説明

電波時計

【課題】電波時計において電波状況の良否を表わすインジケーター処理にかかる負荷の低減を図る。
【解決手段】標準電波を受信してタイムコード信号を出力する電波受信部と、標準電波の受信状態に関する表示を行うインジケーター表示手段と、電波受信部により出力されたタイムコード信号の信号レベルの変化を1秒周期中の所定の計数区間で検出するレベル変化検出手段と、レベル変化検出手段により検出された所定の信号レベルの変化の数に基づいてインジケーター表示手段の表示内容を制御するインジケーター制御部と、秒同期検出期間中に前記計数区間を1秒周期中の全区間(d)とし、秒同期検出処理の後に前記計数区間を1秒周期中の一部の区間(e)に狭める区間設定手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、標準電波の受信機能を有する電波時計に関する。
【背景技術】
【0002】
以前より、標準電波の受信を行う際に、電波状況の良否を表わすインジケーター表示を行う電波時計が開発されている。例えば、特許文献1には、受信した標準電波から得られる時刻信号の立下りエッジの周期を計測し、それにより標準電波が正しく受信されているか判断して、その表示を行う電波修正時計について開示されている。
【0003】
インジケーター表示によりユーザが電波状況の良否を確認できることで、電波状況が良好でないときにユーザが電波時計を移動させて電波状況の良好な状態で受信を行わせることができるという効果が得られる。
【0004】
また、本願発明に関連する技術として、特許文献2には、標準時刻電波信号の所定時間内に含まれるエッジ数や所定周期毎の信号レベルの変化の検出に基づいて受信状態の安定性を表わす評価値を生成し、この評価値に基づいて受信周波数の設定を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−006066号公報
【特許文献2】特開2004−226131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、受信環境がさほど良好でなくても標準電波から正確な時刻情報が取得できるように、幾分長い時間の電波受信を行って種々のデータ処理を行うことで、受信信号の信号雑音比を向上させたり、復調されたパルス信号に対してノイズを有効に除去して高精度な符号判定を行ったりする種々のデータ処理技術が開発されている。
【0007】
一方、電波時計は、標準電波の受信時以外の大半の期間において負荷の高い演算処理を行う機会は少なく、標準電波の受信処理だけのために処理能力の高い演算処理回路を搭載するのは合理的でない。それゆえ、一般的な電波時計には、処理能力の高い演算処理回路が搭載されることは少ない。
【0008】
従って、一般的な電波時計では、標準電波の受信時において、高感度な受信を実現させる種々のデータ処理に演算処理回路の負荷を割き、それ以外の処理、例えばインジケーター表示のための処理には演算処理回路の負荷を余り割きたくないという要求が生じると考えられる。
【0009】
この発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、電波時計においてインジケーター表示に係る処理の負荷を低減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、
標準電波を受信してタイムコード信号を出力する電波受信手段と、
前記標準電波の受信状態に関する表示を行うインジケーター表示手段と、
前記電波受信手段により出力された前記タイムコード信号の信号レベルの変化を1秒周期中の所定の検出区間で検出するレベル変化検出手段と、
該レベル変化検出手段により検出された所定の信号レベルの変化の数に基づいて前記インジケーター表示手段の表示内容を制御するインジケーター制御手段と、
前記タイムコード信号中の1秒毎の同期点を検出する処理の際に前記レベル変化検出手段の前記検出区間を1秒周期中の全区間とし、前記1秒毎の同期点の検出後に前記レベル検出手段の前記検出区間を1秒周期中の一部の区間に狭める区間設定手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電波時計において、
前記区間設定手段は、
前記1秒毎の同期点の検出後、理想的なタイムコード信号において前記同期点の信号レベルの変化と同一の変化が現れない区間に前記検出区間を狭めることを特徴としている。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の電波時計において、
前記区間設定手段は、
前記1秒毎の同期点の検出後、理想的なタイムコード信号において前記同期点の信号レベルの変化が1回だけ現れる区間に前記検出区間を狭めることを特徴としている。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項2記載の電波時計において、
前記区間設定手段は、
前記1秒毎の同期点の検出後、理想的なタイムコード信号において該タイムコード信号を構成する少なくとも2種類のパルス信号の信号レベルが異なる信号特徴部分を含んだ区間に前記検出区間を狭めることを特徴としている。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項2記載の電波時計において、
前記区間設定手段は、
前記1秒毎の同期点の検出後、理想的なタイムコード信号において該タイムコード信号を構成する複数種類のパルス信号のうちタイムコード信号のフレーム位置を表わすマーカー信号と他のパルス信号とで信号レベルが異なる信号特徴部分を含んだ区間に前記検出区間を狭めることを特徴としている。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の電波時計において、
前記レベル変化検出手段は、
前記検出区間に所定のサンプリング間隔で前記タイムコード信号の信号レベルを検出するサンプリング手段と、
該サンプリング手段により検出された信号レベルを前又は後に検出された信号レベルと比較して信号レベルの変化を算出する変化算出手段と、
を備えていることを特徴としている。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の電波時計において、
前記インジケーター制御手段は、
前記1秒毎の同期点を検出する処理の際、前記同期点の信号レベルの変化と同一の変化が理想的な信号波形で現れ得る回数と同一でなければ受信状態の不良を示す第0レベルの表示とし、
前記1秒毎の同期点を検出する処理の際、前記同期点の信号レベルの変化と同一の変化が理想的な信号波形で現れ得る回数と同一であれば前記第0レベルよりも受信状態が良好であることを示す第1レベルの表示とし、
前記1秒毎の同期点を検出する処理が遂行されたら、前記第1レベルよりも受信状態が進んだことを示す第2レベルの表示とし、
前記1秒毎の同期点の検出後、前記タイムコード信号中のパルス信号の符号を判定する処理の際、前記同期点の信号レベルの変化と同一の変化が理想的な信号波形で前記狭められた検出区間に現れ得る回数と同一でなければ前記第2レベルの表示のままとし、
前記1秒毎の同期点の検出後、前記タイムコード信号中のパルス信号の符号を判定する処理の際、前記同期点の信号レベルの変化と同一の変化が理想的な信号波形で前記狭められた検出区間に現れ得る回数と同一であれば前記第2レベルよりも受信状態が良好であることを示す第3レベルの表示とする
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明に従うと、インジケーター表示のために信号レベルの変化を検出する区間が、1秒毎の同期点の検出後に狭められるので、検出区間が狭められた分、インジケーター表示を行うための処理負荷を低減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態の電波時計の全体構成を示すブロック図である。
【図2】液晶表示器に設けられたインジケーター表示部を示す平面図である。
【図3】CPUにより実行される時刻修正処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図4】インジケーター処理の計数区間を説明するタイミングチャートを示す。
【図5】図3のステップS3で実行される秒同期検出処理の詳細な制御手順を示すフローチャートである。
【図6】図3のステップS4で実行される分同期検出とデコード処理の詳細な制御手順を示すフローチャートの第1部である。
【図7】同、分同期検出とデコード処理のフローチャートの第2部である。
【図8】インジケーター処理の計数区間の変形例を示すタイムチャートである。
【図9】英国の標準電波MSFに対応したインジケーター処理の計数区間の一例を説明するタイミンクチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態の電波時計1の全体構成を示すブロック図である。図2は、液晶表示器7に設けられたインジケーター表示部を示す平面図である。
【0021】
この実施形態の電波時計1は、タイムコードの含まれる標準電波を受信して自動的に時刻を修正する機能を有した電子時計であり、文字板上で回転する指針(秒針2、分針3、時針4)と、文字板上に露出されて各種の表示を行う液晶表示器7によって、それぞれ時刻を表示するようになっている。
【0022】
この電波時計1は、図1に示すように、標準電波を受信するアンテナ11と、標準電波を復調してタイムコード信号を生成する電波受信回路(電波受信手段)12と、種々のタイミング信号を発生させる発振回路13および分周回路14と、現在時刻を計数する計時回路15と、秒針2を回転駆動する第1モータ16と、分針3および時針4を回転駆動する第2モータ17と、第1モータ16および第2モータ17の回転駆動を各指針に伝達する輪列機構18と、複数の操作ボタンを有し外部から操作指令を入力する操作部19と、機器の全体的な制御を行うCPU(中央演算処理装置)20と、CPU20に作業用のメモリ空間を提供するRAM(Random Access Memory)21と、各種の制御データおよび制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)22等をさらに備えている。この実施形態では、CPU20によりレベル変化検出手段およびインジケーター制御手段が構成され、CPU20とROM22の秒同期検出以降インジケーター計数区間データ22bにより区間設定手段が構成される。
【0023】
液晶表示器7には、時刻の表示部に加えて、図2に示すように、標準電波の受信時に受信処理の進度や電波状況の良否など、受信状態に関する表示を行うインジケーター表示部(インジケーター表示手段)71が設けられている。インジケーター表示部71は、例えば、第0レベル〜第3レベルの受信状態を表示する3つの表示セグメントSeg1〜Seg3を有し、これら3つの表示セグメントSeg1〜Seg3がそれぞれ独立して点灯および消灯可能に構成されている。
【0024】
電波受信回路12は、アンテナ11により受信された信号を増幅する増幅部、受信信号の中から標準電波に対応する周波数成分のみを抽出するフィルタ部、振幅変調されている受信信号を復調してタイムコード信号を抽出する復調部、復調されたタイムコード信号をハイレベルとローレベルの信号に波形整形して外部へ出力するコンパレータ等を備えている。この電波受信回路12は、特に制限されるものではないが、標準電波が振幅大のときに出力がローレベルとなり、標準電波が振幅小のときに出力がハイレベルとなるローアクティブの出力構成となっている。
【0025】
分周回路14は、CPU20からの指令を受けてその分周比を様々な値に変更することが可能に構成され、さらに、複数種類のタイミング信号をCPU20へ並列的に出力可能に構成されている。例えば、計時回路15の計時データを1秒周期で更新する際には、1秒周期のタイミング信号を生成してCPU20へ供給するとともに、電波受信回路12から出力されるタイムコード信号を取り込む際には、サンプリング周波数のタイミング信号を生成してCPU20に供給するようになっている。
【0026】
第1モータ16および第2モータ17は、ステッピングモータであり、第1モータ16は秒針2を、第2モータ17は分針3および時針4を、それぞれ独立にステップ駆動するものである。通常の時刻表示状態において、第1モータ16は1秒毎に1ステップ駆動されて1分間で秒針2を1回転させる。第2モータ17は10秒毎に1ステップ駆動されて60分で分針3を1回転させ、12時間で時針4を1回転させる。
【0027】
RAM21には、標準電波の受信環境の良否を測定する際に使用するインジケーター用カウンタ21aが設けられている。ROM22には、制御プログラムの一つとして、標準電波を受信して時刻を自動的に修正する時刻修正処理のプログラム22aが格納されている。また、ROM22には、制御データの一つとして、秒同期検出以降インジケーター計数区間データ22bが格納されている。このインジケーター計数区間については後に詳述する。
【0028】
次に、上記構成の電波時計1において実行される時刻修正処理について説明する。図3には、CPU20により実行される時刻修正処理のフローチャートを示す。
【0029】
時刻修正処理は、予め設定された時刻になった場合、或いは、操作部19を介して所定の操作指令の入力が行われた場合に開始される。
【0030】
時刻修正処理の実行中には、秒針2の1秒毎の運針が停止するように制御される一方、分針3と時針4の10秒毎の運針は継続するように制御される。そのため、時刻修正処理が開始されると、先ず、CPU20は、秒針2を文字板上の電波受信中を表わす位置へ早送りさせて、RAM21中の秒針2の運針フラグをオフに設定する(ステップS1)。これにより、秒針2の1秒毎の運針処理が停止される。また、この時刻修正処理と並列的に時刻表示処理が実行されることで分針3と時針4の10秒毎の運針が継続される。
【0031】
次いで、CPU20は、電波受信回路12を作動させて受信処理を開始させる(ステップS2)。これにより、標準電波が受信されてハイレベルとローレベルで表わされるタイムコード信号が電波受信回路12からCPU20へ供給される。
【0032】
タイムコード信号が供給されたら、先ず、CPU20は、このタイムコード信号から1秒毎の同期点(0.0秒、1.0秒、〜59.0秒の同期点;以下、秒同期点と呼ぶ)を検出する秒同期検出処理(ステップS3)を実行する。秒同期検出処理の際には、標準電波の受信状態を評価してそれを表示するインジケーター処理も並行して実行されるようになっている。この秒同期検出処理中のインジケーター処理については後に詳述する。
【0033】
秒同期点が検出されたら、次に、この秒同期点を基準にタイムコード信号のパルス信号の符号判定を行って、分同期点(x分00秒の同期点;xは任意の値)の検出と、時刻情報の生成とを行う分同期検出&デコード処理(ステップS4)を実行する。この分同期検出&デコード処理の際にも、標準電波の受信状態を評価してそれを表示するインジケーター処理も実行されるようになっている。この分同期検出&デコード処理中のインジケーター処理については後に詳述する。
【0034】
デコード処理により時刻情報が取得されたら、CPU20は、この時刻情報に基づいて計時回路15の計時データを修正する(ステップS5)。さらに、必要があれば分針3と時針4を早送りして指針の位置を修正する(ステップS6)。また、停止していた秒針2が計時データに同期して駆動されるように、秒針2の運針フラグをオンにして(ステップS7)、この時刻修正処理を終了する。
【0035】
続いて、上記の秒同期検出処理(ステップS3)および分同期検出&デコード処理(ステップS4)の中で実行されるインジケーター処理について説明する。
【0036】
図4には、インジケーター処理の計数区間を説明するタイミングチャートを示す。
【0037】
インジケーター処理は、標準電波の受信中に実行されて、受信処理の進度や電波状況の良否をインジケーター表示部71に表示するものである。ユーザは、この表示を見て、劣悪な受信環境にある場合に、良好な受信環境まで電波時計1を移動させて、標準電波の受信を行わせることができる。
【0038】
この実施形態のインジケーター処理においては、電波受信回路12から供給されるタイムコード信号に対して、所定のレベル変化が現れる回数をCPU20が計数するとともに、この回数に基づいてCPU20が電波状況の良否を判定して、この判定結果に基づきインジケーター表示部71の表示内容を制御するようになっている。また、この実施形態のインジケーター処理では、受信処理の段階が進むことでインジケーター表示部71の表示内容を変化させて、ユーザに受信処理の進行度も知らせるようにもなっている。
【0039】
具体的には、図4に示すように、所定の計数区間において、CPU20が、タイムコード信号を所定のサンプリング周波数(例えば32Hz)でサンプリングして信号レベルを検出する。そして、直前の信号レベルからの変化を算出し、秒同期点t0のレベル変化E0(ハイレベル“H”→ローレベル“L”)と同じ変化がどれだけ有るか、RAM21中のインジケーター用カウンタ21aを用いて計数する。
【0040】
図4(a)〜(c)に示すように、日本の標準電波JJYでノイズのない理想的なタイムコード信号の場合、「H→L」のレベル変化E0は秒同期点t0で1回現れる一方、他で現れることがない。従って、1秒周期で「H→L」のレベル変化を計数すれば、計数値は1回となるのが理想であり、ノイズの混入等があれば0回となったり2回以上となったりする。
【0041】
秒同期点t0の検出前の段階では、秒同期点t0のレベル変化E0がどのタイミングに現れるのか未知の状況にある。従って、図4(d)に示すように、この段階では、1秒周期の全区間を計数区間として、この区間でタイムコード信号のサンプリングと「H→L」のレベル変化の計数とを行う。そして、1秒間ずつの計数値が「1」であれば、電波状況は良好であるものとして第1レベルのインジケーター表示を行う。一方、「1」以外であれば、電波状況は不良であるものとして第0レベルのインジケーター表示とする。
【0042】
ここで、第0レベルのインジケーター表示とは、図2のインジケーター表示部71の第1〜第3表示セグメントSeg1〜Seg3を全て消灯とする表示態様、第1レベルのインジケーター表示とは、第1表示セグメントSeg1のみを点灯とする表示態様である。
【0043】
上記のインジケーター処理は、秒同期検出処理の間を通して繰り返し実行される。そして、秒同期点t0が正常に検出されたら、電波受信処理が一段階進行したことを示すために、第2レベルのインジケーター表示を行う。第2レベルのインジケーター表示とは、インジケーター表示部71(図2)の第1および第2表示セグメントSeg1,Seg2が点灯し、第3表示セグメントSeg3が消灯する表示態様である。
【0044】
秒同期検出処理において秒同期点t0が検出されたら、秒同期点t0のレベル変化E0が1秒周期中の何れのタイミングに現れるのか既知の状況となる。従って、図4(d)→(e)に示すように、秒同期点t0の検出後の段階では、「H→L」のレベル変化の計数区間を1秒周期中の一部の区間に狭める制御を行う。この図4(e)の計数区間は、秒同期検出以降インジケーター計数区間データ22bとして予めROM22に記憶されている。このデータ22bは、秒同期点t0を基準とした時間データにより表わされたものである。
【0045】
秒同期点t0の検出後の計数区間は、図4(e)に示すように、例えば、理想的な信号波形で「H→L」のレベル変化E0が現れる区間を除いた一部の区間に設定されている。さらに、この区間は、理想的な信号波形でマーカー信号と他の信号とで信号レベルが異なる第1特徴部分Tmを含み、且つ、0信号と1信号とで信号レベルが異なる第2特徴部分Tcを含む区間に設定されている。
【0046】
上記のように、全区間でなく一部の区間に計数区間を狭めることで、インジケーター処理に必要なサンプリング処理、レベル変化の算出、レベル変化の判別とその計数の処理回数が削減され、CPU20の負荷の低減、ならびに、RAM21の必要な記憶容量の低減を図ることができる。
【0047】
また、上記の第1特徴部分Tmや第2特徴部分Tcを含む区間に計数区間が設定されることで、次のような利点が得られる。すなわち、分同期点の検出処理でマーカー信号を判別するために必要なサンプリング処理、並びに、デコード処理で0信号と1信号とを判別するために必要なサンプリング処理と、インジケーター処理に必要なサンプリング処理とを、共通に実行することができる。
【0048】
また、一般に、分同期点の検出とデコード処理においては、マーカー信号とその他の信号との差異が現れる第1特徴部分Tmならびに0信号と1信号の差異が現れる第2特徴部分Tcに混入するノイズが処理の進行や精度に影響を及ぼし、その他の区間に混入するノイズはさほど処理に影響を及ぼさない。従って、上記のように第1特徴部分Tmや第2特徴部分Tcを含む区間にインジケーター処理の計数区間を設定することで、分同期検出やデコード処理を実行する上で実質的に影響を及ぼす部分の信号の劣化度を判定し、その結果をインジケーター表示によってユーザに通知することができるという利点が得られる。
【0049】
この実施形態のインジケーター処理においては、秒同期点t0の検出後の段階になると、上述のように、図4(e)の狭められた区間でタイムコード信号のサンプリングを行って、1秒周期ごとに「H→L」のレベル変化の計数が行われる。そして、1秒毎の計数値が「0」であれば電波状況は良好であるものとして、第3レベルのインジケーター表示を行う。すなわち、インジケーター表示部71の第1〜第3表示セグメントSeg1〜Seg3を何れも点灯とする表示態様とする。一方、「0」以外であれば、電波状況は不良であるものとして第2レベルのインジケーター表示とする。
【0050】
そして、このようなインジケーター処理を、分同期点の検出処理とデコード処理の間を通して繰り返し実行する。そして、デコード処理が終了して標準電波の受信が停止されたらインジケーター処理も終了する。
【0051】
続いて、上記のインジケーター処理が実行される秒同期検出処理および分同期検出&デコード処理の制御手順についてフローチャートに基づいて説明する。
【0052】
図5は、図3のステップS3で実行される秒同期検出処理の詳細な制御手順を示すフローチャートである。
【0053】
秒同期検出処理に移行すると、CPU20は、先ず、この処理で使用する種々の変数のメモリ領域をクリアするなど初期化処理を行う(ステップS11)。続いて、分周回路14からのタイミング信号の入力に基づき32Hzのサンプリングタイミングか判別し(ステップS12)、このタイミングであれば、次に進んで、タイムコード信号のレベルを検出する(ステップS13:サンプリング手段)。このレベルの検出は、インジケーター処理で所定のレベル変化を計数するのと、秒同期点を検出するのと、両方のために行われるものである。
【0054】
レベルを検出したら、前回検出したレベルからの変化を算出し(変化算出手段)、ハイレベルからローレベル「H→L」の変化であればRAM21のインジケーター用カウンタ21aを「+1」加算する(ステップS14)。また、後に秒同期点を検出するために、ステップS13の検出結果に対して所定の演算処理を行ったりこの演算処理の結果を所定の記憶領域に記憶させたりするデータ処理を実行する(ステップS15)。秒同期点を検出するためのデータ処理については、種々の公知技術を適用できるものであり、その詳細な説明を省略する。
【0055】
次いで、CPU20は、分周回路14からのタイミング信号の入力に基づいて1秒が経過したか判別し(ステップS16)、経過していなければステップS12へ戻って、ステップS12〜S16のループ処理を繰り返す。
【0056】
このステップS12〜S16のループ処理により、1秒周期の全区間にわたって信号レベルの「H→L」の変化の個数がインジケーター用カウンタ21aに計数される。
【0057】
一方、1秒が経過していれば、次に進んで、RAM21のインジケーター用カウンタ21aの値を確認し、この値が理想的な信号波形で得られる「1」であるか判別する(ステップS17)。その結果、「1」であれば、インジケーター表示部71の第1表示セグメントSeg1を点灯させる(ステップS18)。一方、「1」でなければ、インジケーター表示部71の第1表示セグメントSeg1を消灯させる(ステップS19)。そして、インジケーター表示部71の表示制御を行ったら、インジケーター用カウンタ21aの値をクリアする(ステップS20)。上記ステップS17〜S19の処理によりインジケーター制御手段の一部が構成される。
【0058】
続いて、CPU20は、秒同期検出処理に移行してから10秒経過したか判別する(ステップS21)。そして、未だ経過していなければ、ステップS12に戻る。
【0059】
一方、10秒が経過していれば、ステップS15で演算および記憶させてきた10秒間分のデータを用いて秒同期点を確定させる演算処理を行う(ステップS22)。そして、この演算処理により秒同期点を正常に決定できたか判別し(ステップS23)、正常に決定できていればインジケーター表示部71を第2表示セグメントSeg2まで点灯させる(ステップS24)。一方、正常に決定できていなければ、エラー処理に移行する(ステップS25)。そして、この秒同期検出処理を終了して時刻修正処理(図2)へ戻る。上記ステップS23,S24の処理によりインジケーター制御手段の一部が構成される。
【0060】
つまり、上記の秒同期検出処理により、1秒周期の全区間において所定のサンプリング周波数でタイムコード信号をサンプリングする処理が10秒間継続され、この10秒間分のサンプリングデータに基づいて秒同期点を決定する処理がなされる。さらに、この秒同期検出処理中、上記のサンプリンク処理の結果に基づいて1秒周期の全区間において「H→L」のレベル変化の計数が行われて、この計数値に応じたインジケーター表示が1秒毎に更新されるようになっている。
【0061】
図6と図7には、図2のステップS4で実行される分同期検出&デコード処理の詳細なフローチャートを示す。
【0062】
分同期検出&デコード処理に移行すると、先ず、CPU20は、この処理で使用する種々の変数のメモリ領域をクリアするなど初期化処理を行う(ステップS31)。
【0063】
次いで、CPU20は、タイムコードを構成する各パルス信号の特徴部分を秒同期点を基準とした時間によりサンプリング期間として設定する(ステップS32)。このサンプリング期間の設定は、分同期点の検出やデコードのために各パルス信号の符合判定を行うためのものである。
【0064】
さらに、CPU20は、ROM22の秒同期検出以降インジケーター計数区間データ22bを読み出して、この区間を上記のサンプリング期間に追加して設定する(ステップS33:区間設定手段)。このサンプリング期間の設定は、インジケーター処理でタイムコード信号の劣化度を測定するためのものである。
【0065】
次に、CPU20は、秒同期点を基準とした時間のカウントに基づいて、現時点がステップS32,S33で設定されたサンプリング期間に該当するか否か判別する(ステップS34)。さらに、サンプリング期間に該当すれば、分周回路14からのタイミング信号の入力に基づいて32Hzのサンプリングタイミングか判別する(ステップS35)。そして、サンプリング期間に該当し、且つ、サンプリングタイミングであれば、次に進んで、タイムコード信号のレベルを検出する(ステップS36:サンプリング手段)。
【0066】
レベルの検出をしたら、CPU20は、現時点がインジケーター計数区間中か否か判別する(ステップS37)。そして、計数区間中であれば、前回検出した信号レベルから今回検出した信号レベルへの変化を算出し(変化算出手段)、ハイレベルからローレベル「H→L」の変化であればRAM21のインジケーター用カウンタ21aを「+1」加算する(ステップS38)。そして、次へ進む。一方、ステップS37で計数区間中でないと判別されたら、そのまま次へ進む。
【0067】
次に進んだら、CPU20は、現時点が符号判定用のパルス信号の特徴部分に該当する期間中か否か判別し(ステップS39)、そうであれば、分同期点の検出およびデコードの処理を後で行うために、ステップS36の検出結果に対して所定の演算処理を行ったりこの演算処理の結果を所定の記憶領域に記憶させたりするデータ処理を実行して(ステップS40)、次へ進む。一方、ステップS39で、該当期間中でないと判別されたら、そのまま次へ進む。分同期点の検出処理およびタイムコードのデコード処理については、種々の公知技術を適用できるものであり、ステップS40のデータ処理の詳細な説明は省略する。
【0068】
つまり、ステップS34で判別されたサンプリング期間が、ステップS32で設定された各パルス信号の特徴部分のサンプリング期間に該当すれば、ステップS40の分同期点の検出処理とデコード用のデータ処理が実行される。また、ステップS33で設定されたインジケーター計数区間のサンプリング期間に該当すれば、ステップS38の信号の劣化度を測定するための計数処理が実行される。さらに、両方のサンプリング期間に該当すれば、両方の処理が実行されるようになっている。
【0069】
次に、CPU20は、分周回路14からのタイミング信号の入力に基づいて1秒が経過したか判別し(ステップS41)、経過していなければステップS34へ戻って、ステップS34〜S41のループ処理を繰り返す。つまり、このステップS34〜S41のループ処理により、1秒周期中の一部の区間に狭められた計数区間で、タイムコード信号の「H→L」のレベル変化の個数がインジケーター用カウンタ21aに計数されるようになっている。
【0070】
一方、ステップS41の判別処理で、1秒が経過していると判別されれば、次に進んで、RAM21のインジケーター用カウンタ21aの値を確認して、この値が理想的な信号波形で得られる「0」であるか判別する(ステップS42)。その結果、「0」であれば、インジケーター表示部71の第3表示セグメントSeg3を点灯させる(ステップS43)。一方、「0」でなければ、インジケーター表示部71の第3表示セグメントSeg3を消灯させる(ステップS44)。そして、インジケーター表示部71の表示制御を行ったら、インジケーター用カウンタ21aの値をクリアする(ステップS45)。上記ステップS42〜S44の処理によりインジケーター制御手段の一部が構成される。
【0071】
続いて、CPU20は、分同期点検出用の時間を経過したタイミングか判別し(ステップS46)、このタイミングであれば、ステップS40で演算および記憶してきたデータを用いてタイムコード信号中のマーカー信号が2個並んだ箇所にある分同期点を検出する処理を実行する(ステップS47)。
【0072】
一方、分同期検出用の時間に達していない場合、或いは、この時間を超過して分同期点の検出が済んでいる場合には、ステップS46の判別処理で“No”側へ進んで、デコード用の時間を経過したタイミングか判別する(ステップS48)。そして、この時間に達していない場合には、ステップS34に戻って所定周期でタイムコード信号のサンプリングを行うループ処理に再び移行する。
【0073】
一方、ステップS48の判別処理で、デコード用の時間が経過したと判別されたら、ステップS40で演算および記憶してきたデータを用いて、タイムコード信号の符号判定を行って時刻情報を生成する(ステップS49)。そして、この分同期検出&デコード処理を終了して時刻修正処理(図3)に戻る。
【0074】
つまり、上記の分同期検出&デコード処理により、この処理中を通して、1秒周期中の一部の区間に狭められた計数区間において、タイムコード信号の「H→L」のレベル変化の個数が計数され、この計数値に応じて1秒毎にインジケーター表示が更新されるようになっている。
【0075】
以上のように、この実施形態の電波時計1によれば、インジケーター処理によって、標準電波の受信中にユーザに受信処理の進度や電波状況の良否など受信状態に関する情報を通知することができる。また、インジケーター処理のためにタイムコード信号中の所定のレベル変化を計数する区間が、秒同期点の検出後に1秒周期中の一部の区間に狭められるようになっている。それにより、インジケーター処理に必要なサンプリング処理、レベル変化の算出、レベル変化の判別およびその計数の処理回数が減らされて、インジケーター処理にかかるCPU20の負荷の低減、および、RAM21の使用量の低減を図ることができる。
【0076】
また、上記実施形態の電波時計1によれば、インジケーター処理の計数区間が、秒同期点のレベル変化と同一の変化が現れない区間に狭められるようになっている。従って、インジケーター処理の計数区間が狭まって処理負荷の低減を図ることができるとともに、この計数区間で秒同期点のレベル変化がカウントされれば、その分のノイズが混入されていると評価することができる。
【0077】
また、上記実施形態の電波時計1によれば、インジケーター処理の計数区間が、タイムコード信号を構成する複数種類のパルス信号を特徴づける第1特徴部分Tmや第2特徴部分Tc(図4参照)を含んだ区間に狭められるようになっている。従って、その後の分同期点の検出処理やデコード処理でパルス信号を符号判定するための信号レベルの検出と、インジケーター処理で信号の劣化度を計測するための信号レベルの検出とを、互いに兼ね合わせて共通に実行することができる。また、分同期点の検出処理およびデコード処理でパルス信号を識別するのに重要な部分で、信号の劣化度の測定が行われることで、その後の処理に対して実質的に影響を与えるような信号劣化の有無についてインジケーター表示により表わされるようになっている。
【0078】
特に、インジケーター処理の計数区間が、マーカー信号と他のパルス信号とを区別する第1特徴部分Tmを含んだ区間に狭められることで、その後の分同期点の検出処理において上記の作用効果が確実に得られるようになっている。
【0079】
また、上記実施形態の電波時計1によれば、タイムコード信号を所定周波数でサンプリングして、前後のサンプリング結果を比較することで信号レベルの変化を検出するようになっているので、比較的に負荷の軽い処理で適度な検出処理を実現できるようになっている。
【0080】
また、上記実施形態の電波時計1によれば、秒同期検出処理中にタイムコード信号中のノイズの有無に応じて第0レベルと第1レベルのインジケーター表示を行い、秒同期点が正常に検出されたら第2レベルのインジケーター表示を行い、その後、タイムコード信号中のノイズの有無に応じて第2レベルと第3レベルのインジケーター表示を行うようになっている。つまり、このような表示によってユーザに電波状態に関する適度な通知を行えるようになっている。
【0081】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、インジケーター処理の計数区間の狭め方は、図4(d)→(e)に示したものに限られない。
【0082】
図8には、インジケーター処理の計数区間の変形例を表わした図を示す。例えば、インジケーター処理の計数区間を、図8(d)に示すように、複数に分断された区間に狭めるようにしても良い。この計数区間は、図4(e)と同様に、理想的な信号波形で秒同期点t0と同一のレベル変化が現れず、信号特徴部分を含んだ区間である。また、図8(e)に示すように、理想的な信号波形で秒同期点t0のレベル変化が1回だけ現れる区間に狭めるようにしても良い。上記のような区間としても、「H→L」のレベル変化の回数を計数することで、その計数値から理想的な信号波形に近いか、或いは、ノイズが混入されているのかを判定することが可能となる。
【0083】
また、図9には、英国の標準電波MSFに対応するインジケーター処理の計数区間の一例を説明するタイミンクチャートを示す。英国の標準電波MSFでは、図9(b)の01信号において、秒同期点t0の「L→H」のレベル変化E0と同一の変化が他の箇所にも現われる。従って、このようなタイムコード信号に対して、インジケーター処理の計数区間を、理想的な信号波形で秒同期点t0と同一のレベル変化が現れない区間に狭める場合には、図9(g)に示すように、01信号の「L→H」のレベル変化E0,E1を外した区間に秒同期検出後の計数区間を設定すれば良い。
【0084】
また、上記実施形態の電波時計1では、インジケーター処理でタイムコード信号の劣化度を評価するために、秒同期点のレベル変化と同一の変化を計数するように構成しているが、例えば、秒同期点のレベル変化の逆の変化を計数するようにしたり、或いは、両方のレベル変化を計数するようにすることもできる。
【0085】
また、上記実施形態の電波時計1では、タイムコード信号をハイレベルとローレベルの2値の信号としているが、電波受信回路12からは復調されたタイムコード信号をアナログ出力させ、ADコンバータにより多値のデジタル信号に変換してCPU20が取り込んで信号レベルの変化を検出するようにしても良い。また、レベル変化の検出方法も、信号レベルをサンプリングして前後の信号レベルを比較する方法に限られず、例えば、信号レベルが変化したときにハードウェア割込みを発生させて、この割込みによりCPU20がレベル変化を検出するように構成することもできる。
【0086】
また、上記実施形態の電波時計1では、レベル変化の計数と計数値に基づくインジケーター表示の更新を1秒単位で行っていく例を示したが、複数秒単位で行うようにしても良い。その他、この実施形態で示した細部は発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 電波時計
2 秒針
3 分針
4 時針
7 液晶表示器
71 インジケーター表示部
Seg1 第1表示セグメント
Seg2 第2表示セグメント
Seg3 第3表示セグメント
11 アンテナ
12 電波受信回路
13 発振回路
14 分周回路
20 CPU
21 RAM
21a インジケーター用カウンタ
22 ROM
22b 秒同期検出以降インジケーター計数区間データ
Tm 第1特徴部分
Tc 第2特徴部分
t0 秒同期点
E0 秒同期点のレベル変化

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準電波を受信してタイムコード信号を出力する電波受信手段と、
前記標準電波の受信状態に関する表示を行うインジケーター表示手段と、
前記電波受信手段により出力された前記タイムコード信号の信号レベルの変化を1秒周期中の所定の検出区間で検出するレベル変化検出手段と、
該レベル変化検出手段により検出された所定の信号レベルの変化の数に基づいて前記インジケーター表示手段の表示内容を制御するインジケーター制御手段と、
前記タイムコード信号中の1秒毎の同期点を検出する処理の際に前記レベル変化検出手段の前記検出区間を1秒周期中の全区間とし、前記1秒毎の同期点の検出後に前記レベル検出手段の前記検出区間を1秒周期中の一部の区間に狭める区間設定手段と、
を備えていることを特徴とする電波時計。
【請求項2】
前記区間設定手段は、
前記1秒毎の同期点の検出後、理想的なタイムコード信号において前記同期点の信号レベルの変化と同一の変化が現れない区間に前記検出区間を狭めることを特徴とする請求項1記載の電波時計。
【請求項3】
前記区間設定手段は、
前記1秒毎の同期点の検出後、理想的なタイムコード信号において前記同期点の信号レベルの変化が1回だけ現れる区間に前記検出区間を狭めることを特徴とする請求項1記載の電波時計。
【請求項4】
前記区間設定手段は、
前記1秒毎の同期点の検出後、理想的なタイムコード信号において該タイムコード信号を構成する少なくとも2種類のパルス信号の信号レベルが異なる信号特徴部分を含んだ区間に前記検出区間を狭めることを特徴とする請求項2記載の電波時計。
【請求項5】
前記区間設定手段は、
前記1秒毎の同期点の検出後、理想的なタイムコード信号において該タイムコード信号を構成する複数種類のパルス信号のうちタイムコード信号のフレーム位置を表わすマーカー信号と他のパルス信号とで信号レベルが異なる信号特徴部分を含んだ区間に前記検出区間を狭めることを特徴とする請求項2記載の電波時計。
【請求項6】
前記レベル変化検出手段は、
前記検出区間に所定のサンプリング間隔で前記タイムコード信号の信号レベルを検出するサンプリング手段と、
該サンプリング手段により検出された信号レベルを前又は後に検出された信号レベルと比較して信号レベルの変化を算出する変化算出手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1記載の電波時計。
【請求項7】
前記インジケーター制御手段は、
前記1秒毎の同期点を検出する処理の際、前記同期点の信号レベルの変化と同一の変化が理想的な信号波形で現れ得る回数と同一でなければ受信状態の不良を示す第0レベルの表示とし、
前記1秒毎の同期点を検出する処理の際、前記同期点の信号レベルの変化と同一の変化が理想的な信号波形で現れ得る回数と同一であれば前記第0レベルよりも受信状態が良好であることを示す第1レベルの表示とし、
前記1秒毎の同期点を検出する処理が遂行されたら、前記第1レベルよりも受信状態が進んだことを示す第2レベルの表示とし、
前記1秒毎の同期点の検出後、前記タイムコード信号中のパルス信号の符号を判定する処理の際、前記同期点の信号レベルの変化と同一の変化が理想的な信号波形で前記狭められた検出区間に現れ得る回数と同一でなければ前記第2レベルの表示のままとし、
前記1秒毎の同期点の検出後、前記タイムコード信号中のパルス信号の符号を判定する処理の際、前記同期点の信号レベルの変化と同一の変化が理想的な信号波形で前記狭められた検出区間に現れ得る回数と同一であれば前記第2レベルよりも受信状態が良好であることを示す第3レベルの表示とする
ことを特徴とする請求項1記載の電波時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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