説明

面状採暖具

【課題】発泡押圧成形金型を使用しないで面状採暖具の生産を可能とし、しかもクッション性および耐久強度に優れた面状採暖具を提供することを目的とする。
【解決手段】表面材200と、金属シート411の上下両面に樹脂を含む接着剤412をコーティングした均熱シート410の下面にヒータ線420が配設された面状のヒータユニット400の下面側に設けられた断熱シート500の下面側に設けられた裏面材600を備え、断熱シート500は発泡シート501の上下両面に不織布502,503が接着されたものである。
これにより、発泡押圧成形金型を使用しないで面状採暖具の生産を可能とし、しかもクッション性および耐久強度に優れた面状採暖具を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気ヒータを発熱源とした面状採暖具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の面状採暖具の製造方法は、裏材の上にウレタン発泡材を塗布し、その上に基材にヒータ線を配設したヒータユニットと表材を積層し、これらを金型内で押圧成型している。このときウレタン発泡材が発泡し、発泡圧によりヒータユニットの基材から表材側にウレタン発泡材が滲み出し表材に付着することにより、裏材とヒータユニットと表材を一体に貼合している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図11は、特許文献1に記載された従来の面状採暖具を示すもので、(a)は面状採暖具の作成順序を示す斜視図を示し、(b)は作成順序の側面図を示し、(c)成型後の面状採暖具の断面図を示すものである。(a)に示すように、表材1と、ヒータ基材3aにヒータ線3bを配設したヒータユニット3と、ウレタン発泡材4を表面に塗布した裏材5を用意し、(b)に示すようにそれらを積層して金型内に配置し、金型内で押圧成型することにより、(c)に示す面状採暖具が成型されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−041480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の面状採暖具では、製造時に押圧成型の加工を行うために金型を準備することが必須であり、しかもその金型は面状採暖具の形状およびサイズ毎に準備する必要があり、特に床面に設置して使用する面状採暖具は多くのサイズを生産するのが一般的であり、金型の製作に要する費用が多くなるとともに、異なる形状やサイズの面状採暖具を生産する時に金型の交換が必要となるため生産効率を向上することが難しく、これらの観点からは未だ改善の余地があった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、発泡押圧成形金型を使用しないで面状採暖具の生産を可能とし、クッション性および耐久強度に優れた面状採暖具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の面状採暖具は、表面材と、
金属シートの上下両面に樹脂を含む接着剤をコーティングした均熱シートと、
前記均熱シートの下面にヒータ線が配設された面状のヒータユニットと、
前記ヒータユニットの下面側に設けられた断熱シートと、
前記断熱シートの下面側に設けられた裏面材と、
を備え、
前記断熱シートは発泡シートの上下両面に不織布が接着されてなることを特徴とするものである。
【0008】
これにより、表面材と、金属シートの上下両面に樹脂を含む接着剤をコーティングした均熱シートと、前記均熱シートの下面にヒータ線が配設された面状のヒータユニットと、発泡シートの上下両面に不織布が接着された断熱シート、裏面材を積層して接着すること
で製造でき、従来のように製造時に表材1と、ヒータ基材3aにヒータ線3bを配設したヒータユニット3と、ウレタン発泡材4を表面に塗布した裏材5を金型内に積層して、金型内でウレタン樹脂を発泡させて押圧成型するといった発泡押圧成形金型を使用しないで面状採暖具の生産ができる。
【0009】
この場合、前記表面材、前記ヒータユニット、前記断熱シート、の順に積層してこれらの積層体を電磁誘導加熱することで、接着樹脂を溶融するための熱は、面状採暖具の内部にある金属シートから発熱するため、接着樹脂を短時間に溶融することができるので、接着作業を短時間に実施できるとともに、面状採暖具の外部に無駄な放熱を抑制することができるので、製造工程の省エネルギー化を図ることができる。また、加工工程にウレタン樹脂を発泡させて面状採暖具を押圧成形するような発泡押圧成形金型を使用しないため、金型投資費用や設備投資費用の抑制と、設計の自由度を向上することができる。
【0010】
しかも、前記断熱シートは発泡シートの上下両面に不織布が接着されていることにより、発泡シートは上下両面の不織布およびのこの不織布の繊維の一部が、発泡シートに食い込んで強い接着力が得られるのみならず、発泡シートの両面側とも引き裂き強度が強化され、面状採暖具を折りたたんだりしても、一部が剥離したり裂けたりする不具合を防止でき、発泡シートによるクッション性および耐久強度の両方とも優れた面状採暖具を得ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の面状採暖具は、発泡押圧成形金型を使用しないで面状採暖具の生産を可能とし、クッション性および耐久強度に優れた面状採暖具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における面状採暖具の外形を示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態1における本体の組み立て前の状態を示す斜視図
【図3】本発明の実施の形態1における本体の完成状態を示す断面図
【図4】本発明の実施の形態1における本体の構成部材の詳細を示す断面図
【図5】本発明の実施の形態1におけるヒータ線の詳細を示す斜視図
【図6】本発明の実施の形態1における本体の準備工程を示す模式図
【図7】本発明の実施の形態1における本体の加熱工程と押圧工程を示す模式図
【図8】本発明の実施の形態1における本体の熱プレス工程を示す模式図
【図9】本発明の実施の形態1における本体の超音波溶着工程を示す模式図
【図10】本発明の実施の形態1における本体のトリミング工程を示す模式図
【図11】(a)は従来の面状採暖具の製造順序を示す斜視図、(b)は面状採暖具の製造順序を示す断面図、(c)は面状採暖具の完成状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は、表面材と、
金属シートの上下両面に樹脂を含む接着剤をコーティングした均熱シートと、
前記均熱シートの下面にヒータ線が配設された面状のヒータユニットと、
前記ヒータユニットの下面側に設けられた断熱シートと、
前記断熱シートの下面側に設けられた裏面材と、
を備え、
前記断熱シートは発泡シートの上下両面に不織布が接着されてなることを特徴とする面状採暖具である。
【0014】
これにより、表面材と、金属シートの上下両面に樹脂を含む接着剤をコーティングした均熱シートと、前記均熱シートの下面にヒータ線が配設された面状のヒータユニットと、
発泡シートの上下両面に不織布が接着された断熱シート、裏面材を積層して接着することで製造でき、従来のように製造時に表材1と、ヒータ基材3aにヒータ線3bを配設したヒータユニット3と、ウレタン発泡材4を表面に塗布した裏材5を金型内に積層して、金型内でウレタン樹脂を発泡させて押圧成型するといった金型を使用しないで面状採暖具の生産ができる。
【0015】
この場合、前記表面材、前記ヒータユニット、前記断熱シート、裏面材を積層した積層体を電磁誘導加熱することで、接着樹脂を溶融するための熱は、面状採暖具の内部にある金属シートから発熱するため、接着樹脂を短時間に溶融することができるので、接着作業を短時間に実施できるとともに、面状採暖具の外部への無駄な放熱を抑制することができるので、製造工程の省エネルギー化を図ることができる。
【0016】
また、加工工程にウレタン樹脂を発泡させて面状採暖具を押圧成形するような金型を使用しないため、金型投資費用や設備投資費用の抑制と、設計の自由度を向上することができる。
【0017】
しかも、前記断熱シートは発泡シートの上下両面に不織布が接着されていることにより、発泡シートは上下両面の不織布およびのこの不織布の繊維の一部が、発泡シートに食い込み強い接着力が得られるのみならず、発泡シートの両面側とも引き裂き強度が強化され、面状採暖具を折りたたんだりしても、一部が剥離したり裂けたりする不具合を防止でき、発泡シートによるクッション性および耐久強度の両方とも優れた面状採暖具を得ることができる。
【0018】
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記表面材は、表面シートと前記ヒータユニットとの間に硬さの異なる2層の繊維層を有し、前記表面シート側が硬い層で前記ヒータユニット側が柔らかい層を配してもよい。
【0019】
これにより、均熱シートの下面にヒータ線が配設された面状のヒータユニットに凹凸があっても、前記表面シート側の硬い繊維層が柔らかい繊維層および表面シートへの前記ヒータユニットの凹凸感の伝達を阻止するように作用し、人が面状採暖具に座るなどして使用するとき、違和感がなく滑らかで心地よい使用感を得ることができる。
【0020】
第3の発明は、特に、第1の発明において、前記表面材は、表面シートと前記ヒータユニットとの間に、不織布と不織布との間に接着層を有する2層構造の不織布を配してもよい。
【0021】
これにより、均熱シートの下面にヒータ線が配設された面状のヒータユニットに凹凸があっても、前記不織布と不織布との間に接着層を有する2層構造の不織布が表面シートへの前記ヒータユニットの凹凸感の伝達を阻止するように作用し、人が面状採暖具に座るなどして使用するとき、違和感がなく滑らかで心地よい使用感を得ることができる。つまり、不織布と不織布との間にやや硬い接着層が形成され、接着層を挟んで両側に柔らかい不織布が2重に存在するため、表面シートへの前記ヒータユニットの凹凸感の伝達が緩和阻止される。しかも、前記ヒータユニットの金属シートにコーティングされている接着剤に2層構造の片方の不織布が馴染み、表面シートとヒータユニットとの強い接着を得ることができる。
【0022】
第4の発明は、特に、第1の発明において、前記断熱シートは、前記発泡シートの両面に不織布が接着され、前記ヒータユニット側の不織布は前記裏面材側の不織布より厚みを厚く構成してもよい。
【0023】
これにより、前記ヒータユニットのヒータに直径が3mm程度あるようなコード状のヒータ線を使用した場合においても、裏面材側の不織布より厚く構成されたヒータユニット側の不織布にコード状のヒータ線が埋まり込むようにすることができるため、人が面状採暖具に座るなどして使用するとき、人がヒータ線による凹凸を感じにくくすることができ、より違和感がなく滑らかで心地よい使用感を得ることができる。
【0024】
第5の発明は、特に、第1の発明において、前記ヒータユニット側の不織布は、ポリエステル樹脂96%ポリプロピレン樹脂4%目付180g/mとし、前記裏面材側の不織布は、ポリエステル樹脂95%ポリプロピレン樹脂5%目付100g/mとすることにより、費用対効果の面で最も良好な接着ができる。
【0025】
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明において、前記表面材、前記ヒータユニット、前記断熱シートを積層した積層体を電磁誘導加熱することにより、前記ヒータユニットの前記金属シートを発熱させて前記接着剤を溶融させ、押圧手段により前記積層体を押圧することにより、前記表面材と前記ヒータユニットと前記断熱シートとが接着されてなるものである。
【0026】
これにより、電磁誘導加熱装置と押圧手段を別の設備として構成することが可能となるため、設備の製作およびメンテナンスが容易になるとともに、製造工程を流れ作業として構築することが可能となり生産効率を向上することができる。また、従来の金型内で押圧成形する面状採暖具と異なり、面状採暖具の全面を金型で覆う必要がなく、電磁誘導加熱装置および押圧手段は一部から加熱および押圧を開始し全域まで順次行うことができるので、電磁誘導加熱装置および押圧手段は小型の設備で対応することが可能となるため、生産設備に費やす費用を削減できるとともに、異なる形状およびサイズの面状採暖具の製造を同一の設備で実施することが可能となる。
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における面状採暖具の完成状態を示す斜視図であり、図2は面状採暖具の本体の組み立て前の状態を示す斜視図であり、図3は面状採暖具の本体の完成状態を示す断面図であり、図4は本体を構成する部材の詳細な構成を示す断面図である。
【0029】
<面状採暖具の構成>
図1に示すように、面状採暖具は複数のシート状の部材で構成した本体100の一端に制御部101を配設し、制御部に接続した電源コード102で電力を供給することにより本体100を加熱し、住宅の床面に設置して使用する採暖具である。
【0030】
図2に示すように、面状採暖具の本体100は、表面材200と接着シート300とヒータユニット400と断熱シート500と裏面材600を主な構成部材とし、図2に示すようにそれらを順次積層し、それらの部材を接着加工し、周辺部を圧縮密閉することにより図3に示すような断面形状に形成されている。なお、接着シート300は後述する理由により必ずしも必要ではない。
【0031】
図4に示すように、表面材200は、面状採暖具の本体100における最表面の部材であり、機械的な強度はもちろん意匠性や耐汚染性や触感等の必要な性能を備えたものであり、塩化ビニール樹脂(以下PVCと表記)を主成分とし、着色および柄付けした表面シート201の裏面にポリエステルの不織布202と不織布203との間に接着層204を
有する2層構造の不織布を接着してシート状をなしている。
【0032】
接着シート300は、ポリエチレン樹脂をシート状に成形したものであり、常温においては柔軟なシート状をなしており、約97℃以上で溶融して接着剤としての機能を発揮する。
【0033】
ヒータユニット400は、面状採暖具の発熱源であり、アルミニウムを主成分とする均熱シート410の片面にヒータ線420を蛇行形状に配設したものである。
【0034】
均熱シート410は、ヒータ線420で発熱した熱を本体100全面に均一に拡散する目的の部材であり、熱伝導率が高い金属シートであるアルミニウムを主成分とする厚さ約0.01mmのアルミシート411を基材とし、その両面にポリエチレン樹脂からなる接着樹脂412をコーティングして形成したものであり、ポリエチレン樹脂からなる接着樹脂412を約97℃以上に加熱することにより溶融して接着剤としての機能を発揮する。このように金属シートであるアルミシート411の上下両面にポリエチレン樹脂からなる接着樹脂412をコーティングしてあることにより、前記の接着シート300は必ずしも必要とはせず、接着シート300を省いても表面材200とヒータユニット400との接着に特に支障はない。
【0035】
ヒータ線420は図5に示すように、中心のガラス繊維421の周囲に温度を検知する検知線422を螺旋状に巻回し、その外周にナイロン樹脂で絶縁層423を形成し、絶縁層423の外周に発熱線424を螺旋状に巻回し、その外周にPVCの絶縁層425を形成し、絶縁層425の外周にポリエチレン樹脂による接着層426を形成したものである。
【0036】
図2に示すように、ヒータユニット400は、ヒータ線420の始端を均熱シート410の1つの角部に配置し、均熱シート410の全域をカバーするように蛇行形状に配設し、終端を始端の近傍に配置している。図2のようにヒータ線420配置した状態で熱を加えることにより、ヒータ線420の接着層426が溶融し、均熱シート410に接着固定されたものである。
【0037】
断熱シート500は、ヒータユニット400で発熱した熱が床面に無駄に伝達され放熱されることを抑制する目的で設けたものであり、断熱性の高いシート状の発泡ウレタン樹脂である発泡シート501の上下両面にポリエステル樹脂の不織布502,503を接着したものである。
【0038】
この発泡シート501の上面すなわちヒータユニット400側の不織布502は、ポリエステル樹脂96%ポリプロピレン樹脂4%目付180g/mで、発泡シート501の下面すなわち裏面材600側の不織布503のポリエステル樹脂95%ポリプロピレン樹脂5%目付100g/mより、厚みを厚く構成してある。
【0039】
裏面材600は、面状採暖具の本体100のうち直接床面に接触する部材であり、機械的強度はもちろんクッション性や滑りにくさ等の性能を備えており、弾性を備えたオレフィン系エラストマー(以下TPOと表記)の裏面シート601の上面にポリエチレン樹脂の接着層602をコーティングしたものである。なお、このポリエチレン樹脂の接着層602のコーティングの代わりに接着シート300を用いてもよい。
【0040】
本実施の形態における面状採暖具は、上記各構成部材を組み立て形成した本体100の角部に制御部101を設置し、ヒータユニット400の発熱線424の始端と終端を制御部101に接続することにより、面状採暖具の発熱機能を発揮させることができるもので
ある。
【0041】
<本体の製造工程>
図6は本体の製造過程における準備工程の断面を示す模式図であり、図7は本体の加熱工程と押圧工程の断面を示す模式図であり、図8は裏面材の接着と本体周辺部の成形を行う熱プレス工程の断面を示す模式図であり、図9は本体周辺部の溶着を行う超音波溶着工程の断面を示す模式図であり、図10は本体周辺部の不要な部分を切断するトリミング工程の断面を示す模式図である。
【0042】
図6に示すように、準備工程においては、水平なプラットホーム710上に裏面材600の接着層602を上にして配置し、その上に断熱シート500を積み重ね、その上にヒータユニット400のヒータ線420が下側になるように積み重ね、その上に接着シート300を積み重ね、その上に表面材200の不織布202が下側になるように積み重ねる。
【0043】
この工程においては図4に示すように、ヒータユニット400は他の部材より外形寸法が小さいので、断熱シート500の中央に配置することが重要である。準備工程で積層した本体100の部材は、次に加熱工程に送られる。
【0044】
図7に示すように、加熱工程の加工設備としては、本体100を載置して、矢印Aで示すように水平方向に移動させる搬送手段720と、本体100の幅より大きい加熱コイルを備えた電磁誘導加熱装置721が価値のある役目をする。
【0045】
準備工程で積層された本体100は搬送手段720で矢印Aで示す水平方向に移動させながら、上方に配置した電磁誘導加熱装置721の加熱コイル722から磁力線を発生させると、ヒータユニット400のアルミシート411内に渦電流が発生し、渦電流とアルミシート411の抵抗によりアルミシート411自体が発熱昇温する。アルミシート411から発生した熱によりアルミシート411の両面にコーティングしたポリエチレン樹脂からなる接着樹脂412と、ヒータユニット400の上に密着して積層した接着シート300が溶融する。ポリエチレン樹脂からなる接着樹脂412と接着シート300は数秒間で溶融するため、本体100を搬送手段720で所定の速度で移動さながら電磁誘導加熱装置721を作動することにより連続的に本体100全面に亘り溶融することができる。
【0046】
なお、前述したように接着シート300を使用しない場合は、金属シートであるアルミシート411にコーティングされている接着樹脂412が接着シート300に代わって同様の接着作用をするので、接着シート300を省いても支障はない。この接着シート300を使用することで、いわゆる接着剤(接着樹脂)の量をコーティングの場合よりも多くできるため、表面材200の不織布202の種類によって、より接着剤を多くしないと必要な接着強度が得られない場合に効果がある。
【0047】
表面材200、ヒータユニット400、断熱シート500、裏面材600を積層してこれらの積層体を電磁誘導加熱するとき、電磁誘導加熱装置721の加熱コイル722とアルミシート411との距離を一定に保つことが重要であり、積層した本体100を軽く押圧し所定の厚みに維持しながら移動させる。
【0048】
また、ヒータユニット400はヒータ線420を下側になるように配置する。アルミシート411が電磁誘導加熱装置721の加熱コイル722に対抗するように配置したことにより、加熱コイル722とアルミシート411との距離が一定に保ちやすく、アルミシート411全面を均一に発熱させることができる。
【0049】
また、電磁誘導加熱装置721の加熱コイル722とヒータ線420をアルミシート411を介して配置することにより、ヒータ線420自体の発熱を抑制することができ温度ムラを抑制することができるので安定した加熱作用を得ることができる。
【0050】
押圧工程は、図7に示すように、加熱工程と連続して一体的に行う工程であり、この工程に必要な設備は本体100を連続的に押圧することが可能な設備であり、本実施の形態においては図7に示すように、上下ローラをともに矢印Bの方向に回転駆動し、矢印Cで示すように上方より押圧する押圧ローラ730を採用した。
【0051】
押圧ローラ730の駆動速度は加熱工程の加熱時間に連動することが必須であり、加熱工程により溶融した樹脂をできるだけ短時間に押圧できるように、加熱コイル722と近接して配置することが重要であり、本実施の形態では加熱工程の設備と押圧工程の設備を一体で構成している。押圧工程で押圧することにより、表面材200とヒータユニット400と断熱シート500がポリエチレン樹脂からなる接着樹脂412と接着シート300を介して接着される。
【0052】
次の熱プレス工程は、2つの異なる作業を同時に行う工程であり、図8に示すように、この工程に必要な設備は熱プレス740であり、熱プレス740の下型741には本体100全面をカバーする熱板742を配置し、上型745には本体100の周辺部を段押成型する熱板746を備えている。
【0053】
この工程は、裏面材600の接着と本体100の周辺部の段押成型を行うものであり、下型741に配置した熱板742により裏面材600を加熱し、裏面材600の裏面シート601の上面にコーティングした接着層602を溶融し、熱プレスで押圧することにより、裏面材600と断熱シート500を接着する。また、上型745に備えた熱板746により本体100の周辺部を加熱しながら押圧することにより、周辺の厚さを薄くするように段押成型する。段押部の内方に局面が成型されるように熱板746の端部は局面747に形成されている。
【0054】
次の超音波溶着工程は、熱プレス工程で段押成型した本体100の周辺部を溶着する工程であり、図9に示すように、この工程で使用する設備は本体100の周辺部に沿って移動するホーン751を備えた超音波溶着機750である。
【0055】
ヒータユニット400は他の部材より外形寸法を小さく形成されているため、本体100の周辺部は全て熱可塑性の樹脂材料で形成された表面材200と接着シート300と断熱シート500と裏面材600とで構成されている。それらが前工程の熱プレス工程の段押成型により薄く成型されており、段押部に超音波を加えることにより各部材の接合部が発熱溶融して確実に溶着することができる。超音波を加えるホーン751は段押部を移動しながら順次溶着を行う。
【0056】
最後のトリミング工程は、本体100の周辺部の不要な部分を切り落として整形する仕上げ工程であり、図10に示すように、この工程で使用する設備は本体100の両側の幅方向を同時に切断する2個の円盤状のカッター760と長さ方向を移動させながら切断する1個のカッター760である。
【0057】
超音波溶着を行った段押部の不要部分を幅方向と長さ方向に円盤状のカッター760を移動させながら切り落とし、本体100を所定の寸法に仕上げる。
【0058】
以上のように、本実施の形態のおける面状採暖具は、本体の製造工程において、電磁誘導加熱装置721によりヒータユニット400の部材であるアルミシート411自体を発
熱させることにより、樹脂の溶融に必要な熱を、樹脂に直接接触しているアルミシート411から発熱させる点であり、発熱源であるアルミシート411を中央にして表面材200と断熱シート500および裏面材600で挟み込むことにより、外部への無駄な放熱を抑制することができるため、外部から熱を加える加熱方法に比較して格段に少ない熱量で樹脂を溶融することができ、加熱に要する電力が少なく、高い省エネルギーの効果を得ることができる。
【0059】
しかも、本体100の内部から発熱させることにより、本体100の表面部の温度が上昇することがないため、表面部に使用する材料、例えば表面材200は耐熱温度の低いものを使用することが可能である。
【0060】
また、アルミシート411は、本来面状採暖具の使用時にヒータ線420で発熱した熱を本体100全面に均一に拡散する目的で設けた必須の構成部材であり、本来の機能に加えて製造工程でも活用したものであり、製造上のコストや工数の点で非常に大きい効果を得ることができるものである。
【0061】
また、発熱源であるアルミシート411が溶融する樹脂に直接接触しているため、秒単位の短時間に加熱ができるため、本体100全面を同時に加熱する必要がなく、移動させながら部分的に、加熱、溶融、接着の工程を流れ作業として実施することが可能となる。しかも、部分的に加熱を行うため、加熱に使用する電磁誘導加熱装置721は小容量の小型の物でよく、設備費用を低減することができるとともに、加工時の最大電気容量を低くすることができる。
【0062】
また、電磁誘導加熱を使用した製造方法においては、従来本体のサイズ毎に必要であった金型が不要であり、しかも電磁誘導加熱装置の本体の最大のサイズに対応する加熱コイル722を準備しておけば、発熱源であるアルミシート411の範囲のみで発熱するため、加熱コイル722より小さい本体100であれば同一の設備で加熱することが可能であり、本体100のサイズに合わせて加熱工程の設備を準備する必要がなくこの点でも設備費用を低減することができる。
【0063】
なお、本実施の形態においては、電磁誘導加熱装置721の加熱コイル722の加熱面の長手方向の長さは、本体100の一辺の幅より大きい。そして、本体100全面を包含するものではなく、一部を加熱するものである。このように、本体100に対して加熱面がその一部になるような大きさの物とし、これを順次ローラにて送りながら全体を加熱する構成を採用したが、加熱コイルの形状および寸法はこれに限るものではなく、例えば本体100の幅および長さより小さい寸法の物を準備し、本体100のいずれかの角部から順次掃引しながら全面に渡るようにしてもよい。さらに、加熱工程と同時に押圧工程を実施するようにしてもよい。この方法の場合、押圧工程はプレスにより押圧するのが好適である。この加工方法を採用した場合、電磁誘導加熱装置を小容量のもので対応可能となり、設備投資を抑制することができる。
【0064】
また、本実施の形態においては、加熱工程および押圧工程においては、本体100を移動させながら加工を行ったが、これに限るものではなく、本体100を定位置に固定して、電磁誘導加熱装置および押圧ローラを移動させてもよい。
【0065】
また、本実施の形態においては、図7に示すように、加熱工程においては、ヒータユニット400はヒータ線420の配設方向と搬送手段720の搬送方向である矢印Aとが直交する方向に配置しているが、ヒータ線420自体の発熱による温度ムラが大きく発生する場合は、ヒータ線420の配設方向を矢印Aと一致する方向に配置して加熱工程を実施することにより、ヒータ線420には相互に逆方向の電流を発生させることでヒータ線4
20自体の発熱を抑制することができる、温度ムラを抑制することが可能である。
【0066】
また、本実施の形態においては、均熱シート410の基材としてアルミシートを使用したが、これに限るものではなく、銅やステンレス等の他の金属であってもよい。
【0067】
また、本実施の形態においては、電磁誘導加熱による接着は表面材200とヒータユニット400と断熱シート500の接着のみに採用したが、これに限るものではなく、断熱シート500と裏面材600との接着にも採用することも可能である。その場合、断熱シート500と裏面材600の間に均熱シート410と同様な構成の部材を挟みこむことが必要であり、加熱設備として、下側に別途電磁誘導加熱装置を準備すれば同一の工程内で実施することが可能である。
【0068】
また、本実施の形態においては、ヒータ線420の均熱シートへの貼付けは均熱シートを得る第1工程において、同時に行ってもよい。また、積層体を設ける第3工程にて同時に行うようにしてもよい。これにより、さらに効率のよい製造工程にすることができる。
【0069】
また、本実施の形態における面状採暖具は、表面材200と、金属シート411の上下両面に樹脂を含む接着剤412をコーティングした均熱シート410と、均熱シート410の下面にヒータ線420が配設された面状のヒータユニット400と、ヒータユニット400の下面側に設けられた断熱シート500と、断熱シート500の下面側に設けられた裏面材600と、を備え、断熱シート500は発泡シート501の上下両面に不織布502,503が接着されたものである。
【0070】
これにより、表面材200と、金属シート411の上下両面に樹脂を含む接着剤412をコーティングした均熱シート410と、均熱シート410の下面にヒータ線420が配設された面状のヒータユニット400と、発泡シート501の上下両面に不織布502,503が接着された断熱シート500、裏面材600を積層して接着することで製造でき、従来のように製造時に表材1と、ヒータ基材3aにヒータ線3bを配設したヒータユニット3と、ウレタン発泡材4を表面に塗布した裏材5を金型内に積層して、金型内でウレタン樹脂を発泡させて押圧成型するといった金型を使用しないで面状採暖具の生産ができる。
【0071】
この場合、表面材200、ヒータユニット400、断熱シート500を積層した積層体を電磁誘導加熱することで、接着樹脂412を溶融するための熱は、面状採暖具の内部にある金属シート411から発熱するため、接着樹脂412を短時間に溶融することができるので、接着作業を短時間に実施できるとともに、面状採暖具の外部への無駄な放熱を抑制することができるので、製造工程の省エネルギー化を図ることができる。
【0072】
また、加工工程にウレタン樹脂を発泡させて面状採暖具を押圧成形するような金型を使用しないため、金型投資費用や設備投資費用の抑制と、設計の自由度を向上することができる。
【0073】
しかも、断熱シート500は発泡シート501の上下両面に不織布が接着されていることにより、発泡シート501は上下両面の不織布502,503およびのこの不織布502,503の繊維の一部が、発泡シート501に食い込み強い接着力が得られるのみならず、発泡シート501の両面側とも引き裂き強度が強化され、面状採暖具を折りたたんだりしても、一部が剥離したり裂けたりする不具合を防止でき、発泡シート501によるクッション性および耐久強度の両方とも優れた面状採暖具を得ることができる。
【0074】
なお、断熱シート500の発泡シート501は、耐熱性、クッション性、強度、接着性
等で適するものであればポリウレタンフォームの発泡シートに限定はされない。たとえば、架橋発泡ポリエチレンシート等もよい。また、不織布502,503も、ホリエステル樹脂の繊維に限定されるものではない。たとえば、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維等もよい。
【0075】
また、本実施の形態において、表面材200は、表面シート201とヒータユニット400との間に、不織布202と不織布203との間に接着層204を有する2層構造の不織布を配したことにより、均熱シート410の下面にヒータ線420が配設された面状のヒータユニット400に凹凸があっても、不織布202と不織布203との間に接着層204を有する2層構造の不織布202,203が表面シート201へのヒータユニット400の凹凸感の伝達を阻止するように作用し、人が面状採暖具の本体100に座るなどして使用するとき、違和感がなく滑らかで心地よい使用感を得ることができる。
【0076】
つまり、不織布202と不織布203との間にやや硬い接着層204が形成され、接着層204を挟んで両側に柔らかい不織布202,203が2重に存在するため、表面シート201へのヒータユニット400の凹凸感の伝達が緩和阻止される。しかも、ヒータユニット400のアルミシート411にコーティングされている接着剤412に2層構造の片方の不織布202が馴染み、表面材200とヒータユニット400との強い接着を得ることができる。
【0077】
また、本実施の形態の不織布202,203において、表面シート201側の不織布203にTPO樹脂をラミネートした硬い層に形成し、ヒータユニット400側の不織布202は樹脂ラミネートなどしない柔らかいままの層とすることにより、均熱シート410の下面にヒータ線420が配設された面状のヒータユニット400に凹凸があっても、不織布202と不織布203との間に接着層204を有する2層構造の不織布202,203が表面シート201へのヒータユニット400の凹凸感の伝達をより阻止するようにすることができる。
【0078】
つまり、表面材200は、表面シート201とヒータユニット400との間に硬さの異なる2層の繊維層を有し、表面シート201側が硬い層で、ヒータユニット400側が柔らかい層とすることにより、均熱シート410の下面にヒータ線420が配設された面状のヒータユニット400に凹凸があっても、不織布202と不織布203との間に接着層204を有する2層構造の不織布202,203が表面シート201へのヒータユニット400の凹凸感の伝達をより阻止するように作用し、人が面状採暖具の本体100に座るなどして使用するとき、より違和感がなく滑らかで心地よい使用感を得ることができる。
【0079】
また、本実施の形態において、断熱シート500は、発泡シート501の両面に不織布502,503が接着され、ヒータユニット400側の不織布502は裏面材600側の不織布503より厚みを厚く構成したことにより、ヒータユニット400のヒータとして直径が3mm程度あるようなコード状のヒータ線420を使用した場合においても、裏面材600側の不織布503より厚く構成されたヒータユニット400側の不織布502にコード状のヒータ線420が埋まり込むようにすることができるため、人が面状採暖具の本体100に座るなどして使用するとき、人がヒータ線420による凹凸を感じにくくすることができ、より違和感がなく滑らかで心地よい使用感を得ることができる。
【0080】
しかも断熱シート500は、発泡シート501の両面に不織布502,503が接着されていることにより、発泡シート501は上下両面の不織布502,503およびのこの不織布502,503の繊維の一部が、発泡シート501に食い込み強い接着力が得られるのみならず、発泡シート501の両面側とも引き裂き強度が強化され、面状採暖具を折りたたんだりしても、一部が剥離したり裂けたりする不具合を防止でき、発泡シート50
1によるクッション性および耐久強度の両方とも優れた面状採暖具を得ることができる。
【0081】
また、ヒータユニット400側の不織布502は、ポリエステル樹脂96%ポリプロピレン樹脂4%目付180g/mとし、裏面材600側の不織布503は、ポリエステル樹脂95%ポリプロピレン樹脂5%目付100g/mとすることにより、費用対効果の面で最も良好な接着ができる。
【0082】
また、本実施の形態において、表面材200、ヒータユニット400、断熱シート500を順に積層し、これら積層体を電磁誘導加熱することにより、ヒータユニット400のアルミシート411を発熱させて接着剤412を溶融させ、押圧手段730により前記積層体を押圧することにより、表面材200とヒータユニット400と断熱シート500とが接着される構成としたことにより、電磁誘導加熱装置721と押圧手段730を別の設備として構成することが可能となるため、設備の製作およびメンテナンスが容易になるとともに、製造工程を流れ作業として構築することが可能となり生産効率を向上することができる。また、従来の金型内で押圧成形する面状採暖具と異なり、面状採暖具の全面を金型で覆う必要がなく、電磁誘導加熱装置721および押圧手段730は一部から加熱および押圧を開始し全域まで順次行うことができるので、電磁誘導加熱装置721および押圧手段730は小型の設備で対応することが可能となるため、生産設備に費やす費用を削減できるとともに、異なる形状およびサイズの面状採暖具の製造を同一の設備で実施することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明にかかる面状採暖具は、発泡押圧金型を使用しないで内蔵する金属製の均熱シートを発熱させて熱樹脂を溶融して接着することが可能であり、クッション性および耐久強度に優れたものが得られるので、台所や居間などの床上に置いて使う床暖房装置や、いわゆる電気カーペットなどに適用できる。
【符号の説明】
【0084】
200 表面材
201 表面シート
202 不織布
203 不織布
204 接着層
400 ヒータユニット
410 均熱シート
411 金属シート(アルミシート)
412 接着樹脂(接着剤)
420 ヒータ線
500 断熱シート
501 発泡シート(発泡ウレタン樹脂)
502 不織布
503 不織布
721 電磁誘導加熱装置
730 押圧ローラ(押圧手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面材と、
金属シートの上下両面に樹脂を含む接着剤をコーティングした均熱シートと、
前記均熱シートの下面にヒータ線が配設された面状のヒータユニットと、
前記ヒータユニットの下面側に設けられた断熱シートと、
前記断熱シートの下面側に設けられた裏面材と、
を備え、
前記断熱シートは発泡シートの上下両面に不織布が接着されてなることを特徴とする面状採暖具。
【請求項2】
前記表面材は、表面シートと前記ヒータユニットとの間に硬さの異なる二層の繊維層を有し、前記表面シート側が硬い層で前記ヒータユニット側が柔らかい層を配してなる、
請求項1に記載の面状採暖具。
【請求項3】
前記表面材は、表面シートと前記ヒータユニットとの間に、不織布と不織布との間に接着層を有する2層構造の不織布を配してなる、
請求項1に記載の面状採暖具。
【請求項4】
前記断熱シートは、前記発泡シートの両面に不織布が接着され、前記ヒータユニット側の不織布は前記裏面材側の不織布より厚みを厚く構成してなる、
請求項1に記載の面状採暖具。
【請求項5】
前記ヒータユニット側の不織布は、ポリエステル樹脂96%ポリプロピレン樹脂4%目付180g/mとし、前記裏面材側の不織布は、ポリエステル樹脂95%ポリプロピレン樹脂5%目付100g/mとした、
請求項4に記載の面状採暖具。
【請求項6】
前記表面材、前記ヒータユニット、前記断熱シートを順に積層した積層体を電磁誘導加熱することにより、前記ヒータユニットの前記金属シートを発熱させて前記接着剤を溶融させ、押圧手段により前記積層体を押圧することにより、前記表面材と前記ヒータユニットと前記断熱シートとが接着されてなる、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の面状採暖具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−119167(P2012−119167A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267984(P2010−267984)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】