説明

電子機器及びプログラム

【課題】3軸方向振動センサで検出された振動量に基づいてあらかじめ定められた処理を実行する際に、他の要因による振動を排除して正しい処理が実行できる様にする。
【解決手段】3軸方向振動センサ16は、携帯電話装置1を携帯しているユーザの歩行を検出して歩数をカウントする。電話の着信があった場合、バイブレータ14或いはスピーカ15の報知動作による振動が3軸方向振動センサ16に伝わるため、3軸方向振動センサ16には歩行による振動以外の振動を検出してしまうこととなり歩数の誤カウントを生じる。これを防止するため、3軸方向振動センサ16で検出される3方向の振動のうち、バイブレータ14或いはスピーカ15の報知動作による振動方向と同じ方向の振動については歩行の検出には使用しない様にして正確な歩行検出ができる様にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動に基づいてあらかじめ定められた処理を実行する電子機器及びプログラム関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話などの電子機器のおいては、携帯電話本来の機能である通信機能以外に電子歩数計機能を備えてユーザの健康志向に応えることが考えられている。この電子歩数計機能は機器内部に振動センサを備え、ユーザの歩行を振動センサで検出しその歩数をカウントして表示部に表示させるものである。
【0003】
このような電子歩数計機能の振動センサとしては、3軸の加速度センサを用い、3軸方向の加速度値の合成値に基づいて歩数を正確にカウントすることが考えられている(例えば、特許文献1)。また、振動センサは、例えば電車などの乗物などに乗った時も、電車の走行による振動を検出して誤カウントしてしまうものであり、そのため、電車などの乗り物に乗った時には振動が検知されてもカウントを行わないようにして歩行によるカウントのみを行わせることも考えられている。(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−293860号公報
【特許文献2】特開2003−156361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
然しながら、携帯電話などの電子機器のおいては、電話の着信などがあった場合、スピーカによる報音或いはバイブレータによる機器自体の振動などによって着信を報知させることが行われており、例えば、歩数計測中に報音或いは機器自体の振動がなされると、3軸の加速度センサが報音或いは機器自体の振動を検知してしまい、歩数計測が正しく行われずに誤カウントしてしまう欠点があった。
【0006】
この場合、特許文献2の様に、例えば着信報知中は歩数計測を行わない様にすることも考えられるが、歩行中に着信があった場合には、その時の歩数がカウントされないこととなり正確な歩数が計測できない欠点があった。
【0007】
また、3軸の加速度センサは、歩数計だけでなく、例えば機器自体の動き(モーション)を検出して所定の動作を行わせる、所謂モーションセンサとしても使用されているが、このような場合でも、着信などによって報音或いは機器自体の振動がなされるとモーション検出が誤検出となってしまうことがある。
【0008】
更に、報音或いは機器自体の振動は、電話機能の着信時だけでなく、例えば予め設定されたアラーム時刻になったときやタイマーのタイムアップ時、或いは、ゲームの実行時などに於いても発生するものであり、このようなとき3軸の加速度センサが誤動作してしまい本来の機能を遂行できなくなるという問題があった。
【0009】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、振動を検出してあらかじめ定められた処理を実行する際に、検出すべき本来の振動に他の要因による振動が加わってしまい、本来の振動が正しく検出できなくなった場合の誤動作を防止し得る様にしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の電子機器は、複数の方向夫々の振動状態を検出する振動検出手段と、この振動検出手段によって検出された振動に基づいて予め定められた機能の処理を実行する機能処理手段と、を有する電子機器であって、音出力による振動、あるいは報知のための振動を発生させる振動発生手段と、この振動発生手段による振動が発生するか否か、あるいは発生中か否か、を判別する振動判別手段と、この振動判別手段により振動が発生するあるいは発生中と判別された場合に前記振動発生手段による振動の方向と一致する方向の振動を排除して前記機能処理手段を制御する機能制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、前記機能制御手段が前記振動検出手段で検出される各方向の振動のうち前記振動発生手段による振動方向と一致する方向の振動検出結果を除くことで前記振動発生手段による振動の方向と一致する方向の振動を排除することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、前記機能制御手段が前記振動検出手段で検出される各方向に振動のうち前記振動発生手段による振動方向と一致する方向の振動の検出自体を停止させることで前記振動発生手段による振動の方向と一致する方向の振動を排除することを特徴とする。
【0013】
更に、請求項4の発明は、前記振動判別手段が、前記振動発生手段による振動が停止するあるいは停止したと判別する停止判別手段を含み、前記機能制御手段は、前記停止判別手段によって前記振動発生手段による振動が停止するあるいは停止したと判別された場合に前記振動発生手段による振動方向と一致する方向の振動検出結果を用いて前記機能処理手段の制御を再開することを特徴とする。
【0014】
更にまた、請求項5の発明は、前記機能処理手段が、前記振動検出手段が検出した各振動状態に基づいて当該電子機器を身につけているユーザの歩数を検出する歩数検出手段であることを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、前記機能処理手段が、前記振動検出手段が検出した各振動状態に基づいてユーザが動作させた当該電子機器のモーションを判別し、当該電子機器のモーションに対応して予め定められた機能の処理を実行させるモーション制御手段であることを特徴とする。
【0016】
また、請求項7の発明は、更に、通信のための通信手段と、この通信手段に対する着信があったことを報知する着信報知手段とを備え、前記振動発生手段によって発生される振動は、前記着信報知手段によって発生される振動であることを特徴とする。
【0017】
更に、本発明の請求項8のコンピュータは、複数の方向夫々の振動状態を検出する振動検出機能、この振動検出機能によって検出された振動に基づいて予め定められた機能の処理を実行する機能処理機能、音出力による振動あるいは報知のための振動を発生させる振動発生機能、この振動発生機能による振動が発生するか否かあるいは発生中か否かを判別する振動判別機能、この振動判別機能により振動が発生するあるいは発生中と判別された場合に前記振動発生機能による振動の方向と一致する方向の振動を排除して前記機能処理機能を制御する機能制御機能を実現させる様にしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、振動に基づいてあらかじめ定められた処理を実行する際に、他の要因による振動を排除して正しい処理が実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の携帯電話装置1の構成を示した回路ブロック図。
【図2】図1のアプリ情報記憶部12の詳細な構成図
【図3】図1のバイブレータ14、着信報知用スピーカ15及び3軸方向センサ16の配置関係を示した図。
【図4】図1の携帯電話装置1の全体動作を示すフローチャート図。
【図5】同じく携帯電話装置1の全体動作を示すフローチャート図。
【図6】図4及び図5の歩数処理の詳細なフローチャート図
【図7】図1のアプリ情報記憶部12の詳細な構成図
【図8】本発明の第2実施形態のフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
第1実施形態
図1は、本発明の電子機器の一例である携帯電話装置1の回路ブロック図である。図において、中央制御部(CPU)2は、記憶部3に記憶されている各種のプログラムに応じてこの携帯電話装置1の全体の動作を制御する。即ち、記憶部3には、後述する図4乃至図6に示すフローチャートを実行させるためのプログラムや各種のアプリケーションを実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されたROM(図示せず)が備えられており、中央制御部2は、上記ROMに記憶されたプログラムに基づいてこの携帯電話装置1の全体の動作を制御するものである。
【0022】
無線通信部(送受信部)4は、電話の通話機能としての動作時にはアンテナ5から取り込んだ音声の無線信号を受信ベースバンド信号に復調した後に、音声信号処理部6を介して受話スピーカ7から音声出力させる。また、送話マイク8から入力された音声信号を音声信号処理部6で処理させた後に無線通信部4に送り、無線通信部4では音声信号を送信ベースバンド信号に符号化したのちにアンテナ5から送信出力させる。
【0023】
また、電子メール機能、インターネット接続機能等の動作時には、アンテナ5及び無線通信部4を介して電子メールの送受信およびWebサイトの閲覧が可能であり、電子メールの送受信情報及びWebサイトの閲覧情報は表示部9に送られて表示出力される。
【0024】
表示部9は、例えば、ドットマトリクスタイプの液晶表示装置あるいはEL表示装置から構成され、電話装置として必要な情報(相手方の電話番号、電波受信状態、電池残量等の情報)を表示するとともに、上述した如く電子メールやWebサイトの内容表示を行う。また、後述する如く歩数計機能においてカウント(計数)された歩数値も表示部9に表示される。
【0025】
操作部10は、この携帯電話装置1に設けられた操作キーであり、詳細は図示していないが、電源のオン・オフキー、数値情報及び文字情報を入力する数値文字入力キー、各種機能(アプリケーション)の起動及び終了を選択する各種のアプリケーションキー(歩数計機能の動作開始及び停止を指示する歩数計キーを含む)、通常は報音によって行われる着信報知を後述するバイブレータの振動によって行わせるように設定するマナーモードキー及び通話のオンフックキー及びオフフックキー等を備えている。
【0026】
アプリ情報記憶部12は、各種のアプリケーションに関連する情報を記憶するもので、例えば、図2に示すように、アドレス帳機能のアドレス帳情報(多数の氏名、住所及び電話番号など)を記憶するアドレス帳情報記憶部12A、メール機能の送受信メール情報を記憶するメール情報記憶部12B、インターネット機能のWebサイトのURL
情報などを記憶するWeb情報記憶部12Cなどの記憶領域が設けられている。
【0027】
また、このアプリ情報記憶部12には、夫々のアプリケーションを制御する情報も記憶されているもので、図2に示すように、通常は「0」であり着信があってユーザに着信報知を行う際にフラグ情報「1」が設定される報知中フラグ記憶部12D、上記着信の報知をバイブレータの振動によって行わせる際に「1」が設定されるバイブレータフラグ記憶部12E、上記着信の報知を報知用スピーカによって行わせる際に「1」が設定される報音フラグ記憶部12F、着信報知中にオフフックキー操作がなされて通話可能な状態になった際に「1」が設定される通話中フラグ記憶部12Gが設けられている。
【0028】
更に、上記アプリ情報記憶部12には、歩数計関連の記憶部として、歩数計機能の動作中に「1」が設定される歩数計動作フラグ記憶部12H及び歩数をカウントする歩数カウンタ12Iも設けられている。
【0029】
図1に戻り、計時部13は、基準信号を計数して現在の年、日付、曜日、時分等の現在日時情報を得る時計回路部(図示せず)や、アラーム時刻などが設定され現在時刻情報がアラーム時刻情報と一致するとアラーム音などによってアラーム時刻に到ったことを報知するアラーム時刻回路部(図示せず)等から構成されている。
【0030】
バイブレータ14は、図3に示すように回転軸14Aに図示しない錘が取り付けられたモータ14Bであり、携帯電話装置1の機器ケース(図示せず)内部の回路基板17に取り付けられ、モータ14Bの回転によって回路基板17を介して携帯電話装置1の機器ケースを振動させるものである。
【0031】
図1の報知用スピーカ15は大音量の報知音によって着信をユーザに知らしめるものであり、また、着信時以外の、例えば音楽再生機能の動作時などにおいても大音量で音楽を再生報音するものである。なお、報知用スピーカ15も、図3に示すように回路基板17に取り付けられている。
【0032】
図1の3軸方向振動センサ16は、X軸(縦)、Y軸
(横)及びZ軸(上下)方向の加速度から携帯電話装置1の夫々の方向の振動の大きさを得る加速度センサから成り、携帯電話装置1を携帯したユーザの歩行を検出するものである。
【0033】
この3軸方向振動センサ16は、図3に示すように回路基板17の上記モータ14Bと報知用スピーカ15との間に近接して設けられている。即ち、図3に示すように、バイブレータ14(モータ14B)の回転軸14Aが矢印A方向に回転して振動が発生すると、その振動が回路基板17を介して3軸方向振動センサ16に伝わる位置に設けられている。
【0034】
この場合、バイブレータ14(モータ14B)の回転により回路基板17は矢印Y軸方向(横方向)及び矢印Z軸方向(上下方向)に振動するので3軸方向振動センサ16はバイブレータ14(モータ14B)によるY軸(横)方向及びZ軸(上下)方向の振動を検知してしまうものである。
【0035】
一方、回路基板17に取り付けられた報知用スピーカ15もその報音振動が3軸方向振動センサ16に伝わる位置に設けられている。したがって報知用スピーカ15から報音がなされると、その報音による上下方向の振動が3軸方向振動センサ16に伝わり、3軸方向振動センサ16は報知用スピーカ15によるZ軸(上下)方向の振動を検知してしまうものである。
【0036】
図1に戻り、電源部18は図示していない充電可能な二次電池と、この二次電池の電池電圧が低下した際に各回路部をバックアップするバックアップ電池とからなり、上述した各回路部に駆動電圧を供給するものである。
【0037】
上記のごとく構成された携帯電話装置1の動作につき、図4乃至図6のフローチャートを参照して説明する。
【0038】
図4において、ステップS1では、電源オフ状態において操作部10の電源オンキーが操作されたか否かが判断され、電源オンキーが操作されたことが検出されるとステップS2に進み、待ち受け処理を行って携帯電話装置1を電話の着信が可能な状態に設定する。
【0039】
ステップS2において待ち受け処理が完了した後はステップS3に進み、図2の報知フラグ記憶部12Dの報知フラグが「1」に設定されているか否かが判断される。
【0040】
この時点では、報知フラグは「1」に設定されていないのでステップS4に進み、図2の通話中フラグ記憶部12Gの通話中フラグが「1」に設定されているか否かが判断される。この時点においては、通話中フラグも「1」には設定されていないので図5のステップS5に進み、着信の有無が判別(検出)される。
【0041】
着信が検出された場合にはステップS6に進むが、着信が検出されなかった場合にはステップS7に進み、操作部10の歩数計キーが操作されたか否かが判別される。歩数計キーは、その最初のキー操作で歩数計(歩数のカウント)機能を開始させ2回目の操作で歩数計機能を停止させるキーである。
【0042】
然して、上記ステップS7で歩数計キーの操作が検出された場合にはステップS8に進み、図2の歩数計フラグ記憶部12Hの歩数計フラグが「0」か否かが判別される。
【0043】
歩数計フラグは、前述した如く歩数計機能の動作中に「1」が設定されるフラグであり、電源がオンされた状態においては、歩数計フラグは「0」なので、ステップS9に進み歩数計フラグが「1」に設定され、次のステップS9で歩数計の動作を開始させるための初期設定がなされる。
【0044】
これにより、後述するフローチャートで説明する如く、3軸方向振動センサ16で発生される振動の値(振動量)に基づいて歩数が図2の歩数カウンタ記憶部12Iで計数され、その計数値が表示部9に表示されるものである。
【0045】
然して、上記ステップS8において歩数計フラグが「0」でない場合には、既に歩数計フラグが「1」の歩数計動作状態において歩数計キーが操作されたものとしてステップS11に進み歩数計フラグが「0」に設定され、次のステップS12で歩数計測の停止処理がなされる。
【0046】
上記ステップS7において、歩数計キーの操作が検出されなかった時にはステップS13に進み、他のキー操作の有無が検出される。このステップS13の他のキーの操作の検出は、上述した電源オンキー、歩数計キー及び後述するオンフックキー、オフフックキー以外のキー操作であり、夫々のキー操作が検出されると、ステップS14に進んでそれぞれのキーに応じた処理がなされる。
【0047】
例えば、電源オン時には、着信の報知を報知用スピーカ15による報音で行わせるように設定されるが、上記ステップS13でマナーモードキーが操作されたことが検出されると、ステップS14では、アプリ情報記憶部12の図示しないマナーモードフラグを「1」に設定する処理を行う。これにより、着信時には、後述する如くバイブレータ14による着信報知がなされる。
【0048】
また、発呼のための電話番号入力や、アドレス帳のデータ入力、メール機能におけるメール文作成のためのキー入力の検出などはすべて上記ステップS13でなされ、そのキー入力に応じた処理がステップS14で行われる。
【0049】
上記ステップS13で他のキー入力の検出がなされなかった時はステップS15に進み歩数計フラグ記憶部12Hの歩数計フラグが「1」か否かの判断がなされ、歩数計フラグが「1」であった場合にはステップS16に進んで歩数計処理がなされ、歩数計フラグが「0」の場合は図4のステップS2の待ち受け処理に戻る。
【0050】
即ち、ステップS7で歩数計キーが操作され、ステップS9で歩数計フラグが「1」に設定されると、それ以降は上記ステップS16で歩数計処理がなされ、歩行があった時にその数が計数され表示部9に表示されるものである。尚、ステップS16の歩数計処理の詳細については後述する。
【0051】
上記ステップS5において、着信が検出されるとステップS6に進んで図2の報知中フラグ記憶部12Dの報知中フラグが「1」に設定されると共に、次のステップS17において、その時の報知モードがマナーモードか否かが判断される。マナーモードが設定されていた場合には、ステップS18に進み、バイブレータフラグ記憶部12Eのバイブレータフラグを「1」に設定すると共に、次のステップS19において、バイブレータ14による振動処理を開始させ、その後、図4のステップS3に戻る。
【0052】
一方、ステップS17において、マナーモードが設定されていない場合にはステップS20において図2の報音フラグ記憶部12Fの報音フラグが「1」に設定されると共に、次のステップS21において、着信報知用スピーカ15による報音が開始され、その後図4のステップS3に戻る。
【0053】
即ち、ステップS5で着信が検出された場合には、報知中フラグが「1」に設定されると共に、その時にマナーモードが設定されているか否かにより、バイブレータ14もしくは着信報知用スピーカ15のいずれか一方による着信報知が開始されて図4のステップS3に戻るものである。
【0054】
このようにして、着信検出後にステップS3に戻った場合、ステップS3においては、報知中フラグが「1」に設定されていてバイブレータ14もしくは着信報知用スピーカ15のいずれか一方による着信報知が行われていることが検出されるので次のステップS22に進む。
【0055】
ステップS22では、歩数計フラグが「1」に設定されているか否か、すなわち歩数計機能が動作中か否かが判断され、歩数計機能が動作中の場合にはステップS23に進み、動作中でない場合にはそのままステップS24に進む。
【0056】
上記ステップS23は、図5のステップS16の歩数処理と同一の歩数処理であり、その詳細については後述するが、歩行があったこと検出された場合には歩数のカウントを行い、そうでない場合には次のステップS24に進むものである。
【0057】
ステップS24は、操作部10のオフフックキーが操作されたか否かを判断する処理であり、オフフックキーが操作されたことが検出された場合にはステップS25以降の処理に進むが、オフフックキーの操作が検出されない場合にはステップS26に進み着信終了の処理がなされたか否かが判断される。
【0058】
着信終了の処理とは、例えば、ユーザが着信を拒否するために着信拒否キーの操作を行ったこと、あるいは、着信があってから予め定められた時間が経過したことを検出する処理であり、着信拒否キーの操作や予め定められた時間の経過が検出された時にはステップS27に進みが、そうでないときにはステップS26からステップS3に戻る。
【0059】
即ち、着信の報知中においては、歩数機能が動作中の場合、ステップS24のオフフックキーの操作検出あるいはステップS26の着信終了の検出がなされない限り、上記ステップS3、S22、S23、S24およびS26の処理が繰り返されることとなり、着信報知中の歩行はステップS23で検出されてカウントされることとなる。
【0060】
ステップS24においてオフフックキーの操作が検出されると、次のステップS25では報知中フラグを「0」に設定し、次のステップS28では、バイブレータ14あるいは着信報知用スピーカ15による着信の報知を停止する処理を行う。また、バイブレータフラグ及び報音フラグも同時に「0」に設定される。
【0061】
次のステップS29では、図2の通話中フラグ記憶部12Gの通話中フラグを「1」に設定すると共に、次のステップS30で電話をかけてきた相手との通話を開始させる処理を行ってステップS3に戻る。
【0062】
一方、ステップS26で着信終了の検出がなされた場合には、ステップS27に進んでステップS25同様に報知中フラグを「0」に設定し、次のステップS31でステップS28同様に着信の報知を停止する処理を行った後ステップS3に戻る。
【0063】
上記ステップS24においてオフフックキーの操作が検出されてステップS25以下に進み、ステップS29において通話中フラグが「1」に設定されて通話が開始されると、これ以降は、ステップS4で通話中フラグが「1」であることが検出されるのでステップS32に進んで通話処理がなされ、次のステップS33で歩数計フラグが「1」であるか否か、すなわち歩数計機能の動作中であるか否かが判断される。
【0064】
歩数計機能の動作中でない場合にはステップS35に進んでオンフックキーの操作がなされたか否かの検出がなされるが、歩数計機能の動作中の場合にはステップS33からステップS34に進み、歩行があった場合これを計数する歩数処理を行った後ステップS35に進む。
【0065】
即ち、着信後オフフックキーの操作がなされて通話が開始すると、オンフックキーの操作がステップS35で検出されるまでは、ステップS3、S4、S32、S33、S34及びS35の処理が繰り返し実行される。そのため、通話中であっても歩行していればその歩行はステップS34で検出されてカウントされるものである。
【0066】
そして、ステップS35でオンフックキーの操作が検出されると、ステップS36で通話中フラグが「0」に戻され、次のステップS37で通話停止処理がなされてステップS2の待ち受け処理に戻る。
【0067】
図6は、ステップS16、S23及びS34の歩数処理の詳細を示している。図において、まずステップB1では、3軸方向振動センサ16において3軸方向の振動が検出されたか否かが判断され、振動が検出された場合にはその振動量を図示しない記憶部に記憶させた後ステップB2に進む。
【0068】
即ち、3軸方向振動センサ16のX軸、Y軸及びZ軸方向のいずれにおいてもあらかじめ定められた値の振動量が検出された場合には、夫々の振動量を記憶部に記憶させた後ステップB2に進んでバイブレータ14が振動中か否かを判断する。
【0069】
このバイブレータ14が振動中か否かの判断は、例えば図2のバイブレータ記憶部12Eのバイブレータフラグが「1」に設定されているか否かによって判断するもので、バイブレータフラグが「1」に設定されている場合には、ステップB3に進み、上記記憶部に記憶されたX軸、Y軸及びZ軸方向の振動量のうち、X軸方向の振動量のみを用いて、その振動量があらかじめ定められた値を超えているか否かによって歩行の有無を判断し、歩行ありと判断した場合に、歩数カウンタ12Iの値をインクリメント(+1)する。
【0070】
そして、次のステップB4で歩数カウンタ12Iの値、すなわち歩行計機能の動作が開始されてからの歩行の累計値を表示部9に表示させる。
【0071】
上記ステップB2でバイブレータの振動中でなかった場合にはステップB5に進み、着信報知用スピーカ15が駆動中(報音中)か否かが判断される。着信報知用スピーカ15が駆動中(報音中)であった場合には、次のステップB6でX軸方向及びY軸方向の振動量のみを用いて歩行の有無を判別し、歩行ありと判断した場合に、歩数カウンタ12Iの値をインクリメントする。
【0072】
また、ステップB5で着信報知用スピーカ15が駆動中(報音中)でないと判断された場合には、ステップB7に進みX軸、Y軸及びZ軸方向の振動量に基づいて歩行の有無を判別し、歩行ありと判断した場合に、歩数カウンタ12Iの値をインクリメントする。
【0073】
即ち、図4のステップS23の歩行処理においては、着信報知中であるのでバイブレータ14もしくは着信報知用スピーカ15が駆動中であり、バイブレータ14が駆動中の場合には、図3で説明した如く、3軸方向振動センサはバイブレータ14の振動によるY軸およびZ軸方向の振動を検知してしまい、歩行によるY軸及びZ軸方向の振動を正しく検知できない。そのため、バイブレータ14の駆動中(ステップB2でYES)はステップB3でX軸方向の振動のみで歩行を検出しているものである。
【0074】
また、着信報知用スピーカ15が駆動中の場合は、図3で説明した如く、3軸方向振動センサ16は着信報知用スピーカ15の振動によるZ軸方向の振動を検知してしまい、歩行によるZ軸方向の振動検知ができない。そのため、着信報知用スピーカ15の駆動中(ステップB5でYES)はステップB6でX軸及びY軸方向の振動のみで歩行を検出しているものである。
【0075】
これに対して、図4のステップS34及び図5のステップS16においては、着信によるバイブレータ14及び着信報知用スピーカ15の駆動が行われていないので、常にステップB7に進みX軸、Y軸及びZ軸の3軸方向の振動に基づいて歩数が検出されるものである。
【0076】
尚、ステップS33及びステップS16においても、ステップB2、B3、B5及びB6の処理ステップを設けてあるのは、例えば、着信報知中ではない状態において、歩行中に現在時刻がアラーム時刻に至ってバイブレータ14もしくは着信報知用スピーカ15による報知がなされた場合、歩行による振動を正確に検知できないので着信報知中と同様にして歩行を正しく検出するためである。
【0077】
このように、上記の実施形態によれば、歩行による本来の振動を3軸方向振動センサ16で検出して歩数をカウントする際に、着信報知のためにバイブレータ14或いは着信報知用スピーカ15といった他の要因による振動が3軸方向振動センサ16に加わっても、バイブレータ14或いは着信報知用スピーカ15による振動を排除して歩数計測を行っているので誤カウントが発生せず歩数計のカウント精度を高めることができるものである。
【0078】
第2実施形態
3軸方向振動センサは、例えばユーザが機器装置自体を手に持って所定の方向に動かした時、その動きを検出してあらかじめ定められた処理を実行する、所謂モーションコントロール処理にも使用されるものである。
【0079】
然して、本発明の第2実施形態においては、このようなモーションコントロール処理において、報音などによる3軸方向振動センサ16の誤動作を防止するようにしたものである。
【0080】
この第2実施形態における回路構成は図1と同様であるが、操作部10には、モーションコントロール機能をオン・オフさせるためのモーションコントロールキーが設けられている点が第1実施形態と異なる。
【0081】
また、アプリ情報記憶部12には、携帯電話装置1自体のあらかじめ定められた動きの検出に応じて、夫々処理すべき内容が登録記憶されたモーションテーブル20が設けられている。
【0082】
即ち、モーションテーブル20は、図7に示すように、検出動作記憶部21、モード記憶部22及び実行処理記憶部23から構成されており、検出動作記憶部21には携帯電話装置1自体の動き(モーション)情報が記憶されている。
【0083】
また、モード記憶部22には、例えばモーション動作が行われた時のモード名情報が記憶されており、実行処理記憶部23には、検出動作記憶部21に記憶されている動作が検出され且つその時のモードがモード記憶部22に記憶されているモードであった場合に実行される処理情報が記憶されている。
【0084】
例えば、携帯電話装置1が検出動作記憶部21に記憶されているように左右に2回振られたこと、すなわち「左右2回の振動」が検出され且つその時のモードがモード記憶部22に記憶されている「メール閲覧モード」であった場合、実行処理記憶部23に記憶されている「メール本文の表示」という処理が実行されるものである。
【0085】
尚、アプリ情報記憶部12には、3軸方向振動センサ16によって検出された振動値が順次記憶される振動値記憶部(図示せず)も設けられており、携帯電話装置1自体がどのような動きをしたのをこの振動値記憶部に順次記憶された振動値に基づいて判断する様に構成されている。
【0086】
以下、この第2実施形態のモーションコントロールの動作につき図8のフローチャートを参照して説明する。図において、モーションコントロール機能をオンさせるモーションコントロールキーが操作されると、ステップC1においてモーションコントロールの初期化処理がなされ、次のステップC2において、3軸方向振動センサ16の3軸方向の振動値の検出が開始される。
【0087】
次のステップC3では、バイブレータ14の振動開始情報があるか否かの検出が行われる。前述した第1実施形態に於いては、着信があると、その後はバイブレータもしくは報音が継続して駆動する実施形態としたが、着信報知は、例えば1秒駆動して次の1秒は休止すると言った断続的な報知とすることがあり、このような場合、駆動中であることをその都度検出して3軸方向振動センサ16の検出動作を制御するのは極めて複雑な構成になってしまうので、この第2の実施形態では、バイブレータ14もしくは着信報知用スピーカ15の駆動開始の予定があるか否かを検出して、その後は、駆動の有無にかかわらず3軸方向振動センサ16の検出動作を制御する様にしたものである。
【0088】
然して、ステップC3においてのバイブレータ14の振動開始情報があることが検出されるとステップC4に進み、Y軸及びZ軸方向の振動を測定しない無効状態(OFF)にして、X軸方向のみの振動値を測定(検出)可能な状態に設定する処理を行う。
【0089】
次のステップC5では、3軸方向振動センサ16のX軸方向の振動値を検出して前記振動値記憶部に記憶させ、次のステップC6では、それまでに振動値記憶部に記憶された振動値から携帯電話装置1自体の動きを判定し、次のステップC7で、その動きがモーションテーブル20の検出動作記憶部21に登録(記憶)されている動作(モーション)であるか否かが判断される。
【0090】
このモーションコントロール機能が開始されたばかりの時点では、振動値記憶部の振動値が少ないのでステップC6におけるモーションの判定は出来ず、また、登録済みのモーションと一致しないのでステップC5に戻るが、上記ステップC5乃至C7の処理が繰り返し行なわれると振動値記憶部に記憶された振動値が多くなり、モーションの判定がなされ且つ登録済みのモーションと一致した場合はステップC7からステップC8に進む。
【0091】
ステップC8は、一致したモーションに対応する機能を実行する処理であり、即ち、その時のモードが、モーションテーブル20の一致した登録済みのモーションに対応するモード記憶部22に記憶されているモードであるか否かが判断され、モード記憶部22に記憶されているモードであった場合には、対応する実行処理機億部23に記憶されている処理を実行する。
【0092】
例えば、「左右2回の振動」が検出され且つその時のモードがモード記憶部22に記憶されている「メール閲覧モード」であった場合、実行処理記憶部23に記憶されている「メール本文の表示」という処理が実行されるものである。
【0093】
ステップC8の処理がなされた後はステップC9に進み、モーションコントロール機能を終了する指示があったか否か、即ち、モーションコントロール機能をオフさせるモーションコントロールキーのキー操作がなされたか否かが判断され、キー操作がなされた場合にはステップC10に進んで、モーションコントロール機能を終了する処理を実行する。
【0094】
一方、ステップC9でモーションコントロール機能をオフさせるキー操作がなされていない場合にはステップC5に戻り、3軸方向振動センサ16による振動検出を継続する。
【0095】
尚、ステップC5に於いて、振動検出がなされなかった場合にはステップC11に進み、バイブレータ14の駆動終了情報があるか否かが判断される。例えば、バイブレータ14による着信報知が開始された後、このモーションコントロール機能の動作中にオフフック動作がなされてバイブレータ14の駆動が停止された場合には、このステップC11においてバイブレータ14の駆動終了が検出され、その結果、ステップC11からステップC2に戻る。
【0096】
ステップC2では、再度3軸方向の振動検出を開始させ、ステップC3に進む。この時点では既にバイブレータ14による駆動は終了しているので、ステップC3からステップC12に進む。
【0097】
ステップC12は、着信報知用スピーカ15の駆動開始情報があるか否かを判断するもので、この時点では着信報知用スピーカ15の駆動開始情報は存在しないのでステップC13に進み、3軸方向振動センサ16の3軸方向全ての振動値の検出が可能な状態に設定する処理を行う。
【0098】
そして、次のステップC14では、3軸方向振動センサ16の振動の発生の有無を判断してX軸、Y軸及びZ軸方向の振動値を前記振動値記憶部に記憶させ、次のステップC15でモーションの判定を行う。
【0099】
これ以降のステップC16乃至C18の処理は、ステップC7乃至C9で説明した処理と同様であるので詳細な説明は省略するが、携帯電話装置1自体のモーションがモーションテーブル20に記憶されたモーションと一致すると、そのモーションに対応した処理がなされるものである。
【0100】
然して、ステップC14、C16及びC18の判断処理に於いて、夫々判断結果がNoであった場合にはステップC3に戻る。これは上記ステップC13乃至C18で、3軸方向振動センサ16の3軸方向全ての振動値に基づいてモーションの検出を行っている最中にバイブレータ14や着信報知用スピーカ15の駆動が開始された場合、そのことを検出するためである。
【0101】
例えば、上記ステップC13乃至C18を継続して処理している間に着信があり、マナーモードでなく報音による着信報知が設定されていた場合、ステップC12でスピーカ駆動開始情報が検出されてステップC19に進む。
【0102】
ステップC19では、3軸方向振動センサ16のZ軸方向の振動検出を無効(OFF)にして、X軸及びY軸方向のみの振動値を検出可能な状態に設定する処理を行う。
【0103】
次のステップC20では、3軸方向振動センサ16で振動が検出されたか否かを判断し、振動が検出された場合には、検出されたX軸及びY軸方向の振動値を振動値記憶部に記憶させ、次のステップC21で携帯電話装置1自体の動きを判定する。
【0104】
これ以降のステップC22乃至C24の処理は、ステップC7乃至C9で説明した処理と同様であるので詳細な説明は省略するが、携帯電話装置1自体のモーションがモーションテーブル20に記憶されたモーションと一致すると、そのモーションに対応した処理がなされるものである。
【0105】
また、ステップC20に於いて、振動検出がなされなかった場合にはステップC25に進み、着信報知用スピーカ15の駆動終了情報があるか否かが判断され、駆動終了情報がある場合にはステップC2に戻る。これは、着信報知用スピーカ15による着信報知が開始された後、このモーションコントロール機能の動作中にオフフック動作がなされて着信報知用スピーカ15の駆動が停止された場合に、ステップC13乃至C18の3軸方向の振動検出によるモーション検出に戻るためである。
【0106】
このように、上記の第2の実施形態は、3軸方向振動センサ16をユーザが機器自体を手に持って所定の方向に動かした時にそのモーション(動き)を検出してあらかじめ定められた処理を実行するモーションコントロールに使用した例であり、このような場合であっても、着信報知の為のバイブレータ14や着信報知用スピーカ15による振動の影響を排除して機器自体の正しい動きが検出し得るものである。
【0107】
この場合、上記第2実施形態では、3軸方向振動センサ16の3軸方向のうち、影響を受ける方向の振動を測定しない様にしており、消費電力の浪費を防止しているが、第1実施形態の如く3軸方向の振動量を測定して記憶させてから、特定の方向の振動量を排除して(用いずに)他の方向の振動量だけに基づいてモーションを検出する様にしてもよい。上記第1実施形態及び第2実施形態のいずれの方法であっても、極めて容易な構成で実現が可能である。
【0108】
また、上記第2実施形態では、着信報知の発生により特定の方向の振動量だけでモーション検出を行っていても、着信報知が停止されるとステップC11或いはステップC25でそのことが直ちに検出されるので、高精度のモーション検出であるステップC13以降の処理を再開することができるものである。
【0109】
尚、上記の各実施形態では、電話機能の着信報知がなされた場合について説明したが、例えば予め設定されたアラーム時刻になったときやタイマーのタイムアップ時、或いは、ゲームの実行時などに於いて報音やバイブレータによる振動が発生した場合にも、検出用の3軸の加速度センサの振動検出による誤動作を防止することができる。
【0110】
また、上記実施形態では、同じ回路基板17上に3軸方向振動センサ16、着信報知用スピーカ15及びバイブレータ14を配置した例について述べたが、同一基板上でなくそれぞれ異なった位置に配置されている場合であっても、着信報知用スピーカ15或いはバイブレータ14の振動が3軸方向振動センサ16による振動検出に影響を及ぼす場合であれば本発明を適用できる。
【0111】
その場合、検出された振動を排除する方向も、3軸方向振動センサ16、着信報知用スピーカ15及びバイブレータ14の夫々の配置状態によって適宜決定されることは明白である。
【0112】
また、上記各実施形態では、本発明を携帯電話装置1に適用した例について述べたが、本発明はデジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、音楽プレーヤ、PDAなど、どのような電子機器であっても適用可能である。
【符号の説明】
【0113】
1 携帯電話装置
2 中央制御部
3 記憶部
4 無線通信部
5 アンテナ
6 音声信号処理部
9 表示部
10 操作部
12 アプリ情報記憶部
13 計時部
14 バイブレータ
15 着信報知用スピーカ
16 3軸方向振動センサ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の方向夫々の振動状態を検出する振動検出手段と、この振動検出手段によって検出された振動に基づいて予め定められた機能の処理を実行する機能処理手段と、を有する電子機器であって、
音出力による振動あるいは報知のための振動を発生させる振動発生手段と、
この振動発生手段による振動が発生するか否か、あるいは発生中か否か、を判別する振動判別手段と、
この振動判別手段により振動が発生する、あるいは発生中と判別された場合に前記振動発生手段による振動の方向と一致する方向の振動を排除して前記機能処理手段を制御する機能制御手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記機能制御手段は、前記振動検出手段で検出される各方向の振動のうち前記振動発生手段による振動方向と一致する方向の振動検出結果を除くことで前記振動発生手段による振動の方向と一致する方向の振動を排除することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記機能制御手段は、前記振動検出手段で検出される各方向に振動のうち前記振動発生手段による振動方向と一致する方向の振動の検出自体を停止させることで前記振動発生手段による振動の方向と一致する方向の振動を排除することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記振動判別手段は、前記振動発生手段による振動が停止する、あるいは停止したと判別する停止判別手段を含み、前記機能制御手段は、前記停止判別手段によって前記振動発生手段による振動が停止するあるいは停止したと判別された場合に前記振動発生手段による振動方向と一致する方向の振動検出結果を用いて前記機能処理手段の制御を再開することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記機能処理手段は、前記振動検出手段が検出した各振動状態に基づいて当該電子機器を身につけているユーザの歩数を検出する歩数検出手段であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記機能処理手段は、前記振動検出手段が検出した各振動状態に基づいてユーザが動作させた当該電子機器のモーションを判別し、当該電子機器のモーションに対応して予め定められた機能の処理を実行させるモーション制御手段であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項7】
更に、通信のための通信手段と、この通信手段に対する着信があったことを報知する着信報知手段とを備え、前記振動発生手段によって発生される振動は、前記着信報知手段によって発生される振動であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項8】
コンピュータに、
複数の方向夫々の振動状態を検出する振動検出機能、
この振動検出機能によって検出された振動に基づいて予め定められた機能の処理を実行する機能処理機能、
音出力による振動あるいは報知のための振動を発生させる振動発生機能、
この振動発生機能による振動が発生するか否かあるいは発生中か否かを判別する振動判別機能、
この振動判別機能により振動が発生するあるいは発生中と判別された場合に前記振動発生機能による振動の方向と一致する方向の振動を排除して前記機能処理機能を制御する機能制御機能、
を実現させるためのプログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−88100(P2010−88100A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89979(P2009−89979)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(504149100)株式会社カシオ日立モバイルコミュニケーションズ (893)
【Fターム(参考)】