開閉装置
【課題】管理用として使用する場合における開閉体の閉鎖動作が円滑に行えるようになる開閉装置を提供すること。
【解決手段】
平常時には扉体全開保持手段12によって全開状態が保持され、非常時には扉体全開保持手段12による全開保持状態が解除されて出入口5を閉鎖する扉体2を有する開閉装置は、平常時に扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための平常時扉体全開保持状態解除手段を備えており、この平常時扉体全開保持状態解除手段は、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための第2解除信号である操作信号を扉体全開保持手段12へ入力する第2解除信号入力手段である扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aである。
【解決手段】
平常時には扉体全開保持手段12によって全開状態が保持され、非常時には扉体全開保持手段12による全開保持状態が解除されて出入口5を閉鎖する扉体2を有する開閉装置は、平常時に扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための平常時扉体全開保持状態解除手段を備えており、この平常時扉体全開保持状態解除手段は、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための第2解除信号である操作信号を扉体全開保持手段12へ入力する第2解除信号入力手段である扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間を仕切るための少なくとも1個の扉体で構成された開閉体を備えた開閉装置に係り、例えば、出入口や窓等の開口部を開閉体で開閉するための開口部用開閉装置や、開閉体で防災区画を形成するための防災用開閉装置等に利用することができる。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、火災発生等の非常時に出入口等の開口部等を扉体で閉鎖することにより防災区画をするための防災用開閉装置である防火扉装置(言い換えると防火戸装置)が示されている。この防火扉装置では、扉体を全開状態に保持するための扉体全開保持手段を備えており、この扉体全開保持手段は、扉体を収納するための扉体収納部に設けられ、前記扉体に設けられた係止部が係止する被係止部を有するラッチ機構を備えている。火災発生等の非常時には、防災信号がラッチ機構へ入力されることにより、扉体の係止部とラッチ機構の被係止部との係止状態が解除される。これにより、全開保持状態が解除された扉体は、この扉体に対して閉鎖動作方向への付勢力を付与する付勢手段により、全閉位置に達するまで自動閉鎖するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−18579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、平常時において、出入口等の開口部等を開閉するために防火扉装置の扉体を開閉動作させる場合や、扉体の開閉試験を行うために扉体を開閉動作させる場合において、すなわち、防火扉装置を管理用として使用する場合において、扉体を閉鎖動作させるためには、係止部が扉体収納部のラッチ機構の被係止部に係止している状態の扉体を建物の管理者等が閉鎖側に強制的に引っ張る等の必要があった。すなわち、建物の管理者等が、係止部が扉体収納部のラッチ機構の被係止部に係止している状態の扉体を閉鎖側に強制的に引っ張る等することで扉体の全開保持状態を解除していた。
【0005】
このため、管理者等にとっては、管理者等自身が扉体を引っ張るという手間と労力が生じ、また、扉体を無理に勢いよく引っ張ることにより扉体全開保持手段を構成するラッチ機構の被係止部や扉体の係止部が破損する等の不具合が生じるおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、管理用として使用する場合における開閉体の閉鎖動作が円滑に行えるようになる開閉装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る開閉装置は、空間を仕切るための少なくとも1個の扉体で構成された開閉体と、前記扉体を全開状態に保持するための扉体全開保持手段と、火災発生等の非常時に前記扉体全開保持手段による前記扉体の全開保持状態を解除するための非常時扉体全開保持状態解除手段と、平常時に前記扉体全開保持手段による前記扉体の全開保持状態を解除するための平常時扉体全開保持状態解除手段と、備えていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る開閉装置は、従来と同様に、火災発生等の非常時に扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための非常時扉体全開保持状態解除手段を備えているが、さらに、平常時に前記扉体全開保持手段による前記扉体の全開保持状態を解除するための平常時扉体全開保持状態解除手段も備えている。
【0009】
このため、平常時において、本発明に係る開閉装置を管理用として使用する場合において、扉体を閉鎖動作させるために、建物の管理者等が扉体全開保持手段により全開状態に保持されている扉体を閉鎖側に強制的に引っ張る必要がなくなる。
【0010】
したがって、管理者等にとっては、管理者等自身が扉体を引っ張るという手間と労力が無くなり、また、扉体を無理に勢いよく引っ張ることにより扉体全開保持手段が破損する等の不具合が生じるおそれはなくなる。
【0011】
このため、本発明によると、開閉装置を管理用として使用する場合における開閉体の閉鎖動作が円滑に行えるようになる。
【0012】
ここで、本発明において、「管理用」とは、例えば、平常時において、建物内の空調を行うために出入口等の開口部を開閉体で開閉すること(すなわち、空調用)、外部の人間の侵入を防止するために出入口等の開口部を開閉体で閉鎖すること(すなわち、防犯用)、開閉体の動作試験を行うために出入口等の開口部を開閉体で開閉すること(すなわち、動作試験用)等の用途をいう。
【0013】
本発明において、扉体全開保持手段は、扉体の全開状態を機械的に保持するものでもよく、扉体の全開状態を電気的に保持するものでもよく、これらを併用したものでもよい。
【0014】
本発明において、非常時扉体全開保持状態解除手段の形状、構造は任意であり、例えば、扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための機械的な作用力を扉体全開保持手段に付与するものでもよく、扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための電気信号を扉体全開保持手段へ入力するものでもよく、これらを併用したものでもよい。この非常時扉体全開保持状態解除手段の形式、構造の一例として、扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための電気信号である第1解除信号を前記扉体全開保持手段へ入力する第1解除信号入力手段を挙げることができる。
【0015】
本発明において、平常時扉体全開保持状態解除手段の形状、構造も任意であり、例えば、扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための機械的な作用力を扉体全開保持手段に付与するものでもよく、扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための電気信号を扉体全開保持手段へ入力するものでもよく、これらを併用したものでもよい。この平常時扉体全開保持状態解除手段の形式、構造の一例として、扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための電気信号である第2解除信号を前記扉体全開保持手段へ入力する第2解除信号入力手段を挙げることができる。
【0016】
本発明において、非常時扉体全開保持状態解除手段が第1解除信号入力手段となっている場合において、第1解除信号は、非常時に扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するものであれば任意であり、例えば、感知器(熱のみを感知するもの、煙のみを感知するもの、熱と煙の両方を感知するもの)、建物等の施設内の防災管理を集中的に行う防災センターの操作盤(防災盤)等から扉体全開保持手段へ入力される防災信号(DC24V)でもよく、非常時に強制的に扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための非常時閉鎖操作手段から扉体全開保持手段へ入力される操作信号(言い換えると、作動信号)でもよく、これらを併用したもの等でもよい。なお、上記防災信号には、感知器、防災センターの操作盤等から連動制御器や連動中継器を経由して扉体全開保持手段12へ入力される防災信号と同等の制御信号(言い換えると、作動信号)も含まれる。
【0017】
このため、第1解除信号が上記防災信号である場合には、第1解除信号入力手段は、上述した感知器や防災センターの操作盤等となる。また、第1解除信号が上記操作信号である場合には、第1解除信号入力手段は、上述した非常時閉鎖操作手段等となる。
【0018】
本発明において、平常時扉体全開保持状態解除手段が第2解除信号入力手段となっている場合において、第2解除信号は、平常時に扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するものであれば任意であり、例えば、平常時に扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための平常時閉鎖操作手段から扉体全開保持手段へ入力される操作信号である。
【0019】
このため、第2解除信号が上記操作信号である場合には、第2解除信号入力手段は、上記平常時閉鎖操作手段となる。
【0020】
以上の本発明において、扉体は、回動軸(蝶番の軸を含む)を中心に回動自在となっているもの、すなわち、開き扉(言い換えると、開き戸)でもよく、扉体の上方と下方のうちの少なくとも一方に配置されたガイド部材で開閉動作が案内される引き扉(言い換えると、引き戸)でもよい。
【0021】
以上の本発明において、開閉装置は、全開保持状態の解除により扉体に対して閉鎖動作方向への付勢力を付与する付勢手段を備えていてもよく、備えていなくてもよい。
【0022】
前者の場合によると、付勢手段の付勢力により扉体が閉鎖動作するので、管理者等の人間が扉体を閉鎖動作させる労力を省くことができる。このため、開閉装置は、全開保持状態の解除により扉体に対して閉鎖動作方向への付勢力を付与する付勢手段を備えていることが好ましい。
【0023】
扉体が前述したように回動軸を中心に回動自在となっている場合における付勢手段の形状、構造は任意なものでよく、例えば、一端が扉体に係止され、他端が扉体に対して不動となっている不動部材に係止され、扉体が開放動作することによりばね力が蓄圧されるねじりコイルばね等のばねである弾性部材でもよく、油圧等の流体圧等でもよい。
【0024】
なお、上述した付勢手段に加えて、全閉位置に達する直前の扉体に対して閉鎖方向への付勢力を付与する付勢補助手段も備えるようにしてもよい。この付勢補助手段の形状、構造も任意なものでよく、例えば、この付勢補助手段の第1の例として、全閉位置に達した扉体が当接する戸当たりに配置され、扉体における全閉位置に達した時に前記戸当たりと対向する部分に配置された金属製部材を引き寄せる磁性部材を挙げることができる。また、付勢補助手段の第2の例として、扉体における全閉位置に達した時に戸当たりと対向する部分に配置され、前記戸当たりに配置された金属製部材が引き寄せられる磁性部材を挙げることができる。
【0025】
本発明において、扉体が、前述したように、回動軸を中心に回動自在となっている場合において、扉体全開保持手段の形状、構造は任意なものでよく、その第1の例は、扉体の回動軸の回動を阻止するための回動軸回動阻止手段である。
【0026】
また、扉体全開保持手段の形状、構造の第2の例は、扉体を収納するための扉体収納部に設けられ、扉体に設けられた係止部が係止する被係止部を有するラッチ機構である。
【0027】
なお、本発明において、前述したように、扉体が回動軸を中心に回動自在となっている場合において、扉体が駆動機構の駆動力により少なくと開放動作するものとなっている場合には、この駆動機構と扉体とは、この扉体に固定される軸部材と駆動機構の駆動軸とをカップリング(軸継手)により結合してもよく、扉体と駆動機構の駆動軸とを扉体に固定されるアーム部を有する連結部材により結合してもよい。
【0028】
なお、本発明において、前述したように、扉体が回動軸を中心に回動自在となっている場合には、閉鎖動作中の扉体が全閉位置に達すると、この扉体が開口上部の戸枠体の段差等の戸当たりに当接することで、扉体は全閉状態で停止する。
【0029】
なお、扉体の開閉回動角度、すなわち、扉体の全開位置から全閉位置までの回動角度は任意であり、例えば、90度でもよく、180度でもよく、270度でもよく、また、このような90度単位の角度ではなく、任意の角度でもよい。
【0030】
以上の本発明において、前記開閉体は、1個の扉体のみから構成されるものでもよく、1個の扉体と1個のシャッターカーテンとから構成されるものでもよく、1個の扉体と複数個のシャッターカーテンとから構成されるものでもよく、複数個の扉体と1個のシャッターカーテンとから構成されるものでよく、複数個の扉体と複数個のシャッターカーテンとから構成されるものでもよい。
【0031】
本発明において、開閉体が、少なくとも1個の前記扉体と、少なくとも1個のシャッターカーテンと、を含んで構成されている場合には、前記扉体と前記シャッターカーテンとを連動して開閉動作させるための開閉制御手段を備えていてもよく、備えていなくてもよい。
【0032】
前者の場合によると、少なくとも1個の前記扉体と、少なくとも1個のシャッターカーテンと、を含んで構成される開閉体の開閉動作を円滑に行わせることができるようになる。なお、後者の場合は、例えば、少なくとも1個の扉体と少なくとも1個のシャッターカーテンとを常時手動で開閉動作させるものとなっている場合である。
【0033】
本発明において、シャッターカーテンの開閉動作方向(開閉移動方向)は、上下方向でもよく、左右方向でもよく、これらの方向に対する傾き角を有する方向でもよい。
【0034】
本発明において、上述した開閉制御手段を備える必要がある場合の一例として、シャッターカーテンの開閉動作方向は上下方向であって下方向が閉鎖動作方向となっており、扉体の幅方向(言い換えると、左右方向)の端部には、シャッターカーテンの開閉動作を案内するためのガイド部が前記幅方向と直交する方向である長さ方向(言い換えると、上下方向)略全長に渡って形成されている場合を挙げることができる。
【0035】
この例では、扉体が全閉位置まで閉鎖動作するまでシャッターカーテンを閉鎖動作させることができないため、開閉制御手段は、扉体が全閉位置まで閉鎖動作した後にシャッターカーテンの閉鎖動作を開始させる制御を実行し、シャッターカーテンが全開位置まで開放動作した後に扉体の開放動作を開始させる制御を実行するものとなる。
【0036】
以上の本発明において、扉体の閉鎖動作中と開放動作中のうちの少なくとも閉鎖動作中に、この扉体の動作方向に存在する障害物を感知するための扉体障害物感知手段を備えていてもよい。
【0037】
ここで、扉体障害物感知手段の形式、構造は任意であり、例えば、障害物に接触することによりこの障害物を感知する接触式のものでもよく、障害物に接触しないでこの障害物を感知する非接触式のものでもよい。後者の場合は、例えば、赤外線センサでもよく、超音波センサ等でもよい。
【0038】
本発明は、空間を仕切るための少なくとも1個の扉体で構成された開閉体を備えた任意な開閉装置に適用することができ、例えば、出入口や窓、建物内の空間や通路等の開口部等を開閉体で開閉するための開口部用開閉装置や、開閉体で前記開口部等に防災区画を形成するための防災用開閉装置等に適用することができる。なお、この防災用開閉装置には、エレベータや階段等の昇降手段の近辺の空間と、この空間を除く一般の室内空間との間を開閉体で遮断するための昇降手段用開閉装置も含まれる。
【0039】
より具体的には、本発明は、例えば、出入口や窓、建物内の空間や通路等の開口部等を扉体で開閉するための開口部用扉装置や、平常時には、前記開口部等を扉体で開閉するとともに、非常時には扉体の閉鎖により前記開口部等に防災区画を形成するための管理及び防災併用扉装置や、また、前記開口部等を扉体とシャッターカーテンとで開閉する開口部用扉装置付シャッター装置(いわゆる、開口部用袖扉付シャッター装置)や、平常時には前記開口部等を扉体とシャッターカーテンとで開閉するとともに、非常時には扉体とシャッターカーテンとの閉鎖により前記開口部等に防災区画を形成するための管理及び防災併用扉装置付シャッター装置(いわゆる、管理及び防災併用袖扉付シャッター装置)等の各種開閉装置に適用することができる。
【0040】
なお、本発明において、シャッターカーテンには、防煙垂れ幕、防煙垂れ壁、オーニング(テント生地で作られた窓際に設置する日よけ、雨よけ等)が含まれる。
【0041】
また、本発明において、シャッターカーテンが巻取軸から繰り出され、巻き取られるものとなっている場合において、この巻取軸に、シャッターカーテンの下方への閉鎖動作(動(閉じ移動)で戻しばね力が蓄圧される戻しばねが配置され、シャッターカーテンの上方への開放動作(開き移動)が、この戻しばねに蓄圧された戻しばね力が補助力として利用されて行われるようになっていてもよい。
【0042】
また、本発明において、シャッターカーテンは、任意のカーテン構成部材で構成されてよく、シャッターカーテンの全体又は主要部が同じ種類のカーテン構成部材、例えば、スラットで形成されていてもよく、あるいは、シャッターカーテンの全体又は主要部がシートや、パネル、ネット、リンクで連結された複数のパイプ等の棒状部材等により形成されていてもよく、あるいは、シャッターカーテンの全体又は主要部が、これらのスラットと、シートと、パネルと、ネットと、リンクで連結された複数のパイプ等の棒状部材等とのうち、複数のカーテン構成部材の組み合わせで形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0043】
本発明によると、管理用として使用する場合における開閉体の閉鎖動作が円滑に行えるようになるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図2】図2は、扉体全開保持手段を構成する被係止部に係止する係止部材の正面図である。
【図3】図3は、扉体全開保持手段を構成する被係止部に係止する係止部材の側面図である。
【図4】図4は、扉体全開保持手段を構成する被係止部に係止する係止部材の平面図である。
【図5】図5は、扉体全開保持手段を覆うカバー部材の拡大正面図である。
【図6】図6は、扉体とこの扉体を全開状態に保持している扉体全開保持手段の縦断面図である。
【図7】図7は、第1の実施形態に係る開閉装置を構成する主要な部材、装置、機器等の接続関係を示す電気回路図である。
【図8】図8は、第2の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図9】図9は、第2の実施形態に係る開閉装置を構成する主要な部材、装置、機器等の接続関係を示す電気回路図である。
【図10】図10は、第3の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図11】図11は、第3の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図12】図12は、第3の実施形態に係る開閉装置を構成する扉体全開保持手段と、連動制御器と、シャッター用開閉機制御盤、電動開閉操作部の回路図である。
【図13】図13は、連動制御器とシャッター用開閉機制御盤により実行される第3の実施形態に係る開閉装置の開閉体の閉鎖動作制御の流れを示すフローチャート図である。
【図14】図14は、図13のフローチャート図の続きを示す図である。
【図15】図15は、図13のフローチャート図のさらなる続きを示す図である。
【図16】図16は、図13のフローチャート図のまたさらなる続きを示す図である。
【図17】図17は、第4の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図18】図18は、第4の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、平常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図19】図19は、第4の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、非常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図20】図20は、シャッター用開閉機の内部構造を示す断面図である。
【図21】図21は、シャッター用自動閉鎖装置の内部構造を示す平面図である。
【図22】図22は、シャッター用自動閉鎖装置の内部構造を示す側面図である。
【図23】図23は、シャッター用自動閉鎖装置の内部構造を示す正面図である。
【図24】図24は、図21で示されているシャッター用自動閉鎖装置を構成する第1スライド部材のみを示した図である。
【図25】図25は、図21で示されているシャッター用自動閉鎖装置を構成する第2スライド部材のみを示した図である。
【図26】図26は、図22において、第1及び第2スライド部材の手前側に配置されている部材、装置を除外して示した図である。
【図27】図27は、図21で示されている第1及び第2スライド部材、屈曲レバー部材等のみを示す図である。
【図28】図28は、図21に示す第1スライド部材が開閉機のブレーキを解除するまでスライドしたときを示す図である。
【図29】図29は、図28で示されている第1及び第2スライド部材、屈曲レバー部材等のみを示す図である。
【図30】図30は、平常時における連動中継器により実行される第4の実施形態に係る開閉装置の開閉体の閉鎖動作制御の流れを示すフローチャート図である。
【図31】図31は、図30のフローチャート図の続きを示す図である。
【図32】図32は、図30のフローチャート図のさらなる続きを示す図である。
【図33】図33は、図30のフローチャート図のまたさらなる続きを示す図である。
【図34】図34、非常時における連動中継器により実行される第4の実施形態に係る開閉装置の開閉体の閉鎖動作制御の流れを示すフローチャート図である。
【図35】図35は、図34のフローチャート図の続きを示す図である。
【図36】図36は、図34のフローチャート図のさらなる続きを示す図である。
【図37】図37は、図34のフローチャート図のまたさらなる続きを示す図である。
【図38】図38は、第5の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図39】図39は、第5の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、平常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図40】図40は、第5の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、非常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図41】図41は、図38のS41−S41線断面図である。
【図42】図42は、図41のS42−S42線矢視図である。
【図43】図43は、平常時における連動中継器により実行される第5の実施形態に係る開閉装置の開閉体の閉鎖動作制御の流れを示すフローチャート図である。
【図44】図44は、図43のフローチャート図の続きを示す図である。
【図45】図45は、図43のフローチャート図のさらなる続きを示す図である。
【図46】図46は、図43のフローチャート図のまたさらなる続きを示す図である。
【図47】図47は、平常時における連動中継器により実行される第5の実施形態に係る開閉装置の開閉体の開放動作制御の流れを示すフローチャート図である。
【図48】図48は、図47のフローチャート図の続きを示す図である。
【図49】図49は、図47のフローチャート図のさらなる続きを示す図である。
【図50】図50は、非常時における連動中継器により実行される第5の実施形態に係る開閉装置の開閉体の閉鎖動作制御の流れを示すフローチャート図である。
【図51】図51は、図50のフローチャート図の続きを示す図である。
【図52】図52は、図50のフローチャート図のさらなる続きを示す図である。
【図53】図53は、図50のフローチャート図のまたさらなる続きを示す図である。
【図54】図54は、扉体用開閉機のモータの駆動軸の回転力が伝達されるかさ歯車と扉体との連結構造の別実施形態を示す図41と同様の図である。
【図55】図55は、第6の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図56】図56は、第6の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、平常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図57】図57は、第6の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、非常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図58】図58は、第7の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図59】図59は、第7の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、平常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図60】図60は、第7の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、非常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図61】図61は、第8の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図62】図62は、図61の平面レイアウト図を簡略化して示した図である。
【図63】図63は、第8の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、平常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図64】図64は、第8の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、非常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図65】図65は、図62に示されている平面レイアウトの変形例を示す図である。
【図66】図66は、図62に示されている平面レイアウトのさらなる変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1に示されている本発明の第1の実施形態に係る開閉装置は、例えば、建物内の通路(廊下)や非常階段の出入口等に設置される1個の扉体2で構成された扉装置である。すなわち、本実施形態では、開閉体は1個の扉体2で構成されるものとなっている。
【0046】
建物躯体である壁6には、全開位置に達した扉体2を収納可能な凹部6Aが形成されており、この凹部6Aが全開位置に達した扉体2を収納するための扉体収納部(言い換えると、戸袋)6Aとなっている。鋼鉄等の金属製のパネル部材で形成された扉体2は、平常時は、前記扉体収納部6Aに収納されており、この扉体2の全開状態は、後述する扉体全開保持手段12により保持されるようになっている。
【0047】
平常時において全開状態が保持されている扉体2は、火災発生等の非常時には、扉体全開保持手段12に防災信号BS等の信号が入力されることにより、この扉体全開保持手段による扉体2の全開保持状態が解除され、扉体2は、後述する付勢手段を備える扉体自動閉鎖手段(いわゆる「オートヒンジ」)により、全閉位置まで閉鎖動作する。これにより、図1に示す出入口5は、全閉位置まで達した扉体2により閉鎖され、火災により発生した炎や煙が遮断される。なお、扉装置が建物内の廊下の通路に設置される場合には、全閉位置に達した扉体2により通路に防災区画が形成される。
【0048】
図1に示すように、扉体2には、潜り扉体(潜り戸)4が設けられており、このため、扉体2は、潜り扉体4と、扉体2からこの潜り扉体4を除いた部分である扉体本体3と、を含んで構成されている。非常時には、この潜り扉4を開放動作させることにより、扉体2で仕切られた他方の空間(図1では、非常階段が設置されている空間)へ移動することができるようになる。また、扉体2よりも小さな潜り扉体4を開放動作することにより、火災等で発生した煙の他方の空間への流出や、他方の空間からの流入をより少なくさせることができる。
【0049】
本実施形態に係る扉装置では、平常時において、任意に開閉して出入口5の開閉管理ができるようになっており、出入口5からの外部の人間の侵入を防止する等の防犯上等の理由から(特に夜間や休日時)、扉体2を閉鎖動作させて出入口5を閉鎖させることができる。なお、この場合には、全閉位置に達した扉体2は、図示されない電気錠等のロック手段により施錠されて全閉状態が保持される。また、潜り扉体4も、図1に示すロック手段4Aにより施錠されて全閉状態が保持される。また、本実施形態に係る扉装置では、平常時において、扉体2の開閉動作の試験を行うために、扉体2を試験的に開閉動作させることができる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態に係る開閉装置である扉装置は、火災発生等の非常時においては、出入口5等の開口部を閉鎖することで防災区画を形成する防火扉装置として機能し、平常時においては、防犯等の理由で出入口5等の開口部を閉鎖することで外部の人間の侵入を阻止するための開口部用扉装置(言い換えると、管理用扉装置)として機能する管理及び防災併用扉装置となっている。
【0051】
図1に示されているように、扉体2の表裏面のうちの全開位置に達したときに扉体収納部4と対向する側の面3A(反対側は面3B)(図6も参照)には、扉体2を全開状態に保持するための扉体全開保持手段12(具体的な構造は後述する)を構成する被係止部に係止する係止部材8が設けられている。
【0052】
図2は、係止部材8の正面図であり、図3は、係止部材8の側面図であり、図4は、係止部材8の平面図である。
【0053】
図2〜図4から分かるように、係止部材8は、金属製の板材の折り曲げで形成され、基部9Aとこの基部9Aの両端部から水平方向にそれぞれ延出する上下2個の水平延出部9Bとからなる略コ字状の屈曲部材9と、この屈曲部材9の2個の水平延出部9Bの先端に架設されたピン部材10と、を含んで構成されている。この係止部材8は、図4に示されている凹部12Aを有する取付部材12により扉体2の表面11に取り付けられている。すなわち、扉体2の表面11に屈曲部材9の基端部9Aを密着させた後、係止部材8を扉体2に取り付けるための取付部材12の凹部12Aを基端部9Aに被嵌させる。この後、取付部材12の図3及び図4に示されている水平部12Bの両端部をビス等の止着具で扉体2に止着することにより、係止部材8は扉体2に取り付けられる。
【0054】
扉体2を全開状態に保持するための扉体全開保持手段12は、扉体収納部である凹部6Aに形成された凹部6Bに収納配置されており、図1には、扉体全開保持手段12を覆うカバー部材13が示されている。
【0055】
図5は、図1に示されているカバー部材13の拡大正面図であり、図6は、全開位置に達している扉体2が扉体全開保持手段12により全開状態に保持されているときにおける扉体2及び扉体全開保持手段12の縦断面図である。
【0056】
図1に示すように、扉体2の扉体本体3における幅方向である左右方向の両端部のうち、回動中心側の端部(右端部)3Cの上端部は、扉体収納部6Aの上枠に取り付けられた図示しない第1軸部材に吊り下げられた状態で支持されており、このため、扉体2は、第1軸部材を中心に回動自在となっている。
【0057】
また、扉体本体3の端部3Cの下部内部には、扉体2に対して不動となっている不動部材である床7に取り付けられた上下方向に延びる図示しない第2軸部材が配置されている。この第2軸部材の外周部には、上下方向への長さを有する螺旋状のねじりコイルばね16が配置されており、このねじりコイルばね16と第2軸部材は、扉体本体3の内側に取り付けられた水平方向に延びるアーム部を有する筒状部材に収納されている。ねじりコイルばね16の一端は、前記筒状部材に係止されており、一方、ねじりコイルばね16の他端は、前記第2軸部材に係止されている。このため、扉体2は、上述した回動中心軸である第1軸部材及び第2軸部材を中心に回動自在となっている。
【0058】
ねじりコイルばね16は、扉体2が開放動作(図1に示す矢印B方向へ回動動作)することにより、扉体2を閉鎖方向(図1に示す矢印A方向)への動作を付勢するばね力が蓄圧されるようになっており、扉体2が全開位置に達したときに蓄圧されるばね力は最大となる。
【0059】
このため、後述する扉体全開保持手段12(いわゆる電磁レリーズ)による扉体2の全開状態が解除されると、扉体2は、ねじりコイルばね16に蓄圧されたばね力で付勢されながら、全閉位置まで閉鎖動作することになる。このため、扉体2に対して閉鎖動作方向への付勢力を付与する付勢手段となっている。
【0060】
図6に示すように、扉体収納部6Aには凹部6Bが形成されており、この凹部6Bには、扉体2を全開状態に保持するための扉体全開保持手段12が配置されている。
【0061】
扉体全開保持手段12は、前述した扉体本体3に設けられた係止部材8を構成する係止部であるピン部材10が係止する二股形状の被係止部を有するラッチ部材14と、このラッチ部材14の被係止部とピン部材10との係止状態を保持するためのラッチ機構である係止保持機構15と、を含んで構成されている。
【0062】
係止保持機構15は、金属製等の板材で形成されたラッチ部材14を回動自在に支持する軸方向が上下方向(垂直方向)である図示しない回動軸を備えており、水平方向に延びる板状のラッチ部材14は、この回動軸を中心に回動自在となっている。
【0063】
図6に示されているように、ラッチ部材14は、係止保持機構15が収納配置される凹部6Bのうち、この凹部6Bを覆うカバー部材13に形成された開口部13Aの近傍に配置されるようになっている。
【0064】
また、係止保持機構15は、被係止部にピン部材10が係止している状態のラッチ部材14の回動をロック(阻止)するための図示しないラッチロック部材を備えている。
【0065】
図6に示されているように、扉体2が全開位置付近まで開放動作することにより、扉体2に設けられたピン部材10が、係止保持機構15が収納配置された凹部6Bを覆うカバー部材13に形成された開口部13Aに進入するとともに、凹部6Bに配置されたラッチ部材14の被係止部である図示しない二股部を構成する凹部6B奥側の第1突片部に当接する。これにより、ラッチ部材14は、前記回動軸を中心に回動しながら凹部6Bの奥側へ後退する。
【0066】
そして、扉体2が全開位置に達したとき、ピン部材10は、ラッチ部材14の前記二股部を構成する凹部6B奥側の前記第1突片部と、凹部6B手前側の第2突片部との間に形成された凹部に係止する。このとき、ラッチ部材14に形成された係合部に前述したピン状のラッチロック部材が係合することより、ラッチ部材14の回動がロックされ、この結果、全開位置に達した扉体2は、閉鎖方向への回動が阻止される。すなわち、扉体2の全開状態が保持されることになる。
【0067】
また、係止保持機構15は、後述するように、連動制御器(防災盤)17に接続された後述する図7の回路図に示すソレノイド15Aを備えており、このソレノイド15Aが通電され、ソレノイド15A内のコイルが励磁されることにより、プランジャが吸引される(後退する)。これにより、プランジャに連結された作動部材のスライドにより、ラッチロック部材がラッチ部材14の係合部に係合していた状態を解除する方向に回動する。
【0068】
この結果、ラッチ部材14の回動のロック状態が解除され、このラッチ部材14は、図示しないねじりコイルばねに蓄圧されたばね力で、凹部6Bの手前へ回動する(時計回りに回動する)。これにより、ラッチ部材14の二股部に係止していたピン部材10は、この二股部から離脱するため、全開状態が保持されていた扉体2は、前述したねじりコイルばね16に蓄圧されたばね力で付勢されて閉鎖動作を開始する。
【0069】
このように、本実施形態では、扉体2の全開状態を保持するための扉体全開保持手段12は、外部からの電気信号が入力されることにより、扉体2の全開保持状態が解除されるようになっている。
【0070】
上述したように、係止保持機構15を備える扉体全開保持手段12には、連動制御器17、及び扉体2を手動で閉鎖動作させるための扉体手動閉鎖操作部20が接続されており、図7には、本実施形態に係る扉装置を構成する主要な部材、装置、機器等の接続関係を示す電気回路図が示されている。
【0071】
扉体手動閉鎖操作部20は、平常時において、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を手動により解除し、扉体2を閉鎖動作させるための操作部となっている。
【0072】
図1及び図7に示されているように、扉体全開保持手段12の作動確認試験を行う場合を除き、連動制御器17と扉体全開保持手段12のソレノイド15Aとは、作動信号線23と共通線24で接続されており、この作動信号線23は、作動信号である連動制御器17からの制御信号である防災信号BS(DC24V)を扉体全開保持手段12のソレノイド15Aへ伝達するためのリード線となっている。一方、確認信号線25は、扉体全開保持手段12の作動確認試験を行うための作動信号である連動制御器17からの確認信号(DC24V)を扉体全開保持手段12のソレノイド15Aへ伝達するためのリード線となっている。
【0073】
なお、連動制御器17は、感知器18や防災センター操作盤19が接続されており、これらの装置からの防災信号BS(DC24V)が入力(受信)され、この防災信号BSに基づいて扉体全開保持手段12へ制御信号である作動信号(DC24V)を入力するものである。
【0074】
扉体手動閉鎖操作部20は、A接点型の押しボタン型スイッチである[閉]スイッチ20Aを備えており、この[閉]スイッチ20Aは、上記作動信号線23に接続されている。また、本実施形態に係る開閉装置は、商用電源22からの交流電力(AC100V)を直流電力(DC24V)に変換し、この変換された直流電力を扉体全開保持手段12へ供給するための直流電源装置21を備えており、この直流電源装置21は、上述した[閉]スイッチ20Aと作動信号線23に接続されている。なお、直流電源装置21には、停電に備えて変換した直流電力を充電して代替供給可能とする蓄電池を備えるようにしてもよい。
【0075】
火災発生等の非常時には、連動制御器17からの防災信号BSが、作動信号線23及び共通線24とにより、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aを通電することにより、このソレノイド15A内のコイルが励磁される。これにより、ソレノイド15Aのプランジャが吸引されるため、プランジャに連結された作動部材のスライドにより、ラッチロック部材が、ラッチ部材14の係合部に係合していた状態を解除する方向に回動する。この結果、ラッチ部材14の回動のロック状態が解除されるため、ラッチ部材14に係止していたピン部材10は、ラッチ部材14から離脱する。これにより、全開状態が保持されていた扉体2は、前述したねじりコイルばね16に蓄圧されたばね力で付勢されて閉鎖動作を開始する。
【0076】
一方、平常時において、出入口5を扉体2で閉鎖するためや、扉体2の開閉動作の試験を行うために、全開状態に保持されている扉体2を閉鎖動作させるためには、管理者等の人間が扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aを操作(押下)する。
【0077】
これにより、直流電源装置21からの直流信号DC24Vが、作動信号線23及び共通線24とを経由して、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aを通電することにより、このソレノイド15A内のコイルが励磁される。これにより、前述した非常時の場合と同様に、ソレノイド15Aのプランジャが吸引されるため、プランジャに連結された作動部材のスライドにより、ラッチロック部材が、ラッチ部材14の係合部に係合していた状態を解除する方向に回動する。この結果、ラッチ部材14の回動のロック状態が解除されるため、ラッチ部材14に係止していたピン部材10は、ラッチ部材14から離脱する。これにより、全開状態が保持されていた扉体2は、前述したねじりコイルばね16に蓄圧されたばね力で付勢されて閉鎖動作を開始する。
【0078】
なお、全閉位置まで閉鎖動作した扉体2を再び全開位置まで開放動作させるには、管理者等の人間が、扉体本体3に設けられた手掛け部3D(あるいは、ロック手段4Aによりロックされた潜り扉4の手掛け部4B)等に手を掛けて、手動で扉体2を開放動作させる。開放動作させた扉体2が全開位置に達すると、前述したように、扉体本体3の係止部材8のピン部材10が扉体全開保持手段12のラッチ部材14に係止すると同時に、このラッチ部材14とピン部材10との係止状態が係止保持機構15により保持される。これにより、扉体2の全開状態が保持されることになる。
【0079】
以上説明したように、本実施形態では、感知器18や防災センター操作盤19が、火災発生等の非常時に、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための非常時扉体全開保持状態解除手段となっている。そして、この非常時扉体全開保持状態解除手段は、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための電気信号である第1解除信号を扉体全開保持手段12へ入力する第1解除信号入力手段となっており、第1解除信号は、感知器18や防災センター操作盤19から出力される防災信号BS(DC24V)(実際には、この防災信号BSは扉体全開保持手段12へ直接入力されるのではなく、連動制御器17を介して扉体全開保持手段12へ入力される)となっている。
【0080】
また、本実施形態では、扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aが、平常時に、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための平常時扉体全開保持状態解除手段となっている。そして、この平常時扉体全開保持状態解除手段は、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための電気信号である第2解除信号を扉体全開保持手段12へ入力する第2解除信号入力手段となっており、第2解除信号は、[開]スイッチ20Aを操作することにより扉体手動閉鎖操作部20から扉体全開保持手段12へ入力される操作信号(開信号(開放動作指示信号))であるDC24Vとなっている。このように、扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aは、平常時に扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための平常時閉鎖操作手段となっている。
【0081】
以上説明したように、本実施形態に係る開閉装置である扉装置は、従来と同様に、火災発生等の非常時に扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための非常時扉体全開保持状態解除手段を備えているが、さらに、平常時に扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための平常時扉体全開保持状態解除手段も備えている。
【0082】
このため、平常時において、本実施形態に係る扉装置を管理用として使用する場合において、扉体2を閉鎖動作させるために、建物の管理者等が扉体全開保持手段12により全開状態に保持されている扉体2を閉鎖側に無理矢理引っ張る等の動作の必要がなくなる。
【0083】
すなわち、平常時においては、扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aを押すだけで扉体2の全開保持状態は解除され、扉体2は、ねじりコイルばね16に蓄圧されたばね力で付勢されて全閉位置まで閉鎖動作する。
【0084】
したがって、管理者にとっては、管理者自身が扉体2を引っ張るという手間と労力が無くなり、また、扉体2を無理に勢いよく引っ張ることにより、扉体全開保持手段12を構成するラッチ部材14や係止保持機構15、さらには、ラッチ部材14に係止する扉体本体3に設けられた係止部材8のピン部材10等が破損する等の不具合が生じるおそれはなくなる。
【0085】
このため、本実施形態によると、扉装置を管理用として使用する場合における扉体2の閉鎖動作が円滑に行えるようになる。
【0086】
なお、本実施形態に係る扉装置を、平常時において扉体2で出入口5を開閉するためのみに使用される管理専用扉装置とする場合には、すなわち、非常時において扉体2で出入口5を閉鎖させる必要がない場合には、図7において、連動制御器17や、この連動制御器17と扉体全開保持手段12とを接続するための作動信号線23、共通線24、確認信号線25、感知器18等は不要となる。また、直流電源装置21及び扉体手動閉鎖操作部の[閉]スイッチ20Aは、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aに直接接続させる。
【0087】
図8及び図9は、第2の実施形態に係る開閉装置を示す図であり、図8は、図1と同様に本実施形態に係る開閉装置の全体正面図であり、図9は、図7と同様に本実施形態に係る開閉装置を構成する主要な部材、装置、機器等の接続関係を示す電気回路図である。
【0088】
なお、以下に説明する各実施形態において、前述した実施形態と同じ部材、機器、装置等については同じ符号を付し、これらの部材、機器、装置等についての説明は省略する。
【0089】
図8に示されているように、本実施形態に係る開閉装置も、前述の第1の実施形態に係る扉装置と同様に、火災発生等の非常時においては、出入口5等の開口部を閉鎖することで防災区画を形成する防火扉装置として機能し、平常時においては、防犯等の理由で出入口5等の開口部を閉鎖することで外部の人間の侵入を阻止するための開口部用扉装置(言い換えると、管理用扉装置)として機能する管理及び防災併用扉装置となっている。
【0090】
図8及び図9に示されているように、感知器18と、扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aと、防災センター操作盤19と、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aとが接続されている本実施形態に係る連動制御器67には、図9に示されているように、フォトカプラ68と、商用電源(AC100V)により充電される蓄電池(DC24V)69と、タイマー70と、このタイマー70に連動するスイッチ71,72とが接続されている。
【0091】
火災発生等の非常時において、感知器18が作動する(スイッチ18Aが閉じる)ことにより、連動制御器67には、感知器18と蓄電池69とタイマー70とによる閉回路ができる。これにより、蓄電池69からの電力供給でタイマー70が作動し、このタイマー70で設定された時間(例えば、3秒程度)が経過するまでスイッチ71,72が閉じる。この結果、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aには、蓄電池69からの作動信号DC24Vが入力し、ソレノイド15Aのコイルが通電される。これにより、扉体2を全開状態に保持されていた状態が解除され、扉体2は閉鎖動作を開始する。
【0092】
また、火災発生等の非常時において、防災センターの操作盤19からの防災信号BSが連動制御器67に入力された場合には、この入力された防災信号BSが、連動制御器67のフォトカプラ68の発光ダイオード68Aを光らせ、その光でフォトトランジスタ68Bを導通させる。これにより、上述した感知器18の場合と同様に、連動制御器67には、フォトトランジスタ68と蓄電池69とタイマー70とによる閉回路ができるので、蓄電池69からの電力供給でタイマー70が作動し、このタイマー70で設定された時間が経過するまでスイッチ71,72が閉じる。この結果、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aには、蓄電池69からの作動信号DC24Vが入力し、ソレノイド15Aのコイルが通電される。これにより、扉体2を全開状態に保持されていた状態が解除され、扉体2は閉鎖動作を開始する。
【0093】
一方、平常時においては、管理者等により扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aが操作(押下)され、この[閉]スイッチ20Aが閉じることにより、上述した感知器18の場合と同様に、連動制御器67には、[閉]スイッチ20Aと蓄電池69とタイマー70とによる閉回路ができる。これにより、蓄電池69からの電力供給でタイマー70が作動し、このタイマー70で設定された時間が経過するまでスイッチ71,72が閉じる。この結果、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aには、蓄電池69からの作動信号DC24Vが入力し、ソレノイド15Aのコイルが通電される。これにより、扉体2を全開状態に保持されていた状態が解除され、扉体2は閉鎖動作を開始する。
【0094】
以上説明したように、本実施形態では、前述した第1の実施形態と同様に、感知器18や防災センター操作盤19が、火災発生等の非常時に、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための非常時扉体全開保持状態解除手段となっている。そして、この非常時扉体全開保持状態解除手段は、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための電気信号である第1解除信号を扉体全開保持手段12へ入力する第1解除信号入力手段となっており、第1解除信号は、感知器18や防災センター操作盤19から出力される防災信号BS(DC24V)(実際には、この防災信号BSは扉体全開保持手段12へ直接入力されるのではなく、連動制御器17を介して扉体全開保持手段12へ入力される)となっている。
【0095】
また、本実施形態では、前述した第1の実施形態と同様に、扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aが、平常時に、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための平常時扉体全開保持状態解除手段となっている。そして、この平常時扉体全開保持状態解除手段は、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための電気信号である第2解除信号を扉体全開保持手段12へ入力する第2解除信号入力手段となっており、第2解除信号は、[閉]スイッチ20Cを操作することにより扉体手動閉鎖操作部20から扉体全開保持手段12へ入力される操作信号(閉信号(閉鎖動作指示信号))であるDC24Vの信号となっている。
【0096】
以上説明した本実施形態によると、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態が解除される前に防災信号BSの入力が切れても、タイマー70で設定された時間が経過するまでは蓄電池69から扉体全開保持手段12へ作動信号が入力され続ける。これと同様に、いったん閉じた感知器18のスイッチ18Aや扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aが途中で開いても、タイマー70で設定された時間が経過するまでは蓄電池69から扉体全開保持手段12へ作動信号が入力され続ける。
【0097】
なお、本実施形態において、タイマー70及びスイッチ71,72からなるタイマー回路は、連動制御器67に防災信号BSが入力された後、タイマー70で設定された時間(扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態が解除されるのに十分な時間)が経過するまで、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aへ蓄電池69からの電力(作動信号)を供給するためのものである。これにより、蓄電池69の消費節約を図ることができる。このため、本実施形態において、蓄電池69の消費節約を考慮しないのであれば、タイマー回路は省略して、スイッチ18A,20A、フォトカプラ68Aの入力を保持できる回路としてもよい。
【0098】
なお、本実施形態において、停電時でなければ、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aへ供給する電力は、蓄電池69から供給されるものでなく、商用電源(AC100V)を直流(DC24V)に変換する直流電源装置から供給されるものでもよい。
【0099】
図10は、第3の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。この図10に示されているように、本実施形態に係る開閉装置は、平常時において、建物に形成された開口部である出入口90を開閉体であるシャッターカーテン101と扉体2とで開閉する扉装置付開口部用シャッター装置(いわゆる袖扉付開口部用シャッター装置)となっている。すなわち、本実施形態に係る開閉装置は、火災発生等の非常時に、出入口90を閉鎖することにより防災区画を形成するためのもの(防災用開閉装置)ではなく、平常時に、出入口90を開閉体で開閉したり、開閉動作試験のために開閉体を開閉するための管理用開閉装置となっている。
【0100】
図10に示されている本実施形態に係るシャッター装置は、出入口90の左側に配置され、開閉移動方向が上下方向になっていて、下向きに閉じ移動するシャッターカーテン101が半分程度まで閉じた半閉状態になっているときを示している。
【0101】
なお、シャッターカーテン101と扉体2とで開閉される出入口90は、壁等の左右の建物躯体6と、全閉となったときのシャッターカーテン101と扉体2の下端部が当たる相手部材となっている床7と、図示しない天井部材と、全閉位置に達した扉体2の上端部が当たる戸当たり部6Cとで囲まれている。
【0102】
図10に示すように、出入口90の右側を開閉するための本実施形態に係る扉装置は、前述の第1及び第2の実施形態に係る扉装置とほぼ同様の構成、構造を有しており、以下、本実施形態に係る扉装置が第1及び第2の実施形態に係る扉装置と異なる主な点について説明する。
【0103】
本実施形態に係る扉装置では、平常時において、扉体全開保持手段12により全開状態が保持されている扉体2を閉鎖させるために、扉体全開保持手段12による全開保持状態を解除するための扉体手動閉鎖操作部20は設けられていない。すなわち、本実施形態では、平常時において、扉体2のみを閉鎖動作させるための扉体手動閉鎖操作部20は設けられていない。
【0104】
本実施形態では、扉体全開保持手段12よる扉体2の全開保持状態は、後述するように、押しボタン型スイッチで構成される電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cの操作(押下)により解除され、扉体2は、本実施形態に係るシャッター装置のシャッターカーテン101と連動した閉鎖動作を行う。一方、電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aを操作した場合には、後述するよう、全閉状態となっているシャッターカーテン101と扉体2とが連動した開放動作は行われない。なお、電動開閉操作部119の[停]スイッチ119Bの操作により、開閉動作中のシャッターカーテン101が停止する。
【0105】
シャッターカーテン101を繰り出し、巻き取るための巻取軸106は、出入口90に対して図示しない天井部材で仕切られている天井裏空間91に水平方向を軸方向として配置され、巻取軸106の軸方向両端部は支持部材である左右のブラケット104,105で回転自在に支持されている。これらのブラケット104,105は、天井裏空間91に存在する建物躯体6に、ボルト等の止着具で結合されている。巻取軸106にはシャッターカーテン101の上端部が結合されており、このシャッターカーテン101は、カーテン本体101Aと、このカーテン本体101Aの下端に設けられている座板101Bとを有する。カーテン本体101Aは多数のスラットの連設で形成され、このようにスラット式となっているシャッターカーテン101は、平常時には巻取軸106に巻き取られている。
【0106】
左右一対のブラケット104,105のうち一方のブラケット105には、モータ111とブレーキ112の組み合わせ(図11参照)からなるシャッター用開閉機110が取り付けられ、このシャッター用開閉機110は巻取軸106とチェーン、スプロケット等からなる駆動力伝達手段107を介して連結されている。このシャッター用開閉機110は、巻取軸106を駆動させるための駆動装置、言い換えると、シャッターカーテン101を開閉動作(開閉移動)させるための駆動装置となっている。また、図示されていないが、シャッター用開閉機110の駆動軸の回転力は、この駆動軸に取り付けられた駆動スプロケットホイールと、巻取軸106の一方の端部に取り付けられた被動スプロケットホイールと、これらのスプロケットホイールの間に架け渡された無端ローラチェーンとによる前記駆動力伝達手段107を経て巻取軸106に伝達される。
【0107】
巻取軸106からのシャッターカーテン101の繰り出し、巻き取りは巻取軸106の正逆回転によってなされ、シャッターカーテン101の左右方向である幅方向の両端部のうちの一方の端部、すなわち、扉体2と隣接する側の端部とは反対側の端部(図10では左端部)は、出入口90の左枠となっている柱、壁等の建物躯体6に取り付けられているガイド部材であるガイドレール103にスライド自在に挿入されている。また、シャッターカーテン101の幅方向の両端部のうちの他方の端部(図10では右端部)は、扉体2の扉体本体3の幅方向の両端部3C,3Eのうち、シャッターカーテン101と隣接する側の端部3Eに扉体2の長さ方向(上下方向)全長に渡って形成された溝部3Fにスライド自在に挿入されている。このため、巻取軸106の正逆回転によって天井部材に配設されているまぐさ102を通過して行われるシャッターカーテン101の上下方向への移動である開閉動作は、シャッターカーテン101の幅方向両側に配置されていて、鉛直方向を長さ方向としているガイドレール103や、全閉位置に達した扉体2に形成されたガイド部である溝部3Fに案内されながら行われる。
【0108】
図11は、本実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図である。また、図12は、本実施形態に係る開閉装置を構成する扉体全開保持手段12と、連動制御器121と、シャッター用開閉機制御盤113、電動開閉操作部119の回路図である。
【0109】
図11に示されているように、電動開閉操作部119は、連動制御器121や、シャッター用開閉機110を制御するためのシャッター用開閉機制御盤113に接続されており、これらは、商用電源120からの電力供給で動作するものであるが、連動制御器121には、商用電源120からの電力供給で充電され、停電時に使用される蓄電池(バッテリー)が備えられている。また、シャッター用開閉機制御盤113は、図11や図12に示されているように、少なくとも、シャッター用開閉機110のモータ111やブレーキ112、シャッターカーテン101が全閉位置や全開位置に達したかどうかを判定するためのシャッター上下限(開閉限)リミットスイッチ122、扉体2が全閉位置に達したかどうかを判定するための扉体全閉感知スイッチ82、シャッターカーテン101の閉鎖動作中にこの閉鎖動作方向に存在する障害物を感知するための座板スイッチ115を有する有線式のシャッター用障害物感知装置114、シャッターカーテン101や扉体2の動作の開始や異常を外部に報知するための動作報知部118に接続されている。この動作報知部118による報知は、例えば、音声、ブザーやサイレン等の音によるものでもよく、赤色灯等の光によるものでもよく、これらを併用(複合)したものでもよい。
【0110】
図10に示されているように、扉体全閉感知スイッチ82は、全開位置に達した扉体2の扉体本体3の上端部が当接する戸当たり6Cに設けられており、扉体2の扉体本体3の上端部が当接することにより作動(ON)するスイッチとなっている。
【0111】
また、シャッターカーテン101の座板101Bの閉じ側(閉鎖動作方向)の先端部は、開閉動作方向である上下方向に移動可能な可動部となっており、まぐさ102に配置されたシャッター用障害物感知装置114を構成する座板スイッチ115は、座板101Bの不動部に設けられており、シャッターカーテン101の閉じ動作中に座板101Bの可動部が障害物に当接し、この可動部が開き側(開放動作方向)に後退することにより作動するスイッチとなっている。また、座板スイッチ115とシャッター用障害物感知装置114とはリード線116で接続されており、このリード線116は、シャッターカーテン101の開閉動作と共に、シャッター用障害物感知装置114に備えられているコードリールに巻き取られ、繰り出されるものである。このため、本実施形態に係るシャッター用障害物感知装置114は、有線式の障害物感知装置となっている。
【0112】
次に、本実施形態において、出入口90を閉鎖するために、連動制御器121及びシャッター用開閉機制御盤113により実行されるシャッターカーテン101及び扉体2の閉鎖動作制御の流れを、図12の回路図や図13〜図16のフローチャート図により説明する。
【0113】
図13に示すように、操作待機状態(ステップS101−NO)となっている電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cがビル等の建物の管理者等により操作されて作動(ON)した場合(ステップS101−YES)、電動開閉操作部119から連動制御器121へ扉体2を閉鎖動作させるための閉信号が入力される(ステップS102)。
【0114】
このステップS102の後、図12に示す閉鎖監視タイマーT2のカウントが開始される(ステップS103)。この閉鎖監視タイマーT2は、扉体2とシャッターカーテン101とによる出入口90の閉鎖が所定時間以内に正常に行われた否かを判定するためのものであり、この閉鎖監視タイマーT2に接続されているタイマー接点T2は、閉鎖監視タイマーT2の設定時間(例えば、本実施形態では200秒)が経過するまでON(閉じた状態)となるものである。
【0115】
このステップS103の後、閉信号が入力された連動制御器121からは、扉体2を全開状態に保持している扉体全開保持手段12へ、この扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための解除電力(解除信号)が入力(供給)される(ステップS104)。
【0116】
図12に示すように、連動制御器121を構成する回路には、タイマー接点T3が接続されており、このタイマー接点T3は、タイマーT3の設定時間(例えば、本実施形態では3秒)が経過するまでON(閉じた状態)となるものである。このため、電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cが操作されてからタイマーT3の設定時間が経過するまで、連動制御器121から扉体全開保持手段12へ解除電力が入力(供給)される(ステップS104)。
【0117】
また、図13に示すように、電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cが管理者により操作されて作動(ON)した場合(ステップS101−YES)には、電動開閉操作部119からシャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101を閉鎖動作させるための閉信号が入力され(ステップS105)、シャッター用開閉機制御盤113では、シャッターカーテン101の閉鎖動作制御(具体的には、シャッター用開閉機110のブレーキ112を解除するための解除電力やモータ111を駆動させるための駆動電力の供給)が内部的に行われる。
【0118】
しかし、シャッター用開閉機制御盤113からシャッター用開閉機110へのブレーキ112の解除電力やモータ111の駆動電力の供給は、扉体2が全閉位置に達したかどうかを判定するための扉体全閉感知スイッチ82(厳密にはこの扉体全閉感知スイッチ82に連動するタイマー接点T1)により遮断されている。すなわち、扉体2が全開位置から全閉位置に達するまで閉鎖動作している間(扉体全閉感知スイッチ82が作動していない間)は、シャッター用開閉機110のモータ111やブレーキ112への電力供給が遮断される(ステップS106)。この結果、シャッター用開閉機制御盤113によるシャッター用開閉機110のモータ111やブレーキ112の動作制御は行われないようになっている。
【0119】
なお、図13に示されているように、上記ステップS106の後、閉信号が入力されたシャッター用開閉機制御盤113から、動作報知部118へこの動作報知部118を作動させるための作動電力が供給(入力)される(ステップS107)。これにより、動作報知部118は、扉体2の閉鎖動作を外部に事前報知する処理を開始する(ステップS108)。
【0120】
このように、本実施形態では、平常時に扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための平常時閉鎖操作手段となっている電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cは、扉体全開保持手段12に接続されている連動制御器121への閉信号の入力と、シャッター用開閉機制御盤113への閉信号の入力とが同時に行われる1ボタン複数接点式の押しボタンスイッチとなっている。
【0121】
前述したステップS104において、扉体全開保持手段12に解除電力が入力されることにより、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態が解除されるため、扉体2は、ねじりコイルばね16に蓄圧されたばね力で付勢された閉鎖動作(図10では矢印A方向約90度の回動動作)を開始する(ステップS109)。
【0122】
なお、上述したように、シャッター用開閉機制御盤113からのシャッター用開閉機110のモータ111やブレーキ112への電力供給が遮断されているときに、仮に座板スイッチ115が作動した場合には、図11に示すように、この座板スイッチ115から障害物感知信号がシャッター用障害物感知装置114へ入力された後、このシャッター用障害物感知装置114からシャッターカーテン101を反転上昇及び停止させるための反転制御信号がシャッター用開閉機制御盤113へ入力される。しかし、上述したように、シャッター用開閉機制御盤113からのシャッター用開閉機110のモータ111やブレーキ112への電力供給が遮断されているため、シャッター用開閉機制御盤113によるシャッター用開閉機110のモータ111やブレーキ112の動作制御、すなわち、シャッターカーテン101の動作制御は実行されない。
【0123】
この後、閉鎖監視タイマーT2で設定された時間(例えば200秒)が経過したか否かの判定処理が行われ(ステップS110)、閉鎖監視タイマーT2で設定された時間が経過していない場合(ステップS110−NO)には、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)したか(扉体全閉感知スイッチ82からシャッター用開閉機制御盤113へ扉体全閉信号が入力されたか)否かの判定処理が行われる(ステップS113)。
【0124】
このステップS113において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)した場合(ステップS113−YES)、すなわち、扉体2が閉鎖監視タイマーT2で設定された時間内に全閉位置に達した場合には、動作報知部118は、シャッターカーテン101の閉鎖動作を外部に事前報知する処理を開始する(ステップS114)。一方、前記ステップS113において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS113−NO)には、前記ステップS110の閉鎖監視タイマーT2の設定時間経過の判定処理に戻る。
【0125】
なお、前記ステップS110の判定処理において、閉鎖監視タイマーT2で設定された時間が経過した場合(ステップS110−YES)、すなわち、扉体2が閉鎖監視タイマーT2で設定された時間内に全閉位置に達しなかった場合には、タイマー接点T2はOFF(開いた状態)となっており、このため、シャッター用開閉機制御盤113によるシャッターカーテン101の閉鎖動作制御(シャッター用開閉機110のブレーキ112及びモータ111への電力供給)は停止される(ステップS111)。また、シャッター用開閉機制御盤113から動作報知部118への作動電力の供給も停止する(ステップS112)。
【0126】
一方、前記ステップS113の判定処理において、扉体2が閉鎖監視タイマーT2で設定された時間内に全閉位置に達した場合(ステップS113−YES)には、動作報知部118は、シャッターカーテン101の閉鎖動作を外部に事前報知する処理を開始する(ステップS114)が、このステップS114の後、又はこのステップS114と同時に、扉体全閉感知スイッチ82によるシャッター用開閉機制御盤113からのシャッター用開閉機110のブレーキ112への解除電力とモータ111への駆動電力の供給遮断が解除される(ステップS115)。
【0127】
これにより、シャッター用開閉機制御盤113によるシャッター用開閉機110のブレーキ112への解除電力の供給とモータ111への駆動電力の供給、すなわち、シャッター用開閉機制御盤113によるシャッターカーテン101の閉鎖動作制御が、シャッターカーテン101が全閉位置に達するまで(シャッター上下限リミットスイッチ122のうちの下限リミットスイッチが作動するまで)行われる。
【0128】
すなわち、シャッター用開閉機制御盤113により、シャッター用開閉機110のブレーキ112のオフ(解除)(ステップS116)、モータ111の正駆動の開始(ステップS117)がなされ、これにより、シャッターカーテン101は、モータ111の駆動力による巻取軸106の正回転でこの巻取軸106から繰り出される下方向への電動降下(閉鎖動作)を開始する(ステップS118)。
【0129】
このステップS118の後、前記ステップS110と同様の閉鎖監視タイマーT2の設定時間経過の判定処理(ステップS119)が行われ、閉鎖監視タイマーT2で設定された時間が経過した場合、すなわち、シャッターカーテン101が閉鎖監視タイマーT2で設定された時間内に全閉位置に達しなかった場合(ステップS119−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113により、シャッター用開閉機110のモータ111の正駆動の停止(ステップS120)、ブレーキ112のオン(復帰)(ステップS121)がなされ、シャッター用開閉機制御盤113によるシャッターカーテン101の閉鎖制御は停止する。この結果、シャッターカーテン101は電動降下(閉鎖動作)を停止する(ステップS122)。また、シャッター用開閉機制御盤113から動作報知部118への作動電力の供給も停止する(ステップS123)。
【0130】
一方、ステップS119の判定処理において、タイマーT2で設定された時間が経過していない場合(ステップS119−NO)には、シャッター上下限リミットスイッチ122の下限リミットスイッチの作動の判定処理が実行される(ステップS124)。このステップS124の判定処理において、下限リミットスイッチが作動(ON)している場合、すなわち、下限リミットスイッチから下限信号がシャッター用開閉機制御盤113に入力された場合(ステップS124−YES)には、前述したステップS120〜S123の処理が実行され、シャッターカーテン101の電動降下は停止する。
【0131】
一方、ステップS124の判定処理において、下限リミットスイッチが作動していない場合(ステップS124−NO)には、シャッターカーテン101が、このシャッターカーテン101の閉鎖動作方向に存在する障害物に当接したか否かの判定処理、すなわち、シャッターカーテン101の座板101Bに設けられた座板スイッチ115が作動(ON)したか否かの判定処理が行われる(ステップS125)。
【0132】
このステップS125の判定処理において、座板スイッチ115が作動した場合、すなわち、座板スイッチ115からの障害物感知信号がシャッター用障害物感知装置114へ入力した場合(ステップS125−YES)には、シャッター用障害物感知装置114からは、閉鎖動作中のシャッターカーテン101を反転上昇(開放動作)及び停止させるための反転制御信号がシャッター用開閉機制御盤113へ入力される(ステップS126)。
【0133】
このステップS126の後、シャッター用開閉機制御盤113により、シャッター用開閉機110のモータ111の正駆動の停止(ステップS127)、ブレーキ112のオン(復帰)(ステップS128)がなされ、シャッターカーテン101の電動降下が停止する(ステップS129)。この後、シャッター用開閉機制御盤113により、シャッター用開閉機110のブレーキ112のオフ(解除)(ステップS130)、モータ111の逆駆動の開始(ステップS131)がなされ、シャッターカーテン101を所定時間(例えば2秒間)反転上昇させるための図示されない反転上昇タイマーのカウントが開始される(ステップS132)。これと同時に、シャッターカーテン101は、モータ111の逆駆動で逆回転する巻取軸106に巻き取られる反転上昇(開放動作)を開始する(ステップS133)。
【0134】
この後、シャッター反転上昇タイマーで設定された時間が経過したか否かの判定処理が行われる(ステップS134)。このステップS134の判定処理において、シャッター反転上昇タイマーで設定された時間が経過していない場合(ステップS134−NO)には、このステップS134の判定処理を繰り返し、シャッターカーテン101は反転上昇を繰り返す。
【0135】
一方、ステップS134の判定処理において、シャッター反転上昇タイマーで設定された時間が経過した場合(ステップS134−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113により、シャッター用開閉機110のモータ111の逆駆動の停止(ステップS135)、ブレーキ112のオン(復帰)(ステップS136)がなされ、シャッター用開閉機制御盤113によるシャッターカーテン101の反転上昇制御は停止する。この結果、シャッターカーテン101は反転上昇(開放動作)を停止する(ステップS137)。また、シャッター用開閉機制御盤113から動作報知部118への作動電力の供給も停止する(ステップS138)。
【0136】
この結果、シャッターカーテン101は、この後の管理者による電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cの操作でシャッターカーテン101が再度閉鎖動作されるまで半全閉状態のままとなる。
【0137】
次に、連動制御器121及びシャッター用開閉機制御盤113により実行されるシャッターカーテン101及び扉体2の開放動作制御の流れを説明する。
【0138】
シャッターカーテン101及び扉体2の全閉状態が保持されているときに、管理者により電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aが操作されると、電動開閉操作部119からシャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101を開放動作させるための開信号が入力される。これにより、シャッター用開閉機制御盤113からシャッター用開閉機110のブレーキ112へは、このブレーキ112を解除させるための解除電力が、また、シャッター用開閉機制御盤113からシャッター用開閉機110のモータ111へは、このモータ111を駆動させるための駆動電力が入力される。
【0139】
しかし、図12に示すように、扉体全閉感知スイッチ82に連動するタイマー接点T1は、タイマーT1の設定時間(例えば、本実施形態では3秒)が経過するまではOFF(開いた状態)となっており、タイマーT1の設定時間が経過した後はON(閉じた状態)となる。このため、電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aが操作されてからタイマーT1の設定時間が経過するまでは、シャッター用開閉機制御盤113からシャッター用開閉機110のブレーキ112及びモータ111への電力供給は遮断される。
【0140】
一方、扉体全閉感知スイッチ82は、電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aが操作されてからタイマーT1の設定時間が経過した後も作動(ON)していなければ、シャッター用開閉機制御盤113からシャッター用開閉機110のブレーキ112及びモータ111への電力供給が遮断されている状態は解除されない。したがって、扉体全閉感知スイッチ82は、電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aが操作されてから少なくともタイマーT1の設定時間が経過するまでは作動状態となっている必要がある。
【0141】
以上説明したように、電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aが操作されてからタイマーT1の設定時間が経過した後、シャッター用開閉機制御盤113からシャッター用開閉機110のブレーキ112へは、このブレーキ112を解除させるための解除電力が、また、シャッター用開閉機制御盤113からシャッター用開閉機110のモータ111へは、このモータ111を駆動させるための駆動電力が入力される。
【0142】
これにより、解除電力の入力でブレーキ112が解除され、駆動電力の入力でモータ111が逆駆動されると、この逆駆動による巻取軸106の逆回転により、シャッターカーテン101は巻取軸106に巻き取られる上方向への開放動作(電動上昇)が行われる。そして、シャッター上下限リミットスイッチ122のうちの上限(全開)リミットスイッチが作動することにより、この上限リミットスイッチからシャッター用開閉機制御盤113へ上限(全閉)信号が入力される。
【0143】
これにより、シャッター用開閉機制御盤113からモータ111への駆動電力の入力が停止され、モータ111の逆駆動は停止する。また、シャッター用開閉機制御盤113からブレーキ112への解除電力の入力も停止され、ブレーキ112はオン(復帰状態)となる。この結果、シャッターカーテン101の開放動作は停止する。
【0144】
この後、全閉状態となっている扉体2の開放動作は、管理者が手動で行う。すなわち、シャッターカーテン101が全開位置に達した後、管理者は、扉体2の扉体本体3に設けられた係止部材8の係止部を構成するピン部材10が、扉体全開保持手段12の被係止部材であるラッチ部材14に係止し、このラッチ部材14がラッチロック部材にロックされるまで、手動で扉体2を開放動作(図10では矢印B方向約90度の回動動作)させる。
【0145】
このように、本実施形態では、シャッターカーテン101と扉体2の開放動作は、連動して行われるものではない。
【0146】
なお、シャッターカーテン101を開放動作させる場合において、シャッターカーテン101を開放動作させるための開信号が入力されたシャッター用開閉機制御盤113から、動作報知部118へこの動作報知部118を作動させるための作動電力が入力されるようにし、動作報知部118により、シャッターカーテン101の開放動作を外部に事前報知する処理を行ってもよく、行わなくてもよい。
【0147】
図17〜図19は、第4の実施形態に係る開閉装置を示す図であり、図17は、図1と同様に本実施形態に係る開閉装置の全体正面図であり、図18及び図19は、本実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図である。図18は、平常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものであり、平常時において使用されない或いは動作しない(火災発生時等の非常時において使用される或いは動作する)装置間は矢印無しの破線で結んだ表示となっており、図19は、火災発生時等の非常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものであり、非常時において使用されない或いは動作しない(平常時において使用される或いは動作する)装置間は矢印無しの破線で結んだ表示となっている。
【0148】
本実施形態に係る開閉装置は、平常時においては、建物に形成された開口部である出入口90を開閉体であるシャッターカーテン101と扉体2とで開閉する扉装置付開口部用シャッター装置(言い換えると、袖扉付開口部用シャッター装置)として機能し、火災発生等の非常時においては、出入口90を閉鎖することにより防災区画を形成するための扉装置付防災用シャッター装置(言い換えると、袖扉付防災用シャッター装置)として機能する管理及び防災併用開閉装置となっている。
【0149】
シャッター用開閉機制御盤113は、電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aからの開信号(開放動作指示信号)や、[閉]スイッチ119Cからの閉信号(閉鎖動作指示信号)の入力で、シャッター用開閉機110のブレーキ112の解除(後述する図20に示すソレノイド145の通電)や、モータ111の駆動をさせる。電動開閉操作部119の[停]スイッチ119Bからの停信号(停止動作指示信号)、上下限リミットスイッチ122からの上限リミット信号(全開信号)や下限リミット信号(全閉信号)の入力があれば、シャッター用開閉機110のブレーキ112の復帰(ソレノイド145の通電遮断)や、モータ111の駆動停止をさせる。
【0150】
また、図18及び図19に示されているように、本実施形態では、前述の第3の実施形態に係る開閉装置に備えられていた連動制御器121の代わりに、危害防止用連動中継器130(以下「連動中継器130」という)が備えられている。シャッター用開閉機110と同様に、商用電源120から供給される電力で動作する連動中継器130には、シャッター用開閉機110を除く主要な装置が接続されている。
【0151】
連動中継器130の主な機能には、電動開閉操作部119からの操作信号(開信号、閉信号、停信号)をシャッター用開閉機制御盤113へ中継すること、シャッターカーテン101の電動降下(電動による閉鎖動作)中における障害物感知時の反転制御を行うこと、停電時における各機器への非常電源(バッテリー)を供給すること、防災信号BSを中継し、シャッター用自動閉鎖装置134へ連続(継続的に)発報すること、非常時のシャッターカーテン101の閉鎖動作中における障害物感知時に、シャッター用自動閉鎖装置134へ復旧動作、再作動動作の制御を行うこと、扉体2、シャッターカーテン101の順に閉鎖させる制御を行うこと、電動開閉操作部119からの操作信号が閉信号である場合には、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための解除電力を扉体全開保持手段12へ入力すること等がある。なお、連動中継器130は、停電時に使用される予備電源(バッテリ)を内蔵しており、処理待機状態においては、この予備電源の充電を行う。このように、連動中継器130は、扉体2、シャッターカーテン101とを連動して閉鎖動作させるための開閉制御手段となっている。
【0152】
平常時におけるシャッターカーテン101の開閉動作を行う連動中継器130の基本動作は、まず電動開閉操作部119からの操作信号(開信号、閉信号、停信号)をシャッター用開閉機制御盤113へ中継する。電動による閉鎖動作(電動降下)中に障害物が感知された場合には、シャッターカーテン101を反転上昇させる制御(開放動作制御)をシャッター用開閉機制御盤113に指示(シャッター用開閉機110に停止指示信号、開放指示信号を入力)する。なお、シャッターカーテン101の開閉動作中は、動作報知部118を作動させる。
【0153】
上下限リミットスイッチ122の上限リミットスイッチの設定位置は、前述の第3の実施形態と同様に、シャッターカーテン101の全開位置である。一方、下限リミットスイッチの設定位置は、前述の第3の実施形態とは異なり、床7よりも若干下の高さ位置であり、これは、閉鎖動作中のシャッターカーテン101の座板スイッチ115の故障によるオーバーラン(シャッターカーテン101の巻取軸106から繰り出しオーバー)を検知するためのものである。すなわち、下限リミットスイッチは、座板スイッチ115の故障診断を行うための座板スイッチ故障診断手段となっている。
【0154】
増設リミットスイッチ131の設定位置は、床7から若干上の高さ位置(例えば20mm程度)である。すなわち、増設リミットスイッチ131は、閉鎖動作中のシャッターカーテン101が、床7から若干上の高さ位置まで達した(閉じ移動した)ときに作動(ON)するものである。
【0155】
前述した各実施形態でも使用されている感知器18は、火災発生等の非常時において、この火災等で発生した煙及び/又は熱を感知し、連動中継器130へ防災信号BS(DC24V)を入力するものである。
【0156】
また、前述した各実施形態でも使用されている防災センター操作盤19は、火災発生等の非常時において、防災センターの人間により操作されるものであり、感知器18と同様に、連動中継器130へ防災信号BS(DC24V)を入力するものである。
【0157】
本実施形態では、扉装置には、扉体2の閉鎖動作中にこの扉体2の閉鎖動作方向(図17では矢印A方向)に存在する障害物を感知するための扉体用障害物感知装置133が備えられている。赤外線センサ方式となっているこの扉体用障害物感知装置133は、図17に示すように、扉体2が全閉位置に達したときにこの扉体2の上端部が当接する戸当たり6Cの近傍に配置されている。
【0158】
具体的な構造を後述するシャッター用自動閉鎖装置134は、非常時において、上述した感知器18や防災センター操作盤19からの防災信号BSが入力された連動中継器130から作動信号が入力されることにより、復帰状態となっているシャッター用開閉機110のブレーキ112を解除させ、シャッターカーテン101を閉鎖動作させるためのものである。
【0159】
電動開閉操作部119の近傍に配置されている非常閉鎖操作部132は、押しボタン型スイッチである[作動]スイッチ132Aと[復帰]スイッチ132Bとを有し、これらは、平常時には操作されないようにアクリル樹脂製のカバーで覆われている。
【0160】
非常時において、何らかの原因で感知器18や防災センター操作盤19から防災信号BSが連動中継器130へ入力されず、扉体全開保持手段12やシャッター用自動閉鎖装置134が作動しなかった場合等に使用されるものであり、この非常閉鎖操作部132の[作動]スイッチ132Aを管理者等の人間が操作することにより、非常閉鎖操作部132から防災信号BSと同等の信号である作動信号(DC24V)を連動中継器130へ入力させるものである。このため、非常閉鎖操作部132の[作動]スイッチ132Aは、非常時に強制的に扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための非常時閉鎖操作手段となっている。一方、[復帰]スイッチ132Bは、作動状態のシャッター用自動閉鎖装置134を元の状態に戻すため使用されるものである。
【0161】
図20は、シャッター用開閉機110の内部構造を示す断面図である。この図20に示されているように、シャッター用開閉機110は、直流又は交流のモータ111とブレーキ112とを軸方向に並設したものであり、モータ111の駆動軸140は、このモータ111の回転する回転子111Aの中心に固定配置された回転軸となっている。この駆動軸140におけるブレーキ112側の端部には、円盤状のブレーキシュー141が結合されている。ブレーキ112には、軸方向に一定距離だけスライド自在となっているブレーキ軸142が設けられ、このブレーキ軸142には、ブレーキシュー141と軸方向に対面するブレーキドラム143が結合されている。通常時のブレーキ軸142及びブレーキドラム143は、ばね144でモータ111側へ押圧されており、このため、ブレーキシュー141とブレーキドラム143との圧接によりブレーキ112はオン(復帰状態)となっている。したがって、このときのモータ111の駆動軸140は、ブレーキ112の制動力によって回転しない。
【0162】
一方、ブレーキ112に配置されているソレノイド145が、シャッター用開閉機制御盤113から供給される電力(解除電力)により通電されたときには、このソレノイド145の磁力により、ブレーキ軸142及びブレーキドラム143は、ばね144に抗してモータ111から離れる方向へスライドする。このため、ブレーキシュー141とブレーキドラム143との圧接が解除され、ブレーキ112はオフ(解除状態)となる。したがって、このときには、モータ111の駆動軸140は、シャッター用開閉機制御盤113から供給される電力(駆動電力)のコイル146への通電により回転できることになる。
【0163】
また、図20に示されているとおり、ブレーキ軸142におけるモータ111側とは反対側の端部にはレバー部材147が配置されている。このレバー部材147はブレーキ軸142を貫通したものであって、ブレーキ軸142を境界として区分される第1部分147Aと第2部分147Bとからなる。第1部分147Aには第1屈曲部147Cが形成され、第2部分147Bには第2屈曲部147Dが形成されている。第1部分147AにC方向、すなわち、モータ111側とは反対側への荷重が作用したときには、第1部分147Aが第2屈曲部147Dを支点としてC方向へ揺動するため、ブレーキ軸142及びブレーキドラム143は、C方向と同じ方向であるC’方向へスライドする。このため、ソレノイド145に通電しなくても、ブレーキ112をオフとすることができる。
【0164】
このように第1部分147AにC方向への荷重が作用することは、シャッター用開閉機110に取り付けられている具体的な構造を後述するシャッター用自動閉鎖装置134によって行われる。
【0165】
次に、火災発生等の非常時において、シャッターカーテン101の全開状態を保持しているシャッター用開閉機110のブレーキ112を解除するための本実施形態に係るシャッター用自動閉鎖装置134の構造について説明する。
【0166】
図21は、シャッター用開閉機110に隣接配置されたシャッター用自動閉鎖装置134の内部構造を示す平面図であり、図22は、シャッター用自動閉鎖装置134の内部構造を示す側面図であり、図23は、シャッター用自動閉鎖装置134の内部構造を示す正面図である。なお、これらの図21〜図23は、連動中継器130からの作動信号がシャッター用自動閉鎖装置134へ入力される前の状態を示す図である。
【0167】
図21及び図22に示すように、シャッター用自動閉鎖装置134のケースとなっている機枠149には、互いに対向する2個の側面部である立上り部149B,149Eが設けられている。これらの立上り部149B,149Eに形成された貫通孔149C,149Fに、2個の立上り部149B,149Eに跨る長さを有している板状の第1スライド部材150が水平方向にスライド自在に挿入されている。これと同様に、これらの立上り部149B,149Eに形成された貫通孔149D,149Gに、2個の立上り部149B,149Eに跨る長さを有している板状の第2スライド部材155が水平方向にスライド自在に挿入されている。図21、及び機枠149の立上り部149Eの一部が破断されている図23に示すように、機枠149内において、第1スライド部材150は、第2スライド部材155よりも下方に配置されている。
【0168】
図24は、図21で示されている第1スライド部材150のみを示した図である。この図24に示すように、第1スライド部材150は、板材で形成された第1部材151及び第2部材153と、シャッター用自動閉鎖装置134を作動させるための作動部材152とで構成されており、第1スライド部材150の主要部となっている第1部材151の前端(先端)は、下向きに屈曲した屈曲部151Aとなっており、この屈曲部151Aに作動部材152が取り付けられている。また、第1部材151の後方には、凹部151Bが形成されている。一方、第2部材153は、上向きに屈曲した第1屈曲部153Aと、下向きに屈曲した第2屈曲部153B及び第3屈曲部153Cとを有しており、この第2部材153は、図24に示すように、ビス等の止着具で第1部材151に止着されている。
【0169】
なお、図21に示すように、第1スライド部材150の第3屈曲部には、ばね164の一端が係止され、このばね164の他端は、機枠149の底部149Aに立設固定された係止部材163に係止されており、第1スライド部材150が矢印D方向にスライドすることにより、ばね164には矢印D方向とは反対の方向への戻しばね力が蓄圧される。
【0170】
図25は、図21で示されている第2スライド部材155のみを示した図である。また、図26は、図22において、第1スライド部材150及び第2スライド部材155の手前側に配置されている部材、装置を除外して示した図である。
【0171】
図25に示すように、第2スライド部材155は、板材で形成された第1部材156と第2部材157と第3部材158とで構成されている。また、図26に示すように、ビス等の止着具で第1部材156に止着されている第2部材157の上部は、機枠149に取り付けられた図21に示す直流モータ161の駆動軸に取り付けられたピニオン162に噛合するラック部157Aとなっている。また、第3部材158は、図25に示すように、第1スライド部材150のスライド方向と直交する方向に屈曲した第1屈曲部158Aと、ビス等の止着具で第1部材156に止着される下向きに屈曲した第2屈曲部158Bと、水平部158Cとからなっている。
【0172】
なお、前述したように、第1スライド部材150は、機枠149内において、第2スライド部材155よりも下方に配置されており、また、図21、図23及び図26に示すように、第2スライド部材155を構成する第3部材158の第1屈曲部158Aが、第1スライド部材150を構成する第2部材153の第1屈曲部153Aと後方から対向、接触するように配置されている。
【0173】
図27は、図21で示されている第1スライド部材150、第2スライド部材155、具体的な構造を後述する屈曲レバー部材165等のみを示す図である。
【0174】
図21に示されているように、シャッター用自動閉鎖装置134の機枠149の底部149Aには、ソレノイド170が取り付けられており、このソレノイド170のプランジャ171には、ばね172のばね力がプランジャ171をソレノイド170から突出させる方向へ常時作用している。このプランジャ171の先端には、図21及び図22に示すように略コ字状に屈曲した被係止部材173が連結されており、この被係止部材173に、中心軸165Aを中心に回動自在となっている略L字形の屈曲レバー部材165(図27も参照)の一方の端部が係止されている。図21及び図22に示すように、トリガーレバー部材となっているこの屈曲レバー部材165の他方の端部には、ローラ166が回転自在に設けられている。
【0175】
図21及び図27に示すように、このローラ166と対面する第1スライド部材150の部分には前述した凹部151Bが形成されている。また、シャッター用自動閉鎖装置134には、屈曲レバー部材165に中心軸165Aを中心とするG方向への回動力を付与するためのばね167が設けられており、このばね167の一端は、屈曲レバー部材165の立上り部165Bに係止され、ばね167の他端は、機枠149の底部149Aに設けられた係止部材168に係止されている。
【0176】
図21及び図22に示されているとおり、シャッター用自動閉鎖装置134には、屈曲レバー部材165が中心軸165Aを中心とするG方向への回動を行うことにより作動するマイクロスイッチ180と、第2スライド部材155が矢印D方向へスライドすることにより作動するマイクロスイッチ181が設けられている。
【0177】
マイクロスイッチ180は、作動部材であるアクチュエータ180Aが、中心軸165Aを中心とするG方向への回動を行う屈曲レバー部材165の立上り部165Bに当接可能に配置され、マイクロスイッチ181は、作動部材であるアクチュエータ181Aが、矢印D方向へスライドする第2スライド部材158の水平部158Cの下面に当接可能に配置される。
【0178】
次に、火災発生等の非常時において、シャッターカーテン101の全開状態を保持しているシャッター用開閉機110のブレーキ112を解除するための本実施形態に係るシャッター用自動閉鎖装置134の動作について説明する。
【0179】
図19に示すように、火災発生等の非常時において、感知器18や防災センター操作盤19から連動中継器130へ防災信号BS(DC24V)が入力されると、連動中継器130からシャッター用自動閉鎖装置134の図示しないブレーキ制御回路へ制御信号である作動信号(DC24V)が入力される。この作動信号の入力でシャッター用自動閉鎖装置134の直流モータ161が正駆動し、この直流モータ161の駆動軸161Aに取り付けられたピニオン162は、図22に示す矢印E方向への回転を開始する。これにより、ピニオン162に噛合しているラック部157Aを有する第2スライド部材155は、図21に示す矢印D方向へスライドする。
【0180】
前述したように、第2スライド部材155を構成する第3部材158の第1屈曲部158Aは、第1スライド部材150を構成する第2部材153の第1屈曲部153Aの後方でこの第1屈曲部153Aと対向接触するように配置されている。
【0181】
このため、第2スライド部材155が矢印D方向へスライドすると、この第2スライド部材155の第1屈曲部153Aが、第1スライド部材150の第1屈曲部153Aを後方から矢印D方向へ押すことになる。これにより、第1スライド部材150は、第2スライド部材155とともに矢印D方向へスライドする。
【0182】
図28は、図21で示されている第1スライド部材150が、第2スライド部材155とともにシャッター用開閉機110のブレーキ112が解除される位置まで矢印D方向へスライドしたときを示す図である。また。図29は、図28で示されている第1スライド部材150、第2スライド部材155、屈曲レバー部材165、ばね164,167等のみを示した図である。
【0183】
第1スライド部材150と第2スライド部材155とが、図28に示す位置までスライドすることにより、第1スライド部材150の前端に設けられている作動部材152が、図20で示されている被作動部材148を介してシャッター用開閉機110のレバー部材147の第1部分147Aを図20のC方向に押圧するため、前述したように、この第1部分147Aがレバー部材147の第2屈曲部147Dを支点としてC方向へ揺動する。これにより、シャッター用開閉機110のブレーキ112のブレーキ軸142及びブレーキドラム143は、C方向と同じ方向であるC’方向へスライドし、これにより、それまでオン(復帰状態)となっていたブレーキ112は、オフ(解除状態)となる。
【0184】
このため、全開状態が保持されていたシャッターカーテン101は、巻取軸106よりも下側の部分の座板101B等の自重により、巻取軸106を正回転させながら下向きに閉鎖動作(閉じ移動)することになり、シャッター用開閉機110の前述した駆動軸140も駆動力伝達手段107を介して自由回転し、シャッターカーテン101はシャッター上下限リミットスイッチ122のうちの下限リミットスイッチが作動(ON)するまで自重降下する。
【0185】
第1スライド部材150及び第2スライド部材155が、図28に示す位置までスライドすることにより、屈曲レバー部材165は、ばね167のばね力で矢印G方向(図21及び図27参照)へ回動し、この屈曲レバー部材165のローラ166が第1スライド部材150の凹部151Bに係合する。これにより、第1スライド部材150の後退が阻止された状態となり、第1スライド部材150の前端に設けられている作動部材152が、図20で示されている被作動部材148を介してシャッター用開閉機110のレバー部材147の第1部分147Aを図20のC方向に押圧する状態が継続される。すなわち、シャッター用開閉機110のブレーキ112のオフ(解除)の状態が継続される。
【0186】
また、屈曲レバー部材165は、ばね167のばね力で矢印G方向へ回動し、この屈曲レバー部材165のローラ166が第1スライド部材510の凹部151Bに係合することにより、図28に示すように、屈曲レバー部材165の立上り部165Bがマイクロスイッチ180のアクチュエータ180Aを押圧するため、マイクロスイッチ180が作動する。これにより、シャッター用自動閉鎖装置134に備えられている図示しないブレーキ制御装置から、シャッター用開閉機110のブレーキ112の作動確認信号が連動中継器130へ入力される。また、マイクロスイッチ180の作動により、ブレーキ制御装置内には、直流モータ161の駆動を停止するための回路が生成され、これにより、直流モータ161の正駆動は停止する。
【0187】
また、第1スライド部材150が矢印D方向(図21参照)へスライドすることにより、この第2スライド部材155の水平部158Cの下面が、図23や図28に示すように、マイクロスイッチ181のアクチュエータ181Aを押圧するため、マイクロスイッチ181が作動する。これにより、ブレーキ制御装置内には、直流モータ161が逆駆動するための回路が生成する。なお、この回路を生成させるために、図28に示す第1スライド部材150の第2部材153の第2屈曲部153Bの側面にアクチュエータ182Aが押圧されるマイクロスイッチ182を使用するようにしてもよい。
【0188】
この後、直流モータ161の逆駆動により、第2スライド部材155は矢印D方向とは反対の方向にスライドするが、このスライドによりマイクロスイッチ181の作動が停止するので、直流モータ161の逆駆動は停止する。この結果、スライドしていた第2スライド部材155は元の位置で停止する。
【0189】
このように、第2スライド部材155は図21に示す元の位置に戻るが、第1スライド部材150は、前述したように、屈曲レバー部材165のローラ166が係合していることにより、図28の位置で停止したままとなり、シャッター用開閉機110のブレーキ112のオフ(解除)の状態が継続される。
【0190】
シャッターカーテン101の自重降下(閉鎖動作)中において、このシャッターカーテン101の閉鎖動作方向に障害物が存在し、シャッターカーテン101の座板101Bに設けられている座板スイッチ115がこの障害物に当接することにより作動(ON)した場合、座板スイッチ115からの障害物感知信号が連動中継器130へ入力される。これにより、連動中継器130からシャッター用自動閉鎖装置134のDCソレノイド170へ、このソレノイド170を作動(励磁)させるための作動信号が入力される。この結果、ソレノイド170が励磁されてプランジャ171が吸引されるため、このプランジャ171の先端に連結された被係止部材173に一方の端部が係止されている屈曲レバー部材165は、図21に示す矢印G方向とは反対の方向へ回動する。
【0191】
これにより、第1スライド部材150の凹部151Bに係合していた屈曲レバー部材165のローラ166は、この凹部151Bから離脱する。このため、ローラ166との係合で後退が阻止されていた第1スライド部材150は、矢印D方向にスライドすることによりばね167に蓄圧されたばね力で、元の位置までスライドする。
【0192】
この結果、第1スライド部材150の前端に設けられている作動部材152が、図20で示されている被作動部材148を介してシャッター用開閉機110のレバー部材147の第1部分147Aを図20のC方向に押圧していた状態は解除される。これにより、それまでオフ(解除状態)となっていたブレーキ112がオン(復帰状態)となるため、シャッター用開閉機110の駆動軸140の自由回転が阻止され、駆動力伝達手段107を介して駆動軸140と連結されている巻取軸106の自由回転も阻止される。この結果、障害物に当接したシャッターカーテン101の自重降下は停止する。
【0193】
この停止中のシャッターカーテン10から障害物が取り除かれると、座板スイッチ115から連動中継器130への障害物感知信号の入力が停止する。この後、タイマーによる設定時間が経過した後、連動中継器130からシャッター用自動閉鎖装置134へは、このシャッター用自動閉鎖装置134を作動させるための作動信号が入力される。
【0194】
なお、座板スイッチ115を備える閉鎖動作中のシャッターカーテン101が全閉位置(床7)に達する際のシャッターカーテン101の動作制御仕様、すなわち、下限停止動作仕様には、第1仕様である床面停止仕様と、第2仕様である床面押し込み仕様と、がある。要するに、下限停止動作仕様の違いは、シャッターカーテン101の閉鎖動作制御を行うに際して、床7を障害物として取り扱うか否かである。この動作仕様(動作モード)の設定は、連動中継器130に設けられたディップスイッチを操作することによりできる。
【0195】
この下限停止動作仕様の違いによるシャッターカーテン101の閉鎖動作制御については後述するが、例えば、下限停止動作仕様が第1仕様(床面停止仕様)である場合には、自重降下中のシャッターカーテン101が全閉位置である床7に達することにより、このシャッターカーテン101の座板スイッチ115が作動(ON)した場合には、上述した床7を障害物として感知した場合の処理(座板スイッチ115から連動中継器130への障害物感知信号の入力、及び連動中継器130からシャッター用自動閉鎖装置134への復帰信号の入力)が行われる。
【0196】
次に、平常時において連動中継器130により実行される扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の流れを図30〜図33のフローチャート図により説明する。
【0197】
図30に示すように、操作待機状態(ステップS201−NO)となっている電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cが管理者により操作されて作動(ON)した場合、すなわち、電動開閉操作部119から連動中継器130へ扉体2を閉鎖動作させるための閉信号(閉鎖指示信号)が入力された場合(ステップS201−YES)には、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御が開始される(ステップS202)。
【0198】
このステップS202の後、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS203)。このステップS203において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS203−NO)には、動作報知部118へ作動電力の供給を開始する(ステップS204)。これにより、動作報知部118による扉体2の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(ステップS205)。
【0199】
一方、前記ステップS203において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS203−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の開始指示を行う(図31に示すステップS217)。
【0200】
前記ステップS205の後、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS206)。このステップS206において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS206−NO)には、扉体全開保持手段12へ解除電力を電力供給タイマーの設定時間(例えば3秒間)供給する(ステップS207)。
【0201】
一方、前記ステップS206において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS206−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS211)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。なお、ステップS211より前において、シャッター用開閉機制御盤113はシャッターカーテン101の閉鎖動作制御を行っているが、シャッター用開閉機110は電力未供給で動作待機状態となっている。
【0202】
前記ステップS207の後は、扉体2の閉鎖が所定時間以内に正常に行われた否かを判定するための扉体閉鎖監視タイマーのカウントが開始される(ステップS208)。また、このステップS208の後、ねじりコイルばね16のばね力による扉体2の閉鎖動作が開始される(ステップS209)。
【0203】
このステップS209の後、前述したステップS206と同様に、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS210)。このステップS210において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS210−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS211)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。なお、前述したように、ステップS211より前において、シャッター用開閉機制御盤113はシャッターカーテン101の閉鎖動作制御を行っているが、シャッター用開閉機110は電力未供給で動作待機状態となっている。
【0204】
一方、前記ステップS210において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS210−NO)には、電動開閉操作部119の[停]スイッチ119Bの作動(ON)(停信号の入力)の判定処理が行われる(ステップS212)。このステップS212において、[停]スイッチ119Bが作動した場合(ステップS212−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS211)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。なお、前述したように、ステップS211より前において、シャッター用開閉機制御盤113はシャッターカーテン101の閉鎖動作制御を行っているが、シャッター用開閉機110は電力未供給で動作待機状態となっている。
【0205】
一方、ステップS212において、[停]スイッチ119Bが作動していない場合(ステップS212−NO)には、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過したか否かの判定処理(ステップS213)が行われる。このステップS213において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過している場合(ステップS213−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS211)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0206】
一方、ステップS213において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過していない場合(ステップS213−NO)には、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS214)。このステップS214において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS214−NO)には、前記ステップS210の処理へ戻る。
【0207】
一方、ステップS214において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS214−YES)には、扉体2の全閉状態が所定時間継続しているか否かを判定するための扉体全閉監視タイマーのカウントが開始される(ステップS215)。
【0208】
このステップS215の後、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過しているか否かの判定処理(ステップS216)が行われる。このステップS216において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過していない場合(ステップS216−NO)には、前記ステップS210の処理へ戻る。
【0209】
一方、ステップS216において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過している場合、すなわち、扉体2の全閉状態が所定時間継続している場合(ステップS216−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の開始指示を実行する(ステップS217)。
【0210】
このステップS217の後、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始され(ステップS218)、この後、シャッターカーテン101の閉鎖動作(電動降下)が開始される(ステップS219)。
【0211】
このステップS219の後、上下限リミットスイッチ122のうちの下限リミットスイッチの作動(ON)の判定処理、すなわち、下限リミットスイッチからのシャッター下限信号の入力の判定処理が行われる(ステップS220)。
【0212】
このステップS220において、下限リミットスイッチが作動(ON)している場合(ステップS220−YES)には、座板スイッチ115が故障し、シャッターカーテン101がオーバーランしていると判定できるため、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS221)、この後、動作報知部118によるシャッター装置の故障報知が行われ(ステップS222)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0213】
一方、前記ステップS220において、下限リミットスイッチが作動(ON)していない場合(ステップS220−NO)には、座板スイッチ115の作動(ON)の判定処理、すなわち、座板スイッチ115からのシャッター障害物感知信号の入力の判定処理が行われる(ステップS223)。
【0214】
このステップS223において、座板スイッチ115が作動(ON)している場合(ステップS223−YES)には、障害物感知時におけるシャッターカーテン101の一般的な動作制御処理(シャッターカーテン101を停止させた後、所定時間(例えば2秒間)反転上昇させ、この後、停止させる)を実行する(ステップS224)。そして、このステップS224の後は、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS226)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0215】
一方、前記ステップS223において、座板スイッチ115が作動(ON)していない場合(ステップS223−NO)には、[停]スイッチ119Bの作動(ON)の判定処理、すなわち、[停]スイッチ119Bからの停信号の入力の判定処理が行われる(ステップS225)。
【0216】
このステップS225において、[停]スイッチ119Bが作動(ON)している場合(ステップS225−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS226)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0217】
一方、前記ステップS225において、[停]スイッチ119Bが作動(ON)していない場合(ステップS225−NO)には、ディップスイッチの操作により設定された下限停止動作仕様の判定処理、すなわち、下限停止動作仕様が第1仕様である床面押し込み仕様であるかの判定処理が行われる(ステップS227)。
【0218】
このステップS227において、下限停止動作仕様が床面押し込み仕様でない場合、言い換えると、床面停止仕様である場合(ステップS227−NO)には、前記ステップS220の判定処理に戻る。
【0219】
一方、前記ステップS227において、下限停止動作仕様が床面押し込み仕様である場合(ステップS227−YES)には、増設リミットスイッチ131の作動(ON)の判定処理、すなわち、増設リミットスイッチ131からの増設下限信号の入力の判定処理が行われる(ステップS228)。
【0220】
このステップS228において、増設リミットスイッチ131が作動(ON)していない場合(ステップS228−NO)には、前記ステップS220の判定処理に戻る。
【0221】
一方、前記ステップS228において、増設リミットスイッチ131が作動(ON)している場合(ステップS228−YES)には、座板スイッチ115の作動を無効にさせる時間をカウントするための座板スイッチ作動無効タイマーのカウントが開始され(ステップS229)、これにより、座板スイッチ115の作動が無効化される、すなわち、座板スイッチ115からの障害物感知信号の入力が無効化される(ステップS230)。
【0222】
このステップS230の後、下限リミットスイッチの作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS231)。
【0223】
このステップS231において、下限リミットスイッチが作動(ON)している場合(ステップS231−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS232)、この後、動作報知部118によるシャッター装置の故障報知が行われ(ステップS233)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0224】
一方、前記ステップS231において、下限リミットスイッチが作動(ON)していない場合(ステップS231−NO)には、[停]スイッチ119Bの作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS234)。
【0225】
このステップS234において、[停]スイッチ119Bが作動(ON)している場合(ステップS234−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS235)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0226】
一方、前記ステップS234において、[停]スイッチ119Bが作動(ON)していない場合(ステップS234−NO)には、座板スイッチ作動無効タイマーの設定時間が経過しているか否かの判定処理が行われる(ステップS236)。
【0227】
このステップS236において、座板スイッチ作動無効タイマーの設定時間が経過している場合(ステップS236−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS235)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0228】
一方、前記ステップS236において、座板スイッチ作動無効タイマーの設定時間が経過していない場合(ステップS236−NO)には、前記ステップS231の判定処理へ戻る。
【0229】
次に、火災発生等の非常時において連動中継器130により実行される扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の流れを図34〜図37のフローチャート図により説明する。
【0230】
図34に示すように、防災信号BS又は非常閉鎖操作部132からの作動信号入力待機状態(ステップS251−NO)となっている連動中継器130に防災信号BSや作動信号が入力された場合(ステップS251−YES)には、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御が開始される(ステップS252)。
【0231】
このステップS252の後、動作報知部118へ作動電力の供給を開始する(ステップS253)。
【0232】
このステップS253の後、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS254)。このステップS254において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS254−NO)には、これにより、動作報知部118による扉体2の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(ステップS255)。
【0233】
一方、前記ステップS254において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS254−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(図35に示すステップS266)。
【0234】
前記ステップS255の後、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS256)。このステップS256において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS256−NO)には、扉体全開保持手段12へ解除電力を電力供給タイマーの設定時間(例えば3秒間)供給する(ステップS257)。
【0235】
一方、前記ステップS256において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS256−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(図35に示すステップS266)。
【0236】
前記ステップS257の後は、ねじりコイルばね16のばね力による扉体2の閉鎖動作が開始される(ステップS258)。また、このステップS258の後、扉体2の閉鎖が所定時間以内に正常に行われた否かを判定するための扉体閉鎖監視タイマーのカウントが開始される(ステップS259)。
【0237】
このステップS259の後、前述したステップS256と同様に、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS260)。このステップS260において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS260−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(ステップS266)。
【0238】
一方、前記ステップS260において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS260−NO)には、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過したか否かの判定処理(ステップS261)が行われる。このステップS261において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過している場合(ステップS261−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(ステップS266)。
【0239】
一方、ステップS261において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過していない場合(ステップS261−NO)には、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS262)。このステップS262において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS262−NO)には、前記ステップS260の処理へ戻る。
【0240】
一方、ステップS262において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS262−YES)には、扉体2の全閉状態が所定時間継続しているか否かを判定するための扉体全閉監視タイマーのカウントが開始される(ステップS263)。
【0241】
このステップS263の後、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過しているか否かの判定処理(ステップS264)が行われる。このステップS264において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過していない場合(ステップS264−NO)には、前記ステップS260の処理へ戻る。
【0242】
一方、ステップS264において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過している場合、すなわち、扉体2の全閉状態が所定時間継続している場合(ステップS264−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(ステップS266)。
【0243】
このステップS266の後、シャッター用自動閉鎖装置134へこのシャッター用自動閉鎖装置134を作動させるための作動信号が入力される(ステップS267)。この作動信号の入力によるシャッター用自動閉鎖装置134の作動で、シャッター用開閉機110ブレーキ112が解除される(ステップS268)。これにより、シャッターカーテン101の閉鎖動作(自重降下)が開始される(ステップS269)。
【0244】
このステップS269の後、座板スイッチ115の作動(ON)の判定処理、すなわち、座板スイッチ115からのシャッター障害物感知信号の入力の判定処理が行われる(ステップS270)。
【0245】
このステップS270において、座板スイッチ115が作動(ON)している場合(ステップS270−YES)には、ディップスイッチの操作により設定された下限停止動作仕様の判定処理、すなわち、下限停止動作仕様が第1仕様である床面押し込み仕様であるかの判定処理が行われる(ステップS271)。
【0246】
なお、座板スイッチ115が作動(ON)することにより、座板スイッチ115からシャッター用自動閉鎖装置134へ障害物感知信号が入力され、これにより、解除状態となっていたシャッター用開閉機110のブレーキ112が復帰状態となるため、シャッターカーテン101の自重降下は停止している。
【0247】
前記ステップS271において、下限停止動作仕様が床面押し込み仕様でない場合、言い換えると、床面停止仕様である場合(ステップS271−NO)には、障害物感知時におけるシャッターカーテン101の動作制御処理(障害物が除去されて座板スイッチ115がOFFとなるまでシャッターカーテン101を停止させ、障害物が除去されて座板スイッチ115がOFFとなった場合には、所定時間後(例えば10秒後)にシャッター用自動閉鎖装置134を再作動させて、シャッターカーテン101を再降下させる)を実行する(ステップS272)。なお、このステップS272の後は、前記ステップS270の判定処理へ戻る。
【0248】
前記ステップS271において、下限停止動作仕様が床面押し込み仕様でない場合(ステップS271−YES)には、停電(商用電源120からの電力供給不可)の判定処理が行われる(ステップS273)。
【0249】
このステップS273において、停電である場合(ステップS273−YES)には、前記ステップS272の処理を実行する。
【0250】
一方、前記ステップS273において、停電でない場合(ステップS272−NO)には、障害物感知時におけるシャッターカーテン101の動作制御処理(停止させたシャッターカーテン101を所定時間(例えば2秒間)反転上昇させた後、障害物が除去されて座板スイッチ115がOFFとなるまでシャッターカーテン101を停止させ、障害物が除去されて座板スイッチ115がOFFとなった場合には、所定時間後(例えば10秒後)にシャッター用自動閉鎖装置134を再作動させて、シャッターカーテン101を再降下させる)を実行する(ステップS274)。なお、このステップS274の後は、前記ステップS270の判定処理へ戻る。
【0251】
前記ステップS270において、座板スイッチ115が作動(ON)してない場合(ステップS270−NO)には、増設リミットスイッチ131の作動(ON)の判定処理、すなわち、増設リミットスイッチ131からの増設下限信号の入力の判定処理が行われる(ステップS275)。
【0252】
このステップS275において、増設リミットスイッチ131が作動(ON)していない場合(ステップS275−NO)には、前記ステップS270の判定処理に戻る。
【0253】
一方、前記ステップS275において、増設リミットスイッチ131が作動(ON)している場合(ステップS275−YES)には、防災盤等へ閉鎖確認信号を入力する(ステップS276)。このステップS276の後、下限停止動作仕様が第1仕様である床面押し込み仕様であるかの判定処理が行われる(ステップS277)。
【0254】
このステップS277において、下限停止動作仕様が床面押し込み仕様である場合(ステップS277−YES)には、座板スイッチ115の作動を無効させる時間をカウントするための座板スイッチ作動無効タイマーのカウントが開始され(ステップS278)、これにより、座板スイッチ115の作動が無効化される、すなわち、座板スイッチ115からの障害物感知信号の入力が無効化される(ステップS279)。
【0255】
このステップS279の後、座板スイッチ作動無効タイマーの設定時間が経過しているか否かの判定処理が行われる(ステップS280)。
【0256】
このステップS280において、座板スイッチ作動無効タイマーの設定時間が経過してない場合(ステップS280−NO)には、このステップS280の判定処理を繰り返す。
【0257】
一方、このステップS280において、座板スイッチ作動無効タイマーの設定時間が経過している場合(ステップS280−YES)には、シャッター用自動閉鎖装置134へ障害物感知信号を入力する(ステップS281)。これにより、シャッター用自動閉鎖装置134は、解除状態となっていたシャッター用開閉機110のブレーキ112を復帰させる(ステップS282)。この結果、シャッターカーテン101の自重による閉鎖動作は停止する(ステップS283)。
【0258】
また、前記ステップS277において、下限停止動作仕様が床面押し込み仕様でない場合(ステップS277−NO)には、座板スイッチ115の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS284)。
【0259】
このステップS284において、座板スイッチ115が作動(ON)していない場合(ステップS284−NO)には、このステップS284を繰り返す。
【0260】
一方、このステップS284において、座板スイッチ115が作動(ON)した場合、すなわち、床7に当接することにより座板スイッチ115が作動した場合(ステップS284−YES)には、前記ステップS281以降の処理を実行し、これにより、シャッターカーテン101の自重による閉鎖動作は停止する。
【0261】
以上説明した本実施形態に係る開閉装置では、非常時において、扉体2とシャッターカーテン101とが連動した閉鎖動作をさせることができるだけでなく、平常時においても、扉体2とシャッターカーテン101とが連動した閉鎖動作をさせることができる。
【0262】
図38は、第5の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。また、図39及び図40は、図18及び図19と同様に本実施形態に係る開閉装置を構成する主要な装置のブロック線図であり、図39は、平常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものであり、図40は、火災発生時等の非常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものである。
【0263】
図38に示すように、本実施形態に係る開閉装置では、前述した第3及び第4の実施形態と同様に、開閉体は、1個の扉体2と1個のシャッターカーテン101とで構成されている。
【0264】
本実施形態では、図38に示すように、扉体2に対して少なくとも開放動作方向(図38に示す矢印B方向)への回転駆動力を付与するための駆動装置となっている扉体用開閉機210が備えられている。図39及び図40に示すように、モータ211とブレーキ212からなる扉体用開閉機210は、前述した第3及び第4の実施形態と本実施形態に備えられているシャッター用開閉機110と同様の機能、構造を有する。
【0265】
また、本実施形態では、扉体用開閉機210を制御するための扉体用自動閉鎖装置241、扉体用開閉機制御盤242、開閉限リミットスイッチ240が備えられているが、これらは、前述した第3及び第4の実施形態と本実施形態に備えられているシャッター用自動閉鎖装置134、シャッター用開閉機制御盤113、上下限リミットスイッチ122と同様の機能、構造を有するものである。
【0266】
また、図39及び図40に示すように、本実施形態に係る開閉装置では、扉体2の開放動作中に、この扉体2の開放動作方向(図38に示す矢印B方向)に存在する障害物を感知するための赤外線センサ方式の扉体用障害物感知装置245も備えられている。この扉体用障害物感知装置245は、図38に示されているように、扉体収納部6Aの上方の壁6に設けられている
図41は、図38のS41−S41線断面図であり、図42は、図41のS42−S42線矢視図である。
【0267】
図41に示すように、扉体用開閉機210は、壁等の建物躯体6に取り付けられたブラケット205にビス等の止着具で固定されている。また、図42に示すように、軸方向が水平方向となっている第1かさ歯車224の軸部224Aがブラケット205で回転自在に支持されており、この第1かさ歯車224と噛み合い、軸方向が垂直方向となっている第2かさ歯車226の軸部227もブラケット205に回転自在に支持されている。
【0268】
扉体用開閉機210のモータ211の図示しない駆動軸の回転力は、この駆動軸に取り付けられた図41に示す駆動スプロケットホイール221と、第1かさ歯車224の軸部224Aが取り付けられた被動スプロケットホイール222と、これらのスプロケットホイール221,222の間に架け渡された無端ローラチェーン223とによる駆動力伝達手段を経て第2かさ歯車226に伝達される(図42参照)。
【0269】
図41及び図42に示すように、第2かさ歯車226の軸部226Aは、水平方向への長さを有するアーム部材228に連結部材227を介して連結されている。そして、アーム部材228は、扉体2の扉体本体3の上端部に取付部材229により取り付けられている。
【0270】
このため、本実施形態では、扉体2は、扉体用開閉機210のモータ211の駆動軸の回転力で回動自在となっており、第2かさ歯車226の軸部226Aが、扉体2の回動軸となっている。
【0271】
本実施形態では、扉体2の開放動作は、扉体用開閉機210のモータ211の駆動力で行われ、すなわち、扉体2の開放動作は電動で行われる。開放動作していた扉体2が全開位置に達すると、開閉限リミットスイッチ240のうちの開放限リミットスイッチが作動(ON)し、扉体用開閉機制御盤242によるモータ211の駆動停止、ブレーキ212の復帰が行われる。これにより、扉体用開閉機210のモータ211の駆動軸は、この扉体用開閉機210のブレーキ212の制動力により回転しないため、扉体2の回動は阻止される。これにより、扉体2の全開状態は、扉体用開閉機210のブレーキ212で保持される。
【0272】
このため、本実施形態では、扉体用開閉機210のブレーキ212は、扉体2を全開状態に保持するための扉体全開保持手段となっている。そして、扉体用開閉機210のブレーキ212は、扉体2の回動軸である第2かさ歯車226の軸部226Aの回動を阻止するための回動軸回動阻止手段となっている。
【0273】
このため、本実施形態では、図38及び図39から分かるように、前述した各実施形態に備えられていた扉体2の全開保持状態を保持するための扉体全開保持手段12は備えられていない。
【0274】
なお、本実施形態では、扉体用障害物感知装置133は、図38に示すように、扉体2が全閉位置に達したときにアーム部材228が当接するストッパ部232(図41及び図42も参照)に設けられている。
【0275】
次に、平常時において連動中継器130により実行される扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の流れを図43〜図46のフローチャート図により説明する。
【0276】
図43に示すように、操作待機状態(ステップS301−NO)となっている電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cが管理者により操作されて作動(ON)した場合、すなわち、電動開閉操作部119から連動中継器130へ扉体2を閉鎖動作させるための閉信号(閉鎖指示信号)が入力された場合(ステップS301−YES)には、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御が開始される(ステップS302)。
【0277】
このステップS302の後、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS303)。このステップS303において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS303−NO)には、動作報知部118へ作動電力の供給を開始する(ステップS304)。これにより、動作報知部118による扉体2の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(ステップS305)。
【0278】
一方、前記ステップS303において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS303−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の開始指示を行う(図45に示すステップS321)。
【0279】
前記ステップS305の後、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS306)。このステップS306において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS306−NO)には、扉体用自動閉鎖装置241への作動信号の入力を開始する(ステップS307)。これにより、オン(復帰)状態となっていた扉体用開閉機210のブレーキ212が解除される(ステップS308)。これにより、扉体用開閉機210のブレーキ212により回動が阻止されていた扉体2の回動軸は回動自在となる。すなわち、扉体2の開閉動作が可能となる。
【0280】
一方、前記ステップS306において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS306−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS312)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。なお、ステップS312より前において、シャッター用開閉機制御盤113はシャッターカーテン101の閉鎖動作制御を行っているが、シャッター用開閉機110は電力未供給で動作待機状態となっている。
【0281】
前記ステップS308の後は、扉体2の閉鎖が所定時間以内に正常に行われた否かを判定するための扉体閉鎖監視タイマーのカウントが開始される(ステップS309)。また、このステップS309の後、ねじりコイルばね16のばね力による扉体2の閉鎖動作が開始される(ステップS310)。
【0282】
このステップS310の後、前述したステップS306と同様に、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS311)。このステップS311において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS311−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS312)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。なお、前述したように、ステップS312より前において、シャッター用開閉機制御盤113はシャッターカーテン101の閉鎖動作制御を行っているが、シャッター用開閉機110は電力未供給で動作待機状態となっている。
【0283】
一方、前記ステップS311において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS311−NO)には、電動開閉操作部119の[停]スイッチ119Bの作動(ON)(停信号の入力)の判定処理が行われる(ステップS313)。このステップS313において、[停]スイッチ119Bが作動した場合(ステップS313−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS312)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。なお、ステップS312より前において、シャッター用開閉機制御盤113はシャッターカーテン101の閉鎖動作制御を行っているが、シャッター用開閉機110は電力未供給で動作待機状態となっている。
【0284】
一方、ステップS313において、[停]スイッチ119Bが作動していない場合(ステップS313−NO)には、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過したか否かの判定処理(ステップS314)が行われる。このステップS314において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過している場合(ステップS314−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS312)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0285】
一方、ステップS314において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過していない場合(ステップS314−NO)には、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップ315)。このステップS315において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS315−NO)には、前記ステップS311の処理へ戻る。
【0286】
一方、ステップS315において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS315−YES)には、扉体2の全閉状態が所定時間継続しているか否かを判定するための扉体全閉監視タイマーのカウントが開始される(ステップS316)。
【0287】
このステップS316の後、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過しているか否かの判定処理(ステップS317)が行われる。このステップS317において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過していない場合(ステップS317−NO)には、前記ステップS311の処理へ戻る。
【0288】
一方、ステップS317において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過している場合、すなわち、扉体2の全閉状態が所定時間継続している場合(ステップS317−YES)には、扉体用自動閉鎖装置241への作動信号の入力が停止される(ステップS318)。また、扉体全閉感知スイッチ82からの全閉感知信号が扉体用自動閉鎖装置241へ入力され、扉体用自動閉鎖装置241は元の状態に復帰する(ステップS319)。これにより、扉体用開閉機210のブレーキ212が復帰(ON)する(ステップS320)。
【0289】
なお、このステップS320よりも後のステップS321以降の処理は、前述した第4の実施形態における図31のフローチャート図のステップS217以降の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0290】
次に、平常時において連動中継器130により実行される扉体2及びシャッターカーテン101の開放動作制御の流れを図47〜図49のフローチャート図により説明する。
【0291】
図47に示すように、操作待機状態(ステップS351−NO)となっている電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aが管理者により操作されて作動(ON)した場合、すなわち、電動開閉操作部119から連動中継器130へ扉体2を開放動作させるための開信号(開放指示信号)が入力された場合(ステップS351−YES)には、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の開放動作制御が開始される(ステップS352)。
【0292】
このステップS352の後、動作報知部118へ作動電力の供給を開始する(ステップS353)。
【0293】
このステップS353の後、上下限リミットスイッチ122のうちの上限リミットスイッチの作動(ON)の判定処理、すなわち、上限リミットスイッチからのシャッター上限信号の入力の判定処理が行われる(ステップS354)。
【0294】
このステップS354において、上限リミットスイッチが作動(ON)していない場合(ステップS354−NO)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の開放動作制御の開始指示を行う(ステップS355)。
【0295】
一方、前記ステップS354において、上限リミットスイッチが作動(ON)している場合(ステップS354−YES)には、動作報知部118による扉体2の開放動作を事前報知する処理が開始される(図48に示すステップS368)。
【0296】
前記ステップS355の後、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS356)。このステップS356において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS356−NO)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の開放動作制御の停止指示を実行し(ステップS357)、動作報知部118への作動電力の供給を停止し(ステップS358)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の開放動作制御は終了する。
【0297】
一方、前記ステップS356において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS356−YES)には、扉体2の全閉状態が所定時間継続しているか否かを判定するための扉体全閉監視タイマーのカウントが開始される(ステップS359)。
【0298】
このステップS359の後、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過しているか否かの判定処理(ステップS360)が行われる。このステップS360において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過していない場合(ステップS360−NO)には、前記ステップS356の処理へ戻る。
【0299】
一方、ステップS360において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過している場合、すなわち、扉体2の全閉状態が所定時間継続している場合(ステップS360−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の開放動作を事前報知する処理が開始される(ステップS361)。この後、シャッターカーテン101の電動上昇(開放動作)が開始される(ステップS362)。
【0300】
このステップS362の後、電動開閉操作部119の[停]スイッチ119Bの作動(ON)(停信号の入力)の判定処理が行われる(ステップS363)。このステップS363において、[停]スイッチ119Bが作動した場合(ステップS363−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の開放動作制御の停止指示を実行し(ステップS364)、動作報知部118への作動電力の供給を停止し(ステップS365)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の開放動作制御は終了する。
【0301】
一方、前記ステップS363において、電動開閉操作部119の[停]スイッチ119Bが作動(ON)していない場合(ステップS363−NO)には、上限リミットスイッチの作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS366)。
【0302】
このステップS366において、上限リミットスイッチが作動(ON)していない場合(ステップS365−NO)には、前記ステップS363の判定処理へ戻る。
【0303】
一方、前記ステップS366において、上限リミットスイッチが作動(ON)している場合(ステップS366−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の開放動作制御の停止指示を行う(ステップS367)。このステップS367の後、動作報知部118による扉体2の開放動作を事前報知する処理が開始される(ステップS368)。
【0304】
このステップS368の後、扉体用開閉機制御盤242へ扉体2の開放動作制御の開始指示を行う(ステップS369)。これにより、扉体2の電動開放が開始される(ステップS370)。
【0305】
このステップS370の後、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS371)。このステップS371において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS371−YES)には、扉体用開閉機制御盤242へ扉体2の開放動作制御の停止指示を実行し(ステップS374)、動作報知部118への作動電力の供給を停止し(ステップS375)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の開放動作制御は終了する。
【0306】
一方、前記ステップ371において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS371−NO)には、電動開閉操作部119の[停]スイッチ119Bの作動(ON)(停信号の入力)の判定処理が行われる(ステップS372)。このステップS372において、[停]スイッチ119Bが作動した場合(ステップS372−YES)には、前記ステップS374以降の処理が行われる。
【0307】
一方、前記ステップ372において、[停]スイッチ119Bが作動していない場合(ステップS372−NO)には、扉体用開閉機210に設けられている扉体開閉限リミットスイッチ240のうちの開放限リミットスイッチの作動(ON)(開放限信号の入力)の判定処理が行われる(ステップS373)。このステップS373において、開放限リミットスイッチが作動していない場合(ステップS373−NO)には、前記ステップS371の判定処理に戻る。
【0308】
一方、前記ステップS373において、開放限リミットスイッチが作動している場合(ステップS373−YES)には、扉体用開閉機制御盤242へ扉体2の開放動作制御の停止指示を実行し(ステップS374)、動作報知部118への作動電力の供給を停止し(ステップS375)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の開放閉鎖動作制御は終了する。
【0309】
次に、火災発生等の非常時において連動中継器130により実行される扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の流れを図50〜図53のフローチャート図により説明する。
【0310】
図50に示すように、防災信号BS又は非常閉鎖操作部132からの作動信号入力待機状態(ステップS401−NO)となっている連動中継器130に防災信号BSや作動信号が入力された場合(ステップS401−YES)には、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御が開始される(ステップS402)。
【0311】
このステップS402の後、動作報知部118へ作動電力の供給を開始する(ステップS403)。
【0312】
このステップS403の後、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS404)。このステップS404において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS404−NO)には、これにより、動作報知部118による扉体2の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(ステップS405)。
【0313】
一方、前記ステップS404において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS404−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(図52に示すステップS420)。
【0314】
前記ステップ405の後、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS406)。このステップS406において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS406−NO)には、扉体用自動閉鎖装置241への作動信号の入力を開始する(ステップS407)。これにより、オン(復帰)状態となっていた扉体用開閉機210のブレーキ212が解除される(ステップS408)。これにより、扉体用開閉機210のブレーキ213により回動が阻止されていた扉体2の回動軸は回動自在となる。すなわち、扉体2の閉鎖動作が可能となる。
【0315】
一方、前記ステップS406において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS406−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(図52に示すステップS420)。
【0316】
前記ステップS408の後は、ねじりコイルばね16のばね力による扉体2の閉鎖動作が開始される(ステップS409)。また、このステップS409の後、扉体2の閉鎖が所定時間以内に正常に行われた否かを判定するための扉体閉鎖監視タイマーのカウントが開始される(ステップS410)。
【0317】
このステップS410の後、前述したステップS406と同様に、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS411)。このステップS411において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS411−YES)には、扉体用自動閉鎖装置241への作動信号の入力が停止される(ステップS416)。
【0318】
一方、前記ステップS411において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS411−NO)には、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過したか否かの判定処理(ステップS412)が行われる。このステップS412において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過している場合(ステップS412−YES)には、扉体用自動閉鎖装置241への作動信号の入力が停止される(ステップS416)。
【0319】
一方、ステップS412において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過していない場合(ステップS412−NO)には、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS413)。このステップS413において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS413−NO)には、前記ステップS411の処理へ戻る。
【0320】
一方、ステップS413において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS413−YES)には、扉体2の全閉状態が所定時間継続しているか否かを判定するための扉体全閉監視タイマーのカウントが開始される(ステップS414)。
【0321】
このステップS414の後、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過しているか否かの判定処理(ステップS415)が行われる。このステップS415において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過していない場合(ステップS415−NO)には、前記ステップS411の処理へ戻る。
【0322】
一方、ステップS415において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過している場合、すなわち、扉体2の全閉状態が所定時間継続している場合(ステップS415−YES)には、扉体用自動閉鎖装置241への作動信号の入力が停止される(ステップS416)。
【0323】
このステップS416の後、扉体用開閉機210のブレーキ212を復帰させるための復帰信号が、扉体用自動閉鎖装置241へ入力され(ステップS417)、これにより、扉体用開閉機210のブレーキ212が復帰する(ステップS418)。
【0324】
なお、図51に示すステップS418よりも後のステップS420(図52参照)以降の処理は、前述した第4の実施形態における図35のフローチャート図のステップS266以降の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0325】
以上説明した本実施形態では、扉体2の開放動作は電動で行われ、このため、管理者が扉体2を開放動作するという労力がなくなり、それだけ人件費を削減することができる。
【0326】
図54は、前述した第5の実施形態における扉体用開閉機210のモータ211の駆動軸の回転力が伝達される第2かさ歯車226と扉体2との連結構造の別実施形態を示す図42と同様の図である。
【0327】
この図54に示されている実施形態は、扉体2に結合された軸部材250と、第2かさ歯車226の軸部226Aと、をカップリング251で連結するものである。
【0328】
図55は、第6の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。また、図56及び図57は、図18及び図19と同様に本実施形態に係る開閉装置を構成する主要な装置のブロック線図であり、図56は、平常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものであり、図57は、火災発生時等の非常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものである。
【0329】
図55に示されているように、本実施形態に係る開閉装置では、開閉体は、1個のシャッターカーテン101と、このシャッターカーテン101の幅方向の両端部に並設された2個の扉体2,2´とで構成されており、それぞれの扉体の全開状態を保持するための扉体全開保持手段12,12´は、前述した各実施形態と同様のものとなっている。また、本実施形態に係る開閉装置では、図56及び図57に示すように、各扉体用の扉体全閉感知スイッチ82,82´や扉体用障害物感知装置133,133´が備えられている。
【0330】
本実施形態における連動中継器130により実行される閉鎖動作制御は、概ね前述した第4の実施形態と同じであるが、本実施形態では、シャッターカーテン101の開閉動作は、このシャッターカーテン101の幅方向の両端部が2個の扉体2,2´に設けられたガイド部である溝部3Fで案内されて行われるため、まず2個の扉体2,2´の閉鎖動作を開始(同時でもよく、あるいは時間差を置いてもよい)させ、これらの扉体2,2´の両方が全閉位置に達した(扉体全閉感知スイッチ82,82´の両方が作動(ON)した後に、シャッターカーテン101を閉鎖動作させる必要がある。なお、2個の扉体2,2´の閉鎖動作の開始は、シャッターカーテン101が全開位置に達している(上限リミットスイッチが作動(ON)している)ことが前提となる。
【0331】
図58は、第7の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。また、図59及び図60は、図18及び図19と同様に本実施形態に係る開閉装置を構成する主要な装置のブロック線図であり、図59は、平常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものであり、図60は、火災発生時等の非常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものである。
【0332】
図58に示されているように、本実施形態に係る開閉装置では、開閉体は、前述の第6の実施形態と同様に、1個のシャッターカーテン101と、このシャッターカーテン101の幅方向の両端部に並設された2個の扉体2,2´とで構成されている。また、本実施形態に係る開閉装置では、図59及び図60に示すように、各扉体用の扉体用開閉機210,210、扉体用開閉機制御盤242、242´、扉体用自動閉鎖装置241,241´、開閉限リミットスイッチ240,240´、扉体全閉感知スイッチ82,82´、扉体用障害物感知装置133,133´、扉体用障害物感知装置245,245´が備えられている。
【0333】
前述したように、扉体用開閉機210(扉体用開閉機210´も同様)のモータ211(モータ211´も同様)の図示しない駆動軸の回転力は、この駆動軸に取り付けられた図40に示す駆動スプロケットホイール221と、第1かさ歯車224の軸部224Aが取り付けられた被動スプロケットホイール222と、これらのスプロケットホイール221,222の間に架け渡された無端ローラチェーン223とによる駆動力伝達手段を経て第2かさ歯車226に伝達される(図42参照)。
【0334】
図41及び図42に示すように、第2かさ歯車226の軸部226Aは、水平方向への長さを有するアーム部材228に連結部材227を介して連結されている。そして、アーム部材228は、扉体2(扉体2´も同様)の扉体本体3の上端部に取付部材229により取り付けられている。
【0335】
このため、本実施形態では、前述した第5の実施形態と同様に、扉体2,2´は、扉体用開閉機210,210´のモータ211,211´の駆動軸の回転力で回動自在となっている。
【0336】
開放動作していた扉体2,2´が全開位置に達すると、扉体用開閉機210,210´のモータ211,211´の駆動軸は、この扉体用開閉機210,210´のブレーキ212,212´の制動力により回転しないため、扉体2,2´の回動は阻止される。これにより、扉体2、2´の全開状態は、扉体用開閉機210,210´のブレーキ212,212´で保持される。このため、本実施形態では、扉体用開閉機210,210´のブレーキ212,212´は、扉体2を全開状態に保持するための扉体全開保持手段となっている。
【0337】
本実施形態における連動中継器130により実行される閉鎖動作制御は、概ね前述した第5の実施形態と同じであるが、本実施形態では、前述の第6の実施形態と同様に、シャッターカーテン101の開閉動作は、このシャッターカーテン101の幅方向の両端部が2個の扉体2,2´に設けられたガイド部である溝部3Fで案内されて行われるため、まず2個の扉体2,2´の閉鎖動作を開始(同時でもよく、あるいは時間差を置いてもよい)させ、これらの扉体2,2´の両方が全閉位置に達した(扉体全閉感知スイッチ82,82´の両方が作動(ON)した後に、シャッターカーテン101を閉鎖動作させる必要がある。なお、2個の扉体2,2´の閉鎖動作の開始は、シャッターカーテン101が全開位置に達している(上限リミットスイッチが作動(ON)している)ことが前提となる。
【0338】
図61は、第8の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。この図61に示されているように、本実施形態に係る開閉装置を構成する開閉体は、1個の扉体2と2個のシャッターカーテン101,101´となっている。
【0339】
2個のシャッターカーテン101,101´のうちの一方のシャッターカーテン101は、扉体2の幅方向に並設されるものである。また、2点鎖線で一部が示されている他方のシャッターカーテン101´は、扉体2に対して直角に配置されるものである。言い換えると、シャッターカーテン101´は、このシャッターカーテン101´と扉体2同士が直交するように配置されるものである。
【0340】
なお、図61は、扉体2が全閉位置に達した後、シャッターカーテン101,101´(1点鎖線で示す)が矢印H方向(下方向)へ閉鎖動作している途中を示すものである。なお、図61では、シャッターカーテン101´を制御する装置類、配線の表示は省略している。
【0341】
図62は、図61の平面レイアウト図を簡略化して示した図であり、1個の扉体2と2個のシャッターカーテン101,101´を簡略化して示した図である。図62から分かるように、本実施形態に係る開閉装置は、主として、火災発生時等の非常時において、1個の扉体と2個のシャッターカーテン101,101´により防災区画を形成するための開閉装置となっている。なお、図62に示すように、扉体2の閉鎖動作方向はA方向であり、開放動作方向はB方向である(後述の図65及び図66の実施形態も同様)。
【0342】
この図62に示すように、本実施形態では、扉体2の幅方向に並設されるシャッターカーテン101の開閉動作は、2個のガイド部により案内されるものであり、2個のガイド部のうちの一方は、扉体2の扉体本体3の幅方向の両端部のうちのシャッターカーテン101側の端部に形成された溝部3Fとなっており、シャッターカーテン101側へ開口したこの溝部3Fは、扉体本体3の長さ方向(上下方向)全長に渡って形成されている。2個のガイド部のうちの他方は、シャッターカーテン101の幅方向の両端部のうちの扉体2側の端部とは反対側の端部が対向する壁6の凹部に立設されたガイドレール61の溝部61Aとなっている。なお、この溝部61Aを有するガイド部材であるガイドレール61は、床7からまぐさ102の高さ位置までの上下方向の長さを有している。これらの溝部3F,61Aは、シャッターカーテン101の幅方向の端部がスライド自在に挿入されるものとなっている。
【0343】
このため、シャッターカーテン101の開閉動作は、シャッターカーテン101の幅方向の両端部のうちの一方の端部が、全開位置に達した状態の扉体2の扉体本体3に形成された溝部3Fに案内され、他方の端部は、壁6の凹部に立設されたガイドレール61の溝部61Aに案内されながら行われる。
【0344】
また、図62に示すように、本実施形態では、扉体2に対して直角に配置されるシャッターカーテン101´の開閉動作も、2個のガイド部により案内されるものであり、2個のガイド部のうちの一方は、扉体2の扉体本体3の幅方向の両端部のうちのシャッターカーテン101側の端部であって、シャッターカーテン101´と対向する側の面に形成された溝部3Gとなっており、シャッターカーテン101´側へ開口したこの溝部3Gは、扉体本体3の長さ方向(上下方向)全長に渡って形成されている。2個のガイド部のうちの他方は、シャッターカーテン101´の幅方向の両端部のうちの扉体2側の端部とは反対側の端部が対向する壁6の凹部に立設されたガイドレール62の溝部62Aとなっている。なお、この溝部62Aを有するガイド部材であるガイドレール62は、床7からまぐさ102の高さ位置までの上下方向の長さを有している。これらの溝部3G,62Aは、シャッターカーテン101´の幅方向の端部がスライド自在に挿入されるものとなっている。
【0345】
このため、シャッターカーテン101´の開閉動作は、シャッターカーテン101´の幅方向の両端部のうちの一方の端部が、全開位置に達した状態の扉体2の扉体本体3に形成された溝部3Gに案内され、他方の端部は、壁6の凹部に立設されたガイドレール62の溝部62Aに案内されながら行われる。
【0346】
図63及び図64は、図18及び図19と同様に本実施形態に係る開閉装置を構成する主要な装置のブロック線図であり、図63は、平常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものであり、図64は、火災発生時等の非常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものである。
【0347】
図63に示すように、本実施形態では、連動中継器は、連動中継器130,130´の2個あり、連動中継器130は、シャッターカーテン101を開閉動作するために、シャッター用開閉機制御盤113、シャッター用開閉機110、増設リミットスイッチ131、上下限リミットスイッチ122、シャッター用自動閉鎖装置134、扉体全閉感知スイッチ82等の間で信号の受け渡しを行う。一方、連動中継器130´は、シャッターカーテン101´を開閉動作するために、シャッター用開閉機制御盤113´、シャッター用開閉機110´、増設リミットスイッチ131´、上下限リミットスイッチ122、シャッター用自動閉鎖装置134´、扉体全閉感知スイッチ82等の間で信号の受け渡しを行う。
【0348】
前述したように、2個のシャッターカーテン101,101´の開閉動作を案内するための2個のガイド部の一方は、扉体2に設けられている。
【0349】
したがって、本実施形態では、非常時(平常時においても同様)におけるこれらのシャッターカーテン101、101´の閉鎖動作は、扉体2が先に全閉位置に達している(全閉状態が保持されている)ことが前提条件となる。すなわち、扉体2が全閉位置に達することにより図63及び図64に示す扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していることが前提条件となる。
【0350】
このため、本実施形態では、扉体2が図62に示す矢印A方向へ閉鎖動作を開始した後、この扉体2が全閉位置に達することにより扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)し、この扉体全閉感知スイッチ82からの扉体全閉信号が、連動中継器130.130´のそれぞれに入力される。これにより、連動中継器130,130´からシャッター用自動閉鎖装置134,134´へ作動信号が入力され、この作動信号が入力されたシャッター用自動閉鎖装置134によるシャッター用開閉機110,110´のブレーキ112,112´が解除される。この結果、シャッターカーテン101,101´の自重降下が開始する。
【0351】
なお、2個のシャッターカーテン101,101´の閉鎖動作の順序は関係なく、同時に閉鎖動作を開始させてもよく、どちらか一方を先に、すなわち、時間差をおいて閉鎖動作を開始させてもよい。
【0352】
図65は、扉体2とシャッターカーテン101,101´の配置位置(平面レイアウト)の変形例を示す図62と同様の平面レイアウト図である。この第1変形例が図62の実施形態と異なるのは、扉体2がシャッターカーテン101,101´の側とは反対の側に配置されて開閉動作を行う点だけである。
【0353】
図66は、扉体2とシャッターカーテン101,101´の配置位置(平面レイアウト)のさらなる変形例を示す図62と同様の平面レイアウト図である。この第2変形例は、2個のシャッターカーテン101,101´の両方が、扉体2に対して直角に配置されるものである。
【0354】
この第2変形例では、シャッターカーテン101の開閉動作を案内する2個のガイド部のうちの一方は、扉体2の扉体本体3の幅方向の両端部のうちのシャッターカーテン101側の端部であって、シャッターカーテン101と対向する側の面に形成された前記溝部3Gとなっている。なお、シャッターカーテン101の開閉動作を案内する2個のガイド部のうちの他方は、前述したガイドレール61の溝部61Aとなっている。
【0355】
これと同様に、シャッターカーテン101´の開閉動作を案内する2個のガイド部のうちの一方は、扉体2の扉体本体3の幅方向の両端部のうちのシャッターカーテン101´側の端部であって、シャッターカーテン101´と対向する側の面に形成された溝部3Hとなっている。なお、シャッターカーテン101´の開閉動作を案内する2個のガイド部のうちの他方は、前述したガイドレール62の溝部62Aとなっている。
【0356】
なお以上説明した図61〜図64、図65、図66の各実施形態において、扉体2の開放動作は、2個のシャッターカーテン101,101´が先に全開位置に達している(全開状態が保持されている)ことが前提条件となる。すなわち、シャッターカーテン101,101´が全開位置に達することにより上下限リミットスイッチ122,122´の上限リミットスイッチが作動(ON)していることが前提条件となる。
【0357】
このため、図61〜図64、図65、図66の各実施形態では、電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aが操作され、シャッターカーテン101,101´が上方向への開放動作を開始した後、シャッターカーテン101,101´が全閉位置に達することにより上下限リミットスイッチ122,122´のうちの上限リミットスイッチが作動(ON)し、この上限リミットスイッチからのシャッター全開信号が連動中継器130,130´のそれぞれに入力される。これにより、連動中継器130,130´から扉体用開閉機制御盤242へ扉体開放指示信号が入力される。扉体用開閉機制御盤242では、連動中継器130,130´両方からの扉体開放指示信号が入力されたとき、扉体用開閉機210のモータ211へ駆動電力、ブレーキ212へ解除電力を入力する。これにより、扉体2は、図62に示す矢印B方向への電動による開放動作を開始する。
【0358】
以上説明した第8の実施形態(図61〜図64、図65、図66の各実施形態)に係る開閉装置は、複数のシャッターカーテンを扉体(袖扉)の幅方向に並設できない現場(設置場所)にも設置することができる。すなわち、第8の実施形態によると、様々な現場の納まりニーズに対応することが可能となる。
【0359】
なお、以上説明した第8の実施形態では、連動中継器は、2個のシャッターカーテン101,101´の動作を個別に制御できるように2個設けたが、連動中継器は、2個のシャッターカーテン101,101´共用の1個の連動中継器としてもよい。
【0360】
なお、以上説明した各実施形態において、扉体全閉感知スイッチの作動の有無にかかわらずにシャッターカーテンを電動開閉できるメンテナンスモードを備えてもよい。
【0361】
なお、以上説明した各実施形態において、扉体の閉鎖動作時や開放動作時の障害物の感知する扉体用障害物感知装置は省略することも可能である。その場合には、扉体の開閉動作時の障害物に対する安全策を講じることが好ましい。
【0362】
また、以上説明した各実施形態において、動作報知部も省略することも可能である。
【0363】
なお、以上説明した各実施形態において、防災信号BS(作動信号)におけるDC24Vとは、信号送出側(送信側)から供給されるもの(信号送出側の有電圧信号出力)や、信号受入側(受信側)から供給されるもの(信号送出側の無電圧接点信号出力)も含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0364】
本発明は、空間を仕切るための少なくとも1個の扉体で構成された扉装置や、少なくとも1個の扉体と少なくとも1個のシャッターカーテンを備えた扉体(袖扉)付シャッター装置等に利用することができる。
【符号の説明】
【0365】
2,2´ 扉体
3F,3G,3H ガイド部である溝部
6A 扉体収納部
10 係止部であるピン部材
12 扉体全開保持手段
14 被係止部であるラッチ部材
15 ラッチ機構である係止保持機構
16 付勢手段であるねじりコイルばね
18 第1解除信号入力手段である感知器
19 第1解除信号入力手段である防災センター操作盤
20 第2解除信号入力手段である扉体手動閉鎖操作部の[閉]スイッチ
101、101´ シャッターカーテン
112,112´ 回動軸回動阻止手段である扉体用開閉機のブレーキ
113 開閉制御手段であるシャッター用開閉機制御盤
119C 第2解除信号入力手段である電動開閉操作部の[閉]スイッチ
130 開閉制御手段である連動中継器
132A 第1解除信号入力手段である非常閉鎖操作部の作動スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間を仕切るための少なくとも1個の扉体で構成された開閉体を備えた開閉装置に係り、例えば、出入口や窓等の開口部を開閉体で開閉するための開口部用開閉装置や、開閉体で防災区画を形成するための防災用開閉装置等に利用することができる。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、火災発生等の非常時に出入口等の開口部等を扉体で閉鎖することにより防災区画をするための防災用開閉装置である防火扉装置(言い換えると防火戸装置)が示されている。この防火扉装置では、扉体を全開状態に保持するための扉体全開保持手段を備えており、この扉体全開保持手段は、扉体を収納するための扉体収納部に設けられ、前記扉体に設けられた係止部が係止する被係止部を有するラッチ機構を備えている。火災発生等の非常時には、防災信号がラッチ機構へ入力されることにより、扉体の係止部とラッチ機構の被係止部との係止状態が解除される。これにより、全開保持状態が解除された扉体は、この扉体に対して閉鎖動作方向への付勢力を付与する付勢手段により、全閉位置に達するまで自動閉鎖するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−18579号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、平常時において、出入口等の開口部等を開閉するために防火扉装置の扉体を開閉動作させる場合や、扉体の開閉試験を行うために扉体を開閉動作させる場合において、すなわち、防火扉装置を管理用として使用する場合において、扉体を閉鎖動作させるためには、係止部が扉体収納部のラッチ機構の被係止部に係止している状態の扉体を建物の管理者等が閉鎖側に強制的に引っ張る等の必要があった。すなわち、建物の管理者等が、係止部が扉体収納部のラッチ機構の被係止部に係止している状態の扉体を閉鎖側に強制的に引っ張る等することで扉体の全開保持状態を解除していた。
【0005】
このため、管理者等にとっては、管理者等自身が扉体を引っ張るという手間と労力が生じ、また、扉体を無理に勢いよく引っ張ることにより扉体全開保持手段を構成するラッチ機構の被係止部や扉体の係止部が破損する等の不具合が生じるおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、管理用として使用する場合における開閉体の閉鎖動作が円滑に行えるようになる開閉装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る開閉装置は、空間を仕切るための少なくとも1個の扉体で構成された開閉体と、前記扉体を全開状態に保持するための扉体全開保持手段と、火災発生等の非常時に前記扉体全開保持手段による前記扉体の全開保持状態を解除するための非常時扉体全開保持状態解除手段と、平常時に前記扉体全開保持手段による前記扉体の全開保持状態を解除するための平常時扉体全開保持状態解除手段と、備えていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る開閉装置は、従来と同様に、火災発生等の非常時に扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための非常時扉体全開保持状態解除手段を備えているが、さらに、平常時に前記扉体全開保持手段による前記扉体の全開保持状態を解除するための平常時扉体全開保持状態解除手段も備えている。
【0009】
このため、平常時において、本発明に係る開閉装置を管理用として使用する場合において、扉体を閉鎖動作させるために、建物の管理者等が扉体全開保持手段により全開状態に保持されている扉体を閉鎖側に強制的に引っ張る必要がなくなる。
【0010】
したがって、管理者等にとっては、管理者等自身が扉体を引っ張るという手間と労力が無くなり、また、扉体を無理に勢いよく引っ張ることにより扉体全開保持手段が破損する等の不具合が生じるおそれはなくなる。
【0011】
このため、本発明によると、開閉装置を管理用として使用する場合における開閉体の閉鎖動作が円滑に行えるようになる。
【0012】
ここで、本発明において、「管理用」とは、例えば、平常時において、建物内の空調を行うために出入口等の開口部を開閉体で開閉すること(すなわち、空調用)、外部の人間の侵入を防止するために出入口等の開口部を開閉体で閉鎖すること(すなわち、防犯用)、開閉体の動作試験を行うために出入口等の開口部を開閉体で開閉すること(すなわち、動作試験用)等の用途をいう。
【0013】
本発明において、扉体全開保持手段は、扉体の全開状態を機械的に保持するものでもよく、扉体の全開状態を電気的に保持するものでもよく、これらを併用したものでもよい。
【0014】
本発明において、非常時扉体全開保持状態解除手段の形状、構造は任意であり、例えば、扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための機械的な作用力を扉体全開保持手段に付与するものでもよく、扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための電気信号を扉体全開保持手段へ入力するものでもよく、これらを併用したものでもよい。この非常時扉体全開保持状態解除手段の形式、構造の一例として、扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための電気信号である第1解除信号を前記扉体全開保持手段へ入力する第1解除信号入力手段を挙げることができる。
【0015】
本発明において、平常時扉体全開保持状態解除手段の形状、構造も任意であり、例えば、扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための機械的な作用力を扉体全開保持手段に付与するものでもよく、扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための電気信号を扉体全開保持手段へ入力するものでもよく、これらを併用したものでもよい。この平常時扉体全開保持状態解除手段の形式、構造の一例として、扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための電気信号である第2解除信号を前記扉体全開保持手段へ入力する第2解除信号入力手段を挙げることができる。
【0016】
本発明において、非常時扉体全開保持状態解除手段が第1解除信号入力手段となっている場合において、第1解除信号は、非常時に扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するものであれば任意であり、例えば、感知器(熱のみを感知するもの、煙のみを感知するもの、熱と煙の両方を感知するもの)、建物等の施設内の防災管理を集中的に行う防災センターの操作盤(防災盤)等から扉体全開保持手段へ入力される防災信号(DC24V)でもよく、非常時に強制的に扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための非常時閉鎖操作手段から扉体全開保持手段へ入力される操作信号(言い換えると、作動信号)でもよく、これらを併用したもの等でもよい。なお、上記防災信号には、感知器、防災センターの操作盤等から連動制御器や連動中継器を経由して扉体全開保持手段12へ入力される防災信号と同等の制御信号(言い換えると、作動信号)も含まれる。
【0017】
このため、第1解除信号が上記防災信号である場合には、第1解除信号入力手段は、上述した感知器や防災センターの操作盤等となる。また、第1解除信号が上記操作信号である場合には、第1解除信号入力手段は、上述した非常時閉鎖操作手段等となる。
【0018】
本発明において、平常時扉体全開保持状態解除手段が第2解除信号入力手段となっている場合において、第2解除信号は、平常時に扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するものであれば任意であり、例えば、平常時に扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための平常時閉鎖操作手段から扉体全開保持手段へ入力される操作信号である。
【0019】
このため、第2解除信号が上記操作信号である場合には、第2解除信号入力手段は、上記平常時閉鎖操作手段となる。
【0020】
以上の本発明において、扉体は、回動軸(蝶番の軸を含む)を中心に回動自在となっているもの、すなわち、開き扉(言い換えると、開き戸)でもよく、扉体の上方と下方のうちの少なくとも一方に配置されたガイド部材で開閉動作が案内される引き扉(言い換えると、引き戸)でもよい。
【0021】
以上の本発明において、開閉装置は、全開保持状態の解除により扉体に対して閉鎖動作方向への付勢力を付与する付勢手段を備えていてもよく、備えていなくてもよい。
【0022】
前者の場合によると、付勢手段の付勢力により扉体が閉鎖動作するので、管理者等の人間が扉体を閉鎖動作させる労力を省くことができる。このため、開閉装置は、全開保持状態の解除により扉体に対して閉鎖動作方向への付勢力を付与する付勢手段を備えていることが好ましい。
【0023】
扉体が前述したように回動軸を中心に回動自在となっている場合における付勢手段の形状、構造は任意なものでよく、例えば、一端が扉体に係止され、他端が扉体に対して不動となっている不動部材に係止され、扉体が開放動作することによりばね力が蓄圧されるねじりコイルばね等のばねである弾性部材でもよく、油圧等の流体圧等でもよい。
【0024】
なお、上述した付勢手段に加えて、全閉位置に達する直前の扉体に対して閉鎖方向への付勢力を付与する付勢補助手段も備えるようにしてもよい。この付勢補助手段の形状、構造も任意なものでよく、例えば、この付勢補助手段の第1の例として、全閉位置に達した扉体が当接する戸当たりに配置され、扉体における全閉位置に達した時に前記戸当たりと対向する部分に配置された金属製部材を引き寄せる磁性部材を挙げることができる。また、付勢補助手段の第2の例として、扉体における全閉位置に達した時に戸当たりと対向する部分に配置され、前記戸当たりに配置された金属製部材が引き寄せられる磁性部材を挙げることができる。
【0025】
本発明において、扉体が、前述したように、回動軸を中心に回動自在となっている場合において、扉体全開保持手段の形状、構造は任意なものでよく、その第1の例は、扉体の回動軸の回動を阻止するための回動軸回動阻止手段である。
【0026】
また、扉体全開保持手段の形状、構造の第2の例は、扉体を収納するための扉体収納部に設けられ、扉体に設けられた係止部が係止する被係止部を有するラッチ機構である。
【0027】
なお、本発明において、前述したように、扉体が回動軸を中心に回動自在となっている場合において、扉体が駆動機構の駆動力により少なくと開放動作するものとなっている場合には、この駆動機構と扉体とは、この扉体に固定される軸部材と駆動機構の駆動軸とをカップリング(軸継手)により結合してもよく、扉体と駆動機構の駆動軸とを扉体に固定されるアーム部を有する連結部材により結合してもよい。
【0028】
なお、本発明において、前述したように、扉体が回動軸を中心に回動自在となっている場合には、閉鎖動作中の扉体が全閉位置に達すると、この扉体が開口上部の戸枠体の段差等の戸当たりに当接することで、扉体は全閉状態で停止する。
【0029】
なお、扉体の開閉回動角度、すなわち、扉体の全開位置から全閉位置までの回動角度は任意であり、例えば、90度でもよく、180度でもよく、270度でもよく、また、このような90度単位の角度ではなく、任意の角度でもよい。
【0030】
以上の本発明において、前記開閉体は、1個の扉体のみから構成されるものでもよく、1個の扉体と1個のシャッターカーテンとから構成されるものでもよく、1個の扉体と複数個のシャッターカーテンとから構成されるものでもよく、複数個の扉体と1個のシャッターカーテンとから構成されるものでよく、複数個の扉体と複数個のシャッターカーテンとから構成されるものでもよい。
【0031】
本発明において、開閉体が、少なくとも1個の前記扉体と、少なくとも1個のシャッターカーテンと、を含んで構成されている場合には、前記扉体と前記シャッターカーテンとを連動して開閉動作させるための開閉制御手段を備えていてもよく、備えていなくてもよい。
【0032】
前者の場合によると、少なくとも1個の前記扉体と、少なくとも1個のシャッターカーテンと、を含んで構成される開閉体の開閉動作を円滑に行わせることができるようになる。なお、後者の場合は、例えば、少なくとも1個の扉体と少なくとも1個のシャッターカーテンとを常時手動で開閉動作させるものとなっている場合である。
【0033】
本発明において、シャッターカーテンの開閉動作方向(開閉移動方向)は、上下方向でもよく、左右方向でもよく、これらの方向に対する傾き角を有する方向でもよい。
【0034】
本発明において、上述した開閉制御手段を備える必要がある場合の一例として、シャッターカーテンの開閉動作方向は上下方向であって下方向が閉鎖動作方向となっており、扉体の幅方向(言い換えると、左右方向)の端部には、シャッターカーテンの開閉動作を案内するためのガイド部が前記幅方向と直交する方向である長さ方向(言い換えると、上下方向)略全長に渡って形成されている場合を挙げることができる。
【0035】
この例では、扉体が全閉位置まで閉鎖動作するまでシャッターカーテンを閉鎖動作させることができないため、開閉制御手段は、扉体が全閉位置まで閉鎖動作した後にシャッターカーテンの閉鎖動作を開始させる制御を実行し、シャッターカーテンが全開位置まで開放動作した後に扉体の開放動作を開始させる制御を実行するものとなる。
【0036】
以上の本発明において、扉体の閉鎖動作中と開放動作中のうちの少なくとも閉鎖動作中に、この扉体の動作方向に存在する障害物を感知するための扉体障害物感知手段を備えていてもよい。
【0037】
ここで、扉体障害物感知手段の形式、構造は任意であり、例えば、障害物に接触することによりこの障害物を感知する接触式のものでもよく、障害物に接触しないでこの障害物を感知する非接触式のものでもよい。後者の場合は、例えば、赤外線センサでもよく、超音波センサ等でもよい。
【0038】
本発明は、空間を仕切るための少なくとも1個の扉体で構成された開閉体を備えた任意な開閉装置に適用することができ、例えば、出入口や窓、建物内の空間や通路等の開口部等を開閉体で開閉するための開口部用開閉装置や、開閉体で前記開口部等に防災区画を形成するための防災用開閉装置等に適用することができる。なお、この防災用開閉装置には、エレベータや階段等の昇降手段の近辺の空間と、この空間を除く一般の室内空間との間を開閉体で遮断するための昇降手段用開閉装置も含まれる。
【0039】
より具体的には、本発明は、例えば、出入口や窓、建物内の空間や通路等の開口部等を扉体で開閉するための開口部用扉装置や、平常時には、前記開口部等を扉体で開閉するとともに、非常時には扉体の閉鎖により前記開口部等に防災区画を形成するための管理及び防災併用扉装置や、また、前記開口部等を扉体とシャッターカーテンとで開閉する開口部用扉装置付シャッター装置(いわゆる、開口部用袖扉付シャッター装置)や、平常時には前記開口部等を扉体とシャッターカーテンとで開閉するとともに、非常時には扉体とシャッターカーテンとの閉鎖により前記開口部等に防災区画を形成するための管理及び防災併用扉装置付シャッター装置(いわゆる、管理及び防災併用袖扉付シャッター装置)等の各種開閉装置に適用することができる。
【0040】
なお、本発明において、シャッターカーテンには、防煙垂れ幕、防煙垂れ壁、オーニング(テント生地で作られた窓際に設置する日よけ、雨よけ等)が含まれる。
【0041】
また、本発明において、シャッターカーテンが巻取軸から繰り出され、巻き取られるものとなっている場合において、この巻取軸に、シャッターカーテンの下方への閉鎖動作(動(閉じ移動)で戻しばね力が蓄圧される戻しばねが配置され、シャッターカーテンの上方への開放動作(開き移動)が、この戻しばねに蓄圧された戻しばね力が補助力として利用されて行われるようになっていてもよい。
【0042】
また、本発明において、シャッターカーテンは、任意のカーテン構成部材で構成されてよく、シャッターカーテンの全体又は主要部が同じ種類のカーテン構成部材、例えば、スラットで形成されていてもよく、あるいは、シャッターカーテンの全体又は主要部がシートや、パネル、ネット、リンクで連結された複数のパイプ等の棒状部材等により形成されていてもよく、あるいは、シャッターカーテンの全体又は主要部が、これらのスラットと、シートと、パネルと、ネットと、リンクで連結された複数のパイプ等の棒状部材等とのうち、複数のカーテン構成部材の組み合わせで形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0043】
本発明によると、管理用として使用する場合における開閉体の閉鎖動作が円滑に行えるようになるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図2】図2は、扉体全開保持手段を構成する被係止部に係止する係止部材の正面図である。
【図3】図3は、扉体全開保持手段を構成する被係止部に係止する係止部材の側面図である。
【図4】図4は、扉体全開保持手段を構成する被係止部に係止する係止部材の平面図である。
【図5】図5は、扉体全開保持手段を覆うカバー部材の拡大正面図である。
【図6】図6は、扉体とこの扉体を全開状態に保持している扉体全開保持手段の縦断面図である。
【図7】図7は、第1の実施形態に係る開閉装置を構成する主要な部材、装置、機器等の接続関係を示す電気回路図である。
【図8】図8は、第2の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図9】図9は、第2の実施形態に係る開閉装置を構成する主要な部材、装置、機器等の接続関係を示す電気回路図である。
【図10】図10は、第3の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図11】図11は、第3の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図12】図12は、第3の実施形態に係る開閉装置を構成する扉体全開保持手段と、連動制御器と、シャッター用開閉機制御盤、電動開閉操作部の回路図である。
【図13】図13は、連動制御器とシャッター用開閉機制御盤により実行される第3の実施形態に係る開閉装置の開閉体の閉鎖動作制御の流れを示すフローチャート図である。
【図14】図14は、図13のフローチャート図の続きを示す図である。
【図15】図15は、図13のフローチャート図のさらなる続きを示す図である。
【図16】図16は、図13のフローチャート図のまたさらなる続きを示す図である。
【図17】図17は、第4の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図18】図18は、第4の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、平常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図19】図19は、第4の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、非常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図20】図20は、シャッター用開閉機の内部構造を示す断面図である。
【図21】図21は、シャッター用自動閉鎖装置の内部構造を示す平面図である。
【図22】図22は、シャッター用自動閉鎖装置の内部構造を示す側面図である。
【図23】図23は、シャッター用自動閉鎖装置の内部構造を示す正面図である。
【図24】図24は、図21で示されているシャッター用自動閉鎖装置を構成する第1スライド部材のみを示した図である。
【図25】図25は、図21で示されているシャッター用自動閉鎖装置を構成する第2スライド部材のみを示した図である。
【図26】図26は、図22において、第1及び第2スライド部材の手前側に配置されている部材、装置を除外して示した図である。
【図27】図27は、図21で示されている第1及び第2スライド部材、屈曲レバー部材等のみを示す図である。
【図28】図28は、図21に示す第1スライド部材が開閉機のブレーキを解除するまでスライドしたときを示す図である。
【図29】図29は、図28で示されている第1及び第2スライド部材、屈曲レバー部材等のみを示す図である。
【図30】図30は、平常時における連動中継器により実行される第4の実施形態に係る開閉装置の開閉体の閉鎖動作制御の流れを示すフローチャート図である。
【図31】図31は、図30のフローチャート図の続きを示す図である。
【図32】図32は、図30のフローチャート図のさらなる続きを示す図である。
【図33】図33は、図30のフローチャート図のまたさらなる続きを示す図である。
【図34】図34、非常時における連動中継器により実行される第4の実施形態に係る開閉装置の開閉体の閉鎖動作制御の流れを示すフローチャート図である。
【図35】図35は、図34のフローチャート図の続きを示す図である。
【図36】図36は、図34のフローチャート図のさらなる続きを示す図である。
【図37】図37は、図34のフローチャート図のまたさらなる続きを示す図である。
【図38】図38は、第5の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図39】図39は、第5の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、平常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図40】図40は、第5の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、非常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図41】図41は、図38のS41−S41線断面図である。
【図42】図42は、図41のS42−S42線矢視図である。
【図43】図43は、平常時における連動中継器により実行される第5の実施形態に係る開閉装置の開閉体の閉鎖動作制御の流れを示すフローチャート図である。
【図44】図44は、図43のフローチャート図の続きを示す図である。
【図45】図45は、図43のフローチャート図のさらなる続きを示す図である。
【図46】図46は、図43のフローチャート図のまたさらなる続きを示す図である。
【図47】図47は、平常時における連動中継器により実行される第5の実施形態に係る開閉装置の開閉体の開放動作制御の流れを示すフローチャート図である。
【図48】図48は、図47のフローチャート図の続きを示す図である。
【図49】図49は、図47のフローチャート図のさらなる続きを示す図である。
【図50】図50は、非常時における連動中継器により実行される第5の実施形態に係る開閉装置の開閉体の閉鎖動作制御の流れを示すフローチャート図である。
【図51】図51は、図50のフローチャート図の続きを示す図である。
【図52】図52は、図50のフローチャート図のさらなる続きを示す図である。
【図53】図53は、図50のフローチャート図のまたさらなる続きを示す図である。
【図54】図54は、扉体用開閉機のモータの駆動軸の回転力が伝達されるかさ歯車と扉体との連結構造の別実施形態を示す図41と同様の図である。
【図55】図55は、第6の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図56】図56は、第6の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、平常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図57】図57は、第6の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、非常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図58】図58は、第7の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図59】図59は、第7の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、平常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図60】図60は、第7の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、非常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図61】図61は、第8の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。
【図62】図62は、図61の平面レイアウト図を簡略化して示した図である。
【図63】図63は、第8の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、平常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図64】図64は、第8の実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図であり、非常時に各装置間を流れる信号を矢印付の実線で示した図である。
【図65】図65は、図62に示されている平面レイアウトの変形例を示す図である。
【図66】図66は、図62に示されている平面レイアウトのさらなる変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1に示されている本発明の第1の実施形態に係る開閉装置は、例えば、建物内の通路(廊下)や非常階段の出入口等に設置される1個の扉体2で構成された扉装置である。すなわち、本実施形態では、開閉体は1個の扉体2で構成されるものとなっている。
【0046】
建物躯体である壁6には、全開位置に達した扉体2を収納可能な凹部6Aが形成されており、この凹部6Aが全開位置に達した扉体2を収納するための扉体収納部(言い換えると、戸袋)6Aとなっている。鋼鉄等の金属製のパネル部材で形成された扉体2は、平常時は、前記扉体収納部6Aに収納されており、この扉体2の全開状態は、後述する扉体全開保持手段12により保持されるようになっている。
【0047】
平常時において全開状態が保持されている扉体2は、火災発生等の非常時には、扉体全開保持手段12に防災信号BS等の信号が入力されることにより、この扉体全開保持手段による扉体2の全開保持状態が解除され、扉体2は、後述する付勢手段を備える扉体自動閉鎖手段(いわゆる「オートヒンジ」)により、全閉位置まで閉鎖動作する。これにより、図1に示す出入口5は、全閉位置まで達した扉体2により閉鎖され、火災により発生した炎や煙が遮断される。なお、扉装置が建物内の廊下の通路に設置される場合には、全閉位置に達した扉体2により通路に防災区画が形成される。
【0048】
図1に示すように、扉体2には、潜り扉体(潜り戸)4が設けられており、このため、扉体2は、潜り扉体4と、扉体2からこの潜り扉体4を除いた部分である扉体本体3と、を含んで構成されている。非常時には、この潜り扉4を開放動作させることにより、扉体2で仕切られた他方の空間(図1では、非常階段が設置されている空間)へ移動することができるようになる。また、扉体2よりも小さな潜り扉体4を開放動作することにより、火災等で発生した煙の他方の空間への流出や、他方の空間からの流入をより少なくさせることができる。
【0049】
本実施形態に係る扉装置では、平常時において、任意に開閉して出入口5の開閉管理ができるようになっており、出入口5からの外部の人間の侵入を防止する等の防犯上等の理由から(特に夜間や休日時)、扉体2を閉鎖動作させて出入口5を閉鎖させることができる。なお、この場合には、全閉位置に達した扉体2は、図示されない電気錠等のロック手段により施錠されて全閉状態が保持される。また、潜り扉体4も、図1に示すロック手段4Aにより施錠されて全閉状態が保持される。また、本実施形態に係る扉装置では、平常時において、扉体2の開閉動作の試験を行うために、扉体2を試験的に開閉動作させることができる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態に係る開閉装置である扉装置は、火災発生等の非常時においては、出入口5等の開口部を閉鎖することで防災区画を形成する防火扉装置として機能し、平常時においては、防犯等の理由で出入口5等の開口部を閉鎖することで外部の人間の侵入を阻止するための開口部用扉装置(言い換えると、管理用扉装置)として機能する管理及び防災併用扉装置となっている。
【0051】
図1に示されているように、扉体2の表裏面のうちの全開位置に達したときに扉体収納部4と対向する側の面3A(反対側は面3B)(図6も参照)には、扉体2を全開状態に保持するための扉体全開保持手段12(具体的な構造は後述する)を構成する被係止部に係止する係止部材8が設けられている。
【0052】
図2は、係止部材8の正面図であり、図3は、係止部材8の側面図であり、図4は、係止部材8の平面図である。
【0053】
図2〜図4から分かるように、係止部材8は、金属製の板材の折り曲げで形成され、基部9Aとこの基部9Aの両端部から水平方向にそれぞれ延出する上下2個の水平延出部9Bとからなる略コ字状の屈曲部材9と、この屈曲部材9の2個の水平延出部9Bの先端に架設されたピン部材10と、を含んで構成されている。この係止部材8は、図4に示されている凹部12Aを有する取付部材12により扉体2の表面11に取り付けられている。すなわち、扉体2の表面11に屈曲部材9の基端部9Aを密着させた後、係止部材8を扉体2に取り付けるための取付部材12の凹部12Aを基端部9Aに被嵌させる。この後、取付部材12の図3及び図4に示されている水平部12Bの両端部をビス等の止着具で扉体2に止着することにより、係止部材8は扉体2に取り付けられる。
【0054】
扉体2を全開状態に保持するための扉体全開保持手段12は、扉体収納部である凹部6Aに形成された凹部6Bに収納配置されており、図1には、扉体全開保持手段12を覆うカバー部材13が示されている。
【0055】
図5は、図1に示されているカバー部材13の拡大正面図であり、図6は、全開位置に達している扉体2が扉体全開保持手段12により全開状態に保持されているときにおける扉体2及び扉体全開保持手段12の縦断面図である。
【0056】
図1に示すように、扉体2の扉体本体3における幅方向である左右方向の両端部のうち、回動中心側の端部(右端部)3Cの上端部は、扉体収納部6Aの上枠に取り付けられた図示しない第1軸部材に吊り下げられた状態で支持されており、このため、扉体2は、第1軸部材を中心に回動自在となっている。
【0057】
また、扉体本体3の端部3Cの下部内部には、扉体2に対して不動となっている不動部材である床7に取り付けられた上下方向に延びる図示しない第2軸部材が配置されている。この第2軸部材の外周部には、上下方向への長さを有する螺旋状のねじりコイルばね16が配置されており、このねじりコイルばね16と第2軸部材は、扉体本体3の内側に取り付けられた水平方向に延びるアーム部を有する筒状部材に収納されている。ねじりコイルばね16の一端は、前記筒状部材に係止されており、一方、ねじりコイルばね16の他端は、前記第2軸部材に係止されている。このため、扉体2は、上述した回動中心軸である第1軸部材及び第2軸部材を中心に回動自在となっている。
【0058】
ねじりコイルばね16は、扉体2が開放動作(図1に示す矢印B方向へ回動動作)することにより、扉体2を閉鎖方向(図1に示す矢印A方向)への動作を付勢するばね力が蓄圧されるようになっており、扉体2が全開位置に達したときに蓄圧されるばね力は最大となる。
【0059】
このため、後述する扉体全開保持手段12(いわゆる電磁レリーズ)による扉体2の全開状態が解除されると、扉体2は、ねじりコイルばね16に蓄圧されたばね力で付勢されながら、全閉位置まで閉鎖動作することになる。このため、扉体2に対して閉鎖動作方向への付勢力を付与する付勢手段となっている。
【0060】
図6に示すように、扉体収納部6Aには凹部6Bが形成されており、この凹部6Bには、扉体2を全開状態に保持するための扉体全開保持手段12が配置されている。
【0061】
扉体全開保持手段12は、前述した扉体本体3に設けられた係止部材8を構成する係止部であるピン部材10が係止する二股形状の被係止部を有するラッチ部材14と、このラッチ部材14の被係止部とピン部材10との係止状態を保持するためのラッチ機構である係止保持機構15と、を含んで構成されている。
【0062】
係止保持機構15は、金属製等の板材で形成されたラッチ部材14を回動自在に支持する軸方向が上下方向(垂直方向)である図示しない回動軸を備えており、水平方向に延びる板状のラッチ部材14は、この回動軸を中心に回動自在となっている。
【0063】
図6に示されているように、ラッチ部材14は、係止保持機構15が収納配置される凹部6Bのうち、この凹部6Bを覆うカバー部材13に形成された開口部13Aの近傍に配置されるようになっている。
【0064】
また、係止保持機構15は、被係止部にピン部材10が係止している状態のラッチ部材14の回動をロック(阻止)するための図示しないラッチロック部材を備えている。
【0065】
図6に示されているように、扉体2が全開位置付近まで開放動作することにより、扉体2に設けられたピン部材10が、係止保持機構15が収納配置された凹部6Bを覆うカバー部材13に形成された開口部13Aに進入するとともに、凹部6Bに配置されたラッチ部材14の被係止部である図示しない二股部を構成する凹部6B奥側の第1突片部に当接する。これにより、ラッチ部材14は、前記回動軸を中心に回動しながら凹部6Bの奥側へ後退する。
【0066】
そして、扉体2が全開位置に達したとき、ピン部材10は、ラッチ部材14の前記二股部を構成する凹部6B奥側の前記第1突片部と、凹部6B手前側の第2突片部との間に形成された凹部に係止する。このとき、ラッチ部材14に形成された係合部に前述したピン状のラッチロック部材が係合することより、ラッチ部材14の回動がロックされ、この結果、全開位置に達した扉体2は、閉鎖方向への回動が阻止される。すなわち、扉体2の全開状態が保持されることになる。
【0067】
また、係止保持機構15は、後述するように、連動制御器(防災盤)17に接続された後述する図7の回路図に示すソレノイド15Aを備えており、このソレノイド15Aが通電され、ソレノイド15A内のコイルが励磁されることにより、プランジャが吸引される(後退する)。これにより、プランジャに連結された作動部材のスライドにより、ラッチロック部材がラッチ部材14の係合部に係合していた状態を解除する方向に回動する。
【0068】
この結果、ラッチ部材14の回動のロック状態が解除され、このラッチ部材14は、図示しないねじりコイルばねに蓄圧されたばね力で、凹部6Bの手前へ回動する(時計回りに回動する)。これにより、ラッチ部材14の二股部に係止していたピン部材10は、この二股部から離脱するため、全開状態が保持されていた扉体2は、前述したねじりコイルばね16に蓄圧されたばね力で付勢されて閉鎖動作を開始する。
【0069】
このように、本実施形態では、扉体2の全開状態を保持するための扉体全開保持手段12は、外部からの電気信号が入力されることにより、扉体2の全開保持状態が解除されるようになっている。
【0070】
上述したように、係止保持機構15を備える扉体全開保持手段12には、連動制御器17、及び扉体2を手動で閉鎖動作させるための扉体手動閉鎖操作部20が接続されており、図7には、本実施形態に係る扉装置を構成する主要な部材、装置、機器等の接続関係を示す電気回路図が示されている。
【0071】
扉体手動閉鎖操作部20は、平常時において、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を手動により解除し、扉体2を閉鎖動作させるための操作部となっている。
【0072】
図1及び図7に示されているように、扉体全開保持手段12の作動確認試験を行う場合を除き、連動制御器17と扉体全開保持手段12のソレノイド15Aとは、作動信号線23と共通線24で接続されており、この作動信号線23は、作動信号である連動制御器17からの制御信号である防災信号BS(DC24V)を扉体全開保持手段12のソレノイド15Aへ伝達するためのリード線となっている。一方、確認信号線25は、扉体全開保持手段12の作動確認試験を行うための作動信号である連動制御器17からの確認信号(DC24V)を扉体全開保持手段12のソレノイド15Aへ伝達するためのリード線となっている。
【0073】
なお、連動制御器17は、感知器18や防災センター操作盤19が接続されており、これらの装置からの防災信号BS(DC24V)が入力(受信)され、この防災信号BSに基づいて扉体全開保持手段12へ制御信号である作動信号(DC24V)を入力するものである。
【0074】
扉体手動閉鎖操作部20は、A接点型の押しボタン型スイッチである[閉]スイッチ20Aを備えており、この[閉]スイッチ20Aは、上記作動信号線23に接続されている。また、本実施形態に係る開閉装置は、商用電源22からの交流電力(AC100V)を直流電力(DC24V)に変換し、この変換された直流電力を扉体全開保持手段12へ供給するための直流電源装置21を備えており、この直流電源装置21は、上述した[閉]スイッチ20Aと作動信号線23に接続されている。なお、直流電源装置21には、停電に備えて変換した直流電力を充電して代替供給可能とする蓄電池を備えるようにしてもよい。
【0075】
火災発生等の非常時には、連動制御器17からの防災信号BSが、作動信号線23及び共通線24とにより、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aを通電することにより、このソレノイド15A内のコイルが励磁される。これにより、ソレノイド15Aのプランジャが吸引されるため、プランジャに連結された作動部材のスライドにより、ラッチロック部材が、ラッチ部材14の係合部に係合していた状態を解除する方向に回動する。この結果、ラッチ部材14の回動のロック状態が解除されるため、ラッチ部材14に係止していたピン部材10は、ラッチ部材14から離脱する。これにより、全開状態が保持されていた扉体2は、前述したねじりコイルばね16に蓄圧されたばね力で付勢されて閉鎖動作を開始する。
【0076】
一方、平常時において、出入口5を扉体2で閉鎖するためや、扉体2の開閉動作の試験を行うために、全開状態に保持されている扉体2を閉鎖動作させるためには、管理者等の人間が扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aを操作(押下)する。
【0077】
これにより、直流電源装置21からの直流信号DC24Vが、作動信号線23及び共通線24とを経由して、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aを通電することにより、このソレノイド15A内のコイルが励磁される。これにより、前述した非常時の場合と同様に、ソレノイド15Aのプランジャが吸引されるため、プランジャに連結された作動部材のスライドにより、ラッチロック部材が、ラッチ部材14の係合部に係合していた状態を解除する方向に回動する。この結果、ラッチ部材14の回動のロック状態が解除されるため、ラッチ部材14に係止していたピン部材10は、ラッチ部材14から離脱する。これにより、全開状態が保持されていた扉体2は、前述したねじりコイルばね16に蓄圧されたばね力で付勢されて閉鎖動作を開始する。
【0078】
なお、全閉位置まで閉鎖動作した扉体2を再び全開位置まで開放動作させるには、管理者等の人間が、扉体本体3に設けられた手掛け部3D(あるいは、ロック手段4Aによりロックされた潜り扉4の手掛け部4B)等に手を掛けて、手動で扉体2を開放動作させる。開放動作させた扉体2が全開位置に達すると、前述したように、扉体本体3の係止部材8のピン部材10が扉体全開保持手段12のラッチ部材14に係止すると同時に、このラッチ部材14とピン部材10との係止状態が係止保持機構15により保持される。これにより、扉体2の全開状態が保持されることになる。
【0079】
以上説明したように、本実施形態では、感知器18や防災センター操作盤19が、火災発生等の非常時に、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための非常時扉体全開保持状態解除手段となっている。そして、この非常時扉体全開保持状態解除手段は、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための電気信号である第1解除信号を扉体全開保持手段12へ入力する第1解除信号入力手段となっており、第1解除信号は、感知器18や防災センター操作盤19から出力される防災信号BS(DC24V)(実際には、この防災信号BSは扉体全開保持手段12へ直接入力されるのではなく、連動制御器17を介して扉体全開保持手段12へ入力される)となっている。
【0080】
また、本実施形態では、扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aが、平常時に、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための平常時扉体全開保持状態解除手段となっている。そして、この平常時扉体全開保持状態解除手段は、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための電気信号である第2解除信号を扉体全開保持手段12へ入力する第2解除信号入力手段となっており、第2解除信号は、[開]スイッチ20Aを操作することにより扉体手動閉鎖操作部20から扉体全開保持手段12へ入力される操作信号(開信号(開放動作指示信号))であるDC24Vとなっている。このように、扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aは、平常時に扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための平常時閉鎖操作手段となっている。
【0081】
以上説明したように、本実施形態に係る開閉装置である扉装置は、従来と同様に、火災発生等の非常時に扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための非常時扉体全開保持状態解除手段を備えているが、さらに、平常時に扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための平常時扉体全開保持状態解除手段も備えている。
【0082】
このため、平常時において、本実施形態に係る扉装置を管理用として使用する場合において、扉体2を閉鎖動作させるために、建物の管理者等が扉体全開保持手段12により全開状態に保持されている扉体2を閉鎖側に無理矢理引っ張る等の動作の必要がなくなる。
【0083】
すなわち、平常時においては、扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aを押すだけで扉体2の全開保持状態は解除され、扉体2は、ねじりコイルばね16に蓄圧されたばね力で付勢されて全閉位置まで閉鎖動作する。
【0084】
したがって、管理者にとっては、管理者自身が扉体2を引っ張るという手間と労力が無くなり、また、扉体2を無理に勢いよく引っ張ることにより、扉体全開保持手段12を構成するラッチ部材14や係止保持機構15、さらには、ラッチ部材14に係止する扉体本体3に設けられた係止部材8のピン部材10等が破損する等の不具合が生じるおそれはなくなる。
【0085】
このため、本実施形態によると、扉装置を管理用として使用する場合における扉体2の閉鎖動作が円滑に行えるようになる。
【0086】
なお、本実施形態に係る扉装置を、平常時において扉体2で出入口5を開閉するためのみに使用される管理専用扉装置とする場合には、すなわち、非常時において扉体2で出入口5を閉鎖させる必要がない場合には、図7において、連動制御器17や、この連動制御器17と扉体全開保持手段12とを接続するための作動信号線23、共通線24、確認信号線25、感知器18等は不要となる。また、直流電源装置21及び扉体手動閉鎖操作部の[閉]スイッチ20Aは、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aに直接接続させる。
【0087】
図8及び図9は、第2の実施形態に係る開閉装置を示す図であり、図8は、図1と同様に本実施形態に係る開閉装置の全体正面図であり、図9は、図7と同様に本実施形態に係る開閉装置を構成する主要な部材、装置、機器等の接続関係を示す電気回路図である。
【0088】
なお、以下に説明する各実施形態において、前述した実施形態と同じ部材、機器、装置等については同じ符号を付し、これらの部材、機器、装置等についての説明は省略する。
【0089】
図8に示されているように、本実施形態に係る開閉装置も、前述の第1の実施形態に係る扉装置と同様に、火災発生等の非常時においては、出入口5等の開口部を閉鎖することで防災区画を形成する防火扉装置として機能し、平常時においては、防犯等の理由で出入口5等の開口部を閉鎖することで外部の人間の侵入を阻止するための開口部用扉装置(言い換えると、管理用扉装置)として機能する管理及び防災併用扉装置となっている。
【0090】
図8及び図9に示されているように、感知器18と、扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aと、防災センター操作盤19と、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aとが接続されている本実施形態に係る連動制御器67には、図9に示されているように、フォトカプラ68と、商用電源(AC100V)により充電される蓄電池(DC24V)69と、タイマー70と、このタイマー70に連動するスイッチ71,72とが接続されている。
【0091】
火災発生等の非常時において、感知器18が作動する(スイッチ18Aが閉じる)ことにより、連動制御器67には、感知器18と蓄電池69とタイマー70とによる閉回路ができる。これにより、蓄電池69からの電力供給でタイマー70が作動し、このタイマー70で設定された時間(例えば、3秒程度)が経過するまでスイッチ71,72が閉じる。この結果、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aには、蓄電池69からの作動信号DC24Vが入力し、ソレノイド15Aのコイルが通電される。これにより、扉体2を全開状態に保持されていた状態が解除され、扉体2は閉鎖動作を開始する。
【0092】
また、火災発生等の非常時において、防災センターの操作盤19からの防災信号BSが連動制御器67に入力された場合には、この入力された防災信号BSが、連動制御器67のフォトカプラ68の発光ダイオード68Aを光らせ、その光でフォトトランジスタ68Bを導通させる。これにより、上述した感知器18の場合と同様に、連動制御器67には、フォトトランジスタ68と蓄電池69とタイマー70とによる閉回路ができるので、蓄電池69からの電力供給でタイマー70が作動し、このタイマー70で設定された時間が経過するまでスイッチ71,72が閉じる。この結果、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aには、蓄電池69からの作動信号DC24Vが入力し、ソレノイド15Aのコイルが通電される。これにより、扉体2を全開状態に保持されていた状態が解除され、扉体2は閉鎖動作を開始する。
【0093】
一方、平常時においては、管理者等により扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aが操作(押下)され、この[閉]スイッチ20Aが閉じることにより、上述した感知器18の場合と同様に、連動制御器67には、[閉]スイッチ20Aと蓄電池69とタイマー70とによる閉回路ができる。これにより、蓄電池69からの電力供給でタイマー70が作動し、このタイマー70で設定された時間が経過するまでスイッチ71,72が閉じる。この結果、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aには、蓄電池69からの作動信号DC24Vが入力し、ソレノイド15Aのコイルが通電される。これにより、扉体2を全開状態に保持されていた状態が解除され、扉体2は閉鎖動作を開始する。
【0094】
以上説明したように、本実施形態では、前述した第1の実施形態と同様に、感知器18や防災センター操作盤19が、火災発生等の非常時に、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための非常時扉体全開保持状態解除手段となっている。そして、この非常時扉体全開保持状態解除手段は、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための電気信号である第1解除信号を扉体全開保持手段12へ入力する第1解除信号入力手段となっており、第1解除信号は、感知器18や防災センター操作盤19から出力される防災信号BS(DC24V)(実際には、この防災信号BSは扉体全開保持手段12へ直接入力されるのではなく、連動制御器17を介して扉体全開保持手段12へ入力される)となっている。
【0095】
また、本実施形態では、前述した第1の実施形態と同様に、扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aが、平常時に、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための平常時扉体全開保持状態解除手段となっている。そして、この平常時扉体全開保持状態解除手段は、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための電気信号である第2解除信号を扉体全開保持手段12へ入力する第2解除信号入力手段となっており、第2解除信号は、[閉]スイッチ20Cを操作することにより扉体手動閉鎖操作部20から扉体全開保持手段12へ入力される操作信号(閉信号(閉鎖動作指示信号))であるDC24Vの信号となっている。
【0096】
以上説明した本実施形態によると、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態が解除される前に防災信号BSの入力が切れても、タイマー70で設定された時間が経過するまでは蓄電池69から扉体全開保持手段12へ作動信号が入力され続ける。これと同様に、いったん閉じた感知器18のスイッチ18Aや扉体手動閉鎖操作部20の[閉]スイッチ20Aが途中で開いても、タイマー70で設定された時間が経過するまでは蓄電池69から扉体全開保持手段12へ作動信号が入力され続ける。
【0097】
なお、本実施形態において、タイマー70及びスイッチ71,72からなるタイマー回路は、連動制御器67に防災信号BSが入力された後、タイマー70で設定された時間(扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態が解除されるのに十分な時間)が経過するまで、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aへ蓄電池69からの電力(作動信号)を供給するためのものである。これにより、蓄電池69の消費節約を図ることができる。このため、本実施形態において、蓄電池69の消費節約を考慮しないのであれば、タイマー回路は省略して、スイッチ18A,20A、フォトカプラ68Aの入力を保持できる回路としてもよい。
【0098】
なお、本実施形態において、停電時でなければ、扉体全開保持手段12のソレノイド15Aへ供給する電力は、蓄電池69から供給されるものでなく、商用電源(AC100V)を直流(DC24V)に変換する直流電源装置から供給されるものでもよい。
【0099】
図10は、第3の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。この図10に示されているように、本実施形態に係る開閉装置は、平常時において、建物に形成された開口部である出入口90を開閉体であるシャッターカーテン101と扉体2とで開閉する扉装置付開口部用シャッター装置(いわゆる袖扉付開口部用シャッター装置)となっている。すなわち、本実施形態に係る開閉装置は、火災発生等の非常時に、出入口90を閉鎖することにより防災区画を形成するためのもの(防災用開閉装置)ではなく、平常時に、出入口90を開閉体で開閉したり、開閉動作試験のために開閉体を開閉するための管理用開閉装置となっている。
【0100】
図10に示されている本実施形態に係るシャッター装置は、出入口90の左側に配置され、開閉移動方向が上下方向になっていて、下向きに閉じ移動するシャッターカーテン101が半分程度まで閉じた半閉状態になっているときを示している。
【0101】
なお、シャッターカーテン101と扉体2とで開閉される出入口90は、壁等の左右の建物躯体6と、全閉となったときのシャッターカーテン101と扉体2の下端部が当たる相手部材となっている床7と、図示しない天井部材と、全閉位置に達した扉体2の上端部が当たる戸当たり部6Cとで囲まれている。
【0102】
図10に示すように、出入口90の右側を開閉するための本実施形態に係る扉装置は、前述の第1及び第2の実施形態に係る扉装置とほぼ同様の構成、構造を有しており、以下、本実施形態に係る扉装置が第1及び第2の実施形態に係る扉装置と異なる主な点について説明する。
【0103】
本実施形態に係る扉装置では、平常時において、扉体全開保持手段12により全開状態が保持されている扉体2を閉鎖させるために、扉体全開保持手段12による全開保持状態を解除するための扉体手動閉鎖操作部20は設けられていない。すなわち、本実施形態では、平常時において、扉体2のみを閉鎖動作させるための扉体手動閉鎖操作部20は設けられていない。
【0104】
本実施形態では、扉体全開保持手段12よる扉体2の全開保持状態は、後述するように、押しボタン型スイッチで構成される電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cの操作(押下)により解除され、扉体2は、本実施形態に係るシャッター装置のシャッターカーテン101と連動した閉鎖動作を行う。一方、電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aを操作した場合には、後述するよう、全閉状態となっているシャッターカーテン101と扉体2とが連動した開放動作は行われない。なお、電動開閉操作部119の[停]スイッチ119Bの操作により、開閉動作中のシャッターカーテン101が停止する。
【0105】
シャッターカーテン101を繰り出し、巻き取るための巻取軸106は、出入口90に対して図示しない天井部材で仕切られている天井裏空間91に水平方向を軸方向として配置され、巻取軸106の軸方向両端部は支持部材である左右のブラケット104,105で回転自在に支持されている。これらのブラケット104,105は、天井裏空間91に存在する建物躯体6に、ボルト等の止着具で結合されている。巻取軸106にはシャッターカーテン101の上端部が結合されており、このシャッターカーテン101は、カーテン本体101Aと、このカーテン本体101Aの下端に設けられている座板101Bとを有する。カーテン本体101Aは多数のスラットの連設で形成され、このようにスラット式となっているシャッターカーテン101は、平常時には巻取軸106に巻き取られている。
【0106】
左右一対のブラケット104,105のうち一方のブラケット105には、モータ111とブレーキ112の組み合わせ(図11参照)からなるシャッター用開閉機110が取り付けられ、このシャッター用開閉機110は巻取軸106とチェーン、スプロケット等からなる駆動力伝達手段107を介して連結されている。このシャッター用開閉機110は、巻取軸106を駆動させるための駆動装置、言い換えると、シャッターカーテン101を開閉動作(開閉移動)させるための駆動装置となっている。また、図示されていないが、シャッター用開閉機110の駆動軸の回転力は、この駆動軸に取り付けられた駆動スプロケットホイールと、巻取軸106の一方の端部に取り付けられた被動スプロケットホイールと、これらのスプロケットホイールの間に架け渡された無端ローラチェーンとによる前記駆動力伝達手段107を経て巻取軸106に伝達される。
【0107】
巻取軸106からのシャッターカーテン101の繰り出し、巻き取りは巻取軸106の正逆回転によってなされ、シャッターカーテン101の左右方向である幅方向の両端部のうちの一方の端部、すなわち、扉体2と隣接する側の端部とは反対側の端部(図10では左端部)は、出入口90の左枠となっている柱、壁等の建物躯体6に取り付けられているガイド部材であるガイドレール103にスライド自在に挿入されている。また、シャッターカーテン101の幅方向の両端部のうちの他方の端部(図10では右端部)は、扉体2の扉体本体3の幅方向の両端部3C,3Eのうち、シャッターカーテン101と隣接する側の端部3Eに扉体2の長さ方向(上下方向)全長に渡って形成された溝部3Fにスライド自在に挿入されている。このため、巻取軸106の正逆回転によって天井部材に配設されているまぐさ102を通過して行われるシャッターカーテン101の上下方向への移動である開閉動作は、シャッターカーテン101の幅方向両側に配置されていて、鉛直方向を長さ方向としているガイドレール103や、全閉位置に達した扉体2に形成されたガイド部である溝部3Fに案内されながら行われる。
【0108】
図11は、本実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図である。また、図12は、本実施形態に係る開閉装置を構成する扉体全開保持手段12と、連動制御器121と、シャッター用開閉機制御盤113、電動開閉操作部119の回路図である。
【0109】
図11に示されているように、電動開閉操作部119は、連動制御器121や、シャッター用開閉機110を制御するためのシャッター用開閉機制御盤113に接続されており、これらは、商用電源120からの電力供給で動作するものであるが、連動制御器121には、商用電源120からの電力供給で充電され、停電時に使用される蓄電池(バッテリー)が備えられている。また、シャッター用開閉機制御盤113は、図11や図12に示されているように、少なくとも、シャッター用開閉機110のモータ111やブレーキ112、シャッターカーテン101が全閉位置や全開位置に達したかどうかを判定するためのシャッター上下限(開閉限)リミットスイッチ122、扉体2が全閉位置に達したかどうかを判定するための扉体全閉感知スイッチ82、シャッターカーテン101の閉鎖動作中にこの閉鎖動作方向に存在する障害物を感知するための座板スイッチ115を有する有線式のシャッター用障害物感知装置114、シャッターカーテン101や扉体2の動作の開始や異常を外部に報知するための動作報知部118に接続されている。この動作報知部118による報知は、例えば、音声、ブザーやサイレン等の音によるものでもよく、赤色灯等の光によるものでもよく、これらを併用(複合)したものでもよい。
【0110】
図10に示されているように、扉体全閉感知スイッチ82は、全開位置に達した扉体2の扉体本体3の上端部が当接する戸当たり6Cに設けられており、扉体2の扉体本体3の上端部が当接することにより作動(ON)するスイッチとなっている。
【0111】
また、シャッターカーテン101の座板101Bの閉じ側(閉鎖動作方向)の先端部は、開閉動作方向である上下方向に移動可能な可動部となっており、まぐさ102に配置されたシャッター用障害物感知装置114を構成する座板スイッチ115は、座板101Bの不動部に設けられており、シャッターカーテン101の閉じ動作中に座板101Bの可動部が障害物に当接し、この可動部が開き側(開放動作方向)に後退することにより作動するスイッチとなっている。また、座板スイッチ115とシャッター用障害物感知装置114とはリード線116で接続されており、このリード線116は、シャッターカーテン101の開閉動作と共に、シャッター用障害物感知装置114に備えられているコードリールに巻き取られ、繰り出されるものである。このため、本実施形態に係るシャッター用障害物感知装置114は、有線式の障害物感知装置となっている。
【0112】
次に、本実施形態において、出入口90を閉鎖するために、連動制御器121及びシャッター用開閉機制御盤113により実行されるシャッターカーテン101及び扉体2の閉鎖動作制御の流れを、図12の回路図や図13〜図16のフローチャート図により説明する。
【0113】
図13に示すように、操作待機状態(ステップS101−NO)となっている電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cがビル等の建物の管理者等により操作されて作動(ON)した場合(ステップS101−YES)、電動開閉操作部119から連動制御器121へ扉体2を閉鎖動作させるための閉信号が入力される(ステップS102)。
【0114】
このステップS102の後、図12に示す閉鎖監視タイマーT2のカウントが開始される(ステップS103)。この閉鎖監視タイマーT2は、扉体2とシャッターカーテン101とによる出入口90の閉鎖が所定時間以内に正常に行われた否かを判定するためのものであり、この閉鎖監視タイマーT2に接続されているタイマー接点T2は、閉鎖監視タイマーT2の設定時間(例えば、本実施形態では200秒)が経過するまでON(閉じた状態)となるものである。
【0115】
このステップS103の後、閉信号が入力された連動制御器121からは、扉体2を全開状態に保持している扉体全開保持手段12へ、この扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための解除電力(解除信号)が入力(供給)される(ステップS104)。
【0116】
図12に示すように、連動制御器121を構成する回路には、タイマー接点T3が接続されており、このタイマー接点T3は、タイマーT3の設定時間(例えば、本実施形態では3秒)が経過するまでON(閉じた状態)となるものである。このため、電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cが操作されてからタイマーT3の設定時間が経過するまで、連動制御器121から扉体全開保持手段12へ解除電力が入力(供給)される(ステップS104)。
【0117】
また、図13に示すように、電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cが管理者により操作されて作動(ON)した場合(ステップS101−YES)には、電動開閉操作部119からシャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101を閉鎖動作させるための閉信号が入力され(ステップS105)、シャッター用開閉機制御盤113では、シャッターカーテン101の閉鎖動作制御(具体的には、シャッター用開閉機110のブレーキ112を解除するための解除電力やモータ111を駆動させるための駆動電力の供給)が内部的に行われる。
【0118】
しかし、シャッター用開閉機制御盤113からシャッター用開閉機110へのブレーキ112の解除電力やモータ111の駆動電力の供給は、扉体2が全閉位置に達したかどうかを判定するための扉体全閉感知スイッチ82(厳密にはこの扉体全閉感知スイッチ82に連動するタイマー接点T1)により遮断されている。すなわち、扉体2が全開位置から全閉位置に達するまで閉鎖動作している間(扉体全閉感知スイッチ82が作動していない間)は、シャッター用開閉機110のモータ111やブレーキ112への電力供給が遮断される(ステップS106)。この結果、シャッター用開閉機制御盤113によるシャッター用開閉機110のモータ111やブレーキ112の動作制御は行われないようになっている。
【0119】
なお、図13に示されているように、上記ステップS106の後、閉信号が入力されたシャッター用開閉機制御盤113から、動作報知部118へこの動作報知部118を作動させるための作動電力が供給(入力)される(ステップS107)。これにより、動作報知部118は、扉体2の閉鎖動作を外部に事前報知する処理を開始する(ステップS108)。
【0120】
このように、本実施形態では、平常時に扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための平常時閉鎖操作手段となっている電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cは、扉体全開保持手段12に接続されている連動制御器121への閉信号の入力と、シャッター用開閉機制御盤113への閉信号の入力とが同時に行われる1ボタン複数接点式の押しボタンスイッチとなっている。
【0121】
前述したステップS104において、扉体全開保持手段12に解除電力が入力されることにより、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態が解除されるため、扉体2は、ねじりコイルばね16に蓄圧されたばね力で付勢された閉鎖動作(図10では矢印A方向約90度の回動動作)を開始する(ステップS109)。
【0122】
なお、上述したように、シャッター用開閉機制御盤113からのシャッター用開閉機110のモータ111やブレーキ112への電力供給が遮断されているときに、仮に座板スイッチ115が作動した場合には、図11に示すように、この座板スイッチ115から障害物感知信号がシャッター用障害物感知装置114へ入力された後、このシャッター用障害物感知装置114からシャッターカーテン101を反転上昇及び停止させるための反転制御信号がシャッター用開閉機制御盤113へ入力される。しかし、上述したように、シャッター用開閉機制御盤113からのシャッター用開閉機110のモータ111やブレーキ112への電力供給が遮断されているため、シャッター用開閉機制御盤113によるシャッター用開閉機110のモータ111やブレーキ112の動作制御、すなわち、シャッターカーテン101の動作制御は実行されない。
【0123】
この後、閉鎖監視タイマーT2で設定された時間(例えば200秒)が経過したか否かの判定処理が行われ(ステップS110)、閉鎖監視タイマーT2で設定された時間が経過していない場合(ステップS110−NO)には、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)したか(扉体全閉感知スイッチ82からシャッター用開閉機制御盤113へ扉体全閉信号が入力されたか)否かの判定処理が行われる(ステップS113)。
【0124】
このステップS113において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)した場合(ステップS113−YES)、すなわち、扉体2が閉鎖監視タイマーT2で設定された時間内に全閉位置に達した場合には、動作報知部118は、シャッターカーテン101の閉鎖動作を外部に事前報知する処理を開始する(ステップS114)。一方、前記ステップS113において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS113−NO)には、前記ステップS110の閉鎖監視タイマーT2の設定時間経過の判定処理に戻る。
【0125】
なお、前記ステップS110の判定処理において、閉鎖監視タイマーT2で設定された時間が経過した場合(ステップS110−YES)、すなわち、扉体2が閉鎖監視タイマーT2で設定された時間内に全閉位置に達しなかった場合には、タイマー接点T2はOFF(開いた状態)となっており、このため、シャッター用開閉機制御盤113によるシャッターカーテン101の閉鎖動作制御(シャッター用開閉機110のブレーキ112及びモータ111への電力供給)は停止される(ステップS111)。また、シャッター用開閉機制御盤113から動作報知部118への作動電力の供給も停止する(ステップS112)。
【0126】
一方、前記ステップS113の判定処理において、扉体2が閉鎖監視タイマーT2で設定された時間内に全閉位置に達した場合(ステップS113−YES)には、動作報知部118は、シャッターカーテン101の閉鎖動作を外部に事前報知する処理を開始する(ステップS114)が、このステップS114の後、又はこのステップS114と同時に、扉体全閉感知スイッチ82によるシャッター用開閉機制御盤113からのシャッター用開閉機110のブレーキ112への解除電力とモータ111への駆動電力の供給遮断が解除される(ステップS115)。
【0127】
これにより、シャッター用開閉機制御盤113によるシャッター用開閉機110のブレーキ112への解除電力の供給とモータ111への駆動電力の供給、すなわち、シャッター用開閉機制御盤113によるシャッターカーテン101の閉鎖動作制御が、シャッターカーテン101が全閉位置に達するまで(シャッター上下限リミットスイッチ122のうちの下限リミットスイッチが作動するまで)行われる。
【0128】
すなわち、シャッター用開閉機制御盤113により、シャッター用開閉機110のブレーキ112のオフ(解除)(ステップS116)、モータ111の正駆動の開始(ステップS117)がなされ、これにより、シャッターカーテン101は、モータ111の駆動力による巻取軸106の正回転でこの巻取軸106から繰り出される下方向への電動降下(閉鎖動作)を開始する(ステップS118)。
【0129】
このステップS118の後、前記ステップS110と同様の閉鎖監視タイマーT2の設定時間経過の判定処理(ステップS119)が行われ、閉鎖監視タイマーT2で設定された時間が経過した場合、すなわち、シャッターカーテン101が閉鎖監視タイマーT2で設定された時間内に全閉位置に達しなかった場合(ステップS119−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113により、シャッター用開閉機110のモータ111の正駆動の停止(ステップS120)、ブレーキ112のオン(復帰)(ステップS121)がなされ、シャッター用開閉機制御盤113によるシャッターカーテン101の閉鎖制御は停止する。この結果、シャッターカーテン101は電動降下(閉鎖動作)を停止する(ステップS122)。また、シャッター用開閉機制御盤113から動作報知部118への作動電力の供給も停止する(ステップS123)。
【0130】
一方、ステップS119の判定処理において、タイマーT2で設定された時間が経過していない場合(ステップS119−NO)には、シャッター上下限リミットスイッチ122の下限リミットスイッチの作動の判定処理が実行される(ステップS124)。このステップS124の判定処理において、下限リミットスイッチが作動(ON)している場合、すなわち、下限リミットスイッチから下限信号がシャッター用開閉機制御盤113に入力された場合(ステップS124−YES)には、前述したステップS120〜S123の処理が実行され、シャッターカーテン101の電動降下は停止する。
【0131】
一方、ステップS124の判定処理において、下限リミットスイッチが作動していない場合(ステップS124−NO)には、シャッターカーテン101が、このシャッターカーテン101の閉鎖動作方向に存在する障害物に当接したか否かの判定処理、すなわち、シャッターカーテン101の座板101Bに設けられた座板スイッチ115が作動(ON)したか否かの判定処理が行われる(ステップS125)。
【0132】
このステップS125の判定処理において、座板スイッチ115が作動した場合、すなわち、座板スイッチ115からの障害物感知信号がシャッター用障害物感知装置114へ入力した場合(ステップS125−YES)には、シャッター用障害物感知装置114からは、閉鎖動作中のシャッターカーテン101を反転上昇(開放動作)及び停止させるための反転制御信号がシャッター用開閉機制御盤113へ入力される(ステップS126)。
【0133】
このステップS126の後、シャッター用開閉機制御盤113により、シャッター用開閉機110のモータ111の正駆動の停止(ステップS127)、ブレーキ112のオン(復帰)(ステップS128)がなされ、シャッターカーテン101の電動降下が停止する(ステップS129)。この後、シャッター用開閉機制御盤113により、シャッター用開閉機110のブレーキ112のオフ(解除)(ステップS130)、モータ111の逆駆動の開始(ステップS131)がなされ、シャッターカーテン101を所定時間(例えば2秒間)反転上昇させるための図示されない反転上昇タイマーのカウントが開始される(ステップS132)。これと同時に、シャッターカーテン101は、モータ111の逆駆動で逆回転する巻取軸106に巻き取られる反転上昇(開放動作)を開始する(ステップS133)。
【0134】
この後、シャッター反転上昇タイマーで設定された時間が経過したか否かの判定処理が行われる(ステップS134)。このステップS134の判定処理において、シャッター反転上昇タイマーで設定された時間が経過していない場合(ステップS134−NO)には、このステップS134の判定処理を繰り返し、シャッターカーテン101は反転上昇を繰り返す。
【0135】
一方、ステップS134の判定処理において、シャッター反転上昇タイマーで設定された時間が経過した場合(ステップS134−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113により、シャッター用開閉機110のモータ111の逆駆動の停止(ステップS135)、ブレーキ112のオン(復帰)(ステップS136)がなされ、シャッター用開閉機制御盤113によるシャッターカーテン101の反転上昇制御は停止する。この結果、シャッターカーテン101は反転上昇(開放動作)を停止する(ステップS137)。また、シャッター用開閉機制御盤113から動作報知部118への作動電力の供給も停止する(ステップS138)。
【0136】
この結果、シャッターカーテン101は、この後の管理者による電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cの操作でシャッターカーテン101が再度閉鎖動作されるまで半全閉状態のままとなる。
【0137】
次に、連動制御器121及びシャッター用開閉機制御盤113により実行されるシャッターカーテン101及び扉体2の開放動作制御の流れを説明する。
【0138】
シャッターカーテン101及び扉体2の全閉状態が保持されているときに、管理者により電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aが操作されると、電動開閉操作部119からシャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101を開放動作させるための開信号が入力される。これにより、シャッター用開閉機制御盤113からシャッター用開閉機110のブレーキ112へは、このブレーキ112を解除させるための解除電力が、また、シャッター用開閉機制御盤113からシャッター用開閉機110のモータ111へは、このモータ111を駆動させるための駆動電力が入力される。
【0139】
しかし、図12に示すように、扉体全閉感知スイッチ82に連動するタイマー接点T1は、タイマーT1の設定時間(例えば、本実施形態では3秒)が経過するまではOFF(開いた状態)となっており、タイマーT1の設定時間が経過した後はON(閉じた状態)となる。このため、電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aが操作されてからタイマーT1の設定時間が経過するまでは、シャッター用開閉機制御盤113からシャッター用開閉機110のブレーキ112及びモータ111への電力供給は遮断される。
【0140】
一方、扉体全閉感知スイッチ82は、電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aが操作されてからタイマーT1の設定時間が経過した後も作動(ON)していなければ、シャッター用開閉機制御盤113からシャッター用開閉機110のブレーキ112及びモータ111への電力供給が遮断されている状態は解除されない。したがって、扉体全閉感知スイッチ82は、電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aが操作されてから少なくともタイマーT1の設定時間が経過するまでは作動状態となっている必要がある。
【0141】
以上説明したように、電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aが操作されてからタイマーT1の設定時間が経過した後、シャッター用開閉機制御盤113からシャッター用開閉機110のブレーキ112へは、このブレーキ112を解除させるための解除電力が、また、シャッター用開閉機制御盤113からシャッター用開閉機110のモータ111へは、このモータ111を駆動させるための駆動電力が入力される。
【0142】
これにより、解除電力の入力でブレーキ112が解除され、駆動電力の入力でモータ111が逆駆動されると、この逆駆動による巻取軸106の逆回転により、シャッターカーテン101は巻取軸106に巻き取られる上方向への開放動作(電動上昇)が行われる。そして、シャッター上下限リミットスイッチ122のうちの上限(全開)リミットスイッチが作動することにより、この上限リミットスイッチからシャッター用開閉機制御盤113へ上限(全閉)信号が入力される。
【0143】
これにより、シャッター用開閉機制御盤113からモータ111への駆動電力の入力が停止され、モータ111の逆駆動は停止する。また、シャッター用開閉機制御盤113からブレーキ112への解除電力の入力も停止され、ブレーキ112はオン(復帰状態)となる。この結果、シャッターカーテン101の開放動作は停止する。
【0144】
この後、全閉状態となっている扉体2の開放動作は、管理者が手動で行う。すなわち、シャッターカーテン101が全開位置に達した後、管理者は、扉体2の扉体本体3に設けられた係止部材8の係止部を構成するピン部材10が、扉体全開保持手段12の被係止部材であるラッチ部材14に係止し、このラッチ部材14がラッチロック部材にロックされるまで、手動で扉体2を開放動作(図10では矢印B方向約90度の回動動作)させる。
【0145】
このように、本実施形態では、シャッターカーテン101と扉体2の開放動作は、連動して行われるものではない。
【0146】
なお、シャッターカーテン101を開放動作させる場合において、シャッターカーテン101を開放動作させるための開信号が入力されたシャッター用開閉機制御盤113から、動作報知部118へこの動作報知部118を作動させるための作動電力が入力されるようにし、動作報知部118により、シャッターカーテン101の開放動作を外部に事前報知する処理を行ってもよく、行わなくてもよい。
【0147】
図17〜図19は、第4の実施形態に係る開閉装置を示す図であり、図17は、図1と同様に本実施形態に係る開閉装置の全体正面図であり、図18及び図19は、本実施形態に係る開閉装置を構成する主な装置のブロック線図である。図18は、平常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものであり、平常時において使用されない或いは動作しない(火災発生時等の非常時において使用される或いは動作する)装置間は矢印無しの破線で結んだ表示となっており、図19は、火災発生時等の非常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものであり、非常時において使用されない或いは動作しない(平常時において使用される或いは動作する)装置間は矢印無しの破線で結んだ表示となっている。
【0148】
本実施形態に係る開閉装置は、平常時においては、建物に形成された開口部である出入口90を開閉体であるシャッターカーテン101と扉体2とで開閉する扉装置付開口部用シャッター装置(言い換えると、袖扉付開口部用シャッター装置)として機能し、火災発生等の非常時においては、出入口90を閉鎖することにより防災区画を形成するための扉装置付防災用シャッター装置(言い換えると、袖扉付防災用シャッター装置)として機能する管理及び防災併用開閉装置となっている。
【0149】
シャッター用開閉機制御盤113は、電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aからの開信号(開放動作指示信号)や、[閉]スイッチ119Cからの閉信号(閉鎖動作指示信号)の入力で、シャッター用開閉機110のブレーキ112の解除(後述する図20に示すソレノイド145の通電)や、モータ111の駆動をさせる。電動開閉操作部119の[停]スイッチ119Bからの停信号(停止動作指示信号)、上下限リミットスイッチ122からの上限リミット信号(全開信号)や下限リミット信号(全閉信号)の入力があれば、シャッター用開閉機110のブレーキ112の復帰(ソレノイド145の通電遮断)や、モータ111の駆動停止をさせる。
【0150】
また、図18及び図19に示されているように、本実施形態では、前述の第3の実施形態に係る開閉装置に備えられていた連動制御器121の代わりに、危害防止用連動中継器130(以下「連動中継器130」という)が備えられている。シャッター用開閉機110と同様に、商用電源120から供給される電力で動作する連動中継器130には、シャッター用開閉機110を除く主要な装置が接続されている。
【0151】
連動中継器130の主な機能には、電動開閉操作部119からの操作信号(開信号、閉信号、停信号)をシャッター用開閉機制御盤113へ中継すること、シャッターカーテン101の電動降下(電動による閉鎖動作)中における障害物感知時の反転制御を行うこと、停電時における各機器への非常電源(バッテリー)を供給すること、防災信号BSを中継し、シャッター用自動閉鎖装置134へ連続(継続的に)発報すること、非常時のシャッターカーテン101の閉鎖動作中における障害物感知時に、シャッター用自動閉鎖装置134へ復旧動作、再作動動作の制御を行うこと、扉体2、シャッターカーテン101の順に閉鎖させる制御を行うこと、電動開閉操作部119からの操作信号が閉信号である場合には、扉体全開保持手段12による扉体2の全開保持状態を解除するための解除電力を扉体全開保持手段12へ入力すること等がある。なお、連動中継器130は、停電時に使用される予備電源(バッテリ)を内蔵しており、処理待機状態においては、この予備電源の充電を行う。このように、連動中継器130は、扉体2、シャッターカーテン101とを連動して閉鎖動作させるための開閉制御手段となっている。
【0152】
平常時におけるシャッターカーテン101の開閉動作を行う連動中継器130の基本動作は、まず電動開閉操作部119からの操作信号(開信号、閉信号、停信号)をシャッター用開閉機制御盤113へ中継する。電動による閉鎖動作(電動降下)中に障害物が感知された場合には、シャッターカーテン101を反転上昇させる制御(開放動作制御)をシャッター用開閉機制御盤113に指示(シャッター用開閉機110に停止指示信号、開放指示信号を入力)する。なお、シャッターカーテン101の開閉動作中は、動作報知部118を作動させる。
【0153】
上下限リミットスイッチ122の上限リミットスイッチの設定位置は、前述の第3の実施形態と同様に、シャッターカーテン101の全開位置である。一方、下限リミットスイッチの設定位置は、前述の第3の実施形態とは異なり、床7よりも若干下の高さ位置であり、これは、閉鎖動作中のシャッターカーテン101の座板スイッチ115の故障によるオーバーラン(シャッターカーテン101の巻取軸106から繰り出しオーバー)を検知するためのものである。すなわち、下限リミットスイッチは、座板スイッチ115の故障診断を行うための座板スイッチ故障診断手段となっている。
【0154】
増設リミットスイッチ131の設定位置は、床7から若干上の高さ位置(例えば20mm程度)である。すなわち、増設リミットスイッチ131は、閉鎖動作中のシャッターカーテン101が、床7から若干上の高さ位置まで達した(閉じ移動した)ときに作動(ON)するものである。
【0155】
前述した各実施形態でも使用されている感知器18は、火災発生等の非常時において、この火災等で発生した煙及び/又は熱を感知し、連動中継器130へ防災信号BS(DC24V)を入力するものである。
【0156】
また、前述した各実施形態でも使用されている防災センター操作盤19は、火災発生等の非常時において、防災センターの人間により操作されるものであり、感知器18と同様に、連動中継器130へ防災信号BS(DC24V)を入力するものである。
【0157】
本実施形態では、扉装置には、扉体2の閉鎖動作中にこの扉体2の閉鎖動作方向(図17では矢印A方向)に存在する障害物を感知するための扉体用障害物感知装置133が備えられている。赤外線センサ方式となっているこの扉体用障害物感知装置133は、図17に示すように、扉体2が全閉位置に達したときにこの扉体2の上端部が当接する戸当たり6Cの近傍に配置されている。
【0158】
具体的な構造を後述するシャッター用自動閉鎖装置134は、非常時において、上述した感知器18や防災センター操作盤19からの防災信号BSが入力された連動中継器130から作動信号が入力されることにより、復帰状態となっているシャッター用開閉機110のブレーキ112を解除させ、シャッターカーテン101を閉鎖動作させるためのものである。
【0159】
電動開閉操作部119の近傍に配置されている非常閉鎖操作部132は、押しボタン型スイッチである[作動]スイッチ132Aと[復帰]スイッチ132Bとを有し、これらは、平常時には操作されないようにアクリル樹脂製のカバーで覆われている。
【0160】
非常時において、何らかの原因で感知器18や防災センター操作盤19から防災信号BSが連動中継器130へ入力されず、扉体全開保持手段12やシャッター用自動閉鎖装置134が作動しなかった場合等に使用されるものであり、この非常閉鎖操作部132の[作動]スイッチ132Aを管理者等の人間が操作することにより、非常閉鎖操作部132から防災信号BSと同等の信号である作動信号(DC24V)を連動中継器130へ入力させるものである。このため、非常閉鎖操作部132の[作動]スイッチ132Aは、非常時に強制的に扉体全開保持手段による扉体の全開保持状態を解除するための非常時閉鎖操作手段となっている。一方、[復帰]スイッチ132Bは、作動状態のシャッター用自動閉鎖装置134を元の状態に戻すため使用されるものである。
【0161】
図20は、シャッター用開閉機110の内部構造を示す断面図である。この図20に示されているように、シャッター用開閉機110は、直流又は交流のモータ111とブレーキ112とを軸方向に並設したものであり、モータ111の駆動軸140は、このモータ111の回転する回転子111Aの中心に固定配置された回転軸となっている。この駆動軸140におけるブレーキ112側の端部には、円盤状のブレーキシュー141が結合されている。ブレーキ112には、軸方向に一定距離だけスライド自在となっているブレーキ軸142が設けられ、このブレーキ軸142には、ブレーキシュー141と軸方向に対面するブレーキドラム143が結合されている。通常時のブレーキ軸142及びブレーキドラム143は、ばね144でモータ111側へ押圧されており、このため、ブレーキシュー141とブレーキドラム143との圧接によりブレーキ112はオン(復帰状態)となっている。したがって、このときのモータ111の駆動軸140は、ブレーキ112の制動力によって回転しない。
【0162】
一方、ブレーキ112に配置されているソレノイド145が、シャッター用開閉機制御盤113から供給される電力(解除電力)により通電されたときには、このソレノイド145の磁力により、ブレーキ軸142及びブレーキドラム143は、ばね144に抗してモータ111から離れる方向へスライドする。このため、ブレーキシュー141とブレーキドラム143との圧接が解除され、ブレーキ112はオフ(解除状態)となる。したがって、このときには、モータ111の駆動軸140は、シャッター用開閉機制御盤113から供給される電力(駆動電力)のコイル146への通電により回転できることになる。
【0163】
また、図20に示されているとおり、ブレーキ軸142におけるモータ111側とは反対側の端部にはレバー部材147が配置されている。このレバー部材147はブレーキ軸142を貫通したものであって、ブレーキ軸142を境界として区分される第1部分147Aと第2部分147Bとからなる。第1部分147Aには第1屈曲部147Cが形成され、第2部分147Bには第2屈曲部147Dが形成されている。第1部分147AにC方向、すなわち、モータ111側とは反対側への荷重が作用したときには、第1部分147Aが第2屈曲部147Dを支点としてC方向へ揺動するため、ブレーキ軸142及びブレーキドラム143は、C方向と同じ方向であるC’方向へスライドする。このため、ソレノイド145に通電しなくても、ブレーキ112をオフとすることができる。
【0164】
このように第1部分147AにC方向への荷重が作用することは、シャッター用開閉機110に取り付けられている具体的な構造を後述するシャッター用自動閉鎖装置134によって行われる。
【0165】
次に、火災発生等の非常時において、シャッターカーテン101の全開状態を保持しているシャッター用開閉機110のブレーキ112を解除するための本実施形態に係るシャッター用自動閉鎖装置134の構造について説明する。
【0166】
図21は、シャッター用開閉機110に隣接配置されたシャッター用自動閉鎖装置134の内部構造を示す平面図であり、図22は、シャッター用自動閉鎖装置134の内部構造を示す側面図であり、図23は、シャッター用自動閉鎖装置134の内部構造を示す正面図である。なお、これらの図21〜図23は、連動中継器130からの作動信号がシャッター用自動閉鎖装置134へ入力される前の状態を示す図である。
【0167】
図21及び図22に示すように、シャッター用自動閉鎖装置134のケースとなっている機枠149には、互いに対向する2個の側面部である立上り部149B,149Eが設けられている。これらの立上り部149B,149Eに形成された貫通孔149C,149Fに、2個の立上り部149B,149Eに跨る長さを有している板状の第1スライド部材150が水平方向にスライド自在に挿入されている。これと同様に、これらの立上り部149B,149Eに形成された貫通孔149D,149Gに、2個の立上り部149B,149Eに跨る長さを有している板状の第2スライド部材155が水平方向にスライド自在に挿入されている。図21、及び機枠149の立上り部149Eの一部が破断されている図23に示すように、機枠149内において、第1スライド部材150は、第2スライド部材155よりも下方に配置されている。
【0168】
図24は、図21で示されている第1スライド部材150のみを示した図である。この図24に示すように、第1スライド部材150は、板材で形成された第1部材151及び第2部材153と、シャッター用自動閉鎖装置134を作動させるための作動部材152とで構成されており、第1スライド部材150の主要部となっている第1部材151の前端(先端)は、下向きに屈曲した屈曲部151Aとなっており、この屈曲部151Aに作動部材152が取り付けられている。また、第1部材151の後方には、凹部151Bが形成されている。一方、第2部材153は、上向きに屈曲した第1屈曲部153Aと、下向きに屈曲した第2屈曲部153B及び第3屈曲部153Cとを有しており、この第2部材153は、図24に示すように、ビス等の止着具で第1部材151に止着されている。
【0169】
なお、図21に示すように、第1スライド部材150の第3屈曲部には、ばね164の一端が係止され、このばね164の他端は、機枠149の底部149Aに立設固定された係止部材163に係止されており、第1スライド部材150が矢印D方向にスライドすることにより、ばね164には矢印D方向とは反対の方向への戻しばね力が蓄圧される。
【0170】
図25は、図21で示されている第2スライド部材155のみを示した図である。また、図26は、図22において、第1スライド部材150及び第2スライド部材155の手前側に配置されている部材、装置を除外して示した図である。
【0171】
図25に示すように、第2スライド部材155は、板材で形成された第1部材156と第2部材157と第3部材158とで構成されている。また、図26に示すように、ビス等の止着具で第1部材156に止着されている第2部材157の上部は、機枠149に取り付けられた図21に示す直流モータ161の駆動軸に取り付けられたピニオン162に噛合するラック部157Aとなっている。また、第3部材158は、図25に示すように、第1スライド部材150のスライド方向と直交する方向に屈曲した第1屈曲部158Aと、ビス等の止着具で第1部材156に止着される下向きに屈曲した第2屈曲部158Bと、水平部158Cとからなっている。
【0172】
なお、前述したように、第1スライド部材150は、機枠149内において、第2スライド部材155よりも下方に配置されており、また、図21、図23及び図26に示すように、第2スライド部材155を構成する第3部材158の第1屈曲部158Aが、第1スライド部材150を構成する第2部材153の第1屈曲部153Aと後方から対向、接触するように配置されている。
【0173】
図27は、図21で示されている第1スライド部材150、第2スライド部材155、具体的な構造を後述する屈曲レバー部材165等のみを示す図である。
【0174】
図21に示されているように、シャッター用自動閉鎖装置134の機枠149の底部149Aには、ソレノイド170が取り付けられており、このソレノイド170のプランジャ171には、ばね172のばね力がプランジャ171をソレノイド170から突出させる方向へ常時作用している。このプランジャ171の先端には、図21及び図22に示すように略コ字状に屈曲した被係止部材173が連結されており、この被係止部材173に、中心軸165Aを中心に回動自在となっている略L字形の屈曲レバー部材165(図27も参照)の一方の端部が係止されている。図21及び図22に示すように、トリガーレバー部材となっているこの屈曲レバー部材165の他方の端部には、ローラ166が回転自在に設けられている。
【0175】
図21及び図27に示すように、このローラ166と対面する第1スライド部材150の部分には前述した凹部151Bが形成されている。また、シャッター用自動閉鎖装置134には、屈曲レバー部材165に中心軸165Aを中心とするG方向への回動力を付与するためのばね167が設けられており、このばね167の一端は、屈曲レバー部材165の立上り部165Bに係止され、ばね167の他端は、機枠149の底部149Aに設けられた係止部材168に係止されている。
【0176】
図21及び図22に示されているとおり、シャッター用自動閉鎖装置134には、屈曲レバー部材165が中心軸165Aを中心とするG方向への回動を行うことにより作動するマイクロスイッチ180と、第2スライド部材155が矢印D方向へスライドすることにより作動するマイクロスイッチ181が設けられている。
【0177】
マイクロスイッチ180は、作動部材であるアクチュエータ180Aが、中心軸165Aを中心とするG方向への回動を行う屈曲レバー部材165の立上り部165Bに当接可能に配置され、マイクロスイッチ181は、作動部材であるアクチュエータ181Aが、矢印D方向へスライドする第2スライド部材158の水平部158Cの下面に当接可能に配置される。
【0178】
次に、火災発生等の非常時において、シャッターカーテン101の全開状態を保持しているシャッター用開閉機110のブレーキ112を解除するための本実施形態に係るシャッター用自動閉鎖装置134の動作について説明する。
【0179】
図19に示すように、火災発生等の非常時において、感知器18や防災センター操作盤19から連動中継器130へ防災信号BS(DC24V)が入力されると、連動中継器130からシャッター用自動閉鎖装置134の図示しないブレーキ制御回路へ制御信号である作動信号(DC24V)が入力される。この作動信号の入力でシャッター用自動閉鎖装置134の直流モータ161が正駆動し、この直流モータ161の駆動軸161Aに取り付けられたピニオン162は、図22に示す矢印E方向への回転を開始する。これにより、ピニオン162に噛合しているラック部157Aを有する第2スライド部材155は、図21に示す矢印D方向へスライドする。
【0180】
前述したように、第2スライド部材155を構成する第3部材158の第1屈曲部158Aは、第1スライド部材150を構成する第2部材153の第1屈曲部153Aの後方でこの第1屈曲部153Aと対向接触するように配置されている。
【0181】
このため、第2スライド部材155が矢印D方向へスライドすると、この第2スライド部材155の第1屈曲部153Aが、第1スライド部材150の第1屈曲部153Aを後方から矢印D方向へ押すことになる。これにより、第1スライド部材150は、第2スライド部材155とともに矢印D方向へスライドする。
【0182】
図28は、図21で示されている第1スライド部材150が、第2スライド部材155とともにシャッター用開閉機110のブレーキ112が解除される位置まで矢印D方向へスライドしたときを示す図である。また。図29は、図28で示されている第1スライド部材150、第2スライド部材155、屈曲レバー部材165、ばね164,167等のみを示した図である。
【0183】
第1スライド部材150と第2スライド部材155とが、図28に示す位置までスライドすることにより、第1スライド部材150の前端に設けられている作動部材152が、図20で示されている被作動部材148を介してシャッター用開閉機110のレバー部材147の第1部分147Aを図20のC方向に押圧するため、前述したように、この第1部分147Aがレバー部材147の第2屈曲部147Dを支点としてC方向へ揺動する。これにより、シャッター用開閉機110のブレーキ112のブレーキ軸142及びブレーキドラム143は、C方向と同じ方向であるC’方向へスライドし、これにより、それまでオン(復帰状態)となっていたブレーキ112は、オフ(解除状態)となる。
【0184】
このため、全開状態が保持されていたシャッターカーテン101は、巻取軸106よりも下側の部分の座板101B等の自重により、巻取軸106を正回転させながら下向きに閉鎖動作(閉じ移動)することになり、シャッター用開閉機110の前述した駆動軸140も駆動力伝達手段107を介して自由回転し、シャッターカーテン101はシャッター上下限リミットスイッチ122のうちの下限リミットスイッチが作動(ON)するまで自重降下する。
【0185】
第1スライド部材150及び第2スライド部材155が、図28に示す位置までスライドすることにより、屈曲レバー部材165は、ばね167のばね力で矢印G方向(図21及び図27参照)へ回動し、この屈曲レバー部材165のローラ166が第1スライド部材150の凹部151Bに係合する。これにより、第1スライド部材150の後退が阻止された状態となり、第1スライド部材150の前端に設けられている作動部材152が、図20で示されている被作動部材148を介してシャッター用開閉機110のレバー部材147の第1部分147Aを図20のC方向に押圧する状態が継続される。すなわち、シャッター用開閉機110のブレーキ112のオフ(解除)の状態が継続される。
【0186】
また、屈曲レバー部材165は、ばね167のばね力で矢印G方向へ回動し、この屈曲レバー部材165のローラ166が第1スライド部材510の凹部151Bに係合することにより、図28に示すように、屈曲レバー部材165の立上り部165Bがマイクロスイッチ180のアクチュエータ180Aを押圧するため、マイクロスイッチ180が作動する。これにより、シャッター用自動閉鎖装置134に備えられている図示しないブレーキ制御装置から、シャッター用開閉機110のブレーキ112の作動確認信号が連動中継器130へ入力される。また、マイクロスイッチ180の作動により、ブレーキ制御装置内には、直流モータ161の駆動を停止するための回路が生成され、これにより、直流モータ161の正駆動は停止する。
【0187】
また、第1スライド部材150が矢印D方向(図21参照)へスライドすることにより、この第2スライド部材155の水平部158Cの下面が、図23や図28に示すように、マイクロスイッチ181のアクチュエータ181Aを押圧するため、マイクロスイッチ181が作動する。これにより、ブレーキ制御装置内には、直流モータ161が逆駆動するための回路が生成する。なお、この回路を生成させるために、図28に示す第1スライド部材150の第2部材153の第2屈曲部153Bの側面にアクチュエータ182Aが押圧されるマイクロスイッチ182を使用するようにしてもよい。
【0188】
この後、直流モータ161の逆駆動により、第2スライド部材155は矢印D方向とは反対の方向にスライドするが、このスライドによりマイクロスイッチ181の作動が停止するので、直流モータ161の逆駆動は停止する。この結果、スライドしていた第2スライド部材155は元の位置で停止する。
【0189】
このように、第2スライド部材155は図21に示す元の位置に戻るが、第1スライド部材150は、前述したように、屈曲レバー部材165のローラ166が係合していることにより、図28の位置で停止したままとなり、シャッター用開閉機110のブレーキ112のオフ(解除)の状態が継続される。
【0190】
シャッターカーテン101の自重降下(閉鎖動作)中において、このシャッターカーテン101の閉鎖動作方向に障害物が存在し、シャッターカーテン101の座板101Bに設けられている座板スイッチ115がこの障害物に当接することにより作動(ON)した場合、座板スイッチ115からの障害物感知信号が連動中継器130へ入力される。これにより、連動中継器130からシャッター用自動閉鎖装置134のDCソレノイド170へ、このソレノイド170を作動(励磁)させるための作動信号が入力される。この結果、ソレノイド170が励磁されてプランジャ171が吸引されるため、このプランジャ171の先端に連結された被係止部材173に一方の端部が係止されている屈曲レバー部材165は、図21に示す矢印G方向とは反対の方向へ回動する。
【0191】
これにより、第1スライド部材150の凹部151Bに係合していた屈曲レバー部材165のローラ166は、この凹部151Bから離脱する。このため、ローラ166との係合で後退が阻止されていた第1スライド部材150は、矢印D方向にスライドすることによりばね167に蓄圧されたばね力で、元の位置までスライドする。
【0192】
この結果、第1スライド部材150の前端に設けられている作動部材152が、図20で示されている被作動部材148を介してシャッター用開閉機110のレバー部材147の第1部分147Aを図20のC方向に押圧していた状態は解除される。これにより、それまでオフ(解除状態)となっていたブレーキ112がオン(復帰状態)となるため、シャッター用開閉機110の駆動軸140の自由回転が阻止され、駆動力伝達手段107を介して駆動軸140と連結されている巻取軸106の自由回転も阻止される。この結果、障害物に当接したシャッターカーテン101の自重降下は停止する。
【0193】
この停止中のシャッターカーテン10から障害物が取り除かれると、座板スイッチ115から連動中継器130への障害物感知信号の入力が停止する。この後、タイマーによる設定時間が経過した後、連動中継器130からシャッター用自動閉鎖装置134へは、このシャッター用自動閉鎖装置134を作動させるための作動信号が入力される。
【0194】
なお、座板スイッチ115を備える閉鎖動作中のシャッターカーテン101が全閉位置(床7)に達する際のシャッターカーテン101の動作制御仕様、すなわち、下限停止動作仕様には、第1仕様である床面停止仕様と、第2仕様である床面押し込み仕様と、がある。要するに、下限停止動作仕様の違いは、シャッターカーテン101の閉鎖動作制御を行うに際して、床7を障害物として取り扱うか否かである。この動作仕様(動作モード)の設定は、連動中継器130に設けられたディップスイッチを操作することによりできる。
【0195】
この下限停止動作仕様の違いによるシャッターカーテン101の閉鎖動作制御については後述するが、例えば、下限停止動作仕様が第1仕様(床面停止仕様)である場合には、自重降下中のシャッターカーテン101が全閉位置である床7に達することにより、このシャッターカーテン101の座板スイッチ115が作動(ON)した場合には、上述した床7を障害物として感知した場合の処理(座板スイッチ115から連動中継器130への障害物感知信号の入力、及び連動中継器130からシャッター用自動閉鎖装置134への復帰信号の入力)が行われる。
【0196】
次に、平常時において連動中継器130により実行される扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の流れを図30〜図33のフローチャート図により説明する。
【0197】
図30に示すように、操作待機状態(ステップS201−NO)となっている電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cが管理者により操作されて作動(ON)した場合、すなわち、電動開閉操作部119から連動中継器130へ扉体2を閉鎖動作させるための閉信号(閉鎖指示信号)が入力された場合(ステップS201−YES)には、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御が開始される(ステップS202)。
【0198】
このステップS202の後、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS203)。このステップS203において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS203−NO)には、動作報知部118へ作動電力の供給を開始する(ステップS204)。これにより、動作報知部118による扉体2の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(ステップS205)。
【0199】
一方、前記ステップS203において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS203−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の開始指示を行う(図31に示すステップS217)。
【0200】
前記ステップS205の後、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS206)。このステップS206において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS206−NO)には、扉体全開保持手段12へ解除電力を電力供給タイマーの設定時間(例えば3秒間)供給する(ステップS207)。
【0201】
一方、前記ステップS206において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS206−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS211)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。なお、ステップS211より前において、シャッター用開閉機制御盤113はシャッターカーテン101の閉鎖動作制御を行っているが、シャッター用開閉機110は電力未供給で動作待機状態となっている。
【0202】
前記ステップS207の後は、扉体2の閉鎖が所定時間以内に正常に行われた否かを判定するための扉体閉鎖監視タイマーのカウントが開始される(ステップS208)。また、このステップS208の後、ねじりコイルばね16のばね力による扉体2の閉鎖動作が開始される(ステップS209)。
【0203】
このステップS209の後、前述したステップS206と同様に、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS210)。このステップS210において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS210−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS211)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。なお、前述したように、ステップS211より前において、シャッター用開閉機制御盤113はシャッターカーテン101の閉鎖動作制御を行っているが、シャッター用開閉機110は電力未供給で動作待機状態となっている。
【0204】
一方、前記ステップS210において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS210−NO)には、電動開閉操作部119の[停]スイッチ119Bの作動(ON)(停信号の入力)の判定処理が行われる(ステップS212)。このステップS212において、[停]スイッチ119Bが作動した場合(ステップS212−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS211)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。なお、前述したように、ステップS211より前において、シャッター用開閉機制御盤113はシャッターカーテン101の閉鎖動作制御を行っているが、シャッター用開閉機110は電力未供給で動作待機状態となっている。
【0205】
一方、ステップS212において、[停]スイッチ119Bが作動していない場合(ステップS212−NO)には、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過したか否かの判定処理(ステップS213)が行われる。このステップS213において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過している場合(ステップS213−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS211)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0206】
一方、ステップS213において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過していない場合(ステップS213−NO)には、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS214)。このステップS214において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS214−NO)には、前記ステップS210の処理へ戻る。
【0207】
一方、ステップS214において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS214−YES)には、扉体2の全閉状態が所定時間継続しているか否かを判定するための扉体全閉監視タイマーのカウントが開始される(ステップS215)。
【0208】
このステップS215の後、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過しているか否かの判定処理(ステップS216)が行われる。このステップS216において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過していない場合(ステップS216−NO)には、前記ステップS210の処理へ戻る。
【0209】
一方、ステップS216において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過している場合、すなわち、扉体2の全閉状態が所定時間継続している場合(ステップS216−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の開始指示を実行する(ステップS217)。
【0210】
このステップS217の後、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始され(ステップS218)、この後、シャッターカーテン101の閉鎖動作(電動降下)が開始される(ステップS219)。
【0211】
このステップS219の後、上下限リミットスイッチ122のうちの下限リミットスイッチの作動(ON)の判定処理、すなわち、下限リミットスイッチからのシャッター下限信号の入力の判定処理が行われる(ステップS220)。
【0212】
このステップS220において、下限リミットスイッチが作動(ON)している場合(ステップS220−YES)には、座板スイッチ115が故障し、シャッターカーテン101がオーバーランしていると判定できるため、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS221)、この後、動作報知部118によるシャッター装置の故障報知が行われ(ステップS222)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0213】
一方、前記ステップS220において、下限リミットスイッチが作動(ON)していない場合(ステップS220−NO)には、座板スイッチ115の作動(ON)の判定処理、すなわち、座板スイッチ115からのシャッター障害物感知信号の入力の判定処理が行われる(ステップS223)。
【0214】
このステップS223において、座板スイッチ115が作動(ON)している場合(ステップS223−YES)には、障害物感知時におけるシャッターカーテン101の一般的な動作制御処理(シャッターカーテン101を停止させた後、所定時間(例えば2秒間)反転上昇させ、この後、停止させる)を実行する(ステップS224)。そして、このステップS224の後は、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS226)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0215】
一方、前記ステップS223において、座板スイッチ115が作動(ON)していない場合(ステップS223−NO)には、[停]スイッチ119Bの作動(ON)の判定処理、すなわち、[停]スイッチ119Bからの停信号の入力の判定処理が行われる(ステップS225)。
【0216】
このステップS225において、[停]スイッチ119Bが作動(ON)している場合(ステップS225−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS226)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0217】
一方、前記ステップS225において、[停]スイッチ119Bが作動(ON)していない場合(ステップS225−NO)には、ディップスイッチの操作により設定された下限停止動作仕様の判定処理、すなわち、下限停止動作仕様が第1仕様である床面押し込み仕様であるかの判定処理が行われる(ステップS227)。
【0218】
このステップS227において、下限停止動作仕様が床面押し込み仕様でない場合、言い換えると、床面停止仕様である場合(ステップS227−NO)には、前記ステップS220の判定処理に戻る。
【0219】
一方、前記ステップS227において、下限停止動作仕様が床面押し込み仕様である場合(ステップS227−YES)には、増設リミットスイッチ131の作動(ON)の判定処理、すなわち、増設リミットスイッチ131からの増設下限信号の入力の判定処理が行われる(ステップS228)。
【0220】
このステップS228において、増設リミットスイッチ131が作動(ON)していない場合(ステップS228−NO)には、前記ステップS220の判定処理に戻る。
【0221】
一方、前記ステップS228において、増設リミットスイッチ131が作動(ON)している場合(ステップS228−YES)には、座板スイッチ115の作動を無効にさせる時間をカウントするための座板スイッチ作動無効タイマーのカウントが開始され(ステップS229)、これにより、座板スイッチ115の作動が無効化される、すなわち、座板スイッチ115からの障害物感知信号の入力が無効化される(ステップS230)。
【0222】
このステップS230の後、下限リミットスイッチの作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS231)。
【0223】
このステップS231において、下限リミットスイッチが作動(ON)している場合(ステップS231−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS232)、この後、動作報知部118によるシャッター装置の故障報知が行われ(ステップS233)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0224】
一方、前記ステップS231において、下限リミットスイッチが作動(ON)していない場合(ステップS231−NO)には、[停]スイッチ119Bの作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS234)。
【0225】
このステップS234において、[停]スイッチ119Bが作動(ON)している場合(ステップS234−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS235)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0226】
一方、前記ステップS234において、[停]スイッチ119Bが作動(ON)していない場合(ステップS234−NO)には、座板スイッチ作動無効タイマーの設定時間が経過しているか否かの判定処理が行われる(ステップS236)。
【0227】
このステップS236において、座板スイッチ作動無効タイマーの設定時間が経過している場合(ステップS236−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS235)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0228】
一方、前記ステップS236において、座板スイッチ作動無効タイマーの設定時間が経過していない場合(ステップS236−NO)には、前記ステップS231の判定処理へ戻る。
【0229】
次に、火災発生等の非常時において連動中継器130により実行される扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の流れを図34〜図37のフローチャート図により説明する。
【0230】
図34に示すように、防災信号BS又は非常閉鎖操作部132からの作動信号入力待機状態(ステップS251−NO)となっている連動中継器130に防災信号BSや作動信号が入力された場合(ステップS251−YES)には、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御が開始される(ステップS252)。
【0231】
このステップS252の後、動作報知部118へ作動電力の供給を開始する(ステップS253)。
【0232】
このステップS253の後、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS254)。このステップS254において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS254−NO)には、これにより、動作報知部118による扉体2の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(ステップS255)。
【0233】
一方、前記ステップS254において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS254−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(図35に示すステップS266)。
【0234】
前記ステップS255の後、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS256)。このステップS256において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS256−NO)には、扉体全開保持手段12へ解除電力を電力供給タイマーの設定時間(例えば3秒間)供給する(ステップS257)。
【0235】
一方、前記ステップS256において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS256−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(図35に示すステップS266)。
【0236】
前記ステップS257の後は、ねじりコイルばね16のばね力による扉体2の閉鎖動作が開始される(ステップS258)。また、このステップS258の後、扉体2の閉鎖が所定時間以内に正常に行われた否かを判定するための扉体閉鎖監視タイマーのカウントが開始される(ステップS259)。
【0237】
このステップS259の後、前述したステップS256と同様に、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS260)。このステップS260において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS260−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(ステップS266)。
【0238】
一方、前記ステップS260において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS260−NO)には、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過したか否かの判定処理(ステップS261)が行われる。このステップS261において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過している場合(ステップS261−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(ステップS266)。
【0239】
一方、ステップS261において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過していない場合(ステップS261−NO)には、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS262)。このステップS262において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS262−NO)には、前記ステップS260の処理へ戻る。
【0240】
一方、ステップS262において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS262−YES)には、扉体2の全閉状態が所定時間継続しているか否かを判定するための扉体全閉監視タイマーのカウントが開始される(ステップS263)。
【0241】
このステップS263の後、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過しているか否かの判定処理(ステップS264)が行われる。このステップS264において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過していない場合(ステップS264−NO)には、前記ステップS260の処理へ戻る。
【0242】
一方、ステップS264において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過している場合、すなわち、扉体2の全閉状態が所定時間継続している場合(ステップS264−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(ステップS266)。
【0243】
このステップS266の後、シャッター用自動閉鎖装置134へこのシャッター用自動閉鎖装置134を作動させるための作動信号が入力される(ステップS267)。この作動信号の入力によるシャッター用自動閉鎖装置134の作動で、シャッター用開閉機110ブレーキ112が解除される(ステップS268)。これにより、シャッターカーテン101の閉鎖動作(自重降下)が開始される(ステップS269)。
【0244】
このステップS269の後、座板スイッチ115の作動(ON)の判定処理、すなわち、座板スイッチ115からのシャッター障害物感知信号の入力の判定処理が行われる(ステップS270)。
【0245】
このステップS270において、座板スイッチ115が作動(ON)している場合(ステップS270−YES)には、ディップスイッチの操作により設定された下限停止動作仕様の判定処理、すなわち、下限停止動作仕様が第1仕様である床面押し込み仕様であるかの判定処理が行われる(ステップS271)。
【0246】
なお、座板スイッチ115が作動(ON)することにより、座板スイッチ115からシャッター用自動閉鎖装置134へ障害物感知信号が入力され、これにより、解除状態となっていたシャッター用開閉機110のブレーキ112が復帰状態となるため、シャッターカーテン101の自重降下は停止している。
【0247】
前記ステップS271において、下限停止動作仕様が床面押し込み仕様でない場合、言い換えると、床面停止仕様である場合(ステップS271−NO)には、障害物感知時におけるシャッターカーテン101の動作制御処理(障害物が除去されて座板スイッチ115がOFFとなるまでシャッターカーテン101を停止させ、障害物が除去されて座板スイッチ115がOFFとなった場合には、所定時間後(例えば10秒後)にシャッター用自動閉鎖装置134を再作動させて、シャッターカーテン101を再降下させる)を実行する(ステップS272)。なお、このステップS272の後は、前記ステップS270の判定処理へ戻る。
【0248】
前記ステップS271において、下限停止動作仕様が床面押し込み仕様でない場合(ステップS271−YES)には、停電(商用電源120からの電力供給不可)の判定処理が行われる(ステップS273)。
【0249】
このステップS273において、停電である場合(ステップS273−YES)には、前記ステップS272の処理を実行する。
【0250】
一方、前記ステップS273において、停電でない場合(ステップS272−NO)には、障害物感知時におけるシャッターカーテン101の動作制御処理(停止させたシャッターカーテン101を所定時間(例えば2秒間)反転上昇させた後、障害物が除去されて座板スイッチ115がOFFとなるまでシャッターカーテン101を停止させ、障害物が除去されて座板スイッチ115がOFFとなった場合には、所定時間後(例えば10秒後)にシャッター用自動閉鎖装置134を再作動させて、シャッターカーテン101を再降下させる)を実行する(ステップS274)。なお、このステップS274の後は、前記ステップS270の判定処理へ戻る。
【0251】
前記ステップS270において、座板スイッチ115が作動(ON)してない場合(ステップS270−NO)には、増設リミットスイッチ131の作動(ON)の判定処理、すなわち、増設リミットスイッチ131からの増設下限信号の入力の判定処理が行われる(ステップS275)。
【0252】
このステップS275において、増設リミットスイッチ131が作動(ON)していない場合(ステップS275−NO)には、前記ステップS270の判定処理に戻る。
【0253】
一方、前記ステップS275において、増設リミットスイッチ131が作動(ON)している場合(ステップS275−YES)には、防災盤等へ閉鎖確認信号を入力する(ステップS276)。このステップS276の後、下限停止動作仕様が第1仕様である床面押し込み仕様であるかの判定処理が行われる(ステップS277)。
【0254】
このステップS277において、下限停止動作仕様が床面押し込み仕様である場合(ステップS277−YES)には、座板スイッチ115の作動を無効させる時間をカウントするための座板スイッチ作動無効タイマーのカウントが開始され(ステップS278)、これにより、座板スイッチ115の作動が無効化される、すなわち、座板スイッチ115からの障害物感知信号の入力が無効化される(ステップS279)。
【0255】
このステップS279の後、座板スイッチ作動無効タイマーの設定時間が経過しているか否かの判定処理が行われる(ステップS280)。
【0256】
このステップS280において、座板スイッチ作動無効タイマーの設定時間が経過してない場合(ステップS280−NO)には、このステップS280の判定処理を繰り返す。
【0257】
一方、このステップS280において、座板スイッチ作動無効タイマーの設定時間が経過している場合(ステップS280−YES)には、シャッター用自動閉鎖装置134へ障害物感知信号を入力する(ステップS281)。これにより、シャッター用自動閉鎖装置134は、解除状態となっていたシャッター用開閉機110のブレーキ112を復帰させる(ステップS282)。この結果、シャッターカーテン101の自重による閉鎖動作は停止する(ステップS283)。
【0258】
また、前記ステップS277において、下限停止動作仕様が床面押し込み仕様でない場合(ステップS277−NO)には、座板スイッチ115の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS284)。
【0259】
このステップS284において、座板スイッチ115が作動(ON)していない場合(ステップS284−NO)には、このステップS284を繰り返す。
【0260】
一方、このステップS284において、座板スイッチ115が作動(ON)した場合、すなわち、床7に当接することにより座板スイッチ115が作動した場合(ステップS284−YES)には、前記ステップS281以降の処理を実行し、これにより、シャッターカーテン101の自重による閉鎖動作は停止する。
【0261】
以上説明した本実施形態に係る開閉装置では、非常時において、扉体2とシャッターカーテン101とが連動した閉鎖動作をさせることができるだけでなく、平常時においても、扉体2とシャッターカーテン101とが連動した閉鎖動作をさせることができる。
【0262】
図38は、第5の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。また、図39及び図40は、図18及び図19と同様に本実施形態に係る開閉装置を構成する主要な装置のブロック線図であり、図39は、平常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものであり、図40は、火災発生時等の非常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものである。
【0263】
図38に示すように、本実施形態に係る開閉装置では、前述した第3及び第4の実施形態と同様に、開閉体は、1個の扉体2と1個のシャッターカーテン101とで構成されている。
【0264】
本実施形態では、図38に示すように、扉体2に対して少なくとも開放動作方向(図38に示す矢印B方向)への回転駆動力を付与するための駆動装置となっている扉体用開閉機210が備えられている。図39及び図40に示すように、モータ211とブレーキ212からなる扉体用開閉機210は、前述した第3及び第4の実施形態と本実施形態に備えられているシャッター用開閉機110と同様の機能、構造を有する。
【0265】
また、本実施形態では、扉体用開閉機210を制御するための扉体用自動閉鎖装置241、扉体用開閉機制御盤242、開閉限リミットスイッチ240が備えられているが、これらは、前述した第3及び第4の実施形態と本実施形態に備えられているシャッター用自動閉鎖装置134、シャッター用開閉機制御盤113、上下限リミットスイッチ122と同様の機能、構造を有するものである。
【0266】
また、図39及び図40に示すように、本実施形態に係る開閉装置では、扉体2の開放動作中に、この扉体2の開放動作方向(図38に示す矢印B方向)に存在する障害物を感知するための赤外線センサ方式の扉体用障害物感知装置245も備えられている。この扉体用障害物感知装置245は、図38に示されているように、扉体収納部6Aの上方の壁6に設けられている
図41は、図38のS41−S41線断面図であり、図42は、図41のS42−S42線矢視図である。
【0267】
図41に示すように、扉体用開閉機210は、壁等の建物躯体6に取り付けられたブラケット205にビス等の止着具で固定されている。また、図42に示すように、軸方向が水平方向となっている第1かさ歯車224の軸部224Aがブラケット205で回転自在に支持されており、この第1かさ歯車224と噛み合い、軸方向が垂直方向となっている第2かさ歯車226の軸部227もブラケット205に回転自在に支持されている。
【0268】
扉体用開閉機210のモータ211の図示しない駆動軸の回転力は、この駆動軸に取り付けられた図41に示す駆動スプロケットホイール221と、第1かさ歯車224の軸部224Aが取り付けられた被動スプロケットホイール222と、これらのスプロケットホイール221,222の間に架け渡された無端ローラチェーン223とによる駆動力伝達手段を経て第2かさ歯車226に伝達される(図42参照)。
【0269】
図41及び図42に示すように、第2かさ歯車226の軸部226Aは、水平方向への長さを有するアーム部材228に連結部材227を介して連結されている。そして、アーム部材228は、扉体2の扉体本体3の上端部に取付部材229により取り付けられている。
【0270】
このため、本実施形態では、扉体2は、扉体用開閉機210のモータ211の駆動軸の回転力で回動自在となっており、第2かさ歯車226の軸部226Aが、扉体2の回動軸となっている。
【0271】
本実施形態では、扉体2の開放動作は、扉体用開閉機210のモータ211の駆動力で行われ、すなわち、扉体2の開放動作は電動で行われる。開放動作していた扉体2が全開位置に達すると、開閉限リミットスイッチ240のうちの開放限リミットスイッチが作動(ON)し、扉体用開閉機制御盤242によるモータ211の駆動停止、ブレーキ212の復帰が行われる。これにより、扉体用開閉機210のモータ211の駆動軸は、この扉体用開閉機210のブレーキ212の制動力により回転しないため、扉体2の回動は阻止される。これにより、扉体2の全開状態は、扉体用開閉機210のブレーキ212で保持される。
【0272】
このため、本実施形態では、扉体用開閉機210のブレーキ212は、扉体2を全開状態に保持するための扉体全開保持手段となっている。そして、扉体用開閉機210のブレーキ212は、扉体2の回動軸である第2かさ歯車226の軸部226Aの回動を阻止するための回動軸回動阻止手段となっている。
【0273】
このため、本実施形態では、図38及び図39から分かるように、前述した各実施形態に備えられていた扉体2の全開保持状態を保持するための扉体全開保持手段12は備えられていない。
【0274】
なお、本実施形態では、扉体用障害物感知装置133は、図38に示すように、扉体2が全閉位置に達したときにアーム部材228が当接するストッパ部232(図41及び図42も参照)に設けられている。
【0275】
次に、平常時において連動中継器130により実行される扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の流れを図43〜図46のフローチャート図により説明する。
【0276】
図43に示すように、操作待機状態(ステップS301−NO)となっている電動開閉操作部119の[閉]スイッチ119Cが管理者により操作されて作動(ON)した場合、すなわち、電動開閉操作部119から連動中継器130へ扉体2を閉鎖動作させるための閉信号(閉鎖指示信号)が入力された場合(ステップS301−YES)には、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御が開始される(ステップS302)。
【0277】
このステップS302の後、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS303)。このステップS303において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS303−NO)には、動作報知部118へ作動電力の供給を開始する(ステップS304)。これにより、動作報知部118による扉体2の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(ステップS305)。
【0278】
一方、前記ステップS303において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS303−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の開始指示を行う(図45に示すステップS321)。
【0279】
前記ステップS305の後、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS306)。このステップS306において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS306−NO)には、扉体用自動閉鎖装置241への作動信号の入力を開始する(ステップS307)。これにより、オン(復帰)状態となっていた扉体用開閉機210のブレーキ212が解除される(ステップS308)。これにより、扉体用開閉機210のブレーキ212により回動が阻止されていた扉体2の回動軸は回動自在となる。すなわち、扉体2の開閉動作が可能となる。
【0280】
一方、前記ステップS306において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS306−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS312)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。なお、ステップS312より前において、シャッター用開閉機制御盤113はシャッターカーテン101の閉鎖動作制御を行っているが、シャッター用開閉機110は電力未供給で動作待機状態となっている。
【0281】
前記ステップS308の後は、扉体2の閉鎖が所定時間以内に正常に行われた否かを判定するための扉体閉鎖監視タイマーのカウントが開始される(ステップS309)。また、このステップS309の後、ねじりコイルばね16のばね力による扉体2の閉鎖動作が開始される(ステップS310)。
【0282】
このステップS310の後、前述したステップS306と同様に、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS311)。このステップS311において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS311−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS312)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。なお、前述したように、ステップS312より前において、シャッター用開閉機制御盤113はシャッターカーテン101の閉鎖動作制御を行っているが、シャッター用開閉機110は電力未供給で動作待機状態となっている。
【0283】
一方、前記ステップS311において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS311−NO)には、電動開閉操作部119の[停]スイッチ119Bの作動(ON)(停信号の入力)の判定処理が行われる(ステップS313)。このステップS313において、[停]スイッチ119Bが作動した場合(ステップS313−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS312)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。なお、ステップS312より前において、シャッター用開閉機制御盤113はシャッターカーテン101の閉鎖動作制御を行っているが、シャッター用開閉機110は電力未供給で動作待機状態となっている。
【0284】
一方、ステップS313において、[停]スイッチ119Bが作動していない場合(ステップS313−NO)には、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過したか否かの判定処理(ステップS314)が行われる。このステップS314において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過している場合(ステップS314−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の停止指示を実行し(ステップS312)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御は終了する。
【0285】
一方、ステップS314において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過していない場合(ステップS314−NO)には、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップ315)。このステップS315において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS315−NO)には、前記ステップS311の処理へ戻る。
【0286】
一方、ステップS315において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS315−YES)には、扉体2の全閉状態が所定時間継続しているか否かを判定するための扉体全閉監視タイマーのカウントが開始される(ステップS316)。
【0287】
このステップS316の後、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過しているか否かの判定処理(ステップS317)が行われる。このステップS317において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過していない場合(ステップS317−NO)には、前記ステップS311の処理へ戻る。
【0288】
一方、ステップS317において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過している場合、すなわち、扉体2の全閉状態が所定時間継続している場合(ステップS317−YES)には、扉体用自動閉鎖装置241への作動信号の入力が停止される(ステップS318)。また、扉体全閉感知スイッチ82からの全閉感知信号が扉体用自動閉鎖装置241へ入力され、扉体用自動閉鎖装置241は元の状態に復帰する(ステップS319)。これにより、扉体用開閉機210のブレーキ212が復帰(ON)する(ステップS320)。
【0289】
なお、このステップS320よりも後のステップS321以降の処理は、前述した第4の実施形態における図31のフローチャート図のステップS217以降の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0290】
次に、平常時において連動中継器130により実行される扉体2及びシャッターカーテン101の開放動作制御の流れを図47〜図49のフローチャート図により説明する。
【0291】
図47に示すように、操作待機状態(ステップS351−NO)となっている電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aが管理者により操作されて作動(ON)した場合、すなわち、電動開閉操作部119から連動中継器130へ扉体2を開放動作させるための開信号(開放指示信号)が入力された場合(ステップS351−YES)には、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の開放動作制御が開始される(ステップS352)。
【0292】
このステップS352の後、動作報知部118へ作動電力の供給を開始する(ステップS353)。
【0293】
このステップS353の後、上下限リミットスイッチ122のうちの上限リミットスイッチの作動(ON)の判定処理、すなわち、上限リミットスイッチからのシャッター上限信号の入力の判定処理が行われる(ステップS354)。
【0294】
このステップS354において、上限リミットスイッチが作動(ON)していない場合(ステップS354−NO)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の開放動作制御の開始指示を行う(ステップS355)。
【0295】
一方、前記ステップS354において、上限リミットスイッチが作動(ON)している場合(ステップS354−YES)には、動作報知部118による扉体2の開放動作を事前報知する処理が開始される(図48に示すステップS368)。
【0296】
前記ステップS355の後、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS356)。このステップS356において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS356−NO)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の開放動作制御の停止指示を実行し(ステップS357)、動作報知部118への作動電力の供給を停止し(ステップS358)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の開放動作制御は終了する。
【0297】
一方、前記ステップS356において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS356−YES)には、扉体2の全閉状態が所定時間継続しているか否かを判定するための扉体全閉監視タイマーのカウントが開始される(ステップS359)。
【0298】
このステップS359の後、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過しているか否かの判定処理(ステップS360)が行われる。このステップS360において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過していない場合(ステップS360−NO)には、前記ステップS356の処理へ戻る。
【0299】
一方、ステップS360において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過している場合、すなわち、扉体2の全閉状態が所定時間継続している場合(ステップS360−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の開放動作を事前報知する処理が開始される(ステップS361)。この後、シャッターカーテン101の電動上昇(開放動作)が開始される(ステップS362)。
【0300】
このステップS362の後、電動開閉操作部119の[停]スイッチ119Bの作動(ON)(停信号の入力)の判定処理が行われる(ステップS363)。このステップS363において、[停]スイッチ119Bが作動した場合(ステップS363−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の開放動作制御の停止指示を実行し(ステップS364)、動作報知部118への作動電力の供給を停止し(ステップS365)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の開放動作制御は終了する。
【0301】
一方、前記ステップS363において、電動開閉操作部119の[停]スイッチ119Bが作動(ON)していない場合(ステップS363−NO)には、上限リミットスイッチの作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS366)。
【0302】
このステップS366において、上限リミットスイッチが作動(ON)していない場合(ステップS365−NO)には、前記ステップS363の判定処理へ戻る。
【0303】
一方、前記ステップS366において、上限リミットスイッチが作動(ON)している場合(ステップS366−YES)には、シャッター用開閉機制御盤113へシャッターカーテン101の開放動作制御の停止指示を行う(ステップS367)。このステップS367の後、動作報知部118による扉体2の開放動作を事前報知する処理が開始される(ステップS368)。
【0304】
このステップS368の後、扉体用開閉機制御盤242へ扉体2の開放動作制御の開始指示を行う(ステップS369)。これにより、扉体2の電動開放が開始される(ステップS370)。
【0305】
このステップS370の後、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS371)。このステップS371において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS371−YES)には、扉体用開閉機制御盤242へ扉体2の開放動作制御の停止指示を実行し(ステップS374)、動作報知部118への作動電力の供給を停止し(ステップS375)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の開放動作制御は終了する。
【0306】
一方、前記ステップ371において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS371−NO)には、電動開閉操作部119の[停]スイッチ119Bの作動(ON)(停信号の入力)の判定処理が行われる(ステップS372)。このステップS372において、[停]スイッチ119Bが作動した場合(ステップS372−YES)には、前記ステップS374以降の処理が行われる。
【0307】
一方、前記ステップ372において、[停]スイッチ119Bが作動していない場合(ステップS372−NO)には、扉体用開閉機210に設けられている扉体開閉限リミットスイッチ240のうちの開放限リミットスイッチの作動(ON)(開放限信号の入力)の判定処理が行われる(ステップS373)。このステップS373において、開放限リミットスイッチが作動していない場合(ステップS373−NO)には、前記ステップS371の判定処理に戻る。
【0308】
一方、前記ステップS373において、開放限リミットスイッチが作動している場合(ステップS373−YES)には、扉体用開閉機制御盤242へ扉体2の開放動作制御の停止指示を実行し(ステップS374)、動作報知部118への作動電力の供給を停止し(ステップS375)、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の開放閉鎖動作制御は終了する。
【0309】
次に、火災発生等の非常時において連動中継器130により実行される扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御の流れを図50〜図53のフローチャート図により説明する。
【0310】
図50に示すように、防災信号BS又は非常閉鎖操作部132からの作動信号入力待機状態(ステップS401−NO)となっている連動中継器130に防災信号BSや作動信号が入力された場合(ステップS401−YES)には、連動中継器130による扉体2及びシャッターカーテン101の閉鎖動作制御が開始される(ステップS402)。
【0311】
このステップS402の後、動作報知部118へ作動電力の供給を開始する(ステップS403)。
【0312】
このステップS403の後、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS404)。このステップS404において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS404−NO)には、これにより、動作報知部118による扉体2の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(ステップS405)。
【0313】
一方、前記ステップS404において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS404−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(図52に示すステップS420)。
【0314】
前記ステップ405の後、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS406)。このステップS406において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS406−NO)には、扉体用自動閉鎖装置241への作動信号の入力を開始する(ステップS407)。これにより、オン(復帰)状態となっていた扉体用開閉機210のブレーキ212が解除される(ステップS408)。これにより、扉体用開閉機210のブレーキ213により回動が阻止されていた扉体2の回動軸は回動自在となる。すなわち、扉体2の閉鎖動作が可能となる。
【0315】
一方、前記ステップS406において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS406−YES)には、動作報知部118によるシャッターカーテン101の閉鎖動作を事前報知する処理が開始される(図52に示すステップS420)。
【0316】
前記ステップS408の後は、ねじりコイルばね16のばね力による扉体2の閉鎖動作が開始される(ステップS409)。また、このステップS409の後、扉体2の閉鎖が所定時間以内に正常に行われた否かを判定するための扉体閉鎖監視タイマーのカウントが開始される(ステップS410)。
【0317】
このステップS410の後、前述したステップS406と同様に、扉体用障害物感知装置133の作動の判定処理が行われる(ステップS411)。このステップS411において、扉体用障害物感知装置133が作動している場合(ステップS411−YES)には、扉体用自動閉鎖装置241への作動信号の入力が停止される(ステップS416)。
【0318】
一方、前記ステップS411において、扉体用障害物感知装置133が作動していない場合(ステップS411−NO)には、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過したか否かの判定処理(ステップS412)が行われる。このステップS412において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過している場合(ステップS412−YES)には、扉体用自動閉鎖装置241への作動信号の入力が停止される(ステップS416)。
【0319】
一方、ステップS412において、扉体閉鎖監視タイマーの設定時間が経過していない場合(ステップS412−NO)には、扉体全閉感知スイッチ82の作動(ON)の判定処理が行われる(ステップS413)。このステップS413において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していない場合(ステップS413−NO)には、前記ステップS411の処理へ戻る。
【0320】
一方、ステップS413において、扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)している場合(ステップS413−YES)には、扉体2の全閉状態が所定時間継続しているか否かを判定するための扉体全閉監視タイマーのカウントが開始される(ステップS414)。
【0321】
このステップS414の後、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過しているか否かの判定処理(ステップS415)が行われる。このステップS415において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過していない場合(ステップS415−NO)には、前記ステップS411の処理へ戻る。
【0322】
一方、ステップS415において、扉体全閉監視タイマーで設定された時間が経過している場合、すなわち、扉体2の全閉状態が所定時間継続している場合(ステップS415−YES)には、扉体用自動閉鎖装置241への作動信号の入力が停止される(ステップS416)。
【0323】
このステップS416の後、扉体用開閉機210のブレーキ212を復帰させるための復帰信号が、扉体用自動閉鎖装置241へ入力され(ステップS417)、これにより、扉体用開閉機210のブレーキ212が復帰する(ステップS418)。
【0324】
なお、図51に示すステップS418よりも後のステップS420(図52参照)以降の処理は、前述した第4の実施形態における図35のフローチャート図のステップS266以降の処理と同じであるので、説明を省略する。
【0325】
以上説明した本実施形態では、扉体2の開放動作は電動で行われ、このため、管理者が扉体2を開放動作するという労力がなくなり、それだけ人件費を削減することができる。
【0326】
図54は、前述した第5の実施形態における扉体用開閉機210のモータ211の駆動軸の回転力が伝達される第2かさ歯車226と扉体2との連結構造の別実施形態を示す図42と同様の図である。
【0327】
この図54に示されている実施形態は、扉体2に結合された軸部材250と、第2かさ歯車226の軸部226Aと、をカップリング251で連結するものである。
【0328】
図55は、第6の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。また、図56及び図57は、図18及び図19と同様に本実施形態に係る開閉装置を構成する主要な装置のブロック線図であり、図56は、平常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものであり、図57は、火災発生時等の非常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものである。
【0329】
図55に示されているように、本実施形態に係る開閉装置では、開閉体は、1個のシャッターカーテン101と、このシャッターカーテン101の幅方向の両端部に並設された2個の扉体2,2´とで構成されており、それぞれの扉体の全開状態を保持するための扉体全開保持手段12,12´は、前述した各実施形態と同様のものとなっている。また、本実施形態に係る開閉装置では、図56及び図57に示すように、各扉体用の扉体全閉感知スイッチ82,82´や扉体用障害物感知装置133,133´が備えられている。
【0330】
本実施形態における連動中継器130により実行される閉鎖動作制御は、概ね前述した第4の実施形態と同じであるが、本実施形態では、シャッターカーテン101の開閉動作は、このシャッターカーテン101の幅方向の両端部が2個の扉体2,2´に設けられたガイド部である溝部3Fで案内されて行われるため、まず2個の扉体2,2´の閉鎖動作を開始(同時でもよく、あるいは時間差を置いてもよい)させ、これらの扉体2,2´の両方が全閉位置に達した(扉体全閉感知スイッチ82,82´の両方が作動(ON)した後に、シャッターカーテン101を閉鎖動作させる必要がある。なお、2個の扉体2,2´の閉鎖動作の開始は、シャッターカーテン101が全開位置に達している(上限リミットスイッチが作動(ON)している)ことが前提となる。
【0331】
図58は、第7の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。また、図59及び図60は、図18及び図19と同様に本実施形態に係る開閉装置を構成する主要な装置のブロック線図であり、図59は、平常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものであり、図60は、火災発生時等の非常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものである。
【0332】
図58に示されているように、本実施形態に係る開閉装置では、開閉体は、前述の第6の実施形態と同様に、1個のシャッターカーテン101と、このシャッターカーテン101の幅方向の両端部に並設された2個の扉体2,2´とで構成されている。また、本実施形態に係る開閉装置では、図59及び図60に示すように、各扉体用の扉体用開閉機210,210、扉体用開閉機制御盤242、242´、扉体用自動閉鎖装置241,241´、開閉限リミットスイッチ240,240´、扉体全閉感知スイッチ82,82´、扉体用障害物感知装置133,133´、扉体用障害物感知装置245,245´が備えられている。
【0333】
前述したように、扉体用開閉機210(扉体用開閉機210´も同様)のモータ211(モータ211´も同様)の図示しない駆動軸の回転力は、この駆動軸に取り付けられた図40に示す駆動スプロケットホイール221と、第1かさ歯車224の軸部224Aが取り付けられた被動スプロケットホイール222と、これらのスプロケットホイール221,222の間に架け渡された無端ローラチェーン223とによる駆動力伝達手段を経て第2かさ歯車226に伝達される(図42参照)。
【0334】
図41及び図42に示すように、第2かさ歯車226の軸部226Aは、水平方向への長さを有するアーム部材228に連結部材227を介して連結されている。そして、アーム部材228は、扉体2(扉体2´も同様)の扉体本体3の上端部に取付部材229により取り付けられている。
【0335】
このため、本実施形態では、前述した第5の実施形態と同様に、扉体2,2´は、扉体用開閉機210,210´のモータ211,211´の駆動軸の回転力で回動自在となっている。
【0336】
開放動作していた扉体2,2´が全開位置に達すると、扉体用開閉機210,210´のモータ211,211´の駆動軸は、この扉体用開閉機210,210´のブレーキ212,212´の制動力により回転しないため、扉体2,2´の回動は阻止される。これにより、扉体2、2´の全開状態は、扉体用開閉機210,210´のブレーキ212,212´で保持される。このため、本実施形態では、扉体用開閉機210,210´のブレーキ212,212´は、扉体2を全開状態に保持するための扉体全開保持手段となっている。
【0337】
本実施形態における連動中継器130により実行される閉鎖動作制御は、概ね前述した第5の実施形態と同じであるが、本実施形態では、前述の第6の実施形態と同様に、シャッターカーテン101の開閉動作は、このシャッターカーテン101の幅方向の両端部が2個の扉体2,2´に設けられたガイド部である溝部3Fで案内されて行われるため、まず2個の扉体2,2´の閉鎖動作を開始(同時でもよく、あるいは時間差を置いてもよい)させ、これらの扉体2,2´の両方が全閉位置に達した(扉体全閉感知スイッチ82,82´の両方が作動(ON)した後に、シャッターカーテン101を閉鎖動作させる必要がある。なお、2個の扉体2,2´の閉鎖動作の開始は、シャッターカーテン101が全開位置に達している(上限リミットスイッチが作動(ON)している)ことが前提となる。
【0338】
図61は、第8の実施形態に係る開閉装置の全体正面図である。この図61に示されているように、本実施形態に係る開閉装置を構成する開閉体は、1個の扉体2と2個のシャッターカーテン101,101´となっている。
【0339】
2個のシャッターカーテン101,101´のうちの一方のシャッターカーテン101は、扉体2の幅方向に並設されるものである。また、2点鎖線で一部が示されている他方のシャッターカーテン101´は、扉体2に対して直角に配置されるものである。言い換えると、シャッターカーテン101´は、このシャッターカーテン101´と扉体2同士が直交するように配置されるものである。
【0340】
なお、図61は、扉体2が全閉位置に達した後、シャッターカーテン101,101´(1点鎖線で示す)が矢印H方向(下方向)へ閉鎖動作している途中を示すものである。なお、図61では、シャッターカーテン101´を制御する装置類、配線の表示は省略している。
【0341】
図62は、図61の平面レイアウト図を簡略化して示した図であり、1個の扉体2と2個のシャッターカーテン101,101´を簡略化して示した図である。図62から分かるように、本実施形態に係る開閉装置は、主として、火災発生時等の非常時において、1個の扉体と2個のシャッターカーテン101,101´により防災区画を形成するための開閉装置となっている。なお、図62に示すように、扉体2の閉鎖動作方向はA方向であり、開放動作方向はB方向である(後述の図65及び図66の実施形態も同様)。
【0342】
この図62に示すように、本実施形態では、扉体2の幅方向に並設されるシャッターカーテン101の開閉動作は、2個のガイド部により案内されるものであり、2個のガイド部のうちの一方は、扉体2の扉体本体3の幅方向の両端部のうちのシャッターカーテン101側の端部に形成された溝部3Fとなっており、シャッターカーテン101側へ開口したこの溝部3Fは、扉体本体3の長さ方向(上下方向)全長に渡って形成されている。2個のガイド部のうちの他方は、シャッターカーテン101の幅方向の両端部のうちの扉体2側の端部とは反対側の端部が対向する壁6の凹部に立設されたガイドレール61の溝部61Aとなっている。なお、この溝部61Aを有するガイド部材であるガイドレール61は、床7からまぐさ102の高さ位置までの上下方向の長さを有している。これらの溝部3F,61Aは、シャッターカーテン101の幅方向の端部がスライド自在に挿入されるものとなっている。
【0343】
このため、シャッターカーテン101の開閉動作は、シャッターカーテン101の幅方向の両端部のうちの一方の端部が、全開位置に達した状態の扉体2の扉体本体3に形成された溝部3Fに案内され、他方の端部は、壁6の凹部に立設されたガイドレール61の溝部61Aに案内されながら行われる。
【0344】
また、図62に示すように、本実施形態では、扉体2に対して直角に配置されるシャッターカーテン101´の開閉動作も、2個のガイド部により案内されるものであり、2個のガイド部のうちの一方は、扉体2の扉体本体3の幅方向の両端部のうちのシャッターカーテン101側の端部であって、シャッターカーテン101´と対向する側の面に形成された溝部3Gとなっており、シャッターカーテン101´側へ開口したこの溝部3Gは、扉体本体3の長さ方向(上下方向)全長に渡って形成されている。2個のガイド部のうちの他方は、シャッターカーテン101´の幅方向の両端部のうちの扉体2側の端部とは反対側の端部が対向する壁6の凹部に立設されたガイドレール62の溝部62Aとなっている。なお、この溝部62Aを有するガイド部材であるガイドレール62は、床7からまぐさ102の高さ位置までの上下方向の長さを有している。これらの溝部3G,62Aは、シャッターカーテン101´の幅方向の端部がスライド自在に挿入されるものとなっている。
【0345】
このため、シャッターカーテン101´の開閉動作は、シャッターカーテン101´の幅方向の両端部のうちの一方の端部が、全開位置に達した状態の扉体2の扉体本体3に形成された溝部3Gに案内され、他方の端部は、壁6の凹部に立設されたガイドレール62の溝部62Aに案内されながら行われる。
【0346】
図63及び図64は、図18及び図19と同様に本実施形態に係る開閉装置を構成する主要な装置のブロック線図であり、図63は、平常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものであり、図64は、火災発生時等の非常時において動作する装置間を流れる信号を矢印付の実線で示したものである。
【0347】
図63に示すように、本実施形態では、連動中継器は、連動中継器130,130´の2個あり、連動中継器130は、シャッターカーテン101を開閉動作するために、シャッター用開閉機制御盤113、シャッター用開閉機110、増設リミットスイッチ131、上下限リミットスイッチ122、シャッター用自動閉鎖装置134、扉体全閉感知スイッチ82等の間で信号の受け渡しを行う。一方、連動中継器130´は、シャッターカーテン101´を開閉動作するために、シャッター用開閉機制御盤113´、シャッター用開閉機110´、増設リミットスイッチ131´、上下限リミットスイッチ122、シャッター用自動閉鎖装置134´、扉体全閉感知スイッチ82等の間で信号の受け渡しを行う。
【0348】
前述したように、2個のシャッターカーテン101,101´の開閉動作を案内するための2個のガイド部の一方は、扉体2に設けられている。
【0349】
したがって、本実施形態では、非常時(平常時においても同様)におけるこれらのシャッターカーテン101、101´の閉鎖動作は、扉体2が先に全閉位置に達している(全閉状態が保持されている)ことが前提条件となる。すなわち、扉体2が全閉位置に達することにより図63及び図64に示す扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)していることが前提条件となる。
【0350】
このため、本実施形態では、扉体2が図62に示す矢印A方向へ閉鎖動作を開始した後、この扉体2が全閉位置に達することにより扉体全閉感知スイッチ82が作動(ON)し、この扉体全閉感知スイッチ82からの扉体全閉信号が、連動中継器130.130´のそれぞれに入力される。これにより、連動中継器130,130´からシャッター用自動閉鎖装置134,134´へ作動信号が入力され、この作動信号が入力されたシャッター用自動閉鎖装置134によるシャッター用開閉機110,110´のブレーキ112,112´が解除される。この結果、シャッターカーテン101,101´の自重降下が開始する。
【0351】
なお、2個のシャッターカーテン101,101´の閉鎖動作の順序は関係なく、同時に閉鎖動作を開始させてもよく、どちらか一方を先に、すなわち、時間差をおいて閉鎖動作を開始させてもよい。
【0352】
図65は、扉体2とシャッターカーテン101,101´の配置位置(平面レイアウト)の変形例を示す図62と同様の平面レイアウト図である。この第1変形例が図62の実施形態と異なるのは、扉体2がシャッターカーテン101,101´の側とは反対の側に配置されて開閉動作を行う点だけである。
【0353】
図66は、扉体2とシャッターカーテン101,101´の配置位置(平面レイアウト)のさらなる変形例を示す図62と同様の平面レイアウト図である。この第2変形例は、2個のシャッターカーテン101,101´の両方が、扉体2に対して直角に配置されるものである。
【0354】
この第2変形例では、シャッターカーテン101の開閉動作を案内する2個のガイド部のうちの一方は、扉体2の扉体本体3の幅方向の両端部のうちのシャッターカーテン101側の端部であって、シャッターカーテン101と対向する側の面に形成された前記溝部3Gとなっている。なお、シャッターカーテン101の開閉動作を案内する2個のガイド部のうちの他方は、前述したガイドレール61の溝部61Aとなっている。
【0355】
これと同様に、シャッターカーテン101´の開閉動作を案内する2個のガイド部のうちの一方は、扉体2の扉体本体3の幅方向の両端部のうちのシャッターカーテン101´側の端部であって、シャッターカーテン101´と対向する側の面に形成された溝部3Hとなっている。なお、シャッターカーテン101´の開閉動作を案内する2個のガイド部のうちの他方は、前述したガイドレール62の溝部62Aとなっている。
【0356】
なお以上説明した図61〜図64、図65、図66の各実施形態において、扉体2の開放動作は、2個のシャッターカーテン101,101´が先に全開位置に達している(全開状態が保持されている)ことが前提条件となる。すなわち、シャッターカーテン101,101´が全開位置に達することにより上下限リミットスイッチ122,122´の上限リミットスイッチが作動(ON)していることが前提条件となる。
【0357】
このため、図61〜図64、図65、図66の各実施形態では、電動開閉操作部119の[開]スイッチ119Aが操作され、シャッターカーテン101,101´が上方向への開放動作を開始した後、シャッターカーテン101,101´が全閉位置に達することにより上下限リミットスイッチ122,122´のうちの上限リミットスイッチが作動(ON)し、この上限リミットスイッチからのシャッター全開信号が連動中継器130,130´のそれぞれに入力される。これにより、連動中継器130,130´から扉体用開閉機制御盤242へ扉体開放指示信号が入力される。扉体用開閉機制御盤242では、連動中継器130,130´両方からの扉体開放指示信号が入力されたとき、扉体用開閉機210のモータ211へ駆動電力、ブレーキ212へ解除電力を入力する。これにより、扉体2は、図62に示す矢印B方向への電動による開放動作を開始する。
【0358】
以上説明した第8の実施形態(図61〜図64、図65、図66の各実施形態)に係る開閉装置は、複数のシャッターカーテンを扉体(袖扉)の幅方向に並設できない現場(設置場所)にも設置することができる。すなわち、第8の実施形態によると、様々な現場の納まりニーズに対応することが可能となる。
【0359】
なお、以上説明した第8の実施形態では、連動中継器は、2個のシャッターカーテン101,101´の動作を個別に制御できるように2個設けたが、連動中継器は、2個のシャッターカーテン101,101´共用の1個の連動中継器としてもよい。
【0360】
なお、以上説明した各実施形態において、扉体全閉感知スイッチの作動の有無にかかわらずにシャッターカーテンを電動開閉できるメンテナンスモードを備えてもよい。
【0361】
なお、以上説明した各実施形態において、扉体の閉鎖動作時や開放動作時の障害物の感知する扉体用障害物感知装置は省略することも可能である。その場合には、扉体の開閉動作時の障害物に対する安全策を講じることが好ましい。
【0362】
また、以上説明した各実施形態において、動作報知部も省略することも可能である。
【0363】
なお、以上説明した各実施形態において、防災信号BS(作動信号)におけるDC24Vとは、信号送出側(送信側)から供給されるもの(信号送出側の有電圧信号出力)や、信号受入側(受信側)から供給されるもの(信号送出側の無電圧接点信号出力)も含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0364】
本発明は、空間を仕切るための少なくとも1個の扉体で構成された扉装置や、少なくとも1個の扉体と少なくとも1個のシャッターカーテンを備えた扉体(袖扉)付シャッター装置等に利用することができる。
【符号の説明】
【0365】
2,2´ 扉体
3F,3G,3H ガイド部である溝部
6A 扉体収納部
10 係止部であるピン部材
12 扉体全開保持手段
14 被係止部であるラッチ部材
15 ラッチ機構である係止保持機構
16 付勢手段であるねじりコイルばね
18 第1解除信号入力手段である感知器
19 第1解除信号入力手段である防災センター操作盤
20 第2解除信号入力手段である扉体手動閉鎖操作部の[閉]スイッチ
101、101´ シャッターカーテン
112,112´ 回動軸回動阻止手段である扉体用開閉機のブレーキ
113 開閉制御手段であるシャッター用開閉機制御盤
119C 第2解除信号入力手段である電動開閉操作部の[閉]スイッチ
130 開閉制御手段である連動中継器
132A 第1解除信号入力手段である非常閉鎖操作部の作動スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を仕切るための少なくとも1個の扉体で構成された開閉体と、前記扉体を全開状態に保持するための扉体全開保持手段と、火災発生等の非常時に前記扉体全開保持手段による前記扉体の全開保持状態を解除するための非常時扉体全開保持状態解除手段と、平常時に前記扉体全開保持手段による前記扉体の全開保持状態を解除するための平常時扉体全開保持状態解除手段と、備えていることを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉装置において、前記非常時扉体全開保持状態解除手段は、前記扉体全開保持手段による前記扉体の全開保持状態を解除するための第1解除信号を前記扉体全開保持手段へ入力する第1解除信号入力手段であり、前記平常時扉体全開保持状態解除手段は、前記扉体全開保持手段による前記扉体の全開保持状態を解除するための第2解除信号を前記扉体全開保持手段へ入力する第2解除信号入力手段であることを特徴とする開閉装置。
【請求項3】
請求項2に記載の開閉装置において、前記第1解除信号は、少なくとも防災信号であり、前記第2解除信号は、前記扉体全開保持手段を操作するための操作手段からの操作信号であることを特徴とする開閉装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の開閉装置において、前記扉体は回動軸を中心に回動自在となっており、全開保持状態の解除により前記扉体に対して閉鎖動作方向への付勢力を付与する付勢手段を備えていることを特徴とする開閉装置。
【請求項5】
請求項4に記載の開閉装置において、前記扉体全開保持手段は、前記扉体の前記回動軸の回動を阻止するための回動軸回動阻止手段であることを特徴とする開閉装置。
【請求項6】
請求項4に記載の開閉装置において、前記扉体全開保持手段は、前記扉体を収納するための扉体収納部に設けられ、前記扉体に設けられた係止部が係止する被係止部を有するラッチ機構であることを特徴とする開閉装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の開閉装置において、前記開閉体は、少なくとも1個の前記扉体と、少なくとも1個のシャッターカーテンと、を含んで構成されていることを特徴とする開閉装置。
【請求項8】
請求項7に記載の開閉装置において、前記扉体と前記シャッターカーテンとを連動して開閉動作させるための開閉制御手段を備えていることを特徴とする開閉装置。
【請求項9】
請求項8に記載の開閉装置において、前記シャッターカーテンの開閉動作方向は上下方向であって下方向が閉鎖動作方向となっており、前記扉体の幅方向の端部には、前記シャッターカーテンの開閉動作を案内するためのガイド部が前記幅方向と直交する方向である長さ方向略全長に渡って形成されており、前記開閉制御手段は、前記扉体が全閉位置まで閉鎖動作した後に前記シャッターカーテンの閉鎖動作を開始させる制御を実行し、前記シャッターカーテンが全開位置まで開放動作した後に前記扉体の開放動作を開始させる制御を実行することを特徴とする開閉装置。
【請求項1】
空間を仕切るための少なくとも1個の扉体で構成された開閉体と、前記扉体を全開状態に保持するための扉体全開保持手段と、火災発生等の非常時に前記扉体全開保持手段による前記扉体の全開保持状態を解除するための非常時扉体全開保持状態解除手段と、平常時に前記扉体全開保持手段による前記扉体の全開保持状態を解除するための平常時扉体全開保持状態解除手段と、備えていることを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
請求項1に記載の開閉装置において、前記非常時扉体全開保持状態解除手段は、前記扉体全開保持手段による前記扉体の全開保持状態を解除するための第1解除信号を前記扉体全開保持手段へ入力する第1解除信号入力手段であり、前記平常時扉体全開保持状態解除手段は、前記扉体全開保持手段による前記扉体の全開保持状態を解除するための第2解除信号を前記扉体全開保持手段へ入力する第2解除信号入力手段であることを特徴とする開閉装置。
【請求項3】
請求項2に記載の開閉装置において、前記第1解除信号は、少なくとも防災信号であり、前記第2解除信号は、前記扉体全開保持手段を操作するための操作手段からの操作信号であることを特徴とする開閉装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の開閉装置において、前記扉体は回動軸を中心に回動自在となっており、全開保持状態の解除により前記扉体に対して閉鎖動作方向への付勢力を付与する付勢手段を備えていることを特徴とする開閉装置。
【請求項5】
請求項4に記載の開閉装置において、前記扉体全開保持手段は、前記扉体の前記回動軸の回動を阻止するための回動軸回動阻止手段であることを特徴とする開閉装置。
【請求項6】
請求項4に記載の開閉装置において、前記扉体全開保持手段は、前記扉体を収納するための扉体収納部に設けられ、前記扉体に設けられた係止部が係止する被係止部を有するラッチ機構であることを特徴とする開閉装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の開閉装置において、前記開閉体は、少なくとも1個の前記扉体と、少なくとも1個のシャッターカーテンと、を含んで構成されていることを特徴とする開閉装置。
【請求項8】
請求項7に記載の開閉装置において、前記扉体と前記シャッターカーテンとを連動して開閉動作させるための開閉制御手段を備えていることを特徴とする開閉装置。
【請求項9】
請求項8に記載の開閉装置において、前記シャッターカーテンの開閉動作方向は上下方向であって下方向が閉鎖動作方向となっており、前記扉体の幅方向の端部には、前記シャッターカーテンの開閉動作を案内するためのガイド部が前記幅方向と直交する方向である長さ方向略全長に渡って形成されており、前記開閉制御手段は、前記扉体が全閉位置まで閉鎖動作した後に前記シャッターカーテンの閉鎖動作を開始させる制御を実行し、前記シャッターカーテンが全開位置まで開放動作した後に前記扉体の開放動作を開始させる制御を実行することを特徴とする開閉装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図66】
【公開番号】特開2011−214324(P2011−214324A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83968(P2010−83968)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000239714)文化シヤッター株式会社 (657)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000239714)文化シヤッター株式会社 (657)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]