電子カメラ
【課題】 画像表示可能な複数のモニタを有効活用できる電子カメラを提供する。
【解決手段】 デジタルカメラ1は、撮影画像の表示可能な液晶ディスプレイ(LCD)10と電子ビューファインダ(EVF)20とを備えている。ここで、EVF20では、撮影画像20sを表示するともに、LCD10では、撮影モードの設定状態に関するカメラステータス表示10sが表示される。そして、このカメラステータス表示10sについては、各設定項目の設定状態を、4連スイッチ35により変更できる。これにより、EVF20にて撮影画像を視認しながら、LCD10にて設定状態の変更が可能となる。その結果、画像表示可能な複数のモニタの有効活用を行うことができる。
【解決手段】 デジタルカメラ1は、撮影画像の表示可能な液晶ディスプレイ(LCD)10と電子ビューファインダ(EVF)20とを備えている。ここで、EVF20では、撮影画像20sを表示するともに、LCD10では、撮影モードの設定状態に関するカメラステータス表示10sが表示される。そして、このカメラステータス表示10sについては、各設定項目の設定状態を、4連スイッチ35により変更できる。これにより、EVF20にて撮影画像を視認しながら、LCD10にて設定状態の変更が可能となる。その結果、画像表示可能な複数のモニタの有効活用を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子カメラに関し、特に複数のモニタ、例えば電子ビューファインダおよび液晶ディスプレイなどに画像表示を行う電子カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】デジタルカメラなどの電子カメラにおいては、撮影画像や再生画像を表示する電子ビューファインダや液晶ディスプレイなどの複数のモニタを備えたものが実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の電子カメラでは、複数のモニタ全てに同一の撮影画像の表示を行うか、または1つのモニタのみに撮影画像や撮影モードなどの表示を行うという使用がなされ、2つのモニタの有効活用が必ずしも図られていない。
【0004】また、電子カメラでは、多機能化の要請を受けて変更可能な撮影モードの設定項目は多種類にのぼっている。この撮影モードの設定変更については、撮影モードの設定変更に伴って撮影画像がどのように変更されるのかが視認できるのが望ましい。しかし、電子カメラにおける限られたサイズのモニタに、多数の撮影モードの設定項目を表示すると、これだけでモニタ画面が埋め尽くしてしまい、撮影モードの設定変更に伴う画像を表示するスペースが無くなってしまう。このように、撮影画像と撮影画像と異なる情報とを1つのモニタに表示するのは困難である。
【0005】本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、画像表示可能な複数のモニタを有効活用できる電子カメラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、電子カメラであって、(a)電子的に撮影画像を表示可能な第1表示手段と、(b)前記第1表示手段と異なる表示態様で、電子的に撮影画像を表示可能な第2表示手段と、を備え、前記第1表示手段では、撮影画像に関する第1情報を表示するとともに、前記第2表示手段では、前記第1情報と異なる第2情報を表示する。
【0007】また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る電子カメラにおいて、前記第1表示手段と前記第2表示手段とは、電子ビューファインダと、前記電子カメラの背面に設けられた液晶ディスプレイとの組合せである。
【0008】また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る電子カメラにおいて、前記第2情報は、前記電子カメラの撮影モードの設定状態に関する情報を含む。
【0009】また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係る電子カメラにおいて、前記第1表示手段は、表示と非表示との切替が可能であり、前記第1表示手段を非表示に切替える場合には、前記第2表示手段で、前記第1情報を表示する。
【0010】また、請求項5の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る電子カメラにおいて前記第2情報は、前記撮影画像に対して画像補正を行った後の画像に関する情報を含む。
【0011】また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係る電子カメラにおいて、前記第2情報は、前記画像補正に関する補正項目と、前記補正項目に関する設定状態との情報を含む。
【0012】また、請求項7の発明は、請求項5または請求項6の発明に係る電子カメラにおいて、前記第1表示手段は、表示状態と非表示状態との切替が可能であり、前記第1表示手段が非表示状態であっても、前記画像補正を行う場合には前記第1表示手段を強制的に表示状態に切替える強制切替手段をさらに備える。
【0013】また、請求項8の発明は、請求項7の発明に係る電子カメラにおいて、前記使用態様は、前記第1表示手段および前記第2表示手段の表示と非表示とに関する態様である。
【0014】また、請求項9の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る電子カメラにおいて、前記第2情報は、前記撮影画像に関する付加的情報を含む。
【0015】また、請求項10の発明は、請求項9の発明に係る電子カメラにおいて、前記付加的情報は、前記撮影画像の露光に関するヒストグラムを含む。
【0016】また、請求項11の発明は、請求項10の発明に係る電子カメラにおいて、前記ヒストグラムは、撮影直後に表示される。
【0017】また、請求項12の発明は、請求項9ないし請求項11のいずれかの発明に係る電子カメラにおいて、前記付加的情報は、撮影時に記録された情報を含む。
【0018】
【発明の実施の形態】<実施形態に係るデジタルカメラの要部構成>図1〜図3は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1の要部構成を示す図であり、図1は平面図、図2は図1のII−II位置から見た断面図、図3は背面図に相当する。これらの図は必ずしも三角図法に則っているものではなく、デジタルカメラ1の要部構成を概念的に例示することを主眼としている。
【0019】これらの図に示すように、デジタルカメラ1は、略直方体状のカメラ本体部2と、撮像部3とに大別される構造である。
【0020】撮像部3は、撮影レンズであるマクロ機能付きレンズ群30の後方位置の適所にCCDカラーエリアセンサ303を有する撮像回路302が設けられている。また、このレンズ群30は、ズームレンズ300と合焦レンズ301とを備えている。
【0021】一方、カメラ本体部2の内部には、ズームレンズ300のズーム比の変更と収容位置、撮影位置間のレンズ移動を行うためのズームモータM1、および合焦レンズ301を駆動して合焦を行うためのモータM2とが設けられている。
【0022】カメラ本体部2の前面には、グリップ部Gが設けられ、カメラ本体部2上端部の適所にポップアップ形式の内蔵フラッシュ5が設けられている。また、カメラ本体部2の上面にはシャッタボタン9が設けられている。
【0023】一方、図3に示すように、カメラ本体部2の背面には、略中央に撮影画像のライブビュー表示及び記録画像の再生表示等を行なうための液晶ディスプレイ(LCD)表示部10と電子ビューファインダ(EVF)20とが設けられている。このLCD10およびEVF20では、カラーで画像表示が行われる。
【0024】カメラ本体部2の背面には、「撮影モード」と「再生モード」とを切換設定する撮影/再生モード設定スイッチ14が設けられている。撮影モードは、写真撮影を行なうモードであり、再生モードは、メモリカード8に記録された撮影画像をLCD10に再生表示するモードである。
【0025】デジタルカメラ1の背面右方には、4連スイッチ35が設けられており、ボタンL、Rを押すことにより、ズームモータM1が駆動しズーミングを行い、その他、ボタンU、D、L、Rで各種操作を行う。
【0026】また、カメラ本体部2の背面には、LCDボタン31、確定ボタン32、取消ボタン33、およびメニューボタン34が設けられている。このLCDボタン31は、LCD表示またはEVF表示をオンオフさせるためのボタンであり、LCDボタン31を押す毎にLCD表示またはEVF表示のオンオフ状態が切り替わる(後で詳述)。
【0027】また、カメラ本体部2の側面には、外部モニタ端子222が設けられている。この外部モニタ端子222は、デジタルカメラ1から外部モニタに画像データなどを伝送するための端子である。
【0028】図1に示すように、デジタルカメラ1はメモリカード8が装着されるようになっている。また、デジタルカメラ1は、4本の単三形乾電池E1〜E4を直列接続してなる電源電池Eを駆動源としている。
【0029】<デジタルカメラ1の機能ブロック>図4は、デジタルカメラ1の機能ブロック図である。同図において、CCD303は、レンズ群30により結像された被写体の光像を、R(赤),G(緑),B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換して出力する。タイミングジェネレータ314は、CCD303の駆動を制御するための各種のタイミングパルスを生成するものである。
【0030】撮像部3における露出制御は、絞り制御ドライバ306によるレンズ群30の絞りと、CCD303の露光量、すなわち、シャッタスピードに相当するCCD303の電荷蓄積時間を調節して行なわれる。被写体輝度が低輝度時に適切なシャッタスピードが設定できない場合は、CCD303から出力される画像信号のレベル調整を行なうことにより露光不足による不適正露出が補正される。すなわち、低輝度時は、シャッタスピードとゲイン調整とを組み合わせて露出制御が行なわれる。画像信号のレベル調整は、信号処理回路313内のAGC回路のゲイン調整において行なわれる。
【0031】タイミングジェネレータ314は、タイミング制御回路202から送信される基準クロック基づきCCD303の駆動制御信号を生成するものである。タイミングジェネレータ314は、例えば積分開始/終了(露出開始/終了)のタイミング信号、各画素の受光信号の読出制御信号(水平同期信号,垂直同期信号,転送信号等)等のクロック信号を生成し、CCD303に出力する。
【0032】信号処理回路313は、CCD303から出力される画像信号(アナログ信号)に所定のアナログ信号処理を施すものである。信号処理回路313は、CDS(相関二重サンプリング)回路とAGC(オートゲインコントロール)回路とを有し、CDS回路により画像信号のノイズの低減を行ない、AGC回路のゲインを調整することにより画像信号のレベル調整を行なう。
【0033】調光回路304は、フラッシュ撮影における内蔵フラッシュ5の発光量を全体制御部211により設定された所定の発光量に制御するものである。フラッシュ撮影においては、露出開始と同時に被写体からのフラッシュ光の反射光が調光センサ305により受光され、この受光量が所定の発光量に達すると、調光回路304から発光停止信号が出力され、この発光停止信号に応答して内蔵フラッシュ5の発光を強制的に停止し、これにより内蔵フラッシュ5の発光量が所定の発光量に制御される。
【0034】A/D変換器205は、画像信号の各画素信号を12ビットのデジタル信号に変換するものである。A/D変換器205は、タイミング発生回路から入力されるA/D変換用のクロックに基づいて各画素信号(アナログ信号)を12ビットのデジタル信号に変換する。
【0035】タイミングジェネレータ314、A/D変換器205に対するクロックを生成するタイミング制御回路202が設けられている。タイミング制御回路202は、全体制御部211内の基準クロックにより制御される。
【0036】黒レベル補正回路206は、A/D変換された画素信号の黒レベルを基準の黒レベルに補正するものである。また、WB(ホワイトバランス)回路207は、R,G,Bの各色成分の画素データのレベル変換を行なうものである。WB回路207は、全体制御部211から入力されるレベル変換テーブルを用いてR,G,Bの各色成分の画素データのレベルを変換する。なお、レベル変換テーブルの各色成分のパラメータ(特性の傾き)は全体制御部211により、オートまたはマニュアルで、撮影画像毎に設定される。
【0037】γ補正回路208は、画素データの階調を補正するものである。画像メモリ209は、γ補正回路208から出力される画素データを記憶するメモリである。画像メモリ209は、1フレーム分の記憶容量を有している。すなわち、画像メモリ209は、CCD303画素数に対応する1600×1200画素分の画素データの記憶容量を有し、各画素データが対応する画素位置に記憶されるようになっている。
【0038】LCDVRAM210は、LCD10に表示される画像データのバッファメモリである。LCDVRAM210は、LCD10の画素数400×300に対応した画像データの記憶容量を有している。
【0039】EVFVRAM220は、EVF20に表示される画像データのバッファメモリである。EVFVRAM220は、EVF20の画素数640×480に対応した画像データの記憶容量を有している。
【0040】また、撮影待機状態においては、撮像部3により1/30(秒)毎に撮像された画像の各画素データがA/D変換器205〜γ補正回路208により所定の信号処理を施された後、画像メモリ209に一時記憶されるとともに、全体制御部211を介してLCDVRAM210、EVFVRAM220に転送され、LCD10やEVF20に表示される(ライブビュー表示)。
【0041】これによって、ユーザは被写体像を視認することができる。また、再生モードにおいては、メモリカード8から読み出された画像が全体制御部211で所定の信号処理が施された後、VRAM210に転送され、LCD10に再生表示される。EVF20でも同様の表示が行われる。
【0042】カードI/F212は、メモリカード8への画像データの書込み及び画像データの読出しを行なうためのインターフィースである。また、通信用I/F224は、パーソナルコンピュータ225を通信可能に外部接続するための、例えばUSB規格に準拠したインターフェースである。このカードI/F212、通信用I/F224を介して、メモリカード8やCD−ROM226などの記録媒体に記録している制御プログラムを、全体制御部211のROM内に取り込むことができる。
【0043】RTC219は、撮影日時を管理するするための時計回路である。図示しない別の電源で駆動される。
【0044】操作部250は、上述したシャッターボタン9、LCDボタン31、確定ボタン32などの各種スイッチ、ボタンなどで構成されている。
【0045】シャッタボタン9は、銀塩カメラで採用されているような半押し状態(S1)と押し込んだ状態(S2)とが検出可能な2段階スイッチになっている。待機状態でシャッターボタン9をS1状態にすると、AFのためのレンズ駆動を開始し、全体制御部211による画像メモリ209内における画像のコントラストを評価しながら、コントラストがもっとも高くなるようにモータM1、M2により、レンズを駆動し停止させる。S1状態時の画像メモリ内の画像データのレベルを判定することで、シャッタースピード(SS)と絞り値を決定する。さらにホワイトバランスの補正値を決定する。
【0046】NTSC変換器221は、VRAM220に格納される画像信号を、NTSC方式に信号変換を行い、EVF20と、外部モニタ端子222を介して外部モニタ223とに転送する。
【0047】全体制御部211は、マイクロコンピュータからなり、上述したカメラの各部材の駆動を有機的に制御してデジタルカメラ1の撮影動作を統括制御するものである。
【0048】図5は、全体制御部211内のCPUやメモリの全体によって実現される内部機能を示すブロック図である。この全体制御部211は、露出制御値(シャッタスピード(SS)と絞り値)を設定するための輝度判定部211aと露光量設定部211bとを備えている。
【0049】さらに、全体制御部211は、上記撮影画像の記録処理を行なうために、フィルタリング処理を行なうフィルタ部211fと、サムネイル画像及び圧縮画像を生成する記録画像生成部211gとを備え、メモリカード8に記録された画像をLCD10やEVF20に再生するために、再生画像を生成する再生画像生成部211hを備えている。
【0050】上記のフィルタ部211fは、デジタルフィルタにより記録すべき画像の高周波成分を補正して輪郭に関する画質の補正を行なうものである。
【0051】記録画像生成部211gは、画像メモリ209から画素データを読み出してメモリカード8に記録すべきサムネイル画像と圧縮画像とを生成する。記録画像生成部211gは、画像メモリ209から横方向と縦方向の両方向でそれぞれ8画素毎に画素データを読み出し、順次、メモリカード8に転送することで、サムネイル画像を生成しつつメモリカード8に記録する。
【0052】また、記録画像生成部211hは、画像メモリ209から全画素データを読み出し、これらの画素データに2次元DCT変換、ハフマン符号化等のJPEG方式による所定の圧縮処理を施して圧縮画像の画像データを生成し、この圧縮画像データをメモリカード8の本画像エリアに記録する。
【0053】全体制御部211は、撮影モードにおいて、シャッタボタン9により撮影が指示されると、撮影指示後に画像メモリ209に取り込まれた画像のサムネイル画像と設定された圧縮率によりJPEG方式により圧縮された圧縮画像とを生成し、撮影画像に関するタグ情報(コマ番号、露出値、シャッタスピード、圧縮率、撮影日、撮影時のフラッシュのオンオフのデータ、シーン情報、画像の判定結果等)等の情報とともに両画像をメモリカード8に記憶する。
【0054】デジタルカメラ1によって記録された画像の各コマはタグの部分とJPEG形式で圧縮された高解像度の画像データ((1600×1200)画素)とサムネイル表示用の画像データ(80×60)画素)が記録されている。
【0055】撮影/再生モード設定スイッチ14を再生モードに設定したときには、メモリカード8内のコマ番号の最も大きな画像データが読み出され、再生画像生成部211hにてデータ伸張され、これがVRAM210、220に転送されることにより、LCD10やEVF20には、コマ番号の最も大きな画像すなわち直近に撮影された画像が表示される。ボタンUを操作することにより、コマ番号の大きな画像が表示され、ボタンDを押すことによりコマ番号の小さな画像が表示される。
【0056】メモリカード8は、図6に示すように、デジタルカメラ1によって記憶された画像を、圧縮率1/20で230コマの画像分記憶可能であり、各コマは、タグ情報の部分と、JPEG形式で圧縮された高解像度の画像信号(640×480画素)とサムネイル表示用の画像信号(80×60画素)が記録されている。各コマ単位で、例えばEXIF形式の画像ファイルとして扱うことが可能である。
【0057】<デジタルカメラ1の動作>以下では、デジタルカメラ1の動作のうち、撮影処理に関する動作と、LCD10およびEVF20における4種類の表示モード切替に関する動作とを説明する。なお、この撮影処理および表示モードの切替以外については、デジタルカメラの一般的な動作が行われる。
【0058】図7は、撮影処理の動作概要を説明するフローチャートである。
【0059】まず、ステップST1では、シャッターボタン9が半押し(S1)となっているかを判定する。ここで、シャッターボタン9が半押しである場合には、ステップST2に進む。
【0060】ステップST2では、デジタルカメラ1の各種処理、設定などを行う。具体的には、全体制御部211により、画像メモリ209内の画像データに対して、AE、AF、WBの処理を行う。また、撮影のためのレンズ群30の位置、絞り、SSの設定を行うとともに、WBパラメータを取得する。
【0061】ステップST3では、シャッターボタン9が全押し(S2)となっているかを判定する。ここで、全押しである場合には、ステップST4に進み、全押しでない場合には、ステップST1に進む。
【0062】ステップST4では、CCD303により画像データを取得して、この画像データを画像メモリ209に一時的に格納する。
【0063】ステップST5では、画像メモリ209に格納されている画像データに対して、ステップST2で取得したWBパラメータによるWB処理を行う。
【0064】ステップST6では、アフタービュー表示、すなわち撮影直後の撮影画像表示を行う。アフタービュー表示は、デジタルカメラ1の設定状態(表2参照)により、撮影画像、若しくは、撮影画像に関する付加的情報の表示が行われるか、または全く表示が行われないこととなる。
【0065】図8は、上記の撮影画像に関する付加的情報の表示を説明する図である。
【0066】デジタルカメラ1においては、EVF20において第1情報である撮影表示20fが表示されるとともに、LCD10においても撮影画像10fが表示される。また、LCD10では、撮影時に記録された撮影条件などの付加的情報表示10gがさらに表示される。この撮影画像10fおよび付加的情報表示10gが第2情報となる。付加的情報表示10gは、カメラステータスの設定状態表示10j、撮影のコマ番号表示10k、およびヒストグラム10hなどで構成されている。
【0067】ヒストグラム10hは、横軸が輝度値を、縦軸が画素数を示しており、このヒストグラム10hを、ユーザーが確認することにより、撮影画像における露光が適切であるかの判定が容易となる。
【0068】以上の撮影画像に関する付加的情報の表示により、撮影画像と撮影画像に関する付加的情報との対比が可能となり、利便性が向上する。
【0069】図7に示すフローチャートに戻り、以下を説明する。
【0070】ステップST7では、取得された画像データをメモリカード8に記録するかを判定する。ここで、記録する場合には、確定ボタン32を押下することによりステップST8に進み、記録しない場合には、取消ボタン33を押下することによりステップST1に進む。
【0071】ステップST8では、画像データの記録処理を行う。ここでは、取得した画像データのメモリカード8への保存が行われる。
【0072】次に、LCD10およびEVF20における表示モード切替の動作を説明する。
【0073】この表示モードについては、次の表1に示すような4種類の表示モード(LCD&EVF_Status)が設けられている。
【0074】
【表1】
【0075】表示モード0では、EVF20において表示がオフになるとともに、LCD10においてライブビュー表示、すなわち現在撮像されている画像の表示が行われる。
【0076】表示モード1では、表示モード0とは逆で、EVF20においてライブビュー表示が行われるとともに、LCD10において表示がオフになる。
【0077】表示モード2では、EVF20とLCD10とにおいて、ライブビュー表示が行われる。
【0078】表示モード3では、EVF20においてライブビュー表示が行われるとともに、LCD10において、図12のようにデジタルカメラ1の設定状態を示すカメラステータス表示(後述)が行われる。
【0079】図9は、表示モード切替の動作概要を説明するフローチャートである。
【0080】まず、ステップST11では、前回終了時、つまりデジタルカメラ1の電源切時の表示モード(LCD&EVF_Status)の設定値の読込みを行う。なお、ステップST11は、電源投入時にのみ実施される。
【0081】ステップST12では、表示モードの切替スイッチであるLCDボタン31が押下されたか判定する。ここで、LCDボタン31が押下されている場合には、ステップST13に進み、LCDボタン31が押下されていない場合には、ステップST16に進む。
【0082】ステップST13では、LCD&EVF_Statusに1を加算する。つまり、LCD&EVF_Status=LCD&EVF_Status+1の演算が行われる。
【0083】ステップST14では、LCD&EVF_Statusが3より大きいかを判定する。ここで、LCD&EVF_Statusが3より大きい場合には、ステップST15に進み、LCD&EVF_Statusが3以下の場合には、ステップST16に進む。
【0084】ステップST15では、LCD&EVF_Statusに0を代入する。これは、上述のように、モード設定値が0〜3までのため、LCD&EVF_Statusを3以下に抑えるためである。
【0085】ステップST16では、表示モード(LCD&EVF_Status)に基づいて、LCD10、EVF20に撮像画像などの表示を行う。
【0086】以上により、LCD10とEVF20とで上記4種類の表示モードの切替えを行うことができる。
【0087】ステップST17では、メニューボタン34が押下されているかを判定する。押下されている場合には、ステップST17に進み、押下されていない場合には、ステップST18に進む。
【0088】ステップST18では、設定モードに画面が切り替わる。
【0089】図10は、上記の設定モードの動作概要を説明するフローチャートである。
【0090】ステップST21では、表示モード(LCD&EVF_Status)が3、つまりLCD10においてカメラステータス表示を行っているかを判定する。ここで、表示モードが3の場合には、ステップST22に進み、表示モードが3でない場合には、ステップST26に進む。
【0091】ステップST22では、撮影モードの設定状態に係るカメラステータスの設定入力を行う。
【0092】図11は、図3に示すデジタルカメラ1の背面図に対応し、上記のカメラステータスの設定入力動作を説明する図である。
【0093】デジタルカメラ1においては、EVF20に第1情報である撮影画像20sが表示されるとともに、LCD10に第2情報であるカメラステータス表示10sが表示される。
【0094】図12は、LCD10で表示されるカメラステータス表示10sの詳細を示す図である。図12に示すように、フラッシュ、撮影、画質などの設定項目とともに、その設定状態が表示される。
【0095】ここで、メニューボタン34を押すと、図13(a)に示すように下線L1が表示され、この下線L1が付されている設定項目、この場合には「フラッシュ」が選択される。
【0096】さらに、ボタンDを1回押すことにより、図13(b)に示すように下線L1が1行下に移動して選択される項目が「撮影」となり、「撮影」の設定状態の変更が可能となる。一方、1行上に下線L1を移動されるには、ボタンUを押す動作を行う。このようにボタンU、Dを押すことによって、所望の項目を選択する。
【0097】次に、図13(a)に示す画面から設定状態の変更を行う場合、ボタンRを押下することにより、フラッシュの項目に対する設定状態の選択画面(図14(a))に切替わる。ここで、ボタンDを押下すると下線L2が1行下に移動して設定状態が「禁止」となる(図14(b))。さらに、ボタンDを押下すると下線L2が1行下に移動して設定状態が「強制発光」となる(図15(a))。また、1行上に下線L1を移動させるには、ボタンUを押す動作を行う。このようなボタンU、Dの操作により、所望の設定状態の選択が行われることとなる。
【0098】そして、例えば、図15(a)に示すように、「強制発光」という設定状態を選択して、確定ボタン32を押すことにより、図13(a)の画面に対応するカメラステータスの設定項目の選択画面(図15(b))に切替わって所望の設定状態が設定される。
【0099】次の表2は、上記のカメラステータスに係る撮影モードの各項目と、それぞれの項目で選択できる設定状態の選択肢とを具体的に示す表である。なお、表2に示す情報は、全体制御部211内のROMに格納されている。
【0100】
【表2】
【0101】表2においては、例えば、「フラッシュ」の項目では、「自動」、「禁止」、「強制発光」、「赤目防止」という4種類の設定状態が設けられ、選択可能となっている。
【0102】なお、ホワイトバランス、露出補正、シーンの各項目については、CCD303で取得した画像データに対する画像補正の設定入力(後述)において、図16に示すように撮影画像と補正後の画像とを対比しながらの入力も可能である。
【0103】以上のカメラステータスの設定入力動作により、EVF20で表示される撮影画像と、LCD10にて表示される撮影モード設定状態との対応付けが容易となる。例えば、撮影画像が青みがかって表示される時に、撮影画像とホワイトバランスの設定状態との対応を確認する場合などに有効である。
【0104】図10に示すフローチャートに戻って、以下説明する。
【0105】ステップST23では、LCDボタン31が押下されたかを判定する。ここで、LCDボタン31が押下されている場合には、ステップST24に進み、LCDボタン31が押下されていない場合には、ステップST25に進む。
【0106】ステップST24では、表示モード(LCD&EVF_Status)に0を代入する。これにより、LCD10では撮影画像のライブビュー表示が行われることとなり、撮影画像が全く表示されないという状態を回避でき、操作性が向上することとなる。
【0107】ステップST25では、確定ボタン32が押下され、入力が完了したかを判定する。ここで、入力が完了している場合には、ステップST12に進み、完了していない場合には、ステップST21に戻る。
【0108】ステップST26では、EVF20がオフ(非表示状態)、つまり表示モード(LCD&EVF_Status)が0となっているかを判定する。ここで、EVF20がオフである場合には、ステップST27に進み、EVF20がオン(表示状態)である場合には、ステップST28に進む。
【0109】ステップST27では、ステップST26で非表示状態であったEVF20に撮影画像を表示する。これにより、LCD10とEVF20とで画像が表示されるため、ステップST28における画像補正動作で、比較対象となる画像が表示されないという事態を防止できる。
【0110】ステップST28では、CCD303で取得した画像データに対する画像補正の設定入力を行い、またステップST29では、表示モード(LCD&EVF_Status)に基づいて、LCD10、EVF20に撮像画像などの表示を行う。この画像補正の設定入力に係る一連の動作を、以下で説明する。
【0111】図16は、図3に示すデジタルカメラ1の背面図に対応し、画像補正の設定入力動作を説明する図である。
【0112】以下では、EVF20がオフで、LCD10がライブビュー表示を行う表示モード0の状態(図16(b)と同様の状態)からの画像補正の設定入力動作を説明する。
【0113】表示モード0の表示状態においてメニューボタン34が押下される(図9のステップST17)と、EVF20がオフのため、強制的にEVF20がオンされて図16(a)に示す設定入力の表示状態となる(図10のステップST26〜ST28)。
【0114】デジタルカメラ1においては、画像補正前の設定が反映された元の撮影画像20aがEVF20に表示されるとともに、撮影画像20aと等しい表示サイズである画像補正後の画像10aが表示される。また、LCD10には、画像補正に係る補正項目、具体的には「露出補正」、「ホワイトバランス」、「シーン」についての設定状態表示10bが表示される。この画像10aおよび設定状態表示10bが、第1情報である撮影画像20aと異なる第2情報となる。ここでは、上記のカメラステータスの設定入力動作と同様に、ボタンU、D、L、Rにより、下線L3を移動させて、設定状態の入力を行う。なお、「露光補正」については、−2EV〜+2EVまで1/3のステップで設定状態の変更が可能である。
【0115】補正項目の設定状態が変更されると、その設定状態を反映した補正後の画像10aがLCD10に表示される。ただし、EVF20の表示は補正前の撮影画像20aのままである。これにより、撮影画像20aと補正後の画像10aとの対比が可能となり、適切な設定状態となったかの判定が容易となる。そして、画像10aが、所望の表示状態となった場合には、確定ボタン32の押下により入力を終了する(ステップST25)。
【0116】設定入力が完了すると、図16(b)に示すように、画像補正の設定動作直前の表示モード0の表示状態に戻る。すなわち、EVF20がオフとなり、LCD10では画像補正に関して適切な設定状態となった撮影画像のライブビュー表示が行われる。
【0117】以上の画像補正の設定入力動作により、EVF20で表示される撮影画像と、LCD10で表示される画像補正後の画像の対比が可能となり、利便性が向上することとなる。
【0118】また、以上のデジタルカメラ1の動作により、EVF20では撮影画像の表示を行うとともに、LCD10ではカメラステータス表示10s、画像補正の設定状態表示10b、または付加的情報表示10gの表示を行えるため、2つのモニタ、LCD10およびEVF20の有効活用を図ることができる。
【0119】<変形例>◎上記の実施形態では、EVF20に撮影画像を表示し、この撮影画像と異なる情報をLCD10に表示しているが、LCD10に撮影画像を表示し、撮影画像と異なる情報をEVF20に表示してもよい。
【0120】◎本発明については、上記実施形態のように静止画が主に撮影対象となるデジタルカメラに限らず、動画を撮影できるビデオカメラなどにも適用できる。すなわち、本明細書における「電子カメラ」は、静止画および動画のいずれが撮影対象であってもよい。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請求項12の発明によれば、第1表示手段では撮影画像に関する第1情報を表示するとともに、第2表示手段では第1情報と異なる第2情報を表示するため、画像表示可能な複数のモニタが有効活用できる。
【0122】特に、請求項2の発明においては、第1表示手段と第2表示手段とは電子ビューファインダと液晶ディスプレイとの組合せであるため、撮影状態によって適切なモニタを選択できる。
【0123】また、請求項3の発明においては、第2情報は電子カメラの撮影モード設定状態に関する情報を含むため、撮影画像と撮影モード設定状態との対応付けが容易になる。
【0124】また、請求項4の発明においては、第1表示手段を非表示に切替える場合には、第2表示手段で第1情報を表示するため、撮影画像が全く表示されない状態を回避でき、操作性が向上する。
【0125】また、請求項5の発明においては、第2情報は画像補正を行った後の画像に関する情報を含むため、撮影画像と画像補正後との画像の対比が可能となる。
【0126】また、請求項6の発明においては、第2情報は補正項目と設定状態との情報を含むため、設定状態と画像補正後の画像との対比が容易になる。
【0127】また、請求項7の発明においては、第1表示手段が非表示状態で画像補正を行う場合には第1表示手段を強制的に表示状態に切替えるため、比較対象となる撮影画像と補正後の画像が表示されないという事態を防止できる。
【0128】また、請求項8の発明においては、使用態様は第1表示手段および第2表示手段の表示と非表示とに関する態様であるため、電子カメラにおける省電力に寄与できる。
【0129】また、請求項9の発明においては、第2情報は撮影画像に関する付加的情報を含むため、撮影画像と撮影画像に関する付加的情報との対比が可能となる。
【0130】また、請求項10の発明においては、付加的情報は撮影画像の露光に関するヒストグラムを含むため、露光が適切であるかの判断が容易となる。
【0131】また、請求項11の発明においては、ヒストグラムは撮影直後に表示されるため、適切な露光で撮影されたかの判断が撮影直後に可能となる。
【0132】また、請求項12の発明においては、付加的情報は撮影時に記録された情報を含むため、撮影画像と撮影条件などの対比が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1の平面図である。
【図2】図1のII−II位置から見た断面図である。
【図3】デジタルカメラ1の背面図である。
【図4】デジタルカメラ1の機能ブロック図である。
【図5】全体制御部211内の内部構成を示すブロック図である。
【図6】メモリカード8の画像記憶を説明する図である。
【図7】撮影処理の動作概要を説明するフローチャートである。
【図8】付加的情報の表示を説明する図である。
【図9】表示モード切替の動作概要を説明するフローチャートである。
【図10】設定モードの動作概要を説明するフローチャートである。
【図11】カメラステータスの設定入力動作を説明する図である。
【図12】LCD10にけるカメラステータス表示10sの詳細を示す図である。
【図13】カメラステータスに関する設定画面を示す図である。
【図14】カメラステータスに関する設定画面を示す図である。
【図15】カメラステータスに関する設定画面を示す図である。
【図16】画像補正の設定入力動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
10 LCD
10a、10f 撮影画像
10b 画像補正の設定状態表示
10g 付加的情報表示
10h ヒストグラム
10s カメラステータス表示
20 EVF
20a、20f、20s 撮影画像
31 LCDボタン
32 確定ボタン
34 メニューボタン
35 4連スイッチ
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子カメラに関し、特に複数のモニタ、例えば電子ビューファインダおよび液晶ディスプレイなどに画像表示を行う電子カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】デジタルカメラなどの電子カメラにおいては、撮影画像や再生画像を表示する電子ビューファインダや液晶ディスプレイなどの複数のモニタを備えたものが実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の電子カメラでは、複数のモニタ全てに同一の撮影画像の表示を行うか、または1つのモニタのみに撮影画像や撮影モードなどの表示を行うという使用がなされ、2つのモニタの有効活用が必ずしも図られていない。
【0004】また、電子カメラでは、多機能化の要請を受けて変更可能な撮影モードの設定項目は多種類にのぼっている。この撮影モードの設定変更については、撮影モードの設定変更に伴って撮影画像がどのように変更されるのかが視認できるのが望ましい。しかし、電子カメラにおける限られたサイズのモニタに、多数の撮影モードの設定項目を表示すると、これだけでモニタ画面が埋め尽くしてしまい、撮影モードの設定変更に伴う画像を表示するスペースが無くなってしまう。このように、撮影画像と撮影画像と異なる情報とを1つのモニタに表示するのは困難である。
【0005】本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、画像表示可能な複数のモニタを有効活用できる電子カメラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、電子カメラであって、(a)電子的に撮影画像を表示可能な第1表示手段と、(b)前記第1表示手段と異なる表示態様で、電子的に撮影画像を表示可能な第2表示手段と、を備え、前記第1表示手段では、撮影画像に関する第1情報を表示するとともに、前記第2表示手段では、前記第1情報と異なる第2情報を表示する。
【0007】また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る電子カメラにおいて、前記第1表示手段と前記第2表示手段とは、電子ビューファインダと、前記電子カメラの背面に設けられた液晶ディスプレイとの組合せである。
【0008】また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る電子カメラにおいて、前記第2情報は、前記電子カメラの撮影モードの設定状態に関する情報を含む。
【0009】また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係る電子カメラにおいて、前記第1表示手段は、表示と非表示との切替が可能であり、前記第1表示手段を非表示に切替える場合には、前記第2表示手段で、前記第1情報を表示する。
【0010】また、請求項5の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る電子カメラにおいて前記第2情報は、前記撮影画像に対して画像補正を行った後の画像に関する情報を含む。
【0011】また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係る電子カメラにおいて、前記第2情報は、前記画像補正に関する補正項目と、前記補正項目に関する設定状態との情報を含む。
【0012】また、請求項7の発明は、請求項5または請求項6の発明に係る電子カメラにおいて、前記第1表示手段は、表示状態と非表示状態との切替が可能であり、前記第1表示手段が非表示状態であっても、前記画像補正を行う場合には前記第1表示手段を強制的に表示状態に切替える強制切替手段をさらに備える。
【0013】また、請求項8の発明は、請求項7の発明に係る電子カメラにおいて、前記使用態様は、前記第1表示手段および前記第2表示手段の表示と非表示とに関する態様である。
【0014】また、請求項9の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る電子カメラにおいて、前記第2情報は、前記撮影画像に関する付加的情報を含む。
【0015】また、請求項10の発明は、請求項9の発明に係る電子カメラにおいて、前記付加的情報は、前記撮影画像の露光に関するヒストグラムを含む。
【0016】また、請求項11の発明は、請求項10の発明に係る電子カメラにおいて、前記ヒストグラムは、撮影直後に表示される。
【0017】また、請求項12の発明は、請求項9ないし請求項11のいずれかの発明に係る電子カメラにおいて、前記付加的情報は、撮影時に記録された情報を含む。
【0018】
【発明の実施の形態】<実施形態に係るデジタルカメラの要部構成>図1〜図3は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1の要部構成を示す図であり、図1は平面図、図2は図1のII−II位置から見た断面図、図3は背面図に相当する。これらの図は必ずしも三角図法に則っているものではなく、デジタルカメラ1の要部構成を概念的に例示することを主眼としている。
【0019】これらの図に示すように、デジタルカメラ1は、略直方体状のカメラ本体部2と、撮像部3とに大別される構造である。
【0020】撮像部3は、撮影レンズであるマクロ機能付きレンズ群30の後方位置の適所にCCDカラーエリアセンサ303を有する撮像回路302が設けられている。また、このレンズ群30は、ズームレンズ300と合焦レンズ301とを備えている。
【0021】一方、カメラ本体部2の内部には、ズームレンズ300のズーム比の変更と収容位置、撮影位置間のレンズ移動を行うためのズームモータM1、および合焦レンズ301を駆動して合焦を行うためのモータM2とが設けられている。
【0022】カメラ本体部2の前面には、グリップ部Gが設けられ、カメラ本体部2上端部の適所にポップアップ形式の内蔵フラッシュ5が設けられている。また、カメラ本体部2の上面にはシャッタボタン9が設けられている。
【0023】一方、図3に示すように、カメラ本体部2の背面には、略中央に撮影画像のライブビュー表示及び記録画像の再生表示等を行なうための液晶ディスプレイ(LCD)表示部10と電子ビューファインダ(EVF)20とが設けられている。このLCD10およびEVF20では、カラーで画像表示が行われる。
【0024】カメラ本体部2の背面には、「撮影モード」と「再生モード」とを切換設定する撮影/再生モード設定スイッチ14が設けられている。撮影モードは、写真撮影を行なうモードであり、再生モードは、メモリカード8に記録された撮影画像をLCD10に再生表示するモードである。
【0025】デジタルカメラ1の背面右方には、4連スイッチ35が設けられており、ボタンL、Rを押すことにより、ズームモータM1が駆動しズーミングを行い、その他、ボタンU、D、L、Rで各種操作を行う。
【0026】また、カメラ本体部2の背面には、LCDボタン31、確定ボタン32、取消ボタン33、およびメニューボタン34が設けられている。このLCDボタン31は、LCD表示またはEVF表示をオンオフさせるためのボタンであり、LCDボタン31を押す毎にLCD表示またはEVF表示のオンオフ状態が切り替わる(後で詳述)。
【0027】また、カメラ本体部2の側面には、外部モニタ端子222が設けられている。この外部モニタ端子222は、デジタルカメラ1から外部モニタに画像データなどを伝送するための端子である。
【0028】図1に示すように、デジタルカメラ1はメモリカード8が装着されるようになっている。また、デジタルカメラ1は、4本の単三形乾電池E1〜E4を直列接続してなる電源電池Eを駆動源としている。
【0029】<デジタルカメラ1の機能ブロック>図4は、デジタルカメラ1の機能ブロック図である。同図において、CCD303は、レンズ群30により結像された被写体の光像を、R(赤),G(緑),B(青)の色成分の画像信号(各画素で受光された画素信号の信号列からなる信号)に光電変換して出力する。タイミングジェネレータ314は、CCD303の駆動を制御するための各種のタイミングパルスを生成するものである。
【0030】撮像部3における露出制御は、絞り制御ドライバ306によるレンズ群30の絞りと、CCD303の露光量、すなわち、シャッタスピードに相当するCCD303の電荷蓄積時間を調節して行なわれる。被写体輝度が低輝度時に適切なシャッタスピードが設定できない場合は、CCD303から出力される画像信号のレベル調整を行なうことにより露光不足による不適正露出が補正される。すなわち、低輝度時は、シャッタスピードとゲイン調整とを組み合わせて露出制御が行なわれる。画像信号のレベル調整は、信号処理回路313内のAGC回路のゲイン調整において行なわれる。
【0031】タイミングジェネレータ314は、タイミング制御回路202から送信される基準クロック基づきCCD303の駆動制御信号を生成するものである。タイミングジェネレータ314は、例えば積分開始/終了(露出開始/終了)のタイミング信号、各画素の受光信号の読出制御信号(水平同期信号,垂直同期信号,転送信号等)等のクロック信号を生成し、CCD303に出力する。
【0032】信号処理回路313は、CCD303から出力される画像信号(アナログ信号)に所定のアナログ信号処理を施すものである。信号処理回路313は、CDS(相関二重サンプリング)回路とAGC(オートゲインコントロール)回路とを有し、CDS回路により画像信号のノイズの低減を行ない、AGC回路のゲインを調整することにより画像信号のレベル調整を行なう。
【0033】調光回路304は、フラッシュ撮影における内蔵フラッシュ5の発光量を全体制御部211により設定された所定の発光量に制御するものである。フラッシュ撮影においては、露出開始と同時に被写体からのフラッシュ光の反射光が調光センサ305により受光され、この受光量が所定の発光量に達すると、調光回路304から発光停止信号が出力され、この発光停止信号に応答して内蔵フラッシュ5の発光を強制的に停止し、これにより内蔵フラッシュ5の発光量が所定の発光量に制御される。
【0034】A/D変換器205は、画像信号の各画素信号を12ビットのデジタル信号に変換するものである。A/D変換器205は、タイミング発生回路から入力されるA/D変換用のクロックに基づいて各画素信号(アナログ信号)を12ビットのデジタル信号に変換する。
【0035】タイミングジェネレータ314、A/D変換器205に対するクロックを生成するタイミング制御回路202が設けられている。タイミング制御回路202は、全体制御部211内の基準クロックにより制御される。
【0036】黒レベル補正回路206は、A/D変換された画素信号の黒レベルを基準の黒レベルに補正するものである。また、WB(ホワイトバランス)回路207は、R,G,Bの各色成分の画素データのレベル変換を行なうものである。WB回路207は、全体制御部211から入力されるレベル変換テーブルを用いてR,G,Bの各色成分の画素データのレベルを変換する。なお、レベル変換テーブルの各色成分のパラメータ(特性の傾き)は全体制御部211により、オートまたはマニュアルで、撮影画像毎に設定される。
【0037】γ補正回路208は、画素データの階調を補正するものである。画像メモリ209は、γ補正回路208から出力される画素データを記憶するメモリである。画像メモリ209は、1フレーム分の記憶容量を有している。すなわち、画像メモリ209は、CCD303画素数に対応する1600×1200画素分の画素データの記憶容量を有し、各画素データが対応する画素位置に記憶されるようになっている。
【0038】LCDVRAM210は、LCD10に表示される画像データのバッファメモリである。LCDVRAM210は、LCD10の画素数400×300に対応した画像データの記憶容量を有している。
【0039】EVFVRAM220は、EVF20に表示される画像データのバッファメモリである。EVFVRAM220は、EVF20の画素数640×480に対応した画像データの記憶容量を有している。
【0040】また、撮影待機状態においては、撮像部3により1/30(秒)毎に撮像された画像の各画素データがA/D変換器205〜γ補正回路208により所定の信号処理を施された後、画像メモリ209に一時記憶されるとともに、全体制御部211を介してLCDVRAM210、EVFVRAM220に転送され、LCD10やEVF20に表示される(ライブビュー表示)。
【0041】これによって、ユーザは被写体像を視認することができる。また、再生モードにおいては、メモリカード8から読み出された画像が全体制御部211で所定の信号処理が施された後、VRAM210に転送され、LCD10に再生表示される。EVF20でも同様の表示が行われる。
【0042】カードI/F212は、メモリカード8への画像データの書込み及び画像データの読出しを行なうためのインターフィースである。また、通信用I/F224は、パーソナルコンピュータ225を通信可能に外部接続するための、例えばUSB規格に準拠したインターフェースである。このカードI/F212、通信用I/F224を介して、メモリカード8やCD−ROM226などの記録媒体に記録している制御プログラムを、全体制御部211のROM内に取り込むことができる。
【0043】RTC219は、撮影日時を管理するするための時計回路である。図示しない別の電源で駆動される。
【0044】操作部250は、上述したシャッターボタン9、LCDボタン31、確定ボタン32などの各種スイッチ、ボタンなどで構成されている。
【0045】シャッタボタン9は、銀塩カメラで採用されているような半押し状態(S1)と押し込んだ状態(S2)とが検出可能な2段階スイッチになっている。待機状態でシャッターボタン9をS1状態にすると、AFのためのレンズ駆動を開始し、全体制御部211による画像メモリ209内における画像のコントラストを評価しながら、コントラストがもっとも高くなるようにモータM1、M2により、レンズを駆動し停止させる。S1状態時の画像メモリ内の画像データのレベルを判定することで、シャッタースピード(SS)と絞り値を決定する。さらにホワイトバランスの補正値を決定する。
【0046】NTSC変換器221は、VRAM220に格納される画像信号を、NTSC方式に信号変換を行い、EVF20と、外部モニタ端子222を介して外部モニタ223とに転送する。
【0047】全体制御部211は、マイクロコンピュータからなり、上述したカメラの各部材の駆動を有機的に制御してデジタルカメラ1の撮影動作を統括制御するものである。
【0048】図5は、全体制御部211内のCPUやメモリの全体によって実現される内部機能を示すブロック図である。この全体制御部211は、露出制御値(シャッタスピード(SS)と絞り値)を設定するための輝度判定部211aと露光量設定部211bとを備えている。
【0049】さらに、全体制御部211は、上記撮影画像の記録処理を行なうために、フィルタリング処理を行なうフィルタ部211fと、サムネイル画像及び圧縮画像を生成する記録画像生成部211gとを備え、メモリカード8に記録された画像をLCD10やEVF20に再生するために、再生画像を生成する再生画像生成部211hを備えている。
【0050】上記のフィルタ部211fは、デジタルフィルタにより記録すべき画像の高周波成分を補正して輪郭に関する画質の補正を行なうものである。
【0051】記録画像生成部211gは、画像メモリ209から画素データを読み出してメモリカード8に記録すべきサムネイル画像と圧縮画像とを生成する。記録画像生成部211gは、画像メモリ209から横方向と縦方向の両方向でそれぞれ8画素毎に画素データを読み出し、順次、メモリカード8に転送することで、サムネイル画像を生成しつつメモリカード8に記録する。
【0052】また、記録画像生成部211hは、画像メモリ209から全画素データを読み出し、これらの画素データに2次元DCT変換、ハフマン符号化等のJPEG方式による所定の圧縮処理を施して圧縮画像の画像データを生成し、この圧縮画像データをメモリカード8の本画像エリアに記録する。
【0053】全体制御部211は、撮影モードにおいて、シャッタボタン9により撮影が指示されると、撮影指示後に画像メモリ209に取り込まれた画像のサムネイル画像と設定された圧縮率によりJPEG方式により圧縮された圧縮画像とを生成し、撮影画像に関するタグ情報(コマ番号、露出値、シャッタスピード、圧縮率、撮影日、撮影時のフラッシュのオンオフのデータ、シーン情報、画像の判定結果等)等の情報とともに両画像をメモリカード8に記憶する。
【0054】デジタルカメラ1によって記録された画像の各コマはタグの部分とJPEG形式で圧縮された高解像度の画像データ((1600×1200)画素)とサムネイル表示用の画像データ(80×60)画素)が記録されている。
【0055】撮影/再生モード設定スイッチ14を再生モードに設定したときには、メモリカード8内のコマ番号の最も大きな画像データが読み出され、再生画像生成部211hにてデータ伸張され、これがVRAM210、220に転送されることにより、LCD10やEVF20には、コマ番号の最も大きな画像すなわち直近に撮影された画像が表示される。ボタンUを操作することにより、コマ番号の大きな画像が表示され、ボタンDを押すことによりコマ番号の小さな画像が表示される。
【0056】メモリカード8は、図6に示すように、デジタルカメラ1によって記憶された画像を、圧縮率1/20で230コマの画像分記憶可能であり、各コマは、タグ情報の部分と、JPEG形式で圧縮された高解像度の画像信号(640×480画素)とサムネイル表示用の画像信号(80×60画素)が記録されている。各コマ単位で、例えばEXIF形式の画像ファイルとして扱うことが可能である。
【0057】<デジタルカメラ1の動作>以下では、デジタルカメラ1の動作のうち、撮影処理に関する動作と、LCD10およびEVF20における4種類の表示モード切替に関する動作とを説明する。なお、この撮影処理および表示モードの切替以外については、デジタルカメラの一般的な動作が行われる。
【0058】図7は、撮影処理の動作概要を説明するフローチャートである。
【0059】まず、ステップST1では、シャッターボタン9が半押し(S1)となっているかを判定する。ここで、シャッターボタン9が半押しである場合には、ステップST2に進む。
【0060】ステップST2では、デジタルカメラ1の各種処理、設定などを行う。具体的には、全体制御部211により、画像メモリ209内の画像データに対して、AE、AF、WBの処理を行う。また、撮影のためのレンズ群30の位置、絞り、SSの設定を行うとともに、WBパラメータを取得する。
【0061】ステップST3では、シャッターボタン9が全押し(S2)となっているかを判定する。ここで、全押しである場合には、ステップST4に進み、全押しでない場合には、ステップST1に進む。
【0062】ステップST4では、CCD303により画像データを取得して、この画像データを画像メモリ209に一時的に格納する。
【0063】ステップST5では、画像メモリ209に格納されている画像データに対して、ステップST2で取得したWBパラメータによるWB処理を行う。
【0064】ステップST6では、アフタービュー表示、すなわち撮影直後の撮影画像表示を行う。アフタービュー表示は、デジタルカメラ1の設定状態(表2参照)により、撮影画像、若しくは、撮影画像に関する付加的情報の表示が行われるか、または全く表示が行われないこととなる。
【0065】図8は、上記の撮影画像に関する付加的情報の表示を説明する図である。
【0066】デジタルカメラ1においては、EVF20において第1情報である撮影表示20fが表示されるとともに、LCD10においても撮影画像10fが表示される。また、LCD10では、撮影時に記録された撮影条件などの付加的情報表示10gがさらに表示される。この撮影画像10fおよび付加的情報表示10gが第2情報となる。付加的情報表示10gは、カメラステータスの設定状態表示10j、撮影のコマ番号表示10k、およびヒストグラム10hなどで構成されている。
【0067】ヒストグラム10hは、横軸が輝度値を、縦軸が画素数を示しており、このヒストグラム10hを、ユーザーが確認することにより、撮影画像における露光が適切であるかの判定が容易となる。
【0068】以上の撮影画像に関する付加的情報の表示により、撮影画像と撮影画像に関する付加的情報との対比が可能となり、利便性が向上する。
【0069】図7に示すフローチャートに戻り、以下を説明する。
【0070】ステップST7では、取得された画像データをメモリカード8に記録するかを判定する。ここで、記録する場合には、確定ボタン32を押下することによりステップST8に進み、記録しない場合には、取消ボタン33を押下することによりステップST1に進む。
【0071】ステップST8では、画像データの記録処理を行う。ここでは、取得した画像データのメモリカード8への保存が行われる。
【0072】次に、LCD10およびEVF20における表示モード切替の動作を説明する。
【0073】この表示モードについては、次の表1に示すような4種類の表示モード(LCD&EVF_Status)が設けられている。
【0074】
【表1】
【0075】表示モード0では、EVF20において表示がオフになるとともに、LCD10においてライブビュー表示、すなわち現在撮像されている画像の表示が行われる。
【0076】表示モード1では、表示モード0とは逆で、EVF20においてライブビュー表示が行われるとともに、LCD10において表示がオフになる。
【0077】表示モード2では、EVF20とLCD10とにおいて、ライブビュー表示が行われる。
【0078】表示モード3では、EVF20においてライブビュー表示が行われるとともに、LCD10において、図12のようにデジタルカメラ1の設定状態を示すカメラステータス表示(後述)が行われる。
【0079】図9は、表示モード切替の動作概要を説明するフローチャートである。
【0080】まず、ステップST11では、前回終了時、つまりデジタルカメラ1の電源切時の表示モード(LCD&EVF_Status)の設定値の読込みを行う。なお、ステップST11は、電源投入時にのみ実施される。
【0081】ステップST12では、表示モードの切替スイッチであるLCDボタン31が押下されたか判定する。ここで、LCDボタン31が押下されている場合には、ステップST13に進み、LCDボタン31が押下されていない場合には、ステップST16に進む。
【0082】ステップST13では、LCD&EVF_Statusに1を加算する。つまり、LCD&EVF_Status=LCD&EVF_Status+1の演算が行われる。
【0083】ステップST14では、LCD&EVF_Statusが3より大きいかを判定する。ここで、LCD&EVF_Statusが3より大きい場合には、ステップST15に進み、LCD&EVF_Statusが3以下の場合には、ステップST16に進む。
【0084】ステップST15では、LCD&EVF_Statusに0を代入する。これは、上述のように、モード設定値が0〜3までのため、LCD&EVF_Statusを3以下に抑えるためである。
【0085】ステップST16では、表示モード(LCD&EVF_Status)に基づいて、LCD10、EVF20に撮像画像などの表示を行う。
【0086】以上により、LCD10とEVF20とで上記4種類の表示モードの切替えを行うことができる。
【0087】ステップST17では、メニューボタン34が押下されているかを判定する。押下されている場合には、ステップST17に進み、押下されていない場合には、ステップST18に進む。
【0088】ステップST18では、設定モードに画面が切り替わる。
【0089】図10は、上記の設定モードの動作概要を説明するフローチャートである。
【0090】ステップST21では、表示モード(LCD&EVF_Status)が3、つまりLCD10においてカメラステータス表示を行っているかを判定する。ここで、表示モードが3の場合には、ステップST22に進み、表示モードが3でない場合には、ステップST26に進む。
【0091】ステップST22では、撮影モードの設定状態に係るカメラステータスの設定入力を行う。
【0092】図11は、図3に示すデジタルカメラ1の背面図に対応し、上記のカメラステータスの設定入力動作を説明する図である。
【0093】デジタルカメラ1においては、EVF20に第1情報である撮影画像20sが表示されるとともに、LCD10に第2情報であるカメラステータス表示10sが表示される。
【0094】図12は、LCD10で表示されるカメラステータス表示10sの詳細を示す図である。図12に示すように、フラッシュ、撮影、画質などの設定項目とともに、その設定状態が表示される。
【0095】ここで、メニューボタン34を押すと、図13(a)に示すように下線L1が表示され、この下線L1が付されている設定項目、この場合には「フラッシュ」が選択される。
【0096】さらに、ボタンDを1回押すことにより、図13(b)に示すように下線L1が1行下に移動して選択される項目が「撮影」となり、「撮影」の設定状態の変更が可能となる。一方、1行上に下線L1を移動されるには、ボタンUを押す動作を行う。このようにボタンU、Dを押すことによって、所望の項目を選択する。
【0097】次に、図13(a)に示す画面から設定状態の変更を行う場合、ボタンRを押下することにより、フラッシュの項目に対する設定状態の選択画面(図14(a))に切替わる。ここで、ボタンDを押下すると下線L2が1行下に移動して設定状態が「禁止」となる(図14(b))。さらに、ボタンDを押下すると下線L2が1行下に移動して設定状態が「強制発光」となる(図15(a))。また、1行上に下線L1を移動させるには、ボタンUを押す動作を行う。このようなボタンU、Dの操作により、所望の設定状態の選択が行われることとなる。
【0098】そして、例えば、図15(a)に示すように、「強制発光」という設定状態を選択して、確定ボタン32を押すことにより、図13(a)の画面に対応するカメラステータスの設定項目の選択画面(図15(b))に切替わって所望の設定状態が設定される。
【0099】次の表2は、上記のカメラステータスに係る撮影モードの各項目と、それぞれの項目で選択できる設定状態の選択肢とを具体的に示す表である。なお、表2に示す情報は、全体制御部211内のROMに格納されている。
【0100】
【表2】
【0101】表2においては、例えば、「フラッシュ」の項目では、「自動」、「禁止」、「強制発光」、「赤目防止」という4種類の設定状態が設けられ、選択可能となっている。
【0102】なお、ホワイトバランス、露出補正、シーンの各項目については、CCD303で取得した画像データに対する画像補正の設定入力(後述)において、図16に示すように撮影画像と補正後の画像とを対比しながらの入力も可能である。
【0103】以上のカメラステータスの設定入力動作により、EVF20で表示される撮影画像と、LCD10にて表示される撮影モード設定状態との対応付けが容易となる。例えば、撮影画像が青みがかって表示される時に、撮影画像とホワイトバランスの設定状態との対応を確認する場合などに有効である。
【0104】図10に示すフローチャートに戻って、以下説明する。
【0105】ステップST23では、LCDボタン31が押下されたかを判定する。ここで、LCDボタン31が押下されている場合には、ステップST24に進み、LCDボタン31が押下されていない場合には、ステップST25に進む。
【0106】ステップST24では、表示モード(LCD&EVF_Status)に0を代入する。これにより、LCD10では撮影画像のライブビュー表示が行われることとなり、撮影画像が全く表示されないという状態を回避でき、操作性が向上することとなる。
【0107】ステップST25では、確定ボタン32が押下され、入力が完了したかを判定する。ここで、入力が完了している場合には、ステップST12に進み、完了していない場合には、ステップST21に戻る。
【0108】ステップST26では、EVF20がオフ(非表示状態)、つまり表示モード(LCD&EVF_Status)が0となっているかを判定する。ここで、EVF20がオフである場合には、ステップST27に進み、EVF20がオン(表示状態)である場合には、ステップST28に進む。
【0109】ステップST27では、ステップST26で非表示状態であったEVF20に撮影画像を表示する。これにより、LCD10とEVF20とで画像が表示されるため、ステップST28における画像補正動作で、比較対象となる画像が表示されないという事態を防止できる。
【0110】ステップST28では、CCD303で取得した画像データに対する画像補正の設定入力を行い、またステップST29では、表示モード(LCD&EVF_Status)に基づいて、LCD10、EVF20に撮像画像などの表示を行う。この画像補正の設定入力に係る一連の動作を、以下で説明する。
【0111】図16は、図3に示すデジタルカメラ1の背面図に対応し、画像補正の設定入力動作を説明する図である。
【0112】以下では、EVF20がオフで、LCD10がライブビュー表示を行う表示モード0の状態(図16(b)と同様の状態)からの画像補正の設定入力動作を説明する。
【0113】表示モード0の表示状態においてメニューボタン34が押下される(図9のステップST17)と、EVF20がオフのため、強制的にEVF20がオンされて図16(a)に示す設定入力の表示状態となる(図10のステップST26〜ST28)。
【0114】デジタルカメラ1においては、画像補正前の設定が反映された元の撮影画像20aがEVF20に表示されるとともに、撮影画像20aと等しい表示サイズである画像補正後の画像10aが表示される。また、LCD10には、画像補正に係る補正項目、具体的には「露出補正」、「ホワイトバランス」、「シーン」についての設定状態表示10bが表示される。この画像10aおよび設定状態表示10bが、第1情報である撮影画像20aと異なる第2情報となる。ここでは、上記のカメラステータスの設定入力動作と同様に、ボタンU、D、L、Rにより、下線L3を移動させて、設定状態の入力を行う。なお、「露光補正」については、−2EV〜+2EVまで1/3のステップで設定状態の変更が可能である。
【0115】補正項目の設定状態が変更されると、その設定状態を反映した補正後の画像10aがLCD10に表示される。ただし、EVF20の表示は補正前の撮影画像20aのままである。これにより、撮影画像20aと補正後の画像10aとの対比が可能となり、適切な設定状態となったかの判定が容易となる。そして、画像10aが、所望の表示状態となった場合には、確定ボタン32の押下により入力を終了する(ステップST25)。
【0116】設定入力が完了すると、図16(b)に示すように、画像補正の設定動作直前の表示モード0の表示状態に戻る。すなわち、EVF20がオフとなり、LCD10では画像補正に関して適切な設定状態となった撮影画像のライブビュー表示が行われる。
【0117】以上の画像補正の設定入力動作により、EVF20で表示される撮影画像と、LCD10で表示される画像補正後の画像の対比が可能となり、利便性が向上することとなる。
【0118】また、以上のデジタルカメラ1の動作により、EVF20では撮影画像の表示を行うとともに、LCD10ではカメラステータス表示10s、画像補正の設定状態表示10b、または付加的情報表示10gの表示を行えるため、2つのモニタ、LCD10およびEVF20の有効活用を図ることができる。
【0119】<変形例>◎上記の実施形態では、EVF20に撮影画像を表示し、この撮影画像と異なる情報をLCD10に表示しているが、LCD10に撮影画像を表示し、撮影画像と異なる情報をEVF20に表示してもよい。
【0120】◎本発明については、上記実施形態のように静止画が主に撮影対象となるデジタルカメラに限らず、動画を撮影できるビデオカメラなどにも適用できる。すなわち、本明細書における「電子カメラ」は、静止画および動画のいずれが撮影対象であってもよい。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請求項12の発明によれば、第1表示手段では撮影画像に関する第1情報を表示するとともに、第2表示手段では第1情報と異なる第2情報を表示するため、画像表示可能な複数のモニタが有効活用できる。
【0122】特に、請求項2の発明においては、第1表示手段と第2表示手段とは電子ビューファインダと液晶ディスプレイとの組合せであるため、撮影状態によって適切なモニタを選択できる。
【0123】また、請求項3の発明においては、第2情報は電子カメラの撮影モード設定状態に関する情報を含むため、撮影画像と撮影モード設定状態との対応付けが容易になる。
【0124】また、請求項4の発明においては、第1表示手段を非表示に切替える場合には、第2表示手段で第1情報を表示するため、撮影画像が全く表示されない状態を回避でき、操作性が向上する。
【0125】また、請求項5の発明においては、第2情報は画像補正を行った後の画像に関する情報を含むため、撮影画像と画像補正後との画像の対比が可能となる。
【0126】また、請求項6の発明においては、第2情報は補正項目と設定状態との情報を含むため、設定状態と画像補正後の画像との対比が容易になる。
【0127】また、請求項7の発明においては、第1表示手段が非表示状態で画像補正を行う場合には第1表示手段を強制的に表示状態に切替えるため、比較対象となる撮影画像と補正後の画像が表示されないという事態を防止できる。
【0128】また、請求項8の発明においては、使用態様は第1表示手段および第2表示手段の表示と非表示とに関する態様であるため、電子カメラにおける省電力に寄与できる。
【0129】また、請求項9の発明においては、第2情報は撮影画像に関する付加的情報を含むため、撮影画像と撮影画像に関する付加的情報との対比が可能となる。
【0130】また、請求項10の発明においては、付加的情報は撮影画像の露光に関するヒストグラムを含むため、露光が適切であるかの判断が容易となる。
【0131】また、請求項11の発明においては、ヒストグラムは撮影直後に表示されるため、適切な露光で撮影されたかの判断が撮影直後に可能となる。
【0132】また、請求項12の発明においては、付加的情報は撮影時に記録された情報を含むため、撮影画像と撮影条件などの対比が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1の平面図である。
【図2】図1のII−II位置から見た断面図である。
【図3】デジタルカメラ1の背面図である。
【図4】デジタルカメラ1の機能ブロック図である。
【図5】全体制御部211内の内部構成を示すブロック図である。
【図6】メモリカード8の画像記憶を説明する図である。
【図7】撮影処理の動作概要を説明するフローチャートである。
【図8】付加的情報の表示を説明する図である。
【図9】表示モード切替の動作概要を説明するフローチャートである。
【図10】設定モードの動作概要を説明するフローチャートである。
【図11】カメラステータスの設定入力動作を説明する図である。
【図12】LCD10にけるカメラステータス表示10sの詳細を示す図である。
【図13】カメラステータスに関する設定画面を示す図である。
【図14】カメラステータスに関する設定画面を示す図である。
【図15】カメラステータスに関する設定画面を示す図である。
【図16】画像補正の設定入力動作を説明する図である。
【符号の説明】
1 デジタルカメラ
10 LCD
10a、10f 撮影画像
10b 画像補正の設定状態表示
10g 付加的情報表示
10h ヒストグラム
10s カメラステータス表示
20 EVF
20a、20f、20s 撮影画像
31 LCDボタン
32 確定ボタン
34 メニューボタン
35 4連スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子カメラであって、(a) 電子的に撮影画像を表示可能な第1表示手段と、(b) 前記第1表示手段と異なる表示態様で、電子的に撮影画像を表示可能な第2表示手段と、を備え、前記第1表示手段では、撮影画像に関する第1情報を表示するとともに、前記第2表示手段では、前記第1情報と異なる第2情報を表示することを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】 請求項1に記載の電子カメラにおいて、前記第1表示手段と前記第2表示手段とは、電子ビューファインダと、前記電子カメラの背面に設けられた液晶ディスプレイとの組合せであることを特徴とする電子カメラ。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電子カメラにおいて、前記第2情報は、前記電子カメラの撮影モードの設定状態に関する情報を含むことを特徴とする電子カメラ。
【請求項4】 請求項3に記載の電子カメラにおいて、前記第1表示手段は、表示と非表示との切替が可能であり、前記第1表示手段を非表示に切替える場合には、前記第2表示手段で、前記第1情報を表示することを特徴とする電子カメラ。
【請求項5】 請求項1または請求項2に記載の電子カメラにおいて前記第2情報は、前記撮影画像に対して画像補正を行った後の画像に関する情報を含むことを特徴とする電子カメラ。
【請求項6】 請求項5に記載の電子カメラにおいて、前記第2情報は、前記画像補正に関する補正項目と、前記補正項目に関する設定状態との情報を含むことを特徴とする電子カメラ。
【請求項7】 請求項5または請求項6に記載の電子カメラにおいて、前記第1表示手段は、表示状態と非表示状態との切替が可能であり、前記第1表示手段が非表示状態であっても、前記画像補正を行う場合には前記第1表示手段を強制的に表示状態に切替える強制切替手段をさらに備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項8】 請求項7に記載の電子カメラにおいて、前記使用態様は、前記第1表示手段および前記第2表示手段の表示と非表示とに関する態様であることを特徴とする電子カメラ。
【請求項9】 請求項1または請求項2に記載の電子カメラにおいて、前記第2情報は、前記撮影画像に関する付加的情報を含むことを特徴とする電子カメラ。
【請求項10】 請求項9に記載の電子カメラにおいて、前記付加的情報は、前記撮影画像の露光に関するヒストグラムを含むことを特徴とする電子カメラ。
【請求項11】 請求項10に記載の電子カメラにおいて、前記ヒストグラムは、撮影直後に表示されることを特徴とする電子カメラ。
【請求項12】 請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の電子カメラにおいて、前記付加的情報は、撮影時に記録された情報を含むことを特徴とする電子カメラ。
【請求項1】 電子カメラであって、(a) 電子的に撮影画像を表示可能な第1表示手段と、(b) 前記第1表示手段と異なる表示態様で、電子的に撮影画像を表示可能な第2表示手段と、を備え、前記第1表示手段では、撮影画像に関する第1情報を表示するとともに、前記第2表示手段では、前記第1情報と異なる第2情報を表示することを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】 請求項1に記載の電子カメラにおいて、前記第1表示手段と前記第2表示手段とは、電子ビューファインダと、前記電子カメラの背面に設けられた液晶ディスプレイとの組合せであることを特徴とする電子カメラ。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電子カメラにおいて、前記第2情報は、前記電子カメラの撮影モードの設定状態に関する情報を含むことを特徴とする電子カメラ。
【請求項4】 請求項3に記載の電子カメラにおいて、前記第1表示手段は、表示と非表示との切替が可能であり、前記第1表示手段を非表示に切替える場合には、前記第2表示手段で、前記第1情報を表示することを特徴とする電子カメラ。
【請求項5】 請求項1または請求項2に記載の電子カメラにおいて前記第2情報は、前記撮影画像に対して画像補正を行った後の画像に関する情報を含むことを特徴とする電子カメラ。
【請求項6】 請求項5に記載の電子カメラにおいて、前記第2情報は、前記画像補正に関する補正項目と、前記補正項目に関する設定状態との情報を含むことを特徴とする電子カメラ。
【請求項7】 請求項5または請求項6に記載の電子カメラにおいて、前記第1表示手段は、表示状態と非表示状態との切替が可能であり、前記第1表示手段が非表示状態であっても、前記画像補正を行う場合には前記第1表示手段を強制的に表示状態に切替える強制切替手段をさらに備えることを特徴とする電子カメラ。
【請求項8】 請求項7に記載の電子カメラにおいて、前記使用態様は、前記第1表示手段および前記第2表示手段の表示と非表示とに関する態様であることを特徴とする電子カメラ。
【請求項9】 請求項1または請求項2に記載の電子カメラにおいて、前記第2情報は、前記撮影画像に関する付加的情報を含むことを特徴とする電子カメラ。
【請求項10】 請求項9に記載の電子カメラにおいて、前記付加的情報は、前記撮影画像の露光に関するヒストグラムを含むことを特徴とする電子カメラ。
【請求項11】 請求項10に記載の電子カメラにおいて、前記ヒストグラムは、撮影直後に表示されることを特徴とする電子カメラ。
【請求項12】 請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の電子カメラにおいて、前記付加的情報は、撮影時に記録された情報を含むことを特徴とする電子カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図5】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2001−177742(P2001−177742A)
【公開日】平成13年6月29日(2001.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−361064
【出願日】平成11年12月20日(1999.12.20)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成13年6月29日(2001.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成11年12月20日(1999.12.20)
【出願人】(000006079)ミノルタ株式会社 (155)
【Fターム(参考)】
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