電子装置、電子装置の制御方法、付加機能割当装置、付加機能割当装置の制御方法、電子装置システム、プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体
【課題】複数の電子装置が協調して共通機能を実行する電子装置システムにおいて、付加機能を実行する電子装置の電池残量の減少に対して、電子装置システム全体としての機能低下を抑える。
【解決手段】クライアントCは、サーバ11の機能割当部24から、自装置に対する音声出力機能の割り当てを受け付けて、音声出力部34に音声出力機能を実行させ、かつ、電池残量検出部35が自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記機能割当部24に通知するクライアント制御部31を備える。
【解決手段】クライアントCは、サーバ11の機能割当部24から、自装置に対する音声出力機能の割り当てを受け付けて、音声出力部34に音声出力機能を実行させ、かつ、電池残量検出部35が自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記機能割当部24に通知するクライアント制御部31を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電子装置が協調して画像表示等の機能を実行する電子装置システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インフォメーションディスプレイあるいは業務用ディスプレイ等に、複数の画像表示装置を隣接配置してより大きな画面とし、1つの画像を協調表示するように構成したものがある。例えば、特許文献1には、複数の画像表示装置を用いて、簡便にマルチ画面表示環境を構築するためのマルチ画面設定方法が記載されている。
【0003】
また、複数画面を構成する各表示装置に対して、それらの配置位置に応じて、個別に機能を割り当てる技術がある。例えば、特許文献2には、複数の表示部によって構成される大画面の中に占める各表示部の画面の位置に応じた音を各表示部から出力することができる表示装置が記載されている。具体的には、左側に位置する表示部の音出力部からは左チャネルの音を出力し、かつ、右側に位置する表示部の音出力部からは右チャネルの音を出力することが記載されている。
【0004】
さらに、音出力部を備えた表示装置において、電池の残量に応じて、動作を変更する技術がある。例えば、特許文献3には、テレビ放送視聴中に、電池の残量が所定量以下となった場合に、表示装置の表示フレームレートを低下させて、電力消費を抑制して視聴時間を延ばす方法、および電池の残量が所定量以下となった場合に、他の装置でテレビ放送を記録し、他の装置で記録したテレビ放送を後から視聴することを可能にする方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−271118号公報(2003年9月25日公開)
【特許文献2】特開2008−011475号公報(2008年1月17日公開)
【特許文献3】特開2006−050555号公報(2006年2月16日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような従来技術では、複数の表示装置で協調表示している場合において、各表示装置が配置位置に応じて、例えば特定の音を出力する機能等の付加機能が割り当てられている場合に、当該表示装置の電池残量が減少し、機能を続行できなくなると、複数の表示装置全体として機能低下してしまうという問題がある。例えば、特定の音を出力していた表示装置の電池残量が少なくなり、画像表示および音声出力ができなくなると、協調表示の一部が表示されなくなることに加えて、特定の音が全く聞こえなくなり、複数の表示装置全体としての機能が著しく低下する。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムにおいて、付加機能を実行する電子装置の電池残量の減少に対して、電子装置システム全体としての機能の低下を抑えることができる電子装置、電子装置の制御方法、付加機能割当装置、付加機能割当装置の制御方法、電子装置システム、プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子装置は、複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する電子装置であって、他の電子装置と協調して、上記共通機能を実行する共通機能手段と、上記共通機能とともに、上記付加機能を実行する付加機能手段と、自装置の電池残量を検出する電池残量検出手段とを備えるとともに、上記電子装置システムが備える付加機能割当手段から、自装置に対する上記付加機能の割り当てを受け付けて、上記付加機能手段に上記付加機能を実行させ、かつ、上記電池残量検出手段が自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段に通知する制御手段を備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る電子装置の制御方法は、複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する電子装置の制御方法であって、上記電子装置システムが備える付加機能割当手段から、自装置に対する上記付加機能の割り当てを受け付けて、上記付加機能を実行する付加機能実行ステップと、自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段に通知する電池残量通知ステップとを含むことを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、電子装置システムを構成する電子装置は、電子装置システムの付加機能割当手段から付加機能の割り当てを受け付けて、その付加機能を実行する。これにより、電子装置システムの複数の電子装置のうち、付加機能の割り当てを受け付けた一部の電子装置のみが、共通機能とともに付加機能を実行することができる。そして、付加機能を実行している電子装置は、自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を電子装置システムの付加機能割当手段に通知する。これにより、当該電子装置は、付加機能を継続、停止、あるいは機能縮小するのか等の指示を、電子装置システムの付加機能割当手段から受けることが可能となる。また、電子装置システムの付加機能割当手段は、付加機能を実行する電子装置の電池残量の減少を検出することができるため、その状況に応じた最適な制御を選択することが可能となる。例えば、当該電子装置に隣接する電子装置に付加機能を割り当て直すことにより、付加機能を維持させるとともに、電池残量が減少した電子装置の稼働時間を延長させて共通機能を維持させることができる。
【0011】
したがって、付加機能を実行する電子装置の電池残量の減少に対して、電子装置システム全体としての機能の低下を抑えるように、最適な制御を選択することが可能となるという効果を奏する。
【0012】
ここで、上記共通機能は、複数の電子装置が協調して1つ以上の画像情報を出力する画像表示機能であってもよい。また、上記付加機能は、音声出力機能や、ユーザによるタッチ操作等を検出するユーザ操作検出機能であってもよい。また、共通機能と付加機能とは、異種の機能でなくてもよく、例えば表示内容が異なれば、共通機能および付加機能がともに表示機能であってもよい。
【0013】
さらに、本発明に係る電子装置は、上記制御手段は、上記付加機能割当手段への自装置の電池残量が基準以下となった旨の通知に対して、上記付加機能割当手段から、自装置に対する上記付加機能の割り当ての解除を受け付けて、上記付加機能手段に上記付加機能の実行を停止させることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、さらに、付加機能を実行する電子装置の電池残量が減少したとき、当該電子装置の付加機能を停止して、電池残量が減少した電子装置の稼働時間を延長させることができる。
【0015】
これにより、電池残量が減少した電子装置に共通機能を維持させることができるため、電子装置システム全体としての機能の低下を抑えることができるという効果を奏する。また、付加機能を電池残量が減少した電子装置から、他の電子装置に割り当て直すことにより、電子装置システム全体として、付加機能を維持することができるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明に係る付加機能割当装置は、複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する付加機能割当装置であって、上記複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行するように、当該一部の電子装置に上記付加機能を割り当てるとともに、上記付加機能を割り当てた電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直す付加機能割当手段を備えることを特徴としている。
【0017】
また、本発明に係る付加機能割当装置の制御方法は、複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する付加機能割当装置の制御方法であって、上記付加機能を割り当てた上記一部の電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直す付加機能割当変更ステップを含む、ことを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、電子装置システムを構成する付加機能割当装置は、電子装置システムを構成する複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみに付加機能を割り当てる。これにより、電子装置システムの複数の電子装置のうち、付加機能の割り当てを受け付けた一部の電子装置のみが、共通機能とともに付加機能を実行することができる。そして、上記付加機能割当装置は、付加機能を割り当てた電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直す。これにより、電子装置システム全体として付加機能を維持させるとともに、電池残量が減少した電子装置の稼働時間を延長させて共通機能を維持させることができる。
【0019】
したがって、付加機能を実行する電子装置の電池残量の減少に対して、電子装置システム全体としての機能の低下を抑えるように、最適な制御を選択することが可能となるという効果を奏する。
【0020】
ここで、上記共通機能は、複数の電子装置が協調して1つ以上の画像情報を出力する画像表示機能であってもよい。また、上記付加機能は、音声出力機能や、ユーザによるタッチ操作等を検出するユーザ操作検出機能であってもよい。また、共通機能と付加機能とは、異種の機能でなくてもよく、例えば表示内容が異なれば、共通機能および付加機能がともに表示機能であってもよい。
【0021】
さらに、本発明に係る付加機能割当装置は、上記付加機能割当手段は、割り当て直す前の電子装置に最も近接している電子装置に付加機能を割り当てることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、さらに、割り当て直す前の電子装置に最も近接している電子装置に付加機能を割り当てるため、付加機能を実行する電子装置の電子装置システム全体における配置位置をできるだけ変えずに、付加機能を維持することができるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明に係る電子装置システムは、複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムであって、上記複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行するように、当該一部の電子装置に上記付加機能を割り当てる付加機能割当手段を備えてなり、上記の各電子装置は、他の電子装置と協調して、上記共通機能を実行する共通機能手段と、上記共通機能とともに、上記付加機能を実行する付加機能手段と、自装置の電池残量を検出する電池残量検出手段とをそれぞれ備え、上記付加機能割当手段は、上記付加機能を割り当てた電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直すことを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、上述した本発明に係る電子装置および付加機能割当装置(付加機能割当手段)の作用が実現される。したがって、付加機能を実行する電子装置の電池残量の減少に対して、電子装置システム全体としての機能の低下を抑えるように、最適な制御を選択することが可能となるという効果を奏する。
【0025】
さらに、本発明に係る電子装置システムは、上記共通機能が画像表示機能であってもよい。
【0026】
さらに、本発明に係る電子装置システムは、上記付加機能が音声出力機能であってもよい。
【0027】
さらに、本発明に係る電子装置システムは、上記付加機能がユーザ操作検出機能であってもよい。
【0028】
なお、上記電子装置および上記付加機能割当装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記電子装置および上記付加機能割当装置をコンピュータにて実現させる上記電子装置および上記付加機能割当装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る電子装置は、他の電子装置と協調して、共通機能を実行する共通機能手段と、上記共通機能とともに、付加機能を実行する付加機能手段と、自装置の電池残量を検出する電池残量検出手段とを備えるとともに、電子装置システムが備える付加機能割当手段から、自装置に対する上記付加機能の割り当てを受け付けて、上記付加機能手段に上記付加機能を実行させ、かつ、上記電池残量検出手段が自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段に通知する制御手段を備える構成である。
【0030】
また、本発明に係る電子装置の制御方法は、電子装置システムが備える付加機能割当手段から、自装置に対する付加機能の割り当てを受け付けて、上記付加機能を実行する付加機能実行ステップと、自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段に通知する電池残量通知ステップとを含む方法である。
【0031】
また、本発明に係る付加機能割当装置は、複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが共通機能とともに付加機能を実行するように、当該一部の電子装置に付加機能を割り当てるとともに、上記付加機能を割り当てた電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直す付加機能割当手段を備える構成である。
【0032】
また、本発明に係る付加機能割当装置の制御方法は、付加機能を割り当てた一部の電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直す付加機能割当変更ステップを含む方法である。
【0033】
上記の構成および方法によれば、付加機能を実行する電子装置の電池残量の減少に対して、電子装置システム全体としての機能の低下を抑えるように、最適な制御を選択することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した画像表示システムのクライアントの一配置例を示す模式図である。
【図3】図2に示した配置例における機能割当テーブルの例を示す模式図である。
【図4】図1に示した画像表示システムのクライアントの他の配置例を示す模式図である。
【図5】図4に示した配置例における機能割当テーブルの例を示す模式図である。
【図6】図1に示した画像表示システムのクライアントのさらに他の配置例を示す模式図である。
【図7】図6に示した配置例における機能割当テーブルの例を示す模式図である。
【図8】図1に示した画像表示システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図2に示した配置例における機能割当テーブルの更新後の状態を示す模式図である。
【図10】図2に示した配置例によって、画像表示システムの動作例を示す説明図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る画像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示した画像表示システムのクライアントの一配置例を示す模式図である。
【図13】図12に示した配置例における機能割当テーブルの例を示す模式図である。
【図14】本発明のさらに他の実施形態に係る画像表示システムのクライアントの配置例を示す模式図である。
【図15】図14に示した配置例における機能割当テーブルの例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について図1から図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0036】
図1は、本実施の形態に係る画像表示システム1の構成を示すブロック図である。
【0037】
図1に示すように、画像表示システム(電子装置システム)1は、複数のクライアント(電子装置)C…およびサーバ(付加機能割当装置)11を備えて構成されている。
【0038】
画像表示システム1は、表示装置である複数のクライアントC…が協調して1つ以上の画像情報を出力するものである。特に、本実施の形態では、画像表示システム1は、複数のクライアントC…が協調して画像表示機能(共通機能)を実行し、かつ、当該複数のクライアントC…のうちの一部のクライアントCのみが画像表示機能(共通機能)とともに音声出力機能(付加機能)を実行する。なお、「音声」は、スピーカ等の音声出力装置によって出力可能な音をすべて含む意味で用いるものとする。
【0039】
画像表示システム1は、サーバ11、およびサーバ11にネットワークによって接続された複数のクライアントC…を含んで構成される。なお、上記ネットワークには、例えば無線LAN(Local Area Network)もしくは有線LANによるLAN30によるネットワーク、またはIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等の規格を用いたネットワークを適宜利用できる。
【0040】
各クライアントCは、同じ構成である。また、クライアントCの数は特に制限されず、画像表示システム1は任意の数のクライアントCが接続可能である。以下では、n(n>1)台のクライアントC1〜クライアントCnが接続されているものとする。また、各クライアントCを区別する必要がないときは、単に「クライアントC」と表記し、区別する必要があるときは、「クライアントC1」のように番号を付記することにする。
【0041】
クライアントCは、サーバ11の制御に基づき、他のクライアントCと協調して画像の表示を行う。図1に示すように、クライアント(電子装置)Cは、クライアント制御部(制御手段)31、通信部32、表示部(共通機能手段)33、音声出力部(付加機能手段)34、電池残量検出部(電池残量検出手段)35を少なくとも備える。
【0042】
クライアント制御部31は、クライアントCの各部の動作を制御する。詳細については後述する。
【0043】
通信部32は、サーバ11との通信を行う。この通信には、上述した各種のネットワークを適宜利用できる。
【0044】
表示部33は、画像の表示を行う。詳細には、表示部33は、他のクライアントCと協調して、1つ以上の画像情報を出力する画像表示機能(共通機能)を実行する。ここで、クライアントC1〜Cnの各表示部33は、1つの画像を分割して複数の画面に表示するため、画面サイズおよび表示方式が統一されていることが好ましい。また、表示部33としては、LCD、CRT、有機EL素子(Electro Luminescent device)を含むEL表示素子、PDP(Plasma Display Panel)、および蛍光表示管等、画像情報を表示可能な画像表示デバイスであれば直視型、投射型、発光型、反射型の表示方式は問わず利用できる。
【0045】
音声出力部34は、音の出力を行う。詳細には、音声出力部34は、上記画像表示機能(共通機能)とともに、音声出力機能(付加機能)を実行する。
【0046】
電池残量検出部35は、自装置の電池残量を検出する。
【0047】
そして、クライアント制御部31は、サーバ11の機能割当部24から、自装置に対する音声出力機能(付加機能)の割り当てを受け付けて、音声出力部34に音声出力機能を実行させる。また、クライアント制御部31は、電池残量検出部35が自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記機能割当部24に通知する。また、クライアント制御部31は、上記機能割当部24への自装置の電池残量が基準以下となった旨の通知に対して、機能割当部24から、自装置に対する上記音声出力機能(付加機能)の割り当ての解除を受け付けて、機能割当部24に音声出力機能の実行を停止させる。
【0048】
サーバ11は、表示部33を備えた各クライアントCを制御し、複数の表示装置で一つの画像を協調表示するよう制御を行う。図1に示すように、サーバ11は、サーバ制御部21、通信部22、記憶部23、機能割当部24を少なくとも備える。
【0049】
サーバ制御部21は、サーバ11の各部の動作を制御する。
【0050】
通信部22は、各クライアントCとの通信を行う。この通信には、上述した各種のネットワークを適宜利用できる。
【0051】
記憶部23は、クライアントCに出力する動画等のコンテンツ情報およびクライアントの配置位置情報等を記憶する。
【0052】
機能割当部24は、各クライアントCの配置位置をもとに、各クライアントCに機能を割り当てる。詳細には、機能割当部24は、複数のクライアントC…のうちの一部のクライアントCのみが画像表示機能(共通機能)とともに音声出力機能(付加機能)を実行するように、当該一部のクライアントCに音声出力機能を割り当てる。また、機能割当部24は、音声出力機能を割り当てた引継元クライアント(電子装置)Csの電池残量が基準以下となったとき、当該音声出力機能を他の引継先クライアント(電子装置)Cdに割り当て直す。
【0053】
ここで、機能割当部24は、割り当て直す前の引継元クライアントCsに最も近接しているクライアントCを、引継先クライアントCdとして選択してもよい。この場合、機能割当部24は、クライアントCの配置位置に応じて、音声出力機能(付加機能)を割り当て、割り当てた結果を記憶部23に記憶させる。なお、音声出力機能(付加機能)の割り当てに際しては、あらかじめ、複数のクライアントCを割り当て候補とし、各候補間で割り当ての優先度を付けておいてもよいが、これに限定されない。
【0054】
また、クライアントCの配置位置に応じて、音声出力機能(付加機能)を割り当てるために、サーバ11は、クライアントC…それぞれの配置位置を記憶部23に記憶する。なお、クライアントCの配置位置の検出には、例えば、先行技術文献として挙げた特許文献1または特許文献2等に記載の方法が利用できる。すなわち、各画像表示装置に備えられた入力手段に所定の順序で入力を行うことで画像表示装置とマルチ画面表示エリアの対応付けを行う方法や(特許文献1)、各クライアントから隣接情報(自クライアントのクライアントIDおよび各方向に隣接するそれぞれのクライアントのクライアントIDを含む。)を取得し、取得した隣接情報に基づいて、クライアントの全体構成および各クライアントの配置位置を自動で設定あるいは手動で設定する方法(特許文献2)を用いて、クライアントCの配置位置を検出することができる。
【0055】
つぎに、画像表示システム1のクライアントCの配置例と、その配置例における付加機能の機能割当テーブルTの例について説明する。
【0056】
第一に、図2は、画像表示システム1のクライアントCの一配置例を示す模式図である。図2を参照して、4つのクライアントC1〜C4が、横1列に配置された場合について説明する。
【0057】
左端のクライアントC1は、音声出力機能(付加機能)を割り当てられており、音声出力部34から、左チャンネル(Lch)の音を出力する。また、右端のクライアントC4は、音声出力機能(付加機能)を割り当てられており、音声出力部34から、右チャンネル(Rch)の音を出力する。一方、クライアントC2およびクライアントC3は、音声出力機能(付加機能)が割り当てられていないため、音声出力を行わないが、それぞれクライアントC1およびクライアントC4の代替候補として割り当てられている。
【0058】
図3は、図2に示したクライアントCの配置例における機能割当テーブルTの例を示す模式図である。この機能割当テーブルTは、記憶部23に記憶される。
【0059】
図3中、「割当機能名」は、各クライアントCが担い得る機能の種別を示す。この例では、「Lchの音声を出力する」(Lchの音声出力)、および、「Rchの音声を出力する」(Rchの音声出力)が設定されている。また、「クライアントID」は、画像表示システム1を構成するクライアントC…、すなわち、協調表示を行うクライアントC…を示す。
【0060】
そして、機能割当テーブルTには、各クライアントCが付加機能を担うか否かが登録されている。図3中、「○」は、当該クライアントCに付加機能が割り当てられていることを示す。「△」は、当該クライアントCに付加機能の割り当てが可能であることを示す(○の代替候補)。「×」は、当該クライアントCには付加機能の割り当てが不可であることを示す。
【0061】
なお、付加機能の割り当ては、付加機能の種別、クライアントC…の数、または配置位置に応じて任意に決定しておけばよい。
【0062】
第二に、図4は、画像表示システム1のクライアントCの他の配置例を示す模式図である。また、図5は、図4に示したクライアントCの配置例における機能割当テーブルTの例を示す模式図である。
【0063】
図4の例では、6つのクライアントC1〜C6が、横1列に配置されている。この場合、例えば図5に示すように、機能割当テーブルTに登録され得る。すなわち、左端から1番目および2番目のクライアントC1およびクライアントC2には「Lchの音声出力」が割り当てられている。また、右端から1番目および2番目のクライアントC5およびクライアントC6には「Rchの音声出力」が割り当てられている。一方、左端から3番目のクライアントC3および右端から3番目のクライアントC4は、音声出力機能(付加機能)が割り当てられていないため、音声出力を行わないが、それぞれ、クライアントC1・C2およびクライアントC5・C6の代替候補として割り当てられ得る。
【0064】
第三に、図6は、画像表示システム1のクライアントCのさらに他の配置例を示す模式図である。また、図7は、図6に示したクライアントCの配置例における機能割当テーブルTの例を示す模式図である。
【0065】
図6の例では、4つのクライアントC1〜C4が縦2段横2列に配置されている。この場合、例えば図7に示すように、機能割当テーブルTに登録され得る。すなわち、左上のクライアントC1には「Lchの音声出力」が割り当てられている。また、右上のクライアントC2には「Rchの音声出力」が割り当てられている。一方、左下のクライアントC3および右下のクライアントC4は、音声出力機能(付加機能)が割り当てられていないため、音声出力を行わないが、それぞれ、クライアントC1およびクライアントC2の代替候補として割り当てられ得る。
【0066】
以上のような設定に従い、各クライアントCは、記憶部23に格納されたコンテンツを協調出力する。出力すべき映像データは、サーバ11で分割して、各クライアントCに送信してもよい。あるいは、分割前の映像データを、サーバ11から各クライアントにC送信し、クライアントCで加工して出力してもよい。
【0067】
また、サーバ制御部21は、通信部22を介して、機能が割り当てられたクライアントCに機能の割り当てを通知し、当該クライアントCは割り当てられた機能を作動させる。出力すべき音声データは、「Lchの音声出力」または「Rchの音声出力」が割り当てられたクライアントCのみに送信してもよい。あるいは、各クライアントC…に音声データを送信し、各クライアントC…が機能の割り当ての通知に従って、出力するか否かを判断してもよい。
【0068】
以下、図8を参照しながら、画像表示システム1の協調表示中の動作について説明する。図8は、画像表示システム1における処理の流れを示すフローチャートである。
【0069】
協調表示中、各クライアントCの電池残量検出部35は、定期的に当該クライアントCの電池残量を監視する(S802)。そして、各クライアントCの電池残量検出部35は、当該クライアントCの電池残量が基準(例えば、所定の一定値)を下回っているかどうかを調べ(S803)、下回っていた場合(S803にてYES)、当該クライアントCのクライアント制御部31は通信部32を介して、その旨をサーバ11へ通知する(S804)。一方、基準を下回っていない場合(S803にてNO)、開始(S801)へ戻る。電池残量の上記基準としては、個別に付加機能(音声出力機能)を担っていたクライアントCが、その機能を停止した後も映像データの表示をある程度継続できるように設定する。クライアントCの電池容量または協調表示中の消費電力に応じて、任意に決定すればよい。なお、S802〜S804が電池残量通知ステップである。
【0070】
つぎに、サーバ11が上記通知を受けると、サーバ制御部21は、機能割当部24に対して、記憶部23に記憶された機能割当テーブルTの検索を指示する。そして、機能割当部24は、通知のあったクライアントCが付加機能を担っていないかを照合する(S805)。付加機能を担っていない場合(S806にてNO)、開始(S801)へ戻る。
【0071】
一方、付加機能を担っている場合(S806にてYES)、機能割当部24は、当該付加機能の引継先となり得るクライアントCの有無を照合する(S807)。すなわち、機能割当部24は、記憶部23の機能割当テーブルTを検索し、当該機能の引継可能なクライアントC(機能割当テーブルTの△印)の有無を照合する。
【0072】
そして、引継可能なクライアントCが見つかった場合(S808にてYES)、機能割当部24は、当該クライアントC(引継先クライアントCd)に付加機能を割り当てる(S812;付加機能割当変更ステップ)。サーバ制御部21は、通信部22を介して、引継先クライアントCdに通知する(S813;付加機能割当変更ステップ)。この通知を受けた引継先クライアントCdは、新たに割り当てられた付加機能を作動させる(S814;付加機能実行ステップ)。
【0073】
また同時に、機能割当部24は、もともと付加機能を担っていたクライアントC(引継元クライアントCs)の付加機能の割り当てを解除する(S809;付加機能割当変更ステップ)。サーバ制御部21は、通信部22を介して、引継元クライアントCsに通知する(S810;付加機能割当変更ステップ)。この通知を受けた引継元クライアントCsは、割り当てられていた付加機能を停止する(S811)。その後、機能割当部24は、引継元クライアントCsに対する付加機能の割り当てを解除するとともに、引継先クライアントCdに付加機能を割り当てた状態に、記憶部23の機能割当テーブルTを更新する(S815)。
【0074】
ここで、図2および図3の構成を例に、クライアントC1の電池残量が、一定値を下回った場合(図10の(ii))の具体的な動作を説明する。図9は、図2に示したクライアントCの配置例における機能割当テーブルTの更新後の状態を示す模式図である。また、図10は、図2に示したクライアントCの配置例によって、画像表示システム1の動作例を示す説明図である。
【0075】
まず、クライアントC1はLchの音声出力を担っているため、機能割当部24は、当該機能の引継可能なクライアント(C1の代替候補)の有無を照合する。そして、クライアントC2が当該機能の引継可能(△印)であるので、機能割当部24は、クライアントC2にLchの音声出力を割り当てる。このとき、サーバ制御部21は、通信部22を介して、クライアントC2に通知する。それと同時に、機能割当部24は、クライアントC1のLchの音声出力の割り当てを解除し、サーバ制御部21は、通信部22を介して、クライアントC1に通知する。これにより、クライアントC2はLchの音声出力を行い、クライアントC1はLchの音声出力を停止して映像表示のみに切替える(図10の(iii))。最後に、機能割当部24は、機能割当テーブルTを図9のように更新し、記憶部23に記憶する。
【0076】
以上のように付加機能の割り当て先を変更することにより、クライアントC1は音声出力を停止するので、音声出力している状態よりも消費電力が減り、結果的に表示動作できる残り時間が延びる。代わりに、音声出力はクライアントC2が担うため、クライアントC1で音声出力していた時に比べ、画像表示システム1全体として音のステレオ感は低下するものの、Lchの音が全く聞こえないという機能低下は防ぐことができる。すなわち、画像表示システム1全体としての機能の低下を最低限に抑えつつ、クライアントC1の稼動時間の延長を図ることができるという効果を奏する。
【0077】
なお、引継先クライアントCdが見つからなかった場合は(S808にてNO)、クライアントC1(引継元クライアントCs)の機能停止のみを行う(S809〜S811、S815)ようにしてもよいし、何もしなくてもよい(S808からの点線矢印)。何もしない場合は、一定値を超えてさらに電池が消費されたのち、ローバッテリ状態となりクライアントC1の動作全体が停止することになる。付加機能のみを停止した場合は、何もしない場合に比べて、機能低下するものの、動作時間は延長されることとなる。
【0078】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図11から図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0079】
特定のクライアントCに割り当てる付加機能としては、実施の形態1において説明した音声出力の他に、操作指示の受け入れ(タッチ操作検出)がある。近年、タッチパネル操作で行う端末が普及しており、タッチ検出のために、常時、タッチセンサ部品の電源を入れておく必要がある。これを協調表示中は、特定のクライアントCだけに割り当てることで、他のクライアントCの消費電力を抑止できる。
【0080】
図11は、本実施の形態に係る画像表示システム1′の構成を示すブロック図である。
【0081】
図11に示すように、画像表示システム(電子装置システム)1′は、複数のクライアント(電子装置)C…およびサーバ(付加機能割当装置)11を備えて構成されている。
【0082】
本実施の形態では、画像表示システム1′は、複数のクライアントC…が協調して画像表示機能(共通機能)を実行し、かつ、当該複数のクライアントC…のうちの一部のクライアントCのみが画像表示機能(共通機能)とともにタッチ操作検出機能(付加機能)を実行する。なお、画像表示システム1′においても、音声出力機能を付加機能として特定のクライアントCに割り当て、実施の形態1で説明した制御によって、電池残量検出および割り当て変更を行うものとする。そして、音声出力機能の割り当て変更と、タッチ検出機能の割り当て変更とを、連動して制御してもよいし、独立に制御してもよい。
【0083】
図11に示すように、クライアント(電子装置)Cは、クライアント制御部(制御手段)31、通信部32、表示部(共通機能手段)33、音声出力部(付加機能手段)34、電池残量検出部(電池残量検出手段)35に加えて、タッチ検出部(付加機能手段)36を少なくとも備える。
【0084】
タッチ検出部36は、ユーザの操作を検出する。具体的には、例えば上述したような、表示映像に対する早送り、巻き戻し、および停止等の指示、音量の変更の指示、ワンセグ放送を表示中であればチャンネルの切替え等の指示のためのユーザ操作を検出する。なお、検出するユーザ操作は、タッチに限定されるものではなく、例えば、キーやマウス等を介して行われる操作も含まれる。
【0085】
つぎに、画像表示システム1′のクライアントCの配置例と、その配置例における付加機能の機能割当テーブルTの例について説明する。
【0086】
図12は、画像表示システム1′のクライアントCの一配置例を示す模式図である。図12の例では、4つのクライアントC1〜C4が、横1列に配置されている。4つのクライアントC1〜C4は、協調表示中は、左端のクライアントC1のみがタッチ検出部36によってタッチ操作を検出可能とし、残りのクライアントC2、C3、C4はタッチ操作を検出不可とする。
【0087】
図13は、図12に示したクライアントC1〜C4の配置例における機能割当テーブルTの例を示す模式図である。
【0088】
図12の例では、4つのクライアントC1〜C4が、横1列に配置されている。この場合、例えば図13に示すように、機能割当テーブルTに登録され得る。すなわち、左端のクライアントC1には「タッチ操作検出」が割り当てられている。一方、他のクライアントC2〜C4は、タッチ操作検出機能(付加機能)が割り当てられていないため、タッチ操作検出を行わないが、それぞれ、クライアントC1の代替候補として割り当てられ得る。
【0089】
ここで、図13のように、複数のクライアントC2〜C4に対して、付加機能の代替が可能(△印)とした場合、付加機能を引継可能なクライアントが複数検出されることになる(図8のステップS808)。このような場合には、引継元クライアントCsに最も近いクライアントCを引継先クライアントCdとしてもよい。また、最初に検出されたクライアントCを引継先クライアントCdとしてもよい。あるいは、機能割当テーブルTに記憶する値に、さらに細かな優先度をつけ、優先度の高いものを引継先クライアントCdとしてもよい。
【0090】
なお、1つのクライアントCに割り当て可能な付加機能は、1つに限らず、複数であってもよい。ただし、消費電流の観点で見ると、1つのクライアントCが複数の付加機能を兼務することは望ましくない。このため、例えば、付加機能間に優先順位をあらかじめ定めておき、付加機能の引き継ぎを行う際、引継先候補のクライアントCが既に優先順位の高い付加機能を担っていたら、引継先候補から除外することが好ましい。ただし、引継先候補として適当なクライアントCがなければ、付加機能の兼務を認めてもよい。
【0091】
例えば、付加機能が音声出力とタッチ検出であれば、優先順位を“音声出力>タッチ検出”と定めておく。ここでは、音声出力はL/Rバランスをとる必要があるが、タッチ検出は、どのクライアントCで行っても機能低下はほとんどないため、このように優先順位を定めることにする。そして、タッチ検出を行うクライアントCを引き継ぐ必要が生じた場合、引継先候補のクライアントCのうち、音声出力を担っているクライアントCを除いた、音声出力を担っていないクライアントCに引き継ぐようにする。
【0092】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について図14、図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1、2において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0093】
本実施の形態では、1つのクライアントCに割り当て可能な付加機能が複数ある場合について説明する。ただし、付加機能の兼務はできない。具体的には、1つのクライアントCには、音声出力(大音量)/音声出力(中音量)/音声出力(小音量)の何れかが付加機能として割り当て可能である。
【0094】
本実施の形態に係る画像表示システム1″の構成は、基本的に、実施の形態1に係る画像表示システム1(図1)と同様である。
【0095】
クライアントCの音声出力部34には、小さなスピーカが1つ、2つ程度設けられているものとする。この場合、通常、1つのクライアントCだけでは十分なステレオ感が得られない。しかし、画像表示システム1″では、複数のクライアントCを集めて、ステレオ感が得られる大型スピーカのように利用するものである。
【0096】
なお、本実施の形態では、複数のクライアントC…が協調して画像表示機能(共通機能)を実行する場合について説明するが、画像表示機能はOFFされていてもよく、クライアントCに機能が設けられていなくてもよい。すなわち、本実施の形態では、共通機能としての画像表示機能は必須ではない。
【0097】
つぎに、画像表示システム1″のクライアントCの配置例と、その配置例における付加機能の機能割当テーブルTの例について説明する。
【0098】
図14は、画像表示システム1″のクライアントCの配置例を示す模式図である。また、図15は、図14に示したクライアントCの配置例における機能割当テーブルTの例を示す模式図である。
【0099】
図14の例では、6つのクライアントC1〜C6が、横1列に配置されている。この場合、例えば図15に示すように、機能割当テーブルTに登録され得る。すなわち、左端から順にクライアントC1、C2,C3には、それぞれ、「Lchの音声出力(大音量)」、「Lchの音声出力(中音量)」、「Lchの音声出力(小音量)」が割り当てられている。また、「Lchの音声出力(大音量)」について、クライアントC2,C3が、代替候補として割り当てられている。また、「Lchの音声出力(中音量)」について、クライアントC3が、代替候補として割り当てられている。同様に、右端から順にクライアントC6、C5,C4には、それぞれ、「Rchの音声出力(大音量)」、「Rchの音声出力(中音量)」、「Rchの音声出力(小音量)」が割り当てられている。また、「Rchの音声出力(大音量)」について、クライアントC5,C4が、代替候補として割り当てられている。また、「Rchの音声出力(中音量)」について、クライアントC4が、代替候補として割り当てられている。
【0100】
上記の設定により、初期状態では、図14に示すように、中央寄りの位置から中小音量で音声出力されるとともに、両端の位置から大音量で音声出力されるため、広がり感(ステレオ感)のある音声出力を実現できる。
【0101】
そして、この状態で、例えばクライアントC1(大音量でLchを出力)の電池残量が低下した場合、クライアントC2がその機能を引き継ぐことになる。このとき、クライアントC1に対する音声出力の機能の割り当ては解除され、音量がOFFされる。さらに、その後、クライアントC2の電池残量が低下した場合、クライアントC3がその機能を引き継ぐことになる。このとき、クライアントC2に対する音声出力の機能の割り当ても解除され、音量がOFFされる。
【0102】
ここで、機能の引き継ぎの際、引継先のクライアントに既に機能が割り当てられている場合には、「より音量の大きい機能を優先する」という条件に従うものとする。これにより、例えば、クライアントC1からクライアントC2が「Lchの音声出力(大音量)」の機能を引き継ぐとき、クライアントC2は、「Lchの音声出力(中音量)」の機能が既に割り当てられているが、上記条件に従って、クライアントC2に割り当てる機能が「Lchの音声出力(中音量)」から「Lchの音声出力(大音量)」に変更される。また同様に、「Lchの音声出力(中音量)」の機能は、クライアントC3が引継可能であれば、クライアントC2からクライアントC3に引き継がれる。
【0103】
このようにすることで、クライアントの減電時も出力バランスをある程度保ちつつ、音声出力を継続することが可能となる。
【0104】
なお、クライアントCの各ブロック、および、サーバ11の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0105】
後者の場合、クライアントCおよびサーバ11は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるクライアントCおよびサーバ11の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、クライアントCおよびサーバ11に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0106】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0107】
また、クライアントCおよびサーバ11を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0108】
また、本発明は以下のように記載することができる。
【0109】
本発明の電子装置(クライアントC)は、複数の電子装置(クライアントC)が協調して共通機能(画像表示機能)を実行し、かつ、当該複数の電子装置(クライアントC)のうちの一部の電子装置(クライアントC)のみが上記共通機能(画像表示機能)とともに付加機能(音声出力機能)を実行する電子装置システム(画像表示システム1)を構成する電子装置(クライアントC)であって、他の電子装置(クライアントC)と協調して、上記共通機能(画像表示機能)を実行する共通機能手段(表示部33)と、上記共通機能(画像表示機能)とともに、上記付加機能(音声出力機能)を実行する付加機能手段(音声出力部34)と、自装置の電池残量を検出する電池残量検出手段(電池残量検出部35)とを備えるとともに、上記電子装置システム(画像表示システム1)が備える付加機能割当手段(機能割当部24)から、自装置に対する上記付加機能(音声出力機能)の割り当てを受け付けて、上記付加機能手段(音声出力部34)に上記付加機能(音声出力機能)を実行させ、かつ、上記電池残量検出手段(電池残量検出部35)が自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段(機能割当部24)に通知する制御手段(クライアント制御部31)を備えて構成されていてもよい。
【0110】
さらに、上記電子装置(クライアントC)は、上記制御手段(クライアント制御部31)は、上記付加機能割当手段(機能割当部24)への自装置の電池残量が基準以下となった旨の通知に対して、上記付加機能割当手段(機能割当部24)から、自装置に対する上記付加機能(音声出力機能)の割り当ての解除を受け付けて、上記付加機能手段(機能割当部24)に上記付加機能(音声出力機能)の実行を停止させるものであってもよい。
【0111】
また、本発明の電子装置(クライアントC)の制御方法は、複数の電子装置(クライアントC)が協調して共通機能(画像表示機能)を実行し、かつ、当該複数の電子装置(クライアントC)のうちの一部の電子装置(クライアントC)のみが上記共通機能(画像表示機能)とともに付加機能(音声出力機能)を実行する電子装置システム(画像表示システム1)を構成する電子装置(クライアントC)の制御方法であって、上記電子装置システム(画像表示システム1)が備える付加機能割当手段(機能割当部24)から、自装置に対する上記付加機能(音声出力機能)の割り当てを受け付けて、上記付加機能(音声出力機能)を実行する付加機能実行ステップと、自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段(機能割当部24)に通知する電池残量通知ステップとを含んでいてもよい。
【0112】
また、本発明の付加機能割当装置(サーバ11)は、複数の電子装置(クライアントC)が協調して共通機能(画像表示機能)を実行し、かつ、当該複数の電子装置(クライアントC)のうちの一部の電子装置(クライアントC)のみが上記共通機能(画像表示機能)とともに付加機能(音声出力機能)を実行する電子装置システム(画像表示システム1)を構成する付加機能割当装置(サーバ11)であって、上記複数の電子装置(クライアントC)のうちの一部の電子装置(クライアントC)のみが上記共通機能(画像表示機能)とともに付加機能(音声出力機能)を実行するように、当該一部の電子装置(クライアントC)に上記付加機能(音声出力機能)を割り当てるとともに、上記付加機能(音声出力機能)を割り当てた電子装置(クライアントC)の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能(音声出力機能)を他の電子装置(クライアントC)に割り当て直す付加機能割当手段(機能割当部24)を備えて構成されていてもよい。
【0113】
さらに、上記付加機能割当装置(サーバ11)は、上記付加機能割当手段(機能割当部24)は、割り当て直す前の電子装置(引継元クライアントCs)に最も近接している電子装置(引継先クライアントCd)に付加機能(音声出力機能)を割り当てるものであってもよい。
【0114】
また、本発明の付加機能割当装置(サーバ11)の制御方法は、複数の電子装置(クライアントC)が協調して共通機能(画像表示機能)を実行し、かつ、当該複数の電子装置(クライアントC)のうちの一部の電子装置(クライアントC)のみが上記共通機能(画像表示機能)とともに付加機能(音声出力機能)を実行する電子装置システム(画像表示システム1)を構成する付加機能割当装置(サーバ11)の制御方法であって、上記付加機能(音声出力機能)を割り当てた上記一部の電子装置(クライアントC)の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能(音声出力機能)を他の電子装置(クライアントC)に割り当て直す付加機能割当変更ステップを含んでいてもよい。
【0115】
また、本発明の付加機能割当装置(サーバ11)は、複数の電子装置(クライアントC)が協調して共通機能(画像表示機能)を実行し、かつ、当該複数の電子装置(クライアントC)のうちの一部の電子装置(クライアントC)のみが上記共通機能(画像表示機能)とともに付加機能(音声出力機能)を実行する電子装置システム(画像表示システム1)であって、上記複数の電子装置(クライアントC)のうちの一部の電子装置(クライアントC)のみが上記共通機能(画像表示機能)とともに付加機能(音声出力機能)を実行するように、当該一部の電子装置(クライアントC)に上記付加機能(音声出力機能)を割り当てる付加機能割当手段(機能割当部24)を備えてなり、上記の各電子装置(クライアントC)は、他の電子装置(クライアントC)と協調して、上記共通機能(画像表示機能)を実行する共通機能手段(表示部33)と、上記共通機能(画像表示機能)とともに、上記付加機能(音声出力機能)を実行する付加機能手段(音声出力部34)と、自装置の電池残量を検出する電池残量検出手段(電池残量検出部35)とをそれぞれ備え、上記付加機能割当手段(機能割当部24)は、上記付加機能(音声出力機能)を割り当てた電子装置(引継元クライアントCs)の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能(音声出力機能)を他の電子装置(引継先クライアントCd)に割り当て直すように構成されていてもよい。
【0116】
さらに、上記共通機能が画像表示機能であってもよい。
【0117】
さらに、上記付加機能が音声出力機能であってもよい。
【0118】
さらに、上記付加機能がユーザ操作検出機能であってもよい。
【0119】
また、本発明は以下のように記載することができる。
【0120】
本発明の画像表示装置は、複数の表示装置が協調して、1つ以上の画像情報を出力する画像表示装置であって、各表示装置は、音声出力部、電池残量検出部、表示部、をそれぞれ備え、さらに、各表示装置に付加機能を割り当てる機能割当部を備えてなり、付加機能を割り当てた表示装置の電池残量が、一定の値以下となった場合、機能割当部にて、当該機能を、他の表示装置に割り当て直すように構成されていてもよい。
【0121】
これにより、画像表示装置全体として、機能の低下を最低限に抑えつつ、画像表示装置の稼働時間の延長を図ることが可能となる。
【0122】
また、上記画像表示装置は、上記付加機能が、音声出力機能であってもよい。
【0123】
また、上記画像表示装置は、さらに各表示装置にタッチ検出部を備えてなり、上記付加機能が、タッチ操作検出であってもよい。
【0124】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、複数の電子装置を用いて画像表示等を協調して行う電子装置システム等において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0126】
C クライアント(電子装置)
Cd 引継先クライアント(電子装置)
Cs 引継元クライアント(電子装置)
1、1′、1″ 画像表示システム(電子装置システム)
11 サーバ(付加機能割当装置)
24 機能割当部(付加機能割当手段)
31 クライアント制御部(制御手段)
33 表示部(共通機能手段)
34 音声出力部(付加機能手段)
35 電池残量検出部(電池残量検出手段)
36 タッチ検出部(付加機能手段)
S802〜S804 電池残量通知ステップ
S809,S810,S812,S813 付加機能割当変更ステップ
S814 付加機能実行ステップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電子装置が協調して画像表示等の機能を実行する電子装置システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インフォメーションディスプレイあるいは業務用ディスプレイ等に、複数の画像表示装置を隣接配置してより大きな画面とし、1つの画像を協調表示するように構成したものがある。例えば、特許文献1には、複数の画像表示装置を用いて、簡便にマルチ画面表示環境を構築するためのマルチ画面設定方法が記載されている。
【0003】
また、複数画面を構成する各表示装置に対して、それらの配置位置に応じて、個別に機能を割り当てる技術がある。例えば、特許文献2には、複数の表示部によって構成される大画面の中に占める各表示部の画面の位置に応じた音を各表示部から出力することができる表示装置が記載されている。具体的には、左側に位置する表示部の音出力部からは左チャネルの音を出力し、かつ、右側に位置する表示部の音出力部からは右チャネルの音を出力することが記載されている。
【0004】
さらに、音出力部を備えた表示装置において、電池の残量に応じて、動作を変更する技術がある。例えば、特許文献3には、テレビ放送視聴中に、電池の残量が所定量以下となった場合に、表示装置の表示フレームレートを低下させて、電力消費を抑制して視聴時間を延ばす方法、および電池の残量が所定量以下となった場合に、他の装置でテレビ放送を記録し、他の装置で記録したテレビ放送を後から視聴することを可能にする方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−271118号公報(2003年9月25日公開)
【特許文献2】特開2008−011475号公報(2008年1月17日公開)
【特許文献3】特開2006−050555号公報(2006年2月16日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような従来技術では、複数の表示装置で協調表示している場合において、各表示装置が配置位置に応じて、例えば特定の音を出力する機能等の付加機能が割り当てられている場合に、当該表示装置の電池残量が減少し、機能を続行できなくなると、複数の表示装置全体として機能低下してしまうという問題がある。例えば、特定の音を出力していた表示装置の電池残量が少なくなり、画像表示および音声出力ができなくなると、協調表示の一部が表示されなくなることに加えて、特定の音が全く聞こえなくなり、複数の表示装置全体としての機能が著しく低下する。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムにおいて、付加機能を実行する電子装置の電池残量の減少に対して、電子装置システム全体としての機能の低下を抑えることができる電子装置、電子装置の制御方法、付加機能割当装置、付加機能割当装置の制御方法、電子装置システム、プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る電子装置は、複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する電子装置であって、他の電子装置と協調して、上記共通機能を実行する共通機能手段と、上記共通機能とともに、上記付加機能を実行する付加機能手段と、自装置の電池残量を検出する電池残量検出手段とを備えるとともに、上記電子装置システムが備える付加機能割当手段から、自装置に対する上記付加機能の割り当てを受け付けて、上記付加機能手段に上記付加機能を実行させ、かつ、上記電池残量検出手段が自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段に通知する制御手段を備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る電子装置の制御方法は、複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する電子装置の制御方法であって、上記電子装置システムが備える付加機能割当手段から、自装置に対する上記付加機能の割り当てを受け付けて、上記付加機能を実行する付加機能実行ステップと、自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段に通知する電池残量通知ステップとを含むことを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、電子装置システムを構成する電子装置は、電子装置システムの付加機能割当手段から付加機能の割り当てを受け付けて、その付加機能を実行する。これにより、電子装置システムの複数の電子装置のうち、付加機能の割り当てを受け付けた一部の電子装置のみが、共通機能とともに付加機能を実行することができる。そして、付加機能を実行している電子装置は、自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を電子装置システムの付加機能割当手段に通知する。これにより、当該電子装置は、付加機能を継続、停止、あるいは機能縮小するのか等の指示を、電子装置システムの付加機能割当手段から受けることが可能となる。また、電子装置システムの付加機能割当手段は、付加機能を実行する電子装置の電池残量の減少を検出することができるため、その状況に応じた最適な制御を選択することが可能となる。例えば、当該電子装置に隣接する電子装置に付加機能を割り当て直すことにより、付加機能を維持させるとともに、電池残量が減少した電子装置の稼働時間を延長させて共通機能を維持させることができる。
【0011】
したがって、付加機能を実行する電子装置の電池残量の減少に対して、電子装置システム全体としての機能の低下を抑えるように、最適な制御を選択することが可能となるという効果を奏する。
【0012】
ここで、上記共通機能は、複数の電子装置が協調して1つ以上の画像情報を出力する画像表示機能であってもよい。また、上記付加機能は、音声出力機能や、ユーザによるタッチ操作等を検出するユーザ操作検出機能であってもよい。また、共通機能と付加機能とは、異種の機能でなくてもよく、例えば表示内容が異なれば、共通機能および付加機能がともに表示機能であってもよい。
【0013】
さらに、本発明に係る電子装置は、上記制御手段は、上記付加機能割当手段への自装置の電池残量が基準以下となった旨の通知に対して、上記付加機能割当手段から、自装置に対する上記付加機能の割り当ての解除を受け付けて、上記付加機能手段に上記付加機能の実行を停止させることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、さらに、付加機能を実行する電子装置の電池残量が減少したとき、当該電子装置の付加機能を停止して、電池残量が減少した電子装置の稼働時間を延長させることができる。
【0015】
これにより、電池残量が減少した電子装置に共通機能を維持させることができるため、電子装置システム全体としての機能の低下を抑えることができるという効果を奏する。また、付加機能を電池残量が減少した電子装置から、他の電子装置に割り当て直すことにより、電子装置システム全体として、付加機能を維持することができるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明に係る付加機能割当装置は、複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する付加機能割当装置であって、上記複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行するように、当該一部の電子装置に上記付加機能を割り当てるとともに、上記付加機能を割り当てた電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直す付加機能割当手段を備えることを特徴としている。
【0017】
また、本発明に係る付加機能割当装置の制御方法は、複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する付加機能割当装置の制御方法であって、上記付加機能を割り当てた上記一部の電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直す付加機能割当変更ステップを含む、ことを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、電子装置システムを構成する付加機能割当装置は、電子装置システムを構成する複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみに付加機能を割り当てる。これにより、電子装置システムの複数の電子装置のうち、付加機能の割り当てを受け付けた一部の電子装置のみが、共通機能とともに付加機能を実行することができる。そして、上記付加機能割当装置は、付加機能を割り当てた電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直す。これにより、電子装置システム全体として付加機能を維持させるとともに、電池残量が減少した電子装置の稼働時間を延長させて共通機能を維持させることができる。
【0019】
したがって、付加機能を実行する電子装置の電池残量の減少に対して、電子装置システム全体としての機能の低下を抑えるように、最適な制御を選択することが可能となるという効果を奏する。
【0020】
ここで、上記共通機能は、複数の電子装置が協調して1つ以上の画像情報を出力する画像表示機能であってもよい。また、上記付加機能は、音声出力機能や、ユーザによるタッチ操作等を検出するユーザ操作検出機能であってもよい。また、共通機能と付加機能とは、異種の機能でなくてもよく、例えば表示内容が異なれば、共通機能および付加機能がともに表示機能であってもよい。
【0021】
さらに、本発明に係る付加機能割当装置は、上記付加機能割当手段は、割り当て直す前の電子装置に最も近接している電子装置に付加機能を割り当てることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、さらに、割り当て直す前の電子装置に最も近接している電子装置に付加機能を割り当てるため、付加機能を実行する電子装置の電子装置システム全体における配置位置をできるだけ変えずに、付加機能を維持することができるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明に係る電子装置システムは、複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムであって、上記複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行するように、当該一部の電子装置に上記付加機能を割り当てる付加機能割当手段を備えてなり、上記の各電子装置は、他の電子装置と協調して、上記共通機能を実行する共通機能手段と、上記共通機能とともに、上記付加機能を実行する付加機能手段と、自装置の電池残量を検出する電池残量検出手段とをそれぞれ備え、上記付加機能割当手段は、上記付加機能を割り当てた電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直すことを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、上述した本発明に係る電子装置および付加機能割当装置(付加機能割当手段)の作用が実現される。したがって、付加機能を実行する電子装置の電池残量の減少に対して、電子装置システム全体としての機能の低下を抑えるように、最適な制御を選択することが可能となるという効果を奏する。
【0025】
さらに、本発明に係る電子装置システムは、上記共通機能が画像表示機能であってもよい。
【0026】
さらに、本発明に係る電子装置システムは、上記付加機能が音声出力機能であってもよい。
【0027】
さらに、本発明に係る電子装置システムは、上記付加機能がユーザ操作検出機能であってもよい。
【0028】
なお、上記電子装置および上記付加機能割当装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記電子装置および上記付加機能割当装置をコンピュータにて実現させる上記電子装置および上記付加機能割当装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る電子装置は、他の電子装置と協調して、共通機能を実行する共通機能手段と、上記共通機能とともに、付加機能を実行する付加機能手段と、自装置の電池残量を検出する電池残量検出手段とを備えるとともに、電子装置システムが備える付加機能割当手段から、自装置に対する上記付加機能の割り当てを受け付けて、上記付加機能手段に上記付加機能を実行させ、かつ、上記電池残量検出手段が自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段に通知する制御手段を備える構成である。
【0030】
また、本発明に係る電子装置の制御方法は、電子装置システムが備える付加機能割当手段から、自装置に対する付加機能の割り当てを受け付けて、上記付加機能を実行する付加機能実行ステップと、自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段に通知する電池残量通知ステップとを含む方法である。
【0031】
また、本発明に係る付加機能割当装置は、複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが共通機能とともに付加機能を実行するように、当該一部の電子装置に付加機能を割り当てるとともに、上記付加機能を割り当てた電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直す付加機能割当手段を備える構成である。
【0032】
また、本発明に係る付加機能割当装置の制御方法は、付加機能を割り当てた一部の電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直す付加機能割当変更ステップを含む方法である。
【0033】
上記の構成および方法によれば、付加機能を実行する電子装置の電池残量の減少に対して、電子装置システム全体としての機能の低下を抑えるように、最適な制御を選択することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した画像表示システムのクライアントの一配置例を示す模式図である。
【図3】図2に示した配置例における機能割当テーブルの例を示す模式図である。
【図4】図1に示した画像表示システムのクライアントの他の配置例を示す模式図である。
【図5】図4に示した配置例における機能割当テーブルの例を示す模式図である。
【図6】図1に示した画像表示システムのクライアントのさらに他の配置例を示す模式図である。
【図7】図6に示した配置例における機能割当テーブルの例を示す模式図である。
【図8】図1に示した画像表示システムにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図2に示した配置例における機能割当テーブルの更新後の状態を示す模式図である。
【図10】図2に示した配置例によって、画像表示システムの動作例を示す説明図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る画像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示した画像表示システムのクライアントの一配置例を示す模式図である。
【図13】図12に示した配置例における機能割当テーブルの例を示す模式図である。
【図14】本発明のさらに他の実施形態に係る画像表示システムのクライアントの配置例を示す模式図である。
【図15】図14に示した配置例における機能割当テーブルの例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について図1から図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0036】
図1は、本実施の形態に係る画像表示システム1の構成を示すブロック図である。
【0037】
図1に示すように、画像表示システム(電子装置システム)1は、複数のクライアント(電子装置)C…およびサーバ(付加機能割当装置)11を備えて構成されている。
【0038】
画像表示システム1は、表示装置である複数のクライアントC…が協調して1つ以上の画像情報を出力するものである。特に、本実施の形態では、画像表示システム1は、複数のクライアントC…が協調して画像表示機能(共通機能)を実行し、かつ、当該複数のクライアントC…のうちの一部のクライアントCのみが画像表示機能(共通機能)とともに音声出力機能(付加機能)を実行する。なお、「音声」は、スピーカ等の音声出力装置によって出力可能な音をすべて含む意味で用いるものとする。
【0039】
画像表示システム1は、サーバ11、およびサーバ11にネットワークによって接続された複数のクライアントC…を含んで構成される。なお、上記ネットワークには、例えば無線LAN(Local Area Network)もしくは有線LANによるLAN30によるネットワーク、またはIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394等の規格を用いたネットワークを適宜利用できる。
【0040】
各クライアントCは、同じ構成である。また、クライアントCの数は特に制限されず、画像表示システム1は任意の数のクライアントCが接続可能である。以下では、n(n>1)台のクライアントC1〜クライアントCnが接続されているものとする。また、各クライアントCを区別する必要がないときは、単に「クライアントC」と表記し、区別する必要があるときは、「クライアントC1」のように番号を付記することにする。
【0041】
クライアントCは、サーバ11の制御に基づき、他のクライアントCと協調して画像の表示を行う。図1に示すように、クライアント(電子装置)Cは、クライアント制御部(制御手段)31、通信部32、表示部(共通機能手段)33、音声出力部(付加機能手段)34、電池残量検出部(電池残量検出手段)35を少なくとも備える。
【0042】
クライアント制御部31は、クライアントCの各部の動作を制御する。詳細については後述する。
【0043】
通信部32は、サーバ11との通信を行う。この通信には、上述した各種のネットワークを適宜利用できる。
【0044】
表示部33は、画像の表示を行う。詳細には、表示部33は、他のクライアントCと協調して、1つ以上の画像情報を出力する画像表示機能(共通機能)を実行する。ここで、クライアントC1〜Cnの各表示部33は、1つの画像を分割して複数の画面に表示するため、画面サイズおよび表示方式が統一されていることが好ましい。また、表示部33としては、LCD、CRT、有機EL素子(Electro Luminescent device)を含むEL表示素子、PDP(Plasma Display Panel)、および蛍光表示管等、画像情報を表示可能な画像表示デバイスであれば直視型、投射型、発光型、反射型の表示方式は問わず利用できる。
【0045】
音声出力部34は、音の出力を行う。詳細には、音声出力部34は、上記画像表示機能(共通機能)とともに、音声出力機能(付加機能)を実行する。
【0046】
電池残量検出部35は、自装置の電池残量を検出する。
【0047】
そして、クライアント制御部31は、サーバ11の機能割当部24から、自装置に対する音声出力機能(付加機能)の割り当てを受け付けて、音声出力部34に音声出力機能を実行させる。また、クライアント制御部31は、電池残量検出部35が自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記機能割当部24に通知する。また、クライアント制御部31は、上記機能割当部24への自装置の電池残量が基準以下となった旨の通知に対して、機能割当部24から、自装置に対する上記音声出力機能(付加機能)の割り当ての解除を受け付けて、機能割当部24に音声出力機能の実行を停止させる。
【0048】
サーバ11は、表示部33を備えた各クライアントCを制御し、複数の表示装置で一つの画像を協調表示するよう制御を行う。図1に示すように、サーバ11は、サーバ制御部21、通信部22、記憶部23、機能割当部24を少なくとも備える。
【0049】
サーバ制御部21は、サーバ11の各部の動作を制御する。
【0050】
通信部22は、各クライアントCとの通信を行う。この通信には、上述した各種のネットワークを適宜利用できる。
【0051】
記憶部23は、クライアントCに出力する動画等のコンテンツ情報およびクライアントの配置位置情報等を記憶する。
【0052】
機能割当部24は、各クライアントCの配置位置をもとに、各クライアントCに機能を割り当てる。詳細には、機能割当部24は、複数のクライアントC…のうちの一部のクライアントCのみが画像表示機能(共通機能)とともに音声出力機能(付加機能)を実行するように、当該一部のクライアントCに音声出力機能を割り当てる。また、機能割当部24は、音声出力機能を割り当てた引継元クライアント(電子装置)Csの電池残量が基準以下となったとき、当該音声出力機能を他の引継先クライアント(電子装置)Cdに割り当て直す。
【0053】
ここで、機能割当部24は、割り当て直す前の引継元クライアントCsに最も近接しているクライアントCを、引継先クライアントCdとして選択してもよい。この場合、機能割当部24は、クライアントCの配置位置に応じて、音声出力機能(付加機能)を割り当て、割り当てた結果を記憶部23に記憶させる。なお、音声出力機能(付加機能)の割り当てに際しては、あらかじめ、複数のクライアントCを割り当て候補とし、各候補間で割り当ての優先度を付けておいてもよいが、これに限定されない。
【0054】
また、クライアントCの配置位置に応じて、音声出力機能(付加機能)を割り当てるために、サーバ11は、クライアントC…それぞれの配置位置を記憶部23に記憶する。なお、クライアントCの配置位置の検出には、例えば、先行技術文献として挙げた特許文献1または特許文献2等に記載の方法が利用できる。すなわち、各画像表示装置に備えられた入力手段に所定の順序で入力を行うことで画像表示装置とマルチ画面表示エリアの対応付けを行う方法や(特許文献1)、各クライアントから隣接情報(自クライアントのクライアントIDおよび各方向に隣接するそれぞれのクライアントのクライアントIDを含む。)を取得し、取得した隣接情報に基づいて、クライアントの全体構成および各クライアントの配置位置を自動で設定あるいは手動で設定する方法(特許文献2)を用いて、クライアントCの配置位置を検出することができる。
【0055】
つぎに、画像表示システム1のクライアントCの配置例と、その配置例における付加機能の機能割当テーブルTの例について説明する。
【0056】
第一に、図2は、画像表示システム1のクライアントCの一配置例を示す模式図である。図2を参照して、4つのクライアントC1〜C4が、横1列に配置された場合について説明する。
【0057】
左端のクライアントC1は、音声出力機能(付加機能)を割り当てられており、音声出力部34から、左チャンネル(Lch)の音を出力する。また、右端のクライアントC4は、音声出力機能(付加機能)を割り当てられており、音声出力部34から、右チャンネル(Rch)の音を出力する。一方、クライアントC2およびクライアントC3は、音声出力機能(付加機能)が割り当てられていないため、音声出力を行わないが、それぞれクライアントC1およびクライアントC4の代替候補として割り当てられている。
【0058】
図3は、図2に示したクライアントCの配置例における機能割当テーブルTの例を示す模式図である。この機能割当テーブルTは、記憶部23に記憶される。
【0059】
図3中、「割当機能名」は、各クライアントCが担い得る機能の種別を示す。この例では、「Lchの音声を出力する」(Lchの音声出力)、および、「Rchの音声を出力する」(Rchの音声出力)が設定されている。また、「クライアントID」は、画像表示システム1を構成するクライアントC…、すなわち、協調表示を行うクライアントC…を示す。
【0060】
そして、機能割当テーブルTには、各クライアントCが付加機能を担うか否かが登録されている。図3中、「○」は、当該クライアントCに付加機能が割り当てられていることを示す。「△」は、当該クライアントCに付加機能の割り当てが可能であることを示す(○の代替候補)。「×」は、当該クライアントCには付加機能の割り当てが不可であることを示す。
【0061】
なお、付加機能の割り当ては、付加機能の種別、クライアントC…の数、または配置位置に応じて任意に決定しておけばよい。
【0062】
第二に、図4は、画像表示システム1のクライアントCの他の配置例を示す模式図である。また、図5は、図4に示したクライアントCの配置例における機能割当テーブルTの例を示す模式図である。
【0063】
図4の例では、6つのクライアントC1〜C6が、横1列に配置されている。この場合、例えば図5に示すように、機能割当テーブルTに登録され得る。すなわち、左端から1番目および2番目のクライアントC1およびクライアントC2には「Lchの音声出力」が割り当てられている。また、右端から1番目および2番目のクライアントC5およびクライアントC6には「Rchの音声出力」が割り当てられている。一方、左端から3番目のクライアントC3および右端から3番目のクライアントC4は、音声出力機能(付加機能)が割り当てられていないため、音声出力を行わないが、それぞれ、クライアントC1・C2およびクライアントC5・C6の代替候補として割り当てられ得る。
【0064】
第三に、図6は、画像表示システム1のクライアントCのさらに他の配置例を示す模式図である。また、図7は、図6に示したクライアントCの配置例における機能割当テーブルTの例を示す模式図である。
【0065】
図6の例では、4つのクライアントC1〜C4が縦2段横2列に配置されている。この場合、例えば図7に示すように、機能割当テーブルTに登録され得る。すなわち、左上のクライアントC1には「Lchの音声出力」が割り当てられている。また、右上のクライアントC2には「Rchの音声出力」が割り当てられている。一方、左下のクライアントC3および右下のクライアントC4は、音声出力機能(付加機能)が割り当てられていないため、音声出力を行わないが、それぞれ、クライアントC1およびクライアントC2の代替候補として割り当てられ得る。
【0066】
以上のような設定に従い、各クライアントCは、記憶部23に格納されたコンテンツを協調出力する。出力すべき映像データは、サーバ11で分割して、各クライアントCに送信してもよい。あるいは、分割前の映像データを、サーバ11から各クライアントにC送信し、クライアントCで加工して出力してもよい。
【0067】
また、サーバ制御部21は、通信部22を介して、機能が割り当てられたクライアントCに機能の割り当てを通知し、当該クライアントCは割り当てられた機能を作動させる。出力すべき音声データは、「Lchの音声出力」または「Rchの音声出力」が割り当てられたクライアントCのみに送信してもよい。あるいは、各クライアントC…に音声データを送信し、各クライアントC…が機能の割り当ての通知に従って、出力するか否かを判断してもよい。
【0068】
以下、図8を参照しながら、画像表示システム1の協調表示中の動作について説明する。図8は、画像表示システム1における処理の流れを示すフローチャートである。
【0069】
協調表示中、各クライアントCの電池残量検出部35は、定期的に当該クライアントCの電池残量を監視する(S802)。そして、各クライアントCの電池残量検出部35は、当該クライアントCの電池残量が基準(例えば、所定の一定値)を下回っているかどうかを調べ(S803)、下回っていた場合(S803にてYES)、当該クライアントCのクライアント制御部31は通信部32を介して、その旨をサーバ11へ通知する(S804)。一方、基準を下回っていない場合(S803にてNO)、開始(S801)へ戻る。電池残量の上記基準としては、個別に付加機能(音声出力機能)を担っていたクライアントCが、その機能を停止した後も映像データの表示をある程度継続できるように設定する。クライアントCの電池容量または協調表示中の消費電力に応じて、任意に決定すればよい。なお、S802〜S804が電池残量通知ステップである。
【0070】
つぎに、サーバ11が上記通知を受けると、サーバ制御部21は、機能割当部24に対して、記憶部23に記憶された機能割当テーブルTの検索を指示する。そして、機能割当部24は、通知のあったクライアントCが付加機能を担っていないかを照合する(S805)。付加機能を担っていない場合(S806にてNO)、開始(S801)へ戻る。
【0071】
一方、付加機能を担っている場合(S806にてYES)、機能割当部24は、当該付加機能の引継先となり得るクライアントCの有無を照合する(S807)。すなわち、機能割当部24は、記憶部23の機能割当テーブルTを検索し、当該機能の引継可能なクライアントC(機能割当テーブルTの△印)の有無を照合する。
【0072】
そして、引継可能なクライアントCが見つかった場合(S808にてYES)、機能割当部24は、当該クライアントC(引継先クライアントCd)に付加機能を割り当てる(S812;付加機能割当変更ステップ)。サーバ制御部21は、通信部22を介して、引継先クライアントCdに通知する(S813;付加機能割当変更ステップ)。この通知を受けた引継先クライアントCdは、新たに割り当てられた付加機能を作動させる(S814;付加機能実行ステップ)。
【0073】
また同時に、機能割当部24は、もともと付加機能を担っていたクライアントC(引継元クライアントCs)の付加機能の割り当てを解除する(S809;付加機能割当変更ステップ)。サーバ制御部21は、通信部22を介して、引継元クライアントCsに通知する(S810;付加機能割当変更ステップ)。この通知を受けた引継元クライアントCsは、割り当てられていた付加機能を停止する(S811)。その後、機能割当部24は、引継元クライアントCsに対する付加機能の割り当てを解除するとともに、引継先クライアントCdに付加機能を割り当てた状態に、記憶部23の機能割当テーブルTを更新する(S815)。
【0074】
ここで、図2および図3の構成を例に、クライアントC1の電池残量が、一定値を下回った場合(図10の(ii))の具体的な動作を説明する。図9は、図2に示したクライアントCの配置例における機能割当テーブルTの更新後の状態を示す模式図である。また、図10は、図2に示したクライアントCの配置例によって、画像表示システム1の動作例を示す説明図である。
【0075】
まず、クライアントC1はLchの音声出力を担っているため、機能割当部24は、当該機能の引継可能なクライアント(C1の代替候補)の有無を照合する。そして、クライアントC2が当該機能の引継可能(△印)であるので、機能割当部24は、クライアントC2にLchの音声出力を割り当てる。このとき、サーバ制御部21は、通信部22を介して、クライアントC2に通知する。それと同時に、機能割当部24は、クライアントC1のLchの音声出力の割り当てを解除し、サーバ制御部21は、通信部22を介して、クライアントC1に通知する。これにより、クライアントC2はLchの音声出力を行い、クライアントC1はLchの音声出力を停止して映像表示のみに切替える(図10の(iii))。最後に、機能割当部24は、機能割当テーブルTを図9のように更新し、記憶部23に記憶する。
【0076】
以上のように付加機能の割り当て先を変更することにより、クライアントC1は音声出力を停止するので、音声出力している状態よりも消費電力が減り、結果的に表示動作できる残り時間が延びる。代わりに、音声出力はクライアントC2が担うため、クライアントC1で音声出力していた時に比べ、画像表示システム1全体として音のステレオ感は低下するものの、Lchの音が全く聞こえないという機能低下は防ぐことができる。すなわち、画像表示システム1全体としての機能の低下を最低限に抑えつつ、クライアントC1の稼動時間の延長を図ることができるという効果を奏する。
【0077】
なお、引継先クライアントCdが見つからなかった場合は(S808にてNO)、クライアントC1(引継元クライアントCs)の機能停止のみを行う(S809〜S811、S815)ようにしてもよいし、何もしなくてもよい(S808からの点線矢印)。何もしない場合は、一定値を超えてさらに電池が消費されたのち、ローバッテリ状態となりクライアントC1の動作全体が停止することになる。付加機能のみを停止した場合は、何もしない場合に比べて、機能低下するものの、動作時間は延長されることとなる。
【0078】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図11から図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0079】
特定のクライアントCに割り当てる付加機能としては、実施の形態1において説明した音声出力の他に、操作指示の受け入れ(タッチ操作検出)がある。近年、タッチパネル操作で行う端末が普及しており、タッチ検出のために、常時、タッチセンサ部品の電源を入れておく必要がある。これを協調表示中は、特定のクライアントCだけに割り当てることで、他のクライアントCの消費電力を抑止できる。
【0080】
図11は、本実施の形態に係る画像表示システム1′の構成を示すブロック図である。
【0081】
図11に示すように、画像表示システム(電子装置システム)1′は、複数のクライアント(電子装置)C…およびサーバ(付加機能割当装置)11を備えて構成されている。
【0082】
本実施の形態では、画像表示システム1′は、複数のクライアントC…が協調して画像表示機能(共通機能)を実行し、かつ、当該複数のクライアントC…のうちの一部のクライアントCのみが画像表示機能(共通機能)とともにタッチ操作検出機能(付加機能)を実行する。なお、画像表示システム1′においても、音声出力機能を付加機能として特定のクライアントCに割り当て、実施の形態1で説明した制御によって、電池残量検出および割り当て変更を行うものとする。そして、音声出力機能の割り当て変更と、タッチ検出機能の割り当て変更とを、連動して制御してもよいし、独立に制御してもよい。
【0083】
図11に示すように、クライアント(電子装置)Cは、クライアント制御部(制御手段)31、通信部32、表示部(共通機能手段)33、音声出力部(付加機能手段)34、電池残量検出部(電池残量検出手段)35に加えて、タッチ検出部(付加機能手段)36を少なくとも備える。
【0084】
タッチ検出部36は、ユーザの操作を検出する。具体的には、例えば上述したような、表示映像に対する早送り、巻き戻し、および停止等の指示、音量の変更の指示、ワンセグ放送を表示中であればチャンネルの切替え等の指示のためのユーザ操作を検出する。なお、検出するユーザ操作は、タッチに限定されるものではなく、例えば、キーやマウス等を介して行われる操作も含まれる。
【0085】
つぎに、画像表示システム1′のクライアントCの配置例と、その配置例における付加機能の機能割当テーブルTの例について説明する。
【0086】
図12は、画像表示システム1′のクライアントCの一配置例を示す模式図である。図12の例では、4つのクライアントC1〜C4が、横1列に配置されている。4つのクライアントC1〜C4は、協調表示中は、左端のクライアントC1のみがタッチ検出部36によってタッチ操作を検出可能とし、残りのクライアントC2、C3、C4はタッチ操作を検出不可とする。
【0087】
図13は、図12に示したクライアントC1〜C4の配置例における機能割当テーブルTの例を示す模式図である。
【0088】
図12の例では、4つのクライアントC1〜C4が、横1列に配置されている。この場合、例えば図13に示すように、機能割当テーブルTに登録され得る。すなわち、左端のクライアントC1には「タッチ操作検出」が割り当てられている。一方、他のクライアントC2〜C4は、タッチ操作検出機能(付加機能)が割り当てられていないため、タッチ操作検出を行わないが、それぞれ、クライアントC1の代替候補として割り当てられ得る。
【0089】
ここで、図13のように、複数のクライアントC2〜C4に対して、付加機能の代替が可能(△印)とした場合、付加機能を引継可能なクライアントが複数検出されることになる(図8のステップS808)。このような場合には、引継元クライアントCsに最も近いクライアントCを引継先クライアントCdとしてもよい。また、最初に検出されたクライアントCを引継先クライアントCdとしてもよい。あるいは、機能割当テーブルTに記憶する値に、さらに細かな優先度をつけ、優先度の高いものを引継先クライアントCdとしてもよい。
【0090】
なお、1つのクライアントCに割り当て可能な付加機能は、1つに限らず、複数であってもよい。ただし、消費電流の観点で見ると、1つのクライアントCが複数の付加機能を兼務することは望ましくない。このため、例えば、付加機能間に優先順位をあらかじめ定めておき、付加機能の引き継ぎを行う際、引継先候補のクライアントCが既に優先順位の高い付加機能を担っていたら、引継先候補から除外することが好ましい。ただし、引継先候補として適当なクライアントCがなければ、付加機能の兼務を認めてもよい。
【0091】
例えば、付加機能が音声出力とタッチ検出であれば、優先順位を“音声出力>タッチ検出”と定めておく。ここでは、音声出力はL/Rバランスをとる必要があるが、タッチ検出は、どのクライアントCで行っても機能低下はほとんどないため、このように優先順位を定めることにする。そして、タッチ検出を行うクライアントCを引き継ぐ必要が生じた場合、引継先候補のクライアントCのうち、音声出力を担っているクライアントCを除いた、音声出力を担っていないクライアントCに引き継ぐようにする。
【0092】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について図14、図15に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記の実施の形態1、2において示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0093】
本実施の形態では、1つのクライアントCに割り当て可能な付加機能が複数ある場合について説明する。ただし、付加機能の兼務はできない。具体的には、1つのクライアントCには、音声出力(大音量)/音声出力(中音量)/音声出力(小音量)の何れかが付加機能として割り当て可能である。
【0094】
本実施の形態に係る画像表示システム1″の構成は、基本的に、実施の形態1に係る画像表示システム1(図1)と同様である。
【0095】
クライアントCの音声出力部34には、小さなスピーカが1つ、2つ程度設けられているものとする。この場合、通常、1つのクライアントCだけでは十分なステレオ感が得られない。しかし、画像表示システム1″では、複数のクライアントCを集めて、ステレオ感が得られる大型スピーカのように利用するものである。
【0096】
なお、本実施の形態では、複数のクライアントC…が協調して画像表示機能(共通機能)を実行する場合について説明するが、画像表示機能はOFFされていてもよく、クライアントCに機能が設けられていなくてもよい。すなわち、本実施の形態では、共通機能としての画像表示機能は必須ではない。
【0097】
つぎに、画像表示システム1″のクライアントCの配置例と、その配置例における付加機能の機能割当テーブルTの例について説明する。
【0098】
図14は、画像表示システム1″のクライアントCの配置例を示す模式図である。また、図15は、図14に示したクライアントCの配置例における機能割当テーブルTの例を示す模式図である。
【0099】
図14の例では、6つのクライアントC1〜C6が、横1列に配置されている。この場合、例えば図15に示すように、機能割当テーブルTに登録され得る。すなわち、左端から順にクライアントC1、C2,C3には、それぞれ、「Lchの音声出力(大音量)」、「Lchの音声出力(中音量)」、「Lchの音声出力(小音量)」が割り当てられている。また、「Lchの音声出力(大音量)」について、クライアントC2,C3が、代替候補として割り当てられている。また、「Lchの音声出力(中音量)」について、クライアントC3が、代替候補として割り当てられている。同様に、右端から順にクライアントC6、C5,C4には、それぞれ、「Rchの音声出力(大音量)」、「Rchの音声出力(中音量)」、「Rchの音声出力(小音量)」が割り当てられている。また、「Rchの音声出力(大音量)」について、クライアントC5,C4が、代替候補として割り当てられている。また、「Rchの音声出力(中音量)」について、クライアントC4が、代替候補として割り当てられている。
【0100】
上記の設定により、初期状態では、図14に示すように、中央寄りの位置から中小音量で音声出力されるとともに、両端の位置から大音量で音声出力されるため、広がり感(ステレオ感)のある音声出力を実現できる。
【0101】
そして、この状態で、例えばクライアントC1(大音量でLchを出力)の電池残量が低下した場合、クライアントC2がその機能を引き継ぐことになる。このとき、クライアントC1に対する音声出力の機能の割り当ては解除され、音量がOFFされる。さらに、その後、クライアントC2の電池残量が低下した場合、クライアントC3がその機能を引き継ぐことになる。このとき、クライアントC2に対する音声出力の機能の割り当ても解除され、音量がOFFされる。
【0102】
ここで、機能の引き継ぎの際、引継先のクライアントに既に機能が割り当てられている場合には、「より音量の大きい機能を優先する」という条件に従うものとする。これにより、例えば、クライアントC1からクライアントC2が「Lchの音声出力(大音量)」の機能を引き継ぐとき、クライアントC2は、「Lchの音声出力(中音量)」の機能が既に割り当てられているが、上記条件に従って、クライアントC2に割り当てる機能が「Lchの音声出力(中音量)」から「Lchの音声出力(大音量)」に変更される。また同様に、「Lchの音声出力(中音量)」の機能は、クライアントC3が引継可能であれば、クライアントC2からクライアントC3に引き継がれる。
【0103】
このようにすることで、クライアントの減電時も出力バランスをある程度保ちつつ、音声出力を継続することが可能となる。
【0104】
なお、クライアントCの各ブロック、および、サーバ11の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0105】
後者の場合、クライアントCおよびサーバ11は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるクライアントCおよびサーバ11の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、クライアントCおよびサーバ11に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0106】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0107】
また、クライアントCおよびサーバ11を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0108】
また、本発明は以下のように記載することができる。
【0109】
本発明の電子装置(クライアントC)は、複数の電子装置(クライアントC)が協調して共通機能(画像表示機能)を実行し、かつ、当該複数の電子装置(クライアントC)のうちの一部の電子装置(クライアントC)のみが上記共通機能(画像表示機能)とともに付加機能(音声出力機能)を実行する電子装置システム(画像表示システム1)を構成する電子装置(クライアントC)であって、他の電子装置(クライアントC)と協調して、上記共通機能(画像表示機能)を実行する共通機能手段(表示部33)と、上記共通機能(画像表示機能)とともに、上記付加機能(音声出力機能)を実行する付加機能手段(音声出力部34)と、自装置の電池残量を検出する電池残量検出手段(電池残量検出部35)とを備えるとともに、上記電子装置システム(画像表示システム1)が備える付加機能割当手段(機能割当部24)から、自装置に対する上記付加機能(音声出力機能)の割り当てを受け付けて、上記付加機能手段(音声出力部34)に上記付加機能(音声出力機能)を実行させ、かつ、上記電池残量検出手段(電池残量検出部35)が自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段(機能割当部24)に通知する制御手段(クライアント制御部31)を備えて構成されていてもよい。
【0110】
さらに、上記電子装置(クライアントC)は、上記制御手段(クライアント制御部31)は、上記付加機能割当手段(機能割当部24)への自装置の電池残量が基準以下となった旨の通知に対して、上記付加機能割当手段(機能割当部24)から、自装置に対する上記付加機能(音声出力機能)の割り当ての解除を受け付けて、上記付加機能手段(機能割当部24)に上記付加機能(音声出力機能)の実行を停止させるものであってもよい。
【0111】
また、本発明の電子装置(クライアントC)の制御方法は、複数の電子装置(クライアントC)が協調して共通機能(画像表示機能)を実行し、かつ、当該複数の電子装置(クライアントC)のうちの一部の電子装置(クライアントC)のみが上記共通機能(画像表示機能)とともに付加機能(音声出力機能)を実行する電子装置システム(画像表示システム1)を構成する電子装置(クライアントC)の制御方法であって、上記電子装置システム(画像表示システム1)が備える付加機能割当手段(機能割当部24)から、自装置に対する上記付加機能(音声出力機能)の割り当てを受け付けて、上記付加機能(音声出力機能)を実行する付加機能実行ステップと、自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段(機能割当部24)に通知する電池残量通知ステップとを含んでいてもよい。
【0112】
また、本発明の付加機能割当装置(サーバ11)は、複数の電子装置(クライアントC)が協調して共通機能(画像表示機能)を実行し、かつ、当該複数の電子装置(クライアントC)のうちの一部の電子装置(クライアントC)のみが上記共通機能(画像表示機能)とともに付加機能(音声出力機能)を実行する電子装置システム(画像表示システム1)を構成する付加機能割当装置(サーバ11)であって、上記複数の電子装置(クライアントC)のうちの一部の電子装置(クライアントC)のみが上記共通機能(画像表示機能)とともに付加機能(音声出力機能)を実行するように、当該一部の電子装置(クライアントC)に上記付加機能(音声出力機能)を割り当てるとともに、上記付加機能(音声出力機能)を割り当てた電子装置(クライアントC)の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能(音声出力機能)を他の電子装置(クライアントC)に割り当て直す付加機能割当手段(機能割当部24)を備えて構成されていてもよい。
【0113】
さらに、上記付加機能割当装置(サーバ11)は、上記付加機能割当手段(機能割当部24)は、割り当て直す前の電子装置(引継元クライアントCs)に最も近接している電子装置(引継先クライアントCd)に付加機能(音声出力機能)を割り当てるものであってもよい。
【0114】
また、本発明の付加機能割当装置(サーバ11)の制御方法は、複数の電子装置(クライアントC)が協調して共通機能(画像表示機能)を実行し、かつ、当該複数の電子装置(クライアントC)のうちの一部の電子装置(クライアントC)のみが上記共通機能(画像表示機能)とともに付加機能(音声出力機能)を実行する電子装置システム(画像表示システム1)を構成する付加機能割当装置(サーバ11)の制御方法であって、上記付加機能(音声出力機能)を割り当てた上記一部の電子装置(クライアントC)の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能(音声出力機能)を他の電子装置(クライアントC)に割り当て直す付加機能割当変更ステップを含んでいてもよい。
【0115】
また、本発明の付加機能割当装置(サーバ11)は、複数の電子装置(クライアントC)が協調して共通機能(画像表示機能)を実行し、かつ、当該複数の電子装置(クライアントC)のうちの一部の電子装置(クライアントC)のみが上記共通機能(画像表示機能)とともに付加機能(音声出力機能)を実行する電子装置システム(画像表示システム1)であって、上記複数の電子装置(クライアントC)のうちの一部の電子装置(クライアントC)のみが上記共通機能(画像表示機能)とともに付加機能(音声出力機能)を実行するように、当該一部の電子装置(クライアントC)に上記付加機能(音声出力機能)を割り当てる付加機能割当手段(機能割当部24)を備えてなり、上記の各電子装置(クライアントC)は、他の電子装置(クライアントC)と協調して、上記共通機能(画像表示機能)を実行する共通機能手段(表示部33)と、上記共通機能(画像表示機能)とともに、上記付加機能(音声出力機能)を実行する付加機能手段(音声出力部34)と、自装置の電池残量を検出する電池残量検出手段(電池残量検出部35)とをそれぞれ備え、上記付加機能割当手段(機能割当部24)は、上記付加機能(音声出力機能)を割り当てた電子装置(引継元クライアントCs)の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能(音声出力機能)を他の電子装置(引継先クライアントCd)に割り当て直すように構成されていてもよい。
【0116】
さらに、上記共通機能が画像表示機能であってもよい。
【0117】
さらに、上記付加機能が音声出力機能であってもよい。
【0118】
さらに、上記付加機能がユーザ操作検出機能であってもよい。
【0119】
また、本発明は以下のように記載することができる。
【0120】
本発明の画像表示装置は、複数の表示装置が協調して、1つ以上の画像情報を出力する画像表示装置であって、各表示装置は、音声出力部、電池残量検出部、表示部、をそれぞれ備え、さらに、各表示装置に付加機能を割り当てる機能割当部を備えてなり、付加機能を割り当てた表示装置の電池残量が、一定の値以下となった場合、機能割当部にて、当該機能を、他の表示装置に割り当て直すように構成されていてもよい。
【0121】
これにより、画像表示装置全体として、機能の低下を最低限に抑えつつ、画像表示装置の稼働時間の延長を図ることが可能となる。
【0122】
また、上記画像表示装置は、上記付加機能が、音声出力機能であってもよい。
【0123】
また、上記画像表示装置は、さらに各表示装置にタッチ検出部を備えてなり、上記付加機能が、タッチ操作検出であってもよい。
【0124】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、複数の電子装置を用いて画像表示等を協調して行う電子装置システム等において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0126】
C クライアント(電子装置)
Cd 引継先クライアント(電子装置)
Cs 引継元クライアント(電子装置)
1、1′、1″ 画像表示システム(電子装置システム)
11 サーバ(付加機能割当装置)
24 機能割当部(付加機能割当手段)
31 クライアント制御部(制御手段)
33 表示部(共通機能手段)
34 音声出力部(付加機能手段)
35 電池残量検出部(電池残量検出手段)
36 タッチ検出部(付加機能手段)
S802〜S804 電池残量通知ステップ
S809,S810,S812,S813 付加機能割当変更ステップ
S814 付加機能実行ステップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する電子装置であって、
他の電子装置と協調して、上記共通機能を実行する共通機能手段と、
上記共通機能とともに、上記付加機能を実行する付加機能手段と、
自装置の電池残量を検出する電池残量検出手段とを備えるとともに、
上記電子装置システムが備える付加機能割当手段から、自装置に対する上記付加機能の割り当てを受け付けて、上記付加機能手段に上記付加機能を実行させ、かつ、上記電池残量検出手段が自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段に通知する制御手段を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記付加機能割当手段への自装置の電池残量が基準以下となった旨の通知に対して、上記付加機能割当手段から、自装置に対する上記付加機能の割り当ての解除を受け付けて、上記付加機能手段に上記付加機能の実行を停止させることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する電子装置の制御方法であって、
上記電子装置システムが備える付加機能割当手段から、自装置に対する上記付加機能の割り当てを受け付けて、上記付加機能を実行する付加機能実行ステップと、
自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段に通知する電池残量通知ステップとを含むことを特徴とする電子装置の制御方法。
【請求項4】
複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する付加機能割当装置であって、
上記複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行するように、当該一部の電子装置に上記付加機能を割り当てるとともに、上記付加機能を割り当てた電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直す付加機能割当手段を備えることを特徴とする付加機能割当装置。
【請求項5】
上記付加機能割当手段は、割り当て直す前の電子装置に最も近接している電子装置に付加機能を割り当てることを特徴とする請求項4に記載の付加機能割当装置。
【請求項6】
複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する付加機能割当装置の制御方法であって、
上記付加機能を割り当てた上記一部の電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直す付加機能割当変更ステップを含む、ことを特徴とする付加機能割当装置の制御方法。
【請求項7】
複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムであって、
上記複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行するように、当該一部の電子装置に上記付加機能を割り当てる付加機能割当手段を備えてなり、
上記の各電子装置は、
他の電子装置と協調して、上記共通機能を実行する共通機能手段と、
上記共通機能とともに、上記付加機能を実行する付加機能手段と、
自装置の電池残量を検出する電池残量検出手段とをそれぞれ備え、
上記付加機能割当手段は、上記付加機能を割り当てた電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直すことを特徴とする電子装置システム。
【請求項8】
上記共通機能が画像表示機能であることを特徴とする請求項7に記載の電子装置システム。
【請求項9】
上記付加機能が音声出力機能であることを特徴とする請求項7または8に記載の電子装置システム。
【請求項10】
上記付加機能がユーザ操作検出機能であることを特徴とする請求項7または8に記載の電子装置システム。
【請求項11】
請求項1または2に記載の電子装置の上記各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項4または5に記載の付加機能割当装置の上記付加機能割当手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項11または12に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する電子装置であって、
他の電子装置と協調して、上記共通機能を実行する共通機能手段と、
上記共通機能とともに、上記付加機能を実行する付加機能手段と、
自装置の電池残量を検出する電池残量検出手段とを備えるとともに、
上記電子装置システムが備える付加機能割当手段から、自装置に対する上記付加機能の割り当てを受け付けて、上記付加機能手段に上記付加機能を実行させ、かつ、上記電池残量検出手段が自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段に通知する制御手段を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記付加機能割当手段への自装置の電池残量が基準以下となった旨の通知に対して、上記付加機能割当手段から、自装置に対する上記付加機能の割り当ての解除を受け付けて、上記付加機能手段に上記付加機能の実行を停止させることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する電子装置の制御方法であって、
上記電子装置システムが備える付加機能割当手段から、自装置に対する上記付加機能の割り当てを受け付けて、上記付加機能を実行する付加機能実行ステップと、
自装置の電池残量が基準以下となったことを検出したとき、その旨を上記付加機能割当手段に通知する電池残量通知ステップとを含むことを特徴とする電子装置の制御方法。
【請求項4】
複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する付加機能割当装置であって、
上記複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行するように、当該一部の電子装置に上記付加機能を割り当てるとともに、上記付加機能を割り当てた電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直す付加機能割当手段を備えることを特徴とする付加機能割当装置。
【請求項5】
上記付加機能割当手段は、割り当て直す前の電子装置に最も近接している電子装置に付加機能を割り当てることを特徴とする請求項4に記載の付加機能割当装置。
【請求項6】
複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムを構成する付加機能割当装置の制御方法であって、
上記付加機能を割り当てた上記一部の電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直す付加機能割当変更ステップを含む、ことを特徴とする付加機能割当装置の制御方法。
【請求項7】
複数の電子装置が協調して共通機能を実行し、かつ、当該複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行する電子装置システムであって、
上記複数の電子装置のうちの一部の電子装置のみが上記共通機能とともに付加機能を実行するように、当該一部の電子装置に上記付加機能を割り当てる付加機能割当手段を備えてなり、
上記の各電子装置は、
他の電子装置と協調して、上記共通機能を実行する共通機能手段と、
上記共通機能とともに、上記付加機能を実行する付加機能手段と、
自装置の電池残量を検出する電池残量検出手段とをそれぞれ備え、
上記付加機能割当手段は、上記付加機能を割り当てた電子装置の電池残量が基準以下となったとき、当該付加機能を他の電子装置に割り当て直すことを特徴とする電子装置システム。
【請求項8】
上記共通機能が画像表示機能であることを特徴とする請求項7に記載の電子装置システム。
【請求項9】
上記付加機能が音声出力機能であることを特徴とする請求項7または8に記載の電子装置システム。
【請求項10】
上記付加機能がユーザ操作検出機能であることを特徴とする請求項7または8に記載の電子装置システム。
【請求項11】
請求項1または2に記載の電子装置の上記各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項4または5に記載の付加機能割当装置の上記付加機能割当手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項11または12に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−106158(P2013−106158A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248003(P2011−248003)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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