説明

電動サプライポンプ制御装置

【課題】燃料配管の破損を確実に検知して電動サプライポンプを停止し、安全性を向上させることが可能な電動サプライポンプ制御装置を提供することにある。
【解決手段】車両の燃料システム(1)に設けられる電動サプライポンプ(3)の制御装置であって、電動サプライポンプ(3)の駆動電流を取得する駆動電流取得手段と、駆動電流の変化に基づいて燃料配管の破損を検知し、電動サプライポンプ(3)を停止させる停止指令手段と、を備える電動サプライポンプの制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料配管破損時に電動サプライポンプを停止して燃料の流出を防止する電動サプライポンプ制御装置及び電動サプライポンプ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の衝突時に燃料配管が破損して燃料が流出することを抑制するために、車両衝突時に電動サプライポンプを停止して燃料タンクからの燃料の供給を停止する制御が行われている。現在、電動サプライポンプの停止制御は、エアバッグ用の加速度センサや車両衝突検知用の追加の加速度センサを用いて車両の衝突を検知し、電動サプライポンプを停止することによって行われている。
例えば、特許文献1には、車両衝突時の燃料漏れを抑制するコモンレール式燃料噴射システムが開示されている。このシステムでは、エアバッグが展開したか否かを判断し(第1図のS100)、エアバッグが展開したと認識する場合には、実コモンレール圧が大気圧よりも高いか否か判断し(第1図のS120)、実コモンレール圧が大気圧より高い場合に、サプライポンプ3による燃料供給を停止するとともに、減圧弁6を開弁してコモンレール5から燃料を排出することにより、コモンレール圧を減圧制御する(第1図のS122)。このような減圧制御により、エアバッグ展開時にコモンレール圧を略大気圧まで速やかに減圧して、車両衝突時の燃料漏れを抑制している。
【0003】
上述した従来の技術においては、燃料配管の破損自体を検知している訳ではないので、軽い衝突で(衝突の衝撃が弱い場合に)燃料配管が破損している場合には、衝突を検知できず、電動サプライポンプを停止できない可能性がある。また、車両の走行中に車両の下側からの衝撃で燃料配管が破損した場合には、前後左右方向の衝突を検知するエアバッグ用等の加速度センサでは衝突を検知できず、燃料配管の破損を運転者が認識できない可能性がある。また、追加の加速度センサを設けて電動サプライポンプの停止制御を行う場合には、追加の加速度センサ分のコストが増加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−31943号公報(段落0016、0018及び第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、燃料配管の破損を確実に検知して電動サプライポンプを停止し、安全性を向上させることが可能な電動サプライポンプの制御装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、電動サプライポンプの制御装置のコストダウンを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電動サプライポンプ制御装置は、車両の燃料システムに設けられる電動サプライポンプの制御装置であって、前記電動サプライポンプの駆動電流を取得する駆動電流取得手段と、前記駆動電流の変化に基づいて燃料配管の破損を検知し、前記電動サプライポンプを停止させる停止指令手段と、を備える。駆動電流取得手段および停止指令手段は、例えば、車両に搭載される各種の電子制御ユニット(ECU)の制御プログラムによって実現できる。ECUは、エンジンECUを用いるが可能であり、電動サプライポンプにECUが内蔵される場合には、内蔵のECUを用いることも可能である。
【0007】
この電動サプライポンプ制御装置によれば、電動サプライポンプの駆動電流に基づいて燃料配管の破損自体を検知するため、燃料配管破損の検知の精度が向上し、車両の安全性を高めることが可能である。つまり、従来の加速度センサを用いる燃料配管の破損検知では、燃料配管自体を監視しているわけではないので、車両の衝突の衝撃が比較的小さい場合には、加速度センサが車両の衝突を検知せず燃料配管の破損を検知できない虞があった。一方、本発明に係る電動サプライポンプ制御装置によれば、電動サプライポンプの駆動電流に基づいて燃料システム自体を監視するので、車両の衝突の衝撃が比較的小さい場合にも、電動サプライポンプの駆動電流に基づいて燃料配管の破損を確実に検知することが可能である。
また、追加の加速度センサなしに燃料配管の破損を検知できるため、コストダウンを図ることができる。
【0008】
本発明の一態様では、前記停止指令手段は、前記駆動電流が所定の減少速度以上で減少した場合に、燃料配管の破損と判定し、前記電動サプライポンプを停止させる。この場合、燃料配管破損発生の基準となる駆動電流値の減少速度を予め測定しておき、この駆動電流値の減少速度に基づいて燃料配管の破損を容易に検知することが可能である。
【0009】
本発明の一態様では、前記停止指令手段は、燃料配管の破損を検知した場合に、前記電動サプライポンプを停止させるとともに、燃料配管の破損の履歴を記憶手段に記憶する。この場合、燃料配管の破損の履歴を次回のイグニッションスイッチオン時の制御などに用いることができる。
【0010】
本発明の一態様では、前記停止指令手段は、イグニッションスイッチがオンされた際に、前記記憶手段を参照して燃料配管破損の履歴の有無を確認し、該履歴がある場合に、前記電動サプライポンプを停止させる。燃料配管破損後においても、ドライバーが不用意にイグニッションスイッチをオンする可能性がある。そこで、配管破損の履歴がある場合に電動サプライポンプを停止させることで、燃料漏れを防止するものである。
【0011】
本発明の一態様では、前記駆動電流取得手段は、車両の通常走行時において、所定時間の単位で駆動電流値の移動平均値を算出し、前記停止指令手段は、前記移動平均値を用いて前記駆動電流が所定の減少速度以上で減少したか否か判断し、前記駆動電流が所定の減少速度以上で減少したと判断した場合に、燃料配管の破損を検知する。この場合、電動サプライポンプ個体間のバラツキ・劣化、燃料温度による粘性変化、燃料種類による粘性の違いを、駆動電流の移動平均値によって考慮することができる。
【0012】
本発明の一態様では、前記停止指令手段は、前記電動サプライポンプを停止させるとともに、燃料配管の破損を通知する処理を実行する。本発明の一態様では、前記停止指令手段は、燃料配管の破損を通知する処理として、警告灯を点灯させる。本発明の一態様では、前記停止指令手段は、燃料配管の破損を通知する処理として、緊急信号を車両の外部に送信する。
本発明の一態様では、前記停止指令手段は、エンジンクランキング期間以外において、前記駆動電流の変化に基づく燃料配管の破損の検知を実行する。この場合、エンジンクランキングに起因するバッテリの電圧降下による電動サプライポンプの駆動電流の減少を、燃料配管の破損であると誤検出することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る電動サプライポンプの制御装置が適用される車両の燃料システムの一例である。
【図2】本発明の一実施形態に係る電動サプライポンプの制御装置が実行する制御のフローチャートである。
【図3】電動サプライポンプの駆動電流波形の例である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(1)燃料システムの構成
図1は、本発明の一実施形態に係る電動サプライポンプの制御装置が適用される車両の燃料システムの一例である。本実施形態では、燃料配管破損を検知した場合に、電動サプライポンプ(EKP)3を停止する制御を行う。
【0015】
図1において、電動サプライポンプ(EKP)3は燃料タンク2内に配置され、燃料タンク3内の燃料を汲み上げて燃料配管14及びフィルタ4を介して高圧ポンプ5に供給する。燃料フィルタ4は、燃料に含まれる異物を除去して燃料を濾過するためのフィルタである。高圧ポンプ5は、電動サプライポンプ3から供給された燃料を加圧し、2本の燃料配管15を介してコモンレール7に燃料を圧送する。コモンレール7には、コモンレール7内の燃料の圧力(以下、燃圧と称す)を検出する圧力センサ8と、コモンレール7からリリーフ配管18へ燃料を排出するための圧力制御弁9とが設けられている。圧力センサ8及び圧力制御弁9は、エンジン電子制御ユニット(ECU)12に電気的に接続されている。ECU12は、圧力センサ8から取得する燃圧の検出値に基づいて、高圧ポンプ5を制御してコモンレール7に供給する燃料量を制御するとともに、圧力制御弁9を制御してコモンレール7からリリーフ配管18に排出する燃料量を制御することにより、コモンレール7内の燃圧が所望の値になるように制御する。
【0016】
高圧ポンプ5には、燃料温度センサ6が設けられ、燃料温度センサ6の検出値がECU12に供給される。ECU12は、圧力センサ8の検出値に基づいて高圧ポンプ5のアクチュエータ5aを制御し、高圧ポンプ5によって燃料が所望の圧力に加圧されるように制御する。高圧ポンプ5にはリーク配管17に接続されており、高圧ポンプ5におけるリーク燃料がリーク配管17を介して燃料タンク2に還流される。
【0017】
コモンレール7には、燃料配管16を介して複数の燃料噴射弁(インジェクタ)10が接続されている。各インジェクタ10は、エンジン(図示せず)の各気筒に対応して設けられている。本実施形態では、4気筒の各気筒に対応して4つのインジェクタ10が設けられる例を示すが、図1では1つのインジェクタ10のみ図示している。各インジェクタ10は、図示しない電磁弁を有し、ECU12からの指令に基づいて、電磁弁の開弁タイミング及び開弁期間が制御され、所望の圧力及び所定量の燃料を各気筒内に噴射する。インジェクタ10は、逆止弁11を介してリーク配管19が接続されており、インジェクタ10からのリーク燃料がリーク配管19を介して燃料タンク2に還流されるとともに、逆止弁11によってリーク配管19の燃料がインジェクタ10側に逆流しないように構成されている。
【0018】
電動サプライポンプ3は、バッテリ13から電流(駆動電流)によって駆動されるアクチュエータ3aを備える。アクチュエータ3aの駆動により、電動サプライポンプ3は、燃料タンク2内の燃料を汲み上げるとともに、リーク配管17,19及びリリーフ配管18を介して高圧ポンプ5、インジェクタ10、コモンレール7から還流される燃料を取り込む。また、電動サプライポンプ3内には、バッテリ13から供給される駆動電流を検知する電流センサ(図示せず)が内蔵されており、この電流センサが検知する駆動電流の値がECU12に供給される。ECU12は、後述するように、駆動電流の検出値に基づいて燃料配管の破損の有無を判断し、燃料配管の破損を検知した場合に、電動サプライポンプ3のアクチュエータ3aへの駆動電流の供給を切断するとともに、アクチュエータ3aを停止させる。駆動電流供給の遮断は、例えば、バッテリ13と電動サプライポンプ3との間の電気配線に介装されるスイッチ13aを開放することにより遮断される。スイッチ13aは、機械的なスイッチ、半導体スイッチ等を使用することが可能である。
【0019】
(2)電動サプライポンプの停止制御
図2は、本発明の一実施形態に係る電動サプライポンプの制御装置が実行する制御のフローチャートである。
【0020】
ECU12は、イグニッションスイッチオンの信号を受け取ると、ステップS11の処理を実行する。ステップS11では、ECU12が、図示しない不揮発性メモリ(EEPROM、フラッシュメモリ等)を参照して、燃料配管破損の履歴が記録されているか否かを判断する。不揮発性メモリは、ECU12に内蔵されるEEPROM、フラッシュメモリ等でも良いし、ECU12の外部に設けられたEEPROM、フラッシュメモリ等でも良い。
【0021】
ECU12は、不揮発性メモリに燃料配管破損の履歴がないと判断すると(ステップS11でNo)、処理をステップS12に移行させる。
【0022】
ステップS12では、ECU12(駆動電流取得手段)は、電動サプライポンプ3の駆動電流値を連続的に取得するとともに、車両の通常走行時(電動サプライポンプ3の通常駆動状態)において、駆動電流の3秒間の移動平均の値を比較用バッファに記録する。比較用バッファは、例えば、ECU12内のRAMを使用することができる。
【0023】
ステップS13では、ECU12(停止指令手段)は、駆動電流値が急減したか否かを判断する。具体的には、駆動電流値の移動平均値が0.5秒以内に2.5A以上減少したか(5.0A/秒の減少速度以上で減少したか)否かを判断する。より詳細には、図3に示すように、駆動電流が減少した場合に、比較用バッファに記録されている駆動電流減少直前の3秒間の駆動電流の移動平均の値と、減少直後の例えば1秒間の駆動電流の平均値とを比較し、0.5秒以内に2.5A以上減少したか否かを判断する。なお、燃料配管の破損を判断するための駆動電流値の減少速度の数値5.0A/秒、移動平均をとる期間3秒、及び図3に示す各数値は、一例であり、電動サプライポンプ3の種類などに応じて適宜変更することができる。
【0024】
ステップS13において、ECU12は、駆動電流値の移動平均値が5.0A/秒の減少速度以上で減少していない、つまり駆動電流値の移動平均値の減少速度が5.0A/秒未満であると判断する場合には、ステップS12からの処理を再度実行する。
【0025】
一方、ステップS13において、ECU12が、駆動電流値の移動平均値が5.0A/秒の減少速度以上で減少したと判断した場合には、ステップS14に移行する。ステップS14では、ECU12が、バッテリ13の電圧降下の要素となるエンジンクランキング等があるか判断する。これは、バッテリ13の電圧降下による駆動電流値の減少を、燃料配管の破損であると誤検出することを防止するためである。エンジンクランキングの検出は、例えば、セルモータとバッテリとの間のリレーの開閉状態をECU12が取得することにより実行する。
ステップS14において、バッテリ13の電圧降下の要素となるエンジンクランキング等があると判断する場合(Yesの場合)には、ステップS12からの処理を再度実行する。一方、ステップS14において、ECU12が、バッテリ13の電圧降下の要素となるエンジンクランキング等がないと判断する場合(Noの場合)には、ステップS13の判断結果(Yes)に基づき燃料配管の破損が有ると判断して、上述した不揮発性メモリに燃料配管の破損の履歴を記録する(ステップS15)。
【0026】
また、ECU12は、バッテリ13と電動サプライポンプ3のアクチュエータ3aとの間のスイッチ13aを開放して電動サプライポンプ3への駆動電流の供給を切断し(ステップS16)、電動サプライポンプ3を停止させる(ステップS17)。また、ステップS16では、電動サプライポンプ3への駆動電流の供給を切断するとともに、燃料配管破損をドライバーに通知するための警告灯を点灯させる。このとき、更に、携帯電話回線等の無線回線を使用して、遠隔の緊急通報センタに緊急信号を送信しても良い。エアバッグ展開時に緊急信号を緊急通報センタに送信する機能(携帯電話機、無線送信機、無線送受信機等)を備える車両であれば、燃料配管の破損の検知信号をエアバッグECU(図示せず)に送信し、エアバッグECUの制御により緊急信号を送信するようにすることが可能である。
【0027】
ステップS11において、ECU12が不揮発性メモリを参照して、燃料配管破損の履歴が有ると判断した場合には、ECU12は、ステップS12〜S15の処理をスキップして、上述したステップS16の処理を実行する。
【0028】
以上述べた本発明の一実施形態に係る電動サプライポンプ3の制御装置12によれば、電動サプライポンプ3の駆動電流に基づいて燃料配管の破損を検知するため、燃料配管破損の検知の精度が向上し、車両の安全性を高めることが可能である。つまり、従来の加速度センサを用いる燃料配管の破損検知では、燃料配管自体を監視しているわけではないので、車両の衝突の衝撃が比較的軽い場合には、加速度センサが車両の衝突を検知できず、そのため、燃料配管の破損を検知できない虞があった。一方、本発明の一実施形態に係る電動サプライポンプ制御装置12によれば、電動サプライポンプ3の駆動電流に基づいて燃料システム1自体を監視するので、車両の衝突の衝撃が比較的軽い場合にも、電動サプライポンプ3の駆動電流に基づいて燃料配管の破損を確実に検知し、燃料配管破損時に電動サプライポンプ3を確実に停止することが可能である。
【0029】
また、電動サプライポンプ3の駆動電流が所定の減少速度以上で減少した場合に、燃料配管の破損と判定して電動サプライポンプ3を停止させるため、燃料配管破損発生の基準となる駆動電流値の減少速度(例えば、5.0A/秒)を予め測定しておき、この駆動電流値の減少速度に基づいて燃料配管の破損を容易に検知することが可能である。
【0030】
また、燃料配管の破損を検知した場合に、電動サプライポンプ3を停止させるとともに、燃料配管の破損の履歴を不揮発性メモリに記録するので、燃料配管の破損の履歴を次回イグニッションスイッチオン時の制御に用いることができる。具体的には、燃料配管の破損を検知した後エンジンを停止させ、次にイグニッションスイッチがオンされた際に、不揮発性メモリの内容を参照して、燃料配管破損の履歴がある場合に、電動サプライポンプ3を停止させる。これは、燃料配管破損後においても、ドライバーが不用意にイグニッションスイッチをオンする可能性があるため、次にイグニッションスイッチがオンされた際に、配管破損の履歴がある場合には、電動サプライポンプ3を停止させることで、燃料漏れを防止するためである。
【0031】
また、通常走行時において、所定時間(上記例では3秒)の単位で駆動電流値の移動平均値を算出し、移動平均値を用いて、駆動電流が所定の減少速度(上記例では5.0A/秒)以上で減少したと判断した場合に、燃料配管の破損と判定する構成とした。これにより、電動サプライポンプ個体間のバラツキや劣化、バッテリーの状態、燃料温度による粘性変化、燃料種類による粘性の違いを、駆動電流の移動平均値によって考慮することができる。
【0032】
また、燃料配管破損を検知した場合に、電動サプライポンプ3を停止させるとともに、燃料システムの異常(燃料配管破損)を通知する処理を実行する。例えば、ドライバーに燃料配管破損を知らせる警告灯を点灯させて、ドライバーに配管破損を知らせる。これにより、ドライバーは、燃料配管破損による危険を認識することができる。また、燃料配管破損を検知した場合に、電動サプライポンプを停止させるとともに、緊急信号を遠隔の緊急通報センタに送信する場合には、緊急通報センタに燃料配管破損の情報を、ドライバーの操作に依存せずに自動的に速やかに送ることができる。この場合、緊急通報センタからは、燃料配管破損の情報を警察や消防署に迅速に通報することが可能であり、また、救護や修理に必要な情報をドライバーに迅速に提供することが可能である。
【0033】
(3)他の実施形態
(A)上記実施形態では、エンジンECU12によって、電動サプライポンプ3の停止を制御したが、電動サプライポンプ3がECUを内蔵する場合には、内蔵のECUによって、図2の制御を実行するように構成できる。
【0034】
(B)上記実施形態では、スイッチ13aを電動サプライポンプ3とは別個に設けた例を説明したが、スイッチ13aを電動サプライポンプ3に内蔵することも可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 燃料システム
2 燃料タンク
3 電動サプライポンプ
4 燃料フィルタ
5 高圧ポンプ
5a アクチュエータ
6 燃料温度センサ
7 コモンレール
8 圧力センサ
9 圧力制御弁
10 インジェクタ
11 逆止弁
12 電子制御ユニット(ECU)
13 バッテリ
13a スイッチ
14〜19 燃料配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の燃料システム(1)に設けられる電動サプライポンプ(3)の制御装置であって、
前記電動サプライポンプ(3)の駆動電流を取得する駆動電流取得手段と、
前記駆動電流の変化に基づいて燃料配管の破損を検知し、前記電動サプライポンプ(3)を停止させる停止指令手段と、
を備える電動サプライポンプの制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電動サプライポンプの制御装置において、
前記停止指令手段は、前記駆動電流が所定の減少速度以上で減少した場合に、燃料配管の破損と判定し、前記電動サプライポンプを停止させる、電動サプライポンプの制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電動サプライポンプの制御装置において、
前記停止指令手段は、燃料配管の破損を検知した場合に、前記電動サプライポンプを停止させるとともに、燃料配管の破損の履歴を記憶手段に記憶する、
電動サプライポンプの制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電動サプライポンプの制御装置において、
前記停止指令手段は、イグニッションスイッチがオンされた際に、前記記憶手段を参照して燃料配管破損の履歴の有無を確認し、該履歴がある場合に、前記電動サプライポンプを停止させる、電動サプライポンプの制御装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の電動サプライポンプの制御装置において、
前記駆動電流取得手段は、車両の通常走行時において、所定時間の単位で駆動電流値の移動平均値を算出し、
前記停止指令手段は、前記移動平均値を用いて前記駆動電流が所定の減少速度以上で減少したか否か判断し、前記駆動電流が所定の減少速度以上で減少したと判断した場合に、燃料配管の破損を検知する、電動サプライポンプの制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の電動サプライポンプの制御装置において、
前記停止指令手段は、前記電動サプライポンプを停止させるとともに、燃料配管の破損を通知する処理を実行する、電動サプライポンプの制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電動サプライポンプの制御装置において、前記停止指令手段は、燃料配管の破損を通知する処理として、警告灯を点灯させる、電動サプライポンプの制御装置。
【請求項8】
請求項6に記載の電動サプライポンプの制御装置において、前記停止指令手段は、燃料配管の破損を通知する処理として、緊急信号を車両の外部に送信する、電動サプライポンプの制御装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載の電動サプライポンプの制御装置において、
前記停止指令手段は、エンジンクランキング期間以外において、前記駆動電流の変化に基づく燃料配管の破損の検知を実行する、電動サプライポンプの制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−236791(P2011−236791A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108114(P2010−108114)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000003333)ボッシュ株式会社 (510)
【Fターム(参考)】