説明

電源装置

【課題】入出力端子間に設けられたMOSトランジスタを制御することにより出力電圧を制御する電源装置に関し、逆流電流を大幅に低減することができる電源装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、入出力端子(T1、T2)間にソース−ドレインが接続された出力制御トランジスタ(Tr1)を制御することにより出力電圧を制御する電源装置において、出力制御トランジスタ(Tr1)のバックゲートの電圧を制御することにより出力制御トランジスタ(Tr1)の逆流を防止する出力制御トランジスタ逆流防止回路(113)と、出力制御トランジスタ(Tr1)の周辺トランジスタ(Tr2、Tr13〜Tr15、Tr21)のバックゲート電圧を制御することにより周辺トランジスタ(Tr2、Tr13〜Tr15、Tr21)の逆流を防止する周辺トランジスタ逆流防止回路(114、115)を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源装置に係り、特に、入出力端子間に設けられたMOSトランジスタを制御することにより出力電圧を制御する電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器などに一定の電圧を供給する電源装置としてシリーズレギュレータがある。
【0003】
シリーズレギュレータは、ソース−ドレインが入出力端子間に接続された出力制御用パワーMOS電界効果トランジスタを有し、制御回路により出力電圧を検出し、検出した出力電圧が一定になるように出力制御用トランジスタを制御することにより、出力電圧を一定に保持する電源装置である。
【0004】
このとき、出力制御用パワーMOS電界効果トランジスタの寄生素子を有し、出力端子電圧が入力端子電圧より大きくなるとこの寄生素子がオンして、出力端子から入力端子側に電流が逆流する現象が発生する。このとき、出力制御用パワーMOS電界効果トランジスタのゲート及びバックゲートを入力端子電圧又は出力端子電圧のうち高い方の電圧側に接続することにより逆流を防止していた(例えば、特許文献1、2参照)。
【特許文献1】特開昭63−307510号公報
【特許文献2】特開2004−280704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかるに、従来の電源装置では上記のような防止策を行ったにもかかわらず、出力端子電圧が入力端子電圧より高くなると、数A程度の逆流電流が発生していた。一方、電源装置としては逆流電流を完全になくすことが望まれている。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、逆流電流を大幅に低減することができる電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、入出力端子(T1、T2)間にソース−ドレインが接続された出力制御トランジスタ(Tr1)を制御することにより出力電圧を制御する電源装置において、入出力端電圧を検出する入出力電圧検出回路(115)と、出力制御トランジスタ(Tr1)のバックゲートの電圧を制御することにより出力制御トランジスタ(Tr1)の逆流を防止する第1のバックゲート電圧制御回路(113)と、出力制御トランジスタ(Tr1)の周辺トランジスタ(Tr2、Tr13〜Tr15、Tr21)のバックゲート電圧を制御することにより周辺トランジスタ(Tr2、Tr13〜Tr15、Tr21)の逆流を防止する第2のバックゲート電圧制御回路(114)を有することを特徴とする。
【0008】
また、第2のバックゲート電圧制御回路(114)は、入出力電圧検出回路(115)の検出結果に応じて入出力端子電圧のうちいずれか高い方の電圧を周辺トランジスタ(Tr2、Tr13〜Tr15、Tr21)のバックゲートに印加することを特徴とする。
【0009】
第2のバックゲート電圧制御回路(114)は、ソース−ドレインが直列に接続された第1及び第2のトランジスタ(Tr41、Tr42)を有し、第1の及び第2のトランジスタ(Tr41、Tr42)は、ソース−ドレインの接続点及びバックゲートが周辺トランジスタ(Tr2、Tr13〜Tr15、Tr21)のバックゲートに接続され、ゲートが入出力検出回路(115)に接続され、一方がオンのときに、他方がオフするように制御されることを特徴とする。
【0010】
第2のバックゲート電圧制御回路は、第1のバックゲート電圧制御回路(115)と共有されていることを特徴とする。
【0011】
なお、上記参照符号はあくまでも参考であり、これによって、特許請求の範囲の記載が限定されるものではない。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、入出力端子(T1、T2)間にソース−ドレインが接続された出力制御トランジスタ(Tr1)を制御することにより出力電圧を制御する電源装置において、入出力端電圧を検出する入出力電圧検出回路(115)と、出力制御トランジスタ(Tr1)のバックゲートの電圧を制御することにより出力制御トランジスタ(Tr1)の逆流を防止する第1のバックゲート電圧制御回路(113)と、出力制御トランジスタ(Tr1)の周辺トランジスタ(Tr2、Tr13〜Tr15、Tr21)のバックゲート電圧を制御することにより周辺トランジスタ(Tr2、Tr13〜Tr15、Tr21)の逆流を防止する第2のバックゲート電圧制御回路(114)を設けることにより、出力制御トランジスタ(Tr1)の逆流だけでなく、その周辺トランジスタ(Tr2、Tr13〜Tr15、Tr21)の逆流電流を低減でき、さらに、周辺トランジスタ(Tr2、Tr13〜Tr15、Tr21)の逆流電流を低減することにより、出力制御トランジスタ(Tr1)の逆流電流をさらに低減できるため、その相乗効果によって逆流電流を大幅に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明の電源装置の一実施例のブロック構成図を示す。
【0014】
本実施例の電源装置100は、シリーズレギュレータを構成しており、出力制御用トランジスタTr1、逆流防止用トランジスタTr2、制御回路111、出力オン/オフ制御回路112、第1のバックゲート電圧制御回路113、第2のバックゲート電圧制御回路114、入出力端子電圧検出回路115、抵抗R11、R12、R13、R14から構成されている。
【0015】
〔出力制御用トランジスタTr1〕
出力制御用トランジスタTr1は、例えば、pチャネルパワーMOSトランジスタから構成されており、ソース−ドレインが入力端子T1と出力端子T2との間に接続され、ゲートは制御回路111に接続され、バックゲートは第1のバックゲート電圧制御回路113に接続されている。トランジスタTr1は、制御回路111からの制御信号によりドレイン電流を制御することにより、出力端子T2から出力される出力電圧Voutを制御する。
【0016】
〔制御回路111〕
制御回路111は、nチャネルMOS電界効果トランジスタTr11、Tr12、pチャネルMOS電界効果トランジスタTr13〜Tr15、及び、定電流源121、基準電圧源122から構成されている。トランジスタTr11〜Tr14及び定電流源121、基準電圧源122は、差動回路を構成しており、基準電圧源122から印加される基準電圧Vrefと出力端子T2から抵抗R13とR14にて分圧された電圧Vfbとの差電圧(Vfb−Vref)を制御信号として出力する。制御信号は出力電圧Voutが大きくなるにしたがって、大きくなる信号となる。
【0017】
制御回路111から出力された制御信号は、出力制御用トランジスタTr1のゲートに供給される。このため、出力制御用トランジスタTr1は出力が大きくなると、ドレイン電流を低減させ、出力が小さくなると、ドレイン電流を増加させる。出力制御用トランジスタTr1は、これによって、出力端子T2から出力される出力電圧Voutは定格電圧となるように制御される。
【0018】
トランジスタTr15は、トランジスタTr11〜Tr14及び定電流源121、基準電圧源122から構成される差動増幅回路の動作を制御するためのトランジスタであり、トランジスタTr15は、入力端子T1とトランジスタTr11〜Tr14及び定電流源121、基準電圧源122との間に接続されている。トランジスタTr11〜Tr14及び定電流源121、基準電圧源122は、入力端子T1に印加される入力電圧Vinにより動作しており、トランジスタTr15がオフすることにより動作が停止するように構成されている。
【0019】
トランジスタTr2は、ドレイン−ソースがトランジスタTr1のドレインとゲートとの間に接続されており、出力電圧Voutが入力電圧Vinより大きくなったとき、あるいは、入力電圧Vinが出力電圧Voutより小さくなったときにオンし、出力制御用トランジスタTr1のゲート電圧を出力端子T2の電圧に保持する。これによって、出力制御用トランジスタTr1がオフし、入力端子T1側に電流が逆流することを防止できる。
【0020】
〔出力オン/オフ制御回路112〕
出力オン/オフ制御回路112は、インバータINV11、INV12、及び、トランジスタTr21から構成されている。インバータINV11には、制御端子T5から出力オン/オフ信号が供給されている。インバータINV11は、出力オン/オフ信号を反転出力する。インバータINV11で反転された信号は、インバータINV12に供給される。インバータINV12は、インバータINV11の出力を反転出力する。インバータINV12の出力は、トランジスタTr21のゲートに供給される。トランジスタTr21は、pチャネルMOS電界効果トランジスタから構成されており、ドレイン−ソースが制御回路111の差動回路を構成するトランジスタTr13のドレイン−ソースに並列に接続され、オン時に差動回路の差動出力、すなわち、制御回路111の制御信号をハイレベルとする。
ている。
【0021】
出力オン/オフ制御回路112は、制御端子T5に供給される出力オン/オフ信号がハイレベルのときにはトランジスタTr21のゲート電位はハイレベルとなり、トランジスタTr21はオフする。一方、制御端子T5に供給される出力オン/オフ信号がローレベルのときにはトランジスタTr21のゲート電位はローレベルとなり、トランジスタTr21はオンする。
【0022】
トランジスタTr21がオンすることにより制御回路111の出力信号は、ハイレベルに固定される。制御回路111の出力信号がハイレベルに固定されることによりトランジスタTr1がオフし、入力端子T1から出力端子T2への電流の供給が切断され、出力端子T2から出力がオフされる。
【0023】
〔第1のバックゲート電圧制御回路113〕
第1のバックゲート電圧制御回路113は、トランジスタTr31、Tr32から構成されている。トランジスタTr31は、pチャネルMOS電界効果トランジスタから構成されており、ソース−ドレインが入力端子T1と出力制御用トランジスタTr1のバックゲートとの間に接続され、バックゲートが出力制御用トランジスタTr1のバックゲートに接続され、ゲートには入出力端子電圧検出回路115の非反転出力が供給される。トランジスタTr32は、pチャネルMOS電界効果トランジスタから構成されており、ソース−ドレインが出力端子T2と出力制御用トランジスタTr1のバックゲートとの間に接続され、バックゲートが出力制御用トランジスタTr1のバックゲートに接続され、ゲートには入出力端子電圧検出回路115の反転出力が供給される。
【0024】
トランジスタTr31は、入出力端子電圧検出回路115の非反転出力によりオン/オフされ、トランジスタTr32は、入出力端子電圧検出回路115の反転出力によりオフ/オンされる。すなわち、第1のバックゲート電圧制御回路113は、トランジスタTr31がオンのときにトランジスタTr32がオフし、トランジスタTr31がオフのときにトランジスタTr32がオンするように動作する。
【0025】
〔第2のバックゲート電圧制御回路114〕
第2のバックゲート電圧制御回路114は、トランジスタTr41、Tr42から構成されている。トランジスタTr41は、pチャネルMOS電界効果トランジスタから構成されており、ソース−ドレインが入力端子T1と周辺トランジスタであるトランジスタTr2、Tr13〜Tr15、Tr21のバックゲートとの間に接続され、バックゲートが周辺トランジスタであるトランジスタTr2、Tr13〜Tr15、Tr21のバックゲートに接続され、ゲートには入出力端子電圧検出回路115の非反転出力が供給される。トランジスタTr42は、pチャネルMOS電界効果トランジスタから構成されており、ソース−ドレインが出力端子T2と周辺トランジスタであるトランジスタTr2、Tr13〜Tr15、Tr21のバックゲートとの間に接続され、バックゲートが周辺トランジスタであるトランジスタTr2、Tr13〜Tr15、Tr21のバックゲートに接続され、ゲートには入出力端子電圧検出回路115の反転出力が供給される。
【0026】
トランジスタTr41は、入出力端子電圧検出回路115の非反転出力によりオン/オフされ、トランジスタTr42は、入出力端子電圧検出回路115の反転出力によりオフ/オンされる。すなわち、第2のバックゲート電圧制御回路114は、トランジスタTr41がオンのときにトランジスタTr42がオフし、トランジスタTr41がオフのときにトランジスタTr42がオンするように動作する。
【0027】
〔入出力端子電圧検出回路115〕
入出力端子電圧検出回路115は、コンパレータCOM1、インバータINV21、INV22から構成されている。コンパレータCOM1は、反転入力端子が抵抗R11を介して入力端子T1に接続され、非反転入力端子が抵抗R12を介して出力端子T2に接続されおり、入力端子T1に印加される入力電圧Vinが出力端子T2に印加される出力電圧Voutより大きければ、出力をローレベルとし、入力端子T1に印加される入力電圧Vinが出力端子T2に印加される出力電圧Voutより小さければ、出力をハイレベルとする。
【0028】
コンパレータCOM1の出力は、インバータINV21に供給される。インバータINV21は、コンパレータCOM1の出力を反転する。インバータINV21の出力は、反転出力とし、第1のバックゲート電圧制御回路113を構成するトランジスタTr32、及び、第2のバックゲート電圧制御回路114を構成するトランジスタTr42に供給されるとともに、インバータINV22に供給される。インバータINV22は、インバータINV21の出力を反転して非反転出力として第1のバックゲート電圧制御回路113を構成するトランジスタTr31及び第2のバックゲート電圧制御回路114を構成するトランジスタTr41に供給される。また、インバータINV21に供給される電源は、入力端子T1から供給され、インバータINV22に供給される電源は、出力端子T2から供給される。
【0029】
〔動作〕
入力端子T1に供給される入力電圧Vinが出力端子T2から出力される出力電圧Voutより高く、かつ、制御端子T5に供給される出力オンオフ制御信号がハイレベル、すなわち、出力がオンのときには、入出力端子電圧検出回路115の非反転出力はローレベルとなり、反転出力はハイレベルとなる。
【0030】
入出力端子電圧検出回路115の非反転出力はローレベルのときには制御回路111のトランジスタTr15がオンするので、制御回路111は動作状態となる。また、出力オン/オフ制御回路112のトランジスタTr21はオフとなる。このため、制御回路111は、出力電圧Voutが基準電圧Vrefに応じた一定の電圧となるようにトランジスタTr1を制御する。
【0031】
このとき、入出力端子電圧検出回路115の非反転出力はローレベルであり、反転出力はハイレベルであるので、第1のバックゲート電圧制御回路113はトランジスタTr31がオンし、トランジスタTr32がオフする。これにより、出力制御用トランジスタTr1のバックゲートの電圧が出力端子T2の出力電圧Voutより高い、入力端子T1の入力電圧Vinとなる。よって、出力制御用トランジスタTr1を確実に動作させることができ、不要な電流が流れることを防止できる。
【0032】
さらに、第2のバックゲート電圧制御回路114はトランジスタTr41がオンし、トランジスタTr42がオフする。これにより、周辺トランジスタであるトランジスタTr2、Tr13〜Tr15、Tr21のバックゲートには、入力電圧Vinが印加され、周辺トランジスタであるトランジスタTr2、Tr13〜Tr15、Tr21の寄生素子を通って不要な電流が流れることを防止できる。
【0033】
ここで、出力端子T2の出力電圧Voutが入力端子T1の入力電圧Vinより高くなると、入出力端子電圧検出回路115の非反転出力はハイレベルとなり、反転出力はローレベルとなる。入出力端子電圧検出回路115の非反転出力はハイレベルとなり、反転出力はローレベルとなると、トランジスタTr2がオンし、トランジスタTr15がオフし、トランジスタTr1、制御回路111の動作が停止する。さらに、第1のバックゲート電圧制御回路113のトランジスタTr31がオフし、トランジスタTr32がオンするとともに、第2のバックゲート電圧制御回路114のトランジスタTr41がオフし、トランジスタTr42がオンする。
【0034】
これにより、出力制御用トランジスタTr1及び周辺トランジスタであるトランジスタTr2、Tr13〜Tr15、Tr21のバックゲートの電圧が入力端子T1の入力電圧Vinより高い、出力端子T2の出力電圧Voutとなる。よって、トランジスタTr2がオンし、更にトランジスタTr2,Tr13〜Tr15、Tr21のリーク電流が防止され、出力制御用トランジスタTr1を確実にオフさせることができ、出力端子T2から入力端子T1側に電流が逆流することを防止できる。
【0035】
本実施例によれば、第1のバックゲート電圧制御回路113により出力制御トランジスタTr1のバックゲート電圧を入出力電圧Vin、Voutのうち高い方の電圧に接続することにより出力制御トランジスタTr1の逆流電流を低減でき、また、第2のバックゲート電圧制御回路114により出力制御トランジスタTr1の周辺トランジスタであるトランジスタトランジスタTr2、Tr13〜Tr15、Tr21のバックゲート電圧を入出力電圧Vin、Voutのうち高い方の電圧とすることにより、周辺トランジスタTr2、Tr13〜Tr15、Tr21での逆流電流を低減でき、さらに、周辺トランジスタTr2、Tr13〜Tr15、Tr21の逆流電流が低減することにより出力制御トランジスタTr1の逆流電流をさらに低減でき、その相乗効果によって逆流電流を大幅に低減することができる。
【0036】
図2は本発明の一実施例の動作説明図を示す。図2は本実施例の電源装置100の入力電圧Vinをゼロとしたときの出力電圧Voutに対する逆流電流の特性を示す図である。
【0037】
図2に示すように本実施例によれば、出力電圧Voutが大きくなった場合でも数nA程度の電流であり、これは、トランジスタのリーク電流程度であり、逆流電流は完全に防止できることがわかる。
【0038】
〔適用例〕
図3は本発明の一実施例の適用例の構成図を示す。
【0039】
図3は、1チップの半導体基板131上に図1に示す電源装置100を形成したときの半導体基板131上でのトランジスタTr1、Tr2、Tr13〜Tr15、Tr21、Tr31、Tr32、Tr41、Tr42、及び、抵抗R11、R12、R13、R14の配置を示している。
【0040】
図3に示すように出力制御用トランジスタTr1並びにそのバックゲート電圧を制御するトランジスタTr31、Tr32と、周辺トランジスタTr2、Tr13〜Tr15、Tr21及びそのバックゲート電圧を制御するトランジスタTr41、Tr42とを抵抗R11、R12、R13、R14を介して離間した位置に配置している。このように、大電流を扱うトランジスタと、他のトランジスタとを離間して配置することにより、大電流を扱う出力制御用トランジスタTr1の影響なく、周辺トランジスタTr2、Tr13〜Tr15、Tr21及びそのバックゲート電圧を制御するトランジスタTr41、Tr42のバックゲート電圧を制御でき、これらのトランジスタを確実に動作させることができる。
【0041】
〔変形例〕
なお、本実施例では、出力制御用トランジスタTr1のバックゲート電圧を制御する第1のバックゲート電圧制御回路113とその周辺トランジスタを構成するトランジスタTr2、Tr13〜Tr15、Tr41のバックゲート電圧を制御する第2のバックゲート電圧制御回路114とを別々に設けたが、第1のバックゲート電圧制御回路113と第2のバックゲート電圧制御回路114とを共用するようにしてもよい。
【0042】
図4は本発明の一実施例の変形例の回路構成図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0043】
本変形例の電源装置200は、第2のバックゲート電源制御回路114を第1のバックゲート電源制御回路113と共有した構成とされている。本変形例によれば、素子数を低減することができる。
【0044】
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の変形例が考えられることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施例の回路構成図である。
【図2】本発明の一実施例の動作説明図である。
【図3】本発明の一実施例の適用例の構成図である。
【図4】本発明の一実施例の変形例の回路構成図である。
【符号の説明】
【0046】
100 電源装置
Tr1 出力制御用トランジスタ、Tr2 逆流防止用トランジスタ
111 制御回路、112 出力オン/オフ制御回路
113 第1のバックゲート電圧制御回路
114 第2のバックゲート電圧制御回路
115 入出力端子電圧検出回路
R11、R12、R13、R14 抵抗
Tr11〜Tr15、Tr21、Tr31、Tr32、Tr41、Tr42 トランジスタ
COM1 コンパレータ、INV11、INV12、INV21、INV22 インバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入出力端子間にソース−ドレインが接続された出力制御トランジスタを制御することにより出力電圧を制御する電源装置において、
前記入出力端電圧を検出する入出力電圧検出回路と、
前記入出力電圧検出回路の検出結果に応じて前記出力制御トランジスタのバックゲートの電圧を制御することにより前記出力制御トランジスタの逆流を防止する第1のバックゲート電圧制御回路と、
前記入出力電圧検出回路の検出結果に応じて前記出力制御トランジスタの周辺トランジスタのバックゲート電圧を制御することにより該周辺トランジスタの逆流を防止する第2のバックゲート電圧制御回路を有することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記第2のバックゲート電圧制御回路は、前記入出力電圧検出回路の検出結果に応じて前記入出力端子電圧のうちいずれか高い方の電圧を前記周辺トランジスタのバックゲートに印加することを特徴とする請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
前記第2のバックゲート電圧制御回路は、ソース−ドレインが直列に接続された第1及び第2のトランジスタを有し、
前記第1及び第2のトランジスタは、ソース−ドレインの接続点及びバックゲートが前記周辺トランジスタのバックゲートに接続され、ゲートが前記入出力検出回路に接続され、一方がオンのときに、他方がオフするように制御されることを特徴とする請求項2記載の電源装置。
【請求項4】
前記第2のバックゲート電圧制御回路は、前記第1のバックゲート電圧制御回路と共有されていることを特徴とする請求項4記載の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−316954(P2007−316954A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−145922(P2006−145922)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】