説明

露光装置の搬送装置

【目的】 プリアライメント動作を短時間で行なえ、しかもプリアライメント動作の際における基板表面へのスリ傷の発生を抑制する。
【構成】 露光装置100の基板供給部200は、X軸に沿って移動するX軸センタリングユニット230,254とY軸に沿って移動するY軸センタリングユニット260,280を有する。各センタリングユニットには、X軸ガイドピン212,Y軸ガイドピン220等が突出して設けられている。基板供給部200に基板Kが搬送されると、各軸のセンタリングユニットを中央に移動し、基板Kを基板供給部200の中央にプリアライメントする。2枚目以降の基板Kのプリアライメントに際しては、一旦各軸のセンタリングユニットをプリアライメント位置から僅かに後退させておき、この位置から各軸のセンタリングユニットを移動して2枚目以降の基板Kのプリアライメントを行なう。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばプリント回路基板や印刷板等の基板にフォトレジスト膜を形成する露光装置に関し、詳しくは、基板を搬送する前に基板を所定位置に位置決めする機構を備えた搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の露光装置は、ローラコンベヤから搬送された基板を予め位置決めするプリアライメント部と、透明保持板に貼付されたパターンフィルムに基板を密着させて露光する露光部と、上記プリアライメント部から露光部に基板を搬送する第1搬送部と、露光済みの基板を露光部から搬出する第2搬送部と、を備えている。この露光装置の構成により、ローラコンベヤにより搬送される基板はプリアライメント部に乗せられる。プリアライメント部は、基板をプリアライメントする。その後、第1搬送部が基板を露光部に搬送する。露光部は、基板をパターンフィルムにアライメントした後に真空密着させ、この密着状態で露光する。露光された基板は、第2搬送部により露光部から搬出される。
【0003】上記露光装置における第1搬送部は、ローラコンベヤから搬送された基板を乗せるローラ列と、ローラ列を駆動するローラ列駆動機構と、ローラ列の入口端部および出口端部に設けられた第1センサおよび第2センサと、ローラ列上に搬送された基板を所定位置にセンタリングするセンタリング装置と、センタリング装置によりセンタリングされた基板を吸着ボードで吸着して露光部に搬送する供給装置と、を備えている。上記センタリング装置は、ローラ列の上部から突出または退避する第1ピンおよび第2ピンと、第1および第2ピンを駆動するピン駆動機構と、を備えている。第1ピンは、ローラ列の前後両端の初期位置から搬送方向へ互いにその距離を変更する方向へ移動する1対の部材で構成され、第2ピンは、ローラ列の左右両端の初期位置から搬送方向と直角方向へその距離を互いに変更する方向へ移動する1対の部材で構成されている。
【0004】上記第1搬送部の構成により、ローラコンベヤにより搬送された基板は、ローラ列に達して第1センサにより検出されると、ローラ列駆動機構によりローラ列上を搬送される。そして、基板がローラ列の出口端部に達して第2センサにより検出されると、ローラ列駆動機構が停止する。続いて、センタリング装置は、ピン駆動機構が作動して、第1ピンおよび第2ピンを初期位置から互いに中央に向かって移動させ、両ピンの押す力で基板をローラ列上を滑らせながらその中央にプリアライメントする。そして、基板は、供給装置の吸着ボードにより吸着されて露光部に搬送されると、両ピンがピン駆動機構の駆動で初期位置まで退避する。このような第1搬送部による搬送前のプリアライメント動作を繰り返すことにより、ローラコンベヤにより搬送された基板を露光部へ搬送している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のセンタリング装置では、第1および第2ピンは、初期位置からプリアライメントする位置まで移動した後に、初期位置まで戻り、次の基板のプリアライメント動作のために待機し、そして、次の基板が出口端部まで搬送されたときに、再度、初期位置から移動して基板をセンタリングするプリアライメント動作を行なっている。
【0006】こうしたプリアライメント動作では、常に初期位置から基板を移動しているので、特に小さい基板の場合には移動距離が長くなる。基板の移動距離が長くなると、センタリングのための時間が長くなるだけでなく、基板の両面にパターンを形成するために片面を搬送面とすることができない場合には、ローラ列に接している基板の片面にスリ傷が付き易く、パターン形成の際の不良の要因となっているという問題があった。
【0007】本発明は、上記従来の技術の問題を解決するものであり、プリアライメント動作を短時間で行なえ、しかもプリアライメント動作の際に基板の表面にスリ傷を生じさせない露光装置の搬送装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するためになされた本発明は、原板に基板を密着させて露光する露光手段に、搬送ラインから搬送された基板を所定位置に位置決めしてから該基板を搬送する露光装置の搬送装置において、上記搬送ラインから基板が搬送される位置決め台と、この位置決め台に搬送された基板を該位置決め台上で移動させるとともに、上記所定位置から離間した初期位置から上記所定位置までの移動範囲を有する可動部材と、この可動部材を駆動する駆動手段と、最初の基板の搬送時に、駆動手段に対して、可動部材を上記初期位置から上記所定位置まで駆動指令する第1制御部と、上記基板が露光手段に搬送された後に、駆動手段に対して、上記初期位置と上記所定位置との間の待機位置で待機する指令を出力し、続く基板の搬送時に、上記待機位置から上記所定位置まで駆動指令する第2制御部と、を有する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明に係る露光装置の搬送装置では、搬送ラインにより位置決め台に搬送された基板は、駆動手段が駆動する可動部材により、位置決め台における所定位置まで移動され当該所定位置に位置決めされる。駆動手段の駆動は、第1制御部および第2制御部を有する制御手段により指令される。まず、最初の基板の搬送時にあっては、第1制御部の駆動指令により、駆動手段は、可動部材を初期位置から所定位置まで駆動させ、これにより基板の位置決めを行なう。一方、最初の基板を搬送した後にあっては、第2制御部の駆動指令により、駆動手段は初期位置と所定位置との間の待機位置に可動部材を待機させ、続く基板の搬送時に、この待機位置から所定位置まで可動部材を駆動させて、基板の位置決めを行なう。この可動部材を待機させる待機位置は、初期位置と所定位置との間であることから、所定位置からの移動距離は少なくなる。よって、基板を位置決めするに当たり、可動部材の移動量が少なくなり、短時間のうちに位置決めを行なうことが可能となる。
【0010】
【実施例】次に、本発明に係る露光装置の好適な実施例について、以下の順序に従い図面を用いて説明する。
A:実施例の露光装置の全体構成および動作の概況B:基板供給部の構成D:基板露光部の構成F:基板排出部の構成H:基板供給搬送部の構成J:基板排出搬送部の構成L:露光装置の電気的構成M:露光装置における制御
【0011】A:実施例の露光装置の全体構成および動作の概況実施例の露光装置100は、プリント配線基板(以下、基板という)の片面(例えば基板表面)にマスクプレートにおける配線パターンを露光するものであり、次のような構成を備える。図1に示すように、露光装置100は、外部から搬入された基板Kを後工程に適切に供給するための位置決めいわゆるプリアライメントを行なう基板供給部200と、基板Kとマスクプレートとを密着させ基板Kに配線パターンを露光する基板露光部300と、露光済みの基板を装置外部に排出するための基板排出部600とを、装置フレーム102に固定して備える。また、露光装置100は、基板供給部200と基板露光部300との間における基板搬送を行なう基板供給搬送部700、および、基板露光部300と基板排出部600との間における基板搬送を行なう基板排出搬送部800を、装置フレーム102に図中矢印方向に移動自在に備える。
【0012】この露光装置100は、基板の保持,搬送および基板露光等に関する一連の動作において常時2枚のパレット318(図7参照)を用いる。つまり、露光装置100は、露光開始時には1枚のパレット318を基板露光部300に用意しておき、もう1枚のパレット318を基板排出部600に待機させている。この状態から露光装置100は基板露光のための動作を開始し、その概略は次の通りである。
【0013】まず、露光装置100は、外部から搬入された基板Kを基板供給部200にてプリアライメントする。次いで、露光装置100は、プリアライメントした基板Kを、基板供給搬送部700により基板露光部300のパレット318(第1のパレット318)上に搬送する。そして、露光装置100は、基板露光部300にて次の一連の動作を行なう。つまり、露光装置100は、第1のパレット318上の基板とマスクプレート下面のパターンフィルムとの位置合わせ(アライメント)、マスクプレートへの第1のパレット318および基板の保持(真空密着)、並びに基板Kへの配線パターンの露光を順次行なう。そして、露光装置100は、この基板露光の間に、基板排出部600に待機させおいたもう1枚のパレット318(第2のパレット318)を、第1の基板露光部300において露光中の基板Kが載置されマスクプレートに吸着されている第1のパレット318の下方に搬送する。次いで、次に露光処理する基板Kを基板供給部200にてプリアライメントした後、基板供給搬送部700により基板露光部300の上記第2のパレット318上に搬送する。
【0014】更に、露光装置100は、露光済みの基板を第1のパレット318とともに基板排出搬送部800により基板露光部300から基板排出部600に搬送する。次いで、次回の露光処理として、第2のパレット318上の基板についての位置合わせ(アライメント)、マスクプレートへの第2のパレット318および基板の保持(真空密着)、並びに基板Kへの配線パターンの露光を行なう。つまり、露光装置100は、常時2枚のパレット318を用い連続的に露光処理する。そして、露光装置100は、この次回の露光処理と平行して、基板排出部600に搬送済みの露光済み基板を基板排出部600により装置外部、例えば基板反転装置(図示省略)に排出する。この場合には、基板反転装置で反転された基板の裏面に、もう1台の露光装置100により別の配線パターンが露光される。以下、露光装置100の各部の構成について、詳細に説明する。
【0015】B:基板供給部の構成基板供給部200は、外部から搬入された基板Kをプリアライメントすべく、次のような構成を備える。図2に示すように、基板供給部200は、その上面に基板Kの搬送のための3列のローラ列202,204,206を備える。各ローラ列のそれぞれのローラは、上部枠体208に回転自在に軸支されており、下部枠体210内に組み付けられたモータ211(図23参照)の駆動力をタイミングベルト等の図示しない伝達機構を介して受け、正逆回転する。よって、この基板供給部200まで外部から搬入された基板Kは、3列のローラ列202,204,206の各ローラにより基板供給部200に引き込まれ、後述するようにプリアライメントされる。
【0016】基板供給部200は、ローラ列202とローラ列204との間およびローラ列204とローラ列206との間に、各ローラ列202,204,206の被搬送物(基板K)の搬送面から突出したX軸ガイドピン212,214,216,218を有する。また、基板供給部200は、ローラ列202およびローラ列206におけるローラとローラとの間に、上記基板Kの搬送面から突出したY軸ガイドピン220,222,224,226を有する。上記の各々のガイドピンは、図3に示すように、その先端に樹脂製の基板当たりローラ228をE型止め輪229にて回転自在に係止して備える。この基板当たりローラ228の外周面は、上部が大径のテーパ面となっている。
【0017】上記した各X軸ガイドピンのうち、X軸ガイドピン212とX軸ガイドピン214とは対となって後述のX軸センタリングユニット230を構成し、X軸ガイドピン216とX軸ガイドピン218とは対となってX軸センタリングユニット254を構成する。一方、各Y軸ガイドピンのうち、Y軸ガイドピン220とY軸ガイドピン222とは対となって後述のY軸センタリングユニット260を構成し、Y軸ガイドピン224とY軸ガイドピン226とは対となってY軸センタリングユニット280を構成する。そして、各X軸センタリングユニットは図中矢印X(X軸)に沿って移動すべく、また、Y軸センタリングユニットは図中矢印Y(Y軸)に沿って移動すべく、それぞれ次のように構成されている。
【0018】X軸センタリングユニット230は、図2におけるX軸ガイドピン212,214の手前を図中4−4線に沿って破断した図4に示すように、平行な2本のX軸ガイドシャフト232に摺動自在に支持されている。この2本のX軸ガイドシャフト232は、図2に示すように、各ローラ列202,204,206の被搬送物(基板K)の搬送面と平行に、且つ、X軸に沿って下部枠体210の側面間に掛け渡されている。
【0019】X軸センタリングユニット230は、X軸ガイドシャフト232にブシュ234を介して嵌合しX軸ガイドシャフト232に沿って摺動するユニットベース236と、X軸ガイドピン212,214が立設されるプレート238と、このプレート238の両端に固定された左右の上下動シャフト240と、X軸ガイドピン212に平行にプレート238に立設された基板検出センサ242とを備える。基板検出センサ242は反射型の光センサであり、当該センサの検出面は、図4に示すように、各ローラ列202,204,206により搬送される基板Kの下方に位置する。そして、この基板検出センサ242は、基板Kの有無を検出するために用いられる。また、上下動シャフト240は、プレート238の両端(X軸ガイドピン212,214の下方)に固定されたブシュ244に嵌合されており、当該ブシュを介して上下に摺動する。ユニットベース236の中央凹部には、シリンダ246が設置されており、このシリンダ246のロッドはその先端においてプレート238と固定されている。
【0020】更に、X軸センタリングユニット230は、図4および各ローラ列202等を省略した基板供給部200の平面図である図5に示すように、タイミングベルト248(歯付ベルト)に、連結金具250により連結固定されている。このタイミングベルト248は、図5に示すように、下部枠体210内にX軸に沿って駆動側タイミングプーリ251(歯付プーリ)と従動側タイミングプーリ252の間に掛け渡されており、正逆回転するパルスモータ253により駆動する。なお、説明の便宜上、図中矢印aの回転方向を、パルスモータ253の正転方向とする。
【0021】図5に示すように、このX軸センタリングユニット230と対向するX軸センタリングユニット254は、上記したX軸センタリングユニット230と同一の構成を備える。そして、X軸センタリングユニット254は、連結金具256によりタイミングベルト248に連結固定されている。なお、X軸センタリングユニット230は、パルスモータ253が正転した場合のタイミングベルト248の往路側に、X軸センタリングユニット254はタイミングベルト248の復路側に、それぞれ連結固定されている。図4および図5に示すように、X軸センタリングユニット254も、基板Kの有無を検出するための基板検出センサ258をX軸ガイドピン218の手前(基板供給部200の中央側)に備える。
【0022】従って、パルスモータ253を図中矢印aの回転方向に正転させると、X軸センタリングユニット230およびX軸センタリングユニット254は、図5中に二点鎖線で示す原点位置からX軸ガイドシャフト232に沿って、即ちX軸に沿って基板供給部200中央部にそれぞれ前進する。一方、パルスモータ253を逆転させると、X軸センタリングユニット230およびX軸センタリングユニット254は、X軸に沿って原点位置に後退(退避)する。また、この両X軸センタリングユニット230,254のそれぞれのシリンダ246を駆動してそのロッドを伸長させると、X軸センタリングユニット230,254は、図4中に実線で示すように、各X軸ガイドピン212,214,216,218先端の基板当たりローラ228を、各ローラ列202,204,206の被搬送物(基板K)の搬送面から突出させる。更に、それぞれのシリンダ246を駆動してそのロッドを引き戻すと、X軸センタリングユニット230,254は、各X軸ガイドピン先端の基板当たりローラ228を、上記搬送面から下方に退避させ基板Kと干渉させない。
【0023】Y軸センタリングユニット260は、図2におけるY軸ガイドピン220,222の手前を図中6−6線に沿って破断した図6に示すように、平行な2本のY軸ガイドシャフト262に摺動自在に支持されている。この2本のY軸ガイドシャフト262は、図2および図5に示すように、各ローラ列202,204,206の被搬送物(基板K)の搬送面と平行に、且つ、Y軸に沿って下部枠体210の側面間に掛け渡されている。
【0024】Y軸センタリングユニット260は、Y軸ガイドシャフト262にブシュ264を介して嵌合しY軸ガイドシャフト262に沿って摺動するユニットベース266と、このユニットベース266の上面に固定されY軸ガイドピン220,222が立設されるプレート268とを備える。
【0025】更に、Y軸センタリングユニット260は、図6および図5に示すように、タイミングベルト270に、連結金具272により連結固定されている。このタイミングベルト270は、図5に示すように、下部枠体210内にY軸に沿って駆動側タイミングプーリ274と従動側タイミングプーリ276の間に掛け渡されており、正逆回転するパルスモータ277により駆動する。なお、説明の便宜上、図中矢印bの回転方向を、パルスモータ277の正転方向とする。
【0026】図5に示すように、このY軸センタリングユニット260と対向するY軸センタリングユニット280は、上記したY軸センタリングユニット260と同一の構成を備え、連結金具282によりタイミングベルト270に連結固定されている。なお、Y軸センタリングユニット260は、パルスモータ277が正転した場合のタイミングベルト270の復路側に、Y軸センタリングユニット280はタイミングベルト270の往路側に、それぞれ連結固定されている。
【0027】従って、パルスモータ277を図中矢印bの回転方向に正転させると、Y軸センタリングユニット260およびY軸センタリングユニット280は、図5中に二点鎖線で示す原点位置からY軸ガイドシャフト262に沿って、即ちY軸に沿って基板供給部200中央部にそれぞれ前進する。一方、パルスモータ277を逆転させると、Y軸センタリングユニット260およびY軸センタリングユニット280は、Y軸に沿って原点位置に後退(退避)する。
【0028】なお、各Y軸センタリングユニットにおけるY軸ガイドピン220,222ないしY軸ガイドピン224,226は、それぞれのユニットのプレートに固定されており、各ローラ列202,204,206の被搬送物(基板K)の搬送面から常時突出されている。また、Y軸センタリングユニット280は、基板Kの有無を検出するための基板検出センサ284をY軸ガイドピン224,226の間に備える。この基板検出センサ284は、図2および図5に示すように、Y軸ガイドピン224,226より基板供給部200の中央側に配置されている。
【0029】このほか、基板供給部200は、各軸のセンタリングユニットがそれぞれ原点位置にある時にオン信号を出力する原点センサ285,287と、各軸のセンタリングユニットがそれぞれ前進端位置にある時にオン信号を出力する前進端センサ286,288とを有する。これら各センサは、各軸のセンタリングユニットの原点復帰やオーバーラン確認等に用いられる。なお、各軸のセンタリングユニットの前進端位置は、各軸のセンタリングユニットがこれ以上前進すると隣合うセンタリングユニットやその他の構成部材等に干渉してしまう位置を規定するものである。そして、各軸のセンタリングユニットのストロークエンドは、該当するパルスモータに与えられるパルス数で定まり、この前進端位置の手前に設定されている。また、基板供給部200は、図2に示すように、基板Kの搬入側に基板搬入センサ290を有する。これら各センサは、反射型の光センサである。
【0030】D:基板露光部の構成基板露光部300は、露光装置100全体の概略側面図である図7に示すように、装置フレーム102の中央に位置し基板供給部200と基板排出部600に挟まれている。そして、基板露光部300は、基板供給搬送部700が図中実線で示す位置から図中二点鎖線で示す位置まで左方に移動してこの基板供給搬送部700が搬送する基板Kを受け取り、この基板Kとマスクプレートとを密着させ基板Kに配線パターンを露光するものである。なお、基板供給搬送部700の構成および基板Kの搬送の様子については後述する。
【0031】この基板露光部300は、最上部に紫外領域の波長の光を照射する光源302を有し、その下方に露光枠体304を装置フレーム102に固定して備える。露光枠体304は、上部露光枠体306と下部露光枠体308とを有し、この下部露光枠体308によりマスクプレート310を保持する。このマスクプレート310は、紫外領域の波長の光の透過効率の高い透明な樹脂製の板材であり、例えばアクリル樹脂等を用いて作成される。
【0032】マスクプレート310の下面には、基板Kに露光する配線パターンが描かれたパターンフィルム(図示省略)が密着して予め貼り付けられている。また、上部露光枠体306には2つのCCDカメラ312,314が備え付けられており、基板露光部300は、このCCDカメラ312,314により、後述するように、マスクプレート310下面のパターンフィルムのアライメントマークと基板Kのアライメントマークとの一致・不一致を検出する。
【0033】このほか、基板露光部300は、露光枠体304の下方で装置フレーム102内に基板保持ユニット400を備える。この基板保持ユニット400は、基板供給搬送部700により基板供給部200から搬送された基板Kを、当該基板が載置されるパレット318とともに吸着・保持する。更に、基板保持ユニット400は、パレット318に吸着・保持した基板Kと露光枠体304におけるマスクプレート310下面のパターンフィルムとの位置合わせを行なう。以下、露光枠体304および基板保持ユニット400について説明する。
【0034】露光枠体304の上部露光枠体306は、その概略斜視図である図8および図1に示すように、図中X軸方向に沿った両サイドフレーム320,322を有し、各サイドフレームには、一対のガイドレール324が対向して、且つX軸に沿って設置されている。この一対のガイドレール324には、当該レールに沿って摺動する2組のプレート326,328が係合されている。各組のプレートの間には、2本のガイドシャフト330が上下に、且つY軸に沿って掛け渡されている。そして、このガイドシャフト330には、CCDカメラ312,314がそれぞれ固定されたカメラ保持プレート332が摺動自在に組み込まれている。従って、各CCDカメラ312,314は、ガイドシャフト330(Y軸)に沿って自在に移動可能であるとともに、ガイドレール324(X軸)に沿って自在に移動可能である。
【0035】このように各軸に沿ってCCDカメラ312,314を移動するために、上部露光枠体306には、以下のような駆動系が組み込まれている。即ち、両サイドフレーム320,322の各々のガイドレール324(一方のみ図示)の下方には、タイミングベルト334(一方のみ図示)がX軸に沿って掛け渡されており、上部露光枠体306の端部フレーム336内に収納され正逆回転するパルスモータ338により駆動する。このタイミングベルト334にパルスモータ338の駆動力を伝達する伝達機構(プーリ,シャフト等)は、端部フレーム336および各サイドフレーム320,322内に組み込まれている。なお、説明の便宜上、タイミングベルト334の図中矢印cの回転方向を、パルスモータ338の正転方向とする。
【0036】プレート326の各々は、パルスモータ338が正転した場合のタイミングベルト334の往路側に、プレート328の各々は、タイミングベルト334の復路側に、それぞれ連結固定されている。従って、タイミングベルト334が図中矢印cの方向に回転するようパルスモータ338を正転させると、各組のプレート326,328は、それぞれ上部露光枠体306の中央に向けてX軸に沿って移動する。一方、パルスモータ338を逆転させると、プレート326の各々は端部フレーム336と対向する側の端部フレーム340側に、プレート328の各々は端部フレーム336側に移動する。従って、基板露光部300は、パルスモータ338を正逆回転制御して、CCDカメラ312,314をX軸に沿って移動させる。
【0037】上部露光枠体306の端部フレーム336,340の一方には、CCDカメラ312,314が各端部フレーム近傍のそれぞれのX軸原点位置にある時にオン信号を出力するCCDカメラX軸原点センサ480(図22参照)が設けられている。また、サイドフレーム320,322の一方の中央近傍には、CCDカメラ312,314が上部露光枠体306の中央のX軸前進端位置にある時にオン信号を出力するCCDカメラX軸前進端センサ482(図22参照)が設けられている。これら各センサは、CCDカメラ312,314のX軸方向の原点復帰やオーバーラン確認等に用いられる。なお、このX軸前進端位置は、各CCDカメラがこれ以上前進するとCCDカメラ同志は干渉しないもののプレート328等が衝突してしまう位置を規定するものである。そして、各CCDカメラのストロークエンドは、該当するパルスモータに与えられるパルス数で定まり、このX軸前進端位置の手前に設定されている。
【0038】各組のプレート326,328の間には、タイミングベルト342(プレート328側のみ図示)がY軸に沿って掛け渡されている。そして、このタイミングベルト342は、各組のプレートの一方の側に設置され正逆回転するパルスモータ344,346により回転駆動する。このタイミングベルト342には、CCDカメラ312の固定されたカメラ保持プレート332が連結固定されている。なお、プレート326側についても同様である。
【0039】従って、パルスモータ344,346の正逆回転により、各カメラ保持プレート332はY軸に沿って両サイドフレーム320,322の間を移動する。従って、基板露光部300は、上記両パルスモータ344,346を正逆回転制御して、CCDカメラ312,314をY軸に沿って移動させる。
【0040】対向するプレート326,プレート328の一方には、CCDカメラ312,314が当該一方のプレート近傍のそれぞれのY軸原点位置にある時にオン信号を出力するCCDカメラY軸原点センサ484,486(図22参照)が設けられている。また、他方のプレート326,プレート328には、CCDカメラ312,314が当該他方のプレート近傍のY軸前進端位置にある時にオン信号を出力するCCDカメラY軸前進端センサ488,490(図22参照)が設けられている。これら各センサは、CCDカメラ312,314のY軸方向の原点復帰やオーバーラン確認等に用いられる。なお、このY軸前進端位置は、各CCDカメラがこれ以上前進するとCCDカメラが図8に示すようにパルスモータ等に衝突してしまう位置を規定するものである。そして、各CCDカメラのストロークエンドは、該当するパルスモータに与えられるパルス数で定まり、このY軸前進端位置の手前に設定されている。
【0041】図7に示すように、上記した露光枠体304下方の基板保持ユニット400は、基板Kをパレット318とともに吸着・保持するための基板吸着機構450と、露光枠体304のマスクプレート310と平行な平面(XY平面)において直交するX軸,Y軸およびXY平面に直交する軸(旋回軸)の3軸において上記基板吸着機構450を駆動制御する3軸制御テーブル、いわゆるXYθテーブル410と、上記基板吸着機構450をXYθテーブル410ごと上下動させる上下動機構420とを有する。上下動機構420は、装置フレーム102の中央の脚104,106間に掛け渡して固定された下部プレート422内にシリンダ424を内蔵する。また、上下動機構420の下部プレート422上面には、4本(図には2本のみ示す)のガイドシャフト426,428が立設されている。なお、XYθテーブル410は、各軸ごとにパルスモータ416,417,418(図21参照)を内蔵し、ボールネジ,ガイドレール等の駆動力伝達機器を介して、基板吸着機構450を3軸駆動制御する。
【0042】XYθテーブル410は、その底面プレート412に設けられたガイドブシュ414に上下動機構420の各ガイドシャフト426,428を嵌合させ、底面プレート412にシリンダ424のロッド先端を固定して、上下動機構420と連結されている。つまり、XYθテーブル410は、ガイドシャフト426,428を介して位置決めされて上下動機構420と連結されている。この場合、装置フレーム102への上下動機構420の固定は、XYθテーブル410の制御軸である旋回軸が露光枠体304に位置決めされたマスクプレート310の中心と一致するよう配慮して行なわれる。そして、このXYθテーブル410に、基板吸着機構450が固定されている。
【0043】従って、基板露光部300は、上下動機構420のシリンダ424を駆動して、基板吸着機構450およびXYθテーブル410を一体に、且つ上下動機構420の各ガイドシャフト426,428に沿って上下動させる。つまり、基板露光部300は、このようにして基板吸着機構450を上昇させて、パレット318上の基板Kを露光枠体304のマスクプレート310の下面に密着させる。また、基板露光部300の下部露光枠体308におけるマスクプレート310は、図示しないマスクプレートリフト機構により単独で持ち上げ可能である。
【0044】装置フレーム102の上記した脚104には、上下動機構420により上下動される基板吸着機構450がその原点位置(下端位置)にあることを検出するテーブル原点検出センサ492(図22参照)と、基板吸着機構450がその上昇端位置にあることを検出するテーブル上昇端検出センサ494(図22参照)とが設けられている。これら各センサは、基板吸着機構450の原点復帰やオーバーラン確認等に用いられる。また、XYθテーブル410には、図22に示すように、各軸の原点検出センサであるテーブルX軸原点センサ496,テーブルY軸原点センサ498,テーブルθ軸原点センサ500と、各軸の駆動終端センサであるテーブルX軸終端センサ502,テーブルY軸終端センサ504,テーブルθ軸終端センサ506が内蔵されている。これら各センサも、XYθテーブル410についての各制御軸における原点復帰やオーバーラン確認等に用いられる。
【0045】基板吸着機構450は、図7に示すように、XYθテーブル410に直接固定される架台452と、この架台452の上面に設置された4つのシリンダ454(図には2つを示す)により上下動する皿状の真空枠456と、真空枠456内部に配置され後述の基板供給搬送部700が搬送する基板Kをパレット318とともに吸着する真空枠ベース458とを備える。真空枠ベース458は、上下方向に伸縮可能なシール材460により、その周囲に亘って気密に真空枠456に取り付けられている。また、真空枠456の開口部端面には、その全周に亘ってシール材462が取り付けられている。
【0046】このほか、架台452の各コーナーには、真空枠456底面を貫通してパレット受けシリンダ464が設置されている。このパレット受けシリンダ464は、そのロッドを真空枠ベース458を貫通して伸縮させて、後述の基板排出搬送部800が真空枠ベース458上方に搬送したパレット318の受け取りおよび受け取ったパレット318の真空枠ベース458上面への載置を行なう。
【0047】基板吸着機構450の真空枠ベース458に吸着されるパレット318は、マスクプレート310より小さく形成されており、次のような構成を備える。パレット318は、図9およびこの図9における10−10線拡大断面図である図10に示すように、断面コの字状のアルミニウム型鋼を用いて形成した枠体430を2本のアルミニウム型鋼の梁431で補強し、この枠体430に樹脂プレート432を載置して構成される。この樹脂プレート432は、基板露光の際に照射する紫外領域の波長の光を透過させない性質を有する樹脂、例えばアクリルやポリカーボネート等を用いて形成されている。なお、樹脂プレート432は、照射される紫外領域の波長の光を透過させなければ、透明であっても差し障りないことは勿論である。
【0048】樹脂プレート432は、枠体430にネジ止めされた断面L字状の金具433により、枠体430に組み付けられている。金具433のネジ止めに当たっては、樹脂プレート432が枠体430の上面において摺動できるよう、金具433と樹脂プレート432との間に隙間が設けられている。
【0049】樹脂プレート432の周縁には、ゴム製(シリコンゴム)のパレットシール材434が樹脂プレート432の上面に気密に接着されている。よって、既述したようにマスクプレート310の下面にパレット318が密着されると、このパレットシール材434によりマスクプレート310とパレット318との間がシールされることになる。また、樹脂プレート432の中央上面には、樹脂プレート432に載置された基板K(図1010参照)との間にエアー溜まりを設けるための基板吸引用凹部435が形成されている。
【0050】パレット318の各コーナー周辺には、吸着プレート436,437が枠体430の内部にネジ止めされている。なお、この吸着プレート436,437は、後述の基板排出搬送部800が図1に示すように基板露光部300に侵入したときに、基板排出搬送部800のパレット吸着搬送アーム810が位置する場所に設置されている。
【0051】各吸着プレート436,437の下面には、図9における11−11線拡大断面図である図11および12−12線拡大断面図である図12に示すように、ゴム製の吸着座リング438がそれぞれ埋設されている。このパレット318の基板排出搬送部800への吸着は、次のようになされる。つまり、後述の基板排出搬送部800におけるパレット吸着搬送アーム810が吸着プレート436,437の吸着座リング438に密着すると、図中矢印で示すようにパレット吸着搬送アーム810の吸引孔811から空気が吸引される。よって、パレット吸着搬送アーム810と吸着プレート436等との間が負圧となるので、パレット318は、この吸着プレート436,437を介して、基板排出搬送部800のパレット吸着搬送アーム810に吸着・保持されることになる。
【0052】また、図12に示すように、吸着プレート437にはエアー溜まり439が形成されている。一方、基板吸引用凹部435の形成箇所において樹脂プレート432下面には、逆止弁440が気密に接着されている。そして、吸着プレート437と逆止弁440との間には、エアー溜まり439と逆止弁440の吸引室441とを連通するエアーホース442が配管されている。この逆止弁440は、ゴム製のいわゆる傘バルブ443を弁体として内蔵し、この傘バルブ443により透孔444を介して吸引室441と基板吸引用凹部435の吸引孔445aを連通する。即ち、この逆止弁440は、傘バルブ443により、吸引室441と基板吸引用凹部435における基板K下面のエアー溜まりとを連通する。
【0053】従って、図中矢印で示すように吸着プレート437においてパレット吸着搬送アーム810の吸引孔811から空気が吸引されると、吸引室441が負圧となるので、逆止弁440は傘バルブ443により透孔444を開放する。よって、基板K下面のエアー溜まりと吸引室441、延いてはエアー溜まり439とは連通するので、基板K下面のエアー溜まりが負圧となって基板Kはパレット318の上面に吸着される。しかも、パレット318は、吸着プレート436を介してパレット吸着搬送アーム810に吸着・保持されることになる。そして、パレット吸着搬送アーム810が吸着プレート436,437から離れ或いは上記した吸引が停止されて吸着プレート437のエアー溜まり439が大気開放されても、逆止弁440により基板K下面のエアー溜まりは負圧に維持されるので、基板Kはパレット318の上面に吸着されたままである。
【0054】また、図9および図12に示すように、樹脂プレート432の中央下面には、パレット318上面の基板Kを直接吸引してパレット318に吸着するための吸着ポート446が気密に接着されている。この吸着ポート446は、上記した逆止弁440と同様に傘バルブ447を内蔵し、この傘バルブ447により透孔448を介して吸引室449と基板吸引用凹部435の吸引孔445bを連通する。即ち、この吸着ポート446は、傘バルブ447により、吸引室449と基板吸引用凹部435における基板K下面のエアー溜まりとを連通する。
【0055】従って、真空枠ベース458(図7参照)の中央に設置されている吸着ソケット467が、図12に示すようにこの吸着ポート446に装着され、図中矢印で示すように吸着ソケット467から空気が吸引されると、吸引室449は負圧となり傘バルブ447により透孔448は開放される。よって、基板K下面のエアー溜まりが負圧となり、基板Kはパレット318の上面に吸着されるとともに、パレット318は真空枠ベース458に吸着・保持されることになる。そして、吸着ソケット467が吸着ポート446から離れ或いは上記した吸引が停止されて吸引室449が大気開放されても、傘バルブ447を内蔵する吸着ポート446により基板K下面のエアー溜まりは負圧に維持される。よって、基板Kはパレット318の上面に吸着されたままである。
【0056】更に、図9および図12に示すように、パレット318の各コーナーには、枠体430を補強するコーナープレート470が枠体430の内部にネジ止めされている。そして、各コーナープレート470の下面には、基板吸着機構450の架台452の各コーナーに設置されたパレット受けシリンダ464(図7参照)のロッドが侵入するパレット位置決め穴472が形成されている。このパレット位置決め穴472の斜面は図示するようにテーパ面とされている。このため、次のようにしてパレット318の真空枠ベース458への載置がなされる。
【0057】つまり、基板排出搬送部800が図1に示すように基板露光部300に侵入し、後述するように基板排出部600側からパレット318を単独で真空枠ベース458上方に搬送すると、架台452の各コーナーのパレット受けシリンダ464はそのロッドを伸長させる。よって、パレット受けシリンダ464の各ロッドはパレット318の各コーナーのパレット位置決め穴472のそれぞれに侵入する。このため、パレット318は、各パレット受けシリンダ464のロッドに位置決めされてロッド先端に保持されることになる。従って、このようにパレット318を位置決めしたパレット受けシリンダ464がそのロッドを引き込めば、パレット318は真空枠ベース458に対して位置決めされて載置されることになる。この結果、真空枠ベース458(図7参照)の中央に設置されている吸着ソケット467はパレット318中央の吸着ポート446に装着されので、既述した基板Kのパレット318の上面への吸着・保持が可能となる。なお、基板供給搬送部700による基板Kの搬送・載置に先立ち、真空枠ベース458には、パレット318(第1のパレット318)が吸着・保持されている。つまり、第1のパレット318は、吸着ソケット467,吸着ポート446を介して吸引されるとともに、真空枠ベース458上面に設けた図示しない溝からも吸引されて、真空枠ベース458に吸着・保持されている。
【0058】F:基板排出部の構成基板排出部600は、図1および図7に示すように、基板露光部300に隣接して装置フレーム102に設置されている。そして、この基板排出部600は、5枚のマスクプレート310を多段に出し入れ自在に収納しマスクプレート310を交換するためのマスクプレートストッカー610と、露光済み基板Kを装置外部(例えば基板反転装置)に排出するための基板搬出ローラ列630と、後述の基板排出搬送部800が保持するパレット318上面の露光済み基板Kをこのパレット318から離脱し基板搬出ローラ列630に載置する基板離脱機構650とを有する。そして、基板排出部600は、図7に示すように、マスクプレートストッカー610の上面に、基板搬出ローラ列630および基板離脱機構650を固定して備える。なお、基板排出搬送部800の構成および露光済み基板Kの保持の様子や基板露光部300からの露光済み基板Kの搬送の様子については後述する。
【0059】基板排出部600は、その上部の主要部をしめす図13に示すように、マスクプレートストッカー610の上面に固定された側面板616,617の間に、基板搬出ローラ列630の各ローラを回転自在に軸支する。基板搬出ローラ列630は、その各ローラを両側面板616,617の間に図示しない伝達機構とともに組み込まれているモータ618(図23参照)により図中矢印e方向に回転させる。そして、基板搬出ローラ列630は、ローラ上の基板KをX軸方向に搬送し、図示しない外部装置にこの基板Kを搬出する。
【0060】基板離脱機構650は、基板Kを吸着し基板搬出ローラ列630上に載置する二つの基板離脱ユニット651,652を、枠体653内に有する。この各基板離脱ユニット651,652は、枠体653内にY軸に沿って掛け渡された一対のガイドシャフト654にガイドブシュ655を介して係合されており、Y軸に沿って摺動可能である。この枠体653は、一対のガイドシャフト654を含む平面が基板搬出ローラ列630上の基板Kと略平行になるよう、マスクプレートストッカー610の上面および上記両側面板616,617に固定された支柱656,657により固定・支持されている。よって、各基板離脱ユニット651,652は、基板搬出ローラ列630上の基板Kと略平行にY軸に沿って移動することになる。
【0061】枠体653内には、各基板離脱ユニット651,652を移動させるためのタイミングベルト658がY軸に沿って掛け渡されている。このタイミングベルト658が掛け渡される駆動側タイミングプーリ659は、枠体653に固定され正逆回転するパルスモータ660(図21参照)と、シャフト,カップリング等を介して連結されている。このため、タイミングベルト658は、パルスモータ660により駆動する。なお、説明の便宜上、図中矢印fの回転方向を、パルスモータ660の正転方向とする。
【0062】上記した二つの基板離脱ユニット651,652は、このタイミングベルト658に、連結金具661,662により連結固定されている。しかも、基板離脱ユニット651は、パルスモータ660が正転した場合のタイミングベルト658の往路側に、基板離脱ユニット652は、タイミングベルト658の復路側に、それぞれ連結固定されている。
【0063】従って、パルスモータ660を図中矢印fの回転方向に正転させると、基板離脱ユニット651および基板離脱ユニット652は、ガイドシャフト654に沿って、即ちY軸に沿って枠体653の中央側にそれぞれ前進する。一方、パルスモータ660を逆転させると、基板離脱ユニット651および基板離脱ユニット652は、互いに離間するよう、Y軸に沿って枠体653側に後退する。
【0064】そして、枠体653には、基板離脱ユニット651,652がそれぞれ原点位置(枠体653側の所定位置)にあることを検出するための原点センサ663,664と、基板離脱ユニット652が前進端位置(枠体653の中央側の所定位置)にあることを検出するための前進端センサ665が、設けられている。これら各センサは、各基板離脱ユニットが原点位置或いは前進端位置にある時にオフとなる透過型の光センサであり、各基板離脱ユニット651,652の原点復帰やオーバーラン確認等に用いられる。なお、各基板離脱ユニット651,652の前進端位置は、各基板離脱ユニット651,652がこれ以上接近すると基板離脱ユニット同志が衝突してしまう位置を規定するものである。そして、各基板離脱ユニットのストロークエンドは、該当するパルスモータに与えられるパルス数で定まり、この前進端位置の手前に設定されている。更に、この前進端位置は、露光装置100にて処理可能な最小基板サイズ等によっても制約され、一方の基板離脱ユニット652のみにより両ユニットが共に前進端位置まで前進したことが検出される。
【0065】基板離脱ユニット651,652は、次のようにして構成される。なお、両基板離脱ユニットは、その構成が同一であるので、基板離脱ユニット651についてのみ説明する。この基板離脱ユニット651は、その中心をガイドシャフト654に交差する平面で切断した図14に示すように、ガイドシャフト654が嵌合するガイドブシュ655をその上面に固定した支持プレート670と、その下方に位置する中間支持プレート671と、更にその下方に位置する中空の基板吸着中空体672とを有する。
【0066】この中間支持プレート671は、支持プレート670の上面に固定されたシリンダ673のロッドとダブルナットで固定されており、このシリンダ673を介して支持プレート670の下方位置に保持されている。また、中間支持プレート671の上面には、支持プレート670の上面に固定されたガイドブシュ674を貫通する薄肉鋼管のエアー吸引管675が嵌合される吸引管案内ブシュ676が固定されている。この吸引管案内ブシュ676は、エアー吸引管675が支障なく上下に摺動できるよう形成されており、シリンダ673のロッド上下動におけるガイドの役割を吸引管案内ブシュ676と協同して果たしている。なお、このエアー吸引管675は、枠体653に固定された管継手675aを経て、図示しない吸引ブロアとフレキシブルエアーホース(図示省略)により接続されている。
【0067】基板吸着中空体672の上面板には、中間支持プレート671の両端に配置された支持シャフト677が気密に立設・固定されている。また、中間支持プレート671と基板吸着中空体672との間には、支持シャフト677を取り囲むようスプリング678が圧縮して組み込まれている。よって、基板吸着中空体672は、スプリング678により下方に常時付勢された状態で、2本の支持シャフト677により中間支持プレート671の下方に釣り下げ支持されている。なお、このスプリング678は、一方の支持シャフト677にのみ設けてもよい。更に、基板吸着中空体672の上面板には、エアー吸引管675の下端とフレキシブルエアーホース679を介して接続される口金680が気密に固定されている。
【0068】支持シャフト677の上端には、その組み付け箇所周辺の拡大図である図15に示すように、鍔681が形成されており、この鍔681とシャフト部との間には、テーパ部682が形成されている。そして、この支持シャフト677は、中間支持プレート671の両端に固定された中空のシャフト受け具683に挿入され、鍔681でこのシャフト受け具683に支持されている。このため、支持シャフト677は、このシャフト受け具683から離れて上下動できるとともに、シャフト受け具683の上面で鍔681がいずれかの箇所で受けられた状態で、前後・左右いずれの方向にも傾くことができる。
【0069】上記した支持シャフト677により中間支持プレート671の下方に釣り下げ支持されている基板吸着中空体672の底面板684には、吸着孔685がその全面に亘り多数穿孔されている。よって、エアー吸引管675,口金680を介して基板吸着中空体672の内部の空気が吸引されると、基板吸着中空体672の底面板684に密着している吸着対称物(基板K)は、多数の吸着孔685により基板吸着中空体672の底面板684に吸着・保持されることになる。
【0070】なお、図15に示すように、基板離脱ユニット651のガイドブシュ655には、枠体653に設けられた原点センサ663をオン・オフするための光遮蔽板690が固定されている。基板離脱ユニット652についても同様である。
【0071】従って、基板排出部600は、パルスモータ660を正逆回転して基板離脱ユニット651,基板離脱ユニット652をY軸に沿って移動させる。また、基板排出部600は、シリンダ673を駆動して各基板離脱ユニットにおける基板吸着中空体672を上下動させる。
【0072】H:基板供給搬送部の構成基板供給搬送部700は、図1および図7に示すように、基板供給部200と基板露光部300との間に亘って移動できるよう構成されている。そして、この基板供給搬送部700は、基板供給部200にてプリアライメントした基板Kを基板露光部300における真空枠ベース458上のパレット318の上面に搬送すべく、次のような構成を備える。基板供給搬送部700は、その概略斜視図である図16に示すように、基板供給部200の各ローラ列202,204,206の上方に位置し基板Kを吸着するための基板吸着ボード702と、この基板吸着ボード702を上下動可能にその基部703の両端で保持する一対のベース部704とを有する。
【0073】ベース部704の上面には、基板吸着ボード702の基部703にロッドの先端が係合されたシリンダ706がそれぞれ設置されている。また、この基部703とベース部704との間には、基板吸着ボード702が上下動する際の案内となるガイドシャフト707と図示しないブシュがシリンダ706の両側に配設されている。一方、ベース部704の下面には、装置フレーム102の左右の段部にX軸と平行に施設されたリニアガイドレール110に係合するリニアガイド708が固定されている。よって、基板吸着ボード702は、基板供給部200の各ローラ列202,204,206と基板露光部300におけるパレット318との間に亘り、リニアガイドレール110(X軸)に沿って移動自在である。更に、この基板吸着ボード702は、ガイドシャフト707とブシュに案内されて、ベース部704上面のシリンダ706により上下動する。
【0074】また、装置フレーム102の内側左右側面には、基板供給部200と基板露光部300との間に亘り、タイミングベルト710(一方のみ図示)が掛け渡されている。そして、ベース部704のおのおのは、タイミングベルト710駆動用のサーボモータ712(図2121参照)の回転により同方向に移動するよう、このタイミングベルト710と連結固定されている。例えば、各ベース部704は、掛け渡されたタイミングベルト710のループの上側に当たるベルトに連結固定されている。
【0075】従って、サーボモータ712が正逆回転すると、基板吸着ボード702は、基板供給部200と基板露光部300におけるパレット318との間に亘って、X軸に沿って往復動する。また、この基板吸着ボード702は、その停止位置において、ベース部704上面のシリンダ706により上下動する。なお、装置フレーム102の端部には、基板吸着ボード702のX軸に沿った移動を規制するストッパ112が固定されている。
【0076】このように移動する基板吸着ボード702の位置を検出するために、装置フレーム102には、次のセンサが設けられている。つまり、図16に示すように、基板吸着ボード702が基板供給部200の中央部の真上、即ちプリアライメントされた基板Kの真上にあることを検出するためのX軸原点センサ714(図22参照)と、図中一点鎖線で示すように基板吸着ボード702が基板吸着機構450におけるパレット318の中央部の真上を所定距離だけ越えたオーバーラン位置にあることを検出するためのX軸前進端センサ715(図22R>2参照)が、設けられている。そして、この基板吸着ボード702のストロークエンドは、該当するサーボモータ712に与えられる制御信号で定まり、パレット318の中央部の真上である。つまり、基板吸着ボード702は、基板露光時にあってはX軸原点とパレット318の中央部の真上との間を往復動することになる。
【0077】また、基板吸着ボード702の基部703の一端には、シリンダ706のストロークで規定される基板吸着ボード702の位置、即ち基板吸着ボード702が基板供給部200上の基板Kから離間した最上点位置にあることを検出するための上下動原点センサ716(図22参照)と、基板吸着ボード702が基板供給部200上の基板Kに密着した最下点位置にあることを検出するための上下動下端位置センサ717(図22参照)が、設けられている。これら各センサは、基板吸着ボード702が上記したそれぞれの位置にある時にオンとなるリミットスイッチであり、基板吸着ボード702の原点復帰やオーバーラン確認等に用いられる。
【0078】基板吸着ボード702は、中空の箱体であり、その下面には、この基板吸着ボード702が基板供給部200上の基板Kに密着した時に基板供給部200におけるX軸ガイドピン212ないし218との干渉を避けるためのX軸ガイドピン埋没溝720,722がX軸に沿って形成されている。また、基板吸着ボード702の下面には、Y軸ガイドピン220ないし226との干渉を避けるためのY軸ガイドピン埋没溝724,726がY軸に沿って形成されている。
【0079】そして、基板供給搬送部700は、この基板吸着ボード702内の空気を吸引することにより、基板供給部200にてプリアライメントされた基板Kを基板吸着ボード702底面に吸着・保持する。なお、基板吸着ボード702は、基部703に内蔵された図示しない吸引切換バルブ体のロータリーバルブにより、基板のサイズに応じて基板Kの有効吸着面積が変わるよう構成されている。
【0080】J:基板排出搬送部の構成基板排出搬送部800は、図1および図7に示すように、基板露光部300と基板排出部600との間に亘って移動するよう構成されている。そして、この基板排出搬送部800は、露光済み基板Kの基板排出部600への搬入と、露光済み基板Kが取り去られたパレット318のみの基板露光部300への返送とを行なうべく、次のような構成を備える。
【0081】基板排出搬送部800は、図1およびその概略斜視図である図17に示すように、向かい合う一対の基板搬送ユニット802を有する。そして、各基板搬送ユニット802には、パレット318を吸着・保持するためのパレット吸着搬送アーム810がそれぞれ2個ずつ設けられている。各基板搬送ユニット802はベース部804に載置・固定されており、ベース部804下面には、リニアガイドレール110に係合するリニアガイド806が固定されている。よって、各基板搬送ユニット802は、基板露光部300と基板排出部600の基板搬出ローラ列630との間に亘り、リニアガイドレール110(X軸)に沿って移動自在である。
【0082】なお、このリニアガイドレール110は、基板供給搬送部700の基板吸着ボード702と基板排出搬送部800の基板搬送ユニット802とに共通に使用される。しかし、図1に示すように、両基板搬送ユニット802間に基板吸着ボード702が入り込めることから、この両者が基板露光部300に侵入しても干渉することはない。また、基板吸着ボード702,基板搬送ユニット802のX軸前進端は、基板搬送ユニット802に基板吸着ボード702の基部703が衝突しないようセンサにて規制されている。
【0083】また、装置フレーム102の内側左右側面には、基板露光部300と基板排出部600との間に亘り、タイミングベルト808(一方のみ図示)が掛け渡されている。そして、ベース部804のおのおのは、タイミングベルト808駆動用のサーボモータ809(図2121参照)の回転により同方向に移動するよう、このタイミングベルト808と連結固定されている。例えば、各基板搬送ユニット802のベース部804は、掛け渡されたタイミングベルト808のループの上側に当たるベルトに連結固定されている。しかも、連結に当たっては、各基板搬送ユニット802が対向するようその位置が調整されている。なお、タイミングベルト808は、基板吸着ボード702を移動させるためのタイミングベルト710と干渉することなく掛け渡されている。
【0084】従って、サーボモータ809が正逆回転すると、各基板搬送ユニット802は、基板露光部300の下部露光枠体308に吸着・保持されているパレット318と基板排出部600における基板搬出ローラ列630との間に亘って、X軸に沿って対向したまま往復動する。
【0085】このように移動する基板搬送ユニット802の位置を検出するために、装置フレーム102の内側両側面には、次のセンサが設けられている。つまり、図1717に示すように、各基板搬送ユニット802が基板搬出ローラ列630の中央部にあることを検出するためのX軸原点センサ812(図22参照)と、図中一点鎖で示すように各基板搬送ユニット802が下部露光枠体308に吸着・保持されているパレット318の中央部の真下を所定距離だけ越えたオーバーラン位置にあることを検出するためのX軸前進端センサ814(図22参照)が、それぞれ設けられている。そして、この各基板搬送ユニット802のストロークエンドは、該当するサーボモータ809に与えられる制御信号で定まり、パレット318の中央部の真下である。つまり、各基板搬送ユニット802は、基板露光時にあってはX軸原点とパレット318の中央部の真下との間を往復動することになる。これら各センサは、各基板搬送ユニット802が上記したそれぞれの位置にある時にオンとなるリミットスイッチであり、基板搬送ユニット802の原点復帰やオーバーラン確認等に用いられる。
【0086】各パレット吸着搬送アーム810は、その間隔がパレット318における吸着プレート436,437の取付ピッチ(図9参照)に適合するよう、それぞれの基板搬送ユニット802に設けられている。そして、各パレット吸着搬送アーム810は、図17中に矢印で示すように、ガイドシャフト816に沿って上下動自在であるとともに、ガイドシャフト816を中心に旋回自在であり、次のようにして構成されている。
【0087】ガイドシャフト816に沿ったパレット吸着搬送アーム810の断面図である図18に示すように、ガイドシャフト816には、当該シャフト沿って上下に摺動するスライドブシュ818が組み込まれている。また、このスライドブシュ818にはベアリング820,822がその内輪を嵌合固定して組み込まれている。そして、パレット吸着搬送アーム810には、このベアリング820がその外輪を嵌合固定して、パレット吸着搬送アーム810のサポート824には、ベアリング822がその外輪を嵌合固定して、それぞれ組み込まれている。更に、このサポート824の上面には、タイミングプーリ826が固定されている。
【0088】よって、パレット吸着搬送アーム810は、両ベアリングを介してスライドブシュ818と一体とされており、ガイドシャフト816に沿って上下動可能である。しかも、ガイドシャフト816,スライドブシュ818との間にはベアリング820,822が介在するので、パレット吸着搬送アーム810は、ガイドシャフト816を中心に旋回可能である。
【0089】また、スライドブシュ818には連結プレート828が固定されており、この連結プレート828は、同一の基板搬送ユニット802における両パレット吸着搬送アーム810のスライドブシュ818に亘って設けられている。そして、この連結プレート828は、図示するように上下のタイミングプーリ830,832の間に掛け渡されたタイミングベルト834に、連結金具836を介して連結固定されている。よって、パルスモータ838の回転がタイミングベルト840を介してタイミングプーリ830に伝達され当該プーリが図中矢印g方向に回転すると、連結プレート828は上昇する。この連結プレート828は両パレット吸着搬送アーム810のスライドブシュ818に固定されているので、同一の基板搬送ユニット802における両パレット吸着搬送アーム810は、同時に上昇することになる。一方、パルスモータ838が逆転すれば、両パレット吸着搬送アーム810は降下する。なお、このパレット吸着搬送アーム810と一緒にタイミングプーリ826も上下動する。
【0090】また、パレット吸着搬送アーム810先端に穿孔された吸引孔811には、図示しない吸引ブロアと接続された吸引用のエアーホース846が配管されている。よって、このエアーホース846,吸引孔811を介して吸引されると、パレット318は、向かい合う一対の基板搬送ユニット802における各パレット吸着搬送アーム810の先端部上面に吸着・保持されることになる。
【0091】このように上下動するパレット吸着搬送アーム810の位置を検出するために、各基板搬送ユニット802には、次のセンサが設けられている。つまり、図示するようにパレット吸着搬送アーム810が最下端位置にあることを検出するための上下動原点センサ842(図22参照)と、パレット吸着搬送アーム810が図中一点鎖線で示す最上端位置にあることを検出するための上下動上端位置センサ844(図22参照)が、設けられている。これら各センサは、パレット吸着搬送アーム810が上記したそれぞれの位置にある時にオンとなるリミットスイッチであり、パレット吸着搬送アーム810の原点復帰やオーバーラン確認等に用いられる。
【0092】このパレット吸着搬送アーム810の最上端位置は、次のように規定されている。つまり、パレット吸着搬送アーム810が基板露光部300内において最上端位置まで上昇したときには、パレット吸着搬送アーム810は、基板露光部300におけるマスクプレート310の下面に吸着・保持されたパレット318の吸着プレート436,吸着プレート437に、吸着座リング438を介在させて密着する(図11,図12参照)。一方、パレット吸着搬送アーム810が基板排出部600において最上端位置まで上昇したときには、パレット吸着搬送アーム810に吸着・保持したパレット318上の基板Kが、基板排出部600の基板離脱ユニット651における基板吸着中空体672の底面板684下面に密着する(図14,図20参照)。
【0093】同一の基板搬送ユニット802における両パレット吸着搬送アーム810の各タイミングプーリ826には、図19の概略斜視図に示すように、表裏面に亘って歯付の有端のタイミングベルト848がいわゆる8の字状に掛けられており、このタイミングベルト848の両端は、コの字状の連結金具850で連結されている。従って、この連結金具850にロッド先端が固定されたシリンダ851(図23参照)を駆動して、図中矢印hに示す方向にタイミングベルト848を駆動すると、各パレット吸着搬送アーム810は、図中矢印iに示す方向にガイドシャフト816を中心に約90度だけ同時に旋回することになる。一方、矢印hと反対方向にタイミングベルト848を駆動すれば、各パレット吸着搬送アーム810は矢印iと反対方向に同時に旋回し図示する旋回原点位置に復帰することになる。
【0094】このように旋回するパレット吸着搬送アーム810の位置を検出するために、各基板搬送ユニット802には、次のセンサが設けられている。つまり、各パレット吸着搬送アーム810が図17,図18,図19R>9に示す旋回原点位置にあることを検出するための旋回原点センサ852(図22参照)と、パレット吸着搬送アーム810が約90度だけ旋回した旋回完了位置にあることを検出するための旋回完了位置センサ854(図2222参照)が、設けられている。これら各センサは、パレット吸着搬送アーム810が上記したそれぞれの位置にある時にオンとなるリミットスイッチであり、パレット吸着搬送アーム810の原点復帰や位置確認等に用いられる。
【0095】なお、パレット吸着搬送アーム810が旋回完了位置に旋回したときには、パレット吸着搬送アーム810は、図17中に二点鎖線で示すように、装置フレーム102の段部まで退避する。
【0096】L:露光装置の電気的構成次に、上記した露光装置100の電気的な構成について、図21に示すブロック図を用いて説明する。図21に示すように、露光装置100の制御装置900は、予め書き込まれたプログラムに基づき各種の制御対象機器をシーケンス制御するプログラマブルコントローラ(以下、PCという)910を中心に構成されている。そして、制御装置900は、PC910と相互にデータの授受を行なう画像処理装置912およびパネルコントローラ914と、上記した各パルスモータを駆動するためのモータドライバ群916と、各サーボモータを駆動するためのサーボドライバ群918と、基板供給部200,基板露光部300等の構成部ごとのI/OポートからなるI/Oポート920とを有する。
【0097】画像処理装置912は、PC910からの制御信号に応じてCCDカメラ312,CCDカメラ314から画像情報を入力する。そして、この画像処理装置912は、入力した画像情報に基づいて、基板Kおよびパターンフィルムのアライメントマークのズレ量を画像処理して求め、その結果をPC910に出力する。この場合、両アライメントマークのズレ量の許容範囲、即ち基板Kとパターンフィルムとの位置ズレの許容範囲は画像処理装置912の記憶素子に予め記憶されているので、画像処理装置912では上記ズレ量の算出とともに、その適否が判定される。そして、この画像処理装置912からは、次のような制御信号が出力される。まず、両アライメントマークのズレ量が許容範囲である場合には、画像処理装置912からは、両アライメントマークのズレ量の良否判定の結果(OK信号)のみが出力される。一方、両アライメントマークのズレ量が許容範囲外である場合には、画像処理装置912からは、両アライメントマークのズレ量の算出値と良否判定の結果(NG信号)が出力される。この信号を受けるPC910は、上記ズレ量が許容範囲内となるよう、XYθテーブル410をその各軸について駆動制御する。
【0098】パネルコントローラ914は、PC910の記憶したプログラムや露光装置100の駆動の状態、例えば各構成部における基板Kの搬送或いは露光の状態等を、ディスプレイ922に表示するものである。なお、このディスプレイ922における表示は、パネルコントローラ914に接続されたキーボード924の所定キーの操作やPC910からの制御信号に基づき適宜実行される。また、このキーボード924からは、処理する基板のロットにおけるロット枚数や使用するマスクプレート310の指示等のデータが入力され、これら入力データがパネルコントローラ914を経てPC910に出力される。
【0099】モータドライバ群916を構成する各モータドライバには、XYθテーブル410をXYθの各軸ごとに駆動するパルスモータ416,417,418と、CCDカメラ312,314をX軸に沿って移動するためのパルスモータ338と、CCDカメラ312,314をY軸に沿って移動するためのパルスモータ344,346と、X軸ガイドピン212ないし218をX軸に沿って移動するためのパルスモータ253と、Y軸ガイドピン220ないし226をY軸に沿って移動するためのパルスモータ277と、パレット吸着搬送アーム810を上下動するための各基板搬送ユニット802ごとのパルスモータ838と、基板離脱ユニット651,652をY軸に沿って移動するためのパルスモータ660とが、それぞれ接続されている。
【0100】サーボドライバ群918を構成する各サーボドライバには、基板供給搬送部700の基板吸着ボード702をX軸に沿って移動するためのサーボモータ712と、基板排出搬送部800の各基板搬送ユニット802をX軸に沿って移動するためのサーボモータ809とが、それぞれ接続されている。
【0101】I/Oポート920には、基板検出センサ242等のセンサ群926と、駆動対象となるモータ211等の種々のモータやパレット受けシリンダ464等の種々のシリンダからなる駆動機器群928とが接続されている。このセンサ群926には、図22に示すように、基板供給部200,基板露光部300等の各構成部ごとの種々のセンサのほか、空気圧回路における種々の空気圧測定機器群930、例えばプレッシャーゲージ等が含まれる。一方、駆動機器群928には、図23に示すように、種々のモータ,シリンダのほか、光源302や空気圧回路における電磁弁等の種々の空気圧駆動機器群932と、基板供給部200,基板露光部300等の各構成部ごとの複数の吸引ブロア934と、パレット318や基板Kの吸着用の真空ポンプ935とが含まれる。そして、これらセンサの出力がI/Oポート920を介してPC910に出力され、PC910からの制御信号に基づきモータ211,パレット受けシリンダ464等のモータやシリンダが駆動される。なお、各シリンダには、油圧或いは空圧の電磁弁を介して接続されている。また、各モータには、それぞれのドライバを介して接続されている。また、真空ポンプ935からは、基板露光部300における基板吸引機構391の吸引ブロック396や真空枠ベース458の吸着ソケット467等に到るまでエアー配管されており、当該配管途中に電磁弁が組み込まれている。
【0102】M:露光装置における制御次に、上記した構成を備える本実施例の露光装置100が行う制御について、図24以降のフローチャートに基づき説明する。
【0103】図24は、露光装置100が行なう制御のうち、基板供給部200における基板供給準備ルーチンのフローチャートである。このルーチンでは、まず、各軸のパルスモータ253,パルスモータ277を駆動して、X軸センタリングユニット230,254およびY軸センタリングユニット260,280を図5に示す原点位置に復帰する(ステップS1000)。次いで、基板露光部300の真空枠ベース458への一連のプリアライメント処理を行ない(ステップS1002)、このプリアライメントを指示された所定枚数だけ行なったか否かを判断する(ステップS1004)。そして、所定枚数の処理が完了すれば本ルーチンを一旦終了し、上記したステップS1000からの処理を繰り返す。
【0104】なお、ステップS1000における各軸のセンタリングユニットの原点位置復帰は、電源投入時等にも実行される。また、ステップS1004における所定枚数は、キーボード924から指示されるものであり、基板Kのロット数等である。
【0105】このプリアライメント処理では、図25のフローチャートに示すように、まず、各X軸センタリングユニットにおけるシリンダ246を駆動して、X軸センタリングユニット230,254の各X軸ガイドピン212,214,216,218をその下端に降下させる(ステップS1006)。このようにX軸ガイドピン212,214,216,218が降下することにより、その先端の基板当たりローラ228は各ローラ列202,204,206における基板Kの搬送面から下方に退避し、外部から基板Kを搬入することができるようになる。
【0106】次いで、外部の基板搬入機器に基板搬入指令を出して基板Kを基板供給部200に搬入させるとともに、基板供給部200のモータ211を駆動して各ローラ列202,204,206を回転させ、この基板Kを基板露光部300側にX軸に沿って搬送する(ステップS1008)。その後、基板Kの搬送が完了したか否かを基板露光部300側のX軸センタリングユニット254の基板検出センサ258の出力により判断し(ステップS1010)、搬送が完了するまで待機する。
【0107】基板検出センサ258により基板Kの搬送が検出されると、基板供給部200に搬入された基板Kは基板露光部300側の基板供給部200の端部まで搬送されることになる。よって、ステップS1010で肯定判断した時点でモータ211の駆動を停止し、基板Kの搬送を停止する(ステップS1012)。次いで、X軸センタリングユニット230,254におけるそれぞれのシリンダ246を駆動してそのロッドを伸長させ、各X軸ガイドピン212,214,216,218先端の基板当たりローラ228を基板Kの搬送面から突出させる(ステップS1014)。
【0108】その後、パルスモータ253を駆動してX軸センタリングユニット230,254をそれぞれ基板供給部200の中央に前進移動する(ステップS1016)。これにより、基板Kは、各X軸ガイドピン212等の基板当たりローラ228に押されて、X軸において基板供給部200の基板露光部300側からその中央に移動される。そして、外部からの基板搬入側のX軸センタリングユニット230における基板検出センサ242が基板Kを検出するまで待機する(ステップS1018)。この場合、X軸センタリングユニット230,254の移動は、基板検出センサ242が基板Kを検出し、パルスモータ253のモータ軸に設けられたトルクリミッタが作動するまで継続される。つまり、X軸センタリングユニット230,254は、基板検出センサ242が基板Kを検出した後も所定時間だけ継続して移動し、基板Kをその両側から各X軸ガイドピン先端の基板当たりローラ228により確実に押し付ける。ここで、基板Kを検出し、上記トルクリミッタにより基板当たりローラ228が確実に基板Kを押し付けたことを確認して、パルスモータ253の駆動を停止し各X軸ガイドピン212等の前進を停止する(ステップS1020)。このステップS1016〜1020までの処理により、基板Kは、X軸において基板供給部200の中央に移動され、X軸におけるセンタに停止する。
【0109】そして、Y軸の各Y軸センタリングユニット260,280についても、X軸のX軸センタリングユニット230等と同様に、前進移動(ステップS1022),基板検出センサ284による基板検出(ステップS1024),前進停止(ステップS1026)を行なう。これにより、基板Kは、Y軸において基板供給部200の中央に移動され、Y軸のセンタに停止する。よって、各軸についての各センタリングユニットにより、基板Kは基板供給部200の中央部に位置決めされ、基板Kのプリアライメントが完了する。
【0110】その後、基板供給搬送部700の基板吸着ボード702にプリアライメント済みの基板Kを吸着する(ステップS1030)。このステップS1030にあっては、次のような動作が基板供給搬送部700で行なわれる。
【0111】基板供給搬送部700は、基板Kが基板供給部200の中央部にプリアライメントされると、この基板Kから離間した最上点位置にある基板吸着ボード702を、シリンダ706をロッドの引き込み側に駆動して最下点位置まで降下させる。こうして、基板供給搬送部700は、基板吸着ボード702を基板供給部200の中央部にプリアライメントされた基板Kに密着させる。
【0112】次に、基板供給搬送部700は、基板Kが基板吸着ボード702の底面板に密着すると、吸引ブロアを駆動して基板吸着ボード702の内部を吸引する。そして、基板供給搬送部700は、基板供給部200中央部の基板Kを基板吸着ボード702の底面板に吸着・保持する。
【0113】この基板Kの吸着・保持が完了すると、パルスモータ253,パルスモータ277を数パルス分(各ガイドピンの基板当たりローラ228が基板Kから僅かに離間し基板Kの上昇を阻害しないよう退避する分)逆転駆動して、X軸センタリングユニット230,254およびY軸センタリングユニット260,280の各ガイドピンを、移動(退避)させる(ステップS1040)。この各ガイドピンの退避により、基板Kは、各軸のセンタリングユニットのX軸ガイドピン212ないし218およびY軸ガイドピン220ないし226の先端の基板当たりローラ228のテーパ面と干渉しなくなる(図3参照)。よって、基板Kの持ち上げが可能となる。
【0114】次に、基板供給搬送部700におけるシリンダ706をロッドの伸長側に駆動し、基板吸着ボード702を最上点位置まで上昇させ、基板Kを、基板吸着ボード702の底面板に吸着・保持したまま基板供給部200の中央部の上方へ持ち上げる(ステップS1042)。その後、X軸センタリングユニット230,254のそれぞれのシリンダ246を復帰駆動して、各X軸ガイドピン212,214,216,218先端の基板当たりローラ228を基板Kの搬送面から下方に引き込む(ステップS1044)。なお、本実施例においては、基板露光部300側のX軸センタリングユニット254のX軸ガイドピン216,218も上下動するよう構成したが、これは基板Kとの隙間を設けるためであり、X軸センタリングユニット254にあってはX軸ガイドピン216,218が上下動しないよう構成することもできる。
【0115】このようにセンタリングユニットが退避しX軸ガイドピン212,214,216,218が降下すれば、ステップS1042にて基板Kが持ち上げられ各ローラ列202,204,206上には既に基板Kがないことと相俟って、次の基板Kを基板供給部200に搬入できることになる。
【0116】ステップS1044までの処理が終了すれば、基板供給部200に関する基板の露光開始条件も成立するので、露光開始条件をオンとして(ステップS1060)、既述したステップS1004に移行する。そして、このステップS1004で所定枚数の上記処理を実施したと判断されるまで、ステップS1002からの上記処理が繰り返される。
【0117】よって、基板供給部200では、基板供給の準備に関する上記した処理(基板Kの搬入,プリアライメント,吸着・持ち上げ等)が一旦完了すれば、次の基板Kが搬入できるとして、ステップS1000からの処理が後述する露光準備処理,露光処理,基板排出処理,パレット循環処理等と関係なく繰り返される。換言すれば、基板露光部300において基板Kが露光されている間にも、次の基板Kについて基板供給準備が行なわれる。しかも、基板Kの露光処理に要する時間は基板供給準備処理に要する時間より長いので、基板Kの露光処理の間に、次の基板Kについての基板供給準備は終了する。なお、ステップ1060においてオンされた露光開始条件は、所定のタイミング、例えば次の基板Kの基板供給部200への搬入が完了した時点でオフとされる。
【0118】この基板供給準備ルーチンに続く露光準備ルーチンでは、図26のフローチャートに示すように、まず、露光開始条件およびXYθテーブル条件が共に成立しているか否かを判断する(ステップS1100,1110)。この露光開始条件は、既述した基板供給準備ルーチンにてオンされるものである。一方、XYθテーブル条件が成立するには、基板露光部300におけるXYθテーブル410がマスクプレート310から離間した原点位置(下端位置)にあり、且つ、XYθテーブル410の真空枠ベース458にはパレット318(最初の当該ルーチンにおける処理にあっては第1のパレット318)のみが吸着されていることが少なくとも必要である。そして、このXYθテーブル条件は、後述する処理にて成立する。
【0119】ステップS1100,1110で共に肯定判断すると、基板供給搬送部700により、基板供給部200から基板露光部300の真空枠ベース458に基板Kを供給する(ステップS1120)。つまり、サーボモータ712を駆動して基板吸着ボード702を基板供給部200の中央部上方からX軸方向に沿ってその前進端まで移動させ、基板Kを基板露光部300におけるパレット318の中央部の真上まで搬送する。次いで、基板供給搬送部700のシリンダ706をロッドの引き込み側に駆動して基板吸着ボード702を最下点位置まで降下させる。こうして、基板供給搬送部700は、基板吸着ボード702に吸着・保持している基板Kを基板露光部300におけるパレット318の中央部に密着する。その後、吸引ブロアを停止して基板吸着ボード702による基板Kの吸着を解除し、基板Kを基板露光部300における第1のパレット318の中央部に載置して、基板Kを供給する。
【0120】次いで、吸着ソケット467からの吸引により基板Kを第1のパレット318とともに真空枠ベース458の上面に吸着・保持し(ステップS1130)、基板供給搬送部700の基板吸着ボード702を基板供給部200側の元の位置(原点位置)に復帰させる(ステップS1140)。この基板吸着ボード702の復帰は、シリンダ706の復帰駆動およびサーボモータ712を逆転駆動を順次行なうことで、基板吸着ボード702の最上点位置までの上昇および基板吸着ボード702のX軸に沿った搬送により完了する。このように基板吸着ボード702をX軸原点である基板供給部200中央部の真上までリターンすることで、次回の基板Kの吸着・搬送に備える。
【0121】その後、基板排出搬送部800の基板搬送ユニット802が基板排出部600側の原点位置にあるか否かの判断(ステップS1150)と、マスクプレート310下面には第1のパレット318および基板Kが存在しないか否かの判断(ステップS1155)とを、順次行なう。この後者の判断は、露光枠体304の図示しない基板吸引機構の駆動状況から下される。そして、基板搬送ユニット802が原点位置にあり、且つマスクプレート310下面に基板K等がなければ、XYθテーブル410を上昇させ基板Kとマスクプレート310下面のパターンフィルムとのアライメントを行なう(ステップS1160)。
【0122】つまり、まず、真空枠ベース458の上面に第1のパレット318とともに吸着・保持した基板Kを、基板吸着機構450のシリンダ424により上昇させ、露光枠体304のマスクプレート310下面のパターンフィルムに密着させる。次いで、露光枠体304のCCDカメラ312,314をX軸およびY軸に沿って所定のアライメント実行座標まで移動させる。そして、CCDカメラ312,314からの画像信号に基づき基板Kとパターンフィルムとのズレ量を求める。このズレ量は、基板Kおよびパターンフィルムに設けられたアライメントマークのズレから求められる。
【0123】次いで、マスクプレート310を単独で僅かに持ち上げて基板Kとマスクプレート310とを離間させる。そして、この間に、XYθテーブル410を上記ズレ量に基づいて3軸制御し、両アライメントマークが所定許容差内で一致するよう、基板Kとパターンフィルムとのアライメントを行なう。次いで、マスクプレート310を降下させ、基板Kとマスクプレート310とを再度密着させる。続いて、基板Kとパターンフィルムとのズレ量を再度求め、基板Kおよびパターンフィルムの両アライメントマークが所定許容差内で一致していれば、CCDカメラ312,314を各々原点復帰させて露光処理に備える。
【0124】上記したステップS1160に続いては、露光枠体304のマスクプレート310に基板Kを第1のパレット318とともに吸着する(ステップS1170)。つまり、真空枠456を、真空枠ベース458およびこの真空枠ベース458に吸着されている基板K,パレット318とともに上昇させ、真空枠456をもシール材462を介在させてマスクプレート310下面に密着させる。その後、下部露光枠体308の図示しない基板吸引機構を駆動して、マスクプレート310とパレット318との間の空気を吸引し、基板Kをパレット318とともにマスクプレート310下面に真空密着する。この吸引を所定時間継続した後には、基板K,第1のパレット318と真空枠ベース458との吸着を解き、真空枠ベース458をその原点位置(下端位置)まで降下させる。こうして、マスクプレート310に吸着された第1のパレット318と基板吸着機構450の真空枠ベース458との間に、第2のパレット318の搬入空間を形成する。
【0125】基板のアライメントを経てこのようにマスクプレート310に基板Kが吸着されれば、基板Kの露光を行なうことができる。また、マスクプレート310に基板Kが吸着され基板吸着機構450が降下すれば、基板吸着機構450とマスクプレート310との間には第2のパレット318の搬入空間が形成されるので、基板吸着機構450に第2のパレット318を搬入することができる。よって、露光条件をオン(ステップS1180)とするとともに、次のパレットの搬入条件をオンとする(ステップS1190)。そして、本ルーチンを一旦終了し、上記処理を繰り返す。
【0126】よって、基板露光部300では、基板露光の準備に関する上記した処理(基板Kの供給,アライメント等)が一旦完了すれば、次の基板Kについての露光準備を実行できるとして、ステップS1100からの処理が、上記した基板供給準備処理や後述する露光処理,基板排出処理,パレット循環処理等と関係なく繰り返される。換言すれば、基板Kが露光されている間にも、次の基板Kについて基板露光準備が行なわれる。しかも、基板Kの露光処理に要する時間は露光準備処理に要する時間より長いので、基板Kの露光処理の間に、次の基板Kについての露光準備は終了する。なお、ステップS1180,1190においてオンされた露光条件および次パレット搬入条件は、所定のタイミング、例えば次の基板Kの真空枠ベース458への供給が完了した時点でオフとされる。
【0127】この露光準備ルーチンに続く露光ルーチンでは、図27のフローチャートに示すように、まず、露光条件が成立しているか否かを判断し(ステップS1200)、当該条件が成立するまで待機する。そして、露光条件が成立すれば、基板露光部300では、光源302を点灯して基板Kの露光を開始する(ステップS1210)。つまり、光源302を点灯させ所定時間に亘って紫外領域の波長の光を照射し、マスクプレート310下面のパターンフィルムにおける配線パターンを基板Kに露光する。
【0128】その後、基板排出搬送部800の基板搬送ユニット802における各パレット吸着搬送アーム810が基板露光部300において最上端位置にあるか否かの判断(ステップS1220)と、基板Kの露光が完了したか否かの判断(ステップS1230)とを、順次実行する。このステップS1220,1230で共に肯定判断すれば、パレット吸着搬送アーム810はマスクプレート310下面の第1のパレット318に密着し、しかも露光が完了しているので、この第1のパレット318をその上面の露光済み基板Kとともにパレット吸着搬送アーム810に受け渡す(ステップS1240)。この露光済み基板Kの受け渡しは、次のようにして行なわれる。
【0129】まず、露光の間に継続されていたマスクプレート310下面へのパレット318(第1のパレット318)の吸着を解き、それまでマスクプレート310下面に吸着・保持されていた第1のパレット318を、その上面の露光済み基板Kとともに、吸着プレート436,吸着プレート437においてパレット吸着搬送アーム810に載置する。そして、基板排出搬送部800の吸引ブロアを駆動してエアーホース846,吸引孔811を介してこの第1のパレット318を吸引する。この場合には、総てのパレット吸着搬送アーム810において、この吸引が行なわれる。
【0130】よって、パレット318の吸着プレート436,吸着プレート437(図9,図11,図12参照)を介して、第1のパレット318は、基板露光部300内においてパレット吸着搬送アーム810に吸着・保持される。この際、第1のパレット318の上面に載置されている露光済み基板Kは、吸着プレート437からの真空吸引により、図12に示すように、エアーホース442,逆止弁440を経てこの第1のパレット318の上面に吸着・保持されることになる。このため、露光済み基板Kは、第1のパレット318とともに基板排出搬送部800のパレット吸着搬送アーム810に吸着・保持される。
【0131】次いで、この第1のパレット318および露光済み基板Kを、基板排出搬送部800により基板露光部300から基板排出部600へ搬出する(ステップS1250)。つまり、パルスモータ838を逆転駆動して、各パレット吸着搬送アーム810を最下端位置まで降下させ、パレット吸着搬送アーム810に露光済み基板Kとともに吸着・保持した第1のパレット318をマスクプレート310下面から降ろし、基板排出部600への排出に備える。その後、サーボモータ809を逆転駆動し、各基板搬送ユニット802を基板露光部300から基板排出部600側にX軸方向に沿ってその原点位置まで移動させる。そして、図14,図17,図20に示すように、第1のパレット318を、基板排出部600における基板搬出ローラ列630の上方で基板離脱ユニット651の下方に搬送する。
【0132】この露光済み基板Kの搬出に続いては、パレット吸着搬送アーム810の上昇を経て、第1のパレット318から露光済み基板Kを、次のようにして基板排出部600の基板離脱機構650に受け渡す(ステップS1260)。つまり、パルスモータ838を正転駆動して各パレット吸着搬送アーム810を最上端位置まで上昇させ、パレット吸着搬送アーム810に第1のパレット318とともに吸着・保持している露光済み基板Kを、基板離脱ユニット651における基板吸着中空体672の底面板684下面に密着させる(図14,図20R>0)。次いで、吸引ブロアを停止して第1のパレット318および露光済み基板Kの吸着を解き、露光済み基板Kを第1のパレット318から離脱するとともに、各基板離脱ユニット651,652の基板吸着中空体672の内部を吸引し、各基板吸着中空体672の底面板684に露光済み基板Kを吸着・保持する。このため、基板排出搬送部800のパレット吸着搬送アーム810には、第1のパレット318のみが保持されることになる。
【0133】こうして露光済み基板Kが受け渡されれば、パレット吸着搬送アーム810の第1のパレット318が基板排出部600から基板露光部300に搬出されることを条件に、露光済み基板Kを外部に排出できる。また、露光済み基板Kはこの第1のパレット318から分離されているので、この第1のパレット318を基板露光部300に搬入することが可能である。よって、露光済み基板排出条件をオン(ステップS1270)とするとともに、次のパレット(第1のパレット318)の搬入実行条件をオンとする(ステップS1280)。そして、本ルーチンを一旦終了し、上記処理を繰り返す。
【0134】よって、基板露光部300では、基板露光と露光済み基板の搬出に関する上記した処理(基板Kの露光,搬出,受け渡し等)が一旦完了すれば、次の基板Kについての露光処理を実行できるとして、ステップS1200からの処理が、上記した基板供給準備処理,露光準備処理や後述する基板排出処理,パレット循環処理等と関係なく繰り返される。なお、ステップS1270,1280においてオンされた露光済み基板排出条件および次パレット搬入実行条件は、所定のタイミング、例えば次の基板Kの露光が開始された時点でオフとされる。
【0135】この露光ルーチンに続く基板排出ルーチンでは、図28のフローチャートに示すように、まず、露光済み基板排出条件が成立しているか否かの判断(ステップS1300)と、基板排出搬送部800の基板搬送ユニット802が基板露光部300側の真空枠ベース458上方の前進位置にあるか否かの判断(ステップS1310)とを、順次実行する。そして、両ステップSで肯定判断すれば、露光済み基板排出の条件が成立し且つ基板離脱機構650の下方にはパレット318が存在しないので、基板離脱機構650により、次のようにして、露光済み基板Kを基板搬出ローラ列630に載置する(ステップS1320)。
【0136】つまり、後述のパレット循環ルーチンにより基板離脱ユニット651,652の下方からこの第1のパレット318が基板露光部300に返送されると、各基板離脱ユニット651,652におけるシリンダ673を駆動して、露光済み基板Kを基板搬出ローラ列630の各ローラ上面に密着させる。次いで、吸引ブロアによる吸引を停止して露光済み基板Kを各基板吸着中空体672の底面板684から開放し、露光済み基板Kを基板搬出ローラ列630の各ローラ上面に載置する。
【0137】その後、基板離脱機構650の基板離脱ユニット651,652を元の位置まで復帰させるとともに、基板搬出ローラ列630により露光済み基板Kを外部に排出する(ステップS1330)。そして、本ルーチンを一旦終了し、上記処理を繰り返す。この基板離脱ユニット651,652の復帰は、各基板離脱ユニットにおけるシリンダ673を復帰駆動して基板吸着中空体672を元の位置まで上昇させることにより行なわれ、露光済み基板Kの排出は、モータ618を所定量駆動して基板搬出ローラ列630を基板排出側に回転させることにより行なわれる。
【0138】よって、基板排出部600では、露光済み基板の排出に関する上記した処理(基板Kの載置,排出等)が一旦完了すれば、次の基板Kについての露光処理を実行できるとして、ステップS1300からの処理が、上記した基板供給準備処理,露光準備処理,露光処理やパレット循環処理等と関係なく繰り返される。換言すれば、基板露光部300において次の基板Kが露光されている間にも、露光済み基板Kについて基板排出が行なわれる。しかも、基板Kの露光処理に要する時間は基板排出処理に要する時間より長いので、次の基板Kの露光処理の間に、前の基板Kについての基板排出は終了する。
【0139】第1のパレット318および第2のパレット318を基板露光部300と基板排出部600との間で循環させるパレット循環ルーチンは、上記した基板供給準備処理,露光準備処理,基板排出処理と同様、基板露光部300において基板Kが露光されている間に実行される。このパレット循環ルーチンでは、図29のフローチャートに示すように、まず、露光準備ルーチンにてオンされる次パレット搬入条件および露光ルーチンにてオンされる次パレット搬入実行条件が共に成立しているか否かを判断する(ステップS1400,1410)。
【0140】次パレット搬入条件が成立していれば、露光準備ルーチンのステップS1170を経ていることから、基板吸着機構450の真空枠ベース458に保持されていた基板Kおよびパレット318はマスクプレート310に吸着され、且つ、この基板吸着機構450のXYθテーブル410はその原点位置(下端位置)にあることになる。つまり、原点位置にあるXYθテーブル410の真空枠ベース458にはパレット318が存在しないことになる。一方、次パレット搬入実行条件が成立していれば、露光ルーチンのステップS1260を経ていることから、基板排出部600においては基板排出搬送部800のパレット吸着搬送アーム810にパレット318のみが保持されていることになる。このため、両条件が成立すれば、新たなパレット318(最初の当該ルーチンにおける処理にあっては第2のパレット318)を、基板排出部600から基板露光部300の基板吸着機構450に搬入できることになる。
【0141】よって、ステップS1400,1410で共に肯定判断すれば、基板排出搬送部800により、次のようにして新たなパレット318(第2のパレット318)を基板吸着機構450に搬入する(ステップS1420)。つまり、サーボモータ809を駆動(正転駆動)し、各基板搬送ユニット802を、図17中に一点鎖線で示すように、基板排出部600における基板搬出ローラ列630の上方からX軸方向に沿って基板露光部300側に移動させる。このように基板排出搬送部800を移動させ、第2のパレット318を基板露光部300における基板吸着機構450の真空枠ベース458の中央部の真上まで搬入する。
【0142】次いで、基板排出搬送部800,基板吸着機構450により、次のようにして、この第2のパレット318を真空枠ベース458に受け渡す(ステップS1430)。まず、このように第2のパレット318を搬送した後には、基板排出搬送部800における吸引ブロアによる吸引を停止して第2のパレット318の吸着を解くとともに、基板吸着機構450におけるパレット受けシリンダ464を伸長駆動する。そして、第2のパレット318をパレット吸着搬送アーム810からこのパレット受けシリンダ464により持ち上げ、シリンダのロッド先端に第2のパレット318を保持する。
【0143】その後、基板排出搬送部800の各基板搬送ユニット802におけるシリンダ851を駆動し、図1919に示すようにタイミングプーリ826,タイミングベルト848を介して各パレット吸着搬送アーム810を旋回させる。こうして、パレット吸着搬送アーム810は、旋回して退避することになり、各パレット吸着搬送アーム810は降下する第2のパレット318と干渉しない。
【0144】こうして各パレット吸着搬送アーム810が退避すると、各パレット受けシリンダ464を復帰駆動してロッドを引き込み、第2のパレット318を真空枠ベース458に対してその中央に位置決めして載置する。続いて、真空枠ベース458の中央の吸着ソケット467を第2のパレット318中央の吸着ポート446に装着させる。真空枠ベース458上面にはパレット318吸引用の溝(図示省略)が設けられており、この溝を介して吸引を行なうことによってパレット318(この場合は第2のパレット318)は真空枠ベース458に吸引保持される。その後、シリンダ851を復帰駆動し、各パレット吸着搬送アーム810を反対に旋回し旋回原点位置に復帰させる。
【0145】次いで、パルスモータ838を駆動(正転駆動)して、各パレット吸着搬送アーム810を最上端位置まで上昇させる(ステップS1440)。つまり、基板排出搬送部800は、基板露光部300におけるマスクプレート310の下面に吸着・保持されているパレット318(第1のパレット318)の吸着プレート436,吸着プレート437に、パレット吸着搬送アーム810を密着させる。こうして、露光済み基板Kの搬出準備が完了する。
【0146】このようにステップS1440までの処理を経ると、XYθテーブル410はその原点位置(下端位置)にあり、且つ、XYθテーブル410の真空枠ベース458には第2のパレット318のみが吸着されていることになる。このため、次の基板Kを基板供給部200からこの真空枠ベース458に供給することができる。従って、ステップS1440に続いては、XYθテーブル条件が成立するとして、このXYθテーブル条件をオンして(ステップS1450)本ルーチンを一旦終了し、上記処理を繰り返す。
【0147】よって、基板露光部300では、パレット循環に関する上記した処理(パレット318の搬入,受け渡し等)が一旦完了すれば、次のパレット318(第1のパレット318)についてのパレット循環を実行できるとして、ステップS1400からの処理が繰り返される。換言すれば、既述したように、基板Kが露光されている間にも、次のパレット318についてパレット循環が行なわれる。しかも、基板Kの露光処理に要する時間はパレット循環処理に要する時間より長いので、基板Kの露光処理の間に、次の基板Kに用いるパレットについてのパレット循環は終了する。なお、ステップS1450においてオンされたXYθテーブル条件は、所定のタイミング、例えば次のパレット318の真空枠ベース458への受け渡しが完了した時点でオフとされる。
【0148】以上説明したように本実施例の露光装置100は、所定枚数の基板を基板露光部300に搬送するに当たり、最初の基板の搬送時には、各軸のセンタリングユニットを基板供給部200端部周辺の原点位置から基板供給部200中央のプリアライメント位置に向けて移動させ、最初の基板を各軸のセンタリングユニットの各ガイドピンにより基板供給部200中央のプリアライメント位置に位置決めする。その後、このプリアライメント位置から各軸のセンタリングユニットを僅かに退避させて待機させ、続く基板の搬送時には、各軸のセンタリングユニットをこの退避位置からプリアライメント位置まで移動させて基板を位置決めする。よって、2枚目からの基板については、その位置決めの際に基板が各ローラ列202等上で摺動して移動する距離が少なく、かつ移動に要する時間も短くなる。この結果、本実施例の露光装置100の基板供給部200によれば、基板に各ローラ列202等との摺動によるスリ傷が生じることを回避できるとともに、短時間のうちに基板のプリアライメントを行なうことができ生産性を向上させることができる。
【0149】本実施例の基板供給部200では、この基板供給部200に搬送された基板をプリアライメントするに当たり、X軸センタリングユニット230,254の駆動(前進)を停止するための基板検出センサ242をX軸ガイドピン212,214とともにX軸センタリングユニット230に、Y軸センタリングユニット260,280の駆動(前進)を停止するための基板検出センサ284をY軸ガイドピン224,226とともにY軸センタリングユニット280にそれぞれ設けた。よって、基板サイズがロットごとに多種多様であっても、ロットごとの最初の基板をその基板サイズに拘らず基板供給部200のプリアライメント位置に位置決めすることができるとともに、ロットごとの2枚目以降の基板のプリアライメント時には各軸のセンタリングユニットがこのプリアライメント位置から僅かに退避しておくに過ぎない。このため、本実施例の基板供給部200によれば、基板サイズに拘らず素早くプリアライメントでき、基板サイズに対する適応性を向上させることができる。
【0150】また、本実施例の基板供給部200では、この基板供給部200に搬送された基板を停止するための基板検出センサ258をX軸ガイドピン216,218とともにX軸センタリングユニット254に設けた。よって、基板サイズが多種多様であっても、X軸センタリングユニット254のX軸ガイドピン216,218に基板が搬送されれば確実に基板を停止することができる。このため、本実施例の基板供給部200は、基板サイズに対する適応性に優れる。
【0151】更に、本実施例の基板供給部200では、各軸のセンタリングユニットの各ガイドピンの先端に基板当たりローラ228を設け、このローラのテーパ面で基板を各ローラ列202等の搬送面から浮き上がらせることがなく、プリアライメントした基板が不用意に移動してしまうことを回避することができる。
【0152】加えて、本実施例の露光装置100では、上記した基板のプリアライメントや基板の搬送等といった露光前の準備工程を、基板露光と並行して行ない、且つ基板露光の間に終了させる。よって、本実施例の露光装置100によれば、基板露光の生産性を向上させることができる。
【0153】以上本発明の一実施例について説明したが、本発明はこの様な実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、本実施例では、2枚目以降の基板Kのプリアライメント時において、X軸センタリングユニット230,254およびY軸センタリングユニット260,280のそれぞれを退避位置からプリアライメント位置まで移動させるよう構成した場合について説明した。しかし、これに限るわけではなく、Y軸センタリングユニット260,280についてだけは、1枚目の基板Kのプリアライメント終了時にその原点位置まで退避させ2枚目以降の基板Kのプリアライメント時にはこの原点位置から移動するよう構成することもできる。或いは、このY軸センタリングユニット260,280については、1枚目の基板Kのプリアライメント終了時に原点位置とプリアライメント位置の中間位置に退避させ、2枚目以降の基板Kのプリアライメント時にはこの中間位置から移動するよう構成することもできる。このように構成すれば、基板供給部200に基板Kが蛇行して搬入されても、基板Kの蛇行に左右されず好適に基板Kをプリアライメントできる。
【0154】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の露光装置の搬送装置は、最初の基板の搬送時には、可動部材が初期位置から所定位置まで移動して基板を位置決めし、その後、この所定位置より僅かに退避した待機位置にて待機し、続く基板の搬送時に、可動部材が上記待機位置から所定位置まで移動して基板を位置決めする。よって、2枚目からの基板については、その位置決めの際の基板の移動距離が少なく、かつ移動に要する時間も短くなる。この結果、本発明の露光装置の搬送装置によれば、基板にパターン形成の際の不良の原因となるスリ傷が生じることを回避できるとともに、短時間のうちに基板の位置決めを行なうことができ生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例の露光装置100の概略平面図。
【図2】実施例の露光装置100における基板供給部200の概略斜視図。
【図3】基板供給部200の各軸のセンタリングユニットにおけるガイドピンの先端部を説明するための説明図。
【図4】図2におけるX軸ガイドピン212,214の手前を図中4−4線に沿って破断した概略断面図。
【図5】基板供給部200における各ローラ列202等を省略した基板供給部200の平面図。
【図6】図2におけるY軸ガイドピン220,222の手前を図中6−6線に沿って破断した概略断面図。
【図7】露光装置100全体の概略側面図。
【図8】露光枠体304における上部露光枠体306の概略斜視図。
【図9】パレット318の概略平面図。
【図10】図9における10−10線拡大断面図。
【図11】図9における11−11線拡大断面図。
【図12】図9における12−12線拡大断面図。
【図13】基板排出部600の上部の主要部の概略斜視図。
【図14】基板離脱ユニット651の中心をガイドシャフト654に交差する平面で切断した拡大断面図。
【図15】支持シャフト677およびその組み付け箇所周辺の拡大図。
【図16】基板供給搬送部700の概略斜視図。
【図17】基板排出搬送部800の概略斜視図。
【図18】ガイドシャフト816に沿ったパレット吸着搬送アーム810の断面図。
【図19】基板搬送ユニット802における両パレット吸着搬送アーム810の概略斜視図。
【図20】図17における20−20線方向からの基板排出搬送部800の矢視図。
【図21】露光装置100の電気的な構成を示すブロック図。
【図22】図21におけるセンサ群926を説明するための説明図。
【図23】図21における駆動機器群928を説明するための説明図。
【図24】露光装置100における制御のうち、基板供給準備ルーチンを示すフローチャート。
【図25】基板供給準備ルーチンにおける処理の詳細を示すフローチャート。
【図26】露光装置100における制御のうち、露光準備ルーチンを示すフローチャート。
【図27】露光装置100における制御のうち、露光ルーチンを示すフローチャート。
【図28】露光装置100における制御のうち、基板排出ルーチンを示すフローチャート。
【図29】露光装置100における制御のうち、パレット循環ルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
100…露光装置
102…装置フレーム
104,106…脚
110…リニアガイドレール
112…ストッパ
200…基板供給部
202,204,206…ローラ列
208…上部枠体
210…下部枠体
211…モータ
212,214,216,218…X軸ガイドピン
220,222,224,226…Y軸ガイドピン
228…基板当たりローラ
229…E型止め輪
230,254…X軸センタリングユニット
232…X軸ガイドシャフト
234…ブシュ
236…ユニットベース
238…プレート
240…上下動シャフト
242…基板検出センサ
244…ブシュ
246…シリンダ
248…タイミングベルト
250…連結金具
251…駆動側タイミングプーリ
252…従動側タイミングプーリ
253…パルスモータ
256…連結金具
258…基板検出センサ
260,280…Y軸センタリングユニット
262…Y軸ガイドシャフト
264…ブシュ
266…ユニットベース
268…プレート
270…タイミングベルト
272…連結金具
274…駆動側タイミングプーリ
276…従動側タイミングプーリ
277…パルスモータ
282…連結金具
284…基板検出センサ
285,287…原点センサ
286,288…前進端センサ
290…基板搬入センサ
300…基板露光部
302…光源
304…露光枠体
310…マスクプレート
312,314…CCDカメラ
318…パレット
330…ガイドシャフト
332…カメラ保持プレート
338…パルスモータ
400…基板保持ユニット
410…XYθテーブル
420…上下動機構
424…シリンダ
432…樹脂プレート
434…パレットシール材
435…基板吸引用凹部
436,437…吸着プレート
438…吸着座リング
450…基板吸着機構
458…真空枠ベース
464…パレット受けシリンダ
467…吸着ソケット
600…基板排出部
610…マスクプレートストッカー
630…基板搬出ローラ列
650…基板離脱機構
651,652…基板離脱ユニット
670…支持プレート
671…中間支持プレート
672…基板吸着中空体
675…エアー吸引管
677…支持シャフト
678…スプリング
684…底面板
685…吸着孔
700…基板供給搬送部
702…基板吸着ボード
703…基部
800…基板排出搬送部
802…基板搬送ユニット
810…パレット吸着搬送アーム
811…吸引孔
900…制御装置
910…PC(プログラマブルコントローラ)
912…画像処理装置
914…パネルコントローラ
K…基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】 原板に基板を密着させて露光する露光手段に、搬送ラインから搬送された基板を所定位置に位置決めしてから該基板を搬送する露光装置の搬送装置において、上記搬送ラインから基板が搬送される位置決め台と、この位置決め台に搬送された基板を該位置決め台上で移動させるとともに、上記所定位置から離間した初期位置から上記所定位置までの移動範囲を有する可動部材と、この可動部材を駆動する駆動手段と、最初の基板の搬送時に、駆動手段に対して、可動部材を上記初期位置から上記所定位置まで駆動指令する第1制御部と、上記基板が露光手段に搬送された後に、駆動手段に対して、上記初期位置と上記所定位置との間の待機位置で待機する指令を出力し、続く基板の搬送時に、上記待機位置から上記所定位置まで駆動指令する第2制御部と、を有する制御手段と、を備えたことを特徴とする露光装置の搬送装置。

【図1】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図6】
image rotate


【図2】
image rotate


【図5】
image rotate


【図9】
image rotate


【図10】
image rotate


【図11】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図12】
image rotate


【図13】
image rotate


【図14】
image rotate


【図15】
image rotate


【図16】
image rotate


【図18】
image rotate


【図17】
image rotate


【図19】
image rotate


【図20】
image rotate


【図24】
image rotate


【図28】
image rotate


【図21】
image rotate


【図22】
image rotate


【図23】
image rotate


【図25】
image rotate


【図26】
image rotate


【図27】
image rotate


【図29】
image rotate


【公開番号】特開平6−348025
【公開日】平成6年(1994)12月22日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−158021
【出願日】平成5年(1993)6月3日
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)