説明

電子的なアドレスを用いて電気通信サービスにアクセスする方法

電気通信利用者が、電気通信端末と電子的なアドレスを用いて、電気通信サービスにアクセスすることを可能とする方法を開示している。電気通信利用者は、RFIDリーダー機器(2)を用いて、RFID構成部品(1)内に保存されている電子的なコード(100)を読み出して、当該の電子的なコード(100)を、電気通信網(4)を介してネームサービスサーバー(6)に伝送し、当該のネームサービスサーバー(6)が、当該のコードに対応する、当該の電子的なアドレスを決定するために使用することができるページの電子的なページアドレスを返信して、当該の電気通信端末(3)が、当該の電子的なアドレスを取得して、当該の電気通信サービスにアクセスするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電気通信網用の電気通信端末の利用者が、電子的なアドレスを用いて電気通信サービスにアクセスすることを可能とする請求項1による方法、請求項28によるシステム及び請求項31による製品に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの電気通信サービスでは、電子的なアドレスを入力することが必要である。電話接続を実現するためには、電話番号を入力しなければならず、電子メールを送信するためには、受信者のアドレスをタイプ入力しなければならない。ウェブページへのアクセスも、URLアドレスによって可能となる。
【0003】
電子的なアドレスを覚えておいて、そのアドレスをタイプ入力することは退屈な作業であり、間違いを起こし易い。大抵の場合、必要なアドレスは、ローカル又はリモートディレクトリィ、例えば、電話番号や電子メールアドレス用のメモリ領域又はURL用のブックマーク管理プログラムに保存されている。
【0004】
しかし、新しいアドレスは、それを使用する前にディレクトリィ内に書き込まなければならない。新しいアドレスを自動的に読み込んで、それをディレクトリィに保存するための多くの方法が知られている。例えば、バーコードとして印刷された電子的なアドレスを読み込んで処理することができるバーコードスキャナーが知られている。しかし、バーコードは、アドレス用としては比較的まばらにしか配布されておらず、通常のバーコードスキャナーで読み込むことができるアドレスの最大限可能な長さが制限されている。例えば、長いURLは、バーコードとして使用するのが難しい。
【0005】
名刺をスキャンして、それを自動的にテキストに変換し、認識したデータをデータベースに保存することができるスキャナーも知られている。しかし、そのようなテキスト認識プログラムを備えたテキストスキャナーは、比較的高価であり、持ち運びが難しい。特に、光学式文字認識(OCR)によるテキスト認識は、間違いを起こし易く、多くの記憶領域と計算能力を必要とする。
【0006】
また、非接触式インタフェースを介して読み取られるチップ内に電子的なアドレスを保存するシステムが既に推奨されている。しかし、そのようなシステムは、保存しているアドレスをRFID書込機器を用いて更新するのが難しく、そのことは、チップが再書込み可能である場合にだけ可能であるという欠点を有する。このチップの記憶容量は限定されており、見込まれる最大数よりも多いビットから成るアドレスを保存することができない。アドレスが変わった場合、それ以前に配布したすべてのチップを交換又は更新しなければならない。
【0007】
特許文献1により、RFID構成部品としても実現することができる、所謂IDカードが周知である。これらのカードには、利用者(例えば、学生)の画像が保存されている。
【0008】
特許文献2は、利用者の電気通信端末を用いて、識別コードを読み取って、直接的又はデータベースに照会した後に電話番号を選択する方法に関するものである。
【0009】
特許文献3による実施形態では、RFIDタグを読み出して、受信した情報をウェブページやメールボックスなどにアクセスするために使用している。
【特許文献1】欧州特許公開第1054335号明細書
【特許文献2】米国特許第6,611,673号明細書
【特許文献3】国際特許公開第03/107146号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明の課題は、前述した問題をより効率的に解決することができる新しい方法及びシステムを提案することである。
【0011】
特に、この発明の課題は、電気通信網の利用者が電気通信端末と電子的なアドレスを用いて電気通信サービスにアクセスすることを可能ととする新しい方法及びシステムを提案することである。提供可能なサービスには、例えば、指定されたアドレスによる接続の確立、ディレクトリィへの電子的なアドレスの保存、SIMカードに関連する口座からの金額の充填(複数回補充することができるプリペイドカード又は価値保存カード)、移動体端末3又は移動体無線網4における各ブロック解除機能のブロック、電子的なアドレスによる支払いトランザクション等が有る。
【0012】
また、この発明の課題は、電子的なアドレスをより効率的に配布、更新、読み取り及び使用することを可能とする新しい方法及びシステムを提案することである。
【0013】
この発明の別の課題は、利用者が、ログインしている電気通信システムと関係なく、アドレスを使用することを可能とする新しい方法及びシステムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これらの課題は、特に、電気通信利用者が、電気通信端末と電子的なアドレスを用いて、電気通信サービスにアクセスすることを可能とする方法であって、
電気通信利用者が、RFIDリーダー機器を用いて、RFID構成部品内に保存されている電子的なコードを読み出す措置と、
電気通信網を介して、当該の電子的なコードをネームサービスサーバーに伝送する措置と、
当該のネームサービスサーバーが、当該のコードに対応するページの電子的なページアドレスを返信して、そのページから当該の電子的なアドレスを抽出することができるようにする措置と、
所望の電子的なアドレスを、当該の電気通信端末に提供する措置と、
当該の電気通信サービスにアクセスする措置と、
を有する方法によって達成される。
【0015】
この方法は、使用する電子的なアドレスが電気通信端末に自動的に転送されるという利点を有する。
【0016】
また、この方法は、使用する電子的なアドレスが、RFID構成部品内に保存されているのではなく、例えば、そのアドレスの所有者によって、RFID構成部品の配布後であっても何時でも容易に更新することができるページ上に保存されているという利点を有する。
【0017】
更に、この方法は、所望の電子的なアドレスを抽出するためのページのページアドレス自身が、ネームサービスサーバーによって決定され、そのためRFID構成部品の利用者に通報することなく容易に変更することができるという利点を有する。このことにより、例えば、このページを異なるサーバー上で提供することができる。
【0018】
このページのページアドレスは、RFID構成部品10から読み込まれたコードに対応する。コードと電子的なページアドレス間の関連付けは、静的ではなく、ネームサービスサーバーに登録されている。このことは、ページアドレスの変更が何時でも可能であり、簡単に追跡することができるという利点を有する。このことは、サーバーの単一アドレスにより、各網の各移動体機器から、サービスをオーダーすることができる汎用的なシステムであるという利点も有する。
【0019】
更に、この発明による方法は、当該の電気通信端末の電子的なアドレスを取得すると直ちに電気通信サービスにアクセスすることができるという利点を有する。従って、RFIDリーダー機器を用いて、場合によっては利用者が介入することがなくても、直ちに電子的なアドレスを決定して、そのアドレスをサービスにアクセスするために使用することが可能である。
【0020】
この方法により、利用者、例えば、移動体加入者が、所望のサービスのアドレスを転送することができるRFID構成部品を所有していることを証明することができる。RFID構成部品は、コピーされ難いことと、電子的なアドレスが、場合によってはダウンロード可能なページ上だけで入手可能であることとから、電子的なアドレスの配布とそのためサービスへのアクセスを制御することができ、そのことは、セキュリティも向上させることとなる。
【0021】
RFID構成部品は、製品、例えば、名刺(これだけに限定されるものではない)と組み合わせることが可能なタグに組み込むことができる。従って、タグ内のコードを読み取ることによって、その時点で製品サポートに対して責任を持つ人の電話番号又は電子メールアドレスを決定して、その人との接続を自動的に確立することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下では、この発明について、図面にもとづき詳しく述べる。
【0023】
図1は、利用者(移動体利用者)が、この発明による方法にもとづきサービスをオーダーするために使用するシステムを図示している。移動体機器3(例えば、移動体無線電話機又はセルラー移動体無線網とのインタフェースを備えたPDA)は、ショートメッセージ(例えば、SMSやUSSD)及びデータ(例えば、IPパケット)を移動体無線網4から受信するとともに、その網に送信することができる。この移動体無線網4は、データも伝送することができる網、例えば、GSM、GPRS、HSCSD、EDGE、UMTS又はCDMA網である。移動体機器3は、網4を介して、その機器を識別するための識別モジュール(例えば、SIMカード30)を有する。移動体機器3及び/又はSIMカード30内のプロセッサによって、一つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行することができる。
【0024】
移動体機器3は、更に、RFIDリーダー機器2を有するか、或いは(例えば、USB、ファイヤーワイヤー、PCカード、コンパクトフラッシュ(R)、専用又はその他の接続方式、或いはブルートゥースやWLANの非接触接続方式により)そのようなリーダー機器と接続される。リーダー機器2は、マイクロコントローラと、近傍のRFID構成部品とデータを交換するための少なくとも一つのアンテナ又はコイルを有する。データの伝送は、好ましくは、13.56MHz、900MHz、860〜930MHzの中の一つ以上の周波数帯域で行われる。リーダー部分は、好ましくは、異なる周波数帯域で、かつ異なるRFIDにより動作するように選定することができる。RFIDを読み出させる動作範囲は、リーダー部分とタグの向きに依存して、好ましくは、2〜10メートルである。接続は、好ましくは、ASK後方散乱変調による半二重モードで行われる。
【0025】
RFID構成部品1は、チップの製造時又は個人向け設定時にコード100を保存するための消去不能な固定記憶エリアを備えたチップ10を有する。このコードは、各特定の製品を一義的に識別するものであり、好ましくは、個々の製品は、それぞれ別々のコードを有する。しかし、一つのシリーズ製品であることを示すことを目的とする場合には、幾つかの製品に同じコード100を付与することができる。
【0026】
好ましくは、コードを改竄することができない。コード生成業者(例えば、網運用業者)は、有効な、使用済み、又は期限切れのコードが、その旨マーキングされたテーブルを保守する。
【0027】
コード100は、好ましくは、64、96又はそれ以上のビットを有し、階層的に構成されている。リーダー機器2からの問合せに対するRFID構成部品10の返答1000は、好ましくは、ヘッダー1001と、冗長的な検証データ1002と、その次にコード100だけを有する(図2)。その他のデータは、チップ10の記憶エリアに保存されており、リーダー部分により読み出すことができる。
【0028】
コード100は、好ましくは、共通の認証機関によって、異なる製品製造業者、移動体無線網提供業者及び付加価値サービス提供業者に配布され、コード100の一部は、好ましくは、価値保存カード1を購入したサービス提供業者の識別子(例えば、移動体無線網運用業者の識別子)を表す。利用者にサービスを提供したいサービス提供業者は、共通の認証機関から一連のコードを確保して、その次に、それらのコードの一部を、配布するRFID構成部品1に保存する。
【0029】
移動体機器3では、リーダー機器2を介して近傍のRFID構成部品1のコード100を読み取って、このコードを移動体無線網4により送信するための少なくとも一つのアプリケーションが配備されている。コードの読み取りは、好ましくは、移動体機器3及び/又はリーダー機器2によって始動され、例えば、移動体機器が、連続的又は周期的に近傍のRFID構成部品を探索して、見い出したRFID構成部品1内のコードを読み出すか、処理するか、或いは転送することが可能である。別の低電流の実施形態では、読み取りは、移動体機器3及び/又はリーダー機器2の利用者によって始動され、利用者は、RFID構成部品1を読み出したい場合に、対応するアプリケーションを立ち上げるか、或いはコマンドを入力する。移動体機器3又はその他の機器を用いたRFID構成部品1の読み取りは、近い範囲内ではインタフェース(例えば、ブルートゥースまたはWLAN)を介して、移動体無線網4を介して、或いはアクセスしているWEB又はWAPページ上のリンクを介して、外部機器(例えば、販売ポイント又は自動機械)によって始動することもできる。
【0030】
読み取ったコード100を処理するために、移動体機器3とリーダー機器2の両方又は一方にアプリケーションの一部として、簡単なフィルター及び処理手段を配備することができる。このアプリケーションは、例えば、コードの一定の部分だけを処理して転送することができる。それらしくない、或いはエラーを含むコードを削除するために、冗長性検査を配備することもできる。以前使用されていたコードは、好ましくは、将来における制御、静的な評価及びバックアップのために、移動体機器3のデータベースに保存される。
【0031】
このアプリケーションでは、コードを読み取るか、或いは転送する前に、パスワード又はその他の認証を要求することもできる。例えば、パスワードは、製品、例えば、複数回補充することができるプリペイドカード又は価値保存カードの隠れた部分に印刷するか、或いは別のチャネルを介して、移動体利用者に送ることができる。パスワードの検証により、例えば、権限の無い第三者が、適当なリーダー機器を用いて、別人の製品のコードを読み出して、使用することを防止することができる。
【0032】
一つの実施形態では、パスワードは、コード100の一部を構成するか、或いはこのコードから関数を用いて求めることができる。パスワードは、例えば、パブリックキーを用いて検証することができる、コードのシグネチャーから取得することができる。この場合、権限の無い第三者が、対応する関数又はプライベート署名キーを知っていれば、コードだけからパスワードを求めることができる。この実施形態は、アプリケーションが、コードだけにもとづき、パスワードの有効性を検証することができるという利点を有する。
【0033】
別の実施形態では、パスワードの有効性は、SIMカード30、移動体機器3又は外部サーバー内のテーブルにもとづき検証される。
【0034】
更に別の実施形態では、パスワードは、RFID構成部品1に保存されており、RFID構成部品1により検証される。しかし、この実施形態は、パスワードを保存、受信及び比較することもできる高価なRFID構成部品を必要とする。
【0035】
移動体機器3におけるアプリケーションは、コードを更に処理して、所望のサービスをオーダーする前に、利用者の確認を要求することができる。この確認は、例えば、移動体機器のキーボード、PDA、その他の入力手段又は音声コマンドにより入力することができる。
【0036】
パスワードが正しく、確認が受信された場合に、読み出されたコード100は、サービスオーダーメッセージ(例えば、ショートメッセージ、好ましくは、GPRS又はUMTSパケット)に纏められて、移動体無線網4を介して、周知のアドレスのサーバー5、好ましくは、移動体無線網4のインフラストラクチャー内のサーバーに送信される。このサービスオーダーメッセージは、任意選択により、移動体機器3又はSIMカード30によって、タイムスタンプを押されるか、或いは設定される。
【0037】
サーバー5は、幾つかの、或いは場合によってはすべてのRFIDリーダー2から受信する、コードの入ったサービスオーダーメッセージを管理する。異なるエリアからのコードを異なった形で扱うか、或いは全く扱わないようにするために、その他のより複雑なフィルターをサーバー5に配備することができる。
【0038】
コードを処理するために、サーバー5がパスワードを要求することもでき、移動体機器と同様に、このパスワードは、コード自体から導き出すか、或いはテーブルにもとづき検証することができる。このパスワードは、例えば、コード100と一緒に、一つのメッセージでサーバー5に伝送される。
【0039】
サーバー5は、利用者の本人確認を検証することもできる。このことは、サーバー5が、移動体無線網4の運用業者によって管理されている場合、なお一層信頼性を増すことととなる。この場合、移動体利用者の本人確認は、確実には、SIMカード30内のIMSI(国際移動電話加入者識別番号)又はその他の識別子にもとづき決定することができる。一定のサービスは、一定の利用者(例えば、対応するサービスに加入している、金銭口座に十分な残高を持っている、或いはそのプロファイルにサービスを提供することができる移動体利用者)にのみ提供される。
【0040】
パスワードが間違っている、或いはその他の理由により所望のサービスを提供することができない場合、好ましくは、(例えば、SMS、USSD又はインターネットを介して)利用者にメッセージが送信される。何回かの試みが失敗した後は、セキュリティ上の理由から、確定的に、或いは一時的に、更なる試みを阻止することができる。この手法により、試みを繰り返すうちに、有効なコードに突き当たってしまうことを防止することが可能である。
【0041】
サーバー5は、インターネット又はイントラネットを介して、各コードに対応した電子的なページの電子的なアドレスを保存しているネームサービスサーバー6と接続される。
【0042】
サーバー5は、受信した、コード100の入った問合せ50をネームサービスサーバー6に転送して、ネームサービスサーバーは、対応する電子的なアドレスを回答する(応答60)。電子的なアドレスは、例えば、TCP−IP網に関するURL又はその他のアドレスで構成される。
【0043】
ネームサービスサーバー6は、サーバー5の運用業者と外部の団体(例えば、コード100を異なる会社に配布する機関)の両方又は一方によって管理される。所望のアドレスが、サーバー6内で見つからなかった場合に、別のネームサービスサーバーを検索するために、幾つかのネームサービスサーバーを相互に接続することができる。このことにより、例えば、移動体無線網の運用業者が、別の機関のコードを処理することも可能となる。外部のネームサービスのローカルなキャッシュをサーバー5又はサーバー5のドメイン内に配備することもできる。
【0044】
従って、移動体機器3の利用者は、すべてのサービス提供業者のすべてのコード100を、同じ目標とするサーバー5に常に送信して、このサーバーが、ネームサービスサーバー6又はネームサービスサーバー6の網から、所望のサービスを受けるためのベースとなるページアドレスを決定するようにすることができる。このため、サービスオーダーメッセージの処理は、メッセージ内のコードにのみ依存することとなる。従って、幾つかのサービス提供業者の異なるサーバー5に届く同様のメッセージにより、同じサービスを提供することができる。
【0045】
コード100とページアドレス間のネームサービスサーバー6内における関連付けは、好ましくは、ページアドレスの所有者、例えば、RFID構成部品を備えた製品の製造業者によって、(例えば、専用のWEBフォームにより)何時でも修正することができる。このことにより、最終利用者に通知することなく、ページ又はドメインの電子的なアドレスを変更することができる。
【0046】
従って、所望のページのページアドレスは、RFID構成部品1内に保存されている64又は96ビットのコードにもとづき、一つだけ一義的に見い出すことができ、そのため、アクセスするページは、サーバー5のアドレス又は電話番号から完全に独立したものとなる。多くの製品にマーキングしなければならず、そしてセキュリティの理由から、すべてのコードを使用することができないので、コードには、自由に使える十分なビットを持たせなければならず、そして非常に多くの可能性の有る組み合わせが、既に割り当てられているので、例えば、単一のIP番号では、恐らく不十分である。好ましくは、その他の独立したページアドレス指定方式も使用される。
【0047】
サーバー5は、ネームサービスサーバー6から所望のページアドレスの入った応答60を受信して、サーバー7、或いは幾つかのローカル又はリモートサーバーを持つ網内の対応するページにアクセスする(図1の問合せ51と応答70)。
【0048】
一つの実施形態では、所望のページのアドレスは、ネームサービスサーバー6によって指定されたアドレスをコード100の中の一つ以上のビットと組み合わせることによって得られる。この場合、ネームサービスサーバー6のアドレスは、一つのエリアに対応し、そのエリア内の個々のページは、コードの一定の部分に対応する。このことは、ネームサービスサーバー6をより容易に構成することができるという利点を有する。
【0049】
一つの実施形態では、サーバー5によってアクセスされるサーバー7内のページは、移動体機器3に送信される所望の電子的なアドレスのフィールドだけを含む。
【0050】
好ましい実施形態では、サーバー7内のページは、マークアップ言語のハイパーテキストコンテンツを含む。一つの実施形態では、このページは、XML(拡張マークアップ言語)コンテンツで構成される。別の実施形態では、ページは、PML(物体情報マークアップ言語)コンテンツを含む。ページのマークアップタグで示された少なくとも一つのフィールドは、所望のアドレスを有し、ページには、タグを用いた一つ以上のフィールドによる幾つかのアドレスが存在することができる。
【0051】
サーバー5及び最終的には移動体機器3が、所望のデータ及びオブジェクトにアクセスすることができるためのSOAP(シンプルオブジェクトアクセスプロトコル)、.NETフレームワーク又はその他のWEBサービスをサポートすることもできる。この場合、これらのWEBサービスにより取得可能なデータ及びオブジェクトは、所望の一つの電子的なアドレス又は所望の複数の電子的なアドレスを含む。
【0052】
サーバー7のページは、データを含むリモートからダウンロード可能なコンピュータオブジェクト及びそれに対応するプログラム要素を含むこともできる。この場合、オブジェクト内で取得可能なコードは、所望の一つ以上の電子的なアドレスを含む。移動体機器3は、プログラム要素を実行して、これらの電子的なアドレスを管理することができる。プログラム要素は、例えば、提示された幾つかの電子的なアドレス又は通信チャネルの中の一つを選択することを可能とする対話用プログラム要素を実行することができる。好ましい実施形態では、プログラム要素は、シンビアンオペレーティングシステムによって実行可能なJAVA(R)アプレット又はプログラム部分を含む。
【0053】
サーバー5は、サーバー7から所望のページをダウンロードするか、所望のコンテンツ又はそのコンテンツの一部にアクセスするか、或いはその両方を行う。コンテンツを表すページは、移動体無線通信網4を介して、移動体機器3に送信される。
【0054】
移動体機器3は、一つ以上の電子的なアドレス又はそのアドレスを含むオブジェクトを用いて、サーバー7からダウンロード可能なページを受信する。その次に、例えば、XML又はPMLブラウザー又はパーサーを用いて、或いはオブジェクト内に含まれるプログラム又はアプレットを用いて、そのページ又はオブジェクトから電子的なアドレスを抽出する。
【0055】
第一の実施形態では、このアドレスを用いて、電気通信サービスを(利用者の介入無しに)自動的に利用することが可能である。例えば、この電子的なアドレスを移動体機器3又はSIMカード30のアドレスディレクトリィに自動的に保存するか、電気通信網8を介して、端末9とこの目標アドレスとの接続を自動的に確立するか、或いはその両方を行うことが可能である。アドレスタイプに従って、電気通信網8を、交換網、例えば、移動体又は固定用音声又はデータ網、例えば、セルラー移動体通信網又はインターネットとすることができる。
【0056】
接続は、好ましくはアドレスタイプに依存し、アドレスが、電話番号に対応する場合には、自動的又は確認後に電話接続が確立される。このアドレスが、電子メールアドレスに対応する場合、例えば、そのアドレスを用いて、商品を自動的にオーダーしたり、支払いトランザクションを実行するための(サーバー7のページからダウンロードされる)標準的なコンテンツを場合によっては含むことができる電子メールが準備される。電子的なアドレスは、そのページを相応のブラウザーを用いて表示させるためのWEB又はWAPページのURLに対応することもできる。
【0057】
別の実施形態では、利用者の介入後にだけ、決定した電子的なアドレスを用いて、電気通信サービスを利用することが可能である。最も簡単な場合、利用者の介入は、確認要求メッセージにもとづく確認だけで構成される。別の実施形態では、例えば、それがダウンロード可能なXMLコンテンツから成るのかが明確でない場合にファクシミリ又は電話接続を確立するのか否かを決定するために、利用者は、一定の通信チャネルを選択することを求められる。利用者は、ページ上で取得可能な同じ(又は異なる)特定のタイプの幾つかのアドレスの中からどのアドレスを使用したいのか、どの通信サービスを呼び出したいのか、及びそのサービスに対して、どのコンテンツ又はどのパラメータを使用するのかを指定することも可能である。
【0058】
この発明の範囲内において、移動体機器3に送信される電子的なアドレスは、電子的なキー又は証明書を含むことも可能である。このキーは、例えば、移動体機器3の利用者の識別子を提供するために、或いは利用者が一定のトークンを所有していることを証明するために使用することができ、(例えば、閉じた領域で非接触式インタフェースを介して)ローカル網内における、或いはリモート機器とのその他のサービスを解除するために使用することができる。
【0059】
図3は、RFID構成部品1が名刺に組み込まれている、この発明の実施形態を図示している。この電子的な名刺を、移動体機器3によって読み取って、名刺のRFID構成部品1のすべてのパラメータをダウンロードすることが可能なサーバー7のページにアクセスすることができる。RFID構成部品1を単に読み取ることによって、カード上に印刷された番号により、自動的に電話接続することが可能である。
【0060】
好ましくは、サーバー7のページからダウンロード可能な所望のアドレスは、場合によっては表示又はロゴと一緒に製品上に印刷される。例えば、名刺又は製品上の電話番号の隣に特別なロゴを配置して、利用者が、製品のチップ10内のコードを読み取って、送信することにより、その電話番号に自動的にダイヤルすることが可能であることを知れるようにすることができる。
【0061】
この発明による方法は、製品のサポートサービスに関する電子メールアドレス、電話番号、ファックス番号及び/又はWEBアドレスをより容易に決定して、ダウンロードし、使用するという利点を持つ形で使用することができる。RFID構成部品1のコード100は、特定のタイプの個々の製品をそれぞれ個別に示しているので、同じ製品の各利用者又は購入者に対して別々の電子的なアドレスを割り振ることが可能であり、そのアドレスは、購入日、保証期限、取得日、サポート契約の有効性、利用者の言語、利用者のプロファイル、その製品の以前の履歴と作業等に依存することができる。更に、これらの電子的なアドレスは、場合によっては製品製造業者が何時でも変更することが可能なように、その業者によって管理することができるサーバー7のページ内に置かれる。また、サーバー7のページのアドレスは、ネームサービスサーバーでの簡単な変更によって何時でも修正することができる。このようにして、この発明による方法によって、利用者は、責任有るサポートスタッフのその時点の個々の電子的なアドレスを決定して、使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】移動体機器、RFIDリーダー機器及びRFIDを備えたシステムのブロック図
【図2】この発明によるコードが入ったメッセージの構造
【図3】この発明によるRFID構成部品を備えた名刺
【符号の説明】
【0063】
1 RFID構成部品
10 チップ
100 コード
1000 返答
1001 ヘッダー
1002 検証データ
2 RFIDリーダー機器
3 移動体機器
4 移動体無線網
5 サーバー
50 問合せ
51 問合せ
6 ネームサービスサーバー
60 返答
7 サーバー
70 サーバー
8 電気通信網
9 端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気通信利用者が、電気通信端末と電子的なアドレスを用いて、電気通信サービスにアクセスすることを可能とする方法であって、
電気通信利用者が、RFIDリーダー機器(2)を用いて、RFID構成部品(1)内に保存されている電子的なコード(100)を読み出す措置と、
電気通信網(4)を介して、当該の電子的なコード(100)をネームサービスサーバー(6)に伝送する措置と、
当該のネームサービスサーバー(6)が、当該のコードに対応するページの電子的なページアドレスを返信して、そのページから当該の電子的なアドレスを抽出することができるようにする措置と、
所望の電子的なアドレスを、当該の電気通信端末(3)に提供する措置と、
当該の電気通信サービスにアクセスする措置と、
を有する方法。
【請求項2】
当該の電子的なコード(100)は、サーバー(5)に送信され、
そのサーバー(5)は、電気通信網(4)のインフラストラクチャー内に配置されており、そのコードをネームサービスサーバー(6)に転送し、
当該のネームサービスサーバー(6)は、電気通信網(4)のインフラストラクチャー外に配置されており、幾つかの網運用業者からアクセス可能である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
当該のページが、マークアップ言語によるハイパーテキストコンテンツを有する請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
当該の電子的なアドレスが、交換網(8)における目標とする端末(9)の電子的なアドレスに相当する請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
当該の電子的なアドレスが、電話番号又はファクシミリ番号である請求項4に記載の方法。
【請求項6】
当該の電子的なアドレスが、パケット網(8)における目標とする端末(9)の電子的なアドレスに相当する請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
当該の電子的なアドレスが、電子メールアドレスである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
当該の電子的なアドレスが、URLである請求項6に記載の方法。
【請求項9】
当該のページが、当該の電子的なアドレスだけを有する請求項1から8までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
当該の電子的なアドレスが、当該のページにおいて、XML又はPMLフィールドとして記述されており、当該の電気通信端末によってソートされる請求項3から8までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
当該の電子的なアドレスが、WEBサービスを介して取得可能である請求項1から8までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
当該の電気通信サービスが、当該の電子的なアドレスを用いて、当該の電気通信端末(3)と目標とする端末(9)との間の接続を確立することを含む請求項1から11までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】
当該の電気通信サービスが、当該の電子的なアドレスをディレクトリィに保存することを含む請求項1から12までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
当該の電気通信サービスが、当該の電子的なアドレスのハイパーテキストページへのアクセスを含む請求項1から11までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
当該の電気通信サービスが、当該の電子的なアドレスを割り当てられたエンティティによる支払いトランザクションを含む請求項1から11までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
当該のコードを読み出した後、当該の利用者の介入無しに、当該の電気通信サービスにアクセスする請求項1から15までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
当該のコードを読み出した後、当該の利用者が確認した後でのみ、当該の電気通信サービスにアクセスする請求項1から15までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項18】
当該の電気通信端末のソフトウェアアプリケーションが、当該の利用者に当該の確認を求める請求項17に記載の方法。
【請求項19】
当該のソフトウェアアプリケーションが、利用者に当該の電子的なアドレスによって利用可能な幾つかの電気通信サービスの中から一つを選択することを求める請求項18に記載の方法。
【請求項20】
当該のソフトウェアアプリケーションが、利用者に幾つかの利用可能な電子的なアドレスの中の一つを選択することを求める請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
当該のページから、当該のソフトウェアアプリケーションをダウンロードする請求項18又は19に記載の方法。
【請求項22】
当該の電子的なアドレスが、オブジェクト内において構造化されており、このオブジェクトが、当該の電気通信サービスにアクセスするためのプログラムも含む請求項18又は19に記載の方法。
【請求項23】
当該の電気通信利用者の手動による始動によって、当該の各コード(100)の処理を開始する請求項1から22までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項24】
当該の電気通信端末(2,3)は、閉じた領域において、RFID構成部品(1)を連続して探し求める請求項1から22までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項25】
当該のRFIDリーダー機器(2)が、移動体無線電話機(3)の一部である請求項1から24までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項26】
当該のコードは、当該の移動体無線電話機(3)のソフトウェアアプリケーションによって構造化されて、当該のサーバー(5)に送信される請求項25に記載の方法。
【請求項27】
当該の電気通信サービスが、当該の移動体機器(3)によってアクセスされる請求項24又は25に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも一つのコード(100)を保存しているRFID構成部品(1)を備えた製品と、
当該の幾つかのコード(100)に対して、それらに対応するパケット網のダウンロード可能なページのページアドレスを指定するネームサービスサーバー(6)と、
当該のページアドレスにより、パケット網を介してアクセス可能な少なくとも一つのページと、
を構成要素として備えており、少なくとも一つの電子的なアドレスがマークアップフィールドとして表されているシステム。
【請求項29】
当該の電子的なアドレスが、当該の製品上に印刷されている請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
少なくとも一つのRFIDリーダー機器(2)が、移動体機器(3)と接続されるとともに、当該のコード(100)を読み取ることが可能であり、当該の移動体機器(3)が、コード(100)に対応する当該のページアドレスを決定して、当該のページから電子的なアドレスを抽出するためのアプリケーションを有する請求項28又は29に記載のシステム。
【請求項31】
請求項1から27までのいずれか一つに記載の方法のための製品において、
この製品は、名刺として構成されていることと、
当該の電子的なアドレスが、当該の製品上に印刷されていることと、
この製品は、少なくとも一つのコード(100)を保存しているRFID構成部品(1)を有することと、
を特徴とする製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−535732(P2007−535732A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−501268(P2007−501268)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【国際出願番号】PCT/EP2005/050791
【国際公開番号】WO2005/086025
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(301067357)スイスコム・モバイル・アクチエンゲゼルシヤフト (11)
【Fターム(参考)】