説明

防水構造の劣化判定装置及びその劣化判定方法

【課題】 シール部材の劣化にともなう防水性の低下を未然に防ぐ。
【解決手段】 デジタルカメラは、略開口箱状に形成された前カバー12と後カバー14とからなるケースを有している。各カバー12、14は、互いの開口端面を当接させることによって、密閉された収納空間を構成する。後カバー14の開口端面には、環状に形成された溝66が設けられている。溝66は、略正方形状の断面形状を有しており、そこに略円形の断面形状を有する無端のOリング68が嵌め込まれている。溝66には、3つの圧力センサ72からなる劣化検出部70が設けられている。各圧力センサ72は、Oリング68の弾性変形に起因する押圧力を測定する。Oリング68の押圧力は、経時劣化にともなって徐々に低下していくため、押圧力を測定することによってOリング68の劣化を検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溝に設けられたシール部材を押しつぶすことによって防水性を得る防水構造の前記シール部材の劣化を判定する劣化判定装置と、その劣化判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、デジタルカメラや携帯電話などといった屋外での使用が考慮された電子機器では、雨滴などの液体の浸入によって内部の電子回路などに不具合が生じることを防ぐため、ケースに防水性が持たされている。例えば、特許文献1記載のカメラでは、ケースを前カバーと後カバーとから構成し、各カバーの間に環状のゴムを挟み込んでいる。ゴムは、各カバーの一方の縁部に形成された溝に嵌め込まれており、各カバーが当接してケースをなす際に、他方のカバーの縁部によって押しつぶされて弾性変形する。これにより、各カバーの当接部に生じる隙間から液体が浸入することを防止している。
【特許文献1】特開2000−122144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記ゴムなどといったシール部材は、経時劣化による弾性力の低下などに起因して、その防水性が徐々に失われていく。特許文献1では、こうしたシール部材の劣化について何ら考慮がなされていないため、シール部材が劣化してしまうと、ケース内に液体が浸入して内部機器の故障の要因になるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、シール部材の劣化にともなう防水性の低下を未然に防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、互いに当接する2つの部材の各当接面の一方に設けられた溝と、この溝に設けられ、前記2つの部材が当接した際に弾性変形して各当接面での防水性を得るシール部材とからなる防水構造の前記シール部材の劣化を判定する本発明の劣化判定装置は、前記弾性変形による前記シール部材の前記溝への押圧力に関する状態量を測定する測定手段と、前記測定手段の測定結果が所定値に達したことに応じて前記シール部材が劣化したと判定する判定手段とを有することを特徴とする。
【0006】
なお、前記判定手段が前記シール部材の劣化を判定した際に警告を報知する警告手段を設けておくことが好ましい。
【0007】
また、前記測定手段を、前記シール部材と当接するように前記溝に設けられ、前記シール部材からの前記押圧力を前記状態量として直接測定する圧力センサとし、前記判定手段は、前記押圧力が所定値以下に達したことに応じて前記シール部材が劣化したと判定することが好ましい。
【0008】
なお、前記測定手段を、前記シール部材と当接するように前記溝に設けられ、前記押圧力と比例関係にある前記溝の歪み量を前記状態量として測定する歪みセンサとし、前記判定手段は、前記歪み量が所定値以下に達したことに応じて前記シール部材が劣化したと判定するものでもよい。
【0009】
また、前記シール部材に感圧導電性ゴムを用いて、前記測定手段を、前記押圧力と比例関係にある前記シール部材の抵抗値を前記状態量として測定する抵抗測定器とし、前記判定手段は、前記抵抗値が所定値以上に達したことに応じて前記シール部材が劣化したと判定するものでもよい。
【0010】
また、前記測定手段を、前記溝と前記シール部材との間に挟み込まれるように設けられた感圧導電性ゴムシートと、前記押圧力と比例関係にある前記感圧導電性ゴムシートの抵抗値を前記状態量として測定する抵抗測定器とから構成し、前記判定手段は、前記抵抗値が所定値以上に達したことに応じて前記シール部材が劣化したと判定するものでもよい。
【0011】
さらに、前記2つの部材は、それぞれ略開口箱状に形成され、互いの開口端面を前記当接面として当接させることによって密閉された収納空間を構成する一対のカバーであり、前記溝と前記シール部材とは、前記各開口端面の一方に略環状に形成され、前記収納空間内への液体の浸入を防止することが好ましい。
【0012】
なお、本発明の劣化判定装置は、前記シール部材と前記溝とによって閉塞される空間の湿度を測定する湿度センサと、前記湿度が所定値以上に達したことに応じて前記シール部材が劣化したと判定する判定手段とを有するものでもよい。
【0013】
また、互いに当接する2つの部材の各当接面の一方に設けられた溝と、この溝に設けられ、前記2つの部材が当接した際に弾性変形して各当接面での防水性を得るシール部材とからなる防水構造の前記シール部材の劣化を判定する本発明の劣化判定方法は、前記弾性変形による前記シール部材の前記溝への押圧力に関する状態量を測定し、その測定結果が所定値に達したことに応じて前記シール部材が劣化したと判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、弾性変形によって生じるシール部材の溝への押圧力に関する状態量を測定し、その測定結果が所定値に達したことに応じてシール部材が劣化したと判定する。このように、シール部材の劣化を検出することによって、例えば、シール部材の交換などといった対策を事前に講じることが可能になり、防水性の低下を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、デジタルカメラ10の概略構成を示す前面方向の斜視図である。デジタルカメラ10は、前面と上下及び両側面の一部を覆う略開口箱状の前カバー12と、背面と上下及び両側面の一部を覆う略開口箱状の後カバー14とからなるケース16を有している。ケース16は、各カバー12、14の開口端面を互いに当接させることによって、密閉された収納空間を構成し、この収納空間に制御基板50(図3参照)などの種々の内部機器を収納している。
【0016】
デジタルカメラ10の前面には、撮像レンズ18を保持するレンズ鏡筒20と、被写体を照射するストロボ発行部22と、目視で撮像を行うための光学ファインダ24とが設けられており、デジタルカメラ10の上面には、デジタルカメラ10にシャッタレリーズ指示を与えるシャッタボタン26が設けられている。
【0017】
図2は、デジタルカメラ10の概略構成を示す背面方向の斜視図である。デジタルカメラ10の背面には、ズーム倍率の変更、各種の動作モードの切り替え、及び電源のON/OFFの切り替えなどを指示する各種の操作ボタン30が設けられている。また、デジタルカメラ10の背面には、撮像時のスルー画像やメモリカードなどに記録された画像を表示するLCDパネル40が設けられている。
【0018】
図3は、後カバー14の周囲部の構成を概略的に示す分解斜視図である。ケース16の内部には、図示せぬ係止爪やビスなどでケース16に保持される制御基板50が設けられている。この制御基板50には、例えば、CPUやROMなどの種々の電子部品が実装されており、デジタルカメラ10全体を統括的に制御する制御回路が構成されている。また、制御基板50は、LCDパネル40を接続するためのコネクタ52を有している。
【0019】
制御基板50と後カバー14との間には、各操作ボタン30がランナー32によって連結されたボタンユニット34と、LCDパネル40とが配置される。ランナー32には、ボタンユニット34を取り付ける際に用いる位置決め穴36が形成されている。各操作ボタン30には、制御基板50に向けて略円柱状に突出し、その端面に導電性が持たされた突出部30aが形成されている。一方、制御基板50の各突出部30aと対面する位置には、検出部54が設けられている。この検出部54は、例えば、回路パターンを分断させた電極であって、各操作ボタン30が押圧されて導電性を有する各突出部30aの端面が接触した際に、分断された回路パターンを導通させる。制御基板50は、この導通によって各操作ボタン30が押圧されたことを検出する。
【0020】
LCDパネル40は、周知のように、液晶素子が封入された液晶板、垂直及び水平方向の偏光板、液晶板を照明する光源などから構成され、図示を省略した係止爪やビスなどによって制御基板50に取り付けられる。また、LCDパネル40には、フレキシブルプリント配線基板(以下、FPCと称す)42が設けられており、このFPC42をコネクタ52に差し込むことによって制御基板50と電気的に接続される。制御基板50は、FPC42を介して駆動信号を送信することにより、LCDパネル40に種々の画像を表示させる。
【0021】
後カバー14には、各操作ボタン30を露呈させるボタン用開口60と、LCDパネル40を露呈させるLCD用開口62とが設けられている。また、ボタンユニット34の各位置決め穴36に対応する位置には、位置決め突起64が形成されている。ボタンユニット34は、こられの各ボタン用開口60と各位置決め突起64とによって位置決めされた後、制御基板50と後カバー14とによって挟持固定される。LCD用開口62の周囲には、LCDパネル40の外形に合わせて一段凹まされた枠部が形成されており、この枠部にLCDパネル40を保護するための保護ガラス44が嵌め込まれている。
【0022】
前カバー12と当接する後カバー14の開口端面14a(図中ハッチングで示す部分)には、環状に形成された溝66が設けられている。溝66は、略正方形状の断面形状を有しており(図4参照)、そこに略円形の断面形状を有する無端のOリング(シール部材)68が嵌め込まれる。Oリング68は、例えば、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)などの弾性材料で成形されており、前カバー12と後カバー14とが当接した際に弾性変形して、各当接面の間に生じる隙間から水などの液体が侵入することを防止する。つまり、ケース16は、各開口端面に防水構造が設けられた防水ケースである。
【0023】
図4に示すように、溝66には、Oリング68の劣化を検出するための劣化検出部70が設けられている。劣化検出部70は、略正方形の溝66と略円形のOリング68とが当接する溝66の両側面と底面とにそれぞれ1つずつ設けられた3つの圧力センサ(測定手段)72によって構成されている。各圧力センサ72は、Oリング68の弾性変形に起因する押圧力を測定し、その測定結果を制御基板50に出力する。Oリング68の押圧力は、経時劣化にともなって徐々に低下していくため、このように押圧力を測定することによって、Oリング68の劣化を検出することができる。なお、各圧力センサ72としては、例えば、半導体ダイアグラム式圧力センサや静電容量式圧力センサなどを用いればよい。また、劣化検出部70は、1つだけでもよいし、所定の間隔を隔てて複数設けてもよい。
【0024】
次に、図5に示すフローチャートを参照しながら、上記構成によるデジタルカメラ10の作用について説明する。制御基板50は、デジタルカメラ10に電源が投入されたことに応じて各圧力センサ72の出力値をモニタする。各圧力センサ72の出力値のいずれかが所定値以下に達すると、制御基板50は、Oリング68が劣化し、ケース16内に水などの液体が侵入する危険性があると判定する。なお、制御基板50が判定を行う前記所定値は、当然のことながら、Oリング68が完全に劣化しきってケース16内に簡単に液体が浸入しないように、十分にマージンを持たせて設定されることが好ましい。
【0025】
Oリング68が劣化したと判定した制御基板50は、LCDパネル40に予め決められた警告用のアイコンや警告メッセージなどを表示させて、ユーザにOリング68が劣化したことを警告する。これにより、ユーザは、Oリング68の交換などといった対策を講じて、ケース16内への液体の浸入を未然に防ぐことができる。
【0026】
なお、上記実施形態では、劣化検出部70に3つの圧力センサ72を設けるようにしているが、圧力センサ72の数は、2つ以上でも4つ以上でもよく、Oリング68と溝66とが当接する位置に任意に設ければよい。また、上記実施形態では、溝66の断面形状を正方形とし、断面形状が円形なOリング68をシール部材として嵌め込むようにしているが、これらの形状は、これに限ることなく如何なる形状としてもよい。但し、シール部材の弾性変形に起因する溝66への押圧力を状態量として測定する際には、押圧力を集中させて測定しやすくするため、上記実施形態のように、溝66とシール部材とが点当たりの関係にあることが好ましい。
【0027】
また、上記実施形態では、警告手段としてLCDパネル40を用いているが、これに限ることなく、例えば、有機ELや無機ELなどの他の表示装置を用いてもよい。さらには、LEDなどを点灯させて警告するようにしてもよいし、スピーカなどから音で警告するようにしてもうよい。
【0028】
さらに、上記実施形態では、測定手段として圧力センサ72を用いているが、測定手段は、これに限るものではない。例えば、図6に示すように、測定手段として歪みセンサ80を用いるようにしてもよい。歪みセンサ80は、溝66とOリング68とが当接する溝66の両側面と底面とにそれぞれ1つずつ貼り付けられている。各歪みセンサ80は、Oリング68の押圧による溝66の歪み量を測定し、その測定結果を制御基板50に出力する。溝66の歪み量は、Oリング68の押圧力に比例するものであり、Oリング68の経時劣化にともなって徐々に低下していく。このように、各歪みセンサ80によっても、Oリング68の劣化を検出することができるので、各歪みセンサ80の出力値が所定値以下に達したことに応じて警告を発するようにすれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0029】
なお、Oリング68に感圧導電性ゴムを用いて、図7に示すように、Oリング68と接触する位置に設けられた一対の電極82と、この電極82を介してOリング68の抵抗値を測定する抵抗測定器84とから測定手段を構成するようにしてもよい。抵抗測定器84は、電圧計と電流計とを有しており、いわゆる電圧降下法によってOリング68の抵抗値を測定し、その測定結果を制御基板50に出力する。感圧導電性ゴムは、圧力を加えるほど抵抗値が低下する性質を有している。すなわち、抵抗値が高くなるほどOリング68の押圧力が低下し、Oリング68が劣化したと考えることができる。このように、Oリング68の押圧力と、Oリング68の抵抗値とは、比例関係にあるので、抵抗値が所定値以上に達したことに応じて警告を発することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0030】
また、図8に示すように、溝66の底面に感圧導電性ゴムシート86を設け、各電極88と抵抗測定器90とによって感圧導電性ゴムシート86の抵抗値を測定し、この抵抗値を基にしてOリング68の劣化判定を行うようにしてもよい。なお、本例では、感圧導電性ゴムシート86を溝66の底面に設けるようにしているが、これに限ることなく、例えば、溝66の側面など、感圧導電性ゴムシート90を設ける位置は、溝66とOリング68との間に挟み込まれる位置であればどこでもよい。
【0031】
さらに、測定手段は、図9に示すように、湿度センサ92であってもよい。湿度センサ92は、溝66とOリング68とによって閉塞される溝66の底面角部に設けられており、この底面角部の湿度を測定して測定結果を制御基板50に出力する。Oリング68によって閉塞された底面角部には、水などの液体が浸入しないはずであり、この底面角部の湿度が異常に高くなった場合には、Oリング68が劣化して底面角部に液体が浸入してきていると推察することができる。このように、各湿度センサ92によっても、Oリング68の劣化を検出することができるので、各湿度センサ92の出力値が所定値以上に達したことに応じて警告を発することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0032】
なお、上記各実施形態では、デジタルカメラ10のケース16内への液体の浸入を防止する例を示したが、本発明はこれに限ることなく、例えば、携帯電話やPDAなどの他の電子機器に適用してもよい。また、銀塩カメラの水中撮影時に用いられる着脱可能な防水ケースなど、電子機器以外のものを収納する防水ケースに本発明を適用してもよい。さらには、ケースに限ることなく、溝に設けられたシール部材を押しつぶして防水性を得る防水構造を有するものであれば、他の如何なるものでも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】デジタルカメラの概略構成を示す前面方向の斜視図である。
【図2】デジタルカメラの概略構成を示す背面方向の斜視図である。
【図3】後カバーの周囲部の構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図4】劣化検出部の構成を示す説明図である。
【図5】劣化判定の手順を示すフローチャートである。
【図6】測定手段に歪みセンサを用いた例を示す説明図である。
【図7】Oリングの抵抗値を測定して劣化を判定する例を示す説明図である。
【図8】感圧導電性ゴムシートの抵抗値を測定して劣化を判定する例を示す説明図である。
【図9】湿度センサを用いてOリングの劣化を判定する例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0034】
10 デジタルカメラ
12 前カバー
14 後カバー
14a 開口端面
16 ケース
40 LCDパネル(警告手段)
50 制御基板(判定手段)
66 溝
68 Oリング(シール部材)
70 劣化検出部
72 圧力センサ(測定手段)
80 歪みセンサ(測定手段)
82、88 電極
84、90 抵抗測定器
86 感圧導電性ゴムシート
92 湿度センサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに当接する2つの部材の各当接面の一方に設けられた溝と、この溝に設けられ、前記2つの部材が当接した際に弾性変形して前記各当接面での防水性を得るシール部材とからなる防水構造の前記シール部材の劣化を判定する劣化判定装置において、
前記弾性変形による前記シール部材の前記溝への押圧力に関する状態量を測定する測定手段と、
前記測定手段の測定結果が所定値に達したことに応じて前記シール部材が劣化したと判定する判定手段とを有することを特徴とする劣化判定装置。
【請求項2】
前記判定手段が前記シール部材の劣化を判定した際に警告を報知する警告手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の劣化判定装置。
【請求項3】
前記測定手段は、前記シール部材と当接するように前記溝に設けられ、前記シール部材からの前記押圧力を前記状態量として直接測定する圧力センサであって、
前記判定手段は、前記押圧力が所定値以下に達したことに応じて前記シール部材が劣化したと判定することを特徴とする請求項1又は2記載の劣化判定装置。
【請求項4】
前記測定手段は、前記シール部材と当接するように前記溝に設けられ、前記押圧力と比例関係にある前記溝の歪み量を前記状態量として測定する歪みセンサであって、
前記判定手段は、前記歪み量が所定値以下に達したことに応じて前記シール部材が劣化したと判定することを特徴とする請求項1又は2記載の劣化判定装置。
【請求項5】
前記シール部材には、感圧導電性ゴムが用いられており、
前記測定手段は、前記押圧力と比例関係にある前記シール部材の抵抗値を前記状態量として測定する抵抗測定器であって、
前記判定手段は、前記抵抗値が所定値以上に達したことに応じて前記シール部材が劣化したと判定することを特徴とする請求項1又は2記載の劣化判定装置。
【請求項6】
前記測定手段は、前記溝と前記シール部材との間に挟み込まれるように設けられた感圧導電性ゴムシートと、前記押圧力と比例関係にある前記感圧導電性ゴムシートの抵抗値を前記状態量として測定する抵抗測定器とからなり、
前記判定手段は、前記抵抗値が所定値以上に達したことに応じて前記シール部材が劣化したと判定することを特徴とする請求項1又は2記載の劣化判定装置。
【請求項7】
前記2つの部材は、それぞれ略開口箱状に形成され、互いの開口端面を前記当接面として当接させることによって密閉された収納空間を構成する一対のカバーであり、
前記溝と前記シール部材とは、前記各開口端面の一方に略環状に形成され、前記収納空間内への液体の浸入を防止することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の劣化判定装置。
【請求項8】
互いに当接する2つの部材の各当接面の一方に設けられた溝と、この溝に設けられ、前記2つの部材が当接した際に弾性変形して前記各当接面での防水性を得るシール部材とからなる防水構造の前記シール部材の劣化を判定する劣化判定装置において、
前記シール部材と前記溝とによって閉塞される空間内の湿度を測定する湿度センサと、
前記湿度が所定値以上に達したことに応じて前記シール部材が劣化したと判定する判定手段とを有することを特徴とする劣化判定装置。
【請求項9】
互いに当接する2つの部材の各当接面の一方に設けられた溝と、この溝に設けられ、前記2つの部材が当接した際に弾性変形して前記各当接面での防水性を得るシール部材とからなる防水構造の前記シール部材の劣化を判定する劣化判定方法において、
前記弾性変形による前記シール部材の前記溝への押圧力に関する状態量を測定し、
その測定結果が所定の値に達したことに応じて前記シール部材が劣化したと判定することを特徴とする劣化判定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−78514(P2007−78514A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266811(P2005−266811)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】