電子部品搭載用基板及びその製造方法
【課題】 放熱性に優れ,穴明け加工を容易に行うことができ,かつ,高密度配線が可能な,電子部品搭載用基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 電気絶縁性のフレキシブルフィルム11〜13,及び該フレキシブルフィルムの厚み方向に2層以上設けた導体回路31,33よりなる多層基板1と,すべてのフレキシブルフィルムを貫通する貫通穴110,120,130と,該貫通穴を覆うよう多層基板1の上面側に設けた放熱金属板2と,上記貫通穴と放熱金属板とにより形成される,電子部品8を搭載するための搭載用凹部10と,多層基板に設けられ導体回路に導通するスルーホール17とを有する。フレキシブルフィルムの厚みは,30〜200μmであることが好ましい。
【解決手段】 電気絶縁性のフレキシブルフィルム11〜13,及び該フレキシブルフィルムの厚み方向に2層以上設けた導体回路31,33よりなる多層基板1と,すべてのフレキシブルフィルムを貫通する貫通穴110,120,130と,該貫通穴を覆うよう多層基板1の上面側に設けた放熱金属板2と,上記貫通穴と放熱金属板とにより形成される,電子部品8を搭載するための搭載用凹部10と,多層基板に設けられ導体回路に導通するスルーホール17とを有する。フレキシブルフィルムの厚みは,30〜200μmであることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,基板の厚み方向に複数層の導体回路を設けた電子部品搭載用基板に関し,特に,優れた放熱性を有し,穴明け加工が容易な電子部品搭載用基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来,電子部品搭載用基板としては,例えば,図27に示すごとく,電子部品8を搭載するための搭載用パッド97と,該搭載用パッド97の周囲に設けた導体回路93と,導体回路93と接続するスルーホール921とを有する。搭載用パッド97は,絶縁基板91の下面側に設けられており,その表面は電子部品8を封止するよう封止用樹脂94により被覆されている。電子部品8と導体回路93との間は,ワイヤー98により接続されている。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の電子部品搭載用基板991においては,電子部品8が封止用樹脂94により封止される。そのため,電子部品の作動時に発する熱を,電子部品8からスムーズに逃がすことができない。
【0004】そこで,電子部品8の上方に位置する部分に,穴明け加工により,絶縁基板91を貫通する放熱用スルーホール922を設けることが考えられる。放熱用スルーホール922の内壁は,金属めっき膜920により被覆する。電子部品8から発する熱は,放熱用スルーホール922を通じて,電子部品8の搭載側と反対側である,絶縁基板91の下面側に伝達される。
【0005】しかし,上記電子部品搭載用基板991をマザーボード995に実装したときには,絶縁基板91の下面側は,マザーボード995に対して,対面配置されることになる。そのため,放熱用スルーホール922により熱を下面側に伝達しても,その熱の放散は,マザーボード995により妨害される。
【0006】また,放熱用スルーホール922を設けることによって絶縁基板91に穴明けする回数が増えて,穴明けドリルの消耗が激しくなる。特に,絶縁基板91として硬質のガラスエポキシ樹脂等を用いる場合には,その消耗量は大きい。かかるドリルの消耗は,穴明け加工の精度上,好ましくなく,また,穴明けコストがかかる。
【0007】また,上記電子部品搭載用基板991においては,1枚の絶縁基板を用いているため,その表面積にも限界があり,導体回路93を高密度に実装することが困難である。そこで,多数の絶縁基板を積層することによって,高密度配線を図ることが考えられる。しかし,多数の絶縁基板の積層によって,電子部品搭載用基板の放熱性が益々悪くなってしまう。
【0008】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,放熱性に優れ,穴明け加工を容易に行うことができ,かつ,高密度配線が可能な,電子部品搭載用基板及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,少なくとも1枚の電気絶縁性のフレキシブルフィルム,及び該フレキシブルフィルムの厚み方向に2層以上設けた導体回路とよりなる多層基板と,上記フレキシブルフィルムのすべてを貫通する貫通穴と,該貫通穴を覆うよう上記多層基板の上面側に設けた放熱金属板と,上記貫通穴と放熱金属板とにより形成される,電子部品を搭載するための搭載用凹部と,上記多層基板に設けられ上記導体回路に導通するスルーホールとを有することを特徴とする電子部品搭載用基板である。
【0010】本発明において最も注目すべきことは,絶縁基板として少なくとも1枚以上のフレキシブルフィルムを用いたこと,フレキシブルフィルムと2層以上の導体回路よりなる多層基板の上面側に放熱金属板を設けたことである。
【0011】次に,上記電子部品搭載用基板の作用について説明する。上記フレキシブルフィルムは,薄く可撓性を有するフィルムである。そのため,フレキシブルフィルムに穴明け加工を施す際に,パンチを用いて穴明けを行うことができる。パンチは,ドリルよりも刃先の消耗が少なく,1ショットで多数の穴明けを行うことができ,穴明け精度も高い。そのため,穴明け操作が容易で,穴明けコストの低下を図ることができる。
【0012】また,フレキシブルフィルムは可撓性であるため,製造時にロール状に束ねた状態から連続的に引き出しながら,導体回路形成,穴明け等の製造加工を,順次連続的に行うことができる。そのため,製造工程の合理化,簡素化を図ることができる。
【0013】また,搭載用凹部の上面側は,放熱金属板により被覆されている。放熱金属板は,電子部品搭載用基板をマザーボードに実装する際に,マザーボードと対面する側とは反対側に配置される。そのため,電子部品の作動時に発生する熱を,放熱金属板を通じて,電子部品搭載用基板の上方から効果的に放散させることができ,放熱性が高い。
【0014】また,フレキシブルフィルムの上面側に,硬質の放熱金属板を被覆している。そのため,この放熱金属板により電子部品搭載用基板の全体の剛性を確保できる。そのため,放熱金属板が,可撓性のフレキシブルフィルムにおける機械的強度の不足分を十分に補い,電子部品搭載用基板の機械的強度及び耐久性を向上させることができる。
【0015】また,フレキシブルフィルムの厚み方向に2層以上の導体回路を積層している。そのため,配線可能な領域の延べ面積が増え,高密度に導体回路を実装させることができる。
【0016】次に,請求項2に記載のように,フレキシブルフィルムの厚みは,30〜200μmであることが好ましい。30μm未満の場合には,フレキシブルフィルムの機械的強度及び耐久性が低下するおそれがある。一方,200μmを越える場合には,フレキシブルフィルムの可撓性が劣化するおそれがある。
【0017】次に,請求項3に記載のように,放熱金属板の厚みは,50〜1500μmであることが好ましい。50μm未満の場合には,電子部品搭載用基板の機械的強度及び耐久性が低下するおそれがある。一方,1500μmを越える場合には,電子部品搭載用基板の薄層化を阻害するおそれがある。
【0018】次に,請求項4に記載のように,上記電子部品搭載用基板は,搭載用凹部の開口側に,導体回路とマザーボードとの間を接続する接続手段を設けることが好ましい。これにより,搭載用凹部の開口側と反対側である多層基板の上面側の全面を放熱金属板により被覆することができ,より効率的に熱を放散させることができる。上記接続手段としては,導体回路とマザーボードとの間を接続する,半田ボール,リードピン,ワイヤーボンディング用オイルヘッド等を用いる。
【0019】次に,請求項5に記載の発明は,電気絶縁性のフレキシブルフィルムの片面に第1銅箔を接着し,次いで,パンチングにより上記フレキシブルフィルムに,搭載用凹部形成用の貫通穴,及びスルーホールを形成し,次いで,上記フレキシブルフィルムにおける上記第1銅箔の接着面とは反対側の他方の片面に上記貫通穴を閉じるように第2銅箔を接着し,次いで,上記第1銅箔をエッチングしてフレキシブルフィルムの片面に導体回路を形成し,また,上記第2銅箔をエッチングしてフレキシブルフィルムの他方の片面に導体回路を形成すると共に該導体回路に接続されかつ上記貫通穴の内方に突出させた突出パッドを形成し,次いで,上記フレキシブルフィルムにおける突出パッドを形成した側に,絶縁性接着剤を介して,上記貫通穴を覆うように放熱金属板を接着することにより,上記貫通穴と放熱金属板とよりなる搭載用凹部を形成することを特徴とする電子部品搭載用基板の製造方法である。
【0020】この製造方法は,フレキシブルフィルムの厚み方向に複数層の導体回路を有する電子部品搭載用基板の製造方法である。この製造方法によれば,薄く可撓性を有するフレキシブルフィルムを用いているため,パンチング加工により容易に穴明けを行うことができる。また,フレキシブルフィルムの両面に導体回路を形成しているため,高密度に導体回路を形成することができる。
【0021】次に,請求項6に記載の発明は,放熱金属板の下側に,搭載用凹部形成部分に対応した開口部を有する絶縁性接着剤を接着すると共に,上記開口部を覆うようにして上記絶縁性接着剤の下面側に第1銅箔を接着し,次いで,該第1銅箔における導体回路及び突出パッドの形成部分にレジスト膜を被覆し,次いで,上記第1銅箔のエッチングにより,上記絶縁性接着剤の下面側に導体回路及び突出パッドを形成し,次いで,上記レジスト膜を上記放熱金属板より除去し,一方,電気絶縁性のフレキシブルフィルムの少なくとも片面に第2銅箔を接着し,次いで,パンチングにより上記フレキシブルフィルムに搭載用凹部形成用の貫通穴及びスルーホールを形成し,次いで,上記第2銅箔をエッチングしてフレキシブルフィルムの少なくとも片面に導体回路を形成し,次いで,上記放熱金属板における導体回路及び突出パッドを形成した側に,絶縁性接着剤を介して,上記貫通穴を覆うように上記フレキシブルフィルムを接着することにより,上記貫通穴と放熱金属板とよりなる搭載用凹部を形成することを特徴とする電子部品搭載用基板の製造方法である。
【0022】この製造方法に関する発明は,フレキシブルフィルムと放熱金属板との間に形成する導体回路及び突出パッドを,放熱金属板の下面側に形成している点が,上記請求項5に記載の発明と異なる。この製造方法によれば,薄く可撓性を有するフレキシブルフィルムを用いているため,パンチング加工により容易に穴明けを行うことができる。また,フレキシブルフィルムの表面だけでなく放熱金属板の下面側にも絶縁性接着剤を介して導体回路及び突出パッドを設けているため,導体回路の高密度配線が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
実施形態例1本発明の実施形態例にかかる電子部品搭載用基板について,図1〜図11を用いて説明する。本例の電子部品搭載用基板9は,図1に示すごとく,電気絶縁性のフレキシブルフィルム11〜13,及び該フレキシブルフィルムの厚み方向に設けた2層の導体回路31,33よりなる多層基板1と,フレキシブルフィルム11〜13のすべてを貫通する貫通穴110,120,130と,該貫通穴を覆うよう多層基板1の上面側に設けた放熱金属板2とを有している。貫通穴110,120,130と放熱金属板2とは,電子部品8を搭載するための搭載用凹部10を形成している。多層基板1には,導体回路31に導通するスルーホール17が設けられている。
【0024】上記の2層の導体回路31,33のうち,一方の導体回路31は多層基板1の内部に配置されており,他方の導体回路33は多層基板1の下面側に配置されている。そして,内部の導体回路31と,下面側の導体回路33との間には,2枚のフレキシブルフィルム12,13が設けられている。
【0025】多層基板1における搭載用凹部10の開口側には半田ボール51,52が設けられている。一方の半田ボール51は,スルーホール17の下側開口部に接合されている。そして,半田ボール51は,スルーホール17を介して,多層基板1の内部に設けた導体回路31と,マザーボード995との間を接続している。他方の半田ボール52は,多層基板1の下面側に設けた導体回路33に接合されており,該導体回路33とマザーボード995との間を接続している。半田ボール51,52は,マザーボード995の表面に設けた端子996,997に溶融接合される。
【0026】次に,上記電子部品搭載用基板9の製造方法について,図2〜図11を用いて説明する。まず,ガラス繊維入りエポキシ系材料からなるフレキシブルフィルムを準備する。フレキシブルフィルムは,厚み0.05mm,幅2.5〜15cmの可撓性を有する帯状のフィルムである。このフレキシブルフィルムは,予めロール状に巻回しておき,複数のロール体を形成しておく。
【0027】次いで,上記ロール体からフレキシブルフィルムを引き出しながら,図2に示すごとく,該フレキシブルフィルム11の下面側に,熱可塑性のガラス繊維入りエポキシ系材料からなる絶縁性接着剤62を接着する。次いで,図3に示すごとく,パンチング加工により,フレキシブルフィルム11の略中央部分に貫通穴110を穿設する。次いで,フレキシブルフィルム11の下面側に,上記絶縁性接着剤62を介して,厚み35mmの銅箔30を接着する。
【0028】次いで,図4に示すごとく,露光法,エッチング法により,上記銅箔より導体回路31を形成する。次いで,導体回路31の表面に,Ni/Auめっき膜を被覆する。これにより,多層基板の上層基板を得る。
【0029】次に,別個のロール体からフレキシブルフィルムを引き出しながら,図5に示すごとく,フレキシブルフィルム12の上面側及び下面側に,上記絶縁性接着剤62と同じ料料からなる絶縁性接着剤63,64を接着する。次いで,図6に示すごとく,パンチング加工により,フレキシブルフィルム12の略中央部分に貫通穴120を,また該貫通穴120の周囲に,スルーホール形成用の複数の穴121を穿設する。これにより,多層基板の中層基板を得る。
【0030】次に,別個のロール体からフレキシブルフィルムを引き出しながら,図7に示すごとく,該フレキシブルフィルム13の下面側に,上記絶縁性接着剤62と同じ材料からなる絶縁性接着剤65を接着する。次いで,パンチング加工により,フレキシブルフィルム13の略中央部分に貫通穴130を,また該貫通穴130の周囲にスルーホール形成用の複数の穴131を穿設する。次いで,図8に示すごとく,フレキシブルフィルム13の下面側を銅箔30により被覆する。
【0031】次いで,図9に示すごとく,露光法,エッチング法により,銅箔30より導体回路33を形成する。次いで,導体回路33の表面に,Ni/Auめっき膜を被覆する。次いで,図10に示すごとく,フレキシブルフィルム13の下面側に,半田ボールを接合する部分を除いて,感光性ソルダーマスク66を被覆する。これにより,多層基板の下層基板を得る。
【0032】次いで,図11に示すごとく,上記の上層基板であるフレキシブルフィルム11,中層基板であるフレキシブルフィルム12,および下層基板であるフレキシブルフィルム13を,積層して,上記絶縁性接着剤62〜64により熱圧着する。これにより,3層からなる多層基板1が得られると共に,上記穴121,131からなるスルーホール17が形成される。次いで,多層基板1の上面側に,銅製の厚み1.0mmの放熱金属板2を,絶縁性接着剤61を介して熱圧着する。これにより,貫通穴110,120,130とその上面側を被覆する放熱金属板2とよりなる搭載用凹部10が形成される。
【0033】次いで,図1に示すごとく,スルーホール17の内部に,半田54を充填する。次いで,スルーホール17の下面側開口部,多層基板1の下面側に設けた導体回路33の表面に,半田ボール51,52を溶融接合する。これにより,図1に示す上記電子部品搭載用基板9が得られる。
【0034】その後,図1に示すごとく,搭載用凹部10に,例えば銀ペースト,半田等のダイボンド用の接着剤69により,電子部品8を搭載する。次いで,電子部品8と導体回路31,33の先端とを,ワイヤー81により接続する。次いで,搭載用凹部10の内部を封止用樹脂6により被覆する。
【0035】次に,上記電子部品搭載用基板の作用効果について説明する。フレキシブルフィルム11〜13は,薄く可撓性を有するフィルムである。そのため,フレキシブルフィルムに穴明け加工を施す際に,パンチを用いて穴明けを行うことができる。パンチは,ドリルよりも刃先の消耗が少なく,1ショットで多数の穴明けを行うことができ,穴明け精度も高い。そのため,穴明け操作が容易で,穴明けコストの低下を図ることができる。
【0036】また,フレキシブルフィルム11〜13は可撓性であるため,製造時にロール状に束ねた状態から連続的に引き出しながら,導体回路形成,穴明け等の製造加工を,順次連続的に行うことができる。そのため,製造工程の合理化,簡素化を図ることができる。
【0037】また,搭載用凹部10の上面側は,放熱金属板2により被覆されている。放熱金属板2は,電子部品搭載用基板9をマザーボード995に実装する際に,マザーボードと対面する側とは反対側に配置される。そのため,電子部品8の作動時に発する熱を,放熱金属板2を通じて,電子部品搭載用基板9の上方から効果的に放散させることができ,放熱性が高い。
【0038】また,フレキシブルフィルム11〜13の上面側には,硬質の放熱金属板2を被覆している。そのため,放熱金属板2により電子部品搭載用基板9の全体の剛性を確保できる。そのため,放熱金属板2が可撓性のフレキシブルフィルム11〜13の機械的強度の不足分を十分に補い,電子部品搭載用基板の機械的強度及び耐久性を向上させることができる。
【0039】また,フレキシブルフィルム11〜13の厚み方向に2層以上の導体回路31,33を積層している。そのため,配線可能な領域の延べ面積が増え,高密度に導体回路を実装させることができる。
【0040】実施形態例2本例の電子部品搭載用基板は,図12に示すごとく,フレキシブルフィルム15の上面側及び下面側に2層の導体回路31,33を形成した,2層構造を有している。
【0041】即ち,上記電子部品搭載用基板90は,フレキシブルフィルム15,及びその上下両面に設けた2層の導体回路33,31よりなる多層基板1と,フレキシブルフィルム15を貫通する貫通穴150と,該貫通穴150を覆うよう多層基板1の上面側に設けた放熱金属板2とを有している。導体回路31と放熱金属板2との間には,絶縁性接着剤67が設けられている。貫通穴150と放熱金属板2とは,電子部品8を搭載するための搭載用凹部10を形成している。多層基板1は,その内部に設けた導体回路31に導通するスルーホール18,19を有している。
【0042】多層基板1における搭載用凹部10の開口側には,半田ボール51,53が設けられている。一方の半田ボール51は,スルーホール19と,マザーボード995との間を接続している。他方の半田ボール53は,多層基板1の下面側に設けた導体回路33及びスルーホール18と,マザーボード995との間を接続している。半田ボール51,53は,マザーボード995の表面に設けた端子998,999に溶融接合される。
【0043】次に,上記電子部品搭載用基板9の製造方法について,図13〜図20を用いて説明する。まず,実施形態例1と同様に,フレキシブルフィルムのロール体を形成する。次いで,上記ロール体からフレキシブルフィルムを引き出しながら,図13に示すごとく,該フレキシブルフィルム15の上面側及び下面側に,熱可塑性のガラス繊維入りエポキシ系材料からなる絶縁性接着剤68,69を接着する。次いで,フレキシブルフィルム15の下面側に,絶縁性接着剤69を介して,第1銅箔301を接着する。
【0044】次いで,図14に示すごとく,パンチング加工により,フレキシブルフィルム15の略中央部分に搭載用凹部形成用の貫通穴150を,また貫通穴150の周囲にスルーホール形成用の複数の穴151を穿設する。次いで,図15に示すごとく,フレキシブルフィルム15の上面側に,絶縁性接着剤68を介して第2銅箔302を接着する。
【0045】次に,ドライフィルムを用いて,第1,第2銅箔301,302の表面に,導体回路及び突出パッドと同一形状のレジスト膜81を形成する。また,フレキシブルフィルム15の下面側に液体レジストを塗布することにより,貫通穴150の内部を液体レジスト89により被覆することが好ましい。これにより,貫通穴150の上方を覆う第2銅箔302の下面側に,エッチング液が接触しない。そのため,貫通穴150に突出パッド310を,精度良く突出形成させることができる。
【0046】尚,液体レジストをフレキシブルフィルム15の上面側及び下面側に塗布することにより,貫通穴150の内部には液体レジスト89を,第1,第2銅箔301,302の表面には上記レジスト膜81を形成することもできる。
【0047】次いで,図16に示すごとく,第1銅箔をエッチングして,フレキシブルフィルム15の下面側に導体回路33を形成する。また,図16,図20に示すごとく,第2銅箔302をエッチングして,フレキシブルフィルムの上面側に導体回路31を形成すると共に,導体回路31に接続されかつ貫通穴150の内方に突出する突出パッド310を形成する。次いで,導体回路31,33及び第1銅箔310の表面にNi/Auめっき膜を施す。
【0048】次いで,図17に示すごとく,フレキシブルフィルム15の下面側に,導体回路33を覆うように感光性ソルダーマスク66を被覆する。これにより,2層の導体回路31,33をフレキシブルフィルム15の厚み方向に設けてなる多層基板1を得る。
【0049】次いで,図18に示すごとく,多層基板1の上面側に,上記絶縁性接着剤68,69と同じ材料からなる絶縁性接着剤67を介して,放熱金属板2を接着する。これにより,多層基板1の下面側に開口する搭載用凹部10及びスルーホール18,19が形成される。次いで,図19に示すごとく,スルーホール18,19の内部に半田54を充填する。次いで,スルーホール18,19の下面側開口部に半田ボール53,51を接合する。これにより,上記電子部品搭載用基板90が得られる。
【0050】本例においては,1枚のフレキシブルフィルムの上下両面に,導体回路31,33を形成している。そのため,実施形態例1における2枚のフレキシブルフィルムの上下両面に導体回路を形成するよりも,一層薄い電子部品搭載用基板を得ることができる。その他,本例においても,実施形態例1と同様の効果を得ることができる。
【0051】実施形態例3本例は実施形態例2と同一構成の電子部品搭載用基板を製造する方法である。本例は,図23に示すごとく,フレキシブルフィルム15と放熱金属板2との間に形成する導体回路31及び突出パッド310を,放熱金属板2の下面側に形成する点が,導体回路31をフレキシブルフィルム15の上面側に形成する実施形態例2と異なる。
【0052】即ち,図21に示すごとく,放熱金属板2の下面側に,搭載用凹部形成部分に対応した開口部670を有する絶縁性接着剤67を接着する。次に,放熱金属板2の下面側に,上記絶縁性接着剤67を介して,上記放熱金属板2の下面側全体を被覆するよう第1銅箔301を接着する。
【0053】次に,図22に示すごとく,第1銅箔301における導体回路及び突出パッドの形成部分に電着レジスト膜83を被覆する。また,このとき,放熱金属板2の上面側をドライフィルムレジスト膜831により被覆しておくことが好ましい。これにより,エッチング液による放熱金属板2の浸食を防止することができる。次に,図23に示すごとく,上記放熱金属板2をエッチング液に浸漬して,第1銅箔より導体回路31及び突出パッド310を形成する。次に,上記電着レジスト膜及びドライフィルムレジスト膜を除去する。
【0054】一方,図24に示すごとく,フレキシブルフィルム15の下面側に導体回路33を形成する。次いで,図23に示すごとく,上記フレキシブルフィルム15の上面側に,絶縁性接着剤68を介して,上記放熱金属板2を接着すると共に,フレキシブルフィルム15に設けた開口部150より突出パッド310を突出形成させる。これにより,実施形態例2と同様の電子部品搭載用基板90が得られる(図12参照)。その他は,実施形態例2と同様である。
【0055】本例においては,図22,図23に示すごとく,電着レジスト膜83を用いて導体回路31及び突出パッド310を形成している。電着レジスト膜83は,その膜厚の制御がしやすいため,導体回路及び突出パッドの形成部分を均一な厚みで被覆することができる。従って,銅箔のエッチング精度を高くすることができる。
【0056】また,電子部品搭載用基板の中の2層の導体回路の内,一方の導体回路31は放熱金属板2の下面側に,他方の導体回路33はフレキシブルフィルム15の上面側に形成している。そのため,両方の導体回路を並行して形成することができ,電子部品搭載用基板の製造工程の迅速化を図ることができる。
【0057】尚,本例においては,電着レジスト膜を用いたが,図25,図26に示すごとく,ドライフィルムレジスト膜84を用いて導体回路及び突出パッドを形成することもできる。この場合には,図25に示すごとく,絶縁性接着剤67の開口部670を第1銅箔301の突出パッド形成部分311よりも内側に設けておくことが好ましい。これにより,エッチング液が第1銅箔の突出パッド形成部分311を,その上面側より浸食することを防止することができるからである。上記のごとくドライフィルムレジスト膜84を形成した状態で放熱金属板2をエッチング液に浸漬すると,図26に示すごとく,絶縁性接着剤67の開口部670よりも外側に突出パッド310が形成される。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば,放熱性に優れ,穴明け加工を容易に行うことができ,かつ,高密度配線が可能な,電子部品搭載用基板及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,電子部品を搭載用凹部に搭載した電子部品搭載用基板の断面図。
【図2】実施形態例1における,上層基板の製造方法を示す,フレキシブルフィルムの断面図。
【図3】図2に続く,貫通穴を形成したフレキシブルフィルムの断面図。
【図4】図3に続く,上層基板の断面図。
【図5】実施形態例1における,中層基板の製造方法を示す,フレキシブルフィルムの断面図。
【図6】図5に続く,中層基板の断面図。
【図7】実施形態例1における,下層基板の製造方法を示す,フレキシブルフィルムの断面図。
【図8】図7に続く,銅箔を下面側に接着したフレキシブルフィルムの断面図。
【図9】図8に続く,導体回路を形成したフレキシブルフィルムの断面図。
【図10】図9に続く,下層基板の断面図。
【図11】実施形態例1における,上層基板,中層基板,下層基板,及び放熱金属板よりなる電子部品搭載用基板の断面図。
【図12】実施形態例2における,電子部品を搭載用凹部に搭載した電子部品搭載用基板の断面図。
【図13】実施形態例2における,電子部品搭載用基板の製造方法を示す,フレキシブルフィルムの断面図。
【図14】図13に続く,貫通穴を形成したフレキシブルフィルムの断面図。
【図15】図14に続く,銅箔を上面側に接着したフレキシブルフィルムの断面図。
【図16】図15に続く,導体回路及び突出パッドを形成したフレキシブルフィルムの断面図。
【図17】図16に続く,感光性ソルダーマスクを形成したフレキシブルフィルムの断面図。
【図18】図17に続く,放熱金属板を上面側に接着したフレキシブルフィルムの断面図。
【図19】実施形態例2における,電子部品搭載用基板の断面図。
【図20】実施形態例2における,導体回路及び突出パッドを形成したフレキシブルフィルムの要部平面図。
【図21】実施形態例3における,下面側に第1銅箔を被覆した放熱金属板の断面図。
【図22】実施形態例3における,電着レジスト膜により第1銅箔を被覆した放熱金属板の断面図。
【図23】実施形態例3における,下面側に導体回路及び突出パッドを形成した放熱金属板の断面図。
【図24】実施形態例3における,下面側に導体回路を形成したフレキシブルフィルムの断面図。
【図25】実施形態例3における,ドライフィルムレジスト膜により第1銅箔を被覆した放熱金属板の断面図。
【図26】実施形態例3における,ドライフィルムレジスト膜を用いて形成した導体回路及び突出パッドを有する,放熱金属板の断面図。
【図27】従来例における,電子部品搭載用基板の断面図。
【符号の説明】
1...多層基板,
10...搭載用凹部,
11,12,13,15...フレキシブルフィルム,
17,18,19...スルーホール,
110,120,130,150...貫通穴,
121,131,151...穴,
2...放熱金属板,
31,33...導体回路,
310...突出パッド,
51,52,53...半田ボール,
54...半田,
61〜68...絶縁性接着剤,
66...感光性ソルダーマスク,
8...電子部品,
9,90...電子部品搭載用基板,
995...マザーボード,
【0001】
【技術分野】本発明は,基板の厚み方向に複数層の導体回路を設けた電子部品搭載用基板に関し,特に,優れた放熱性を有し,穴明け加工が容易な電子部品搭載用基板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来,電子部品搭載用基板としては,例えば,図27に示すごとく,電子部品8を搭載するための搭載用パッド97と,該搭載用パッド97の周囲に設けた導体回路93と,導体回路93と接続するスルーホール921とを有する。搭載用パッド97は,絶縁基板91の下面側に設けられており,その表面は電子部品8を封止するよう封止用樹脂94により被覆されている。電子部品8と導体回路93との間は,ワイヤー98により接続されている。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の電子部品搭載用基板991においては,電子部品8が封止用樹脂94により封止される。そのため,電子部品の作動時に発する熱を,電子部品8からスムーズに逃がすことができない。
【0004】そこで,電子部品8の上方に位置する部分に,穴明け加工により,絶縁基板91を貫通する放熱用スルーホール922を設けることが考えられる。放熱用スルーホール922の内壁は,金属めっき膜920により被覆する。電子部品8から発する熱は,放熱用スルーホール922を通じて,電子部品8の搭載側と反対側である,絶縁基板91の下面側に伝達される。
【0005】しかし,上記電子部品搭載用基板991をマザーボード995に実装したときには,絶縁基板91の下面側は,マザーボード995に対して,対面配置されることになる。そのため,放熱用スルーホール922により熱を下面側に伝達しても,その熱の放散は,マザーボード995により妨害される。
【0006】また,放熱用スルーホール922を設けることによって絶縁基板91に穴明けする回数が増えて,穴明けドリルの消耗が激しくなる。特に,絶縁基板91として硬質のガラスエポキシ樹脂等を用いる場合には,その消耗量は大きい。かかるドリルの消耗は,穴明け加工の精度上,好ましくなく,また,穴明けコストがかかる。
【0007】また,上記電子部品搭載用基板991においては,1枚の絶縁基板を用いているため,その表面積にも限界があり,導体回路93を高密度に実装することが困難である。そこで,多数の絶縁基板を積層することによって,高密度配線を図ることが考えられる。しかし,多数の絶縁基板の積層によって,電子部品搭載用基板の放熱性が益々悪くなってしまう。
【0008】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,放熱性に優れ,穴明け加工を容易に行うことができ,かつ,高密度配線が可能な,電子部品搭載用基板及びその製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,少なくとも1枚の電気絶縁性のフレキシブルフィルム,及び該フレキシブルフィルムの厚み方向に2層以上設けた導体回路とよりなる多層基板と,上記フレキシブルフィルムのすべてを貫通する貫通穴と,該貫通穴を覆うよう上記多層基板の上面側に設けた放熱金属板と,上記貫通穴と放熱金属板とにより形成される,電子部品を搭載するための搭載用凹部と,上記多層基板に設けられ上記導体回路に導通するスルーホールとを有することを特徴とする電子部品搭載用基板である。
【0010】本発明において最も注目すべきことは,絶縁基板として少なくとも1枚以上のフレキシブルフィルムを用いたこと,フレキシブルフィルムと2層以上の導体回路よりなる多層基板の上面側に放熱金属板を設けたことである。
【0011】次に,上記電子部品搭載用基板の作用について説明する。上記フレキシブルフィルムは,薄く可撓性を有するフィルムである。そのため,フレキシブルフィルムに穴明け加工を施す際に,パンチを用いて穴明けを行うことができる。パンチは,ドリルよりも刃先の消耗が少なく,1ショットで多数の穴明けを行うことができ,穴明け精度も高い。そのため,穴明け操作が容易で,穴明けコストの低下を図ることができる。
【0012】また,フレキシブルフィルムは可撓性であるため,製造時にロール状に束ねた状態から連続的に引き出しながら,導体回路形成,穴明け等の製造加工を,順次連続的に行うことができる。そのため,製造工程の合理化,簡素化を図ることができる。
【0013】また,搭載用凹部の上面側は,放熱金属板により被覆されている。放熱金属板は,電子部品搭載用基板をマザーボードに実装する際に,マザーボードと対面する側とは反対側に配置される。そのため,電子部品の作動時に発生する熱を,放熱金属板を通じて,電子部品搭載用基板の上方から効果的に放散させることができ,放熱性が高い。
【0014】また,フレキシブルフィルムの上面側に,硬質の放熱金属板を被覆している。そのため,この放熱金属板により電子部品搭載用基板の全体の剛性を確保できる。そのため,放熱金属板が,可撓性のフレキシブルフィルムにおける機械的強度の不足分を十分に補い,電子部品搭載用基板の機械的強度及び耐久性を向上させることができる。
【0015】また,フレキシブルフィルムの厚み方向に2層以上の導体回路を積層している。そのため,配線可能な領域の延べ面積が増え,高密度に導体回路を実装させることができる。
【0016】次に,請求項2に記載のように,フレキシブルフィルムの厚みは,30〜200μmであることが好ましい。30μm未満の場合には,フレキシブルフィルムの機械的強度及び耐久性が低下するおそれがある。一方,200μmを越える場合には,フレキシブルフィルムの可撓性が劣化するおそれがある。
【0017】次に,請求項3に記載のように,放熱金属板の厚みは,50〜1500μmであることが好ましい。50μm未満の場合には,電子部品搭載用基板の機械的強度及び耐久性が低下するおそれがある。一方,1500μmを越える場合には,電子部品搭載用基板の薄層化を阻害するおそれがある。
【0018】次に,請求項4に記載のように,上記電子部品搭載用基板は,搭載用凹部の開口側に,導体回路とマザーボードとの間を接続する接続手段を設けることが好ましい。これにより,搭載用凹部の開口側と反対側である多層基板の上面側の全面を放熱金属板により被覆することができ,より効率的に熱を放散させることができる。上記接続手段としては,導体回路とマザーボードとの間を接続する,半田ボール,リードピン,ワイヤーボンディング用オイルヘッド等を用いる。
【0019】次に,請求項5に記載の発明は,電気絶縁性のフレキシブルフィルムの片面に第1銅箔を接着し,次いで,パンチングにより上記フレキシブルフィルムに,搭載用凹部形成用の貫通穴,及びスルーホールを形成し,次いで,上記フレキシブルフィルムにおける上記第1銅箔の接着面とは反対側の他方の片面に上記貫通穴を閉じるように第2銅箔を接着し,次いで,上記第1銅箔をエッチングしてフレキシブルフィルムの片面に導体回路を形成し,また,上記第2銅箔をエッチングしてフレキシブルフィルムの他方の片面に導体回路を形成すると共に該導体回路に接続されかつ上記貫通穴の内方に突出させた突出パッドを形成し,次いで,上記フレキシブルフィルムにおける突出パッドを形成した側に,絶縁性接着剤を介して,上記貫通穴を覆うように放熱金属板を接着することにより,上記貫通穴と放熱金属板とよりなる搭載用凹部を形成することを特徴とする電子部品搭載用基板の製造方法である。
【0020】この製造方法は,フレキシブルフィルムの厚み方向に複数層の導体回路を有する電子部品搭載用基板の製造方法である。この製造方法によれば,薄く可撓性を有するフレキシブルフィルムを用いているため,パンチング加工により容易に穴明けを行うことができる。また,フレキシブルフィルムの両面に導体回路を形成しているため,高密度に導体回路を形成することができる。
【0021】次に,請求項6に記載の発明は,放熱金属板の下側に,搭載用凹部形成部分に対応した開口部を有する絶縁性接着剤を接着すると共に,上記開口部を覆うようにして上記絶縁性接着剤の下面側に第1銅箔を接着し,次いで,該第1銅箔における導体回路及び突出パッドの形成部分にレジスト膜を被覆し,次いで,上記第1銅箔のエッチングにより,上記絶縁性接着剤の下面側に導体回路及び突出パッドを形成し,次いで,上記レジスト膜を上記放熱金属板より除去し,一方,電気絶縁性のフレキシブルフィルムの少なくとも片面に第2銅箔を接着し,次いで,パンチングにより上記フレキシブルフィルムに搭載用凹部形成用の貫通穴及びスルーホールを形成し,次いで,上記第2銅箔をエッチングしてフレキシブルフィルムの少なくとも片面に導体回路を形成し,次いで,上記放熱金属板における導体回路及び突出パッドを形成した側に,絶縁性接着剤を介して,上記貫通穴を覆うように上記フレキシブルフィルムを接着することにより,上記貫通穴と放熱金属板とよりなる搭載用凹部を形成することを特徴とする電子部品搭載用基板の製造方法である。
【0022】この製造方法に関する発明は,フレキシブルフィルムと放熱金属板との間に形成する導体回路及び突出パッドを,放熱金属板の下面側に形成している点が,上記請求項5に記載の発明と異なる。この製造方法によれば,薄く可撓性を有するフレキシブルフィルムを用いているため,パンチング加工により容易に穴明けを行うことができる。また,フレキシブルフィルムの表面だけでなく放熱金属板の下面側にも絶縁性接着剤を介して導体回路及び突出パッドを設けているため,導体回路の高密度配線が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
実施形態例1本発明の実施形態例にかかる電子部品搭載用基板について,図1〜図11を用いて説明する。本例の電子部品搭載用基板9は,図1に示すごとく,電気絶縁性のフレキシブルフィルム11〜13,及び該フレキシブルフィルムの厚み方向に設けた2層の導体回路31,33よりなる多層基板1と,フレキシブルフィルム11〜13のすべてを貫通する貫通穴110,120,130と,該貫通穴を覆うよう多層基板1の上面側に設けた放熱金属板2とを有している。貫通穴110,120,130と放熱金属板2とは,電子部品8を搭載するための搭載用凹部10を形成している。多層基板1には,導体回路31に導通するスルーホール17が設けられている。
【0024】上記の2層の導体回路31,33のうち,一方の導体回路31は多層基板1の内部に配置されており,他方の導体回路33は多層基板1の下面側に配置されている。そして,内部の導体回路31と,下面側の導体回路33との間には,2枚のフレキシブルフィルム12,13が設けられている。
【0025】多層基板1における搭載用凹部10の開口側には半田ボール51,52が設けられている。一方の半田ボール51は,スルーホール17の下側開口部に接合されている。そして,半田ボール51は,スルーホール17を介して,多層基板1の内部に設けた導体回路31と,マザーボード995との間を接続している。他方の半田ボール52は,多層基板1の下面側に設けた導体回路33に接合されており,該導体回路33とマザーボード995との間を接続している。半田ボール51,52は,マザーボード995の表面に設けた端子996,997に溶融接合される。
【0026】次に,上記電子部品搭載用基板9の製造方法について,図2〜図11を用いて説明する。まず,ガラス繊維入りエポキシ系材料からなるフレキシブルフィルムを準備する。フレキシブルフィルムは,厚み0.05mm,幅2.5〜15cmの可撓性を有する帯状のフィルムである。このフレキシブルフィルムは,予めロール状に巻回しておき,複数のロール体を形成しておく。
【0027】次いで,上記ロール体からフレキシブルフィルムを引き出しながら,図2に示すごとく,該フレキシブルフィルム11の下面側に,熱可塑性のガラス繊維入りエポキシ系材料からなる絶縁性接着剤62を接着する。次いで,図3に示すごとく,パンチング加工により,フレキシブルフィルム11の略中央部分に貫通穴110を穿設する。次いで,フレキシブルフィルム11の下面側に,上記絶縁性接着剤62を介して,厚み35mmの銅箔30を接着する。
【0028】次いで,図4に示すごとく,露光法,エッチング法により,上記銅箔より導体回路31を形成する。次いで,導体回路31の表面に,Ni/Auめっき膜を被覆する。これにより,多層基板の上層基板を得る。
【0029】次に,別個のロール体からフレキシブルフィルムを引き出しながら,図5に示すごとく,フレキシブルフィルム12の上面側及び下面側に,上記絶縁性接着剤62と同じ料料からなる絶縁性接着剤63,64を接着する。次いで,図6に示すごとく,パンチング加工により,フレキシブルフィルム12の略中央部分に貫通穴120を,また該貫通穴120の周囲に,スルーホール形成用の複数の穴121を穿設する。これにより,多層基板の中層基板を得る。
【0030】次に,別個のロール体からフレキシブルフィルムを引き出しながら,図7に示すごとく,該フレキシブルフィルム13の下面側に,上記絶縁性接着剤62と同じ材料からなる絶縁性接着剤65を接着する。次いで,パンチング加工により,フレキシブルフィルム13の略中央部分に貫通穴130を,また該貫通穴130の周囲にスルーホール形成用の複数の穴131を穿設する。次いで,図8に示すごとく,フレキシブルフィルム13の下面側を銅箔30により被覆する。
【0031】次いで,図9に示すごとく,露光法,エッチング法により,銅箔30より導体回路33を形成する。次いで,導体回路33の表面に,Ni/Auめっき膜を被覆する。次いで,図10に示すごとく,フレキシブルフィルム13の下面側に,半田ボールを接合する部分を除いて,感光性ソルダーマスク66を被覆する。これにより,多層基板の下層基板を得る。
【0032】次いで,図11に示すごとく,上記の上層基板であるフレキシブルフィルム11,中層基板であるフレキシブルフィルム12,および下層基板であるフレキシブルフィルム13を,積層して,上記絶縁性接着剤62〜64により熱圧着する。これにより,3層からなる多層基板1が得られると共に,上記穴121,131からなるスルーホール17が形成される。次いで,多層基板1の上面側に,銅製の厚み1.0mmの放熱金属板2を,絶縁性接着剤61を介して熱圧着する。これにより,貫通穴110,120,130とその上面側を被覆する放熱金属板2とよりなる搭載用凹部10が形成される。
【0033】次いで,図1に示すごとく,スルーホール17の内部に,半田54を充填する。次いで,スルーホール17の下面側開口部,多層基板1の下面側に設けた導体回路33の表面に,半田ボール51,52を溶融接合する。これにより,図1に示す上記電子部品搭載用基板9が得られる。
【0034】その後,図1に示すごとく,搭載用凹部10に,例えば銀ペースト,半田等のダイボンド用の接着剤69により,電子部品8を搭載する。次いで,電子部品8と導体回路31,33の先端とを,ワイヤー81により接続する。次いで,搭載用凹部10の内部を封止用樹脂6により被覆する。
【0035】次に,上記電子部品搭載用基板の作用効果について説明する。フレキシブルフィルム11〜13は,薄く可撓性を有するフィルムである。そのため,フレキシブルフィルムに穴明け加工を施す際に,パンチを用いて穴明けを行うことができる。パンチは,ドリルよりも刃先の消耗が少なく,1ショットで多数の穴明けを行うことができ,穴明け精度も高い。そのため,穴明け操作が容易で,穴明けコストの低下を図ることができる。
【0036】また,フレキシブルフィルム11〜13は可撓性であるため,製造時にロール状に束ねた状態から連続的に引き出しながら,導体回路形成,穴明け等の製造加工を,順次連続的に行うことができる。そのため,製造工程の合理化,簡素化を図ることができる。
【0037】また,搭載用凹部10の上面側は,放熱金属板2により被覆されている。放熱金属板2は,電子部品搭載用基板9をマザーボード995に実装する際に,マザーボードと対面する側とは反対側に配置される。そのため,電子部品8の作動時に発する熱を,放熱金属板2を通じて,電子部品搭載用基板9の上方から効果的に放散させることができ,放熱性が高い。
【0038】また,フレキシブルフィルム11〜13の上面側には,硬質の放熱金属板2を被覆している。そのため,放熱金属板2により電子部品搭載用基板9の全体の剛性を確保できる。そのため,放熱金属板2が可撓性のフレキシブルフィルム11〜13の機械的強度の不足分を十分に補い,電子部品搭載用基板の機械的強度及び耐久性を向上させることができる。
【0039】また,フレキシブルフィルム11〜13の厚み方向に2層以上の導体回路31,33を積層している。そのため,配線可能な領域の延べ面積が増え,高密度に導体回路を実装させることができる。
【0040】実施形態例2本例の電子部品搭載用基板は,図12に示すごとく,フレキシブルフィルム15の上面側及び下面側に2層の導体回路31,33を形成した,2層構造を有している。
【0041】即ち,上記電子部品搭載用基板90は,フレキシブルフィルム15,及びその上下両面に設けた2層の導体回路33,31よりなる多層基板1と,フレキシブルフィルム15を貫通する貫通穴150と,該貫通穴150を覆うよう多層基板1の上面側に設けた放熱金属板2とを有している。導体回路31と放熱金属板2との間には,絶縁性接着剤67が設けられている。貫通穴150と放熱金属板2とは,電子部品8を搭載するための搭載用凹部10を形成している。多層基板1は,その内部に設けた導体回路31に導通するスルーホール18,19を有している。
【0042】多層基板1における搭載用凹部10の開口側には,半田ボール51,53が設けられている。一方の半田ボール51は,スルーホール19と,マザーボード995との間を接続している。他方の半田ボール53は,多層基板1の下面側に設けた導体回路33及びスルーホール18と,マザーボード995との間を接続している。半田ボール51,53は,マザーボード995の表面に設けた端子998,999に溶融接合される。
【0043】次に,上記電子部品搭載用基板9の製造方法について,図13〜図20を用いて説明する。まず,実施形態例1と同様に,フレキシブルフィルムのロール体を形成する。次いで,上記ロール体からフレキシブルフィルムを引き出しながら,図13に示すごとく,該フレキシブルフィルム15の上面側及び下面側に,熱可塑性のガラス繊維入りエポキシ系材料からなる絶縁性接着剤68,69を接着する。次いで,フレキシブルフィルム15の下面側に,絶縁性接着剤69を介して,第1銅箔301を接着する。
【0044】次いで,図14に示すごとく,パンチング加工により,フレキシブルフィルム15の略中央部分に搭載用凹部形成用の貫通穴150を,また貫通穴150の周囲にスルーホール形成用の複数の穴151を穿設する。次いで,図15に示すごとく,フレキシブルフィルム15の上面側に,絶縁性接着剤68を介して第2銅箔302を接着する。
【0045】次に,ドライフィルムを用いて,第1,第2銅箔301,302の表面に,導体回路及び突出パッドと同一形状のレジスト膜81を形成する。また,フレキシブルフィルム15の下面側に液体レジストを塗布することにより,貫通穴150の内部を液体レジスト89により被覆することが好ましい。これにより,貫通穴150の上方を覆う第2銅箔302の下面側に,エッチング液が接触しない。そのため,貫通穴150に突出パッド310を,精度良く突出形成させることができる。
【0046】尚,液体レジストをフレキシブルフィルム15の上面側及び下面側に塗布することにより,貫通穴150の内部には液体レジスト89を,第1,第2銅箔301,302の表面には上記レジスト膜81を形成することもできる。
【0047】次いで,図16に示すごとく,第1銅箔をエッチングして,フレキシブルフィルム15の下面側に導体回路33を形成する。また,図16,図20に示すごとく,第2銅箔302をエッチングして,フレキシブルフィルムの上面側に導体回路31を形成すると共に,導体回路31に接続されかつ貫通穴150の内方に突出する突出パッド310を形成する。次いで,導体回路31,33及び第1銅箔310の表面にNi/Auめっき膜を施す。
【0048】次いで,図17に示すごとく,フレキシブルフィルム15の下面側に,導体回路33を覆うように感光性ソルダーマスク66を被覆する。これにより,2層の導体回路31,33をフレキシブルフィルム15の厚み方向に設けてなる多層基板1を得る。
【0049】次いで,図18に示すごとく,多層基板1の上面側に,上記絶縁性接着剤68,69と同じ材料からなる絶縁性接着剤67を介して,放熱金属板2を接着する。これにより,多層基板1の下面側に開口する搭載用凹部10及びスルーホール18,19が形成される。次いで,図19に示すごとく,スルーホール18,19の内部に半田54を充填する。次いで,スルーホール18,19の下面側開口部に半田ボール53,51を接合する。これにより,上記電子部品搭載用基板90が得られる。
【0050】本例においては,1枚のフレキシブルフィルムの上下両面に,導体回路31,33を形成している。そのため,実施形態例1における2枚のフレキシブルフィルムの上下両面に導体回路を形成するよりも,一層薄い電子部品搭載用基板を得ることができる。その他,本例においても,実施形態例1と同様の効果を得ることができる。
【0051】実施形態例3本例は実施形態例2と同一構成の電子部品搭載用基板を製造する方法である。本例は,図23に示すごとく,フレキシブルフィルム15と放熱金属板2との間に形成する導体回路31及び突出パッド310を,放熱金属板2の下面側に形成する点が,導体回路31をフレキシブルフィルム15の上面側に形成する実施形態例2と異なる。
【0052】即ち,図21に示すごとく,放熱金属板2の下面側に,搭載用凹部形成部分に対応した開口部670を有する絶縁性接着剤67を接着する。次に,放熱金属板2の下面側に,上記絶縁性接着剤67を介して,上記放熱金属板2の下面側全体を被覆するよう第1銅箔301を接着する。
【0053】次に,図22に示すごとく,第1銅箔301における導体回路及び突出パッドの形成部分に電着レジスト膜83を被覆する。また,このとき,放熱金属板2の上面側をドライフィルムレジスト膜831により被覆しておくことが好ましい。これにより,エッチング液による放熱金属板2の浸食を防止することができる。次に,図23に示すごとく,上記放熱金属板2をエッチング液に浸漬して,第1銅箔より導体回路31及び突出パッド310を形成する。次に,上記電着レジスト膜及びドライフィルムレジスト膜を除去する。
【0054】一方,図24に示すごとく,フレキシブルフィルム15の下面側に導体回路33を形成する。次いで,図23に示すごとく,上記フレキシブルフィルム15の上面側に,絶縁性接着剤68を介して,上記放熱金属板2を接着すると共に,フレキシブルフィルム15に設けた開口部150より突出パッド310を突出形成させる。これにより,実施形態例2と同様の電子部品搭載用基板90が得られる(図12参照)。その他は,実施形態例2と同様である。
【0055】本例においては,図22,図23に示すごとく,電着レジスト膜83を用いて導体回路31及び突出パッド310を形成している。電着レジスト膜83は,その膜厚の制御がしやすいため,導体回路及び突出パッドの形成部分を均一な厚みで被覆することができる。従って,銅箔のエッチング精度を高くすることができる。
【0056】また,電子部品搭載用基板の中の2層の導体回路の内,一方の導体回路31は放熱金属板2の下面側に,他方の導体回路33はフレキシブルフィルム15の上面側に形成している。そのため,両方の導体回路を並行して形成することができ,電子部品搭載用基板の製造工程の迅速化を図ることができる。
【0057】尚,本例においては,電着レジスト膜を用いたが,図25,図26に示すごとく,ドライフィルムレジスト膜84を用いて導体回路及び突出パッドを形成することもできる。この場合には,図25に示すごとく,絶縁性接着剤67の開口部670を第1銅箔301の突出パッド形成部分311よりも内側に設けておくことが好ましい。これにより,エッチング液が第1銅箔の突出パッド形成部分311を,その上面側より浸食することを防止することができるからである。上記のごとくドライフィルムレジスト膜84を形成した状態で放熱金属板2をエッチング液に浸漬すると,図26に示すごとく,絶縁性接着剤67の開口部670よりも外側に突出パッド310が形成される。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば,放熱性に優れ,穴明け加工を容易に行うことができ,かつ,高密度配線が可能な,電子部品搭載用基板及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,電子部品を搭載用凹部に搭載した電子部品搭載用基板の断面図。
【図2】実施形態例1における,上層基板の製造方法を示す,フレキシブルフィルムの断面図。
【図3】図2に続く,貫通穴を形成したフレキシブルフィルムの断面図。
【図4】図3に続く,上層基板の断面図。
【図5】実施形態例1における,中層基板の製造方法を示す,フレキシブルフィルムの断面図。
【図6】図5に続く,中層基板の断面図。
【図7】実施形態例1における,下層基板の製造方法を示す,フレキシブルフィルムの断面図。
【図8】図7に続く,銅箔を下面側に接着したフレキシブルフィルムの断面図。
【図9】図8に続く,導体回路を形成したフレキシブルフィルムの断面図。
【図10】図9に続く,下層基板の断面図。
【図11】実施形態例1における,上層基板,中層基板,下層基板,及び放熱金属板よりなる電子部品搭載用基板の断面図。
【図12】実施形態例2における,電子部品を搭載用凹部に搭載した電子部品搭載用基板の断面図。
【図13】実施形態例2における,電子部品搭載用基板の製造方法を示す,フレキシブルフィルムの断面図。
【図14】図13に続く,貫通穴を形成したフレキシブルフィルムの断面図。
【図15】図14に続く,銅箔を上面側に接着したフレキシブルフィルムの断面図。
【図16】図15に続く,導体回路及び突出パッドを形成したフレキシブルフィルムの断面図。
【図17】図16に続く,感光性ソルダーマスクを形成したフレキシブルフィルムの断面図。
【図18】図17に続く,放熱金属板を上面側に接着したフレキシブルフィルムの断面図。
【図19】実施形態例2における,電子部品搭載用基板の断面図。
【図20】実施形態例2における,導体回路及び突出パッドを形成したフレキシブルフィルムの要部平面図。
【図21】実施形態例3における,下面側に第1銅箔を被覆した放熱金属板の断面図。
【図22】実施形態例3における,電着レジスト膜により第1銅箔を被覆した放熱金属板の断面図。
【図23】実施形態例3における,下面側に導体回路及び突出パッドを形成した放熱金属板の断面図。
【図24】実施形態例3における,下面側に導体回路を形成したフレキシブルフィルムの断面図。
【図25】実施形態例3における,ドライフィルムレジスト膜により第1銅箔を被覆した放熱金属板の断面図。
【図26】実施形態例3における,ドライフィルムレジスト膜を用いて形成した導体回路及び突出パッドを有する,放熱金属板の断面図。
【図27】従来例における,電子部品搭載用基板の断面図。
【符号の説明】
1...多層基板,
10...搭載用凹部,
11,12,13,15...フレキシブルフィルム,
17,18,19...スルーホール,
110,120,130,150...貫通穴,
121,131,151...穴,
2...放熱金属板,
31,33...導体回路,
310...突出パッド,
51,52,53...半田ボール,
54...半田,
61〜68...絶縁性接着剤,
66...感光性ソルダーマスク,
8...電子部品,
9,90...電子部品搭載用基板,
995...マザーボード,
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも1枚の電気絶縁性のフレキシブルフィルム,及び該フレキシブルフィルムの厚み方向に2層以上設けた導体回路よりなる多層基板と,上記フレキシブルフィルムのすべてを貫通する貫通穴と,該貫通穴を覆うよう上記多層基板の上面側に設けた放熱金属板と,上記貫通穴と放熱金属板とにより形成される,電子部品を搭載するための搭載用凹部と,上記多層基板に設けられ上記導体回路に導通するスルーホールとを有することを特徴とする電子部品搭載用基板。
【請求項2】 請求項1において,上記フレキシブルフィルムの厚みは,30〜200μmであることを特徴とする電子部品搭載用基板。
【請求項3】 請求項1又は2において,上記放熱金属板の厚みは,50〜1500μmであることを特徴とする電子部品搭載用基板。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,上記電子部品搭載用基板は,搭載用凹部の開口側に,導体回路とマザーボードとの間を接続する接続手段を設けたことを特徴とする電子部品搭載用基板。
【請求項5】 電気絶縁性のフレキシブルフィルムの片面に第1銅箔を接着し,次いで,パンチングにより上記フレキシブルフィルムに,搭載用凹部形成用の貫通穴,及びスルーホールを形成し,次いで,上記フレキシブルフィルムにおける上記第1銅箔の接着面とは反対側の他方の片面に上記貫通穴を閉じるように第2銅箔を接着し,次いで,上記第1銅箔をエッチングしてフレキシブルフィルムの片面に導体回路を形成し,また,上記第2銅箔をエッチングしてフレキシブルフィルムの他方の片面に導体回路を形成すると共に該導体回路に接続されかつ上記貫通穴の内方に突出させた突出パッドを形成し,次いで,上記フレキシブルフィルムにおける突出パッドを形成した側に,絶縁性接着剤を介して,上記貫通穴を覆うように放熱金属板を接着することにより,上記貫通穴と放熱金属板とよりなる搭載用凹部を形成することを特徴とする電子部品搭載用基板の製造方法。
【請求項6】 放熱金属板の下側に,搭載用凹部形成部分に対応した開口部を有する絶縁性接着剤を接着すると共に,上記開口部を覆うようにして上記絶縁性接着剤の下面側に第1銅箔を接着し,次いで,該第1銅箔における導体回路及び突出パッドの形成部分にレジスト膜を被覆し,次いで,上記第1銅箔のエッチングにより,上記絶縁性接着剤の下面側に導体回路及び突出パッドを形成し,次いで,上記レジスト膜を上記放熱金属板より除去し,一方,電気絶縁性のフレキシブルフィルムの少なくとも片面に第2銅箔を接着し,次いで,パンチングにより上記フレキシブルフィルムに搭載用凹部形成用の貫通穴及びスルーホールを形成し,次いで,上記第2銅箔をエッチングしてフレキシブルフィルムの少なくとも片面に導体回路を形成し,次いで,上記放熱金属板における導体回路及び突出パッドを形成した側に,絶縁性接着剤を介して,上記貫通穴を覆うように上記フレキシブルフィルムを接着することにより,上記貫通穴と放熱金属板とよりなる搭載用凹部を形成することを特徴とする電子部品搭載用基板の製造方法。
【請求項1】 少なくとも1枚の電気絶縁性のフレキシブルフィルム,及び該フレキシブルフィルムの厚み方向に2層以上設けた導体回路よりなる多層基板と,上記フレキシブルフィルムのすべてを貫通する貫通穴と,該貫通穴を覆うよう上記多層基板の上面側に設けた放熱金属板と,上記貫通穴と放熱金属板とにより形成される,電子部品を搭載するための搭載用凹部と,上記多層基板に設けられ上記導体回路に導通するスルーホールとを有することを特徴とする電子部品搭載用基板。
【請求項2】 請求項1において,上記フレキシブルフィルムの厚みは,30〜200μmであることを特徴とする電子部品搭載用基板。
【請求項3】 請求項1又は2において,上記放熱金属板の厚みは,50〜1500μmであることを特徴とする電子部品搭載用基板。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,上記電子部品搭載用基板は,搭載用凹部の開口側に,導体回路とマザーボードとの間を接続する接続手段を設けたことを特徴とする電子部品搭載用基板。
【請求項5】 電気絶縁性のフレキシブルフィルムの片面に第1銅箔を接着し,次いで,パンチングにより上記フレキシブルフィルムに,搭載用凹部形成用の貫通穴,及びスルーホールを形成し,次いで,上記フレキシブルフィルムにおける上記第1銅箔の接着面とは反対側の他方の片面に上記貫通穴を閉じるように第2銅箔を接着し,次いで,上記第1銅箔をエッチングしてフレキシブルフィルムの片面に導体回路を形成し,また,上記第2銅箔をエッチングしてフレキシブルフィルムの他方の片面に導体回路を形成すると共に該導体回路に接続されかつ上記貫通穴の内方に突出させた突出パッドを形成し,次いで,上記フレキシブルフィルムにおける突出パッドを形成した側に,絶縁性接着剤を介して,上記貫通穴を覆うように放熱金属板を接着することにより,上記貫通穴と放熱金属板とよりなる搭載用凹部を形成することを特徴とする電子部品搭載用基板の製造方法。
【請求項6】 放熱金属板の下側に,搭載用凹部形成部分に対応した開口部を有する絶縁性接着剤を接着すると共に,上記開口部を覆うようにして上記絶縁性接着剤の下面側に第1銅箔を接着し,次いで,該第1銅箔における導体回路及び突出パッドの形成部分にレジスト膜を被覆し,次いで,上記第1銅箔のエッチングにより,上記絶縁性接着剤の下面側に導体回路及び突出パッドを形成し,次いで,上記レジスト膜を上記放熱金属板より除去し,一方,電気絶縁性のフレキシブルフィルムの少なくとも片面に第2銅箔を接着し,次いで,パンチングにより上記フレキシブルフィルムに搭載用凹部形成用の貫通穴及びスルーホールを形成し,次いで,上記第2銅箔をエッチングしてフレキシブルフィルムの少なくとも片面に導体回路を形成し,次いで,上記放熱金属板における導体回路及び突出パッドを形成した側に,絶縁性接着剤を介して,上記貫通穴を覆うように上記フレキシブルフィルムを接着することにより,上記貫通穴と放熱金属板とよりなる搭載用凹部を形成することを特徴とする電子部品搭載用基板の製造方法。
【図2】
【図13】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図14】
【図15】
【図21】
【図22】
【図11】
【図12】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図13】
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【図4】
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【図15】
【図21】
【図22】
【図11】
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【図16】
【図17】
【図18】
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【図20】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開平9−199632
【公開日】平成9年(1997)7月31日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−21975
【出願日】平成8年(1996)1月12日
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
【公開日】平成9年(1997)7月31日
【国際特許分類】
【出願日】平成8年(1996)1月12日
【出願人】(000000158)イビデン株式会社 (856)
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