説明

電子機器

【課題】 電子機器の筐体から投影ユニットを分離して画像を投影する場合において、投影ユニットの安定性を確保して設置することができる電子機器を提供する。
【解決手段】 筐体4内に収容される撮像ユニット30と、前記筐体4に着脱可能に構成される投影ユニット22とを備える電子機器であって、前記投影ユニット22は、その底面に略垂直に形成された三脚の取り付け用ねじ孔34を有し、前記筐体4に装着された場合に、前記筐体4の底面に設けられた開口部より前記ねじ孔34が露出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタを備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プロジェクタ機能を有するカメラが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−250392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このカメラにおいてはカメラ本体に投影ユニットが一体に構成されているため、両者を分離させて画像を投影することはできなかった。
【0005】
本発明の目的は、電子機器の筐体から投影ユニットを分離して画像を投影する場合において、投影ユニットの安定性を確保して設置することができる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、筐体内に収容される撮像ユニットと、前記筐体に着脱可能に構成される投影ユニットとを備える電子機器であって、前記投影ユニットは、その底面に略垂直に形成された三脚の取り付け用ねじ孔を有し、前記筐体に装着された場合に、前記筐体の底面に設けられた開口部より前記ねじ孔が露出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電子機器によれば、電子機器の筐体から投影ユニットを分離して画像を投影する場合において、投影ユニットの安定性を確保して設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係るカメラの前面を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るカメラの背面を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るカメラ内部に収納されたユニットの配置を示す正面断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るカメラ内部に収納された各ユニットの配置を示す上面断面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るカメラの図4におけるA−A断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る筐体から投影ユニットを取外した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係る電子機器についてカメラを例に説明する。図1は、実施の形態に係るカメラの前面を示す斜視図である。カメラ2はプロジェクタを備えるデジタルカメラであって、カメラ2の筐体4はアルミニウム等の金属やプラスチックにより構成されている。筐体4の前面6には、被写体光を入射させる撮影窓10、画像を投影するプロジェクタ投影窓12、被写体を照射する光を射出するフラッシュ窓14が設けられている。また、筐体4の上面には、電源スイッチ16、レリーズ指示を行うレリーズボタン18、カメラ撮影を行う撮影モードとプロジェクタ投影を行うプロジェクタモードとを切り換えるPJボタン20、投影ユニット22(図3参照)を筐体4内に挿入、または引出すための開口部21が設けられている。また筐体4の底面には、投影ユニット22を筐体4内に装着した場合に、投影ユニット22の底面を外部に露出させるための開口部35(図3参照)が設けられている。
【0010】
図2は、実施の形態に係るカメラの背面を示す斜視図である。筐体4の背面8には、撮像画像や投影画像を表示するLCD表示部24、投影する画像の選択等を行うマルチセレクタ26、音量調整ボタン28等の操作部が設けられている。
【0011】
図3は、実施の形態に係るカメラ内部に収納された各ユニットの配置を示す正面断面図である。カメラ2の内部の略中央には投影画像を投影するための投影光学系と光源であるLED等を有する投影ユニット22が配置されている。投影ユニット22は筐体4に着脱可能に構成されており、筐体4の上面に設けられた開口部21から筐体4内に挿入することにより、筐体4に装着され、開口部21から引出すことにより筐体4から取外される。また、投影ユニット22の図3における右側には、被写体を撮像するための撮像素子を有する撮像ユニット30が、投影ユニット22の左側には、投影ユニット22及び撮像ユニット30に電力を供給するバッテリを収容する電池室32が設けられている。また、投影ユニット22の底面には投影ユニット22の底面に対して略垂直に形成された三脚取付け用ねじ孔34が設けられており、上面には投影ユニット22を筐体4に対して着脱する場合に把持する把持部36が設けられている。
【0012】
ここで、投影ユニット22を筐体4に装着する場合には、投影ユニット22の把持部36を把持して開口部21から筐体4内に挿入する。投影ユニット22の底面は、筐体4に装着した場合に筐体4の底面に設けられた開口部35から露出し、筐体4の底面と略同一平面になるように構成されている。従って、筐体4の底面に設けられた開口部35より三脚取付け用ねじ孔34が露出する。
【0013】
また、撮像ユニット30の投影ユニット22と対向する面には投影ユニット22が筐体4に装着されたことを検出する接触式のスイッチ38が設けられている。このスイッチ38がオンの場合、筐体4に投影ユニット22が装着されたことが検出される。一方、スイッチ38がオフの場合、筐体4から投影ユニット22が取外されたことが検出される。
【0014】
図4は、実施の形態に係るカメラ内部に収納されたユニットの配置を示す上面断面図であり、図5は、図4におけるA−A断面図である。図4に示すように、制御部を有するメイン基板40が筐体4内部の背面側に設けられている。メイン基板40に設けられたコネクタ42にフラットケーブル44の一端部が接続され、投影ユニット22に設けられたコネクタ46にフラットケーブル44の他端部が接続されている。投影ユニット22が筐体4に装着された場合、フラットケーブル44は投影ユニット22のコの字形状の空間に形成されたケーブル収納部23(図3参照)に折り畳んで収納される。
【0015】
図6は、実施の形態に係るカメラの筐体4から投影ユニット22を取外した状態を示す図である。図6に示すように、三脚50は投影ユニット22の底面に設けられた三脚取付け用ねじ孔34に装着される。また、この状態ではスイッチ38がオフとなり、撮像ユニット30による撮像と投影ユニット22による投影を同時に行うことが可能となる。
【0016】
カメラ2を用いて画像の投影を行う場合には、筐体4から投影ユニット22を取外し、三脚50を用いて投影ユニット22を投影面に対して最適な投影距離で設置する。そして、筐体4のマルチセレクタ26を操作することにより、投影ユニット22による投影と撮像ユニット30による撮像を同時に行うか、投影ユニット22による投影のみを行うのかを選択する。また、マルチセレクタ26を操作して投影画像の選択を行い、選択した画像の投影を行なう。また音声が記憶されている画像の場合には、音量調節ボタン28を操作して音量の調整も行う。
【0017】
この実施の形態に係るカメラによれば、投影ユニットは投影ユニットの底面に略垂直に形成された三脚取付け用ねじ孔を有するため、カメラの筐体から投影ユニットを取外して、画像の投影を行う場合に、三脚を用いて安定的に投影ユニットを設置することができる。また、投影ユニットが筐体に装着される場合、筐体の底面と、筐体の底面から露出する投影ユニットの底面が略同一の平面を形成するように構成されているためカメラの美感を害することがない。また、投影ユニットは三脚取付け用ねじ孔を有するため、三脚取付け用ねじ孔を有するブロック等の部品が不要となり、コストダウン及び省スペース化が可能になる。
【0018】
なお、上述の実施の形態においては、投影ユニット22が筐体4に装着されたか否かを検出するために接触式のスイッチ38を用いているが、光学的機能を有する非接触式のセンサを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、プロジェクタを備えるデジタルカメラに利用することができる。
【符号の説明】
【0020】
2…カメラ、4…筐体、10…撮影窓、12…プロジェクタ投影窓、20…PJボタン、21…開口部、22…投影ユニット、24…LCD表示部、26…マルチセレクタ、30…撮像ユニット、34…三脚取付け用ねじ孔、35…開口部、36…把持部、38…スイッチ、40…メイン基板、44…フラットケーブル、50…三脚。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に収容される撮像ユニットと、
前記筐体に着脱可能に構成される投影ユニットとを備える電子機器であって、
前記投影ユニットは、その底面に略垂直に形成された三脚の取り付け用ねじ孔を有し、前記筐体に装着された場合に、前記筐体の底面に設けられた開口部より前記ねじ孔が露出することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記投影ユニットの底面は、前記投影ユニットが前記筐体に装着された場合に、前記筐体の底面と略同一の平面を形成することを特徴とする請求項1記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−217757(P2010−217757A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−66670(P2009−66670)
【出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】