電子機器及びデジタルカメラ
【課題】ユーザに対応して設定を変更する。
【解決手段】デジタルカメラ1は、付属部品2のIDをRFID読取部22で読み取り、デジタルカメラ1の設定情報と対応付ける。デジタルカメラ1は、ある付属部品2が装着されると、この付属部品2のIDをRFID読取部で読み取り、このIDに対応する設定情報を読み出す。また、デジタルカメラ1は、電源の遮断時に付属部品2のIDをRFID読取部22で読み取り、既に登録された設定情報を電源遮断前の設定情報で更新する。
【解決手段】デジタルカメラ1は、付属部品2のIDをRFID読取部22で読み取り、デジタルカメラ1の設定情報と対応付ける。デジタルカメラ1は、ある付属部品2が装着されると、この付属部品2のIDをRFID読取部で読み取り、このIDに対応する設定情報を読み出す。また、デジタルカメラ1は、電源の遮断時に付属部品2のIDをRFID読取部22で読み取り、既に登録された設定情報を電源遮断前の設定情報で更新する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定を変更することが電子機器及びデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子機器には、様々な設定ができるようになっている。例えば、携帯電話であれば、基準となる時刻、着信音量、着信音の種類、ディスプレイの明るさ、表示文字の大きさなどが設定できる。また、デジタルカメラでは、撮影モード、撮影画像サイズ、記録ファイル形式などを設定することができる。
【0003】
近年の電子機器では、設定できる条件が非常に多く、ユーザが全ての条件を把握して設定するのは非常に煩雑である。また、携帯電話のように使用する個人が特定されている場合には、一度設定したものをそのまま継続しておいても問題はないが、デジタルカメラ、音響機器などは、複数のユーザによって使用される可能性が高いので、ユーザごとに適した設定にした方がよいが、ユーザが変わるたびに手動で設定を変更するのは非常に煩雑である。
【0004】
従来、ユーザの網膜パターン、虹彩パターンなどの眼球情報を記録し、眼球情報でユーザを特定する。そして、眼球情報がマッチングしたユーザの設定情報を読み出し、読み出した設定に基づいて処理動作を行、ユーザによる設定変更の煩わしさをなくすデジタルカメラが存在した(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1記載の発明では、ユーザのファインダーを覘いているユーザの眼球をデジタルカメラに登録している。近年の電子機器は、小型化が重要な課題となっており、ユーザを識別するために撮像部を設けるのは電子機器の小型化を妨げてしまう。また、デジタルカメラのように元々撮像部を備えた電子機器であっても、ファインダーから覘いた眼球を撮像する構成を追加すると、構造が複雑になったり、追加した構成の分だけサイズを大きくしなくてはならない可能性がある。
【0006】
【特許文献1】特開2003−87627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、ユーザに対応して設定を変更する電子機器及びデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる電子機器は、設定情報を変更することができる電子機器であって、識別情報を保持する識別情報保持手段を備える付属部品と、識別情報保持手段に保持された識別情報を読み取る読取手段と、読取手段が読み取った付属部品の識別情報と電子機器の設定情報とを対応付けて記録する設定情報記録手段と、読取手段が読み取った識別情報に対応する設定情報を設定情報記録手段から読み出し、設定情報に基づいて処理を行う設定変更手段とを備える。
【0009】
また、本発明にかかるデジタルカメラは、設定情報を変更することができるデジタルカメラであって、RFIDタグを備える付属部品と、RFIDタグに保持された識別情報を読み取る読取手段と、画像を撮影する撮影手段と、RFIDタグに保持された識別情報と当該デジタルカメラの設定情報とを対応付けて記録する設定情報記録手段と、読取手段が読み取った識別情報に対応する設定情報を設定情報記録手段から読み出し、設定情報に基づいて処理を行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明を適用した電子機器は、付属部品の識別情報と設定情報とを対応づけて記録し、現在装着している付属部品に対応する設定情報に基づいて処理を行う。そのため、付属部品を取り替えるだけで設定を手動で変更しなくとも、簡単に設定情報の変更を行うことができる。
【0011】
また、本発明を適用したデジタルカメラは、付属部品の識別情報に対応する記録領域を作成するため、ユーザが記録領域を自身が作成する手間や撮影した画像の記録場所を分類する手間を省略することができる。さらに、付属部品の識別情報に対応する記録領域に格納された画像のみを表示させるため、複数のユーザが1つのデジタルカメラを使用していたとしても付属部品を所有していない他のユーザが記録媒体に格納された自身の画像を閲覧することができない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、着脱可能な付属部品を備えた電子機器に適用される。本発明では、付属部品にRFIDタグを設け、RFIDタグに付属部品のIDを記録する。電子機器は、IDに対応する設定情報が格納されている。電子機器は、装着された付属部品のIDに対応する設定で動作する。
【0013】
以下、図面を参照して本発明を適用したデジタルカメラ1について説明する。デジタルカメラ1は、図1に示すように、着脱可能の付属部品2を備える。図中では、符号2aをデジタルカメラに取り付けられるストラップ、符号2bをデジタルカメラに装着されるバッテリ、符号2cをデジタルカメラに挿入されるカード型の半導体メモリ2c、符号2dを光ディスクや磁気ディスクのようなディスク状記録媒体2dで示す。本発明を適用したストラップ2a、バッテリ2b、半導体メモリ2c、ディスク状記録媒体2dは、それぞれのIDを記録したRFIDタグ3a,3b,3c,3dが設けられている。
【0014】
RFIDタグ3は、付属部品2の表面付近に埋め込むとよい。付属部品2の表面付近に埋め込むと、付属部品2の深い位置に取り付けるよりもRFIDタグ3の受信機との距離が近くなり受信機の認識精度が高くなる。また、付属部品2に埋め込むとRFIDタグ3が外れる、若しくは、外されるおそれがなくなる。
【0015】
ストラップ2aなどのアクセサリにRFIDタグ3を取り付ける場合は、できるだけRFIDタグが埋め込みやすい位置(例えば、ストラップの根元)に取り付ける。なお、ストラップ2aにRFIDタグ3を着けた場合、RFIDタグ3を認識させるためにユーザがストラップ2aをデジタルカメラ1に近づけなければならない。
【0016】
また、半導体メモリ2cのような記録媒体にRFIDタグ3を取り付ける場合、図2(a)に示すように、記録媒体の外装部分の決められた位置に製造段階で埋め込む。そして、図2(b)に示すようにデジタルカメラ1側にもRFIDタグ3の読取部4を設ける。図2(c)に示すように半導体メモリ2cをデジタルカメラ1に装着したとき、RFIDタグ3と読取部4とが接触する位置に設けると、RFIDタグ3と読取部4確実に近づけることができる。
【0017】
さらに、RFIDタグ3は、読取部から離れてしまうと認識できないのを利用して、スライドスイッチを使ってRFIDタグ3を使用するか使用しないかユーザが選択することも可能である。この半導体メモリ2cは、図3(a)に示すようにスライドスイッチ5が設けられている。スライドスイッチ5の表面にはRFIDタグ3が設けられている。RFIDタグ3は、スライドスイッチの内部に埋め込まれていてもよい。そして、スライドスイッチ5を一方向、図3(b)では左側にスライドさせると、RFIDタグ3がRFIDタグ3の読取部4に接触する位置に移動する。一方、スライドスイッチ5を他方向、図3(c)では右側にスライドさせると、RFIDタグ3がRFIDタグ3の受信部4から離れる位置に移動する。これにより、RFIDタグ3を使用できない状態にすることができる。
【0018】
次いで、図4を参照してデジタルカメラの構成を説明する。被写体からの光は、レンズ10ブロックを通ってCCD(Charge Coupled Device)11に結像する。CCD11は、光を電気信号に変換して、CAM(Content Addressable Memory)12に出力される。CAM12に蓄えられた生画像は、SDRAM(Synchronous DRAM)インターフェースモジュールを経由してSDRAM13に出力される。SDRAM13には、キャプチャ領域13a、記録画像用領域13b、表示画像用領域13cに区分されている。CCD11から出力された生画像は、キャプチャ領域13aに格納される。キャプチャ領域13aは、生画像の一時記憶領域である。
【0019】
キャプチャ領域13aに格納された画像は、サイズ変換部14に出力される。サイズ変換部14は、入力した生画像を指定画像サイズに変更する。サイズ変換部14は、記録画像用領域13bと表示画像用領域13cとに出力する。表示画像用領域13cに出力された画像は、ビデオ復号化部15によってRGB信号に変換され、表示部16に出力される。一方、記録画像用領域13bに出力された画像は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)符号化部17によりJPEG圧縮がかけられる。JPEG圧縮がかけられた画像は、マイクロコントローラ18に出力される。
【0020】
マイクロコントローラ18は、CPU20の一機能として実現される。マイクロコントローラ18は、補助記録装置19を制御し、補助記録装置19へのデータの読み書きを行う。補助記録装置19としては、半導体メモリ、小型のHDD(Hard Disk Drive)、光ディスクなどがある。
【0021】
RFID読取部22は、図5に示すように、入力用アンテナ30、出力用アンテナ31、変調部32、復調部33、コントローラ34を備える。変調部32は、コントローラ34からの制御情報を受けて特定周波数の電磁波を出力用アンテナ31から出力する。RFIDタグ3は、電磁波を起電力として記録している付属部品2のIDを送信する。復調部33は、入力用アンテナ30が受信した電波を復調してコントローラ34に出力する。コントローラ34は、インターフェース35を介して付属部品2のIDをCPU20に出力する。
【0022】
デジタルカメラ1は、画質、画面サイズ、被写体まで距離などを設定することができる。EEPROM21には、デフォルトの設定情報SET0と、デジタルカメラ1のユーザの設定情報SET1〜SETn(nは、登録IDの個数)を格納している。設定情報SET1〜SETnは、付属部品2のIDと対応している。CPU20は、付属部品2のIDに対応する設定情報の取得と、IDに対応する設定情報の登録とを行う。
【0023】
図6を参照して設定情報の取得処理を説明する。CPU20は、デジタルカメラ1の電源投入を検出すると(ステップS11)、RFID読取部22を起動する。RFID読取部22は、RFIDタグ3の読み取りを開始する(ステップS12)。デジタルカメラ1に付属部品2が装着されているとき、付属部品2のRFIDタグ3は、特定周波数の電磁波を起電力として付属部品2のIDを出力する。デジタルカメラ1に付属部品2が装着されていないとき、CPU20は付属部品2のIDを取得することができない(ステップS13;NO)。このとき、CPU20は、EEPROM21からデフォルトの設定情報SET0を読み出し(ステップS14)、設定情報SET0をデジタルカメラの動作に反映させる(ステップ15)。
【0024】
一方、デジタルカメラ1に付属部品2が装着されているとき、CPU20は、RFID読取部22から付属部品2のIDを取得する(ステップS13;YES)。CPU20は、RFID読取部22から付属部品2のIDを取得すると、このIDに対応する設定情報を検索する。そして、IDに対応する設定情報が存在しないときには(ステップS16;NO)、EEPROM21からデフォルトの設定情報SET0を読み出し(ステップS17)、設定情報SET0をデジタルカメラ1の動作に反映させる(ステップS15)。
【0025】
一方、付属部品2のIDに対応する設定情報が存在するときには(ステップS16;YES)、IDに対応する設定情報SETi(但し、1≦i≦n)をEEPROM21から読み出し(ステップS18)、SETiをデジタルカメラ1の動作に反映させる(ステップS15)。
【0026】
次いで、図7を参照して設定情報の登録処理を説明する。CPU20は、デジタルカメラ1の電源オフが指示されると(ステップS21)、RFID読取部22にRFIDタグ3の読取開始を指示する(ステップS22)。RFID読取部22は、特定周波数の電磁波を出力し、RFIDタグ3からの応答を待機する。デジタルカメラ1に付属部品2が装着されていないとき、CPU20は、付属部品2のIDを取得することができない(ステップS23;NO)。このとき、CPU20は、EEPROM21に設定を保存することなく(ステップS24)、デジタルカメラ1の動作を終了して電源を遮断する(ステップS25)。
【0027】
一方、CPU20は、RFID読取部22から付属部品2のIDを取得すると(ステップS23;YES)、このIDに対応する設定情報を検索する。そして、IDに対応する設定情報が存在しないときには(ステップS26;NO)、CPU20は、ステップS26で取得したIDと現在の設定情報と対応付けてEEPROM21に保存する(ステップS27)。次いで、CPU20は、デジタルカメラ1の動作を終了して電源を遮断する(ステップS25)。
【0028】
一方、IDに対応する設定情報が存在したときには(ステップS26;YES)、CPU20は、IDに対応する設定情報を現在の設定情報に変更する(ステップS28)。次いで、CPU20は、デジタルカメラ1の動作を終了して電源を遮断する(ステップS25)。
【0029】
このように、本発明を適用したデジタルカメラ1では、付属部品2のIDとデジタルカメラ1の設定情報とを対応付けて記録し、付属部品2のIDに対応する設定情報を使用するため、付属部品2を取り変えるだけで、デジタルカメラ1の設定情報を変更することができる。また、本発明を適用したデジタルカメラ1では、電源の遮断時に設定情報を自動的に更新するため、ユーザが設定を手動で登録する必要がない。
【0030】
次いで、デジタルカメラ1におけるRFIDタグ3の使用例を説明する。この例におけるデジタルカメラ1は、ファイルの論理的な入れ場所であるフォルダを半導体メモリに自動的に作成し、このフォルダと付属部品2のIDとを対応付ける。静止画の再生時には、デジタルカメラ1に装着された付属部品2のIDに対応するフォルダを読み出す。これにより、付属部品2を所有するユーザにフォルダの閲覧権を与える。
【0031】
図8を参照してフォルダを作成する手順を説明する。CPU20は、電源の投入を検出すると(ステップS31)、RFID読取部22を起動する。RFID読取部22は、RFIDタグ3の読み取りを開始する(ステップS32)。デジタルカメラ1に付属部品が装着されているとき、付属部品2のRFIDタグ3は、特定周波数の電磁波を起電力として付属部品2のIDを出力する。デジタルカメラ1に付属部品2が装着されていないとき、CPU20は付属部品2のIDを取得することができない(ステップS33;NO)。CPU20は、付属部品2のIDが取得できないときフォルダの作成処理を終了する。
【0032】
一方、CPU20は、付属部品2のIDを取得したとき(ステップS33;YES)、このIDがフォルダ名記録テーブル6に存在するか検索する。フォルダ名記録テーブル6とは、図9に示すような付属部品2のIDとフォルダのパスとを関連付けるテーブルである。CPU20は、ステップS33で取得した付属部品2のIDがフォルダ名記録テーブル6に存在すると(ステップS34;YES)、フォルダの作成処理を終了する。
【0033】
CPU20は、ステップS33で取得した付属部品2のIDがフォルダ名記録テーブル6に存在しないとき(ステップS34;NO)、新規フォルダを作成するか否かをユーザに問い合わせる画面を表示させる(ステップS35)。CPU20は、ユーザが新規フォルダの作成を拒否すると(ステップS36;NO)フォルダの作成処理を終了する。一方、ユーザが新規フォルダの作成処理を指示すると(ステップS36;YES)、フォルダ名及びフォルダの格納場所を決定し半導体メモリに新規フォルダを作成する(ステップS37)。CPU20は、ステップS33で取得した付属部品2のIDと新規フォルダのパスをと対応付けてフォルダ名記録テーブル6に記録し(ステップS38)、フォルダの作成処理を終了する。なお、ステップS37におけるフォルダの名前付けは、例えば、DCF(Design Rule for Camera File System)に準拠する。DCFでは、フォルダの名前が8文字、最初の1〜3文字目が“100”〜“999”の番号、残りの5文字は半角英数大文字のみを使用した文字列であり2バイトコードや特殊コードは使用しないという規則がある。
【0034】
次いで、図10を参照して撮影した静止画をフォルダに記録する手順を説明する。なお、ここでは、既に読み取られた付属部品2のIDがメモリに格納されているものとする。デジタルカメラ1は静止画を撮影すると(ステップS41)、付属部品2のIDをメモリから読み出す(ステップS42)。付属部品2のIDがメモリに存在しない場合(ステップS43;NO)、IDと対応付けられていないフリーなフォルダに静止画を格納する(ステップS44)。
【0035】
一方、付属部品2のIDがメモリに存在するとき(ステップS43;YES)、フォルダ名記録テーブル6を読みだし、付属部品2のIDに対応するフォルダを検索する。付属部品2のIDに対応するフォルダが存在しない場合(ステップS45;NO)、IDと対応付けられていないフリーなフォルダに静止画を格納する(ステップS46)。一方、付属部品2のIDに対応するフォルダが存在する場合(ステップS45;YES)、IDに対応するフォルダに静止画を格納する(ステップS47)。
【0036】
このように、デジタルカメラ1は、付属部品2のIDに対応したフォルダに静止画を記録するため、ユーザがフォルダを指定する操作をしなくても静止画を分類することができる。この機能はフォルダのアクセス制限に使用することができる。
【0037】
次いで、図11を参照してフォルダに格納された静止画を再生する手順について説明する。ここでも、既に読み取られた付属部品2のIDがメモリに格納されているものとする。半導体メモリに記録している静止画の再生が指示されると(ステップS51)、CPU20は、付属部品2のIDをメモリから読み出す(ステップS52)。付属部品2のIDがメモリに存在しない場合(ステップS53;NO)、CPU20は、IDと対応付けられていないフリーなフォルダに格納された静止画を再生する(ステップS54)。
【0038】
一方、付属部品2のIDがメモリに存在するときには(ステップS53;YES)、フォルダ名記録テーブル6を読み出し、付属部品2のIDに対応するフォルダを検索する。付属部品2のIDに対応するフォルダが存在しない場合(ステップS55;NO)、IDと対応付けられていないフリーなフォルダに格納された静止画を再生する(ステップS56)。一方、付属部品2のIDに対応するフォルダが存在する場合(ステップS55;YES)、IDに対応するフォルダに格納された静止画を再生する(ステップS57)。
【0039】
以上説明したように、デジタルカメラ1は、付属部品2のIDに対応付けたフォルダを作成し、付属部品2のIDに対応するフォルダに静止画を格納する。そして、静止画の再生が指示されたときには、再生が指示されたときに装着されている付属部品2のIDに対応するフォルダを読み出す。
【0040】
現行のDCFと呼ばれる規格では、フォルダ名の文字数や使用文字に制約があり、この制約の範囲内でフォルダ名を決定するのは機械操作に不慣れなユーザにとっては煩雑である。本発明を適用したデジタルカメラ1では、自動的にフォルダを作成するため規格の内容や機械の操作方法などを知らなくてもフォルダを作成することができる。
【0041】
また、上述したDCFの名前付け規則では文字数や使用文字に制約があるため、この制約に準拠して作成したフォルダ名はユーザが記憶しにくい文字列になる可能性がある。デジタルカメラ1は、ユーザが付属部品2を所有していれば、フォルダ名を記憶することなく自己のフォルダを特定することができる。
【0042】
さらに、付属部品2のIDをフォルダにアクセスするための条件とすることで、自身が撮影した静止画を他のユーザに見られることはない。
【0043】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、電子機器の設定を付属部品にIDに対応させるという本発明の要旨を含む変形、改良は、本発明に含まれるものとする。
【0044】
例えば、実施の形態ではデジタルカメラを例として説明したが、他の電子機器も本発明に含む。また、フォルダ名記録テーブル6の構成も上述したものに限定されず、アクセス制限の有無を記録するフィールドを設けて、アクセス制限の有無をユーザが決定できるようにしてもよい。
【0045】
さらに、複数の付属部品が装着されたときには、一定時間だけ付属部品のRFIDタグを読み出すスイッチを設け、このスイッチを押下したときに、ユーザが特定の付属部品をRFID読取部に近づけるという処理をしてもよい。これにより、ユーザがRFID読取部に近づけた特定の付属部品のIDが採用される。
【0046】
また、IDの設定をリセットするリセットボタンを設けてもよい、リセットボタンには、それぞれのIDに対応する設定を消去するリセットボタン、全てのIDに対応する設定を消去するリセットボタンなどがある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】デジタルカメラの外観を示す図である。
【図2】RFIDタグの取り付け位置を示す図である。
【図3】スライドスイッチにRFIDタグを取り付けたときの動作を示す図である。
【図4】デジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図5】RFIDタグの構成を示すブロック図である。
【図6】設定情報の取得処理を説明するフローチャートである。
【図7】設定情報の登録処理を説明するフローチャートである。
【図8】フォルダの作成処理を説明するフローチャートである。
【図9】フォルダ名記録テーブルの構造を示す図である。
【図10】静止画をフォルダに格納する手順を説明するフローチャートである。
【図11】静止画をフォルダから読み出す手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1 デジタルカメラ、2 付属部品、3 RFIDタグ、6 フォルダ名記録テーブル、18 マイクロコントローラ、19 補助記録装置、20 CPU、21 EEPROM、22 RFID読取部
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定を変更することが電子機器及びデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子機器には、様々な設定ができるようになっている。例えば、携帯電話であれば、基準となる時刻、着信音量、着信音の種類、ディスプレイの明るさ、表示文字の大きさなどが設定できる。また、デジタルカメラでは、撮影モード、撮影画像サイズ、記録ファイル形式などを設定することができる。
【0003】
近年の電子機器では、設定できる条件が非常に多く、ユーザが全ての条件を把握して設定するのは非常に煩雑である。また、携帯電話のように使用する個人が特定されている場合には、一度設定したものをそのまま継続しておいても問題はないが、デジタルカメラ、音響機器などは、複数のユーザによって使用される可能性が高いので、ユーザごとに適した設定にした方がよいが、ユーザが変わるたびに手動で設定を変更するのは非常に煩雑である。
【0004】
従来、ユーザの網膜パターン、虹彩パターンなどの眼球情報を記録し、眼球情報でユーザを特定する。そして、眼球情報がマッチングしたユーザの設定情報を読み出し、読み出した設定に基づいて処理動作を行、ユーザによる設定変更の煩わしさをなくすデジタルカメラが存在した(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1記載の発明では、ユーザのファインダーを覘いているユーザの眼球をデジタルカメラに登録している。近年の電子機器は、小型化が重要な課題となっており、ユーザを識別するために撮像部を設けるのは電子機器の小型化を妨げてしまう。また、デジタルカメラのように元々撮像部を備えた電子機器であっても、ファインダーから覘いた眼球を撮像する構成を追加すると、構造が複雑になったり、追加した構成の分だけサイズを大きくしなくてはならない可能性がある。
【0006】
【特許文献1】特開2003−87627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、ユーザに対応して設定を変更する電子機器及びデジタルカメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる電子機器は、設定情報を変更することができる電子機器であって、識別情報を保持する識別情報保持手段を備える付属部品と、識別情報保持手段に保持された識別情報を読み取る読取手段と、読取手段が読み取った付属部品の識別情報と電子機器の設定情報とを対応付けて記録する設定情報記録手段と、読取手段が読み取った識別情報に対応する設定情報を設定情報記録手段から読み出し、設定情報に基づいて処理を行う設定変更手段とを備える。
【0009】
また、本発明にかかるデジタルカメラは、設定情報を変更することができるデジタルカメラであって、RFIDタグを備える付属部品と、RFIDタグに保持された識別情報を読み取る読取手段と、画像を撮影する撮影手段と、RFIDタグに保持された識別情報と当該デジタルカメラの設定情報とを対応付けて記録する設定情報記録手段と、読取手段が読み取った識別情報に対応する設定情報を設定情報記録手段から読み出し、設定情報に基づいて処理を行う。
【発明の効果】
【0010】
本発明を適用した電子機器は、付属部品の識別情報と設定情報とを対応づけて記録し、現在装着している付属部品に対応する設定情報に基づいて処理を行う。そのため、付属部品を取り替えるだけで設定を手動で変更しなくとも、簡単に設定情報の変更を行うことができる。
【0011】
また、本発明を適用したデジタルカメラは、付属部品の識別情報に対応する記録領域を作成するため、ユーザが記録領域を自身が作成する手間や撮影した画像の記録場所を分類する手間を省略することができる。さらに、付属部品の識別情報に対応する記録領域に格納された画像のみを表示させるため、複数のユーザが1つのデジタルカメラを使用していたとしても付属部品を所有していない他のユーザが記録媒体に格納された自身の画像を閲覧することができない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、着脱可能な付属部品を備えた電子機器に適用される。本発明では、付属部品にRFIDタグを設け、RFIDタグに付属部品のIDを記録する。電子機器は、IDに対応する設定情報が格納されている。電子機器は、装着された付属部品のIDに対応する設定で動作する。
【0013】
以下、図面を参照して本発明を適用したデジタルカメラ1について説明する。デジタルカメラ1は、図1に示すように、着脱可能の付属部品2を備える。図中では、符号2aをデジタルカメラに取り付けられるストラップ、符号2bをデジタルカメラに装着されるバッテリ、符号2cをデジタルカメラに挿入されるカード型の半導体メモリ2c、符号2dを光ディスクや磁気ディスクのようなディスク状記録媒体2dで示す。本発明を適用したストラップ2a、バッテリ2b、半導体メモリ2c、ディスク状記録媒体2dは、それぞれのIDを記録したRFIDタグ3a,3b,3c,3dが設けられている。
【0014】
RFIDタグ3は、付属部品2の表面付近に埋め込むとよい。付属部品2の表面付近に埋め込むと、付属部品2の深い位置に取り付けるよりもRFIDタグ3の受信機との距離が近くなり受信機の認識精度が高くなる。また、付属部品2に埋め込むとRFIDタグ3が外れる、若しくは、外されるおそれがなくなる。
【0015】
ストラップ2aなどのアクセサリにRFIDタグ3を取り付ける場合は、できるだけRFIDタグが埋め込みやすい位置(例えば、ストラップの根元)に取り付ける。なお、ストラップ2aにRFIDタグ3を着けた場合、RFIDタグ3を認識させるためにユーザがストラップ2aをデジタルカメラ1に近づけなければならない。
【0016】
また、半導体メモリ2cのような記録媒体にRFIDタグ3を取り付ける場合、図2(a)に示すように、記録媒体の外装部分の決められた位置に製造段階で埋め込む。そして、図2(b)に示すようにデジタルカメラ1側にもRFIDタグ3の読取部4を設ける。図2(c)に示すように半導体メモリ2cをデジタルカメラ1に装着したとき、RFIDタグ3と読取部4とが接触する位置に設けると、RFIDタグ3と読取部4確実に近づけることができる。
【0017】
さらに、RFIDタグ3は、読取部から離れてしまうと認識できないのを利用して、スライドスイッチを使ってRFIDタグ3を使用するか使用しないかユーザが選択することも可能である。この半導体メモリ2cは、図3(a)に示すようにスライドスイッチ5が設けられている。スライドスイッチ5の表面にはRFIDタグ3が設けられている。RFIDタグ3は、スライドスイッチの内部に埋め込まれていてもよい。そして、スライドスイッチ5を一方向、図3(b)では左側にスライドさせると、RFIDタグ3がRFIDタグ3の読取部4に接触する位置に移動する。一方、スライドスイッチ5を他方向、図3(c)では右側にスライドさせると、RFIDタグ3がRFIDタグ3の受信部4から離れる位置に移動する。これにより、RFIDタグ3を使用できない状態にすることができる。
【0018】
次いで、図4を参照してデジタルカメラの構成を説明する。被写体からの光は、レンズ10ブロックを通ってCCD(Charge Coupled Device)11に結像する。CCD11は、光を電気信号に変換して、CAM(Content Addressable Memory)12に出力される。CAM12に蓄えられた生画像は、SDRAM(Synchronous DRAM)インターフェースモジュールを経由してSDRAM13に出力される。SDRAM13には、キャプチャ領域13a、記録画像用領域13b、表示画像用領域13cに区分されている。CCD11から出力された生画像は、キャプチャ領域13aに格納される。キャプチャ領域13aは、生画像の一時記憶領域である。
【0019】
キャプチャ領域13aに格納された画像は、サイズ変換部14に出力される。サイズ変換部14は、入力した生画像を指定画像サイズに変更する。サイズ変換部14は、記録画像用領域13bと表示画像用領域13cとに出力する。表示画像用領域13cに出力された画像は、ビデオ復号化部15によってRGB信号に変換され、表示部16に出力される。一方、記録画像用領域13bに出力された画像は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)符号化部17によりJPEG圧縮がかけられる。JPEG圧縮がかけられた画像は、マイクロコントローラ18に出力される。
【0020】
マイクロコントローラ18は、CPU20の一機能として実現される。マイクロコントローラ18は、補助記録装置19を制御し、補助記録装置19へのデータの読み書きを行う。補助記録装置19としては、半導体メモリ、小型のHDD(Hard Disk Drive)、光ディスクなどがある。
【0021】
RFID読取部22は、図5に示すように、入力用アンテナ30、出力用アンテナ31、変調部32、復調部33、コントローラ34を備える。変調部32は、コントローラ34からの制御情報を受けて特定周波数の電磁波を出力用アンテナ31から出力する。RFIDタグ3は、電磁波を起電力として記録している付属部品2のIDを送信する。復調部33は、入力用アンテナ30が受信した電波を復調してコントローラ34に出力する。コントローラ34は、インターフェース35を介して付属部品2のIDをCPU20に出力する。
【0022】
デジタルカメラ1は、画質、画面サイズ、被写体まで距離などを設定することができる。EEPROM21には、デフォルトの設定情報SET0と、デジタルカメラ1のユーザの設定情報SET1〜SETn(nは、登録IDの個数)を格納している。設定情報SET1〜SETnは、付属部品2のIDと対応している。CPU20は、付属部品2のIDに対応する設定情報の取得と、IDに対応する設定情報の登録とを行う。
【0023】
図6を参照して設定情報の取得処理を説明する。CPU20は、デジタルカメラ1の電源投入を検出すると(ステップS11)、RFID読取部22を起動する。RFID読取部22は、RFIDタグ3の読み取りを開始する(ステップS12)。デジタルカメラ1に付属部品2が装着されているとき、付属部品2のRFIDタグ3は、特定周波数の電磁波を起電力として付属部品2のIDを出力する。デジタルカメラ1に付属部品2が装着されていないとき、CPU20は付属部品2のIDを取得することができない(ステップS13;NO)。このとき、CPU20は、EEPROM21からデフォルトの設定情報SET0を読み出し(ステップS14)、設定情報SET0をデジタルカメラの動作に反映させる(ステップ15)。
【0024】
一方、デジタルカメラ1に付属部品2が装着されているとき、CPU20は、RFID読取部22から付属部品2のIDを取得する(ステップS13;YES)。CPU20は、RFID読取部22から付属部品2のIDを取得すると、このIDに対応する設定情報を検索する。そして、IDに対応する設定情報が存在しないときには(ステップS16;NO)、EEPROM21からデフォルトの設定情報SET0を読み出し(ステップS17)、設定情報SET0をデジタルカメラ1の動作に反映させる(ステップS15)。
【0025】
一方、付属部品2のIDに対応する設定情報が存在するときには(ステップS16;YES)、IDに対応する設定情報SETi(但し、1≦i≦n)をEEPROM21から読み出し(ステップS18)、SETiをデジタルカメラ1の動作に反映させる(ステップS15)。
【0026】
次いで、図7を参照して設定情報の登録処理を説明する。CPU20は、デジタルカメラ1の電源オフが指示されると(ステップS21)、RFID読取部22にRFIDタグ3の読取開始を指示する(ステップS22)。RFID読取部22は、特定周波数の電磁波を出力し、RFIDタグ3からの応答を待機する。デジタルカメラ1に付属部品2が装着されていないとき、CPU20は、付属部品2のIDを取得することができない(ステップS23;NO)。このとき、CPU20は、EEPROM21に設定を保存することなく(ステップS24)、デジタルカメラ1の動作を終了して電源を遮断する(ステップS25)。
【0027】
一方、CPU20は、RFID読取部22から付属部品2のIDを取得すると(ステップS23;YES)、このIDに対応する設定情報を検索する。そして、IDに対応する設定情報が存在しないときには(ステップS26;NO)、CPU20は、ステップS26で取得したIDと現在の設定情報と対応付けてEEPROM21に保存する(ステップS27)。次いで、CPU20は、デジタルカメラ1の動作を終了して電源を遮断する(ステップS25)。
【0028】
一方、IDに対応する設定情報が存在したときには(ステップS26;YES)、CPU20は、IDに対応する設定情報を現在の設定情報に変更する(ステップS28)。次いで、CPU20は、デジタルカメラ1の動作を終了して電源を遮断する(ステップS25)。
【0029】
このように、本発明を適用したデジタルカメラ1では、付属部品2のIDとデジタルカメラ1の設定情報とを対応付けて記録し、付属部品2のIDに対応する設定情報を使用するため、付属部品2を取り変えるだけで、デジタルカメラ1の設定情報を変更することができる。また、本発明を適用したデジタルカメラ1では、電源の遮断時に設定情報を自動的に更新するため、ユーザが設定を手動で登録する必要がない。
【0030】
次いで、デジタルカメラ1におけるRFIDタグ3の使用例を説明する。この例におけるデジタルカメラ1は、ファイルの論理的な入れ場所であるフォルダを半導体メモリに自動的に作成し、このフォルダと付属部品2のIDとを対応付ける。静止画の再生時には、デジタルカメラ1に装着された付属部品2のIDに対応するフォルダを読み出す。これにより、付属部品2を所有するユーザにフォルダの閲覧権を与える。
【0031】
図8を参照してフォルダを作成する手順を説明する。CPU20は、電源の投入を検出すると(ステップS31)、RFID読取部22を起動する。RFID読取部22は、RFIDタグ3の読み取りを開始する(ステップS32)。デジタルカメラ1に付属部品が装着されているとき、付属部品2のRFIDタグ3は、特定周波数の電磁波を起電力として付属部品2のIDを出力する。デジタルカメラ1に付属部品2が装着されていないとき、CPU20は付属部品2のIDを取得することができない(ステップS33;NO)。CPU20は、付属部品2のIDが取得できないときフォルダの作成処理を終了する。
【0032】
一方、CPU20は、付属部品2のIDを取得したとき(ステップS33;YES)、このIDがフォルダ名記録テーブル6に存在するか検索する。フォルダ名記録テーブル6とは、図9に示すような付属部品2のIDとフォルダのパスとを関連付けるテーブルである。CPU20は、ステップS33で取得した付属部品2のIDがフォルダ名記録テーブル6に存在すると(ステップS34;YES)、フォルダの作成処理を終了する。
【0033】
CPU20は、ステップS33で取得した付属部品2のIDがフォルダ名記録テーブル6に存在しないとき(ステップS34;NO)、新規フォルダを作成するか否かをユーザに問い合わせる画面を表示させる(ステップS35)。CPU20は、ユーザが新規フォルダの作成を拒否すると(ステップS36;NO)フォルダの作成処理を終了する。一方、ユーザが新規フォルダの作成処理を指示すると(ステップS36;YES)、フォルダ名及びフォルダの格納場所を決定し半導体メモリに新規フォルダを作成する(ステップS37)。CPU20は、ステップS33で取得した付属部品2のIDと新規フォルダのパスをと対応付けてフォルダ名記録テーブル6に記録し(ステップS38)、フォルダの作成処理を終了する。なお、ステップS37におけるフォルダの名前付けは、例えば、DCF(Design Rule for Camera File System)に準拠する。DCFでは、フォルダの名前が8文字、最初の1〜3文字目が“100”〜“999”の番号、残りの5文字は半角英数大文字のみを使用した文字列であり2バイトコードや特殊コードは使用しないという規則がある。
【0034】
次いで、図10を参照して撮影した静止画をフォルダに記録する手順を説明する。なお、ここでは、既に読み取られた付属部品2のIDがメモリに格納されているものとする。デジタルカメラ1は静止画を撮影すると(ステップS41)、付属部品2のIDをメモリから読み出す(ステップS42)。付属部品2のIDがメモリに存在しない場合(ステップS43;NO)、IDと対応付けられていないフリーなフォルダに静止画を格納する(ステップS44)。
【0035】
一方、付属部品2のIDがメモリに存在するとき(ステップS43;YES)、フォルダ名記録テーブル6を読みだし、付属部品2のIDに対応するフォルダを検索する。付属部品2のIDに対応するフォルダが存在しない場合(ステップS45;NO)、IDと対応付けられていないフリーなフォルダに静止画を格納する(ステップS46)。一方、付属部品2のIDに対応するフォルダが存在する場合(ステップS45;YES)、IDに対応するフォルダに静止画を格納する(ステップS47)。
【0036】
このように、デジタルカメラ1は、付属部品2のIDに対応したフォルダに静止画を記録するため、ユーザがフォルダを指定する操作をしなくても静止画を分類することができる。この機能はフォルダのアクセス制限に使用することができる。
【0037】
次いで、図11を参照してフォルダに格納された静止画を再生する手順について説明する。ここでも、既に読み取られた付属部品2のIDがメモリに格納されているものとする。半導体メモリに記録している静止画の再生が指示されると(ステップS51)、CPU20は、付属部品2のIDをメモリから読み出す(ステップS52)。付属部品2のIDがメモリに存在しない場合(ステップS53;NO)、CPU20は、IDと対応付けられていないフリーなフォルダに格納された静止画を再生する(ステップS54)。
【0038】
一方、付属部品2のIDがメモリに存在するときには(ステップS53;YES)、フォルダ名記録テーブル6を読み出し、付属部品2のIDに対応するフォルダを検索する。付属部品2のIDに対応するフォルダが存在しない場合(ステップS55;NO)、IDと対応付けられていないフリーなフォルダに格納された静止画を再生する(ステップS56)。一方、付属部品2のIDに対応するフォルダが存在する場合(ステップS55;YES)、IDに対応するフォルダに格納された静止画を再生する(ステップS57)。
【0039】
以上説明したように、デジタルカメラ1は、付属部品2のIDに対応付けたフォルダを作成し、付属部品2のIDに対応するフォルダに静止画を格納する。そして、静止画の再生が指示されたときには、再生が指示されたときに装着されている付属部品2のIDに対応するフォルダを読み出す。
【0040】
現行のDCFと呼ばれる規格では、フォルダ名の文字数や使用文字に制約があり、この制約の範囲内でフォルダ名を決定するのは機械操作に不慣れなユーザにとっては煩雑である。本発明を適用したデジタルカメラ1では、自動的にフォルダを作成するため規格の内容や機械の操作方法などを知らなくてもフォルダを作成することができる。
【0041】
また、上述したDCFの名前付け規則では文字数や使用文字に制約があるため、この制約に準拠して作成したフォルダ名はユーザが記憶しにくい文字列になる可能性がある。デジタルカメラ1は、ユーザが付属部品2を所有していれば、フォルダ名を記憶することなく自己のフォルダを特定することができる。
【0042】
さらに、付属部品2のIDをフォルダにアクセスするための条件とすることで、自身が撮影した静止画を他のユーザに見られることはない。
【0043】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、電子機器の設定を付属部品にIDに対応させるという本発明の要旨を含む変形、改良は、本発明に含まれるものとする。
【0044】
例えば、実施の形態ではデジタルカメラを例として説明したが、他の電子機器も本発明に含む。また、フォルダ名記録テーブル6の構成も上述したものに限定されず、アクセス制限の有無を記録するフィールドを設けて、アクセス制限の有無をユーザが決定できるようにしてもよい。
【0045】
さらに、複数の付属部品が装着されたときには、一定時間だけ付属部品のRFIDタグを読み出すスイッチを設け、このスイッチを押下したときに、ユーザが特定の付属部品をRFID読取部に近づけるという処理をしてもよい。これにより、ユーザがRFID読取部に近づけた特定の付属部品のIDが採用される。
【0046】
また、IDの設定をリセットするリセットボタンを設けてもよい、リセットボタンには、それぞれのIDに対応する設定を消去するリセットボタン、全てのIDに対応する設定を消去するリセットボタンなどがある。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】デジタルカメラの外観を示す図である。
【図2】RFIDタグの取り付け位置を示す図である。
【図3】スライドスイッチにRFIDタグを取り付けたときの動作を示す図である。
【図4】デジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図5】RFIDタグの構成を示すブロック図である。
【図6】設定情報の取得処理を説明するフローチャートである。
【図7】設定情報の登録処理を説明するフローチャートである。
【図8】フォルダの作成処理を説明するフローチャートである。
【図9】フォルダ名記録テーブルの構造を示す図である。
【図10】静止画をフォルダに格納する手順を説明するフローチャートである。
【図11】静止画をフォルダから読み出す手順を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1 デジタルカメラ、2 付属部品、3 RFIDタグ、6 フォルダ名記録テーブル、18 マイクロコントローラ、19 補助記録装置、20 CPU、21 EEPROM、22 RFID読取部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定情報を変更することができる電子機器であって、
識別情報を保持する識別情報保持手段を備える付属部品と、
上記識別情報保持手段に保持された識別情報を読み取る読取手段と、
上記読取手段が読み取った上記付属部品の識別情報と当該電子機器の設定情報とを対応付けて記録する設定情報記録手段と、
上記読取手段が読み取った識別情報に対応する設定情報を上記設定情報記録手段から読み出し、該設定情報に基づいて処理を行う設定変更手段と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
上記設定情報記録手段は、規定の設定情報を記録しており、
上記設定変更手段は、上記読取手段が識別情報を読み取らなかった場合、上記規定の設定情報に基づいて処理を行うこと
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
上記識別情報保持手段は、RFIDタグであることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
上記RFIDタグは、上記付属部品の表面付近に埋め込まれていることを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
設定情報を変更することができるデジタルカメラであって、
RFIDタグを備える付属部品と、
上記RFIDタグに保持された識別情報を読み取る読取手段と、
画像を撮影する撮影手段と、
上記RFIDタグに保持された識別情報と当該デジタルカメラの設定情報とを対応付けて記録する設定情報記録手段と、
上記読取手段が読み取った識別情報に対応する設定情報を上記設定情報記録手段から読み出し、該設定情報に基づいて処理を行う設定変更手段と
を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項6】
記録媒体に対する読み書きを行う記録媒体制御手段と、
上記記録媒体制御手段を制御して上記読取手段が読み取った上記付属部品の識別情報に対応するフォルダを上記記録媒体上に生成する記録領域生成手段を備え、
上記設定情報記録手段は、上記付属部品の識別情報と上記フォルダとを対応付けて記録すること
を特徴とする請求項5記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
上記RFIDタグの識別情報に対応するフォルダを上記設定情報記録手段から読み出し、上記撮影手段が撮影した画像を該フォルダに記録させることを特徴とする請求項6記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
上記RFIDタグの識別情報に対応するフォルダを上記設定情報記録手段から読み出し、該記録領域に格納された画像を再生する再生制御手段を備えることを特徴とする請求項6記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
上記付属部品は、当該デジタルカメラに取り付けられるストラップ、当該デジタルカメラの電源となる着脱自在のバッテリ、当該デジタルカメラに装着される半導体メモリのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項5記載のデジタルカメラ。
【請求項1】
設定情報を変更することができる電子機器であって、
識別情報を保持する識別情報保持手段を備える付属部品と、
上記識別情報保持手段に保持された識別情報を読み取る読取手段と、
上記読取手段が読み取った上記付属部品の識別情報と当該電子機器の設定情報とを対応付けて記録する設定情報記録手段と、
上記読取手段が読み取った識別情報に対応する設定情報を上記設定情報記録手段から読み出し、該設定情報に基づいて処理を行う設定変更手段と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
上記設定情報記録手段は、規定の設定情報を記録しており、
上記設定変更手段は、上記読取手段が識別情報を読み取らなかった場合、上記規定の設定情報に基づいて処理を行うこと
を特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
上記識別情報保持手段は、RFIDタグであることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
上記RFIDタグは、上記付属部品の表面付近に埋め込まれていることを特徴とする請求項3記載の電子機器。
【請求項5】
設定情報を変更することができるデジタルカメラであって、
RFIDタグを備える付属部品と、
上記RFIDタグに保持された識別情報を読み取る読取手段と、
画像を撮影する撮影手段と、
上記RFIDタグに保持された識別情報と当該デジタルカメラの設定情報とを対応付けて記録する設定情報記録手段と、
上記読取手段が読み取った識別情報に対応する設定情報を上記設定情報記録手段から読み出し、該設定情報に基づいて処理を行う設定変更手段と
を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項6】
記録媒体に対する読み書きを行う記録媒体制御手段と、
上記記録媒体制御手段を制御して上記読取手段が読み取った上記付属部品の識別情報に対応するフォルダを上記記録媒体上に生成する記録領域生成手段を備え、
上記設定情報記録手段は、上記付属部品の識別情報と上記フォルダとを対応付けて記録すること
を特徴とする請求項5記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
上記RFIDタグの識別情報に対応するフォルダを上記設定情報記録手段から読み出し、上記撮影手段が撮影した画像を該フォルダに記録させることを特徴とする請求項6記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
上記RFIDタグの識別情報に対応するフォルダを上記設定情報記録手段から読み出し、該記録領域に格納された画像を再生する再生制御手段を備えることを特徴とする請求項6記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
上記付属部品は、当該デジタルカメラに取り付けられるストラップ、当該デジタルカメラの電源となる着脱自在のバッテリ、当該デジタルカメラに装着される半導体メモリのうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項5記載のデジタルカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−19958(P2006−19958A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194645(P2004−194645)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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