説明

電子機器

【課題】コネクタの損傷を防止できる電子機器を得ることにある。
【解決手段】電子機器は、本体、コネクタおよびカバーを備えている。本体は、起立された設置面に据え付け可能である。前記コネクタは、前記本体を前記設置面に据え付けた時に、前記設置面に沿った姿勢に保たれた前記本体から下向きに突出されている。前記カバーは、前記本体に取り付けられて、前記本体を外側から覆うように構成されている。さらに、前記カバーは、前記コネクタを外れた位置に複数のガード部を有している。前記ガード部は、前記設置面に沿った姿勢に保たれた前記本体から突出する前記コネクタの先端よりも下向きに延長されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、起立した設置面に据え付けが可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば通信機器のような電子機器は、ケーブルが接続されるコネクタを備えている。コネクタは、電子機器を起立した設置面に据え付けた時にケーブルの配線を容易に行えるように、電子機器の本体から下向きに突出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−18761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
重たい電子機器を起立した設置面に据え付ける際に、コネクタを下向きにした姿勢で電子機器を一時的に床面の上に置くことがある。すると、電子機器の荷重がコネクタに集中して加わるので、コネクタが変形したり破損する一つの要因となる。
【0005】
さらに、電子機器を設置面に据え付ける時に、誤って電子機器を落下させてしまうと、電子機器の本体から下向きに突出されたコネクタが床面に衝突するのを否めない。この結果、コネクタが衝撃を受けて破損してしまい、電子機器そのものが簡易な補修では対応できない故障品となることがあり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、電子機器は、本体、コネクタおよびカバーを備えている。本体は、起立された設置面に据え付け可能である。前記コネクタは、前記本体を前記設置面に据え付けた時に、前記設置面に沿った姿勢に保たれた前記本体から下向きに突出されている。前記カバーは、前記本体に取り付けられて、前記本体を外側から覆うように構成されている。さらに、前記カバーは、前記コネクタを外れた位置に複数のガード部を有している。前記ガード部は、前記設置面に沿った姿勢に保たれた前記本体から突出する前記コネクタの先端よりも下向きに延長されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1の実施形態において、起立した屋外の設置面に日除け板で覆われた電子機器を据え付けた状態を示す側面図。
【図2】図1のF2線の方向から見た日除け板で覆われた電子機器の正面図。
【図3】図2のF3−F3線に沿う断面図。
【図4】図3のF4の部分を拡大して示す断面図。
【図5】第2の実施形態において、電子機器の本体と日除け板との連結部分の構造を示す断面図。
【図6】第3の実施形態において、起立した屋外の設置面に日除け板で覆われた電子機器を据え付けた状態を示す側面図。
【図7】第4の実施形態において、起立した屋内の設置面に導風板で覆われた電子機器を据え付けた状態を示す側面図。
【図8】図7のF8線の方向から見た電子機器の平面図。
【図9】第5の実施形態において、起立した屋外の設置面に日除け板で覆われた電子機器を据え付けた状態を示す側面図。
【図10】図9のF10線の方向から見た日除け板で覆われた電子機器の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態について、図1ないし図4を参照して説明する。
【0009】
図1ないし図3は、屋外で使用する通信機器1を示している。通信機器1は、電子機器の一例であって、例えば建物の外壁のような起立した設置面2に据え付けられている。
【0010】
通信機器1は、機器本体3およびカバーの一例である日除け板4を備えている。機器本体3は、前板5、左右の側板6a,6b、背板7、天板8および底板9を有する四角い箱形である。機器本体3は、例えば電源ユニットや通信用の回路モジュールを収容している。
【0011】
機器本体3の背板7は、設置面2と向かい合っている。一対のブラケット11a,11bが背板7に固定されている。ブラケット11a,11bは、機器本体3の幅方向に延びているとともに、機器本体3の高さ方向に互いに間隔を存して平行に配置されている。ブラケット11a,11bは、夫々ボルト12を介して設置面2に取り付けられている。このため、機器本体3は、設置面2に沿うような縦置きの姿勢で屋外の設置面2に保持されている。
【0012】
図1および図2に示すように、機器本体3の底板9は、機器本体3の下面を構成している。一対のコネクタ13a,13bが底板9に取り付けられている。コネクタ13a,13bは、機器本体3に収容された電源ユニットや回路モジュールに電気的に接続されている。さらに、コネクタ13a,13bは、前記設置面2に沿った姿勢に保たれた機器本体3の底板9から下向きに突出されているとともに、機器本体3の幅方向に互いに間隔を存して並んでいる。
【0013】
図2ないし図4に示すように、四本の円柱状の支持ステー14が機器本体3の側板6a,6bに夫々固定されている。支持ステー14は、側板6a,6bの上部および下部において、機器本体3の奥行方向に間隔を存して並んでいる。支持ステー14は、側板6a,6bの側方に向けて水平に突出されているとともに、その突出端面に開口されたねじ孔14aを有している。
【0014】
前記日除け板4は、日射による機器本体3の温度上昇を抑制するための要素であり、機器本体3を外側から覆うように構成されている。具体的に述べると、日除け板4は、フロントパネル15、左右のサイドパネル16a,16bおよびトップパネル17を有している。各パネル15、16a,16b、17は、例えば金属板により一体に形成されている。
【0015】
図3に示すように、日除け板4のフロントパネル15は、機器本体3の前板5と向かい合っている。日除け板4のサイドパネル16a,16bは、機器本体3の側板6a,6bと向かい合っている。日除け板4のトップパネル17は、機器本体3の天板8と向かい合っている。言い換えると、日除け板4は、機器本体3の上方、前方および左右側方から機器本体3を連続して取り囲んでいる。
【0016】
日除け板4のサイドパネル16a,16bは、前記支持ステー14を介して機器本体3に保持されている。図3および図4に示すように、機器本体3の側板6aから突出された四本の支持ステー14の先端面は、日除け板4のサイドパネル16aの内面に突き当てられている。同様に、機器本体3の側板6bから突出された四本の支持ステー14の先端面は、日除け板4のサイドパネル16bの内面に突き当てられている。
【0017】
図4に示すように、サイドパネル16a,16bは、夫々支持ステー14に対応する位置に通孔18を有している。通孔18は、支持ステー14のねじ孔14aと合致している。固定ねじ20が日除け板4の外側から通孔18に挿入されている。固定ねじ20は、サイドパネル16a,16bを貫通してねじ孔14aにねじ込まれている。このねじ込みにより、日除け板4が機器本体3に取り付けられて、機器本体3と一体化されている。
【0018】
第1の実施形態では、機器本体3と日除け板4との間に隙間21が形成されている。隙間21は、機器本体3と日除け板4との間に断熱用の空気層22を形成している。空気層22は、日射を受けて高温となった日除け板4の熱が機器本体3に直に伝わるのを抑制する。
【0019】
図1および図2に示すように、日除け板4のサイドパネル16a,16bの下端部に夫々ガード部24が一体に形成されている。ガード部24は、コネクタ13a,13bを外れた位置に設けられている。ここでコネクタ13a,13bを外れた位置とは、ガード部24がコネクタ13a,13bに覆い被さらない位置のことを意味する。さらに、ガード部24は、設置面2に沿って縦置きされたサイドパネル16a,16bから下向きに延びている。
【0020】
詳しく述べると、第1の実施形態のガード部24は、第1の部分24aと第2の部分24bと、を備えている。第1の部分24aは、設置面2に沿って起立されたサイドパネル16a,16bの下端部から下向きに延長されている。第1の部分24aの下端縁は、前記コネクタ13a,13bの先端よりも下方に位置されている。第2の部分24bは、第1の部分24aの下端縁から機器本体3の幅方向に直角に折り曲げられて、第1の部分24aと直交するように水平に延びている。サイドパネル16aのガード部24の第2の部分24bと、サイドパネル16bのガード部24の第2の部分24bとは、互いに同一の面上に位置されている。
【0021】
このことから、コネクタ13a,13bは、機器本体3の幅方向に隣り合う二つのガード部24の間に位置されている。コネクタ13a,13bに接続されたケーブル25は、ガード部24の間を通して機器本体3の下方に導かれている。
【0022】
さらに、ガード部24は、機器本体3に保持された日除け板4のサイドパネル16a,16bと一体化されている。したがって、コネクタ13a,13bに対するガード部24の位置が固定的に定められている。
【0023】
このような第1の実施形態によると、日除け板4のサイドパネル16a,16bの下端に、機器本体3の下面から下向きに突出されたコネクタ13a,13bの先端よりも下方に延長されたガード部24が一体に形成されている。
【0024】
このため、例えば機器本体3を起立した設置面2に据え付ける時に、誤って機器本体3を落下させたとしても、ガード部24の第2の部分24aがコネクタ13a,13bよりも先に床面Fに突き当たって衝撃を受け止める。このため、コネクタ13a,13bをガード部24によって機器本体3の落下に伴う衝撃から保護することができ、コネクタ13a,13bの損傷を未然に防止できる。
【0025】
加えて、コネクタ13a,13bに対するガード部24の位置が固定的に定められているので、ガード部24の第2の部分24bは、常にコネクタ13a,13bの先端よりも下方に張り出した状態に保持されている。そのため、ガード部24がコネクタ13a,13bの先端よりも上方に退くようなことはなく、コネクタ13a,13bを確実に保護することができる。
【0026】
それとともに、コネクタ13a,13bは、隣り合う二つのガード部24の間に位置するので、コネクタ13a,13bにケーブル25を接続する際に、ガード部24が邪魔となることはない。よって、コネクタ13a,13bにケーブル25を接続する作業を容易に行うことができる。
【0027】
しかも、ガード部24の第2の部分24bは、コネクタ13a,13bを間に挟んだ両側で水平に延びている。このため、例えば図2に示すように、ガード部24の第2の部分24a,24bを床面Fに接地させることで、コネクタ13a,13bを下向きにした姿勢で通信機器1を床面Fの上に仮置きすることができる。
【0028】
よって、通信機器1を設置面2に据え付ける際に、通信機器1を設置面2に隣接した床面Fの上に起立させておくことができ、通信機器1を設置する作業を容易に行うことができる。
【0029】
さらに、図2に示すように、コネクタ13a,13bを下向きにした姿勢で通信機器1を床面Fの上に置いた場合でも、コネクタ13a,13bは床面Fから離れた状態に維持される。よって、コネクタ13a,13bに機器本体3の荷重が集中して加わることはなく、コネクタ13a,13bの破損を防止できる。
【0030】
しかも、ガード部24は、日除け板4を構成するサイドパネル16a,16bの一部であるため、コネクタ13a,13bを保護する専用の構造が不要となる。言い換えると、既存の日除け板4を利用してコネクタ13a,13bを保護することができる。よって、通信機器1の部品点数が増えることはなく、通信機器1のコストの増大を抑制できるといった利点がある。
【0031】
第1の実施形態において、ガード部の数は二つに限らない。例えば、日除け板4のフロントパネル15の下縁部に、コネクタ13a,13bよりも前方でコネクタ13a,13bの先端よりも下向きに延びる少なくとも一つのガード部を設けてもよい。
【0032】
[第2の実施形態]
図5は、第2の実施形態を開示している。第2の実施形態は、機器本体3に日除け板4を保持するための構成が第1の実施形態と相違しており、それ以外の構成は第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分は同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0033】
図5は、機器本体3の側板6aに日除け板4のサイドパネル16aを取り付けた部分の構造を代表して示している。図5に示すように、日除け板4のサイドパネル16aは、取付金具31を介して機器本体3の側板6aに保持されている。
【0034】
取付金具31は、金具本体32、第1の支持片33aおよび第2の支持片33bを有している。金具本体32は、板状であり、側板6aとサイドパネル16aとの間の隙間21に介在されている。金具本体32は、側板6aと向かい合う第1の端部32aと、サイドパネル16aと向かい合う第2の端部32bと、を有している。
【0035】
第1の支持片33aは、側板6aの外面に沿うように金具本体32の第1の端部32aから直角に折り曲げられている。第2の支持片33bは、サイドパネル16aの内面に沿うように金具本体32の第2の端部32bから直角に折り曲げられている。第1および第2の支持片33a,33bは、夫々第1のねじ孔34を有している。
【0036】
側板6aおよびサイドパネル16aは、夫々第2のねじ孔35を有している。第2のねじ孔35は、第1のねじ孔34と合致している。第1の支持片33aの第1のねじ孔34に第1のねじ36がねじ込まれている。第1のねじ36は、第1の支持片33aを貫通して側板6aの第2のねじ孔35にねじ込まれている。
【0037】
サイドパネル16aの第2のねじ孔35に第2のねじ37がねじ込まれている。第2のねじ37は、サイドパネル16aを貫通して第2の支持片33bの第1のねじ34にねじ込まれている。
【0038】
このねじ込みにより、日除け板4のサイドパネル16aが取付金具31を介して機器本体3の側板6aに保持されている。
【0039】
[第3の実施形態]
図6は、第3の実施形態を開示している。第3の実施形態は、日除け板4のガード部24の構成が前記第1の実施の形態と相違しており、それ以外の構成は第1の実施形態と同様である。そのため、第3の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0040】
図6に一方のガード部24を代表して示すように、開口部41がガード部24の第1の部分24aに形成されている。開口部41は、手の指を挿入し得るような四角い開口形状を有している。ガード部24の第1の部分24aのうち開口部41の下縁を規定する箇所は、第2の部分24bと協働してグリップ部42を規定している。グリップ部42は、通信機器1を運搬する際に、作業者が手で握る箇所であって、機器本体3の幅方向に互いに離れている。
【0041】
このような構成によれば、コネクタ13a,13bを保護する日除け板4のガード部24に運搬用のハンドルとしての機能を付加することができる。したがって、通信機器1を据え付ける場所まで運搬する際の作業を容易に行うことができる。
【0042】
[第4の実施形態]
図7および図8は、第4の実施形態を開示している。第4の実施形態は、屋内で使用する通信機器1を示している。通信機器1は、機器本体3と、機器本体3に取り付けられた導風板50とを備えている。機器本体3は、例えば室内の起立した壁のような設置面51に据え付けて使用するものであり、第1の実施形態と同様の構成を有している。そのため、機器本体3に関しては、第1の実施形態と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0043】
図7および図8に示すように、導風板50はカバーの一例であって、機器本体3を外側から覆うように構成されている。すなわち、導風板50は、フロントパネル52、左右のサイドパネル53a,53bおよびトップパネル54を有している。各パネル52、53a,53b、54は、例えば金属板により一体に形成されている。
【0044】
導風板50のフロントパネル52は、機器本体3の前板5と向かい合っている。導風板50のサイドパネル53a,53bは、機器本体3の側板6a,6bと向かい合っている。導風板50のトップパネル54は、機器本体3の天板8と向かい合っている。そのため、導風板50は、機器本体3の上方、前方および左右側方から機器本体3を連続して取り囲んでいる。
【0045】
図8に示すように、導風板50のサイドパネル53a,53bは、前記第1の実施形態と同様に、機器本体3の側板6a,6bから突出された四本の支持ステー14の先端面に固定ねじ20を介して固定されている。そのため、導風板50は、機器本体3と一体化されており、これら機器本体3と導風板50との間に空気を流す隙間55が形成されている。隙間55は、機器本体3および導風板50の下方に向けて開放されている。
【0046】
図7に示すように、導風板50のサイドパネル53a,53bの下端部に夫々前記第1の実施形態と同様のガード部24が一体に形成されている。ガード部24は、第1の実施形態と同様の構成を有するため、第1の実施形態と同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0047】
一対の電動ファン56が導風板50のトップパネル54に支持されている。電動ファン56は、導風板50のトップパネル54と機器本体3の天板8との間の隙間55に位置されているとともに、機器本体3の幅方向に間隔を存して並んでいる。
【0048】
電動ファン56は、ファンケース57とインペラ58とを備えている。ファンケース57は、天板8と向かい合う吸込口59と、吸込口59と向かい合う吐出口60とを有している。吐出口60は、トップパネル54に開けた排気口61に通じている。
【0049】
インペラ58は、ファンケース57に収容されて、吸込口59と吐出口60との間に位置されている。インペラ58が回転すると、吸込口59に負圧が作用し、隙間55内の空気が吸込口59からファンケース57内に吸い込まれる。
【0050】
第4の実施形態によると、インペラ58の回転に伴いファンケース57の吸込口59に負圧が作用すると、図7に矢印で示すように、通信機器1の外の空気が機器本体3の下端と導風板50の下端との間から隙間55内に吸い込まれる。隙間55に吸い込まれた空気は、機器本体3の外周面に沿うようにして電動ファン56に向けて流れる。この空気の流れにより機器本体3が強制的に冷やされる。
【0051】
機器本体3との熱交換により暖められた空気は、ファンケース57の吸込口59に吸い込まれた後、吐出口60および排気口61を通じて通信機器1の外に放出される。
【0052】
第4の実施形態では、機器本体3を強制空冷するための導風板50に、コネクタ13a,13bの先端よりも下方に延長されたガード部24が一体に形成されている。このため、例えば機器本体3を起立した設置面51に据え付ける時に、誤って機器本体3を落下させたとしても、ガード部24の第2の部分24aがコネクタ13a,13bよりも先に床面に突き当たって衝撃を受け止める。このため、コネクタ13a,13bを機器本体3の落下に伴う衝撃から保護することができ、導風板50を利用してコネクタ13a,13bの損傷を未然に防止できる。
【0053】
[第5の実施形態]
図9および図10は、第5の実施形態を開示している。第5の実施形態は、機器本体3のコネクタ13a,13bを保護するための構成が前記第1の実施形態と相違しており、機器本体3および日除け板4の基本的な構成は、第1の実施形態と同様である。そのため、第5の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0054】
図9および図10に示すように、機器本体3の底板9に一対のハンドル71が固定されている。ハンドル71は、通信機器1を運搬する際に手指で把持するための要素であって、コネクタ13a,13bを間に挟むように機器本体3の幅方向に互いに振り分けられている。
【0055】
ハンドル71は、一対のアーム部72a,72bとグリップ部73とを備えている。アーム部72a,72bは、機器本体3の底板9から下向きに突出されているとともに、機器本体3の奥行方向に互いに離れている。グリップ部73は、アーム部72a,72bの下端の間に跨るように機器本体3の奥行方向に水平に延びている。グリップ部73は、コネクタ13a,13bの先端よりも下方に位置されているとともに、コネクタ13a,13bを外れた位置に設けられている。ここで、コネクタ13a,13bを外れた位置とは、ハンドル71のグリップ部73がコネクタ13a,13bに覆い被さらない位置のことを意味する。
【0056】
第5の実施形態によると、通信機器1を運搬する際に用いるハンドル71のグリップ部73がコネクタ13a,13bの先端よりも下方に位置されている。このため、例えば機器本体3を起立した設置面2に据え付ける時に、誤って機器本体3を落下させたとしても、ハンドル71のグリップ部73がコネクタ13a,13bよりも先に床面Fに突き当たって衝撃を受け止める。このため、コネクタ13a,13bを機器本体3の落下に伴う衝撃から保護することができ、運搬用のハンドル71を利用してコネクタ13a,13bの損傷を未然に防止することができる。
【0057】
さらに、コネクタ13a,13bは、隣り合う一対のハンドル71のグリップ部73の間に位置するので、コネクタ13a,13bにケーブル25を接続する際に、グリップ部73が邪魔となることはない。よって、コネクタ13a,13bにケーブル25を接続する作業を容易に行うことができる。
【0058】
しかも、ハンドル71のグリップ部73は、コネクタ13a,13bを間に挟んだ両側で機器本体3の奥行方向に水平に延びている。このため、例えば図10に示すように、ハンドル71のグリップ部73を床面Fに接地させることで、コネクタ13a,13bを下向きにした姿勢で通信機器1を床面Fの上に仮置きすることができる。
【0059】
よって、通信機器1を設置面2に据え付ける際に、通信機器1を設置面2に隣接した床面Fの上に起立させておくことが可能となり、通信機器1を設置する作業を容易に行うことができる。
【0060】
さらに、コネクタ13a,13bを下向きにした姿勢で通信機器1を床面Fの上に置いた場合でも、コネクタ13a,13bは床面Fから離れた状態に維持される。よって、コネクタ13a,13bに機器本体3の荷重が集中して加わることはなく、コネクタ13a,13bの破損を防止できるといった利点がある。
【0061】
第5の実施形態において、ハンドルの数は二つに限らない。例えば、機器本体3の底板9に、コネクタ13a,13bよりも前方に位置された他のハンドルを設けてもよい。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
2,51…設置面、3…本体(機器本体)、4,50…カバー(日除け板、導風板)、13a,13b…コネクタ、24…ガード部、25…ケーブル、71…ハンドル、73…グリップ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
起立された設置面に据え付けられる本体と、
前記本体に設けられ、前記本体を前記設置面に据え付けた時に、前記設置面に沿った姿勢に保たれた前記本体から下向きに突出されたコネクタと、
前記本体に取り付けられ、前記本体を外側から覆うように構成されたカバーと、を具備し、
前記カバーは、前記コネクタを外れた位置に複数のガード部を有し、前記ガード部は、前記設置面に沿った姿勢に保たれた前記本体から突出する前記コネクタの先端よりも下向きに延長された電子機器。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記コネクタは、前記複数のガード部のうち隣り合う二つのガード部の間に位置された電子機器。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記コネクタに対する前記ガード部の位置が固定的に定められているとともに、前記コネクタに接続されたケーブルが前記ガード部の間を通して前記本体の外に導かれる電子機器。
【請求項4】
請求項3の記載において、前記ガード部は、前記カバーから前記設置面に沿う姿勢に保たれた前記本体よりも下向きに延びた第1の部分と、前記第1の部分の下端から水平に延びた第2の部分と、を有する電子機器。
【請求項5】
請求項4の記載において、前記複数のガード部の第2の部分は、同一の面上に位置された電子機器。
【請求項6】
請求項1の記載において、前記ガード部が運搬用のグリップ部を有する電子機器。
【請求項7】
請求項1の記載において、前記本体と前記カバーとの間に断熱用の空気層が設けられた電子機器。
【請求項8】
起立された設置面に据え付けられる本体と、
前記本体を前記設置面に据え付けた時に前記本体から下向きに突出され、ケーブルが取り外し可能に接続されるコネクタと、
前記本体に取り付けられ、前記本体を覆うように構成されたカバーと、
前記コネクタを外れた位置で前記本体に固定され、前記本体を前記設置面に据え付けた時に前記コネクタの先端よりも下方に位置されたグリップ部を有する複数のハンドルと、を具備した電子機器。
【請求項9】
請求項8の記載において、前記コネクタは、前記複数のハンドルのうち隣り合う二つのハンドルの間に位置されているとともに、前記コネクタに対する前記ハンドルの位置が固定的に定められた電子機器。
【請求項10】
請求項9の記載において、前記コネクタに接続された前記ケーブルが前記ハンドルの間を通して前記本体の外に導かれる電子機器。
【請求項11】
請求項10の記載において、前記複数のハンドルのグリップ部が同一の面上に位置された電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−244126(P2012−244126A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116190(P2011−116190)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】