電動管理作業機
【課題】 バッテリと電動モータとの間の過電流に対しては、前記ブレーカで回路遮断できるが、放電制御回路の電流変化に伴う安全対策については、配慮がなく改善を要する。
【解決手段】 充電制御回路42aを有したバッテリBで電動の電動モータ8によって駆動して作業する電動管理作業機において、旋回センサ34が旋回操向を検出することによって、この旋回時の電動モータ8の回転を低下させるか、又は停止する旋回制御装置の構成。
【解決手段】 充電制御回路42aを有したバッテリBで電動の電動モータ8によって駆動して作業する電動管理作業機において、旋回センサ34が旋回操向を検出することによって、この旋回時の電動モータ8の回転を低下させるか、又は停止する旋回制御装置の構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電可能なバッテリと電動モータとを備えて、この電動モータによって駆動走行しながら、耕耘作業する電動管理作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バッテリユニットと電動モータの配置構成及びコントローラの配置構成について開示されている。また、特許文献2には、操作信号受信部、制御部、モータ駆動回路等を接続したコントローラを備え、制御部には、充電器、ハンドル装着スイッチ、回転センサ等からの信号を受け、表示部に表示信号を発するとともに、モータ駆動回路を介して電動モータを回転制御するものである。さらに、特許文献3には、電動作業機において、電動モータの電気回路にブレーカを設け、作業機の負荷増大によって電気回路の電流が過大になるときには自動的に回路を遮断する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−22173号公報
【特許文献2】特開2004−275100号公報
【特許文献3】特開平6−98601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッテリと電動モータとの間の過電流に対しては前記ブレーカで回路遮断できるが、放電制御回路の電流変化に伴う安全対策については配慮がなく改善を要する。この発明は、作業機の旋回操向におけるバッテリの消費電力を軽減して、電動作業時間を長くして、作業能率を高めるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、充電制御回路(42a)を有したバッテリ(B)で電動の電動モータ(8)によって駆動して作業する電動管理作業機において、旋回センサ(34)が作業機の旋回操向を検出することによって、この旋回時の電動モータ(8)の駆動回転を低下させるか、又は停止することを特徴とする電動管理作業機の構成とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記電動モータ(8)を駆動する運転スイッチ(33)と運転信号制御回路(51)を有し、通常駆動開始時は、一定時間(T1)以上運転スイッチ(33)のONを検出すると電動モータ(8)の回転を開始し、運転停止時は、この一定時間(T1)よりも短かい時間(T2)運転スイッチのOFFを検出したとき電動モータ(8)を停止する構成とし、旋回センサ(34)が作業機の旋回操向を検出してから電動モータ(8)の駆動回転を低下させるか又は停止するまでの時間を前記運転スイッチのOFFを検出してから電動モータ(8)が停止するまでの時間(T2)よりも長くしたことを特徴とする請求項1記載の電動管理作業機。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明は、電動モータ8による駆動作業する作業機は、この作業機の旋回操向行程においては、自動的に電動モータ8の駆動力が低減されるか、又は停止されるために、この作業機の旋回に要する電動モータ8の電動負荷を軽減し、又は無くして、充電回数を少くし、バッテリBの電気容量を長時間維持して、実質作業行程を長く維持させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、作業機旋回運転時における運転停止の判定時間としてのスイッチON時間T3を、通常作業運転時における運転停止のスイッチON時間T2よりも長くすることによって、旋回を確実に検出して電動モータ8の駆動力が低減されるか、又は停止されるために、少々の耕耘向き変更を旋回と誤判定することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】電動耕耘機の側面図。
【図2】電動耕耘機の背面図。
【図3】電動耕耘機の平面図。
【図4】電動耕耘機の拡大側面図。
【図5】バッテリケース内の正面図。
【図6】電動モータ駆動制御のブロック回路図(A)と、スイッチング回路部のブロック回路図(B)。
【図7】バッテリと電動モータの間の連結回路を示すブロック回路図。
【図8】スイッチ制御のフローチャート。
【図9】スイッチ制御のフローチャート。
【図10】操作レバー部の作動を示す側面図(A)(B)。
【図11】その各平面図(A)(B)。
【図12】モニタユニット制御部のブロック図(A)(B)と、その旋回操向時のモータ駆動制御のフローチャート(C)(D)。
【図13】モニタユニット制御部のブロック図(A)と、旋回操向制御のフローチャート(B)。
【図14】モニタユニット制御部のブロック図(A)と、モータ負荷電流制御時のモニタ制御のフローチャート(B)。
【図15】モニタユニット制御部のブロック図(A)と、使用可能時間表示制御のフローチャート(B)。
【図16】モニタユニット制御部のブロック図(A)と、温度異常検出時、及び過充電時のモニタ制御のフローチャート(B)(C)。
【図17】その放電中の温度異常検出時、及び過放電停止時のモニタ制御のフローチャート(A)(B)。
【図18】モータ電動制御回路のブロック回路図(A)と、その電源供給回路のブロック回路図(B)。
【図19】そのバッテリパックの正面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図面に基づいて、電動管理作業機は、ロータリ爪4を駆動回転させて土壌面を耕耘しながら推進走行するカルチベータ形態の耕耘作業機から構成される。作業機フレーム1の上側には、バッテリBと、このバッテリBによって電動される電動モータ8等を搭載している。このフレーム1の前部出電動モータ8の下側には、上下方向のモータ伝動軸10と、このモータ伝動軸10を軸受内装する伝動ケース2を設け、この伝動ケース2の下部に、前記モータ伝動軸10を介して伝動により横軸芯周りに回転駆動するロータリ軸3を軸支している。この中央部の伝動ケース2から左右両側へ張り出すこのロータリ軸3の周りには、ロータリ爪4を配置すると共に、両端にはサイドデイスク5を取付けて、ロータリ部Rを構成している。
【0011】
ロータリ部Rの上方を覆う平面視円盤形状のモータベース6は、底部を作業機フレーム1上に取付け支持させて、このモータベース6の上側の前部に電動モータ8を取付け、後部にはバッテリBを収容のバッテリケース9を搭載している。又、このモータベース6の上側はモータカバー7で開閉可能に覆っている。前記バッテリケース9は、上端にハンドル21を有して取扱いを行い易くし、底面には前記モータベース6に形成の係合穴に嵌合してこのモータケース9の移動を阻止する突子22を形成している。
【0012】
前記作業機フレーム1の後部にはハンドルフレーム11を斜め後方上部に向かって設けて、この後端部左右両側に一対の操作ハンドル12を分岐して設け、各操作ハンドル12にはグリップ13を設けている。この右手側のハンドル12には、このグリップ13近傍に電動モータ8の駆動を入り切りする操作レバー17を設けている。
【0013】
前記作業機フレーム1の後端部には作業機を移動するときに下側へ回動させて機体を支持する補助輪14と、耕耘作業時にダッシングを防止する抵抗棒15を取り付けている。この補助輪14は不使用時は後方へ回動させて収納姿勢にしておく。
【0014】
前記ハンドルフレーム11に対する操作ハンドル12の取付位置に形成する操作ケース部には、バッテリBからの電源の入り切りをするキースイッチ16を設ける。又、バッテリケース9の後面には、このバッテリケース9内のバッテリBと前記電動モータ8との間を接続するモータ駆動回路20の出力端子18と、このバッテリBを充電するための充電端子19とを各々設けている。
【0015】
前記バッテリケース9は、後部外壁部に前記出力端子18、充電端子19を設け、内部に複数のバッテリセル41からなるバッテリB(バッテリパック40)を設け、各バッテリセル41の上面に充電回路を組み込んだ充電制御基板42を底部の案内レールに案内させて前後にスライドすることにより挿脱可能に設け、更にこの上側に、適宜間隔離れて放電回路を組み込んだ放電制御基板43を前後スライド可能にして着脱可能に設けている。前記充電制御基板42の端子は、前記充電端子19に配線接続し、各バッテリセル41との間は直接電気的に接続する。又、放電制御基板43は複数のバッテリセル41の直列接続による電圧が出力端子18に出力できるように回路構成している。
【0016】
前記放電制御基板43を、前記バッテリセル41と電動モータ8とを接続するモータ駆動回路20途中に介在すると共に、該放電制御基板43に、出力制御回路43a、電流検出回路45、スイッチング回路46、電流平滑回路47、過放電防止回路48、及び短絡防止回路49等を設ける(主に、図5〜図7参照)。
【0017】
このうち出力制御回路43aは、キースイッチ16、運転リミットスイッチ33による運転信号制御回路51からの運転信号を受けてスイッチング回路46をON−OFF切換出力し、このスイッチング回路46のON−OFF切換出力は、前記モータ駆動回路20を遮断し、又は接続状態とするよう切り換える構成としている。
【0018】
また、電流検出回路45は放電制御基板43の制御電流を検出して、予め設定した設定電流値を超える状態が規定時間継続すると前記スイッチング回路46をOFFに切り換え、前記モータ駆動回路20を遮断するよう構成している。
【0019】
前記各充電制御基板42には過充電防止回路44を組み込み、一方、放電制御基板43には上記のように出力制御回路43a等のほか、電流検出回路45、電流平滑回路47、過放電防止回路48、短絡防止回路49、スイチイング回路46、及び出力制限回路68等を組み込んでいる。なお、この電流平滑回路47は、前記運転信号が入力されたときに生じるサージ電流を平滑処理する回路である。
【0020】
前記放電制御基板43に対する短絡防止は上記短絡防止回路49で防止できる構成であるが、各充電制御回路42aに対する短絡防止は、これら放電制御基板42毎に設けることなく、これらに共通の短絡防止回路50の基板を、充電端子19とこの放電制御基板42との間であって、該放電制御基板43の一側に縦姿勢で挿抜自在に前記バッテリケース9内に設けている。
【0021】
前記バッテリケース9の出力端子18は、電動モータ8への出力端子18として前記モータ駆動回路20により電動モータ8に接続すると共に、信号入出力用の端子18として、運転信号制御回路51に連結して、この信号制御回路51から前記キースイッチ16や操作レバー17で作動される運転(リミット)スイッチ33等の入り切り信号を入力して前記入力制御回路43aへ運転信号を出力でき、或は、この入力制御回路43aによる出力に基づいて、信号制御回路51から電池残量や、警告表示信号等を入力して、これら電源入切LEDや、運転警告LED、電池残量LED等の各LED26に出力する構成としている。
【0022】
前記出力端子18は、ブレーカ55を介して電動モータ8に接続している。このブレーカ55は、モータ駆動回路20を入り切りするソレノイド作動形態のスイッチから成り、モータ駆動回路20の電流値が上昇すると励磁してスイッチOFF作動してモータ駆動回路20を切りにし、電動モータ8を停止位置とする構成である。又、このブレーカ55はON−OFFスイッチ形態として、前記モータベース6の後部上面に設けている。
【0023】
前記右手側ハンドル12の操作レバー17を、スプリング25に抗して把持して支軸30周りに回動すると、運転スイッチ33をON作動して、前記運転制御回路51からの信号によって電動モータ8を駆動する。この操作レバー17の把持を開放すると、スプリング25によって戻されて、運転スイッチ33はOFFとなり、電動モータ8も停止する。
【0024】
前記操作レバー17の上側には、右手の親指でスプリング35に抗して押し移動して、この各押操作する毎にこのピン位置を小径部31aと、大径部31bとに切り替えることができる牽制ピン31を設け、この牽制ピン31の小径部31aを、操作レバー17の把持位置に対向させるときは、把持操作の操作レバー17の回動を許して運転スイッチ33をONすることができるが、この大径部31bを対向させるときは、操作レバー17の回動を許さず、従って操作レバー17を把持しても運転スイッチ33をONすることができないようにして、操作の安全性を維持している。
【0025】
耕耘作業にあたり、バッテリBの充電状態を電池残量LED28の点滅の有無によって確認し、不足の場合は充電器65を充電端子19に接続し所定の充電を行なう。耕耘作業の開始にあたっては、キースイッチ16を入りにして、牽制ピン31を押して小径部31aに切り替えて、操作レバー17を把持回動することにより運転スイッチ33をONすると、この運転スイッチ33のON信号は、運転信号制御回路(基板)51を経由して出力制御回路43aに送信されスイッチング回路46を回路接続側に作動させバッテリBにより電動モータ8が駆動されて、この電動モータ8の鼓動によりロータリ部Rが回転し耕耘作業を行うことができる。
【0026】
この耕耘作業を停止するときには、作業者が操作レバー17の把持を離すとスプリング25の作用で戻されて、運転スイッチ33のOFFによる運転信号によってバッテリBからの駆動電流が遮断されて、ロータリ部Rの駆動が停止される。
【0027】
前記構成の作用を図8、図9のフローチャートに基づき説明する。キースイッチ16がONされると(ステップS101)、各種スイッチ信号、各種検出センサ値を読み込む(S102)。ついで、運転スイッチ33がONであるか否か判定し(S103)、これらステップS101及びS103双方のON信号出力が整う運転信号のとき、スイッチング回路46へON信号が出力される(S104)。この出力を受けるとモータ駆動回路20が接続状態となり、バッテリBと電動モータ8とは回路接続状態となって回転駆動する(S105)。
【0028】
運転中、電流検出回路45は常時、制御電流の監視を行い検出電流値と予め設定した所定値と比較し(S106)、ブレーカ55はモータ駆動回路20の負荷電流値を検出して過負荷状態か否か判定する(S107)。このステップS106で所定値以下であり、かつステップS107で過負荷状態にない場合は、前記スイッチング回路46へのON信号を継続するため、電動モータ8は回転駆動状態を維持する。
【0029】
一方、ステップS106で所定値との比較において、所定値以下でないときであって予め設定した規定時間を越えると制御電流異常としてスイッチング回路46にはOFF信号が出力され(S111)、電動モータ8は停止する(S112)。
【0030】
上記のように、電流検出回路45とブレーカ55の両方で、バッテリB、電動モータ8、配線等の保護を行うことができる。
また、図9に示すように運転スイッチ33を断続するときの電動モータ8駆動を制限する出力制限回路68については、前記のステップS111後、電動モータ8の停止出力がなされるが、これに続いてキースイッチ16がONされたか否か判定され(S201)、キースイッチ16がONするときは(S202)、前記スイッチング回路46へON出力する(S203)。一方ステップS202で所定時間経過しないときは、スイッチング回路46はOFF出力を継続する(S205)。このように構成すると、運転スイッチ16をOFFしたとき所定時間は運転スイッチ16をONしてもその入力を受け付けず制限するものであるから電動モータ8起動時のハンチング動作を抑えることができ、バッテリB及び出力制御回路43aの保護を図る。
【0031】
ここにおいて、充電制御回路42aを有したバッテリBで電動の電動モータ8によって駆動して作業する電動管理作業機において、旋回センサ34が旋回操向を検出することによって(図12参照)、この旋回時の電動モータ8の回転を低下させる(S1)か、又は停止する(S2)ことを特徴とする旋回制御装置の構成とする。
【0032】
作業機の運転はバッテリBから電動する電動モータ8の駆動によって行われる。このため、作業開始にあたりバッテリBが放電されて蓄電容量が低いときは、充電制御回路42aを介して充電しておくことによって長時間の管理作業を行うことができる。又、この管理作業機による作行行程中においては、各作業走行行程の終端部で折返す旋回操向行程を繰返すことが多いが、この旋回操向行程に至ると、旋回センサ34の検出によって、この旋回行程時の作業機の電動モータ8の回転が自動的に低下される。又は、この電動モータ8の回転が自動的に停止される。この電動モータ8の回転が停止する形態では、停止以後の旋回操向では電動モータ8による駆動力を利用することはできない状態となるから、この電動モータ8による駆動伝動部を切りにしてフリー状態にし、作業者の手動操作で作業機を旋回して、続く作業行程の作業開始態勢へ移行し、電動モータ8の電動回転を起動するか、又は、駆動回転速度を高速位置に戻し操作して、後続作業を再開する。
【0033】
又、前記電動モータ8を駆動する運転スイッチ33と前記の運転信号制御回路51を有して(図13参照)、通常駆動時は、このスイッチ33が一定時間T1以上ONしたときにこの電動モータ8を回転し(S3)、停止時は、この一定時間T1よりも短かい時間T2ONしたときにこの電動モータ8を停止するものとし(S4)、このうち旋回時は(S5)、この運転スイッチ33のON時間を、前記作業時のON時間T2よりも長いON時間T3継続したときに電動モータ8を停止させるように制御する。
【0034】
前記作業運転にあたり運転スイッチ33などをON操作することにより、運転信号制御回路51による運転信号を放電制御回路43aに供給し、バッテリBから電流を通して電動モータ8を回転し、作業機を運転駆動する。この通常運転のとき、運転スイッチ33のONで一定のON時間T1が経過すると(S3)、モータ駆動信号29を出力して、電動モータ8を回転する。このモータ8の通常運転時の電動中に、このモータ8の駆動回転を停止するときは(S4)、前記一定のON時間T1よりも短いON時間T2、又はT3(T1>T3>T2)の出力によってこのモータ駆動を停止させる。そして、この停止制御のうち、前記旋回センサ34が旋回操向を検出しないときは、このON時間T2はON時間T3よりも短いON時間として設定して、このON時間T2の経過によって(S4)、作業中のモータ8を駆動するモータ駆動信号29を出力してモータ8駆動を停止する。又、前記停止制御で、旋回センサ34が旋回操向を検出するときは(S5)、前記作業中のON時間T2よりも長いON時間T3を経過することによって、前記モータ駆動信号29を出力して、このモータ8を停止する。
【0035】
次に、主として図14に基づいて、モータ負荷電流のモニタ37、38を設け、作業時の電流値をレベルメータ等で表示し、電流が少くて安定状態をエコモードとして表示する。作業中の負荷と適正な耕深状態を運転者が知ることができ、バッテリ容量の節約、作業時間をのばすことができる。運転スイッチ33より運転信号を発生させて前記放電制御回路43に供給し、バッテリBから電流を供給してモータ8を回転させる。このモニタ負荷電流52を検出して(S6)、電流モニタLED37を点灯させると共に、負荷電流値が適正かどうか判断し、適正であればエコモニタLED38を点灯させる。
【0036】
主として図15に基づいて、バッテリBの使用可能時間を表示9するときの計算に使用するモータ電流は平均値として(S7)、一定時間ごとに表示値を更新する。バッテリBにモータ8を接続し、運転スイッチ33ONにより運転信号を発生させて、放電制御回路43に供給し、バッテリBから電流を供給してモータ8を回転させる。運転中に一定時間内のモータ電流の平均値を算出し、その電流とバッテリ電圧から残りの作業可能時間を計算して残時間モニタLED28に表示させる。
【0037】
主として図16、図17に基づいて、バッテリBの充電中の温度異常信号を充電器側に送り、異常モニタ表示する。バッテリBにモータ8を接続して、運転スイッチ33のONにより運転信号を発生させて放電制御回路43aに供給し、バッテリBから電流を供給してモータ8を回転させる。充電中にバッテリパック内の温度センサ53を読み込み(S8)、一定値以上の場合は温度異常として充電回路42aの充電スイッチ54をOFFし、充電中止信号56を充電器に出力57しモニタに表示する。コントローラ23の入力側にはバッテリBを充電するための信号を発する充電入力信号58を設け、出力側にモータ8等を出力する放電出力59等を設けている。又、この充電中にバッテリパック内にセル電圧を読み込み(S9)、一定値以上の場合はセル41の過充電として充電回路42aの充電スイッチ54をOFFし、充電中止信号を充電器に出力すると共に、モニタに表示する。
【0038】
又、バッテリB放電中の温度異常信号を運転モニタ側に送り異常表示させることができる。又、この放電中の過放電状態においては(S10)、過放電停止信号57を運転モニタ側へ送って放電出力59を停止して異常表示することもできる。
【0039】
又、放電中のバッテリセル電圧の下限値を検出して(S11)、放電を中断するとき、中断の信号を運転モニタに送り、放電異常としてモニタ表示する。
図18に基づいて、キースイッチ16がONされて、一定時間以内に運転スイッチ33がONされないよときは、バッテリBからキースイッチ16経由でモニタ回路20等に供給する電源をOFFする構成とする。バッテリBの放電を防止する。モニタユニット60では、運転スイッチ33のONにより運転信号を発生させて放電制御回路43aに供給し、バッテリBから電流を供給してモータ8を回転させる。キースイッチ16とモニタ回路27との間に、電源供給回路61とタイマ回路62を設け、キースイッチ16のONと同時にタイマを作動させて、一定時間内に運転スイッチ33がONにならないときは、タイマ回路62により電源供給回路61をOFFして、電源供給を停止させる。
【0040】
このように電源供給を停止した後は、運転スイッチ33のONで復帰することができる。キースイッチ16をONにしたまま放置すると、バッテリBが放電して使用不能になるが、キースイッチ16がONされて一定時間内に運転スイッチ33がONされないときは、このバッテリBからキースイッチ16経由でモニタ回路27などに供給する電源をOFFにして、運転スイッチ33で再起動できる状態にする。バッテリBの放電を防止する。前記充電制御回路42を介して電動の充電器65は、充電状態を表示する充電モニタLED66、67を有する。充電完了時はLED66を点灯し、充電中ではLED67を点灯する。
【0041】
又、図19は、前記作業機のバッテリBとして用いられるバッテリパック40の形態を示す。バッテリパック40の形状は同じで容量の異なるものを複数構成し、作業状態に応じて箇数選択可能に構成する。各バッテリパック40は、充電制御回路42aと、放電制御回路43a、及び複数のバッテリセル41で二次電池として構成される。バッテリセル41の容量、又は数量を変更して、バッテリパック40の電圧は同じで、容量を変更することができる。又、このバッテリパック40には充電電用コネクタ63と、放電用コネクタ64を設けて、前記充電端子19、放電端子18と連結することができる。
【符号の説明】
【0042】
8 モータ
33 運転スイッチ
34 旋回センサ
42a 充電制御回路
43a 出力制御回路
51 運転信号制御回路
41 バッテリセル
B バッテリ
T1 スイッチON時間(T1>T3>T2)
T2 スイッチON時間
T3 スイッチON時間
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電可能なバッテリと電動モータとを備えて、この電動モータによって駆動走行しながら、耕耘作業する電動管理作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、バッテリユニットと電動モータの配置構成及びコントローラの配置構成について開示されている。また、特許文献2には、操作信号受信部、制御部、モータ駆動回路等を接続したコントローラを備え、制御部には、充電器、ハンドル装着スイッチ、回転センサ等からの信号を受け、表示部に表示信号を発するとともに、モータ駆動回路を介して電動モータを回転制御するものである。さらに、特許文献3には、電動作業機において、電動モータの電気回路にブレーカを設け、作業機の負荷増大によって電気回路の電流が過大になるときには自動的に回路を遮断する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−22173号公報
【特許文献2】特開2004−275100号公報
【特許文献3】特開平6−98601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バッテリと電動モータとの間の過電流に対しては前記ブレーカで回路遮断できるが、放電制御回路の電流変化に伴う安全対策については配慮がなく改善を要する。この発明は、作業機の旋回操向におけるバッテリの消費電力を軽減して、電動作業時間を長くして、作業能率を高めるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、充電制御回路(42a)を有したバッテリ(B)で電動の電動モータ(8)によって駆動して作業する電動管理作業機において、旋回センサ(34)が作業機の旋回操向を検出することによって、この旋回時の電動モータ(8)の駆動回転を低下させるか、又は停止することを特徴とする電動管理作業機の構成とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、前記電動モータ(8)を駆動する運転スイッチ(33)と運転信号制御回路(51)を有し、通常駆動開始時は、一定時間(T1)以上運転スイッチ(33)のONを検出すると電動モータ(8)の回転を開始し、運転停止時は、この一定時間(T1)よりも短かい時間(T2)運転スイッチのOFFを検出したとき電動モータ(8)を停止する構成とし、旋回センサ(34)が作業機の旋回操向を検出してから電動モータ(8)の駆動回転を低下させるか又は停止するまでの時間を前記運転スイッチのOFFを検出してから電動モータ(8)が停止するまでの時間(T2)よりも長くしたことを特徴とする請求項1記載の電動管理作業機。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明は、電動モータ8による駆動作業する作業機は、この作業機の旋回操向行程においては、自動的に電動モータ8の駆動力が低減されるか、又は停止されるために、この作業機の旋回に要する電動モータ8の電動負荷を軽減し、又は無くして、充電回数を少くし、バッテリBの電気容量を長時間維持して、実質作業行程を長く維持させることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、作業機旋回運転時における運転停止の判定時間としてのスイッチON時間T3を、通常作業運転時における運転停止のスイッチON時間T2よりも長くすることによって、旋回を確実に検出して電動モータ8の駆動力が低減されるか、又は停止されるために、少々の耕耘向き変更を旋回と誤判定することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】電動耕耘機の側面図。
【図2】電動耕耘機の背面図。
【図3】電動耕耘機の平面図。
【図4】電動耕耘機の拡大側面図。
【図5】バッテリケース内の正面図。
【図6】電動モータ駆動制御のブロック回路図(A)と、スイッチング回路部のブロック回路図(B)。
【図7】バッテリと電動モータの間の連結回路を示すブロック回路図。
【図8】スイッチ制御のフローチャート。
【図9】スイッチ制御のフローチャート。
【図10】操作レバー部の作動を示す側面図(A)(B)。
【図11】その各平面図(A)(B)。
【図12】モニタユニット制御部のブロック図(A)(B)と、その旋回操向時のモータ駆動制御のフローチャート(C)(D)。
【図13】モニタユニット制御部のブロック図(A)と、旋回操向制御のフローチャート(B)。
【図14】モニタユニット制御部のブロック図(A)と、モータ負荷電流制御時のモニタ制御のフローチャート(B)。
【図15】モニタユニット制御部のブロック図(A)と、使用可能時間表示制御のフローチャート(B)。
【図16】モニタユニット制御部のブロック図(A)と、温度異常検出時、及び過充電時のモニタ制御のフローチャート(B)(C)。
【図17】その放電中の温度異常検出時、及び過放電停止時のモニタ制御のフローチャート(A)(B)。
【図18】モータ電動制御回路のブロック回路図(A)と、その電源供給回路のブロック回路図(B)。
【図19】そのバッテリパックの正面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図面に基づいて、電動管理作業機は、ロータリ爪4を駆動回転させて土壌面を耕耘しながら推進走行するカルチベータ形態の耕耘作業機から構成される。作業機フレーム1の上側には、バッテリBと、このバッテリBによって電動される電動モータ8等を搭載している。このフレーム1の前部出電動モータ8の下側には、上下方向のモータ伝動軸10と、このモータ伝動軸10を軸受内装する伝動ケース2を設け、この伝動ケース2の下部に、前記モータ伝動軸10を介して伝動により横軸芯周りに回転駆動するロータリ軸3を軸支している。この中央部の伝動ケース2から左右両側へ張り出すこのロータリ軸3の周りには、ロータリ爪4を配置すると共に、両端にはサイドデイスク5を取付けて、ロータリ部Rを構成している。
【0011】
ロータリ部Rの上方を覆う平面視円盤形状のモータベース6は、底部を作業機フレーム1上に取付け支持させて、このモータベース6の上側の前部に電動モータ8を取付け、後部にはバッテリBを収容のバッテリケース9を搭載している。又、このモータベース6の上側はモータカバー7で開閉可能に覆っている。前記バッテリケース9は、上端にハンドル21を有して取扱いを行い易くし、底面には前記モータベース6に形成の係合穴に嵌合してこのモータケース9の移動を阻止する突子22を形成している。
【0012】
前記作業機フレーム1の後部にはハンドルフレーム11を斜め後方上部に向かって設けて、この後端部左右両側に一対の操作ハンドル12を分岐して設け、各操作ハンドル12にはグリップ13を設けている。この右手側のハンドル12には、このグリップ13近傍に電動モータ8の駆動を入り切りする操作レバー17を設けている。
【0013】
前記作業機フレーム1の後端部には作業機を移動するときに下側へ回動させて機体を支持する補助輪14と、耕耘作業時にダッシングを防止する抵抗棒15を取り付けている。この補助輪14は不使用時は後方へ回動させて収納姿勢にしておく。
【0014】
前記ハンドルフレーム11に対する操作ハンドル12の取付位置に形成する操作ケース部には、バッテリBからの電源の入り切りをするキースイッチ16を設ける。又、バッテリケース9の後面には、このバッテリケース9内のバッテリBと前記電動モータ8との間を接続するモータ駆動回路20の出力端子18と、このバッテリBを充電するための充電端子19とを各々設けている。
【0015】
前記バッテリケース9は、後部外壁部に前記出力端子18、充電端子19を設け、内部に複数のバッテリセル41からなるバッテリB(バッテリパック40)を設け、各バッテリセル41の上面に充電回路を組み込んだ充電制御基板42を底部の案内レールに案内させて前後にスライドすることにより挿脱可能に設け、更にこの上側に、適宜間隔離れて放電回路を組み込んだ放電制御基板43を前後スライド可能にして着脱可能に設けている。前記充電制御基板42の端子は、前記充電端子19に配線接続し、各バッテリセル41との間は直接電気的に接続する。又、放電制御基板43は複数のバッテリセル41の直列接続による電圧が出力端子18に出力できるように回路構成している。
【0016】
前記放電制御基板43を、前記バッテリセル41と電動モータ8とを接続するモータ駆動回路20途中に介在すると共に、該放電制御基板43に、出力制御回路43a、電流検出回路45、スイッチング回路46、電流平滑回路47、過放電防止回路48、及び短絡防止回路49等を設ける(主に、図5〜図7参照)。
【0017】
このうち出力制御回路43aは、キースイッチ16、運転リミットスイッチ33による運転信号制御回路51からの運転信号を受けてスイッチング回路46をON−OFF切換出力し、このスイッチング回路46のON−OFF切換出力は、前記モータ駆動回路20を遮断し、又は接続状態とするよう切り換える構成としている。
【0018】
また、電流検出回路45は放電制御基板43の制御電流を検出して、予め設定した設定電流値を超える状態が規定時間継続すると前記スイッチング回路46をOFFに切り換え、前記モータ駆動回路20を遮断するよう構成している。
【0019】
前記各充電制御基板42には過充電防止回路44を組み込み、一方、放電制御基板43には上記のように出力制御回路43a等のほか、電流検出回路45、電流平滑回路47、過放電防止回路48、短絡防止回路49、スイチイング回路46、及び出力制限回路68等を組み込んでいる。なお、この電流平滑回路47は、前記運転信号が入力されたときに生じるサージ電流を平滑処理する回路である。
【0020】
前記放電制御基板43に対する短絡防止は上記短絡防止回路49で防止できる構成であるが、各充電制御回路42aに対する短絡防止は、これら放電制御基板42毎に設けることなく、これらに共通の短絡防止回路50の基板を、充電端子19とこの放電制御基板42との間であって、該放電制御基板43の一側に縦姿勢で挿抜自在に前記バッテリケース9内に設けている。
【0021】
前記バッテリケース9の出力端子18は、電動モータ8への出力端子18として前記モータ駆動回路20により電動モータ8に接続すると共に、信号入出力用の端子18として、運転信号制御回路51に連結して、この信号制御回路51から前記キースイッチ16や操作レバー17で作動される運転(リミット)スイッチ33等の入り切り信号を入力して前記入力制御回路43aへ運転信号を出力でき、或は、この入力制御回路43aによる出力に基づいて、信号制御回路51から電池残量や、警告表示信号等を入力して、これら電源入切LEDや、運転警告LED、電池残量LED等の各LED26に出力する構成としている。
【0022】
前記出力端子18は、ブレーカ55を介して電動モータ8に接続している。このブレーカ55は、モータ駆動回路20を入り切りするソレノイド作動形態のスイッチから成り、モータ駆動回路20の電流値が上昇すると励磁してスイッチOFF作動してモータ駆動回路20を切りにし、電動モータ8を停止位置とする構成である。又、このブレーカ55はON−OFFスイッチ形態として、前記モータベース6の後部上面に設けている。
【0023】
前記右手側ハンドル12の操作レバー17を、スプリング25に抗して把持して支軸30周りに回動すると、運転スイッチ33をON作動して、前記運転制御回路51からの信号によって電動モータ8を駆動する。この操作レバー17の把持を開放すると、スプリング25によって戻されて、運転スイッチ33はOFFとなり、電動モータ8も停止する。
【0024】
前記操作レバー17の上側には、右手の親指でスプリング35に抗して押し移動して、この各押操作する毎にこのピン位置を小径部31aと、大径部31bとに切り替えることができる牽制ピン31を設け、この牽制ピン31の小径部31aを、操作レバー17の把持位置に対向させるときは、把持操作の操作レバー17の回動を許して運転スイッチ33をONすることができるが、この大径部31bを対向させるときは、操作レバー17の回動を許さず、従って操作レバー17を把持しても運転スイッチ33をONすることができないようにして、操作の安全性を維持している。
【0025】
耕耘作業にあたり、バッテリBの充電状態を電池残量LED28の点滅の有無によって確認し、不足の場合は充電器65を充電端子19に接続し所定の充電を行なう。耕耘作業の開始にあたっては、キースイッチ16を入りにして、牽制ピン31を押して小径部31aに切り替えて、操作レバー17を把持回動することにより運転スイッチ33をONすると、この運転スイッチ33のON信号は、運転信号制御回路(基板)51を経由して出力制御回路43aに送信されスイッチング回路46を回路接続側に作動させバッテリBにより電動モータ8が駆動されて、この電動モータ8の鼓動によりロータリ部Rが回転し耕耘作業を行うことができる。
【0026】
この耕耘作業を停止するときには、作業者が操作レバー17の把持を離すとスプリング25の作用で戻されて、運転スイッチ33のOFFによる運転信号によってバッテリBからの駆動電流が遮断されて、ロータリ部Rの駆動が停止される。
【0027】
前記構成の作用を図8、図9のフローチャートに基づき説明する。キースイッチ16がONされると(ステップS101)、各種スイッチ信号、各種検出センサ値を読み込む(S102)。ついで、運転スイッチ33がONであるか否か判定し(S103)、これらステップS101及びS103双方のON信号出力が整う運転信号のとき、スイッチング回路46へON信号が出力される(S104)。この出力を受けるとモータ駆動回路20が接続状態となり、バッテリBと電動モータ8とは回路接続状態となって回転駆動する(S105)。
【0028】
運転中、電流検出回路45は常時、制御電流の監視を行い検出電流値と予め設定した所定値と比較し(S106)、ブレーカ55はモータ駆動回路20の負荷電流値を検出して過負荷状態か否か判定する(S107)。このステップS106で所定値以下であり、かつステップS107で過負荷状態にない場合は、前記スイッチング回路46へのON信号を継続するため、電動モータ8は回転駆動状態を維持する。
【0029】
一方、ステップS106で所定値との比較において、所定値以下でないときであって予め設定した規定時間を越えると制御電流異常としてスイッチング回路46にはOFF信号が出力され(S111)、電動モータ8は停止する(S112)。
【0030】
上記のように、電流検出回路45とブレーカ55の両方で、バッテリB、電動モータ8、配線等の保護を行うことができる。
また、図9に示すように運転スイッチ33を断続するときの電動モータ8駆動を制限する出力制限回路68については、前記のステップS111後、電動モータ8の停止出力がなされるが、これに続いてキースイッチ16がONされたか否か判定され(S201)、キースイッチ16がONするときは(S202)、前記スイッチング回路46へON出力する(S203)。一方ステップS202で所定時間経過しないときは、スイッチング回路46はOFF出力を継続する(S205)。このように構成すると、運転スイッチ16をOFFしたとき所定時間は運転スイッチ16をONしてもその入力を受け付けず制限するものであるから電動モータ8起動時のハンチング動作を抑えることができ、バッテリB及び出力制御回路43aの保護を図る。
【0031】
ここにおいて、充電制御回路42aを有したバッテリBで電動の電動モータ8によって駆動して作業する電動管理作業機において、旋回センサ34が旋回操向を検出することによって(図12参照)、この旋回時の電動モータ8の回転を低下させる(S1)か、又は停止する(S2)ことを特徴とする旋回制御装置の構成とする。
【0032】
作業機の運転はバッテリBから電動する電動モータ8の駆動によって行われる。このため、作業開始にあたりバッテリBが放電されて蓄電容量が低いときは、充電制御回路42aを介して充電しておくことによって長時間の管理作業を行うことができる。又、この管理作業機による作行行程中においては、各作業走行行程の終端部で折返す旋回操向行程を繰返すことが多いが、この旋回操向行程に至ると、旋回センサ34の検出によって、この旋回行程時の作業機の電動モータ8の回転が自動的に低下される。又は、この電動モータ8の回転が自動的に停止される。この電動モータ8の回転が停止する形態では、停止以後の旋回操向では電動モータ8による駆動力を利用することはできない状態となるから、この電動モータ8による駆動伝動部を切りにしてフリー状態にし、作業者の手動操作で作業機を旋回して、続く作業行程の作業開始態勢へ移行し、電動モータ8の電動回転を起動するか、又は、駆動回転速度を高速位置に戻し操作して、後続作業を再開する。
【0033】
又、前記電動モータ8を駆動する運転スイッチ33と前記の運転信号制御回路51を有して(図13参照)、通常駆動時は、このスイッチ33が一定時間T1以上ONしたときにこの電動モータ8を回転し(S3)、停止時は、この一定時間T1よりも短かい時間T2ONしたときにこの電動モータ8を停止するものとし(S4)、このうち旋回時は(S5)、この運転スイッチ33のON時間を、前記作業時のON時間T2よりも長いON時間T3継続したときに電動モータ8を停止させるように制御する。
【0034】
前記作業運転にあたり運転スイッチ33などをON操作することにより、運転信号制御回路51による運転信号を放電制御回路43aに供給し、バッテリBから電流を通して電動モータ8を回転し、作業機を運転駆動する。この通常運転のとき、運転スイッチ33のONで一定のON時間T1が経過すると(S3)、モータ駆動信号29を出力して、電動モータ8を回転する。このモータ8の通常運転時の電動中に、このモータ8の駆動回転を停止するときは(S4)、前記一定のON時間T1よりも短いON時間T2、又はT3(T1>T3>T2)の出力によってこのモータ駆動を停止させる。そして、この停止制御のうち、前記旋回センサ34が旋回操向を検出しないときは、このON時間T2はON時間T3よりも短いON時間として設定して、このON時間T2の経過によって(S4)、作業中のモータ8を駆動するモータ駆動信号29を出力してモータ8駆動を停止する。又、前記停止制御で、旋回センサ34が旋回操向を検出するときは(S5)、前記作業中のON時間T2よりも長いON時間T3を経過することによって、前記モータ駆動信号29を出力して、このモータ8を停止する。
【0035】
次に、主として図14に基づいて、モータ負荷電流のモニタ37、38を設け、作業時の電流値をレベルメータ等で表示し、電流が少くて安定状態をエコモードとして表示する。作業中の負荷と適正な耕深状態を運転者が知ることができ、バッテリ容量の節約、作業時間をのばすことができる。運転スイッチ33より運転信号を発生させて前記放電制御回路43に供給し、バッテリBから電流を供給してモータ8を回転させる。このモニタ負荷電流52を検出して(S6)、電流モニタLED37を点灯させると共に、負荷電流値が適正かどうか判断し、適正であればエコモニタLED38を点灯させる。
【0036】
主として図15に基づいて、バッテリBの使用可能時間を表示9するときの計算に使用するモータ電流は平均値として(S7)、一定時間ごとに表示値を更新する。バッテリBにモータ8を接続し、運転スイッチ33ONにより運転信号を発生させて、放電制御回路43に供給し、バッテリBから電流を供給してモータ8を回転させる。運転中に一定時間内のモータ電流の平均値を算出し、その電流とバッテリ電圧から残りの作業可能時間を計算して残時間モニタLED28に表示させる。
【0037】
主として図16、図17に基づいて、バッテリBの充電中の温度異常信号を充電器側に送り、異常モニタ表示する。バッテリBにモータ8を接続して、運転スイッチ33のONにより運転信号を発生させて放電制御回路43aに供給し、バッテリBから電流を供給してモータ8を回転させる。充電中にバッテリパック内の温度センサ53を読み込み(S8)、一定値以上の場合は温度異常として充電回路42aの充電スイッチ54をOFFし、充電中止信号56を充電器に出力57しモニタに表示する。コントローラ23の入力側にはバッテリBを充電するための信号を発する充電入力信号58を設け、出力側にモータ8等を出力する放電出力59等を設けている。又、この充電中にバッテリパック内にセル電圧を読み込み(S9)、一定値以上の場合はセル41の過充電として充電回路42aの充電スイッチ54をOFFし、充電中止信号を充電器に出力すると共に、モニタに表示する。
【0038】
又、バッテリB放電中の温度異常信号を運転モニタ側に送り異常表示させることができる。又、この放電中の過放電状態においては(S10)、過放電停止信号57を運転モニタ側へ送って放電出力59を停止して異常表示することもできる。
【0039】
又、放電中のバッテリセル電圧の下限値を検出して(S11)、放電を中断するとき、中断の信号を運転モニタに送り、放電異常としてモニタ表示する。
図18に基づいて、キースイッチ16がONされて、一定時間以内に運転スイッチ33がONされないよときは、バッテリBからキースイッチ16経由でモニタ回路20等に供給する電源をOFFする構成とする。バッテリBの放電を防止する。モニタユニット60では、運転スイッチ33のONにより運転信号を発生させて放電制御回路43aに供給し、バッテリBから電流を供給してモータ8を回転させる。キースイッチ16とモニタ回路27との間に、電源供給回路61とタイマ回路62を設け、キースイッチ16のONと同時にタイマを作動させて、一定時間内に運転スイッチ33がONにならないときは、タイマ回路62により電源供給回路61をOFFして、電源供給を停止させる。
【0040】
このように電源供給を停止した後は、運転スイッチ33のONで復帰することができる。キースイッチ16をONにしたまま放置すると、バッテリBが放電して使用不能になるが、キースイッチ16がONされて一定時間内に運転スイッチ33がONされないときは、このバッテリBからキースイッチ16経由でモニタ回路27などに供給する電源をOFFにして、運転スイッチ33で再起動できる状態にする。バッテリBの放電を防止する。前記充電制御回路42を介して電動の充電器65は、充電状態を表示する充電モニタLED66、67を有する。充電完了時はLED66を点灯し、充電中ではLED67を点灯する。
【0041】
又、図19は、前記作業機のバッテリBとして用いられるバッテリパック40の形態を示す。バッテリパック40の形状は同じで容量の異なるものを複数構成し、作業状態に応じて箇数選択可能に構成する。各バッテリパック40は、充電制御回路42aと、放電制御回路43a、及び複数のバッテリセル41で二次電池として構成される。バッテリセル41の容量、又は数量を変更して、バッテリパック40の電圧は同じで、容量を変更することができる。又、このバッテリパック40には充電電用コネクタ63と、放電用コネクタ64を設けて、前記充電端子19、放電端子18と連結することができる。
【符号の説明】
【0042】
8 モータ
33 運転スイッチ
34 旋回センサ
42a 充電制御回路
43a 出力制御回路
51 運転信号制御回路
41 バッテリセル
B バッテリ
T1 スイッチON時間(T1>T3>T2)
T2 スイッチON時間
T3 スイッチON時間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電制御回路(42a)を有したバッテリ(B)で電動の電動モータ(8)によって駆動して作業する電動管理作業機において、旋回センサ(34)が作業機の旋回操向を検出することによって、この旋回時の電動モータ(8)の駆動回転を低下させるか、又は停止することを特徴とする電動管理作業機。
【請求項2】
前記電動モータ(8)を駆動する運転スイッチ(33)と運転信号制御回路(51)を有し、通常駆動開始時は、一定時間(T1)以上運転スイッチ(33)のONを検出すると電動モータ(8)の回転を開始し、運転停止時は、この一定時間(T1)よりも短かい時間(T2)運転スイッチのOFFを検出したとき電動モータ(8)を停止する構成とし、旋回センサ(34)が作業機の旋回操向を検出してから電動モータ(8)の駆動回転を低下させるか又は停止するまでの時間を前記運転スイッチのOFFを検出してから電動モータ(8)が停止するまでの時間(T2)よりも長くしたことを特徴とする請求項1記載の電動管理作業機。
【請求項1】
充電制御回路(42a)を有したバッテリ(B)で電動の電動モータ(8)によって駆動して作業する電動管理作業機において、旋回センサ(34)が作業機の旋回操向を検出することによって、この旋回時の電動モータ(8)の駆動回転を低下させるか、又は停止することを特徴とする電動管理作業機。
【請求項2】
前記電動モータ(8)を駆動する運転スイッチ(33)と運転信号制御回路(51)を有し、通常駆動開始時は、一定時間(T1)以上運転スイッチ(33)のONを検出すると電動モータ(8)の回転を開始し、運転停止時は、この一定時間(T1)よりも短かい時間(T2)運転スイッチのOFFを検出したとき電動モータ(8)を停止する構成とし、旋回センサ(34)が作業機の旋回操向を検出してから電動モータ(8)の駆動回転を低下させるか又は停止するまでの時間を前記運転スイッチのOFFを検出してから電動モータ(8)が停止するまでの時間(T2)よりも長くしたことを特徴とする請求項1記載の電動管理作業機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−139117(P2012−139117A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−292076(P2010−292076)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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