電源
1つの態様において、本発明は、コード付き及びワイヤレス電子デバイス用のユニバーサル電源を提供する。第二態様において、本発明は、広範な電源の選択肢を提供するように再構成可能なユニバーサル電源を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源、特に多様なデバイスに電力を供給できる電源に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型パソコン、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン及び携帯メディアプレーヤなど携帯電子デバイスの使用は、引き続き急激に増大している。電子デバイスとの無線通信を可能にするために多様な規格が開発されたが、これらのデバイスの多くは、相変わらず、コードで電子デバイスに接続される電源を必要とするという悩みを持つ。典型的には、各電源は、アダプタの入力を壁コンセントへまたアダプタの出力を電子デバイスへ接続するコードと一緒に、AC商用電源電力をデバイスが必要とするDC電力へ変換する電源アダプタを含む。いくつかのケースにおいては、アダプタからプラグが延びて、アダプタを直接壁付きコンセントに差し込んで、アダプタから電子デバイスへの1本のコードのみを必要とする(図1)。電源アダプタ(「ブリック」とも呼ばれる)は、比較的重く、大きな空間を占める。従来の電源システムは多様な欠点を持つ。例えば、アダプタ及びこれに関連するコードを持つ電源を使用し、保管し、必要に応じて携帯するのは、煩わしい。使用時に、コードは、目障りでかつ多くの場合手に負えない乱雑さを生じる。さらに、接続されると、コードはデバイスの可動性を妨げる。複数の携帯デバイスを持つ場合、使用者は、複数の電源アダプタ及び複数のコードセットを含めて複数の電源を携帯する必要があるかも知れない。これは問題を倍加するだけである。
【0003】
問題を軽減するために「ユニバーサル」電源が開発された。ユニバーサル電源の解決法を提供しようとする努力は、実用上の多様な支障によって複雑化される。支障の1つは、それぞれの携帯電子デバイスがそれぞれの電力要件を持つことから生じる。従来のユニバーサル電源は、複数のデバイスに電力を供給できる単一の電源アダプタを含む。例えば、従来のユニバーサル電源を図2に示す。この実施形態において、電源は、複数の電力取出し口を有する電源アダプタを含む。電源アダプタは、設定された量の電力を各取出し口へ供給するように構成される。ノート型パソコンまたはスマートフォンなど多様な電子デバイスを、従来のコードを用いて電源アダプタに接続できる。著しく改良はされたが、この解決法は、電源に接続されるそれぞれのデバイスに別個のコードを必要とする。さらに、典型的な解決法では、電子デバイスを、電源によって設定された出力を受け入れるように予め構成する必要がある。
【0004】
コード付き電源の代替解決法として、最近になって、ワイヤレス電源の研究が急激に進歩した。ワイヤレス電源システムは、電源コードの必要を無くするので、電源コードに伴う多くの不便な点が無くなる。例えば、ワイヤレス電源は、(1)一群の電源コードを保持し保管する必要、(2)コードによって生じる目障りな乱雑さ、(3)繰り返し遠隔デバイスをコードと物理的に接続し、物理的に切断する必要、(4)充電など電源が必要なたびに電源コードを運ぶ必要、及び(5)一群の電源コードの中のどれを各デバイスに使用するかを識別する困難さ、を排除できる。
【0005】
ワイヤレス電源の導入は、1つの点では、複数のデバイスにおける電源管理をさらに複雑にした(少なくとも短期的に)。例えば、ワイヤレス電力供給/充電デバイスとコードを用いて電力供給/充電されるデバイスの両方を持つ使用者は、コード付き及びワイヤレスの両方の電源を持ち歩く必要がある。使用者が使用者の全てのコード付きデバイスのためのユニバーサル電源に投資していても、別個にワイヤレス電源が必要になる。
【発明の概要】
【0006】
1つの態様において、本発明は、コード付き及びワイヤレスの両方の電子デバイスへ電力を供給できるユニバーサル電源を提供する。1つの実施形態において、電源は、一体化されたワイヤレス給電器と、コードによる電力供給用の1つまたはそれ以上の電力取出し口とを含む。電源が複数の電力取出し口を含む実施形態において、異なる電力取出し口は、異なる量の電力を供給できる。異なる量の電力を区別するために、異なるプラグ形状を与えることができる。他の実施形態において、全ての電力取出し口は同じ量の電力を提供できる。このような実施形態において、電力取出し口を、USB規格に従った電源を含む従来のUSBポートとすることができる。
【0007】
別の実施形態において、電源は、取外し可能な一次コイルなど取外し可能なワイヤレス給電器を受けるように構成された電力取出し口を含むことができる。いくつかの実施形態において、異なるプラグ形状を与えて、ワイヤレス給電器用電力取出し口とコード付きデバイス用電力取出し口とを区別できる。いくつかの実施形態において、プラグ形状は同じであり、電源アダプタの電子部品は、特定の電力取出し口に何が差し込まれたかを判断でき、この電力取出し口に適切な電力を提供できる。
【0008】
第二の態様において、本発明は、単一の電源アダプタによって電力供給される複数のワイヤレス給電器を有するユニバーサルワイヤレス電源を提供する。1つの実施形態において、電源アダプタは、一体化された複数の給電器を含み、給電器を自由に移動できるように構成される。1つの実施形態において、給電器は、撓みコネクタによって電源アダプタに接続でき、組立体を折り畳んで占有空間を小さくできるようにする。撓みコネクタは、給電器にある程度の位置的自由を与えることもできる。
【0009】
第二態様の別の実施形態において、電源アダプタは、移動可能に相互に接続される複数の区分を含むことができる。他の区分に対する1つの区分の移動が給電器間の位置的自由を与えるように、別個の給電器を別々の区分に配置できる。区分を蝶番、ピボットジョイントまたはその他の適切な機械的構造体によって接合できる。
【0010】
別の実施形態において、電源は、複数のワイヤレス給電器を選択的に受けることができる電力取出し口を有する電源アダプタを含むことができる。1つまたはそれ以上の給電器を、必要に応じて選択的に電源に接続できる。1つの実施形態において、各ワイヤレス給電器は、さらなるワイヤレス給電器用の1つまたはそれ以上電力取出し口を含むことができ、ワイヤレス給電器をデイジーチェイン式(daisy-chained)に接続できる。
【0011】
第一態様において、本発明は、コード付き及びワイヤレスの両方の電子デバイスに電力を供給できるユニバーサル電源を提供する。この態様において、本発明は、多様なデバイスに使用できる便利で使いやすい電源を提供し、使用者がコード付き及びワイヤレスの両方のデバイスに電力を供給したい場合でも、複数の電源を持ち運ぶ必要をなくす。第二態様において、本発明は、異なる用途に合わせることができるワイヤレス電源を提供する。可動電源区分を持つ実施形態において、電源は、保管しやすく構成でき、様々なタイプのデバイスを便利に無線で充電できるように再構成できる。取外し可能な給電器を持つ実施形態においては、必要な給電器のみを追加することによって電源のサイズを最小限に抑えることができる。ワイヤレス電源は、また、本来備わる本質的安全性を可能にするという付加的利点が加わる。この要素は、電源内で本質的安全性を持ちながら高電圧を使用できるようにする。電源の接地及び絶縁が、伝統的電源より単純でかつコスト効率よく行える。また、これによって、電源の安全性及び信頼性が増大する。また、電源は、2009年2月10日に提出された米国特許出願公開第2010/0084918号「電源システム」(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のシステムなど最小待機の超低電力の選択肢を含むことができる。
【0012】
本発明の上記の及びその他の目的、利点及び特徴は、本実施形態の説明及び図面を参照することによってより良く理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来のコード付き電源と電子デバイスの図である。
【図2】従来の複数出力のコード付き電源と1対の電子デバイスの図である。
【図3】本発明の第一態様の実施形態による電源の図である。
【図4】本発明の実施形態による第一対案の電源の図である。
【図5】電源アダプタの上に取外し可能コイルが折り重ねられている、第一対案の電源の図である。
【図6】取外し可能給電器の部分断面図である。
【図7】別の取外し可能給電器の部分断面図である。
【図8】第二対案の電源の図である。
【図9】ワイヤレスコンピュータ拡張モジュールと第二対案の電源の図である。
【図10】電源用回路の概略図である。
【図11】第一対案の電源用回路の概略図である。
【図12】第二対案の電源用回路の概略図である。
【図13】本発明の第二態様の実施形態による電源を示す一連の図である。
【図14】図13の電源上への電子デバイスの配置を示す図である。
【図15】本発明の第二態様による別の電源の図である。
【図16】第二対案の実施形態の異なる構成の間の移動を示す一連の図である。
【図17】電源アダプタの区分を接合するコネクタの端面側面図である。
【図18A】図15の電源の様々な使用法を示す図である。
【図18B】図15の電源の様々な使用法を示す図である。
【図18C】図15の電源の様々な使用法を示す図である。
【図18D】図15の電源の様々な使用法を示す図である。
【図18E】図15の電源の様々な使用法を示す図である。
【図19】コンピュータに使用される図15の電源を示す図である。
【図20】コンピュータに隣接する位置にある図15の電源を示す図である。
【図21】コンピュータ用ドックに組み込まれた図15の電源を示す図である。
【図22】コンピュータ用バッグに組み込まれた図15の電源を示す図である。
【図23】本発明の第二態様による第三対案の電源の図である。
【図24】本発明の第二態様による第四対案の電源の図である。
【図25】折り畳まれた状態の図24の電源を示す図である。
【図26】本発明の第二態様による第五対案の電源の図である。
【図27】折り畳まれた状態の図26の電源を示す図である。
【図28】本発明の第二態様による電源の回路の概略図である。
【図29】ノート型パソコンに電力を供給する伸縮パネル式ワイヤレス給電器を持つ電源ブリックの図である。
【図30】図29の伸縮パネルを持つ電源ブリックの図である。
【図31】ノート型パソコンに電力を供給する回転可能パネル式ワイヤレス給電器を持つ電源ブリックの図である。
【図32】図31の電源ブリックの斜視図及び底面図である。
【図33】多重入力ワイヤレス電源の回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の1つの態様の実施形態による電源を図3に示す。電源10は、概して、ワイヤレス電子デバイスDへ電力を供給するワイヤレス給電器14と、コード付き電子デバイスWDへ電力を供給する複数の電力取出し口16と、を持つ電源アダプタ13を含む。電源アダプタ13は、AC商用電源電力を電子デバイスが必要とする電力へ変換するために必要な電子部品を含む。ワイヤレス給電器14は、電源アダプタ13に組み込むか、またはポート18(図4)を介して電源アダプタ13に取り付けることができる。使用時に、使用者は、適切な電力取出し口16へ差し込まれた従来のコードCを用いてコード付きデバイスWDを電源10に取り付けることができる。コード付きデバイスWDは、作動のため及び(または)内蔵電池の充電のために電力を使用できる。異なる電力取出し口16に差し込まれた別個のコードCを用いて、複数のコード付きデバイスWDを電源10に接続できる。ワイヤレスデバイスDをワイヤレス給電器14に近接して配置して、無線で電力(例えば、充電または作動のため)を受け取ることができる。本発明のこの第一態様の多様な実施形態例を開示する。
【0015】
本発明の第二態様に従った電源を図13に示す。この実施形態において、電源510は、概して、複数のワイヤレス給電器514を持つ電源アダプタ513を含む。電源アダプタ513は、複数の区分を含み、区分は、相互に移動可能である。この実施形態において、区分は、蝶番または折り線に沿って接合されて、2つの区分を必要に合わせて折り畳んだり広げたりできる。各区分は、1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器を含むので、区分を移動すれば、ワイヤレス給電器の位置及び向きを選択的に変動できる。本発明の第一態様と同様、本発明の第二態様の多様な実施形態例を開示する。
【0016】
上述のように、本発明の第一態様は、ワイヤレス給電器を用いて少なくとも1台のワイヤレス電子デバイスDへ、及び1つまたはそれ以上の電力取出し口16を用いて少なくとも1台のコード付き電子デバイスWDへ無線で電力を供給できる電源10を提供する。本発明のこの態様の1つの実施形態を図3に示す。図3は、一体化されたワイヤレス給電器14と、ハウジング12に配置された複数の電力取出し口16とを有する電源10を示す。電源10は、例えば壁付きコンセント(図示せず)を介して電源10をAC商用電源に接続する電力入力コード19を含む。電源10の内蔵回路網(下でより詳しく説明する)は、AC商用電源電力を複数のコード付き及びワイヤレス電子デバイス用の電力に変換する。
【0017】
図解する実施形態において、電源10は、概して従来の誘導電力伝送法及び装置を用いて無線で電力を供給するように構成される。例えば、ワイヤレス給電器14は、電磁場を生成でき、これをピックアップして使用して、ワイヤレス電子デバイスDにおいて電力を発生する。この実施形態のワイヤレス給電器14は、ワイヤレス電子デバイスDへ誘導的に電力を伝送するのに適する電磁場を生成するように構成されたワイヤの一次コイル20である。同様に、この実施形態のワイヤレス電子デバイスは、適切な電磁場に配置されたとき電力を発生するように構成されたワイヤの二次コイル22を含む。図解する実施形態は、誘導法を利用してワイヤレスデバイスへ電力を無線で伝送するが、電源10は、代わりに(またはこれに加えて)他のワイヤレス電力伝送形式を使用できる。
【0018】
この図解する実施形態において、電源10は、概して長方形のハウジング12を有する。ハウジング12のサイズ、形状及び構成は、用途に応じて変えられる。コード付きデバイスへ電力を供給するために、複数の電力取出し口16が、ハウジング12内に取り付けられる。電力取出し口16としては、従来のUSBプラグを受けて、適用可能なUSB規格に従って電力を供給する従来のUSBポートがある。これによって、電源10は、基本的に、従来のUSBポートを介して充電できるどのようなコード付きデバイスへも電力を供給できる。電力取出し口16の数及びタイプは、電源10による電力供給を受けるデバイスの数及びタイプ次第で、用途に応じて変えられる。例えば、電源がUSB規格と互換性の無いデバイスに電力供給できるように、ポートのタイプを変えることができる。図解する実施形態において、電力取出し口16は、電源コード19がハウジング12へ入る端壁と反対側のハウジングの端壁に配置される。しかし、電力取出し口は、基本的にハウジング12の周りのどの場所にでも配置できる。
【0019】
ワイヤレス給電器14は、図解する実施形態においてハウジング12内に取り付けられて、上面24の下に配置される。これによって、ワイヤレスデバイスをハウジング12の上に置いて、無線で電力を受けることができる。ハウジング12の上面24は図解する実施形態において平面的であるが、上面は、予定されるワイヤレスデバイスの形状に合わせて成形できる。例えば、ワイヤレスデバイスDがハウジング12の上面24との底面とぴったり重なるように、ワイヤレスデバイスDの底面とハウジング12の上面24は対応する輪郭を持つことができる。上述のように、この実施形態のワイヤレス給電器14は、一次コイル20である。一次コイル20のサイズ、形状及び構成は、用途に応じて変えられる。例えば、一次コイル20の直径、コイル20のワイヤの巻き数及びコイル20を形成するために使用されるワイヤのサイズは、特定の用途に合わせて変えられる。必要があれば、ハウジング12の中例えば一次コイル20の中央に磁石(図示せず)を配置して、一次コイル20とワイヤレスデバイスDの中の二次コイル22の整列を補助できる。磁石(図示せず)は、また、ハウジング12上でワイヤレスデバイスDを所定の位置に保持するのも補助する。
【0020】
図4は、1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器14を選択的にアダプタ13に接続できる電源10の別の実施形態を示す。この実施形態において、コード付きデバイスへ電力を供給するために複数の電力取出し口16が設置され、かつ、取外し可能ワイヤレス給電器14を選択的に取り付けるために複数のワイヤレス給電器用ポート18が設置される。図3の実施形態と同様、電力取出し口16は、従来のUSBプラグを受け入れて適用されるUSB規格に従って電力を供給する従来のUSBポートとすることができる。これによって、電源10は、基本的に、従来のUSBポートを介して充電できるどのようなコード付きデバイスへも電力を供給できる。この実施形態は電力取出し口16を含むが、いくつかの実施形態においては、電力取出し口を除外して、電源は、無線でのみ電力を供給できるように構成できる。ワイヤレス給電器用ポート18は、基本的に、取外し可能なワイヤレス給電器を選択的に受け入れることができるどのようなポートでも良い。ワイヤレス給電器用ポート18の数及びタイプは、必要に応じて、用途によって変えることができる。
【0021】
取外し可能ワイヤレス給電器の設計及び構成は変わる可能性があるが、図6を参照して1つの実施形態について説明する。図解する実施形態の取外し可能給電器14は、概して、プラグ28と、コネクタ部30と、コイル組立体32とを含む。プラグ28は、基本的に取外し可能給電器を電源アダプタに選択的に電気接続するのに適するどのようなプラグ28でも良い。誤ったポートへの接続を防ぐために、プラグ28は、電力取出し口16に使用されるプラグと異なるものにすることができる。この実施形態において、コネクタ部30は、プラグ28と一次コイル20との間に延びる撓みリード34を含むことができる。撓みリード34は、例えば保管時にワイヤレス給電器14を電源アダプタの上に折り重ねて、サイズを小さくできる(図5)。撓みリードは、基本的に、プラグ28を一次コイル20に電気接続するためのどのような撓み、折畳み可能またはその他の調整可能な構造体でもよい。例えば、撓みリード34は、単に1対のワイヤでも良いし、フレキシブル回路基板上のもっと複雑なトレースのセットでも良い。コネクタ部30は、高度な可撓性を可能にしながらコネクタ部30を保護する可撓性材料でオーバーモールド(被覆成形)できる。
【0022】
図解する実施形態のコイル組立体32は、概して、コイル20と、磁石26と、オーバーモールド36とを含む。1つの実施形態において、コイル20は、リッツ線の丸形らせんコイルである。コイル20のサイズ、形状及び構成は、部分的には伝送される電力量次第で用途に応じて変えられる。例えば、コイル20の直径、コイル20のワイヤの巻き数及びコイル20を形成するために使用されるワイヤのサイズは、特定の用途に基づいて変えられる。必要があれば、コイル組立体32は、磁石26を含むことができる。磁石26は、コイル20の中心に配置でき、コイル20と遠隔デバイスの二次コイル22の整列を補助する手段を提供できる。また、磁石26は、保管のために折畳み状態(図5)でコイル組立体32を保持するのに役立つ。コイル組立体32を、保護のため及び(または)美観のためにオーバーモールドできる。その代わりに、コイル組立体32を、基本的に適切であればどのようなハウジングにでも収容できる。オーバーモールドまたはハウジング33は、予定されるワイヤレスデバイスと形状的に対応する輪郭を持つことができる。これによって、一次コイル20と二次コイル22との間に厳密な整列を与える補助となり、ワイヤレスデバイスDをコイル組立体32上の所定の位置に保持するのを助けることができる。
【0023】
別の取外し可能なワイヤレス給電器14を図7に示す。この実施形態において、取外し可能ワイヤレス給電器14は、遮蔽されることを除いて、基本的に図6に示す実施形態と同じである。図示するように、シールド38はコイル組立体32の中においてコイル20の下に配置される。シールド38は、給電器14の上に置かれたワイヤレスデバイスDが、漂遊電磁場線によって生じる可能性ある電磁干渉及びその他の問題を抑制しながら電力を受けられるようにする。シールドのサイズ、形状及び構成は、必要に応じて、用途によって変えられる。例えば、遮蔽材料、遮蔽材料の直径及び遮蔽材料の厚みは、コストと遮蔽性能との要求バランスが得られるように変えられる。
【0024】
図6及び7に示す実施形態において、電源回路網(図示せず)はハウジング12の中に含まれる。その代わりに、電源回路網の一部を取外し可能ワイヤレス給電器14に組み込める。例えば、DC/DC整流器、マイクロコントローラ、ドライバまたはスイッチ回路を、電源アダプタ13のハウジング12内ではなく取外し可能ワイヤレス給電器14に組み込める。1つの実施形態において、ワイヤレス給電器用ポートは、AC/DC整流器からの高いDCレール出力をワイヤレス給電器14へ供給でき、ワイヤレス給電器は、DC/DCコンバータ、マイクロコントローラ(一体化されたまたは別個のドライバを持つ)及びスイッチ回路を含むことができる。このような方策は、多重チャンネル素子に依存するのではなくそれぞれを適切な回路素子を持つように設計できるので、取外し可能ワイヤレス給電器14から得られる電力供給特性をより多様化できる。
【0025】
図8は、電源10の別の実施形態を示す。この実施形態において、電源10は、概して、一体化されたワイヤレス給電器14と、ワイヤレス給電器を選択的に取り付けるための複数のワイヤレス給電器用ポート18と、コード付きデバイスへ電力を供給するための複数の電力取出し口16とを含む。一体化されたワイヤレス給電器14は、取外し可能ワイヤレス給電器を取り付ける必要なく、少なくとも1台のワイヤレスデバイスが電力を受けられるようにする。ただし、複数のワイヤレスデバイスを無線で充電したい場合、追加の取外し可能ワイヤレス給電器を、必要に応じて、電源アダプタ13に接続できる。この実施形態において、電源10は、複数の異なる電力取出し口16を含むことができる。異なる電力取出し口16は、異なる量の電力を提供でき、より広い範囲のコード付きデバイスに電力を供給できるようにする。コード付きデバイスを正確に取り付け易くするために、異なる電力取出し口16は、異なる電力量ごとに異なるプラグ構成を持つことができる。例えば、図解する実施形態において、電力取出し口16は、2つの従来のUSBポート40と、円形ポート42と、台形ポート44とを含むことができる。
【0026】
図9は、ノート型パソコンLなど、比較的大きいワイヤレスデバイスに使用するように構成された別の取外し可能ワイヤレス給電器14を持つ図8の電源10を示す。この実施形態において、取外し可能ワイヤレス給電器14は、もっと長いコネクタ部30及びコイル組立体32を収容するもっと大きい支持面31を含む以外は、図6の取外し可能ワイヤレス給電器14と基本的に同じである。この実施形態において、支持面31は、もっと支持が小さいとぐらぐらするかもしれないデバイスに広い支持面を提供するように構成される。この実施形態において、コイル20(必要な磁石またはシールドと一緒に)は、比較的薄くて長方形の支持面31に配置される。支持面31をコイルの上にオーバーモールドするか、またはコイル20を予め製造された支持面のキャビティの中に挿入できる。図9は、支持面の中心に配置された1つの一次コイル20を示すが、一次コイル20の数及び位置は、用途に応じて変えられる。
【0027】
図10は、図3の電源へ電力を供給するのに適する回路の概略図である。電源10は、AC商用電源から受け取ったAC電力をDC電力に変換するAC/DC整流器60を含む。または、電源10は、AC/DC整流器60のDC出力を要求レベルへ変換する二重チャンネルDC/DC降圧コンバータ62を含む。二重チャンネルコンバータ62は、2つの異なる出力、すなわち電力取出し口16用の出力及びワイヤレス給電器14用出力を含む。DC電力の追加のレベルが必要とされる場合、DC/DC降圧コンバータは、多重チャンネルDC/DC降圧コンバータまたは複数の降圧コンバータを含むことができる。また、電源10は、マイクロコントローラ64及びスイッチ回路66を含む。マイクロコントローラ64は、スイッチ回路66を制御してコイル20のための適切なAC電力を発生するようにプログラムされる。この実施形態において、マイクロコントローラ64は、二重チャンネルコンバータ62の作動も制御する。例えば、マイクロコントローラ64は、スイッチ回路66へ供給されるDC電力のレベルを指定する制御信号を二重チャンネルコンバータ62へ送信できる。マイクロコントローラ64は、ワイヤレスデバイスから受け取った信号に基づいて適切なDC電力レベルを決定できる。信号は、反射インピーダンスによってまたは別個の誘導結合、赤外線通信、WiFi通信、ブルートゥース通信またはその他の通信法など別個の通信システムを介してワイヤレスデバイスから電源10へ送ることができる。マイクロコントローラ64は、基本的に、多様な誘導電源制御アルゴリズムのいずれに従っても良い。いくつかの実施形態において、マイクロコントローラ64は、携帯デバイスDからのフィードバックに基づいてコイル20へ与えられる電力の1つまたはそれ以上の特徴を変更できる。例えば、マイクロコントローラ64は、タンク回路(例えば、コイル及びコンデンサの組合せ体)の共振周波数、スイッチ回路66の作動周波数、コイル20へ与えられるレール電圧またはコイル20へ与えられる電力のデューティサイクルを調節して、携帯デバイスDへ誘導的に伝送される電力の効率または量に影響を与えることができる。誘導電源の作動を制御する多様な技法及び装置が知られている。例えば、マイクロコントローラは、「誘導結合バラスト回路」と題する2004年11月30日公開のKuennen他に対する米国特許第6825620号に開示された制御アルゴリズム、「適応的誘導電源」と題する2007年5月1日公開のBaarmanに対する米国特許第7212414号の適応的誘導電源、「通信機能を持つ適応的誘導電源」と題するBaarmanによって2003年10月20日に提出された米国特許出願第10/689148号の通信機能を持つ誘導電源、「バッテリを充電するシステム及び方法」と題するBaarmanによって2007年9月14日に提出された米国特許出願第11/855710号のLI−ION電池を無線で充電する誘導電源、「デバイス識別機能を持つ誘導電源」と題するBaarman他によって2007年12月27に提出された米国特許出願第11/965085号のデバイス識別機能を持つ誘導電源、または「デューティサイクル制御機能を持つ誘導電源」と題するBaarmanによって2008年1月7日に提出された米国特許出願第61/019411号のデューティサイクル制御機能を持つ誘導電源(これら全てが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、のうち1つに従って作動するようプログラムできる。
【0028】
略図は1つの電力取出し口16しか示さないが、電力取出し口16の数は、要求数まで増大できる。例えば、図3の電源10を実現するために、電源10は4つの電力取出し口16を含むことができる。
【0029】
また、図10は、電源アダプタ13に隣接して配置されたワイヤレス電子デバイスDを示す。ワイヤレス電子デバイスDは、概して、ワイヤレス受電器80と、AC/DC整流器70と、マイクロコントローラ74と、バッテリ76と、負荷78とを含む。この実施形態において、ワイヤレス受電器80を、二次コイル22とすることができる。二次コイル22は、電源10の一次コイル20から電力を誘導的に受け取るように構成される。図解する実施形態において、二次コイル20は、分割巻きらせん巻コイルである。二次コイル22のサイズ、形状及び構成は、一次コイル20の特性に対応するように選択できる。この実施形態のワイヤレス受電器はコイルであるが、ワイヤレスデバイスは、他の形式のワイヤレス受電器を含むことができる。二次コイル22は、AC/DC整流器70に電気的に結合される。二次コイル22において発生したAC電力は、整流器70の中へ流れて、ここで、DC電力へ変換される。DC電力を適切なレベルに調整するように整流器70を構成するか、またはマイクロコントローラ74は、バッテリ76または負荷デバイス78へ整流器の出力を与える前に整流器70の出力を調節するDC/DCコンバータを含むことができる。二次マイクロコントローラ74は、基本的に、多様な誘導電源制御アルゴリズムのいずれに従っても良い。いくつかの実施形態において、二次マイクロコントローラ74は、一次マイクロコントローラ64に、一次マイクロコントローラがコイル20に与えられる電力の1つまたはそれ以上の特性を変更できるようにする通信を送ることができる。例えば、二次マイクロコントローラ74は、一次コイル20から受け取っている電力量を示すまたはより多くの電力を必要とするかあるいはより少ない電力を必要とするかを示す通信信号を送ることができる。ワイヤレス電子デバイスにおける誘電電源の作動を制御するための多様な技法及び装置が知られている。例えば、二次マイクロコントローラは、「誘導結合バラスト回路」と題する2004年11月30日公開のKuennen他に対する米国特許第6825620号に開示された制御アルゴリズム、「適応的誘導電源」と題する2007年5月1日公開のBaarmanに対する米国特許第7212414号の適応的誘導電源、「通信機能を持つ適応的誘導電源」と題するBaarmanによって2003年10月20日に提出された米国特許出願第10/689148号の通信機能を持つ誘導電源、「バッテリを充電するシステム及び方法」と題するBaarmanによって2007年9月14日に提出された米国特許出願第11/855710号のLI−ION電池を無線で充電する誘導電源、「デバイス識別機能を持つ誘導電源」と題するBaarman他によって2007年12月27に提出された米国特許出願第11/965085号のデバイス識別機能を持つ誘導電源、または「デューティサイクル制御機能を持つ誘導電源」と題するBaarmanによって2008年1月7日に提出された米国特許出願第61/019411号のデューティサイクル制御機能を持つ誘導電源(これら全てが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、のうち1つに従って作動するようプログラムできる。
【0030】
回路網は、要求数のワイヤレス給電器及び電力取出し口へ電力を提供するように用途によって変えられる。例えば、図11は、電源10が1つの電力取出し口16と1対の一体的ワイヤレス給電器14とを含む別の回路を示す。この実施形態において、電源10は、様々なDC電力出力を提供できる多重チャンネルDC/DC降圧コンバータ92を含む。図解する実施形態において、多重チャンネルコンバータ92は、3つの異なる電力出力、すなわち電力出力ジャック用、第一の一次コイル用及び第二の一次コイル用の電力出力を提供できる。この実施形態において、マイクロコントローラ94は、スイッチ回路96の作動を制御し、また、ワイヤレスデバイスからの信号に基づいて個別にDC電力レベルを設定するように多重チャンネルコンバータ92に指示できる。例えば、ワイヤレスデバイスがより多くの電力を必要とする場合、ワイヤレスデバイスは適切な信号をマイクロコントローラ94へ送り、マイクロコントローラ94は、該当のスイッチ回路96へのDC電力出力を増大するよう多重チャンネルコンバータ92に指示できる。他方、より少ない電力を必要とする場合、ワイヤレスデバイスは、適切な信号をマイクロコントローラ94へ送り、マイクロコントローラ94は、該当するスイッチ回路96へのDC電力出力を減少するよう多重チャンネルコンバータ92へ指示できる。
【0031】
図12は、図8の電源に使用するのに適する回路を示す概略図である。この実施形態において、電源10は、1つの一体化されたワイヤレス給電器14、4つの電力取出し口16及び4つのワイヤレス給電器用ポート18へ電力を供給する。前述の実施形態と同様、回路は、AC商用電源から受け取ったAC電力をDC電力に変換するAC/DC整流器60と、AC/DC整流器60のDC出力を複数のDC出力に変換する多重チャンネルDC/DC降圧コンバータ100と、電源10の作動を制御するマイクロコントローラ100と、一体化及び取外し可能ワイヤレス給電器14への電力の適用を制御する複数のスイッチ回路104と、スイッチ回路104のタイミングを制御する複数のドライバ102とを含む。マイクロコントローラ98は、DC/DCコンバータ及びドラバ102の両方を制御するようにプログラムされる。DC/DCコンバータに関しては、マイクロコントローラ98は、電力取出し口16及び(または)ワイヤレス給電器14のための様々なDC電力出力レベルを個別に指示する制御信号をDC/DCコンバータ100へ送ることができる。この機能によって、マイクロコントローラ98は、電力取出し口16のDC出力を個別に調節して、多様なコード付き電子デバイスに対処できる。ワイヤレス給電器14用のDC出力は、スイッチ回路104用のレール電圧として機能する。従って、マイクロコントローラ98は、ワイヤレス給電器14用のDC出力を個別に調節することによってワイヤレス給電器14の電力出力を個別に調節することができる。この機能が要求されない用途の場合、電力取出し口16及びワイヤレス給電器14のためのDC/DCコンバータ出力レベルを固定できる。ドライバ102に関しては、マイクロコントローラ98は、ドライバ102のタイミングを調節して、スイッチ回路104のタイミングを変えられる。これを用いて、さらに、ワイヤレス給電器14に与えられる電力の作動周波数及び(または)デューティサイクルを調節できる。上述のように、マイクロコントローラ98は、多様な制御法に従ってワイヤレス給電器14を作動できる。例えば、マイクロコントローラ98は、ワイヤレスデバイスが求める電力レベル及び(または)ワイヤレスデバイスとの誘導結合の効率に関する情報に基づいて、一次コイル20に与えられる電力のレール電圧、ワイヤレス給電器の作動周波数または適切なDC電力レベルのデューティサイクルを調節できる。別の例として、各ワイヤレス給電器14をタンク回路(例えば、コイル20及び共振コンデンサ21を含む分岐回路)(これは電源アダプタ13の中または差込みコイルモジュールの1つまたはワイヤレス給電器14の中に配置できる)の中に収容でき、マイクロコントローラをタンク回路の共振周波数を調節できるように構成して、タンク回路が広範囲の作動周波数において効率よく作動するようにできる。マイクロコントローラは、タンク回路のインダクタンス及び(または)キャパシタンスを調節することによって、タンク回路の共振周波数を調節できる。インダクタンスは、可変インダクタまたはタンク回路への出入りを切り替えられるインダクタのバンクを用いて調節できる。同様に、キャパシタンスは、可変コンデンサまたはタンク回路への出入りを切り替えられるコンデンサのバンクを用いて調節できる。
【0032】
第二態様において、本発明は、異なる電源構成を提供できる電源510を提供する。図13及び14に示す実施形態において、電源510は、電源アダプタ513の異なる区分512に配置された2つのワイヤレス給電器514を含む。2つの区分512は、蝶番517に沿って相互に接合されるので、回動して、2つの給電器の相互に対する位置及び向きを変えられる。図13に示す電源アダプタ13は、フラットな状態に広げられて、2つの横並びの充電領域を提供する。図14は、2つのワイヤレス電子デバイスDを2つの横並びの給電器514にどのように配置できるかを示す。この実施形態において、電源アダプタ513は、2つのハウジング区分512を含む。電源回路網は、ハウジング区分の一方または両方に組み込める。1つの実施形態において、単一の多重チャンネル回路が設置されて、両方のワイヤレス給電器に電力を供給する。別の実施形態において、別個の電源回路が各ワイヤレス給電器に設置される。蝶番517は、リードが一方のハウジング区分512から他方のハウジング区分512へ通過できるように構成される。例えば、電源回路網の大半は一方のハウジング区分512に配置され、蝶番517を通過して延びるリードは、第二ハウジング区分512の一次コイル20へ電力を送達できる。
【0033】
図15は、本発明の第二態様の第一対案の実施形態を示す。この実施形態において、電源510は、回転ジョイントで結合された2つの区分を含む。別個のワイヤレス給電器514が各区分512に配置される。2つの区分512は、異なる位置へ回転でき、2つのワイヤレス給電器514の位置及び向きを変えられる。例えば、図16は、ワイヤレス給電器514の一方のコイルが180度回転するまで、2つの区分の一方を他方の区分に対して徐々に回転させているところを示す一連の図である。初期位置において、電源510を使用して、電源アダプタ513の上面に置かれた2台の隣り合うワイヤレスデバイスへ電力を無線で供給できる。回転位置において、電源510を使用して、電源アダプタ513の対向する側に配置された2台のワイヤレスデバイスへ電力を無線で供給できる。多様なコネクタを使用して、2つの区分512を接合できる。例えば、1つの実施形態において、コネクタは、概して管状であり、一方の区分から他方の区分へワイヤを配線する中央の穴を含むことができる。別の実施形態において、コネクタ520は、図17に示すコネクタの場合のように、2つの区分512の間の電気接続を創生できる。図14の実施形態と同様、電源回路網は、ハウジング区分の一方または両方に組み込め、単一の多重チャンネル電源回路または別個の個別の回路を使用して、ワイヤレス給電器へ電力を供給できる。
【0034】
図18A〜Eは、図15の電源10の様々な充電形態を示す。図18Aは、2つのコイル522の一方の上に配置されてこれから電力を受け取る単一のワイヤレスデバイスDを示す。図18Bは、各々別個のコイル522の上に配置されてこれから電力を受け取る2台のワイヤレスデバイスDを示す。図18Cは、両方のコイル522の上に配置されてこれから電力を受け取る単一のワイヤレスデバイスDを示す。この実施形態において、ワイヤレスデバイスDは、2つの二次コイル524を含み、デバイスDは、2つの一次コイル522から同時に電力を受け取れる。図18D及びEは、2つのコイル522が電源アダプタ513の対向する側に位置するように再構成された電源10を示す。図18Dにおいて、別個のワイヤレスデバイスDが電源アダプタ513の対向する側に配置されて、対向するコイル522から電力を受け取る。図18Eにおいて、電源アダプタ513はワイヤレス使用可能表面526の上に配置される。この実施形態において、ワイヤレスデバイスDを上向きのコイルの上に配置してこれから電力を受け取り、その間、下向きのコイル522は、表面526に取り付けられた二次コイルへ電力を供給する。
【0035】
図15の電源10の別の応用の可能性を図19及び20に示す。この実施形態において、ノート型パソコンLは、電源アダプタ513の外側区分を受け入れるように構成された電源用ノッチ528を含む。図20に示すように、電源用ノッチ528は、外側区分512をぴったりと受け入れるサイズ及び形状を持つことができる。この実施形態において、内側区分512はワイヤレスデバイスDを支持して、これに電力を供給できる。
【0036】
図21は、図15のワイヤレス電源510を受け入れるように構成されたワイヤレスコンピュータ用ドックCを示す。この実施形態において、コンピュータ支持面は、電源アダプタ513を受け入れるように作られた溝530を形成する。溝530を、アダプタ513より長くして、アダプタ513を溝に沿ってスライドさせて、ノート型パソコンLの下におけるコイル522の位置を変えられる。この実施形態において、ノート型パソコンLは、両方の一次コイル522から電力を受け取る2つの二次コイル(図示せず)を含むことができる。または、一方のコイルがノート型パソコンLの下方に位置し、他方がノート型パソコンLの縁を通過して延びて別のワイヤレスデバイス(図示せず)へ電力を供給できるように、電源アダプタ13を配置できる。
【0037】
図22は、図15のワイヤレス電源10を受け入れるように構成されたコンピュータ用バッグを示す。この実施形態において、コンピュータ用バッグBは、電源アダプタ513を受け入れるポケット534付きの中央フラップ532を含む。電源510は、一次コイルが同じ方向または反対方向を向くように構成できる。この実施形態において、ポケット534は、電源アダプタ513がフラップ532の片側に入れられたノート型パソコン及びフラップ532の反対側に入れられたワイヤレスデバイスDへ電力を供給できる位置に電源アダプタ513を保持するように配置される。別の実施形態において、ポケットはバッグのどこにでも配置できる。例えば、ポケットを水平の向きにして、バッグの壁の1つに配置できる。このような実施形態において、バッグの中央のフラップは排除できる。
【0038】
図23は、単一の電源に複数のワイヤレス給電器514を取り付けることができる、別の電源510を示す。この実施形態において、電源510の主回路網は、電源アダプタ513の中に収容される。ワイヤレス給電器514は、必要に応じて電源アダプタ513に追加できるモジュール514式に設置される。例えば、図23に示すように、各モジュールは1つの雄型コネクタ520及び1つまたはそれ以上の雌型コネクタ(図示せず)を含むことができる。雄型及び雌型コネクタは必要に応じて配置できる。例えば、各モジュール514は、1つの側面の中央から延びる雄型コネクタ520と、他の3つの側面の中央に位置する3つの雌型コネクタとを含むことができる。この実施形態において、雄型コネクタ520は、モジュール514を電源アダプタ513または別のモジュール514に固定できるようにする。モジュール514は、デイジーチェイン式(daisy-chained)に接続して、ほぼどのような配列の一次コイルでも構成できる。多様なコネクタを使用して、モジュール514を接合できるが、図17は、隣り合うモジュールを接合する1つの可能な雄型コネクタの端面側面図を示す。この実施形態において、コネクタ514は、2つの導体コネクタであり、上側接点540及び下側接点542は、絶縁材544によって分離される。図示しないが、雌型コネクタは、上側接点540及び下側接点542と別個に係合する2つの接点を含む。ばね荷重ベアリングなどスナップ嵌めキャッチを使用して、雄型コネクタを雌型コネクタと固定できる。ベアリングは、雄型コネクタが適切に雌型コネクタに嵌合したとき、絶縁体の周りの溝にスナップ嵌めするように構成される。ベアリングは、非導電性材料から製造して、上側接点と下側接点との間に短絡が生じないようにできる。
【0039】
本発明の第二態様による電源の別の実施形態を図24及び25に示す。この実施形態において、電源510は、ワイヤレス給電器514を収容する複数の折畳み式アームを持つ電源アダプタ513を含む。図示するように、電源アダプタは、電源回路網(図示せず)の大半を収容する中央区分515を含むことができる。4つの折畳み式区分512は、蝶番550を用いて蝶番式に中央区分515に結合できる。この実施形態において、2つの折畳み式区分512は中央区分515の上面に折り重ねることができ、2つの折畳み式区分552は、中央区分の下面に下に折り重ねることができる(図25)。図解する実施形態において、各折畳み式区分512内に別個のワイヤレス給電器514(例えば、一次コイル)が配置される。折畳み式区分512を広げて、比較的大きい充電配列を提供するか、または折り畳んでコンパクトに保管できる。
【0040】
図26及び27は、本発明の第二態様による電源の別の実施形態を示す。この実施形態において、電源510は、ワイヤレス給電器514を収容する複数の折畳み式アームを持つ電源アダプタ513を含む。図示するように、電源アダプタ513は、電源回路網(図示せず)の大半を収容する中央区分515を含むことができる。3つのコイル組立体562は、撓みコネクタ部564によって中央区分515に結合できる。3つのコイル組立体562は、全て、中央区分515の上面に積み重ね状に折り重ねられる(中央区分515の上に3つのコイル組立体のうち2つが折り重ねられている図27を参照されたい)。必要があれば、磁石(図示せず)を各コイル組立体562内に配置できる。磁石は、ワイヤレスデバイスがコイル組立体の上に配置されるときコイルと整列させるのに役立つ。さらに、磁石は、コイル組立体562を積み重ね状態に保持するのに役立つ。コイル組立体562は、中央区分に固定的に結合するか、または、以前に説明した実施形態に関連して説明したようにプラグとポートを用いて取外し可能に結合できる。
【0041】
図29及び30は、本発明の第二態様による電源の別の実施形態を示す。この実施形態において、電源510は、外向きにスライドしてノート型パソコンの下に嵌合する薄いパネルを持つ電源アダプタ513を含む。薄いパネル600は、コイル20を含む。1つの実施形態において、コイル20は、リッツ線の丸形らせんコイルである。コイル20のサイズ、形状及び構成は、部分的に伝送される電力量に次第で、用途によって変えられる。例えば、コイル20の直径、コイル20におけるワイヤの巻き数及びコイル20を形成するために使用されるワイヤのサイズは、特定の用途に基づいて変えられる。必要があれば、パネル600は、磁石26を含むことができる。パネルは、基本的に、電源回路網の任意の部分または全部を含むことができる。または、コイル20を除いて、電源回路網の一部または全部を電源アダプタ513に含めることができる。1つの実施形態において、以上の実施形態において説明したように、コイル組立体はパネルに含められ、電源回路網は電源アダプタに含められる。パネル600は、予定されるワイヤレスデバイスと形状的に一致する輪郭を持つことができる。現時点の実施形態において、パネルは、ノート型パソコンLに設置されたスロットの下に嵌合できる薄い構造を示す。これは、一次コイル20と二次コイル22との間をぴったりと整列させるのに役立ち、ノート型パソコンLをコイル20上の所定の位置に保持するのに役立つ。パネルは、選択的に電源アダプタ513へ引っ込めることができるので、コイルを使用しないときには、パネルを引っ込み位置にすることができる。いくつかの実施形態において、パネルは、引っ込み位置にロックできる。引っ込み位置のとき、この実施形態の電源アダプタ513は図3の実施形態と同様である。図示しないが、別の実施形態において、コード付き電源コネクタを電源アダプタに含めることができる。パネルが伸縮されるとき、電源アダプタとパネルの中の電源回路網との間の電気接続を維持できる。例えば、ワイヤに充分な緩みがあれば、パネルが伸ばされたとき、パネルの中のコイルまたは電源回路網は、電源アダプタの中の電源回路網との間の電気接続を維持する。1つの実施形態において、壁コード自体が、直接的にパネルの中の電源回路網と電気接続を維持するのに充分な緩みを有する。
【0042】
図31及び32は、本発明の第二態様による電源のさらに別の実施形態を示す。この実施形態において、電源510は、拡張状態に回転するまたは広がる薄いパネル602を持つ電源アダプタ513を含む。伸縮式パネルの実施形態と同様、パネル602は、コイル20を含む。1つの実施形態において、コイル20は、リッツ線の丸形らせんコイルである。コイル20のサイズ、形状及び構成は、部分的に伝送される電力量次第で、用途に応じて変えられる。例えば、コイル20の直径、コイル20におけるワイヤの巻き数及びコイル20を形成するために使用されるワイヤのサイズは、特定の用途に基づいて変えられる。必要な場合、パネル602は、磁石26を含むことができる。パネル600は、予定されるワイヤレスデバイスと形状的に一致する輪郭を持つことができる。現時点の実施形態において、パネルは、ノート型パソコンLに設置されたスロットの下に嵌合できる薄い構造を示す。パネルは、多様な位置の間で選択的に回転できる。1つの位置において、パネルをホーム位置にロックできる。現時点の実施形態において、この位置において、電源アダプタ513は図3の実施形態と同様の形態を持つ。図示しないが、別の実施形態において、コード付き電源コネクタを電源アダプタに含めることができる。伸縮式の実施形態と同様、任意の組合せの電源回路網をパネル及び(または)アダプタに含めることができる。さらに、パネルが伸ばされたときまたは引っ込められたとき、電源アダプタとパネルとの間の電気接続を維持できる。例えば、パネルと電源アダプタとの間のワイヤに充分な緩みがあれば、パネルが伸ばされたとき、パネルの中のコイルまたは電源回路は、電源アダプタの中の電源回路網との間の電気接続を維持する。1つの実施形態において、壁コード自体が、直接的にパネルの中の電源回路との電気接続を維持するのに充分な緩みを有する。
【0043】
電源10の回路網は、用途によって変えられる。電源からワイヤレスデバイスDへ無線で電力を供給するのに適する多様な回路及び回路素子が当業者には知られている。限定的ではなく、開示のために、1つの適した回路について図28に関連して説明する。図28は、2つの別個のワイヤレス給電器14へ電力を無線で供給する電源回路の概略図である。この実施形態において、ワイヤレス給電器は、変動する電力供給の応用に応じて電磁場を発生するように構成された一次コイル20である。電源回路網は、概して、AC商用電源から受け取ったAC電力をDC電力へ変換するAC/DC整流器60を含む。また、電源10は、AC/DC整流器60のDC出力を要求レベルへ変換する二重チャンネルDC/DC降圧コンバータ65を含む。二重チャンネルDC/DCコンバータ65は、異なる出力レベルの2つのDC出力を提供する能力を有する。また、電源10は、二重マイクロコントローラ94及び1対のスイッチ回路96を含む。二重マイクロコントローラ94は、各対のスイッチ回路96を別個に作動でき、2つの一次コイル20によって供給される電力を対応するワイヤレスデバイスDに別個に適合できる。二重マイクロコントローラ94は、二重チャンネルDC/DCコンバータへ制御信号を送って、DC出力の出力レベルを設定するようにプログラムされる。また、二重マイクロコントローラは、2つのスイッチ回路96を制御して、2つのコイル20のために適切なAC電力を発生するようにプログラムされる。例えば、二重マイクロコントローラは、スイッチのタイミングを制御して、2つの一次コイルへ与えられる信号の作動周波数及び(または)デューティサイクルを変えられる。以前に説明した電源回路の実施形態と同様、この実施形態の二重マイクロコントローラ94は、基本的に、多様な誘導電源制御アルゴリズムのどれにでも従うことができる。いくつかの実施形態において、二重マイクロコントローラ94は、対応する携帯デバイスDからのフィードバックに基づいてコイル20に与えられる電力の1つまたはそれ以上の特徴を変更できる。例えば、二重マイクロコントローラ94は、共振周波数、作動周波数、レール電圧またはデューティサイクルを調節して、対応する携帯デバイスDへ誘電的に伝送される電力の効率または量に影響を与えることができる。誘導電源の作動を制御するための多様な技法及び装置が知られている。例えば、二重マイクロコントローラは、「誘導結合バラスト回路」と題する2004年11月30日公開のKuennen他に対する米国特許第6825620号において開示された制御アルゴリズム、「適応的誘導電源」と題する2007年5月1日公開のBaarmanに対する米国特許第7212414号の適応的誘導電源、「通信機能を持つ適応的誘導電源」と題するBaarmanによって2003年10月20日に提出された米国特許出願第10/689148号の通信機能を持つ誘導電源、「バッテリを充電するシステム及び方法」と題するBaarmanによって2007年9月14日に提出された米国特許出願第11/855710号のLI−ION電池を無線で充電する誘導電源、「デバイス識別機能を持つ誘導電源」と題するBaarman他によって2007年12月27に提出された米国特許出願第11/965085号のデバイス識別機能を持つ誘導電源、または「デューティサイクル制御機能を持つ誘導電源」と題するBaarmanによって2008年1月7日に提出された米国特許出願第61/019411号のデューティサイクル制御機能を持つ誘導電源(これら全てが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、のうち1つに従って作動するようプログラムできる。図28の実施形態は、二重マイクロコントローラを含むが、二重マイクロコントローラを各ワイヤレス給電器用の別個のマイクロコントローラに置き換えることができる。
【0044】
また、図28は、1対のワイヤレス電子デバイスDにおける回路網の概略図を示す。図示するように、各デバイスDは、異なる一次コイル20に隣接して配置される。この実施形態において、2台のデバイスDの回路は、基本的に同一である。従って、1台についてのみ詳細に説明する。ワイヤレス電子デバイスDは、概して、ワイヤレス受電器22と、AC/DC整流器70と、マイクロコントローラ74と、バッテリ76と、負荷78とを含む。この実施形態において、ワイヤレス受電器22を二次コイル22とすることができる。二次コイル22は、電源10の中の一次コイル20から電力を誘導的に受け取るように構成される。二次コイル22のサイズ、形状及び構成は、一次コイル20の特性に対応するように選択できる。この実施形態のワイヤレス受電器22は、コイルであるが、ワイヤレスデバイスは、他の形式のワイヤレス受電器を含むことができる。二次コイル22は、AC/DC整流器70に電気的に結合される。二次コイル22において発生したAC電力は、整流器70へ入り、ここでDC電力へ変換される。DC電力を適切なレベルへ調整するように整流器70を構成するか、またはマイクロコントローラ74は、整流器70の出力をバッテリ76または負荷78へ与える前にこれを調節するDC/DCコンバータを含むことができる。二次マクロコントローラ74は、基本的に、多様な誘導電源制御アルゴリズムのいずれに従ってもよい。いくつかの実施形態において、二次マイクロコントローラ74は、一次マイクロコントローラに通信を送って、一次マイクロコントローラ94が、コイル20へ与えられる電力の1つまたはそれ以上の特性を変更できるようにする。例えば、二次マイクロコントローラ74は、一次コイルから受け取る電力量を示す通信信号またはより多くの電力を必要とするかより少ない電力を必要とするかを示す通信信号を送ることができる。ワイヤレス電子デバイスの中の誘導電源の作動を制御するための多様な技法及び装置が知られている。例えば、二次マイクロコントローラは、「誘導結合バラスト回路」と題する2004年11月30日公開のKuennen他に対する米国特許第6825620号において開示された制御アルゴリズム、「適応的誘導電源」と題する2007年5月1日公開のBaarmanに対する米国特許第7212414号の適応的誘導電源、「通信機能を持つ適応的誘導電源」と題するBaarmanによって2003年10月20日に提出された米国特許出願第10/689148号の通信機能を持つ誘導電源、「バッテリを充電するシステム及び方法」と題するBaarmanによって2007年9月14日に提出された米国特許出願第11/855710号のLI−ION電池を無線で充電する誘導電源、「デバイス識別機能を持つ誘導電源」と題するBaarman他によって2007年12月27に提出された米国特許出願第11/965085号のデバイス識別機能を持つ誘導電源、または「デューティサイクル制御機能を持つ誘導電源」と題するBaarmanによって2008年1月7日に提出された米国特許出願第61/019411号のデューティサイクル制御機能を持つ誘導電源(これら全てが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、のうち1つに従って作動するようプログラムできる。
【0045】
図示しないが、本発明の第二態様による電源は、コード付き電子デバイスWDへ電力を供給する電力取出し口を含むことができる。例えば、図13〜27の電源は、電力取出し口を含むように変形できる。電力取出し口の数、設置位置及び仕様は用途によって変えられる。
【0046】
図33を参照すると、多重入力のワイヤレス電源10の1つの実施形態が示される。図示する実施形態は、第一入力電圧または第二入力電圧を受け入れることができるAC/DC整流器回路を含む。別の実施形態において、AC/DC整流器回路61は、付加的入力電圧を受け入れることができる。入力電圧はDCまたはACが可能である。入力電圧は、多様なレベルが可能である。例えば、図示する実施形態において、AC/DC整流器は、110VACまたは220VACを受け入れることができる。別の実施形態において、AC/DC整流器は、110VAC、220VAC、19VDCまたは5VDCを受け入れることができる。AC/DC整流器は、整流出力を生成できる。DC入力電圧が供給される場合、整流器は、ほとんどあるいは全く信号に対して効果を持たないが、それでも、整流DC出力は提供される。
【0047】
AC/DC整流器61に加えて、現時点の実施形態において、低出力DC/DC降圧コンバータ63が設置されて、マイクロコントローラに電力を供給する。マイクロコントローラに電力を供給するには少量の電力しか(典型的には、数マイクロワット)必要としないので、DC/DC降圧コンバータのサイズは、小さく維持される。いくつかの実施形態においては、回路が小型DC電力源を必要としない場合には、例えばマイクロコントローラがバッテリから電力供給を受ける場合または回路がマイクロコントローラの代わりにアナログ素子を持つように設計される場合には、DC/DCコンバータを排除できる。
【0048】
多重入力ワイヤレス電源は、第一入力電圧及び第二入力電圧のいずれが多重入力ワイヤレス電源に接続されるかを検出するセンサを含む。現時点の実施形態において、センサは、AC/DC整流器回路に含まれる。別の実施形態において、センサを別個の素子とするか、またはマイクロコントローラまたはその他の素子に組み込める。3つ以上の入力電圧を使用する実施形態においては、センサは、複数の異なる入力電圧のどの電圧に接続されているかを測定できる。現時点の実施形態において、センサは電圧センサであるが、別の形態において、電流センサまたはどの電源電圧がワイヤレス電源に接続されているか確実に指摘できる別の形式のセンサを使用できる。現時点の実施形態において、整流電圧は、AC/DC整流器回路において感知され、別の実施形態において、予整流電圧を感知できるが、当然、コントローラにおけるプログラミングをこれに従って修正する必要がある。
【0049】
また、多重入力ワイヤレス電源は、各々AC/DC整流器からの整流出力に結合された複数のスイッチ回路96、97を含む。すなわち、整流器回路61からの出力は、まず降圧コンバータによって降圧されることなく、スイッチ回路96、97へ直接結合される。現時点の実施形態において、スイッチ回路は、第一入力電圧及び第二入力電圧のどちらか高い方に合わせて定格される。3つ以上の異なる入力電圧を受け入れることができる実施形態においては、スイッチ回路を最高入力電圧に合わせて定格できる。複数の入力電圧を受け入れることができるシステムにおいては、全てのスイッチを最高入力電圧に合わせて定格する代わりに、最高入力電圧に合わせて1つのスイッチを定格することができ、付加的スイッチ回路は、入力電圧がこのスイッチの定格より低いとマイクロコントローラが判断した場合のみ電気経路に入ることができる。
【0050】
多重入力ワイヤレス電源の現時点の実施形態においては、2つのタンク回路またはワイヤレス給電器14、15が含まれる。別の実施形態においては、付加的タンク回路を含むことができる。各タンク回路は、遠隔デバイスへ無線で電力を供給するように設計され、タンク回路は、少なくともこのタンク回路に関連するスイッチ回路に提供されるDC電圧量の関数に基づいて選択される。例えば、タンク回路が165VDC(すなわち、整流110VAC)を受け取るとすると、タンク回路14のインダクタ20及びコンデンサ21の特性は、タンク回路に近接して置かれた遠隔デバイスへ適切な電力量が伝送されるように選択される。異なる入力電圧には異なるタンク回路素子が使用される。すなわち、19VDC、5VDCまたは308VDC(整流220VAC)など異なる入力電圧用のタンク回路素子は、全て、遠隔デバイスへ目標電力量を提供するように別個に選択/設計される。現時点の実施形態において、第一タンク回路14は、複数のスイッチ回路の1つ96に結合される。第2タンク回路15は、複数のスイッチ回路の別の1つ97に結合される。第二タンク回路の特性は、第二入力電圧の関数として遠隔デバイスに電力を伝送するように選択される。すなわち、第一タンク回路14のインダクタ20及びコンデンサ21の形状、サイズ及び特性が第一入力電圧に基づいて選択されたのと全く同様に、タンク回路の中のインダクタ23及びコンデンサ25の形状、サイズ及び特性は、第2入力電圧に基づいて選択される。現時点の実施形態において、第二タンク回路14の特性は、第一タンク回路15の特性と異なる。図示する実施形態において、両方のタンク回路は、DC/DCコンバータによって降圧されていない高いDCレール電圧を受け入れるように設計される。この実施形態の1つの利点は、比較的嵩の大きいDC/DCコンバータが不要であり、回路設計からこれを除外できることである。
【0051】
さらに、多重入力ワイヤレス電源は、異なるワイヤレス電力量を提供するように設計できる。いくつかの実施形態において、多重入力ワイヤレス電源は、動的であり、スイッチ回路の作動周波数の調節、スイッチ回路のデューティサイクルの調節、レール電圧調節または伝送される電力量に影響を与えるその他の特性に基づいて、遠隔デバイスへ提供される電力流を調節できる。これらの多数の技法については、以前に参照によって組み込まれた上述の参考文献において論じられている。
【0052】
また、多重入力ワイヤレス電源は、低出力DC/DCコンバータ及びスイッチ回路に結合されたマイクロコントローラ95を含むことができる。マイクロコントローラは、センサからの出力に基づいて複数のスイッチ回路を制御するようにプログラムされる。センサは、どの入力源が接続されているかを指示する。最も単純な実施形態において、整流電圧は全てのスイッチ回路に与えられるが、その特定の入力電圧(または入力電圧範囲)のために設計されたタンク回路に結合されたスイッチ回路のみが作動する。他の実施形態において、AC/DC整流器回路は、スイッチまたはマルチプレクサを含み、整流電圧は、DC/DC降圧コンバータ及び適切なスイッチ回路のみに与えられる。いくつかの実施形態において、可能性のある各入力電圧または入力電圧範囲のためにタンク回路/スイッチ回路の配列体を含むことができる。
【0053】
複数の入力で作動できる多重入力ワイヤレス電源の代わりに、単一入力の低DCレールワイヤレス電源によって生成される電磁場と同様の電磁場を生成するように、単一入力の高DCレールワイヤレス電源を設計できる。すなわち、単一入力のワイヤレス電源は、高出力DC/DCコンバータ無しで設計でき、DC整流電圧はスイッチ回路によって使用されて、低DCレール電圧を用いて電磁場を発生するワイヤレス電源が生成する電磁場と同様の電磁場を生成するように明白に設計されたタンク回路を横切ってAC信号を発生する。
【0054】
特に、本発明の1つの実施形態において、高DCレールワイヤレス電源を設計する方法が提供される。この方法は、高DCレール電圧を発生するAC/DC整流器と、高DCレール電圧を低DCレール電圧に降圧するDC/DCコンバータとを含む、低DCレールワイヤレス電源を用意するステップ、低DCレール電圧を切り替えてAC信号を発生するスイッチ回路を用意するステップと、電磁場を発生するAC信号に結合されたタンク回路を用意するステップと、を含む。この方法は、低DCレールワイヤレス電源に基づいて素子を選択するステップを含む。特に、方法は、高DCレール電圧を発生するAC/DC整流器を選択するステップと、高DCレール電圧を切り替えるように定格されたスイッチ回路を選択するステップと、高DCレール電圧に応答して低DCレールワイヤレス電源によって生成される電磁場と同様の電磁場を発生する特性を有するタンク回路を選択するステップと、を含む。
【0055】
上記の説明は、本発明の現時点の実施形態の説明である。本発明の思想及びより広義の態様から逸脱することなく多様な変更及び改変を加えることができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源、特に多様なデバイスに電力を供給できる電源に関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型パソコン、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン及び携帯メディアプレーヤなど携帯電子デバイスの使用は、引き続き急激に増大している。電子デバイスとの無線通信を可能にするために多様な規格が開発されたが、これらのデバイスの多くは、相変わらず、コードで電子デバイスに接続される電源を必要とするという悩みを持つ。典型的には、各電源は、アダプタの入力を壁コンセントへまたアダプタの出力を電子デバイスへ接続するコードと一緒に、AC商用電源電力をデバイスが必要とするDC電力へ変換する電源アダプタを含む。いくつかのケースにおいては、アダプタからプラグが延びて、アダプタを直接壁付きコンセントに差し込んで、アダプタから電子デバイスへの1本のコードのみを必要とする(図1)。電源アダプタ(「ブリック」とも呼ばれる)は、比較的重く、大きな空間を占める。従来の電源システムは多様な欠点を持つ。例えば、アダプタ及びこれに関連するコードを持つ電源を使用し、保管し、必要に応じて携帯するのは、煩わしい。使用時に、コードは、目障りでかつ多くの場合手に負えない乱雑さを生じる。さらに、接続されると、コードはデバイスの可動性を妨げる。複数の携帯デバイスを持つ場合、使用者は、複数の電源アダプタ及び複数のコードセットを含めて複数の電源を携帯する必要があるかも知れない。これは問題を倍加するだけである。
【0003】
問題を軽減するために「ユニバーサル」電源が開発された。ユニバーサル電源の解決法を提供しようとする努力は、実用上の多様な支障によって複雑化される。支障の1つは、それぞれの携帯電子デバイスがそれぞれの電力要件を持つことから生じる。従来のユニバーサル電源は、複数のデバイスに電力を供給できる単一の電源アダプタを含む。例えば、従来のユニバーサル電源を図2に示す。この実施形態において、電源は、複数の電力取出し口を有する電源アダプタを含む。電源アダプタは、設定された量の電力を各取出し口へ供給するように構成される。ノート型パソコンまたはスマートフォンなど多様な電子デバイスを、従来のコードを用いて電源アダプタに接続できる。著しく改良はされたが、この解決法は、電源に接続されるそれぞれのデバイスに別個のコードを必要とする。さらに、典型的な解決法では、電子デバイスを、電源によって設定された出力を受け入れるように予め構成する必要がある。
【0004】
コード付き電源の代替解決法として、最近になって、ワイヤレス電源の研究が急激に進歩した。ワイヤレス電源システムは、電源コードの必要を無くするので、電源コードに伴う多くの不便な点が無くなる。例えば、ワイヤレス電源は、(1)一群の電源コードを保持し保管する必要、(2)コードによって生じる目障りな乱雑さ、(3)繰り返し遠隔デバイスをコードと物理的に接続し、物理的に切断する必要、(4)充電など電源が必要なたびに電源コードを運ぶ必要、及び(5)一群の電源コードの中のどれを各デバイスに使用するかを識別する困難さ、を排除できる。
【0005】
ワイヤレス電源の導入は、1つの点では、複数のデバイスにおける電源管理をさらに複雑にした(少なくとも短期的に)。例えば、ワイヤレス電力供給/充電デバイスとコードを用いて電力供給/充電されるデバイスの両方を持つ使用者は、コード付き及びワイヤレスの両方の電源を持ち歩く必要がある。使用者が使用者の全てのコード付きデバイスのためのユニバーサル電源に投資していても、別個にワイヤレス電源が必要になる。
【発明の概要】
【0006】
1つの態様において、本発明は、コード付き及びワイヤレスの両方の電子デバイスへ電力を供給できるユニバーサル電源を提供する。1つの実施形態において、電源は、一体化されたワイヤレス給電器と、コードによる電力供給用の1つまたはそれ以上の電力取出し口とを含む。電源が複数の電力取出し口を含む実施形態において、異なる電力取出し口は、異なる量の電力を供給できる。異なる量の電力を区別するために、異なるプラグ形状を与えることができる。他の実施形態において、全ての電力取出し口は同じ量の電力を提供できる。このような実施形態において、電力取出し口を、USB規格に従った電源を含む従来のUSBポートとすることができる。
【0007】
別の実施形態において、電源は、取外し可能な一次コイルなど取外し可能なワイヤレス給電器を受けるように構成された電力取出し口を含むことができる。いくつかの実施形態において、異なるプラグ形状を与えて、ワイヤレス給電器用電力取出し口とコード付きデバイス用電力取出し口とを区別できる。いくつかの実施形態において、プラグ形状は同じであり、電源アダプタの電子部品は、特定の電力取出し口に何が差し込まれたかを判断でき、この電力取出し口に適切な電力を提供できる。
【0008】
第二の態様において、本発明は、単一の電源アダプタによって電力供給される複数のワイヤレス給電器を有するユニバーサルワイヤレス電源を提供する。1つの実施形態において、電源アダプタは、一体化された複数の給電器を含み、給電器を自由に移動できるように構成される。1つの実施形態において、給電器は、撓みコネクタによって電源アダプタに接続でき、組立体を折り畳んで占有空間を小さくできるようにする。撓みコネクタは、給電器にある程度の位置的自由を与えることもできる。
【0009】
第二態様の別の実施形態において、電源アダプタは、移動可能に相互に接続される複数の区分を含むことができる。他の区分に対する1つの区分の移動が給電器間の位置的自由を与えるように、別個の給電器を別々の区分に配置できる。区分を蝶番、ピボットジョイントまたはその他の適切な機械的構造体によって接合できる。
【0010】
別の実施形態において、電源は、複数のワイヤレス給電器を選択的に受けることができる電力取出し口を有する電源アダプタを含むことができる。1つまたはそれ以上の給電器を、必要に応じて選択的に電源に接続できる。1つの実施形態において、各ワイヤレス給電器は、さらなるワイヤレス給電器用の1つまたはそれ以上電力取出し口を含むことができ、ワイヤレス給電器をデイジーチェイン式(daisy-chained)に接続できる。
【0011】
第一態様において、本発明は、コード付き及びワイヤレスの両方の電子デバイスに電力を供給できるユニバーサル電源を提供する。この態様において、本発明は、多様なデバイスに使用できる便利で使いやすい電源を提供し、使用者がコード付き及びワイヤレスの両方のデバイスに電力を供給したい場合でも、複数の電源を持ち運ぶ必要をなくす。第二態様において、本発明は、異なる用途に合わせることができるワイヤレス電源を提供する。可動電源区分を持つ実施形態において、電源は、保管しやすく構成でき、様々なタイプのデバイスを便利に無線で充電できるように再構成できる。取外し可能な給電器を持つ実施形態においては、必要な給電器のみを追加することによって電源のサイズを最小限に抑えることができる。ワイヤレス電源は、また、本来備わる本質的安全性を可能にするという付加的利点が加わる。この要素は、電源内で本質的安全性を持ちながら高電圧を使用できるようにする。電源の接地及び絶縁が、伝統的電源より単純でかつコスト効率よく行える。また、これによって、電源の安全性及び信頼性が増大する。また、電源は、2009年2月10日に提出された米国特許出願公開第2010/0084918号「電源システム」(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のシステムなど最小待機の超低電力の選択肢を含むことができる。
【0012】
本発明の上記の及びその他の目的、利点及び特徴は、本実施形態の説明及び図面を参照することによってより良く理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】従来のコード付き電源と電子デバイスの図である。
【図2】従来の複数出力のコード付き電源と1対の電子デバイスの図である。
【図3】本発明の第一態様の実施形態による電源の図である。
【図4】本発明の実施形態による第一対案の電源の図である。
【図5】電源アダプタの上に取外し可能コイルが折り重ねられている、第一対案の電源の図である。
【図6】取外し可能給電器の部分断面図である。
【図7】別の取外し可能給電器の部分断面図である。
【図8】第二対案の電源の図である。
【図9】ワイヤレスコンピュータ拡張モジュールと第二対案の電源の図である。
【図10】電源用回路の概略図である。
【図11】第一対案の電源用回路の概略図である。
【図12】第二対案の電源用回路の概略図である。
【図13】本発明の第二態様の実施形態による電源を示す一連の図である。
【図14】図13の電源上への電子デバイスの配置を示す図である。
【図15】本発明の第二態様による別の電源の図である。
【図16】第二対案の実施形態の異なる構成の間の移動を示す一連の図である。
【図17】電源アダプタの区分を接合するコネクタの端面側面図である。
【図18A】図15の電源の様々な使用法を示す図である。
【図18B】図15の電源の様々な使用法を示す図である。
【図18C】図15の電源の様々な使用法を示す図である。
【図18D】図15の電源の様々な使用法を示す図である。
【図18E】図15の電源の様々な使用法を示す図である。
【図19】コンピュータに使用される図15の電源を示す図である。
【図20】コンピュータに隣接する位置にある図15の電源を示す図である。
【図21】コンピュータ用ドックに組み込まれた図15の電源を示す図である。
【図22】コンピュータ用バッグに組み込まれた図15の電源を示す図である。
【図23】本発明の第二態様による第三対案の電源の図である。
【図24】本発明の第二態様による第四対案の電源の図である。
【図25】折り畳まれた状態の図24の電源を示す図である。
【図26】本発明の第二態様による第五対案の電源の図である。
【図27】折り畳まれた状態の図26の電源を示す図である。
【図28】本発明の第二態様による電源の回路の概略図である。
【図29】ノート型パソコンに電力を供給する伸縮パネル式ワイヤレス給電器を持つ電源ブリックの図である。
【図30】図29の伸縮パネルを持つ電源ブリックの図である。
【図31】ノート型パソコンに電力を供給する回転可能パネル式ワイヤレス給電器を持つ電源ブリックの図である。
【図32】図31の電源ブリックの斜視図及び底面図である。
【図33】多重入力ワイヤレス電源の回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の1つの態様の実施形態による電源を図3に示す。電源10は、概して、ワイヤレス電子デバイスDへ電力を供給するワイヤレス給電器14と、コード付き電子デバイスWDへ電力を供給する複数の電力取出し口16と、を持つ電源アダプタ13を含む。電源アダプタ13は、AC商用電源電力を電子デバイスが必要とする電力へ変換するために必要な電子部品を含む。ワイヤレス給電器14は、電源アダプタ13に組み込むか、またはポート18(図4)を介して電源アダプタ13に取り付けることができる。使用時に、使用者は、適切な電力取出し口16へ差し込まれた従来のコードCを用いてコード付きデバイスWDを電源10に取り付けることができる。コード付きデバイスWDは、作動のため及び(または)内蔵電池の充電のために電力を使用できる。異なる電力取出し口16に差し込まれた別個のコードCを用いて、複数のコード付きデバイスWDを電源10に接続できる。ワイヤレスデバイスDをワイヤレス給電器14に近接して配置して、無線で電力(例えば、充電または作動のため)を受け取ることができる。本発明のこの第一態様の多様な実施形態例を開示する。
【0015】
本発明の第二態様に従った電源を図13に示す。この実施形態において、電源510は、概して、複数のワイヤレス給電器514を持つ電源アダプタ513を含む。電源アダプタ513は、複数の区分を含み、区分は、相互に移動可能である。この実施形態において、区分は、蝶番または折り線に沿って接合されて、2つの区分を必要に合わせて折り畳んだり広げたりできる。各区分は、1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器を含むので、区分を移動すれば、ワイヤレス給電器の位置及び向きを選択的に変動できる。本発明の第一態様と同様、本発明の第二態様の多様な実施形態例を開示する。
【0016】
上述のように、本発明の第一態様は、ワイヤレス給電器を用いて少なくとも1台のワイヤレス電子デバイスDへ、及び1つまたはそれ以上の電力取出し口16を用いて少なくとも1台のコード付き電子デバイスWDへ無線で電力を供給できる電源10を提供する。本発明のこの態様の1つの実施形態を図3に示す。図3は、一体化されたワイヤレス給電器14と、ハウジング12に配置された複数の電力取出し口16とを有する電源10を示す。電源10は、例えば壁付きコンセント(図示せず)を介して電源10をAC商用電源に接続する電力入力コード19を含む。電源10の内蔵回路網(下でより詳しく説明する)は、AC商用電源電力を複数のコード付き及びワイヤレス電子デバイス用の電力に変換する。
【0017】
図解する実施形態において、電源10は、概して従来の誘導電力伝送法及び装置を用いて無線で電力を供給するように構成される。例えば、ワイヤレス給電器14は、電磁場を生成でき、これをピックアップして使用して、ワイヤレス電子デバイスDにおいて電力を発生する。この実施形態のワイヤレス給電器14は、ワイヤレス電子デバイスDへ誘導的に電力を伝送するのに適する電磁場を生成するように構成されたワイヤの一次コイル20である。同様に、この実施形態のワイヤレス電子デバイスは、適切な電磁場に配置されたとき電力を発生するように構成されたワイヤの二次コイル22を含む。図解する実施形態は、誘導法を利用してワイヤレスデバイスへ電力を無線で伝送するが、電源10は、代わりに(またはこれに加えて)他のワイヤレス電力伝送形式を使用できる。
【0018】
この図解する実施形態において、電源10は、概して長方形のハウジング12を有する。ハウジング12のサイズ、形状及び構成は、用途に応じて変えられる。コード付きデバイスへ電力を供給するために、複数の電力取出し口16が、ハウジング12内に取り付けられる。電力取出し口16としては、従来のUSBプラグを受けて、適用可能なUSB規格に従って電力を供給する従来のUSBポートがある。これによって、電源10は、基本的に、従来のUSBポートを介して充電できるどのようなコード付きデバイスへも電力を供給できる。電力取出し口16の数及びタイプは、電源10による電力供給を受けるデバイスの数及びタイプ次第で、用途に応じて変えられる。例えば、電源がUSB規格と互換性の無いデバイスに電力供給できるように、ポートのタイプを変えることができる。図解する実施形態において、電力取出し口16は、電源コード19がハウジング12へ入る端壁と反対側のハウジングの端壁に配置される。しかし、電力取出し口は、基本的にハウジング12の周りのどの場所にでも配置できる。
【0019】
ワイヤレス給電器14は、図解する実施形態においてハウジング12内に取り付けられて、上面24の下に配置される。これによって、ワイヤレスデバイスをハウジング12の上に置いて、無線で電力を受けることができる。ハウジング12の上面24は図解する実施形態において平面的であるが、上面は、予定されるワイヤレスデバイスの形状に合わせて成形できる。例えば、ワイヤレスデバイスDがハウジング12の上面24との底面とぴったり重なるように、ワイヤレスデバイスDの底面とハウジング12の上面24は対応する輪郭を持つことができる。上述のように、この実施形態のワイヤレス給電器14は、一次コイル20である。一次コイル20のサイズ、形状及び構成は、用途に応じて変えられる。例えば、一次コイル20の直径、コイル20のワイヤの巻き数及びコイル20を形成するために使用されるワイヤのサイズは、特定の用途に合わせて変えられる。必要があれば、ハウジング12の中例えば一次コイル20の中央に磁石(図示せず)を配置して、一次コイル20とワイヤレスデバイスDの中の二次コイル22の整列を補助できる。磁石(図示せず)は、また、ハウジング12上でワイヤレスデバイスDを所定の位置に保持するのも補助する。
【0020】
図4は、1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器14を選択的にアダプタ13に接続できる電源10の別の実施形態を示す。この実施形態において、コード付きデバイスへ電力を供給するために複数の電力取出し口16が設置され、かつ、取外し可能ワイヤレス給電器14を選択的に取り付けるために複数のワイヤレス給電器用ポート18が設置される。図3の実施形態と同様、電力取出し口16は、従来のUSBプラグを受け入れて適用されるUSB規格に従って電力を供給する従来のUSBポートとすることができる。これによって、電源10は、基本的に、従来のUSBポートを介して充電できるどのようなコード付きデバイスへも電力を供給できる。この実施形態は電力取出し口16を含むが、いくつかの実施形態においては、電力取出し口を除外して、電源は、無線でのみ電力を供給できるように構成できる。ワイヤレス給電器用ポート18は、基本的に、取外し可能なワイヤレス給電器を選択的に受け入れることができるどのようなポートでも良い。ワイヤレス給電器用ポート18の数及びタイプは、必要に応じて、用途によって変えることができる。
【0021】
取外し可能ワイヤレス給電器の設計及び構成は変わる可能性があるが、図6を参照して1つの実施形態について説明する。図解する実施形態の取外し可能給電器14は、概して、プラグ28と、コネクタ部30と、コイル組立体32とを含む。プラグ28は、基本的に取外し可能給電器を電源アダプタに選択的に電気接続するのに適するどのようなプラグ28でも良い。誤ったポートへの接続を防ぐために、プラグ28は、電力取出し口16に使用されるプラグと異なるものにすることができる。この実施形態において、コネクタ部30は、プラグ28と一次コイル20との間に延びる撓みリード34を含むことができる。撓みリード34は、例えば保管時にワイヤレス給電器14を電源アダプタの上に折り重ねて、サイズを小さくできる(図5)。撓みリードは、基本的に、プラグ28を一次コイル20に電気接続するためのどのような撓み、折畳み可能またはその他の調整可能な構造体でもよい。例えば、撓みリード34は、単に1対のワイヤでも良いし、フレキシブル回路基板上のもっと複雑なトレースのセットでも良い。コネクタ部30は、高度な可撓性を可能にしながらコネクタ部30を保護する可撓性材料でオーバーモールド(被覆成形)できる。
【0022】
図解する実施形態のコイル組立体32は、概して、コイル20と、磁石26と、オーバーモールド36とを含む。1つの実施形態において、コイル20は、リッツ線の丸形らせんコイルである。コイル20のサイズ、形状及び構成は、部分的には伝送される電力量次第で用途に応じて変えられる。例えば、コイル20の直径、コイル20のワイヤの巻き数及びコイル20を形成するために使用されるワイヤのサイズは、特定の用途に基づいて変えられる。必要があれば、コイル組立体32は、磁石26を含むことができる。磁石26は、コイル20の中心に配置でき、コイル20と遠隔デバイスの二次コイル22の整列を補助する手段を提供できる。また、磁石26は、保管のために折畳み状態(図5)でコイル組立体32を保持するのに役立つ。コイル組立体32を、保護のため及び(または)美観のためにオーバーモールドできる。その代わりに、コイル組立体32を、基本的に適切であればどのようなハウジングにでも収容できる。オーバーモールドまたはハウジング33は、予定されるワイヤレスデバイスと形状的に対応する輪郭を持つことができる。これによって、一次コイル20と二次コイル22との間に厳密な整列を与える補助となり、ワイヤレスデバイスDをコイル組立体32上の所定の位置に保持するのを助けることができる。
【0023】
別の取外し可能なワイヤレス給電器14を図7に示す。この実施形態において、取外し可能ワイヤレス給電器14は、遮蔽されることを除いて、基本的に図6に示す実施形態と同じである。図示するように、シールド38はコイル組立体32の中においてコイル20の下に配置される。シールド38は、給電器14の上に置かれたワイヤレスデバイスDが、漂遊電磁場線によって生じる可能性ある電磁干渉及びその他の問題を抑制しながら電力を受けられるようにする。シールドのサイズ、形状及び構成は、必要に応じて、用途によって変えられる。例えば、遮蔽材料、遮蔽材料の直径及び遮蔽材料の厚みは、コストと遮蔽性能との要求バランスが得られるように変えられる。
【0024】
図6及び7に示す実施形態において、電源回路網(図示せず)はハウジング12の中に含まれる。その代わりに、電源回路網の一部を取外し可能ワイヤレス給電器14に組み込める。例えば、DC/DC整流器、マイクロコントローラ、ドライバまたはスイッチ回路を、電源アダプタ13のハウジング12内ではなく取外し可能ワイヤレス給電器14に組み込める。1つの実施形態において、ワイヤレス給電器用ポートは、AC/DC整流器からの高いDCレール出力をワイヤレス給電器14へ供給でき、ワイヤレス給電器は、DC/DCコンバータ、マイクロコントローラ(一体化されたまたは別個のドライバを持つ)及びスイッチ回路を含むことができる。このような方策は、多重チャンネル素子に依存するのではなくそれぞれを適切な回路素子を持つように設計できるので、取外し可能ワイヤレス給電器14から得られる電力供給特性をより多様化できる。
【0025】
図8は、電源10の別の実施形態を示す。この実施形態において、電源10は、概して、一体化されたワイヤレス給電器14と、ワイヤレス給電器を選択的に取り付けるための複数のワイヤレス給電器用ポート18と、コード付きデバイスへ電力を供給するための複数の電力取出し口16とを含む。一体化されたワイヤレス給電器14は、取外し可能ワイヤレス給電器を取り付ける必要なく、少なくとも1台のワイヤレスデバイスが電力を受けられるようにする。ただし、複数のワイヤレスデバイスを無線で充電したい場合、追加の取外し可能ワイヤレス給電器を、必要に応じて、電源アダプタ13に接続できる。この実施形態において、電源10は、複数の異なる電力取出し口16を含むことができる。異なる電力取出し口16は、異なる量の電力を提供でき、より広い範囲のコード付きデバイスに電力を供給できるようにする。コード付きデバイスを正確に取り付け易くするために、異なる電力取出し口16は、異なる電力量ごとに異なるプラグ構成を持つことができる。例えば、図解する実施形態において、電力取出し口16は、2つの従来のUSBポート40と、円形ポート42と、台形ポート44とを含むことができる。
【0026】
図9は、ノート型パソコンLなど、比較的大きいワイヤレスデバイスに使用するように構成された別の取外し可能ワイヤレス給電器14を持つ図8の電源10を示す。この実施形態において、取外し可能ワイヤレス給電器14は、もっと長いコネクタ部30及びコイル組立体32を収容するもっと大きい支持面31を含む以外は、図6の取外し可能ワイヤレス給電器14と基本的に同じである。この実施形態において、支持面31は、もっと支持が小さいとぐらぐらするかもしれないデバイスに広い支持面を提供するように構成される。この実施形態において、コイル20(必要な磁石またはシールドと一緒に)は、比較的薄くて長方形の支持面31に配置される。支持面31をコイルの上にオーバーモールドするか、またはコイル20を予め製造された支持面のキャビティの中に挿入できる。図9は、支持面の中心に配置された1つの一次コイル20を示すが、一次コイル20の数及び位置は、用途に応じて変えられる。
【0027】
図10は、図3の電源へ電力を供給するのに適する回路の概略図である。電源10は、AC商用電源から受け取ったAC電力をDC電力に変換するAC/DC整流器60を含む。または、電源10は、AC/DC整流器60のDC出力を要求レベルへ変換する二重チャンネルDC/DC降圧コンバータ62を含む。二重チャンネルコンバータ62は、2つの異なる出力、すなわち電力取出し口16用の出力及びワイヤレス給電器14用出力を含む。DC電力の追加のレベルが必要とされる場合、DC/DC降圧コンバータは、多重チャンネルDC/DC降圧コンバータまたは複数の降圧コンバータを含むことができる。また、電源10は、マイクロコントローラ64及びスイッチ回路66を含む。マイクロコントローラ64は、スイッチ回路66を制御してコイル20のための適切なAC電力を発生するようにプログラムされる。この実施形態において、マイクロコントローラ64は、二重チャンネルコンバータ62の作動も制御する。例えば、マイクロコントローラ64は、スイッチ回路66へ供給されるDC電力のレベルを指定する制御信号を二重チャンネルコンバータ62へ送信できる。マイクロコントローラ64は、ワイヤレスデバイスから受け取った信号に基づいて適切なDC電力レベルを決定できる。信号は、反射インピーダンスによってまたは別個の誘導結合、赤外線通信、WiFi通信、ブルートゥース通信またはその他の通信法など別個の通信システムを介してワイヤレスデバイスから電源10へ送ることができる。マイクロコントローラ64は、基本的に、多様な誘導電源制御アルゴリズムのいずれに従っても良い。いくつかの実施形態において、マイクロコントローラ64は、携帯デバイスDからのフィードバックに基づいてコイル20へ与えられる電力の1つまたはそれ以上の特徴を変更できる。例えば、マイクロコントローラ64は、タンク回路(例えば、コイル及びコンデンサの組合せ体)の共振周波数、スイッチ回路66の作動周波数、コイル20へ与えられるレール電圧またはコイル20へ与えられる電力のデューティサイクルを調節して、携帯デバイスDへ誘導的に伝送される電力の効率または量に影響を与えることができる。誘導電源の作動を制御する多様な技法及び装置が知られている。例えば、マイクロコントローラは、「誘導結合バラスト回路」と題する2004年11月30日公開のKuennen他に対する米国特許第6825620号に開示された制御アルゴリズム、「適応的誘導電源」と題する2007年5月1日公開のBaarmanに対する米国特許第7212414号の適応的誘導電源、「通信機能を持つ適応的誘導電源」と題するBaarmanによって2003年10月20日に提出された米国特許出願第10/689148号の通信機能を持つ誘導電源、「バッテリを充電するシステム及び方法」と題するBaarmanによって2007年9月14日に提出された米国特許出願第11/855710号のLI−ION電池を無線で充電する誘導電源、「デバイス識別機能を持つ誘導電源」と題するBaarman他によって2007年12月27に提出された米国特許出願第11/965085号のデバイス識別機能を持つ誘導電源、または「デューティサイクル制御機能を持つ誘導電源」と題するBaarmanによって2008年1月7日に提出された米国特許出願第61/019411号のデューティサイクル制御機能を持つ誘導電源(これら全てが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、のうち1つに従って作動するようプログラムできる。
【0028】
略図は1つの電力取出し口16しか示さないが、電力取出し口16の数は、要求数まで増大できる。例えば、図3の電源10を実現するために、電源10は4つの電力取出し口16を含むことができる。
【0029】
また、図10は、電源アダプタ13に隣接して配置されたワイヤレス電子デバイスDを示す。ワイヤレス電子デバイスDは、概して、ワイヤレス受電器80と、AC/DC整流器70と、マイクロコントローラ74と、バッテリ76と、負荷78とを含む。この実施形態において、ワイヤレス受電器80を、二次コイル22とすることができる。二次コイル22は、電源10の一次コイル20から電力を誘導的に受け取るように構成される。図解する実施形態において、二次コイル20は、分割巻きらせん巻コイルである。二次コイル22のサイズ、形状及び構成は、一次コイル20の特性に対応するように選択できる。この実施形態のワイヤレス受電器はコイルであるが、ワイヤレスデバイスは、他の形式のワイヤレス受電器を含むことができる。二次コイル22は、AC/DC整流器70に電気的に結合される。二次コイル22において発生したAC電力は、整流器70の中へ流れて、ここで、DC電力へ変換される。DC電力を適切なレベルに調整するように整流器70を構成するか、またはマイクロコントローラ74は、バッテリ76または負荷デバイス78へ整流器の出力を与える前に整流器70の出力を調節するDC/DCコンバータを含むことができる。二次マイクロコントローラ74は、基本的に、多様な誘導電源制御アルゴリズムのいずれに従っても良い。いくつかの実施形態において、二次マイクロコントローラ74は、一次マイクロコントローラ64に、一次マイクロコントローラがコイル20に与えられる電力の1つまたはそれ以上の特性を変更できるようにする通信を送ることができる。例えば、二次マイクロコントローラ74は、一次コイル20から受け取っている電力量を示すまたはより多くの電力を必要とするかあるいはより少ない電力を必要とするかを示す通信信号を送ることができる。ワイヤレス電子デバイスにおける誘電電源の作動を制御するための多様な技法及び装置が知られている。例えば、二次マイクロコントローラは、「誘導結合バラスト回路」と題する2004年11月30日公開のKuennen他に対する米国特許第6825620号に開示された制御アルゴリズム、「適応的誘導電源」と題する2007年5月1日公開のBaarmanに対する米国特許第7212414号の適応的誘導電源、「通信機能を持つ適応的誘導電源」と題するBaarmanによって2003年10月20日に提出された米国特許出願第10/689148号の通信機能を持つ誘導電源、「バッテリを充電するシステム及び方法」と題するBaarmanによって2007年9月14日に提出された米国特許出願第11/855710号のLI−ION電池を無線で充電する誘導電源、「デバイス識別機能を持つ誘導電源」と題するBaarman他によって2007年12月27に提出された米国特許出願第11/965085号のデバイス識別機能を持つ誘導電源、または「デューティサイクル制御機能を持つ誘導電源」と題するBaarmanによって2008年1月7日に提出された米国特許出願第61/019411号のデューティサイクル制御機能を持つ誘導電源(これら全てが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、のうち1つに従って作動するようプログラムできる。
【0030】
回路網は、要求数のワイヤレス給電器及び電力取出し口へ電力を提供するように用途によって変えられる。例えば、図11は、電源10が1つの電力取出し口16と1対の一体的ワイヤレス給電器14とを含む別の回路を示す。この実施形態において、電源10は、様々なDC電力出力を提供できる多重チャンネルDC/DC降圧コンバータ92を含む。図解する実施形態において、多重チャンネルコンバータ92は、3つの異なる電力出力、すなわち電力出力ジャック用、第一の一次コイル用及び第二の一次コイル用の電力出力を提供できる。この実施形態において、マイクロコントローラ94は、スイッチ回路96の作動を制御し、また、ワイヤレスデバイスからの信号に基づいて個別にDC電力レベルを設定するように多重チャンネルコンバータ92に指示できる。例えば、ワイヤレスデバイスがより多くの電力を必要とする場合、ワイヤレスデバイスは適切な信号をマイクロコントローラ94へ送り、マイクロコントローラ94は、該当のスイッチ回路96へのDC電力出力を増大するよう多重チャンネルコンバータ92に指示できる。他方、より少ない電力を必要とする場合、ワイヤレスデバイスは、適切な信号をマイクロコントローラ94へ送り、マイクロコントローラ94は、該当するスイッチ回路96へのDC電力出力を減少するよう多重チャンネルコンバータ92へ指示できる。
【0031】
図12は、図8の電源に使用するのに適する回路を示す概略図である。この実施形態において、電源10は、1つの一体化されたワイヤレス給電器14、4つの電力取出し口16及び4つのワイヤレス給電器用ポート18へ電力を供給する。前述の実施形態と同様、回路は、AC商用電源から受け取ったAC電力をDC電力に変換するAC/DC整流器60と、AC/DC整流器60のDC出力を複数のDC出力に変換する多重チャンネルDC/DC降圧コンバータ100と、電源10の作動を制御するマイクロコントローラ100と、一体化及び取外し可能ワイヤレス給電器14への電力の適用を制御する複数のスイッチ回路104と、スイッチ回路104のタイミングを制御する複数のドライバ102とを含む。マイクロコントローラ98は、DC/DCコンバータ及びドラバ102の両方を制御するようにプログラムされる。DC/DCコンバータに関しては、マイクロコントローラ98は、電力取出し口16及び(または)ワイヤレス給電器14のための様々なDC電力出力レベルを個別に指示する制御信号をDC/DCコンバータ100へ送ることができる。この機能によって、マイクロコントローラ98は、電力取出し口16のDC出力を個別に調節して、多様なコード付き電子デバイスに対処できる。ワイヤレス給電器14用のDC出力は、スイッチ回路104用のレール電圧として機能する。従って、マイクロコントローラ98は、ワイヤレス給電器14用のDC出力を個別に調節することによってワイヤレス給電器14の電力出力を個別に調節することができる。この機能が要求されない用途の場合、電力取出し口16及びワイヤレス給電器14のためのDC/DCコンバータ出力レベルを固定できる。ドライバ102に関しては、マイクロコントローラ98は、ドライバ102のタイミングを調節して、スイッチ回路104のタイミングを変えられる。これを用いて、さらに、ワイヤレス給電器14に与えられる電力の作動周波数及び(または)デューティサイクルを調節できる。上述のように、マイクロコントローラ98は、多様な制御法に従ってワイヤレス給電器14を作動できる。例えば、マイクロコントローラ98は、ワイヤレスデバイスが求める電力レベル及び(または)ワイヤレスデバイスとの誘導結合の効率に関する情報に基づいて、一次コイル20に与えられる電力のレール電圧、ワイヤレス給電器の作動周波数または適切なDC電力レベルのデューティサイクルを調節できる。別の例として、各ワイヤレス給電器14をタンク回路(例えば、コイル20及び共振コンデンサ21を含む分岐回路)(これは電源アダプタ13の中または差込みコイルモジュールの1つまたはワイヤレス給電器14の中に配置できる)の中に収容でき、マイクロコントローラをタンク回路の共振周波数を調節できるように構成して、タンク回路が広範囲の作動周波数において効率よく作動するようにできる。マイクロコントローラは、タンク回路のインダクタンス及び(または)キャパシタンスを調節することによって、タンク回路の共振周波数を調節できる。インダクタンスは、可変インダクタまたはタンク回路への出入りを切り替えられるインダクタのバンクを用いて調節できる。同様に、キャパシタンスは、可変コンデンサまたはタンク回路への出入りを切り替えられるコンデンサのバンクを用いて調節できる。
【0032】
第二態様において、本発明は、異なる電源構成を提供できる電源510を提供する。図13及び14に示す実施形態において、電源510は、電源アダプタ513の異なる区分512に配置された2つのワイヤレス給電器514を含む。2つの区分512は、蝶番517に沿って相互に接合されるので、回動して、2つの給電器の相互に対する位置及び向きを変えられる。図13に示す電源アダプタ13は、フラットな状態に広げられて、2つの横並びの充電領域を提供する。図14は、2つのワイヤレス電子デバイスDを2つの横並びの給電器514にどのように配置できるかを示す。この実施形態において、電源アダプタ513は、2つのハウジング区分512を含む。電源回路網は、ハウジング区分の一方または両方に組み込める。1つの実施形態において、単一の多重チャンネル回路が設置されて、両方のワイヤレス給電器に電力を供給する。別の実施形態において、別個の電源回路が各ワイヤレス給電器に設置される。蝶番517は、リードが一方のハウジング区分512から他方のハウジング区分512へ通過できるように構成される。例えば、電源回路網の大半は一方のハウジング区分512に配置され、蝶番517を通過して延びるリードは、第二ハウジング区分512の一次コイル20へ電力を送達できる。
【0033】
図15は、本発明の第二態様の第一対案の実施形態を示す。この実施形態において、電源510は、回転ジョイントで結合された2つの区分を含む。別個のワイヤレス給電器514が各区分512に配置される。2つの区分512は、異なる位置へ回転でき、2つのワイヤレス給電器514の位置及び向きを変えられる。例えば、図16は、ワイヤレス給電器514の一方のコイルが180度回転するまで、2つの区分の一方を他方の区分に対して徐々に回転させているところを示す一連の図である。初期位置において、電源510を使用して、電源アダプタ513の上面に置かれた2台の隣り合うワイヤレスデバイスへ電力を無線で供給できる。回転位置において、電源510を使用して、電源アダプタ513の対向する側に配置された2台のワイヤレスデバイスへ電力を無線で供給できる。多様なコネクタを使用して、2つの区分512を接合できる。例えば、1つの実施形態において、コネクタは、概して管状であり、一方の区分から他方の区分へワイヤを配線する中央の穴を含むことができる。別の実施形態において、コネクタ520は、図17に示すコネクタの場合のように、2つの区分512の間の電気接続を創生できる。図14の実施形態と同様、電源回路網は、ハウジング区分の一方または両方に組み込め、単一の多重チャンネル電源回路または別個の個別の回路を使用して、ワイヤレス給電器へ電力を供給できる。
【0034】
図18A〜Eは、図15の電源10の様々な充電形態を示す。図18Aは、2つのコイル522の一方の上に配置されてこれから電力を受け取る単一のワイヤレスデバイスDを示す。図18Bは、各々別個のコイル522の上に配置されてこれから電力を受け取る2台のワイヤレスデバイスDを示す。図18Cは、両方のコイル522の上に配置されてこれから電力を受け取る単一のワイヤレスデバイスDを示す。この実施形態において、ワイヤレスデバイスDは、2つの二次コイル524を含み、デバイスDは、2つの一次コイル522から同時に電力を受け取れる。図18D及びEは、2つのコイル522が電源アダプタ513の対向する側に位置するように再構成された電源10を示す。図18Dにおいて、別個のワイヤレスデバイスDが電源アダプタ513の対向する側に配置されて、対向するコイル522から電力を受け取る。図18Eにおいて、電源アダプタ513はワイヤレス使用可能表面526の上に配置される。この実施形態において、ワイヤレスデバイスDを上向きのコイルの上に配置してこれから電力を受け取り、その間、下向きのコイル522は、表面526に取り付けられた二次コイルへ電力を供給する。
【0035】
図15の電源10の別の応用の可能性を図19及び20に示す。この実施形態において、ノート型パソコンLは、電源アダプタ513の外側区分を受け入れるように構成された電源用ノッチ528を含む。図20に示すように、電源用ノッチ528は、外側区分512をぴったりと受け入れるサイズ及び形状を持つことができる。この実施形態において、内側区分512はワイヤレスデバイスDを支持して、これに電力を供給できる。
【0036】
図21は、図15のワイヤレス電源510を受け入れるように構成されたワイヤレスコンピュータ用ドックCを示す。この実施形態において、コンピュータ支持面は、電源アダプタ513を受け入れるように作られた溝530を形成する。溝530を、アダプタ513より長くして、アダプタ513を溝に沿ってスライドさせて、ノート型パソコンLの下におけるコイル522の位置を変えられる。この実施形態において、ノート型パソコンLは、両方の一次コイル522から電力を受け取る2つの二次コイル(図示せず)を含むことができる。または、一方のコイルがノート型パソコンLの下方に位置し、他方がノート型パソコンLの縁を通過して延びて別のワイヤレスデバイス(図示せず)へ電力を供給できるように、電源アダプタ13を配置できる。
【0037】
図22は、図15のワイヤレス電源10を受け入れるように構成されたコンピュータ用バッグを示す。この実施形態において、コンピュータ用バッグBは、電源アダプタ513を受け入れるポケット534付きの中央フラップ532を含む。電源510は、一次コイルが同じ方向または反対方向を向くように構成できる。この実施形態において、ポケット534は、電源アダプタ513がフラップ532の片側に入れられたノート型パソコン及びフラップ532の反対側に入れられたワイヤレスデバイスDへ電力を供給できる位置に電源アダプタ513を保持するように配置される。別の実施形態において、ポケットはバッグのどこにでも配置できる。例えば、ポケットを水平の向きにして、バッグの壁の1つに配置できる。このような実施形態において、バッグの中央のフラップは排除できる。
【0038】
図23は、単一の電源に複数のワイヤレス給電器514を取り付けることができる、別の電源510を示す。この実施形態において、電源510の主回路網は、電源アダプタ513の中に収容される。ワイヤレス給電器514は、必要に応じて電源アダプタ513に追加できるモジュール514式に設置される。例えば、図23に示すように、各モジュールは1つの雄型コネクタ520及び1つまたはそれ以上の雌型コネクタ(図示せず)を含むことができる。雄型及び雌型コネクタは必要に応じて配置できる。例えば、各モジュール514は、1つの側面の中央から延びる雄型コネクタ520と、他の3つの側面の中央に位置する3つの雌型コネクタとを含むことができる。この実施形態において、雄型コネクタ520は、モジュール514を電源アダプタ513または別のモジュール514に固定できるようにする。モジュール514は、デイジーチェイン式(daisy-chained)に接続して、ほぼどのような配列の一次コイルでも構成できる。多様なコネクタを使用して、モジュール514を接合できるが、図17は、隣り合うモジュールを接合する1つの可能な雄型コネクタの端面側面図を示す。この実施形態において、コネクタ514は、2つの導体コネクタであり、上側接点540及び下側接点542は、絶縁材544によって分離される。図示しないが、雌型コネクタは、上側接点540及び下側接点542と別個に係合する2つの接点を含む。ばね荷重ベアリングなどスナップ嵌めキャッチを使用して、雄型コネクタを雌型コネクタと固定できる。ベアリングは、雄型コネクタが適切に雌型コネクタに嵌合したとき、絶縁体の周りの溝にスナップ嵌めするように構成される。ベアリングは、非導電性材料から製造して、上側接点と下側接点との間に短絡が生じないようにできる。
【0039】
本発明の第二態様による電源の別の実施形態を図24及び25に示す。この実施形態において、電源510は、ワイヤレス給電器514を収容する複数の折畳み式アームを持つ電源アダプタ513を含む。図示するように、電源アダプタは、電源回路網(図示せず)の大半を収容する中央区分515を含むことができる。4つの折畳み式区分512は、蝶番550を用いて蝶番式に中央区分515に結合できる。この実施形態において、2つの折畳み式区分512は中央区分515の上面に折り重ねることができ、2つの折畳み式区分552は、中央区分の下面に下に折り重ねることができる(図25)。図解する実施形態において、各折畳み式区分512内に別個のワイヤレス給電器514(例えば、一次コイル)が配置される。折畳み式区分512を広げて、比較的大きい充電配列を提供するか、または折り畳んでコンパクトに保管できる。
【0040】
図26及び27は、本発明の第二態様による電源の別の実施形態を示す。この実施形態において、電源510は、ワイヤレス給電器514を収容する複数の折畳み式アームを持つ電源アダプタ513を含む。図示するように、電源アダプタ513は、電源回路網(図示せず)の大半を収容する中央区分515を含むことができる。3つのコイル組立体562は、撓みコネクタ部564によって中央区分515に結合できる。3つのコイル組立体562は、全て、中央区分515の上面に積み重ね状に折り重ねられる(中央区分515の上に3つのコイル組立体のうち2つが折り重ねられている図27を参照されたい)。必要があれば、磁石(図示せず)を各コイル組立体562内に配置できる。磁石は、ワイヤレスデバイスがコイル組立体の上に配置されるときコイルと整列させるのに役立つ。さらに、磁石は、コイル組立体562を積み重ね状態に保持するのに役立つ。コイル組立体562は、中央区分に固定的に結合するか、または、以前に説明した実施形態に関連して説明したようにプラグとポートを用いて取外し可能に結合できる。
【0041】
図29及び30は、本発明の第二態様による電源の別の実施形態を示す。この実施形態において、電源510は、外向きにスライドしてノート型パソコンの下に嵌合する薄いパネルを持つ電源アダプタ513を含む。薄いパネル600は、コイル20を含む。1つの実施形態において、コイル20は、リッツ線の丸形らせんコイルである。コイル20のサイズ、形状及び構成は、部分的に伝送される電力量に次第で、用途によって変えられる。例えば、コイル20の直径、コイル20におけるワイヤの巻き数及びコイル20を形成するために使用されるワイヤのサイズは、特定の用途に基づいて変えられる。必要があれば、パネル600は、磁石26を含むことができる。パネルは、基本的に、電源回路網の任意の部分または全部を含むことができる。または、コイル20を除いて、電源回路網の一部または全部を電源アダプタ513に含めることができる。1つの実施形態において、以上の実施形態において説明したように、コイル組立体はパネルに含められ、電源回路網は電源アダプタに含められる。パネル600は、予定されるワイヤレスデバイスと形状的に一致する輪郭を持つことができる。現時点の実施形態において、パネルは、ノート型パソコンLに設置されたスロットの下に嵌合できる薄い構造を示す。これは、一次コイル20と二次コイル22との間をぴったりと整列させるのに役立ち、ノート型パソコンLをコイル20上の所定の位置に保持するのに役立つ。パネルは、選択的に電源アダプタ513へ引っ込めることができるので、コイルを使用しないときには、パネルを引っ込み位置にすることができる。いくつかの実施形態において、パネルは、引っ込み位置にロックできる。引っ込み位置のとき、この実施形態の電源アダプタ513は図3の実施形態と同様である。図示しないが、別の実施形態において、コード付き電源コネクタを電源アダプタに含めることができる。パネルが伸縮されるとき、電源アダプタとパネルの中の電源回路網との間の電気接続を維持できる。例えば、ワイヤに充分な緩みがあれば、パネルが伸ばされたとき、パネルの中のコイルまたは電源回路網は、電源アダプタの中の電源回路網との間の電気接続を維持する。1つの実施形態において、壁コード自体が、直接的にパネルの中の電源回路網と電気接続を維持するのに充分な緩みを有する。
【0042】
図31及び32は、本発明の第二態様による電源のさらに別の実施形態を示す。この実施形態において、電源510は、拡張状態に回転するまたは広がる薄いパネル602を持つ電源アダプタ513を含む。伸縮式パネルの実施形態と同様、パネル602は、コイル20を含む。1つの実施形態において、コイル20は、リッツ線の丸形らせんコイルである。コイル20のサイズ、形状及び構成は、部分的に伝送される電力量次第で、用途に応じて変えられる。例えば、コイル20の直径、コイル20におけるワイヤの巻き数及びコイル20を形成するために使用されるワイヤのサイズは、特定の用途に基づいて変えられる。必要な場合、パネル602は、磁石26を含むことができる。パネル600は、予定されるワイヤレスデバイスと形状的に一致する輪郭を持つことができる。現時点の実施形態において、パネルは、ノート型パソコンLに設置されたスロットの下に嵌合できる薄い構造を示す。パネルは、多様な位置の間で選択的に回転できる。1つの位置において、パネルをホーム位置にロックできる。現時点の実施形態において、この位置において、電源アダプタ513は図3の実施形態と同様の形態を持つ。図示しないが、別の実施形態において、コード付き電源コネクタを電源アダプタに含めることができる。伸縮式の実施形態と同様、任意の組合せの電源回路網をパネル及び(または)アダプタに含めることができる。さらに、パネルが伸ばされたときまたは引っ込められたとき、電源アダプタとパネルとの間の電気接続を維持できる。例えば、パネルと電源アダプタとの間のワイヤに充分な緩みがあれば、パネルが伸ばされたとき、パネルの中のコイルまたは電源回路は、電源アダプタの中の電源回路網との間の電気接続を維持する。1つの実施形態において、壁コード自体が、直接的にパネルの中の電源回路との電気接続を維持するのに充分な緩みを有する。
【0043】
電源10の回路網は、用途によって変えられる。電源からワイヤレスデバイスDへ無線で電力を供給するのに適する多様な回路及び回路素子が当業者には知られている。限定的ではなく、開示のために、1つの適した回路について図28に関連して説明する。図28は、2つの別個のワイヤレス給電器14へ電力を無線で供給する電源回路の概略図である。この実施形態において、ワイヤレス給電器は、変動する電力供給の応用に応じて電磁場を発生するように構成された一次コイル20である。電源回路網は、概して、AC商用電源から受け取ったAC電力をDC電力へ変換するAC/DC整流器60を含む。また、電源10は、AC/DC整流器60のDC出力を要求レベルへ変換する二重チャンネルDC/DC降圧コンバータ65を含む。二重チャンネルDC/DCコンバータ65は、異なる出力レベルの2つのDC出力を提供する能力を有する。また、電源10は、二重マイクロコントローラ94及び1対のスイッチ回路96を含む。二重マイクロコントローラ94は、各対のスイッチ回路96を別個に作動でき、2つの一次コイル20によって供給される電力を対応するワイヤレスデバイスDに別個に適合できる。二重マイクロコントローラ94は、二重チャンネルDC/DCコンバータへ制御信号を送って、DC出力の出力レベルを設定するようにプログラムされる。また、二重マイクロコントローラは、2つのスイッチ回路96を制御して、2つのコイル20のために適切なAC電力を発生するようにプログラムされる。例えば、二重マイクロコントローラは、スイッチのタイミングを制御して、2つの一次コイルへ与えられる信号の作動周波数及び(または)デューティサイクルを変えられる。以前に説明した電源回路の実施形態と同様、この実施形態の二重マイクロコントローラ94は、基本的に、多様な誘導電源制御アルゴリズムのどれにでも従うことができる。いくつかの実施形態において、二重マイクロコントローラ94は、対応する携帯デバイスDからのフィードバックに基づいてコイル20に与えられる電力の1つまたはそれ以上の特徴を変更できる。例えば、二重マイクロコントローラ94は、共振周波数、作動周波数、レール電圧またはデューティサイクルを調節して、対応する携帯デバイスDへ誘電的に伝送される電力の効率または量に影響を与えることができる。誘導電源の作動を制御するための多様な技法及び装置が知られている。例えば、二重マイクロコントローラは、「誘導結合バラスト回路」と題する2004年11月30日公開のKuennen他に対する米国特許第6825620号において開示された制御アルゴリズム、「適応的誘導電源」と題する2007年5月1日公開のBaarmanに対する米国特許第7212414号の適応的誘導電源、「通信機能を持つ適応的誘導電源」と題するBaarmanによって2003年10月20日に提出された米国特許出願第10/689148号の通信機能を持つ誘導電源、「バッテリを充電するシステム及び方法」と題するBaarmanによって2007年9月14日に提出された米国特許出願第11/855710号のLI−ION電池を無線で充電する誘導電源、「デバイス識別機能を持つ誘導電源」と題するBaarman他によって2007年12月27に提出された米国特許出願第11/965085号のデバイス識別機能を持つ誘導電源、または「デューティサイクル制御機能を持つ誘導電源」と題するBaarmanによって2008年1月7日に提出された米国特許出願第61/019411号のデューティサイクル制御機能を持つ誘導電源(これら全てが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、のうち1つに従って作動するようプログラムできる。図28の実施形態は、二重マイクロコントローラを含むが、二重マイクロコントローラを各ワイヤレス給電器用の別個のマイクロコントローラに置き換えることができる。
【0044】
また、図28は、1対のワイヤレス電子デバイスDにおける回路網の概略図を示す。図示するように、各デバイスDは、異なる一次コイル20に隣接して配置される。この実施形態において、2台のデバイスDの回路は、基本的に同一である。従って、1台についてのみ詳細に説明する。ワイヤレス電子デバイスDは、概して、ワイヤレス受電器22と、AC/DC整流器70と、マイクロコントローラ74と、バッテリ76と、負荷78とを含む。この実施形態において、ワイヤレス受電器22を二次コイル22とすることができる。二次コイル22は、電源10の中の一次コイル20から電力を誘導的に受け取るように構成される。二次コイル22のサイズ、形状及び構成は、一次コイル20の特性に対応するように選択できる。この実施形態のワイヤレス受電器22は、コイルであるが、ワイヤレスデバイスは、他の形式のワイヤレス受電器を含むことができる。二次コイル22は、AC/DC整流器70に電気的に結合される。二次コイル22において発生したAC電力は、整流器70へ入り、ここでDC電力へ変換される。DC電力を適切なレベルへ調整するように整流器70を構成するか、またはマイクロコントローラ74は、整流器70の出力をバッテリ76または負荷78へ与える前にこれを調節するDC/DCコンバータを含むことができる。二次マクロコントローラ74は、基本的に、多様な誘導電源制御アルゴリズムのいずれに従ってもよい。いくつかの実施形態において、二次マイクロコントローラ74は、一次マイクロコントローラに通信を送って、一次マイクロコントローラ94が、コイル20へ与えられる電力の1つまたはそれ以上の特性を変更できるようにする。例えば、二次マイクロコントローラ74は、一次コイルから受け取る電力量を示す通信信号またはより多くの電力を必要とするかより少ない電力を必要とするかを示す通信信号を送ることができる。ワイヤレス電子デバイスの中の誘導電源の作動を制御するための多様な技法及び装置が知られている。例えば、二次マイクロコントローラは、「誘導結合バラスト回路」と題する2004年11月30日公開のKuennen他に対する米国特許第6825620号において開示された制御アルゴリズム、「適応的誘導電源」と題する2007年5月1日公開のBaarmanに対する米国特許第7212414号の適応的誘導電源、「通信機能を持つ適応的誘導電源」と題するBaarmanによって2003年10月20日に提出された米国特許出願第10/689148号の通信機能を持つ誘導電源、「バッテリを充電するシステム及び方法」と題するBaarmanによって2007年9月14日に提出された米国特許出願第11/855710号のLI−ION電池を無線で充電する誘導電源、「デバイス識別機能を持つ誘導電源」と題するBaarman他によって2007年12月27に提出された米国特許出願第11/965085号のデバイス識別機能を持つ誘導電源、または「デューティサイクル制御機能を持つ誘導電源」と題するBaarmanによって2008年1月7日に提出された米国特許出願第61/019411号のデューティサイクル制御機能を持つ誘導電源(これら全てが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、のうち1つに従って作動するようプログラムできる。
【0045】
図示しないが、本発明の第二態様による電源は、コード付き電子デバイスWDへ電力を供給する電力取出し口を含むことができる。例えば、図13〜27の電源は、電力取出し口を含むように変形できる。電力取出し口の数、設置位置及び仕様は用途によって変えられる。
【0046】
図33を参照すると、多重入力のワイヤレス電源10の1つの実施形態が示される。図示する実施形態は、第一入力電圧または第二入力電圧を受け入れることができるAC/DC整流器回路を含む。別の実施形態において、AC/DC整流器回路61は、付加的入力電圧を受け入れることができる。入力電圧はDCまたはACが可能である。入力電圧は、多様なレベルが可能である。例えば、図示する実施形態において、AC/DC整流器は、110VACまたは220VACを受け入れることができる。別の実施形態において、AC/DC整流器は、110VAC、220VAC、19VDCまたは5VDCを受け入れることができる。AC/DC整流器は、整流出力を生成できる。DC入力電圧が供給される場合、整流器は、ほとんどあるいは全く信号に対して効果を持たないが、それでも、整流DC出力は提供される。
【0047】
AC/DC整流器61に加えて、現時点の実施形態において、低出力DC/DC降圧コンバータ63が設置されて、マイクロコントローラに電力を供給する。マイクロコントローラに電力を供給するには少量の電力しか(典型的には、数マイクロワット)必要としないので、DC/DC降圧コンバータのサイズは、小さく維持される。いくつかの実施形態においては、回路が小型DC電力源を必要としない場合には、例えばマイクロコントローラがバッテリから電力供給を受ける場合または回路がマイクロコントローラの代わりにアナログ素子を持つように設計される場合には、DC/DCコンバータを排除できる。
【0048】
多重入力ワイヤレス電源は、第一入力電圧及び第二入力電圧のいずれが多重入力ワイヤレス電源に接続されるかを検出するセンサを含む。現時点の実施形態において、センサは、AC/DC整流器回路に含まれる。別の実施形態において、センサを別個の素子とするか、またはマイクロコントローラまたはその他の素子に組み込める。3つ以上の入力電圧を使用する実施形態においては、センサは、複数の異なる入力電圧のどの電圧に接続されているかを測定できる。現時点の実施形態において、センサは電圧センサであるが、別の形態において、電流センサまたはどの電源電圧がワイヤレス電源に接続されているか確実に指摘できる別の形式のセンサを使用できる。現時点の実施形態において、整流電圧は、AC/DC整流器回路において感知され、別の実施形態において、予整流電圧を感知できるが、当然、コントローラにおけるプログラミングをこれに従って修正する必要がある。
【0049】
また、多重入力ワイヤレス電源は、各々AC/DC整流器からの整流出力に結合された複数のスイッチ回路96、97を含む。すなわち、整流器回路61からの出力は、まず降圧コンバータによって降圧されることなく、スイッチ回路96、97へ直接結合される。現時点の実施形態において、スイッチ回路は、第一入力電圧及び第二入力電圧のどちらか高い方に合わせて定格される。3つ以上の異なる入力電圧を受け入れることができる実施形態においては、スイッチ回路を最高入力電圧に合わせて定格できる。複数の入力電圧を受け入れることができるシステムにおいては、全てのスイッチを最高入力電圧に合わせて定格する代わりに、最高入力電圧に合わせて1つのスイッチを定格することができ、付加的スイッチ回路は、入力電圧がこのスイッチの定格より低いとマイクロコントローラが判断した場合のみ電気経路に入ることができる。
【0050】
多重入力ワイヤレス電源の現時点の実施形態においては、2つのタンク回路またはワイヤレス給電器14、15が含まれる。別の実施形態においては、付加的タンク回路を含むことができる。各タンク回路は、遠隔デバイスへ無線で電力を供給するように設計され、タンク回路は、少なくともこのタンク回路に関連するスイッチ回路に提供されるDC電圧量の関数に基づいて選択される。例えば、タンク回路が165VDC(すなわち、整流110VAC)を受け取るとすると、タンク回路14のインダクタ20及びコンデンサ21の特性は、タンク回路に近接して置かれた遠隔デバイスへ適切な電力量が伝送されるように選択される。異なる入力電圧には異なるタンク回路素子が使用される。すなわち、19VDC、5VDCまたは308VDC(整流220VAC)など異なる入力電圧用のタンク回路素子は、全て、遠隔デバイスへ目標電力量を提供するように別個に選択/設計される。現時点の実施形態において、第一タンク回路14は、複数のスイッチ回路の1つ96に結合される。第2タンク回路15は、複数のスイッチ回路の別の1つ97に結合される。第二タンク回路の特性は、第二入力電圧の関数として遠隔デバイスに電力を伝送するように選択される。すなわち、第一タンク回路14のインダクタ20及びコンデンサ21の形状、サイズ及び特性が第一入力電圧に基づいて選択されたのと全く同様に、タンク回路の中のインダクタ23及びコンデンサ25の形状、サイズ及び特性は、第2入力電圧に基づいて選択される。現時点の実施形態において、第二タンク回路14の特性は、第一タンク回路15の特性と異なる。図示する実施形態において、両方のタンク回路は、DC/DCコンバータによって降圧されていない高いDCレール電圧を受け入れるように設計される。この実施形態の1つの利点は、比較的嵩の大きいDC/DCコンバータが不要であり、回路設計からこれを除外できることである。
【0051】
さらに、多重入力ワイヤレス電源は、異なるワイヤレス電力量を提供するように設計できる。いくつかの実施形態において、多重入力ワイヤレス電源は、動的であり、スイッチ回路の作動周波数の調節、スイッチ回路のデューティサイクルの調節、レール電圧調節または伝送される電力量に影響を与えるその他の特性に基づいて、遠隔デバイスへ提供される電力流を調節できる。これらの多数の技法については、以前に参照によって組み込まれた上述の参考文献において論じられている。
【0052】
また、多重入力ワイヤレス電源は、低出力DC/DCコンバータ及びスイッチ回路に結合されたマイクロコントローラ95を含むことができる。マイクロコントローラは、センサからの出力に基づいて複数のスイッチ回路を制御するようにプログラムされる。センサは、どの入力源が接続されているかを指示する。最も単純な実施形態において、整流電圧は全てのスイッチ回路に与えられるが、その特定の入力電圧(または入力電圧範囲)のために設計されたタンク回路に結合されたスイッチ回路のみが作動する。他の実施形態において、AC/DC整流器回路は、スイッチまたはマルチプレクサを含み、整流電圧は、DC/DC降圧コンバータ及び適切なスイッチ回路のみに与えられる。いくつかの実施形態において、可能性のある各入力電圧または入力電圧範囲のためにタンク回路/スイッチ回路の配列体を含むことができる。
【0053】
複数の入力で作動できる多重入力ワイヤレス電源の代わりに、単一入力の低DCレールワイヤレス電源によって生成される電磁場と同様の電磁場を生成するように、単一入力の高DCレールワイヤレス電源を設計できる。すなわち、単一入力のワイヤレス電源は、高出力DC/DCコンバータ無しで設計でき、DC整流電圧はスイッチ回路によって使用されて、低DCレール電圧を用いて電磁場を発生するワイヤレス電源が生成する電磁場と同様の電磁場を生成するように明白に設計されたタンク回路を横切ってAC信号を発生する。
【0054】
特に、本発明の1つの実施形態において、高DCレールワイヤレス電源を設計する方法が提供される。この方法は、高DCレール電圧を発生するAC/DC整流器と、高DCレール電圧を低DCレール電圧に降圧するDC/DCコンバータとを含む、低DCレールワイヤレス電源を用意するステップ、低DCレール電圧を切り替えてAC信号を発生するスイッチ回路を用意するステップと、電磁場を発生するAC信号に結合されたタンク回路を用意するステップと、を含む。この方法は、低DCレールワイヤレス電源に基づいて素子を選択するステップを含む。特に、方法は、高DCレール電圧を発生するAC/DC整流器を選択するステップと、高DCレール電圧を切り替えるように定格されたスイッチ回路を選択するステップと、高DCレール電圧に応答して低DCレールワイヤレス電源によって生成される電磁場と同様の電磁場を発生する特性を有するタンク回路を選択するステップと、を含む。
【0055】
上記の説明は、本発明の現時点の実施形態の説明である。本発明の思想及びより広義の態様から逸脱することなく多様な変更及び改変を加えることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード付き及びワイヤレスの両方の電子デバイスへ電力を供給できるユニバーサル電源であって、
該ユニバーサル電源が、
電源回路網と、
遠隔デバイスへ無線で電力を提供するように構成された1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器であって、該1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器が前記電源回路網と電気的に接続される、1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器と、
遠隔デバイスへコードで電力を提供するように構成された1つまたはそれ以上の電力取出し口であって、該1つまたはそれ以上の電力取出し口が前記電源回路網に電気的に接続される、1つまたはそれ以上の電力取出し口と、
を備える、ユニバーサル電源。
【請求項2】
前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器が取外し可能ワイヤレス給電器であり、前記ユニバーサル電源が、前記1つまたはそれ以上の取外し可能ワイヤレス給電器を受け入れるように構成された1つまたはそれ以上の電力取出し口を含むことを特徴とする、請求項1に記載のユニバーサル電源。
【請求項3】
コードにより電力を提供するように構成された前記1つまたはそれ以上の電力取出し口が、前記1つまたはそれ以上の取外し可能ワイヤレス給電器を受け入れるように構成された前記1つまたはそれ以上の電力取出し口とは異なるプラグ形状を有することを特徴とする、請求項2に記載のユニバーサル電源。
【請求項4】
前記ユニバーサル電源がハウジングを含み、前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器及び前記1つまたはそれ以上の電力取出し口が前記ハウジングの中に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のユニバーサル電源。
【請求項5】
前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器が、前記ユニバーサル電源を折り畳んでサイズを小さくできるようにする撓みコネクタによって電源アダプタに接続されることを特徴とする、請求項1に記載のユニバーサル電源。
【請求項6】
電源回路網が、前記電源アダプタハウジングの中に配置されるか、前記1つまたはそれ以上の取外し可能ワイヤレス給電器に組み込まれるか、またはその組合せであることを特徴とする、請求項1に記載のユニバーサル電源。
【請求項7】
前記1つまたはそれ以上ワイヤレス給電器の少なくとも1つがノート型パソコンの電源用ノッチに受け入れられることを特徴とする、請求項1に記載のユニバーサル電源。
【請求項8】
1つまたはそれ以上の電力取出し口を有する電源アダプタハウジングを含む電源アダプタと、
遠隔デバイスへ無線で電力を提供するように構成された1つまたはそれ以上の取外し可能ワイヤレス給電器であって、該1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器が前記電源アダプタの前記電力取出し口へ取外し可能に接続でき、前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器の各々がプラグと、コネクタ部と、コイル組立体とを含む、1つまたはそれ以上の取外し可能ワイヤレス給電器と、
を備える、ユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項9】
前記コネクタ部が、前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器の各々を折り畳んでサイズを小さくできるようにする撓みリードを含むことを特徴とする、請求項8に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項10】
前記コイル組立体が、コイルと、磁石と、オーバーモールド( overmold )とを含むことを特徴とする、請求項8に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項11】
前記コイル組立体がシールドを含むことを特徴とする、請求項10に記載のユニバーサル電源。
【請求項12】
電源回路網が、前記電源アダプタハウジングの中に配置されるか、前記1つまたはそれ以上の取外し可能ワイヤレス給電器に組み込まれるか、またはその組合せであることを特徴とする、請求項8に記載のユニバーサル電源。
【請求項13】
前記1つまたはそれ以上の取外し可能ワイヤレス給電器の少なくとも1つがノート型パソコンの電源用ノッチに受け入れられることを特徴とする、請求項8に記載のユニバーサル電源。
【請求項14】
前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器の少なくとも1つが、別の取外し可能ワイヤレス給電器を取り付けるための1つまたはそれ以上の電力取出し口を含み、前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器がデイジーチェイン(daisy-chained)式に接続できること特徴とする、請求項8に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項15】
複数のワイヤレス給電器と、
電源回路網とハウジングとを含む電源アダプタであって、前記ハウジングが回転ジョイントによって結合された2つの区分に分割され、前記区分の各々が、前記複数のワイヤレス給電器の少なくとも1つを含み、前記2つの区分を回転して異なる位置にして、前記複数のワイヤレス給電器の位置及び向きを変えられる、電源アダプタと、
を備える、ユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項16】
前記ユニバーサルワイヤレス電源が、前記電源アダプタの対向する側に置かれた2台のワイヤレスデバイスへ無線で電力を供給するために使用できることを特徴とする、請求項15に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項17】
前記ユニバーサルワイヤレス電源が、前記電源アダプタの同じ側に置かれた2台のワイヤレスデバイスへ無線で電力を供給するために使用できることを特徴とする、請求項15に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項18】
前記回転ジョイントが、前記2つの区分の間の配線経路となる中央穴を持つ概して管状のコネクタを含むことを特徴とする、請求項15に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項19】
前記回転ジョイントが前記2つの区分の間に電気接続を創生するコネクタを含むことを特徴とする、請求項15に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項20】
前記複数のワイヤレス給電器が単一のワイヤレスデバイスへ電力を供給することを特徴とする、請求項15に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項21】
前記電源アダプタの1つの区分がノート型パソコンの電源用ノッチに受け入れられ、別の区分がワイヤレスデバイスを支持しかつ前記ワイヤレスデバイスへ電力を提供できることを特徴とする、請求項15に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項22】
前記ワイヤレス電源がコンピュータ用バッグの中のポケットに受け入れられるように構成され、前記電源が前記ポケット内に配置されて、ノート型パソコン及びワイヤレスデバイスへ電力を供給することを特徴とする、請求項15に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項23】
電源アダプタと、
遠隔デバイスへ無線で電力を提供するように構成されたワイヤレス給電器であって、該ワイヤレス給電器が前記電源アダプタに対して移動可能である、ワイヤレス給電器と、
を備える、ユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項24】
前記ワイヤレス給電器が、前記ユニバーサル電源を折り畳んでスペースを小さくできるようにする撓みコネクタによって前記電源アダプタに接続されることを特徴とする、請求項23に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項25】
各々遠隔デバイスへ無線で電力を提供するように構成された複数のワイヤレス給電器を含み、前記ワイヤレス給電器の各々が、前記電源アダプタに対して移動可能であることを特徴とする、請求項23に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項26】
前記ワイヤレス給電器が積み重ね状態に折畳み可能であることを特徴とする、請求項25に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項27】
前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器が、前記ユニバーサル電源を前記電源アダプタの上に折り畳んでスペースを小さくできるようにする折畳み可能アームによって前記電源アダプタに接続されることを特徴とする、請求項23に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項28】
前記ワイヤレス給電器が、前記電源アダプタに対して移動するパネルに組み込まれることを特徴とする、請求項23に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項29】
前記パネルが前記電源アダプタに対してスライドすることを特徴とする、請求項28に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項30】
前記パネルが前記電源アダプタに対して回転することを特徴とする、請求項28に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項31】
第一入力電圧または第二入力電圧を受け入れることができるAC/DC整流器回路であって、前記AC/DC整流器が整流出力を生成する、AC/DC整流器回路と、
前記第一入力電圧及び前記第二入力電圧のどちらが多重入力ワイヤレス電源に接続されているかを検出するセンサと、
各々前記整流出力に結合された複数のスイッチ回路と、
前記複数のスイッチ回路の1つに結合された第一タンク回路であって、該第一タンク回路の特性が、前記第一入力電圧の関数として遠隔デバイスに電力を伝送するように選択される、第一タンク回路と、
前記複数のスイッチ回路の別の1つに結合された第二タンク回路であって、該第二タンク回路の特性が、前記第二入力電圧の関数として前記遠隔デバイスへ電力を伝送するように選択され、前記第二タンク回路の前記特性が前記第一タンク回路の前記特性と異なる、第二タンク回路と、
前記整流出力を変換するために前記AC/DC整流器に結合された低出力DC/DCコンバータと、
前記低出力DC/DCコンバータに結合されたマイクロコントローラであって、該マイクロコントローラが、前記センサからの出力に基づいて前記複数のスイッチ回路を制御するようにプログラムされる、マイクロコントローラと、
を備える、多重入力ワイヤレス電源。
【請求項32】
前記複数のスイッチ回路が前記第一入力電圧及び前記第二入力電圧のうち高い方に合わせて定格されることを特徴とする、請求項31に記載の多重入力ワイヤレス電源。
【請求項33】
前記第一タンク回路の前記特性及び前記第二タンク回路の前記特性がインダクタの巻き数、インダクタのワイヤゲージ、インダクタのコイル直径、インダクタのインダクタンス値及びコンデンサのキャパシタンス値を含むことを特徴とする、請求項31に記載の多重入力ワイヤレス電源。
【請求項34】
前記多重入力ワイヤレス電源が本質的安全性及び高電圧分離を提供することを特徴とする、請求項31に記載の多重入力ワイヤレス電源。
【請求項35】
低電圧レールワイヤレス電源と相互作動可能な高DCレールワイヤレス電源を設計する方法であって、該方法が、
高DCレール電圧を発生するAC/DC整流器と、前記高DCレール電圧を低DCレール電圧へ降圧するDC/DCコンバータと、前記低DCレール電圧を切り替えてAC信号を発生するスイッチ回路と、前記AC信号に結合され電磁場を発生するタンク回路と、を含む低DCレールワイヤレス電源を用意するステップと、
高DCレール電圧を発生するAC/DC整流器を選択するステップと、
前記高DCレール電圧を切り替えるように定格されたスイッチ回路を選択するステップと、
前記高DCレール電圧に応答して前記低DCレールワイヤレス電源によって生成された前記電磁場と同様の電磁場を発生する特性を有するタンク回路を選択するステップと、
を含む、方法。
【請求項36】
前記タンク回路を選択するステップが、インダクタの巻き数を選択するステップ、インダクタのワイヤゲージを選択するステップ、インダクタのコイル直径を選択するステップ、インダクタのインダクタンス値を選択するステップ及びコンデンサのキャパシタンス値を選択するステップの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記高DCレールワイヤレス電源を設計する方法が本質的安全性及び高電圧分離を提供することを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【請求項1】
コード付き及びワイヤレスの両方の電子デバイスへ電力を供給できるユニバーサル電源であって、
該ユニバーサル電源が、
電源回路網と、
遠隔デバイスへ無線で電力を提供するように構成された1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器であって、該1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器が前記電源回路網と電気的に接続される、1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器と、
遠隔デバイスへコードで電力を提供するように構成された1つまたはそれ以上の電力取出し口であって、該1つまたはそれ以上の電力取出し口が前記電源回路網に電気的に接続される、1つまたはそれ以上の電力取出し口と、
を備える、ユニバーサル電源。
【請求項2】
前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器が取外し可能ワイヤレス給電器であり、前記ユニバーサル電源が、前記1つまたはそれ以上の取外し可能ワイヤレス給電器を受け入れるように構成された1つまたはそれ以上の電力取出し口を含むことを特徴とする、請求項1に記載のユニバーサル電源。
【請求項3】
コードにより電力を提供するように構成された前記1つまたはそれ以上の電力取出し口が、前記1つまたはそれ以上の取外し可能ワイヤレス給電器を受け入れるように構成された前記1つまたはそれ以上の電力取出し口とは異なるプラグ形状を有することを特徴とする、請求項2に記載のユニバーサル電源。
【請求項4】
前記ユニバーサル電源がハウジングを含み、前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器及び前記1つまたはそれ以上の電力取出し口が前記ハウジングの中に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のユニバーサル電源。
【請求項5】
前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器が、前記ユニバーサル電源を折り畳んでサイズを小さくできるようにする撓みコネクタによって電源アダプタに接続されることを特徴とする、請求項1に記載のユニバーサル電源。
【請求項6】
電源回路網が、前記電源アダプタハウジングの中に配置されるか、前記1つまたはそれ以上の取外し可能ワイヤレス給電器に組み込まれるか、またはその組合せであることを特徴とする、請求項1に記載のユニバーサル電源。
【請求項7】
前記1つまたはそれ以上ワイヤレス給電器の少なくとも1つがノート型パソコンの電源用ノッチに受け入れられることを特徴とする、請求項1に記載のユニバーサル電源。
【請求項8】
1つまたはそれ以上の電力取出し口を有する電源アダプタハウジングを含む電源アダプタと、
遠隔デバイスへ無線で電力を提供するように構成された1つまたはそれ以上の取外し可能ワイヤレス給電器であって、該1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器が前記電源アダプタの前記電力取出し口へ取外し可能に接続でき、前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器の各々がプラグと、コネクタ部と、コイル組立体とを含む、1つまたはそれ以上の取外し可能ワイヤレス給電器と、
を備える、ユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項9】
前記コネクタ部が、前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器の各々を折り畳んでサイズを小さくできるようにする撓みリードを含むことを特徴とする、請求項8に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項10】
前記コイル組立体が、コイルと、磁石と、オーバーモールド( overmold )とを含むことを特徴とする、請求項8に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項11】
前記コイル組立体がシールドを含むことを特徴とする、請求項10に記載のユニバーサル電源。
【請求項12】
電源回路網が、前記電源アダプタハウジングの中に配置されるか、前記1つまたはそれ以上の取外し可能ワイヤレス給電器に組み込まれるか、またはその組合せであることを特徴とする、請求項8に記載のユニバーサル電源。
【請求項13】
前記1つまたはそれ以上の取外し可能ワイヤレス給電器の少なくとも1つがノート型パソコンの電源用ノッチに受け入れられることを特徴とする、請求項8に記載のユニバーサル電源。
【請求項14】
前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器の少なくとも1つが、別の取外し可能ワイヤレス給電器を取り付けるための1つまたはそれ以上の電力取出し口を含み、前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器がデイジーチェイン(daisy-chained)式に接続できること特徴とする、請求項8に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項15】
複数のワイヤレス給電器と、
電源回路網とハウジングとを含む電源アダプタであって、前記ハウジングが回転ジョイントによって結合された2つの区分に分割され、前記区分の各々が、前記複数のワイヤレス給電器の少なくとも1つを含み、前記2つの区分を回転して異なる位置にして、前記複数のワイヤレス給電器の位置及び向きを変えられる、電源アダプタと、
を備える、ユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項16】
前記ユニバーサルワイヤレス電源が、前記電源アダプタの対向する側に置かれた2台のワイヤレスデバイスへ無線で電力を供給するために使用できることを特徴とする、請求項15に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項17】
前記ユニバーサルワイヤレス電源が、前記電源アダプタの同じ側に置かれた2台のワイヤレスデバイスへ無線で電力を供給するために使用できることを特徴とする、請求項15に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項18】
前記回転ジョイントが、前記2つの区分の間の配線経路となる中央穴を持つ概して管状のコネクタを含むことを特徴とする、請求項15に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項19】
前記回転ジョイントが前記2つの区分の間に電気接続を創生するコネクタを含むことを特徴とする、請求項15に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項20】
前記複数のワイヤレス給電器が単一のワイヤレスデバイスへ電力を供給することを特徴とする、請求項15に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項21】
前記電源アダプタの1つの区分がノート型パソコンの電源用ノッチに受け入れられ、別の区分がワイヤレスデバイスを支持しかつ前記ワイヤレスデバイスへ電力を提供できることを特徴とする、請求項15に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項22】
前記ワイヤレス電源がコンピュータ用バッグの中のポケットに受け入れられるように構成され、前記電源が前記ポケット内に配置されて、ノート型パソコン及びワイヤレスデバイスへ電力を供給することを特徴とする、請求項15に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項23】
電源アダプタと、
遠隔デバイスへ無線で電力を提供するように構成されたワイヤレス給電器であって、該ワイヤレス給電器が前記電源アダプタに対して移動可能である、ワイヤレス給電器と、
を備える、ユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項24】
前記ワイヤレス給電器が、前記ユニバーサル電源を折り畳んでスペースを小さくできるようにする撓みコネクタによって前記電源アダプタに接続されることを特徴とする、請求項23に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項25】
各々遠隔デバイスへ無線で電力を提供するように構成された複数のワイヤレス給電器を含み、前記ワイヤレス給電器の各々が、前記電源アダプタに対して移動可能であることを特徴とする、請求項23に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項26】
前記ワイヤレス給電器が積み重ね状態に折畳み可能であることを特徴とする、請求項25に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項27】
前記1つまたはそれ以上のワイヤレス給電器が、前記ユニバーサル電源を前記電源アダプタの上に折り畳んでスペースを小さくできるようにする折畳み可能アームによって前記電源アダプタに接続されることを特徴とする、請求項23に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項28】
前記ワイヤレス給電器が、前記電源アダプタに対して移動するパネルに組み込まれることを特徴とする、請求項23に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項29】
前記パネルが前記電源アダプタに対してスライドすることを特徴とする、請求項28に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項30】
前記パネルが前記電源アダプタに対して回転することを特徴とする、請求項28に記載のユニバーサルワイヤレス電源。
【請求項31】
第一入力電圧または第二入力電圧を受け入れることができるAC/DC整流器回路であって、前記AC/DC整流器が整流出力を生成する、AC/DC整流器回路と、
前記第一入力電圧及び前記第二入力電圧のどちらが多重入力ワイヤレス電源に接続されているかを検出するセンサと、
各々前記整流出力に結合された複数のスイッチ回路と、
前記複数のスイッチ回路の1つに結合された第一タンク回路であって、該第一タンク回路の特性が、前記第一入力電圧の関数として遠隔デバイスに電力を伝送するように選択される、第一タンク回路と、
前記複数のスイッチ回路の別の1つに結合された第二タンク回路であって、該第二タンク回路の特性が、前記第二入力電圧の関数として前記遠隔デバイスへ電力を伝送するように選択され、前記第二タンク回路の前記特性が前記第一タンク回路の前記特性と異なる、第二タンク回路と、
前記整流出力を変換するために前記AC/DC整流器に結合された低出力DC/DCコンバータと、
前記低出力DC/DCコンバータに結合されたマイクロコントローラであって、該マイクロコントローラが、前記センサからの出力に基づいて前記複数のスイッチ回路を制御するようにプログラムされる、マイクロコントローラと、
を備える、多重入力ワイヤレス電源。
【請求項32】
前記複数のスイッチ回路が前記第一入力電圧及び前記第二入力電圧のうち高い方に合わせて定格されることを特徴とする、請求項31に記載の多重入力ワイヤレス電源。
【請求項33】
前記第一タンク回路の前記特性及び前記第二タンク回路の前記特性がインダクタの巻き数、インダクタのワイヤゲージ、インダクタのコイル直径、インダクタのインダクタンス値及びコンデンサのキャパシタンス値を含むことを特徴とする、請求項31に記載の多重入力ワイヤレス電源。
【請求項34】
前記多重入力ワイヤレス電源が本質的安全性及び高電圧分離を提供することを特徴とする、請求項31に記載の多重入力ワイヤレス電源。
【請求項35】
低電圧レールワイヤレス電源と相互作動可能な高DCレールワイヤレス電源を設計する方法であって、該方法が、
高DCレール電圧を発生するAC/DC整流器と、前記高DCレール電圧を低DCレール電圧へ降圧するDC/DCコンバータと、前記低DCレール電圧を切り替えてAC信号を発生するスイッチ回路と、前記AC信号に結合され電磁場を発生するタンク回路と、を含む低DCレールワイヤレス電源を用意するステップと、
高DCレール電圧を発生するAC/DC整流器を選択するステップと、
前記高DCレール電圧を切り替えるように定格されたスイッチ回路を選択するステップと、
前記高DCレール電圧に応答して前記低DCレールワイヤレス電源によって生成された前記電磁場と同様の電磁場を発生する特性を有するタンク回路を選択するステップと、
を含む、方法。
【請求項36】
前記タンク回路を選択するステップが、インダクタの巻き数を選択するステップ、インダクタのワイヤゲージを選択するステップ、インダクタのコイル直径を選択するステップ、インダクタのインダクタンス値を選択するステップ及びコンデンサのキャパシタンス値を選択するステップの少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記高DCレールワイヤレス電源を設計する方法が本質的安全性及び高電圧分離を提供することを特徴とする、請求項35に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図18E】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図18C】
【図18D】
【図18E】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公表番号】特表2013−500692(P2013−500692A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521827(P2012−521827)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/043047
【国際公開番号】WO2011/011681
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(302070822)アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー (122)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/043047
【国際公開番号】WO2011/011681
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(302070822)アクセス ビジネス グループ インターナショナル リミテッド ライアビリティ カンパニー (122)
【Fターム(参考)】
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