説明

電気機器の待機電力削減システム

【課題】リモコンを入力操作したときの電気機器の状態に応じて制御し、待機電力を削減する電気機器の待機電力削減システムを提供する。
【解決手段】電気機器2と、電気機器2の電力供給系統6に配設された電源ユニット8と、リモコン4と、電気機器2及び電源ユニット8を制御するための制御コントローラ32,34と、制御コントローラ32,34に設けられた主通信モジュール50,52と、リモコン4に設けられた副通信モジュール54と、を備えており、リモコン4の電源スイッチを入力操作すると、この制御コントローラ32,34は、電源ユニット8の電流検知センサ28に作動電流が流れているときには電気機器2を待機状態にし、待機電流が流れているときには電気機器2を作動状態にし、また電流が流れていないときにはリレー手段30を閉状態にして電気機器2への電力供給を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ、エアコンなどの電気機器の待機電力を削減する待機電力削減システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ、エアコンなどの電気機器の待機電力を削減する待機電力削減システムとして、インテリジェントタップテーブルを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このインテリジェントタップテーブルは、電気機器(例えば、テレビ)への電力供給、供給停止を行うスイッチ手段と、このスイッチ手段を制御するための電力制御部を有し、電源オン信号がインテリジェントタップテーブルに入力されると、電力制御部は、この電源オン信号に基づいてスイッチ手段をオン(閉)にし、電源(例えば、屋内電力ライン)からの電力が電気機器に供給される。この待機電力削減システムでは、人感センサにより人がいるか否かを検知し、人がいないことを検知した場合、制御部が人感センサからの検知信号に基づいてオフ制御信号を生成し、生成したオフ制御信号を電気機器及びインテリジェントタップテーブルに送給する。そして、電気機器側においては、このオフ制御信号に基づいて電気機器の電源がオフになる。また、インテリジェントタップテーブル側においては、このオフ制御信号に基づいてスイッチ手段がオフ(開)となり、これによって、電気機器への電力供給が停止し、このように人感センサの検知信号を利用して待機電力の消費を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−213367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この公知の待機電力削減システムでは、人がいないことを検知したときに電気機器への電力供給を停止しているが、電気機器への電力供給の開始などについては充分に解決されていなく、更なる改善が望まれる。特に、リモコンで操作する形態の電気機器、例えばテレビ、エアコンなどにおいては、リモコンで電源スイッチ(所謂、オン/オフスイッチ)を操作すると、その作動状態、待機状態及び停止状態により動作内容が異なるように制御する必要があり、このような点などにおいて改善が望まれている。
【0005】
本発明の目的は、リモコンを入力操作したときの電気機器の状態に応じて所要の通りに制御し、これによって待機電力を削減することができる電気機器の待機電力削減システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の電気機器の待機電力削減システムは、電気機器と、前記電気機器の電力供給系統に配設された電源ユニットと、前記電気機器を入力操作するためのリモコンと、前記電気機器及び前記電源ユニットを制御するための制御コントローラと、前記制御コントローラに設けられた主通信モジュールと、前記リモコンに設けられた第1副通信モジュールと、を備えており、
前記電源ユニットは、前記電力供給系統に流れる電流を検知する電流検知センサと、前記電力供給系統を通しての電力の供給、供給停止を行うためのスイッチ手段とを含んでおり、
前記リモコンの電源スイッチを入力操作すると、前記リモコンからの電源入力信号が前記第1副通信モジュール及び前記主通信モジュールを介して前記制御コントローラに送給され、前記制御コントローラは、前記電流検知センサに作動電流が流れているときには前記電気機器を待機状態にし、前記電流検知センサに待機電流が流れているときには前記電気機器を作動状態にし、また前記電流検知センサに電流が流れていないときには前記スイッチ手段を閉状態にして前記電気機器への電力供給を行うことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の電気機器の待機電力削減システムでは、前記電気機器に関連して、人を検知する人感センサが設けられ、前記人感センサに第2副通信モジュールが設けられ、前記人感センサからの検知信号が前記第2副通信モジュール及び前記主通信モジュールを介して前記制御コントローラに送給され、前記制御コントローラは、前記電流検知センサに前記作動電流が流れている状態において前記人感センサにより人を検知しない状態が第1所定時間継続すると前記電気機器を前記待機状態にし、また前記待機状態になった後前記人感センサにより人を検知しない状態が第2所定時間継続すると前記電源ユニットの前記スイッチ手段を前記開状態にして前記電気機器への電力供給を停止することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の電気機器の待機電力削減システムでは、前記制御手段は、前記電流検知センサに前記作動電流が流れているときに前記リモコンの前記電源スイッチを入力操作すると前記電気機器を待機状態にし、更に前記待機状態において所定待機時間継続して前記電源スイッチを入力操作しないときに前記電源ユニットの前記スイッチ手段を前記開状態にして前記電気機器への電力供給を停止することを特徴とする。
【0009】
更に、本発明の請求項4に記載の電気機器の待機電力削減システムでは、前記制御コントローラは、前記電気機器を制御するための第1制御コントローラと、前記電源ユニットを制御するための第2制御コントローラとを含み、前記主通信モジュールは、前記第1制御コントローラに設けられた第1主通信モジュールと、前記第2制御コントローラに設けられた第2主通信モジュールとを含み、前記第1制御コントローラと前記第2制御コントローラとが前記第1主通信モジュール及び前記第2主通信モジュールを介して通信接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に記載の電気機器の待機電力削減システムによれば、電気機器の電力供給系統に電源ユニットが配設され、電気機器及び電源ユニットを制御するための制御コントローラに主通信モジュールが設けられ、リモコンに第1副通信モジュールが設けられ、リモコンからの電源入力信号が第1副通信モジュール及び主通信モジュールを介して制御コントローラに送給される。そして、電流検知センサに電流が流れていない状態においてリモコンからの電源入力信号が制御コントローラに送給されると、制御コントローラは電源ユニットのスイッチ手段を閉状態にして電気機器への電力供給を行うので、待機電力を消費していない状態であってもリモコンの電源スイッチを入力操作することによって、電力供給系統を通して電気機器への電力供給を行うことができ、電気機器を所要の通りに作動させることができる。尚、この電気機器は、テレビ、エアコン、照明装置などである。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載の電気機器の待機電力削減システムによれば、電気機器に関連して、人を検知する人感センサが設けられ、制御コントローラは、電流検知センサに作動電流が流れている状態において人感センサによる人を検知しない状態が第1所定時間継続すると電気機器を待機状態にし、また待機状態になった後人感センサによる人を検知しない状態が第2所定時間継続すると電源ユニットのスイッチ手段を開状態にするので、スイッチ手段の開状態においては電力供給系統を通して電気機器に電力が全く供給されず、従って、待機電力が消費されることはなく、待機電力の削減を図って省エネを達成することができる。
【0012】
また、本発明の請求項3に記載の電気機器の待機電力削減システムによれば、制御コントローラは、電気機器の待機状態において所定待機時間継続して電源スイッチを入力操作しないときに電源ユニットのスイッチ手段を開状態にするので、このときにおいても電力供給系統を通しての電気機器への電力供給が行われず、待機電力の一層の削減を図ることができる。
【0013】
更に、本発明の請求項4に記載の電気機器の待機電力削減システムによれば、制御コントローラは、電気機器を制御するための第1制御コントローラと、電源ユニットを制御するための第2制御コントローラとを含み、主通信モジュールは、第1制御コントローラに設けられた第1主通信モジュールと、第2制御コントローラに設けられた第2主通信モジュールとを含んでいるので、第1制御コントローラと第2制御コントローラとを別の場所に設置することができ、第2制御コントローラを例えば電源コンセントの近くに設置することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に従う電気機器の待機電力削減システムの第1の実施形態の全体を示す簡略図。
【図2】図1の待機電力削減システムの制御系を示すブロック図。
【図3】図2の制御系において、リモコンの電源スイッチを操作したときの制御の流れを示すフローチャート。
【図4】本発明に従う電気機器の待機電力削減システムの第2の実施形態の全体を示す簡略図。
【図5】図4の待機電力削減システムの制御系を示すブロック図。
【図6】図5の制御系において、電気機器が作動状態のときに人感センサによる人の検知がなくなったときの制御の流れを示すフローチャート。
【図7】図5の制御系において、電気機器が待機状態のときに人感センサによる人の検知がなくなったときの制御の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、添付図面を参照して、本発明に従う電気機器の待機電力削減システムの実施形態について説明する。まず、図1〜図3を参照して第1の実施形態の待機電力削減システムを説明すると、図示の待機電力削減システムは、電気機器2(この形態では、例えばテレビ)と、この電気機器2を作動制御するために入力操作するリモコン4と、電気機器2への電力供給系統6に配設された電源ユニット8とを備え、この形態では、電源ユニット8は、家庭用のコンセント10に接続される接続プラグ12と電気機器2との間を接続する電源コード14に配設されている。
【0016】
電気機器2は電源スイッチ15を備え、この電源スイッチ15をオン(閉状態)にすると、電源コード14を通して電気機器2に電力が供給され、この電源スイッチ15をオフ(開状態)にすると、電気機器2への電力供給が停止し、この電気機器2は非作動状態となる。電気機器2には、赤外線信号を受信する赤外線受信手段16(第2赤外線受信手段を構成する)が設けられている。
【0017】
また、リモコン4(この形態では、例えばテレビのリモコン)は、電源スイッチ18、チャンネルスイッチ20、音声スイッチ22などを備えている。電源スイッチ18は、電気機器2を作動状態(例えばテレビの場合、画像及び音声が出力される状態)及び待機状態(例えばテレビの場合、画像及び音声が出力されず、リモコン4からの入力信号を受信する状態)にするためのものであり、電気機器2が作動状態にあるときに電源スイッチ18を押圧すると、電気機器2が待機状態となり(例えばテレビの場合、画像及び音声が消えて待機状態となり)、また電気機器2が待機状態にあるときに電源スイッチ18を押圧すると、電気機器が作動状態となる(例えばテレビの場合、画像及び音声が出力されて作動状態となる)。チャンネル選択スイッチ20は、チャンネルを選択するためのもで、このチャンネル選択スイッチ20を入力操作して所望のチャンネルを選択することができる。また、音声スイッチ22は、アップスイッチ24及びダウンスイッチ26を含み、アップスイッチ24を入力操作することによって、音声出力を大きくすることができ、ダウンスイッチ26を入力操作することによって、音声出力を小さくすることができる。このリモコン4には、赤外線信号を送信するための赤外線送信手段27(第2赤外線送信手段を構成する)が設けられている。
【0018】
また、電源ユニット8は、電流検知センサ28及びリレー手段30を有している。電流検知センサ28は、電源コード14を流れる電流(即ち、電気機器2に流れる電流)を検知する。電気機器2が作動状態のときには、電源コード14に作動電流が流れ、その待機状態のときには、電源コード14に待機電流が流れ、この待機電流は作動電流よりも小さく(待機電流<作動電流)、またその非作動状態のときには、電源コード14に電流が流れることはない。リレー手段30は、電気供給系統6を開閉するためのスイッチ手段を構成し、閉状態のときには、電気供給系統6が電気的に接続されて電流が電気機器2に流れ、また開状態のときには、電気供給系統6が電気的に開放されて電気機器2への電流供給が遮断される。
【0019】
この実施形態では、更に、電気機器2(例えばテレビ)を制御するための第1制御コントローラ32が設けられているとともに、電源ユニット8を制御するための第2制御コントローラ34が設けられている。第1制御コントローラ32は、信号伝送手段36、状態判別手段38及び作動制御信号生成手段40を含んでいる。信号伝送手段36は、後述する如くして赤外線信号を伝送し、状態判別手段38は、電源ユニット8の電流検知センサ28の検知信号に基づいて電気機器2の状態を判別し、作動電流が流れているときには電気機器2が作動状態であると判別し、待機電流が流れているときには電気機器2が待機状態であると判別し、また電流が全く流れていないときには電気機器2が非作動状態と判別する。また、作動制御信号生成手段40は、後述する如くして作動信号、待機信号又は非作動信号などを生成する。
【0020】
第1制御コントローラ32は、更に、タイマ手段42及びメモリ手段44を含んでいる。タイマ手段42は、後述する各種所定時間を計時する。また、メモリ手段44は、状態判別手段38の判別状態と作動制御信号生成手段40にて生成される制御信号(作動信号、待機信号及び非作動信号)との関係が制御マップとして登録されている。
【0021】
この形態では、第1制御コントローラ32に赤外線送信手段46(第1赤外線送信手段を構成する)及び赤外線受信手段48(第1赤外線受信手段を構成する)が設けられている。第1赤外線送信手段46は、電気機器2の第2赤外線受信手段16に向けて赤外線信号を送給し、第1赤外線受信手段48は、リモコン4の第2赤外線送信手段27からの赤外線信号を受信する。
【0022】
また、第2制御コントローラ34は、接続信号を生成する接続信号生成手段45及び接続断信号を生成する接続断信号生成手段47を含んでいる。この接続信号がリレー手段30に送給されると、リレー手段30が閉状態となり、電力供給系統6を通して電力が電気機器2に送給される。また、接続断信号がリレー手段30に送給されると、リレー手段30が開状態となり、電力供給系統6を通しての電力の供給が停止する。
【0023】
第1制御コントローラ32、第2制御コントローラ34及びリモコン4には、更に、各種信号を通信する(即ち、送受信する)ための通信モジュールが設けられている。第1制御コントローラ32には、第1主通信モジュール50が設けられ、第2制御コントローラ34には、第1主通信モジュール50との間で通信を行う第2主通信モジュール52が設けられ、またリモコン4には、第1主通信モジュール50との間で通信を行う副通信モジュール54(第1副通信モジュールを構成する)が設けられている。第1及び第2主通信モジュール50,52並びに副通信モジュール54は、例えば、それ自体公知の無線ネットワークモジュールを用いることができる。
【0024】
次に、主として図2とともに図3を参照して、リモコン4の電源スイッチ18を入力操作したときの制御について説明する。リモコン4の電源スイッチ18を入力操作すると、ステップS1に進み、このリモコン4からの入力信号(即ち、電源入力信号)が副通信モジュール54及び第1主通信モジュール50を介して第1制御コントローラ32に送給され、更に第1主通信モジュール50及び第2主通信モジュール52を介して第2制御コントローラ34に送給される。また、この入力信号(赤外線電源入力信号)が第2赤外線送信手段27及び第1赤外線受信手段48を介して第1制御コントローラ32に送給される。
【0025】
このように電源入力信号が第2制御コントローラ34に送給されると、第2制御コントローラ34からの信号に基づいて電源ユニット28の電流検知センサ28が電力供給系統6(具体的には、電源コード14)を流れる電流を検知し(ステッS2)、電流検知センサ28の検知信号が第2制御コントローラ34、第2主通信モジュール52及び第1主通信モジュール50を介して第1制御コントローラ32に送給される。
【0026】
このように電流検知センサ28からの検知信号が送給されると、第1制御コントローラ32の状態判別手段38は、電気機器2(例えば、テレビ)の状態を判別する(ステップS3)。即ち、電流検知センサ28が作動電流を検知すると、この状態判別手段38は、電気機器2が作動状態と判別し、また待機電流(又は電流が零(ゼロ)である非作動電流)を検知すると、状態判別手段38は、電気機器2が待機状態(又は非作動状態)と判別する。
【0027】
電気機器2が作動状態であると判別すると、ステップS4からステップS5に進み、電気機器2の待機動作が遂行される。即ち、作動制御信号生成手段40は待機信号を生成し(ステップS6)、この待機信号に基づいて、信号伝送手段36がリモコン4から受信した入力信号(赤外線電源入力信号)を第1赤外線送信手段46及び第2赤外線受信手段16を介して電気機器2に送給し、この送給された赤外線電源入力信号に基づいて電気機器2が待機状態となる(ステップS7)。
【0028】
そして、この待機状態になって所定時間経過する(例えば、5〜20分程度に設定され、タイマ手段42がこの所定時間を計時する)と、ステップS8からステップS9に進み、第1制御コントローラ32の作動制御信号生成手段40は作動停止信号を生成し(ステップS9)、この作動停止信号が第1主通信モジュール50及び第2主通信モジュール52を介して第2制御コントローラ34に送給される。かくすると、第2制御コントローラ34の接続断信号生成手段47は、この作動停止信号に基づいて接続断信号を生成し(ステップS10)、この接続断信号に基づいてリレー手段30が開状態となり、これによって、電力供給系統6を通しての電気機器2への電力の供給が停止し(ステップS11)、電気機器2が非作動状態となる。このように、電気機器2の待機状態が所定時間継続して維持された後は非作動状態となって電力消費が零(ゼロ)となるので、待機電力を削減して省エネを図ることができる。
【0029】
また、電気機器2が待機状態であると判別されると、ステップS4からステップS13を経てステップS14に移り、電気機器2の作動動作が遂行される。尚、ステップS7の待機状態においてリモコン4の電源スイッチ18を入力操作すると、ステップS8、ステップS12、ステップS2、ステップS3、ステップS4及びステップ13を経てステップS14に移る。このときには、作動制御信号生成手段40は作動信号を生成し(ステップS15)、この作動信号に基づいて、信号伝送手段36がリモコン4から受信した入力信号(赤外線電源入力信号)を第1赤外線送信手段46及び第2赤外線受信手段16を介して電気機器2に送給し、この送給された入力信号に基づいて電気機器2が作動状態となる(ステップS16)。
【0030】
また、電気機器2が非作動状態であると判別されると、ステップS4からステップS13を経てステップS17に移り、電気機器2の作動動作が遂行される。即ち、作動制御信号生成手段40は作動信号を生成し(ステップS17)、この作動信号が第1主通信モジュール50及び第2主通信モジュール52を介して第2制御コントローラ34に送給される。かくすると、第2制御コントローラ34の接続信号生成手段45は、この作動信号に基づいて接続信号を生成し(ステップS19)、この接続信号に基づいてリレー手段30が閉状態となり、これによって、電力供給系統6を通しての電気機器2への電力の供給が行われる(ステップS20)。
【0031】
また、このときには、作動制御信号生成手段40は赤外線待機信号を生成し(ステップS21)、生成された赤外線待機信号が、第1赤外線送信手段46及び第2赤外線受信手段16を介して電気機器2に送給され、電気機器2が待機状態となる(ステップS22)。続いて、作動制御信号生成手段40は赤外線作動信号を生成し(ステップS23)、生成された赤外線作動信号が第1赤外線送信手段46及び第2赤外線受信手段16を介して電気機器2に送給され、この赤外線作動信号に基づいて電気機器2が作動状態となる(S16)。このように電気機器2への電力供給が停止された状態においてリモコン4の電源スイッチ18を入力操作すると、電気機器2への電力供給が行われ、更に電気機器2が待機状態になった後に自動的に作動状態となるので、電力供給停止状態であってもリモコン4を単に入力操作することによって、電気機器2を所要の通りに作動状態にすることができる。
【0032】
この実施形態では、電力供給停止状態においてリモコン4の電源スイッチ18を入力操作すると、電気機器2を待機状態にした後に自動的に作動状態となるように構成しているが、このような構成に代えて、この電源スイッチ18を入力操作すると、電気機器2を待機状態にし、その後電源スイッチ18を再度入力操作すると、このリモコン4からの入力信号(赤外線電源入力信号)に基づいて、電気機器2を上述したようにして作動状態にするようにしてもよい。
【0033】
次いで、図4〜図7を参照して、第2の実施形態の待機電力削減システムについて説明する。この第2の実施形態においては、人を検知する人感センサ及びそれに関連する構成が付加されている。尚、この実施形態において、第1の実施形態と実質上同一の部材には同一の参照番号付し、その説明を省略する。
【0034】
図4及び図5において、この第2の形態では、電気機器2に関連して人感センサ102が設けられ、この人感センサ102は、電気機器2と一体的となるように取り付けてもよく、或いは電気機器2を設置した部屋に取り付けるようにしてもよい。人感センサ102には、第2副通信モジュール104が設けられており、人感センサ102からの検知信号が第2副通信モジュール104及び第1主通信モジュール50を介して第1制御コントローラ32Aに送給される。
【0035】
人感センサ102を設けたことに関連して、第1制御コントローラ32Aは、更に、人存在判別手段106を含んでいる。この人存在判別手段106は、人感センサ102が人を検知したときにはその検知信号に基づいて人がいると判定し、人感センサ102が人を検知しないときにはその検知信号に基づいて人がいないと判定する。この第2の実施形態のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
【0036】
この第2の実施形態において、電気機器2の作動状態における制御は、次の通りである。図5とともに図6を参照して、電気機器2の作動状態においては、人感センサ102による人検知が行われ(ステップS31)、人感センサ102からの検知信号が第2副通信モジュール104及び第1主通信モジュール50を介して第1制御コントローラ32Aに送給される。
【0037】
このように人感センサ102からの検知信号が送給されると、第1制御コントローラ32Aの人存在判定手段106が、人がいるか否かの判定を行い、人がいると判定したときには、ステップS32を経てステップS33に進み、省エネ動作を行う必要がないとして電気機器2の作動状態が継続して行われる。そして、このような作動状態においてリモコン4の電源スイッチ18を入力操作すると、ステップS34からリモコン4の電源スイッチ18操作ルーチンに移り、このルーチンにおいては、例えば、図3に示した動作が上述した通りに遂行される。
【0038】
また、人存在判定手段106が、人がいないと判定すると、ステップS32からステップS35に移り、人がいない状態が第1所定時間継続する(例えば、10〜20分程度に設定され、タイマ手段42がこの第1所定時間を計時をする)と、作動制御信号生成手段40が赤外線待機信号を生成する(ステップS36)。かくすると、この赤外線待機信号が、第1赤外線送信手段46及び第2赤外線受信手段16を介して電気機器2に送給され、電気機器2はこの赤外線待機信号に基づいて待機状態となる(ステップS37)。
【0039】
そして、この待機状態においても人感センサ102は人の検知を行い(ステップS38)、人感センサ102が人を検知しない状態が第2所定時間継続する(例えば、5〜20分程度に設定され、タイマ手段42がこの第2所定時間を計時する)と、ステップS39からステップS40を経てステップS41に進み、第1制御コントローラ32Aの作動制御信号生成手段40は作動停止信号を生成し(ステップS41)、この作動停止信号が第1主通信モジュール50及び第2主通信モジュール52を介して第2制御コントローラ34に送給される。かくすると、第2制御コントローラ34の接続断信号生成手段47は、この作動停止信号に基づいて接続断信号を生成し(ステップS42)、この接続断信号に基づいてリレー手段30が開状態となり、これによって、電力供給系統6を通しての電気機器2への電力の供給が停止する(ステップS43)。このように、人がいない状態が第1所定時間継続すると、電気機器2が待機状態となり、更にこの待機状態において人のいない状態が第2所定時間継続すると、電力の供給が停止して電気機器2が非作動状態となるので、上述したと同様に待機電力を削減することができる。
【0040】
また、電気機器2の待機状態において人感センサ102が人を検知すると、ステップS39からステップS44に移り、このように人を検知するが、リモコン4の電源スイッチ18を入力操作しない状態が第3所定時間継続する(例えば、5〜20分程度に設定され、タイマ手段42がこの第3所定時間を計時する)と、ステップS44からステップS45を経てステップS41に移り、ステップS2及びステップS43が実行されて電気機器2への電力の供給が停止する。尚、この待機状態においてリモコン4の電源スイッチ18を入力操作すると、ステップS44からリモコンの電源スイッチ18操作のルーチンに移り、このルーチンにおいては、例えば、図3に示す通りの動作が実行される。
【0041】
この第2の実施形態において、電気機器2の待機状態における制御は、次の通りである。図5とともに図7を参照して、電気機器2の待機状態においては、人感センサ102による人検知が行われ(ステップS51)、この人感センサ102の検知信号に基づくステップS52〜ステップS58の制御が行われるが、かかる検知信号に基づく制御(ステップS52〜ステップS58の制御)は、図6のフローチャートにおけるステップS39〜ステップS45の制御と実質上同一であり、従って、その制御についての説明を省略する。
【0042】
以上、本発明に従う電気機器の待機電力削減システムの実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の修正乃至変更が可能である。
【0043】
例えば、上述した実施形態では、第1制御コントローラ32及び第2制御コントローラ34と二つの制御コントローラを設けているが、これら制御コントローラを一つにすることもでき、この場合、制御コントローラに一つの主通信モジュールを設けるようにすればよい。
【符号の説明】
【0044】
2 電気機器
4 リモコン
6 電力供給系統
8 電源ユニット
14 電源コード
16,48 赤外線受信手段
18 電源スイッチ
27,46 赤外線送信手段
28 電流検知センサ
30 リレー手段(スイッチ手段)
32,32A,34 制御コントローラ
38 状態判別手段
40 作動制御信号生成手段
50,52 主通信モジュール
54,104 副通信モジュール
102 人感センサ
106 人存在判定手段













【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器と、前記電気機器の電力供給系統に配設された電源ユニットと、前記電気機器を入力操作するためのリモコンと、前記電気機器及び前記電源ユニットを制御するための制御コントローラと、前記制御コントローラに設けられた主通信モジュールと、前記リモコンに設けられた第1副通信モジュールと、を備えており、
前記電源ユニットは、前記電力供給系統に流れる電流を検知する電流検知センサと、前記電力供給系統を通しての電力の供給、供給停止を行うためのスイッチ手段とを含んでおり、
前記リモコンの電源スイッチを入力操作すると、前記リモコンからの電源入力信号が前記第1副通信モジュール及び前記主通信モジュールを介して前記制御コントローラに送給され、前記制御コントローラは、前記電流検知センサに作動電流が流れているときには前記電気機器を待機状態にし、前記電流検知センサに待機電流が流れているときには前記電気機器を作動状態にし、また前記電流検知センサに電流が流れていないときには前記スイッチ手段を閉状態にして前記電気機器への電力供給を行うことを特徴とする電気機器の待機電力削減システム。
【請求項2】
前記電気機器に関連して、人を検知する人感センサが設けられ、前記人感センサに第2副通信モジュールが設けられ、前記人感センサからの検知信号が前記第2副通信モジュール及び前記主通信モジュールを介して前記制御コントローラに送給され、前記制御コントローラは、前記電流検知センサに前記作動電流が流れている状態において前記人感センサにより人を検知しない状態が第1所定時間継続すると前記電気機器を前記待機状態にし、また前記待機状態になった後前記人感センサにより人を検知しない状態が第2所定時間継続すると前記電源ユニットの前記スイッチ手段を前記開状態にして前記電気機器への電力供給を停止することを特徴とする請求項1に記載の電気機器の待機電力削減システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記電流検知センサに前記作動電流が流れているときに前記リモコンの前記電源スイッチを入力操作すると前記電気機器を待機状態にし、更に前記待機状態において所定待機時間継続して前記電源スイッチを入力操作しないときに前記電源ユニットの前記スイッチ手段を前記開状態にして前記電気機器への電力供給を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の電気機器の待機電力削減システム。
【請求項4】
前記制御コントローラは、前記電気機器を制御するための第1制御コントローラと、前記電源ユニットを制御するための第2制御コントローラとを含み、前記主通信モジュールは、前記第1制御コントローラに設けられた第1主通信モジュールと、前記第2制御コントローラに設けられた第2主通信モジュールとを含み、前記第1制御コントローラと前記第2制御コントローラとが前記第1主通信モジュール及び前記第2主通信モジュールを介して通信接続されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気機器の待機電力削減システム。












【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−58916(P2013−58916A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196166(P2011−196166)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【Fターム(参考)】