説明

集積回路および情報処理装置

【課題】複数の系統のストリームの機器内部における伝送に係る信号線の増加を抑制する。
【解決手段】集積回路は、ストリーム生成部と送信部とを備える。ストリーム生成部は、装置間で動画データを送受信するために予め定められたデータ構造に従って動画期間およびブランキング期間を1フレームのデータ構造ごとに含むビデオストリームと動画データに関連する関連データを含む関連データストリームとに基づいて、関連データを格納するための所定のサイズの追加ブランキング期間をビデオストリームの1フレームごとに追加したデータ構造の多重化ストリームを生成する。送信部は、生成された多重化ストリームを他の集積回路へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、集積回路に関し、特に、複数の系統のストリームを送信または受信するための集積回路および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高画質なビデオデータ(映像データ)や高音質なオーディオデータ(音声データ)を入出力する装置が普及している。一般的に、高画質なビデオデータや高音質なオーディオデータはデータ量が大きいため、電子機器間を送受信するデータ量も増加している。このデータ量の増加に伴い電子機器間を接続する配線が増加することが想定される。しかしながら、電子機器間を接続する配線の数は少ないことが望ましく、種々の伝送方式が規格化されて用いられている。
【0003】
例えば、SDI(Serial Digital Interface)規格を用いてデータを送受信する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。SDI規格は、例えば、ビデオデータおよびオーディオデータを多重化して1つのストリームを生成し、生成されたストリームをシリアライズして送受信する規格である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−292412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来技術では、ビデオデータおよびオーディオデータを、1本の同軸ケーブルを介して送受信することができる。しかしながら、上述したように、電子機器間を送受信するデータ量が増加しているため、データの伝送速度が不足しつつある。
【0006】
そこで、SDI規格を用いつつデータの伝送速度の不足を補うために、伝送方法に種々の工夫を施してデータを送受信することが行われている。例えば、ビデオデータのサイズ(フレームのサイズ)はSDI規格で送信可能なサイズである。しかしながら、オーディオデータのサイズが大き過ぎる場合には、ビデオデータおよびオーディオデータを一緒に送信することができない。そこで、このような場合には、2本のケーブルを配線して、ビデオデータとオーディオデータとを別々のストリームのまま送受信する。また、ビデオデータにおけるフレームのサイズが大き過ぎる場合には、1フレームを複数のフレームに分割し、複数のストリームとして送信する。
【0007】
これらの場合には、複数のストリームを受信するため、ビデオデータとオーディオデータとを機器内で送受信するための信号線の数も増える。このように信号線の数が増えると、SI(Signal Integrity)の低下や、信号間の位相の管理が難しくなることが想定される。このため、機器ごとに回路を設計する際における設計コストの増加や、歩留まりの低下による品質コストの増加などが生じるおそれがある。そこで、複数の系統で受信した複数のデータを、信号線の数を増やさないように機器内を伝送させることが重要である。
【0008】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、複数の系統のストリームの機器内部における伝送に係る信号線の増加を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、装置間で動画データを送受信するために予め定められたデータ構造に従って動画期間およびブランキング期間を1フレームのデータ構造ごとに含むビデオストリームと上記動画データに関連する関連データを含む関連データストリームとに基づいて、上記関連データを格納するための所定のサイズの追加ブランキング期間を上記ビデオストリームの1フレームごとに追加したデータ構造の多重化ストリームを生成するストリーム生成部と、上記生成された多重化ストリームを他の集積回路へ送信する送信部とを具備する集積回路である。これにより、他の機器から送信された動画データおよび関連データを他の集積回路へ送信するために、関連データを格納するための所定のサイズの追加ブランキング期間をビデオストリームの1フレームごとに追加したデータ構造の多重化ストリームを他の集積回路へ送信させるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記追加ブランキング期間には、上記追加ブランキング期間の位置を識別するための識別情報と上記関連データとパディングとが格納され、上記ストリーム生成部は、上記関連データのサイズに応じて上記パディングの量を増減させて上記追加ブランキング期間を生成するようにしてもよい。これにより、識別情報と、関連データと、パディングとに基づいてブランキング期間が生成されるという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記関連データストリームは、上記動画データに関連付けられているオーディオデータを上記関連データとして含むようにしてもよい。これにより、動画データに関連付けられているオーディオデータが関連データとして含まれるという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、送受信するために1フレームを複数のサブフレームに分割することにより生成された複数の上記ビデオストリームに基づいて上記分割される前のフレームを復元する復元部と、上記復元されたフレームについて、上記分割において行われた分割方式とは異なる分割方式に基づいて再分割して、新たな複数のビデオストリームを生成する分割部とをさらに具備し、上記ストリーム生成部は、上記新たな複数のビデオストリームごとに上記多重化ストリームを複数生成し、上記送信部は、上記他の集積回路へ上記生成された複数の多重化ストリームを送信するようにしてもよい。これにより、1フレームを複数のフレームに分割して生成された複数のビデオストリームを異なる分割方式に分割して生成された新たな複数のビデオストリームに基づいて複数の多重化ストリームが生成されるという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記復元部による復元対象となるビデオストリームは、1フレームを4分割して生成されたストリームであり、上記分割部は、上記復元されたフレームにおける各画素のデータを、当該復元されたフレームの所定方向に連続している4画素単位で交互に順次分類することにより、4系統の新たなビデオストリームを上記新たな複数のビデオストリームとして生成するようにしてもよい。これにより、1フレームを4分割する分割方式を、復元されたフレームの所定方向に連続している4画素単位で交互に順次分類する分割方式に変換することができる。
【0014】
また、この第1の側面において、上記復元部による復元対象となるビデオストリームは、1フレームを4分割して生成されたストリームであり、上記分割部は、上記復元されたフレームにおける各画素のデータを、当該復元されたフレームの所定方向に連続している2画素単位で交互に順次分類するとともに、上記所定方向に直交する方向に連続している2ライン単位で交互に順次分類することにより、4系統の新たなビデオストリームを上記新たな複数のビデオストリームとして生成するようにしてもよい。これにより、1フレームを4分割する分割方式を、復元されたフレームの所定方向に連続している2画素単位で交互に順次分類するとともに、所定方向に直交する方向に隣接している2ライン単位で交互に順次分類する分割方式に変換することができる。
【0015】
また、本技術の第2の側面は、動画データの関連データを格納するための所定のサイズの追加ブランキング期間を装置間における上記動画データの送受信のために予め定められたデータ構造に追加した多重化ストリームを受信するストリーム受信部と、上記受信された多重化ストリームに含まれている動画データおよび関連データを分離する分離部と、上記予め定められたデータ構造のビデオストリームに上記分離された動画データを格納して送信するビデオストリーム送信部と、上記関連データを装置間で送受信するためのデータ構造の関連データストリームに上記分離された関連データを格納して送信する関連データストリーム送信部とを具備する集積回路である。これにより、多重化ストリームから分離された動画データおよび関連データが、ビデオストリームおよび関連データストリームとして他の装置へ送信されるという作用をもたらす。
【0016】
また、本技術の第3の側面は、装置間で動画データを送受信するために予め定められたデータ構造に従って動画期間およびブランキング期間を1フレームのデータ構造ごとに含むビデオストリームと上記動画データに関連する関連データを含む関連データストリームとに基づいて、上記関連データを格納するための所定のサイズの追加ブランキング期間を上記ビデオストリームの1フレームごとに追加したデータ構造の多重化ストリームを生成するストリーム生成部と、上記生成された多重化ストリームを他の集積回路へ送信する送信部とを備える第1集積回路と、上記送信された多重化ストリームから上記動画データおよび上記関連データを分離する分離部と、上記分離された動画データを画像処理する画像処理部と、上記分離された関連データを信号処理する関連データ処理部とを備える第2集積回路とを具備する情報処理装置である。これにより、第1集積回路が生成した多重化ストリームを受信した第2集積回路が多重化ストリームに含まれる各データを分離して、そして、第2集積回路が分離した各データを含むそれぞれのストリームを各データの処理部に信号処理させるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0017】
本技術によれば、複数の系統のストリームの機器内部における伝送に係る信号線の増加を抑制することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本技術の第1の実施の形態における情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。
【図2】本技術の第1の実施の形態におけるインターフェース基板200の機器内伝送ストリーム生成部300およびストリーム送信部270の構成例を示すブロック図である。
【図3】本技術の第1の実施の形態における信号処理回路基板400のストリーム受信部410および機器内伝送ストリーム分離部420の構成例を示すブロック図である。
【図4】本技術の第1の実施の形態の情報処理装置100におけるビデオストリームのビット幅およびクロックの一例を示す模式図である。
【図5】本技術の第1の実施の形態の情報処理装置100における機器内伝送ストリームのデータ構造の一例を示す模式図である。
【図6】本技術の第1の実施の形態のストリーム生成部390により生成される機器内伝送ストリームの追加ブランキング540におけるデータ構造の一例を示す模式図である。
【図7】本技術の第1の実施の形態のストリーム生成部390により生成される機器内伝送ストリームを用いて機器内を伝送することによる効果の一例を示す模式図である。
【図8】本技術の第2の実施の形態における情報処理装置110の構成例を示すブロック図である。
【図9】本技術の第2の実施の形態におけるビデオデータ書込部630、ビデオデータ取得部640およびフレーム復元部680の構成例を示すブロック図である。
【図10】本技術の第2の実施の形態における情報処理装置110に外部装置から供給される4系統のビデオストリームの一例を示す模式図である。
【図11】本技術の第2の実施の形態におけるDRAM684に保持される画像(フレーム)のメモリマップの一例を示す模式図である。
【図12】本技術の第2の実施の形態におけるDRAM684に保持された画像をビデオデータ取得部640が読み出す際における分割方式の変換の一例を示す模式図である。
【図13】本技術の第2の実施の形態におけるDRAM684に保持された画像をビデオデータ取得部640が読み出す際における分割方式の変換の一例を示す模式図である。
【図14】本技術の第3の実施の形態における情報処理装置120の構成例を示すブロック図である。
【図15】本技術の第3の実施の形態におけるインターフェース基板209の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(機器内伝送制御:他の機器が送信した3つのストリームを信号処理回路に伝送する例)
2.第2の実施の形態(機器内伝送制御:複数系統のビデオストリームを機器内伝送する例)
3.第3の実施の形態(機器内伝送制御:他の機器に送信する3つのストリームを機器内伝送する例)
【0020】
<1.第1の実施の形態>
[情報処理装置の構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。この情報処理装置100は、インターフェース基板200と、信号処理回路基板400とを備える。
【0021】
なお、本技術の実施の形態では、情報処理装置100の外部の装置(外部装置)から情報処理装置100に対して、3つのストリーム(ビデオストリーム、オーディオストリーム、付随データストリーム)が送信されていることを想定する。なお、付随データについては、インターフェース基板200の付随データストリーム入力端子293の説明において説明するため、ここでの説明を省略する。
【0022】
インターフェース基板200は、情報処理装置100と外部装置との間におけるデータの送受信を介在するための基板である。このインターフェース基板200は、ビデオストリーム入力端子291と、オーディオストリーム入力端子292と、付随データストリーム入力端子293とを備える。また、インターフェース基板200は、ビデオストリーム変換部210と、オーディオストリーム変換部220と、付随データストリーム変換部230と、ベースバンドクロック生成部240とを備える。また、インターフェース基板200は、ストリームクロック生成部250と、機器内伝送ストリーム生成部300と、機器内伝送クロック生成部260と、ストリーム送信部270とを備える。なお、インターフェース基板200は、特許請求の範囲に記載の、集積回路および第1集積回路の一例である。
【0023】
ビデオストリーム入力端子291は、外部装置が出力したビデオ(動画)ストリームを情報処理装置100が受信するための端子である。例えば、ビデオストリーム入力端子291は、SDI(Serial Digital Interface)規格に基づいて送信されたビデオストリーム(ビット幅が1bit)を受信する。ビデオストリーム入力端子291は、受信したビデオストリームを、ビデオストリーム変換部210に供給する。なお、ビデオストリームは特許請求の範囲に記載の装置間で動画を送受信するために予め定められたデータ構造のストリームの一例である。
【0024】
オーディオストリーム入力端子292は、外部装置が出力したオーディオストリームを情報処理装置100が受信するための端子である。このオーディオストリーム入力端子292が受信するオーディオストリームは、ビデオストリーム入力端子291に入力されるビデオのオーディオ部分のストリームであり、ビデオストリームに関連するデータである。オーディオストリーム入力端子292は、ビデオストリームとは別の信号(別のケーブル)を介して送信されたオーディオストリームを受信する。なお、本技術の第1の実施の形態では、オーディオストリーム入力端子292にはビット幅が1bitのデジタルオーディオが入力されることを想定する。オーディオストリーム入力端子292は、受信したオーディオストリームを、オーディオストリーム変換部220に供給する。
【0025】
付随データストリーム入力端子293は、外部装置が出力した付随データストリーム情報を情報処理装置100が受信するための端子である。ここで、付随データについて説明する。付随データとは、ビデオおよびオーディオ以外のデータであって、ビデオストリームに関連するデータである。例えば、文字放送における文字データや、ビデオストリームにおけるフレームレートなどのデータが付随データとして送信される。付随データストリーム入力端子293は、ビデオストリームおよびオーディオストリームとは別の信号線を介して送信された付随データストリームを受信する。付随データストリーム入力端子293は、受信した付随データストリームを、付随データストリーム変換部230に供給する。なお、オーディオストリームおよび付随データストリームは、特許請求の範囲に記載の動画データに関連する関連データを含むストリームの一例である。すなわち、オーディオデータおよび付随データは、特許請求の範囲に記載の関連データの一例である。
【0026】
ビデオストリーム変換部210は、ビデオストリーム入力端子291から供給されたビデオストリームを、機器内伝送ストリーム生成部300が処理するビット幅のデータに変換するものである。すなわち、ビデオストリーム変換部210は、シリアルデータをパラレルデータに変換する。なお、機器内伝送ストリーム生成部300ではビデオストリームのベースバンドのビット幅およびクロックを用いて各データが処理されるため、ビデオストリーム変換部210は、このビット幅にビデオストリームのビット幅を変換する。ビデオストリーム変換部210は、ビット幅を変換したビデオストリームを、ベースバンドクロック生成部240が復元したベースバンドクロックに乗せて、信号線211を介して機器内伝送ストリーム生成部300に供給する。
【0027】
ベースバンドクロック生成部240は、ビデオストリームのベースバンドクロックを生成するものである。このベースバンドクロック生成部240は、生成したベースバンドクロックを、ビデオストリーム変換部210およびストリームクロック生成部250に供給する。なお、ビデオストリーム変換部210およびベースバンドクロック生成部240は、例えば、3G−SDIに対応したデシリアライザ(DeSer:Deserializers)により実現される。
【0028】
オーディオストリーム変換部220は、オーディオストリーム入力端子292から供給されたオーディオストリームを、機器内伝送ストリーム生成部300が処理するビット幅のデータに変換(シリアルデータをパラレルデータに変換)するものである。すなわち、オーディオストリーム変換部220は、ビデオストリーム変換部210が変換するビデオストリームのビット幅と同じビット幅にオーディオストリームを変換する。オーディオストリーム変換部220は、ビット幅を変換したオーディオストリームを、信号線221を介して機器内伝送ストリーム生成部300に供給する。
【0029】
付随データストリーム変換部230は、付随データストリーム入力端子293から供給された付随データストリームを、機器内伝送ストリーム生成部300が処理するビット幅のデータに変換するものである。すなわち、付随データストリーム変換部230は、ビデオストリーム変換部210およびオーディオストリーム変換部220が変換するビット幅と同じビット幅に付随データストリームを変換する。付随データストリーム変換部230は、ビット幅を変換した付随データストリームを、信号線231を介して機器内伝送ストリーム生成部300に供給する。
【0030】
ストリームクロック生成部250は、機器内伝送ストリーム生成部300により生成されるストリーム(機器内伝送ストリーム)のベースバンドクロックを生成するものである。このストリームクロック生成部250は、例えば、PLL(Phase Locked Loop)回路により実現され、ベースバンドクロック生成部240から供給されたクロックのm/n倍のクロック(例えば、6/5(1.2倍))を生成する。ストリームクロック生成部250は、生成したクロック(ストリームクロック)を、機器内伝送ストリーム生成部300および機器内伝送クロック生成部260に信号線251を介して供給する。
【0031】
機器内伝送ストリーム生成部300は、インターフェース基板200が外部装置から受信した3つのストリームに基づいて、この3つのストリームを情報処理装置100の内部(機器内)の他の回路へ送信(伝送)するためのストリームを生成するものである。なお、この機器内伝送ストリーム生成部300については図2を用いて説明するため、ここでの説明を省略する。機器内伝送ストリーム生成部300は、生成したストリーム(機器内伝送ストリーム)を、ストリーム送信部270に供給する。また、機器内伝送ストリーム生成部300は、機器内伝送ストリームに関する情報(機器内伝送ストリーム情報)を、信号線201を介して信号処理回路基板400の機器内伝送ストリーム分離部420に供給する。なお、機器内伝送ストリーム生成部300は、特許請求の範囲に記載のストリーム生成部の一例である。また、機器内伝送ストリームは、特許請求の範囲に記載のストリーム生成部が生成する多重化ストリームの一例である。
【0032】
機器内伝送クロック生成部260は、機器内伝送ストリームを他の回路へ送信(伝送)するためのクロック(機器内伝送クロック)を生成するものである。この機器内伝送クロック生成部260は、例えば、ストリームクロック生成部250から供給されたストリームクロックに基づいて、機器内伝送クロックを生成する。機器内伝送クロック生成部260は、生成した機器内伝送クロックを、ストリーム送信部270に供給する。
【0033】
ストリーム送信部270は、機器内伝送ストリーム生成部300からの機器内伝送ストリームを、機器内伝送クロック生成部260からの機器内伝送クロックが示す速度(周波数)に乗せて、他の回路(図1では信号処理回路基板400)へ送信するものである。なお、ストリーム送信部270については図2を参照して説明し、ここでの説明を省略する。ストリーム送信部270は、機器内伝送ストリームを、信号線202を介して信号処理回路基板400のストリーム受信部410に供給する。なお、機器内伝送クロック生成部260およびストリーム送信部270は、例えば、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:低電圧差動信号)伝送方式によりデータを送信するシリアライザ(Serializer)により実現される。なお、ストリーム送信部270は、特許請求の範囲に記載の送信部の一例である。
【0034】
信号処理回路基板400は、情報処理装置100において信号処理を行う回路が集積された基板である。この信号処理回路基板400は、ストリーム受信部410と、機器内伝送ストリーム分離部420と、ビデオプロセッサ440と、オーディオプロセッサ450と、システムコントローラ460とを備える。なお、信号処理回路基板400は、特許請求の範囲に記載の第2集積回路の一例である。
【0035】
ストリーム受信部410は、インターフェース基板200のストリーム送信部270から供給された機器内伝送ストリームを受信するものである。なお、ストリーム受信部410については、図3を参照して説明するため、ここでの説明を省略する。ストリーム受信部410は、受信した機器内伝送ストリームを、機器内伝送ストリーム分離部420における処理速度(クロック)に乗せて、機器内伝送ストリーム分離部420に供給する。なお、ストリーム受信部410は、例えば、LVDS伝送方式により送信されたデータを受信するデシリアライザにより実現される。なお、ストリーム受信部410は、特許請求の範囲に記載のストリーム受信部の一例である。
【0036】
機器内伝送ストリーム分離部420は、機器内伝送ストリームに含まれている3つのストリーム(ビデオストリーム、オーディオストリーム、付随データストリーム)をそれぞれ分離するものである。なお、機器内伝送ストリーム分離部420については図3を参照して説明するため、ここでの説明を省略する。この機器内伝送ストリーム分離部420は、機器内伝送ストリームから分離したビデオストリームを、信号線449を介してビデオプロセッサ440に供給する。また、機器内伝送ストリーム分離部420は、分離したオーディオストリームをオーディオプロセッサ450に信号線459を介して供給し、分離した付随データストリームをシステムコントローラ460に信号線469を介して供給する。なお、機器内伝送ストリーム分離部420は、特許請求の範囲に記載の分離部の一例である。
【0037】
ビデオプロセッサ440は、ビデオストリームを信号処理するものであり、例えば、ビデオストリームに基づいて生成された動画像(ビデオ)を表示部(図示せず)に表示させる。
【0038】
オーディオプロセッサ450は、オーディオストリームを信号処理するものであり、例えば、オーディオストリームに基づいて生成されたサウンド(オーディオ)をスピーカ(図示せず)から発生させる。
【0039】
システムコントローラ460は、情報処理装置100の動作を制御するものであり、例えば、付随データストリームに含まれている文字情報を信号処理して表示部(図示せず)に表示させる。
【0040】
[機器内伝送ストリーム生成部およびストリーム送信部の構成例]
図2は、本技術の第1の実施の形態におけるインターフェース基板200の機器内伝送ストリーム生成部300およびストリーム送信部270の構成例を示すブロック図である。
【0041】
なお、本技術の第1の実施の形態では、ビデオストリーム入力端子291から入力されるSDI規格のビデオストリームには、ビデオデータ以外は含まれていない(エンベッドオーディオなどの付随データが無い)ことを想定して説明する。
【0042】
機器内伝送ストリーム生成部300は、ビデオデータ分離部310と、TRS(Timing Reference Signal)解析部320と、ビデオデータバッファ330と、オーディオデータバッファ340と、オーディオデータパケット生成部345とを備える。また、機器内伝送ストリーム生成部300は、付随データバッファ350と、付随データパケット生成部355と、制御部360と、制御パケット生成部370と、TRS生成部380と、ブランク生成部385と、ストリーム生成部390とを備える。
【0043】
ビデオデータ分離部310は、ビデオストリーム変換部210から信号線211を介して供給されるビデオストリームを解析し、ビデオデータのみをビデオデータバッファ330に格納するようにビデオデータを分離するものである。なお、ビデオデータ分離部310は、1フレーム中の1ラインごとに、ビデオデータをビデオデータバッファ330に供給する。また、ビデオデータ分離部310は、ビデオストリームのデータタイミング基準信号であるTRSを、TRS解析部320に供給する。
【0044】
TRS解析部320は、ビデオストリームに含まれているTRSを解析して、ビデオストリームに関する情報を生成するものである。例えば、TRS解析部320は、TRSに基づいて、1フレームの横の長さ(水平解像度)や、1フレームの縦の長さ(垂直解像度)や、ビデオデータのブランキング期間の長さなどを検出する。TRS解析部320は、検出したビデオストリームに関する情報を制御部360に供給する。
【0045】
ビデオデータバッファ330は、ビデオデータ分離部310から供給されたビデオデータを保持するものである。このビデオデータバッファ330は、例えば、1フレーム中の1ラインごとにビデオデータを保持する。ビデオデータバッファ330は、保持するビデオデータを制御部360からの命令に基づいてストリーム生成部390に供給する。なお、ビデオデータバッファ330は、例えば、ビデオデータをラインごとに保持する先入れ先出し(FIFO:First-In First-Out)タイプのキューであって、データの入力と出力とが非同期(クロックが異なる)のキューにより実現される。なお、図2では、説明の便宜上、ビデオデータバッファ330が動作するためのクロックの信号線は、出力側のクロック(信号線251を介して供給されるストリームクロック)の信号線のみを示し、入力側のクロックの信号線については省略する。また、オーディオデータバッファ340および付随データバッファ350についても同様に、出力側のクロックの信号線(信号線251)に付いてのみ図示し、入力側のクロックの信号線については省略する。
【0046】
オーディオデータバッファ340は、オーディオストリーム変換部220から信号線221を介して供給されるオーディオストリームのデータ(オーディオデータ)を保持するものである。このオーディオデータバッファ340は、保持するオーディオデータを、制御部360からの命令に基づいてオーディオデータパケット生成部345に供給する。なお、オーディオデータバッファ340は、例えば、FIFOタイプであって、データの入力と出力とが非同期のキューにより実現される。
【0047】
オーディオデータパケット生成部345は、オーディオデータバッファ340から供給されるオーディオデータに基づいて、ストリーム生成部390が生成するストリームにおけるオーディオデータの格納単位(パケット)を生成するものである。すなわち、オーディオデータパケット生成部345は、オーディオデータバッファ340から供給されるオーディオデータのファイル形式を、ストリーム生成部390が生成するストリーム(機器内伝送ストリーム)におけるオーディオのファイル形式に変換する。オーディオデータパケット生成部345は、生成したオーディオデータのパケット(オーディオパケット)を、ストリーム生成部390に供給する。
【0048】
付随データバッファ350は、付随データストリーム変換部230から信号線231を介して供給される付随データストリームのデータ(付随データ)を保持するものである。この付随データバッファ350は、保持する付随データを、制御部360からの命令に基づいて付随データパケット生成部355に供給する。なお、付随データバッファ350は、例えば、FIFOタイプのキューにより実現される。
【0049】
付随データパケット生成部355は、付随データバッファ350から供給される付随データに基づいて、機器内伝送ストリームにおける付随データの格納単位(パケット)を生成するものである。すなわち、付随データパケット生成部355は、付随データバッファ350から供給される付随データのファイル形式を、付随データバッファ350が生成する機器内伝送ストリームにおける付随データのファイル形式に変換する。付随データパケット生成部355は、生成した付随データのパケット(付随データパケット)を、ストリーム生成部390に供給する。
【0050】
制御パケット生成部370は、制御部360からの命令に基づいて、機器内伝送ストリームに含まれる制御パケットを生成するものである。ここで、制御パケットとは、機器内伝送ストリームにおけるオーディオパケットおよび付随データパケットを格納するためのブランキングを識別するための情報が格納されたパケットである。なお、このオーディオパケットおよび付随データパケットを格納するためのブランキングは、ビデオストリーム入力端子291から入力されたビデオストリームのデータ構造の所定位置にブランキングの期間を追加するようにして生成される。なお、制御パケットにより識別されるブランキングをこれ以降は追加ブランキングと称し、機器内伝送ストリームにおけるその他のブランキング(ビデオストリームに含まれていたブランキングと同じブランキング)は、単にブランキングと称することとする。追加ブランキングにおけるデータ構造については、図6を参照して説明するため、ここでの説明を省略する。制御パケット生成部370は、生成した制御パケットを、ストリーム生成部390に供給する。
【0051】
TRS生成部380は、制御部360からの命令に基づいて、機器内伝送ストリームのデータタイミング基準信号(TRS)を生成するものである。なお、機器内伝送ストリームにおけるブランキングおよびビデオデータは、SDI規格のブランキングおよびビデオデータと同じである(詳細は、図5および図6を参照)。すなわち、TRS生成部380は、SDI規格のデータタイミング基準信号のSAV(Start of Active Video)およびEAV(End of Active Video)と同じSAVおよびEAVを生成する。TRS生成部380は、生成したTRS(SAVおよびEAV)を、ストリーム生成部390に供給する。
【0052】
ブランク生成部385は、制御部360からの命令に基づいて、機器内伝送ストリームのブランキングにおけるTSR以外のデータを生成するものである。また、ブランク生成部385は、制御パケットにより識別される追加ブランキングにおける無効なデータ(パディング)も生成する(図6を参照)。ブランク生成部385は、生成したデータを、ストリーム生成部390に供給する。
【0053】
制御部360は、機器内伝送ストリーム生成部300による機器内伝送ストリームの生成を制御するものである。制御部360は、ビデオデータバッファ330、オーディオデータバッファ340および付随データバッファ350からストリーム生成部390へ向けて供給されるデータの供給タイミングを制御する。同様に、制御部360は、制御パケット生成部370、TRS生成部380およびブランク生成部385において生成されストリーム生成部390へ向けて供給される各データの供給タイミングを制御する。これにより、制御部360は、1フレーム中の1ラインごとの各データを、データ間の時間軸がずれないようにストリーム生成部390へ向けて供給させる。
【0054】
また、制御部360は、ストリーム生成部390に選択制御信号を供給し、ストリーム生成部390に供給された複数のデータを機器内伝送ストリームのデータ構造へ整列させながら出力させる制御をストリーム生成部390に対して行う。なお、機器内伝送ストリームのデータ構造については、図5および図6において説明する。
【0055】
ストリーム生成部390は、機器内伝送ストリームのデータとして供給された複数のデータを整列させて、機器内伝送ストリームを生成するものである。このストリーム生成部390は、例えば、マルチプレクサ(MUX:MUltipleXer)により実現される。ストリーム生成部390は、生成した機器内伝送ストリームをストリーム送信部270のビット幅変換部271に供給する。
【0056】
ストリーム送信部270は、ビット幅変換部271と、ストリーム出力部272と、クロック出力部273とを備える。
【0057】
ビット幅変換部271は、ストリーム生成部390から供給された機器内伝送ストリームのビット幅を、機器内の機器内伝送ストリームの経路(伝送ケーブルまたはバックプレーン)におけるビット幅に変換するものである。このビット幅変換部271には、機器内伝送クロック生成部260から機器内伝送クロックが供給されて、このクロックに乗せて機器内伝送ストリームのビット幅を変換する。例えば、ストリーム生成部390において生成された20bitの機器内伝送ストリームを5bitの経路で送る場合には、ビット幅変換部271は20bitから5bitにビット幅をシリアライズする。ビット幅変換部271は、ビット幅を変換した機器内伝送ストリームをストリーム出力部272に供給する。
【0058】
ストリーム出力部272は、ビット幅変換部271から供給された機器内伝送ストリームを、情報処理装置100内の他の回路に向けて出力(送信)するものである。例えば、ストリーム出力部272は、LVDS伝送方式により機器内伝送ストリームを送信する。ストリーム出力部272は、信号線202における信号線204を介して、信号処理回路基板400に機器内伝送ストリームを供給する。
【0059】
クロック出力部273は、ストリーム出力部272が出力する信号のビット幅を復元した際のクロック(復元クロック)を出力するものである。例えば、機器内伝送クロック生成部260が150MHzのストリームクロックから600MHzの機器内伝送クロックを生成した場合には、クロック出力部273は150MHzのクロックを出力する。クロック出力部273は、信号線202における信号線203を介して、信号処理回路基板400に復元クロックを供給する。
【0060】
[ストリーム受信部および機器内伝送ストリーム分離部の構成例]
図3は、本技術の第1の実施の形態における信号処理回路基板400のストリーム受信部410および機器内伝送ストリーム分離部420の構成例を示すブロック図である。
【0061】
ストリーム受信部410は、ストリーム入力部411と、ビット幅変換部412と、クロック入力部413とを備える。
【0062】
ストリーム入力部411は、インターフェース基板200から信号線204を介して伝送される機器内伝送ストリームを受信するものである。ストリーム入力部411は、受信した機器内伝送ストリームをビット幅変換部412に供給する。
【0063】
クロック入力部413は、インターフェース基板200から信号線203を介して伝送される機器内伝送ストリームの復元クロックを受信するものである。このクロック入力部413は、受信した復元クロックを、ビット幅変換部412と、機器内伝送ストリーム分離部420のビデオクロック生成部426とに供給する。
【0064】
ビット幅変換部412は、クロック入力部413から供給された復元クロックに合わせて機器内伝送ストリームのビット幅を変換するものである。すなわち、ビット幅変換部412は、ストリーム送信部270のビット幅変換部271(図2参照)が行った変換(20bitを5bitに変換)と逆の変換(5bitを20bitに変換)を機器内伝送ストリームに対して行う。ビット幅変換部412は、ビット幅を変換した機器内伝送ストリームを、機器内伝送ストリーム分離部420のストリーム分離部422に供給する。
【0065】
機器内伝送ストリーム分離部420は、ストリーム情報解析部421と、ストリーム分離部422と、ビデオストリーム生成部423と、オーディオストリーム生成部424と、付随データストリーム生成部425と、ビデオクロック生成部426とを備える。
【0066】
ストリーム情報解析部421は、インターフェース基板200から信号線201を介して供給される機器内伝送ストリーム情報を解析するものである。このストリーム情報解析部421は、機器内伝送ストリーム情報を解析することにより、機器内伝送ストリームのデータ構造を検出する。ストリーム情報解析部421は、検出した機器内伝送ストリームのデータ構造に基づいて、ストリーム分離部422にデータを分離させるための選択制御信号をストリーム分離部422に供給する。
【0067】
ストリーム分離部422は、ビット幅変換部412から供給される機器内伝送ストリームを、ストリーム情報解析部421から供給される選択制御信号に基づいて各データ(ビデオ、オーディオ、付随データ)に分離するものである。このストリーム分離部422は、例えば、デマルチプレクサ(DMX:DeMultipleXer)により実現される。ストリーム分離部422は、機器内伝送ストリームから分離したビデオデータを、ビデオストリーム生成部423に供給する。また、ストリーム分離部422は、分離したオーディオデータをオーディオストリーム生成部424に供給し、分離した付随データを付随データストリーム生成部425に供給する。
【0068】
ビデオクロック生成部426は、ストリーム受信部410のクロック入力部413から供給される復元クロックに基づいて、ビデオクロックを生成するものである。ビデオクロック生成部426は、生成したビデオクロックを、ビデオストリーム生成部423に供給する。
【0069】
ビデオストリーム生成部423は、ストリーム分離部422から供給されたビデオデータに基づいて、ビデオプロセッサ440が演算するデータ形式のビデオストリームを生成するものである。このビデオストリーム生成部423は、例えば、ストリーム分離部422から供給されたビデオデータを、ビデオクロック生成部426から供給されるビデオクロックに乗せて時系列順に順次出力する。ビデオストリーム生成部423は、順次出力したビデオデータ(ビデオストリーム)を、信号線449を介してビデオプロセッサ440に供給する。
【0070】
オーディオストリーム生成部424は、ストリーム分離部422から供給されたオーディオデータに基づいて、オーディオプロセッサ450が演算するデータ形式のオーディオデータを生成するものである。このオーディオストリーム生成部424は、例えば、ストリーム分離部422から供給されたオーディオデータを、機器内伝送ストリーム情報によって復元されたオーディオクロックに乗せて時系列順に順次出力する。オーディオストリーム生成部424は、生成したオーディオデータを、信号線459を介してオーディオプロセッサ450に供給する。
【0071】
付随データストリーム生成部425は、ストリーム分離部422から供給された付随データに基づいて、システムコントローラ460が演算するデータ形式の付随データストリームを生成するものである。この付随データストリーム生成部425は、例えば、ストリーム分離部422から供給された付随データを、機器内伝送ストリーム情報により復元された付随データクロックに乗せて時系列順に順次出力する。付随データストリーム生成部425は、生成した付随データストリームを、信号線469を介してシステムコントローラ460に供給する。
【0072】
[情報処理装置におけるビデオストリームのビット幅およびクロックの一例]
図4は、本技術の第1の実施の形態の情報処理装置100におけるビデオストリームのビット幅およびクロックの一例を示す模式図である。
【0073】
同図には、図1乃至図3において示した各構成のうち、ビデオデータ、オーディオデータおよび付随データが処理される構成が、各構成間を結ぶ信号線と共に示されている。なお、オーディオデータパケット生成部345および付随データパケット生成部355については、説明の便宜上、図示を省略する。また、ビデオデータが処理される構成間を結ぶ信号線には、ビデオデータを送受信する信号線のビット幅が図示(同図の1bit、20bit、5bit)されている。また、同図には、ビデオデータを含むストリームのクロックが、そのクロックに乗せて処理される区間を示す矢印および破線とともに示されている。
【0074】
ここで、ビデオストリームのビット幅およびクロックについて、インターフェース基板200へのストリームの入力から順に説明する。
【0075】
まず、ビデオストリーム変換部210には、情報処理装置100の外部の装置から入力されたビデオデータが供給される。例えば、3G−SDIの場合には、ビット幅が1bit、クロックが2.97GHzの信号(ビデオストリーム)が、ビデオストリーム変換部210に供給される。また、オーディオおよび付随データに関しても、それぞれのデータの送信規格におけるビット幅およびクロックで外部装置が送信した信号が、オーディオストリーム変換部220および付随データストリーム変換部230に供給される。
【0076】
続いて、ビデオストリーム変換部210は、供給されたビデオストリームをパラレル変換して、ビデオストリームのベースバンドのビット幅(20bit)およびクロック(148.5MHz)の信号にビデオストリームを変換する。そして、ビデオストリーム変換部210は、ビデオストリームをビデオデータバッファ330に向けて送信する。また、オーディオデータおよび付随データに関しても、オーディオストリーム変換部220および付随データストリーム変換部230によりビット幅が20bitの信号にそれぞれ変換される。そして、ビット幅が変換されたオーディオデータおよび付随データは、オーディオデータバッファ340および付随データバッファ350に向けて送信される。
【0077】
そして、ビデオデータバッファ330、オーディオデータバッファ340、付随データバッファ350からストリーム生成部390に各データが送信される際には、3つのデータが多重化されたストリーム(機器内伝送ストリーム)のクロック(150MHz)でデータが出力される。すなわち、この3つのバッファにおいて、各データのクロックが、機器内伝送ストリームのクロックに切り替えられる。
【0078】
その後、ストリーム生成部390において、各データが機器内伝送ストリームのデータ構造に合わせてまとめられ、ビット幅が20bitでクロックが150MHzである機器内伝送ストリームが生成される。
【0079】
続いて、ビット幅変換部271において、機器内伝送ストリームのビット幅20bitおよびクロック(150MHz)は、機器内を伝送するためのビット幅(5bit)およびクロック(600MHz)に変換される。そして、変換された機器内伝送ストリームは、ストリーム出力部272から出力され、信号処理回路基板400のストリーム入力部411に送信される。なお、LVDS伝送方式により送信される場合における信号線の本数は、機器内伝送ストリームのための10本(2本(差動)×5(bit))と、クロックのための2本(差動)と、機器内伝送ストリーム情報を伝送するための信号線との13本になる。すなわち、20bitのまま送信する場合と比較して、信号線の本数を少なくすることができる。
【0080】
そして、信号処理回路基板400において、ビット幅変換部412は、ストリーム入力部411から供給された機器内伝送ストリーム(5bit、600MHz)を、ビット幅が20bitでクロックが150MHzの機器内伝送ストリームに変換する。これにより、機器内を送受信するために5bitにシリアライズされた機器内伝送ストリームが、本来のビット幅(20bit)の機器内伝送ストリームに復元される。
【0081】
続いて、機器内伝送ストリーム(20bit、150MHz)は、ストリーム分離部422によって、ビデオデータと、オーディオデータと、付随データとに分離される。そして、ビデオストリーム生成部423、オーディオストリーム生成部424、付随データストリーム生成部425においてそれぞれのストリームが生成される(例えば、ビデオストリームは、20bit、148.5MHzのストリーム)。その後、生成された各ストリームは、各ストリームの処理回路に供給される。
【0082】
このように、機器内伝送ストリームを機器内部で伝送することによって、伝送するストリームの数を減少させることができる。これにより、伝送に必要な配線の数を減少させることができる。
【0083】
続いて、機器内伝送ストリームのデータ構造について、図5を参照して説明する。
【0084】
[機器内伝送ストリームのデータ構造の一例]
図5は、本技術の第1の実施の形態の情報処理装置100における機器内伝送ストリームのデータ構造の一例を示す模式図である。
【0085】
同図(a)には、外部の装置から情報処理装置100に送信されてビデオストリーム入力端子291から入力されるビデオストリームの1フレームにおけるデータ構造が模式的に示されている。このビデオストリームは、3G−SDIとして規定されているデータ構造により送信されたビデオストリームである。また、このビデオストリームにおける1フレームの大きさは、2048×1080画素である。同図(a)に示すように、規定された大きさのブランク期間(水平ブランキング521および垂直ブランキング522)が、1フレームのビデオデータ(有効映像領域523)ごとに設けられる。
【0086】
また、水平ブランキング521の最後の4画素に相当するデータ領域には、ブランキング(ブランキング期間)が終わって有効映像領域523が始まることを識別するためのSAVが設けられる。また、水平ブランキング521の最初の4画素に相当するデータ領域には、1ライン前のビデオデータの期間(有効映像領域523)が終わってブランキングが始まることを識別するためのEAVが設けられる。同図(a)に示すようなデータ構造のビデオデータが1フレームの1ラインごとに送信されて、ビデオストリームを形成する。
【0087】
同図(b)には、ストリーム生成部390により生成されて、機器内を送受信される機器内伝送ストリームの1フレームにおけるデータ構造が模式的に示されている。なお、同図(b)において示すデータ構造のうち、水平ブランキング521と、垂直ブランキング522と、有効映像領域523とは、同図(a)において示したものと同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
【0088】
この同図(b)において示すデータ構造は、同図(a)において示したデータ構造に加えて、追加のブランキング(追加ブランキング540)を備えている。なお、追加ブランキング540以外は、同図(a)において示したデータ構造と同様である。このように、ストリーム生成部390は、3G−SDIとして規定されているデータ構造に、追加ブランキング540を追加したようなデータ構造のストリームを、機器内伝送ストリームとして生成する。すなわち、ストリーム生成部390は、ビデオデータを他の機器へ送信するための規格であるSDI規格のビデオストリームの1フレームのラインごとのデータ構造の所定位置に追加のブランキング期間を追加したようなデータ構造のストリームを、機器内伝送ストリームとして生成する。
【0089】
次に、追加ブランキング540におけるデータについて、図6を参照して説明する。
【0090】
[追加ブランキングのデータ構造の一例]
図6は、本技術の第1の実施の形態のストリーム生成部390により生成される機器内伝送ストリームの追加ブランキング540におけるデータ構造の一例を示す模式図である。
【0091】
なお、同図では、1ライン分の追加ブランキング540におけるデータ構造を示す。また、同図では、説明の便宜上、付随データが無いことを想定して説明する。
【0092】
同図には、1ライン分の追加ブランキング540におけるデータ構造として、コントロールヘッダ541と、オーディオパケット542乃至544と、パディング545とが示されている。
【0093】
コントロールヘッダ541は、制御パケット生成部370が生成した制御パケットにより構成されるデータの期間であり、追加ブランキング540の開始位置に配置される。すなわち、機器内伝送ストリームから各ストリームを分離する際にこのコントロールヘッダ541を検出することにより、追加ブランキング540の開始が検出される。
【0094】
オーディオパケット542乃至544は、オーディオデータパケット生成部345が生成したオーディオパケットを示す。例えば、オーディオパケット542乃至544は、3G−SDIのエンベデットオーディオと同様に、AES(Audio Engineering Society)規格のオーディオデータ構造のパケットである。オーディオデータパケット生成部345により生成されたオーディオパケットは、ストリーム生成部390によって、追加ブランキング540におけるコントロールヘッダ541の後(ストリームにおいて後から送信される側)に配置される。
【0095】
パディング545は、追加ブランキングにおいて、意味のないデータにより構成されるデータ領域(期間)である。追加ブランキング540が特定の大きさの期間であるため、コントロールヘッダ541およびオーディオパケット542乃至544を配置して余った追加ブランキング540の期間は、意味のないデータにより埋められてパディング545となる。
【0096】
なお、同図では、付随データを示さなかったが、追加ブランキング540に付随データを入れる場合には、オーディオパケット542乃至544のようにパケット化された付随データが、オーディオパケット542乃至544のように配置される。
【0097】
ここで、ストリーム生成部390による機器内伝送ストリームの生成について、有効映像領域523の画素データを含む1ラインのデータを想定して、図5および図6を参照して説明する。まず、1つ前のラインの機器内伝送ストリームの生成が完了すると、制御部360は、次のラインの各データを、ビデオデータバッファ330、オーディオデータバッファ340、付随データバッファ350からストリーム生成部390に出力させる。なお、オーディオデータバッファ340が出力したオーディオデータはオーディオデータパケット生成部345によりパケット化され、付随データバッファ350が出力した付随データは、付随データパケット生成部355によりパケット化される。
【0098】
また、制御部360は、このラインの水平ブランキング521におけるEAVおよびSAVをTRS生成部380に生成させ、ストリーム生成部390に出力させる。同様に、制御部360は、このラインのブランキングのEAVおよびSAV以外の領域のデータと、追加ブランキング540におけるパディング545のデータとをブランク生成部385に生成させ、ストリーム生成部390に出力させる。
【0099】
そして、制御部360は、ストリーム生成部390を制御して、1ラインにおけるデータ構造が図5および図6で示したようなデータ構造になるようにデータをまとめさせる。これにより、1ラインの左側(ストリームの先になる側)から順に、EAV、ブランキング、SAV、有効映像領域、コントロールヘッダ、オーディオパケット、付随データパケット(付随データがある場合)、パディングとなるようにデータがつなぎ合わせられる。このように、SDI規格のビデオストリームに追加ブランキングが追加されることによって、SDI規格のストリームに入れることができなかったオーディオストリームなどを含む1つのストリーム(機器内伝送ストリーム)が生成される。
【0100】
[機器内伝送ストリームの効果例]
図7は、本技術の第1の実施の形態のストリーム生成部390により生成される機器内伝送ストリームを用いて機器内を伝送することによる効果の一例を示す模式図である。
【0101】
同図(a)には、1フレームのサイズが2048×1080画素であってオーディオデータの量が多い場合の機器内伝送ストリームのデータ構造が示されている。なお、追加ブランキング540におけるオーディオバケットの配置期間を模式的に示すオーディオ領域551以外は、図5(b)において示したものと同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
【0102】
オーディオ領域551に示すように、オーディオデータの量が多い場合には、オーディオ領域551が増加する一方で、追加ブランキング540のパディング領域が減少する。
【0103】
図7(b)には、1フレームのサイズが2048×1080画素であって、オーディオデータの量が少ない場合の機器内伝送ストリームのデータ構造が示されている。この図7(b)には、オーディオデータの量が少ない場合のオーディオバケットの領域を模式的に示すオーディオ領域561が示されている。
【0104】
オーディオ領域561に示すように、オーディオデータの量が少ない場合(例えば、サラウンドのチャンネル数が少ない場合)には、オーディオ領域561が減少する一方で、追加ブランキング540のパディング領域が増加する。すなわち、同図(a)および(b)に示すように、機器内伝送ストリームを生成することにより、オーディオデータのデータ量の増減に係わらずに、ブランキングを含む1フレーム当たりのデータ量を所定の大きさに設定することができる。
【0105】
図7(c)には、1フレームのサイズが1920×1080画素であって、オーディオデータの量が図7(a)と同じ場合の機器内伝送ストリームのデータ構造が示されている。SDIフォーマットにおいては、1フレームのサイズが2048×1080画素のデータ構造と、1フレームのサイズが1920×1080画素のデータ構造との違いは、水平ブランキングにおけるブランキングの長さが異なるだけである。すなわち、同図(c)の水平ブランキング571は、同図(a)および(b)の水平ブランキング521よりも期間が長い。しかしながら、オーディオデータのサイズによっては、この水平ブランキング571に入りきらない場合もある。このような場合においても、追加ブランキングの期間を追加することにより、入れることができなかったオーディオストリームを含む1つのストリーム(機器内伝送ストリーム)を生成することができる。
【0106】
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、外部装置から供給された複数のストリームに基づいて機器内伝送ストリームを生成し、この生成した機器内伝送ストリームを機器内の他の基板(回路)に伝送することができる。すなわち、機器内を伝送させるストリームの数を減少させ、ストリームを機器内で伝送させるのに必要な配線の数を減少させることができる。
【0107】
<2.第2の実施の形態>
本技術の第1の実施の形態では、ビデオストリームと、オーディオストリームと、付随データストリームとが、それぞれ1系統であることを想定して説明した。なお、ビデオストリームを1系統で送受信できるのは、SDI規格により定められたフレームサイズの上限までであり、フレームサイズがさらに高い場合(例えば、スーパーハイビジョン)には、1系統のビデオストリームで送受信することができない。
【0108】
このような場合において、SDI規格を用いてストリームを送受信したい場合には、元のビデオストリームを複数の系統(ビデオストリーム)に分割して送受信することが行われる。
【0109】
そこで、本技術の第2の実施の形態では、ビデオストリームが4系統で送信される例について、図8乃至図13を参照して説明する。
【0110】
[情報処理装置の構成例]
図8は、本技術の第2の実施の形態における情報処理装置110の構成例を示すブロック図である。この情報処理装置100は、インターフェース基板600と、信号処理回路基板700とを備える。
【0111】
なお、同図では、ビデオストリームおよびオーディオストリームはそれぞれ4系統であり、付随データストリームは1系統であることを想定する。
【0112】
インターフェース基板600は、4系統のビデオストリーム入力端子(第1V端子691乃至第4V端子694)と、4系統のオーディオストリーム入力端子(第1A端子695乃至第4A端子698)とを備える。さらに、インターフェース基板600は、4系統のビデオストリーム変換部(第1VS変換部611乃至第4VS変換部614)と、4系統のオーディオストリーム変換部(第1AS変換部621乃至第4AS変換部624)とを備える。
【0113】
また、インターフェース基板600は、4系統の機器内伝送ストリーム生成部(第1S生成部651乃至第4S生成部654)と、4系統のストリーム送信部(第1S送信部655乃至第4S送信部658)とを備える。なお、第1V端子691乃至第4V端子694は図1のビデオストリーム入力端子291に対応し、第1A端子695乃至第4A端子698は図1のオーディオストリーム入力端子292に対応する。また、第1VS変換部611乃至第4VS変換部614は図1のビデオストリーム変換部210に対応し、第1AS変換部621乃至第4AS変換部624は図1のオーディオストリーム変換部220に対応する。そして、第1S生成部651乃至第4S生成部654は図1の機器内伝送ストリーム生成部300に対応し、第1S送信部655乃至第4S送信部658は図1のストリーム送信部270に対応する。
【0114】
また、インターフェース基板600は、図1のインターフェース基板200と同様に、付随データストリーム入力端子293と、付随データストリーム変換部230と、ベースバンドクロック生成部240とを備える。さらに、インターフェース基板600は、図1のインターフェース基板200と同様に、ストリームクロック(SCLK)生成部250と、機器内伝送クロック(CLK)生成部260とを備える。
【0115】
また、インターフェース基板600は、ビデオデータ書込部630と、ビデオデータ取得部640と、フレーム復元部680とを備える。なお、ビデオデータ書込部630、ビデオデータ取得部640およびフレーム復元部680以外の各構成は、図1において示した各構成にそれぞれ対応する。このため、図8では、ビデオデータ書込部630、ビデオデータ取得部640およびフレーム復元部680に着目して説明する。
【0116】
ビデオデータ書込部630は、第1V端子691乃至第4V端子694を介して入力された4系統のビデオストリームを、1フレームごとにフレーム復元部680に書き込むものである。このビデオデータ書込部630は、フレーム復元部680におけるDRAM(Dynamic Random Access Memory)にビデオデータを書き込むことにより4系統に分割される前のフレームを復元する。なお、このビデオデータ書込部630については、図9を参照して説明するため、ここでの説明を省略する。また、このビデオデータ書込部630によるDRAMへのビデオデータの書き込みについては、図11を参照して説明するため、ここでの説明を省略する。なお、ビデオデータ書込部630は、特許請求の範囲に記載の復元部の一例である。
【0117】
ビデオデータ取得部640は、フレーム復元部680から1フレームごとのビデオデータを取得して、取得したビデオデータを4つに分割して4系統のストリーム生成部(第1S生成部651乃至第4S生成部654)に分配するものである。すなわち、ビデオデータ取得部640は、第1V端子691乃至第4V端子694に入力された4系統のビデオストリームにおけるフレームの分割方式とは異なるフレームの分割方式にビデオストリームを再分割し、新たな4つのビデオストリームを生成する。なお、このビデオデータ取得部640によるフレームの再分割については、図12乃至図13を参照して説明するため、ここでの説明を省略する。なお、ビデオデータ取得部640は、特許請求の範囲に記載の分割部の一例である。
【0118】
フレーム復元部680は、ビデオデータ取得部640から供給されたビデオデータを一時的に保持し、外部装置において4系統のビデオストリームに分割される前のフレームを復元するものである。また、フレーム復元部680は、フレームを復元した後に、保持するビデオデータをビデオデータ取得部640に供給する。なお、このフレーム復元部680は、図9を参照して説明するためここでの説明を省略する。
【0119】
信号処理回路基板700は、4系統のストリーム受信部(第1S受信部711乃至第4S受信部714)を備える。また、信号処理回路基板700は、4系統の機器内伝送ストリーム分離部(第1S分離部721乃至第4S分離部724)を備える。なお、第1S受信部711乃至第4S受信部714は図1のストリーム受信部410に対応し、第1S分離部721乃至第4S分離部724は図1の機器内伝送ストリーム分離部420に対応する。
【0120】
また、信号処理回路基板700は、図1の信号処理回路基板400と同様に、ビデオプロセッサ440と、オーディオプロセッサ450と、システムコントローラ460とを備える。なお、信号処理回路基板700の各構成は、図1において示したものにそれぞれ対応するため、ここでの説明を省略する。
【0121】
続いて、ビデオデータ書込部630、ビデオデータ取得部640およびフレーム復元部680について、図9を参照して説明する。
【0122】
[ビデオデータ書込部およびビデオデータ取得部の構成例]
図9は、本技術の第2の実施の形態におけるビデオデータ書込部630、ビデオデータ取得部640およびフレーム復元部680の構成例を示すブロック図である。
【0123】
同図では、図8において示したビデオデータ書込部630と、ビデオデータ取得部640と、フレーム復元部680との間におけるデータの送受信に着目して説明する。なお、図8では、ビデオデータ書込部630、ビデオデータ取得部640およびフレーム復元部680の間にはビデオデータに関する信号線のみを示したが、図9では、制御に関する信号線も加えて示す。
【0124】
同図では、ビデオデータ書込部630と、ビデオデータ取得部640と、フレーム復元部680とが示されている。
【0125】
ビデオデータ書込部630は、第1時間軸補正部631乃至第4時間軸補正部634を備える。また、フレーム復元部680は、アービタ681と、メモリコントローラ682と、分割制御部683と、DRAM684とを備える。
【0126】
第1時間軸補正部631乃至第4時間軸補正部634は、第1VS変換部611乃至第4VS変換部614から供給された4系統のビデオストリームの間の時間軸を合わせるものである。また、第1時間軸補正部631乃至第4時間軸補正部634は、時間軸を合わせた後にアービタ681からの命令を受信すると、DRAM684に書き込むビデオデータをメモリコントローラ682に供給する。この第1時間軸補正部631乃至第4時間軸補正部634は、例えば、TBC(Time Base Corrector)により実現される。
【0127】
アービタ681は、DRAM684へのアクセス(データの書き込みまたは読み出し(取得))を調停(アービトレーション)するものである。このアービタ681は、クライアント(第1時間軸補正部631乃至第4時間軸補正部634およびビデオデータ取得部640)がDRAM684へアクセスしたい場合には、そのクライアントが発行したDRAM684へのアクセス要求(リクエスト信号)を、信号線689を介して受信する。そして、アービタ681は、受信したリクエストのうちからDRAM684へのアクセスを許可するリクエストを決定(調停)し、アクセスの許可信号(グラント信号)を、そのリクエストを発行したクライアントへ信号線688を介して供給する。また、アービタ681は、DRAM684へのアクセスを許可したリクエストをメモリコントローラ682に供給し、そのリクエストによるDRAM684へのアクセスを実行させる。
【0128】
すなわち、アービタ681は、1フレーム分のビデオデータをDRAM684に保持させる場合には、第1時間軸補正部631乃至第4時間軸補正部634のいずれかにグラント信号を供給し、DRAM684に保持させるビデオデータを出力させる。また、アービタ681は、DRAM684に保持された1フレーム分のビデオデータを取得する場合には、ビデオデータ取得部640にグラント信号を供給し、ビデオデータを取得させる。
【0129】
メモリコントローラ682は、DRAM684へのアクセスを制御するものである。このメモリコントローラ682は、例えば、第1時間軸補正部631が発行したリクエストによるアクセスがアービタ681により許可された場合には、第1時間軸補正部631が出力したビデオデータをDRAM684に書き込む。
【0130】
分割制御部683は、DRM684から読み出したビデオデータの4系統への再分割を制御するものである。例えば、分割制御部683は、ビデオデータの分割方式に応じた制御パターンを複数保持する。そして、分割制御部683は、指定された分割方式の制御パターンに基づいて、アービタ681と、メモリコントローラ682と、ビデオデータ取得部640とを制御する。これにより、再分割された新たな4系統のビデオストリームをビデオデータ取得部640に生成させる。このように、分割制御部683に複数の複数の分割方式の制御パターンを保持させることにより、外部装置において分割されたビデオデータの分割方式をインターフェース基板600において変更することができる。
【0131】
DRAM684は、ビデオデータ書込部630が供給したデータが書き込まれ、また、ビデオデータ取得部640によりデータが読み出される記憶装置である。
【0132】
[情報処理装置に供給される4系統のビデオストリームの例]
図10は、本技術の第2の実施の形態における情報処理装置110に外部装置から供給される4系統のビデオストリームの一例を示す模式図である。
【0133】
同図(a)には、外部装置が4系統に分割する前のビデオストリームの1フレーム(画像810)が示されている。この画像810のサイズは、横が3840画素であり、縦が2160画素の画像である。このサイズ(3840×2160画素の)の画像により構成されるビデオストリームは、1系統のSDI規格のビデオストリームとして送信することができない。そこで、外部装置は、3840×2160画素のサイズの画像を4分割(例えば、右上、右下、左上、左下の4つのサブフレームに分割)して4系統のSDI規格のビデオストリームを生成し、この4系統のビデオストリームを情報処理装置110に供給する。
【0134】
同図(b)には、4系統のビデオストリームにおける1フレームがそれぞれ模式的に示されている。
【0135】
第1ビデオストリーム画像820は、第1V端子691に入力されるビデオストリーム(第1ビデオストリーム)の1フレームを示す。この第1ビデオストリーム画像820は、同図(a)において示した画像810を4分割した画像のうちの左上の画像である。すなわち、第1ビデオストリームは、画像810の左上の1920×1080画素の領域の画像が時系列順に連続しているデータである。
【0136】
第1ビデオストリーム画像820と同様に、第2ビデオストリーム画像830は第2V端子692に入力される第2ビデオストリームを示し、第3ビデオストリーム画像840は第3V端子693の第3ビデオストリームを示す。また、第4ビデオストリーム画像850は第4V端子694に入力される第4ビデオストリームを示す。そして、第2ビデオストリームは画像810の右上に対応し、第3ビデオストリームは画像810の左下に対応し、第4ビデオストリームは画像810の右下に対応する。
【0137】
なお、同図(b)では、第1ビデオストリーム画像820を濃い灰色を付した矩形で示し、第2ビデオストリーム画像830を細かい点を付した矩形で示している。また、第3ビデオストリーム画像840を点を少なく付した矩形で示し、第4ビデオストリーム画像850は網目を付した矩形で示している。また、これら画像には、画素を模式的に示す矩形(画素821、831、841、851)が、画素番号と共に示されている。なお、以降の図面において示すこれらの模様を付した矩形は、その画素の由来(外部装置から送信された4系統のビデオストリームのどれが由来か)を示すこととする。
【0138】
[DRAMに保持される1フレームのメモリマップ例]
図11は、本技術の第2の実施の形態におけるDRAM684に保持される画像(フレーム)のメモリマップの一例を示す模式図である。
【0139】
同図(a)には、図10(b)において示した4系統のビデオストリーム(1フレームが1920×1080画素)に基づいてDRAM684に保持される1フレームのメモリマップ(メモリマップ画像861)の一例が示されている。また、図11(b)には、1フレームが2048×1080画素の4系統のビデオストリームに基づいてDRAM684に保持される1フレームのメモリマップ(メモリマップ画像862)の一例が示されている。
【0140】
また、同図(a)および(b)には、DRAM684におけるカラム方向(同図の左右方向)のメモリアドレス(0x0、0x20、0x200、0x3ffおよび0x3e0番地)が、メモリマップ画像862の左端を基準(0x0番地)として示されている。
【0141】
ここで、ビデオデータ書込部630によるDRAM684へのビデオデータの書き込みについて説明する。ビデオデータ書込部630は、4系統のビデオストリームで送信するために4分割される前のフレームを、DRAM684のメモリマップ上において復元する。この書き込みの際に、ライン途中(同図の左右方向の途中)でデータが途切れないように書き込む。なお、同図(b)に示すようにインターフェース基板600に複数のサイズのフレームが供給される場合を予め想定し、フレームの画素数が異なる場合においてもライン途中でデータが途切れないように書き込む。
【0142】
例えば、同図(a)および(b)に示すように、4分割画像のうち右上および右下の画像の左端が、0x200番地になるように書き込む。また、この書き込みとともに、4分割画像の左上および左下の画像の右端が、0x200の1つ前の番地になるように書き込む。すなわち、4分割画像のつなぎ目となる番地(例えば、0x200番地)を予め設定して、この番地を基準としてDRAM684に書き込むことにより、ライン途中においてデータが途切れないようにDRAM684に書き込むことができる。
【0143】
このように、ライン途中においてデータが途切れないようにDRAM684に書き込むことにより、ビデオデータ取得部640が読み出す際に、バースト転送を用いて読み出すことができ、これにより、読み出しを高速にすることができる。
【0144】
[DRAMからの読み出し時における分割方式の変換例]
図12および図13は、本技術の第2の実施の形態におけるDRAM684に保持された画像をビデオデータ取得部640が読み出す際における分割方式の変換の一例を示す模式図である。
【0145】
なお、図12および図13において説明するビデオデータ取得部640による分割形式の変換は、信号処理回路基板700におけるビデオプロセッサ440の画像処理に有利なように変換される。このため、変換の方式としては、ビデオプロセッサ440の種類に応じて種々の例が考えられるが、ここでは、一例として、縦ラインを順番に4つに分類する方式を図12において示し、2×2画素を4つに分割する方式を図13において示す。
【0146】
図12では、縦ラインを順番に4つに分類する例が同図(a)に示され、この方式により生成された4系統のビデオストリーム(機器内伝送用ビデオストリーム)のデータ構造を示す画像が同図(b)に示されている。
【0147】
同図(a)では、DRAM684から読み出された一連のデータを画素単位で示すデータ列(読み出しデータ列911)と、このデータ列がビデオデータ取得部640により分割された4つのデータ列(第1データ列912乃至第4データ列915)とが示されている。なお、読み出しデータ列911では、一例として、12個(1乃至12番)の画素のデータ列を示す。そして、この12個の画素の4系統への分割例を、第1データ列912乃至第4データ列915において示す。
【0148】
ここで、ビデオデータ取得部640による分割形式の変換について説明する。ビデオデータ書込部630により、1フレーム分のビデオデータがDRAM684に書き込まれると、ビデオデータ取得部640は、このフレーム分のビデオデータの取得を開始する。例えば、図11(a)の左上の画素のデータ(1番)から右に向けて順に(2、3、4・・・)、データが読み出される。そして、この読み出されたデータ(読み出しデータ列911)は、ビデオデータ取得部640により、分割制御部683により指定された分割方式に従って4つのデータ列(第1データ列912乃至第4データ列915)に分割される。
【0149】
図12では、縦ラインを順番に4つに分類する分割方式(列単位分割方式)であるため、1、5、9番の画素データが第1データ列912とされ、2、6、10番の画素データが第2データ列913とされる。また、3、7、11番の画素データが第3データ列914とされ、4、8、12番の画素データが第4データ列915とされる。そして、この4つのデータ列は、4系統の機器内伝送用ビデオストリームとして、第1S生成部651乃至第4S生成部654にそれぞれ供給される。
【0150】
同図(b)では、4系統の機器内伝送用ビデオストリームにおける1フレームをそれぞれが示す4つの画像(第1ビデオストリーム画像921乃至第4ビデオストリーム画像924)が示されている。
【0151】
第1ビデオストリーム画像921乃至第4ビデオストリーム画像924に示すように、列単位で4系統に分割すると、1フレームのサイズは、横が960画素、縦が2160画素となる。ビデオプロセッサは、このように分割されたストリームを受信することにより、第1ビデオストリーム乃至第4ビデオストリームから交互に画素のデータを取得すればフレームが作成できるため、ビデオプロセッサにおける処理の遅延が少なくなる。
【0152】
図13では、2×2画素を4つに分割する例が同図(a)に示され、この方式により生成された4系統のビデオストリームにおけるデータ構造を示す画像が同図(b)に示されている。
【0153】
同図(a)では、2×2画素を4つに分割する方式(2画素インターリーブ方式)を説明するために、DRAM684から読み出された2行のデータ列(読み出しデータ列931)が示されている。また、同図(a)では、このデータ列がビデオデータ取得部640により分割された4つのデータ列(第1データ列932乃至第4データ列936)が示されている。
【0154】
ここで、ビデオデータ取得部640による2画素インターリーブ方式の変換について説明する。2画素インターリーブ方式では、2行×2列における4画素が別系統になるように分割される。例えば、読み出しデータ列931の左2列の画素(1、2、1921、1922番)がそれぞれ別系統になる。このように、2行×2列における4画素が別系統になるように分割することにより、1、3、5番の画素データが第1データ列932とされ、2、4、6番の画素データが第2データ列933とされる。また、1921、1923、1925番の画素データが第3データ列934とされ、1922、1924、1926番の画素データが第4データ列935とされる。
【0155】
同図(b)では、4系統の機器内伝送用ビデオストリームにおける1フレームをそれぞれが示す4つの画像(第1ビデオストリーム画像941乃至第4ビデオストリーム画像944)が示されている。
【0156】
第1ビデオストリーム画像941乃至第4ビデオストリーム画像944に示すように、2行×2列単位で4系統に分割すると、1フレームのサイズは、横が1920画素、縦が1080画素となる。また、2行×2列単位で4系統に分割することにより、それぞれの系統における画像は、元の画像が1/4に縮小されたような画像となる。すなわち、ビデオプロセッサは、このように分割されたストリームを受信することにより、1つのストリームにおいて何か問題が発生した場合においても、補完処理をすることで元の画像に近い画像を生成することができる。
【0157】
図12および図13に示したように、DRAM684に1フレーム単位でビデオデータを保持することにより、ビデオデータ取得部640によるビデオデータの取得の際に分割方式を変換することができる。
【0158】
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、複数の系統のビデオストリームが外部装置から供給される場合においても、機器内伝送ストリームを生成し、この生成した機器内伝送ストリームを機器内の他の基板(回路)に伝送することができる。すなわち、本技術の第1の実施の形態と同様に、複数の系統のストリームの機器内部における伝送に係る信号線の増加を抑制することができる。
【0159】
また、本技術の第2の実施の形態によれば、機器内伝送ストリームを生成する際に、ビデオデータの分割方式を容易に変換することができる。これにより、仕様が異なる複数の機器のインターフェース基板を設計する場合において、同じ回路設計において構成できる可能性を向上させることができる。
【0160】
<3.第3の実施の形態>
本技術の第1および第2の実施の形態では、外部装置が送信した3つのストリームを信号処理回路基板400に伝送するために、インターフェース基板が機器内伝送ストリームを生成する例について説明した。しかしながら、これに限定されるものではなく、3つのストリームを外部装置に送信するために信号処理回路基板が機器内伝送ストリームを生成し、インターフェース基板が受信する場合も考えられる。このような場合においても、本技術の第1および第2の実施の形態と同様に、機器内伝送ストリームを送受信することにより、複数の系統のストリームの機器内部における伝送に係る信号線の増加を抑制することができる。
【0161】
そこで、信号処理回路基板が機器内伝送ストリームを生成し、インターフェース基板が受信する例について、本技術の第3の実施の形態として図14および図15を参照して説明する。
【0162】
[情報処理装置の構成例]
図14は、本技術の第3の実施の形態における情報処理装置120の構成例を示すブロック図である。この情報処理装置100は、信号処理回路基板409と、インターフェース基板209とを備える。
【0163】
信号処理回路基板409は、ビデオプロセッサ445と、オーディオプロセッサ455と、システムコントローラ465と、機器内伝送ストリーム生成部301と、ストリーム送信部401とを備える。また、信号処理回路基板409は、ベースバンドクロック生成部249と、ストリームクロック生成部259と、機器内伝送クロック生成部269とを備える。
【0164】
ベースバンドクロック生成部249、ストリームクロック生成部259および機器内伝送クロック生成部269は、図1において示したベースバンドクロック生成部240、ストリームクロック生成部250および機器内伝送クロック生成部260に対応する。このため、ここでの説明を省略する。
【0165】
ビデオプロセッサ445は、外部装置に伝送するためのビデオストリームを機器内伝送ストリーム生成部301に送信する以外は、図1において示したビデオプロセッサ440と同様のものである。同様に、オーディオプロセッサ455は、外部装置に伝送するためのオーディオストリームを機器内伝送ストリーム生成部301に送信する以外は、図1において示したオーディオプロセッサ450と同様のものである。そして、システムコントローラ465は、外部装置に伝送するための付随データストリームを機器内伝送ストリーム生成部301に送信する以外は、図1において示したシステムコントローラ460と同様のものである。
【0166】
機器内伝送ストリーム生成部301は、図2において示したインターフェース基板200の機器内伝送ストリーム生成部300と同様に、機器内伝送ストリームを生成するものである。すなわち、この機器内伝送ストリーム生成部301は、ビデオプロセッサ445、オーディオプロセッサ455およびシステムコントローラ465から供給された各ストリームに基づいて、機器内伝送ストリームを生成する。機器内伝送ストリーム生成部301は、生成した機器内伝送ストリームをストリーム送信部401に供給し、インターフェース基板209へ信号線205を介して伝送させる。また、機器内伝送ストリーム生成部301は、機器内伝送ストリーム情報を信号線208を介してインターフェース基板209に供給する。なお、機器内伝送ストリーム生成部301およびストリーム送信部401の構成については、図2において示した機器内伝送ストリーム生成部300およびストリーム送信部270と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0167】
インターフェース基板209は、情報処理装置100と外部装置との間におけるデータの送受信を介在するための基板であり、本技術の第3の実施の形態では、3つのストリームを外部装置へ出力する。なお、インターフェース基板209の各構成については、図15を参照して説明するため、ここでの説明を省略する。
【0168】
[インターフェース基板の構成例]
図15は、本技術の第3の実施の形態におけるインターフェース基板209の構成例を示すブロック図である。
【0169】
インターフェース基板209は、ストリーム受信部275と、ベースバンドクロック生成部245と、外部出力ストリーム生成部280と、ビデオストリーム送信クロック生成部246と、ビデオストリーム変換部215とを備える。また、インターフェース基板200は、オーディオストリーム変換部225と、付随データストリーム変換部235と、ビデオストリーム出力端子294と、オーディオストリーム出力端子295と、付随データストリーム出力端子296とを備える。
【0170】
ストリーム受信部275は、ストリームデータ入力部276と、ビット幅変換部277と、クロック入力部278とを備える。なお、ストリーム受信部275の各構成は、図3において示したストリーム受信部410と同様のものである。すなわち、ストリーム受信部275は、信号線207を介して供給された機器内伝送ストリームのビット幅を変換し、ビット幅を変換した機器内伝送ストリームを外部出力ストリーム生成部280のストリーム分離部281に供給する。また、ストリーム受信部275は、機器内伝送ストリームのクロック(ストリームクロック)を、ベースバンドクロック生成部245に供給する。
【0171】
ベースバンドクロック生成部245は、図1において示したベースバンドクロック生成部240と同様に、ビデオストリームのベースバンドクロックを生成するものである。このベースバンドクロック生成部245は、ストリームクロックに基づいてベースバンドクロックを生成する。ベースバンドクロック生成部245は、生成したベースバンドクロックを外部出力ストリーム生成部280およびビデオストリーム送信クロック生成部246に供給する。
【0172】
外部出力ストリーム生成部280は、ストリーム分離部281と、制御部282と、ビデオデータバッファ283と、オーディオデータバッファ284と、付随データバッファ285とを備える。また、外部出力ストリーム生成部280は、TRS生成部286と、ブランク生成部287と、ビデオストリーム合成部288と、ストリーム情報解析部289とを備える。
【0173】
ストリーム情報解析部289は、図3において示したストリーム情報解析部421と同様に機器内伝送ストリーム情報を解析するものであり、データを分離させるための選択制御信号を、ストリーム分離部281に供給する。
【0174】
ストリーム分離部281は、図3において示したストリーム分離部422と同様に、機器内伝送ストリームを各データ(ビデオ、オーディオ、付随データ)に分離するものである。ストリーム分離部281は、分離したビデオデータを、ビデオデータバッファ283に供給し、分離したオーディオデータをオーディオデータバッファ284に供給し、分離した付随データを付随データバッファ285に供給する。
【0175】
制御部282は、情報処理装置100から外部装置に送信(出力)するSDI規格のビデオストリーム(出力ビデオストリーム)の生成を制御するものである。この制御部282は、TRS生成部286と、ブランク生成部287と、ビデオデータバッファ283とからビデオストリーム合成部288に供給されるデータの供給タイミングを制御する。また、制御部282は、ビデオストリーム合成部288に選択制御信号を供給し、ビデオストリーム合成部288に供給された複数のデータをビデオストリームのデータ構造へ整列させて出力させる制御をビデオストリーム合成部288に対して行う。
【0176】
ビデオデータバッファ283は、ストリーム分離部281から供給されたビデオデータを保持し、保持するビデオデータを、制御部282からの命令に基づいてビデオストリーム合成部288に供給する。
【0177】
オーディオデータバッファ284は、ストリーム分離部281から供給されたオーディオデータを保持し、保持するオーディオデータを、オーディオストリーム変換部225に供給する。
【0178】
付随データバッファ285は、ストリーム分離部281から供給された付随データを保持し、保持する付随データを、付随データストリーム変換部235に供給する。
【0179】
TRS生成部286は、制御部282からの命令に基づいて、情報処理装置100から外部装置に送信するビデオストリームのTRSを生成するものである。このTRS生成部286は、生成したTRSをビデオストリーム合成部288に供給する。
【0180】
ブランク生成部287は、制御部282からの命令に基づいて、情報処理装置100から外部装置に送信するビデオストリームのブランキングにおけるTSR以外のデータを生成するものである。このブランク生成部287は、生成したデータをビデオストリーム合成部288に供給する。
【0181】
ビデオストリーム合成部288は、供給された複数のデータを整列させてSDI規格のビデオストリームを生成するものであり、生成したビデオストリーム(出力ビデオストリーム)を、ビデオストリーム変換部215に供給する。
【0182】
ビデオストリーム送信クロック生成部246は、出力ビデオストリームを外部装置に送信する際のクロックを生成するものであり、生成したクロックを、ビデオストリーム変換部215に供給する。
【0183】
ビデオストリーム変換部215は、ビデオストリーム合成部288が合成した出力ビデオストリームを、外部装置へ出力するビット幅のデータに変換するものである。このビデオストリーム変換部215は、変換した出力ビデオストリームを、ビデオストリーム送信クロック生成部246が生成したクロックに乗せて、ビデオストリーム出力端子294に接続されたケーブルを介して外部装置に出力する。なお、ビデオストリーム変換部215は、特許請求の範囲に記載のビデオストリーム送信部の一例である。
【0184】
オーディオストリーム変換部225は、オーディオデータバッファ284から取得したオーディオデータに基づいて、外部装置へ出力するオーディオストリームを生成するものである。オーディオストリーム変換部225は、生成したオーディオストリームを、オーディオストリーム出力端子295に接続されたケーブルを介して外部装置に出力する。
【0185】
付随データストリーム変換部235は、付随データバッファ285から取得した付随データに基づいて、外部装置へ出力する付随データストリームを生成するものである。付随データストリーム変換部235は、生成した付随データストリームを、付随データストリーム出力端子296に接続されたケーブルを介して外部装置に出力する。なお、オーディオストリーム変換部225および付随データストリーム変換部235は、特許請求の範囲に記載の関連データストリーム送信部の一例である。
【0186】
ビデオストリーム出力端子294は、出力ビデオストリームを外部装置へ出力するためのケーブルを接続するための端子である。同様に、オーディオストリーム出力端子295はオーディオストリームを出力するためのケーブルを接続するための端子であり、付随データストリーム出力端子296は付随データストリームを出力するためのケーブルを接続するための端子である。
【0187】
このように、本技術の第3の実施の形態によれば、外部出力するための3つのストリームを機器内伝送ストリームから生成することができる。
【0188】
なお、図14および図15では、本技術の第1の実施の形態のようにビデオストリームが1系統の例について説明したが、本技術の第2の実施の形態のようにビデオストリームが複数の系統の場合についても同様に適用することができる。また、本技術の第2の実施の形態については、入力側で用いるDRAMと、出力側で用いるDRAMとを共有させることにより、必要な回路(DRAM、アービタ、メモリコントローラ等)の数を少なくすることができる。
【0189】
このように、本技術の実施の形態によれば、機器内において機器内伝送ストリームを送受信することにより、複数の系統のストリームの機器内部における伝送に係る信号線の増加を抑制することができる。特に、機器内部において伝送されるストリームの数を減少させることにより、ストリームの伝送に関する信号ピンの数、コネクタの数、などを減少させることができ、コストダウンや歩留まりの改善を行うことができる。
【0190】
また、本技術の実施の形態によれば、追加ブランキングに収まるサイズであれば、オーディオデータのサイズの変化に応じて回路設計を変更する必要がなくなる。すなわち、同じ設計の電子回路(インターフェース基板)を複数の機器で使用することができる。これにより、機器仕様ごとに設計および評価を行う必要が減少し、設計生産性を向上させることができる。
【0191】
また、本技術の第2の実施の形態によれば、インターフェース基板にDRAMを設けることにより、インターフェース基板において分割方式を変換することができる。これにより、信号処理回路基板が必要とする分割方式に応じて回路設計を変更する必要がなくなる。すなわち、同じ設計のインターフェース基板を複数の機器で使用することができ、コストダウン、歩留まりの改善、設計生産性の改善などを行うことができる。
【0192】
すなわち、外部入力の基板(インターフェース基板)と、処理回路の基板(信号処理回路基板)とを、処理するデータの大きさに応じて機器ごとに設計していた従来の技術と比較して、本技術の実施の形態によれば機器ごとの設計を減少させることができる。
【0193】
なお、本技術の実施の形態では、ビデオストリームには、オーディオデータおよび付随データは含まれていないことを想定したが、これに限定されるものではない。含まれている場合においても、それらを含んだ機器内伝送ストリームを生成することにより、本技術の実施の形態と同様に適用することができる。
【0194】
また、本技術の実施の形態では、外部装置から送信されたビデオストリームのビデオデータには何もデータ処理しないことを想定したが、これに限定されるものではない。例えば、RGB形式をYUV形式に変換する必要がある場合が考えられる。この場合には、図2において示したビデオストリーム変換部210がビデオストリームをビデオデータバッファ330に保持する前に、色空間変換(CSC:Color Space Converter)演算回路を用いてYUV形式に変換することにより、同様に実施することができる。
【0195】
また、本技術の実施の形態では、機器内伝送ストリーム情報を送受信することにより、機器内伝送ストリームのデータ構造を伝えたが、これに限定されるものではない。例えば、機器内伝送ストリーム情報に含まれる情報を機器内伝送ストリームのブランキングに入れる場合も考えられる。
【0196】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0197】
また、上述の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、ハードディスク、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
【0198】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1) 装置間で動画データを送受信するために予め定められたデータ構造に従って動画期間およびブランキング期間を1フレームのデータ構造ごとに含むビデオストリームと前記動画データに関連する関連データを含む関連データストリームとに基づいて、前記関連データを格納するための所定のサイズの追加ブランキング期間を前記ビデオストリームの1フレームごとに追加したデータ構造の多重化ストリームを生成するストリーム生成部と、
前記生成された多重化ストリームを他の集積回路へ送信する送信部と
を具備する集積回路。
(2) 前記追加ブランキング期間には、前記追加ブランキング期間の位置を識別するための識別情報と前記関連データとパディングとが格納され、
前記ストリーム生成部は、前記関連データのサイズに応じて前記パディングの量を増減させて前記追加ブランキング期間を生成する
前記(1)に記載の集積回路。
(3) 前記関連データストリームは、前記動画データに関連付けられているオーディオデータを前記関連データとして含む前記(1)に記載の集積回路。
(4) 送受信するために1フレームを複数のサブフレームに分割することにより生成された複数の前記ビデオストリームに基づいて前記分割される前のフレームを復元する復元部と、
前記復元されたフレームについて、前記分割において行われた分割方式とは異なる分割方式に基づいて再分割して、新たな複数のビデオストリームを生成する分割部とをさらに具備し、
前記ストリーム生成部は、前記新たな複数のビデオストリームごとに前記多重化ストリームを複数生成し、
前記送信部は、前記他の集積回路へ前記生成された複数の多重化ストリームを送信する
前記(1)から(3)のいずれかに記載の集積回路。
(5) 前記復元部による復元対象となるビデオストリームは、1フレームを4分割して生成されたストリームであり、
前記分割部は、前記復元されたフレームにおける各画素のデータを、当該復元されたフレームの所定方向に連続している4画素単位で交互に順次分類することにより、4系統の新たなビデオストリームを前記新たな複数のビデオストリームとして生成する
前記(4)に記載の集積回路。
(6) 前記復元部による復元対象となるビデオストリームは、1フレームを4分割して生成されたストリームであり、
前記分割部は、前記復元されたフレームにおける各画素のデータを、当該復元されたフレームの所定方向に連続している2画素単位で交互に順次分類するとともに、前記所定方向に直交する方向に連続している2ライン単位で交互に順次分類することにより、4系統の新たなビデオストリームを前記新たな複数のビデオストリームとして生成する
前記(4)に記載の集積回路。
(7) 動画データの関連データを格納するための所定のサイズの追加ブランキング期間を装置間における前記動画データの送受信のために予め定められたデータ構造に追加した多重化ストリームを受信するストリーム受信部と、
前記受信された多重化ストリームに含まれている動画データおよび関連データを分離する分離部と、
前記予め定められたデータ構造のビデオストリームに前記分離された動画データを格納して送信するビデオストリーム送信部と、
前記関連データを装置間で送受信するためのデータ構造の関連データストリームに前記分離された関連データを格納して送信する関連データストリーム送信部と
を具備する集積回路。
(8) 装置間で動画データを送受信するために予め定められたデータ構造に従って動画期間およびブランキング期間を1フレームのデータ構造ごとに含むビデオストリームと前記動画データに関連する関連データを含む関連データストリームとに基づいて、前記関連データを格納するための所定のサイズの追加ブランキング期間を前記ビデオストリームの1フレームごとに追加したデータ構造の多重化ストリームを生成するストリーム生成部と、前記生成された多重化ストリームを他の集積回路へ送信する送信部とを備える第1集積回路と、
前記送信された多重化ストリームから前記動画データおよび前記関連データを分離する分離部と、前記分離された動画データを画像処理する画像処理部と、前記分離された関連データを信号処理する関連データ処理部とを備える第2集積回路と
を具備する情報処理装置。
【符号の説明】
【0199】
100 情報処理装置
200 インターフェース基板
210 ビデオストリーム変換部
220 オーディオストリーム変換部
230 付随データストリーム変換部
240 ベースバンドクロック生成部
250 ストリームクロック生成部
260 機器内伝送クロック生成部
270 ストリーム送信部
271 ビット幅変換部
272 ストリーム出力部
273 クロック出力部
300 機器内伝送ストリーム生成部
310 ビデオデータ分離部
320 TRS解析部
330 ビデオデータバッファ
340 オーディオデータバッファ
345 オーディオデータパケット生成部
350 付随データバッファ
355 付随データパケット生成部
360 制御部
370 制御パケット生成部
380 TRS生成部
385 ブランク生成部
390 ストリーム生成部
400 信号処理回路基板
410 ストリーム受信部
411 ストリーム入力部
412 ビット幅変換部
413 クロック入力部
420 機器内伝送ストリーム分離部
421 ストリーム情報解析部
422 ストリーム分離部
423 ビデオストリーム生成部
424 オーディオストリーム生成部
425 付随データストリーム生成部
426 ビデオクロック生成部
440 ビデオプロセッサ
450 オーディオプロセッサ
460 システムコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置間で動画データを送受信するために予め定められたデータ構造に従って動画期間およびブランキング期間を1フレームのデータ構造ごとに含むビデオストリームと前記動画データに関連する関連データを含む関連データストリームとに基づいて、前記関連データを格納するための所定のサイズの追加ブランキング期間を前記ビデオストリームの1フレームごとに追加したデータ構造の多重化ストリームを生成するストリーム生成部と、
前記生成された多重化ストリームを他の集積回路へ送信する送信部と
を具備する集積回路。
【請求項2】
前記追加ブランキング期間には、前記追加ブランキング期間の位置を識別するための識別情報と前記関連データとパディングとが格納され、
前記ストリーム生成部は、前記関連データのサイズに応じて前記パディングの量を増減させて前記追加ブランキング期間を生成する
請求項1記載の集積回路。
【請求項3】
前記関連データストリームは、前記動画データに関連付けられているオーディオデータを前記関連データとして含む請求項1記載の集積回路。
【請求項4】
送受信するために1フレームを複数のサブフレームに分割することにより生成された複数の前記ビデオストリームに基づいて前記分割される前のフレームを復元する復元部と、
前記復元されたフレームについて、前記分割において行われた分割方式とは異なる分割方式に基づいて再分割して、新たな複数のビデオストリームを生成する分割部とをさらに具備し、
前記ストリーム生成部は、前記新たな複数のビデオストリームごとに前記多重化ストリームを複数生成し、
前記送信部は、前記他の集積回路へ前記生成された複数の多重化ストリームを送信する
請求項1記載の集積回路。
【請求項5】
前記復元部による復元対象となるビデオストリームは、1フレームを4分割して生成されたストリームであり、
前記分割部は、前記復元されたフレームにおける各画素のデータを、当該復元されたフレームの所定方向に連続している4画素単位で交互に順次分類することにより、4系統の新たなビデオストリームを前記新たな複数のビデオストリームとして生成する
請求項4記載の集積回路。
【請求項6】
前記復元部による復元対象となるビデオストリームは、1フレームを4分割して生成されたストリームであり、
前記分割部は、前記復元されたフレームにおける各画素のデータを、当該復元されたフレームの所定方向に連続している2画素単位で交互に順次分類するとともに、前記所定方向に直交する方向に連続している2ライン単位で交互に順次分類することにより、4系統の新たなビデオストリームを前記新たな複数のビデオストリームとして生成する
請求項4記載の集積回路。
【請求項7】
動画データの関連データを格納するための所定のサイズの追加ブランキング期間を装置間における前記動画データの送受信のために予め定められたデータ構造に追加した多重化ストリームを受信するストリーム受信部と、
前記受信された多重化ストリームに含まれている動画データおよび関連データを分離する分離部と、
前記予め定められたデータ構造のビデオストリームに前記分離された動画データを格納して送信するビデオストリーム送信部と、
前記関連データを装置間で送受信するためのデータ構造の関連データストリームに前記分離された関連データを格納して送信する関連データストリーム送信部と
を具備する集積回路。
【請求項8】
装置間で動画データを送受信するために予め定められたデータ構造に従って動画期間およびブランキング期間を1フレームのデータ構造ごとに含むビデオストリームと前記動画データに関連する関連データを含む関連データストリームとに基づいて、前記関連データを格納するための所定のサイズの追加ブランキング期間を前記ビデオストリームの1フレームごとに追加したデータ構造の多重化ストリームを生成するストリーム生成部と、前記生成された多重化ストリームを他の集積回路へ送信する送信部とを備える第1集積回路と、
前記送信された多重化ストリームから前記動画データおよび前記関連データを分離する分離部と、前記分離された動画データを画像処理する画像処理部と、前記分離された関連データを信号処理する関連データ処理部とを備える第2集積回路と
を具備する情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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