説明

電動送風機、およびこの電動送風機が用いられる電気機器

【課題】 モータの駆動電流を流すパワー配線部を効率的に冷却し、回路基板や回路部品の信頼性を高める。
【解決手段】 モータ2と、このモータ2の回転軸3に取り付けられたファン4と、前記モータ2を駆動するための駆動回路と、前記駆動回路の一部を構成し前記モータ2と接続されモータに流れる電流をスイッチングするパワーデバイス23と、前記パワーデバイス23が接続され前記モータ2の駆動電流を流すパワー配線パターンを含む配線パターンが形成された駆動回路基板27と、を備える電動送風機1において、前記駆動回路基板27は、その略中央に通風口91を備え、前記モータ2と前記ファン4との間であって前記回転軸3と交叉する方向に配置され、前記パワー配線パターンは、前記通風口91を囲うように前記駆動回路基板27に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動送風機、この電動送風機が用いられる電気掃除機やドライヤー等の電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図3によれば、制御・駆動集積回路基板を含むパッケージを、区切り板よりファン側で、ディフューザからの空気が直接当る領域のケーシングに取り付ける例が示されている。
【0003】
また、特許文献2の図2によれば、モータの電流をスイッチングするパワーデバイスが、モータ筐体の内部に配置されている基板に実装されている例が示されている。
【特許文献1】特開平6−261847号公報(図3)
【特許文献2】特開2001−342996号公報(図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の図3に示す電動送風機では、ファンとモータとの間の風路に制御・駆動集積回路基板を含むパッケージを配置している。しかしながら、このような構成において、大きな電流によりモータを駆動すると、その大きな駆動電流が流れる配線の温度がジュール熱により上昇し、ソケット等の端子部の信頼性が低下する。
【0005】
特許文献2の図2に示す電動送風機では、大きな電流によりモータを駆動すると、パワーデバイスに接続されたパワー配線部の温度は、パワーデバイスの発熱および配線部自体のジュール熱により上昇し、回路基板に歪みが生じ、回路基板の信頼性が低下する。
【0006】
そこで、本発明の目的は、モータの電流をスイッチングするパワーデバイスに接続され、モータの駆動電流を流すパワー配線部を効率的に冷却し、回路基板や回路部品の信頼性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
モータと、このモータの回転軸に取り付けられたファンと、前記モータを駆動するための駆動回路と、前記駆動回路の一部を構成し前記モータ2接続されモータに流れる電流をスイッチングするパワーデバイスと、前記パワーデバイスが接続され前記モータ2の駆動電流を流すパワー配線パターンを含む配線パターンが形成された駆動回路基板と、を備える電動送風機1において、前記駆動回路基板は、その略中央に通風口を備え、前記モータと前記ファンとの間であって前記回転軸と交叉する方向に配置され、前記パワー配線パターンは、前記通風口を囲うように前記駆動回路基板に形成されるようにした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、モータへの電流をスイッチングするパワーデバイスに接続されモータの駆動電流を流すパワー配線部が、効果的に冷却され、回路基板や回路部品の信頼性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。本実施の形態の電動送風機1は、概略的には、モータ2と、このモータ2の回転軸3に取り付けられたファン4と、これらを収納するケース5とで構成されている。このケース5は、主にモータ2を収納するモータケース6とファン4を覆うファンカバー15とから構成される。
【0010】
本実施の形態のモータ2は、ブラシ付きモータの例を示している。モータケース6は、後板部21による有底状構造でファンカバー15側が開口部7として開口しており、モータ2を収納する。また、モータケース6の軸方向の後面側の後板部21の中央部が後方に向けて略円筒状に突出し、内側にベアリング11bを収容するベアリング収納部13bが設けられている。このモータケース6の開口部7側を閉塞するように、フレーム8がモータケース6に、回転軸3に垂直になるように、ネジ等により取り付けられている。このフレーム8は、モータケース6よりも外周が大きい円盤形状で、ファンカバー15の外周側下端部に連結される。このフレーム8によりモータケース6とファンカバー15とが一体化され、電動送風機1のケース5が形成される。なお、モータケース6、フレーム8およびファンカバー15の外周の大きさは、同じであってもよい。このフレーム8の略中央には、前方に向けて略円筒状に突出し、回転軸3用の貫通孔(図示しない)が開口形成されたベアリング収納部13aが設けられている。このベアリング収納部13aにベアリング11aが収納される。そして、フレーム8にはモータケース6内をファンカバー15内に連通させるためのフレーム通風口10が形成されている。
【0011】
フレーム8に隣接して駆動回路基板27が回転軸3に交叉する方向に配置され、ネジ等によりフレーム8に固定される。この駆動回路基板27の略中央には、基板通風口91が形成されている。駆動回路基板27は、従来から使用されている樹脂ベースのプリント配線板であり、基板材料としては、紙フェノール系、紙エポキシ系、またはガラスエポキシ系の材料などである。また、セラミック等の無機系配線板等も駆動回路基板27に使用可能である。そして、この基板通風口91は、ファン4とモータ2との間の風路の一部を構成し、ファン4の性能に応じて、モータ2の冷却に必要な風量を確保するように設計される。
【0012】
また、フレーム8の吸込前方側には、ディフューザ14が固定されている。ディフューザ14は図2(a)に示すように、略円板上の円板部81と、この円板部81の略中心に形成されて回転軸3が貫通する貫通孔82と、フレーム8にネジで固定するためのネジ孔83a、83bと、ファン4の外周部に位置するようにディフューザ14の外周縁部寄りに立設された複数の円弧状ブレード84と、図2(b)に示すように円板部81の他面側である裏面に渦巻状に立設された複数の円弧状ブレード85と、を備えている。そして、ディフューザ14は、フレーム8に対向してこのフレーム8のベアリング収納部13aの外周に嵌挿され、フレーム8にネジで固定される。
【0013】
さらに、このディフューザ14の吸込前方側にファン4が配置されている。ファン4は、例えば、図3に示すような遠心ファンであり、主板322、側板323、及び複数の羽根324から構成されている。羽根324には複数の凸部325が設けられていて、この凸部325を、主板322と側板323とに設けられた穴326に嵌合しカシメられて、羽根324が主板322と側板323でサンドイッチされた状態でそれぞれが固定される。流入口17は、側板322の中央に形成され、そして、吐出口22は、主板322と側板323の間の外周端に形成される。
【0014】
そして、フレーム8の外周部にはファンカバー15が嵌合され、このファンカバー15により遠心ファン4やディフューザ14が覆われている。このファンカバー15は、前面の中央部にファン4の流入口17に対向する吸込開口部16を有するとともに、後面の全前面に後部開口部(図示せず)が形成され、全体では略円筒状に形成されている。
【0015】
一方、モータ2は、図1に示すように、モータケース6に固定されたステータ19と、このステータ19の内側に配置されたロータ20とにより構成されている。そして、ロータ20の中心の回転軸3の両端部がベアリング11a、11bにより回転自在に軸支されている。さらに、モータケース6の後面近傍の周面には、略径方向に位置させて排気口としての吹出口(図示せず)が開口形成されている。
【0016】
このような構成において、回転軸3が回転すると、その回転と一体にファン4が回転し、この回転によって空気が吸引される。この空気は、ファンカバー15の前面側に形成された吸引開口部16からファン4を通り、吐出口22から吹き出される。そして、この空気は、ファンカバー15の内周面に沿って円弧状ブレード84の間を、軸方向に広がるように流れる。次に、この空気は、円板部81裏面において、円弧状ブレード85の間を渦巻状にディフューザ14の中心に向けて流れる。このようにして、ディフューザ14は、ファン4の吐出口22から吹き出される空気を、一様に整流させ、モータ2へと導く。
【0017】
一方、当該電動送風機1は、図4に示すように、電力制御用のパワーデバイスであるスイッチング素子23を介して商用交流電源24に接続されている。このスイッチング素子23の制御端子には、マイコン25などで構成される電動送風機制御部26からのスイッチング信号が出力される出力部が接続されている。そして、これらスイッチング素子23及び電動送風機制御部26は駆動回路基板27に実装されている。さらに、この電動送風機制御部26には、電動送風機1の始動、停止又は電力を選択するための操作部28が接続されている。
【0018】
駆動回路基板27の表面またはその内部には、回路設計に基づいて回路部品間を接続するための、導体の配線パターン(図示せず)が形成されている。そして、この配線パターンの中で、スイッチング素子23に接続され電動送風機1の駆動電流が流れるパワー配線パターン151aおよび151bを、図5に示すように、基板通風口91を囲むように形成する。配線パターンは、数十μ厚の銅箔を用いた従来技術などで、形成される。そして、これらパワー配線パターン151aおよび151bは、パワー配線端部152aおよび152bを介して電動送風機1および商用交流電源部24に接続される。電動送風機1の駆動中において、パワー配線パターン151aおよび151bの近傍は、それ自体のジュール発熱とスイッチング素子23の損失発熱による熱の影響により、温度が上昇する。
【0019】
上記説明したような構成によれば、ファン4の回転により吸引された空気は、駆動回路基板27に形成した基板風路口91、モータ2を通り、吹出口(図示せず)からモータケース6の外へ排出される。駆動回路基板27はモータ2よりもファン4側に位置するので、モータ2から発生する熱の影響が小さい。そして、基板風路口91を流れる空気の温度は、モータ2の下流側の空気温度よりも低い。したがって、この基板風路口91を囲うように配置されたパワー配線パターン151aおよび151bは効果的に冷却され、スイッチング素子23からの熱、およびパワー配線パターン151aおよび151b自体のジュール熱による温度上昇が抑制される。従って、温度上昇による駆動回路基板27の反りが軽減され、駆動回路基板27や回路部品の信頼性が向上する。特に電動送風機1の駆動電流が大きい場合に有効である。
【0020】
また、図5に示すように、パワー配線パターン151aおよび151bの上面に、配線パターンの厚さよりも厚くなるように導電性部材153aおよび153bを接続する。接続には、半田等を使用する。導電性部材153aおよび153bは、例えば、銅板等の金属製の0.5mm〜1mm厚のプレート状部材で、パワー配線パターン151aおよび151bと略同一形状に形成されている。この導電性部材153aおよび153bによりパワー配線部の電気的抵抗が大幅に小さくなり、流れる電流によるジュール熱を低減させることができると共に、ファン4からの吸引空気に接する表面積が増大し、冷却が促進される。
【0021】
また、電動送風機1の駆動中において、モータ2とファン4との間に位置する駆動回路基板27は、ファン4からの吸引空気により圧力を受ける。このような駆動回路基板27において、導電性部材153aおよび153は、基板通風口91の周囲の構造的な補強としても機能し、駆動回路基板27の圧力による反りを抑制する。
【0022】
また、電動送風機1の駆動回路の規模によっては、図6に示すように、駆動回路基板160の両面に配線パターンを形成し、パワー配線パターンを161aと161bに分割する。そして、それぞれを駆動回路基板160の異なる面に形成する。このような構造において、ファン4からの吸引空気に接するパワー配線パターンの表面積が増大し、冷却が促進されるとともにパワー配線の配線抵抗値がさらに減少し電流によるジュール熱の発熱量が低減する。
【0023】
また、パワー配線パターン161aと161bを略同一に形成することによって、電気的、強度的に補強するための導電性部材163aと163bとを、共通部材で実現することができるので、低コスト化が可能となる。また、パワー配線パターン161を駆動回路基板160の周端部に配置したために他の回路部品等の配置に制約されないので上記した構造を可能にならしめたものである。
【0024】
本発明の第2の実施の形態を図7ないし図9に基づいて説明する。第1の実施の形態で示した部分と同一部分は同一符号を用いて示し、説明も省略する。
【0025】
本実施の形態は、基本的には、第1の実施の形態に準ずるものであるが、ブラシ付きのモータ2に代えてブラシレスモータ41が用いられている。
【0026】
まず、ブラシレスモータ41を用いる場合の駆動回路を含む駆動制御系の構成例を、図9を参照して説明する。本実施の形態では、直流電源部43を駆動源として駆動されるインバータ駆動回路44から発生する交流電流によってブラシレスモータ41からなる電動送風機42を回転駆動させる。電動送風機42の駆動を制御する電動送風機制御部45とドライブ回路46a〜46fとが接続され、インバータ駆動回路44を構成するパワーMOSFET等のパワーデバイスであるスイッチング素子47a〜47fをスイッチング制御する。以下、各部の詳細を説明する。
【0027】
直流電源部43は、ニッケルカドミウム(NiCd)電池、ニッケル水素電池、又はリチウムイオン電池などの2次電池を複数本組み合わせた組電池、又は、商用交流電源を整流平滑したものである。この直流電圧が、インバータ駆動回路44に供給される。
【0028】
インバータ駆動回路44は、6個のスイッチング素子47a〜47fを3相ブリッジ接続した構成になっている。これらのスイッチング素子47a〜47fは、マイコン48を主体とする電動送風機制御部45から出力されるパルス信号に基づき、高電圧側ドライブ回路46a〜46c及び低電圧側ドライブ回路46d〜46fにて駆動され、交流電流を電動送風機42のY結線の巻線49a〜49cに供給する。
【0029】
また、電動送風機制御部45には、電動送風機42の始動、停止又は電力を選択するための操作部50、インバータ駆動回路44に流れる電流を検出する電流検出手段51、そして、入力電圧を検出する入力電圧検出手段52等が接続されている。
【0030】
さらに、電動送風機制御部45には、ステータ53に囲まれたロータ54の磁極を検出するための磁極検出手段55が接続されている。このような磁極検出手段55としては、電気角120°間隔で設置した3つの磁気センサを用いる。磁気センサとしては、ホールセンサやホールIC等がある。また、その他の磁極検出方法として、特に図示しないが光学式パルスエンコーダを使用する方法や、巻線49a〜49cに誘起される電圧を電圧位相検出手段によって検出する方法などが使用可能である。
【0031】
そして、図8に示すように、スイッチング素子47a〜47fに接続され電動送風機42の駆動電流が流れる高電圧側パワー配線パターン172aおよび低電圧側パワー配線パターン172bが、基板通風口171を囲むように形成される。この実施の形態では、駆動回路基板170の一方の面に高電圧側パワー配線パターン172aが、他方の面に低電圧側パワー配線パターン172bが形成されている。そして、高電圧側パワー配線パターン172aと低電圧側パワー配線パターン172bは、それぞれ高電圧側パワー配線端部173aと低電圧側パワー配線端部173bを介して直流電源部43に接続される。そして、スイッチング素子47a〜47fは、前記高電圧側パワー配線パターン172aおよび低電圧側パワー配線パターン172bに対して、放射上に配置されている。
【0032】
このような構成において、複数のスイッチング素子47a〜47fを備える実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様な効果を得ることができる。
【0033】
さらに、このような構成において、フレーム8において、モータケース6よりも外周寸法が大きい部分である連結部18が、ファン4の吐出口22とブラシレスモータ41との間の流路29を構成する隔壁29aの一部を形成している。このフレーム8の外面に位置させてパワーデバイスである複数個のスイッチング素子47a〜47fがネジ57により固定されている。
【0034】
このようなスイッチング素子47a〜47fの取り付け配置構造とすることによって、スイッチング素子47a〜47fを、電動送風機42の圧力損失を増大させることなく効果的に冷却することができる。特に、本実施の形態のようなブラシレスモータ41を駆動させる場合、スイッチング素子が複数個必要であるが、これらの複数個のスイッチング素子47a〜47fを、電動送風機42の寸法を大きくすることなく、流路の圧力損失を増大させずに、効果的に冷却することができるので、特に効果的である。
【0035】
また、冷却効果がスイッチング素子47a〜47fのそれぞれでばらつくと、冷却効果の小さいスイッチング素子が最も厳しい条件で動作をすることとなり、そのスイッチング素子の寿命が他のスイッチング素子の寿命に比べて最も短くなる可能性が高い。すなわち、駆動回路基板90において、動作条件の厳しいスイッチング素子に故障が生じた場合は、駆動回路基板90の交換が必要となり、全体として電動送風機の寿命が短くなってしまう。本実施の形態では、これらの複数個のスイッチング素子47a〜47fを回転軸3を中心に略同一円周上に位置させて放射状に配置させているので、これらのスイッチング素子47a〜47fの冷却ばらつきを軽減し、均等に冷却する上でも効果的となり、スイッチング素子47a〜47fの動作、および回路動作を安定させることができる。
【0036】
また、これらの実施の形態では、モータケース6の閉塞構造として有底状構造のものとして説明したが、後板部21が別部材で閉塞するように構成されたものであってもよい。
【0037】
また、これらの実施の形態では、パワーデバイスとしてトライアックやパワーMOSFET等のスイッチング素子23、47a〜47fの例で説明したが、これらの素子に限らず、駆動により発熱を伴うもの、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子も適用対象となり、又は、これらの素子単体に限らず、1チップにパッケージ化又はデバイス化したものでも適用対象となる。
【0038】
(請求項6)
次に、本発明の第3の実施の形態を図10に基づいて説明する。本実施の形態は、前述したような構成の電動送風機1、42を搭載するのに特に適した電気機器としての電気掃除機への適用例である。その他の電気機器としては、ハンドドライヤー、電動工具や調理器具などがある。
【0039】
本実施の形態の電気掃除機61は、その基体をなすハウジング62、一端をハウジング62に着脱自在に接続されたホース63、ホース63の他端側に設けられた手元操作部64、一端側を手元操作部64に着脱自在に接続された2分割構成の延長管65、延長管65の他端側に着脱自在に取り付けられた吸込口体66、ハウジング62内に収納保持された電動送風機1又は42、ハウジング62内に形成された集塵室67等により構成されている。
【0040】
ホース63は、その基端が集塵室67を介して電動送風機1又は42の吸込側に連通するようにハウジング62に接続されており、そのホース63の他端側に設けられた手元操作部64には、後方に向けて延出した握り部68と、この握り部68を握った操作者の指で操作可能な範囲に位置する操作手段69が設けられている。
【0041】
操作手段69は、電動送風機1又は42の電源スイッチを兼ね、この電動送風機1又は42を各々異なる駆動状態にする複数種類の運転モードを選択することができるように構成されている。具体的には、握り部68から延長管65の方向に向けて、運転モードを停止状態とする停止操作ボタン69a、運転モードを弱運転状態とする弱運転操作ボタン69b、運転モードを強運転状態とする強運転操作ボタン69cが一列に順次並んで配設されている。このような構成で、例えば強運転状態の時に、電動送風機1又は42は30,000〜40,000rpmレベルの高速で回転し、ゴミを吸引する。
【0042】
電気掃除機のゴミ吸込力に影響を与える要因は幾つかあるが、その中に、入力電力と風路損失がある。入力電力が大きいと、ゴミ吸引力は向上するが、その電力制御をする駆動回路基板、および駆動回路を構成するスイッチング素子の発熱量は大きくなる傾向にある。発熱量が大きすぎる場合は、入力電力を抑制する場合もある。従って、本実施の形態のように、駆動回路基板の冷却を効果的に実現できる前述の電動送風機1または42を搭載することは、電気掃除機61の動作信頼性を向上させるために特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電動送風機の構成を一部切欠いて示す側面図である。
【図2】ディフューザの構成例を示し、(a)は平面図、(b)は底面図である。
【図3】遠心ファンを説明する図である。
【図4】当該電動送風機の駆動回路を示す概略回路図である。
【図5】駆動回路基板を説明する平面図である。
【図6】駆動回路基板を説明する斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態の電動送風機の構成を一部切り欠いて示す側面図である。
【図8】図7に示す電動送風機の駆動回路基板を説明する平面図である。
【図9】図7示す電動送風機の駆動回路を示す概略回路図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態の電気掃除機の外観構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0044】
1 電動送風機
2 モータ
3 回転軸
4 ファン
5 ケース
6 モータケース
14 ディフューザ
15 ファンカバー
22 吐出口
23 パワーデバイス(スイッチング素子)
27 駆動回路基板
29 流路
41 ブラシレスモータ
42 電動送風機
47a〜47f パワーデバイス(スイッチング素子)
62 ハウジング
66 吸込口体
91、171 基板風路口
151a、151b パワー配線パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、このモータの回転軸に取り付けられたファンと、前記モータを駆動するための駆動回路と、前記駆動回路の一部を構成し前記モータと接続されモータに流れる電流をスイッチングするパワーデバイスと、前記パワーデバイスが接続され前記モータの駆動電流を流すパワー配線パターンを含む配線パターンが形成された駆動回路基板と、を備える電動送風機において、
前記駆動回路基板は、その略中央に通風口を備え、前記モータと前記ファンとの間であって前記回転軸と交叉する方向に配置され、
前記パワー配線パターンは、前記通風口を囲うように前記駆動回路基板に形成されていることを特徴とする電動送風機。
【請求項2】
前記パワー配線パターンの上面に、前記配線パターンの厚さよりも厚くなるように導電性部材が接続されていることを特徴とする請求項1記載の電動送風機。
【請求項3】
前記パワー配線パターンが分割され、前記駆動回路基板の異なる面にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1記載の電動送風機。
【請求項4】
前記分割されたパワー配線パターンのそれぞれの形状が略同一であることを特徴とする請求項3記載の電動送風機。
【請求項5】
前記モータがブラシレスモータであり、このブラシレスモータに流れる電流をスイッチングする複数の前記パワーデバイスと、を備え、
前記駆動回路基板に形成された前記パワー配線パターンが高電圧側パワー配線パターンおよび低電圧側パワー配線パターンから構成され、
前記複数のパワーデバイスそれぞれを、前記高電圧側パワー配線パターンおよび低電圧側パワー配線パターンに対して放射状に配置したことを特徴とする請求項1記載の電動送風機。
【請求項6】
請求項1ないし5何れか一記載の電動送風機を備える電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−144556(P2006−144556A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−331373(P2004−331373)
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】