説明

金型設計装置及び金型設計装置用プログラム

【課題】成形品の三次元形状データから成形品を成形する金型を設計するに際にて内側アンダーカットの有無及び箇所を自動判断することのできる金型設計装置及び金型設計装置用プログラムを提供する。
【解決手段】成形品の三次元形状データにおけるサーフェース上の点に対してキャビティ方向、コア方向、及び外側アンダーカット方向の仮想線を作成する仮想線作成手段、並びに、仮想線作成手段で作成した仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が全ての仮想線の方向に存在するサーフェースを内側アンダーカット面であると判断する内側アンダーカット面判断手段を備えることを特徴とする金型設計装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形品の三次元形状データから成形品を成形するための金型を設計する金型設計装置及び金型設計装置用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平11−348044号公報
【0003】
従来、金型設計においては、成形品の三次元形状データから金型抜き方向及びパーティングラインを決定してアンダーカットの有無及び箇所を設計者が目視で判断している。従って、形状が複雑である成形品の金型設計では、設計工数が嵩むと共にアンダーカットがあることを見落としてしまうという問題がある。
【0004】
そこで、金型設計において設計工数が嵩むと共にアンダーカットがあることを見落としてしまうという問題を解決するため下記の技術が開示されている。
【0005】
三次元形状データとして作成した金型におけるサーフェースの法線ベクトルを求め、その法線ベクトルが前記金型の抜き方向の成分を含む前記サーフェースに関してはアンダーカットとなる可能性があると判断する判断手段、及び、前記判断手段によりアンダーカットとなる可能性があると判断された前記サーフェースに関し、それを前記金型の抜き方向に前記金型の移動距離分だけ移動させた場合に前記成形品と干渉するときは、前記サーフェースはアンダーカットとなると判定する判定手段を備えたことを特徴とする金型設計装置である(特許文献1参照)。
本例によれば、アンダーカットの有無及び箇所を設計者が金型形状から目視で判断する必要がなくなるため、金型設計工数及び金型設計ミスを削減することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、成形品の三次元形状データから成形品を成形するための金型を設計するに際してアンダーカットの有無及び箇所を自動判断することができるが、判断されたアンダーカットが外側アンダーカット又は内側アンダーカットであるか否かは判断することができないという課題がある。特に、内側アンダーカットは、成形品の三次元形状データにおける内部に入り組んで存在するため見落としてしまう可能性が高く、また、成形品を金型で成形する際に傾斜ピン構造を採用する必要があって金型構造上の制約が高く且つ金型を製作する上のコストが嵩むため、内側アンダーカットの有無及び箇所を自動判断することは極めて重要である。
【0007】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、成形品の三次元形状データから成形品を成形する金型を設計するに際にて内側アンダーカットの有無及び箇所を自動判断することのできる金型設計装置及び金型設計装置用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明は、成形品の三次元形状データにおけるサーフェース上の点に対してキャビティ方向、コア方向、及び外側アンダーカット方向の仮想線を作成する仮想線作成手段、並びに、仮想線作成手段で作成した仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が全ての仮想線の方向に存在するサーフェースを内側アンダーカット面であると判断する内側アンダーカット面判断手段を備えることを特徴とする金型設計装置である。
本発明によれば、成形品の三次元形状データから成形品を成形する金型を設計するに際して内側アンダーカットの有無及び箇所を自動判断することのできるため、金型設計工数が低減できると共に金型設計ミスを防止することができる。
【0009】
本発明において、キャビティ方向の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースをキャビティ面であると判断するキャビティ面判断手段、キャビティ面判断手段で判断したキャビティ面を除くサーフェースであってコア方向の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースをコア面であると判断するコア面判断手段、キャビティ面判断手段で判断したキャビティ面及びコア面判断手段で判断したコア面を除くサーフェースであって外側アンダーカット方向の一以上の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースを外側アンダーカット面であると判断する外側アンダーカット面判断手段、並びに、キャビティ面、コア面、外側アンダーカット面、及び内側アンダーカット面を識別可能に表示する表示手段を備える。
【0010】
また、本発明は、成形品の三次元形状データにおけるサーフェース上の点に対してキャビティ方向、コア方向、及び外側アンダーカット方向の仮想線を作成する仮想線作成手段、並びに、仮想線作成手段で作成した仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が全ての仮想線の方向に存在するサーフェースを内側アンダーカット面であると判断する内側アンダーカット面判断手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする金型設計装置用プログラムである。
【0011】
本発明において、キャビティ方向の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースをキャビティ面であると判断するキャビティ面判断手段、キャビティ面判断手段で判断したキャビティ面を除くサーフェースであってコア方向の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースをコア面であると判断するコア面判断手段、キャビティ面判断手段で判断したキャビティ面及びコア面判断手段で判断したコア面を除くサーフェースであって外側アンダーカット方向の一以上の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースを外側アンダーカット面であると判断する外側アンダーカット面判断手段、並びに、キャビティ面、コア面、外側アンダーカット面、及び内側アンダーカット面を識別可能に表示する表示手段としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、成形品の三次元形状データから成形品を成形する金型を設計するに際して内側アンダーカットの有無及び箇所を自動判断することのできるため、金型設計工数が低減できると共に金型設計ミスを防止することができる金型設計装置及び金型設計装置用プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1〜図7は、本発明に係る金型設計装置及び金型設計装置用プログラムの実施形態を示す図である。
【0015】
図1は、本実施形態における金型設計装置10を示すブロック図である。
【0016】
金型設計装置10は、金型設計装置10の入力部12から入力される指令に基づいて、金型設計装置10に接続されている成形品の三次元形状データが記憶されている図面データベース(不図示)から必要な成形品の三次元形状データの読み込みをする。金型設計装置10に読み込まれた成形品の三次元形状データは、金型設計装置10のRAM(不図示)に記憶される。尚、金型設計装置10は、成形品の三次元形状データが記憶されている記録媒体から金型設計装置10に接続するデータ読取装置で必要とする成形品の三次元形状データの読み込みをするようにすることもできる。尚、金型設計装置10における成形品の三次元形状データの読み込みは、金型設計装置10のCPU(不図示)で制御される。また、金型設計装置10が成形品の三次元形状データを読み込み制御プログラムは、金型設計装置10のROM(不図示)に記憶されている。
【0017】
金型設計装置10は、金型設計装置10の入力部12から金型抜き方向(キャビティ方向及びコア方向)に関する情報が入力され、その情報に基づいて成形品の三次元形状データに対する金型抜き方向を設定する。尚、金型抜き方向の設定は、金型設計装置10のCPUで実行される。また、金型抜き方向の設定プログラムは、金型設計装置10のROMに記憶されている。
【0018】
金型設計装置10の形状情報取得演算部14は、金型設計装置10のRAMに読み込まれた成形品の三次元形状データから成形品の三次元形状を形成するサーフェースの形状情報(面情報)を演算して取得する。金型設計装置10の形状情報取得演算部14で取得した面(サーフェース)情報は、金型設計装置10の面情報記憶用のRAM16に記憶される。尚、金型設計装置10の形状情報取得演算部14での演算は、金型設計装置10のCPUで実行される。また、成形品の三次元形状を形成するサーフェース情報の取得プログラムは、金型設計装置10のROMに記憶されている。
【0019】
金型設計装置10のキャビ(キャビティ)面抽出演算部18は、金型設計装置10の面情報記憶用のRAM16に記憶されている一のサーフェースを選択し、そのサーフェース上に複数の点を作成し、その複数の点に対してキャビティ方向、コア方向、及び外側アンダーカット方向の仮想線を作成して(仮想線作成手段)、キャビティ方向の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースをキャビティ面であると判断する(キャビティ面判断手段)。金型設計装置10のキャビ面抽出演算部18で判断したキャビティ面は、キャビ(キャビティ)情報記憶用のRAM20に記憶される。尚、金型設計装置10のキャビ面抽出演算部18での演算は、金型設計装置10のCPUで実行される。また、仮想線作成手段及びキャビティ面判断手段としてCPU(コンピュータ)を機能させるプログラムは、金型設計装置10のROMに記憶されている。
【0020】
金型設計装置10のコア面抽出演算部22は、金型設計装置10のキャビ面抽出演算部18(キャビティ面判断手段)で判断したキャビティ面を除く一のサーフェースサーフェースを選択し、そのサーフェース上に複数の点を作成し、その複数の点に対してキャビティ方向、コア方向、及び外側アンダーカット方向の仮想線を作成して(仮想線作成手段)、コア方向の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースをコア面であると判断する(コア面判断手段)。金型設計装置10のコア面抽出演算部22で判断したコア面は、コア情報記憶用のRAM24に記憶される。尚、金型設計装置10のコア面抽出演算部18での演算は、金型設計装置10のCPUで実行される。また、コア面判断手段としてCPU(コンピュータ)を機能させるプログラムは、金型設計装置10のROMに記憶されている。
【0021】
金型設計装置10の外スライド(外側アンダーカット)面抽出演算部26では、金型設計装置10のキャビ面抽出演算部18(キャビティ面判断手段)で判断したキャビティ面及び金型設計装置10のコア面抽出演算部22(コア面判断手段)で判断したコア面を除く一のサーフェースサーフェースを選択し、そのサーフェース上に複数の点を作成し、その複数の点に対してキャビティ方向、コア方向、及び外側アンダーカット方向の仮想線を作成して(仮想線作成手段)、外側アンダーカット方向の一以上の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースを外側アンダーカット面であると判断する(外側アンダーカット面判断手段)。金型設計装置10の外スライド面抽出演算部26で判断した外側アンダーカット面は、外スライド情報記憶用のRAM28に記憶される。尚、金型設計装置10の外スライド面抽出演算部26での演算は、金型設計装置10のCPUで実行される。また、外側アンダーカット面判断手段としてCPU(コンピュータ)を機能させるプログラムは、金型設計装置10のROMに記憶されている。
【0022】
金型設計装置10の内スライド(内側アンダーカット)面抽出演算部30は、金型設計装置10のキャビ面抽出演算部18(キャビティ面判断手段)で判断したキャビティ面、金型設計装置10のコア面抽出演算部22(コア面判断手段)で判断したコア面、及び金型設計装置10の外スライド面抽出演算部26(外側アンダーカット面判断手段)で判断した外側アンダーカット面を除くサーフェースを内側アンダーカット面であると判断する(内側アンダーカット面判断手段)。尚、内側アンダーカット面は、仮想線作成手段で作成した仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が全ての仮想線の方向に存在するサーフェースである。金型設計装置10の内スライド面抽出演算部30で判断した内側アンダーカット面は、内スライド情報記憶用のRAM32に記憶される。尚、金型設計装置10の内スライド面抽出演算部30での演算は、金型設計装置10のCPUで実行される。また、内側アンダーカット面判断手段としてCPU(コンピュータ)を機能させるプログラムは、金型設計装置10のROMに記憶されている。
【0023】
金型設計装置10の表示部34(表示手段)は、金型設計装置10のキャビ面抽出演算部18、コア面抽出演算部22、外スライド面抽出演算部26、及び内スライド面抽出演算部30で抽出した各サーフェースを識別可能に表示する。尚、金型設計装置10の表示部34での表示は、金型設計装置10のCPUで制御される。また、表示手段としてCPU(コンピュータ)を機能させるプログラムは、金型設計装置10のROMに記憶されている。
【0024】
図2は、本実施形態における金型設計の手順を示したフローチャートである。
【0025】
[ステップS100]
最初に、金型設計装置10は、金型設計装置10の入力部12から入力される指令に基づいて、金型設計装置10に接続されている成形品の三次元形状データが記憶されている図面データベースから必要な成形品の三次元形状データの読み込みをする。
図3は、金型設計装置10が読み込みする成形品の三次元形状データの一例を示す斜視図である。成形品Mは、中央部から−Z方向を開口するXY平面断面の外形部が矩形の略箱状に形成されている。成形品Mの中央部から+Y方向の壁部には、矩形の開口部Wが形成されている。成形品Mの中央部から−Y方向の壁部には、矩形に突出した突起部Bが形成されている。
【0026】
[ステップS102]
次に、金型設計装置10は、金型設計装置10の入力部12から金型抜き方向(キャビティ方向及びコア方向)に関する情報が入力され、その情報に基づいて成形品の三次元形状データに対する金型抜き方向を設定する。尚、図3の成形品Mにおいては、中央部から+Z方向がキャビティ方向、中央部から−Z方向がコア方向である。
【0027】
[ステップS104]
次に、金型設計装置10の形状情報取得演算部14は、金型設計装置10のRAMに読み込まれた成形品の三次元形状データから成形品の三次元形状を形成するサーフェースの形状情報を演算して取得する(三次元形状データの全サーフェースデータの読み込み)。
【0028】
[ステップS106]
次に、金型設計装置10は、金型設計装置10の面情報記憶用のRAM16に記憶されている任意の一のサーフェースを選択(自動選択)する。
【0029】
[ステップS108]
次に、金型設計装置10は、ステップS106で選択されたサーフェース上に複数の点を作成する。
【0030】
[ステップS110]
次に、金型設計装置10は、ステップS108で作成された複数の点に対してキャビティ方向、コア方向、及び外側アンダーカット(側面スライド)方向の仮想線を作成する(仮想線作成手段)。尚、図3の成形品Mにおいては、中央部から+Z方向がキャビティ方向、中央部から−Z方向がコア方向、中央部から±X方向及び±Y方向が外側アンダーカット(側面スライド)方向である。
図4は、図3の成形品Mにおいて金型設計装置10の仮想線作成手段で一のサーフェースに仮想線が作成された状態を示した斜視図である。尚、図4では、図3の成形品Mの中央部から+Z方向の壁部の外面に仮想線が作成されている。
【0031】
[ステップS112]
次に、金型設計装置10のキャビ面抽出演算部18が、ステップS110で作成したキャビティ方向の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在するか否かを判断する。
【0032】
[ステップS114]
次に、ステップS112でNOの場合には、ステップS106で選択されたサーフェースがキャビティ面であると判断する(キャビティ面判断手段)。そして、ステップS126を実行する。
【0033】
[ステップS116]
次に、ステップS112でYESの場合には、金型設計装置10のコア面抽出演算部22が、ステップS110で作成したコア方向の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在するか否か有無を判断する。
【0034】
[ステップS118]
次に、ステップS116でNOの場合には、ステップS106で選択されたサーフェースがコア面であると判断する(コア面判断手段)。そして、ステップS126を実行する。
【0035】
[ステップS120]
次に、ステップS116でYESの場合には、金型設計装置10の外スライド面抽出演算部26が、ステップS110で作成した側面スライド方向の全ての仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在するか否かを判断する。
【0036】
[ステップS122]
次に、ステップS120でNOの場合には、ステップS106で選択されたサーフェースが外側アンダーカット(側面スライド)面であると判断する(外側アンダーカット面判断手段)。そして、ステップS126を実行する。
図5は、図3の成形品Mにおける外側アンダーカット面の一例を示すZY平面断面図である。図5では、図3の成形品Mにおける開口部Wの図中下側の面が外側アンダーカット面であることを示している。即ち、成形品Mにおける開口部Wの図中下側の面上の点に対するキャビティ方向(+Z方向)、コア方向(−Z方向)、及び外側アンダーカット方向(+Y方向)の仮想線と成形品Mの三次元形状データとの交点は存在するが、外側アンダーカット方向(−Y方向)の仮想線と成形品Mの三次元形状データとの交点は存在しない。尚、成形品Mにおける開口部Wの図中下側の面においては、外側アンダーカット方向(±X方向)の仮想線と成形品Mの三次元形状データとの交点は存在する。
【0037】
[ステップS124]
次に、ステップS120でYESの場合には、ステップS106で選択されたサーフェースが内側アンダーカット(内スライド)面であると判断する(内側アンダーカット面判断手段)。
図6は、図3の成形品Mにおける内側アンダーカット面の一例を示すZY平面断面図である。図6では、図3の成形品Mにおける突起部Bの図中上側の面が内側アンダーカット面であることを示している。即ち、成形品Mにおける突起部Bの図中上側の面上の点に対するキャビティ方向(+Z方向)、コア方向(−Z方向)、及び外側アンダーカット方向(±Y方向)の仮想線と成形品Mの三次元形状データとの交点が存在する。尚、成形品Mにおける突起部Bの図中上側の面においては、外側アンダーカット方向(±X方向)の仮想線と成形品Mの三次元形状データとの交点は存在する。
【0038】
[ステップS126]
次に、ステップS104で形状情報を取得した全サーフェースがステップS106で選択されたか否かを判断する。本ステップS126でNOの場合には、ステップS106に戻る。本ステップS126でYESの場合には、本ルーチンを終了する。
【0039】
図7は、本発明に係る金型設計装置及び金型設計装置用プログラムを使用して製作される金型の一例を示したZY平面断面図である。金型Dは、固定側金型FD、可動側金型MD、側面スライドSD、及び内スライドIDから概略構成されている。
【0040】
以上、本実施形態によれば、成形品の三次元形状データから成形品を成形する金型を設計するに際して内側アンダーカットの有無及び箇所を自動判断することのできるため、金型設計工数が低減できると共に金型設計ミスを防止することができる。
【0041】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、実施形態における金型設計装置を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施形態における金型設計の手順を示したフローチャートである。
【図3】図3は、金型設計装置が読み込みする成形品の三次元形状データの一例を示す斜視図である。
【図4】図4は、図3の成形品において金型設計装置の仮想線作成手段で一のサーフェースに仮想線が作成された状態を示した斜視図である。
【図5】図5は、図3の成形品における外側アンダーカット面の一例を示すZY平面断面図である。
【図6】図6は、図3の成形品における内側アンダーカット面の一例を示すZY平面断面図である。
【図7】図7は、本発明に係る金型設計装置及び金型設計装置用プログラムを使用して製作される金型の一例を示したZY平面断面図である。
【符号の説明】
【0043】
10:金型設計装置、M:成形品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形品の三次元形状データにおけるサーフェース上の点に対してキャビティ方向、コア方向、及び外側アンダーカット方向の仮想線を作成する仮想線作成手段、並びに、仮想線作成手段で作成した仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が全ての仮想線の方向に存在するサーフェースを内側アンダーカット面であると判断する内側アンダーカット面判断手段を備えることを特徴とする金型設計装置。
【請求項2】
キャビティ方向の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースをキャビティ面であると判断するキャビティ面判断手段、キャビティ面判断手段で判断したキャビティ面を除くサーフェースであってコア方向の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースをコア面であると判断するコア面判断手段、キャビティ面判断手段で判断したキャビティ面及びコア面判断手段で判断したコア面を除くサーフェースであって外側アンダーカット方向の一以上の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースを外側アンダーカット面であると判断する外側アンダーカット面判断手段、並びに、キャビティ面、コア面、外側アンダーカット面、及び内側アンダーカット面を識別可能に表示する表示手段を備える請求項1に記載の金型設計装置。
【請求項3】
成形品の三次元形状データにおけるサーフェース上の点に対してキャビティ方向、コア方向、及び外側アンダーカット方向の仮想線を作成する仮想線作成手段、並びに、仮想線作成手段で作成した仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が全ての仮想線の方向に存在するサーフェースを内側アンダーカット面であると判断する内側アンダーカット面判断手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする金型設計装置用プログラム。
【請求項4】
キャビティ方向の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースをキャビティ面であると判断するキャビティ面判断手段、キャビティ面判断手段で判断したキャビティ面を除くサーフェースであってコア方向の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースをコア面であると判断するコア面判断手段、キャビティ面判断手段で判断したキャビティ面及びコア面判断手段で判断したコア面を除くサーフェースであって外側アンダーカット方向の一以上の仮想線と成形品の三次元形状データとの交点が存在しないサーフェースを外側アンダーカット面であると判断する外側アンダーカット面判断手段、並びに、キャビティ面、コア面、外側アンダーカット面、及び内側アンダーカット面を識別可能に表示する表示手段としてコンピュータを機能させる請求項3に記載の金型設計装置用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−27139(P2008−27139A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198308(P2006−198308)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】