説明

電源装置及び照明器具

【課題】フィードバック制御に伴う消費電力を削減する。
【解決手段】直流電源回路110は、光源回路830(負荷回路)に供給する直流電力を生成する。負荷電流検出回路140は、光源回路830を流れる負荷電流を検出して、負荷電流検出電圧を生成する。目標電圧生成回路170は、光源回路830を流れる負荷電流の目標値に基づいて、目標電圧を生成する。帰還信号生成回路180は、負荷電流検出電圧と目標電圧とを比較して、帰還信号を生成する。直流電源回路110は、制御電源回路160が供給した制御電力により動作し、目標電圧生成回路170は、制御電源回路160が供給した制御電力から、目標電圧を生成する。制御電源回路160は、負荷電流の目標値が0である場合に、直流電源回路110と目標電圧生成回路170とに対して制御電源を供給しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フィードバック制御により定電流動作をする電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードのように定電流駆動すべき負荷を持つ負荷回路に電力を供給する電源装置において、負荷を流れる負荷電流の値を測定し、測定した結果をフィードバックして、生成する電力を調整することにより、定電流源として動作する電源装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−234414号公報
【特許文献2】特開2005−142137号公報
【特許文献3】特開2004−319583号公報
【特許文献4】特開平7−20953号公報
【特許文献5】特開2010−28951号公報
【特許文献6】特開2005−168169号公報
【特許文献7】特開2009−189158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フィードバック制御には、必然的に制御の遅れが伴う。負荷電流はすぐに目標値にならず、例えば、オーバーシュート・アンダーシュートを繰り返して、徐々に目標値に収束する。
負荷が発光ダイオードのような光源である場合、オーバーシュート時に一瞬だけ閃光を発するように見える。また、オーバーシュートによって発生した過電流により、負荷が故障する可能性がある。
この発明は、例えば上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な構成で、閃光や故障の発生を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明にかかる電源装置は、
負荷回路に供給する直流電力を生成する直流電源回路と、
上記負荷回路を流れる負荷電流を検出して、検出した負荷電流の電流値に比例する電圧値を有する負荷電流検出電圧を生成する負荷電流検出回路と、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値に基づいて、目標電圧を生成する目標電圧生成回路と、
上記負荷電流検出回路が生成した負荷電流検出電圧の電圧値と上記目標電圧生成回路が生成した目標電圧の電圧値とを比較して、どちらが大きいかを示す帰還信号を生成する帰還信号生成回路と、
制御電力を生成し、生成した制御電力を上記直流電源回路と上記目標電圧生成回路とに対して供給する制御電源回路とを有し、
上記直流電源回路は、上記帰還信号生成回路が生成した帰還信号を入力し、入力した帰還信号に基づいて、上記負荷電流検出電圧が上記目標電圧より大きい場合、生成する直流電力を小さくし、上記負荷電流検出電圧が上記目標電圧より小さい場合、生成する直流電力を大きくし、
上記直流電源回路は、上記制御電源回路が供給した制御電力により動作し、
上記目標電圧生成回路は、上記制御電源回路が供給した制御電力から、上記目標電圧を生成し、
上記制御電源回路は、上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が0である場合に、上記直流電源回路と上記目標電圧生成回路とに対して制御電源を供給しないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
この発明にかかる電源装置によれば、上記制御電源回路は、上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が0である場合に、上記直流電源回路と上記目標電圧生成回路とに対して制御電源を供給しないので、消費電力、特に、待機時の消費電力(待機電力)を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施の形態1における照明器具800の構造の一例を示す側面視断面図。
【図2】実施の形態1における電源装置100の機能ブロックの構成の一例を示すブロック構成図。
【図3】実施の形態1における電源装置100の具体的な回路構成の一例を示す回路図。
【図4】実施の形態1における電源装置100の各部の電圧などの波形の一例を示す波形図。
【図5】比較例における電流の波形の一例を示す波形図。
【図6】実施の形態1における電源装置100の電流波形の一例を示す波形図。
【図7】実施の形態2における電源装置100の各部の電圧の波形の一例を示す波形図。
【図8】実施の形態2における電源装置100の各部の電圧などの波形の一例を示す波形図。
【図9】実施の形態2における電源装置100の各部の電圧などの波形の別の例を示す波形図。
【図10】実施の形態2における電源装置100の各部の電圧などの波形の更に別の例を示す波形図。
【図11】実施の形態3における電源装置100の具体的な回路構成の一例を示す回路図。
【図12】実施の形態3における電源装置100の各部の電圧などの波形の一例を示す波形図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図5を用いて説明する。
【0009】
図1は、この実施の形態における照明器具800の構造の一例を示す側面視断面図である。
照明器具800は、本体810、コネクタ821、電源線822、電源装置100、配線823、光源基板831、光源832を有する。
【0010】
光源832は、直流電力により点灯する電気的光源である。光源832は、例えば、発光ダイオード素子(以下「LED」と呼ぶ。)である。光源832は、光源基板831に実装されている。光源832の数は、1個でもよいし、2個以上でもよい。光源832が2個以上である場合、光源832は、例えば、互いに直列に電気接続されている。
光源基板831は、本体810の発光面側(この例では下側)に装着されている。光源基板831には、印刷などにより、光源832の間を接続する配線が設けられている。光源基板831には、光源832以外の部品が実装されていてもよい。以下、光源832など光源基板831に実装された部品や光源基板831に設けられた配線により構成される回路を「光源回路830」と呼ぶ。
【0011】
コネクタ821は、商用電源などの交流電源AC(例えば、実効値100〜242ボルト[V]、周波数50〜60ヘルツ[Hz])に接続される。コネクタ821は、接続された交流電源ACから交流電力を入力する。
電源線822は、コネクタ821と電源装置100との間を接続する。電源線822は、コネクタ821が入力した交流電力を、電源装置100に供給する。
【0012】
電源装置100(LED点灯装置)は、本体810の内部に収納されている。電源装置100は、入力した交流電力を変換して、光源回路830(負荷回路)に供給する直流電力(負荷電力)を生成する。
配線823は、電源装置100と光源回路830との間を接続する。配線823は、電源装置100が生成した直流電力を、光源回路830に供給する。
【0013】
図2は、この実施の形態における電源装置100の機能ブロックの構成の一例を示すブロック構成図である。
電源装置100は、直流電源回路110、負荷電流検出回路140、目標電圧生成回路170、帰還信号生成回路180を有する。
【0014】
直流電源回路110は、交流電源ACやその他の電源から入力した電力を変換して、光源回路830に供給する直流電力を生成する。光源回路830に直流電源回路110が生成した直流電力が供給されることにより、光源回路830には、直流電流(負荷電流)が流れる。
【0015】
負荷電流検出回路140は、光源回路830を流れている直流電流を検出し、検出した電流の電流値に比例する電圧値を有する電圧(以下「負荷電流検出電圧」と呼ぶ。)を生成する。
【0016】
目標電圧生成回路170は、光源回路830を流れる直流電流の目標値を指示する信号(以下「目標指示信号」と呼ぶ。)を入力する。目標電圧生成回路170は、入力した目標指示信号が指示する目標値に基づいて、目標電圧を生成する。目標電圧とは、負荷電流検出回路140が生成した負荷電流検出電圧と比較することにより、光源回路830を流れている直流電流が、目標値より大きいか小さいかを判定するための基準となる電圧である。目標電圧生成回路170は、原則として、光源回路830を流れる直流電流の電流値が目標値に一致した場合に負荷電流検出回路140が生成する負荷電流検出電圧の電圧値と等しい電圧値を有する目標電圧を生成する。
【0017】
帰還信号生成回路180は、負荷電流検出回路140が生成した負荷電流検出電圧の電圧値と、目標電圧生成回路170が生成した目標電圧の電圧値とを比較して、どちらが大きいかを示す信号(以下「帰還信号」と呼ぶ。)を生成する。
【0018】
直流電源回路110は、帰還信号生成回路180が生成した帰還信号を入力する。直流電源回路110は、入力した帰還信号に基づいて、生成する直流電力を調整する。
負荷電流検出電圧のほうが目標電圧より大きい場合は、光源回路830を流れている直流電流の電流値が目標値より大きいということなので、直流電源回路110は、生成する直流電力を小さくする。これにより、光源回路830を流れる直流電流が減少し、目標値に近づく。
逆に、負荷電流検出電圧のほうが目標電圧より小さい場合は、光源回路830を流れている直流電流の電流値が目標値より小さいということなので、直流電源回路110は、生成する直流電力を大きくする。これにより、光源回路830を流れる直流電流が増加し、目標値に近づく。
【0019】
光源832がLEDである場合、光源回路830の両端電圧のわずかな変化によって、光源回路830を流れる電流が大きく変化する。このため、直流電源回路110が生成する直流電力を調整すると、光源回路830を流れる直流電流だけが変化し、光源回路830の両端電圧はほとんど変化しないように見える。
【0020】
電源装置100は、このようなフィードバック制御により、光源回路830を流れる直流電流の電流値を目標値に一致させる。これにより、電源装置100は、定電流源として機能する。
【0021】
目標指示信号が指示する目標値が変化した場合、フィードバック制御の特性により、一時的に、光源回路830を流れる直流電流の電流値が目標値に一致しない期間が発生する。
【0022】
特に、目標値が大きくなった場合、オーバーシュートによる過電流が流れるのを防ぐため、目標電圧生成回路170は、目標値に追随してすぐに目標電圧を高くするのではなく、所定の時間が経過するまでの間は、目標値に対応する値よりも低い電圧値を有する目標電圧を生成し、その後、目標値に対応する電圧値の目標電圧を生成する。例えば、目標電圧生成回路170は、目標電圧の電圧値の増加率が所定の増加率を超えないよう、徐々に目標電圧を高くする。増加率とは、単位時間当たりの変化量のことである。増加率は、時間微分、もしくは、横軸に時間を取ったグラフの傾きといってもよい。これにより、目標電圧は、目標値の変化より遅れて、ゆっくりと大きくなる。
なお、目標値が大きくなった場合には、照明器具800の電源が切断されるなどして消灯している状態から、照明器具800の電源が入るなどして点灯状態に変わる場合も含まれる。
【0023】
図3は、この実施の形態における電源装置100の具体的な回路構成の一例を示す回路図である。
電源装置100は、上述した構成に加えて、更に、調光信号入力回路150、調光信号入力部250、制御電源回路160を有する。また、電源装置100は、マイコン200を有する。
【0024】
マイコン200は、図示していない処理装置、記憶装置、入力装置、出力装置を有する。
処理装置は、記憶装置が記憶したプログラムを実行することにより、データを処理し、マイコン200全体を制御する。
記憶装置は、処理装置が実行するプログラムや、処理装置が処理するデータを記憶する。
入力装置は、マイコン200の外部からアナログ信号やデジタル信号を入力し、入力した信号を処理装置が処理できる形式のデータに変換する。入力装置が変換したデータは、処理装置が直接処理してもよいし、記憶装置が記憶してもよい。
出力装置は、処理装置が処理したデータや、記憶装置が記憶したデータを、アナログ信号やデジタル信号に変換し、変換した信号をマイコン200の外部に出力する。
マイコン200は、制御電源回路160が生成した制御電源電力により動作する。マイコン200は、記憶装置が記憶したプログラムを処理装置が実行することにより、以下に説明する調光信号入力部250、電源信号生成部260、矩形波信号生成部270などの機能ブロックを実現する。
【0025】
なお、調光信号入力部250、電源信号生成部260、矩形波信号生成部270などの機能ブロックは、マイコン200ではなく、電子素子や集積回路などにより構成されたアナログ回路やデジタル回路などの電子回路により実現する構成であってもよいし、機械的構成など電気的構成以外の構成により実現する構成であってもよい。
【0026】
直流電源回路110は、整流回路111、力率改善回路112、制御IC117、平滑コンデンサC24、降圧回路113、制御IC118、平滑コンデンサC34を有する。
【0027】
整流回路111は、交流電源ACから入力した交流電力を整流して、電圧波形を脈流にする。整流回路111は、例えば、ダイオードブリッジDB1を有する。ダイオードブリッジDB1は、4個のダイオードをブリッジ接続した回路である。ダイオードブリッジDB1は、入力した交流電力を全波整流する。
【0028】
力率改善回路112は、電源装置100が入力する交流電力の電流波形を電圧波形に近い形にして、電源装置100の力率を1に近づける。力率改善回路112は、例えば、チョークコイルL21(第一インダクタ)、スイッチング素子Q22、ダイオードD23により構成される昇圧チョッパ回路を有する。
制御IC117は、スイッチング素子Q22を高周波でオンオフする制御信号を生成する。制御IC117は、図示していない検出回路により、力率改善回路112の入力電圧、出力電圧、入力電流などを検出し、電源装置100の力率が1に近づくよう、スイッチング素子Q22をオンオフするタイミングを調整する。また、制御IC117は、力率改善回路112の出力電圧が所定の電圧値(例えば400V)になるよう、スイッチング素子Q22をオンオフするタイミングを調整する。制御IC117は、制御電源生成回路161から供給される電力(以下「制御電源電力」と呼ぶ。)により動作する。
平滑コンデンサC24は、力率改善回路112の出力電圧を平滑化して、ほぼ一定の電圧値の直流電圧にする。
なお、力率改善回路112はなくてもよい。その場合、整流回路111が整流した脈流を、平滑コンデンサC24が平滑化して、ほぼ一定の電圧値の直流電圧を生成する。
【0029】
降圧回路113(直流直流変換回路)は、力率改善回路112の出力電圧を、光源回路830に印加する電圧値まで降圧する。降圧回路113は、例えば、スイッチング素子Q31、駆動回路114、還流ダイオードD32、チョークコイルL33(第二インダクタ)により構成される降圧チョッパ回路を有する。
制御IC118は、スイッチング素子Q31を高周波でオンオフする制御信号(ゲート信号)を生成する。駆動回路114は、制御IC118が生成した制御信号を電圧シフトして、スイッチング素子Q31を駆動する駆動信号に変換する。駆動回路114は、例えば、パルストランスやフォトカプラなどを用いて構成される。制御IC118は、帰還信号生成回路180が生成した帰還信号に基づいて、スイッチング素子Q31をオンオフするタイミングを調整することにより、直流電源回路110が生成する直流電力を調整する。スイッチング素子Q31をオンしている期間の割合(オンデューティ)が大きければ、直流電源回路110が生成する直流電力は大きくなる。逆に、スイッチング素子Q31をオンしている期間の割合が小さければ、直流電源回路110が生成する直流電力は小さくなる。制御IC118は、制御電源生成回路161から供給される制御電源電力により動作する。
なお、降圧回路113は、例えばフライバックコンバータなど他の直流直流変換回路であってもよい。
平滑コンデンサC34は、降圧回路113の出力電圧を平滑化して、ほぼ一定の電圧値の直流電圧にする。
【0030】
負荷電流検出回路140は、電流検出抵抗R41、抵抗R42、コンデンサC43を有する。
電流検出抵抗R41は、直流電源回路110のうち、平滑コンデンサC34を充電する電流が流れる経路に挿入されている。電流検出抵抗R41の両端には、平滑コンデンサC34を充電する電流の電流値に比例する電圧値の電圧が発生する。
電流検出抵抗R41が検出する電流は、時刻により変化する。光源回路830を流れる直流電流の電流値は、電流検出抵抗R41が検出した電流の平均値である。
抵抗R42及びコンデンサC43は、積分回路を構成する。抵抗R42及びコンデンサC43により構成される積分回路は、電流検出抵抗R41の両端に発生した電圧の高周波成分を除去し、低周波成分及び直流成分を抽出する。
負荷電流検出回路140は、抵抗R42及びコンデンサC43により構成される積分回路が抽出した電圧を、負荷電流検出電圧として出力する。これにより、負荷電流検出電圧の電圧値は、電流検出抵抗R41の両端に発生した電圧の平均値となるから、負荷電流検出電圧の電圧値は、光源回路830を流れる直流電流の電流値に比例する。
【0031】
調光信号入力回路150は、外部から調光信号を入力する。調光信号は、目標指示信号の一例である。調光信号は、例えば調光コントローラ850が生成する。調光コントローラ850は、例えばボリュームやリモコンなどにより、利用者が望む調光率を入力する。調光コントローラ850は、入力した調光率にしたがって、調光信号を生成する。調光信号は、例えば、パルス幅変調された信号(以下「PWM信号」と呼ぶ。)である。調光信号は、例えば、オンデューティが100%のとき消灯指示を表わし、オンデューティが所定の範囲内のとき、オンデューティが小さいほど明るい調光率での点灯指示を表わす。調光信号は、調光コントローラ850と調光信号入力回路150との間を接続する専用の信号線により伝達される構成であってもよいし、他の信号線(例えば電源線822)を介して伝達される構成であってもよい。あるいは、調光信号は、有線接続ではなく、赤外線や電波を用いた無線通信により伝達される構成であってもよい。
調光信号入力回路150は、例えば、フォトカプラPC1、プルアップ抵抗R51を有する。フォトカプラPC1は、調光コントローラ850から入力した調光信号を、電気的に絶縁しつつ、調光信号入力部250に伝達する。フォトカプラPC1は、光学的に結合したLEDとフォトトランジスタとを内蔵している。LEDが点灯すると、フォトトランジスタがオンになり、調光信号入力回路150が出力する信号の電位が低電位になる。LEDが消灯すると、フォトトランジスタがオフになり、調光信号入力回路150が出力する信号の電位が高電位になる。調光信号入力回路150は、入力した調光信号に対して極性の反転した信号を出力する。
【0032】
調光信号入力部250は、調光信号入力回路150が入力した調光信号を、処理装置が処理できるデータ(以下「調光データ」と呼ぶ。)に変換する。
調光信号入力部250は、処理装置が入力装置を制御することにより、調光信号入力回路150が伝達した調光信号を入力する。調光信号入力部250は、処理装置がデータを処理することにより、入力した調光信号が表わす調光率を算出する。調光信号入力部250は、処理装置がデータを処理することにより、算出した調光率を表わす調光データを生成する。調光信号入力部250は、処理装置が記憶装置を制御することにより、生成した調光データを記憶装置に記憶する。
【0033】
制御電源回路160は、制御電源生成回路161、電源信号生成部260、スイッチング回路162、降圧回路163を有する。
【0034】
制御電源生成回路161は、例えば、力率改善回路112が出力した直流電力の一部を変換して、制御IC117,118などを動作させる制御電源電力を生成する。制御電源生成回路161は、例えば、平滑コンデンサC24に充電された直流電圧を、制御IC117,118などを動作させる直流電圧(例えば15V)まで降圧する。制御電源生成回路161は、降圧した電圧値を有する制御電源電力を出力する。制御電源生成回路161は、例えば、降圧チョッパ回路である。あるいは、制御電源生成回路161は、ツェナーダイオードなどの定電圧ダイオードや三端子レギュレータなどを用いた定電圧源回路であってもよい。
【0035】
降圧回路163は、制御電源生成回路161が生成した制御電源電力の一部を変換して、マイコン200を動作させるマイコン用制御電源電力を生成する。降圧回路163は、制御電源生成回路161が生成した制御電源電力の直流電圧(例えば15V)を更に降圧して、マイコン200を動作させる直流電圧(例えば5V)にする。降圧回路163は、例えば、ツェナーダイオードなどの定電圧ダイオードや三端子レギュレータなどを用いた定電圧源回路である。
なお、マイコン200の電源電圧と、制御IC117,118の電源電圧とが等しい場合は、降圧回路163をなくし、制御電源生成回路161が出力した制御電源電力を、電源としてマイコン200が直接入力する構成であってもよい。
【0036】
電源信号生成部260(電源信号生成回路)は、電源信号を生成する。電源信号は、制御電源生成回路161が生成した制御電源電力を、制御IC117,118に供給するか否かを表わす。電源信号生成部260は、調光信号入力回路150が入力した調光信号が消灯を表わす場合、制御電源電力を供給しないことを表わす電源信号を生成する。電源信号生成部260は、調光信号がなんらかの調光率での点灯を表わす場合、制御電源電力を供給することを表わす電源信号を生成する。電源信号は、例えば、高電位の場合、制御電源電力を供給することを表わし、低電位の場合、制御電源電力を供給しないことを表わす。
電源信号生成部260は、処理装置が記憶装置を処理することにより、調光信号入力部250が生成した調光データを記憶装置から読み出す。電源信号生成部260は、処理装置がデータを処理することにより、読み出した調光データが消灯を表わすか否かを判定する。電源信号生成部260は、判定した結果に基づいて、処理装置が出力装置を制御することにより、電源信号を生成し、生成した電源信号を出力する。
【0037】
スイッチング回路162は、制御電源生成回路161と、制御IC117,118との間に介在する。スイッチング回路162は、電源信号生成部260が生成した電源信号を入力する。スイッチング回路162は、入力した電源信号に基づいて、制御電源生成回路161と制御IC117,118との間を接続あるいは遮断する。スイッチング回路162が制御電源生成回路161と制御IC117,118との間を接続すると、制御電源生成回路161が生成した制御電源電力が制御IC117,118に供給される。逆に、スイッチング回路162が制御電源生成回路161と制御IC117,118との間を遮断すると、制御電源電力が制御IC117,118に供給されない。
スイッチング回路162は、例えば、スイッチング素子Q61、抵抗R62、抵抗R63、スイッチング素子Q64を有する。スイッチング素子Q61は、例えば、NPN型バイポーラトランジスタである。スイッチング素子Q61は、電源信号生成部260が生成した電源信号を入力する。スイッチング素子Q61は、入力した電源信号が高電位の場合オンになり、電源信号が低電位の場合オフになる。スイッチング素子Q64は、例えば、エンハンスメント型pMOS電界効果トランジスタである。スイッチング素子Q61がオンのとき、抵抗R62及び抵抗R63を電流が流れ、抵抗R63の両端に電圧が発生して、スイッチング素子Q64がオンになる。スイッチング素子Q61がオフのとき、抵抗R62及び抵抗R63を電流が流れず、抵抗R63の両端電圧が0になるので、スイッチング素子Q64がオフになる。スイッチング素子Q64がオンになると、制御電源生成回路161と制御IC117,118との間が接続して、制御電源電力が制御IC117,118に供給される。スイッチング素子Q64がオフになると、制御電源生成回路161と制御IC117,118との間が遮断され、制御電源電力が制御IC117,118に供給されない。
【0038】
目標電圧生成回路170は、矩形波電圧生成回路171、積分回路172を有する。
【0039】
矩形波電圧生成回路171は、調光信号入力回路150が入力した調光信号が指示する調光率に対応するデューティ比を有する矩形波電圧を生成する。矩形波電圧生成回路171が生成する矩形波電圧は、矩形波電圧の一周期の長さ(例えば5マイクロ秒〜20マイクロ秒)に対する、矩形波電圧が高電位である期間の長さの比が、調光率に対応する。矩形波電圧生成回路171は、例えば、矩形波信号生成部270、スイッチング素子Q71、抵抗R72を有する。
【0040】
矩形波信号生成部270(矩形波信号生成回路)は、調光信号入力回路150が入力した調光信号が表わす調光率に対応するデューティ比を有する矩形波信号を生成する。矩形波信号生成部270が生成する矩形波信号は、矩形波電圧と極性が逆である。すなわち、矩形波信号は、矩形波信号の一周期の長さに対する、矩形波信号が低電位である期間の長さの比が、調光率に対応する。
矩形波信号生成部270は、処理装置が記憶装置を制御することにより、調光信号入力部250が生成した調光データを記憶装置から読み出す。矩形波信号生成部270は、処理装置が出力装置を制御することにより、読み出した調光データが表わす調光率に対応するデューティ比を有する矩形波信号を生成し、出力する。
【0041】
スイッチング素子Q71は、例えば、NPN型バイポーラトランジスタである。スイッチング素子Q71は、エミッタ端子が電源装置100内のグランド配線に接続している。スイッチング素子Q71は、ベース端子が矩形波信号生成部270の出力に接続している。スイッチング素子Q71は、矩形波信号生成部270が出力した矩形波信号を入力する。スイッチング素子Q71は、入力した矩形波信号が高電位の場合にオンになり、矩形波信号が低電位の場合にオフになる。
抵抗R72は、一方の端子がスイッチング回路162を介して制御電源生成回路161に接続している。もう一方の端子は、スイッチング素子Q71のコレクタ端子に接続している。
矩形波電圧生成回路171は、スイッチング素子Q71のコレクタ−エミッタ間に発生する電圧を、矩形波電圧として出力する。スイッチング素子Q71がオンのとき、矩形波電圧生成回路171が生成する矩形波電圧は、低電位になる。スイッチング素子Q71がオフのとき、スイッチング回路162がオンであれば、矩形波電圧生成回路171が生成する矩形波電圧は、高電位になる。スイッチング素子Q71がオフでも、スイッチング回路162がオフであれば、矩形波電圧生成回路171が生成する矩形波電圧は、低電位になる。
したがって、矩形波電圧生成回路171は、スイッチング回路162がオンのとき、矩形波信号生成部270が生成した矩形波信号と逆極性の矩形波電圧を生成し、スイッチング回路162がオフのときは、矩形波電圧を生成しない。
【0042】
積分回路172は、矩形波電圧生成回路171が生成した矩形波電圧を積分して、目標電圧を生成する。積分回路172は、矩形波電圧生成回路171が生成した矩形波電圧の高周波成分を除去し、低周波成分及び直流成分を抽出する。これにより、積分回路172は、矩形波電圧の瞬時値の平均値を電圧値とする目標電圧を生成する。
積分回路172は、例えば、抵抗R73、コンデンサC74を有する。スイッチング素子Q71がオンのとき、抵抗R73を介してコンデンサC74を放電する電流が流れる。スイッチング素子Q71がオフのとき、2つの抵抗R72,R73を介してコンデンサC74を充電する電流が流れる。積分回路172は、コンデンサC74の両端に発生する電圧を、目標電圧として出力する。
【0043】
帰還信号生成回路180は、誤差増幅器A81を有する。誤差増幅器A81は、例えばオペアンプである。誤差増幅器A81は、負荷電流検出回路140が生成した負荷電流検出電圧と、目標電圧生成回路170が生成した目標電圧との差を増幅して、帰還信号とする。
【0044】
図4は、この実施の形態における電源装置100の各部の電圧などの波形の一例を示す波形図である。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、調光率及びデューティ比及び電圧値及び電流値を示す。
実線501は、電源装置100が入力する調光信号が指示する調光率を示す。実線502は、矩形波信号生成部270が生成する矩形波信号のデューティ比を示す。実線503は、積分回路172が生成する目標電圧の電圧値を示す。実線505は、光源回路830を流れる直流電流の電流値を示す。
破線511は、調光率100%を示す。破線512は、調光率100%に対応する矩形波信号のデューティ比を示す。破線513は、調光率100%に対応する目標電圧の電圧値を示す。破線514は、目標電圧の増加率の上限を示す。破線515は、負荷電流検出回路140が生成する負荷電流検出電圧と積分回路172が生成する目標電圧とが一致する場合に光源回路830を流れる直流電流の電流値を示す。
【0045】
時刻tより前において、調光信号は、調光率0%(消灯)を指示している。これにしたがって、矩形波信号生成部270は、デューティ比0%の矩形波信号を生成する。なお、矩形波信号生成部270が生成する矩形波信号は負論理なので、矩形波信号生成部270は、高電位を継続する信号を、デューティ比0%の矩形波信号として生成する。スイッチング素子Q71は、継続してオンになるから、コンデンサC74は充電されず、コンデンサC74の両端電圧は0になる。すなわち、積分回路172は、電圧値が0の目標電圧を生成する。これにより、光源回路830には、電流が流れず、光源832は、消灯している。
【0046】
時刻tから時刻tまでの間、調光信号は、調光率100%での点灯を指示している。矩形波信号生成部270は、調光率100%に対応するデューティ比(例えば100%)の矩形波信号を生成する。
矩形波信号が低電位の間、スイッチング素子Q71はオフになり、コンデンサC74は、制御電源生成回路161が生成した制御電源電力により、抵抗R72及び抵抗R73を介して充電される。矩形波信号が高電位になると、スイッチング素子Q71がオンになり、コンデンサC74は、抵抗R73及びスイッチング素子Q71を介して放電する。
【0047】
制御電源生成回路161が生成する制御電源電力の電圧値をVCC、抵抗R72の抵抗値をR、抵抗R73の抵抗値をR、コンデンサC74の静電容量をC、コンデンサC74の両端電圧をvとすると、スイッチング素子Q71がオフのとき、
【数11】

スイッチング素子Q71がオンのとき、
【数12】

ただし、tは時刻、v(0)はt=0のときのコンデンサC74の両端電圧、expは自然対数の底(ネイピア数)を底とする指数関数を示す。
【0048】
したがって、コンデンサC74の両端電圧vの増加率は、スイッチング素子Q71がオフ、t=0、v=0のとき最大となり、その値は、
【数13】

積分回路172は、この式に示した値を超えない増加率で、目標電圧の電圧値を増加させる。時刻tにおいて、積分回路172が生成する目標電圧の電圧値は、調光率100%に対応する値に達する。
【0049】
フィードバック制御に伴う遅れがなければ、光源回路830を流れる直流電流の電流値を示す実線505は、破線515と一致する。しかし、実際には、フィードバック制御に伴う遅れがあるので、光源回路830を流れる直流電流の電流値は、目標電圧の変化よりも遅れて変化する。フィードバックループの伝達特性にもよるが、光源回路830を流れる直流電流の電流値は、例えばオーバーシュート(時刻t,t,t,…)・アンダーシュート(時刻t,t,…)を繰り返しながら、目標電圧の電圧値に対応する値に収束していく。
【0050】
最初のオーバーシュートのピークである時刻tにおいて、目標電圧生成回路170が生成する目標電圧の電圧値は、調光率100%に対応する値に達していない。このため、光源回路830を流れる直流電流の電流値は、目標電圧に対応する値よりは大きいものの、調光率100%のとき光源回路830を流れるべき直流電流の電流値よりも小さい。
その後、オーバーシュート・アンダーシュートの振幅は、徐々に小さくなっていく。このため、オーバーシュートのピーク時(時刻t,t,t,…)に光源回路830を流れる電流は、調光率100%のとき光源回路830を流れるべき電流を大きく上回ることはない。
そして、目標電圧の電圧値が調光率100%に対応する値に達する時刻tの頃には、オーバーシュート・アンダーシュートがほとんどなくなり、光源回路830には、調光率100%のときに流れるべき電流値の電流が流れる。
したがって、光源832が一瞬明るく光る閃光現象や過電流による故障の発生を防ぐことができる。
【0051】
時刻tより後において、調光信号は、再び調光率0%(消灯)を指示している。これにしたがって、矩形波信号生成部270は、デューティ比0%の矩形波信号を生成する。スイッチング素子Q71は、継続してオンになり、コンデンサC74は放電される。
コンデンサC74の両端電圧の減少率(増加率の符号を反転したもの)は、t=0、v=VCCのとき最大となり、その値は、
【数14】

積分回路172は、この式に示した値を超えない減少率で、調光率0%に対応する値(0)に達するまで、目標電圧の電圧値を減少させる。
【0052】
数13と比較すると、積分回路172が生成する目標電圧の減少率の最大値は、増加率の最大値よりも大きい。このことは、光源回路830を流れる直流電流に、調光率を下げたとき発生するアンダーシュート・オーバーシュートの振幅が、調光率を上げたときよりも大きくなることを意味する。しかし、直流電源回路110が生成する直流電力の電圧値が0を下回ることはないから、光源回路830を流れる直流電流の電流値が0を下回る(すなわち、逆方向に電流が流れる)ことはない。
【0053】
図5は、比較例における電流の波形の一例を示す波形図である。
比較のため、時刻tにおいて、目標電圧生成回路170が生成する目標電圧の電圧値が、調光率の変化にすぐに追随して、調光率100%に対応する値に変化した場合を示す。
実線506は、比較例における光源回路830を流れる直流電流の電流値を示す。破線516は、調光率100%のとき光源回路830を流れるべき直流電流の電流値を示す。
【0054】
この図に示すように、目標電圧生成回路170が生成する目標電圧の電圧値が調光率の変化にすぐに追随して変化すると、フィードバック制御の遅れに伴うオーバーシュート・アンダーシュートの振幅が非常に大きくなる可能性がある。このため、オーバーシュートのピーク時に、光源832が非常に明るく点灯する閃光現象が発生したり、場合によっては、過電流により光源832が破壊するなどの故障が発生したりする可能性がある。
【0055】
これに対し、この実施の形態における電源装置100は、目標電圧生成回路170が所定の増加率よりも低い増加率で目標電圧の電圧値を増加させるので、オーバーシュートのピークを小さくすることができ、閃光現象や故障の発生を防ぐことができる。
【0056】
また、目標電圧の増加率の最大値を小さくして、目標電圧の電圧値が調光率に対応する値に達するまでにかかる時間を(例えば数秒程度に)延ばせば、照明器具800にフェードインの効果を付与することができる。具体的には、例えば、抵抗R72の抵抗値R、抵抗R73の抵抗値R、あるいはコンデンサC74の静電容量Cを大きくすれば、数13に示した増加率の最大値が小さくなる。
【0057】
また、増加率の最大値と同じように、目標電圧の減少率の最大値を小さくすることにより、照明器具800にフェードアウトの効果を付与することもできる。具体的には、例えば、抵抗R72の抵抗値Rと比較して抵抗R73の抵抗値Rを非常に大きくすれば、目標電圧の減少率の最大値は、目標電圧の増加率の最大値とほぼ同じになる。
【0058】
図6は、この実施の形態における電源装置100の電流波形の一例を示す波形図である。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、電流値を示す。
図4と同様、実線505は、光源回路830を流れる直流電流の電流値を示す。破線515は、負荷電流検出回路140が生成する負荷電流検出電圧と積分回路172が生成する目標電圧とが一致する場合に光源回路830を流れる直流電流の電流値を示す。
【0059】
この図は、目標電圧の増加率の最大値及び目標電圧の減少率の最大値を小さくした場合を示す。
このように、目標電圧の増加率の最大値及び目標電圧の減少率の最大値を小さくすることにより、オーバーシュート・アンダーシュートの振幅が小さくなる。また、点灯時は、光源832が徐々に明るくなって点灯するフェードインの効果を生じる。また、消灯時は、光源832が徐々に暗くなって消灯するフェードアウトの効果を生じる。
【0060】
LEDを点灯または消灯させる際のフェードイン、フェードアウトは、マイコンによって制御をしてもよい。この場合、フェードイン(またはフェードアウト)の変化量を一定にして、時間が経過するにつれ、ほぼ直線状に明るさを変化する。
なお、看者の視覚的な特性として、変化量を一定に変化させると、低照度のとき、明るさが急激に変化しているように感じる。したがって、例えば、調光度40%よりも低い調光率で明るさを変化させる場合、調光度40%以上の高い調光率で明るさを変化させる変化量よりも緩やかにするとよい。また、看者が視覚的に明るさが一定に変化しているように感じさせるため、明るさの変化特性を曲線(n次関数:nは偶数)としてもよい。
【0061】
電源装置100は、光源832に供給する電流の目標値を設定する目標電圧(目標信号値)を生成するための電源を、制御電源生成回路161からスイッチング回路162を介して供給する。同時に、同じスイッチング回路162を介して、直流電源回路110の動作を制御する制御IC117,118にも電源が供給される。したがって、スイッチング回路162が導通すると、制御IC117,118に電力が供給されるとともに、目標電圧が生成される。このとき、目標電圧は、抵抗・コンデンサからなる時定数回路(積分回路172)を介して供給されるため、スイッチング回路162が導通した直後は、目標電圧の電圧値が徐々に上昇する。これにより、LED点灯開始時の目標電流値は、低く抑えられる。したがって、簡単な回路構成でオーバーシュート電流を低く抑えることができ、電源投入時の閃光の発生及びLEDの最大定格電流オーバーを抑制することができる。
【0062】
以上のように、誤差増幅器A81に供給する目標電圧を生成するための電源を、制御IC117,118と共通化してスイッチング回路162をオンオフ制御する。これにより、スイッチング回路162の制御のみで、光源832(LED)の点灯を開始させると同時に、点灯開始時は、誤差増幅器A81の非反転入力端子に入力される目標電圧の電圧値を低く抑えることができる。これにより、点灯開始時は負荷電流(LED電流)の目標値を小さく設定できる。そのため、点灯直後のフィードバック系の応答速度の遅れにより発生する負荷電流のオーバーシュートを抑制することができる。また、光源832の閃光及び光源832の最大定格電流オーバーを防止することができる。また、単純な回路構成なので、電源装置100を小型・軽量にすることができ、製造コスト・輸送コストなどを削減することができる。さらに、調光コントローラ850から消灯を指示する信号が出力された場合は、制御IC117,118及びスイッチング素子Q71(トランジスタ)のコレクタ端子への電力の供給をスイッチング回路162が遮断する。これにより、消費電力、特に、待機時の消費電力(待機電力)を削減することができる。
【0063】
実施の形態2.
実施の形態2について、図7〜図10を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0064】
この実施の形態における照明器具800の構造、電源装置100の機能ブロックの構成及び具体的回路構成は、実施の形態1で説明したものと同様なので、ここでは説明を省略する。
【0065】
矩形波信号生成部270(矩形波信号生成回路)は、処理装置が出力装置を制御することにより、原則として、調光信号入力回路150が入力した調光信号が指示する調光率に対応するデューティ比を有する矩形波信号を生成する。ただし、調光信号が指示する調光率が高くなった場合、矩形波信号生成部270は、目標値に追随してすぐにデューティ比を高くするのではなく、デューティ比の増加率が所定の増加率を超えないよう、徐々にデューティ比を高くする。
【0066】
図7は、この実施の形態における電源装置100の各部の電圧の波形の一例を示す波形図である。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、電圧を示す。実線507は、矩形波信号生成部270が生成する矩形波信号の電位を示す。破線517は、矩形波信号が高電位のときの電位を示す。実線503は、積分回路172が生成する目標電圧の電圧値を示す。破線518は、積分回路172が生成する目標電圧の電圧値の平均を示す。
【0067】
矩形波信号生成部270が生成する矩形波信号の周期Tは、例えば5マイクロ秒〜20マイクロ秒程度である。このうち、矩形波信号の電位が低電位である期間の長さをtONとすると、矩形波信号のデューティ比は、tON/Tで表わされる。
矩形波信号の電位が低電位である期間では、スイッチング素子Q71がオフになり、コンデンサC74が充電されて、目標電圧の電圧値が増加する。また、矩形波信号の電位が高電位である期間では、スイッチング素子Q71がオンになり、コンデンサC74が放電されて、目標電圧の電圧値が減少する。
矩形波信号の周期Tよりも非常に大きい時間単位(例えば1ミリ秒以上)で見た場合、積分回路172が生成する目標電圧の電圧値は、破線518に一致するとみなしてよい。そこで、破線518の傾きを、目標電圧の増加率とみなす。
【0068】
図8は、この実施の形態における電源装置100の各部の電圧などの波形の一例を示す波形図である。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、調光率及びデューティ比及び電圧値及び電流値を示す。
実線501は、電源装置100が入力する調光信号が指示する調光率を示す。実線502は、矩形波信号生成部270が生成する矩形波信号のデューティ比を示す。実線503は、積分回路172が生成する目標電圧の電圧値を示す。実線505は、光源回路830を流れる直流電流の電流値を示す。
破線511は、調光率100%を示す。破線512は、調光率100%に対応する矩形波電圧のデューティ比を示す。破線519は、デューティ比の増加率の上限を示す。破線513は、調光率100%に対応する目標電圧の電圧値を示す。破線514は、目標電圧の増加率(図7の破線518の傾き)の上限を示す。破線515は、負荷電流検出回路140が生成する負荷電流検出電圧と積分回路172が生成する目標電圧とが一致する場合に光源回路830を流れる直流電流の電流値を示す。
【0069】
時刻tより前において、調光信号は、調光率0%(消灯)を指示している。
時刻tから時刻tまでの間において、調光信号は、調光率100%での点灯を指示している。矩形波信号生成部270は、生成する矩形波信号のデューティ比を、破線519が示す増加率よりも低い増加率で、調光率100%に対応するデューティ比に達するまで、ゆっくりと増加させる。
【0070】
矩形波信号が高電位から低電位に変わる時刻をt=0、矩形波信号が低電位から高電位に変わる時刻をt=tON、矩形波信号が再び高電位から低電位に変わる時刻をt=Tとすると、コンデンサC74の両端電圧v(t)は、
【数15】

この一周期におけるコンデンサC74の両端電圧の平均増加率は、t=TにおけるコンデンサC74の両端電圧v(T)と、t=0におけるコンデンサC74の両端電圧v(0)との差を、周期Tで割ることにより、求められる。
【数16】

だから、
【数17】

【0071】
コンデンサC74の両端電圧の平均増加率は、v(0)が小さいほど大きくなるとともに、tONが大きいほど大きくなる。
矩形波信号生成部270は、調光率が高くなった直後のv(0)が小さい期間において、生成する矩形波信号のデューティ比を小さくして、tONを小さくする。その後、v(0)が大きくなるにつれて、矩形波信号生成部270は、矩形波信号のデューティ比を大きくして、tONを大きくする。これにより、積分回路172が生成する目標電圧の電圧値の増加率は、破線514が示す所定の増加率以下に抑えられる。
その後、時刻tにおいて、積分回路172が生成する目標電圧の電圧値は、調光率100%に対応する値に達する。
【0072】
これにより、フィードバック制御に伴う遅れにより発生するオーバーシュートのピークを小さくすることができ、閃光現象や故障の発生を防ぐことができる。
【0073】
実施の形態1では、目標電圧の増加率・減少率が、抵抗R72の抵抗値R、抵抗R73の抵抗値R、コンデンサC74の静電容量Cによって定まるのに対し、この実施の形態では、矩形波信号のデューティ比の増加率・減少率を変えることにより、目標電圧の増加率・減少率を変えることができ、抵抗値R、抵抗値R、静電容量Cによって定まる増加率・減少率よりも小さくすることができる。
【0074】
したがって、抵抗値R、抵抗値R、静電容量Cによって定まる増加率・減少率が、大きめの値になるよう、抵抗値R、抵抗値R、静電容量Cを設定しておき、矩形波信号生成部270は、必要に応じて、矩形波信号のデューティ比の増加率・減少率を変えることにより、目標電圧の増加率・減少率を変化させる。
例えば、調光信号が指示する調光率が0%から100%に変わった場合は、最もオーバーシュートのピークが大きくなる可能性がある。このため、矩形波信号生成部270は、矩形波信号のデューティ比の増加率を小さくして、目標電圧の増加率を小さくする。
これに対し、例えば、調光信号が指示する調光率が40%から50%に変わった場合など、調光率の増加幅が小さい場合は、オーバーシュートのピークはそれほど大きくならない。また、変化後の調光率が低い場合は、そもそも光源回路830に流すべき電流の目標値が小さいので、オーバーシュートが発生しても、故障の原因となるほどの過電流が流れることはない。このため、矩形波信号生成部270は、矩形波信号のデューティ比の増加率を大きくして、目標電圧の増加率を比較的大きな値にする。これにより、照明器具800の調光率が利用者の指示した調光率になるのにかかる時間を短縮することができる。
また、利用者の操作などにより、フェードインやフェードアウトなどの特殊な照明効果を発生させる指示を受けた場合、矩形波信号生成部270は、矩形波信号のデューティ比の増加率・減少率を小さくして、目標電圧の電圧値が調光率に対応する値に達するまでにかかる時間を延ばし、フェードインやフェードアウトなどの特殊な照明効果を発生させることもできる。
【0075】
このように、矩形波信号生成部270は、所定の時間が経過するまで、積分回路172が生成する目標電圧の電圧値が、調光信号が指示する調光率に対応する値に達するのを遅らせることにより、オーバーシュートのピークを抑えることができるよう、生成する矩形波信号のデューティ比を変化させる。
【0076】
図9は、この実施の形態における電源装置100の各部の電圧などの波形の別の例を示す波形図である。
この例において、矩形波信号生成部270は、生成する矩形波信号のデューティ比を段階的に変化させている。
時刻tにおいて、調光信号が指示する調光率が100%に変化すると、矩形波信号生成部270は、生成する矩形波信号のデューティ比を、調光率100%に対応するデューティ比より小さく、オーバーシュートのピーク時に光源回路830を流れる電流が調光率100%のとき光源回路830を流れるべき電流にほぼ等しくなる程度のデューティ比にする。
時刻tにおいて、矩形波信号生成部270は、生成する矩形波信号のデューティ比を少し大きくし、2回目のオーバーシュートのピーク時に光源回路830を流れる電流が調光率100%のとき光源回路830を流れるべき電流にほぼ等しくなる程度のデューティ比にする。
時刻t10において、矩形波信号生成部270は、生成する矩形波信号のデューティ比を更に大きくし、調光率100%に対応するデューティ比にする。
【0077】
積分回路172が生成する目標電圧の電圧値は、矩形波信号のデューティ比の変化より少し遅れて変化し、時刻tにおいて、調光率100%に対応する値に達する。
【0078】
このように、矩形波信号生成部270は、生成する矩形波信号のデューティ比を段階的に増加させる構成であってもよい。適切なタイミングで矩形波信号のデューティ比を変化させることにより、オーバーシュートのピークを小さくすることができ、閃光現象や故障の発生を防ぐことができる。
【0079】
オーバーシュートのピークを小さくすることができるのであれば、デューティ比の増加率を所定の増加率以下に抑える構成、デューティ比を段階的に増加させる構成に限らず、矩形波信号生成部270は、矩形波信号のデューティ比を増加させたり減少させたりするなど、異なる変化のさせ方で変化させる構成であってもよい。また、矩形波信号生成部270は、矩形波信号のデューティ比だけでなく、周波数を変化させる構成であってもよい。
【0080】
図10は、この実施の形態における電源装置100の各部の電圧などの波形の更に別の例を示す波形図である。
このように、矩形波信号生成部270は、生成する矩形波信号のデューティ比を、単調増加あるいは単調減少させるのではなく、増加させたり減少させたりを繰り返す構成であってもよい。このように、適切なタイミングで矩形波信号を変化させることにより、オーバーシュートのピークを抑えるとともに、光源回路830を流れる電流が目標値に収束するのにかかる時間を短くすることができる。
【0081】
最も適切に矩形波信号を変化させる方法としては、例えば、電源装置100の製造時に、電源装置100のフィードバック特性を測定し、測定したフィードバック特性に基づいて、最も適切に矩形波信号を変化させるプログラムを作成して、マイコン200の記憶装置に記憶させる方法がある。矩形波信号生成部270は、記憶装置が記憶したプログラムを処理装置が実行することにより、生成する矩形波信号のデューティ比や周波数を変化させる。
【0082】
あるいは、電源装置100は、制御履歴に基づいて、最も適切な矩形波信号の変化のさせ方を学習する構成としてもよい。例えば、更に、制御履歴記憶部を設ける。制御履歴記憶部は、処理装置が入力装置を制御することにより、負荷電流検出回路140が生成した負荷電流検出電圧を入力する。制御履歴記憶部は、処理装置がデータを処理することにより、光源回路830を流れた電流の最大値や、光源回路830を流れる電流が目標値に収束するまでにかかった時間などを測定する。制御履歴記憶部は、処理装置が記憶装置を制御することにより、測定した電流の最大値や収束時間を制御履歴として記憶装置に書き込む。矩形波信号生成部270は、複数のパターンで、矩形波信号を変化させる。矩形波信号生成部270は、処理装置が記憶装置を制御することにより、それぞれのパターンに対応して記憶した制御履歴を記憶装置から読み出す。矩形波信号生成部270は、処理装置がデータを処理することにより、どのパターンが最も適切であるかを判定する。矩形波信号生成部270は、例えば、光源回路830を流れる電流の最大値が所定の閾値以下であり、かつ、収束時間が最小となるパターンを、最も適切なパターンであると判定する。矩形波信号生成部270は、収束時間の上限値など所定の条件を満たすパターンが発見できた場合は、それ以降、そのパターンで矩形波信号を変化させる。条件を満たすパターンが発見できなかった場合、矩形波信号生成部270は、最も適切と判定したパターンに基づいて、デューティ比を変化させるタイミングなどのパラメータを少しずつ変化させた複数のパターンを生成する。矩形波信号生成部270は、生成した複数のパターンで、矩形波信号を変化させ、更に適切なパターンを探す。
【0083】
このように、矩形波信号生成部270が生成する矩形波信号を適切なタイミングで変化させることにより、光源回路830を流れる電流のオーバーシュートのピークを抑え、目標値に早く収束させることができる。
【0084】
実施の形態3.
実施の形態3について、図11〜図12を用いて説明する。
なお、実施の形態1及び実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0085】
この実施の形態における照明器具800の構造、電源装置100の機能ブロックの構成は、実施の形態1で説明したものと同様なので、ここでは説明を省略する。
【0086】
図11は、この実施の形態における電源装置100の具体的な回路構成の一例を示す回路図である。
目標電圧生成回路170は、実施の形態1で説明した矩形波電圧生成回路171に代えて、対応電圧生成部275を有する。
【0087】
対応電圧生成部275(対応電圧生成回路)は、調光信号入力回路150が入力した調光信号が指示する調光度に対応する電圧値を有する電圧(以下「対応電圧」と呼ぶ。)を生成する。
マイコン200の図示していない出力装置は、デジタルアナログ変換回路(以下「DAC」と呼ぶ。)を有する。DACは、処理装置による制御に基づいて、データが表わす数値に比例する電圧値の電圧を生成し、マイコン200の外部に出力する。
対応電圧生成部275は、処理装置が記憶装置を制御することにより、調光信号入力部250が生成した調光データを記憶装置から読み出す。対応電圧生成部275は、処理装置がDACを制御することにより、読み出した調光データが表わす調光率に対応する電圧値を有する対応電圧を生成し、出力する。
【0088】
積分回路172は、対応電圧生成部275が生成した対応電圧を積分して、目標電圧を生成する。
【0089】
図12は、この実施の形態における電源装置100の各部の電圧などの波形の一例を示す波形図である。
横軸は、時刻を示す。縦軸は、調光率及び電圧値及び電流値を示す。
実線501は、電源装置100が入力する調光信号が指示する調光率を示す。実線508は、対応電圧生成部275が生成する対応電圧の電圧値を示す。実線503は、積分回路172が生成する目標電圧の電圧値を示す。実線505は、光源回路830を流れる直流電流の電流値を示す。
破線511は、調光率100%を示す。破線520は、調光率100%に対応する対応電圧の電圧値を示す。破線513は、調光率100%に対応する目標電圧の電圧値を示す。破線514は、目標電圧の増加率の上限を示す。破線515は、負荷電流検出回路140が生成する負荷電流検出電圧と積分回路172が生成する目標電圧とが一致する場合に光源回路830を流れる直流電流の電流値を示す。
【0090】
このように、矩形波電圧生成回路171が矩形波電圧を生成する代わりに、対応電圧生成部275が対応電圧を生成し、積分回路172が、矩形波電圧ではなく対応電圧を積分して、目標電圧を生成する構成としても、実施の形態1と同様の目標電圧を生成することができる。
これにより、フィードバック制御に伴う遅れにより発生するオーバーシュートのピークを小さくすることができ、閃光現象や故障の発生を防ぐことができる。
【0091】
実施の形態1の構成は、DACを持たない安価なマイコン200を使用できるので、電源装置100の材料コストを抑えることができる。それに対し、この実施の形態の構成は、マイコン200の外部に接続する部品点数が少なくて済むので、電源装置100の組み立てコストを抑えることができるとともに、信頼性を向上させることができる。
【0092】
また、実施の形態2や実施の形態3で説明した矩形波信号生成部270が生成する矩形波信号のデューティ比と同じように、対応電圧生成部275が生成する対応電圧の電圧値を変化させる構成であってもよい。そうすれば、実施の形態2や実施の形態3で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
【0093】
以上の実施の形態では、
負荷回路に供給する直流電力を生成する直流電源回路と、
上記負荷回路を流れる負荷電流を検出して、検出した負荷電流の電流値に比例する電圧値を有する負荷電流検出電圧を生成する負荷電流検出回路と、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値に基づいて、目標電圧を生成する目標電圧生成回路と、
上記負荷電流検出回路が生成した負荷電流検出電圧の電圧値と上記目標電圧生成回路が生成した目標電圧の電圧値とを比較して、どちらが大きいかを示す帰還信号を生成する帰還信号生成回路とを有し、
上記直流電源回路は、上記帰還信号生成回路が生成した帰還信号を入力し、入力した帰還信号に基づいて、上記負荷電流検出電圧が上記目標電圧より大きい場合、生成する直流電力を小さくし、上記負荷電流検出電圧が上記目標電圧より小さい場合、生成する直流電力を大きくし、
上記目標電圧生成回路は、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が高くなった場合に、所定の時間が経過するまでの間、上記目標値に対応する電圧値よりも小さい電圧値の目標電圧を生成し、上記所定の時間が経過したのち、上記目標値に対応する電圧値の目標電圧を生成し、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値に対応するデューティ比を有する矩形波電圧を生成する矩形波電圧生成回路と、
上記矩形波電圧生成回路が生成した矩形波電圧を積分して、上記目標電圧を生成する積分回路とを有する
ことを特徴とする電源装置を説明した。
【0094】
以上の実施の形態では、
負荷回路に供給する直流電力を生成する直流電源回路と、
上記負荷回路を流れる負荷電流を検出して、検出した負荷電流の電流値に比例する電圧値を有する負荷電流検出電圧を生成する負荷電流検出回路と、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値に基づいて、目標電圧を生成する目標電圧生成回路と、
上記負荷電流検出回路が生成した負荷電流検出電圧の電圧値と上記目標電圧生成回路が生成した目標電圧の電圧値とを比較して、どちらが大きいかを示す帰還信号を生成する帰還信号生成回路とを有し、
上記直流電源回路は、上記帰還信号生成回路が生成した帰還信号を入力し、入力した帰還信号に基づいて、上記負荷電流検出電圧が上記目標電圧より大きい場合、生成する直流電力を小さくし、上記負荷電流検出電圧が上記目標電圧より小さい場合、生成する直流電力を大きくし、
上記目標電圧生成回路は、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が高くなった場合に、所定の時間が経過するまでの間、上記目標値に対応する電圧値よりも小さい電圧値の目標電圧を生成し、上記所定の時間が経過したのち、上記目標値に対応する電圧値の目標電圧を生成し、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が高くなった場合に、所定の時間が経過するまでの間、上記目標値に対応するデューティ比よりも小さいデューティ比の矩形波電圧を生成し、上記所定の時間が経過したのち、上記目標値に対応するデューティ比の矩形波電圧を生成する矩形波電圧生成回路と、
上記矩形波電圧生成回路が生成した矩形波電圧を積分して、上記目標電圧を生成する積分回路とを有することを特徴とする電源装置を説明した。
【0095】
以上の実施の形態では、
負荷回路に供給する直流電力を生成する直流電源回路と、
上記負荷回路を流れる負荷電流を検出して、検出した負荷電流の電流値に比例する電圧値を有する負荷電流検出電圧を生成する負荷電流検出回路と、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値に基づいて、目標電圧を生成する目標電圧生成回路と、
上記負荷電流検出回路が生成した負荷電流検出電圧の電圧値と上記目標電圧生成回路が生成した目標電圧の電圧値とを比較して、どちらが大きいかを示す帰還信号を生成する帰還信号生成回路とを有し、
上記直流電源回路は、上記帰還信号生成回路が生成した帰還信号を入力し、入力した帰還信号に基づいて、上記負荷電流検出電圧が上記目標電圧より大きい場合、生成する直流電力を小さくし、上記負荷電流検出電圧が上記目標電圧より小さい場合、生成する直流電力を大きくし、
上記目標電圧生成回路は、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が高くなった場合に、所定の時間が経過するまでの間、上記目標値に対応する電圧値よりも小さい電圧値の目標電圧を生成し、上記所定の時間が経過したのち、上記目標値に対応する電圧値の目標電圧を生成し、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値に対応する電圧値を有する直流電圧を生成する対応電圧生成回路と、
上記対応電圧生成回路が生成した直流電圧を積分して、上記目標電圧を生成する積分回路とを有することを特徴とする電源装置を説明した。
【0096】
以上の実施の形態では、
負荷回路に供給する直流電力を生成する直流電源回路と、
上記負荷回路を流れる負荷電流を検出して、検出した負荷電流の電流値に比例する電圧値を有する負荷電流検出電圧を生成する負荷電流検出回路と、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値に基づいて、目標電圧を生成する目標電圧生成回路と、
上記負荷電流検出回路が生成した負荷電流検出電圧の電圧値と上記目標電圧生成回路が生成した目標電圧の電圧値とを比較して、どちらが大きいかを示す帰還信号を生成する帰還信号生成回路と、
制御電力を生成し、生成した制御電力を上記直流電源回路と上記目標電圧生成回路とに対して供給する制御電源回路とを有し、
上記直流電源回路は、上記帰還信号生成回路が生成した帰還信号を入力し、入力した帰還信号に基づいて、上記負荷電流検出電圧が上記目標電圧より大きい場合、生成する直流電力を小さくし、上記負荷電流検出電圧が上記目標電圧より小さい場合、生成する直流電力を大きくし、
上記目標電圧生成回路は、上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が高くなった場合に、所定の時間が経過するまでの間、上記目標値に対応する電圧値よりも小さい電圧値の目標電圧を生成し、上記所定の時間が経過したのち、上記目標値に対応する電圧値の目標電圧を生成し、
上記直流電源回路は、上記制御電源回路が供給した制御電力により動作し、
上記目標電圧生成回路は、上記制御電源回路が供給した制御電力から、上記目標電圧を生成し、
上記制御電源回路は、上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が0である場合に、上記直流電源回路と上記目標電圧生成回路とに対して制御電源を供給しないことを特徴とする電源装置を説明した。
【0097】
以上の実施の形態では、
上記電源装置は、更に、制御電力を生成し、生成した制御電力を上記直流電源回路と上記目標電圧生成回路とに対して供給する制御電源回路を有し、
上記直流電源回路は、上記制御電源回路が供給した制御電力により動作し、
上記目標電圧生成回路は、上記制御電源回路が供給した制御電力から、上記目標電圧を生成し、
上記制御電源回路は、上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が0である場合に、上記直流電源回路と上記目標電圧生成回路とに対して制御電源を供給しないことを特徴とする電源装置を説明した。
【0098】
以上の実施の形態では、
負荷回路に供給する直流電力を生成する直流電源回路と、
上記負荷回路を流れる負荷電流を検出して、検出した負荷電流の電流値に比例する電圧値を有する負荷電流検出電圧を生成する負荷電流検出回路と、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値に基づいて、目標電圧を生成する目標電圧生成回路と、
上記負荷電流検出回路が生成した負荷電流検出電圧の電圧値と上記目標電圧生成回路が生成した目標電圧の電圧値とを比較して、どちらが大きいかを示す帰還信号を生成する帰還信号生成回路とを有し、
上記直流電源回路は、上記帰還信号生成回路が生成した帰還信号を入力し、入力した帰還信号に基づいて、上記負荷電流検出電圧が上記目標電圧より大きい場合、生成する直流電力を小さくし、上記負荷電流検出電圧が上記目標電圧より小さい場合、生成する直流電力を大きくし、
上記目標電圧生成回路は、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が高くなった場合に、所定の時間が経過するまでの間、上記目標値に対応する電圧値よりも小さい電圧値の目標電圧を生成し、上記所定の時間が経過したのち、上記目標値に対応する電圧値の目標電圧を生成し、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が低くなった場合に、上記目標電圧を所定の減少率よりも低い減少率で徐々に減少させることを特徴とする電源装置を説明した。
【0099】
以上の実施の形態では、
上記目標電圧生成回路は、上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が低くなった場合に、上記目標電圧を所定の減少率よりも低い減少率で徐々に減少させることを特徴とする電源装置を説明した。
【0100】
以上の実施の形態では、
上記目標電圧生成回路は、上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が高くなった場合に、所定の増加率よりも低い増加率で、生成する目標電圧の電圧値を徐々に増加させることを特徴とする電源装置を説明した。
【0101】
以上の実施の形態では、
上記目標電圧生成回路は、上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値を指示する目標指示信号を入力し、入力した目標指示信号に基づいて、上記目標電圧を生成することを特徴とする電源装置を説明した。
【0102】
以上の実施の形態では、
上記の電源装置と、上記負荷回路として上記電源装置が生成した直流電力の供給を受け、供給された直流電力を光源に印加して、上記光源を点灯する光源回路とを有することを特徴とする照明器具を説明した。
【符号の説明】
【0103】
100 電源装置、110 直流電源回路、111 整流回路、112 力率改善回路、113 降圧回路、114 駆動回路、117,118 制御IC、140 負荷電流検出回路、150 調光信号入力回路、160 制御電源回路、161 制御電源生成回路、162 スイッチング回路、163 降圧回路、170 目標電圧生成回路、171 矩形波電圧生成回路、172 積分回路、180 帰還信号生成回路、200 マイコン、250 調光信号入力部、260 電源信号生成部、270 矩形波信号生成部、275 対応電圧生成部、501〜508 実線、511〜520 破線、800 照明器具、810 本体、821 コネクタ、822 電源線、823 配線、830 光源回路、831 光源基板、832 光源、850 調光コントローラ、A81 誤差増幅器、AC 交流電源、C24,C34 平滑コンデンサ、C43,C74 コンデンサ、D23 ダイオード、D32 還流ダイオード、DB1 ダイオードブリッジ、L21,L33 チョークコイル、PC1 フォトカプラ、Q22,Q31,Q61,Q64,Q71 スイッチング素子、R41 電流検出抵抗、R42,R62,R63,R72,R73 抵抗、R51 プルアップ抵抗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷回路に供給する直流電力を生成する直流電源回路と、
上記負荷回路を流れる負荷電流を検出して、検出した負荷電流の電流値に比例する電圧値を有する負荷電流検出電圧を生成する負荷電流検出回路と、
上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値に基づいて、目標電圧を生成する目標電圧生成回路と、
上記負荷電流検出回路が生成した負荷電流検出電圧の電圧値と上記目標電圧生成回路が生成した目標電圧の電圧値とを比較して、どちらが大きいかを示す帰還信号を生成する帰還信号生成回路と、
制御電力を生成し、生成した制御電力を上記直流電源回路と上記目標電圧生成回路とに対して供給する制御電源回路とを有し、
上記直流電源回路は、上記帰還信号生成回路が生成した帰還信号を入力し、入力した帰還信号に基づいて、上記負荷電流検出電圧が上記目標電圧より大きい場合、生成する直流電力を小さくし、上記負荷電流検出電圧が上記目標電圧より小さい場合、生成する直流電力を大きくし、
上記直流電源回路は、上記制御電源回路が供給した制御電力により動作し、
上記目標電圧生成回路は、上記制御電源回路が供給した制御電力から、上記目標電圧を生成し、
上記制御電源回路は、上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が0である場合に、上記直流電源回路と上記目標電圧生成回路とに対して制御電源を供給しないことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
上記目標電圧生成回路は、上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が低くなった場合に、上記目標電圧を所定の減少率よりも低い減少率で徐々に減少させることを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
上記目標電圧生成回路は、上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値が高くなった場合に、所定の増加率よりも低い増加率で、生成する目標電圧の電圧値を徐々に増加させることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の電源装置。
【請求項4】
上記目標電圧生成回路は、上記負荷回路を流れる負荷電流の目標値を指示する目標指示信号を入力し、入力した目標指示信号に基づいて、上記目標電圧を生成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電源装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電源装置と、上記負荷回路として上記電源装置が生成した直流電力の供給を受け、供給された直流電力を光源に印加して、上記光源を点灯する光源回路とを有することを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−66379(P2013−66379A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−284535(P2012−284535)
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2010−37427(P2010−37427)の分割
【原出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】