説明

電圧変換回路及び電圧変換方法

【課題】変動する入力電圧に対しても、安定した所望電圧へ変換することができるPWM方式の電圧変換の実現。
【解決手段】LED駆動回路1において、電圧変動が有る電源200の供給電圧EをPWM方式の制御電圧Voに変換するPWM制御部30では、のこぎり波生成部41が、ピーク値が電源電圧Eに一致するのこぎり波を生成し、コンパレータ42が、のこぎり波と制御電圧Voとを比較することで、スイッチング素子であるFET31を駆動するPWMパルスを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力電圧をPWM波の電圧に変換する電圧変換回路等に関する。
【背景技術】
【0002】
入力電圧を所定電圧に変換する電圧変換方式として、のこぎり波や三角波と所定電圧とを比較して所定電圧に応じたデューティ比のPWM信号を生成することで、入力電圧の波形を、実効電圧が所定電圧となるパルス波形に変換するパルス幅変調(PWM)方式が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−201261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、PWM制御では、入力電圧が一定電圧であることを前提として、これと比較するのこぎり波や三角波を生成している。このため、入力電圧として、例えば、電圧変動のある太陽電池や、交流を全波整流した整流電源など、安定化されていない直流電源を利用する場合、必ずしも変換後の電圧が一定な所定電圧とならないという問題がある。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、変動する入力電圧に対しても、安定した所望電圧へ変換することができるPWM方式の電圧変換を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための第1の形態は、
電圧変動し得る直流電圧である入力電圧(例えば、図1の電源200の出力電圧E)から、負荷(例えば、図1のLEDアレイ100)に供給するPWM波の電圧に変換する電圧変換回路(例えば、図1のPWM制御部30)であって、
ピーク電圧を前記入力電圧とし、周期を前記PWM波の周期とする鋸歯状波を生成する鋸歯状波生成部(例えば、図2ののこぎり波生成部41)と、
前記鋸歯状波生成部により生成された鋸歯状波と所与の閾値電圧とを比較する比較部(例えば、図2のコンパレータ42)と、
振幅を前記入力電圧に応じた大きさとし、前記PWM波のパルス幅を前記鋸歯状波が前記閾値電圧に達するまでの期間とするPWM波を生成するPWM波生成部(例えば、図2のFET31,32)と、
を備えた電圧変換回路である。
【0006】
また、他の形態として、
電圧変動し得る直流電圧である入力電圧から、負荷に供給するPWM波の電圧に変換する電圧変換方法であって、
ピーク電圧を前記入力電圧とし、周期を前記PWM波の周期とする鋸歯状波を生成する鋸歯状波生成ステップと、
前記PWM波のパルス幅を、前記鋸歯状波生成部により生成された鋸歯状波が所与の閾値電圧に達するまでの期間とし、振幅を前記入力電圧に応じた大きさとするPWM波を生成するPWM波生成ステップと、
を含む電圧変換方法を構成することとしても良い。
【0007】
この第1の形態等によれば、入力電圧からPWM波の電圧に変換する電圧変換において、ピーク電圧を入力電圧とし、周期を変換するPWM波の周期とする鋸歯状波が生成される。そして、この鋸歯状波と所与の閾値電圧とを比較することで、パルス幅を、鋸歯状波が所与の閾値電圧に達するまでの期間とし、振幅を入力電圧に応じた大きさとするPWM波が生成される。このように、鋸歯状波のピーク値を入力電圧とすることで、入力電圧の変動に応じて、鋸歯状波が所与の閾値電圧に達するまでの期間が変動する。つまり、PWM波のパルス幅が変動する。また、PWM波の振幅は、入力電圧に応じた大きさである。このため、入力電圧の変動にかかわらず、PWM波の各周期における実効電圧は等しくなり、入力電圧の変動の影響を受けない安定した電圧に変換することができる。
【0008】
第2の形態として、第1の形態の電圧変換回路であって、
前記負荷に供給されている電圧を検出する検出部(例えば、図1の抵抗電圧検出部20)と、
前記検出部により検出された電圧と所定の目標電圧(例えば、図1の基準電圧Vs)とを比較して前記閾値電圧を制御する閾値電圧制御部(例えば、図1のフィードバック制御部60)と、
を更に備え、
前記比較部は前記閾値電圧制御部に制御された閾値電圧と前記鋸歯状波とを比較する、
電圧変換回路を構成することとしても良い。
【0009】
この第2の形態によれば、閾値電圧が、負荷に供給されている電圧と所定の目標電圧とを比較して制御される。従って、任意の目標電圧を設定すれば、負荷への供給電圧が目標電圧となるよう、自動的に閾値電圧が制御される。
【0010】
第3の形態として、第1の形態の電圧変換回路であって、
前記閾値電圧は交流であり、
前記閾値電圧を全波整流する整流部(例えば、図9の全波整流器34)を備え、
前記比較部は、前記鋸歯状波生成部により生成された鋸歯状波と、前記整流部により全波整流された前記閾値電圧とを比較し、
前記PWM波生成部により生成されたPWM波の前記負荷への印加方向を、前記閾値電圧の正負に応じて変化させて出力する交流出力部(例えば、図9のパルス生成部35及びサイクル指令部36)を更に備えた、
電圧変換回路を構成することとしても良い。
【0011】
この第3の形態によれば、閾値電圧が交流の場合、鋸歯状波と全波整流された閾値電圧とが比較されてPWM波が生成され、PWM波の負荷への印加方向が、閾値電圧の正負に応じて変化される。つまり、交流電圧を負荷に印加する場合にも、入力電圧の変動にかかわらず、安定した電圧に変換できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】LED駆動回路の構成図。
【図2】PWM制御部の構成図。
【図3】のこぎり波の生成方法の説明図。
【図4】のこぎり波とPWM波の関係を示す波形図。
【図5】ラグリードフィルタの構成図。
【図6】レベル変換器の動作の説明図。
【図7】LED駆動回路のブロック線図。
【図8】ノイズを考慮した場合のLED駆動回路のブロック線図。
【図9】交流電圧を出力する場合のPWM制御部の構成図。
【図10】PWM制御部における波形図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下では、本発明をLED駆動回路に適用した場合を説明するが、本発明の実施形態がこれに限定されるものではない。
【0014】
[構成]
図1は、本実施形態におけるLED駆動回路1の構成図である。このLED駆動回路1は、交通信号灯器の各灯色のLEDアレイ(負荷)100を駆動する回路であり、検出用抵抗10と、抵抗電圧検出部20と、PWM制御部30と、フィードバック制御部60とを備えて構成される。
【0015】
LEDアレイ100は、所定灯色(赤、青又は黄色)のN個のLEDが直列接続された直列ラインがM列並列接続されて形成されており、すなわち、合計N×M個のLEDがマトリクス状に配列されてなる。そして、LEDアレイ100は、PWM制御部30によって電圧Vwが印加されることで、各LEDが発光して対応する信号灯色が点灯する。
【0016】
検出用抵抗10は、LEDアレイ100に流れる全電流I(M列の直列ラインそれぞれに流れる電流の総和)を検出するための抵抗であり、LEDアレイ100に直列接続されている。抵抗電圧検出部20は、例えば電圧センサを有し、検出用抵抗10の両端電圧Vrを検出する。検出用抵抗10の抵抗値を「R」とすると、検出される抵抗電圧Vrは、Vr=I×R、となる。
【0017】
PWM制御部30は、電源200からの供給電圧Eを、フィードバック制御部60によって算出された制御電圧Voに応じたデューティ比のパルス波に変換するPWM制御を行うことで、電源電圧Eを、パルス波の制御電圧Voに変換してLEDアレイ100に印加する電圧変換回路である。制御電圧Voのパルス波は、その周期を「T」とすると、パルス幅Twが、Vo=(Tw/T)・E、を満たすように生成される。
【0018】
電源200は、例えば、該交通信号灯器の近傍に設けられた太陽電池や蓄電池を有して構成され、その供給電圧Eは一定ではなく、変動し得る直流電圧である。
【0019】
図2は、PWM制御部30の回路構成図である。図2に示すように、PWM制御部30は、PWMパルス発生器40と、スイッチング素子であるFET(電界効果トランジスタ)31,32と、抵抗R1,R2と、ダイオードDと、リアクトルLとを有する。
【0020】
PWMパルス発生器40は、のこぎり波生成部41と、コンパレータ42とを有する。のこぎり波生成部41は、ピーク値Epが電源200の供給電圧Eに等しい、周期Tののこぎり波(鋸歯形状の信号)を生成する。
【0021】
図3は、のこぎり波生成部41によって生成されるのこぎり波を示す図である。図3では、横軸を時刻t、縦軸を電圧Vとして、生成される1周期分ののこぎり波の波形を示している。図3に示すように、時刻Tにおける電圧V(ピーク値Vp)が、電源電圧Eとなるのこぎり波が生成される。
【0022】
コンパレータ42は、のこぎり波生成部41によって生成されたのこぎり波と、フィードバック制御部60からの制御電圧Voとを比較し、のこぎり波のレベルが制御電圧Vo未満のときには「H(1)」を出力し、のこぎり波のレベルが制御電圧Vo以上のときには「L(0)」を出力することで、パルス幅Twが、Vo=(Tw/T)・E、を満たす周期TのPWMパルスを生成する。
【0023】
そして、PWM制御部30では、PWMパルス発生器40によって生成されたパルス信号によって、FET31がON/OFFされる。すなわち、パルス信号が「L」のときには、FET31はOFFであり、抵抗R1,R2には電流が流れず、LEDアレイ100への印加電圧はゼロとなる。一方、パルス信号が「H」のときには、FET31はONとなり、抵抗R1,R2に電流が流れ、電源200の供給電圧EがLEDアレイ100に印加される。
【0024】
図4は、のこぎり波生成部41によって生成されたのこぎり波と、PWM制御部30から出力されるパルス波との関係を示す図である。図4では、横軸を共通の時刻t、縦軸を電圧Vとして、図中上側にのこぎり波を示し、図中下側にパルス波を示している。但し、制御電圧Vo、及び、のこぎり波の周期Tは同一である。
【0025】
のこぎり波のピーク値Vpは、電源電圧Eの変動に合わせて変動する。すなわち、図3では、電源200の供給電圧Eが、E1,E2,E3と変化した場合を示しており、それぞれの場合ののこぎり波のピーク値EpがE1,E2,E3となっている。そして、のこぎり波のレベルが制御電圧Vo未満である期間が、パルス波のパルス幅Twとなる。つまり、のこぎり波のピーク値Epが大きいほど、すなわち、電源電圧Eが大きいほど、パルス波のパルス幅Twは狭くなる。また、パルス波の振幅Vpは、電源電圧Eに一致する。従って、電源電圧Eが大きいほど、のこぎり波のピーク値Epが大きくなるため、生成されるパルス波のパルス幅Twが狭くなるとともに振幅Vpが大きくなる。
【0026】
そして、1周期分のパルス波の電圧レベルの平均がPWM制御部30の出力電圧(実効電圧)となるが、その出力電圧は、電源電圧Eに関わらず制御電圧Voとなる。つまり、パルス波のパルス幅Twは、Tw=(Vo/Ep)×T=(Vo/E)×T、となり、振幅Vpは、Vp=E、となる。そして、パルス波のレベルの1周期当たりの平均値Vaは、Va=(Tw×Vp)/T=((Vo/E)×T)×E)/T=Vo、となる。このように、PWM制御部30は、電源電圧Eの変動にかかわらず、常に、電源電圧Eを一定の制御電圧Voに変換して出力する。
【0027】
フィードバック制御部60は、LEDアレイ100の各LEDに流れる電流を定格電流Iに保つため、抵抗電圧検出部20によって検出された抵抗電圧Vrと、所定の基準電圧Vsをもとに、LEDアレイ100及び検出用抵抗10に印加すべき制御電圧Voを算出する。基準電圧Vsは、LEDアレイ100に流すべき基準電流Isと、検出用抵抗10の抵抗値Rとから決まり、Vs=R×Is、となる。基準電流Isは、LEDアレイ100を構成する各LEDの定格電流Iと、LEDアレイ100におけるLEDの直列ラインの配列数Mとから決まり、Is=I×M、となる。なお、定格電流IはLEDの点灯色によって異なるため、対応する灯色に応じた定格電流Iを用いる。
【0028】
また、フィードバック制御部60は、比較器61と、ラグリードフィルタ62と、レベル変換器63とを有する。比較器61は、基準電圧Vsと抵抗電圧Vrとの差電圧ΔV(=Vs−Vr)を算出する。
【0029】
ラグリードフィルタ62は、LPFの一種であり、図5に示すように構成されている。
すなわち、このラグリードフィルタ62は、比較器61によって算出された差電圧ΔVに対して、高周波成分を減衰させた電圧Vdcに変換して出力する。
【0030】
レベル変換器63は、ラグリードフィルタ62から出力された電圧Vdcのレベルを変換する。図6は、レベル変換器63による電圧レベル変換を説明する図である。図6では、横軸をラグリードフィルタ62からの入力電圧Vdcとし、縦軸をレベル変換器63から出力される制御電圧Voとして、入力電圧Vdcと制御電圧Voとの関係を示している。図6に示すように、レベル変換器63は、ラグリードフィルタ62からの入力電圧Vdcを、正値の制御電圧Vxとなるように変換する。すなわち、入力電圧Vdcが所定の電圧範囲「−Vdcm≦Vdc≦+Vdcm」の場合には、制御電圧Vxが電圧範囲「0≦Vx≦Vxm」となるよう、入力電圧Vdcを制御電圧Vxに正比例変換し、入力電圧Vdcが電圧範囲「Vdc<−Vdcm」の場合には、制御電圧Vxを「Vx=0」とし、入力電圧Vdcが電圧「Vdc>+Vdcm」の場合には、制御電圧Vxを「Vx=Vxm」とする。なお、Vxm≦E、である。
【0031】
このように、LED駆動回路1は、LED電流Iに相当する抵抗電圧Vrをフィードバックし、LEDアレイ100への印加電圧Vwを制御するフィードバック制御系のシステムである。
【0032】
図7は、フィードバック制御系であるLED駆動回路1のブロック線図である。図7に示すように、LED駆動回路1は、基準電圧Vs(s)を入力し、制御電圧Vo(s)を制御対象とするフィードバック系の制御システムとみなせる。
【0033】
ラグリードフィルタ62の伝達関数KF(s)は、次式(1)で与えられる。
【数1】

但し、T1=R1・C、T2=R2・C、である。
【0034】
また、レベル変換器63の伝達関数Kv(s)は、次式(2)で与えられる。
【数2】

【0035】
そして、このLED駆動回路1の伝達関数H(s)は、次式(3)で与えられる。
【数3】

【0036】
ここで、
【数4】

とおくと、式(3)は、次式(6)となる。
【数5】

【0037】
この伝達関数H(s)のインディシャル応答(過渡応答)Vo(s),Vo(t)は、それぞれ、次式(7),(8)となる。
【数6】

【0038】
次に、このLED駆動回路1において、ノイズ(雑音)を考慮した場合を考える。図8は、ノイズを考慮した場合のLED駆動回路1のブロック線図である。ここで考慮されるノイズは、PWM制御部30におけるPWMリプル(高調波ノイズ)rip、である。
【0039】
ノイズを考慮した場合のLED駆動回路1の伝達関数H(s)は、ノイズを考慮しない場合と同じく、上式(3)で与えられる。そして、ノイズを考慮した場合の伝達関数H(s)のインディシャル応答Vo(s)は、次式(9)となる。
【数7】

【0040】
このインディシャル応答Vo(s)の定常偏差は、次式(10)となる。
【数8】

【0041】
従って、ノイズを考慮した場合の伝達関数H(s)のインディシャル応答Vo(t)は、次式(11)となる。
【数9】

【0042】
[作用・効果]
このように、本実施形態によれば、LED駆動回路1において、電圧変動が有る電源200の供給電圧EをPWM方式の制御電圧Voに変換するPWM制御部30では、のこぎり波生成部41が、ピーク値が電源電圧Eに一致するのこぎり波を生成し、コンパレータ42が、のこぎり波と制御電圧Voとを比較することで、スイッチング素子であるFET31を駆動するPWMパルスを生成する。これにより、電源電圧Eの変動にかかわらず、常に、PWM制御部30からは、パルス波の制御電圧Voが出力される。
【0043】
[変形例]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
【0044】
(A)負荷
例えば、上述の実施形態では、負荷を交通信号灯器のLEDアレイとして直流電圧を供給する場合を説明したが、これ以外の負荷にも同様に適用可能である。
【0045】
(B)交流電圧
また、負荷への供給電圧は直流電圧に限らず、交流電圧を供給する場合にも同様に適用することができる。すなわち、基準電圧Vsが交流の場合であり、従って、PWM制御部30に与えられる制御電圧Voも交流となる。
【0046】
図9は、交流電圧を供給するPWM制御部30Aの回路構成図である。図9に示すように、PWM制御部30Aは、全波整流器34と、パルス生成部35と、サイクル指令部36と、FET31a,31b,32a,32b,33a,33bと、抵抗R1,R2とを備えて構成される。また、図10に、交流である制御電圧Voと、パルス生成部35によって生成されるPWMパルス(+)、(−)と、サイクル指令部36によって生成されるサイクル指令(+),(−)とのそれぞれの波形を示す。
【0047】
全波整流器34は、交流である制御電圧Voを全波整流する。
サイクル指令部36は、制御電圧Voの正負に応じて、負荷100への電圧の印加方向を指定するサイクル指令(+),(−)を生成し、生成したサイクル指令(+)を、FET33aにベース端子に印加し、サイクル指令(−)を、FET33bのベース端子に印加する。サイクル指令(+)は、制御電圧Voが「正」のときに「H(1)」となり、制御電圧Voが「負」のときに「L(0)」となる信号である。また、サイクル指令(−)は、サイクル指令(+)の反転信号であり、制御電圧Voが「正」のときに「L」となり、制御電圧Voが「負」のときに「H」となる。
【0048】
パルス生成部35は、PWMパルス発生器40によって生成されたPWMパルスを、制御電圧Voの正負に応じて振り分けたPWMパルス(+),(−)を生成し、生成したPWMパルス(+)をFET31aのベース端子に印加し、PWMパルス(−)をFET31bのベース端子に印加する。PWMパルス(+)は、制御電圧Voが「正」のときに、パルス生成部35によって生成されたPWMパルスの波形をとり、制御電圧Voが「負」のときには「L」となる信号である。また、PWMパルス(−)は、制御電圧Voが「正」のときに「L」となり、制御電圧Voが「負」のときに、パルス生成部35によって生成されたPWMパルスの波形をとる信号である。
【0049】
PWM制御部30Aでは、制御電圧Voが「正」のときには、FET33aがONとなり、FET33bはOFFとなる。そして、FET31aがPWMパルス(+)に従ってON/OFFされ、このON/OFFに応じたパルス電流が流れ、電源電圧Eが負荷100に印加される。また、制御電圧Voが「負」のときには、FET33bがONとなり、FET33aはOFFとなる。そして、FET31bがPWMパルス(+)に従ってON/OFFされ、このON/OFFに応じたパルス電流が流れ、制御電圧Voが「正」のときとは逆方向に、電源電圧Eが負荷100に印加される。このように、制御電圧Voの正負が反転する毎に、負荷100への電圧の印加方向を反転させることで、制御電圧Voに応じたパルス波の交流電圧を負荷100へ供給している。
【0050】
(C)電圧変換回路
また、上述の実施形態では、PWM制御部30を電圧変換回路としたが、PWM制御部30を含むLED駆動回路1を電圧変換回路としても良い。
【符号の説明】
【0051】
100 LEDアレイ(負荷)、200 電源
1 LED駆動回路
10 検出用抵抗、20 抵抗電圧検出部
30 PWM制御部
31,32 FET
40 PWMパルス発生器、41 のこぎり波生成部、42 コンパレータ
60 フィードバック制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧変動し得る直流電圧である入力電圧から、負荷に供給するPWM波の電圧に変換する電圧変換回路であって、
ピーク電圧を前記入力電圧とし、周期を前記PWM波の周期とする鋸歯状波を生成する鋸歯状波生成部と、
前記鋸歯状波生成部により生成された鋸歯状波と所与の閾値電圧とを比較する比較部と、
振幅を前記入力電圧に応じた大きさとし、前記PWM波のパルス幅を前記鋸歯状波が前記閾値電圧に達するまでの期間とするPWM波を生成するPWM波生成部と、
を備えた電圧変換回路。
【請求項2】
前記負荷に供給されている電圧を検出する検出部と、
前記検出部により検出された電圧と所定の目標電圧とを比較して前記閾値電圧を制御する閾値電圧制御部と、
を更に備え、
前記比較部は前記閾値電圧制御部に制御された閾値電圧と前記鋸歯状波とを比較する、
請求項1に記載の電圧変換回路。
【請求項3】
前記閾値電圧は交流であり、
前記閾値電圧を全波整流する整流部を備え、
前記比較部は、前記鋸歯状波生成部により生成された鋸歯状波と、前記整流部により全波整流された前記閾値電圧とを比較し、
前記PWM波生成部により生成されたPWM波の前記負荷への印加方向を、前記閾値電圧の正負に応じて変化させて出力する交流出力部を更に備えた、
請求項1に記載の電圧変換回路。
【請求項4】
電圧変動し得る直流電圧である入力電圧から、負荷に供給するPWM波の電圧に変換する電圧変換方法であって、
ピーク電圧を前記入力電圧とし、周期を前記PWM波の周期とする鋸歯状波を生成する鋸歯状波生成ステップと、
前記PWM波のパルス幅を、前記鋸歯状波生成部により生成された鋸歯状波が所与の閾値電圧に達するまでの期間とし、振幅を前記入力電圧に応じた大きさとするPWM波を生成するPWM波生成ステップと、
を含む電圧変換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−188602(P2011−188602A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50134(P2010−50134)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000001292)株式会社京三製作所 (324)
【Fターム(参考)】