説明

鋏み付き収穫用竿袋

【課題】 高い枝先に生った果実の収穫が、安全に且つ簡単に出来るようにした鋏み付き収穫用竿袋を提供する。
【解決手段】 貫通した穴を有する竿5の先に、果実の収穫器37を持つ竿袋であって、ジョイント部9と収穫器37の基部の胴竿先端部35近くに、収穫用鋏み21と29を設け、胴竿5を押す力、引く力、又は手元操作部7を捻った時に発生する力を使って、果実を枝先から切り取り収穫袋32へ取り込むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い枝先に生った果実を収穫するための、鋏み付き収穫用竿袋に関すものである。
【背景技術】
【0002】
高い枝先になった柿を収穫するとき、果樹や脚立に登っての作業が多く、幹が裂けて落ちる事故や脚立からの落下事故等が多発しており、果実も枝裂けによる落果や、打ち傷、割れ、蔕はずれ、等で出荷できないものが多く出ていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
(イ)太目の針金に袋を取り付けただけの竿袋で、竿を押したり引いたりし

ずれ又は、果樹の枝を折るという問題点があった。

落下事故が多かった。
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
貫通した穴を有する竿の先に収穫器と収穫袋を設けたものであって、その貫通した竿の内部で手元操作部と収穫器を連動棒で繋ぐことで、手元操作部を捻ると、収穫器に設けられた鋏で枝先になった果実を切り取り、収穫袋に取り込むことができる。
【0005】
前記収穫用の鋏は、収穫器の上部及び下部のジョイント部近くに設けており、開閉は、竿を押しても又は引いても行なうことができる。
【0006】
前記収穫袋は、収穫器の骨材に収穫袋の耳の部分を被せ、柔軟性のある袋留めバンドで固定している為、着脱が簡単にできる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、果実を収穫する時、竿先につけた収穫器の鋏みで果実を生り口から切り取ることで、打ち傷や落果、或は果実の蔕はずれ、等の不良品を無くすことができる。
また、高い果樹に登る必要もなく、脚立も上段まで登らずに低い位置からの収穫が可能なためバランスを崩しての落下事故を無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0009】
図1,図3,図5に示すように、本収穫器37と、胴竿5の中を、胴竿先端部35の辺りから手元操作部7まで通している連動棒14を、ジョイント部12で固定ビス13にて繋ぎ、手元操作部7の、連動棒巻上げドラム25と連動棒14を連動棒制御ビス26にて繋ぐことで、手元操作部7を捻ると収穫器37に設けた収穫用鋏み21及び29が閉じる。
【0010】
図2で示すように収穫用鋏み21を、収穫器37の先端のジョイント部9の近くに、収穫用鋏み29を、収穫器37基部の胴竿先端部35近くに設けている。
【0011】
図2で示すように収穫用鋏み21及び29が楽に閉じるように骨材の1と3及び2と4をそれぞれ、ジョイント部11で繋いでいる。
【0012】
図2,図4で示すように胴竿先端部35は、収穫用鋏み29と同じ面を平たくすることで、果実を傷つけずに、生り口が収穫用鋏み29に誘導しやすくしている。
【0013】
図3で示すように胴竿先端部35の内部に刃幅調整部材20を設けている。
【0014】
図3,図4に示すように、貫通した胴竿5の中の連動棒14に、弾性部材制御板30、弾性部材17、弾性部材制御板16の順に通し、弾性部材制御板16を固定ビス15で連動棒に固定し、弾性部材制御板30を連動棒作動制御ビス19で胴竿5に留めることで、弾性部材17の反発力で収穫用鋏み21及び29の開閉と手元操作部の捻りを元に戻すことができる。
【0015】
図3,図5に示すように、連動棒14に連動棒作動用くりぬき穴18及び27を設けることで胴竿5を押すと、収穫用鋏み29と連動棒14が手元操作部7のほうへ押し込まれ収穫用鋏み29が閉じることになる。
【0016】
図5、図6に示すように手元操作部7の内側に螺旋状の溝24を施し、その螺旋状の溝24を、連動棒巻上げドラム25に付いている突起28が移動するようにしている為、手元操作部7を捻ると、螺旋状の溝24を連動棒巻上げドラム25の突起28が移動して連動棒14を引っ張り、収穫用鋏み21及び29を閉じ、捻りを戻すと収穫用鋏み21及び29が開くことになる。
【0017】
図5で示すように胴竿5と手元操作部7の接合は、胴竿5の継ぎ手部分に磨耗止め6を通し、次に手元操作部7をはめ込んで、手元操作部回転制御穴23に接合兼手元操作部回転制御ネジ22で繋ぎ合わせる。
【0018】
図7で示すように収穫袋32の、閉じ穴39があけられた耳の部分を収穫器37の骨材1・2・3・4に被せ、内側と外側の閉じ穴39を合わせて柔軟性のある袋留めバンド36の凸部33に通し、凹部34で固定する。尚、この柔軟性のある袋留めバンドの凸部の先端部には凹部から簡単に外れないよう、返しを設けている。
本発明は、以上の構成によりなりたっている。
本発明を使用するときは、上記の鋏み付き収穫用竿袋の胴竿5を片手で、もう片方の手で手元操作部7を握り、枝先に生っている果実に収穫器37を被せ、果実の生り口部分を収穫用鋏み21か29の所に誘導する。例えば収穫用鋏み21に誘導した場合、胴竿5を引っ張っても、手元操作部7を捻ることでも枝から果実を切り取れるし、収穫用鋏み29に誘導した場合は胴竿5を押すことで、又は手元操作部7を捻ることででも切り取ることが出来る。尚、切りとられた果実は収穫袋32の中に納まる様にしている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る鋏み付き収穫用竿袋の一実施の形態を示す全体斜視図である。
【図2】図1の鋏み付き収穫用竿袋の収穫器部分の斜視図である。
【図3】図1の鋏み付き収穫用竿袋の胴竿先端部の横断面図である。
【図4】図1の鋏み付き収穫用竿袋の胴竿先端部の縦断面図である。
【図5】図1の鋏み付き収穫用竿袋の手元操作部分の斜視図である。
【図6】図1の鋏み付き収穫用竿袋の手元操作部分の断面図である。
【図7】図1の鋏み付き収穫用竿袋の収穫袋の斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
1,2,3,4:骨材 21:29:収穫用鋏み
5:胴竿 23:手元操作部回転制御穴
6:磨耗止め 24:螺旋状の溝
7:手元操作部 25:連動棒巻上げドラム
9,11,12:ジョイント部 28:突起
13,15:固定ビス 33:反し付き袋留めピン凸部
14:連動棒 34:袋留めピン凹部
16,30:弾性部材制御版 35:胴竿先端部
17:弾性部材 36:柔軟性のある袋留めバンド
18,27:連動棒作動用くりぬき穴 37:収穫器
19,26:連動棒作動制御ビス 39:閉じ穴
20:刃幅調整部材
22:接合兼手元操作部回転制御ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通した穴を有する竿の先に収穫器と収穫袋を設けたものであって、その貫通した竿の内部で手元操作部と収穫器を連動棒で繋ぐことで、手元操作部を捻ると収穫器に設けられた鋏みで枝先になった果実を切り取り、収穫袋に取り込むことを特徴とする鋏み付き収穫用竿袋。
【請求項2】
前記収穫用の鋏は、収穫器の上部及び下部のジョイント部近くに設けており、開閉は、竿を押しても又は引いても行なうことができることを特徴とする、請求項1記載の鋏み付き収穫用竿袋。
【請求項3】
前記収穫袋は、収穫器の骨材に収穫袋の耳の部分を被せ、柔軟性のある袋留めバンドで固定している為、着脱が簡単に出来ることを特徴とする、請求項1記載の鋏み付き収穫用竿袋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−202537(P2007−202537A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−49200(P2006−49200)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(504443020)
【Fターム(参考)】