説明

電動ホー

本発明は、土壌の中での作業のための用具(14)を駆動する電動モータ(15)と、該モータ(15)へ動力を供給するように構成されるとともに1セットの機能を有する少なくとも1つのバッテリ(16)とを備える電動ホーである。電動ホーは、前記バッテリ(16)の中に残っている電気量の水準を表わす少なくとも1つの情報項目によって選択された少なくとも2つの動作モードで動作することができる。電動ホーは、少なくとも、機器の上記機能のすべてを利用することができる。また、電動ホーは、付加的動力を限られた時間だけ前記モータへ供給する機能を含む標準動作モードと、前記モータへ付加的動力を供給することができる少なくとも上記機能が使用不可にされる引き下げ動作モードとを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、動力式農業機器の分野である。さらに詳しくは、本発明は、動力式農業機器又は、電動ホーのような歩行作業者が使用する土壌耕耘機器に関する。本発明は、特に、電力で作動するとともにバッテリで動作するような機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電力で作動する動力式農業機器は、長年公知である。その機器については2つの解決手段がある。第1の解決手段は、機器をその電力供給のための電気出力部へ恒久的に接続することからなっている。第2の解決手段は、その機器に電気蓄積装置又はバッテリを設けて、その電気的自立性を保証することである。本発明は特に、この第2の解決手段によって動作する動力式農業機器に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
バッテリ駆動の動力式農業機器は、様々な不利益が存在し、従って熱動モータ機器(thermal motor equipment)ほど広く使用されていない。第1の不利益は、土壌作業のような動力が必要な作業に使用するための可能性を制限する有限な動力である。これらの不利益のうちで、特に自立性の問題点を挙げることも可能である。
【0004】
電動ホー又は動力式除草機は土壌耕耘用具であり、従って比較的高い動力が必要であるということに注目すべきである。さらに、他の動力式農業機器とは異なり、電動ホーには一般にこの用具から独立したホイールがない。これら電動ホーは、用具のブレードの転動によって移動され、このブレードは、その移動後に減少した速度で回転することになる。この移動については、土壌を耕すために必要な動力よりもかなり低い動力で足りることは明らかである。
【0005】
土壌を耕すために高出力をもたらさなければならない動力式農業機器のモータ、より具体的には電動ホーのモータを駆動するバッテリは、使用者が能率的に作業をすることができるように、比較的長い時間、高出力をもたらさなければならない。このような使用に適したバッテリの性能は、時間が経てば低下する。このため、適切なバッテリが装備された電動ホーによれば、そのバッテリが新しいときには、使用者には、供給された電力及び自立性の持続時間との点で特に良好な使用状態がもたらされる。しかし、バッテリが消耗すると、それらの性能が低下し、従って、使用状態における有害な影響がある。
【0006】
バッテリの不適切な使用によって、それらの性能の低下が実質的に早まる。このため、例えば、鉛バッテリ、ニッケル水素バッテリ又はリチウムバッテリのような使用されているいくつかのバッテリモデルでは、バッテリを完全放電すること、又はその端子での電圧をある水準以下に減少させることは有害である。従って、これらのバッテリを保護するために、使用者は、バッテリの電気量水準を表示する、一般的には視覚的な表示器を監視しなければならない。この電気量水準が臨界水準よりも下がると、使用者は、その機器の使用を停止するとともにバッテリを再充電しなければならない。
【0007】
しかしながら、使用者は、その機器のバッテリの電気量水準を監視することを忘れて、バッテリがモータの動作に必要なエネルギーをもはや供給することができない状態になるまでその機器を使い続けることがよくある。このような習性はバッテリの性能及び寿命にとって極めて有害である。
【0008】
使用者はまた、彼/彼女が機器のバッテリを再充電することのできる電源から離れているときに、バッテリの不充分な電気量水準に気付くこともある。この場合、使用者は、その機器を使い続けるとともに、その電源へ到達するまで畑に沿って土壌を耕し続ける。この習性もまた、バッテリ性能にとっては有害である。
【0009】
バッテリの早すぎる消耗に関連したこれらの問題点によって、バッテリ式の電動ホーはあまり有用なものではなくなる。電動ホーに関するこれらの制約によって、これらの電動ホーは、他の動力式農業機器よりもバッテリ式の使用に適したものではなくなる。
【0010】
本発明は特に、従来技術におけるこれらの不利益を解消することを目的としている。
【0011】
従って、本発明の1つの目的は、バッテリ式の電動ホーの効率的な使用を可能にすることである。
【0012】
さらに具体的には、本発明の1つの目的は、バッテリ消耗が抑えられるバッテリ式の電動ホーを提供することである。
【0013】
特に、本発明の1つの目的は、性能の低下を最小限にすることを保証するような使用条件下において専有又はほとんど専有することができる電動ホーのバッテリを提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、バッテリ充電の管理が使用者にとってできるだけ都合のよいものであるような電動ホーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
これらの目的及び以下で明らかになる他の目的は、土壌耕耘用具を作動する電動モータと、前記モータへ動力を供給するように構成された少なくとも1つのバッテリとを含み、バッテリの電気量水準を表わす少なくとも1つの情報項目に基づいて選択された少なくとも2つの動作モードによって動くことのできる本発明に係る1セットの機能を有し、上記動作モードが、少なくとも、
機器の前記機能のすべてを利用することができ、制限された時間だけモータへ付加的動力を供給することを可能にする機能を含む通常動作モード(「作動モード」とも称される)と、
前記モータへ付加的動力を供給する少なくとも前記機能を作動停止させる引き下げ動作モード(「変位モード」とも称される)と
を含む電動ホーによって達成される。
【0016】
本発明によれば、このような電動ホーは、上記通常動作モードにおいてだけ利用することが可能であり、且つ制限された時間だけ付加的動力をモータへ供給することを可能である機能をも含む。
【0017】
このような機能によれば、使用者は、通常動作モードにおいて、電動ホーをより堅い土壌又は根が含有される土壌に使用するためのより大きい動力を得ることが可能になる。
【0018】
好ましくは、引き下げ動作モードにおいて、モータへ供給される電力が通常動作モードにおいて供給される電力に満たない水準に制限されることである。
【0019】
このようにして、使用者は、引き下げ動作モードにあるときにおいて、電動ホーを作業に有効に使用することができない。従って、使用者は、バッテリが消耗してしまうまで土壌を耕すためにそれを使用する気にはならない。さらに、バッテリは、このモードではそれほど速く放電されないことになる。
【0020】
有利には、引き下げ動作モードにおいて、モータへ供給される電力によって電動ホーの移動だけが可能になることである。
【0021】
従って、使用者は、電動ホーのバッテリを再充電する必要があるときに、その電動ホーを充電器又は電源まで運ぶ必要がない。使用者は、実際には、土壌を耕す場合よりもかなり低い動力で足りるその用具を回転させることによって電動ホーを移動させることができる。
【0022】
好ましくは、モータが少なくとも2つの動作速度によって作動することができることであり、引き下げ動作モードでは速度の少なくとも1つを利用することができないことである。
【0023】
有利には、本発明による電動ホーに使用者が上記動作モードを見ることが可能な視覚表示器が含まれることである。
【0024】
このようにして、使用者は電動ホーの動作モードを極めて容易に判定することができる。
【0025】
本発明の代替形態によれば、そのような電動ホーは、バッテリが完全に放電される前にモータが停止される第3動作モードを実装している。
【0026】
このようにして、バッテリは、たとえ使用者がその電動ホーを停止させることなく引き下げ動作モードで使用するときにも、過放電による損傷から保護される。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、そのような電動ホーは、バッテリの電気量を表わす情報を測定し、電力をモータへ供給し、上記動作モードに基づいて電動ホーの上記機能を作動開始させるか又は作動停止させる機能をもたらす電子カードを含む。
【0028】
このような電子カードによれば、電動ホーの動作を様々なモードで容易に制御することができる。
【0029】
好ましくは、電子カードが、上記動作モードの少なくとも1つへの切換数と、上記動作モードの少なくとも1つにおける動作時間とからなるグループに属する情報項目の少なくとも1つを記憶していることである。
【0030】
このようにして、電子カードは、バッテリの早すぎる劣化を理解することができる情報を記録する。
【0031】
有利には、電子カードは、モータに関連したパラメーターを測定し、このモータの障害状態の検出を可能にし、上記モータが障害状態にあればそのモータ及び/又は電動ホーの電力供給を遮断することのできる手段を含むことである。
【0032】
このようにして、電子カードは、トルクリミッターとして作用することができるとともに、障害状態の場合に変速機構及びモータを損傷から保護することができる。
【0033】
有利には、電子カードが、電動ホーの保守装置(maintenance apparatus)と通信することができることである。
【0034】
このようにして、電動ホーの保守を担う人は、電子カードが記憶している全ての情報にアクセスすることができる。
【0035】
好ましくは、電子カードが、モータの駆動を反転させる機能を含むことである。
【0036】
このようにして、電動ホーに駆動反転機構を一体化して設ける必要がない。
【0037】
好ましい実施形態によれば、バッテリは、電動ホーから取り外すことができる。
【0038】
このようにして、使用者は、電動ホーを運ぶのがいっそう容易になる。
【0039】
別の好ましい実施形態によれば、電動ホーの作動開始は、始動/停止スイッチと速度変更制御部とに関して使用者が同時に操作することによって制御され、モータの始動は、電動ホーが運転中のとき、その速度変更制御部に関して使用者が別の操作をすることによって制御される。
【0040】
このようにして、電動ホーの不本意な始動による事故の恐れが抑えられる。
【0041】
有利には、電動ホーの制御に関して使用者が操作を休止した場合には、電動ホーの電源が所定時間の後に切られることである。
【0042】
このようにして、事故の恐れは、使用者が電動ホーを作動させた状態においても、抑えられる。
【0043】
有利な実施形態によれば、電動モータのスピンドルは、垂直線に対して、電動ホーの前面へ又はその背面へ向かって傾斜角をなすように電動ホー上に配置されている。
【0044】
この構成によれば、電動ホーの重量のより良好な分布及び電動ホーのより良好な小型化が可能になる。
【0045】
さらに本発明の他の態様とは独立して実施することのできる特に有利な実施形態によれば、電動ホーには、この電動ホーの移動が円滑になるように、土壌耕耘用具の少なくとも1つに固定することのできる少なくとも1つの取り外し可能な移送ホイールが含まれてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明の他の特徴及び利点は、単なる例示であって非限定的な例として記載された以下の好ましい実施形態の説明及び添付図面を読むことによって、より明らかになる。
【0047】
1.本発明の原則の概要
本発明の一般原則は、バッテリの電気量水準による電動ホーの機能の管理である。つまり、電動ホーは、複数のモードで作動することができ、この複数のモードは、すべての機能を利用することができる作動モード(「通常モード」とも称される)と、ある機能を利用することができないか又は部分的に利用することができる引き下げ(downgrade)モード(「変位モード」とも称される)とを含んでいる。
【0048】
2.本発明の実施形態に係る電動ホー
図1は、本発明の実施形態に係る電動ホーを示している。図3は、この電動ホーを構成しているいくつかの要素、及びこれらのいくつかの要素の間の相互作用を概略的に示している。
【0049】
この電動ホーは、従来のように、端部にハンドグリップ12を有するハンドルバー11と、クランクケース13、すなわち機械本体と、土壌耕耘用具14とを備えている。この電動ホーは、電動式であり、従って、バッテリ16によって電力供給される電動モータ15を備えている。
【0050】
制御ボックス17が、一方のハンドグリップ12の近傍に配置されており、この制御ボックス17は、電動ホーを制御することを可能にし、特にバッテリ16によって供給される電力をモータ15へ送ることを制御することができる。この制御ボックス17は、図3に概略的に示されており、この電動ホーの一般的作動を制御する始動/停止用押しボタン311を特に含み得る。別の実施形態によれば、この始動/停止用押しボタンは、上記機械本体に設けることもできる。
【0051】
制御ボックス17は、この電動ホーの様々な機能を制御する他の制御部も備えている。これらの複数の機能は、バッテリ16によってこの電動ホーのモータ15へ供給された電気エネルギーを判定するバリエイタ(variator)32に関連付けされている。
【0052】
このため、速度変動制御部312は、モータ15の回転速度、すなわち用具14の回転速度を変更することができる。同じように、このモデルによれば、高速度用ボタン(a higher speed button)313によって、例えば、より堅い土壌又は根が含有される土壌を通り抜けるときに、限られた時間だけ付加的電力をモータ15へ供給することができる。ボタン313は、モデルに左右されるが、他方のハンドグリップの近くに配置された別の制御ボックス18に配置することもできる。この機能の備わった電動ホーの連続的使用を防止するために、高速度用ボタン313は、その機能を作動状態にするために使用者によって押した状態で保持される必要がある。
【0053】
後進ボタン314は、モータ15の回転方向、すなわち用具14の回転方向を逆にすることができる。後進ボタン314は、その機能を作動状態にするために使用者によって押した状態で保持される必要がある。
【0054】
図1の電動ホーは、移動のためのホイールを備えていない。このため、上記用具が土壌を耕さないときには、この電動ホーは用具14のブレードで移動する。この移動には、これらと同じ用具14によって土壌を耕すための動力よりも極少ない動力で足りるのは当然である。
【0055】
3.電子カード及び様々な動作モード
この電動ホーの制御及び機能と、電力をモータ15へ供給させるバリエイタ32の制御は、特定の電子カード33によって管理される。
【0056】
図3に概略的に示されるように、制御ボックス17及び/又は18の様々な制御部は、電子カード33に関連付けられている。従って、この電子カードは、特にこれらの制御部に対応して、バリエイタ32へ送られる指示を作成しており、これにより、バイエイタ32は、バッテリ16によってモータ15へ送られた電力を判定するようになっている。
【0057】
この電子カード33は、バッテリ16の端子での電圧もまた制御する。この電圧は、同バッテリの電気量水準を表わすものである。この電圧によって、電子カード33は、この電動ホーを様々な動作モードによって作動させる。この電動ホーの動作モードは、制御ボックス17及び/又は18又は上記機械本体に配置された発光ダイオード(LED)から構成されている可視光表示器315によって使用者へ表示される。
【0058】
様々な動作モードは、図2のグラフに、バッテリ16の端子での電圧Uの関数として示されている。バッテリ16の端子での電圧Uが、この事例では36ボルトである標準電圧NVと低い電圧LVとの間にあるときには、この電動ホーは、標準モード21又は作動モードで作動する。この動作モードでは、使用者はこの電動ホーのすべての機能を利用することができ、使用者は、土壌を耕すために、このモータを最大出力で作動させることができる。
【0059】
バッテリ16の端子での電圧Uが、上記の低い電圧LVと臨界電圧CVとの間にあるときには、この電動ホーは、引き下げモード22又は変位モードで作動し、使用者はもはや、この電動ホーの上記すべての機能へアクセスすることができない。このため、使用者は、ボタン313によって制御された、より高い速度での上記機能を使用することができない。
【0060】
これに対して、このモードでは、上記モータへ供給される電力は制限され、そのため、上記用具は、土壌を耕すことができない制限された速度で回転する。この動力制限は、上記電子カードからの指示により上記バリエイタが上記モータへ供給された電圧の制限をすることによって引き起こされる。従って、このモードによれば、使用者は、この電動ホーを移動させることだけが可能であり、バッテリを再充電するために電源へ容易に到達することができる。
【0061】
バッテリの端子での電圧Uが、臨界電圧CVに等しいか又はそれよりも低いときには、この電動ホーは、バッテリを保護するために、短時間の後に、モータを停止させるデフォルトモード23へ切り換えられる。従って、この停止はバッテリが完全に放電される前に引き起こされる。
【0062】
4.他の特徴構成及び利点
この電動ホーの上記機能を制御するために電子カードを使用すると、この電動ホーの保守がいっそう容易になる。実際、電子カード33は、例えば特定の接続ケーブルの手段によって、保守専用のコンピューターへ接続することができる。従って、この電子カードによって記憶された、この電動ホー及びそれが含む様々な要素(バッテリ、モータ、バリエイタ等)の製造番号、バッテリの端子での電圧U、この電動ホー及びその構成要素(バッテリ、バリエイタ、モータ、など)の使用時間のような情報を、この電子カードによって上記コンピューターへ提供することができる。
【0063】
この電子カードには、引き下げモード22におけるこの電動ホー使用時間、及びデフォルトモードへの切換の数もまた記憶され、この情報を上記保守コンピューターへ提供することができる。この情報によれば、例えばバッテリの早すぎる消耗を表わすことができ、この電動ホーの保守がいっそう容易になる。
【0064】
本発明による電動ホーのバッテリは、取り外しすることができ、この電動ホーから取り外されたときにだけ再充電することができる。この解決手段にはいくつかの利点がある。つまり、この電動ホーを運ぶために、使用者は、バッテリを分離して、それらを一方の手で運び、電動ホーを他方の手で運ぶことができる。このようにして荷重は振り分けられ、電動ホーを運ぶことがいっそう容易になる。さらに、この解決手段によれば、使用者は、第2のバッテリセットを使用することができ、それによって、使用者は、第1のバッテリセットが放電され、それが再充電されているときに、電動ホーを使い続けることができる。従って、この解決手段によれば、電動ホーの使用者にとって付加的な快適さがもたらされる。
【0065】
この回転式耕運機(rototiller)のための電動モータを使用すると、モータの配置を変更することができる。実際に、熱動モータとは異なり、電動モータは垂直に配置する必要がない。従って、この機器の小型構成及び重量分布を最適化するために、モータのスピンドルをこの機器の前面又は後面に対する傾斜角で配置することは有利である。
【0066】
図4は、取り外し可能な移送ホイール41及び42が実装された、本発明の特定の実施形態に係る電動ホーを示している。これらの移送ホイールは、上記土壌耕耘用具の直径よりもわずかに大きい直径を有し、例えばクリップ留めによって、この電動ホーの側面に配置された用具43及び44へそれぞれ固定することができる。従って、これらの用具の回転軸はホイール41及び42の軸になる。
【0067】
熱動モータが備わっている電動ホーを含み、あらゆる型の電動ホーにおいて実施することのできるこの特定の実施形態によれば、この電動ホーを従来技術において行われるような上記用具のブレードで行うよりも容易に移動させることができる。しかしながら、動力を上記用具へ供給する機構とは別の変則機構は必要でない。この実施形態の引き下げモードでは、モータによって、上記用具及びこれに関連した上記ホイールの両方が作動されるのは当然である。
【0068】
本発明による電動ホーには、子供によるこの機器の予期しない始動を防止することのできる安全装置も含むことができる。これらの安全装置は、上記作動モード又は上記引き下げ動作モードとは独立して、互いに独立して実施することができるのは当然である。
【0069】
このようにして、始動/停止用押しボタン311が作動されると、電子カード33は、速度変動制御部312が作動されたことを検証するようになっている。この速度変動制御部が作動されないときには、電動ホーは始動しない。この速度変動制御部312が作動されるときには、この電動ホーは動作モードの状態に置かれるが、電子カード33は、速度変動制御部312が緩められるまで待機し、モータが実際に始動される前に再び作動される。
【0070】
特に子供のためのより大きい安全対策について、大人が電動ホーを監視しないときには、速度変動制御部312が所定時間、例えば1分間作動されないと、電子カード33によってその電動ホーの電源が自動的に切られる。作業を再び開始するためには、始動シーケンスが再び遂行されることが必要である。
【0071】
最後に、この電動ホーの保護のために、電子カード33には、この電動ホーの機械的伝動装置の異常な障害状態、例えば極めて大きい根又は石の中への上記用具の詰まりを検出することができる、電流、電圧及び温度を測定するための手段が装備されている。この事例では、上記伝動機構及び上記モータを保護するために、電子カード33によって、モータ又は電動ホーの電力供給を絶つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施形態に係る電動ホーを示した図である。
【図2】図1の電動ホーの動作モードをバッテリ端子での電圧の関数として示したグラフである。
【図3】図1の電動ホーの様々な要素の間の相互作用を概略的に示した図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係る電動ホーを示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌耕耘用具(14、43、44)を作動する電動モータ(15)と、該モータ(15)へ動力を供給するように構成された少なくとも1つのバッテリ(16)とを備えている電動ホーであって、
前記バッテリ(16)によって前記モータ(15)へ供給される電力を前記バッテリ(16)の電気量の水準を表わす少なくとも1つの情報項目の関数として決定するための決定手段(33)を備え、
前記土壌耕耘用具(14、43、44)が土壌を耕すことが可能な第1電力を前記モータ(15)へ供給するための標準動作モード(21)と、
限られた時間内において且つ対応する高速度用ボタン(313)が使用者によって押圧されて保持されている場合に限り、前記第1電力に比べて付加的な電力を前記モータ(15)へ供給するための高動作速度機能と、
前記モータ(15)へ供給された電力を前記第1電力よりも低い水準に制限するとともに、前記土壌耕耘用具(14、43、44)を作動することにより当該電動ホーの移動だけを可能にするための引き下げ動作モード(22)と
を提供するようになっていることを特徴とする電動ホー。
【請求項2】
使用者が前記動作モードを見ることを可能にする視覚的表示器(315)を含むことを特徴とする請求項1に記載の電動ホー。
【請求項3】
前記バッテリ(16)が完全に放電される前に前記モータ(15)が停止される第3動作モード(23)を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動ホー。
【請求項4】
前記決定手段(33)は、
前記動作モードの少なくとも1つへの切換回数と、
前記動作モードの少なくとも1つにおける動作時間と
からなるグループに属する情報項目の少なくとも1つを記憶していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電動ホー。
【請求項5】
前記決定手段(33)は、前記モータ(15)に関連し且つ前記モータ(15)の障害状態を検出することが可能なパラメーターを測定するための手段を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電動ホー。
【請求項6】
前記決定手段(33)は、前記モータ(15)が障害状態にある場合に、前記モータ(15)及び/又は機器の電力供給を遮断するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の電動ホー。
【請求項7】
前記決定手段(33)は、保守装置と通信するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の電動ホー。
【請求項8】
前記決定手段(33)は、前記モータ(15)の動作を反転させる機能を含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の電動ホー。
【請求項9】
前記バッテリ(16)は、取り外し可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の電動ホー。
【請求項10】
当該電動ホーの駆動が、始動/停止スイッチ(311)と速度変動制御部(312)とに関して使用者が同時操作することによって制御され、
前記モータ(15)の始動が、当該電動ホーが運転中のときに、前記速度変動制御部(312)に関して使用者が別の操作をすることによって制御されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の電動ホー。
【請求項11】
当該電動ホーの制御に関して使用者が操作を休止した場合には、当該電動ホーの電源が所定時間の後に切られるようになっていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の電動ホー。
【請求項12】
前記電動モータ(15)のスピンドルは、垂直線に対して、当該電動ホーの前方又は後方へ向かって傾斜角をなすように機器に配置されていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一項に記載の電動ホー。
【請求項13】
当該電動ホーは、電動ホーの移動が円滑になるように、前記土壌耕耘用具(14、43、44)の少なくとも1つに固定することが可能な少なくとも1つの取り外し可能な移送ホイール(41、42)を備えていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか一項に記載の電動ホー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−534021(P2009−534021A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505890(P2009−505890)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/053815
【国際公開番号】WO2007/122169
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(508313909)ピュベール・アンリ・ソシエテ・パ・アクシオンス・シンプリフィエ (1)
【Fターム(参考)】