説明

電源装置

【課題】電力変換回路を制御する制御回路が、電力変換回路のグランド電位とは異なるグランド電位を有する場合に、その制御回路に制御用電源を効率的に供給できる電源装置を提供する。
【解決手段】電源装置10には、電源電圧を所定の出力電力に変換して負荷に出力する電力変換回路16を設けるとともに、電力変換回路16のグランド電位とは異なるグランド電位を有し、電力変換回路16を制御する第2の制御回路21を設ける。そして、電源電圧を電力変換回路16のグランド電位に対して絶縁された制御用電源に変換して第2の制御回路21に供給する電源回路18を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、負荷に電力供給する電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばLED素子を負荷とする電源装置は、交流電源を整流回路で整流し、整流した電源電圧を電力変換回路で所定の直流電圧に変換してLED素子に供給し、LED素子を点灯させている。
【0003】
交流電源の入力電圧100V〜242Vの範囲に対応する電圧フリータイプの電源装置では、電源電圧に応じてLED素子への出力電流を一定に制御する必要があり、そのために、LED素子への出力電流に応じて電力変換回路を制御する形態が採られている。
【0004】
この場合、電力変換回路の高電位側の中点電位をグランドとする制御回路を設け、この制御回路によりLED素子への出力電流に応じて電力変換回路を制御する構成がある。この場合、電力変換回路を制御する制御回路は、電力変換回路のグランド電位とは異なるグランド電位を有することになる。
【0005】
この制御回路に制御電源を供給するには、整流後の電源電圧の高電位側から抵抗を通じて制御回路に制御用電源を供給する構成がある。
【0006】
しかし、抵抗により制御回路に制御用電源を供給する場合、交流電源の入力電圧に応じて電源電圧が低い場合には制御回路が動作するまでに時間がかかり、電源電圧が高い場合には抵抗によるロスが増加して効率が低下する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4123886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来、電力変換回路を制御する制御回路が、電力変換回路のグランド電位とは異なるグランド電位を有する場合、制御回路が動作するのに時間がかかったりロスによって効率が低下するなど、制御回路に制御用電源を効率的に供給できない問題がある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、電力変換回路を制御する制御回路が、電力変換回路のグランド電位とは異なるグランド電位を有する場合に、その制御回路に制御用電源を効率的に供給できる電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の電源装置には、電源電圧を所定の出力電力に変換して負荷に出力する電力変換回路を設けるとともに、電力変換回路のグランド電位とは異なるグランド電位を有し、電力変換回路を制御する制御回路を設ける。そして、電源電圧を電力変換回路のグランド電位に対して絶縁された制御用電源に変換して制御回路に供給する電源回路を設ける。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電源回路が、電源電圧を電力変換回路のグランド電位に対して絶縁された制御用電源に変換して制御回路に供給するため、電力変換回路のグランド電位とは異なるグランド電位を有していてその電力変換回路を制御する制御回路に制御用電源を効率的に供給することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態を示す電源装置の回路図である。
【図2】同上電源回路の始動時動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、一実施形態を、図1を参照して説明する。
【0014】
電源装置10は、負荷11として直列に接続された複数のLED素子12を点灯させるものである。電源装置10は、交流電源Eが入力される電源入力部13、電源入力部13に接続されたフィルタ回路14、フィルタ回路14に接続されて交流電源Eを整流する整流回路15、整流回路15で整流された電源電圧をLED素子12を点灯させる所定の出力電力に変換する主回路としての電力変換回路16、およびこの電力変換回路16の出力部であってLED素子12が接続される出力部17を備えている。
【0015】
さらに、電源装置10は、制御用の電源を供給する電源回路18、調光信号を入力する調光信号入力部19、調光信号を処理する第1の制御回路20、電力変換回路16を制御する制御回路としての第2の制御回路21、第2の制御回路21の動作と停止を制御する動作制御回路22、および第1の制御回路20の制御によって第2の制御回路21を調光動作させる調光動作回路23を備えている。
【0016】
そして、電源入力部13は、例えば100V〜242Vの範囲の交流電源Eの入力を許容する。
【0017】
また、フィルタ回路14は、電源入力部13にヒューズF1を介してコンデンサC1およびトランスT1が接続されている。
【0018】
また、整流回路15は、全波整流器DB1が用いられている。全波整流器DB1の出力端には、コンデンサC10が並列に接続されている。
【0019】
また、電力変換回路16は、降圧チョッパ回路であり、全波整流器DB1の出力端に、インダクタL1を介して、スイッチング素子としてのMOSFETである電界効果トランジスタQ1、抵抗R28、インダクタL5、および出力部17のLED素子12が接続されている。出力部17には抵抗R22および電解コンデンサC9が並列に接続されている。
【0020】
電界効果トランジスタQ1のソースとインダクタL5との間にダイオードD6のカソードが接続され、LED素子12および電解コンデンサC9のグランド電位側にダイオードD6のアノードが接続されている。ダイオードD6は、電界効果トランジスタQ1がオフしているときにインダクタL5に蓄えられたエネルギをLED素子12および電解コンデンサC9を介して放出する作用を有する。
【0021】
また、電源回路18は、全波整流器DB1の高電位側の出力端にインダクタL1を介してコンデンサC21が接続され、コンデンサC21のグランド電位側が第1の制御回路20に接続されている。インダクタL1には制御部IC2の端子D1が接続され、制御部IC2の端子D2がトランスT3の一次巻線T31を介して第1の制御回路20に接続されている。一次巻線T31の両端にダイオードD3のカソードと電解コンデンサC11の一端が接続されている。ダイオードD3のアノードと電解コンデンサC11の他端は、コンデンサC21と全波整流器DB1のグランド電位側との間に接続されている。
【0022】
制御部IC2の端子D4と端子D3との間に、コンデンサC12と電解コンデンサC13および抵抗R26の直列回路とが並列に接続されているとともに、電解コンデンサC13にダイオードD7のカソードが接続され、ダイオードD7のアノードにツェナーダイオードZD1のアノードが接続され、ツェナーダイオードZD1のカソードが電解コンデンサC11に接続されている。
【0023】
そして、制御部IC2は、例えばIPD(インテリジェント・パワー・デバイス)であり、内部にスイッチング素子を備えており、このスイッチング素子のスイッチング動作により制御部IC2に入力された電源電圧を所定の第1の制御用電源に変換し、電力変換回路16のグランド電位と共通とする第1の制御用電源がトランスT3の一次巻線T31を通じて第1の制御回路20に供給される。
【0024】
トランスT3の一次巻線T31に対して絶縁されるとともに磁気的に結合された二次巻線T32には、一次巻線T31に第1の制御用電源が流れることによって第2の制御用電源が誘起され、電力変換回路16のグランド電位とは異なる任意のグランド電位を有する第2の制御用電源が動作制御回路22を通じて第2の制御回路21が供給される。
【0025】
また、調光信号入力部19には、外部に設置される調光器から調光信号が入力される。
【0026】
また、第1の制御回路20は、マイコン31を備え、電源回路18から電力変換回路16のグランド電位と共通の第1の制御用電源が供給されて動作する。マイコン31は、調光器からの調光信号に応じて処理するもので、動作・停止信号を動作制御回路22に出力して第2の制御回路21の動作および停止を制御したり、調光信号に応じた例えばPWM調光制御信号などの調光制御信号を形成するとともに調光動作回路23に出力して第2の制御回路21の調光動作を制御する。
【0027】
また、第2の制御回路21は、制御部IC1を有し、この制御部IC1のVCC端子に電源回路18から電力変換回路16のグランド電位とは異なる任意のグランド電位を有する第2の制御用電源が動作制御回路22を通じて供給される。GND端子は電界効果トランジスタQ1側のインダクタL5の一端に接続され、電力変換回路16の中点電位をグランドとしている。VCC出力端子A1とGND端子A2との間にはコンデンサC17,C22が並列に接続されている。
【0028】
制御部IC1の端子A3は、抵抗R4,R7を介して、ダイオードD6のカソードとインダクタL5との間に接続され、電力変換回路16の出力電流に応じた検出電圧が入力される。
【0029】
制御部IC1の端子A4は、コンデンサC19を介して電界効果トランジスタQ1のゲートに接続されている。
【0030】
制御部IC1のVCC出力端子A1とGND端子A2との間にコンデンサC20が接続され、端子A5と調光動作回路23との間に抵抗R2が接続され、端子A6とGND端子A2との間にコンデンサC18が接続されている。
【0031】
制御部IC1の端子A7が、抵抗R8を介して電界効果トランジスタQ1のゲートに接続されている。
【0032】
そして、制御部IC1は、内部にオペアンプを備え、オペアンプの一方の入力端子に所定の基準電圧が入力され、他方の入力端子に端子A3から電力変換回路16の出力電流に応じた検出電圧が入力され、基準電圧と検出電圧と差に応じた電流を端子A4から出力し、端子A3に入力される検出電圧が一定になるように電界効果トランジスタQ1のオンオフをフィードバック制御する。すなわち、端子A3はオペアンプの入力端子、端子A4がオペアンプの出力端子である。
【0033】
また、動作制御回路22では、電源回路18のトランスT3の二次巻線T32の一端がダイオードD1、抵抗R12を介して制御部IC1のVCC出力端子A1に接続され、二次巻線T32の他端が制御部IC1のGND端子A2に接続されている。二次巻線T32の両端間にはコンデンサC14が接続されている。トランジスタQ101のエミッタ、ベース間に抵抗R102が接続されている。トランジスタQ101のベースには抵抗R103、動作制御用絶縁伝達素子としてのフォトカプラPC103のフォトトランジスタを介して制御部IC1のGND端子A2に接続されている。
【0034】
電源回路18の第1の制御用電源を供給するトランスT3の二次巻線T32側と電力変換回路16のグランド電位との間に、抵抗R108、フォトカプラPC103のフォトダイオード、トランジスタQ102のコレクタ、エミッタの直列回路が接続され、フォトカプラPC103のフォトダイオードが接続されている。トランジスタQ102のベースが第1の制御回路20のマイコン31から動作・停止信号を出力する端子に接続されている。
【0035】
そして、マイコン31からの動作・停止信号に応じてトランジスタQ102がオンオフするとともに、フォトカプラPC103がオンオフする。フォトカプラPC103のオフ時にはトランジスタQ102がオフして電源回路18からの第2の制御用電源が第2の制御回路21に供給され、フォトカプラPC103のオン時にはトランジスタQ102がオンして第2の制御回路21への第2の制御用電源の供給が停止される。
【0036】
また、調光動作回路23は、調光用絶縁伝達素子としてのフォトカプラPC102を備え、このフォトカプラPC102のフォトダイオードが第1の制御回路20のマイコン31から調光信号を出力する端子と電力変換回路16のグランド電位との間に接続されている。フォトカプラPC102のフォトダイオードと並列にコンデンサC101、抵抗R106が接続されている。
【0037】
フォトカプラPC102のフォトトランジスタのコレクタ、エミッタと並列に抵抗R6が接続され、抵抗R6の一端が抵抗R2を介して制御部IC1の端子A5に接続され、他端が第2の制御回路21の抵抗R4と抵抗R7との間に接続されている。
【0038】
次に、電源装置10の動作を説明する。
【0039】
入力される交流電源Eを全波整流器DB1で整流し、整流した電源電圧を電源回路18および電力変換回路16に供給する。
【0040】
電源電圧が供給された電源回路18の制御部IC2が動作を開始すると、制御部IC2のスイッチング素子がスイッチング動作し、電力変換回路16のグランド電位と共通とする第1の制御用電源を作り、トランスT3の一次巻線T31を通じて第1の制御回路20に供給する。また、トランジスタT3の一次巻線T31に対して絶縁されるとともに磁気的に結合された二次巻線T32に第1の制御用電源が流れることによって第2の制御用電源が誘起し、電力変換回路16のグランド電位とは異なる任意のグランド電位を有する第2の制御用電源を動作制御回路22に供給する。
【0041】
第1の制御用電源が供給された第1の制御回路20が動作を開始すると、マイコン31からの動作信号により動作制御回路22のフォトカプラPC103がオフし、動作制御回路22のトランジスタQ101がオフし、第2の制御用電源が動作制御回路22を通じて第2の制御回路21に供給される。
【0042】
第2の制御用電源が供給された第2の制御回路21が動作を開始すると、制御部IC2が電力変換回路16の電界効果トランジスタQ1をオンオフさせる。
【0043】
電界効果トランジスタQ1がオンすると、電界効果トランジスタQ1、抵抗R28およびインダクタL5を経由して電解コンデンサC9に電流が流れる。電解コンデンサC9の充電電圧がLED素子12の順方向電圧以上になると、LED素子12に電流が流れ、LED素子12が点灯する。
【0044】
電界効果トランジスタQ1がオフすると、インダクタL5に蓄えられていたエネルギが電解コンデンサC9、LED素子12、ダイオードD6の閉回路で放出される。このエネルギの放出により流れる電流によって、LED素子12が点灯する。
【0045】
こうような電界効果トランジスタQ1のオンオフにより、電界効果トランジスタQ1が高周波スイッチング動作し、LED素子12が点灯する。
【0046】
制御部IC2は、電力変換回路16の出力電流に応じた検出電圧に基づいて、電力変換回路16の出力電流が一定になるように、電界効果トランジスタQ1のオンオフをフィードバック制御する。
【0047】
また、調光器からの調光信号を入力した第1の制御回路20のマイコン31が調光信号に対応した調光制御信号を調光動作回路23に出力し、この調光制御信号をフォトカプラPC102を介して第2の制御回路21に受け渡す。第2の制御回路21は、受け渡された調光制御信号に応じて電界効果トランジスタQ1のオンオフを制御し、LED素子12を調光する。
【0048】
また、調光制御においては、調光信号が所定の条件を超えた範囲になった場合に、電力変換回路16を停止させる待機モードがある。この待機モードでは、マイコン31から停止信号を動作制御回路22に出力することにより、フォトカプラPC103がオンし、動作制御回路22のトランジスタQ102がオンし、第2の制御回路21への第2の制御用電源の供給を停止させる。そのため、第2の制御用電源の供給が停止された電力変換回路16が停止し、LED素子12が消灯する。
【0049】
このように、電源装置10では、電源回路18が、整流回路15で整流された電源電圧を電力変換回路16のグランド電位に対して絶縁された第2の制御用電源に変換して第2の制御回路21に供給するため、電力変換回路16のグランド電位とは異なるグランド電位を有していてその電力変換回路16を制御する第2の制御回路21に第2の制御用電源を効率的に供給できる。そのため、100V〜242Vの広い入力電圧の範囲に対応できるとともに高い効率を得ることができる。
【0050】
また、1つの電源回路18により、整流回路15で整流された電源電圧を第1の制御用電源に変換して第1の制御回路20に供給するとともに、第1の制御用電源を電力変換回路16のグランド電位に対して絶縁された第2の制御用電源に変換して第2の制御回路21に供給することができ、構成を簡素化ができる。
【0051】
また、電源回路18は、整流回路15で整流された電源電圧を第1の制御用電源に変換するスイッチング素子、および第1の制御用電源を第2の制御用電源に変換するトランスT3を備えるため、入力電圧が高くても電源変換効率を高くできるとともに、電力変換回路16のグランド電位に対して絶縁された第2の制御用電源を第2の制御回路21に供給することができる。
【0052】
また、動作制御回路22がフォトカプラPC103を用いることにより、異なる電位の第1の制御回路20と第2の制御回路21とを絶縁状態に保ちながら、第1の制御回路20からの動作制御信号を動作制御回路22に伝達することができる。
【0053】
さらに、フォトカプラPC103は、高温になるほど電流変換率が低下する温度依存性を有するスイッチ素子であるため、電源装置10が異常高温になった場合に第2の制御回路21への電源を遮断して停止させることができ、いわゆるサーマルシャットダウン機能も併せ持つことができる。
【0054】
また、調光動作回路23がフォトカプラPC102を用いることにより、異なる電位の第1の制御回路20と第2の制御回路21とを絶縁状態に保ちながら、第1の制御回路20から第2の制御回路21に調光制御信号を伝達することができる。
【0055】
なお、調光用絶縁伝達素子としては、フォトカプラに限らず、例えば磁気的に信号を伝達する素子などを用いてもよい。
【0056】
また、第2の制御回路21の制御部IC1は、オペアンプの一方の入力端子に所定の基準電圧が入力され、他方の入力端子にFB端子から電力変換回路16の出力電流に応じた検出電圧が入力され、基準電圧と検出電圧との差に応じた電流を端子A4から出力する。しかしながら、全光状態から暗くなるように調光レベルを深くするほど、端子A3に入力する検出電圧が基準電圧に近くなって端子A4から流れる電流が少なくなり、そして、所定の電流値以下になると、制御部IC1が動作しない特性を有している。
【0057】
このような制御部IC1の特性により、電源装置10の電源投入時において、第1の制御回路20が設定されている調光レベルの調光制御信号を第2の制御回路21へ出力し、第2の制御回路21が設定された調光レベルで始動しようとすると、第2の制御回路21が始動するのに時間がかかり、その結果、LED素子12が点灯するまでに時間がかかる。
【0058】
そこで、第1の制御回路20は、始動時に全光の調光制御信号を第2の制御回路21へ出力するとともに、始動時から所定の始動時間後に設定されている調光レベルの調光制御信号を第2の制御回路21へ出力する。
【0059】
すなわち、図2に示すように、電源VDDが投入されると、第1の制御回路20は全光の調光制御信号DIMを第2の制御回路21へ出力する。第1の制御回路20の調光制御の特性で、電源VDDの投入から所定時間後t1に第2の制御回路21の制御部IC1の電源VCCが立ち上がり、全光状態で動作を開始する。電源VDDの投入から所定の始動時間後t2(制御部IC1の電源VCCが立ち上がってからの所定時間後t3)に、第1の制御回路20は設定されている調光レベルの調光制御信号DIMを第2の制御回路21へ出力する。このときまでに、制御部IC1の端子A4からの出力電流が十分に増加しているため、第2の制御回路21の始動時間を早くでき、その結果、LED素子12が点灯するまでに時間を早くできる。
【0060】
また、第1の制御回路20は、設定されている調光レベルに応じて、電源VDDの投入からの始動時間t2を調整することにより、第2の制御回路21の始動時間を早くできるとともに、始動時の全光で点灯することによる閃光の発生を防止できる。この場合、深い調光レベルほど、始動時間を長く設定すればよい。始動時間は長くても2秒以内である。
【0061】
なお、電源装置10が調光機能を具備しない場合には、マイコン31、および動作制御回路22および調光動作回路23は具備しなくてよい。この場合でも、電源回路18により、整流回路15で整流された電源電圧を電力変換回路16のグランド電位に対して絶縁された第2の制御用電源に変換して第2の制御回路21に供給するようにすればよい。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0063】
10 電源装置
11 負荷
12 LED素子
16 電力変換回路
18 電源回路
20 第1の制御回路
21 制御回路としての第2の制御回路
22 動作制御回路
PC102 調光用絶縁伝達素子としてのフォトカプラ
PC103 動作制御用絶縁伝達素子としてのフォトカプラ
T3 トランス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源電圧を所定の出力電力に変換して負荷に出力する電力変換回路と;
電力変換回路のグランド電位とは異なるグランド電位を有し、電力変換回路を制御する制御回路と;
整流回路で整流された電源電圧を電力変換回路のグランド電位に対して絶縁された制御用電源に変換して制御回路に供給する電源回路と;
を具備していることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
電源電圧を所定の出力電力に変換して負荷に出力する電力変換回路と;
電力変換回路のグランド電位と共通のグランド電位を有する第1の制御回路と;
電力変換回路のグランド電位とは異なるグランド電位を有し、電力変換回路を制御する第2の制御回路と;
電源電圧を第1の制御用電源に変換して第1の制御回路に供給するとともに、第1の制御用電源を電力変換回路のグランド電位に対して絶縁された第2の制御用電源に変換して第2の制御回路に供給する電源回路と;
を具備していることを特徴とする電源装置。
【請求項3】
電源回路は、電源電圧を第1の制御用電源に変換するスイッチング素子、および第1の制御用電源を第2の制御用電源に変換するトランスを備えている
ことを特徴とする請求項2記載の電源装置。
【請求項4】
動作制御信号の入力に応じて第2の制御回路の動作と停止を制御する動作制御回路と;
第1の制御回路と第2の制御回路とを絶縁状態に保つとともに第1の制御回路からの動作制御信号を動作制御回路に伝達する動作制御用絶縁伝達素子と;
を備えていることを特徴とする請求項2または3記載の電源装置。
【請求項5】
第1の制御回路と第2の制御回路とを絶縁状態に保つとともに第1の制御回路から第2の制御回路に調光制御信号を伝達する調光用絶縁伝達素子を具備し、
第2の制御回路は、調光制御信号の入力に応じて負荷としてのLED素子を調光するように電力変換回路を制御し、
第1の制御回路は、始動時に全光の調光制御信号を第2の制御回路へ出力するとともに始動時から所定の始動時間後に設定されている調光レベルの調光制御信号を第2の制御回路へ出力する
ことを特徴とする請求項4記載の電源装置。
【請求項6】
第1の制御回路は、設定されている調光レベルに応じて始動時間を変化させる
ことを特徴とする請求項5記載の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−98007(P2013−98007A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239810(P2011−239810)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】