,12Kが設けられた回路基板を備えている。配線パターン12Aに隔てられた配線パターン12Bと12Gとは、配線部品1によって電気的に接続されている。配線パターン12Dに隔てられた配線パターン12Hと12I、配線パターン12Kと12Jとは、配線部品6によってそれぞれ電気的に接続されている。
【0012】
配線パターン12Gには、電子部品21が実装されている。配線パターン12Cには、電子部品22が実装されている。配線パターン12Aには、電子部品23及び電子部品24が実装されている。
【0013】
配線パターン12A〜12Kは、表面をニッケルめっきされた銅板からなる。配線部品1は、リード部2と、リード部2の両端以外の一部である中間部分を覆うカバー部3からなる。リード部2は、表面をニッケルめっきされた銅板からなる。カバー部3は、エポキシ系樹脂からなる。カバー部3の下面には、配線パターン12Aに嵌合する凹部4が設けられている。配線部品1は、カバー部3の形状に対応したキャビティを有する射出成形金型にリード部2をセットし、エポキシ系樹脂を射出成形して作製される。
【0014】
配線部品6は、リード部7A,7Bと、リード部7A,7Bの両端以外の一部である中間部分を覆うカバー部8からなる。リード部7A,7Bは、表面をニッケルめっきされた銅板からなる。カバー部8は、エポキシ系樹脂からなる。カバー部8の下面には、配線パターン12Dに嵌合する凹部9が設けられている。配線部品6は、カバー部8の形状に対応したキャビティを有する射出成形金型にリード部7A,7Bをセットし、エポキシ系樹脂を射出成形して作製される。
【0015】
電子部品21は、電子部品リード21a,21bを備えている。電子部品リード21a,21bは、それぞれ配線パターン12Eと12Dに半田付けされている。電子部品22は、電子部品リード22a,22bを備えている。電子部品リード22a,22bは、それぞれ配線パターン12Kと12Dに半田付けされている。
【0016】
電子部品23は、電子部品リード23a,23bを備えている。電子部品リード23a,23bは、それぞれ配線パターン12Fと12Gに半田付けされている。電子部品24は、電子部品リード24a,24bを備えている。電子部品リード24a,24bは、それぞれ配線パターン12Hと12Cに半田付けされている。
【0017】
図2は、電気モジュール50を上から見たところを示す平面図である。図2に示されるように、配線パターン12Aに隔てられた配線パターン12Bと12Gとは、配線部品1のリード部2によって電気的に接続されている。リード部2の両端は、それぞれ配線パターン12Bと12Gに半田付けされている。
【0018】
同様に、配線パターン12Dに隔てられた配線パターン12Hと12I、配線パターン12Kと12Jとは、配線部品6のリード部7A,7Bによってそれぞれ電気的に接続されている。リード部7Aの両端は、それぞれ配線パターン12Hと12Iに半田付けされている。リード部7Bの両端は、それぞれ配線パターン12Kと12Jに半田付けされている。
【0019】
かかる構造を有することから、配線部品1,6はそれぞれ配線パターン12A,12Dの上でぐらつくことがない。また、配線部品1,6はそれぞれ配線パターン12A,12Dに対するY方向の位置ずれも生じない。
【0020】
このような構成を有する電気モジュール50の製造手順について、図3乃至図6を参照して説明する。図3に示されるように、基板10の絶縁処理を施された表面上に、配線パターン12A〜12Kが設けられた回路基板51を用意する。配線パターン12A〜12Kは、ニッケルめっきされた平坦な銅板から構成されている。
【0021】
この回路基板51に、図4に示されるように、配線部品1,6を取り付けることによって、配線体ユニット52が形成される。配線部品1の拡大図を図5に示す。図5に示されるように、配線部品1のカバー部3の下面には、幅(Y方向の長さ)m1の凹部4が設けられている。凹部4の幅m1は、配線パターン12Aの対応する部分の幅(Y方向の長さ)にほぼ等しい。
【0022】
図6に示されるように、配線部品1を取り付けるとき、配線部品1の凹部4が、配線パターン12Aに嵌合する。これによって、配線部品1のY方向の位置決めがされる。
この状態で、配線部品1のリード部2が、配線パターン12B及び配線パターン12Gに半田付けされる。このようにして、配線部品1が所定の位置に位置決め固定される。この結果、配線パターン12Bと配線パターン12Gとが、配線パターン12Aを跨いで電気的に接続される。
【0023】
同様に、図4に示されるように、配線部品6の凹部9が、配線パターン12Dに嵌合する。これによって、配線部品6のY方向の位置決めがされる。
この状態で、配線部品6のリード部7Aの両端が、配線パターン12H及び配線パターン12Iに半田付けされる。リード部7Bの両端も、配線パターン12K及び配線パターン12Jに半田付けされる。このようにして、配線部品6が所定の位置に位置決め固定される。この結果、配線パターン12Hと配線パターン12I、配線パターン12Kと配線パターン12Jが、配線パターン12Dを跨いで電気的に接続される。
【0024】
こうして形成された配線体ユニット52に、図1に示されるように、電子部品21,22,23,24が表面実装される。電子部品リード21a,21bは、それぞれ配線パターン12E,12Dの一端に半田付けされる。電子部品リード22a,22bは、それぞれ配線パターン12K,12Dの一端に半田付けされる。電子部品リード23a,23bは、それぞれ配線パターン12F,12Gの一端に半田付けされる。電子部品リード24a,24bは、それぞれ配線パターン12H,12Cの一端に半田付けされる。
【0025】
以上説明したようにして、電気モジュール50が製造される。
このように、本実施形態1に係る電気モジュール50においては、配線部品1,6の、回路基板51における配線パターン12A,12Dに対する取り付けを容易に行うことができる。
【0026】
次に、本発明の実施形態1の変形例に係る配線部品について、図7を参照して説明する。上述した配線部品1,6は、いずれも他の配線パターンに隔てられた配線パターン同士を電気的に接続するものである。本発明の配線部品はこれに限られるものではなく、隣接した配線パターン同士を電気的に接続するのにも適している。
【0027】
図7に示される配線部品31は、隣接した配線パターン40Aと40Bとを接続するものである。配線部品31は、リード部32の両端以外の一部である中間部が、カバー部33で覆われてなる。リード部32は、表面をニッケルめっきされた銅板からなる。カバー部33は、エポキシ系樹脂からなる。カバー部33の下面には、配線パターン40Aと40Bに当接する部分に、凹部34が設けられている。配線部品31は、カバー部33の形状に対応したキャビティを有する射出成形金型にリード部32をセットし、エポキシ系樹脂を射出成形して作製される。
【0028】
配線部品31を配線パターン40A,40Bを備える回路基板に取り付ける際には、凹部34を配線パターン40Aと40Bに嵌合させる。これによって、配線部品31のY方向の位置決めがされる。この状態で、配線部品31のリード部32の両端が、配線パターン40A及び配線パターン40Bに半田付けされる。このようにして、配線部品31が所定の位置に位置決め固定される。この結果、隣り合う配線パターン40Aと配線パターン40Bとが、電気的に接続される。
このように、本実施形態1の変形例に係る配線部品31は、回路基板における配線パターン40A,40Bに対する取り付けを容易に行うことができる。
【0029】
[実施形態2]
次に、本発明の実施形態2に係る配線部品、回路基板、配線体ユニット及び電気モジュールについて、図1及び図8乃至図11を参照して説明する。
本実施形態2に係る電気モジュールの全体構成は、図1に示される実施形態1に係る電気モジュール50とほぼ同様である。配線部品としても、実施形態1に係る配線部品1,6が用いられる。ただし、図1には示されない細かい部分において電気モジュール50と相違している。
【0030】
本実施形態2に係る電気モジュールの製造手順について、図8乃至図11を参照して説明する。図8に示されるように、基板10の絶縁処理を施された表面上に、配線パターン12C,12E,12F,12L,12M,12N,12P,12Q,12R,12S,12Tが設けられた回路基板101を用意する。配線パターン12C,12E,12Fは、ニッケルめっきされた平坦な銅板から構成されている。配線パターン12L,12M,12N,12P,12Q,12R,12S,12Tも、ニッケルめっきされた銅板から構成されている。
【0031】
ただし、配線パターン12Sの上面には、凸形状部12Saが設けられている。また、配線パターン12Lの上面には、凸形状部12Laが設けられている。
【0032】
さらに、配線パターン12Rの一端には、配線部品1のリード部2の形状、位置、高さに対応した凹形状部12Raが設けられている。同様に、配線パターン12Tの一端には、配線部品1のリード部2の形状、位置、高さに対応した凹形状部12Taが設けられている。
【0033】
配線パターン12Qの一端には、配線部品6のリード部7Aの形状、位置、高さに対応した凹形状部12Qaが設けられている。配線パターン12Mの一端には、配線部品6のリード部7Aの形状、位置、高さに対応した凹形状部12Maが設けられている。配線パターン12Pの一端には、配線部品6のリード部7Bの形状、位置、高さに対応した凹形状部12Paが設けられている。配線パターン12Nの一端には、配線部品6のリード部7Bの形状、位置、高さに対応した凹形状部12Naが設けられている。
【0034】
この回路基板101に、図9に示されるように、配線部品1,6を取り付けることによって、配線体ユニット102が形成される。配線部品1の拡大図を図10に示す。図10(a)に示されるように、配線部品1のカバー部3の下面には、幅(Y方向の長さ)m1の凹部4が設けられている。図10(b)に示されるように、カバー部3の下面は凹状の抉り部3aとなっている。抉り部3aの幅(X方向の長さ)は、n1である。凹部4の幅m1は、配線パターン12Sの対応する部分の幅(Y方向の長さ)にほぼ等しい。抉り部3aの幅n1は、配線パターン12Sに設けられた凸形状部12Saの幅(X方向の長さ)にほぼ等しい。
【0035】
図11(a)に示されるように、配線部品1を取り付けるとき、配線部品1の凹部4が、配線パターン12Sに嵌合する。また、配線部品1のリード部2の両端が、配線パターン12Rの凹形状部12Raと配線パターン12Tの凹形状部12Taに、それぞれ当接する。これによって、配線部品1のY方向の位置決めがされる。同時に、図11(b)に示されるように、配線パターン12Sの凸形状部12Saが、配線部品1のカバー部3の抉り部3aに嵌合する。これによって、配線部品1のX方向の位置決めがされる。
【0036】
この状態で、配線部品1のリード部2が、配線パターン12R及び配線パターン12Tに半田付けされる。このようにして、配線部品1が所定の位置に位置決め固定される。この結果、配線パターン12Rと配線パターン12Tとが、配線パターン12Sを跨いで電気的に接続される。
【0037】
同様に、図9に示されるように、配線部品6の凹部9が、配線パターン12Lに嵌合する。また、配線部品6のリード部7Aの両端が、配線パターン12Qの凹形状部12Qaと配線パターン12Mの凹形状部12Maにそれぞれ当接する。リード部7Bの両端も、配線パターン12Pの凹形状部12Paと配線パターン12Nの凹形状部12Naにそれぞれ当接する。これによって、配線部品6のY方向の位置決めがされる。同時に、配線パターン12Lの凸形状部12Laが、配線部品6のカバー部8の下面の抉り部に嵌合する。これによって、配線部品6のX方向の位置決めがされる。
【0038】
この状態で、配線部品6のリード部7Aの両端が、配線パターン12Q及び配線パターン12Mに半田付けされる。リード部7Bの両端も、配線パターン12P及び配線パターン12Nに半田付けされる。このようにして、配線部品6が所定の位置に位置決め固定される。この結果、配線パターン12Qと配線パターン12M、配線パターン12Pと配線パターン12Nが、配線パターン12Lを跨いで電気的に接続される。
【0039】
こうして形成された配線体ユニット102に、図1に示されるように、電子部品21,22,23,24が表面実装されて、本実施形態2に係る電気モジュールが製造される。
このように、本実施形態2に係る電気モジュールにおいては、配線部品1,6の、回路基板101における配線パターン12S,12Lに対する取り付けを極めて容易に行うことができる。
【0040】
上記各実施形態においては、配線部品として、1つのリード部2がカバー部3に埋め込まれた配線部品1と、2つのリード部7A,7Bがカバー部8に埋め込まれた配線部品6について説明した。これに限られるものではなく、リード部の数は3つ以上でもよい。また、複数のリード部が、リード部7A,7Bのように水平方向(X方向)に離れて設けられたものだけでなく、垂直方向(Z方向)に離れて設けられていてもよい。
【0041】
上記各実施形態においては、配線部品として、配線パターン同士を接続するものについて説明した。これに限られるものではなく、2つ以上のリード部を有し、その間に電子部品が実装されるものとしてもよい。また、2つ以上のリード部を有し、配線パターン同士を接続しつつ、リード部の間に電子部品が実装されるものとしてもよい。
【0042】
上記各実施形態においては、配線部品として、カバー部の配線パターンに当接する部分に凹部を設けた場合について説明した。これに限られるものではなく、カバー部の配線パターンに当接する部分に凸部を設けてもよいし、凹部及び凸部を設けてもよい。
【0043】
上記各実施形態においては、配線部品として、カバー部を熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂で構成し、射出成形によって成形した場合について説明した。これに限られるものではなく、カバー部の材質は絶縁性であれば、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を始めとして、どのような材質のものを用いてもよい。また、カバー部の形成方法としても、射出成形に限られるものではなく、どのような形成方法を用いてもよい。
【0044】
上記各実施形態においては、配線部品のリード部及び回路基板の配線パターンを表面にニッケルめっきした銅とした例について説明した。これに限られるものではなく、リード部及び配線パターンは、導電性材料であれば、どのような材質のものを使用してもよい。
【0045】
上記実施形態2においては、回路基板の配線パターンに、配線部品のリード部に対応する凹形状部及び配線部品のカバー部に対応する凸形状部を設けた場合について説明した。これに限られるものではなく、配線部品のリード部に対応する凸形状部及び配線部品のカバー部に対応する凹形状部を設けてもよい。配線パターンの凹形状部及び凸形状部は必須のものではなく、設けなくてもよい。配線パターンの凹形状部及び凸形状部のうち、一方だけを設けてもよい。
【0046】
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0047】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0048】
(付記1)
回路基板の配線パターン同士を電気的に接続する配線部品であって、
前記配線パターン同士を両端で接続する導電性のリード部と、
該リード部の前記両端以外の一部または全部を覆う絶縁性のカバー部と、
該カバー部の前記配線パターンに当接する部分に設けられ、前記配線パターンに嵌合する凹部及び/または凸部と、
を備える配線部品。
【0049】
(付記2)
前記リード部が前記カバー部内に水平方向及び/または垂直方向に複数設けられ、該複数設けられたリード部の間に電子部品が実装される付記1に記載の配線部品。
【0050】
(付記3)
付記1または2に記載の配線部品の前記リード部及び/または前記カバー部の形状、位置、高さに対応する凹形状部及び/または凸形状部が前記配線パターン上に設けられる回路基板。
【0051】
(付記4)
付記1または2に記載の配線部品及び付記3に記載の回路基板により構成される配線体ユニット。
【0052】
(付記5)
付記4に記載の配線体ユニットに電子部品が実装された電気モジュール。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の配線部品、回路基板、配線体ユニット及び電気モジュールは、大電力を必要とするパワーモジュールを形成するのに適している。
【符号の説明】
【0054】
1,6,31 配線部品
2,7A,7B,32 リード部
3,8,33 カバー部
3a 抉り部
4,9,34 凹部
10 基板
12A,12B,12C,12D,12E,12F,12G,12H,12I,12J,12K,12L,12M,12N,12P,12Q,12R,12S,12T,40A,40B 配線パターン
12La,12Sa 凸形状部
12Ma,12Na,12Pa,12Qa,12Ra,12Ta 凹形状部
21,22,23,24 電子部品
21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24b 電子部品リード
50 電気モジュール
51,101 回路基板
52,102 配線体ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線部品、回路基板、配線体ユニット及び電気モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
パワー系の電気モジュールでは大電流を流すため、金属板からなるリードフレームを配線パターンとした回路基板を用いるのが、性能的にもコスト面でも有利である。かかる回路基板において、配線パターン同士を接続する場合がある。このような場合には、配線部品として、ジャンパー部品が用いられる。ジャンパー部品は、金属板のリード部の中間部分が絶縁体で覆われ、両端が絶縁体から突出した配線部品である。
【0003】
そこで、配線部品として、かかるジャンパー部品が開発されている。特許文献1には、複数のジャンパー片と、これらジャンパー片の基端部を内部に収容する上下一対のカバーとから構成されるジャンパー部品の発明が開示されている。また、特許文献2には、所定間隔をおいて複数の金属板が配列され、金属板の配列状態を保持するように絶縁体が形成され、金属板の両端部は絶縁体から露出したマルチジャンパーチップの考案が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−170607号公報
【特許文献2】実開平03−024271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載されたジャンパー部品においては、カバー、絶縁体の下面が平坦面である。このため、配線パターンに取り付ける際に、厚みのある配線パターン上でぐらつくという問題があるとともに、位置決めが必要となる。これによって、配線部品としてのジャンパー部品の、回路基板上での配線パターンに対する取り付けが困難になるという問題点があった。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、回路基板における配線パターンに対する取り付けが容易な配線部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る配線部品は、
回路基板の配線パターン同士を電気的に接続する配線部品であって、
前記配線パターン同士を両端で接続する導電性のリード部と、
該リード部の前記両端以外の一部または全部を覆う絶縁性のカバー部と、
該カバー部の前記配線パターンに当接する部分に設けられ、前記配線パターンに嵌合する凹部及び/または凸部と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、配線部品のカバー部の配線パターンに当接する部分に、配線パターンに嵌合する凹部及び/または凸部が設けられている。この凹部及び/または凸部を配線パターンに嵌め込むことで、配線部品が配線パターンの上でぐらつくこともなく、容易に位置決めをすることができ、配線部品を回路基板の所定の位置に取り付けることができる。このようにして、本発明の配線部品は、回路基板における配線パターンに対する取り付けを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態1に係る電気モジュールの全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態1に係る電気モジュールの全体構成を示す平面図である。
【図3】実施形態1に係る電気モジュールに用いられる配線体ユニットを構成する回路基板の全体構成を示す斜視図である。
【図4】実施形態1に係る電気モジュールに用いられる配線体ユニットの全体構成を示す斜視図である。
【図5】(a)は実施形態1に係る配線体ユニットを構成する配線部品の全体構成を示す斜視図、(b)は下方から見た斜視図である。
【図6】(a)は実施形態1に係る配線部品を回路基板に取り付ける様子を説明する斜視図、(b)は基板を除いて下方から見た斜視図である。
【図7】実施形態1の変形例に係る配線部品を回路基板に取り付ける様子を説明する斜視図である。
【図8】本発明の実施形態2に係る電気モジュールに用いられる配線体ユニットを構成する回路基板の全体構成を示す斜視図である。
【図9】実施形態2に係る電気モジュールに用いられる配線体ユニットの全体構成を示す斜視図である。
【図10】(a)は実施形態2に係る配線体ユニットを構成する配線部品の全体構成を示す斜視図、(b)は下方から見た斜視図である。
【図11】(a)は実施形態2に係る配線部品を回路基板に取り付ける様子を説明する斜視図、(b)は基板を除いて下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る配線部品、回路基板、配線体ユニット及び電気モジュールについて、添付の図面を参照しつつ具体的に説明する。なお、説明にあたっては、相互に直交するX軸、Y軸及びZ軸からなる座標系を用いる。
【0011】
[実施形態1]
図1に示されるように、本実施形態1に係る電気モジュール50は、基板10の絶縁処理を施された表面上に、配線パターン12A,12B,12C,12D,12E,12F,12G,12H,12I,12J,12Kが設けられた回路基板を備えている。配線パターン12Aに隔てられた配線パターン12Bと12Gとは、配線部品1によって電気的に接続されている。配線パターン12Dに隔てられた配線パターン12Hと12I、配線パターン12Kと12Jとは、配線部品6によってそれぞれ電気的に接続されている。
【0012】
配線パターン12Gには、電子部品21が実装されている。配線パターン12Cには、電子部品22が実装されている。配線パターン12Aには、電子部品23及び電子部品24が実装されている。
【0013】
配線パターン12A〜12Kは、表面をニッケルめっきされた銅板からなる。配線部品1は、リード部2と、リード部2の両端以外の一部である中間部分を覆うカバー部3からなる。リード部2は、表面をニッケルめっきされた銅板からなる。カバー部3は、エポキシ系樹脂からなる。カバー部3の下面には、配線パターン12Aに嵌合する凹部4が設けられている。配線部品1は、カバー部3の形状に対応したキャビティを有する射出成形金型にリード部2をセットし、エポキシ系樹脂を射出成形して作製される。
【0014】
配線部品6は、リード部7A,7Bと、リード部7A,7Bの両端以外の一部である中間部分を覆うカバー部8からなる。リード部7A,7Bは、表面をニッケルめっきされた銅板からなる。カバー部8は、エポキシ系樹脂からなる。カバー部8の下面には、配線パターン12Dに嵌合する凹部9が設けられている。配線部品6は、カバー部8の形状に対応したキャビティを有する射出成形金型にリード部7A,7Bをセットし、エポキシ系樹脂を射出成形して作製される。
【0015】
電子部品21は、電子部品リード21a,21bを備えている。電子部品リード21a,21bは、それぞれ配線パターン12Eと12Dに半田付けされている。電子部品22は、電子部品リード22a,22bを備えている。電子部品リード22a,22bは、それぞれ配線パターン12Kと12Dに半田付けされている。
【0016】
電子部品23は、電子部品リード23a,23bを備えている。電子部品リード23a,23bは、それぞれ配線パターン12Fと12Gに半田付けされている。電子部品24は、電子部品リード24a,24bを備えている。電子部品リード24a,24bは、それぞれ配線パターン12Hと12Cに半田付けされている。
【0017】
図2は、電気モジュール50を上から見たところを示す平面図である。図2に示されるように、配線パターン12Aに隔てられた配線パターン12Bと12Gとは、配線部品1のリード部2によって電気的に接続されている。リード部2の両端は、それぞれ配線パターン12Bと12Gに半田付けされている。
【0018】
同様に、配線パターン12Dに隔てられた配線パターン12Hと12I、配線パターン12Kと12Jとは、配線部品6のリード部7A,7Bによってそれぞれ電気的に接続されている。リード部7Aの両端は、それぞれ配線パターン12Hと12Iに半田付けされている。リード部7Bの両端は、それぞれ配線パターン12Kと12Jに半田付けされている。
【0019】
かかる構造を有することから、配線部品1,6はそれぞれ配線パターン12A,12Dの上でぐらつくことがない。また、配線部品1,6はそれぞれ配線パターン12A,12Dに対するY方向の位置ずれも生じない。
【0020】
このような構成を有する電気モジュール50の製造手順について、図3乃至図6を参照して説明する。図3に示されるように、基板10の絶縁処理を施された表面上に、配線パターン12A〜12Kが設けられた回路基板51を用意する。配線パターン12A〜12Kは、ニッケルめっきされた平坦な銅板から構成されている。
【0021】
この回路基板51に、図4に示されるように、配線部品1,6を取り付けることによって、配線体ユニット52が形成される。配線部品1の拡大図を図5に示す。図5に示されるように、配線部品1のカバー部3の下面には、幅(Y方向の長さ)m1の凹部4が設けられている。凹部4の幅m1は、配線パターン12Aの対応する部分の幅(Y方向の長さ)にほぼ等しい。
【0022】
図6に示されるように、配線部品1を取り付けるとき、配線部品1の凹部4が、配線パターン12Aに嵌合する。これによって、配線部品1のY方向の位置決めがされる。
この状態で、配線部品1のリード部2が、配線パターン12B及び配線パターン12Gに半田付けされる。このようにして、配線部品1が所定の位置に位置決め固定される。この結果、配線パターン12Bと配線パターン12Gとが、配線パターン12Aを跨いで電気的に接続される。
【0023】
同様に、図4に示されるように、配線部品6の凹部9が、配線パターン12Dに嵌合する。これによって、配線部品6のY方向の位置決めがされる。
この状態で、配線部品6のリード部7Aの両端が、配線パターン12H及び配線パターン12Iに半田付けされる。リード部7Bの両端も、配線パターン12K及び配線パターン12Jに半田付けされる。このようにして、配線部品6が所定の位置に位置決め固定される。この結果、配線パターン12Hと配線パターン12I、配線パターン12Kと配線パターン12Jが、配線パターン12Dを跨いで電気的に接続される。
【0024】
こうして形成された配線体ユニット52に、図1に示されるように、電子部品21,22,23,24が表面実装される。電子部品リード21a,21bは、それぞれ配線パターン12E,12Dの一端に半田付けされる。電子部品リード22a,22bは、それぞれ配線パターン12K,12Dの一端に半田付けされる。電子部品リード23a,23bは、それぞれ配線パターン12F,12Gの一端に半田付けされる。電子部品リード24a,24bは、それぞれ配線パターン12H,12Cの一端に半田付けされる。
【0025】
以上説明したようにして、電気モジュール50が製造される。
このように、本実施形態1に係る電気モジュール50においては、配線部品1,6の、回路基板51における配線パターン12A,12Dに対する取り付けを容易に行うことができる。
【0026】
次に、本発明の実施形態1の変形例に係る配線部品について、図7を参照して説明する。上述した配線部品1,6は、いずれも他の配線パターンに隔てられた配線パターン同士を電気的に接続するものである。本発明の配線部品はこれに限られるものではなく、隣接した配線パターン同士を電気的に接続するのにも適している。
【0027】
図7に示される配線部品31は、隣接した配線パターン40Aと40Bとを接続するものである。配線部品31は、リード部32の両端以外の一部である中間部が、カバー部33で覆われてなる。リード部32は、表面をニッケルめっきされた銅板からなる。カバー部33は、エポキシ系樹脂からなる。カバー部33の下面には、配線パターン40Aと40Bに当接する部分に、凹部34が設けられている。配線部品31は、カバー部33の形状に対応したキャビティを有する射出成形金型にリード部32をセットし、エポキシ系樹脂を射出成形して作製される。
【0028】
配線部品31を配線パターン40A,40Bを備える回路基板に取り付ける際には、凹部34を配線パターン40Aと40Bに嵌合させる。これによって、配線部品31のY方向の位置決めがされる。この状態で、配線部品31のリード部32の両端が、配線パターン40A及び配線パターン40Bに半田付けされる。このようにして、配線部品31が所定の位置に位置決め固定される。この結果、隣り合う配線パターン40Aと配線パターン40Bとが、電気的に接続される。
このように、本実施形態1の変形例に係る配線部品31は、回路基板における配線パターン40A,40Bに対する取り付けを容易に行うことができる。
【0029】
[実施形態2]
次に、本発明の実施形態2に係る配線部品、回路基板、配線体ユニット及び電気モジュールについて、図1及び図8乃至図11を参照して説明する。
本実施形態2に係る電気モジュールの全体構成は、図1に示される実施形態1に係る電気モジュール50とほぼ同様である。配線部品としても、実施形態1に係る配線部品1,6が用いられる。ただし、図1には示されない細かい部分において電気モジュール50と相違している。
【0030】
本実施形態2に係る電気モジュールの製造手順について、図8乃至図11を参照して説明する。図8に示されるように、基板10の絶縁処理を施された表面上に、配線パターン12C,12E,12F,12L,12M,12N,12P,12Q,12R,12S,12Tが設けられた回路基板101を用意する。配線パターン12C,12E,12Fは、ニッケルめっきされた平坦な銅板から構成されている。配線パターン12L,12M,12N,12P,12Q,12R,12S,12Tも、ニッケルめっきされた銅板から構成されている。
【0031】
ただし、配線パターン12Sの上面には、凸形状部12Saが設けられている。また、配線パターン12Lの上面には、凸形状部12Laが設けられている。
【0032】
さらに、配線パターン12Rの一端には、配線部品1のリード部2の形状、位置、高さに対応した凹形状部12Raが設けられている。同様に、配線パターン12Tの一端には、配線部品1のリード部2の形状、位置、高さに対応した凹形状部12Taが設けられている。
【0033】
配線パターン12Qの一端には、配線部品6のリード部7Aの形状、位置、高さに対応した凹形状部12Qaが設けられている。配線パターン12Mの一端には、配線部品6のリード部7Aの形状、位置、高さに対応した凹形状部12Maが設けられている。配線パターン12Pの一端には、配線部品6のリード部7Bの形状、位置、高さに対応した凹形状部12Paが設けられている。配線パターン12Nの一端には、配線部品6のリード部7Bの形状、位置、高さに対応した凹形状部12Naが設けられている。
【0034】
この回路基板101に、図9に示されるように、配線部品1,6を取り付けることによって、配線体ユニット102が形成される。配線部品1の拡大図を図10に示す。図10(a)に示されるように、配線部品1のカバー部3の下面には、幅(Y方向の長さ)m1の凹部4が設けられている。図10(b)に示されるように、カバー部3の下面は凹状の抉り部3aとなっている。抉り部3aの幅(X方向の長さ)は、n1である。凹部4の幅m1は、配線パターン12Sの対応する部分の幅(Y方向の長さ)にほぼ等しい。抉り部3aの幅n1は、配線パターン12Sに設けられた凸形状部12Saの幅(X方向の長さ)にほぼ等しい。
【0035】
図11(a)に示されるように、配線部品1を取り付けるとき、配線部品1の凹部4が、配線パターン12Sに嵌合する。また、配線部品1のリード部2の両端が、配線パターン12Rの凹形状部12Raと配線パターン12Tの凹形状部12Taに、それぞれ当接する。これによって、配線部品1のY方向の位置決めがされる。同時に、図11(b)に示されるように、配線パターン12Sの凸形状部12Saが、配線部品1のカバー部3の抉り部3aに嵌合する。これによって、配線部品1のX方向の位置決めがされる。
【0036】
この状態で、配線部品1のリード部2が、配線パターン12R及び配線パターン12Tに半田付けされる。このようにして、配線部品1が所定の位置に位置決め固定される。この結果、配線パターン12Rと配線パターン12Tとが、配線パターン12Sを跨いで電気的に接続される。
【0037】
同様に、図9に示されるように、配線部品6の凹部9が、配線パターン12Lに嵌合する。また、配線部品6のリード部7Aの両端が、配線パターン12Qの凹形状部12Qaと配線パターン12Mの凹形状部12Maにそれぞれ当接する。リード部7Bの両端も、配線パターン12Pの凹形状部12Paと配線パターン12Nの凹形状部12Naにそれぞれ当接する。これによって、配線部品6のY方向の位置決めがされる。同時に、配線パターン12Lの凸形状部12Laが、配線部品6のカバー部8の下面の抉り部に嵌合する。これによって、配線部品6のX方向の位置決めがされる。
【0038】
この状態で、配線部品6のリード部7Aの両端が、配線パターン12Q及び配線パターン12Mに半田付けされる。リード部7Bの両端も、配線パターン12P及び配線パターン12Nに半田付けされる。このようにして、配線部品6が所定の位置に位置決め固定される。この結果、配線パターン12Qと配線パターン12M、配線パターン12Pと配線パターン12Nが、配線パターン12Lを跨いで電気的に接続される。
【0039】
こうして形成された配線体ユニット102に、図1に示されるように、電子部品21,22,23,24が表面実装されて、本実施形態2に係る電気モジュールが製造される。
このように、本実施形態2に係る電気モジュールにおいては、配線部品1,6の、回路基板101における配線パターン12S,12Lに対する取り付けを極めて容易に行うことができる。
【0040】
上記各実施形態においては、配線部品として、1つのリード部2がカバー部3に埋め込まれた配線部品1と、2つのリード部7A,7Bがカバー部8に埋め込まれた配線部品6について説明した。これに限られるものではなく、リード部の数は3つ以上でもよい。また、複数のリード部が、リード部7A,7Bのように水平方向(X方向)に離れて設けられたものだけでなく、垂直方向(Z方向)に離れて設けられていてもよい。
【0041】
上記各実施形態においては、配線部品として、配線パターン同士を接続するものについて説明した。これに限られるものではなく、2つ以上のリード部を有し、その間に電子部品が実装されるものとしてもよい。また、2つ以上のリード部を有し、配線パターン同士を接続しつつ、リード部の間に電子部品が実装されるものとしてもよい。
【0042】
上記各実施形態においては、配線部品として、カバー部の配線パターンに当接する部分に凹部を設けた場合について説明した。これに限られるものではなく、カバー部の配線パターンに当接する部分に凸部を設けてもよいし、凹部及び凸部を設けてもよい。
【0043】
上記各実施形態においては、配線部品として、カバー部を熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂で構成し、射出成形によって成形した場合について説明した。これに限られるものではなく、カバー部の材質は絶縁性であれば、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を始めとして、どのような材質のものを用いてもよい。また、カバー部の形成方法としても、射出成形に限られるものではなく、どのような形成方法を用いてもよい。
【0044】
上記各実施形態においては、配線部品のリード部及び回路基板の配線パターンを表面にニッケルめっきした銅とした例について説明した。これに限られるものではなく、リード部及び配線パターンは、導電性材料であれば、どのような材質のものを使用してもよい。
【0045】
上記実施形態2においては、回路基板の配線パターンに、配線部品のリード部に対応する凹形状部及び配線部品のカバー部に対応する凸形状部を設けた場合について説明した。これに限られるものではなく、配線部品のリード部に対応する凸形状部及び配線部品のカバー部に対応する凹形状部を設けてもよい。配線パターンの凹形状部及び凸形状部は必須のものではなく、設けなくてもよい。配線パターンの凹形状部及び凸形状部のうち、一方だけを設けてもよい。
【0046】
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0047】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0048】
(付記1)
回路基板の配線パターン同士を電気的に接続する配線部品であって、
前記配線パターン同士を両端で接続する導電性のリード部と、
該リード部の前記両端以外の一部または全部を覆う絶縁性のカバー部と、
該カバー部の前記配線パターンに当接する部分に設けられ、前記配線パターンに嵌合する凹部及び/または凸部と、
を備える配線部品。
【0049】
(付記2)
前記リード部が前記カバー部内に水平方向及び/または垂直方向に複数設けられ、該複数設けられたリード部の間に電子部品が実装される付記1に記載の配線部品。
【0050】
(付記3)
付記1または2に記載の配線部品の前記リード部及び/または前記カバー部の形状、位置、高さに対応する凹形状部及び/または凸形状部が前記配線パターン上に設けられる回路基板。
【0051】
(付記4)
付記1または2に記載の配線部品及び付記3に記載の回路基板により構成される配線体ユニット。
【0052】
(付記5)
付記4に記載の配線体ユニットに電子部品が実装された電気モジュール。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の配線部品、回路基板、配線体ユニット及び電気モジュールは、大電力を必要とするパワーモジュールを形成するのに適している。
【符号の説明】
【0054】
1,6,31 配線部品
2,7A,7B,32 リード部
3,8,33 カバー部
3a 抉り部
4,9,34 凹部
10 基板
12A,12B,12C,12D,12E,12F,12G,12H,12I,12J,12K,12L,12M,12N,12P,12Q,12R,12S,12T,40A,40B 配線パターン
12La,12Sa 凸形状部
12Ma,12Na,12Pa,12Qa,12Ra,12Ta 凹形状部
21,22,23,24 電子部品
21a,21b,22a,22b,23a,23b,24a,24b 電子部品リード
50 電気モジュール
51,101 回路基板
52,102 配線体ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板の配線パターン同士を電気的に接続する配線部品であって、
前記配線パターン同士を両端で接続する導電性のリード部と、
該リード部の前記両端以外の一部または全部を覆う絶縁性のカバー部と、
該カバー部の前記配線パターンに当接する部分に設けられ、前記配線パターンに嵌合する凹部及び/または凸部と、
を備える配線部品。
【請求項2】
前記リード部が前記カバー部内に水平方向及び/または垂直方向に複数設けられ、該複数設けられたリード部の間に電子部品が実装される請求項1に記載の配線部品。
【請求項3】
請求項1または2に記載の配線部品の前記リード部及び/または前記カバー部の形状、位置、高さに対応する凹形状部及び/または凸形状部が前記配線パターン上に設けられる回路基板。
【請求項4】
請求項1または2に記載の配線部品及び請求項3に記載の回路基板により構成される配線体ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の配線体ユニットに電子部品が実装された電気モジュール。
【請求項1】
回路基板の配線パターン同士を電気的に接続する配線部品であって、
前記配線パターン同士を両端で接続する導電性のリード部と、
該リード部の前記両端以外の一部または全部を覆う絶縁性のカバー部と、
該カバー部の前記配線パターンに当接する部分に設けられ、前記配線パターンに嵌合する凹部及び/または凸部と、
を備える配線部品。
【請求項2】
前記リード部が前記カバー部内に水平方向及び/または垂直方向に複数設けられ、該複数設けられたリード部の間に電子部品が実装される請求項1に記載の配線部品。
【請求項3】
請求項1または2に記載の配線部品の前記リード部及び/または前記カバー部の形状、位置、高さに対応する凹形状部及び/または凸形状部が前記配線パターン上に設けられる回路基板。
【請求項4】
請求項1または2に記載の配線部品及び請求項3に記載の回路基板により構成される配線体ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の配線体ユニットに電子部品が実装された電気モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−69425(P2013−69425A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205199(P2011−205199)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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