集水装置、集水装置の施工方法、及び集水装置の溝部に用いる架橋部材
【課題】架橋部材の製造が容易で施工が容易な集水装置、集水装置の施工方法、及び架橋部材を提供する。
【解決手段】処理層11の上方より下向流で被処理水を通水して含まれる被除去物を処理層11によって除去する除去手段10を支持し、処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロック20を複数並置し、有孔ブロック20の設置面に集水された処理水が流入する溝部70を形成し、各有孔ブロック20の間に充填材30を充填した集水装置において、溝部70を横断して並置された有孔ブロック20の間に、溝部70の横断方向に沿って延在し設置面に沿い且つ延在方向に垂直な方向の押圧力によりに変形可能な変形部材51と、変形部材51の延在方向に沿って設けられた芯部材52とを備えた架橋部材5を、溝部70を横断して架設し、架橋部材5により充填材30を支持してある。
【解決手段】処理層11の上方より下向流で被処理水を通水して含まれる被除去物を処理層11によって除去する除去手段10を支持し、処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロック20を複数並置し、有孔ブロック20の設置面に集水された処理水が流入する溝部70を形成し、各有孔ブロック20の間に充填材30を充填した集水装置において、溝部70を横断して並置された有孔ブロック20の間に、溝部70の横断方向に沿って延在し設置面に沿い且つ延在方向に垂直な方向の押圧力によりに変形可能な変形部材51と、変形部材51の延在方向に沿って設けられた芯部材52とを備えた架橋部材5を、溝部70を横断して架設し、架橋部材5により充填材30を支持してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上水・用水・工業用水・生活廃水・工業廃水等などの被処理水に含まれる懸濁物(被除去物)を除去する水処理設備において、懸濁物が除去された処理水を集水する集水装置、集水装置の施工方法、及び集水装置の溝部に用いる架橋部材に関する。
【背景技術】
【0002】
水処理設備で用いられる集水装置は、例えば粒状媒体を充填して濾過層(処理層)を備えて当該懸濁物を除去する濾過手段(除去手段)を支持し、濾過層を通過して懸濁物が除去された処理水を集水する有孔ブロックを備える(例えば特許文献1)。
【0003】
有孔ブロックは、中空の断面が略矩形となる外壁(上壁・側壁・底壁)、および、当該外壁の内部において略逆V字形断面となる傾斜内壁が設けてある。この傾斜内壁により、有孔ブロックの内部空間を中央流通部および当該中央流通部の両側に位置する側方流通部に仕切っている。上壁の上方部および側方流通部、側方流通部および中央流通部はそれぞれ孔部を介して連通している。
【0004】
濾過層には、砂利・珪砂・アンスラサイトなどの粒状媒体が充填してあり、被処理水を濾過手段の上方より下向流で濾過層に通水すると、被処理水中に含まれる懸濁物が濾過層によって除去される。濾過層を通過して懸濁物が除去された処理水は、有孔ブロックの上壁に設けた上壁孔部を介して側方流通部に流下し、さらに側方流通部から中央流通部に流下することにより集水される。
【0005】
一般に集水装置では、複数の有孔ブロックを平面状(二次元的に)に設置して濾過手段を支持している。具体的には、複数の有孔ブロックの内部空間が連通するように延設して、複数の有孔ブロックを直列に接続し、有孔ブロックどうしの側壁が対向するように並置して複数の有孔ブロックを並列に配置する。このように複数の有孔ブロックを設置することで、より多量の処理水を集水することができる。集水装置の底部に溝部(フリューム)が形成されている。このフリュームにより、有孔ブロックで集水した処理水が最終的に集水される。また、濾過層を逆洗処理するための逆洗用媒体である液体(水)あるいは空気がフリュームから有孔ブロックに供給される。
【0006】
図11に示すように、有孔ブロック20を並列に配置する際には、対向する側壁21bの間の目地部分にモルタル等の充填材30を充填している。当該充填材30が固化することで、並置した有孔ブロック20どうしを固定する。有孔ブロック20を配置する際には、上述のフリューム70を横断して有孔ブロックが設けられる場合がある。フリューム70を横断して設けられた有孔ブロック20どうしの間に充填材30を充填する場合、充填材30がフリューム70に落下するのを防止する必要がある。そこで、有孔ブロック20どうしの間に、硬質塩化ビニル製の板部材により形成された架橋部材5’を、フリューム70を横断して設け、フリューム70を横断して設けられた有孔ブロック20どうしの間に充填材30が充填される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−346574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、集水装置全体の大きさ・形状等は、集水装置ごとに異なるが、有孔ブロックの形状は決まっているため、並列に設置した有孔ブロックの対向する側壁の間の目地部分の寸法が集水装置ごとに異なることになる。このため、集水装置ごとに異なる目地部分の寸法に合わせて架橋部材5’を都度作製する必要がある。また、一般に有孔ブロック20の側壁21bには補強用のリブ24などが設けられており、凹凸形状を有している。このため、硬質塩化ビニル製の板部材に切欠5aを設ける加工を行って、架橋部材5’を有孔ブロック20の側壁21bの凹凸形状に対応した形状にする必要があった。さらに、上述の加工を行ったとしても、架橋部材5’と有孔ブロック20の側壁21bとの間の隙間を完全になくすことは困難であった。このため、充填材30の落下を防止するためには、架橋部材5’と側壁21bとの間の隙間にコーキング材9等を設けて隙間を閉塞する必要があった。
【0009】
上述のように、架橋部材の製造工程が煩雑になるという問題があった。さらに、集水装置の施工工程においても、コーキング材等により架橋部材と有孔ブロックの側壁との間の隙間を埋める必要があり、施工工程数が増加するという問題があった。
【0010】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、架橋部材の製造が容易で施工が容易な集水装置、集水装置の施工方法、及び架橋部材を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る集水装置の特徴構成は、粒状媒体を充填した処理層の上方より下向流で被処理水を通水して前記被処理水中に含まれる被除去物を前記処理層によって除去する除去手段を支持し、前記処理層を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロックと、複数の前記有孔ブロックを並置する際に、各有孔ブロックの間に充填する充填材と、を備え、設置面に形成された溝部を横断して並置された有孔ブロック間に、前記溝部の横断方向に沿って延在し前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の押圧力によりに変形可能な変形部材と、前記変形部材の延在方向に沿って設けられた芯部材とを備え前記充填材を支持する架橋部材が、前記変形部材が前記有孔ブロックにより変形された状態で、前記溝部を横断して架設してある点にある。
【0012】
本構成によれば、集水装置において、有孔ブロック間において溝部を横断し架橋部材を設けるに際し、変形部材が架橋部材の幅方向に変形可能である。このため、各有孔ブロックの間の隙間の幅ごとに異なる幅寸法の架橋部材を設ける必要がない。また、有孔ブロックの側壁が補強用のリブなどによる凹凸形状を有している場合であっても、変形部材が凹凸形状に追従して変形することにより、別途にコーキング材等を設けることなく、有孔ブロックの側壁と架橋部材との間の隙間を閉塞することができる。また、芯部材が変形部材の長手方向に沿って設けてあるので、充填材を確実に支持することができる。
上述の結果、施工が容易な集水装置を提供することができる。
【0013】
上述の構成において、前記変形部材が発泡体であると好適である。
【0014】
変形部材として、発泡体を採用することにより、変形性及び有孔ブロックの側壁の凹凸形状への追従性のよい変形部材を得ることができる。
この結果、集水装置の施工が一層容易となる。
【0015】
また、上述の構成において、前記芯部材に前記変形部材の前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の変形を規制する規制部が形成されていると好適である。
【0016】
本構成によれば、変形部材の設置面に沿い且つ延在方向に垂直な方向、すなわち、幅方向の変形についてもある程度規制することになり、有孔ブロック間において溝部を横断し架橋部材を設ける際に、例えば、芯部材を幅方向の中央位置に配置するなど、芯部材の位置を確実に決定することができる。この結果、充填材を確実に支持することができる集水装置を得ることができる。
【0017】
本発明に係る集水装置の施工方法の特徴構成は、粒状媒体を充填した処理層の上方より下向流で被処理水を通水して前記被処理水中に含まれる被除去物を前記処理層によって除去する除去手段を支持し、前記処理層を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロックの複数を設置面に平面状に設置した集水装置の施工方法であって、有孔ブロックを設置面に設置する第1有孔ブロック設置工程と、前記第1有孔ブロック設置工程により設置された有孔ブロックの長手方向に沿って、前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の押圧力によりに変形可能な変形部材と前記変形部材の延在方向に沿って設けられた芯部材とを備えた架橋部材を、前記設置面に形成された溝部を横断して配置する架橋部材配置工程と、有孔ブロックにより前記変形部材を前記架橋部材の延在方向に垂直な方向に押圧して前記変形部材を変形させつつ、前記有孔ブロックを前記架橋部材の延在方向に沿わせて設置する第2有孔ブロック設置工程と、前記第1有孔ブロック設置工程により設置された有孔ブロックと前記第2有孔ブロック設置工程により設置された有孔ブロックとの間に充填材を充填する充填工程と、を有する点にある。
【0018】
本構成によれば、上述したように、容易に集水装置を施工することができる。
【0019】
本発明に係る架橋部材の特徴構成は、粒状媒体を充填した処理層の上方より下向流で被処理水を通水して前記被処理水中に含まれる被除去物を前記処理層によって除去する除去手段を支持し、前記処理層を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロックを複数並置し、各有孔ブロックの間に充填材を充填した集水装置において、設置面に形成された溝部を横断して前記有孔ブロックを並置する際に、当該有孔ブロック間において前記溝部を横断して架設され、前記充填材を支持する架橋部材であって、前記溝部の横断方向に沿って延在し前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の押圧力によりに変形可能な変形部材と、前記変形部材の延在方向に沿って設けられた芯部材とを備えた点にある。
【0020】
本構成によれば、各有孔ブロックの間に充填材を充填した集水装置において、有孔ブロック間において溝部を横断し架橋部材を設けるに際し、変形部材が架橋部材の幅方向に変形可能である。このため、各有孔ブロックの間の隙間の幅ごとに異なる幅寸法の架橋部材を設ける必要がない。また、有孔ブロックの側壁が補強用のリブなどによる凹凸形状を有している場合であっても、変形部材が凹凸形状に追従して変形することにより、別途にコーキング材等を設けることなく、有孔ブロックの側壁と架橋部材との間の隙間を閉塞することができる。また、芯部材が変形部材の長手方向に沿って設けられ、変形部材が上述の幅方向以外の方向に変形するのを規制することができるので、充填材を確実に支持することができる。
上述の結果、架橋部材の製造が容易で、当該架橋部材を用いた集水装置の施工が容易な架橋部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】水処理設備の概略を一部切欠で示す斜視図である。
【図2】有孔ブロックの斜視図である。
【図3】有孔ブロック、充填材、架橋部材の配置を示した断面図である。
【図4】有孔ブロック、架橋部材の配置を示した上面図である。
【図5】架橋部材の要部断面図である。
【図6】別実施形態に係る架橋部材の要部断面図である。
【図7】別実施形態に係る架橋部材の要部断面図である。
【図8】別実施形態に係る架橋部材の要部断面図である。
【図9】別実施形態に係る架橋部材の要部断面図である。
【図10】別実施形態に係る架橋部材の要部断面図である。
【図11】従来の架橋部材を備えた水処理設備の概略を一部切欠で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の集水装置Yは水処理設備Xに用いることができる。また、本発明の架橋部材5は、集水装置Yに用いることができる。集水装置Yは、水・用水・工業用水・生活廃水・工業廃水等などの被処理水に含まれる懸濁物(被除去物)を除去する水処理設備Xにおいて、懸濁物が除去された処理水を集水するために用いられる。
【0023】
図1〜3示したように、当該集水装置Yは、粒状媒体12を充填した処理層11の上方より下向流で被処理水を通水して被処理水中に含まれる被除去物を処理層11によって除去する除去手段10を支持し、処理層11を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロック20と、複数の有孔ブロック20を並置する際に、各有孔ブロック20の間に充填する充填材30と、を備える。
集水装置Yの底部に溝部(フリューム70)が形成されている。このフリューム70により、有孔ブロック20で集水した処理水が最終的に集水される。また、濾過層11を逆洗処理するための逆洗用媒体である液体(水)あるいは空気がフリューム70から有孔ブロック20に供給される。
【0024】
(除去手段)
本実施形態の除去手段10は、濾過処理によって被処理水中に含まれる被除去物を除去する場合について説明する。従って、処理層11は濾過層となる。しかし、このような態様に限られるものではなく、生物処理によって被処理水中に含まれる被除去物を除去することも可能である。この場合、処理層11は生物処理層となり、例えば粒状媒体12の表面に被除去物を生物的に分解する微生物を担持させておく。
【0025】
処理層11には、珪砂・アンスラサイト・粒状活性炭などの粒状媒体12が充填してある。本実施形態では二層の処理層11を設けてあり、最下層から順に珪砂層11a・アンスラサイト層11bを配置したものを例示するが、これに限られるものではない。
被処理水を除去手段10の上方に設けた排水トラフ(図示しない)より処理層11に給水して処理層11を通過させることで、被処理水中に含まれる被除去物が処理層11によって除去される。なお、排水トラフを経由せず直接処理層11に給水される場合もある。
【0026】
(有孔ブロック)
有孔ブロック20は除去手段10の下方に配置して除去手段10を支持する。本実施形態では、除去手段10と有孔ブロック20との間には、多孔プレート60を配置してある。
有孔ブロック20は、中空で断面が略矩形となる外壁21(上壁21a・側壁21b・底壁21c)、および、当該外壁21の内側に接続して有孔ブロック20の内部空間を複数の空間に分割する傾斜内壁22が設けてある。
有孔ブロック20は、耐食性・耐圧性に優れた材質であれば、何れの材料で形成してもよいが、例えば高密度ポリエチレンの発泡成形体とすれば、軽量化することができるため、運搬や施工面で作業性がよい。
【0027】
上壁21aは、除去手段10の下面に直接接触して、或いは、多孔プレート60を介して間接的に除去手段10を支持する。側壁21bは上壁21aに接続する一対の対向する壁であり、底壁21cは当該一対の側壁21bに接続する。また、傾斜内壁22は、その断面が略逆V字形となるように形成してある。これにより、有孔ブロック20の内部空間を、中央流通部Aと当該中央流通部Aの両側に位置する側方流通部Bとに仕切っている。このように、有孔ブロック20の内部空間は、傾斜内壁22によって三つの空間に分割されるが、この態様に限られるものではない。
【0028】
上壁21aの上方部および側方流通部Bは、上壁21aに形成した複数の上壁孔部a1を介して連通しており、側方流通部Bおよび中央流通部Aは、傾斜内壁22に形成した第一内壁孔部b1、第二内壁孔部b2および第三内壁孔部b3を介して連通している。処理層11を通過して被除去物が除去された処理水は、多孔プレート60を通過した後に上壁孔部a1を介して側方流通部Bに流下し、さらに第一内壁孔部b1、第二内壁孔部b2および第三内壁孔部b3を介して中央流通部Aに流下して集水される(集水処理)。端部に設けられた有孔ブロック20は、設置面に形成されたフリューム70を横断して配置される。そして、処理水は、端部に設けられた有孔ブロック20の底壁21cに形成した底壁開口部(図外)を経て有孔ブロック20の下方に設けたフリューム70を流下して、或いは、中央流通部Aに接続する配管(図外)を流下して、所定の貯水槽に搬送される。
【0029】
上壁21aの上面には、側壁21bから延設する上壁第一リブ部23a、上壁第一リブ部23aに平行な上壁第二リブ部23b、および、上壁第一リブ部23aと垂直に交差する上壁第三リブ部23cが設けてある。
これらリブ部23a〜23cによって上壁21aの上面を複数の区画に分割してある。これらリブ部23a〜23cを設けることで上壁21aの耐圧性を強化することができ、除去手段10の荷重による上壁21aの撓みを防止できる。
多孔プレート60は、前記リブ部23a〜23cの上面に載置する。多孔プレート60は、ボルトによって前記リブ部23a〜23c或いは上壁21aに固定する。多孔プレート20は、例えば、直径数mmのペレットを多数接合して構成するとよい。当該ペレットとしては、ポリオレフィン等のプラスチックの他、セラミック、焼結金属等が使用可能である。
【0030】
側壁21bには、複数の有孔ブロック20を並置する際に、各有孔ブロック20の間に充填した充填材30に、有孔ブロック20が受けた上方及び下方からの荷重を伝達する側方リブ24を形成してある。側方リブ24は、水平方向に伸延する水平側方リブ24A、および、垂直方向に伸延する垂直側方リブ24B1〜B3とすることができる。これら側方リブ24により、有孔ブロック20が受けた上向荷重および下向荷重を充填材30に確実に伝達して、有孔ブロック20及び充填材30が垂直方向に互いに位置ズレするのを確実に防止することができる。
【0031】
有孔ブロック20は、逆洗用媒体によって上向荷重を受け、濾過手段の重量による下向荷重を常に受ける。当該上向荷重を受けると、有孔ブロック20が上方向に相対移動しようとする応力が作用し、当該下向荷重を受けると、有孔ブロック20が下方向に相対移動しようとする応力が作用する。本構成では、有孔ブロック20が受けた上方及び下方からの荷重を充填材30に伝達する側方リブ24を形成することから、有孔ブロック20に上向荷重あるいは下向荷重が作用した場合であっても、側方リブ24によってこれら荷重を固化した充填材30に伝達するため、充填材30に対する有孔ブロック20の相対位置を固定することができる。そのため、有孔ブロック20及び充填材30が垂直方向に互いに位置ズレするのを防止できる。
側方リブ24は、水平側方リブ24Aおよび垂直側方リブ24Bの少なくとも何れか一方を形成するとよい。
【0032】
(架橋部材)
上述したように端部の有孔ブロック20は、フリューム70(設置面に形成された溝部の一例)を横断して設けられる。この場合、充填材30がフリューム70に落下するのを防止するため、有孔ブロック20どうしの間には、フリューム70を横断する架橋部材5が架設される。図1、3〜5に示すように、架橋部材5は、フリューム70の横断方向に沿って配置される変形部材51と、変形部材51の延在方向に沿って設けられた芯部材52とを備える。
【0033】
本実施形態において、芯部材52は、例えば中空状の角パイプ部材により形成される。また、変形部材51は、発泡体で形成され、長手方向に垂直な方向の断面視で四角形状を有している。芯部材52の対向する側面にそれぞれ、変形部材51が固定されている。特に限定はされないが、芯部材52と変形部材51とが接着剤により固定される。芯部材52と変形部材51とは略同じ長さであり、芯部材52の長手方向の全域にわたって変形部材51が設けられる。また、本実施形態において、架橋部材5は、長手方向に垂直な断面視で、略同じ高さの芯部材52と変形部材51とにより構成されている。このように、変形部材51に沿って、芯部材52が設けられることにより、架橋部材5の幅方向(つまり、設置面に沿い且つ延在方向に垂直な方向)以外の方向への変形が規制される。
【0034】
芯部材52に用いる角パイプ部材としては、特に限定はされないが、例えば金属製の角パイプ部材を好適に用いることができる。また、金属性以外にも繊維強化プラスチック(FRP)、硬質塩化ビニル樹脂など合成樹脂性の角パイプ部材を用いてもよい。
【0035】
また、変形部材51に用いる発泡体としては、特に限定はされないが、弾性発泡体が好ましく、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂の発泡体が好適に用いられる。また、変形部材51に用いる発泡体は、ポリエチレン製やウレタン製などのエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂製以外の合成樹脂製のものであってもよい。また、エチレンプロピレン(EPDM)ゴムやシリコンゴムなどのゴム製のものなど合成樹脂製のもの以外であってもよい。特に、シリコンゴムは処理水中に塩素が含まれる場合には、耐塩素性が高いため、耐久性の面で有効である。
【0036】
上述のように、変形部材51に用いる発泡体の材質は特に限定はされないが、発泡体の体積を25%圧縮するために必要な応力である25%圧縮応力が、10kPa以下のものが好適に用いられる。25%圧縮応力が上記値よりも大きければ、架橋部材5を有孔ブロック20の間に設ける際に、変形部材51を変形させるために大きな応力が必要となり、施工が困難になる。従って、変形部材51に用いる発泡体の25%圧縮応力は上述の値のものが好ましい。
【0037】
この架橋部材5がフリューム70を横断して設けられた隣接する有孔ブロック20どうしの間に設けられる。架橋部材5の幅は隣接して配置される有孔ブロック20どうしの側壁21b間の距離よりも大きく設定され、変形部材51を側壁21bに押圧して圧縮することにより、側壁21b間に架橋部材5が設けられる。具体的には、変形部材51の全体積のうち20%〜55%が圧縮された状態で、架橋部材5が設けられる。図4に示すように、この状態で、変形部材51が変形することにより、側方リブ24などによる側壁21bの凹凸形状に対応した形状となり、側壁21bと変形部材51との間が閉塞される。
【0038】
(充填材)
充填材30は、複数の有孔ブロック20を並置する際に、各有孔ブロック20の間に充填する。図1、3に示すように、フリューム70を横断して設けられた有孔ブロックの間に充填された充填材30は、フリューム70を横断して設けられた架橋部材5上に支持されて設けられる。
充填材30は、モルタル・コンクリート等、間隙等に流動状態で投入した後、経時的に固化する態様のものであれば、公知の充填材を使用することができる。固化した充填材30は、並置した有孔ブロック20の間隙を埋めると共に、各有孔ブロック20どうしを強固に接着して固定することで、有孔ブロック20の上方に載置した除去手段10を安定して支持することができる。
【0039】
(集水装置の施工方法)
本発明の集水装置Xは、第1有孔ブロック設置工程P1と、架橋部材配置工程P2と第2有孔ブロック設置工程P3と、充填工程P4と、を有する。
【0040】
第1有孔ブロック設置工程P1は、長手方向に一列に接続された複数の有孔ブロック20を設置面に設置する。このとき一部の有孔ブロックがフリューム70(本発明の溝部の一例)をまたいで設置される。
架橋部材配置工程P2は、上述した第1有孔ブロック設置工程P1により設置された有孔ブロック20のうちフリューム70をまたいで設置された有孔ブロック20の長手方向に沿って、架橋部材5を、フリューム70を横断して配置する。
第2有孔ブロック設置工程P3は、第1有孔ブロック設置工程P1と同様に長手方向に一列に接続された複数の有孔ブロック20を、第1有孔ブロック設置工程P1により設置された有孔ブロックと間隔をあけて並置する。このとき、有孔ブロック20のうちフリューム70をまたいで設置される有孔ブロック20により、変形部材51を架橋部材5の延在方向に垂直な方向に押圧して変形部材51を変形させつつ、有孔ブロック20を架橋部材5の延在方向に沿わせて配置する。
上述の工程が繰り返されて、有孔ブロック20が平面状に並置される。なお、上述の第1有孔ブロック設置工程P1及び第2有孔ブロック設置工程P3においては、長手方向に一列に接続された複数の有孔ブロック20を設置面に設置する場合を例に説明したが、複数の有孔ブロック20を長手方向に一列に並べた後に接続してもよい。また、第1有孔ブロック設置工程P1及び第2有孔ブロック設置工程P3において、それぞれ単数の有孔ブロック20を設置してもよい。
充填工程P4は、並列に配置した各有孔ブロック20の間に充填材30を充填する。このとき、フリューム70を横断して設けられた有孔ブロック20の間に充填された充填材30は、フリューム70を横断して設けられた架橋部材5上に支持されて設けられる。
【0041】
[別実施形態]
(1)上述の実施形態において、架橋部材5として、中空状の角パイプ部材からなる芯部材52の対向する二つの側面に、側面と略同じ高さの変形部材51を設ける場合を例に説明したが上述に限られるものではない。図6に、別実施形態に係る架橋部材5の長手方向に垂直な方向視の断面図を示す。図6に示すように、側面の高さを変形部材51の高さよりも高く設定してもよい。また、反対に側面の高さを変形部材51の高さよりも低く設定してもよい。
【0042】
(2)上述の実施形態において、架橋部材5として、中空状の角パイプ部材からなる芯部材52の対向する二つの側面に変形部材51を設ける例について説明したが、上述に限られるものではない。図7に、別実施形態に係る架橋部材5の長手方向に垂直な方向視の断面図を示す。図7に示す架橋部材では、芯部材52である角パイプ部材の全周にわたって変形部材51が設けられる。また、図8に示す架橋部材では、角パイプ部材の芯部材の一側面をのぞく三つの側面が、断面コの字形状の変形部材51で覆われる。なお、これらの実施形態において、一体物の変形部材51で芯部材52を覆ってもよく、各側面ごとに別体の変形部材51で覆ってもよい。
【0043】
(3)また、芯部材は角パイプ部材に限られず、例えば丸パイプ部材など角パイプ部材以外のものであってもよい。図9に示す架橋部材では、丸パイプ部材の側面を変形部材で覆ってある。
【0044】
(4)また、芯部材52は、パイプ部材に限られるものではない。図10に示すように、下板部52aと上板部52bとを備えた断面逆T字状の芯部材を用いてもよい。この実施形態では、上板部52bを挟んで両側に変形部材51が設けられる。この実施形態においては、下板部52aにより変形部材51の設置面に沿い且つ延在方向に垂直な方向、すなわち、架橋材幅方向の変形が規制される。つまり、この架橋部材5を用いる場合、有孔ブロック20の側壁21bによって、変形部材51を変形させる際に、有孔ブロック20の側壁21bに下板部52aが当接することにより、変形部材51の更なる変形が規制される。従って、上板部52aは本発明の規制部に相当する。
【0045】
上述の図7〜10に示した架橋部材5では、変形部材51が充填材30の自重で脱落することを防止でき、変形部材51と芯部材52との接着が簡略化できる。
【0046】
(5)また、上述の実施形態において、除去手段10と有孔ブロック20との間に多孔プレート60を設ける例を示したが、多孔プレート60に替えて、支持砂利層を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、上水・用水・工業用水・生活廃水・工業廃水等などの被処理水に含まれる懸濁物(被除去物)を除去し、懸濁物が除去された処理水を集水する集水装置において利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
Y 集水装置
10 除去手段
11 処理層
12 粒状媒体
20 有孔ブロック
30 充填材
5 架橋部材
51 変形部材
52 芯部材
70 溝部(フリューム)
【技術分野】
【0001】
本発明は、上水・用水・工業用水・生活廃水・工業廃水等などの被処理水に含まれる懸濁物(被除去物)を除去する水処理設備において、懸濁物が除去された処理水を集水する集水装置、集水装置の施工方法、及び集水装置の溝部に用いる架橋部材に関する。
【背景技術】
【0002】
水処理設備で用いられる集水装置は、例えば粒状媒体を充填して濾過層(処理層)を備えて当該懸濁物を除去する濾過手段(除去手段)を支持し、濾過層を通過して懸濁物が除去された処理水を集水する有孔ブロックを備える(例えば特許文献1)。
【0003】
有孔ブロックは、中空の断面が略矩形となる外壁(上壁・側壁・底壁)、および、当該外壁の内部において略逆V字形断面となる傾斜内壁が設けてある。この傾斜内壁により、有孔ブロックの内部空間を中央流通部および当該中央流通部の両側に位置する側方流通部に仕切っている。上壁の上方部および側方流通部、側方流通部および中央流通部はそれぞれ孔部を介して連通している。
【0004】
濾過層には、砂利・珪砂・アンスラサイトなどの粒状媒体が充填してあり、被処理水を濾過手段の上方より下向流で濾過層に通水すると、被処理水中に含まれる懸濁物が濾過層によって除去される。濾過層を通過して懸濁物が除去された処理水は、有孔ブロックの上壁に設けた上壁孔部を介して側方流通部に流下し、さらに側方流通部から中央流通部に流下することにより集水される。
【0005】
一般に集水装置では、複数の有孔ブロックを平面状(二次元的に)に設置して濾過手段を支持している。具体的には、複数の有孔ブロックの内部空間が連通するように延設して、複数の有孔ブロックを直列に接続し、有孔ブロックどうしの側壁が対向するように並置して複数の有孔ブロックを並列に配置する。このように複数の有孔ブロックを設置することで、より多量の処理水を集水することができる。集水装置の底部に溝部(フリューム)が形成されている。このフリュームにより、有孔ブロックで集水した処理水が最終的に集水される。また、濾過層を逆洗処理するための逆洗用媒体である液体(水)あるいは空気がフリュームから有孔ブロックに供給される。
【0006】
図11に示すように、有孔ブロック20を並列に配置する際には、対向する側壁21bの間の目地部分にモルタル等の充填材30を充填している。当該充填材30が固化することで、並置した有孔ブロック20どうしを固定する。有孔ブロック20を配置する際には、上述のフリューム70を横断して有孔ブロックが設けられる場合がある。フリューム70を横断して設けられた有孔ブロック20どうしの間に充填材30を充填する場合、充填材30がフリューム70に落下するのを防止する必要がある。そこで、有孔ブロック20どうしの間に、硬質塩化ビニル製の板部材により形成された架橋部材5’を、フリューム70を横断して設け、フリューム70を横断して設けられた有孔ブロック20どうしの間に充填材30が充填される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−346574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、集水装置全体の大きさ・形状等は、集水装置ごとに異なるが、有孔ブロックの形状は決まっているため、並列に設置した有孔ブロックの対向する側壁の間の目地部分の寸法が集水装置ごとに異なることになる。このため、集水装置ごとに異なる目地部分の寸法に合わせて架橋部材5’を都度作製する必要がある。また、一般に有孔ブロック20の側壁21bには補強用のリブ24などが設けられており、凹凸形状を有している。このため、硬質塩化ビニル製の板部材に切欠5aを設ける加工を行って、架橋部材5’を有孔ブロック20の側壁21bの凹凸形状に対応した形状にする必要があった。さらに、上述の加工を行ったとしても、架橋部材5’と有孔ブロック20の側壁21bとの間の隙間を完全になくすことは困難であった。このため、充填材30の落下を防止するためには、架橋部材5’と側壁21bとの間の隙間にコーキング材9等を設けて隙間を閉塞する必要があった。
【0009】
上述のように、架橋部材の製造工程が煩雑になるという問題があった。さらに、集水装置の施工工程においても、コーキング材等により架橋部材と有孔ブロックの側壁との間の隙間を埋める必要があり、施工工程数が増加するという問題があった。
【0010】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、架橋部材の製造が容易で施工が容易な集水装置、集水装置の施工方法、及び架橋部材を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る集水装置の特徴構成は、粒状媒体を充填した処理層の上方より下向流で被処理水を通水して前記被処理水中に含まれる被除去物を前記処理層によって除去する除去手段を支持し、前記処理層を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロックと、複数の前記有孔ブロックを並置する際に、各有孔ブロックの間に充填する充填材と、を備え、設置面に形成された溝部を横断して並置された有孔ブロック間に、前記溝部の横断方向に沿って延在し前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の押圧力によりに変形可能な変形部材と、前記変形部材の延在方向に沿って設けられた芯部材とを備え前記充填材を支持する架橋部材が、前記変形部材が前記有孔ブロックにより変形された状態で、前記溝部を横断して架設してある点にある。
【0012】
本構成によれば、集水装置において、有孔ブロック間において溝部を横断し架橋部材を設けるに際し、変形部材が架橋部材の幅方向に変形可能である。このため、各有孔ブロックの間の隙間の幅ごとに異なる幅寸法の架橋部材を設ける必要がない。また、有孔ブロックの側壁が補強用のリブなどによる凹凸形状を有している場合であっても、変形部材が凹凸形状に追従して変形することにより、別途にコーキング材等を設けることなく、有孔ブロックの側壁と架橋部材との間の隙間を閉塞することができる。また、芯部材が変形部材の長手方向に沿って設けてあるので、充填材を確実に支持することができる。
上述の結果、施工が容易な集水装置を提供することができる。
【0013】
上述の構成において、前記変形部材が発泡体であると好適である。
【0014】
変形部材として、発泡体を採用することにより、変形性及び有孔ブロックの側壁の凹凸形状への追従性のよい変形部材を得ることができる。
この結果、集水装置の施工が一層容易となる。
【0015】
また、上述の構成において、前記芯部材に前記変形部材の前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の変形を規制する規制部が形成されていると好適である。
【0016】
本構成によれば、変形部材の設置面に沿い且つ延在方向に垂直な方向、すなわち、幅方向の変形についてもある程度規制することになり、有孔ブロック間において溝部を横断し架橋部材を設ける際に、例えば、芯部材を幅方向の中央位置に配置するなど、芯部材の位置を確実に決定することができる。この結果、充填材を確実に支持することができる集水装置を得ることができる。
【0017】
本発明に係る集水装置の施工方法の特徴構成は、粒状媒体を充填した処理層の上方より下向流で被処理水を通水して前記被処理水中に含まれる被除去物を前記処理層によって除去する除去手段を支持し、前記処理層を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロックの複数を設置面に平面状に設置した集水装置の施工方法であって、有孔ブロックを設置面に設置する第1有孔ブロック設置工程と、前記第1有孔ブロック設置工程により設置された有孔ブロックの長手方向に沿って、前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の押圧力によりに変形可能な変形部材と前記変形部材の延在方向に沿って設けられた芯部材とを備えた架橋部材を、前記設置面に形成された溝部を横断して配置する架橋部材配置工程と、有孔ブロックにより前記変形部材を前記架橋部材の延在方向に垂直な方向に押圧して前記変形部材を変形させつつ、前記有孔ブロックを前記架橋部材の延在方向に沿わせて設置する第2有孔ブロック設置工程と、前記第1有孔ブロック設置工程により設置された有孔ブロックと前記第2有孔ブロック設置工程により設置された有孔ブロックとの間に充填材を充填する充填工程と、を有する点にある。
【0018】
本構成によれば、上述したように、容易に集水装置を施工することができる。
【0019】
本発明に係る架橋部材の特徴構成は、粒状媒体を充填した処理層の上方より下向流で被処理水を通水して前記被処理水中に含まれる被除去物を前記処理層によって除去する除去手段を支持し、前記処理層を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロックを複数並置し、各有孔ブロックの間に充填材を充填した集水装置において、設置面に形成された溝部を横断して前記有孔ブロックを並置する際に、当該有孔ブロック間において前記溝部を横断して架設され、前記充填材を支持する架橋部材であって、前記溝部の横断方向に沿って延在し前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の押圧力によりに変形可能な変形部材と、前記変形部材の延在方向に沿って設けられた芯部材とを備えた点にある。
【0020】
本構成によれば、各有孔ブロックの間に充填材を充填した集水装置において、有孔ブロック間において溝部を横断し架橋部材を設けるに際し、変形部材が架橋部材の幅方向に変形可能である。このため、各有孔ブロックの間の隙間の幅ごとに異なる幅寸法の架橋部材を設ける必要がない。また、有孔ブロックの側壁が補強用のリブなどによる凹凸形状を有している場合であっても、変形部材が凹凸形状に追従して変形することにより、別途にコーキング材等を設けることなく、有孔ブロックの側壁と架橋部材との間の隙間を閉塞することができる。また、芯部材が変形部材の長手方向に沿って設けられ、変形部材が上述の幅方向以外の方向に変形するのを規制することができるので、充填材を確実に支持することができる。
上述の結果、架橋部材の製造が容易で、当該架橋部材を用いた集水装置の施工が容易な架橋部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】水処理設備の概略を一部切欠で示す斜視図である。
【図2】有孔ブロックの斜視図である。
【図3】有孔ブロック、充填材、架橋部材の配置を示した断面図である。
【図4】有孔ブロック、架橋部材の配置を示した上面図である。
【図5】架橋部材の要部断面図である。
【図6】別実施形態に係る架橋部材の要部断面図である。
【図7】別実施形態に係る架橋部材の要部断面図である。
【図8】別実施形態に係る架橋部材の要部断面図である。
【図9】別実施形態に係る架橋部材の要部断面図である。
【図10】別実施形態に係る架橋部材の要部断面図である。
【図11】従来の架橋部材を備えた水処理設備の概略を一部切欠で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の集水装置Yは水処理設備Xに用いることができる。また、本発明の架橋部材5は、集水装置Yに用いることができる。集水装置Yは、水・用水・工業用水・生活廃水・工業廃水等などの被処理水に含まれる懸濁物(被除去物)を除去する水処理設備Xにおいて、懸濁物が除去された処理水を集水するために用いられる。
【0023】
図1〜3示したように、当該集水装置Yは、粒状媒体12を充填した処理層11の上方より下向流で被処理水を通水して被処理水中に含まれる被除去物を処理層11によって除去する除去手段10を支持し、処理層11を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロック20と、複数の有孔ブロック20を並置する際に、各有孔ブロック20の間に充填する充填材30と、を備える。
集水装置Yの底部に溝部(フリューム70)が形成されている。このフリューム70により、有孔ブロック20で集水した処理水が最終的に集水される。また、濾過層11を逆洗処理するための逆洗用媒体である液体(水)あるいは空気がフリューム70から有孔ブロック20に供給される。
【0024】
(除去手段)
本実施形態の除去手段10は、濾過処理によって被処理水中に含まれる被除去物を除去する場合について説明する。従って、処理層11は濾過層となる。しかし、このような態様に限られるものではなく、生物処理によって被処理水中に含まれる被除去物を除去することも可能である。この場合、処理層11は生物処理層となり、例えば粒状媒体12の表面に被除去物を生物的に分解する微生物を担持させておく。
【0025】
処理層11には、珪砂・アンスラサイト・粒状活性炭などの粒状媒体12が充填してある。本実施形態では二層の処理層11を設けてあり、最下層から順に珪砂層11a・アンスラサイト層11bを配置したものを例示するが、これに限られるものではない。
被処理水を除去手段10の上方に設けた排水トラフ(図示しない)より処理層11に給水して処理層11を通過させることで、被処理水中に含まれる被除去物が処理層11によって除去される。なお、排水トラフを経由せず直接処理層11に給水される場合もある。
【0026】
(有孔ブロック)
有孔ブロック20は除去手段10の下方に配置して除去手段10を支持する。本実施形態では、除去手段10と有孔ブロック20との間には、多孔プレート60を配置してある。
有孔ブロック20は、中空で断面が略矩形となる外壁21(上壁21a・側壁21b・底壁21c)、および、当該外壁21の内側に接続して有孔ブロック20の内部空間を複数の空間に分割する傾斜内壁22が設けてある。
有孔ブロック20は、耐食性・耐圧性に優れた材質であれば、何れの材料で形成してもよいが、例えば高密度ポリエチレンの発泡成形体とすれば、軽量化することができるため、運搬や施工面で作業性がよい。
【0027】
上壁21aは、除去手段10の下面に直接接触して、或いは、多孔プレート60を介して間接的に除去手段10を支持する。側壁21bは上壁21aに接続する一対の対向する壁であり、底壁21cは当該一対の側壁21bに接続する。また、傾斜内壁22は、その断面が略逆V字形となるように形成してある。これにより、有孔ブロック20の内部空間を、中央流通部Aと当該中央流通部Aの両側に位置する側方流通部Bとに仕切っている。このように、有孔ブロック20の内部空間は、傾斜内壁22によって三つの空間に分割されるが、この態様に限られるものではない。
【0028】
上壁21aの上方部および側方流通部Bは、上壁21aに形成した複数の上壁孔部a1を介して連通しており、側方流通部Bおよび中央流通部Aは、傾斜内壁22に形成した第一内壁孔部b1、第二内壁孔部b2および第三内壁孔部b3を介して連通している。処理層11を通過して被除去物が除去された処理水は、多孔プレート60を通過した後に上壁孔部a1を介して側方流通部Bに流下し、さらに第一内壁孔部b1、第二内壁孔部b2および第三内壁孔部b3を介して中央流通部Aに流下して集水される(集水処理)。端部に設けられた有孔ブロック20は、設置面に形成されたフリューム70を横断して配置される。そして、処理水は、端部に設けられた有孔ブロック20の底壁21cに形成した底壁開口部(図外)を経て有孔ブロック20の下方に設けたフリューム70を流下して、或いは、中央流通部Aに接続する配管(図外)を流下して、所定の貯水槽に搬送される。
【0029】
上壁21aの上面には、側壁21bから延設する上壁第一リブ部23a、上壁第一リブ部23aに平行な上壁第二リブ部23b、および、上壁第一リブ部23aと垂直に交差する上壁第三リブ部23cが設けてある。
これらリブ部23a〜23cによって上壁21aの上面を複数の区画に分割してある。これらリブ部23a〜23cを設けることで上壁21aの耐圧性を強化することができ、除去手段10の荷重による上壁21aの撓みを防止できる。
多孔プレート60は、前記リブ部23a〜23cの上面に載置する。多孔プレート60は、ボルトによって前記リブ部23a〜23c或いは上壁21aに固定する。多孔プレート20は、例えば、直径数mmのペレットを多数接合して構成するとよい。当該ペレットとしては、ポリオレフィン等のプラスチックの他、セラミック、焼結金属等が使用可能である。
【0030】
側壁21bには、複数の有孔ブロック20を並置する際に、各有孔ブロック20の間に充填した充填材30に、有孔ブロック20が受けた上方及び下方からの荷重を伝達する側方リブ24を形成してある。側方リブ24は、水平方向に伸延する水平側方リブ24A、および、垂直方向に伸延する垂直側方リブ24B1〜B3とすることができる。これら側方リブ24により、有孔ブロック20が受けた上向荷重および下向荷重を充填材30に確実に伝達して、有孔ブロック20及び充填材30が垂直方向に互いに位置ズレするのを確実に防止することができる。
【0031】
有孔ブロック20は、逆洗用媒体によって上向荷重を受け、濾過手段の重量による下向荷重を常に受ける。当該上向荷重を受けると、有孔ブロック20が上方向に相対移動しようとする応力が作用し、当該下向荷重を受けると、有孔ブロック20が下方向に相対移動しようとする応力が作用する。本構成では、有孔ブロック20が受けた上方及び下方からの荷重を充填材30に伝達する側方リブ24を形成することから、有孔ブロック20に上向荷重あるいは下向荷重が作用した場合であっても、側方リブ24によってこれら荷重を固化した充填材30に伝達するため、充填材30に対する有孔ブロック20の相対位置を固定することができる。そのため、有孔ブロック20及び充填材30が垂直方向に互いに位置ズレするのを防止できる。
側方リブ24は、水平側方リブ24Aおよび垂直側方リブ24Bの少なくとも何れか一方を形成するとよい。
【0032】
(架橋部材)
上述したように端部の有孔ブロック20は、フリューム70(設置面に形成された溝部の一例)を横断して設けられる。この場合、充填材30がフリューム70に落下するのを防止するため、有孔ブロック20どうしの間には、フリューム70を横断する架橋部材5が架設される。図1、3〜5に示すように、架橋部材5は、フリューム70の横断方向に沿って配置される変形部材51と、変形部材51の延在方向に沿って設けられた芯部材52とを備える。
【0033】
本実施形態において、芯部材52は、例えば中空状の角パイプ部材により形成される。また、変形部材51は、発泡体で形成され、長手方向に垂直な方向の断面視で四角形状を有している。芯部材52の対向する側面にそれぞれ、変形部材51が固定されている。特に限定はされないが、芯部材52と変形部材51とが接着剤により固定される。芯部材52と変形部材51とは略同じ長さであり、芯部材52の長手方向の全域にわたって変形部材51が設けられる。また、本実施形態において、架橋部材5は、長手方向に垂直な断面視で、略同じ高さの芯部材52と変形部材51とにより構成されている。このように、変形部材51に沿って、芯部材52が設けられることにより、架橋部材5の幅方向(つまり、設置面に沿い且つ延在方向に垂直な方向)以外の方向への変形が規制される。
【0034】
芯部材52に用いる角パイプ部材としては、特に限定はされないが、例えば金属製の角パイプ部材を好適に用いることができる。また、金属性以外にも繊維強化プラスチック(FRP)、硬質塩化ビニル樹脂など合成樹脂性の角パイプ部材を用いてもよい。
【0035】
また、変形部材51に用いる発泡体としては、特に限定はされないが、弾性発泡体が好ましく、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂の発泡体が好適に用いられる。また、変形部材51に用いる発泡体は、ポリエチレン製やウレタン製などのエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂製以外の合成樹脂製のものであってもよい。また、エチレンプロピレン(EPDM)ゴムやシリコンゴムなどのゴム製のものなど合成樹脂製のもの以外であってもよい。特に、シリコンゴムは処理水中に塩素が含まれる場合には、耐塩素性が高いため、耐久性の面で有効である。
【0036】
上述のように、変形部材51に用いる発泡体の材質は特に限定はされないが、発泡体の体積を25%圧縮するために必要な応力である25%圧縮応力が、10kPa以下のものが好適に用いられる。25%圧縮応力が上記値よりも大きければ、架橋部材5を有孔ブロック20の間に設ける際に、変形部材51を変形させるために大きな応力が必要となり、施工が困難になる。従って、変形部材51に用いる発泡体の25%圧縮応力は上述の値のものが好ましい。
【0037】
この架橋部材5がフリューム70を横断して設けられた隣接する有孔ブロック20どうしの間に設けられる。架橋部材5の幅は隣接して配置される有孔ブロック20どうしの側壁21b間の距離よりも大きく設定され、変形部材51を側壁21bに押圧して圧縮することにより、側壁21b間に架橋部材5が設けられる。具体的には、変形部材51の全体積のうち20%〜55%が圧縮された状態で、架橋部材5が設けられる。図4に示すように、この状態で、変形部材51が変形することにより、側方リブ24などによる側壁21bの凹凸形状に対応した形状となり、側壁21bと変形部材51との間が閉塞される。
【0038】
(充填材)
充填材30は、複数の有孔ブロック20を並置する際に、各有孔ブロック20の間に充填する。図1、3に示すように、フリューム70を横断して設けられた有孔ブロックの間に充填された充填材30は、フリューム70を横断して設けられた架橋部材5上に支持されて設けられる。
充填材30は、モルタル・コンクリート等、間隙等に流動状態で投入した後、経時的に固化する態様のものであれば、公知の充填材を使用することができる。固化した充填材30は、並置した有孔ブロック20の間隙を埋めると共に、各有孔ブロック20どうしを強固に接着して固定することで、有孔ブロック20の上方に載置した除去手段10を安定して支持することができる。
【0039】
(集水装置の施工方法)
本発明の集水装置Xは、第1有孔ブロック設置工程P1と、架橋部材配置工程P2と第2有孔ブロック設置工程P3と、充填工程P4と、を有する。
【0040】
第1有孔ブロック設置工程P1は、長手方向に一列に接続された複数の有孔ブロック20を設置面に設置する。このとき一部の有孔ブロックがフリューム70(本発明の溝部の一例)をまたいで設置される。
架橋部材配置工程P2は、上述した第1有孔ブロック設置工程P1により設置された有孔ブロック20のうちフリューム70をまたいで設置された有孔ブロック20の長手方向に沿って、架橋部材5を、フリューム70を横断して配置する。
第2有孔ブロック設置工程P3は、第1有孔ブロック設置工程P1と同様に長手方向に一列に接続された複数の有孔ブロック20を、第1有孔ブロック設置工程P1により設置された有孔ブロックと間隔をあけて並置する。このとき、有孔ブロック20のうちフリューム70をまたいで設置される有孔ブロック20により、変形部材51を架橋部材5の延在方向に垂直な方向に押圧して変形部材51を変形させつつ、有孔ブロック20を架橋部材5の延在方向に沿わせて配置する。
上述の工程が繰り返されて、有孔ブロック20が平面状に並置される。なお、上述の第1有孔ブロック設置工程P1及び第2有孔ブロック設置工程P3においては、長手方向に一列に接続された複数の有孔ブロック20を設置面に設置する場合を例に説明したが、複数の有孔ブロック20を長手方向に一列に並べた後に接続してもよい。また、第1有孔ブロック設置工程P1及び第2有孔ブロック設置工程P3において、それぞれ単数の有孔ブロック20を設置してもよい。
充填工程P4は、並列に配置した各有孔ブロック20の間に充填材30を充填する。このとき、フリューム70を横断して設けられた有孔ブロック20の間に充填された充填材30は、フリューム70を横断して設けられた架橋部材5上に支持されて設けられる。
【0041】
[別実施形態]
(1)上述の実施形態において、架橋部材5として、中空状の角パイプ部材からなる芯部材52の対向する二つの側面に、側面と略同じ高さの変形部材51を設ける場合を例に説明したが上述に限られるものではない。図6に、別実施形態に係る架橋部材5の長手方向に垂直な方向視の断面図を示す。図6に示すように、側面の高さを変形部材51の高さよりも高く設定してもよい。また、反対に側面の高さを変形部材51の高さよりも低く設定してもよい。
【0042】
(2)上述の実施形態において、架橋部材5として、中空状の角パイプ部材からなる芯部材52の対向する二つの側面に変形部材51を設ける例について説明したが、上述に限られるものではない。図7に、別実施形態に係る架橋部材5の長手方向に垂直な方向視の断面図を示す。図7に示す架橋部材では、芯部材52である角パイプ部材の全周にわたって変形部材51が設けられる。また、図8に示す架橋部材では、角パイプ部材の芯部材の一側面をのぞく三つの側面が、断面コの字形状の変形部材51で覆われる。なお、これらの実施形態において、一体物の変形部材51で芯部材52を覆ってもよく、各側面ごとに別体の変形部材51で覆ってもよい。
【0043】
(3)また、芯部材は角パイプ部材に限られず、例えば丸パイプ部材など角パイプ部材以外のものであってもよい。図9に示す架橋部材では、丸パイプ部材の側面を変形部材で覆ってある。
【0044】
(4)また、芯部材52は、パイプ部材に限られるものではない。図10に示すように、下板部52aと上板部52bとを備えた断面逆T字状の芯部材を用いてもよい。この実施形態では、上板部52bを挟んで両側に変形部材51が設けられる。この実施形態においては、下板部52aにより変形部材51の設置面に沿い且つ延在方向に垂直な方向、すなわち、架橋材幅方向の変形が規制される。つまり、この架橋部材5を用いる場合、有孔ブロック20の側壁21bによって、変形部材51を変形させる際に、有孔ブロック20の側壁21bに下板部52aが当接することにより、変形部材51の更なる変形が規制される。従って、上板部52aは本発明の規制部に相当する。
【0045】
上述の図7〜10に示した架橋部材5では、変形部材51が充填材30の自重で脱落することを防止でき、変形部材51と芯部材52との接着が簡略化できる。
【0046】
(5)また、上述の実施形態において、除去手段10と有孔ブロック20との間に多孔プレート60を設ける例を示したが、多孔プレート60に替えて、支持砂利層を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、上水・用水・工業用水・生活廃水・工業廃水等などの被処理水に含まれる懸濁物(被除去物)を除去し、懸濁物が除去された処理水を集水する集水装置において利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
Y 集水装置
10 除去手段
11 処理層
12 粒状媒体
20 有孔ブロック
30 充填材
5 架橋部材
51 変形部材
52 芯部材
70 溝部(フリューム)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状媒体を充填した処理層の上方より下向流で被処理水を通水して前記被処理水中に含まれる被除去物を前記処理層によって除去する除去手段を支持し、前記処理層を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロックと、
複数の前記有孔ブロックを並置する際に、各有孔ブロックの間に充填する充填材と、を備え、
設置面に形成された溝部を横断して並置された有孔ブロック間に、前記溝部の横断方向に沿って延在し前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の押圧力によりに変形可能な変形部材と、前記変形部材の延在方向に沿って設けられた芯部材とを備え前記充填材を支持する架橋部材が、前記変形部材が前記有孔ブロックにより変形された状態で、前記溝部を横断して架設してある集水装置。
【請求項2】
前記変形部材は、発泡体である請求項1に記載の集水装置。
【請求項3】
前記芯部材に前記変形部材の前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の変形を規制する規制部が形成されている請求項1又は2に記載の集水装置。
【請求項4】
粒状媒体を充填した処理層の上方より下向流で被処理水を通水して前記被処理水中に含まれる被除去物を前記処理層によって除去する除去手段を支持し、前記処理層を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロックの複数を設置面に平面状に設置した集水装置の施工方法であって、
有孔ブロックを設置面に設置する第1有孔ブロック設置工程と、
前記第1有孔ブロック設置工程により設置された有孔ブロックの長手方向に沿って、前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の押圧力によりに変形可能な変形部材と前記変形部材の延在方向に沿って設けられた芯部材とを備えた架橋部材を、前記設置面に形成された溝部を横断して配置する架橋部材配置工程と、
有孔ブロックにより前記変形部材を前記架橋部材の延在方向に垂直な方向に押圧して前記変形部材を変形させつつ、前記有孔ブロックを前記架橋部材の延在方向に沿わせて設置する第2有孔ブロック設置工程と、
前記第1有孔ブロック設置工程により設置された有孔ブロックと前記第2有孔ブロック設置工程により設置された有孔ブロックとの間に充填材を充填する充填工程と、を有する集水装置の施工方法。
【請求項5】
粒状媒体を充填した処理層の上方より下向流で被処理水を通水して前記被処理水中に含まれる被除去物を前記処理層によって除去する除去手段を支持し、前記処理層を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロックを複数並置し、各有孔ブロックの間に充填材を充填した集水装置において、設置面に形成された溝部を横断して前記有孔ブロックを並置する際に、当該有孔ブロック間において前記溝部を横断して架設され、前記充填材を支持する架橋部材であって、
前記溝部の横断方向に沿って延在し前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の押圧力によりに変形可能な変形部材と、
前記変形部材の延在方向に沿って設けられた芯部材とを備えた架橋部材。
【請求項1】
粒状媒体を充填した処理層の上方より下向流で被処理水を通水して前記被処理水中に含まれる被除去物を前記処理層によって除去する除去手段を支持し、前記処理層を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロックと、
複数の前記有孔ブロックを並置する際に、各有孔ブロックの間に充填する充填材と、を備え、
設置面に形成された溝部を横断して並置された有孔ブロック間に、前記溝部の横断方向に沿って延在し前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の押圧力によりに変形可能な変形部材と、前記変形部材の延在方向に沿って設けられた芯部材とを備え前記充填材を支持する架橋部材が、前記変形部材が前記有孔ブロックにより変形された状態で、前記溝部を横断して架設してある集水装置。
【請求項2】
前記変形部材は、発泡体である請求項1に記載の集水装置。
【請求項3】
前記芯部材に前記変形部材の前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の変形を規制する規制部が形成されている請求項1又は2に記載の集水装置。
【請求項4】
粒状媒体を充填した処理層の上方より下向流で被処理水を通水して前記被処理水中に含まれる被除去物を前記処理層によって除去する除去手段を支持し、前記処理層を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロックの複数を設置面に平面状に設置した集水装置の施工方法であって、
有孔ブロックを設置面に設置する第1有孔ブロック設置工程と、
前記第1有孔ブロック設置工程により設置された有孔ブロックの長手方向に沿って、前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の押圧力によりに変形可能な変形部材と前記変形部材の延在方向に沿って設けられた芯部材とを備えた架橋部材を、前記設置面に形成された溝部を横断して配置する架橋部材配置工程と、
有孔ブロックにより前記変形部材を前記架橋部材の延在方向に垂直な方向に押圧して前記変形部材を変形させつつ、前記有孔ブロックを前記架橋部材の延在方向に沿わせて設置する第2有孔ブロック設置工程と、
前記第1有孔ブロック設置工程により設置された有孔ブロックと前記第2有孔ブロック設置工程により設置された有孔ブロックとの間に充填材を充填する充填工程と、を有する集水装置の施工方法。
【請求項5】
粒状媒体を充填した処理層の上方より下向流で被処理水を通水して前記被処理水中に含まれる被除去物を前記処理層によって除去する除去手段を支持し、前記処理層を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロックを複数並置し、各有孔ブロックの間に充填材を充填した集水装置において、設置面に形成された溝部を横断して前記有孔ブロックを並置する際に、当該有孔ブロック間において前記溝部を横断して架設され、前記充填材を支持する架橋部材であって、
前記溝部の横断方向に沿って延在し前記設置面に沿い且つ前記延在方向に垂直な方向の押圧力によりに変形可能な変形部材と、
前記変形部材の延在方向に沿って設けられた芯部材とを備えた架橋部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−227875(P2010−227875A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80194(P2009−80194)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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