説明

階段構造

【課題】見栄えのよい階段構造を提供する。
【解決手段】建物10には、耐力壁11〜14により仕切られたリビング15が設けられている。リビング15には、耐力壁13から離間した位置で当該耐力壁13と対面する階段壁16が立設され、その階段壁16には折り返し階段20が設けられている。階段20のうち踊り場21からリビング15の床面15aまでの部分(下部)には、片持ち式の階段構造が採用されている。この階段20の下部において、階段壁16には貫通孔22が形成され、貫通孔22には枠体23が嵌め込まれている。枠体23の内側には踏板26が貫通している。踏板26の耐力壁13側の端部26aは、当該耐力壁13に設けられた角材24,25に狭持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に設けられる階段構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上下階を有する建物では、上下階を行き来する昇降領域に階段が設置されている。この階段の一種として、踏板を階段壁に片持ち支持させた片持ち式階段が知られている。片持ち式階段では、踏板の支持強度を維持する必要性が高くなるため、例えばRC造の階段壁に踏板を一体的に設ける等、踏板の一端を階段壁に剛接合させている。
【0003】
ただし、建物の種類によってはRC造の階段壁を必ずしも採用できるわけではないため、例えば大型のささら桁を利用して踏板を支持するようにしたり、特許文献1に示されるように階段壁に支持アングルを取り付けてその支持アングルを踏板箱で覆ったりする等、別の工夫もなされている。
【特許文献1】特開2006−200293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の階段構造では、十分な支持強度を得るために階段壁と踏板との接合部位において複雑な機構が露出してしまい、片持ち式階段を見栄えをよくするために採用したにもかかわらず、見栄えがよくないものとなっていた。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、見栄えのよい階段構造を提供することを主たる目的とする。
【0006】
さらに、高齢化の時代を迎え、安全性の観点からは、踏板面や昇降領域を明るくすること、住環境の観点からは、専用の空調機を設置しない昇降領域の温度環境を向上させることが、階段構造における課題となっている。本発明は、昇降領域を明るくすることや、昇降領域の温度環境を向上することができる階段構造を提供することも併せて目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、第1の発明では、上下階間の昇降領域の側部に立設され、当該上下階を繋ぐ面材と、面材に形成され、昇降領域側から面材を挟んで当該昇降領域とは反対側に位置する反昇降領域側へ貫通する複数の貫通孔と、貫通孔に挿通され、一部分が昇降領域に他の部分が反昇降領域に配置されるように延びる複数の踏板と、面材に設けられており、貫通孔内又は当該貫通孔近傍にて踏板を支持する第1支持部と、面材を挟んで反昇降領域側へ突出している踏板を、面材から反昇降領域側へ離間した位置にて支持する第2支持部と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
第1の発明によれば、面材に設けられている第1支持部と、面材から反昇降領域側へ離間している第2支持部とにより、踏板が支持される。その結果、片持ち式の階段であっても、面材と踏板との接合部位に複雑な機構が露出しない。また、踏板の両端の少なくとも一方に本発明の上記階段構造を採用することにより、踏板の支持部を増やすことができる。これにより、上下階を繋ぐ面材の構造負担を軽減することができる。これにより、踏板及び面材の接合部分の見栄えをよくすることができ、ひいては昇降領域の見栄えをよくすることができる。
【0009】
第1の発明においては、踏板は、下地材と、その下地材の少なくとも昇降領域に露出されている表面に形成された仕上材と、を含んで構成されることが好ましい(第2の発明)。このように構成すれば、下地材により踏板としての強度を確保しつつ、仕上材により意匠性を高めることができる。
【0010】
第3の発明では、面材には、反昇降領域側の光を昇降領域側へ導く導光部が形成されている。このように構成すれば、反昇降領域側の光が導光部により昇降領域側へ導かれて昇降領域が照明される。この場合、階段照明の設置に伴う昇降領域の見栄えの悪化を抑制することができる。
【0011】
なお、各段の踏板を照明する階段照明として、踏板毎に光源を設けるものが知られているが、この場合、踏板毎に光源を設置する工数や、これらの光源に配線をする工数を要し、階段照明の施工が煩雑なものとなる。この点、第3の発明において、階段の踏板数よりも少ない光源で反昇降領域を照明し、反昇降領域側の光を導光部により昇降領域側へ導くようにすれば、階段照明用の照明装置を削減し、ひいては階段照明の施工時の工数を削減することができる。さらに、階段照明用の光源とは別の光源(太陽光や別の用途を主とした照明など)の光を導光部により昇降領域側へ導くこともできる。
【0012】
第4の発明では、第1乃至第4のいずれかの発明において、面材から反昇降領域側へ離間した位置に、面材と対面させて立設される第2面材を備え、第2面材に第2支持部が設けられている。
【0013】
第4の発明によれば、面材及び第2面材のいずれについても要求強度が低くなる利点がある。しかも、第4の発明では面材と第2面材との間に空間が形成される。そのため、この両壁間の空間を各種用途に利用することができる効果もある。
【0014】
例えば、第5の発明では、踏板のうち面材と第2面材との間の空間に配置されている部分は、棚板とされ又は棚板の受け部とされている。この場合、両壁間の空間を棚の設置空間として有効利用することができる。ここで棚には、収納棚及び飾り棚が含まれる。
【0015】
別の用途として、第6の発明では、面材と第2面材との間の空間は、上下階を繋ぐ設備用空間とされている。この場合、両壁間の空間に給水管や排水管、ガス管、電気配線を収容することできる。特に、第6の発明を直線階段に適用した場合には、両壁間の空間は下階の床面から天井面まで延びることとなる。この場合、両壁間の空間を有効利用して給水管や排水管、ガス管、電気配線を上下階に通すことができる。
【0016】
ここで、建物内では、暖気が上昇し冷気が降下することにより、その上部ほど気温が高くなる。これにより居住者に不快感を与えることが考えられる。特に、居住者が上下階を昇降する昇降領域は上下階に繋がる領域であるから、上下の温度差が顕著となって居住者に不快感を与えることが考えられる。
【0017】
この点、第7の発明では、面材の上部に形成され、昇降領域側に開口する上部開口部と、反昇降領域側に設けられ、上部開口部を通して昇降領域側の空気を吸入し、吸入した空気をそれよりも下方において昇降領域側へ吹き出す第1送風部と、面材の下部に形成され、昇降領域側に開口する下部開口部と、反昇降領域側に設けられ、下部開口部を通して昇降領域側の空気を吸入し、吸入した空気をそれよりも上方において昇降領域側へ吹き出す第2送風部と、を更に備えている。
【0018】
この第7の発明によれば、第1送風部により昇降領域の上部の空気をそれよりも下方へ供給することや、第2送風部により昇降領域の下部の空気をそれよりも上方へ供給することによって、昇降領域の上下の気温差を低減することができる。これにより、階段の昇降に伴う居住者の体感温度の変化を低減することができる。
【0019】
特に、面材が下階の床面から上階の天井面まで延びるものである場合には、上部開口部を上階の天井面近傍に形成し、下部開口部を下階の床面近傍に形成することが好ましい。この場合、昇降領域において、上階の天井面付近の空気の温度が最も高く、下階の床面付近の空気の温度が最も低くなることから、第1送風部により上階の天井面付近の空気をそれよりも下方へ供給し、第2送風部により下階の床面付近の空気をそれよりも上方へ供給することにより、上記体感温度の変化を効果的に低減することができる。
【0020】
なお、第4の発明で示された面材と第2面材との間の空間を両送風部の設置空間として利用すれば、両送風部の設置に伴って昇降領域側の見栄えが悪くなることはない。
【0021】
第8の発明では、第7の発明において、両送風部には、面材に昇降領域側へ開口するとともに各踏板上に空気を吹き出す吹き出し口が備えられている。
【0022】
この第8の発明によれば、上部開口部及び下部開口部を通して吸入した空気を吹き出し口から各踏板上に吹き出すことにより、各踏板の上面(踏板面)の温度を快適なものとすることができる。特に、面材に設けた吹き出し口から、すなわち各踏板の近傍から空気を吹き出すことにより、各踏板上面の温度を効果的に調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図1は、建物10の概要を示す斜視図である。
【0024】
建物10は、複数階建ての建物であり、上下階への昇降を可能とする階段20が設けられている。本実施形態では、建物10内に耐力壁11,12,13,14が立設されている。耐力壁11〜14は、所定間隔に配設された縦材及び横材を含んで構成されている。そして、耐力壁11〜14に仕切られて居室、本実施形態ではリビング15が形成されている。リビング15には、耐力壁13から離間した位置で当該耐力壁13と対面する階段壁16が立設されている。面材としての階段壁16は、耐力壁13と同様に縦材及び横材を含んで構成されている。階段壁16に階段20の踏板26が設けられている。
【0025】
階段20は折り返し階段である。階段20うち上階から踊り場21までの部分(上部)には、両持ち式の階段構造が採用されている。すなわち、図示しない各段の踏板が、階段壁16と耐力壁13との間に渡されて、両壁13,16に段違いに固定されている。
【0026】
一方、階段20のうち踊り場21からリビング15の床面15aまでの部分(下部)には、片持ち式の階段構造が採用されている。この階段20の下部においては、階段壁16を挟んで耐力壁13とは反対側の領域が昇降スペースS1となっている。
【0027】
以下、階段20の下部について図1及び図2を参照しつつ説明する。図2において、(a)及び(b)は、それぞれ階段20の下部の踏板のうち下から2段目の踏板の近傍の縦断断面図及び横断面図である。
【0028】
図2に示す階段壁16には、昇降スペースS1側から当該階段壁16を挟んで昇降スペースS1とは反対側へ貫通する矩形状の貫通孔22が形成されている。貫通孔22は、その下側の内壁と階段壁16の横材の上面とが同一水平面上に位置するように配置されている。この貫通孔22には、枠体23が嵌め込まれて釘やネジやボルトなどの固定手段により固定されている。これにより、枠23の下部が階段壁16の横材により支持されることとなる。
【0029】
耐力壁13には角材24,25が水平方向に延設されている。角材24は貫通孔22の水平位置よりも僅か上方に耐力壁13の横材と水平方向に並ぶように配置されている。角材25は貫通孔22の水平位置よりも僅か下方に耐力壁13の横材と水平方向に並んで配置されている。両角材24,25の上下方向の間隔は、踏板26の厚さよりも大きくなっている。角材24,25は、耐力壁13の横材に釘やネジやボルトなどの固定手段により固定されている。これにより、両角材24,25が耐力壁13の横材に支持されることとなる。
【0030】
上記枠体23の内側には踏板26が貫通している。そして、踏板26の階段壁16を挟んで昇降スペースS1とは反対側の端部26aは、角材24,25により狭持されている。これにより、踏板26は、枠体23及び角材24,25により支持されるようになっている。この場合、枠体23が「第1支持部」に相当し、角材24,25が「第2支持部」に相当し、耐力壁13が「第2面材」に相当する。
【0031】
踏板26は下地材27と仕上材28とから構成されている。下地材27は、長尺状の板材であり、踏板26としての強度を確保すべく強度のある材料(例えば金属)で形成されている。仕上材28は下地材27のうち階段壁16から昇降スペースS1に露出している部分よりも一周り大きく、仕上材28の下部には下地材27との嵌合溝28aが形成されている。そして、仕上材28は、下地材27の上部に嵌め込まれ、ネジや接着剤などの固定手段により固定されている。これにより、下地材27の上部の表面が仕上材28により覆われて仕上材28の上面が踏板面29となっている。
【0032】
階段20の下部には手摺り30が設けられている(図1参照)。本実施形態では、最下段の踏板26や踊り場21などにそれぞれ支柱31〜33が立設されている。詳しくは、支柱31の下端部31aにはその長手方向にボルト孔が形成されている。そして、支柱31は、下地材27の昇降スペースS1側の端部27aとボルトで締結されている。支柱32,33にも、支柱31と同様にボルト孔が形成されている。そして、支柱32,33は踊り場21にボルトで締結されている(図1参照)。支柱31〜33には手摺り棒34が渡されている。
【0033】
ところで、以上説明した階段20の下部に採用されている階段構造では、階段壁16と耐力壁13との間に壁間スペースS2が形成される。そのため、この階段構造を採用した場合には、壁間スペースS2を有効利用することが好ましい。
【0034】
そこで、本実施形態では、下地材27のうち階段壁16から壁間スペースS2に露出している部分に棚板35を設けている。詳しくは、棚板35は下地材27の短手方向の幅よりも幅広となっており、その下部には下地材27との嵌合溝が形成されている。そして、棚板35は、下地材27の上部に嵌め込まれ、ネジや接着剤などで固定されている。棚板35は、下地材27と共に角材24,25により狭持されている。これにより、壁間スペースS2が収納棚として有効利用されるようになっている。
【0035】
本実施形態では、壁間スペースS2の高さと奥行きの関係から収納棚として使い勝手のよい位置に、当該壁間スペースS2の収納棚手前側と収納棚奥側とを仕切る間仕切り壁36が設けられている。そして、壁間スペースS2のうち手前側の空間が上記収納棚として利用されるようになっている。この場合、壁間スペースS2のうち奥側の空間は、上記収納棚とは反対側から収納物を出し入れする別の収納棚として利用してもよいし、収納棚以外の用途、例えばパイプスペースとして利用してもよい。
【0036】
次に、階段20の下部の施工方法について説明する。階段20の下部の施工において、まずは、階段壁16に貫通孔22を形成し、階段壁16の貫通孔22に枠体23を嵌め込む。また、2つの角材24,25のうち下側の角材25だけを耐力壁13に固定する。次に、下地材27を枠体23の内側を通して階段壁16を貫通させる。このとき、下地材27の耐力壁13側の端部を角材25上に掛けることにより、踏板26を安定させることができる。
【0037】
次に、下地材27のうち階段壁16から壁間スペースS2に露出している部分に棚板35を固定し、棚板35の耐力壁13側の端部と共に下地材27の壁間スペースS2側の端部を角材24,25により挟み込んだ状態で、上側の角材24を耐力壁13に固定する。
【0038】
次に、下地材27のうち階段壁16から昇降スペースS1に露出している部分に仕上材28を固定する。次に、下地材27の昇降スペースS1側の端部27aに手摺り30の支柱31を固定し、踊り場21に支柱32,33を固定する。そして、支柱31〜33に手摺り棒34を取り付ける。
【0039】
上述した、貫通孔22を形成する工程、貫通孔22に枠体23を嵌め込む工程、及び耐力壁13に角材25を固定する工程の全て又はいずれかを工場にて実施し、当該工程実施後の階段壁16や耐力壁13を施工現場へ搬入するようにしてもよい。これにより、施工現場での作業を簡略化できる。
【0040】
以上説明した階段20の下部のように本発明を片持ち式の階段に適用した場合には、踏板26が階段壁16に設けられた枠体23及び耐力壁13に設けられた角材24,25により支持される。この場合、踏板26のうち階段壁16から昇降スペースS1に露出している部分に加わる荷重は、階段壁16と耐力壁13とに分散されて両壁13,16に加わる。すなわち、踏板26のうち階段壁16から昇降スペースS1に露出している部分に荷重が加わると、階段壁16には枠体23を介して下向きの力が加わり、耐力壁13には上側の角材24を介して上向きの力が加わる。
【0041】
以上の構成により、以下に示す有利な効果が得られる。
【0042】
階段20の下部において、踏板26のうち階段壁16から昇降スペースS1に露出している部分に加わる荷重が階段壁16と耐力壁13とに分散されて両壁13,16に加わるようにした。これにより、階段壁16に要求される強度を低減することができる。また、各踏板26と階段壁16との接合部位に複雑な機構を露出させることなく、階段壁16に各踏板26を設けることができる。これにより、各踏板26と階段壁16との接合部分の見栄えをよくすることができ、ひいては昇降スペースS1の見栄えをよくすることができる。
【0043】
踏板26を下地材27と仕上材28とによって構成したので、下地材27に強度負担をさせつつ仕上材28に意匠性を高める部分を担わせることができる。また、下地材27よりも幅広の棚板35を当該下地材27と共に角材24,25により狭持するようにした。そのため、下地材27に加わる荷重が、棚板35及び角材24,25を介して当該下地材27の短手方向に分散されて耐力壁13に加わる。これにより、耐力壁13に要求される局所的な強度も低減することができる。
【0044】
(第2実施形態)
第2実施形態は第1実施形態の変形例である。第2実施形態では本発明を螺旋階段に適用している。以下、この螺旋階段について図3及び図4を参照しつつ説明する。図3は螺旋階段の概略構成を示す説明図である。図4において、(a)は図3の下から4段目の踏板の上面(A1−A1線参照)における螺旋階段の横断面図、(b)は(a)のA2−A2線における螺旋階段の縦断面図である。図4(a)では、下から3段目までの踏板の図示を省略している。なお、本実施形態の説明では、第1実施形態と実質的に同一の構成要素には第1実施形態と同一符号を付して、これらの構成要素の説明を省略する。
【0045】
図3に示す階段220は円筒状の階段壁16を備えている。そして、階段220では階段壁16の径方向外側の領域が昇降スペースS1として設定されている。図4に示すように、階段壁16の内側には、当該階段壁16から離間して支柱213が立設されている。支柱213には、階段壁16の貫通孔22に対応する部分に凹部214が形成されている。
【0046】
貫通孔22には枠体23が固定され、その枠体23の内側には踏板26が貫通している。踏板26の階段壁16を挟んで昇降スペースS1とは反対側の端部26aは、支柱213の凹部214に嵌め込まれている。これにより、踏板26は、枠体23及び凹部214により支持されるようになっている。この場合、凹部214が「第2支持部」に相当する。
【0047】
踏板26は、第1実施形態と同様に下地材227及び仕上材228から構成されている。本実施形態では、図4(a)に示すように仕上材228は、下地材227への取付状態で階段壁16の径方向内側となる一端228aが階段壁16に密接するように湾曲し、下地材227への取付状態で階段壁16の径方向外側となる他端228bに向けて次第に幅広となる扇状となっている。この場合、下地材227は、第1実施形態の下地材27のように長尺状とするのではなく、下地材227のうち階段壁16から昇降スペースS1に露出している部分を仕上材228よりも一周り小さい扇状とすることが好ましい。これにより、仕上材228と下地材227とを強固に固定することができる。
【0048】
以上説明したように、本発明の階段構造は螺旋階段にも適用することができる。この場合でも、第1実施形態と同様の有利な効果を得ることができる。なお、階段壁16によって囲まれた内部空間であるスペースS2は、パイプスペースなどに利用することが可能である。
【0049】
(第3実施形態)
第3実施形態は、本発明の階段構造を階段照明付きの階段に適用した具体例である。以下、第3実施形態の階段について図5を参照しつつ説明する。図5は第3実施形態に係る階段を示す説明図である。本実施形態の説明では、第1実施形態と実質的に同一の構成要素には同実施形態と同一符号を付して、これらの構成要素の説明を省略する。
【0050】
本実施形態の階段320は直線階段である。すなわち、階段320の全踏板26が、第1実施形態の階段20の下部と同様に、枠体23及び角材24,25により支持されるとともに、階段壁16から昇降スペースS1側に突出して設けられている。
【0051】
階段壁16と耐力壁13との間の壁間スペースS2には、階段照明の光源である照明装置301が設置されている。本実施形態では、照明装置301は壁間スペースS2の天井面302に取り付けられている。これにより、壁間スペースS2が照明可能となっている。
【0052】
階段壁16には当該階段壁16を昇降スペースS1側及び壁間スペースS2側に貫通する導光部303が設けられ、これにより壁間スペースS2の光が昇降スペースS1へ導かれるようになっている。本実施形態では、各踏板26の上面と向き合う各枠体23の内壁に、壁間スペースS2から昇降スペースS1まで延びる溝23aが形成されている。そして、各枠体23の溝23aに導光部303が嵌め込まれている。導光部303としては、ガラス等の透明な材料で形成されたレンズや光ファイバなどが考えられるが、溝23aの内部空間(貫通孔)そのものを導光部としてもよい。
【0053】
この場合、照明装置301を点灯させると、壁間スペースS2が照明される。その結果、壁間スペースS2の光が導光部303を介して昇降スペースS1側に導かれ、その光によって各踏板26の踏板面29が照明される。これにより、踏板26の踏み外し事故の防止や、高齢者の階段からの転落事故の防止を図ることができる。
【0054】
以上説明した構成によれば、第1実施形態と同様の有利な効果に加えて、以下の優れた効果を得ることができる。
【0055】
壁間スペースS2を階段照明の設置スペースとして利用することができる。また、照明装置301によって壁間スペースS2を照明し、当該壁間スペースS2側の光を昇降スペースS1側に導いて、当該昇降スペースS1を照明するようにしたので、踏板26毎に照明装置を設ける場合と比較して、照明装置の数を削減することができる。これにより、階段照明の施工において、照明装置の設置や配線の工数削減を図ることができる。さらに、壁間スペースS2が収納などの他の用途に用いられている場合には、そこで使用する照明をそのまま利用することができるので、照明の兼用化を図ることができる。
【0056】
(第4実施形態)
第4実施形態は第3実施形態の変形例である。図6は、第4実施形態の階段を示す説明図である。なお、本実施形態の説明では、第3実施形態と実質的に同一の構成要素には同実施形態と同一符号を付して、これらの構成要素の説明を省略する。
【0057】
図6に示す階段420では、壁間スペースS2にチューブライト401が設けられている。チューブライト401は、透明チューブ内に複数の光源が当該透明チューブの長手方向に配設された照明装置である。チューブライト401は、各導光部303の壁間スペースS2側の端面又はその近傍を通るように配設されている。本実施形態では、チューブライト401は階段壁16に取り付けられている。光源としては、発熱量の少ないLEDを採用することが好ましい。
【0058】
以上説明した構成によれば、第3実施形態と同様の有利な効果を得ることができる。特に、チューブライト401を、各導光部303の壁間スペースS2側の端面を通るように配設したことから、階段照明の照明ムラを抑制することができる。また、階段壁16と耐力壁13との間の距離を小さく設定したことにより、比較的大きな照明装置を壁間スペースS2に設置できない場合であっても、チューブライト401であれば壁間スペースS2に設置することが可能である。
【0059】
(第5実施形態)
一般に、建物内では、暖気が上昇し冷気が降下することにより、その上方ほど気温が高くなる。これにより居住者に不快感を与えることが考えられる。特に、居住者が階段により上下階間を昇降する昇降スペースS1では、居住者の体感温度の変化が大きく、当該居住者に不快感を与えることが懸念される。
【0060】
そこで、第5実施形態の階段には、昇降スペースS1の上下方向の気温差を低減すべく、壁間スペースS2に送風装置が設けられている。
【0061】
以下、第5実施形態の階段について図7を参照しつつ説明する。図7は、第5実施形態の階段520を示す説明図である。
【0062】
本実施形態の階段520は第3実施形態と同様に直線階段である。そこで、本実施形態の説明では、第3実施形態と実質的に同一の構成要素には同実施形態と同一符号を付して、これらの構成要素の説明を省略する。
【0063】
階段壁16の壁間スペースS2の床面501よりも僅か上方には、当該階段壁16を昇降スペースS1側及び壁間スペースS2側に貫通する下部給気口502が形成されている。階段壁16の壁間スペースS2の天井面302よりも僅か下方には、当該階段壁16を昇降スペースS1側及び壁間スペースS2側に貫通する上部給気口503が形成されている。階段壁16のうち下部給気口502よりも上方かつ上部給気口503よりも下方の部分(中間部)には、当該階段壁16を昇降スペースS1側及び壁間スペースS2側に貫通する吹き出し口504〜509が形成されている。本実施形態では、吹き出し口504〜509は、階段壁16の各貫通孔22よりも僅か上方に形成されている。
【0064】
壁間スペースS2には、給気口502,503と吹き出し口504〜509を接続するダクト510が設けられている。ダクト510は、第1ダクト511と第2ダクト512とを有している。第1ダクト511は、その両端が両給気口502,503に接続されている。第2ダクト512は、第1ダクト511の下部給気口502側の端部511a、最下段側の吹き出し口504から最上段側の吹き出し口509までの各吹き出し口504〜509、及び第1ダクト511の上部給気口503側の端部511bに、この順に接続されている。
【0065】
下部給気口502内には、昇降スペースS1の下部の空気(冷気)をダクト510内に吸引する下方ファン513が設けられ、上部給気口503内には、昇降スペースS1の上部の空気(暖気)をダクト510内に吸引する上方ファン514が設けられている。第2ダクト512のうち下部給気口502側の端部512aには下方開閉弁515が設けられ、第2ダクト512のうち上部給気口503側の端部512bには上方開閉弁516が設けられている。ファン513,514及び開閉弁515,516の作動は、自動又は手動により制御可能とされている。
【0066】
上方ファン514を回転させるとともに、下方開閉弁515を開弁させ、上方開閉弁516を閉弁させると、昇降スペースS1の上部の空気(暖気)が上部給気口503を通してダクト510内へ吸入され、吸入された空気がダクト510内から吹き出し口504〜509を通して昇降スペースS1へ吹き出される。この場合、上方ファン514、ダクト510及び吹き出し口504〜509が「第1送風部」に相当する。
【0067】
また、下方ファン513を回転させるとともに、上方開閉弁516を開弁させ、下方開閉弁515を閉弁させると、昇降スペースS1の上部の空気(冷気)が下部給気口502を通してダクト510内へ吸入され、吸入された空気がダクト510内から吹き出し口504〜509を通して昇降スペースS1へ吹き出される。この場合、下方ファン513、ダクト510、吹き出し口504〜509が「第2送風部」に相当する。
【0068】
以上説明した送風装置によれば、上述の如く昇降スペースS1の上部の空気(暖気)又は下部の空気(冷気)をその下方又は上方へ供給することにより、昇降スペースS1の上下方向の気温差を低減し、階段520の昇降に伴う居住者の体感温度の変化を低減することができる。また、昇降スペースS1が設定されたリビング15の上下方向の気温差の低減を図ることもできる。
【0069】
特に、吹き出し口504〜509は踏板26上に設定されている。そのため、上述の如く昇降スペースS1の上部の空気(暖気)又は下部の空気(冷気)を踏板26上へ供給することにより、踏板面29の温度を快適なものにすることができる。
【0070】
ここで、下部給気口502を通してダクト510内へ吸入した空気(冷気)は当該上部給気口502よりも上方へ流れる。そのため、下部給気口502から各吹き出し口504〜509までのダクト510内の経路が長くなるほど、その空気の温度は上昇すると考えられる。この点、ダクト510では、上述の如く上方開閉弁516を開弁させかつ下方開閉弁515を閉弁させた状態において、上記ダクト510内の経路が上方の吹き出し口までの経路ほど短くなるように設定されている。これにより、昇降スペースS1の上方ほど温度の低い空気を供給することができる。
【0071】
一方、上部給気口503を通してダクト510内へ吸入した空気(暖気)は当該上部給気口503よりも下方へ流れる。そのため、上部給気口503から各吹き出し口504〜509までのダクト510内の経路が長くなるほど、その空気の温度は低下すると考えられる。この点、ダクト510では、上述の如く下方開閉弁515を開弁させかつ上方開閉弁516を閉弁させた状態において、上記ダクト510内の経路が下方の吹き出し口までの経路ほど短くなるように設定されている。これにより、昇降スペースS1の下方ほど温度の高い空気が供給することができる。
【0072】
そのため、例えば、冬季において上部給気口503を通してダクト510内へ吸入した空気(暖気)を下方から上方へ環流させつつ、当該空気を昇降スペースS1へ供給し、夏季において下部給気口502を通してダクト510内へ吸入した空気(冷気)を上方から下方へ環流させつつ、当該空気を昇降スペースS1へ供給することにより、昇降スペースS1及びリビング15の気温と、踏板面29の温度とを一層快適なものとすることができる。
【0073】
以上説明した構成によれば、第1実施形態と同様の有利な効果を得ることができる。特に、壁間スペースS2を送風装置の設置スペースとして利用したことから、上述した送風装置の設置に伴う階段520の見栄えの悪化を抑制することができる。
【0074】
(他の実施形態)
以上説明した各実施形態に限らず、例えば以下に別例として示した形態で実施することもできる。
【0075】
(1)片持ち式の階段に限らず、両持ち式の階段にも適用することができる。例えば、階段壁16を挟んで耐力壁13とは反対側に、階段壁16と対面する間仕切り壁を設けて、踏板26の昇降スペースS1側の端部を上記間仕切り壁に設けた支持部により支持することが考えられる。この場合でも、踏板面29に加わる荷重を、階段壁16と、耐力壁13及び間仕切り壁の少なくとも一方とに分散させることにより、階段壁16に要求される強度を低減することができる。
【0076】
(2)上記各実施形態では、階段壁16の貫通孔22内に枠体23を設けて第1支持部とした。しかしながら、これに限られず、例えば、貫通孔22内に枠体を設けず、貫通孔22の内壁を第1支持部としてもよいし、貫通孔22の近傍、例えば階段壁16の壁間スペースS2側の壁面における貫通孔22の周囲に支持金具などを設けて第1支持部としてもよい。
【0077】
(3)上記各実施形態では、下地材27の上部の表面を仕上材28で覆ったが、下地材27の表面全体を仕上材28で覆うようにしてもよい。これにより、踏板26の表面だけでなく裏面の意匠性も高めることができる。特に、片持ち式の階段では踏板26の下方が開放されて見栄えがよくなっているので、踏板26の裏面の意匠性も重要となる。この点において、上述の如く踏板26の裏面の意匠性を高めることの意義が大きい。
【0078】
(4)壁間スペースS2は、第1実施形態のように棚とするとともに、第3実施形態や第4実施形態のように階段照明装置の設置スペースとして利用してもよい。この場合、階段照明装置を棚の照明装置としても利用することができる。
【0079】
また、第3実施形態や第4実施形態のように階段照明装置の設置スペースとするとともに、第5実施形態のように送風装置のスペースとして利用してもよい。この場合、階段壁16に形成される、導光部用の貫通孔(図5(b)の溝部23a参照)及び送風装置の吹き出し口(図7の吹き出し口504〜509参照)を共通化することができる。例えば、第3実施形態及び第4実施形態の溝部23aの内部空間を導光部とするとともに、当該溝部23aを吹き出し口とすることができる。
【0080】
(5)複数の踏板26を1つのユニットとして連結した踏板ユニットを構成してもよい。これにより、各踏板26を個別に階段壁16に設ける場合と比較して、階段施工時の工数削減を図ることができる。
【0081】
(6)壁間スペースS2は、給水管や、排水管、ガス管、電気配線を収容するパイプスペース(設備用空間)とし利用してもよい。この場合、給水管や、排水管、ガス管、電気配線を壁間スペースS2に収容することができる。特に、第2〜5実施形態のように壁間スペースS2が下階の床面から天井面まで延びている場合には、当該壁間スペースS2を有効利用して給水管や排水管、ガス管、電気配線を上下階に通すことができる。
【0082】
(7)上記第1実施形態では、踏板26の階段壁16から壁間スペースS2に露出している部分に棚板35を設けた。すなわち、踏板26を棚板35の受け部としたが、踏板26自体を棚板35として利用してもよい。
【0083】
(8)第3,4実施形態では、壁間スペースS2に階段照明用の光源(照明装置301、チューブライト401)を設置した。しかしながら、これに限られず、階段照明用の光源とは別の光源として、例えば太陽光を導光部により昇降スペースS1側へ導くようにしてもよい。
【0084】
(9)第5実施形態において、上部給気口503aを階段壁16のうち上階の天井面517よりも僅か下方に形成し、その上部給気口503a内に上方ファン514aを設けてもよい(図7参照)。この場合、以下に説明するようにダクト510の配管などを変更する必要がある。すなわち、壁間スペースS2を下階の天井材や上階の床材で仕切らず上階の天井材で仕切ることにより、壁間スペースS2を下階の天井面302から上階の天井面517まで拡張する。そして、拡張した壁間スペースS2にダクト510を配管する。上述の如く壁間スペースS2を拡張できない場合には、ダクト510の一部を壁間スペースS2外(上階の床面上)に配管する。それでも、上述の如く上部給気口503a及び上方ファン514aを天井面517付近に設ける構成は、昇降スペースS1の上下方向の気温差を一層低減できる点で好ましい。すなわち、第5実施形態の昇降スペースS1では、上階の天井面517付近の空気の温度が最も高くなる。そのため、昇降スペースS1において上階の天井面517付近の空気をそれよりも下方へ供給することにより、昇降スペースS1の上下方向の気温差を一層低減することができる。
【0085】
(10)第5実施形態において、下部給気口502を通して吸入した空気を吹き出す吹き出し口(第1吹き出し口)と上部給気口503を通して吸入した空気を吹き出す吹き出し口(第2吹き出し口)とをそれぞれ個別に設けるとともに、下部給気口502及び第1吹き出し口を接続するダクトと上部給気口503及び第2吹き出し口を接続するダクトとをそれぞれ個別に設けてもよい。この場合、ダクトの配管は複雑なものになると考えられるが、第5実施形態の開閉弁515,516を要さない。
【0086】
(11)上記各実施形態では、階段壁16を、上下階を繋ぐ「面材」とした。しかしながら、これに限られず、面材としてささら桁を採用することもできる。
【0087】
例えば、図8に示すように、階段壁16に対応する第1ささら桁601と、耐力壁13に対応する第2ささら桁602と、を備えてもよい。図8に示す階段では、階段壁16の貫通孔22と同様の貫通孔が第1ささら桁601に形成されており、当該貫通孔22内に枠体23が設けられている。第2ささら桁602は、第1ささら桁601から離間した位置で当該第1ささら桁601と対面するように立設されている。踏板26は、枠体23内に挿通され、一端が第1ささら桁601を挟んで第2ささら桁602側に配置され、他端が第1ささら桁601を挟んで第2ささら桁602とは反対側(反第2ささら桁側)に配置されるように延びている。踏板26の第2ささら桁602側の端部は、第2ささら桁602に形成された凹部602aに嵌合されている。第1ささら桁601及び第2ささら桁602の間には、下階の床面610の僅かに上方で両ささら桁を接合する下階側接合材605と、上階の床面611の僅かに下方で両ささら桁を接合する上階側接合材606と、が設けられている。そして、第4実施形態と同様に、第1ささら桁601に導光部303が設けられるとともに、第1ささら桁601及び第2ささら桁602の間の空間S2にチューブライト401が配設されている。
【0088】
また、図9(a)に示すように、図8に示す階段において、踏板26の反第2ささら桁側の端部を支持する第3ささら桁603を備えてもよい。図9(a)に示す階段では、第3ささら桁603は、第1ささら桁601から反第2ささら桁側へ離間した位置で当該第1ささら桁601と対面するように立設されている。そして、踏板26の第3ささら桁603側の端部が、当該第3のささら桁603に設けられた凹部603aに嵌合されている。
【0089】
また、図9(b)に示すように、図9(a)に示す階段において、第3ささら桁603側にも、第1ささら桁601に対応する第4ささら桁604を設けてもよい。図9(b)に示す階段では、第1ささら桁601の貫通孔22と同様の貫通孔が第4ささら桁604に形成されており、当該貫通孔22内に枠体23が設けられている。第3ささら桁603及び第4ささら桁604の間には、上述した下階側接合材605及び上階側接合材606と同一の下階側接合材607及び上階側接合材608が設けられている。そして、第4実施形態と同様に、第4ささら桁604に導光部303が設けられるとともに、第3ささら桁602及び第4ささら桁604の間の空間S3にチューブライト609が配設されている。
【0090】
図8に示す階段構造によれば、階段照明内蔵の片持ち式の階段ユニットを構成することができ、図9(a),(b)に示す階段によれば、階段照明内蔵の両持ち式の階段ユニットを構成することができる。これにより、既存の建物において、構造部に大幅な手を入れることなく、既存の階段を踏板面29や昇降領域を明るく照明可能な階段へ改修することができる。なお、これらの場合、凹部602a,603aが「第2支持部」に相当する。
【0091】
(12)第3,4実施形態の階段320,420(図5,6参照)において、壁間スペースS2に踏板26が露出しないように踏板26を階段壁16だけで支持するようにしてもよい。また、上述した他の実施形態(11)の階段(図8,9参照)において、ささら桁間の空間S2や空間S3に踏板26を露出させないように踏板26を第1ささら桁601や第4ささら桁604だけで支持するようにしてもよい。上記第3実施形態の変形例によれば、照明装置301の光が踏板26に遮られることがない。これにより、照明装置301の光により踏板面29や昇降スペースS1を効果的に照明することができる。また、上記第4実施形態の変形例や上記他の実施形態(11)の変形例によれば、チューブライトの引き回しにおいて踏板26を迂回させる必要がない。これにより、チューブライトの引き回しを良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】第1実施形態に係る建物の概要を示す斜視図。
【図2】階段下部の構造を示す断面図。
【図3】第2実施形態に係る階段の概要を示す説明図。
【図4】同階段の構造を示す断面図。
【図5】第3実施形態の階段を示す説明図。
【図6】第4実施形態の階段を示す説明図。
【図7】第5実施形態の階段を示す説明図。
【図8】他の実施形態の階段を示す説明図。
【図9】他の実施形態の階段を示す説明図。
【符号の説明】
【0093】
13…耐力壁(第2面材)、16…階段壁(面材)、22…貫通孔、23…枠体(第1支持部)、24,25…角材(第2支持部)、26…踏板、27…下地材、28…仕上材、35…棚板、214…凹部(第2支持部)、303…導光部、502…下部給気口(下部開口部)、503…上部給気口(上部開口部)、504〜509…吹き出し口、513…下方ファン(第2送風部)、514…上方ファン(第1送風部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下階間の昇降領域の側部に立設され、当該上下階を繋ぐ面材と、
前記面材に形成され、前記昇降領域側から前記面材を挟んで当該昇降領域とは反対側に位置する反昇降領域側へ貫通する複数の貫通孔と、
前記貫通孔に挿通され、一部分が前記昇降領域に他の部分が前記反昇降領域に配置されるように延びる複数の踏板と、
前記面材に設けられており、前記貫通孔内又は当該貫通孔近傍にて前記踏板を支持する第1支持部と、
前記面材を挟んで前記反昇降領域側へ突出している前記踏板を、前記面材から反昇降領域側へ離間した位置にて支持する第2支持部と、
を備えていることを特徴とする階段構造。
【請求項2】
前記踏板は、下地材と、その下地材の少なくとも前記昇降領域に露出されている表面に形成された仕上材と、を含んで構成されている請求項1に記載の階段構造。
【請求項3】
前記面材には、前記反昇降領域側の光を前記昇降領域側へ導く導光部が形成されている請求項1又は2に記載の階段構造。
【請求項4】
前記面材から前記反昇降領域側へ離間した位置に、前記面材と対面させて立設される第2面材を備え、
前記第2面材に前記第2支持部が設けられている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の階段構造。
【請求項5】
前記踏板のうち前記面材と前記第2面材との間の空間に配置されている部分は、棚板とされ又は棚板の受け部とされている請求項4に記載の階段構造。
【請求項6】
前記面材と前記第2面材との間の空間は、前記上下階を繋ぐ設備用空間とされている請求項4に記載の階段構造。
【請求項7】
前記面材の上部に形成され、前記昇降領域側に開口する上部開口部と、
前記反昇降領域側に設けられ、前記上部開口部を通して前記昇降領域側の空気を吸入し、吸入した空気をそれよりも下方において前記昇降領域側へ吹き出す第1送風部と、
前記面材の下部に形成され、前記昇降領域側に開口する下部開口部と、
前記反昇降領域側に設けられ、前記下部開口部を通して前記昇降領域側の空気を吸入し、吸入した空気をそれよりも上方において前記昇降領域側へ吹き出す第2送風部と、
を更に備えている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の階段構造。
【請求項8】
前記両送風部は、前記面材に前記昇降領域側へ開口するとともに前記各踏板上に空気を吹き出す吹き出し口を備えている請求項7に記載の階段構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−280983(P2009−280983A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−131680(P2008−131680)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】